JP2016077091A - インバータ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻上げ及び巻下げの開始時において、吊荷の振動を最小限に抑制できるインバータ装置を提供する。
【解決手段】実施形態のインバータ装置によれば、インバータ制御部は、吊荷の巻上げ及び巻下げを行うモータを始動させるためブレーキ制御部が機械式ブレーキを開く以前に、インバータ回路を介してモータに付与するトルクバイアスについて、吊荷の巻上げを開始する際に付与する値(巻上げ時付与値)と、前記吊荷の巻下げを開始する際に付与する値(巻下げ時付与値)とが個別に設定可能である。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、吊荷の巻上げ及び巻下げを行うモータを駆動するインバータ回路を備えるインバータ装置に関する。
出願人は、特許文献1において、インバータ回路によりモータを可変速制御すると共に、機械式ブレーキの開閉を制御するインバータ装置について、モータの始動又は停止に伴って実行するブレーキの開閉制御をモータの可変速制御と連携して行なうために使用するブレーキ開指令から実ブレーキ開までの遅れ時間等をティーチングにより取得する方法を提案している。また、ブレーキの開放時に、負荷トルクに抗し得るトルクをモータに出力させるため、予めトルクバイアスを付与している。
特許第4786942号公報
しかしながら、特許文献1で付与するトルクバイアスは、モータの荷重とは無関係に設定されていたため、実際の巻上げや巻下げの荷重条件ではトルクバイアスに過不足が生じる。その結果、例えば巻上げの開始時にトルクバイアスが不足すると、ブレーキの開放時に吊荷が一瞬落下した後にこれを巻上げるような現象が発生したり、巻下げの開始時にトルクバイアスが過大になると、吊荷が一瞬巻上げ方向に飛出してから巻下げ方向に戻るような現象が発生する。このような現象は、インチング動作時に吊荷を振動させる要因となり、細かい位置決めを実行する際の障害となっていた。
そこで、巻上げ及び巻下げの開始時において、吊荷の振動を最小限に抑制できるインバータ装置を提供する。
実施形態のインバータ装置によれば、インバータ制御部は、吊荷の巻上げ及び巻下げを行うモータを始動させるためブレーキ制御部が機械式ブレーキを開く以前に、インバータ回路を介してモータに付与するトルクバイアスについて、吊荷の巻上げを開始する際に付与する値(巻上げ時付与値)と、前記吊荷の巻下げを開始する際に付与する値(巻下げ時付与値)とが個別に設定可能である。
また、実施形態のインバータ装置によれば、インバータ制御部は、前記モータを始動させるためブレーキ制御部が前記ブレーキを開く時刻を基準として相対的に決定されるモータの加速開始時刻についても同様に、巻上げ時付与値と巻下げ時付与値とが個別に設定可能である。
第1実施形態であり、巻上げ装置の構成を示す図 荷重−負荷特性の一例を示す図 荷重−負荷特性を取得するための運転例を示す図 荷重推定運転時のモータの運転周波数及び検出トルクの変化を示す図 図2に示す特性を用いた、推定荷重Mmに対応する巻上げ時付与値Tm及び巻下げ時付与値Trの決定を説明する図 図4及び図7に示す荷重推定運転の実行時と、その後の巻上げ運転及び巻下げ運転の実行時におけるモータの運転周波数及び検出トルクの変化を示す図 制御部が、トルクバイアスの付与値を吊荷の推定荷重に応じて決定する手順を示すフローチャート 従来構成において、吊荷の巻上げを開始する際に付与するトルクバイアスが異なる場合に対応するモータの実速度及び出力トルクの変化等を示す図 従来構成において、吊荷の巻下げを開始する際に付与するトルクバイアスが異なる場合に対応するモータの実速度及び出力トルクの変化等を示す図 第2実施形態であり、荷重−時間特性の一例を示す図 巻上げ開始時のトルクバイアスが過小である場合に、最適な加速開始時間Δtmを与えてモータの加速開始時刻を調整する状態を示す図 巻下げ開始時のトルクバイアスが過大である場合に、最適な加速開始時間Δtrを与えてモータの加速開始時刻を調整する状態を示す図 異なる荷重に対し、巻上げ時及び巻下げ時に最適化した加速開始時間Δtm,Δtrを与えた場合の速度指令、モータの実速度及び出力トルクの変化等を示す図
