JP2016076711A - プラズマチャンバ部品用耐プラズマコーティング - Google Patents

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Abstract

【課題】耐プラズマコーティング材料、耐プラズマコーティング、及びそのようなコーティングをハードウェア部品上に形成する方法を提供する。
【解決手段】プラズマコーティングは、ハードウェア部品は静電チャック(ESC)であり、耐プラズマコーティングはESCの表面上に形成される。耐プラズマコーティングは、熱溶射以外の方法によって形成され、これによって有利な材料特性を有する。
【選択図】図2

Description

背景
1)分野
本発明の実施形態はプラズマ処理装置の分野に関し、特にプラズマ処理チャンバの部品
用耐プラズマコーティングに関する。
2)関連技術の説明
真空プラズマ処理チャンバは、太陽電池及び集積回路等のデバイス製造間におけるプラ
ズマ処理に使用される。プロセスガスのプラズマを生成するためにプロセスガスに電場が
印加される間、プロセスガスは処理チャンバ内へ流される。稼働コストを減らすために、
処理プラズマに曝露されるプラズマ処理チャンバ内の部品の寿命は、部品が耐プラズマ性
をもつように設計することによって延びる。本明細書内で使用されるとき、「耐プラズマ
」という語句は、プラズマ処理チャンバ内で生成されるプラズマ処理条件に曝露される時
に浸食及び腐食に対して抵抗力をもつことを言う。耐プラズマ部品は現在、バルク材から
、又は基板上に保護コーティングを熱溶射することによって作られる。
図1は、一般的にプラズマ溶射と称されるプラズマを使用する従来の熱溶射法100を
示す。通常、粉末、液体、又はワイヤの形態をもつ原材料101は、高温プラズマトーチ
105内に導入される。供給ガス120(例えば、アルゴン、窒素、水素、ヘリウム)は
、陰極122の周りを陽極ノズル123へ向かって流れる。プラズマは、電気的アークの
ための局所的なイオン化及び導電性経路を陰極122と陽極ノズル123の間に形成させ
る高圧放電によって開始され、これによって供給ガス120のプラズマ放電を形成する。
電気の流れを運ばないプラズマトーチ105(即ち、中性のプラズマ)として、プラズマ
は陽極ノズル123を出る。プラズマトーチの温度は10,000Kのオーダーにあり、
原材料101を溶解又は軟化させ小滴107にし、それらを基板110へ向かって進ませ
る。
溶解した小滴107は基板110に衝突すると平坦化し、急速に凝固し、これによって
一般的に「スプラット」と称されるホットケーキ状の薄層(ラメラ)を含むコーティング
115を形成する。原料粒子は通常、数マイクロメートル(μm)〜100μm超までの
大きさを有するので、1つの薄層は一般に約1μmの厚さと数μm〜100μm超までの
側部寸法を有する。個々の薄層の間には、小さなボイド(孔、クラック、及び不完全な接
合の領域等)がある。
概要
本発明の実施形態は、耐プラズマコーティング材料、耐プラズマコーティング、及びそ
のようなコーティングをハードウェア部品上に形成する方法を含む。特定の実施形態では
、ハードウェア部品は、プラズマチャンバによって実行される処理の間にプラズマに曝露
されるプラズマチャンバ部品である。そのような一実施形態では、プラズマチャンバ部品
は静電チャック(ESC)であり、耐プラズマコーティングは、ESCの表面上(例えば
、プラズマ処理の間にワークピースがプラズマチャンバ内で上部に配置されるパック表面
上)に形成される。
一実施形態では、耐プラズマコーティングは、コーティングが上部に堆積される基板に
固有でないセラミックスを含み、耐プラズマコーティングは、1%未満の空孔率を有する
ように形成される。この低空孔率は、コーティングの耐プラズマ浸食性を大きく増し、部
品寿命に亘るプラズマチャンバ内の微粒子汚染を減らすことが見出されている。別の一実
施形態では、耐プラズマコーティング面は、1μm未満の算術平均粗さ(R)を有する
。慣例に反して、この低い表面粗さを有するコーティングは、特にESCに適用されると
き、微粒子汚染を大きく減らすことが見出されている。別の特定の一実施形態では、耐プ
ラズマコーティングは、従来のコーティングよりかなり高い少なくとも1000V/mi
lの降伏電圧を有するように形成される。
一実施形態では、耐プラズマコーティングは、イットリウム(Y)、イリジウム(Ir
)、ロジウム(Rh)、又はランタノイド(エルビウム(Er)等)の、酸化物、窒化物
、ホウ化物、炭化物、又はハロゲン化物の少なくとも1つを含むように形成される。いく
つかの実施形態では、耐プラズマコーティングは、細粒構造をもつアモルファス又は多結
晶となるように形成される。特定の多結晶質の実施形態は、ランダムでなく、「好適な」
面外成長方位をもつ結晶構造を有する。そのような一実施形態では、好適な面外成長は、
プラズマに面するコーティング面上で最高密度の結晶面を向ける。選択的な結晶方位に沿
った原子の積み重ねによってコーティングの耐プラズマ性を改善することが見出されてい
る。ある実施形態は、基板と耐プラズマコーティングの間に配置された中間層又は複数の
中間層を更に含む。中間層(複数の中間層)は、耐プラズマコーティング内に存在しない
元素の酸化物、又は、耐プラズマコーティング内に存在しない元素の酸化物又は窒化物又
は炭化物(二酸化珪素及び炭化珪素等)の組み合わせを含み、これによって特定の性能特
性(漏れ電流等)に合うように調整されたハイブリッド化されたコーティングを提供して
もよい。
実施形態は、コーティングが形成されるときに、又はコーティング形成に続いて、耐プ
