JP2009135098A - 透光性導電膜形成用塗布液及び透光性導電膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストかつ簡便なインク塗布法によって、優れた光拡散性と導電性、及び高い膜強度と耐熱性を兼ね備え、かつ可視光線吸収が少ない無機成分からなる透光性導電膜を形成できる透光性導電膜形成用塗布液を提供する。
【解決手段】透光性導電膜形成用塗布液は、基板1上に透光性導電膜を形成するための、少なくとも有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物、及び溶剤を含有する透光性導電膜形成用塗布液であって、前記有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物との合計含有量が5〜20重量%であり、前記塗布液中には、更に平均粒径0.5〜5μmの導電性酸化物微粒子3が前記有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物との合計含有量100重量部に対し10〜30重量部の範囲内で含有されており、且つ前記導電性酸化物微粒子は前記透光性導電膜2aの平坦な領域内に点在する凸部となす。
【選択図】図3

Description

本発明は、透光性導電膜形成用塗布液及び透光性導電膜に関するものである。更に詳しくは、ガラスやセラミックス等の耐熱基板上に、可視光線吸収が少なく、かつ光拡散性を有し、導電性と膜強度と耐熱性を兼ね備える透光性導電膜を形成することができる塗布液、及び該塗布液を用いた透光性導電膜に関するものである。
液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等の表示素子用透明電極、タッチパネル、太陽電池等の透明電極、熱線反射、電磁波シールド、帯電防止、防曇等の機能性コーティングに用いられる透明導電膜の形成材料として、錫ドープ酸化インジウム(Indium Tin Oxide、以下、「ITO」と表記する場合がある)が知られている。
ITO透明導電膜の製造方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法等の物理的手法が広く用いられている。これらの方法は、透明性と導電性に優れた均一なITO透明導電膜を基板上に形成することができる。しかしながら、これに使用する膜形成装置は真空容器をベースとするため非常に高価であり、また基板成膜毎に製造装置内の成分ガス圧を精密に制御しなければならないため、製造コストと量産性に問題がある。
上記の問題を解決する製造方法として、インジウム化合物と錫化合物を溶剤に溶解させた透明導電膜形成用塗布液を用いて、基板上に塗布する方法(以下、「塗布法」と表記する場合がある)が検討されている。この方法では、透明導電膜形成用塗布液の基板上への塗布、乾燥、焼成という簡単な製造工程でITO透明導電膜が形成される。塗布液の基板上への塗布法としては、例えば、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法等が挙げられる。
上記した塗布法では、インジウム化合物及び錫化合物を含む塗布液として従来種々の塗布液が開発されており、例えば、アルコキシル基などを含む有機インジウム化合物と有機錫化合物の混合物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、アセチルアセトンを配位した有機インジウム錯体と錫錯体からなる上記と同様の有機化合物混合溶液が開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照。)。
更に、種々の塗布方法が適用可能な塗布液としてアセチルアセトンインジウム(正式名称:トリス(アセチルアセトナト)インジウム、[In(C)])、アセチルアセトン錫(正式名称:ジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫、[Sn(C(C)] )、ヒドロキシプロピルセルロース、アルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノールと二塩基酸エステル及び/又は酢酸ベンジルを含有する透明導電膜形成用塗布液が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。この塗布液は、アセチルアセトンインジウム、アセチルアセトン錫の混合溶液にヒドロキシプロピルセルロースを含有させることによって塗布液の基板に対する濡れ性を改善すると同時に、粘性剤であるヒドロキシプロピルセルロースの含有量によって塗布液の粘度を調整し、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、スクリーン印刷、ワイヤーバーコート等の各種塗布法の採用を可能にしている。
また、スピンコート用の改良塗布液として、アセチルアセトンインジウム、オクチル酸インジウム等の有機インジウム化合物と、アセチルアセトン錫、オクチル酸錫等の有機錫と、有機溶剤とを含み、その有機溶剤にアルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノールを溶解したアセチルアセトン溶液、アルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノールを溶解したアセチルアセトン溶液をアルコールで希釈した液を用いる透明導電膜形成用塗布液も開示されている(例えば、特許文献6参照。)。この塗布液は、低粘度であり、スピンコートのほかスプレーコート、ディップコートにも使用可能であるとされている。
ここで、透明導電膜を無機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、有機EL素子、蛍光表示管、フィールドエミッション(FE)ランプ等の発光素子の透明電極に適用する場合、必ずしも膜のヘイズ値が小さい透明な導電膜が好ましいとは言えず、膜のヘイズ値が大きく光拡散性の高い導電膜の方が、発光素子からの光の取り出し効率を高めたり、発光の面内均一化が促進されたりするため、好まれる場合があった。しかしながら、上述した各種ITO透明導電膜形成用塗布液を用いて得られる透明導電膜は、いずれも低ヘイズで透明性が高く光散乱性に乏しかった。
また、透光性導電膜として、例えば、透明樹脂中に平均粒径が0.4〜3μmの高屈折率と平均粒径5〜20nmの透明導電性酸化物粒子を分散させて構成される膜厚2〜10μmの透明光拡散導電膜が提案されている(特許文献7参照)。しかしながら、膜のバインダーとして透明樹脂を用いているため耐熱性に乏しく、例えば、蛍光表示管、フィールドエミッション(FE)ランプ等の高温プロセスを必要とする透明電極形成等には適用できない問題があった。また、仮に上記透明樹脂を用いた透明光拡散導電膜を大気中で焼成して膜を得たとしても、バインダーとしての透明樹脂が酸化・分解してしまうため、膜強度が非常に低い脆い透光性導電膜しか得られないことは明らかである。
したがって、これらの課題を解決して、前記発光素子に適した透明電極を形成するためには、可視光線吸収が少なく、かつ優れた光拡散性と導電性、及び高い膜強度と耐熱性を兼ね備える透光性導電膜が形成できるような透光性導電膜形成用の塗布液が要望されていた。
特開昭61−26679号公報 特公昭63−25448号公報 特公平2−20706号公報 特公昭63−19046号公報 特開平6−203658号公報 特開平6−325637号公報 特開2001−330712号公報
本発明の目的は、低コストかつ簡便な透光性導電膜の製造方法であるインク塗布法によって、可視光線吸収が少なく、かつ優れた光拡散性と導電性、及び高い膜強度と耐熱性を兼ね備えた透光性導電膜を得ることができる透光性導電膜形成用塗布液、及びこの塗布液を用いて形成された無機成分からなる透光性導電膜を提供することにある。
上記の目的を達成するために、発明者らは有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物を溶剤に溶解させた透光性導電膜形成用塗布液について鋭意研究を重ねた結果、透光性導電膜形成用塗布液に所定の導電性酸化物微粒子を所定の割合で配合した場合に、目的とする、優れた光拡散性と導電性、及び高い膜強度と耐熱性を兼ね備え、かつ可視光線吸収が少ない透光性導電膜が得られることを見出し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明に係る請求項1に記載の透光性導電膜形成用塗布液は、基板上に透光性導電膜を形成するための、少なくとも有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物、及び溶剤を含有する透光性導電膜形成用塗布液であって、前記有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物との合計含有量が5〜20重量%であり、前記塗布液中には、更に平均粒径0.5〜5μmの導電性酸化物微粒子が前記有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物との合計含有量100重量部に対し10〜30重量部の範囲内で含有されており、且つ前記導電性酸化物微粒子は前記透光性導電膜の平坦な領域内に点在する凸部となすことを特徴とするものである。
