JP2009181917A - 着色導電膜および着色導電塗料 - Google Patents

着色導電膜および着色導電塗料 Download PDF

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雅也 行延
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Abstract

【課題】 導電性に優れかつ黒のみならず、赤、青等の鮮やかな色の着色を示す着色導電膜、およびその着色導電膜の形成を可能とする着色導電塗料を提供する。特に、絶縁性の紙やプラスチック基材に対し、黒のみならず、赤、青等の鮮やかな着色を示す導電膜を形成できる着色導電塗料と着色導電膜を提供する。
【解決手段】 導電性酸化物針状粉末が着色成分を含むバインダーマトリックス中に分散していることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性に優れしかも鮮やかな着色を示す着色導電膜とその着色導電膜を形成するための着色導電塗料とに係り、特に本来絶縁性の紙やプラスチック基材に対し、黒のみならず、赤、青等の鮮やかな色の着色を示す導電膜を形成できる着色導電塗料と着色導電膜に関するものである。本発明の着色導電膜は、優れた意匠性を有する帯電防止材、電磁波シールド材、センサ読み取り用印刷膜等の用途に有用である。
一般に着色導電膜としては、導電フィラーとしてのカーボンブラックを樹脂やゴム中に分散させたものが知られている。かかるカーボンブラックは樹脂やゴム等のマトリックス中でストラクチャー構造(網目状構造)を取り易いため、少量の添加で導電性を付与することができる。しかしながら、カーボンブラックを配合して得られる上記導電膜は黒色となるため、白、赤、青、黄色、緑等の着色導電膜を得ることは困難であった。
ここで、上記着色導電塗料において導電フィラーの含有量は少ないほど好ましい。その理由は、塗料成分の一つである透明樹脂(バインダー)に比べ、一般の導電フィラーの光吸収が遥かに大きいからである。従って、樹脂に対して出来るだけ少量の導電フィラーを用いることで低抵抗値の膜が得られれば、優れた着色の導電膜を得ることができる。
ところで、従来から、アスペクト比の大きな針状またはりん片状の導電フィラーを用いれば、球状、粒状の導電フィラーに比べて少量の添加で低抵抗値の膜が得られことが知られている。
そこで、アスペクト比の大きな中空炭素マイクロファイバーを微量用い、これに導電性白色粉末を配合したポリマー組成物で、導電性と着色性を両立させる試みがなされている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法でも、微量とはいえ黒色の中空炭素マイクロファイバーを用いているため、膜の導電性を低下させようとして、その配合量を多くすると、鮮やかな着色は得られないという欠点があり、例えば10kΩ/□(オーム・パー・スクエアと読む)程度の表面抵抗値の着色導電膜しか得ることができなかった。
したがって、中空炭素マイクロファイバーの代わりに、より可視光線の吸収が少ないインジウム−錫酸化物(以下、ITOと呼ぶことがある)、錫−アンチモン酸化物(以下、ATOと呼ぶことがある)等の導電性酸化物からなる導電フィラーを用いることが好ましいと推測できる。中でもITOはATOに比べて抵抗値が低いためより好ましいと考えられる。
これまでりん片状や針状の導電性酸化物微粒子に関しては、まず、りん片状の酸化物粉末を得る方法として、無機酸化物、含水無機酸化物等のコロイド溶液を凍結し、コロイド溶液の溶媒の結晶面と結晶面の間隙に無機酸化物粒子や含水酸化物粒子を析出させた後、乾燥して脱溶媒し、含水酸化物の場合は更に焙焼して製造する方法(特許文献2参照)が知られている。
また、針状の酸化物粉末を得る方法としては、針状の蓚酸錫を加熱分解して針状錫酸化物を得る方法(特許文献3参照)、硝酸インジウムの高温加熱濃縮スラリーから回収される白色針状インジウム化合物粉末から針状のインジウム−錫酸化物(ITO)粉末を得る方法(特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)等が提案されている。更に、特許文献4記載の方法で得られたインジウム−錫酸化物(ITO)針状粉末を導電フィラーとして適用した透光性導電塗料(導電ペースト)と透光性導電膜が提案されている(特許文献7参照)。
しかしながら、上述のITO針状粉末を導電フィラーに用いた導電膜において、着色成分を配合する試みは行われておらず、着色成分による導電性への影響や着色性に関しては、これまで全く知見が得られていなかった。
