JP2007326741A - 導電性酸化物粉体及び焼結体 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性酸化物の種類の多様化、及びインジウム使用量の低減が可能な導電性酸化物粉体を提供する。
【解決手段】インジウム元素及びアルカリ土類金属元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。さらにスズ元素、又はスズ元素及び亜鉛元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。
【選択図】無し
【解決手段】インジウム元素及びアルカリ土類金属元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。さらにスズ元素、又はスズ元素及び亜鉛元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。
【選択図】無し
Description
本発明は、導電性酸化物粉体及び焼結体に関する。
ITO(酸化錫添加酸化インジウム)を主とする導電性酸化物の、透明導電膜への利用が盛んになっている。導電性酸化物を透明導電膜とするには、導電性酸化物の焼結体をスパッタリングターゲットとして利用し、これをスパッタリングして製膜する方法がある。また、例えば、一次粒子の粒径が約0.1μm以下の粉体を溶媒とバインダー樹脂からなる溶液中に分散させ、これを、ガラスやプラスチック等の基材に、塗布、印刷、浸漬、スピンコート又は噴霧等の手段で塗工し乾燥することによっても、透明導電膜を基材上に形成することができる。
こうして作製した透明導電膜は、ガラス、プラスチック等の帯電防止やほこりの付着防止に有効であり、ディスプレイや計測器の表示部の帯電防止やほこりの付着防止用として利用されている。
また、一次粒子の粒径が約0.1μm以下の導電性粉体は、ICパッケージ回路形成等にも利用できる。さらに、一次粒子の粒径が約0.1μmを超える粉体であっても、導電性に優れるものは、静電性塗料やクリーンルーム内装材あるいは赤外線遮蔽材料等の用途に利用可能である。
また、一次粒子の粒径が約0.1μm以下の導電性粉体は、ICパッケージ回路形成等にも利用できる。さらに、一次粒子の粒径が約0.1μmを超える粉体であっても、導電性に優れるものは、静電性塗料やクリーンルーム内装材あるいは赤外線遮蔽材料等の用途に利用可能である。
このような利用の拡大に伴って、特に導電性に優れたITO粉末の需要が高まっているが、原料となるインジウムが希少金属であり埋蔵量も少ないため、インジウムフリー又はインジウムの含有量の少ない透明導電性材料の開発が望まれている。さらに、原料の多様化の観点から、インジウムと組み合わせる材料として、スズや亜鉛以外の原料探索が進められている。
例えば、特許文献1には、Mg,Ca,Sr,In等、30種類の元素から選ばれる少なくとも1種の金属からなり、数平均粒径が100nm以下の、特定の方法で製造された、透明導電膜等に利用可能な金属酸化物微粒子が開示されている。
しかし、アルカリ土類金属とインジウムという特定の組み合わせは開示されていない。また、酸素存在下で原料を加熱分解して金属酸化物微粒子を製造する方法が採用されている。
しかし、アルカリ土類金属とインジウムという特定の組み合わせは開示されていない。また、酸素存在下で原料を加熱分解して金属酸化物微粒子を製造する方法が採用されている。
特許文献2にはITO粉末が開示され、導電性の良い粉末を得るためには、粉末に含有されるスズ濃度としてSnO2換算で、好ましくは4〜12質量%であると記載されている。即ち、約90質量%以上という多量のインジウムを必要としている。また、アルカリ土類金属とインジウムの組み合わせについての記載や示唆はない。
特許文献3には、導電性が良好な錫含有酸化インジウム微粉末を得るために、2種以上の遷移金属イオンを含有する水溶液(例、スズとインジウムを塩化物又は硝酸塩として溶解した水溶液)をアルカリ水溶液と反応させて、金属の水酸化物を共沈させ、この共沈水酸化物を出発原料として、これを大気中で加熱処理して酸化物に変換させる方法が記載されている。また、さらに導電性を高めるために、焼成雰囲気の酸素分圧を制御したり、あるいは還元性の気流で焼成すること記載されている。
さらに、特許文献4には、2種類以上の遷移金属の混合水酸化物等を加圧不活性ガス雰囲気下、密閉して焼成する導電性酸化物粉末の製造法も知られている。しかし、特許文献3,4のような水溶液から導電性粉末を製造する方法は、プロセスが複雑でありコストがかかるという問題点もある。
また、特許文献3,4には、アルカリ土類金属とインジウムの組み合わせについての記載や示唆はない。
また、特許文献3,4には、アルカリ土類金属とインジウムの組み合わせについての記載や示唆はない。
一方、従来から知られている、大気中で2種類以上の原料を混合し、大気中で焼成して反応させた後粉砕し微粉を得るという方法では、導電性の発現と超微粒子化を両立させ事が出来ず、特にインジウム含有量が少ない場合に良好な導電性が得られないという課題があった。
特開2004−168641号公報
特開2002−68744号公報
特開平7−188593号公報
特開平7−21831号公報
本発明の目的は、導電性酸化物の種類の多様化及びインジウム使用量の低減が可能な導電性酸化物粉体を提供することである。
