以下に、本発明に係る電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係る電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態の1つを図1から図16に基づいて説明する。
図1から図3の符号1は、本実施形態の電気接続箱を示す。また、図1の符号WHは、その電気接続箱1を備えたワイヤハーネスを示す。
本実施形態の電気接続箱1とは、電源(図示略)や負荷(図示略)、センサ(図示略)等の接続対象物に対して電気的に接続される様々な電子部品90が収容されるものである。その電子部品90とは、例えば、リレー、ヒューズ等の回路保護部品、コネクタなどのことである。また、本実施形態では、プリント基板、電子制御ユニット(いわゆるECU)等の電子機器についても、電気接続箱1に収容される電子部品90とする。収容されている電子部品90には、該当する電線(電力供給線や信号線等)Weが電気的に接続されている。電気接続箱1においては、その電線Weが外部に引き出されている。この電気接続箱1は、その電線We等と共にワイヤハーネスWHを成す。ワイヤハーネスWHは、例えば、車両に配設され、電源(二次電池)側や負荷としての電気機器(アクチュエータ等)側などに電線Weを介して繋がれる。ここでは、その電子部品90として電子制御ユニット90Aを例に挙げて説明する。
電気接続箱1は、電子部品90が少なくとも収容され、その電子部品90に対して電気的に接続された電線Weが外部に引き出される筐体10を備える。筐体10は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形されたものであり、電子部品90が収容される空間を少なくとも1つ有している。筐体10においては、その空間そのものが電子部品90の収容室11として設けられたり、その空間に少なくとも1つの収容室11が設けられたりする。また、収容室11は、1つの電子部品90が収容されるものとして形成される場合もあれば、複数の電子部品90が収容されるものとして形成される場合もある。この例示の筐体10の収容室11としては、プリント基板等(図示略)の電子部品90が収容される内部の収容室11Aと、電子制御ユニット90Aが収容される凹み形状の収容室11Bと、が設けられている。
筐体10は、複数の筐体部材に分けられた分割構造になっており、それぞれの筐体部材を組み付けることで箱体として形成される。この筐体10は、その筐体部材として、収容部材20とカバー部材30(図2)とを少なくとも備える。本実施形態の筐体10は、その収容部材20とカバー部材30とで構成し、これらを組み付けることで方体状の箱体が形成されるものとして例示する。
収容部材20は、電子部品90が少なくとも収容されるものであり、その電子部品90の収容室11が形成されている。この例示の収容部材20においては、矩形の壁部20a(図3)を間に介在させて向かい合わせた空間であり、その壁部20aを共通の底部とする2つの方体状の凹み空間が形成されている。一方の凹み空間は、カバー部材30で覆われて収容室11Aを成す。他方の凹み空間は、そのものが収容室11Bとなる。
収容室11Bは、電子制御ユニット90Aが収容される空間であり、この電子制御ユニット90Aの筐体91の外観形状に合わせて形成する。このため、この収容室11Bは、方体状の筐体91の外観形状に合わせて、方体状の凹み空間として形成している。
この収容室11Bには、電子制御ユニット90Aを回動軸92(図4)の軸周りに回動させながら嵌合挿入させることによって収容する。その回動軸92は、収容室11Bと電子制御ユニット90Aの内の何れに設けてもよい。この例示では、電子制御ユニット90Aの筐体91の2箇所の隅部に、各々突出させた状態で2本の同心上の回動軸92を設けている。それぞれの回動軸92は、筐体91の4つの側壁の内の1つ(第1側壁91a)から突出させており、収容室11Bの溝部21(図3)に各々挿入され、それぞれの溝部21の中で回動自在に配置される。
電子制御ユニット90Aは、それぞれの回動軸92に対して、これらを繋ぐ軸線の交差方向(ここでは直交方向)に沿って離れた位置にコネクタ(以下、「相手方コネクタ」という。)93を備える(図5)。その位置とは、第1側壁91aと対向する筐体91の外壁部の1つとしての第2側壁91b側のことである。この例示の相手方コネクタ93は、収容完了後に収容部材20の壁部20aと対向する筐体91の壁部91cであって、この壁部91cの第2側壁91b側に設けている。
この電気接続箱1においては、その相手方コネクタ93に嵌合され、互いの電気接続部(例えば、端子)同士を物理的且つ電気的に接続させるコネクタ40が収容室11Bに配置されている(図3)。そのコネクタ40には、例えば、収容部材20の内方の収容室11Aで電線Weが物理的且つ電気的に接続されている。コネクタ40と相手方コネクタ93は、その内の一方が雌コネクタとして形成されると共に他方が雄コネクタとして形成されており、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの嵌合挿入と共に、その相互間で嵌合挿入される。
この電気接続箱1においては、電子制御ユニット90Aを収容室11Bに対する仮収容位置まで収容し(図6及び図7)、その仮収容位置から電子制御ユニット90Aを回動軸92の軸周りに回動させながら収容室11Bに嵌合挿入していく(図1及び図2)。仮収容位置とは、回動軸92が溝部21に挿入されており、かつ、例えばコネクタ40と相手方コネクタ93とが少なくとも相互間の嵌合挿入が始まる前に接触している位置のことである。