さらに、本発明に係る請求項2に記載の透光性導電膜形成用塗布液は、前記平均粒径0.5〜5μmの導電性酸化物微粒子が、平均長さが30μm以上、かつ平均アスペクト比が5以上の導電性酸化物針状微粒子を粉砕処理して得られた微粒子であることを特徴とするものである。
また、本発明に係る請求項3に記載の透光性導電膜形成用塗布液は、請求項1又は2に記載の透光性導電膜形成用塗布液を前提とし、前記有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物の合計含有量が5〜15重量%であることを特徴とし、更に、請求項4に記載の透光性導電膜形成用塗布液は、請求項1〜3に記載の透光性導電膜形成用塗布液を前提とし、前記有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物の含有割合が、該有機インジウム化合物/ドーパント用有機金属化合物のモル比で100/0.1〜100/15であることを特徴とするものである。
また、本発明に係る請求項5に記載の透光性導電膜形成用塗布液は、請求項1〜4に記載の透光性導電膜形成用塗布液を前提とし、前記ドーパント用有機金属化合物が有機錫化合物、有機チタン化合物、有機タングステン化合物、有機亜鉛化合物、有機タンタル化合物、有機ニオブ化合物、有機ハフニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、有機バナジウム化合物、から選択される少なくとも1種類以上であることを特徴とし、請求項6に記載の透光性導電膜形成用塗布液は、請求項1〜4に記載の透光性導電膜形成用塗布液を前提とし、前記有機インジウム化合物が、アセチルアセトンインジウムであることを特徴とするものである。
また、本発明に係る請求項7に記載の透光性導電膜形成用塗布液は、請求項1〜6に記載の透光性導電膜形成用塗布液を前提とし、前記導電性酸化物微粒子は、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛のいずれか一つ以上を主成分として含有していることを特徴とするものである。
更に、本発明に係る請求項8に記載の透光性導電膜形成用塗布液は、請求項1〜7に記載の透光性導電膜形成用塗布液を前提とし、前記透光性導電膜形成用塗布液に、更にバインダーとしてセルロース誘導体及び/又はアクリル樹脂を5重量%以下含有することを特徴とし、請求項9に記載の透光性導電膜形成用塗布液は、請求項8に記載の透光性導電膜形成用塗布液を前提とし、前記セルロース誘導体がエチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とするものである。
また、本発明に係る請求項10に記載の透光性導電膜形成用塗布液は、請求項1〜9に記載の透光性導電膜形成用塗布液を前提とし、前記溶剤にアルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノール、二塩基酸エステル及び/又は酢酸ベンジルを含有することを特徴とするものである。
更に、本発明に係る請求項11に記載の透光性導電膜は、請求項1〜10に記載の透光性導電膜形成用塗布液を基板上に塗布、乾燥した後、300℃以上の温度で焼成して得られる無機成分からなる透光性導電膜であって、平坦な領域、及び該平坦な領域内に点在する高さ0.2μm以上の凸部からなる膜構造を有し、膜のヘイズ値が30%以上で、膜の可視光線吸収率が8%以下であることを特徴とするものである。
本発明に係る透光性導電膜形成用塗布液は、少なくとも有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物、導電性酸化物微粒子、及び溶剤を含有するものであり、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法等の各種塗布方法に適した粘度と、優れた成膜性(印刷性)及び液安定性を有している。また、この塗布液を基板上に塗布、乾燥、焼成して得られる無機成分からなる透光性導電膜は、優れた光拡散性と導電性、及び高い膜強度と耐熱性を兼ね備え、かつ可視光線吸収が少ないため、無機EL素子、有機EL素子、蛍光表示管、FEランプ等の発光素子の透明電極等に適用することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明では、有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物、溶剤を含有する従来の透明導電膜形成用塗布液に、導電性酸化物微粒子を適切に配合することで、塗布、乾燥、焼成後に得られる膜に優れた光拡散性を付与して、高い導電性と膜強度と耐熱性を兼ね備え、かつ可視光線吸収が少ない透光性導電膜の形成を図ったものである。
図1に示すように、上記従来の透明導電膜形成用塗布液を、基板上に塗布、乾燥、焼成して得られる透明導電膜は、非常に平坦で均一な膜(例えば、平均表面粗さ(Ra):0.5〜1nm程度、膜厚:0.1〜0.3μm)であり、膜は緻密で、透明性、導電性、強度(鉛筆硬度:4H以上)に優れるという特徴がある。一方、図2に示すように、導電性酸化物微粒子だけで構成される透明導電膜は、導電性酸化物粒子同士が点接触でつながった構造であって、接触抵抗の大きい接触点を経由して電流が流れることになるため、膜の導電性が悪く、また膜強度が低いという特徴がある。
本発明では、図3に示すように、有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物、溶剤を含有する従来の透明導電膜形成用塗布液で形成される透明導電膜の平坦な領域内に、導電性酸化物微粒子による凸部を点在させた膜構造とすることで、膜の導電性と強度を大きく損なうことなく、優れた光拡散性を付与できたものである。
有機インジウム化合物と、有機錫化合物、有機チタン化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機タングステン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機タンタル化合物、有機ニオブ化合物、有機ハフニウム化合物、有機バナジウム化合物から選択される少なくとも1種以上であるドーパント用有機金属化合物は、基板上に透明導電膜を形成させるための主たる化合物原料であり、その合計含有量は5〜20重量%の範囲であることが好ましく、更に好ましくは5〜15重量%とするのが良い。合計含有量が5重量%未満であると、透光性導電膜形成用塗布液を種々の塗布方法によって厚く塗布した場合であっても、得られる透光性導電膜の膜厚が薄くなり過ぎて十分な導電性が得られず、20重量%より多いと、透光性導電膜形成用塗布液中の有機インジウム化合物やドーパント用有機金属化合物が溶解しきれなくなって一部析出が生じる場合があると同時に、透光性導電膜形成用塗布液を薄く塗布した場合であっても、得られる膜が厚くなりすぎて亀裂(クラック)が発生して導電性が損なわれる場合があるからである。
また、導電性酸化物微粒子の配合割合は、有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物との合計含有量100重量部に対し10〜30重量部とするのが良い。合計含有量100重量部に対し10重量部未満であると、得られる透光性導電膜の光拡散性が小さくなり、膜のヘイズ値が低下するため好ましくない。ここで、透光性導電膜の好ましいヘイズ値は30%以上である。尚、上記膜のヘイズ値とは、膜に可視光線の直線光を入射した場合における、膜の全光線透過率(=直線光透過率+拡散光透過率)中の拡散光透過率の割合を示し、式1で示される。膜のヘイズ値が高いことは、膜の光拡散性が大きいことを表している。
[式1]
透光性導電膜のヘイズ値(%)=
(透光性導電膜の拡散光透過率)/(透光性導電膜の全光線透過率)×100
一方、導電性酸化物微粒子の配合割合が、有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物との合計含有量100重量部に対し30重量部より多いと、透光性導電膜の光拡散性は高いものの、図4に示すように、前述した有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物から形成される透明導電膜の平坦な領域がなくなり、主として導電性酸化物微粒子同士を介して電流が流れて膜の導電性が悪化すると同時に、焼成により熱分解して導電性酸化物微粒子同士を結合させる役割の有機金属成分(有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物)の膜内での割合が相対的に少なくなって、得られる透光性導電膜の膜強度も低下するため、好ましくない。
更に、有機インジウム化合物と、ド−パント用有機金属化合物の有機錫化合物、有機チタン化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機タングステン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機タンタル化合物、有機ニオブ化合物、有機ハフニウム化合物、有機バナジウム化合物の含有割合は、有機亜鉛化合物を除いて、有機インジウム化合物/ドーパント用有機金属化合物のモル比で100/0.1〜100/15が良く、好ましくは100/0.5〜100/5である。有機亜鉛化合物の場合は、有機インジウム化合物/ドーパント用有機金属化合物のモル比で100/5〜100/50が良く、好ましくは100/10〜100/40である。上記モル比外であるとキャリア密度が減少して透明導電膜の導電性が急激に悪化したり、大気放置した場合等に表面抵抗値の経時変化が大きくなったりするので好ましくない。