本発明によれば、以下の導電性酸化物粉体等が提供される。
1.インジウム元素及びアルカリ土類金属元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。
2.インジウム元素、アルカリ土類金属元素及びスズ元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。
3.インジウム元素、アルカリ土類金属元素、スズ元素及び亜鉛元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。
4.金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素の含有率が1〜90モル%である1に記載の導電性酸化物粉体。
5.金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素の含有率が0.5〜85モル%であり、スズ元素の含有率が0.5〜85モル%である2に記載の導電性酸化物粉体。
6.金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素と亜鉛元素の合計含有率が0.5〜85モル%であり、スズ元素の含有率が0.5〜85モル%である3に記載の導電性酸化物粉体。
7.100kg/cm2の圧力印加時の電気伝導度が1×10−3S/cm以上である1〜6のいずれかに記載の導電性酸化物粉体。
8.上記1〜7のいずれかに記載の導電性酸化物粉体からなる焼結体。
1.インジウム元素及びアルカリ土類金属元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。
2.インジウム元素、アルカリ土類金属元素及びスズ元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。
3.インジウム元素、アルカリ土類金属元素、スズ元素及び亜鉛元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。
4.金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素の含有率が1〜90モル%である1に記載の導電性酸化物粉体。
5.金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素の含有率が0.5〜85モル%であり、スズ元素の含有率が0.5〜85モル%である2に記載の導電性酸化物粉体。
6.金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素と亜鉛元素の合計含有率が0.5〜85モル%であり、スズ元素の含有率が0.5〜85モル%である3に記載の導電性酸化物粉体。
7.100kg/cm2の圧力印加時の電気伝導度が1×10−3S/cm以上である1〜6のいずれかに記載の導電性酸化物粉体。
8.上記1〜7のいずれかに記載の導電性酸化物粉体からなる焼結体。
本発明によれば、インジウム含有量が少なくても電気伝導性の高い酸化物粉体又は焼結体が提供できる。
本発明の導電性酸化物粉体の第一の態様は、インジウム元素及びアルカリ土類金属元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成して得られるものである。
アルカリ土類金属元素は、Mg,Ca,Srが好ましい。尚、Baの場合でも導電性に優れる酸化物は製造できるが、毒性の点で好ましくない。アルカリ土類元素の効果は明らかではないものの、アルカリ土類金属元素が酸素イオンと強く結合し、酸化インジウムに生成した酸素欠損を安定化している可能性が考えられる。これにより、導電性を維持したままでInの使用量を低減させることができる。
アルカリ土類金属元素は、Mg,Ca,Srが好ましい。尚、Baの場合でも導電性に優れる酸化物は製造できるが、毒性の点で好ましくない。アルカリ土類元素の効果は明らかではないものの、アルカリ土類金属元素が酸素イオンと強く結合し、酸化インジウムに生成した酸素欠損を安定化している可能性が考えられる。これにより、導電性を維持したままでInの使用量を低減させることができる。
導電性酸化物粉体の金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素の含有率が1〜90モル%であることが好ましい。インジウム元素が10モル%未満又は99モル%より多い場合、導電性が低くなるおそれがある。特に好ましくは、インジウム元素の含有率が10〜90モル%であり、更に好ましくは、50〜90モル%である。
本発明の導電性酸化物粉体の第二の態様は、インジウム元素、アルカリ土類金属元素及びスズ元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成して得られる導電性酸化物粉体である。即ち、上述した第一の態様において、さらにスズ元素を添加したものである。
アルカリ土類金属は、2価の陽イオンとしてSn4+イオンとともにInを共置換する。このため、導電性を維持したままでInの使用量を低減できる。
また、Snとの共存下で焼成することによって、粒成長を抑制することができるため、より微粒子領域の導電性粉体を得やすく出来る.
