JP2008115024A - 導電性酸化物粉体及び導電性酸化物粉体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インジウム使用量の低減が可能であり、紫外線遮蔽効果を有する導電性酸化物粉体を提供する。
【解決手段】インジウム元素、Ti、Mn、Ni及びCuから選択される1種又は2種以上の遷移金属元素、及びスズ元素を含む原料を、還元雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲気中で焼成して得られ、酸素を除く全原子に占める前記インジウム元素、遷移金属元素及びスズ元素の割合が、20mol%<インジウム元素<99.99mol%、0.005mol%<遷移金属元素<50mol%、0.005mol%<スズ元素<50mol%である導電性酸化物粉体。
【選択図】なし
【解決手段】インジウム元素、Ti、Mn、Ni及びCuから選択される1種又は2種以上の遷移金属元素、及びスズ元素を含む原料を、還元雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲気中で焼成して得られ、酸素を除く全原子に占める前記インジウム元素、遷移金属元素及びスズ元素の割合が、20mol%<インジウム元素<99.99mol%、0.005mol%<遷移金属元素<50mol%、0.005mol%<スズ元素<50mol%である導電性酸化物粉体。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電性酸化物粉体及び導電性酸化物粉体の製造方法に関する。
ITO(酸化スズ添加酸化インジウム)を主とする導電性酸化物粉末の利用分野としては、透明導電膜への利用が盛んになっている。導電性酸化物粉末を透明導電膜とするには、例えば一次粒子の粒径が約0.1μm以下の導電性酸化物粉末を溶媒とバインダー樹脂からなる溶液中に分散させ、これを、ガラス、プラスチック等の基材に塗布、印刷、浸漬、スピンコート又は噴霧等の手段で塗工し、乾燥する方法がある。
こうして作製した透明導電膜は、ガラス、プラスチック等の帯電防止やほこりの付着防止に有効であり、ディスプレーや計測器の窓ガラスの帯電防止やほこりの付着防止用として利用されている。
さらに、ICパッケージ回路形成、クリーンルーム内装材、各種ガラスやフィルム等の帯電防止やほこりの付着防止、塗布型透明電極又は赤外線遮蔽材料等の用途に利用もしくは検討が行われており、今後の需要の伸びが期待されている。
さらに、ICパッケージ回路形成、クリーンルーム内装材、各種ガラスやフィルム等の帯電防止やほこりの付着防止、塗布型透明電極又は赤外線遮蔽材料等の用途に利用もしくは検討が行われており、今後の需要の伸びが期待されている。
このような利用の拡大に伴って、特に導電性に優れたITO粉末の需要が高まっているが、原料となるインジウムが希少金属であり埋蔵量も少ないため、インジウムフリー又はインジウムの含有量の少ない透明導電性材料の開発が望まれている。また、透明性及び導電性に加えて、熱線遮蔽効果や紫外線遮蔽効果を有する材料が求められている。
特許文献1には、2種以上の遷移金属の混合水酸化物等からなる出発原料を、加圧不活性ガス雰囲気下に温度350〜1000℃で加熱処理する導電性酸化物粉末の製造方法が開示されている。しかし、本発明で規定する特定の遷移金属についての開示はなく、後述する共沈法を製造方法として採用している。
特許文献2には、インジウム、スズのほかに第三元素としてアルミニウムや鉄等を少量添加し、アスペクト比を大きくし電気伝導性を向上させる導電性粉末が開示されている。しかし、本発明で規定する特定の遷移金属についての開示はなく、後述する共沈法を製造方法として採用している。
共沈法とは、複数の金属塩溶液又は金属水酸化物溶液から水素イオン濃度を調節して沈殿を形成し、これを洗浄した後に加熱処理する導電性粉末の製造方法である。
特許文献1及び2で開示されている共沈法等の方法では、プロセスが複雑であり廃水処理等にもコストがかかるという大きな問題点があった。
特許文献1及び2で開示されている共沈法等の方法では、プロセスが複雑であり廃水処理等にもコストがかかるという大きな問題点があった。