ドーパント用有機金属化合物の有機錫化合物(化合物中の錫の価数は2価、4価にこだわらない)としては、例えば、アセチルアセトン錫(正式名称:ジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫、[Sn(C(C]、オクチル酸錫、2−エチルヘキサン酸錫、酢酸錫(II)[Sn(CHCOO)]、酢酸錫(IV)[Sn(CHCOO)]、ジ−n−ブチル錫ジアセテート[Sn(C(CHCOO)] 、蟻酸錫、錫アルコキシドとしての錫−tert−ブトキシド[Sn(CO)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機錫化合物であれば良い。これらの中でも、アセチルアセトン錫は、比較的安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機チタン化合物としては、例えば、チタンアセチルアセトン錯体としてのアセチルアセトンチタン(正式名称:チタンジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオネート) [Ti(CO)(C] 、チタニル(IV)アセチルアセトネート[(CTiO]、チタンジイソプロポキシド ビス(2,4−ペンタンジオネート)[C1636Ti]等や、チタンアルコキシドとしてのチタンテトラエトキシド[Ti(CO)]、チタン(IV)−tert−ブトキシド[Ti(CO)]、チタンテトラ−n−ブトキシド[Ti(CO)]、チタンテトライソプロポキシド[Ti(CO)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機チタン化合物であれば良い。これらの中でも、アセチルアセトンチタン、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトライソプロポシドは、安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機ゲルマニウム化合物としては、例えば、ゲルマニウムアルコキシドとしてのゲルマニウムテトラエトキシド[Ge(CO)]、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド[Ge(CO)]、ゲルマニウムテトライソプロポキシド[Ge(CO)]等や、β−カルボキシエチルゲルマニウムオキシド[(GeCHCHCOOH)]、テトラエチルゲルマニウム[Ge(C]、テトラブチルゲルマニウム[Ge(C]、トリブチルゲルマニウム[Ge(C]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機ゲルマニウム化合物であれば良い。これらの中でも、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド、ゲルマニウムテトライソプロポキシドは、比較的安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機亜鉛化合物としては、例えば、亜鉛アセチルアセトン錯体としてのアセチルアセトン亜鉛(正式名称:亜鉛−2,4−ペンタンジオネート)[Zn(C]、亜鉛−2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート[Zn(C1119]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機亜鉛化合物であれば良い。これらの中でも、アセチルアセトン亜鉛は、安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機タングステン化合物としては、例えば、タングステンアルコキシドとしてのタングステン(V)エトキシド[W(CO)]、タングステン(VI)エトキシド[W(CO)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機タングステン化合物であれば良い。
ドーパント用有機金属化合物の有機ジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニウムアルコキシドとしてのジルコニウムエトキシド[Zr(CO)]、ジルコニウム−n−プロポキシド[Zr(CO)]、ジルコニウムイソプロポキシド[Zr(CO)]、ジルコニウム−n−ブトキシド[Zr(CO)]、ジルコニウム−tert−ブトキシド[Zr(CO)]、ジルコニウム−2−メチル−2−ブトキシド[Zr(C11O)]、ジルコニウム−2−メトキシメチル−2−プロポキシド[Zr(C11]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機ジルコニウム化合物であれば良い。これらの中でも、ジルコニウム−n−プロポキシド、ジルコニウム−n−ブトキシドは、比較的安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機タンタル化合物としては、例えば、タンタルアルコキシドとしてのタンタルメトキシド[Ta(CHO)]、タンタルエトキシド[Ta(CO)]、タンタルイソプロポキシド[Ta(CO)]、タンタル−n−ブトキシド[Ta(CO)]、テトラエトキシアセチルアセトナトタンタル[Ta(CO)(C)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機タンタル化合物であれば良い。
ドーパント用有機金属化合物の有機ニオブ化合物としては、例えば、ニオブアルコキシドとしてのニオブエトキシド[Nb(CO)]、ニオブ−n−ブトキシド[Nb(CO)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機ニオブ化合物であれば良い。
ドーパント用有機金属化合物の有機ハフニウム化合物としては、例えば、ハフニウムアルコキシドとしてのハフニウムエトキシド[Hf(CO)]、ハフニウム−n−ブトキシド[Hf(CO)]、ハフニウム−tert−ブトキシド[Hf(CO)]、ハフニウム(VI)イソプロポキドモノイソプロピレート[Hf(CO)(COH)]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機ハフニウム化合物であれば良い。これらの中でも、ハフニウム−n−ブトキシドは、比較的安価で入手し易いので好ましい。
ドーパント用有機金属化合物の有機バナジウム化合物としては、例えば、バナジウムアセチルアセトン錯体としてのバナジウムオキサイドビス−2,4−ペンタンジオネート[VO(C]、アセチルアセトンバナジウム(正式名称:バナジウム−2,4−ペンタンジオネート)[V(C]等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機バナジウム化合物であれば良い。
有機インジウム化合物としては、例えば、アセチルアセトンインジウム(正式名称:トリス(アセチルアセトナト)インジウム、[In(C)])(以下、AcAcInと表記する場合がある)、2−エチルヘキサン酸インジウム、蟻酸インジウム、インジウムアルコキシド等が挙げられるが、基本的には、溶剤に溶解し、焼成時において塩素ガスや窒素酸化物ガスなどの有害ガスが発生せずに酸化物に分解する有機インジウム化合物であれば良い。これらの中でもAcAcInは有機溶剤への溶解性が高く、200〜250℃程度の温度で熱分解して酸化物となるため好ましい。
バインダーとしては、基板に対する濡れ性が改善されると同時に、塗布液の粘度調整を行うことができ、かつ焼成時において燃焼する材料であれば良い。このような材料として、セルロース誘導体、アクリル樹脂が有効である。
セルロース誘導体としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース 、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース 、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース 、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロース、ニトロセルロース等が挙げられるが、これらの中でもヒドロキシプロピルセルロース(以下、HPCと表記する場合がある)が好ましい。HPCを用いれば、5重量%以下の含有量で十分な濡れ性が得られると同時に、大幅な粘度調整を行うことができる。またHPCの燃焼開始温度は300℃程度であり、焼成を300℃以上、好ましくは350℃以上の温度で行えば燃焼するので、生成する導電性粒子の粒成長を阻害せず、導電性が良好な透光性導電膜を作製することができる。HPCの含有量が5重量%より多くなると、ゲル状になって塗布液中に残留し易くなり、多孔質の透光性導電膜を形成して透明性や導電性が損なわれる。また、セルロース誘導体として、例えばHPCの代わりにエチルセルロースを用いた場合は、HPCを用いた場合よりも塗布液の粘度が低く設定できるが、高粘度塗布液が好適であるスクリーン印刷法等ではパターン印刷性が若干低下する。また、ニトロセルロースは、熱分解性は優れているが、焼成時において有害な窒素酸化物ガスの発生があり、焼成炉の劣化や排ガス処理に問題を生じる場合があるため、状況に応じて適宜選択する必要がある。