ラズマコーティングを高エネルギー粒子に曝露する条件下でプラズマチャンバ部品上に耐
プラズマコーティングを形成する方法を更に含む。高エネルギー粒子は、粒子発生源(プ
ラズマ、反応性ガス等)から又は堆積材料を提供する材料源から来るイオン、中性子原子
、ラジカル、及びナノサイズの粒子を含む。そのような条件を提供する例示的なプロセス
は、イオンアシスト蒸着法(IAD)、イオン金属プラズマ法(IMP)、活性化反応性
蒸着法(ARE)、又はプラズマ浸漬イオンプロセス(PIIP)を含む。特定の堆積法
の実施形態は、反応性気体種としてハロゲン又は酸素の少なくとも1つを含み、耐プラズ
マコーティングが部品基板上に堆積される間、基板に電気的にバイアスを掛けるステップ
を更に含んでもよい。他の実施形態は、ナノ粒子のマスフロー堆積プロセス又はゾルゲル
堆積プロセスによって、部品上に耐プラズマコーティングを形成するステップを含み、こ
れによって本明細書内で説明されるコーティング組成、構造的及び電気的特性を実現する
本発明の実施形態は、例として説明され、添付図面の図の中に限定されない。
コーティングを部品に適用する従来の方法を示す。 本発明の一実施形態に係る耐プラズマコーティングを有する部品が利用可能なプラズマ処理チャンバを示す。 本発明の一実施形態に係る部品の表面上に形成された耐プラズマコーティングの断面図を示す。 本発明の一実施形態に係る耐プラズマコーティングの形態及び耐浸食性を夫々示す。 本発明の別の一実施形態に係る耐プラズマコーティングの形態及び耐浸食性を夫々示す。 図3A〜図3Eに示される実施形態に係る耐プラズマコーティングの電気抵抗特性を示す。 本発明の一実施形態に係る部品の表面上に形成された耐プラズマハイブリッドコーティングの断面図を示す。 本発明の一実施形態に係る特定の方法によって形成された耐プラズマコーティングの耐浸食性を示す。 本発明の一実施形態に係る耐プラズマコーティングの堆積メカニズムを示す。 本発明の一実施形態に係る部品上に耐プラズマコーティングを堆積する装置を示す。 本発明の一実施形態に係る部品上に耐プラズマコーティングを堆積する装置を示す。 本発明の実施形態に係る部品上に耐プラズマコーティングを堆積する方法のフロー図を示す。
詳細な説明
本明細書を通して「一実施形態」への参照は、実施形態に関連して説明された特定の構
成、構造、材料、又は特性が、発明の少なくとも1つの実施形態に含められていることを
意味する。従って、本明細書を通して様々な場所に「一実施形態では」のフレーズが現れ
るが、必ずしも発明の同一の実施形態を参照するものではない。以下の説明において、多
くの特定の詳細(製造条件及び材料等)が記述され、これによって本発明の完全なる理解
を提供する。しかしながら、特定の実施形態は、これらの特定の詳細の1以上を備えず、
又は他の既知の方法、材料、及び装置と組み合わせて実施されてもよい。更に、説明され
る特定の構成、構造、材料、又は特性は、1以上の実施形態においてどんな適当な方法で
組み合わせてもよい。また、互いに矛盾しない特定の実施形態は結合されてもよいことが
理解されるべきである。添付図面は、説明的表現であり、必ずしも正確な縮尺率で描かれ
ていない。
「上(上方)に」、「下(下方)に」、「間に」、及び「上に(面して)」の語句は、
本明細書内で使用されるとき、1つの部材の他の部材に対する相対位置を言う。そのため
、例えば、別の部材の上(上方)又は下(下方)に配置された1つの部材は、直接他の部
材と接触しているかもしれず、又は1以上の介在する部材を有するかもしれない。更に、
部材の間に配置された1つの部材は、直接2つの部材と接触しているかもしれず、又は1
以上の介在する部材を有するかもしれない。対照的に、第2部材の「上の(面する)」第
1部材は、第2部材に接触している。更に、基板の絶対的姿勢を考慮すること無く、基板
に対して操作が実行されると仮定して、他の部材に対する1つの部材の相対位置は提供さ
れる。
本発明の実施形態は、耐プラズマコーティング材料、耐プラズマコーティング、及びハ
ードウェア部品上にそのようなコーティングを形成する方法を含む。特定の実施形態では
、ハードウェア部品は、プラズマチャンバによって実行されるプラズマ処理の間にプラズ
マに曝露されるプラズマチャンバ部品である。プラズマ処理チャンバの一例として、プラ
ズマエッチングシステム200の断面図が図2に示される。プラズマエッチングシステム
200は、プロセスチャンバ205を含む。ワークピース210は、開口215を通して
ロードされ、陰極220に固定される。特定の実施形態では、陰極220は静電気力(例
えば、静電チャック又はESC)によってワークピース210を保持する。更なる実施形
態では、陰極220は、各ゾーンを温度設定値に独立して制御可能な複数のゾーン(例え
ば、ワークピース210の中心近傍に第1熱ゾーン222及びワークピース210の周辺
部近傍に第2熱ゾーン221をもつ)を含む。プロセスガスは、ガス供給源245、24
6、247、248から夫々のマスフローコントローラ249を通ってプロセスチャンバ
205の内部へ供給される。プロセスチャンバ205は、排気バルブ251を通して接続
された大容量真空ポンプスタック255を介して、例えば5mTorr〜500mTor
rの間に排気される。
RF電力が印加されると、プラズマがワークピース210の上方のチャンバ処理領域内
に形成される。バイアス電力RFジェネレータ225は、バイアス電力を供給し、更にプ
ラズマにエネルギーを与える陰極220に結合される。ある実施形態では、プラズマエッ
チングシステム200は、全く異なる周波数帯域に、バイアス電力RFジェネレータ22