アルカリ土類金属は、2価の陽イオンとしてSn4+イオンとともにInを共置換する。このため、導電性を維持したままでInの使用量を低減できる。
また、Snとの共存下で焼成することによって、粒成長を抑制することができるため、より微粒子領域の導電性粉体を得やすく出来る.
導電性酸化物粉体の金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素の含有率が0.5〜85モル%であり、スズ元素の含有率が0.5〜85モル%であることが好ましい。インジウム元素が10モル%未満又は99モル%より多い場合、導電性が低くなるおそれがある。
さらに好ましくは、インジウムの含有率は、5〜80モル%であり、アルカリ土類金属元素の含有率は、10〜85モル%であり、スズ元素の含有率は、10〜85モル%である。
さらに好ましくは、インジウムの含有率は、5〜80モル%であり、アルカリ土類金属元素の含有率は、10〜85モル%であり、スズ元素の含有率は、10〜85モル%である。
本発明の導電性酸化物粉体の第三の態様は、インジウム元素、アルカリ土類金属元素、スズ元素及び亜鉛元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成して得られる導電性酸化物粉体である。即ち、上述した第二の態様において、さらに亜鉛元素を添加したものである。
亜鉛元素を含ませることで、電気伝導性がさらに向上する。亜鉛元素は2価の陽イオンとして、Sn4+のイオンとともにInを共置換し、Inの使用量を低減させる。
亜鉛元素を含ませることで、電気伝導性がさらに向上する。亜鉛元素は2価の陽イオンとして、Sn4+のイオンとともにInを共置換し、Inの使用量を低減させる。
導電性酸化物粉体の金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素と亜鉛元素の合計含有率が0.5〜85モル%であり、スズ元素の含有率が0.5〜85モル%であることが好ましい。インジウム元素が10モル%未満又は99モル%より多い場合、導電性が低くなるおそれがある。
さらに好ましくは、インジウムの含有率は、5〜80モル%であり、アルカリ土類金属元素と亜鉛元素の合計含有率は、10〜85モル%であり、スズ元素の含有率は、10〜85モル%である。
さらに好ましくは、インジウムの含有率は、5〜80モル%であり、アルカリ土類金属元素と亜鉛元素の合計含有率は、10〜85モル%であり、スズ元素の含有率は、10〜85モル%である。
尚、アルカリ土類金属元素と亜鉛元素の含有率について、亜鉛元素/アルカリ土類金属元素の比が大きいほど導電性が向上するが、粒径は大きくなる傾向になる。従って、酸化物粉体に要求される導電性と粒径とのバランスにより量比を決めればよい。
本発明のいずれの導電性酸化物粉体も、酸化物粉体中の各元素の含有率は、出発原料の各原料粉末の配合量により調整することができる。
尚、酸化物粉体中の各元素の含有率は、ICP発光分析により測定した値であるが、出発原料における各原子の含有率と焼成後の含有率は、ほぼ同じ値となる。
尚、酸化物粉体中の各元素の含有率は、ICP発光分析により測定した値であるが、出発原料における各原子の含有率と焼成後の含有率は、ほぼ同じ値となる。
本発明の導電性酸化物粉体は、上述した所定の金属成分を含む原料を不活性ガス又は還元性雰囲気中で焼成することにより得られる。
インジウムの含有量が少ない酸化物の場合、大気中で焼成しても、原料の混合、粉砕により生じた多くの格子欠陥が修復されないため電気伝導度があがらない。一方、不活性ガスや還元性雰囲気中で焼成を行うと格子欠陥が修復されるため、例えば、インジウムの含有量が粉体の金属元素全体の80モル%以下であっても良好な導電性が生じる。
インジウムの含有量が少ない酸化物の場合、大気中で焼成しても、原料の混合、粉砕により生じた多くの格子欠陥が修復されないため電気伝導度があがらない。一方、不活性ガスや還元性雰囲気中で焼成を行うと格子欠陥が修復されるため、例えば、インジウムの含有量が粉体の金属元素全体の80モル%以下であっても良好な導電性が生じる。
出発原料としては、上述した元素を含む酸化物、炭酸塩又は硝酸塩等が使用できる。例えば、酸化インジウム、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の酸化物粉末、炭酸ストロンチウム等の炭酸塩、硝酸亜鉛等の硝酸塩を用いることができる。これらの原料を各元素が所定の割合になるように混合して使用する。
尚、焼成過程で粒成長しやすい場合があるので、これら原料の粒径は目的物である粉体の粒径よりも小さいほうが好ましい。このため、出発原料を予め混合した後、遊星ボールミル等で混合、粉砕することが好ましい。
尚、焼成過程で粒成長しやすい場合があるので、これら原料の粒径は目的物である粉体の粒径よりも小さいほうが好ましい。このため、出発原料を予め混合した後、遊星ボールミル等で混合、粉砕することが好ましい。
出発原料混合物を、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス、又は水素、アンモニア等の還元雰囲気中で焼成する。不活性ガスとしては、入手容易性の点で窒素やアルゴンが好ましい。還元雰囲気の形成に使用する気体としては、取扱い容易性の点で水素が好ましい。
尚、還元雰囲気とは水素等の還元性を有するガスを含む雰囲気を意味し、不活性ガスで希釈された状態であってもよい。水素ガスの場合、系外に漏れたときの爆発限界以下である点において4体積%以下が好適である。還元性ガスを添加する利点として、導電性粉体を製造する焼成温度をより低温化できる点が挙げられる。
焼成工程は、出発原料を所定量秤量し、混合して不活性ガス(窒素、He、Ar等)中で400〜1300℃の温度で数分〜数時間焼成する。
また、水素等で還元する場合は、1体積%水素−99体積%不活性ガスの混合ガス等の還元雰囲気にて、200〜500℃で1時間〜数時間還元する。
尚、還元した試料を、さらに不活性ガス中で加熱することにより、より電気伝導度を向上させることも出来る。
また、水素等で還元する場合は、1体積%水素−99体積%不活性ガスの混合ガス等の還元雰囲気にて、200〜500℃で1時間〜数時間還元する。
尚、還元した試料を、さらに不活性ガス中で加熱することにより、より電気伝導度を向上させることも出来る。
こうして得られた焼成後の酸化物粉体は、高い導電性を有する。具体的には、酸化物粉体を加圧して圧縮させた状態とし、加圧が100kg/cm2のときの電気伝導度(導電率)が10−3S/cm以上のものが得られる。
また、微粒子状の粉末が得られるため、透明性が要求される分野への適用ができる。
尚、本発明の導電性酸化物粉体には、出発原料の一部又は全部が焼結している状態のものも含まれる。ここで、焼結体とは出発原料粉体を融点以下の温度で焼成して得られる無機酸化物であって、粉体間の結合が生じた状態が観察されるものを意味する。
また、微粒子状の粉末が得られるため、透明性が要求される分野への適用ができる。
尚、本発明の導電性酸化物粉体には、出発原料の一部又は全部が焼結している状態のものも含まれる。ここで、焼結体とは出発原料粉体を融点以下の温度で焼成して得られる無機酸化物であって、粉体間の結合が生じた状態が観察されるものを意味する。
本発明の導電性酸化物粉体は、粉体自体が導電性等の機能を有するものであり、例えば、プラスチックの添加剤(白色フィラー、帯電防止剤、静電気防止剤、電磁シールド剤等)に用いられる。
本発明の導電性酸化物粉体の粒径は、用途によって好ましい粒径が異なる。例えば、ゴムやプラスチック等への白色導電性フィラーや焼結体原料として用いる場合、平均粒径で0.1μm〜数μmの範囲が好ましく、透明導電性を要求する用途ならば平均粒径で0.1μm以下が好ましい。この場合、平均粒径の下限値を特定する必要はないが、粉体の製造し易さの点で、0.001μm以上であることが好ましい。