また、アクリル樹脂としては、比較的低温で燃焼するアクリル樹脂が好ましい。
溶剤としては、アセチルアセトンインジウム、アセチルアセトン錫、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンバナジウム等のアセチルアセトン錯体化合物を高濃度で溶解できるアルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノールと二塩基酸エステル、あるいはアルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノールと酢酸ベンジル、又はこれらの混合溶液を用いるのが好ましい。アルキルフェノール及びアルケニルフェノールとしては、クレゾール類、キシレノール、エチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、カシューナット殻液[3ペンタデカデシールフェノール]等が挙げられ、二塩基酸エステル(例えば二塩基酸ジメチル、二塩基酸ジエチル等)としては、コハク酸エステル、グルタル酸エステル、アジピン酸エステル、マロン酸エステル、フタル酸エステル等が挙げられる。
塗布液の粘度を低下させるために用いる溶剤としては、前記の有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物である有機錫化合物、有機チタン化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機タングステン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機タンタル化合物、有機ニオブ化合物、有機ハフニウム化合物、有機バナジウム化合物から選択される有機金属化合物、セルロース誘導体及び/又はアクリル樹脂を溶解させた溶液と相溶性があれば良く、例えば、メタノール(MA)、エタノール(EA)、1−プロパノール(NPA)、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール(DAA)等のアルコール系溶剤、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル(MCS)、エチレングリコールモノエチルエーテル(ECS)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(IPC)、エチレングリコールモノブチルエーテル(BCS)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)、プロピレングリコールエチルエーテル(PE)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGM−AC)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート(PE−AC)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン等のベンゼン誘導体、トルエン、キシレン、メシチレン、ドデシルベンゼン等のベンゼン誘導体、ホルムアミド(FA)、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ミネラルスピリッツ、ターピネオール等の中から適宜選択できるが、これらの中でも、塗布液の安定性や成膜性を考慮すると、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)等が好ましい。
本発明で用いられる透光性導電膜形成用塗布液に適用される導電性酸化物微粒子としては、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛のいずれか一つ以上を主成分とする導電性酸化物微粒子であって、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)微粒子、インジウム−チタン酸化物(ITiO)微粒子、インジウム−ゲルマニウム酸化物(IGeO)微粒子、インジウム亜鉛酸化物(IZO)微粒子、インジウム−タングステン酸化物(IWO)微粒子、インジウムジルコニウム酸化物(IZrO)微粒子、インジウム−タンタル酸化物(ITaO)微粒子、インジウム−ニオブ酸化物(IINbO)微粒子、インジウム−ハフニウム酸化物(IHfO)微粒子、インジウム−バナジウム酸化物(IVO)微粒子、錫アンチモン酸化物(ATO)微粒子、フッ素錫酸化物(FTO)微粒子、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)微粒子、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)微粒子等が挙げられるが、透明性と導電性を具備していれば良く、これらに限定されない。ただし、上記中でもITO微粒子が最も高特性であり、好ましい。
導電性酸化物微粒子の形状は、針状、繊維状、板状、鱗片状、粒状、球状等のいずれでも良く特に制約はされない。また導電性酸化物微粒子の大きさ(平均粒径)は、得られる透光性導電膜表面の凸部の形成具合や透光性導電膜形成用塗布液中の導電性酸化物微粒子の沈降防止(分散安定性)の観点から判断すべきであるが、優れた光拡散性を発現させ易くするためには、0.5〜5μm、好ましく0.5〜2μmであることが望まれる。この範囲内の大きさの導電性酸化物微粒子が好ましい理由は、通常有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物を主成分とする透明導電膜形成用塗布液を用いて形成される平坦な透明導電膜の厚さは0.1〜0.3μm程度であるため(厚さ0.3μmを超える透明導電膜を1回の塗布成膜工程で形成すると膜にクラックが生じる。また、0.1μm未満となると抵抗値が高くなる。)、上記導電性酸化物微粒子を透明導電膜形成用塗布液に配合すると、前述の図3のように、導電性等に優れる透明導電膜の平坦な領域内に光拡散性を高めるに足る十分な大きさの凸部を点在するように形成でき、導電性等の膜特性を大幅に劣化させることなく光拡散性を効果的に高めることができるからである。尚、十分な大きさの凸部とは、平坦な領域よりも0.2μm以上高い凸部を示す。高さが0.2μm未満の凸部は十分な光拡散効果を発揮できない。尚、凸部の高さは、図3から明らかなように、導電性酸化物微粒子の平均粒径と透光性導電膜の平坦な領域の厚さとの差で表される。従って、上述のように、導電性酸化物微粒子の大きさ(平均粒径)が0.5〜5μm程度、透明導電膜の平坦な領域の厚さが0.1〜0.3μm程度であることからして、凸部の高さ(導電性酸化物微粒子の大きさ(平均粒径)−透明導電膜の平坦な領域の厚さ)は0.2〜4.9μm程度の範囲となる。
ここで、図5と図6に示すように、0.5μm未満の微細な導電性酸化物微粒子を透光性導電膜形成用塗布液に適用した場合には、透光性導電膜の表面に十分に大きな凸部を形成できず、光拡散性に乏しい膜となるため好ましくない。
また、図7や図8に示すように、例えば、0.1μm以下の極めて微細な導電性酸化物微粒子を透光性導電膜中で凝集させて、膜内にボイド(空隙)を、あるいは、膜表面に凸部を形成させて光拡散性を高めることは可能であるが、これらを実現させるためには、有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物の合計量に対し、多量の微細な導電性酸化物微粒子を配合する必要があり、得られる透光性導電膜の強度や導電性が大幅に低下する恐れがあり、好ましくない。
一方、5μmを越える大きさの導電性酸化物微粒子は、透光性導電膜の平坦な領域(厚さ0.1〜0.3μm程度)内に点在した凸部を形成する際に、凸部の幅や高さが必要以上に大きくなって、同じ導電性酸化物微粒子の配合量で考えると、凸部が粗に点在して膜の光拡散性を高める効果を小さくすると同時に、大きな導電性酸化物微粒子が爪で擦る等の物理的な外力で簡単に剥離して膜強度を大幅に低下させるため、好ましくない。
尚、上記導電性酸化物微粒子の大きさ(平均粒径)は、透光性導電膜形成用塗布液内において独立して動ける粒子の大きさであって、いわゆる2次粒子内の1次粒子の大きさを示すものではない。一例を挙げて説明すれば、導電性酸化物からなる粒径0.1μmの1次粒子が互いに結合して粒径5μmの大きな2次粒子を形成し、その粒径5μmの粒子がそのままの形で透光性導電膜形成用塗布液中や透光性導電膜内において粒子として振舞うならば、本発明でいう導電性酸化物微粒子の大きさ(平均粒径)は5μmということである。
更に、導電性酸化物微粒子が、粒状、球状以外の針状、繊維状、板状、鱗片状等のように形状異方性を有する場合における、本発明の導電性酸化物微粒子の大きさ(平均粒径)は、針状、繊維状では粒子の太さ、板状、鱗片状では粒子の厚さを指している。これは、透光性導電膜形成用塗布液に配合された形状異方性を有する導電性酸化物微粒子は、透光性導電膜形成用塗布液の塗布・乾燥工程で、塗布液の表面張力によって、基板上に直立することなく配列し、針状・繊維状微粒子では粒子の太さ、板状・鱗片状微粒子では粒子の厚さが、凸部の高さを決めるからである。