5と共にRF整合器227に接続する第3バイアス電力RFジェネレータ226を含む。
電源電力RFジェネレータ230は、陰極220に対して陽極であるかもしれないプラズ
マ生成要素235に整合器(図示せず)を通して結合され、これによってプラズマにエネ
ルギーを与える高周波電源電力を供給する。一般に、電源電力RFジェネレータ230は
、例えば100〜180MHzの間のバイアス電力RFジェネレータ225より高い周波
数を有する。バイアス電力はワークピース210のバイアス電圧に影響を与え、ワークピ
ース210のイオン衝撃を制御する一方、電源電力はワークピース210へのバイアスと
は比較的無関係にプラズマ密度に影響を与える。
プラズマエッチングシステム200は、コントローラ270によってコンピューター制
御され、これによって低周波バイアス電力、高周波電源電力、エッチングガスフロー、プ
ロセス圧力、及び陰極温度、更に他のプロセスパラメータを制御する。一般に、コントロ
ーラ270は、他の共通の部品の中でも特に、メモリ273及び入出力(I/O)回路2
74と通信する中央演算処理装置(CPU)272を含む。CPU272によって実行さ
れるソフトウェア命令は、プラズマエッチングシステム200に、例えば、プラズマエッ
チングチャンバ内にワークピース210をロードさせ、混合エッチングガスをプロセスチ
ャンバ205内に導入させ、ワークピース210をエッチングさせる。
図3A又は4Aにおいて概略が示されるように、プラズマ処理システム(プラズマエッ
チングシステム200等)の少なくとも1つの部品は、耐プラズマコーティングを含む。
プロセスチャンバ205を構成する部品のどれでも、そのような耐プラズマ性をもつコー
ティングがされてもよい。例示的なチャンバ部品は、プロセスキット、フォーカスリング
、シャワーヘッド、及び蓋を含む。陰極220がESCである特定の一実施形態では、E
SCの表面(ワークピース210が処理の間に配置されるパック表面等)又はESCの周
辺の面が、図3A又は4Aに概略が示されるような耐プラズマコーティングで覆われる。
図3Aは、耐プラズマコーティング315を含むプラズマチャンバ部品300の一部の
断面図を示す。プラズマチャンバ部品300は、ワークピースのプラズマ処理の間、プラ
ズマに曝露される外側コーティング面を提供するように耐プラズマコーティング315が
上方に堆積される外側基板面311を有する基板310を含む。基板310は、アルミニ
ウム又はアルミニウム合金、石英、セラミックス、又は複合材料等、いかなる従来材であ
ってもよい。基板310は、完全(インテグラル)表面コーティング(図示せず)を更に
含んでもよい。完全表面コーティングは、基板310と単一連続構造を形成する。完全表
面コーティングは、一般に、下にある部品材料の少なくとも一部を用いて基板310から
インサイチュー(in−situ)で形成される。例えば、アルミニウム基板310に対
しては、酸化アルミニウム(Al−O)又は窒化アルミニウム(Al−N)の完全表面コ
ーティングが「成長する」かもしれない。完全表面コーティングは、例えば、基板310
を陽極酸化させることによって基板310から形成される。耐プラズマコーティングは固
有(ネイティブ)でないという点で、本発明の実施形態に係る耐プラズマコーティングは
完全表面コーティングと区別される。例えば、基板310がアルミニウム合金である一実
施形態では、耐プラズマコーティングには実質的にアルミニウムが存在しない。
本発明の実施形態では、基板310上に形成された耐プラズマコーティング315は、
非熱溶射コーティングである。プラズマ溶射コーティングは、プラズマチャンバ内で処理
された基板を汚染することが見出されている。例えば、プラズマ溶射イットリア(Y
)コーティングをもつ部品を有するチャンバ内でのプラズマ処理後の基板上で、イット
リウム(Y)汚染が見つかっている。この現象の調査の間に、プラズマ溶射コーティング
は、コーティングの厚さを通して高密度のクラック及びボイドを有することが見つかり、
これは図1に示されるような薄層の作用である。典型的なプラズマ溶射コーティングは、
3%以上の空孔率を有する。プラズマ溶射コーティング面はまた、特徴的に粗く、5マイ
クロメートル(μm)オーダーの典型的な算術平均粗さ(R)をもつ。クラック、ボイ
ド、及び微粒子がプラズマ照射の間に不均一に浸食されるので、プラズマ溶射コーティン
グされた部品は、直径が最大25μmの粒子を有する粗いプラズマエッチングされた面を
発生させる。そのような大きな表面粒子の形成は、膜応力が相対的に高く、結合力が相対
的に低い粒界に沿った選択的な浸食に起因するかもしれない。プラズマエッチングされた
コーティング上に見つかる粗いピークは、そのような粒子が結局は壊れて、チャンバ内で
処理される基板を潜在的に汚染することを示す。従って、基板汚染、プラズマプロセスの
ドリフト、及び部品表面の悪化は、プラズマ溶射コーティング内に存在するクラック、ボ
イド、粗面、及び大きな微粒子と相関している。特に、バルクのセラミックス(例えば、
バルクのイットリア)から形成されたプロセスチャンバ部品の同様な評価においても、直
径25μm以上の多数のボイドを確認した。そのため、バルクのセラミックスは、プラズ
マ溶射された多種におけるプラズマ耐性をほとんど改善しない。
汚染と粒子形成を削減するために、耐プラズマコーティング315の実施形態は、低空
孔率及び低い表面粗さを有するように形成される。一実施形態では、耐プラズマコーティ
ング315は、約1%未満の空孔率を有する。空孔率は、コーティングの全体積における
空間のパーセンテージで表され、より低い空孔率は、コーティングがより密であることを