この電気接続箱1は、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの嵌合挿入作業(相手方コネクタ93のコネクタ40への嵌合挿入作業を含む)を補助するための嵌合構造50を備えている(図1から図3、図5から図7)。その嵌合構造50は、収容室11Bに対する仮収容位置まで収容された電子制御ユニット90Aを回動軸92の軸周りに回動させながら、電子制御ユニット90Aを収容室11Bに嵌合挿入させると共に相手方コネクタ93とコネクタ40とを嵌合挿入させるように構成する。このため、この嵌合構造50は、それぞれの嵌合挿入に際しての嵌合挿入力を電子制御ユニット90Aに作用させるように構成する。この嵌合構造50における電子制御ユニット90Aに対する嵌合挿入力の作用点は、例えば、その嵌合挿入力の作用方向に沿う作用線上に相手方コネクタ93が位置するように設ける。また、この嵌合挿入力の作用点は、その嵌合挿入力の作用方向に沿う作用線の交差方向で電子制御ユニット90Aの筐体91の外壁部を介して相手方コネクタ93が隣設されるように設けてもよい。
本実施形態の電気接続箱1は、このような嵌合構造50を設けることによって、相手方コネクタ93とコネクタ40との間の嵌合挿入位置又は当該嵌合挿入位置の近傍に嵌合挿入力を作用させることができる。そして、その嵌合構造50が無ければ例えば作業者毎に嵌合挿入力の作用方向がばらつく可能性があるが、この電気接続箱1では、その嵌合挿入力の作用方向を所望の方向に制限することができる。このため、この電気接続箱1は、電子制御ユニット90Aを設計通りの正規の嵌合挿入軌跡に沿って押し動かすことができるので、その嵌合挿入軌跡に対するずれを抑えた状態で電子制御ユニット90Aを収容室11Bに嵌合挿入させつつ、相手方コネクタ93とコネクタ40との間でもずれを抑えた嵌合挿入を行うことができる。従って、この電気接続箱1は、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの組付け作業性を向上させることができる。更に、この電気接続箱1は、収容室11Bに対して電子制御ユニット90Aを正しい姿勢で収容させることができる。よって、この電気接続箱1は、相手方コネクタ93とコネクタ40との間の電気的な接続状態を確立させることができ、かつ、これら相手方コネクタ93とコネクタ40に代表される自らと電子制御ユニット90Aの耐久性を向上させることができる。また更に、この電気接続箱1は、ずれを抑えた嵌合挿入の実現に伴い、例えば、嵌合挿入時における相手方コネクタ93とコネクタ40との間の摩擦抵抗が小さくなるので、嵌合挿入力の軽減も可能になる。よって、この電気接続箱1は、例えば、作業者が電子制御ユニット90Aを過大な力で収容室11Bに押し込む必要が無いので、この点からも電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの組付け作業性が向上しており、かつ、自らと電子制御ユニット90Aの耐久性も向上していることが解る。
以下に、この嵌合構造50の具体例の1つを説明する。
この嵌合構造50は、筐体10(ここでは収容部材20)に設けた嵌合構造体51と、電子制御ユニット90Aに設けた嵌合構造体(以下、「相手方嵌合構造体」という。)52と、を有する(図3及び図6)。嵌合構造体51は、収容完了後の電子制御ユニット90Aの第2側壁91bと対向する収容部材20の壁部20bに設ける。一方、相手方嵌合構造体52は、その第2側壁91bに設ける。
嵌合構造体51とは、相手方嵌合構造体52を介して嵌合挿入力を電子制御ユニット90Aに作用させるものである。この嵌合構造体51は、その嵌合挿入力を発生させる際に作業者が操作する操作部材53と、電子制御ユニット90Aに対して嵌合挿入力を加える嵌合挿入力印加部材54と、を備える。この嵌合構造体51は、収容完了後の電子制御ユニット90Aの第2側壁91bと対向する収容部材20の壁部20bに設けている。
操作部材53は、回動軸92に対して間隔を空けて平行に配置した第1回転軸53a(図8)を有しており、収容部材20に対する第1回転軸53aの軸周りの相対回転を行うことができる。その第1回転軸53aは、収容部材20の壁部20bから外方に向けて突出させた突出体22(図1、図3及び図6)に対して回動自在に取り付ける。また、この操作部材53は、嵌合挿入力を発生させる際に作業者が力を加える力点部53bを有している。その力点部53bは、第1回転軸53aの軸周りに沿って押動動作される部位であり、第1回転軸53aの軸線に対する直交方向で第1回転軸53aから間隔を空けた位置に配置する。この操作部材53においては、第1回転軸53aの軸線と平行な平面を有する矩形の平板状部分が力点部53bとして利用される。
嵌合挿入力印加部材54は、第1回転軸53aに対して間隔を空けて平行に配置した第2回転軸54a(図8)を有しており、操作部材53に対する第2回転軸54aの軸周りの相対回転を行うことができる。その第2回転軸54aは、操作部材53における第1回転軸53aよりも力点部53b側で操作部材53に対して回動自在に取り付ける。このため、この嵌合挿入力印加部材54は、操作部材53の収容部材20に対する相対回転に連動し、収容部材20に対して、嵌合挿入力の作用方向又は嵌合挿入力の作用方向とは逆方向への相対移動を行うことができる。