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1から図9を参照して説明する。図1は、ホイストクレーン装置に設けられた巻上げ装置1(昇降機)の構成を示している。巻上げ装置1は、インバータ装置2により巻上用のモータ3(例えば誘導電動機)を可変速制御するようになっている。モータ3の出力は、機械式ブレーキ装置4と減速機(図示せず)とを介して巻取りドラム5に伝達され、モータ3が回転すると、吊荷8はフック7が取り付けられたケーブル6により吊り上げられ、又は吊り下げられる。
インバータ装置2は、主回路部9と制御部10とから構成されている。主回路部9は、三相交流電源11から与えられる交流電圧を整流して電源線12、13間に出力するコンバータ14、電源線12、13間に接続された平滑用のコンデンサ15、電源線12、13間の直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路16、およびインバータ回路16からモータ3に流れる電流を検出する電流検出器17、18から構成されている。
ここで、コンバータ14は、ダイオード14aを三相ブリッジ接続することにより構成され、インバータ回路16は、IGBT等からなるスイッチング素子16aを三相ブリッジ接続すると共に各スイッチング素子16aに還流ダイオード16bを並列接続することにより構成されている。なお、モータ3の回転軸には、ロータリエンコーダなどの回転速度検出器19が取り付けられている。
制御部10(インバータ制御部、ブレーキ制御部)は、操作手段20または外部から入力される種々の信号(例えば運転指令信号、周波数指令信号)、電流検出器17、18により検出されたモータ3の相電流、回転速度検出器19により検出された回転速度などに基づいて、インバータ回路16のゲート駆動信号を生成する。この制御部10は、ベクトル制御に代表されるモータ制御に関する各種の演算を高速に実行可能なプロセッサを備えており、メモリに記憶されたプログラムに従って各演算をソフトウェア処理する。
図1に示す制御部10は、上記ソフトウェア処理が実行する各機能をブロックに分けて表している。負荷検出手段21は、モータ3の負荷を検出するもので、本実施形態ではトルク電流Iqに基づいてモータ3のトルクを検出する。運転制御手段22は、通常運転時において、周波数指令信号に従ってモータ3を駆動するとともに、記憶手段23に記憶されている運転基準データに基づいて運転を行う。
ドライブ回路25は、運転制御手段22から出力されるPWM変調されたゲート駆動信号を入力し、絶縁および電圧変換を行ってインバータ回路16に対し出力する。表示手段26は、インバータ装置2の運転や運転基準データの自動設定に関する情報を出力する。なお、制御部10は、機械式ブレーキ装置4に対する作動指令信号も生成する。
ここで、図8は、従来の構成において、吊荷の巻上げを開始する際に、機械式ブレーキ装置を開放する前に付与するトルクバイアスが、吊荷の荷重に対して(a)過小な場合、(b)最適な場合、(c)過大な場合に対応するモータの実速度及び出力トルクの変化等を示している。また、図9は、吊荷の巻下げを開始する際の図8相当図である。
図8(a)に示す巻上げ時のトルクバイアスが過小な場合は、ブレーキ開放後にモータが一瞬巻下げ方向に回転しているため、速度指令と実速度とに大きな開きがある状態が長い期間継続している。また、図8(c)に示すトルクバイアスが過大な場合は、ブレーキ開放後にモータの実速度が速度指令を超過している。
図9(a)に示す巻下げ時のトルクバイアスが過小な場合は、ブレーキ開放後にモータの実速度が速度指令を負方向に超過している。また、図9(c)に示すトルクバイアスが過大な場合は、ブレーキ開放後にモータが一瞬巻上げ方向に回転しており、やはり速度指令と実速度とに大きな開きがある状態が長い期間継続している。
次に、インバータ装置2の動作について図2から図7も参照しながら説明する。インバータ装置2は、通常運転時には、実際の巻上げ、巻下げ動作において周波数指令信号に従ってモータ3を駆動し、ケーブル6を巻上げたり巻下げたりする。周波数指令信号が正の場合が巻上げ指令であり、周波数指令信号が負の場合が巻下げ指令である。