表す。更なる実施形態では、特定の膜組成に対して最大密度の条件では、空孔率は本来0
%である。そのような低いコーティング空孔率は、従来のコーティング堆積法(プラズマ
溶射等)によって以前は達成不可能であり、圧縮的に加圧されたコーティングでさえ1%
をかなり超える空孔率をしていた。
別の一実施形態では、外側コーティング面316は、30μm以上の厚さを有するコー
ティングに対して、約1μm未満のR値を有する。ある実施形態では、外側コーティン
グ面316は、0.25μm未満のR値を有しており、0.025μmと同じくらい低
いかもしれない。それに比べて、一般にプラズマ溶射コーティング面は、少なくとも5μ
mのR値を有しており、10μmから25μmまでR値をしばしば意図的に粗くする
。プラズマプロセスの副生成物は、粗いチャンバ表面によりよく付着する(汚染を削減す
る)かもしれないという一般通念に反して、広範な製造研究は、より滑らかな外側コーテ
ィング面316がプロセスの清浄度を向上することを明らかにしてきた。理論と結びつい
てはいないが、より滑らかな表面は、インサイチューチャンバクリーン(ICC)プロセ
スの有効性を改善し、湿式洗浄の必要性を削減すると考えられている。いくつかの実施形
態では、基板310はまた、外側基板面311を相対的になめらかにするように、非プラ
ズマ溶射コーティングのために準備されるかもしれない。例えば、外側基板面311は、
約4μm未満のRを有するように準備されるかもしれず、これは機械加工された部品面
によって達成可能である。外側基板面311の低い粗さはまた、一般に基板面が少なくと
も4μmの表面Raに敢えて荒らされ、これによって溶射コーティングの接着力を向上さ
せるプラズマ溶射法とは対照的である。いくつかの実施形態では、基板310はまた、所
望のRa(例えば、0.4μm以上)を有する外側基板面311で準備されるかもしれな
い。耐プラズマコーティングが外側基板面311に均一に分布されるかもしれないので、
コーティング面316は、耐プラズマコーティング315の堆積後、外側基板面311の
元の表面Rを維持している。所望のRは、プラズマチャンバ部品300の所望の性能
(ESCのチャッキング及びデチャッキング機能等)に基づいて決定されるかもしれない
本発明の一実施形態では、耐プラズマコーティング315は、次の主要構成要素を含む
セラミックスである: スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、イリジウム(Ir
)、ロジウム(Rh)、ランタノイド(例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、
ユーロピウム(Eu)、ジスプロシウム(Dy)、又はエルビウム(Er))、又はハフ
ニウム(Hf)の、酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物、又はフッ化物。一例示的コーテ
ィング組成は、主要構成要素としてYを含む(即ち「Yベースである」)。
別の一例示的コーティング組成は、主要構成要素としてYFを含む(即ち「YFベー
スである」)。別の一例示的コーティング組成は、主要構成要素としてErを含む
(即ち「Erベースである」)。主要構成要素に加えて、耐プラズマコーティング
315は、より少ない量の他のセラミックス(炭化珪素(SiC)及び酸化ジルコニウム
(ZrO)等)を更に含み、これによって例えば、マトリックス/溶質又は超格子を形
成するかもしれない。1つの例示的なYベースの組成は、0.5〜1.1at%(
原子百分率)のC、58〜60at%のO、0〜0.5at%のF、及び39〜40at
%のYを含む。
本発明の一実施形態では、耐プラズマコーティング315は、アモルファスの微細構造
を有する。図3Bは、アルミニウムベースの基板310上におけるYFベースの耐プラ
ズマコーティング315に対するエックス線回折(XRD)データを示す。図示されるよ
うに、基板310からのアルミニウムのピークだけが区別できる。アモルファスの微細構
造は、粒界で選択的エッチングに起因する部品の表面粗さ及び汚染が削減することにおい
て有利であるかもしれない。プラズマ溶射されたYFベースのコーティング(「PS
YF」)の浸食レートが本発明の一実施形態に係るアモルファスのYFベースのコー
ティング(「YF/Al−N」)の浸食レートの約2倍であるアモルファスの微細構造
の効果が、図3Cにおいて更に明らかである。
代替の一実施形態では、耐プラズマコーティング315は、細粒結晶性の微細構造を有
する。例示的な一実施形態では、粒径は0.5μmしかない。更なる一実施形態では、耐
プラズマコーティング315は、結晶方位がランダムでないテクスチャリングされた結晶
性の微細構造を有する。ランダムでない結晶方位は、所望の面外成長方位を有するかもし
れない。図3に示される実施形態では、面外成長方位はy軸に沿っている。そのような一
実施形態では、好適な面外成長は、プラズマに対向するように、外側コーティング面31
6において最も高い密度の結晶面を向く。そのような実施形態では、耐プラズマコーティ
ング315は、コーティングの形成の間、稠密な結晶面の方位に沿って配置された原子を
もつ最密構造を有する。例えば、典型的な面心立方(FCC)結晶構造に対して、(11
1)面が面外(y軸)へ向き、これによって(111)面は、外側コーティング面316
を形成する。このように、コーティング材料の最密面が、プラズマチャンバを使用する間
にプラズマに曝露される。例示的なテクスチャリングされたYベースの耐プラズマ
コーティングに対するXRDデータが、図3Dに示される。図示されるように、最密原子