特開平9−111135号公報 特開昭62−3003号公報 特開昭56−120519号公報 特開平6−293515号公報 特開平6−293516号公報 特開平6−293517号公報 特開平6−309922号公報
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、本来絶縁性の紙やプラスチック基材に塗布した場合に、導電性に優れるだけでなく、黒のみならず、赤、青等の鮮やかな色の着色を示す着色導電膜を形成できる着色導電塗料を提供し、合わせてこのような特性を具備する着色導電膜を提供することにある。
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、導電性酸化物針状粉末とバインダーマトリックスからなる透光性導電膜において、上記導電性酸化物針状粉末はバインダーマトリックス中に三次元導電ネットワーク構造を形成し、そのバインダーマトリックス中に着色成分を導入しても、着色成分が導電性酸化物針状粉末同士の接触部分に介在しにくいため、膜の導電性を損なうことなく、鮮やかな膜色を示すことが可能であることを知見し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の請求項1に係る発明は、着色導電膜であって、導電性酸化物針状粉末が着色成分を含むバインダーマトリックス中に分散していることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、本発明の請求項1記載の発明に係る着色導電膜を前提とし、上記導電性酸化物針状粉末のアスペクト比(太さに対する長さの比)が5以上であることを特徴とし、
本発明の請求項3に係る発明は、本発明の請求項1または2記載の発明に係る着色導電膜を前提とし、上記導電性酸化物針状粉末の長さが、1〜300μmであることを特徴とし、
本発明の請求項4に係る発明は、
本発明の請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明に係る着色導電膜を前提とし、上記導電性酸化物針状粉末が、金属酸化物がドープされた酸化インジウムにより構成された針状粉末であることを特徴とし、
本発明の請求項5に係る発明は、本発明の請求項4記載の発明に係る着色導電膜を前提とし、上記金属酸化物が、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化バナジウムから選択された少なくとも一種であることを特徴とし、
本発明の請求項6に係る発明は、本発明の請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明に係る着色導電膜を前提とし、上記導電性酸化物針状粉末:着色成分を含むバインダーマトリックスの重量比が、40:60から90:10であることを特徴とし、
本発明の請求項7に係る発明は、本発明の請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明に係る着色導電膜を前提とし、上記導電性酸化物針状粉末:着色成分の重量比が、100:1から10:1であることを特徴とするものである。
更に、本発明の請求項8に係る発明は、本発明の請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明に係る着色導電膜を前提とし、上記着色成分が、有色顔料であることを特徴とし、
本発明の請求項9に係る発明は、本発明の請求項1〜8のいずれか1項に記載の発明に係る着色導電膜を前提とし、膜の比抵抗が5.0Ω・cm以下であることを特徴とするものである。
次に、本発明の請求項10に係る発明は、本発明の請求項1〜9のいずれか1項に記載の発明に係る着色導電膜を形成できる着色導電塗料を前提とし、導電性酸化物針状粉末が着色成分とバインダーを含む溶媒中に分散していることを特徴とする。
本発明の請求項11に係る発明は、本発明の請求項10に記載の発明に係る着色導電塗料を前提とし、上記導電性酸化物針状粉末のアスペクト比(太さに対する長さの比)が5以上であることを特徴とし、
本発明の請求項12に係る発明は、本発明の請求項10または11に記載の発明に係る着色導電塗料を前提とし、上記導電性酸化物針状粉末の長さが、1〜300μmであることを特徴とし、
本発明の請求項13に係る発明は、本発明の請求項10〜13のいずれか1項に記載の発明に係る着色導電塗料を前提とし、
上記導電性酸化物針状粉末が、金属酸化物がドープされた酸化インジウムにより構成された針状粉末であることを特徴とし、