ここで、この嵌合挿入力印加部材54は、相手方嵌合構造体52に引っ掛けて、その状態のまま嵌合挿入力の作用方向に相対移動させることで、相手方嵌合構造体52を介して嵌合挿入力を電子制御ユニット90Aに作用させる。このため、この嵌合構造50においては、嵌合挿入力印加部材54に引っ掛け部54b(図8)を設けると共に、相手方嵌合構造体52に被引っ掛け部52a(図3から図6)を設ける。引っ掛け部54bは、第2回転軸54aとの間に第1回転軸53aが位置するように配置する。被引っ掛け部52aは、電子制御ユニット90Aの第2側壁91bから突出させて配置する。ここでは、その第2側壁91bから突出体52bを突出させており、その突出体52bに被引っ掛け部52aを形成する。例えば、この被引っ掛け部52aは、方体状の突出体52bから突出させた板状のものとして形成する。その引っ掛け部54bと被引っ掛け部52aは、電子制御ユニット90Aが仮収容位置のときに互いを引っ掛けることができるように配置する。
この嵌合構造50は、電子制御ユニット90Aが仮収容位置のときに(図6及び図7)、嵌合挿入力印加部材54の引っ掛け部54bを電子制御ユニット90Aの被引っ掛け部52aに引っ掛ける(図9)。この嵌合構造50においては、その引っ掛け状態で、操作部材53の力点部53bに対して、嵌合挿入力の作用方向に向けた押動操作を行う。これにより、この嵌合構造50においては、その力点部53bへの押動操作に伴う操作部材53の収容部材20に対する相対回転と共に、嵌合挿入力印加部材54が操作部材53に対して相対回転しながら嵌合挿入力の作用方向へと収容部材20に対して相対移動する。この嵌合構造50においては、その嵌合挿入力印加部材54の相対移動と共に、嵌合挿入力印加部材54の引っ掛け部54bから被引っ掛け部52aを介して嵌合挿入力を電子制御ユニット90Aに作用させる。つまり、この嵌合構造50では、その引っ掛け部54bと被引っ掛け部52aとの接点が電子制御ユニット90Aに対する嵌合挿入力の作用点となる。この嵌合構造50は、その操作部材53の力点部53bに対する押動操作が継続されることによって、電子制御ユニット90Aに対して嵌合挿入力を作用し続け、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの収容を完了させる(図1及び図2)。このため、電子制御ユニット90Aは、作業者が直接押し込むよりも軽い力で収容室11Bに嵌合挿入されていく。
このように、この嵌合構造50は、梃子の原理を利用するものであり、嵌合挿入力の更なる軽減を可能にする。故に、本実施形態の電気接続箱1は、この嵌合構造50を用いることによって、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの組付け作業性をより向上させることができる。
ここで、この嵌合構造50においては、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの嵌合挿入及び相手方コネクタ93とコネクタ40との間の嵌合挿入が完了することで、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの収容が完了した後も、引っ掛け部54bと被引っ掛け部52aとが互いに引っ掛けられている。つまり、この嵌合構造50においては、その引っ掛け部54bと被引っ掛け部52aとによって、収容室11Bでの電子制御ユニット90Aの保持機構が構成されている。従って、この嵌合構造50は、電子制御ユニット90Aの収容完了後に、この電子制御ユニット90Aの収容室11Bでの収容状態を保持することもできる。
尚、この嵌合構造50は、電子制御ユニット90Aの収容完了後に、操作部材53の平板状の力点部53bの平面が収容部材20の平板状の壁部20bの外方側の平面と略平行になり、その壁部20bの平面から見て嵌合挿入力印加部材54が力点部53bの平面と同等の位置又は力点部53bの平面よりも壁部20b側で止まるように構成することが望ましい。これにより、この嵌合構造50は、電気接続箱1における外方への突出量を極力抑えることができ、電気接続箱1の体格の大型化の抑制に寄与することになる。
また、この嵌合構造50を採用する電気接続箱1においては、操作部材53の力点部53bに対して電子制御ユニット90Aの組付け作業時とは逆向きに押動操作を行うことによって、引っ掛け部54bと被引っ掛け部52aとの間の引っ掛かりが解除される。しかしながら、この嵌合構造50は、その引っ掛かりの解除に際して電子制御ユニット90Aに力を加えないので、電子制御ユニット90Aが収容室11Bに収容されたままになっている。そこで、この電気接続箱1では、電子制御ユニット90Aを収容室11Bから取り外す際に、別体のレバー部材(以下、「取外しレバー」という。)Lを利用する(図10及び図11)。そして、この電気接続箱1においては、その取外しレバーLで電子制御ユニット90Aの収容室11Bでの収容状態を解除する際の収容状態解除構造60を設ける。
その収容状態解除構造60は、収容部材20の突出体22と電子制御ユニット90Aの相手方嵌合構造体52における突出体52bとを利用して構成する。この収容状態解除構造60においては、収容部材20の突出体22を電子制御ユニット90Aの突出体52bよりも嵌合挿入力の作用方向側に配置する。そして、それぞれの突出体22,52bは、互いの隙間Cが取外しレバーLの挿入可能な大きさとなるように形成及び配置する。ここでは、取外しレバーLの先端L1を板状に形成し、この板状の先端L1が隙間Cに挿入されるようにする。