ここで、上記導電性酸化物微粒子として好ましい一例を挙げると、太さが0.5〜5μmの針状ITO微粒子、更に好ましくは、その針状ITO微粒子を粉砕処理した粉砕微粒子である。上記針状ITO微粒子として市販されているものでは、平均長さ30μm以上(標準品で30〜50μm程度)で、太さが1〜5μm程度で、平均アスペクト比(長さに対する太さの比)5以上(標準品で10程度)のものである。
上記針状ITO微粒子の粉砕微粒子は、膜に均一な大きさで、かつ、膜面内に均一に点在する凸部を形成して、膜の光拡散性を効果的に高めることができるためより好ましい。未粉砕の針状ITO微粒子のままだと、透光性導電膜形成用塗布液への配合量が多くなると、針状ITO微粒子の一部が少なからず重なるようになり、透光性導電膜の平坦な領域内に均一に点在できなくなる可能性があるからである。針状ITO微粒子同士の重なりが生じると、前述した導電性酸化物微粒子の配合割合が多すぎる場合と同様に、導電性酸化物微粒子を結合させる役割の有機金属成分が針状ITO微粒子に対して十分機能しなくなるため、得られる透光性導電膜の膜強度が低下するため、好ましくない。
尚、上記粉砕処理には、超音波処理、ビーズミル処理、ホモジナイザー処理、3ロールミル処理等の汎用の粉砕方法を用いることができる。
本発明の透光性導電膜形成用塗布液は、前記の有機インジウム化合物と、ドーパント用有機金属化合物としての有機錫化合物、有機チタン化合物、有機ゲルマニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機タングステン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機タンタル化合物、有機ニオブ化合物、有機ハフニウム化合物、有機バナジウム化合物から選択される一種以上の有機金属化合物、必要に応じてバインダーを加えた混合物を溶剤に加熱溶解した後、上記導電性酸化物微粒子を加えて分散処理することによって製造することができる。上記加熱溶解は、加熱温度を60〜200℃とし、0.5〜12時間攪拌することにより行われる。加熱温度が60℃よりも低いと、有機インジウム化合物(例えば、アセチルアセトンインジウム)やドーパント用有機金属化合物の溶解速度が極端に低下するため効率が悪く、200℃よりも高いと溶剤の蒸発が顕著となり塗布液の組成が変化してしまうので好ましくない。尚、上記分散処理には、超音波処理、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ビーズミル、スリーロールミル等の汎用の方法を適用することができる。
本発明の透光性導電膜形成用塗布液の粘度は、前記したセルロース誘導体やアクリル樹脂等のバインダーの分子量や含有量、溶剤の種類によって調整することができるので、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサ印刷法、スリットコート法、ダイコート法、ドクターブレードコート法、ワイヤーバーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等の各種塗布法に対応することができる。
例えば、高粘度(5000〜50000mPa・s程度)の塗布液は、高分子量のバインダーを5重量%以下、好ましくは2〜4重量%含有させることで作製でき、低粘度(5〜500mPa・s程度)は、低分子量のバインダーを5重量%以下、好ましくは0.1〜2重量%含有させ、かつ低粘度の希釈用溶剤で希釈することで作製できる。また、中粘度(500〜5000mPa・s)の塗布液は、高粘度の塗布液と低粘度の塗布液を混合することで作製できる。
本発明の透光性導電膜は、上記した透光性導電膜形成用塗布液を各種塗布方法で基板上に塗布した後、乾燥、焼成することにより製造される。乾燥は、上記塗布液が塗布された塗布基板を80〜180℃の温度で10〜60分間保持して行われる。焼成は、乾燥させた塗布基板を、酸素を含む雰囲気中(例えば大気中)で、300℃以上(用いる基板によるが、例えば、300〜700℃)、好ましくは350℃以上(例えば、350〜500℃)の温度で15〜60分間程度保持して行われる。この焼成により、有機金属成分中の有機成分やバインダーが燃焼・分解するため最終的に得られる透光性導電膜は無機成分である導電性酸化物で構成される。
得られる透光性導電膜の導電性は、焼成温度が高いほど熱分解で生じた導電性微粒子の粒成長が促進されるので向上する。また、焼成時に、雰囲気を、例えば大気から、窒素又は水素−窒素などの中性雰囲気、還元性雰囲気、あるいは真空雰囲気に途中で切り替えて焼成を行うと、上記導電性微粒子及び配合した導電性酸化物微粒子内に酸素空孔がより多く形成されてキャリア密度が増加するので導電性の向上を図ることができる。
本発明の透光性導電膜は、有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物を主成分とする従来の透明導電膜形成用塗布液に対し、平均粒径0.5〜5μmの導電性酸化物微粒子を有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物との合計含有量100重量部に対し10〜30重量部の範囲で配合した透光性導電膜形成用塗布液を用いることで、該導電性酸化物微粒子を透明導電膜の平坦な領域に点在させることができ、該塗布液を使用して形成される透光性導電膜への光拡散性の付与に成功したものであり、低コストかつ簡便なインク塗布法によって優れた光拡散性と導電性、及び、高い膜強度と耐熱性を兼ね備え、かつ可視光線吸収が少ない無機成分からなる透光性導電膜を製造することができる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、以下の記述において「%」は、透過率及びヘイズ値の%を除いて、「重量%」を示している。
透光性導電膜の(可視光線)透過率とヘイズ値は、村上色彩技術研究所製のヘイズメーター(HR−200)を用い、JIS K7105に基づいて測定した。透光性導電膜の可視光線吸収率は、日立製作所(株)製分光光度計(U−4000)を用いて測定した基板、及び透光性導電膜付基板の反射プロファイルと透過プロファイルから算出した。透光性導電膜の表面抵抗は、三菱化学(株)製の表面抵抗計ロレスタAP(MCP−T400)を用いて測定した。また、透光性導電膜形成用塗布液の粘度は、温度25℃で、B型粘度計を用いて測定した。透光性導電膜の断面形状は、Lasertec社製のレーザー顕微鏡(VL2000)、及びZygo社製のオプティカルプロファイラー(NewView6200)を用いた膜観察で測定した。
(実施例1)
アセチルアセトンインジウム [In(C)](分子量=412.15)9.10g、アセチルアセトン錫(正式名称:ジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫、[Sn(C(C)])(分子量=431.14)0.90g、p−tert−ブチルフェノール34.96g、二塩基酸エステル(デュポンジャパン製)52.44g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)2.60gを混合し、130℃に加温して90分間攪拌して溶解させて、褐色透明で均一なペースト状溶液(A液)(アセチルアセトンインジウム:9.10%、アセチルアセトン錫:0.90%、HPC:2.60%、溶剤:残部)を得た。このA液の粘度(25℃)は、約20Pa・sであった。
導電性酸化物微粒子として、住友金属鉱山(株)製の針状ITO微粒子(SCP−X700B;圧粉抵抗値0.05Ω・cm[98N/cm(100kgf/cm)の圧力下で測定]、BET比表面積=8.9m/g、太さ3〜5μm、平均長さ31μm、平均アスペクト比=8.4)を粉砕処理(アルコールスラリーで湿式超音波粉砕し、固液分離した後、真空乾燥)して得られた平均粒径(平均太さ)約4μmのITO微粒子(アスペクト比が3以上の粒子は極めて少なく(粒子全体の5%未満)、アスペクト比が2程度の粒子がほとんどであった(平均アスペクト比=約2、平均長さ約7μm))を用いた。
A液50gに上記ITO微粒子1gを混合し、良く攪拌した後、3ロールミルによるITO微粒子の分散処理を行い実施例1に係る透光性導電膜形成用塗布液(アセチルアセトンインジウム:8.92%、アセチルアセトン錫:0.88%、ITO微粒子:1.96%、HPC:2.55%、溶剤:残部)を調整した。この透光性導電膜形成用塗布液の粘度(25℃)は、約22Pa・sであった。この塗布液をソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ、透過率:92%、ヘイズ:0%)上にスクリーン印刷(東京プロセスサービス(株)製、150メッシュ版T150S)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中550℃で30分間焼成して実施例1に係る透光性導電膜を得た。
得られた透光性導電膜の可視光線透過率は89%、ヘイズは39%、表面抵抗値は950Ω/□(オーム・パー・スクエアと読む)で、可視光線吸収率は3%であった。透光性導電膜の断面形状は、厚さ約0.25μmの平坦な領域の中に、平均高さ4μm弱の凸部が点在するものであった。上記透光性導電膜の膜強度を調べるために、膜表面を爪で軽く擦ったところ傷はほとんど見られなかった。