配置面(111)が使用中にプラズマに面しているであろうことを示す(222)ピーク
が突出している。プラズマ浸食レートへのテクスチャリングの効果が、図3Eに示される
。図示されるように、プラズマ溶射Y処理(「PS Y」)は、テクスチャ
リングされた処理(「IAD Y」)の3倍を超える浸食レートを有しており、こ
こで「IAD」は、本明細書内の他の場所で更に詳しく議論されるように、薄膜がイオン
アシスト蒸着によって形成されたことを示す。
一実施形態では、耐プラズマコーティング315は、比較的高い電気抵抗、低く安定し
た漏れ電流、及び比較的高い降伏電圧(VBD)を有する。そのような特性は、ESCア
プリケーションに対して有利である。従来のAl−N又はAl−Oでコーティングされた
ESC表面は、プラズマ処理チャンバが使用されている間、分のオーダーの時間的尺度に
亘って漏れ電流の大きさにおいて大きな変動を被る可能性があることが見出されている。
この現象の調査は、増大したESC漏れ電流の要因はUV照射にあるとした。UV放射は
、一般にすべてのプラズマ処理に存在する。特に、インサイチューチャンバクリーン(I
CC)シーケンスの間(ESCが一般にプラズマ処理用ワークピースを保持していない時
)、ESCのUV照射は、ESC漏れ電流を非常に増大させることが見出されている。I
CCは通常、連続するワークピースのプラズマ処理の間に実行されるので、(ICCの直
後の)ワークピースの最初の処理の間、ESC漏れ電流は高く傾き、ワークピースが取り
除かれ、ICCが繰り返されるまで、ワークピース処理時間と共に下降する。ESC漏れ
電流のこの変化は、最終的に高価な部品の交換を必要とするチャッキング及びデチャッキ
ングの両方の問題を引き起こす可能性がある。
プラズマチャンバ部品300がESCである特定の一実施形態では、耐プラズマコーテ
ィング315は、ESC漏れ電流の変動を和らげる。特に、イットリウムベースのコーテ
ィングは、UV照射に起因する漏れ電流のドリフトを防止することが見出だされている。
漏れ電流の変動を減らすことに加えて、耐プラズマコーティング315は、ESCアプリ
ケーションに対して特に有利な他の特性(プラズマ溶射コーティングで可能な値よりも実
質的に低いRを有することができること等)を提供するかもしれない。図3Fは、Al
−Nセラミックス対照群(「セラミックス基板」)と比較した、1つの例示的イットリウ
ムベースのESCコーティング(「PRD−Y」)実施形態に対する電気的特性を
示す。図示されるように、対照群の漏れ電流は、概して「PRD−Y」コーティン
グの漏れ電流よりも高い大きさのオーダーである。「PRD」は、本明細書内の他の場所
における更なる詳細で議論されるように、薄膜がプラズマ反応性蒸着によって形成された
ことを示す。
更なる実施形態では、耐プラズマコーティング315は、少なくとも1000V/mi
l(thou)の降伏電圧を有する。特定の実施形態では、降伏電圧は3500V/mi
l(thou)よりも大きい。対照的に、従来のプラズマ溶射Yコーティングは、
一般に約750V/mil(thou)のVBDを有する。本明細書内で開示される実施
形態のより高い降伏電圧は、ESC部品に対しても有利であるかもしれない。更に、以前
に説明したように、耐プラズマコーティング315の平滑性は、有利なことにESCヘリ
ウムの低い漏れ量を提供する。更に、耐プラズマコーティング315は、プラズマ照射の
際のESC表面上におけるAlFx形成を減らす。AlFx形成の減少は、ESCの寿命
を向上させ、プラズマ処理の間にESC上に配置されたワークピースの微粒子汚染を削減
する。更なる実施形態では、耐プラズマコーティング315は、本明細書内で説明される
ように、プラズマ照射の周期の後に、ESCを一新するために適用されるかもしれない。
図4Aは、ハイブリッドコーティング413を含むプラズマチャンバ部品400の一部
の断面図を示す。ハイブリッドコーティングは、少なくとも2つの別々の材料層を含む。
別々のコーティング層は、上にコーティング層が形成される基板内のベース材料を実質的
に持たないか、又は、それらの一方又は両方は基板と同じ化学組成ではあるが、コーティ
ング層は基板の結晶構造とは異なる結晶構造を有する。どちらの場合でも、ハイブリッド
コーティング層は、基板とは異なる性能特性を提供する。図4Aに示されるように、耐プ
ラズマコーティング315は、ハイブリッドコーティング413を形成するために中間層
(又は複数の中間層)412上に堆積される。ハイブリッドコーティング413内の多重
層によって、耐プラズマコーティング315が耐プラズマ性を提供すると同時に、中間層
(複数の中間層)412が1以上の有利な特性(例えば、高伝導性、高抵抗性、UV保護
等)を提供することを可能にする。あるいはまた、ハイブリッドコーティング413の多
重層によって、耐プラズマコーティング315が第2組成の耐プラズマコーティング(例
えば、YFベースの中間層の上のYベースのコーティング)を提供すると同時に
、中間層(又は複数の中間層)412が第1組成の耐プラズマコーティングを提供するこ
とを可能にする。
耐プラズマコーティング315から説明された様々な金属及びそれらの酸化物、窒化物
、ホウ化物、フッ化物、及び炭化物のいずれも、所望の機能次第で中間層(又は複数の中
間層)412のために利用されてもよい。他の耐プラズマ材料でない材料もまた使用され
てもよい。例えば、一実施形態では、ハイブリッドコーティング413は、耐プラズマコ
ーティング内に存在しない元素の酸化物である中間層(又は複数の中間層)412を含む