取外しレバーLは、その隙間Cに先端L1を挿入した状態で、この隙間Cから突出させるように形成する。この取外しレバーLにおいては、その突出部分に力点部L2が設けられており、電子制御ユニット90Aを取り外す際に、その力点部L2に対して作業者が力を加える。また、この取外しレバーLは、その力に応じた梃子の原理を利用して電子制御ユニット90Aを取り外すものであり、先端L1に支点と作用点が設けられる。
それぞれの突出体22,52bの間の隙間Cは、隙間Cに挿入された取外しレバーLの力点部L2に嵌合挿入力の作用方向に向けた力又は嵌合挿入力の作用方向とは逆向きの力を作用させた際、収容部材20の突出体22と取外しレバーLの先端L1との接点及び電子制御ユニット90Aの突出体52bと取外しレバーLの先端L1との接点の内の一方が支点となり、その内の他方が力点となるように形成する。換言するならば、ここでは、このような隙間Cが形成されるように、それぞれの突出体22,52bを形成及び配置する。
この収容状態解除構造60においては、そのように取外しレバーLを作業者が動かすことで、電子制御ユニット90Aの第2側壁91b側が収容室11Bから押し出される。このため、それぞれの突出体22,52bは、少なくとも仮収容位置まで電子制御ユニット90Aが押し出されるように形成及び配置することが望ましい。これにより、この電子制御ユニット90Aは、収容室11Bから簡単に取り外すことができる。
ところで、先に示した嵌合構造50は、引っ掛け部54bと被引っ掛け部52aとを互いに引っ掛けるまで、操作部材53が第1回転軸53aの軸周りに自由に回転できると共に、嵌合挿入力印加部材54も第2回転軸54aの軸周りに自由に回転できる。このため、この嵌合構造50は、その引っ掛け作業を行うまで収容部材20に対する操作部材53や嵌合挿入力印加部材54の位置が定まらず、例えば電気接続箱1の搬送時等において周囲の部品等に引っ掛けてしまう可能性がある。
そこで、この電気接続箱1においては、操作部材53や嵌合挿入力印加部材54を収容部材20に仮止めしておく仮係止構造70を設ける(図12及び図13)。その仮係止構造70は、収容部材20に対して嵌合挿入力印加部材54を係止させることによって、操作部材53の収容部材20に対する相対回転の抑制と嵌合挿入力印加部材54の操作部材53に対する相対回転の抑制とを図るように構成する。
例えば、この仮係止構造70は、収容部材20から突出させた可撓性を有する可撓体23に設けた係止部71と、嵌合挿入力印加部材54に設け、その係止部71に対して係止させることが可能な被係止部72と、を備える。
例えば、収容部材20には、壁部20bから外方に向けてL字状のL字体24を2つ突出させる。それぞれのL字体24は、嵌合挿入力の作用方向に延在させた各々の矩形の第1片部を壁部20bから外方に向けて垂設し、それぞれの第1片部が突出体22を間に介在させるように互いに間隔を空けて向き合わせで配置する。また、それぞれのL字体24では、第2片部が第1片部の突出方向側の端部に配置されており、それぞれの第2片部を互いに他方に向けて突出させている。可撓体23は、そのそれぞれの第2片部の突出方向側の端部に各々配置する。例えば、可撓体23は、第1片部の壁部20bからの突出方向に延在させた片状のものとして形成し、その延在方向における中央部分で第2片部の突出方向側の端部に一体化させる。例えば、この可撓体23は、その第2片部との接合部分を支点にし、その接合部分から飛び出ている2つの片状部分の内の一方の壁面に力を加えることで、他方の可撓体23に対して離れたり近づいたりするように全体を傾倒させる。また、可撓体23は、L字体24にも可撓性を持たせることによって、そのような傾倒動作をL字体24と一体になって動きながら行うように形成してもよい。
係止部71は、そのそれぞれの片状部分の内、壁部20bとは逆側のものに設ける。例えば、この係止部71は、壁部20bの平面に対する交差方向への嵌合挿入力印加部材54の動きを係止できるように、その設置対象の片状部分における他方の可撓体23側の壁面に対して凹状のものとして形成する。その凹状のものとしては、溝状のもの、窪み形状のもの等が考えられる。この例示の係止部71は、溝部として形成する。その溝状の係止部71は、それぞれの側壁の壁面を壁部20bの平面に対する交差軸と交差させるように、例えば、嵌合挿入力の作用方向に向けて延在させる。
被係止部72は、嵌合挿入力印加部材54に対して、2つの係止部71の位置に合わせて2つ設ける。この被係止部72は、第2回転軸54aよりも引っ掛け部54b側に配置する。この例示の被係止部72は、嵌合挿入力印加部材54から外方に向けて突出させた突出部であり、溝状の係止部71に嵌め込まれる形状に形成する。
この仮係止構造70においては、その突出させた被係止部72を溝状の係止部71に嵌め込むことによって、収容部材20に対する嵌合挿入力印加部材54の第2回転軸54aの軸周りの相対回転が係止される。その際、可撓体23は、壁部20bとは逆側に飛び出ている片状部分が被係止部72で押動されて撓んでいる。そして、これに伴い、この仮係止構造70においては、操作部材53と嵌合挿入力印加部材54との間における第2回転軸54aの軸周りの相対回転が規制されるので、その結果として、収容部材20に対する操作部材53の第1回転軸53aの軸周りの相対回転も係止される。従って、この電気接続箱1は、例えば電気接続箱1の搬送時等において、操作部材53や嵌合挿入力印加部材54の周囲の部品等に対する不用意な接触を抑制することができるので、耐久性や歩留まりを向上させることができる。