一方、従来から知られている、大気中で2種類以上の原料を混合し、大気中で焼成して反応させた後、粉砕し微粉を得るという方法では、導電性の発現と超微粒子化を両立させることが難しい。特にインジウム含有量が少ない場合に良好な導電性が得られず、用途によっては紫外線の遮蔽が十分ではないという課題があった。
特開平7−21831号公報
特開2004−111106号公報
本発明の目的は、インジウム使用量の低減が可能であり、紫外線遮蔽効果を有する導電性酸化物粉体を提供することである。
本発明の他の目的は、廃水処理のいらない又は少量の廃水処理でよい導電性酸化物粉体の製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、廃水処理のいらない又は少量の廃水処理でよい導電性酸化物粉体の製造方法を提供することである。
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、主にIn−Me−Sn(Meは遷移金属元素)からなる酸化物において、In含有量が少ない省In酸化物であっても、不活性ガス(窒素、ヘリウム、アルゴン等)雰囲気中及び/又は還元(水素等)雰囲気中で焼成することにより粉末の導電性が高くなることを見出し、また、In含有量が多い領域でも、導電性が向上することを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の導電性酸化物粉体及びその製造方法等が提供される。
1.インジウム元素、Ti、Mn、Ni及びCuから選択される1種又は2種以上の遷移金属元素、及びスズ元素を含む原料を、還元雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲気中で焼成して得られ、酸素を除く全原子に占める前記インジウム元素、遷移金属元素及びスズ元素の割合が、20mol%<インジウム元素<99.99mol%、0.005mol%<遷移金属元素<50mol%、0.005mol%<スズ元素<50mol%である導電性酸化物粉体。
2.100kg/cm2の圧力印加時の電気伝導度が1×10−3S/cm以上である1に記載の導電性酸化物粉体。
3.インジウム酸化物、スズ酸化物及びTi、Mn、Fe、Ni及びCuから選択される1種又は2種以上の遷移金属の酸化物を混合して、混合物を調製し、前記混合物を還元雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲気中で加熱処理する、酸素を除く全原子に占める前記インジウム元素、遷移金属元素及びスズ元素の割合が、20mol%<インジウム元素<99.99mol%、0.005mol%<遷移金属元素<50mol%、0.005mol%<スズ元素<50mol%である導電性酸化物粉体の製造方法。
4.1又は2に記載の導電性酸化物粉体からなる焼結体。
本発明によれば、以下の導電性酸化物粉体及びその製造方法等が提供される。
1.インジウム元素、Ti、Mn、Ni及びCuから選択される1種又は2種以上の遷移金属元素、及びスズ元素を含む原料を、還元雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲気中で焼成して得られ、酸素を除く全原子に占める前記インジウム元素、遷移金属元素及びスズ元素の割合が、20mol%<インジウム元素<99.99mol%、0.005mol%<遷移金属元素<50mol%、0.005mol%<スズ元素<50mol%である導電性酸化物粉体。
2.100kg/cm2の圧力印加時の電気伝導度が1×10−3S/cm以上である1に記載の導電性酸化物粉体。
3.インジウム酸化物、スズ酸化物及びTi、Mn、Fe、Ni及びCuから選択される1種又は2種以上の遷移金属の酸化物を混合して、混合物を調製し、前記混合物を還元雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲気中で加熱処理する、酸素を除く全原子に占める前記インジウム元素、遷移金属元素及びスズ元素の割合が、20mol%<インジウム元素<99.99mol%、0.005mol%<遷移金属元素<50mol%、0.005mol%<スズ元素<50mol%である導電性酸化物粉体の製造方法。
