JP2016079047A - Ito粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃液処理が簡便な水系溶媒を使用して、低温常圧下で形状の揃った立方体又は直方体のITO粒子を製造する。圧粉体にしたときに体積抵抗率が低いITO粒子を得る。【解決手段】本発明のITO粒子は、インジウム塩の水溶液と錫塩の水溶液との混合水溶液に尿素水溶液を添加混合し、この尿素水溶液を混合した混合水溶液を60〜100℃の温度で保温してインジウム錫水酸化物粒子を共沈させ、前記インジウム錫水酸化物粒子が共沈した液を固液分離し、前記分離したインジウム錫水酸化物粒子を乾燥した後、熱処理してインジウム錫酸化物前駆体粒子に分解し、前記インジウム錫酸化物前駆体粒子を大気中又は不活性ガスの雰囲気中で熱処理して還元することにより得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、圧粉体にしたときに体積抵抗率が低いITO粒子を製造する方法に関するものである。本明細書において、ITOとはインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide)をいう。
LCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)、有機EL(ElectroLuminescence)、タッチパネル等の表示装置には、透明電極が用いられている。この透明電極は、ITO等からなる透明導電材料によって構成されることが多い。このような透明電極は、通常スパッタリング法などで膜状に形成される(例えば、特許文献1参照)。しかしながらスパッタリング装置は高価であり、かつ、成膜の効率が悪い。このスパッタリング法に代わって、ITO粒子を含む塗料を基板に塗布する方法が提案されている。しかしながら、この塗布方法は、生産性、製造コスト、原材料の利用効率等の点で、スパッタリング法に優れているものの、ITO粒子を含む塗料で成膜した場合、導電経路が粒子間接触によるため、スパッタリング法で成膜された均一な膜と比べて、粒子界面の抵抗が高いことから導電膜全体としての抵抗も高く、その導電性が劣る問題があった。
この問題を解決するために、立方体形状のITO粒子を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献2及び3)。これらの方法によれば、ITO粒子を立方体形状に製造することにより、こうしたITO粒子を含む塗料を基板に塗布して成膜したときに、ITO粒子を空隙の少ない状態で緻密に配置して、粒子界面の抵抗を下げた透明導電膜を得ることができる。
特開2004−315951号公報(段落[0002]) 特開2009−007235号公報(要約、請求項1、請求項5) 特開2011−126746号公報(請求項3、請求項5)
上記特許文献2及び3に示されるITO粒子の製造方法は、いずれもインジウムと錫とを含む前駆体を有機溶媒の存在の下、200℃以上の温度で加熱処理する必要があった。このため、上記特許文献2及び3に示されるITO粒子の製造方法は、有機溶媒の廃液処理を必要とするうえ、オートクレーブのような密閉式の加熱容器を必要とする問題があった。
本発明の目的は、廃液処理が簡便な水系溶媒を使用して、低温常圧下で形状の揃った立方体又は直方体のITO粒子を製造する方法を提供することにある。また本発明の別の目的は、圧粉体にしたときに体積抵抗率が低いITO粒子の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、インジウム塩と錫塩と尿素を混合した混合水溶液を60〜100℃の温度で保温してインジウム錫水酸化物粒子を共沈させ、前記インジウム錫水酸化物粒子が共沈した液を固液分離し、前記分離したインジウム錫水酸化物粒子を乾燥した後、熱処理してインジウム錫酸化物前駆体粒子に分解し、前記インジウム錫酸化物前駆体粒子を大気中又は不活性ガスの雰囲気中で熱処理して還元することによりインジウム錫酸化物粒子を得るITO粒子の製造方法である。