。チャンバ部品がESCである一実施形態では、中間層412は、ワークピースを固定し
ている間における漏れ電流を減らすSiOである。図3Fに図示されるように、SiO
層(「PRD H−Y」)上にYベースの層の例示的ハイブリッドコーテ
ィングをもつセラミックス基板は、図示されたすべての処理の中で最も高い抵抗及び最も
低い電流漏れを表す。非ハイブリッドコーティング(「PRD−Y」)に対してS
iOの中間層の追加は、ハイブリッドコーティングによって可能な電流漏れの減少を示
す。特定の一実施形態では、Y−SiOハイブリッドコーティングは、20To
rrの裏面ヘリウム圧力でチャックし、500Vを印加した基板において、0.1μAの
漏れ電流を提供した。
ハイブリッドコーティング413の層は、中間層412の機能的役割に基づいて様々な
厚さでできていてもよい。例えば、部品がESCであり、中間層412が電流漏れを減ら
す場合、中間のSiO層は、例えば耐プラズマコーティング315の厚さの4分の1か
ら2倍の間の厚さに堆積されるかもしれない。20μmのYベースの耐プラズマコ
ーティングを用いた2つの例示的実施形態では、1つのハイブリッドコーティングは5μ
mの中間SiO層を含み、一方、第2のハイブリッドコーティングは10μmの中間S
iO層を含んでいた。漏れ電流は、より厚いSiO層をもつ実施形態に対してかなり
低いことが見出された。
浸食レートへのハイブリッドコーティング構造の効果が、図3Eに見られる。図示され
るように、両方のハイブリッドコーティング処理(「IAD H−1 Y」及び「
IAD H−2 Y」)は、対照群の処理(「PS Y」及び「バルクY
」)よりかなり低く、非ハイブリッドコーティング処理(「IAD Y」)に
匹敵する浸食レートを有する。そのように、耐プラズマ性及び改善された機能性(例えば
、減少した漏れ電流)の両方は、図4Aに示されるように、ハイブリッドコーティング4
13を有するESCに対して達成されるかもしれない。ハイブリッドコーティング構造は
また、耐プラズマコーティング315の付着を改善するかもしれない。SiO/Y
ハイブリッドコーティングは、Yベースの単一コーティング層に対して剥離を減
少させたことが見出された。
説明された耐プラズマコーティング実施形態の組成、形態、微細構造、及び電気的性質
によって、そのようなコーティングを形成する方法は現在議論されている。一実施形態で
は、耐プラズマコーティング315の堆積に利用される方法は、高エネルギー粒子間相互
作用を利用し、これによって本明細書内で以前に説明された形態、微細構造、及び電気的
性質の1以上を提供する。高エネルギー粒子は、粒子生成源(プラズマ、反応性ガス等)
から来る又は堆積材料を提供する材料源から来るイオン、中性子原子、ラジカル、及びナ
ノサイズの粒子を含むかもしれない。高エネルギー粒子は、最先端技術の熱溶射によって
生成されるどんな粒子よりも小さく、特定の実施形態では、高エネルギー粒子は主にイオ
ンである。ハイブリッドコーティング413を用いる実施形態に対して、中間層(又は複
数の中間層)412及び耐プラズマコーティング315の両方は、高エネルギー粒子が存
在する中で堆積されるかもしれない。耐プラズマコーティングは、プラズマチャンバ内で
部品を使用する間の耐久条件に近づいた方がよいので、そのような堆積法の使用は有利で
あるかもしれない。高エネルギー粒子間相互作用の存在の中で積み上げられた耐プラズマ
コーティングは、プラズマ処理チャンバ内に存在する同様の条件に対してより耐性をもつ
ように形成されるかもしれない。
図5Aは、高エネルギー粒子を利用する様々な堆積法に適用可能な堆積メカニズムを示
す。図示されるように、耐プラズマコーティング315は、高エネルギー粒子503の存
在の中で堆積材料502の積み上げによって形成される。堆積材料は、原子、イオン、ラ
ジカル、又はそれらの混合物を含む。高エネルギー粒子503は、形成時に、耐プラズマ
コーティング315に衝突し、圧縮するかもしれない。高エネルギー粒子503はまた、
耐プラズマコーティング315が微細構造又は形態内の結晶方位及び/又は局所的な不均
一性に依存するレートで形成される時に、耐プラズマコーティング315をスパッタリン
グし、これによって本明細書内の他の場所で説明された特性を提供するかもしれない。プ
ラズマ溶射又は他のすべての熱溶射は、そのようなプロセス条件を提供することができな
いことを理解すべきである。
一実施形態では、本明細書内の他の場所で以前に説明されたように、イオンアシスト蒸
着(IAD)が、耐プラズマコーティング315を形成するために利用される。図5Bは
、IAD蒸着装置の概略図を示す。図示されるように、材料源550は堆積材料502の
流れを提供する一方、高エネルギーイオン源555は高エネルギーイオン503の流れを
提供し、その両方はIADプロセスを通して基板310に衝突する。IADは、材料及び
高エネルギーイオン源を提供する1以上のプラズマ又はビームを利用するかもしれない。
反応種もまた、耐プラズマコーティングの堆積の間に供給されるかもしれない。一実施形
態では、高エネルギーイオン503は、非反応種(例えば、Ar)又は反応種(例えば、
O)の少なくとも1つを含む。更なる実施形態では、CO及びハロゲン(Cl、F、Br
等)等の反応種もまた、耐プラズマコーティングの形成の間に導入され、これによって耐
プラズマコーティングと最も弱く接合した堆積材料を選択的に除去する傾向を更に増大さ
せるかもしれない。
IADプロセスでは、高エネルギーイオン503は、他の蒸着パラメータと無関係に高
エネルギーイオン源555によって制御されるかもしれない。高エネルギーイオン流の密