4.1又は2に記載の導電性酸化物粉体からなる焼結体。
本発明によれば、インジウム使用量の低減が可能であり、紫外線遮蔽効果を有する導電性酸化物粉体を提供することができる。
本発明によれば、廃水処理のいらない導電性酸化物粉体の製造方法を提供することができる。
本発明によれば、廃水処理のいらない導電性酸化物粉体の製造方法を提供することができる。
本発明の導電性酸化物粉体は、インジウム元素、Ti、Mn、Ni及びCuから選択される1種又は2種以上の遷移金属元素、及びスズ元素を含む原料を、還元雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲気中で焼成して得られるものである。
インジウム元素の少ない酸化物では粉砕により格子欠陥が多く入るため、大気中で焼成しても電気伝導度が上がらない。本発明の導電性酸化物粉体は、不活性ガス中で焼成を行うことにより、上記格子欠陥が修復され、例えば、インジウム含有量が金属元素のモル比で80%以下であっても良好な導電性が生じることが考えられる。
また、インジウム含有量が高い領域においても、上記遷移金属元素はインジウムよりもイオン半径が小さいため、結晶が収縮し、元素の伝導帯の重なりが大きくなる。従って、電子が動き易くなることが考えられ、導電性が向上する。
また、インジウム含有量が高い領域においても、上記遷移金属元素はインジウムよりもイオン半径が小さいため、結晶が収縮し、元素の伝導帯の重なりが大きくなる。従って、電子が動き易くなることが考えられ、導電性が向上する。
加えて、ITOを主とする導電性酸化物粉体では紫外線の遮蔽が十分ではないが、本発明の導電性酸化物粉体は上記遷移金属元素を含有することで、紫外線遮蔽効果も発現できる。
本発明の導電性酸化物粉体において、酸素を除く全原子に占めるインジウム元素、遷移金属元素及びスズ元素の割合は、20mol%<インジウム元素<99.99mol%、0.005mol%<遷移金属元素<50mol%、0.005mol%<スズ元素<50mol%である。この範囲において、さらに導電性を向上させることができる。インジウム元素が20mol%以下の場合、導電性が非常に低くなるおそれがある。導電性及び省インジウムの観点から、インジウム元素のより好ましい含有率は30〜80mol%である。遷移金属元素のより好ましい含有率は10〜35mol%である。スズ元素のより好ましい含有率は10〜35mol%である。
上記酸化物粉体中の各元素の含有率は、出発原料の各元素粉末の配合量により調整することができる。
尚、酸化物粉体中の各元素の含有率は、ICP発光分析により測定した値であるが、出発原料における各原子の含有率と焼成後の含有率は、ほぼ同じ値である。
尚、酸化物粉体中の各元素の含有率は、ICP発光分析により測定した値であるが、出発原料における各原子の含有率と焼成後の含有率は、ほぼ同じ値である。
本発明の導電性酸化物粉体の製造方法において、導電性酸化物粉体はインジウム酸化物、スズ酸化物及びTi、Mn、Fe、Ni及びCuから選択される1種又は2種以上の遷移金属の酸化物を混合して、混合物を調製し、混合物を還元雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲気中で加熱処理して得ることができる。
導電性酸化物粉体の出発原料としては、上述した元素を含む酸化物、炭酸塩又は硝酸塩等が使用できる。例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化鉄、酸化銅等の酸化物粉末、炭酸ニッケル等の炭酸塩、硝酸ニッケル等の硝酸塩を用いることができる。これらの原料を各元素が所定の割合になるように混合して使用する。
尚、上記混合の際に分散剤等を添加した水、アルコール等の少量の溶媒を用いてもよい。
尚、上記混合の際に分散剤等を添加した水、アルコール等の少量の溶媒を用いてもよい。
本発明の導電性酸化物粉体の製造方法は、共沈法と異なり多量の溶媒を必要とせず、混合の際に溶媒を使用しない、又は少量の溶媒で混合することができる。従って、廃水処理が不要、又は少量の廃水処理で導電性酸化物粉体を製造することができる。