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、 前記混合水溶液がインジウム塩と錫塩との混合水溶液に尿素水溶液を添加混合して調製され、前記尿素水溶液を前記インジウム塩及び前記錫塩に対する尿素の反応当量が2〜500倍になるように添加するITO粒子の製造方法である。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、前記インジウム錫酸化物粒子の長軸に対する短軸の比の平均が1.3以下の立方体又は直方体であるITO粒子の製造方法である。
本発明によれば、特許文献2及び3に示される有機溶媒を使用せずに、100℃以下の低温で常圧下、水系溶媒でITO粒子を製造するため、有機溶媒を用いたときと比べて、ITO粒子の製造時に作業環境が低下せず、火気取扱いに注意を払う必要がなく、廃液処理を簡便に行うことができ、かつオートクレーブのような密閉式の加熱容器を必要としない。また、本発明の方法によれば、製造されるインジウム錫水酸化物粒子から作られるITO粒子が形状の揃った立方体又は直方体になり、ITO粒子を圧粉体にしたときに粒子界面の接触面積が増加して、体積抵抗率を低くすることができる。
実施例で得られたITO粒子をSEMによって撮像した写真図である。 比較例で得られたITO粒子をSEMによって撮像した写真図である。 実施例と比較例でそれぞれ得られたITO粒子に圧力を加えて圧粉体にしたときに印加圧力とITO圧粉体の体積抵抗率との関係を示す図である。 実施例と比較例でそれぞれ得られたITO粒子に圧力を加えて圧粉体にしたときに印加圧力と圧粉体の実密度を理論密度で除算した相対密度との関係を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を説明する。
本発明のITO粒子は、次の方法で製造される。先ず、第1の工程として、インジウム塩と錫塩との混合水溶液を調製する。第2の工程として、この混合水溶液に尿素水溶液を添加混合し、この尿素水溶液を混合した混合水溶液を60〜100℃の温度で保温して均一沈殿法によりインジウム錫水酸化物粒子を共沈させる。第3の工程として、このインジウム錫水酸化物粒子が共沈した液を固液分離する。第4の工程として、固液分離したインジウム錫水酸化物粒子を乾燥する。第5の工程として、乾燥したインジウム錫水酸化物粒子を熱処理してインジウム錫酸化物前駆体粒子に分解する。最後に第6の工程として、インジウム錫酸化物前駆体粒子を大気中又は不活性ガスの雰囲気中で熱処理して還元することによりインジウム錫酸化物(ITO)粒子を得る。
なお、本発明は、インジウム塩と錫塩との混合水溶液を調製し、この混合水溶液に尿素水溶液を添加混合して尿素水溶液を混合した混合水溶液を調製する方法に限らず、インジウム塩と錫塩と尿素を混合して混合水溶液を調製する方法でもよい。即ち、この方法は、
所定量計量したインジウム塩、スズ塩、尿素の粉末や顆粒を直接所定量の水に投入し、撹拌・溶解して、混合水溶液を調製する方法である。インジウム塩、スズ塩、尿素の粉末や顆粒は混合してから溶解してもよく、溶解する水は保温する温度に事前に加温しておいてもよい。
第1の工程における錫塩としては、SnC、SnCl、SnCl、Sn(NO)、SnBr及びSnSOなど水溶性の錫の無水塩または水和物塩から選ばれる少なくとも1種の錫化合物が挙げられる。またインジウム錫としてはIn(C)、InCl、In(NO)、In(CHCOO)及びIn(SO)など水溶性のインジウムの無水塩または水和物塩から選ばれる少なくとも1種のインジウム化合物が挙げられる。錫塩とインジウム塩との混合水溶液は、上記錫塩と上記インジウム塩とを所定の割合で秤量混合した後、純水又はイオン交換水に錫塩とインジウム錫とを各別に溶解して錫塩水溶液及びインジウム水溶液を調製し、これらの水溶液を混合して調製される。別法として、純水又はイオン交換水に所定の割合で秤量混合した錫塩とインジウム錫と一緒に溶解して錫塩とインジウム塩との混合水溶液を調製することもできる。また第1の工程において、別途作製したITO前駆体の種結晶を加えることができる。