更に、この仮係止構造70は、その係止状態の解除構造を備えていてもよい。例えば、この仮係止構造70は、電子制御ユニット90Aが仮収容位置まで収容されるまでの間に、電子制御ユニット90Aの押動体94で可撓体23が押動されて撓むことによって、係止部71と被係止部72との間の係止状態が解除されるように形成する(図13及び図14)。その押動体94は、電子制御ユニット90Aの筐体91に対して可撓体23毎に設ける。この押動体94は、筐体91の第2側壁91bから外方に向けて突出させた突出体である。この押動体94は、電子制御ユニット90Aを仮収容位置まで収容させる過程で、可撓体23における壁部20bとは逆側の片状部分の撓みが更に進むように、この可撓体23における壁部20b側の片状部分を押動させる。このため、この例示の押動体94は、その壁部20b側の片状部分における他方の可撓体23側の壁面を押動させるように形成及び配置する。ここでは、その押動が始まるまで押動体94が可撓体23に引っ掛からないように、可撓体23と押動体94のそれぞれの当接部の内の少なくとも一方をテーパ形状に形成する。このように、この電気接続箱1は、作業者が仮係止構造70に対する係止状態の解除作業を別途行う必要が無いので、この点からも電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの組付け作業性を向上させることができる。
尚、可撓体23と押動体94は、例えば電子制御ユニット90Aが仮収容位置まで収容された際に、可撓体23と押動体94との当接状態が解除され、押動体94による可撓体23の撓みが解消される形状及び配置とすることが望ましい(図14)。また、可撓体23については、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの収容が完了した状態で撓みが発生しないように、周辺の他部品に当接させないよう形成及び配置することが望ましい(図15)。これにより、この電気接続箱1においては、可撓体23に対して無用な負荷が作用しないので、耐久性を向上させることができる。
以上示したように、本実施形態の電気接続箱1は、先に示したような様々な効果を得ることができる。そして、本実施形態のワイヤハーネスWHは、その電気接続箱1を備えるものであるので、その電気接続箱1の効果を奏することができる。
[変形例1]
図16から図20の符号2は、本変形例の電気接続箱を示す。本変形例の電気接続箱2は、前述した実施形態の電気接続箱1において、嵌合構造50を下記の嵌合構造150に置き換えたものに相当する。尚、ここでは、説明の便宜上、実施形態の電気接続箱1と同じ部品や部位、厳密には電気接続箱1とは異なるが実質的に同等といえる部品や部位について、その電気接続箱1のものと同じ符号を付し、その具体的な説明を省略する。
本変形例の嵌合構造150は、実施形態の嵌合構造50と同じように、収容室11Bに対する仮収容位置まで収容された電子制御ユニット90Aを回動軸92の軸周りに回動させながら、電子制御ユニット90Aを収容室11Bに嵌合挿入させると共に相手方コネクタ93とコネクタ40とを嵌合挿入させるように構成する。このため、この嵌合構造150についても、電子制御ユニット90Aに対する嵌合挿入力の作用点は、例えば、その嵌合挿入力の作用方向に沿う作用線上に相手方コネクタ93が位置するように、又は、その嵌合挿入力の作用方向に沿う作用線の交差方向で電子制御ユニット90Aの筐体91の外壁部を介して相手方コネクタ93が隣設されるように設ける。
この嵌合構造150は、収容部材20に設けたレバー部材150Aによって構成する。そのレバー部材150Aは、収容部材20の壁部20bから外方に向けて突出させた突出体122に対して回転自在に取り付けられる。このレバー部材150Aは、電子制御ユニット90Aの回動軸92に対して間隔を空けて平行に配置した回転軸151を備えており、この回転軸151が突出体122に対して回動自在に取り付けられている。
このレバー部材150Aにおいては、その回転軸151の両端に、L字状に形成されたL字体152が各々一体化されている。L字体152は、その一端(第1レバー片152aの自由端側の一端)が回転軸151の端部に固定されている。その第1レバー片152aは、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの収容が完了した際に、壁部20bの外方側の壁面に対向させる。また、このレバー部材150Aの第2レバー片152bは、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの収容が完了した際に、電子制御ユニット90Aの筐体91における壁部91dの外方側の壁面に対向させる。その壁部91dは、相手方コネクタ93が設けられている壁部91cとは逆側に配置されたものである。それぞれのL字体152の他端(第2レバー片152bの自由端側の一端)は、連結部153で連結されている。その連結部153は、このレバー部材150Aを作業者が回転操作する際のレバー操作部として利用することができる。
このレバー部材150Aは、その連結部153に力を加えることで突出体122に対して相対回転させた際に、それぞれの第2レバー片152bを筐体91の壁部91d又は筐体91における壁部91dと第2側壁91bとの境界部分(隅部)に当接させるように形成する(図16から図18)。この嵌合構造150においては、その第2レバー片152bと筐体91との当接部分が嵌合挿入力の作用点となる。例えば、レバー部材150Aは、その作用点が相対回転の進行と共に収容部材20の壁部20bに近づいていくように形成及び配置する。この嵌合構造150においては、このレバー部材150Aを相対回転させ続けることによって、電子制御ユニット90Aが収容室11Bに嵌合挿入されていき、この電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの収容が完了する(図19及び図20)。