本発明の請求項14に係る発明は、本発明の請求項13に記載の発明に係る着色導電塗料を前提とし、上記金属酸化物が、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化バナジウムから選択された少なくとも一種であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項15に係る発明は、本発明の請求項10〜14のいずれか1項に記載の発明に係る着色導電塗料を前提とし、上記導電性酸化物針状粉末:着色成分とバインダーの合計の重量比が、40:60から90:10であることを特徴とし、
本発明の請求項16に係る発明は、本発明の請求項10〜15のいずれか1項に記載の発明に係る着色導電塗料を前提とし、上記導電性酸化物針状粉末:着色成分の重量比が、100:1から10:1であることを特徴とし、
本発明の請求項17に係る発明は、本発明の請求項10〜16のいずれか1項に記載の発明に係る着色導電塗料を前提とし、上記着色成分が、有色顔料であることを特徴とするものである。
本発明に係る着色導電膜によれば、導電性酸化物針状粉末が着色成分を含むバインダーマトリックス中に分散しているため、導電性に優れ、しかも黒のみならず、赤、青等の鮮やかな色を着色することができ、例えば、優れた意匠性を有する帯電防止材、電磁波シールド材、センサ読み取り用印刷膜等の用途に適用できる。
また、この着色導電膜を形成するための本発明に係る着色導電塗料は、本来絶縁性の紙やプラスチック基材に対し、上記特性を有する着色導電膜を簡便に形成できる。
以下、本発明をより具体的に説明する。
本発明者は、導電性酸化物針状粉末とバインダーマトリックスからなる透光性導電膜において、上記導電性酸化物針状粉末はバインダーマトリックス中に三次元導電ネットワーク構造を形成し、そのバインダーマトリックス中に着色成分を導入しても、着色成分が導電性酸化物針状粉末同士の接触部分に介在しにくいため、膜の導電性を大きく損なうことなく、鮮やかな膜色を示すことが可能であることを見出した。本発明はこのような技術的発見に基づき完成されている。
本発明に用いる導電性酸化物針状粉末としては、例えば、酸化錫または酸化亜鉛を主成分とする針状粉末(例えば、錫アンチモン酸化物(ATO)針状粉末、フッ素錫酸化物(FTO)針状粉末、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)針状粉末、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)針状粉末等)や、金属酸化物がドープされた酸化インジウムにより構成された針状粉末が挙げられる。特に、導電性に優れる点で、金属酸化物がドープされた酸化インジウムにより構成された針状粉末が望ましい。
ここで、酸化インジウムにドープされる上記金属酸化物としては、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化バナジウム等が挙げられ、これ等単独あるいは複数種類併用してもよい。上記それぞれの金属酸化物がドープされた酸化インジウム針状粉末は、インジウム錫酸化物(ITO)針状粉末、インジウム−ジルコニウム酸化物(IZrO)針状粉末、インジウム亜鉛酸化物(IZO)針状粉末、インジウム−タングステン酸化物(IWO)針状粉末、インジウム−チタン酸化物(ITiO)針状粉末、インジウム−ニオブ酸化物(INbO)針状粉末、インジウム−ハフニウム酸化物(IHfO)針状粉末、インジウム−バナジウム酸化物(IVO)針状粉末であるが、これらの中でもITO針状粉末が最も高特性であるため特に好ましい。
以下、ITO針状粉末を一例に挙げ、本発明に係る着色導電膜及び着色導電塗料に適用される導電性酸化物針状粉末の製造方法を詳細に説明する。
まず、インジウムメタルを硝酸に溶解した後、液温130〜150℃で加熱濃縮すると、系内から水および硝酸が蒸発し次第に濃厚な白色のスラリーとなる。この白色スラリーを、高温のままろ過した後、多量の純水で洗浄することで、白色針状インジウム化合物粉末が得られる。この白色針状インジウム化合物粉末は、インジウムの塩基性硝酸塩と考えられ、通常、Inが55〜68重量%、NO が5〜23重量%程度含有している。
上記白色針状化合物粉末を大気中300℃以上で仮焼して酸化インジウム針状粉末とする(特許文献5参照)。得られた酸化インジウム針状粉末は、平均粒径0.01〜0.07μm程度の1次粒子で構成された針状の2次粒子からなり、その1次粒子間に細孔が形成されている。
次いで、上記酸化インジウム針状粉末の細孔中に四塩化錫を毛管凝縮させた後、大気中の湿度で加水分解させ、更に700℃以上、好ましくは1000〜1300℃で焼成した後、還元性ガス雰囲気下で還元処理を行うと、低抵抗のITO針状粉末が得られる(特許文献7参照)。尚、ITO針状粉末中の錫の含有量は、導電性の観点から、1〜12重量%、好ましくは2〜10重量%が良い。