第2の工程のおける尿素水溶液は、塩基性沈殿剤として使用される。この尿素水溶液の添加量は、インジウム塩及び錫塩に対する尿素の反応当量が2〜500倍になるように設定することが好ましく、反応が完了するまでに要する時間を考慮すると、3〜200倍がより好ましい。2倍未満では、インジウム錫水酸化物粒子の共沈量が少なく、また500倍を超えると、尿素の溶解度に合わせて溶液の濃度が決定されるため、インジウムイオン、スズイオンの濃度が低く、得られるITO粒子の収量が少なくなってしまうことや、pHの制御が困難になる。
本発明の特徴ある点は、尿素水溶液を混合した混合水溶液を60〜100℃の温度、好ましくは70〜100℃の温度で、保温して均一沈殿法を採用することにある。ここで、均一沈殿法とは、均一な水溶液から均質な沈殿物を得る方法をいう。反応系内の温度管理を精密に行うことにより、この共沈生成を溶液内のいずれの場所でも均一に起こすことが可能となる。従来、上記共沈物を得る方法として、例えば、アンモニア水のような塩基性沈殿剤と、錫塩とインジウム塩との混合水溶液とを水浴中に同時に滴下する方法(以下、滴下法という。)が採られてきたが、この方法を採用した場合には、滴下した場所から共沈が起こり、そのため形状の揃ったインジウム錫水酸化物粒子を共沈させることができなかった。
しかしながら、本発明の均一沈殿法によれば、次に述べるメカニズムにより、形状の揃ったインジウム錫水酸化物粒子を共沈させることができる。即ち、上記範囲の温度で尿素水溶液を混合した混合水溶液を保温することにより、尿素((NH)CO)の分解反応が進み、アンモニア(NH)が水溶液中で均一に生成される。生成されたアンモニアにより水溶液のpHが均一に上昇し、インジウムと錫の溶解度が下がることで、水溶液中のインジウムと錫が均一に共沈し、錫含有水酸化インジウムの懸濁液(コロイド液)が生成される。この保温は、例えばウォーターバス中で、容器に入れた上記混合水溶液を撹拌しながら加熱することにより行われる。保温する温度が60℃未満では尿素がアンモニアに十分に分解せず、また目的の一つである常圧下で水溶媒を使用する場合、100℃は超えないことから、上記の温度範囲が設定される。
混合水溶液を保温する時間は、1時間以上、好ましくは5〜24時間である。上記温度範囲で1時間以上保温すれば、尿素が分解しアンモニアが発生する。温度が高いほど、保温時間は短くて済むが、形状の揃ったインジウム錫水酸化物粒子にするためには、上記温度範囲内の低めの温度で長時間保温することが好ましい。尿素水溶液の添加量、保温温度及び保温時間を制御することによって、生成する水酸化物粒子の大きさや粒子の長軸に対する短軸の比率を制御することができる。
第3の工程におけるインジウム錫水酸化物粒子が共沈した液を固液分離する方法としては、遠心分離器にこの液を入れて遠心力により固液分離する遠心洗浄法が生産性が高く好ましい。別法として、インジウム錫水酸化物粒子が共沈した液を容器に入れて放置することにより固形物を沈殿させた後、容器を静かに傾けて上澄み液だけを流し去るデカンテーションを複数回繰り返してもよい。この場合、流し去る上澄み液と同程度の量の純水を加えて攪拌してデカンテーションを行う。上記固液分離により塩化物塩等の不純物が除去され、最終的に得られるITO粒子の抵抗率を低くすることができる。なお、塩化物塩は、大部分が後述する第5の工程の熱処理時に分解・揮発するため、遠心洗浄による除去を行わなくてもよいが、その熱処理に使用する電気炉をその塩で損傷させないように、塩化物塩は十分に除去しておくことが好ましい。
第4の工程では、固液分離して得られたインジウム錫水酸化物粒子を大気中、好ましくは窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、80〜200℃の範囲で2〜24時間乾燥する。これにより、インジウム錫水酸化物の乾燥粒子が得られる。