ここで、巻き上げ装置1が、巻上げ運転・巻下げ運転のそれぞれで絶対値が同一の機械出力(「速度×荷重」の絶対値)を行うものとする。インバータ回路16の出力をPeu、機械効率をη(<1)とすると、巻上げ運転時の機械出力Pmは、
Pm=η×Peu …(1)
であるから、インバータ回路16の出力Peuは
Peu=Pm/η …(2)
が必要となる。
一方、巻下げ運転時にも機械出力Pmを必要とすると、インバータ回路16の出力Pedは
Ped=Pm×η …(3)
で良い。
このような関係から、同一トルクを出力して同一速度で巻上げる場合の機械出力は、同一トルクを出力して同一速度で巻下げる機械出力より小さくなる。したがって、同一荷重を同一速度で巻上げるのに必要なインバータ回路16の出力トルクは、同一荷重を同一速度で巻下げるのに必要な出力トルクよりも大きくなる。
図2は、モータ3を巻上げ駆動及び巻下げ駆動したときの吊荷8の荷重Mとインバータ検出トルクTとの関係(荷重(M)−負荷(T)特性)を示している。巻上げ時の周波数指令信号は正であり、力行動作における検出トルクTは正となる。一方、巻下げ時の周波数指令信号は負であり、回生動作における検出トルクTは正となる。(2)式及び(3)式より、
Ped=Pm×η=Peu×η …(4)
の関係となるから、同一荷重に対し、巻下げ時のトルクは巻上げ時のトルクよりも小さくなる。
この図2に示す荷重−負荷特性については、予め取得して記憶手段23に記憶させておく。例えば、定格荷重以下の既知の2種類の荷重M1、M2(M1<M2)を持つ吊荷8を、それぞれ巻上げ運転において所定の運転周波数F1まで加速した後に、負荷検出手段21より得られるトルクTm1、Tm2を記憶する。その後、モータ3を減速して停止させる(図3(a),(c)参照)。また、荷重M1、M2の吊荷8を、それぞれ巻下げ運転において所定の運転周波数−F1まで加速した後に、負荷検出手段21より得られるトルクTr1、Tr2を記憶する。その後、モータ3を減速して停止させる(図3(b),(d)参照)。
上記の結果より、負荷Tmと吊荷8の推定荷重Mm、Mrとの関係を示す荷重−負荷特性を、それぞれ(5)式、(6)式のように決定する。この荷重−負荷特性を、通常の運転を開始する以前に予め取得しておき、運転基準データとして記憶手段23に記憶しておく。
Mm=(M2−M1)/(Tm2−Tm1)・(Tm−Tm1)+M1 …(5)
Mr=(M2−M1)/(Tr2−Tr1)・(Tr−Tr1)+M1 …(6)
図7は、制御部10が、トルクバイアスの付与値を吊荷8の推定荷重に応じて決定する手順を示すフローチャートである。尚、以下では、吊荷8の巻上げを開始する際に付与するトルクバイアスを「巻上げ時付与値」と称し、吊荷8の巻下げを開始する際に付与するトルクバイアスを「巻下げ時付与値」と称する。
先ず、吊荷8の荷重を既に推定済みか否かを判断し(S1)、推定済みでなければ(NO)、予め取得している荷重−負荷特性(図2)に基づき、最大荷重の条件で巻上げ時付与値(T0,図6参照)及び巻下げ時付与値を仮決定する(S2)。荷重が推定済みでなければ、最初に開始する運転は巻上げとなる。そして、巻上げ時付与値T0のトルクバイアスを与えてから機械式ブレーキ装置4を開放して、巻上げ運転を開始する。
図4に示すように、運転周波数が上昇した後(上昇中はステップS3で「NO」となり、ステップS1に戻る)周波数F1での定速運転が実行されると(S3:YES)、その運転中に検出されるモータ3の出力トルクをサンプリングし(S4)、所定の観測期間が経過するまでは(S5:NO)ステップS3及びS4の実行を繰り返す。
観測期間が経過すると(S5:YES)、当該期間中にサンプリングしたトルクの平均値(Tm)を演算する(S6)。そして、図2に示すように、巻上げ時の荷重−負荷特性と平均トルクTmとに基づいて、すなわち(5)式により吊荷8の荷重Mmを推定する(S7)。それから、荷重が推定済みであることを示すステータスを、例えばフラグを立てることによりセットして(S8)ステップS1に戻る。