また、別の方法として、上記酸化インジウム針状粉末に仮焼により酸化錫となる錫化合物を被覆して700℃以上(例えば1000℃)で焼成してもITO針状粉末が得ることができる(特許文献6参照)。
ここで、上記ITO針状粉末の比表面積は、4〜20m/g、好ましくは7〜20m/gが好ましい。比表面積が4〜20m/gの範囲であれば、導電性に優れると共に、白色(ニュートラル)に近い針状粉末となるためである。比表面積が4m/g未満だと、ITO針状粉末の1次粒子径に起因するためか、黄緑色のITO針状粉末となり、青色系の着色導電膜の場合には鮮やかな色が得にくくなる場合がある。逆に20m/gを超えるとITO針状粉末粒子の色調の問題は生じないが1次粒子径が小さくなるため、1次粒子同士の接触部分が脆弱となりITO針状粉末の導電性や耐久性(特に高温高湿耐久性)を大幅に悪化させるため好ましくない。
上記ITO針状粉末を得るためには、その製造工程において、上記焼成温度を500〜900℃程度で行うことが必要で、かつ、得られたITO針状粉末の還元処理条件の制御において還元ガスの種類(水素、アルコールなど)、ガス流量、処理温度、処理時間等を調整することにより達成できる。
以上のように、適切な比表面積有し、適度に還元処理されたITO針状粉末においては、針状粉末のL表色系における粉体色(光源:D65、視野角:10°)が、L=82〜91、a=−8〜2、b=0〜10となり、極めて白色(ニュートラル)に近くなる。ここで、L表色系において、Lは明るさを示し、数値が大きいほど明るく、aは色の方向を示し、aは赤方向、−a方向は緑方向、bは黄方向、−bは青方向を示しており、数値が大きいほど色鮮やかになり、両方とも小さくなるほどニュートラルな色(白−灰−黒系)となる。本発明の着色導電膜や着色導電塗料においては、着色する色の種類にもよるが、基本的には、Lが大きく(明るく)、aが小さい(ニュートラルな色)、すなわち白色が好ましい。
この製造方法により得られる上記ITO針状粉末は、長さ5〜300μm程度、アスペクト比5以上で、濃縮条件によりアスペクト比が30程度のものまで得ることができる。また、この粉末を980Pa(100kgf/cm)の圧力を加えてペレット状にしたときの比抵抗(以下、圧粉抵抗値という)は、上述のITO針状粉末を適度に還元処理することにより0.02〜0.2Ω・cm程度が得られるが、好ましくは0.02〜0.12Ω・cmの範囲内に制御するとよい。
尚、本発明で適用されるITO針状粉末は、上述した方法以外の製造方法、例えば、硝酸インジウムと硝酸錫の溶液から尿素による均一沈殿法により針状水酸化物を得、その後仮焼する方法等により長さ1〜5μm程度のものも得ることが可能である。
ここで、金属酸化物がドープされた酸化インジウムにより構成された導電性酸化物針状粉末のアスペクト比を5以上とするのは、着色成分を含むバインダー(マトリックス)に対し少量の使用で十分な導電性が得られるようにするためである。アスペクト比が5未満であると、少量の導電性フィラーの添加で高い導電性を得ることができなくなるため、導電性酸化物針状粉末の配合割合が増加して膜の色が鮮やかでなくなったり(くすんだり)、導電性酸化物針状粉末同士の接触を着色成分が阻害しやすくなって着色導電膜の比抵抗を5.0Ω・cm以下にすることが困難となるからである。尚、アスペクト比は高い方がよく、好ましくは10以上が良い。
次に、本発明で適用される導電性酸化物針状粉末の長さに関して特に制限はないが、1〜300μm、好ましくは5〜100μmがよい。長さが大きい程、粒子同士の接点の数が少なくて低抵抗の膜が得られることと、例えば、紙等の基材に塗布する場合、その表面に繊維等の数μm程度の凹凸が存在し、長さが1μm以上あると、このような凹凸が存在しても針状粒子同士の接触が保たれ、必要な導電性が得られるからである。一方、長さが300μmを超えると、例えば、スクリーン印刷時にスクリーンの網目を通り難くなり、印刷に支障を来す場合がある。一般的には、100μm以下の長さのものが好ましい。但し、100メッシュ以下の粗い目のスクリーンを用いて印刷する場合はこの限りではない。本発明に係る着色導電塗料では比較的大きな導電性酸化物針状粉末を用いているが、200μm程度の幅の線をスクリーン印刷することは可能である。