第5の工程では、乾燥したインジウム錫水酸化物粒子を大気中、300〜900℃の範囲で0.5〜5時間熱処理(焼成)してインジウム錫酸化物前駆体粒子に分解する。即ち水酸化物を酸化物に変換する。300℃以上で完全な酸化物を得ることができ、900℃以下の温度でITO粒子間同士の焼結を回避できる。好ましい熱処理(焼成)温度は350〜800℃である。0.5時間未満では脱水反応が十分でないおそれがある。5時間の上限値は、脱水反応を終了させ、粒子の焼結を抑制する観点から決められる。
最後の第6の工程では、熱分解により得られたインジウム錫酸化物前駆体粒子を大気中又は不活性ガスの雰囲気中で熱処理して還元する。窒素やアルゴンなどの不活性ガスと水素や一酸化炭素、アンモニアガス、アルコールを混合した混合ガスなどの還元性ガスとを混合した弱還元雰囲気下が好ましい。還元は、200〜600℃で、0.5〜5時間で行うことが好ましい。この還元処理により、インジウム錫酸化物(ITO)粒子が得られる。この還元処理によりITOの格子間酸素が脱離したり、ITOに酸素欠損が与えられ、ITO粒子が低抵抗化する。混合ガスにおける各ガスの混合比率はITOの結晶に付与しようとする酸素欠損量により適宜決定される。但し混合ガスの還元力が強すぎると、ITO前駆体から絶縁性のInO、金属In、金属Snが析出するため好ましくない。また、水素や一酸化炭素等の混合比率は、混合ガスが大気中で爆発限界を越えない程度の濃度にする。
以上の工程を経て、本発明のITO粒子を得ることができる。このITO粒子は、粒子の長軸に対する短軸の比(長軸/短軸比)の平均が1.3以下の立方体又は直方体の形状を有する。全体観察したときに、本発明では、均一沈殿法を採用しているため、各粒子の形状及び寸法は揃っている。このITO粒子の抵抗率は、このITO粒子を容器に充填して加圧することにより得られる圧粉体の状態で測定する。圧粉体にするときの圧力を0.196〜29.42MPa(2〜300kgf/cm)の範囲で変化させて、その圧粉体の体積抵抗率を測定すると、2.2×10−2〜1.5Ωcmになる。本発明のITO粒子は形状の揃った立方体又は直方体であるため、圧粉体にしたときに、粒子を空隙の少ない状態で緻密に配置することができ、粒子界面の抵抗が下がり、従来の滴下法で得られるITO粒子からなる圧粉体と比べて、低い体積抵抗率が得られる。粒子の長軸に対する短軸の比の平均が1.3を超えると、圧粉体にしたときに、粒子を空隙の少ない状態で緻密に配置することができず、低い体積抵抗率が得にくくなる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例>
先ず、InCl粉末をイオン交換水に溶解して0.2Mに調整したInCl水溶液を得た。またSnCl粉末をイオン交換水に溶解して0.2Mに調整したSnCl水溶液を得た。InCl水溶液450mlにSnCl水溶液50mlを加え、室温下において攪拌し均一に混合して混合水溶液を得た。次に、この混合水溶液に1.55Mに調整した尿素水溶液1000mlを添加した。ウォーターバス中に容器に入れた尿素水溶液を混合した混合水溶液を配置し、この混合水溶液を攪拌しながら、ウォーターバス中で80℃の温度で8時間保温した。これにより、尿素水溶液の分解反応が起こり、この反応で生成されたアンモニア(NH)により錫含有水酸化インジウムの懸濁液(コロイド液)が生成された。この例では、尿素の添加量は金属塩に対して、反応当量の5倍とした。これにより液の反応終了時の最終pHは5.5に調整された。生成された上記コロイド溶液を遠心洗浄して固液分離し、固液分離したインジウム錫水酸化物粒子を大気中、110℃で15時間乾燥させた。乾燥したインジウム錫水酸化物粒子を大気中、500℃で2時間熱処理(焼成)してインジウム錫酸化物前駆体粒子に分解した。この熱処理後、Hを3vol%、Nを97vol含有する弱還元雰囲気下で、インジウム錫酸化物前駆体粒子を300℃の温度で2時間還元処理し、ITO粒子を得た。このITO粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)によって撮像した写真図を図1に示す。