尚、焼成過程で粒成長しやすい場合があるので、これら原料の粒径は目的物である粉体の粒径よりも小さいほうが好ましい。このため、出発原料を予め混合した後、遊星ボールミル等で混合、粉砕することが好ましい。
上記出発原料物質を、水素、アンモニア等の還元雰囲気中、及び/又は、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で焼成する。還元雰囲気の形成に使用する気体としては、取扱い容易性の点で水素が好ましい。不活性ガスとしては、入手容易性の点でアルゴンが好ましい。
尚、還元雰囲気とは水素等の還元性を有するガスを含む雰囲気を意味し、不活性ガスで希釈された状態であってもよい。水素ガスの場合、系外に漏れたときの爆発限界以下である点において4体積%以下が好適である。還元性ガスを添加する利点として、導電性粉体を製造する焼成温度をより低温化できる点が挙げられる。
焼成工程は、出発原料を所定量秤量し、混合して不活性ガス(窒素、He、Ar等)中で加熱処理する。
加熱処理温度は、通常、300〜1000℃の範囲が好ましい。1000℃を超える温度の場合、粒成長が激しく微粒子を作製するのが難しい。また、加熱時間は、加熱温度に依存し、加熱温度が高温であるほど、加熱時間は短くなる。例えば、加熱温度が1000℃を超える場合、加熱時間は通常10分以下であり、加熱温度が500〜1000℃の範囲の場合、加熱時間は通常30分以下であり、加熱温度が500℃未満の場合、加熱時間は通常数時間程度である。
加熱処理温度は、通常、300〜1000℃の範囲が好ましい。1000℃を超える温度の場合、粒成長が激しく微粒子を作製するのが難しい。また、加熱時間は、加熱温度に依存し、加熱温度が高温であるほど、加熱時間は短くなる。例えば、加熱温度が1000℃を超える場合、加熱時間は通常10分以下であり、加熱温度が500〜1000℃の範囲の場合、加熱時間は通常30分以下であり、加熱温度が500℃未満の場合、加熱時間は通常数時間程度である。
また、水素等で還元する場合は、1体積%水素−99体積%不活性ガスの混合ガス等の還元雰囲気にて、200〜500℃で数分〜数時間還元すると好ましい。
尚、還元した試料を、さらに不活性ガス中で加熱することにより、導電性酸化物粉体の結晶性が向上し、より電気伝導度を向上させることもできる。
尚、還元した試料を、さらに不活性ガス中で加熱することにより、導電性酸化物粉体の結晶性が向上し、より電気伝導度を向上させることもできる。
加熱処理は高い加熱温度で行われる場合、粒成長が激しいため、反応の制御が難しい。一方、加熱処理が低い加熱温度で行われる場合、固相反応が遅いが、粒成長の制御が容易である。従って、低温で長時間加熱処理したほうが、高い導電性を有する導電性酸化物粉体を得ることができる。
上記加熱処理に用いる反応炉は、不活性ガスを充填でき、炉内を不活性ガス雰囲気で維持できるものであれば特に限定されない。例えば、公知の電気炉等を用いて実施できる。
こうして得られた焼成後の酸化物を、解砕することにより導電性酸化物粉体が得られる。解砕方法は特に限定されず、遊星ボールミルやジェットミル等の機械的粉砕方法を用いて乾式で解砕してもよく、ビーズミル等を用いて湿式で解砕してもよい。
本発明の導電性酸化物粉体は、高い導電性を有する。具体的には酸化物粉体を加圧して圧縮させた状態とし、加圧が100kg/cm2のときの電気伝導度(導電率)が1×10−3S/cm以上である。
尚、本発明の導電性酸化物粉体には、出発原料の一部又は全部が焼結している状態のものも含まれる。ここで焼結体とは出発原料粉体を融点以下の温度で焼成して得られる無機酸化物であって、粉体間の結合が生じた状態が観察されるものを意味する。
尚、本発明の導電性酸化物粉体には、出発原料の一部又は全部が焼結している状態のものも含まれる。ここで焼結体とは出発原料粉体を融点以下の温度で焼成して得られる無機酸化物であって、粉体間の結合が生じた状態が観察されるものを意味する。
本発明の導電性酸化物粉体は、その粒径によって様々な用途に用いることができる。例えば、ゴムやプラスチック等への白色導電性フィラーや、焼結体原料として用いる場合は、0.1μm〜数μmが好ましく、透明導電性が要求される用途では0.1μm以下が好ましい。