本発明で適用される着色成分には、例えば、黒、白、赤、青、黄色、緑、オレンジ、紫、ピンク等の各種色彩を有する有色染料や有色顔料を用いることができるが、耐候性(例えば、耐紫外線等)の面からは、有色染料よりも有色顔料が好ましい。有色顔料には、無機顔料と有機顔料があり、例えば、コバルトバイオレット、モリブデンオレンジ、群青、紺青、酸化チタン、窒化チタン、酸窒化チタン、複合酸化物(例えば、Ti−Ni酸化物、Ti−Sb−Ni酸化物、Ti−Sb−Cr酸化物、Zn−Fe酸化物、Zn−Fe−Cr酸化物、Ni−Zn−Co−Ti酸化物、Co−Al−Cr−Ti酸化物、Co−Al−Cr酸化物、Co−Al酸化物、Cu−Cr−Mn酸化物、Cu−Fe−Mn酸化物等)、カーボン、キナクリドン系顔料(例えばキナクリドンレッド等)、アントラキノン系顔料(例えばジアントラキノンレッド等)、ペリレン系顔料、イソインドリノン系顔料(例えばイソインドリノンイエロー等)、アゾ系顔料(例えばパーマネントレッド−4R)、フタロシアニン系顔料(フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等)等から選択された少なくとも1種類以上を用いることができるが、これらに限定されない。
上記有色顔料粒子の大きさ(平均粒径)は、用途に応じて適宜選択すればよいが、有色顔料粒子の発色性や塗料中での分散安定性(沈降性)等を考慮すると、5nm〜5μm、好ましくは10nm〜1μm、更に好ましくは20nm〜500nmが望ましい。5nm未満は顔料自体の微細化が困難になると共に、製造コストが高くなり、5μmを超えると顔料が沈降しやすくなると同時に発色性が低下する。
次に、本発明に係る着色導電塗料の製造方法について以下説明する。
まず、導電性酸化物針状粉末をバインダー、着色成分および溶媒と混合し、必要に応じ分散剤を添加した後、分散処理を行う。分散剤としては、シリコンカップリング剤等の各種カップリング剤、各種高分子分散剤、アニオン系、ノニオン系、カチオン系等の各種界面活性剤が挙げられる。これら分散剤は、用いる導電性酸化物針状粉末の種類や分散処理方法に応じて適宜選定される。分散処理には、超音波処理、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ビーズミル、スリーロールミル等の汎用の方法を適用することができる。
着色成分として、有色顔料を用いる場合は、着色成分を添加せずに作製した導電性酸化物針状粉末がバインダーを含む溶媒中に分散した導電塗料に、予め有色顔料粒子を上記と同様の分散処理方法で溶媒中に分散させた有色顔料分散液を添加し、十分に混合して着色導電塗料を得ることもできる。
着色導電塗料に用いる上記バインダーとしては、従来の透光性導電膜に使用されている無機バインダー、有機バインダーを用いることが可能であり、例えば、アクリル、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、ウレタン等の熱硬化性樹脂、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系紫外線硬化樹脂等が用いられる。また、着色導電塗料中の導電性酸化物針状粉末とバインダーの重量比は、導電性酸化物針状粉末:バインダー=40:60〜90:10がよく、好ましくは導電性酸化物針状粉末:バインダー=60:40〜80:20がよい。バインダーが導電性酸化物針状粉末:バインダー=40:60より多いと得られる着色導電膜の抵抗が高くなり過ぎる場合があり、バインダーが導電性酸化物針状粉末:バインダー=90:10より少ないと着色導電膜の強度が低下すると同時に針状粒子同士の接触がうまくとれず抵抗も高くなる場合があるからである。
また、上記導電性酸化物針状粉末:着色成分の重量比は、100:1から10:1であることが望ましい。着色成分が導電性酸化物針状粉末:着色成分=100:1より少ないと得られる着色導電膜の着色が不十分な場合があり、着色成分が導電性酸化物針状粉末:着色成分=10:1より多いと針状粒子同士の接触がうまくとれず着色導電膜の抵抗が高くなる場合があるからである。
尚、着色成分(有色顔料微粒子)の粒径については、上記導電性酸化物針状粉末:着色成分の重量比を考慮しつつ、着色成分(有色顔料微粒子)が導電性酸化物針状粉末のなす3次元網目状(ネットワーク)構造の隙間にあるバインダーマトリックス内に保持される程度の大きさのものを適宜選択することが好ましい。粒径がこの範囲内にある着色成分(有色顔料微粒子)であれば、抵抗値を悪化させることは無いからである。
従って、例えば、長さが100μm程度の針状ITO粉であれば、着色成分(有色顔料微粒子)の粒径が1μm程度の多少大きいものであっても、着色成分(有色顔料微粒子)の含有量を低くすることで、着色成分(有色顔料微粒子)をその3次元網目状(ネットワーク)構造の隙間にあるバインダーマトリックス内に保持することが十分可能であり、抵抗値の著しい悪化もみられない。