ステップS1において荷重が推定済みであれば(YES)、次に実行する運転が巻上げか否かを判断する(S9)。巻上げであれば(YES)図5に示すように、巻上げ時の荷重−負荷特性と推定荷重Mmとから巻上げ時付与値Tmを決定する(S10)。すなわち(5)式の逆関数を用いる。一方、次に実行する運転が巻下げであれば(NO)同じく図5に示すように、巻下げ時の荷重−負荷特性と推定荷重Mmとから巻下げ時付与値Trを決定する(S11)。ここでは、(6)式の逆関数を用いる(但しMrをMmに置き換える)。ステップS10及びS11の実行後は、ステップS1に戻る。
図6は、図4及び図7に示す荷重推定運転の実行時と、その後の巻上げ運転及び巻下げ運転の実行時における(a)モータ3の運転周波数及び(b)検出トルクの変化を示す。荷重推定運転については、上述したように、荷重推定前は仮決定した巻上げ時付与値T0でトルクバイアスを与えてから巻上げを開始し、観測期間中にサンプリングしたトルクより平均トルクTmを得て吊荷8の荷重Mmを推定する。
荷重推定後の通常の巻上げ運転では、巻上げ時付与値Tmでトルクバイアスを与えてからブレーキを開放し、巻上げを開始する。また、巻下げ運転では、巻下げ時付与値Trでトルクバイアスを与えてからブレーキを開放し、巻下げを開始する。このようにトルクバイアスの巻上げ時付与値Tm及び巻下げ時付与値Trを、吊荷8の推定荷重Mmに応じて決定することで、それぞれの運転時に付与するトルクバイアスが最適化される。その結果、各運転時におけるモータ3の実速度変化は、図8(b)、図9(b)に示すようになる。
以上のように本実施形態によれば、制御部10は、吊荷8の巻上げ及び巻下げを行うモータ3を始動させるため機械式ブレーキ装置4を開く以前に、インバータ回路16を介してモータ3に付与するトルクバイアスについて、吊荷8の巻上げ運転を開始する際に付与する値Tmと、吊荷8の巻下げ運転を開始する際に付与する値Trとを個別に設定可能とした。具体的には、吊荷8の荷重Mmを巻上げ運転を行う際に推定し、予め計測された巻上げ時及び巻下げ時それぞれの荷重−トルク特性と推定荷重Mmとに基づいて、巻上げ時付与値Tm及び巻下げ時付与値Trを設定するようにした。
これにより、吊荷8の荷重に応じた適切なトルクバイアスを巻上げ、巻下げの各運転時付与することが可能となり、機械式ブレーキ装置4を開放した際に吊荷8の位置が変動することを抑制できる。したがって、巻上げ装置1がインチング動作を行う際に、吊荷8を振動させることなく、細かい位置決めを容易に行うことができる。
(第2実施形態)
図10から図13は第2実施形態であり、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施形態では、トルクバイアスを一定値とする。それに替えて、制御部10が、実際に機械式ブレーキ装置4を開放する時刻に先駆けて加速を開始する時間Δtm,Δtrを、吊荷8の荷重Mmに応じた値として決定する。すなわち、モータ3を機械式ブレーキ装置4で拘束した状態で加速を開始すると、与えられた速度指令に対して拘束状態のモータ3の実速度の追従が遅れる。その遅れに伴う速度制御の結果としてトルク指令が上昇することになり、ブレーキ開放時の出力トルクが確保される。尚、実ブレーキ開時刻から加速開始時間Δtm,Δtrを減じたものが、モータ3の加速開始時刻となる。
図10は、荷重(Mm)−時間(Δt)特性であり、第1実施形態の荷重−負荷特性に代替するものである。この荷重−時間特性については、速度応答のゲイン設定により静的に決定することができる。そして、(5)式及び(6)式と同様にして、巻上げ時及び巻下げ時の荷重−時間特性を一次関数式として保持しておく。図10に示すように、荷重Mmに応じて決定される加速開始時間Δtmが巻上げ時付与値となり、加速開始時間Δtrが巻下げ時付与値となる。
次に、第2実施形態の作用について説明する。図11(a)に示すように、巻上げ運転の開始時において、トルクバイアスが荷重Mmに対して過小である場合でも、図11(b)に示すように最適な加速開始時間Δtmを与えることで、ブレーキ開放時にモータ3が巻下げ方向に回転することが回避できている。また、図12(a)に示すように、巻下げ運転の開始時において、トルクバイアスが荷重Mmに対して過大である場合でも、図12(b)に示すように最適な加速開始時間Δtrを与えることで、ブレーキ開放時にモータ3が巻上げ方向に回転することが回避できている。