<比較例>
実施例と同様にして、InCl水溶液とSnCl水溶液との混合水溶液を得た。この混合水溶液とアンモニア(NH)水とを同時に、液温30℃のイオン交換水の水浴中に滴下した。滴下中、水浴は液温30℃、pH7になるように調整した。この滴下は60分で終了した。上記混合水溶液とアンモニア水の同時滴下により、水浴中にインジウム錫水酸化物粒子が共沈した。このインジウム錫水酸化物粒子が共沈した液を、実施例と同様に遠心洗浄、乾燥、熱処理、還元処理を行って、滴下法により、ITO粒子を得た。
<ITO粒子の評価>
(1) ITO粒子の形状
比較例のITO粒子の形状は、図2から明らかなように、球状、楕円球状、棒状など種々の形状が混在していた。これに対して、実施例のITO粒子の形状は、図1から明らかなように、ほぼ立方体であり、長軸に対する短軸の比は平均1.2であった。実施例のITO粒子は、全体観察すると、その形状及び寸法は揃っていた。
(2) ITO粒子からなる圧粉体の体積抵抗率
実施例及び比較例で得られた各ITO粒子を圧粉体にした。この圧粉体にするときの印加圧力を変化させて、印加圧力毎に圧粉体の体積抵抗率を測定装置(三菱化学アナリティック製 MCP-PD51)を用いて測定した。具体的には、内径φが25mmのシリンダーにITO粒子2.00gを充填し、0.196〜29.42MPa(2〜300kgf/cm)の範囲で圧力を変えて、実施例及び比較例で得られたITO粒子からなる各圧粉体を試料として10点作製した。そして各試料の表面抵抗率と試料厚を同時にそれぞれ測定した。印加圧力は上記測定装置に設けた圧力センサにより、表面抵抗率は直流4端子法で測定した。ITO粒子の試料厚とシリンダーの内径φから求めた体積を試料の充填質量で除算して実密度を求め、この実密度を理論密度で除算して相対密度とした。図3にこの印加圧力(横軸)と体積抵抗率(縦軸)の関係を示し、図4にこの印加圧力(横軸)と相対密度(縦軸)関係を示す。
図3から明らかなように、印加圧力が0.196〜29.42MPa(2〜300kgf/cm)の範囲において、比較例のITO粒子からなる圧粉体の体積抵抗率は4.5×10−2〜3.0Ωcmであったのに対して、実施例のITO粒子からなる圧粉体の体積抵抗率は2.2×10−2〜1.5Ωcmであった。特に0.98MPa(10kgf/cm)の圧力を加えたときには、比較例のITO粒子からなる圧粉体の体積抵抗率は2.0Ωcmを越えていた。これに対して実施例のITO粒子からなる圧粉体の体積抵抗率は2.0Ωcm以下であった。以上のことから、実施例のITO粒子を含有する塗料で基板に塗膜を形成した場合、この塗膜の抵抗率は、比較例の滴下法で得られるITO粒子を含有する塗料で形成した塗膜の抵抗率と比べて、低くなることが予想され、高い導電性の塗膜が得られることが見込まれる。更に有機溶媒の代わりに尿素水溶液を用いた実施例では、ITO粒子を製造するときに作業環境が低下せず、火気取扱いに注意を払う必要がなかった。

Claims (3)

  1. インジウム塩と錫塩と尿素を混合した混合水溶液を60〜100℃の温度で保温してインジウム錫水酸化物粒子を共沈させ、前記インジウム錫水酸化物粒子が共沈した液を固液分離し、前記分離したインジウム錫水酸化物粒子を乾燥した後、熱処理してインジウム錫酸化物前駆体粒子に分解し、前記インジウム錫酸化物前駆体粒子を大気中又は不活性ガスの雰囲気中で熱処理して還元することによりインジウム錫酸化物粒子を得るITO粒子の製造方法。
  2. 前記混合水溶液がインジウム塩と錫塩との混合水溶液に尿素水溶液を添加混合して調製され、前記尿素水溶液を前記インジウム塩及び前記錫塩に対する尿素の反応当量が2〜500倍になるように添加する請求項1記載のITO粒子の製造方法。
  3. 前記インジウム錫酸化物粒子の長軸に対する短軸の比の平均が1.3以下の立方体又は直方体である請求項1又は2記載のITO粒子の製造方法。
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