また、着色導電塗料に用いる溶媒としては、特に制限はなく、塗布方法、成膜条件、基板に対する溶解性等を考慮して適宜選定することができる。例えば、水、メタノール(MA)、エタノール(EA)、1−プロパノール(NPA)、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール(DAA)等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等のエステル系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル(MCS)、エチレングリコールモノエチルエーテル(ECS)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(IPC)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールエチルエーテル(PE)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM−AC)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート(PE−AC)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン等のベンゼン誘導体、ホルムアミド(FA)、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、1、3−オクチレングリコール、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ミネラルスピリッツ、ターピネオール等、及びこれらのいくつかの混合液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、本発明に係る着色導電塗料の基板上への塗布は、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、ロールコート法等を用いることができる。
このように導電性酸化物針状粉末が着色成分とバインダーを含む溶媒中に分散した本発明に係る着色導電塗料を用いて形成される着色導電膜は、導電性に優れ、しかも黒のみならず、赤、青等の鮮やかな色も着色することができるため、例えば、優れた意匠性を有する帯電防止材、電磁波シールド材、センサ読み取り用印刷膜等の用途に適用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の記述において「%」は、透過率、ヘイズ値の%を除いて「重量%」を示している。
尚、L表色系における導電性酸化物針状粉末の粉末色と着色導電膜の色は、日本電色工業(株)社製の簡易型分光色差計(NF333)で測定した。
また、透過率(可視光)およびヘイズ値は、日本電色製のヘイズメーター(NDH5000)を用いJIS K7136に基づいて測定した。塗料の粘度は、塗料温度25℃で、B型粘度計を用いて測定した。また、着色導電膜の表面抵抗は、三菱化学(株)社製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)を用い測定した。
導電性酸化物針状粉末としてITO針状粉末(住友金属鉱山製、SCP−X700B;平均長さ:約40μm、長さに対する太さの比(アスペクト比):約15、錫含有量:2.4重量%、比表面積:9.0m/g、L表色系における粉体色(光源:D65、視野角:10°):L=84.6、a=−3.9、b=8.2、圧粉抵抗値(980Pa(100Kgf/cm)で測定):0.05Ω・cm)を用いた。バインダーの架橋性樹脂としてフェノキシ樹脂(Tg:146℃、水酸基価166KOHmg/g)を用い、その硬化剤にはHDI系ブロックイソシアネート(旭化成(株)製のMF−K60X、固形分(硬化剤成分)約60%、最低硬化温度90℃)を用いた。また、溶媒としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを用いた。着色成分としては、有色顔料(C.I.Pigment:Violet19)の分散体(クラリアントジャパン製、COLANYL RED E3B、有色顔料濃度:32%)を用いた。
上記ITO針状粉末を、上記架橋性樹脂と硬化剤を含み着色成分を配合した溶媒に混合し、実施例1に係る着色導電塗料(ITO針状粉末:19.5%、着色成分:0.77%、フェノキシ樹脂:12.2%、硬化剤成分:7.8%、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:52.4%、その他有機溶媒:7.33%)を得た(導電性酸化物針状粉末:バインダー=49.4:50.6、NCO/OH=約0.5、導電性酸化物針状粉末:着色成分=25.3:1)。また、この着色導電塗料の粘度(25℃)は、約4000mPa・sであった。
尚、実施例1に係る着色成分(有色顔料)は、平均粒径が約200nmで、ほとんどが50〜400nmの範囲内の粒径であった。