また、それ自体の持つ機能を利用し帯電防止剤、熱線遮蔽材等、各種用途に用いられる。また、この材料を原料として焼結体にして使用することもできる。例えば、この材料を、公知の方法にて加圧成型し、大気又は不活性ガス中で焼結して焼結体にできる。
具体的には、本発明の導電性酸化物粉体にバインダーを混合して所定の形状に成型し、空気中又は不活性雰囲気中で900℃から1700℃で1分から100時間焼結を行うことで得ることができる。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリブチラール、ポリアクリル酸等が挙げられる。
具体的には、本発明の導電性酸化物粉体にバインダーを混合して所定の形状に成型し、空気中又は不活性雰囲気中で900℃から1700℃で1分から100時間焼結を行うことで得ることができる。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリブチラール、ポリアクリル酸等が挙げられる。
本発明の酸化物導電性材料を用いた焼結体は導電性に優れているため、例えば、導電性膜を形成するときに使用されるスパッタリングターゲットとして好適に用いることができる。
本発明の導電性酸化物粉体は、ビーズミルや振動ミル等を用いて、溶媒、分散剤、可塑剤又はバインダー樹脂からなる溶液中に分散させることで、分散溶液を導電性ペーストや塗布液とすることができる。これら導電性ペーストや塗布液を、ガラス、プラスチック等の基材に塗布、印刷、浸漬、スピンコート又は噴霧等の手段で塗工し、乾燥することにより透明導電膜とすることができる。この膜は、ガラス、プラスチック等の帯電防止やほこりの付着防止に有効である。また、ディスプレーや計測器の窓ガラスの帯電防止やほこりの付着防止用として利用できる。
本発明の導電性酸化物粉体は紫外線遮蔽効果にも優れるので、上記導電性ペーストや塗布液を紫外線遮蔽塗料として好適に用いることができる。
実施例1
酸化インジウム粉末(フルウチ化学株式会社製、純度99.99%(BET表面積35.6m2)8.313g、遊星ボールミルにてあらかじめ微粉砕した酸化第二スズ(フルウチ化学株式会社製、純度99.99%)1.128g、及び酸化ニッケル(NiO、フルウチ化学株式会社製、純度99.99%、200メッシュアンダー品)0.559gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取してアルミナボートに載せ、石英管にいれて管状炉に挿入した。窒素ガスを0.5L/分の流量で流しながら、焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで約10分間で昇温させた後、800℃で5分間保持した後、1時間かけて冷却した。得られた粉体は薄緑色であった。
酸化インジウム粉末(フルウチ化学株式会社製、純度99.99%(BET表面積35.6m2)8.313g、遊星ボールミルにてあらかじめ微粉砕した酸化第二スズ(フルウチ化学株式会社製、純度99.99%)1.128g、及び酸化ニッケル(NiO、フルウチ化学株式会社製、純度99.99%、200メッシュアンダー品)0.559gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取してアルミナボートに載せ、石英管にいれて管状炉に挿入した。窒素ガスを0.5L/分の流量で流しながら、焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで約10分間で昇温させた後、800℃で5分間保持した後、1時間かけて冷却した。得られた粉体は薄緑色であった。
この粉体を加圧しながら二端子法で電気伝導度を測定した。具体的には、アクリル樹脂製の円筒容器(直径12mm)に測定対象の粒子を入れ、上下から銅製の円筒状電極で挟んだ。電気抵抗測定器を用いて電極間の電気抵抗を測定しながら、油圧ジャッキで試料に圧力をかけた。圧力が100kg/cm2に到達した時の電気抵抗と試料の厚さを測定し、下記式から電気伝導度を算出した。
電気伝導度=(抵抗の逆数×試料厚み)/試料面積
その結果、電気伝導度は8.0S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。
電気伝導度=(抵抗の逆数×試料厚み)/試料面積