度及び入射角、コーティングの組成、構造、結晶方位、及び粒径が、エネルギーによって
操作されるかもしれない。イオン衝撃は、例えば、基板310表面のクリーニング、基板
310内への高エネルギー粒子の注入(図5Aに示される)、原子接合を調整すること等
独特なプロセスの利点を提供可能であるが、これらに制限されない。コーティングが積み
上げられる間、イオン衝撃のレベルは、本明細書内の他の場所で説明される有利な特性を
有する耐プラズマコーティングを提供するように調整されるかもしれない。
別の一実施形態では、本明細書内の他の場所で以前に説明されるように、プラズマ反応
性蒸着(PRD)は、耐プラズマコーティング315を形成するために利用される。その
ような方法は、高エネルギーイオン又は粒子がまた利用されることにおいてIAD法に類
似しているが、高エネルギーイオン源が堆積材料源又はプラズマ源と区別されず、IAD
法では区別される。その代わりに、プロセスパラメータは、高エネルギー粒子(イオン)
の生成と材料粒子(中性)とが釣り合うように調整される。例えば、プラズマ源から生成
されたイオンは、本明細書内の他の場所で以前に説明された有利な耐プラズマコーティン
グ特性を産出可能な衝撃を提供するのに十分に高エネルギー化されるかもしれない。その
ような一実施形態では、基板は、比較的高い基板バイアス(例えば、100ボルト以上)
を結果として生じるプロセスパラメータを用いてコーティングされ、これによって形成の
間にコーティングに適正な高エネルギー粒子衝撃を提供する。いくつかのPRDの実施形
態では、基板材料は、有利に小さい粒径を有する耐プラズマコーティングを塗るために選
択される。例えば、一実施形態ではAl−N基板面が使用され、これによって核生成レー
トは高くなり、耐プラズマコーティングの粒径は小さくなる。いくつかのPRDの実施形
態では、基板材料は、耐プラズマコーティングの非見通し(非直進的)成長のためにプラ
ズマ内に浸漬される。その後、結果として生じる耐プラズマコーティングは、全基板面を
覆うであろう。そのようなコーティングは、複雑な幾何学形状の上に一様なコーティング
厚を提供する実質的に等方性の堆積プロセスによって形成されるかもしれない。図4Bは
、IAD法(「IAD H−Y」)及びPRD法(「PRD H−Y」)の
両方によって堆積されたSiO/Yハイブリッドコーティングの浸食レートの間
の比較を更に示す。
例示的IAD法は、本明細書内で説明されるように、耐プラズマコーティングを形成す
るイオン衝撃の存在の中における蒸着(例えば、活性化反応性蒸着(ARE))及びスパ
ッタリング等のイオン衝撃を包含する堆積プロセスを含む。IAD法のいずれも、反応性
気体種(例えば、O、N、ハロゲン等)の存在の中で実行されるかもしれない。反応
性気体種は、金属材料源(ターゲット)又は有機金属気体種からセラミックス(例えば、
酸化物)の形成を可能にするかもしれない。
例示的PRD法は、本明細書内の他の場所で説明される特性を有するコーティングを提
供するのに十分なレベルの粒子衝突を提供するために調整されたプラズマベースのスパッ
タリング及びプラズマ化学気相成長法(PECVD)、プラズマ蒸着、イオンめっき、イ
オン化金属プラズマ(IMP)、又はプラズマ浸漬イオンプロセス(PIIP)等の堆積
プロセスを含む。例えば、PIIP技術は高周波(RF)誘導プラズマ源を使用し、これ
によって基板上に固く付着したコーティングを生成する非見通し堆積プロセスを提供する
。PIIP堆積では、直流のパルス化した負バイアスが、基板を保持するステージに印加
され、これによって耐プラズマコーティングが基板上に積み上がる又は成長するとき、正
イオンがプラズマから引き付けられ、耐プラズマコーティングに衝撃を与えるかもしれな
い。これらの方法のどれもが、反応性気体種(例えば、O、N、ハロゲン等)の存在
の中で実行されるかもしれない。反応性気体種は、金属材料源(ターゲット)又は有機金
属気体種からセラミックス(例えば、酸化物)の形成を可能にするかもしれない。
例示的IAD又はPRD法が、図6Aの方法600内に示される。図示されるように、
方法600は、コーティングされる基板の供給による操作605から始まる。基板は、基
板310等に対して以前に説明されたどんなものであってもよい。操作610で、基板は
真空チャンバ内で減圧される。操作615及び620では、基板は堆積材料の流れに曝露
され、及び高エネルギー粒子の流れに夫々曝露される。IAD及びPRDの特定の実施形
態では、基板が高エネルギーイオンの流れに曝露される間、基板は堆積材料の流れに曝露
される(即ち、共に又は同時に曝露される)。IADの他の実施形態では、基板は堆積材
料の流れに、及び高エネルギーイオンの流れに交互(即ち、連続する堆積/衝撃サイクル
)に曝露される。別の一実施形態では、PRDプロセスのプロセス条件は、交互に堆積と
衝撃を支持する状態間で循環するかもしれない。基板をコーティングした後に、方法60
0は、堆積チャンバからコーティングされた基板を除去する操作630で完成する。更な
る一実施形態(図示せず)において、コーティングされた基板は、その後、耐プラズマコ
ーティングの堆積に続いて、更なる処理(熱アニール処理又はイオン注入等)に曝露され
るかもしれない。
別の一実施形態では、ナノ粒子のマスフロー堆積法が利用され、これによって本明細書
内の他の場所で以前に説明された耐プラズマコーティングのいずれかが形成される。その
ような方法の一例は、アエロゾル堆積(AD)である。ナノ粒子のマスフロー堆積は、少
なくとも基板上に堆積される粒子サイズによって熱溶射プロセスと区別される。例えば、
特定のアエロゾル堆積プロセスは、直径1nm〜1μmの範囲の粒子を利用する。堆積さ