本変形例の嵌合構造150には、収容室11Bに対しての電子制御ユニット90Aの保持機構155が設けられている。その保持機構155は、レバー部材150Aに設けた係合部155aと、電子制御ユニット90Aに設けた係合部155bと、で構成している。例えば、この保持機構155は、それぞれの係合部155a,155bの内の一方が爪部として形成され、その内の他方が爪部を引っ掛けることで係合させる溝部又は貫通孔部として形成される。この例示では、レバー部材150Aの連結部153に爪部としての係合部155aを設け、電子制御ユニット90Aの筐体91の壁部91dにコの字体の内方の空間から成る貫通孔部としての係合部155bを設ける。この保持機構155は、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの収容が完了したときに、爪部としての係合部155aが貫通孔部としての係合部155bに挿入され、これらが互いに引っ掛かって係合することで、電子制御ユニット90Aの収容室11Bに対する収容状態を保つことができる。
本変形例の電気接続箱2は、このような嵌合構造150を用いたとしても、先に示した実施形態の電気接続箱1と同等の様々な効果を得ることができる。そして、本変形例のワイヤハーネスWH(図示略)は、その電気接続箱2を備えるものであるので、その電気接続箱2の効果を奏することができる。
[変形例2]
図21から図24の符号3は、本変形例の電気接続箱を示す。本変形例の電気接続箱3は、前述した実施形態の電気接続箱1において、嵌合構造50を下記の嵌合構造250に置き換えたものに相当する。尚、ここでは、説明の便宜上、実施形態の電気接続箱1と同じ部品や部位、厳密には電気接続箱1とは異なるが実質的に同等といえる部品や部位について、その電気接続箱1のものと同じ符号を付し、その具体的な説明を省略する。
本変形例の嵌合構造250は、実施形態の嵌合構造50と同じように、収容室11Bに対する仮収容位置まで収容された電子制御ユニット90Aを回動軸92の軸周りに回動させながら、電子制御ユニット90Aを収容室11Bに嵌合挿入させると共に相手方コネクタ93とコネクタ40とを嵌合挿入させるように構成する。このため、この嵌合構造250についても、電子制御ユニット90Aに対する嵌合挿入力の作用点は、例えば、その嵌合挿入力の作用方向に沿う作用線上に相手方コネクタ93が位置するように、又は、その嵌合挿入力の作用方向に沿う作用線の交差方向で電子制御ユニット90Aの筐体91の外壁部を介して相手方コネクタ93が隣設されるように設ける。
この嵌合構造250は、電子制御ユニット90Aに設けた被ガイド体251と、被ガイド体251を案内する第1ガイド部252aを有し、収容部材20に対して相対移動可能なガイド部材252と、収容部材20に設けたガイド部であり、被ガイド体251を案内する第2ガイド部253と、を備える。
被ガイド体251は、電子制御ユニット90Aの筐体91の第2側壁91bから外方に向けて突出させた突出体である。この例示の被ガイド体251は、その突出方向が軸線方向となる円柱体又は円筒体として形成されている。
ガイド部材252は、板状に成形され(図25)、一方の壁面を収容部材20の壁部20bの外方側の壁面に対向させた状態で収容部材20に配置する。このガイド部材252は、その壁部20bの壁面に沿って相対移動し得るよう収容部材20に取り付ける。この例示の収容部材20には、その壁部20bの壁面を内壁面の1つとする収容空間222が形成されている。その収容空間222は、ガイド部材252を相対移動可能な状態で収容する空間であり、その相対移動に際してのガイド部材252のガイド部を兼ねている。
第1ガイド部252aは、被ガイド体251を案内しつつ、この被ガイド体251に対して嵌合挿入力を作用させるように形成する。この第1ガイド部252aは、被ガイド体251に対して、所望の作用方向に沿う嵌合挿入力そのものを作用させるものであってもよく、その嵌合挿入力を分力として作用させるものであってもよい。例えば、この第1ガイド部252aは、被ガイド体251が収容される溝部又は貫通孔部としてガイド部材252に形成されており、被ガイド体251の周壁と対向する2つの側壁を有している。第1ガイド部252aは、ガイド部材252の相対移動と共に、その2つの側壁の内の一方が被ガイド体251の周壁に当接し、その側壁から被ガイド体251に対して嵌合挿入力を作用させながら、この被ガイド体251を案内していく。この嵌合構造250においては、その第1ガイド部252aの側壁と被ガイド体251の周壁との当接部分が嵌合挿入力の作用点となる。
第2ガイド部253は、嵌合挿入力の作用方向に沿う貫通孔であり、筐体91の第2側壁91bに形成する。この第2ガイド部253は、第1ガイド部252aから被ガイド体251に対して力が加えられた際、その被ガイド体251の移動方向が嵌合挿入力の作用方向から外れぬよう規制するものである。
例えば、この例示のガイド部材252は、壁部20bの壁面に沿う方向で且つ嵌合挿入力の作用方向に対する直交方向に相対移動させる。第1ガイド部252aは、その相対移動方向の内の一方向へとガイド部材252を相対移動させた際に、その側壁から被ガイド体251の周壁に対して少なくとも嵌合挿入力の作用方向への力を作用させることができるような弧状に形成する。