この実施例1に係る着色導電塗料を、基板としてのPETフィルム[帝人製テトロン、厚さ:100μm、透過率(可視光):88.3%、ヘイズ:2.2%]上にスクリーン印刷(東京プロセスサービス株式会社製、150メッシュ版[T150S])し、120℃×20分間加熱して着色導電膜を得た。
この着色導電膜の透過率(可視光)は44.7%、ヘイズは93.2%、表面抵抗値は1520Ω/□、膜厚10μmで、膜の比抵抗値は1.52Ω・cmであった。
また、着色導電膜の色は、L表色系(光源:D65、視野角:10°)で、L=58.6、a=59.33、b=1.52であり、鮮やかな赤色であった。
上記着色導電膜の色については、色彩色差計を用い、まず白色校正板上に基板としてのPETフィルムを置いて校正を行った後、着色導電膜付PETフィルムを上記白色校正板上に置いて測定した。
尚、着色導電膜の透過率(可視光)およびヘイズ値は着色導電膜だけの値であり、それぞれ下記計算式により求められる。
着色導電膜の透過率(%)
=[(着色導電膜付き基板ごと測定した透過率)/(基板の透過率)]×100
着色導電膜のヘイズ値(%)
=(着色導電膜付き基板ごと測定したヘイズ値)−(基板のヘイズ値)
また、着色導電塗料の粘度は、塗料温度25℃で、B型粘度計を用いて測定した。
[比較例1]
実施例1において、着色成分を配合せずに比較例1に係る透光性導電塗料(ITO針状粉末:20%、フェノキシ樹脂:12.5%、硬化剤成分:8.0%、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:53.7%、その他有機溶媒:5.8%)を得た(酸化物針状粉:バインダー=49.4:50.6、NCO/OH=約0.5)。また、この透光性導電塗料の粘度(25℃)は、約3900mPa・sであった。
上記透光性導電塗料を、着色導電塗料の代わりに用いた以外は実施例1と同様に行い、比較例1に係る透光性導電膜を得た。
この透光性導電膜の透過率(可視光)は81.0%、ヘイズは94.3%、表面抵抗値は1130Ω/□、膜厚は11μmで、膜の比抵抗値は1.24Ω・cmであった。また、透光性導電膜の色は、L表色系(光源:D65、視野角:10°)で、L=94.2、a=−3.27、b=9.76であり、黄色味がかった白色であった。
尚、透光性導電膜の透過率(可視光)およびヘイズ値は透光性導電膜だけの値であり、実施例1と同様の計算式において、着色導電膜の部分を透光性導電膜に置き換えた式から求めた。
[比較例2]
実施例1において、導電性酸化物針状粉末を配合せずに比較例2に係る着色塗料(ITO針状粉末:0%、着色成分:0.77%、フェノキシ樹脂:17.2%、硬化剤成分:11.0%、ジエチレングリコールモノエチルエーテル:64.0%、その他有機溶媒:7.0%)を得た(NCO/OH=約0.5)。また、この透光性導電塗料の粘度(25℃)は、約4000mPa・sであった。
上記着色塗料を、着色導電塗料の代わりに用いた以外は実施例1と同様に行い、比較例2に係る着色膜を得た。
この着色膜の透過率(可視光)は57.6%、ヘイズは35.5%、導電性はなく(表面抵抗値=>1013Ω/□)、膜厚は6.5μmであった。また、透光性導電膜の色は、L表色系(光源:D65、視野角:10°)で、L=66.7、a=56.06、b=−12.45であり、鮮やかな赤紫色であった。
尚、着色膜の透過率(可視光)およびヘイズ値は着色膜だけの値であり、実施例1と同様の計算式において、着色導電膜の部分を着色膜に置き換えた式から求めた。
「評 価」
(1)実施例1に係る着色導電膜と比較例1に係る透光性導電膜を比較すると、実施例1の表面抵抗値は1520Ω/□、比較例1は1130Ω/□であり、実施例1の膜の比抵抗値は1.52Ω・cm、比較例1は1.24Ω・cmであり、両者はほぼ同等の導電性を示す。一方、膜の色に関しては、両者のLは共に55以上の高い値を示すが、実施例1のaは59.33、比較例1は−3.27であり、実施例1のbは1.52、比較例1は9.76であり、実施例1ではa、b(絶対値)において、aが極めて大きく、bが小さい。
一方、比較例1では、a、b共に比較的小さな値であるが、aに比べてbが幾分大きい。したがって、比較例1の透光性導電膜の色が幾分黄味がかった白色であるのに対し、実施例1の着色導電膜の色が鮮やかな赤色であることが確認される。
(2)次に、実施例1に係る着色導電膜と比較例2に係る着色膜を比較すると、膜の色に関しては、実施例1のLは58.6、比較例2は66.7であり、実施例1のaは59.33、比較例2は56.06であり、実施例1のbは1.52、比較例2は−12.45であり、実施例1および比較例2の双方で、Lが55以上の高い値を示し、かつaが極めて大きいため、両者共に鮮やかな赤色系の色彩を有することが確認される。(実施例1のbが小さいのに対し、比較例2は絶対値が幾分大きなマイナス値のため、実施例1は鮮やかな赤色であり、比較例2は鮮やかな赤紫色である。)