その結果、電気伝導度は8.0S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。
また、比表面積から得られた導電性粉体の平均粒径は56nmであり超微粒子の導電性酸化物粉体が得られた。尚、平均粒径は窒素吸着によるBET比表面積測定法により比表面積を測定し、下記式から算出した値である。
平均粒径(μm)=6/(密度×比表面積)
尚、上記密度はX線解析測定の結果から格子定数を計算し、それから計算される格子体積と格子内に存在する原子の重量から計算した。
得られた粉体のICP発光分析装置により元素比を測定した結果、電気伝導度及び粒径を表1に示す。尚、金属元素の組成割合(mol比)は酸素を除く全原子に対する割合を示す。
平均粒径(μm)=6/(密度×比表面積)
尚、上記密度はX線解析測定の結果から格子定数を計算し、それから計算される格子体積と格子内に存在する原子の重量から計算した。
得られた粉体のICP発光分析装置により元素比を測定した結果、電気伝導度及び粒径を表1に示す。尚、金属元素の組成割合(mol比)は酸素を除く全原子に対する割合を示す。
実施例2〜13及び比較例1〜2
表1に示す配合量及び焼成条件に従って実施例1と同様にして導電性酸化物粉体を得た。得られた結果を表1に示す。
尚、実施例2〜13及び比較例1〜2で使用した化合物は以下の通りである。
酸化銅(II) :関東化学株式会社製、CuO 99.9%
酸化鉄 :フルウチ化学株式会社製、Fe2O3 99.99%
酸化マンガン :フルウチ化学株式会社製、Mn2O3 99.9%
二酸化チタン :フルウチ化学株式会社製、TiO2 99.99%
表1に示す配合量及び焼成条件に従って実施例1と同様にして導電性酸化物粉体を得た。得られた結果を表1に示す。
尚、実施例2〜13及び比較例1〜2で使用した化合物は以下の通りである。
酸化銅(II) :関東化学株式会社製、CuO 99.9%
酸化鉄 :フルウチ化学株式会社製、Fe2O3 99.99%
酸化マンガン :フルウチ化学株式会社製、Mn2O3 99.9%
二酸化チタン :フルウチ化学株式会社製、TiO2 99.99%
本発明の導電性酸化物粉体は、透明導電性塗料、プラスチックの添加剤(白色フィラー、帯電防止、静電気防止、電磁シールド等)、透明導電性薄膜材料、紫外線遮蔽材料、機能性塗料材料(導電性塗料、熱線反射塗料)等に使用できる。
また、本発明の焼結体は透明導電性薄膜を形成するためのスパッタリングターゲット等に使用できる。
また、本発明の焼結体は透明導電性薄膜を形成するためのスパッタリングターゲット等に使用できる。
Claims (4)
- インジウム元素、Ti、Mn、Ni及びCuから選択される1種又は2種以上の遷移金属元素、及びスズ元素を含む原料を、還元雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲気中で焼成して得られ、
酸素を除く全原子に占める前記インジウム元素、遷移金属元素及びスズ元素の割合が、20mol%<インジウム元素<99.99mol%、0.005mol%<遷移金属元素<50mol%、0.005mol%<スズ元素<50mol%である導電性酸化物粉体。 - 100kg/cm2の圧力印加時の電気伝導度が1×10−3S/cm以上である請求項1に記載の導電性酸化物粉体。
- インジウム酸化物、スズ酸化物及びTi、Mn、Fe、Ni及びCuから選択される1種又は2種以上の遷移金属の酸化物を混合して、混合物を調製し、
前記混合物を還元雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲気中で加熱処理する、
酸素を除く全原子に占める前記インジウム元素、遷移金属元素及びスズ元素の割合が、20mol%<インジウム元素<99.99mol%、0.005mol%<遷移金属元素<50mol%、0.005mol%<スズ元素<50mol%である導電性酸化物粉体の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の導電性酸化物粉体からなる焼結体。
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