嵌合構造250は、このように構成することによって、例えば図21及び図22の状態(例えば電子制御ユニット90Aの仮収容位置)からガイド部材252を一方の相対移動方向へと相対移動させることで、被ガイド体251を嵌合挿入力の作用方向へと案内し、電子制御ユニット90Aを収容室11Bに嵌合挿入していくことができる。そして、この嵌合構造250は、そのガイド部材252の相対移動を続けていくことによって、電子制御ユニット90Aの収容室11Bへの収容を完了させる(図23及び図24)。
また、この嵌合構造250においては、その電子制御ユニット90Aの収容完了位置からガイド部材252を他方の相対移動方向へと相対移動させることで、被ガイド体251を嵌合挿入力の作用方向とは逆向きに案内することができる。このため、この嵌合構造250は、収容時とは逆の操作を行うだけで、電子制御ユニット90Aを仮収容位置まで収容室11Bから押し出すことができる。つまり、この嵌合構造250は、実施形態のように取外しレバーLを用いなくても、電子制御ユニット90Aの取り外しを容易にすることができる。
ここで、この嵌合構造250においては、そのガイド部材252を相対移動させる際に操作する操作レバー部材254が設けられている。この操作レバー部材254は、例えば、ガイド部材252における相対移動方向の一端側に、回転操作し得るように配置する。嵌合構造250は、この操作レバー部材254の回転動作に伴う回転トルクをガイド部材252の相対移動方向の力に変換する動力変換機構255を備える(図25)。その動力変換機構255は、ガイド部材252と操作レバー部材254との間に介在させる。例えば、この動力変換機構255としては、ガイド部材252に設けたラックギヤ255aと、操作レバー部材254に設けたピニオンギヤ255bと、を備えた所謂ラック&ピニオン機構を利用することができる。この嵌合構造250においては、操作レバー部材254を一方に回転操作することによって、ガイド部材252を一方に相対移動させ、電子制御ユニット90Aを収容室11Bへと収容させる。これに対して、操作レバー部材254を他方に回転操作した際には、ガイド部材252を他方に相対移動させ、電子制御ユニット90Aを収容室11Bから押し出すことができる。
本変形例の電気接続箱3は、このような嵌合構造250を用いたとしても、先に示した実施形態の電気接続箱1と同等の様々な効果を得ることができる。そして、本変形例のワイヤハーネスWH(図示略)は、その電気接続箱3を備えるものであるので、その電気接続箱3の効果を奏することができる。
[変形例3]
図26及び図27の符号4は、本変形例の電気接続箱を示す。本変形例の電気接続箱4は、前述した実施形態の電気接続箱1において、嵌合構造50を下記の嵌合構造350に置き換えたものに相当する。尚、ここでは、説明の便宜上、実施形態の電気接続箱1と同じ部品や部位、厳密には電気接続箱1とは異なるが実質的に同等といえる部品や部位について、その電気接続箱1のものと同じ符号を付し、その具体的な説明を省略する。
本変形例の嵌合構造350は、実施形態の嵌合構造50と同じように、収容室11Bに対する仮収容位置まで収容された電子制御ユニット90Aを回動軸92の軸周りに回動させながら、電子制御ユニット90Aを収容室11Bに嵌合挿入させると共に相手方コネクタ93とコネクタ40とを嵌合挿入させるように構成する。このため、この嵌合構造350についても、電子制御ユニット90Aに対する嵌合挿入力の作用点は、例えば、その嵌合挿入力の作用方向に沿う作用線上に相手方コネクタ93が位置するように、又は、その嵌合挿入力の作用方向に沿う作用線の交差方向で電子制御ユニット90Aの筐体91の外壁部を介して相手方コネクタ93が隣設されるように設ける。
この嵌合構造350は、前述した変形例2の嵌合構造250において、操作レバー部材254と動力変換機構255を省いたものに相当する。このため、この嵌合構造350は、被ガイド体251と同様の被ガイド体351と、ガイド部材252と同様のガイド部材352と、第2ガイド部253と同様の第2ガイド部353と、を備えており、そのガイド部材352に、第1ガイド部252aと同様の第1ガイド部352aが形成されている。
この嵌合構造350は、変形例2の嵌合構造250と同じように、ガイド部材352を収容部材20の収容空間222の中で相対移動させることができるので、電子制御ユニット90Aの収容室11Bに対する収容や取り外しが可能になる。故に、本変形例の電気接続箱4及びワイヤハーネスWH(図示略)は、変形例2の電気接続箱3やワイヤハーネスWHと同様の効果を得ることができる。更に、この電気接続箱4及びワイヤハーネスWHは、嵌合構造350が操作レバー部材や動力変換機構を必要としないので、変形例2の電気接続箱3やワイヤハーネスWHに対して、原価の低減や体格の小型化を図ることができる。一方、原価の低減や体格の小型化よりも嵌合構造の操作性を優先させるのであれば、この嵌合構造350に替えて、変形例2の嵌合構造250を用いることが望ましい。
[変形例4]
図28から図31の符号5は、本変形例の電気接続箱を示す。本変形例の電気接続箱5は、前述した実施形態の電気接続箱1において、嵌合構造50を下記の嵌合構造450に置き換えたものに相当する。尚、ここでは、説明の便宜上、実施形態の電気接続箱1と同じ部品や部位、厳密には電気接続箱1とは異なるが実質的に同等といえる部品や部位について、その電気接続箱1のものと同じ符号を付し、その具体的な説明を省略する。