れた粒子が低温である(溶融されたり軟化されたりしない)という点で、ナノ粒子のマス
フロー堆積は熱溶射と更に区別される。図5Cは、真空ポンプ560に接続された堆積チ
ャンバ550を含む例示的ADの装置500を示す。ガス源565は、アエロゾルチャン
バ561内のセラミックス粉末566に供給され、これによってノズル567を通してア
エロゾルとして基板310にナノ粒子575を供給する。AD装置500は、図6Bに示
されるように、ナノ粒子のマスフロー堆積法600を実行するために操作されるかもしれ
ない。ナノ粒子のマスフロー堆積法650は、基板(例えば、基板310等)を供給する
操作651から始まる。操作655で、堆積チャンバは適当な真空レベルまで減圧され、
基板は操作675で、ナノ粒子の流れに曝露される。操作680で、コーティングされた
基板が取り除かれる。
上記の説明は、説明的であることを意図しており、限定するものではないことが理解さ
れるべきである。多くの他の実施形態は、上記の説明を読み、理解することで当業者にと
っては明らかであるだろう。例えば、代替の堆積手法(ゾルゲル法等)が、本明細書内の
他の場所で以前に説明されたような特性を有する耐プラズマコーティングを提供するため
に利用されるかもしれない。本発明は特定の例示的実施形態を参照して説明されてきたが
、発明は説明された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内にお
ける修正形態及び代替形態によって実施され得ることが認められるだろう。したがって、
仕様及び図面は、限定的な意味ではなくむしろ説明的な意味において見なされるべきであ
る。したがって、発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求
の範囲が与える均等物のすべての範囲と共に決定されるべきである。

Claims (15)

  1. 基板と、
    前記基板の少なくとも一部の上に配置される耐プラズマコーティングを含み、
    前記耐プラズマコーティングは、前記基板に固有でないセラミックスを含み、1%未満
    の空孔率を有するプラズマ処理チャンバ部品。
  2. 前記耐プラズマコーティングの空孔率は0%であり、前記耐プラズマコーティングはア
    モルファスである請求項1記載のプラズマ処理チャンバ部品。
  3. 前記耐プラズマコーティングの表面は、1μm未満の算術平均粗さ(R)を有する請
    求項1記載のプラズマ処理チャンバ部品。
  4. 前記部品は静電チャック部品であり、前記耐プラズマコーティングは少なくとも100
    0V/milの降伏電圧を有する請求項3記載のプラズマ処理チャンバ部品。
  5. 前記セラミックスは、Y、Ir、Rh、及びランタノイドから成る群から選択される元
    素の酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物、又はハロゲン化物の少なくとも1つを含む請求
    項4記載のプラズマ処理チャンバ部品。
  6. 前記基板と前記耐プラズマコーティングの間に配置される中間層を更に含み、前記中間
    層は、前記耐プラズマコーティング内の主要な構成要素の元素以外の元素の酸化物、窒化
    物、又は炭化物を含む請求項5記載のプラズマ処理チャンバ部品。
  7. 前記耐プラズマコーティングは、好適な面外成長方位をもつ結晶構造を有する請求項1
    記載のプラズマ処理チャンバ部品。
  8. 前記好適な面外成長方位は、前記耐プラズマコーティングの外面上に最も高い密度の面
    を提供する請求項7記載のプラズマ処理チャンバ部品。
  9. 前記基板はセラミックス又はアルミニウム合金であり、前記耐プラズマコーティングは
    実質的にアルミニウムを含まない、又は、前記基板は石英であり、前記耐プラズマコーテ
    ィングは実質的にシリコンを含まない請求項1記載のプラズマ処理チャンバ部品。
  10. プラズマチャンバ部品用耐プラズマコーティングを形成する方法であって、
    基板を提供するステップと、
    前記コーティングが形成されるとき、約1μm未満の直径を有する高エネルギー粒子に
    前記耐プラズマコーティングを曝露する条件の下で前記基板上に前記耐プラズマコーティ
    ングを形成するステップを含む方法。
  11. 前記耐プラズマコーティングを形成するステップは、Y、Ir、Rh、及びランタノイ
    ドから成る群から選択される元素の酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物、又はハロゲン化
    物の少なくとも1つを堆積するステップを更に含む請求項10記載の方法。
  12. 前記耐プラズマコーティングは、イオンアシスト蒸着(IAD)又はプラズマ反応性蒸
    着(PRD)によって堆積される請求項10記載の方法。
  13. 前記耐プラズマコーティングが前記部品基板上に堆積される間、前記基板は電気的にバ
    イアスを掛けられる請求項10記載の方法。
  14. 前記耐プラズマコーティングは、1%未満の空孔率をもって形成される請求項10記載
    の方法。
  15. 前記部品は静電チャックであり、前記方法は、
    前記耐プラズマコーティングを堆積する前に、前記静電チャック基板上に中間層を堆積
    するステップを更に含み、前記中間層は前記耐プラズマコーティング内に無い元素の酸化
    物を含む請求項10記載の方法。
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