尚、透光性導電膜の透過率(可視光)及びヘイズ値は、透光性導電膜だけの値であり、それぞれ下記計算式により求められる。
[式]
透光性導電膜の透過率(%)=(透光性導電膜付き基板の透過率)/(基板の透過率)×100
透光性導電膜のヘイズ値(%)=(透光性導電膜付き基板のヘイズ値)−(基板のヘイズ値)
尚、透光性導電膜の可視光線吸収率は、透光性導電膜だけの値であり、下記計算式により求められる。
[式]
透光性導電膜の吸収率(%)=(透光性導電膜付き基板の吸収率)−(基板の吸収率)
ここで、
透光性導電膜付き基板の吸収率(%)
=100−(透光性導電膜付き基板の透過率)−(透光性導電膜付き基板の反射率)
基板の吸収率(%)=100−(基板の透過率)−(基板の反射率)
(実施例2)
アセチルアセトンインジウム:In(C(分子量=412.15)40g、p−tert−ブチルフェノール42g、二塩基酸エステル(デュポンジャパン製)14g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)4gを混合し、130℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、次に、得られた溶解液25g、シクロヘキサノン25g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)10g、メチルエチルケトン(MEK)40gを混合して均一になるまで良く攪拌し、アセチルアセトンインジウムとヒドロキシプロピルセルロースを含有する溶解液(B−1液)を作製した。
次に、チタンテトライソプロポキシド[Ti(CO)](分子量=284.26)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌し、チタンテトライソプロポキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(B−2液)を作製した。
上記B−1液49gとB−2液1gを均一になるまで良く攪拌し、褐色透明で均一なインク溶液(B液)(アセチルアセトンインジウム:9.80%、チタンテトライソプロポキシド:0.20%、HPC:0.98%、アクリル樹脂:0.02g、溶剤:残部)を得た。このB液の粘度(25℃)は、約10mPa・sであった。
導電性酸化物微粒子として、住友金属鉱山(株)製の針状ITO微粒子(SCP−X700B;圧粉抵抗値0.05Ω・cm[98N/cm(100kgf/cm)の圧力下で測定]、BET比表面積=8.6m/g、太さ3〜5μm、平均長さ35μm、平均アスペクト比=約10)を粉砕処理(アルコールスラリーで湿式ビーズミル粉砕し、固液分離した後、真空乾燥)して得られた平均粒径約0.5μmのITO微粒子(全て粒状粒子)を用いた。
上記B液50gに上記ITO微粒子0.5gを混合し、良く攪拌した後、超音波処理によるITO微粒子の分散処理を行い実施例2に係る透光性導電膜形成用塗布液(アセチルアセトンインジウム:9.70%、チタンテトライソプロポキシド:0.20%、ITO微粒子:0.99%、HPC:0.97%、アクリル樹脂:0.02%、溶剤:残部)を調整した。この透光性導電膜形成用塗布液の粘度(25℃)は、約10mPa・sであった。 この塗布液を、25℃のソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ)上の全面にスピンコーティング(250rpm)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中400℃で30分間焼成し、そのまま雰囲気を2%水素−98%窒素に切替えて400℃で更に10分間焼成して実施例2に係る透明導電膜を作製した。
得られた透光性導電膜の可視光線透過率は88%、ヘイズは45%、表面抵抗値は200Ω/□で、可視光線吸収率は3%であった。透光性導電膜の断面形状は、厚さ約0.25μmの平坦な領域の中に、平均高さ約0.3μmの凸部が点在するものであった。上記透光性導電膜の膜強度を調べるために、膜表面を爪で軽く擦ったところ傷はほとんど見られなかった。
(実施例3)
ニオブ−n−ブトキシド[Nb(CO)](分子量=458.12)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、ニオブ−n−ブトキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(C−2液)を作製した。
実施例2のB−1液47.5gと上記C−2液2.5gを均一になるまで良く攪拌し、褐色透明で均一なインク溶液(C液)(アセチルアセトンインジウム:9.50%、ニオブ−n−ブトキシド:0.50%、HPC:0.95%、アクリル樹脂:0.05%、溶剤:残部)を得た。このC液の粘度(25℃)は、約10mPa・sであった。
導電性酸化物微粒子として、住友金属鉱山(株)製の針状ITO微粒子(SCP−X700B;圧粉抵抗値0.05Ω・cm[98N/cm(100kgf/cm)の圧力下で測定]、BET比表面積=8.0m/g、太さ約5μm、平均長さ40μm、平均アスペクト比=約8)を実施例1と同様の方法で粉砕処理して得られた平均粒径約5μmのITO微粒子(アスペクト比が2以上の粒子は極めて少なく(粒子全体の5%未満)、粒状粒子がほとんどであった(平均アスペクト比=約1))を用いた。
上記C液50gに上記ITO微粒子1.5gを混合し、良く攪拌した後、超音波処理によるITO微粒子の分散処理を行い実施例3に係る透光性導電膜形成用塗布液(アセチルアセトンインジウム:9.22%、ニオブ−n−ブトキシド:0.49%、ITO微粒子:2.91%、HPC:0.92%、アクリル樹脂:0.05%、溶剤:残部)を調整した。この透光性導電膜形成用塗布液の粘度(25℃)は、約10mPa・sであった。この塗布液を、25℃のソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ)上の全面にスピンコーティング(250rpm)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中350℃で60分間焼成し、そのまま雰囲気を2%水素−98%窒素に切替えて400℃で更に10分間焼成して実施例3に係る透明導電膜を作製した。
得られた透光性導電膜の可視光線透過率は84%、ヘイズは51%、表面抵抗値は450Ω/□で、可視光線吸収率は6%であった。透光性導電膜の断面形状は、厚さ約0.3μmの平坦な領域の中に、平均高さ5μm弱の凸部が点在するものであった。上記透光性導電膜の膜強度を調べるために、膜表面を爪で軽く擦ったところ傷はほとんど見られなかった。
(実施例4)
ハフニウム−n−ブトキシド[Hf(CO)](分子量=470.95)10g、シクロヘキサノン89g、アクリル樹脂(三菱レイヨン製EMB−002)1gを混合し、80℃に加温して90分間攪拌して溶解させ、ハフニウム−n−ブトキシドとアクリル樹脂を含有する溶解液(D−2液)を作製した。
実施例2のB−1液47.5gと上記D−2液2.5gを均一になるまで良く攪拌し、褐色透明で均一なインク溶液(D液)(アセチルアセトンインジウム:9.50%、ハフニウム−n−ブトキシド:0.50%、HPC:0.95%、アクリル樹脂:0.05%、溶剤:残部)を得た。このD液の粘度(25℃)は、約10mPa・sであった。
導電性酸化物微粒子として、住友金属鉱山(株)製の針状ITO微粒子(SCP−X700B;圧粉抵抗値0.05Ω・cm[98N/cm(100kgf/cm)の圧力下で測定]、BET比表面積=8.6m/g、太さ3〜5μm、平均長さ35μm、平均アスペクト比=約10)を粉砕処理(アルコールスラリーで湿式ビーズミル粉砕し、固液分離した後、真空乾燥)して得られた平均粒径約2μmのITO微粒子(全て粒状粒子)を用いた。
上記D液50gに上記ITO微粒子1gを混合し、良く攪拌した後、3ロールミルによるITO微粒子の分散処理を行い実施例4に係る透光性導電膜形成用塗布液(アセチルアセトンインジウム:9.31%、ハフニウム−n−ブトキシド:0.49%、ITO微粒子:1.96%、HPC:0.93%、アクリル樹脂:0.05%、溶剤:残部)を調整した。この透光性導電膜形成用塗布液の粘度(25℃)は、約10mPa・sであった。この塗布液を、25℃のソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ)上の全面にスピンコーティング(250rpm)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中500℃で30分間焼成し、そのまま雰囲気を2%水素−98%窒素に切替えて400℃で更に10分間焼成して実施例4に係る透明導電膜を作製した。
得られた透光性導電膜の可視光線透過率は84%、ヘイズは56%、表面抵抗値は150Ω/□で、可視光線吸収率は5%であった。透光性導電膜の断面形状は、厚さ約0.3μmの平坦な領域の中に、平均高さ2μm弱の凸部が点在するものであった。上記透光性導電膜の膜強度を調べるために、膜表面を爪で軽く擦ったところ傷はほとんど見られなかった。
(実施例5)