図13は、吊荷8の荷重を正規化して、定格値1.0から0.4まで変化させた際に、巻上げ時と巻下げ時とについてそれぞれ最適化した加速開始時間Δtm,Δtrを示している。(a)〜(c)は巻上げ時における速度指令、実速度、出力トルクの変化であり、(e)〜(g)は巻下げ時における各変化である。尚、(d)、(h)に示すブレーキ開指令と実際のブレーキ開放タイミングについては、図示が煩雑になるため変化させていない。
図13(a)〜(c)に示すように、巻上げ時については吊荷8の荷重が重くなるのに応じて加速開始時間Δtmを長く設定することで、ブレーキの開放時におけるトルクバイアスを確保し、巻下げ方向への逆転を防止して最適な実速度変化を示すようになっている。また、図13(e)〜(g)に示すように、巻下げ時については吊荷8の荷重が重くなるのに応じて加速開始時間Δtrを短く設定することで、ブレーキの開放時における巻上げ方向への逆転を防止して最適な実速度変化を示すようになっている。
以上のように第2実施形態によれば、制御部10は、モータ3を始動させるため機械式ブレーキ装置4を開く時刻を基準として相対的に決定されるモータ3の加速開始時刻についても同様に、巻上げ時付与値Δtmと巻下げ時付与値Δtrとを個別に設定可能とした。そして、第1実施形態と同様に、吊荷8の荷重Mmを巻上げ運転を行う際に推定し、予め速度応答のゲイン設定により静的に決定した巻上げ時及び巻下げ時それぞれの荷重−時間特性と、推定荷重Mmとに基づいて巻上げ時付与値Δtmと巻下げ時付与値Δtrとを設定するようにした。したがって、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(その他の実施形態)
吊荷8の荷重は必ずしも推定する必要はなく、予め実測値が得られていればその実測値を用いても良い。
また、荷重−負荷特性や、荷重−時間特性については、必ずしも巻上げ装置1により予め実測するものに限らず、例えば上記特性データが巻上げ装置1のメーカにより提供されるのであれば、その提供されたデータを用いても良い。
インバータ制御部とブレーキ制御部とをそれぞれ独立に構成しても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は巻上げ装置(昇降機)、2はインバータ装置、3はモータ、4は機械式ブレーキ装置、8は吊荷、10は制御部(インバータ制御部、ブレーキ制御部)、16はインバータ回路を示す。

Claims (4)

  1. 吊荷の巻上げ及び巻下げを行うモータを駆動するインバータ回路と、
    このインバータ回路を制御するインバータ制御部と、
    前記モータの回転を停止させる機械式ブレーキの開閉を制御するブレーキ制御部とを備え、
    前記インバータ制御部は、前記モータを始動させるため前記ブレーキ制御部が前記ブレーキを開く以前に、前記インバータ回路を介してモータに付与するトルクバイアスについて、前記吊荷の巻上げを開始する際に付与する値(以下、巻上げ時付与値と称す)と、前記吊荷の巻下げを開始する際に付与する値(以下、巻下げ時付与値と称す)とで個別に設定可能であることを特徴とするインバータ装置。
  2. 吊荷の巻上げ及び巻下げを行うモータを駆動するインバータ回路と、
    このインバータ回路を制御するインバータ制御部と、
    前記モータの回転を停止させる機械式ブレーキの開閉を制御するブレーキ制御部とを備え、
    前記インバータ制御部は、前記モータを始動させるため前記ブレーキ制御部が前記ブレーキを開く時刻を基準として相対的に決定される前記モータの加速を開始する時刻について、前記吊荷の巻上げを開始する際に付与する値(以下、巻上げ時付与値と称す)と、前記吊荷の巻下げを開始する際に付与する値(以下、巻下げ時付与値と称す)とで個別に設定可能であることを特徴とするインバータ装置。
  3. 前記インバータ制御部は、前記巻上げ時付与値と前記巻下げ時付与値とを、予め計測された巻上げ時及び巻下げ時それぞれの荷重−トルク特性と、吊荷の荷重とに基づいて設定することを特徴とする請求項1又は2記載のインバータ装置。
  4. 前記インバータ制御部は、前記吊荷の荷重を、前記吊荷の巻上げを行う際に推定することを特徴とする請求項3記載のインバータ装置。
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