本変形例の嵌合構造450は、実施形態の嵌合構造50と同じように、収容室11Bに対する仮収容位置まで収容された電子制御ユニット90Aを回動軸92の軸周りに回動させながら、電子制御ユニット90Aを収容室11Bに嵌合挿入させると共に相手方コネクタ93とコネクタ40とを嵌合挿入させるように構成する。このため、この嵌合構造450についても、電子制御ユニット90Aに対する嵌合挿入力の作用点は、例えば、その嵌合挿入力の作用方向に沿う作用線上に相手方コネクタ93が位置するように、又は、その嵌合挿入力の作用方向に沿う作用線の交差方向で電子制御ユニット90Aの筐体91の外壁部を介して相手方コネクタ93が隣設されるように設ける。
この嵌合構造450は、電子制御ユニット90Aに設けた被ガイド体451と、被ガイド体451を案内する第1ガイド部452aを有し、収容部材20に対して相対移動可能なガイド部材452と、収容部材20に設けたガイド部であり、被ガイド体451を案内する第2ガイド部453と、を備える(図32)。
本変形例の電子制御ユニット90Aの筐体91は、第2側壁91bから外方に向けて突出させた突出体95を有している。被ガイド体451は、その突出体95から更に外方に向けて突出させた突出体として設ける。この被ガイド体451は、電子制御ユニット90Aの回動軸92の軸線と平行な軸線を有する円柱体又は円筒体として形成されたものであり、2箇所に設けている。それぞれの被ガイド体451は、同心上で突出体95から各々逆向きに突出させている。
ガイド部材452は、互いに間隔を空け且つ平面同士を向かい合わせて配置した2枚の板状部452bを有する。それぞれの板状部452bは、被ガイド体451の軸線に対する直交平面を有するものであり、互いの対向方向に見て、同形状の第1ガイド部452aが形成されている。このガイド部材452は、収容部材20に対して相対移動し得るように取り付ける。
それぞれの第1ガイド部452aは、被ガイド体451を案内しつつ、この被ガイド体451に対して嵌合挿入力を作用させるように形成する。この第1ガイド部452aは、被ガイド体451に対して、所望の作用方向に沿う嵌合挿入力そのものを作用させるものであってもよく、その嵌合挿入力を分力として作用させるものであってもよい。例えば、この第1ガイド部452aは、被ガイド体451が収容される溝部又は貫通孔部として板状部452bに形成されており、被ガイド体451の周壁と対向する2つの側壁を有している。第1ガイド部452aは、ガイド部材452の相対移動と共に、その2つの側壁の内の一方が被ガイド体451の周壁に当接し、その側壁から被ガイド体451に対して嵌合挿入力を作用させながら、この被ガイド体451を案内していく。この嵌合構造450においては、その第1ガイド部452aの側壁と被ガイド体451の周壁との当接部分が嵌合挿入力の作用点となる。
第2ガイド部453は、嵌合挿入力の作用方向に沿う貫通孔であり、収容部材20の壁部20bから外方に向けて突出させた板状部422に形成する。その壁部20bには、互いに間隔を空け且つ平面同士を向かい合わせた2枚の板状部422を設けている。それぞれの板状部422は、被ガイド体451の軸線に対する直交平面を有するものであり、ガイド部材452の2枚の板状部452bで挟み込まれている。第2ガイド部453は、第1ガイド部452aから被ガイド体451に対して力が加えられた際、その被ガイド体451の移動方向が嵌合挿入力の作用方向から外れぬよう規制するものである。
ここで、それぞれの板状部422には、自らを覆う板状部452bに向けて突出させた円柱状の被ガイド部422a,422bを設けている。それぞれの板状部422においては、各々の被ガイド部422aが同心上に配置され、かつ、各々の被ガイド部422bが同心上に配置されている。一方、ガイド部材452の2枚の板状部452bには、被ガイド部422aを案内する弧状のガイド部452b1と、被ガイド部422bを案内する弧状のガイド部452b2と、が形成されている。被ガイド部422a及びガイド部452b1の組み合わせと被ガイド部422b及びガイド部452b2の組み合わせは、それぞれの組み合わせで互いに案内されることで、それぞれの板状部422に対してガイド部材452が偏心回転しながら嵌合挿入力の作用方向へと相対移動するように形成及び配置する。言うなれば、ガイド部材452は、所謂LIFレバーの如き作用を為すものとして構成しつつ、それぞれの板状部422に取り付ける。
ガイド部材452は、その相対移動を例えば電子制御ユニット90Aの仮収容位置から行うことで、第1ガイド部452aの側壁から被ガイド体451の周壁に対して少なくとも嵌合挿入力の作用方向への力を作用させる。その際、被ガイド体451は、第2ガイド部453によって動きが規制されるので、嵌合挿入力の作用方向へと移動する。このため、電子制御ユニット90Aは、収容室11Bに嵌合挿入されていき、最終的に収容室11Bへの収容が完了する。
一方、このガイド部材452は、その相対移動方向とは逆向きに相対移動させることで、被ガイド体451を嵌合挿入力の作用方向とは逆向きに案内することができる。このため、この嵌合構造450は、収容時とは逆の操作を行うだけで、電子制御ユニット90Aを仮収容位置まで収容室11Bから押し出すことができる。つまり、この嵌合構造450は、実施形態のように取外しレバーLを用いなくても、電子制御ユニット90Aの取り外しを容易にすることができる。
本変形例の電気接続箱5は、このような嵌合構造450を用いたとしても、先に示した実施形態の電気接続箱1と同等の様々な効果を得ることができる。そして、本変形例のワイヤハーネスWH(図示略)は、その電気接続箱5を備えるものであるので、その電気接続箱5の効果を奏することができる。