アセチルアセトンインジウム [In(C)](分子量=412.15)4.55g、アセチルアセトン錫(正式名称:ジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫、[Sn(C(C)])(分子量=431.14)0.45g、p−tert−ブチルフェノール17.6g、二塩基酸エステル(デュポンジャパン製)26.4g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)1.0gを混合し、130℃に加温して90分間攪拌して溶解させた後、シクロヘキサノン15g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)10g、メチルエチルケトン(MEK)24gを混合して均一になるまで良く攪拌し、て、褐色透明で均一なインク溶液(E液)(アセチルアセトンインジウム:4.55%、アセチルアセトン錫:0.45%、HPC:0.5%、溶剤:残部)を得た。このE液の粘度(25℃)は、約10mPa・sであった。
導電性酸化物微粒子として、住友金属鉱山(株)製の針状ITO微粒子(SCP−X700B;圧粉抵抗値0.05Ω・cm[98N/cm(100kgf/cm)の圧力下で測定]、BET比表面積=8.6m/g、太さ3〜5μm、平均長さ35μm、平均アスペクト比=約10)を実施例1と同様の方法で粉砕処理して得られた平均粒径約4μmのITO微粒子(アスペクト比が2以上の粒子は極めて少なく(粒子全体の5%未満)、粒状粒子がほとんどであった(平均アスペクト比=約1))を用いた。
E液50gに上記ITO微粒子0.5gを混合し、良く攪拌した後、超音波処理によるITO微粒子の分散処理を行い実施例5に係る透光性導電膜形成用塗布液(アセチルアセトンインジウム:4.55%、アセチルアセトン錫:0.45%、ITO微粒子:1.0%、HPC:0.5%、溶剤:残部)を調整した。この透光性導電膜形成用塗布液の粘度(25℃)は、約10mPa・sであった。この塗布液をソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ、透過率:92%、ヘイズ:0%)の全面にスピンコーティング(250rpm)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中550℃で30分間焼成して実施例5に係る透光性導電膜を得た。
得られた透光性導電膜の可視光線透過率は88%、ヘイズは45%、表面抵抗値は1000Ω/□で、可視光線吸収率は3%であった。透光性導電膜の断面形状は、厚さ約0.25μmの平坦な領域の中に、平均高さ4μm弱の凸部が点在するものであった。上記透光性導電膜の膜強度を調べるために、膜表面を爪で軽く擦ったところ傷はほとんど見られなかった。
(実施例6)
アセチルアセトンインジウム [In(C)](分子量=412.15)18.20g、アセチルアセトン錫(正式名称:ジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫、[Sn(C(C)])(分子量=431.14)1.80g、p−tert−ブチルフェノール30.96g、二塩基酸エステル(デュポンジャパン製)46.44g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)2.60gを混合し、130℃に加温して90分間攪拌して溶解させて、褐色透明で均一なペースト状溶液(F液)(アセチルアセトンインジウム:18.20%、アセチルアセトン錫:1.8%、HPC:2.60%、溶剤:残部)を得た。このF液の粘度(25℃)は、約28Pa・sであった。
F液50gに実施例5で用いたITO微粒子2gを混合し、良く攪拌した後、3ロールミルによるITO微粒子の分散処理を行い実施例6に係る透光性導電膜形成用塗布液(アセチルアセトンインジウム:17.5%、アセチルアセトン錫:1.73%、ITO微粒子:3.85%、HPC:2.5%、溶剤:残部)を調整した。この透光性導電膜形成用塗布液の粘度(25℃)は、約30Pa・sであった。この塗布液をソーダライムガラス基板(10cm×10cm×3mm厚さ、透過率:92%、ヘイズ:0%)上にスクリーン印刷(250メッシュ版)した後、180℃で20分間乾燥し、更に大気中550℃で30分間焼成して実施例6に係る透光性導電膜を得た。
得られた透光性導電膜の可視光線透過率は87%、ヘイズは47%、表面抵抗値は1000Ω/□で、可視光線吸収率は3%であった。透光性導電膜の断面形状は、厚さ約0.25μmの平坦な領域の中に、平均高さ4μm弱の凸部が点在するものであった。上記透光性導電膜の膜強度を調べるために、膜表面を爪で軽く擦ったところ傷はほとんど見られなかった。
(比較例1)
実施例1のITO微粒子が配合されていないA液を透明導電膜形成用塗布液として用い、実施例1と同様にして成膜を行い、比較例1に係る透明導電膜を得た。
得られた透明導電膜の可視光線透過率は98%、ヘイズは0.1%、表面抵抗値は650Ω/□で、可視光線吸収率は1%であった。透明導電膜の断面形状は、膜厚約0.2μmの極めて平坦な膜で(表面粗さ(Ra)は約0.5nm)、高さ0.2μm以上の凸部は全く見られなかった。上記透明導電膜の膜強度を調べるために、膜表面を爪で軽く擦ったところ傷は見られなかった。
(比較例2)
実施例1のA液50gに実施例5で用いたITO微粒子0.25gを混合し、良く攪拌した後、3ロールミルによるITO微粒子の分散処理を行い比較例2に係る透光性導電膜形成用塗布液(アセチルアセトンインジウム:9.05%、アセチルアセトン錫:0.90%、ITO微粒子:0.5%、HPC:2.59%、溶剤:残部)を調整した。この透光性導電膜形成用塗布液の粘度(25℃)は、約20Pa・sであった。この塗布液を用いた以外は、実施例1と同様に行い、比較例2に係る透光性導電膜を得た。
得られた透光性導電膜の可視光線透過率は95%、ヘイズは15%、表面抵抗値は700Ω/□で、可視光線吸収率は1%であった。透光性導電膜の断面形状は、厚さ約0.2μmの平坦な領域の中に、平均高さ4μm弱の凸部が点在するものであった。上記透光性導電膜の膜強度を調べるために、膜表面を爪で軽く擦ったところ傷はほとんど見られなかった。
(比較例3)
実施例1のA液50gに実施例5で用いたITO微粒子1.75gを混合し、良く攪拌した後、3ロールミルによるITO微粒子の分散処理を行い比較例3に係る透光性導電膜形成用塗布液(アセチルアセトンインジウム:8.79%、アセチルアセトン錫:0.87%、ITO微粒子:3.38%、HPC:2.51%、溶剤:残部)を調整した。この透光性導電膜形成用塗布液の粘度(25℃)は、約28Pa・sであった。この塗布液を用いた以外は、実施例1と同様に行い、比較例3に係る透光性導電膜を得た。
得られた透光性導電膜の可視光線透過率は83%、ヘイズは68%、表面抵抗値は1600Ω/□で、可視光線吸収率は5%であった。透光性導電膜の断面形状は、導電性酸化物微粒子による凸部が膜全面に形成され、ほとんど平坦な領域が見られなかった。上記透光性導電膜の膜強度を調べるために、膜表面を爪で軽く擦ったところ多くの傷が見られ、透光性導電膜の一部は剥離した。
(比較例4)
導電性酸化物微粒子として、平均粒径0.03μmの住友金属鉱山(株)製の粒状のITO微粒子(SUFP−HX;圧粉抵抗値0.2Ω・cm[98N/cm(100kgf/cm)の圧力下で測定] 、BET比表面積=28m/g)を用いた。
実施例1のA液50gに上記ITO微粒子1gを混合し、良く攪拌した後、3ロールミルによるITO微粒子の分散処理を行い比較例4に係る透光性導電膜形成用塗布液(アセチルアセトンインジウム:8.92%、アセチルアセトン錫:0.88%、ITO微粒子:1.96%、HPC:2.55%、溶剤:残部)を調整した。この透光性導電膜形成用塗布液の粘度(25℃)は、約30Pa・sであった。この塗布液を用いた以外は、実施例1と同様に行い、比較例4に係る透光性導電膜を得た。
得られた透光性導電膜の可視光線透過率は94%、ヘイズは8%、表面抵抗値は600Ω/□で、可視光線吸収率は3%であった。透光性導電膜の断面形状は、導電性酸化物微粒子が極めて微細だったため、膜厚約0.3μmの平坦な膜で(表面粗さ(Ra)は約30nm)、高さ0.2μm以上の凸部は全く見られなかった。上記透光性導電膜の膜強度を調べるために、膜表面を爪で軽く擦ったところ傷はほとんど見られなかった。
(比較例5)
導電性酸化物微粒子として、住友金属鉱山(株)製の針状ITO微粒子(試作品;圧粉抵抗値0.04Ω・cm[98N/cm(100kgf/cm)の圧力下で測定]、BET比表面積=8.0m/g、太さ約8μm、平均長さ16μm、平均アスペクト比=約2)を実施例1と同様の方法で粉砕処理して得られた平均粒径約8μmのITO微粒子(アスペクト比が2以上の粒子は極めて少なく(粒子全体の5%未満)、粒状粒子がほとんどであった(平均アスペクト比=約1))を用いた。
実施例1のA液50gに上記ITO微粒子1gを混合し、良く攪拌した後、3ロールミルによるITO微粒子の分散処理を行い比較例5に係る透光性導電膜形成用塗布液(アセチルアセトンインジウム:8.92%、アセチルアセトン錫:0.88%、ITO微粒子:1.96%、HPC:2.55%、溶剤:残部)を調整した。この透光性導電膜形成用塗布液の粘度(25℃)は、約21Pa・sであった。この塗布液を用いた以外は、実施例1と同様に行い、比較例5に係る透光性導電膜を得た。