本発明の導電性酸化物粉体の粒径は、用途によって好ましい粒径が異なる。例えば、ゴムやプラスチック等への白色導電性フィラーや焼結体原料として用いる場合、平均粒径で0.1μm〜数μmの範囲が好ましく、透明導電性を要求する用途ならば平均粒径で0.1μm以下が好ましい。この場合、平均粒径の下限値を特定する必要はないが、粉体の製造し易さの点で、0.001μm以上であることが好ましい。
また、本発明の導電性酸化物粉体を原料とする焼結体は、導電性に優れており、スパッタリングターゲットとしても好適に用いることができる。市販の原料粉体を遊星ボールミルで混合したものを用いても良いが、本発明の導電性酸化物粉体を用いたほうが、より焼結体の導電性が向上する。
焼結体の製造は、通常、原料粉体を一軸加圧成型した後、CIP成型(冷間静水圧成型)して成形体とする。これを上述した焼成工程と同様に不活性ガス又は還元性雰囲気中で焼成することにより得られる。
焼結体の製造は、通常、原料粉体を一軸加圧成型した後、CIP成型(冷間静水圧成型)して成形体とする。これを上述した焼成工程と同様に不活性ガス又は還元性雰囲気中で焼成することにより得られる。
実施例1
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)、純度99.99%)9.688g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)0.312gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。
この混合粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で30分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。得られた粉体は薄い灰色であった。
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)、純度99.99%)9.688g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)0.312gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。
この混合粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で30分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。得られた粉体は薄い灰色であった。
この粉体を加圧しながら二端子法で電気伝導度を測定した。具体的には、アクリル樹脂製の円筒容器(直径12mm)に測定対象の粒子を入れ、上下から銅製の円筒状電極で挟んだ。電気抵抗測定器を用いて電極間の電気抵抗を測定しながら、油圧ジャッキで試料に圧力をかけた。圧力が100kg/cm2に到達した時の電気抵抗と試料の厚さを測定し、下記式から電気伝導度を算出した。
電気伝導度=(抵抗の逆数×試料厚み)/試料面積
その結果、電気伝導度は1.29×10−1S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。
電気伝導度=(抵抗の逆数×試料厚み)/試料面積
その結果、電気伝導度は1.29×10−1S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。
また、比表面積から得られた導電性粉体の平均粒径は630nmであった。尚、平均粒径は窒素吸着によるBET比表面積測定法により比表面積を測定し、酸化インジウムの密度(7.12g/cm3)、酸化錫の密度(6.99g/cm3)を用いて混合物の密度を算出し、下記式から算出した値である。
平均粒径(μm)=6/(密度×比表面積)
実施例1〜10の原料配合を表1に、焼成条件並びに得られた酸化物粉体の電気伝導度及び平均粒径を表2に示す。尚、金属元素の配合割合(mol%)は酸素や炭素元素を除く全金属元素に対する割合を示す。
平均粒径(μm)=6/(密度×比表面積)
実施例1〜10の原料配合を表1に、焼成条件並びに得られた酸化物粉体の電気伝導度及び平均粒径を表2に示す。尚、金属元素の配合割合(mol%)は酸素や炭素元素を除く全金属元素に対する割合を示す。
実施例2
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)5.826g、炭酸ストロンチウム(関東化学99.9%)2.065g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)2.108gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰青色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、9.93×10−1S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は58nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)5.826g、炭酸ストロンチウム(関東化学99.9%)2.065g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)2.108gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰青色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、9.93×10−1S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は58nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
実施例3
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)4.209g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)1.222g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)4.569gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら、焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は5.1×10−2S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は48nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)4.209g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)1.222g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)4.569gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら、焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は5.1×10−2S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は48nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
実施例4