一方、膜の導電性に関しては、実施例1の表面抵抗値が1520Ω/□で優れた導電性を示すのに対し、比較例2の着色膜は導電性を有していないことが判る。
本発明に係る着色導電塗料を用いて形成された着色導電膜は、導電性に優れしかも鮮やかな着色を示すため、例えば、本来絶縁性の紙やプラスチック基材に対し、黒のみならず、赤、青等の鮮やかな色の着色を示す導電膜を形成できる。従って、優れた意匠性を有する帯電防止材、電磁波シールド材、センサ読み取り用印刷膜等の各種着色導電膜、およびそれらの着色導電膜形成用の着色導電塗料として利用することができる。

Claims (17)

  1. 導電性酸化物針状粉末が、着色成分を含むバインダーマトリックス中に分散していることを特徴とする着色導電膜。
  2. 前記導電性酸化物針状粉末のアスペクト比(太さに対する長さの比)が5以上であることを特徴とする請求項1に記載の着色導電膜。
  3. 前記導電性酸化物針状粉末の長さが、1〜300μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の着色導電膜。
  4. 前記導電性酸化物針状粉末が、金属酸化物がドープされた酸化インジウムにより構成された針状粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色導電膜。
  5. 前記金属酸化物が、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化バナジウムから選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載の着色導電膜。
  6. 前記導電性酸化物針状粉末:着色成分を含むバインダーマトリックスの重量比が、40:60から90:10であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色導電膜。
  7. 前記導電性酸化物針状粉末:着色成分の重量比が、100:1から10:1であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色導電膜。
  8. 前記着色成分が、有色顔料であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色導電膜。
  9. 膜の比抵抗が5.0Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の着色導電膜。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の着色導電膜を形成できる着色導電塗料であって、
    導電性酸化物針状粉末が、着色成分とバインダーを含む溶媒中に分散していることを特徴とする着色導電塗料。
  11. 前記導電性酸化物針状粉末のアスペクト比(太さに対する長さの比)が5以上であることを特徴とする請求項10に記載の着色導電塗料。
  12. 前記導電性酸化物針状粉末の長さが、1〜300μmであることを特徴とする請求項10または11に記載の着色導電塗料。
  13. 前記導電性酸化物針状粉末が、金属酸化物がドープされた酸化インジウムにより構成された針状粉末であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の着色導電塗料。
  14. 前記金属酸化物が、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、酸化バナジウムから選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項13に記載の着色導電塗料。
  15. 前記導電性酸化物針状粉末:着色成分とバインダーの合計の重量比が、40:60から90:10であることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の着色導電塗料。
  16. 前記導電性酸化物針状粉末:着色成分の重量比が、100:1から10:1であることを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の着色導電塗料。
  17. 前記着色成分が、有色顔料であることを特徴とする請求項10〜16のいずれか1項に記載の着色導電塗料。
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