得られた透光性導電膜の可視光線透過率は95%、ヘイズは18%、表面抵抗値は650Ω/□で、可視光線吸収率は3%であった。透光性導電膜の断面形状は、厚さ約0.2μmの平坦な領域の中に、平均高さ8μm弱の凸部がまばらに点在するものであった。上記透光性導電膜の膜強度を調べるために、膜表面を爪で軽く擦ったところ多くの傷が見られ、導電性酸化物微粒子の透光性導電膜からの離脱が観察された。
(比較例6)
アセチルアセトンインジウム [In(C)](分子量=412.15)27.3g、アセチルアセトン錫(正式名称:ジ−n−ブトキシド ビス(2,4−ペンタンジオナト)錫、[Sn(C(C](分子量=431.14)2.70g、p−tert−ブチルフェノール26.96g、二塩基酸エステル(デュポンジャパン製)40.44g、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)2.60gを混合し、130℃に加温して90分間攪拌して溶解させて、褐色透明で均一なペースト状溶液(G液)(アセチルアセトンインジウム:27.3%、アセチルアセトン錫:2.7%、HPC:2.60%、溶剤:残部)を得た。加熱したままの上記G液50gに実施例5で用いたITO微粒子3gを混合し、良く攪拌した後、超音波処理によるITO微粒子の分散処理を行い比較例6に係る透光性導電膜形成用塗布液(アセチルアセトンインジウム:25.8%、アセチルアセトン錫:2.55%、ITO微粒子:5.66%、HPC:2.45%、溶剤:残部)を調整した。この透光性導電膜形成用塗布液を室温(25℃)まで冷却して、そのまま1日放置しておいたところ、アセチルアセトンインジウムと思われる多量の結晶析出を生じ、塗布液の安定性が悪かったため、透光性導電膜の成膜を行なわなかった。
各実施例及び各比較例の透明導電膜形成用塗布液中の含有量、導電性酸化物微粒子の平均粒径、導電性酸化物微粒子の配合割合を表1に、可視光線透過率、可視光線吸収率、ヘイズ値、表面抵抗、平坦領域の膜厚、膜断面構造を表2に示す。
以上、各実施例と各比較例を比べると明らかなように、各実施例の平均粒径0.5〜5μmの導電性酸化物微粒子が有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物との合計含有量100重量部に対し10〜30重量部の範囲内で配合された透光性導電膜形成用塗布液を用いれば、得られる透光性導電膜は平坦な領域とその中に点在する凸部からなる膜構造を形成し、吸収率が小さく高い導電性と膜強度と耐熱性を有し、かつ高ヘイズの優れた光拡散性を示すことができるのに対して、比較例1、及び2の有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物に対し導電性酸化物微粒子の配合量が少ないか、あるいは全く配合されていない透光性(又は、透明)導電膜形成用塗布液を用いた場合には、吸収率が小さく高い導電性と膜強度と耐熱性を有するものの、ヘイズが極めて低く光拡散性に乏しい膜であることがわかる。また、比較例3では、平均粒径0.5〜5μmの導電性酸化物微粒子を所定量よりも多く配合した透光性導電膜形成用塗布液を用いているため、膜構造はほぼ凸部だけで平坦な領域が見られず、高ヘイズで優れた光拡散性を示すものの、抵抗値が高く、膜強度が低い透光性導電膜である。更に、比較例4、及び5の場合は、平均粒径が0.5〜5μmの範囲から外れた導電性酸化物微粒子を配合した透光性導電膜形成用塗布液を用いているため、いずれの透光性導電膜もそのヘイズ値が低く光拡散性に乏しく、特に比較例5は膜強度も低いことが判る。
本発明による透光性導電膜形成用塗布液は、基板上への膜形成に際して安価な各種塗布方法を使用することが可能であり、得られる無機成分からなる透光性導電膜は、優れた光拡散性と導電性、及び高い膜強度と耐熱性を兼ね備え、かつ可視光線吸収が少ないため、無機EL素子、有機EL素子、蛍光表示管、FEランプ等の発光素子の透明電極等への利用が期待できる。
従来の透明導電膜の構造を示す概略の断面図である。 従来の透明導電膜の別な構造を示す概略の断面図である。 本発明に係る透光性導電膜の構造を示す概略の断面図である。 導電性酸化物微粒子の配合割合が多すぎる透光性導電膜の構造を示す概略の断面図である。 微細な導電性酸化物微粒子(平均粒径0.3μm程度)が配合された透光性導電膜の構造を示す概略の断面図である。 微細な導電性酸化物微粒子(平均粒径0.2μm程度)が配合された透光性導電膜の別の構造を示す概略の断面図である。 極めて微細な導電性酸化物微粒子(平均粒径0.05μm程度)が配合された透光性導電膜の構造を示す概略の断面図である。 極めて微細な導電性酸化物微粒子(平均粒径0.05μm程度)が配合された透光性導電膜の別の構造を示す概略の断面図である。
符号の説明
1 基板
2 有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物、溶剤を含有する透明導電膜形成用塗布液で形成された透明導電膜
2a 透光性導電膜形成用塗布液中の有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物成分から形成された透明導電膜部分
3 導電性酸化物微粒子
4 直線入射光
5 直線透過光
6 拡散透過光

Claims (11)

  1. 基板上に透光性導電膜を形成するための、少なくとも有機インジウム化合物、ドーパント用有機金属化合物、及び溶剤を含有する透光性導電膜形成用塗布液であって、
    前記有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物との合計含有量が5〜20重量%であり、前記塗布液中には、更に平均粒径0.5〜5μmの導電性酸化物微粒子が前記有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物との合計含有量100重量部に対し10〜30重量部の範囲内で含有されており、且つ前記導電性酸化物微粒子は前記透光性導電膜の平坦な領域内に点在する凸部となすことを特徴とする透光性導電膜形成用塗布液。
  2. 前記平均粒径0.5〜5μmの導電性酸化物微粒子が、平均長さが30μm以上、かつ平均アスペクト比が5以上の導電性酸化物針状微粒子を粉砕処理して得られた微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の透光性導電膜形成用塗布液。
  3. 前記有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物の合計含有量が5〜15重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透光性導電膜形成用塗布液。
  4. 前記有機インジウム化合物とドーパント用有機金属化合物の含有割合が、該有機インジウム化合物/ドーパント用有機金属化合物のモル比で100/0.1〜100/15であることを特徴とする請求項1〜3に記載の透光性導電膜形成用塗布液。
  5. 前記ドーパント用有機金属化合物が有機錫化合物、有機チタン化合物、有機タングステン化合物、有機亜鉛化合物、有機タンタル化合物、有機ニオブ化合物、有機ハフニウム化合物、有機ジルコニウム化合物、有機バナジウム化合物、から選択される少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透光性導電膜形成用塗布液。
  6. 前記有機インジウム化合物が、アセチルアセトンインジウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透光性導電膜形成用塗布液。
  7. 前記導電性酸化物微粒子は、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛のいずれか一つ以上を主成分として含有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透光性導電膜形成用塗布液。
  8. 前記透光性導電膜形成用塗布液に、更にバインダーとしてセルロース誘導体及び/又はアクリル樹脂を5重量%以下含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の透光性導電膜形成用塗布液。
  9. 前記セルロース誘導体が、エチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースであることを特徴とする請求項8に記載の透光性導電膜形成用塗布液。
  10. 前記溶剤に、アルキルフェノール及び/又はアルケニルフェノール、二塩基酸エステル及び/又は酢酸ベンジルを含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の透光性導電膜形成用塗布液。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の透光性導電膜形成用塗布液を基板上に塗布、乾燥した後、300℃以上の温度で焼成して得られる無機成分からなる透光性導電膜であって、平坦な領域、及び該平坦な領域内に点在する高さ0.2μm以上の凸部からなる膜構造を有し、膜のヘイズ値が30%以上で、膜の可視光線吸収率が8%以下であることを特徴とする透光性導電膜。
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