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)4.921g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)1.072g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)4.007gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら、焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は1.59×10−1S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は40nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)4.921g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)1.072g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)4.007gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら、焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は1.59×10−1S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は40nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
実施例5
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)6.856g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)0.663g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)2.481gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は5.61×10−1S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は52nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)6.856g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)0.663g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)2.481gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は5.61×10−1S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は52nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
実施例6
焼成条件以外は実施例5と同じとした。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で30分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰青色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は8.64×10−1S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は63nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
焼成条件以外は実施例5と同じとした。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で30分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰青色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は8.64×10−1S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は63nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
実施例7
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)8.532g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)0.310g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)1.158gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は3.5×10−2S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は48nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)8.532g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)0.310g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)1.158gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は3.5×10−2S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は48nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
実施例8
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)6.682g、酸化カルシウム(関東化学99.9%)0.900g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)2.418gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は1.4×10−2S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は58nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)6.682g、酸化カルシウム(関東化学99.9%)0.900g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)2.418gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は1.4×10−2S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は58nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
実施例9
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)6.631g、酸化亜鉛(関東化学99.9%)0.648g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)0.321g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)2.400gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら、焼成した。焼成条件は800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は2.2×100S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は55nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
酸化インジウム粉末(フルウチ化学(株)99.99%)6.631g、酸化亜鉛(関東化学99.9%)0.648g、酸化マグネシウム(関東化学99.9%)0.321g、次いで酸化第二錫(フルウチ化学(株)純度99.99%)2.400gを秤量し、メノウ乳鉢で混合した後、遊星ボールミルで24時間混合した。混合した粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、高純度窒素(99.999%)を0.5リットル/分で流しながら、焼成した。焼成条件は800℃まで3分間で昇温させた後、800℃で1分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。
得られた粉体は薄い灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は2.2×100S/cmであり、良好な電気伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は55nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
実施例10
実施例5と同様にして原料の混合粉体を得た。
この混合粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、水素1%と高純度窒素(99.999%)の混合ガスを0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から300℃まで3分間で昇温させた後、300℃で60分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。得られた粉体は灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は2.9×10−1S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は39nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
実施例5と同様にして原料の混合粉体を得た。
この混合粉体から1gを採取し、白金皿に載せ、赤外線イメージ炉(株式会社モトヤマ製)にて、水素1%と高純度窒素(99.999%)の混合ガスを0.5リットル/分で流しながら焼成した。焼成条件は、室温から300℃まで3分間で昇温させた後、300℃で60分間保持した後、10分程度かけて室温まで急冷した。得られた粉体は灰色であった。
実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は2.9×10−1S/cmであり、良好な伝導性を有すことが明らかになった。また比表面積から得られた粒径は39nmであり超微粒子の導電性粉体が得られた。
比較例1〜11
焼成雰囲気を大気とした以外は、実施例1〜11と同じ条件で粉体を作製した。実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は何れの試料も10−5S/cm以下であり低い値であった。
焼成雰囲気を大気とした以外は、実施例1〜11と同じ条件で粉体を作製した。実施例1と同様にして電気伝導度を測定した結果、電気伝導度は何れの試料も10−5S/cm以下であり低い値であった。
本発明の導電性酸化物粉体及び焼結体は、白色フィラー、帯電防止剤、静電気防止剤、電磁シールド剤等のプラスチックの添加剤や、透明導電性薄膜、酸化物電極、赤外線遮蔽材料、紫外線遮蔽材料、機能性塗料分野(導電性塗料、熱線反射塗料等)、スパッタリングターゲットに使用できる。
Claims (8)
- インジウム元素及びアルカリ土類金属元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。
- インジウム元素、アルカリ土類金属元素及びスズ元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。
- インジウム元素、アルカリ土類金属元素、スズ元素及び亜鉛元素を含む原料を、還元雰囲気又は不活性ガス雰囲気中で焼成してなる導電性酸化物粉体。
- 金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素の含有率が1〜90モル%である請求項1に記載の導電性酸化物粉体。
- 金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素の含有率が0.5〜85モル%であり、スズ元素の含有率が0.5〜85モル%である請求項2に記載の導電性酸化物粉体。
- 金属元素全体に占めるインジウム元素の含有率が10〜99モル%であり、アルカリ土類金属元素と亜鉛元素の合計含有率が0.5〜85モル%であり、スズ元素の含有率が0.5〜85モル%である請求項3に記載の導電性酸化物粉体。
- 100kg/cm2の圧力印加時の電気伝導度が1×10−3S/cm以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性酸化物粉体。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性酸化物粉体からなる焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006159360A JP2007326741A (ja) | 2006-06-08 | 2006-06-08 | 導電性酸化物粉体及び焼結体 |
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JP2006159360A JP2007326741A (ja) | 2006-06-08 | 2006-06-08 | 導電性酸化物粉体及び焼結体 |
Publications (1)
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JP2006159360A Withdrawn JP2007326741A (ja) | 2006-06-08 | 2006-06-08 | 導電性酸化物粉体及び焼結体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009147969A1 (ja) * | 2008-06-03 | 2009-12-10 | 日鉱金属株式会社 | スパッタリングターゲット及び非晶質性光学薄膜 |
JP2010129673A (ja) * | 2008-11-26 | 2010-06-10 | Kyocera Corp | 静電チャックおよび被保持物の静電吸着方法 |
-
2006
- 2006-06-08 JP JP2006159360A patent/JP2007326741A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009147969A1 (ja) * | 2008-06-03 | 2009-12-10 | 日鉱金属株式会社 | スパッタリングターゲット及び非晶質性光学薄膜 |
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TWI426145B (zh) * | 2008-06-03 | 2014-02-11 | Jx Nippon Mining & Metals Corp | Sputtering target and amorphous optical film |
JP2010129673A (ja) * | 2008-11-26 | 2010-06-10 | Kyocera Corp | 静電チャックおよび被保持物の静電吸着方法 |
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