JP2016071307A - インサート成形用反射防止フィルム及びそれを用いた樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性透明基材フィルム上に、ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の4層がこの順で設けられている。低屈折率層は、(a)C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレート5.0〜15.0質量%と、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%と、(c)前記(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物9.0〜70.0質量%と、(d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%と、(e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%とからなる低屈折率層用組成物を硬化させてなる。
【選択図】なし
Description
さらに、反射防止層がハードコート層の他に低屈折率層と高屈折率層の2層のみで構成されているため、やはり視感度波長範囲(光の波長500〜650nm)において反射防止性にバラツキ(強弱)があった。
nM-nHC≧0.05・・・(I)
450nm/4nM<dM<560nm/4nM・・・(II)
450nm/2nH<dH<560nm/2nH・・・(III)
450nm/4nL<dL<560nm/4nL・・・(IV)
本実施形態の反射防止フィルムは、熱可塑性透明基材フィルムの一方面に、ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層、及び低屈折率層が、熱可塑性透明基材フィルム側からこの順で形成されている。この反射防止フィルムは、後述するように、インサート成形に適しており、射出成形時に金型内に保持され、樹脂の成形と同時に表面に一体化される。以下に、この反射防止フィルムの構成要素について順に説明する。
熱可塑性透明基材フィルムは、ポリカーボネート樹脂、又はポリメチルメタクリレート樹脂からなるフィルムを使用でき、特に、ポリカーボネート層及びポリメチルメタクリレート層との二層構造からなるフィルムが好ましい。この場合、ポリメチルメタクリレート層上にハードコート層を積層するのが望ましい。そうすると、ハードコート組成物にアクリル樹脂(アクリル基を有するモノマーの硬化物)を含む場合、ハードコート層とポリメチルメタクリレート層の屈折率が近いため、反射光の干渉ムラが生じにくい。加えて、メチルメタクリレート層とハードコート層の材質が類似しているため、メチルメタクリレート層とハードコート層との密着性に優れる。一方、ポリカーボネート層はポリメチルメタクリレート層に比べガラス転移点(Tg)が高いため、ポリカーボネート層に加飾印刷することで、インサート成形時にインク流れが生じにくくなる。また、熱可塑性透明基材フィルムの屈折率は、1.49〜1.59であることが好ましい。
ハードコート層は、反射防止フィルムの表面強度を担保するための層である。ハードコート層は、ハードコート層用樹脂組成物を硬化させることにより形成される。ハードコート層は、波長589nmの光に対する屈折率が1.50〜1.56の範囲内のものが好ましい。ハードコートの屈折率が1.50未満の場合、或いは1.56を超える場合には、熱可塑性透明基材フィルムとハードコート層の屈折率差から生じる干渉により、干渉ムラが顕著に表れるため好ましくない。
ハードコート層用樹脂組成物は、ハードコート機能を発揮するベースとなる樹脂材料にアクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を添加したものである。例えば、ハードコート層用樹脂組成物は、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)と、紫外線硬化型樹脂(B)と、光重合開始剤(C)とを、含む。光重合開始剤(C)により紫外線硬化型樹脂(B)の硬化を促進して反射防止フィルムの表面強度を確保するとともに、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を含有することにより、得られたハードコート層はインサート成形時に金型内で加熱された際に適度に軟化し、熱可塑性透明基材フィルムに対して優れた密着性を発揮しながら金型に追従することができる。
次に、中屈折率層について説明する。中屈折率層は、中屈折率層用組成物を硬化させることにより形成される。中屈折率層は、後述する高屈折率層との有意な屈折率差及び後述の低屈折率層との有意な屈折率差により、反射防止効果を発現させるための層である。中屈折率層の屈折率は、ハードコート層及び低屈折率層よりも高く、かつ、高屈折率層よりも低く設定される。中屈折率層は、589nmの光に対する屈折率が1.57〜1.63の範囲内のものが好ましい。中屈折率層の屈折率が1.57未満の場合、或いは1.63を超える場合には、中屈折率層と他の層との屈折率差から生じる干渉のバランスが悪くなり、反射スペクトルをフラットにすることが困難となる。
nM-nHC≧0.05・・・(I)
450nm/4nM<dM<560nm/4nM・・・(II)
中屈折率層は、前記中屈折率層の屈折率の範囲において、従来より反射防止フィルム等に用いられる公知のものであれば特に制限されず、中屈折率層用組成物としては、ベースとなる有機材料に、屈折率調整用の無機材料を適宜添加したものを用いることができる。
次に、高屈折率層について説明する。高屈折率層は、高屈折率層用組成物を硬化させることにより形成される。高屈折率層は、前述した中屈折率層との有意な屈折率差及び後述の低屈折率層との有意な屈折率差により、反射防止効果を発現させるための層である。高屈折率層の屈折率は、ハードコート層及び中屈折率層及び低屈折率層のいずれの層よりも高く設定される。
450nm/2nH<dH<560nm/2nH・・・(III)
次に、低屈折率層について説明する。低屈折率層は、低屈折率層用組成物を硬化させることにより形成される。低屈折率層の屈折率は、ハードコート層、中屈折率層、及び高屈折率層の屈折率より低く設定されることを要件とし、その589nmの光に対する屈折率屈折率は1.29〜1.37の範囲であるのが好ましい。該屈折率が1.29未満の場合には十分に硬い層を形成することが困難である場合がある。その一方、屈折率が1.37を超える場合には十分な視感度反射率を得ることが難しい。
450nm/4nL<dL<560nm/4nL・・・(IV)
低屈折率層用組成物は、(a)C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートと、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと、(c)(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物と、(d)中空シリカ微粒子と、(e)光重合開始剤とからなる。なお、(b)成分の含有量は(a)成分の含有量より少ない。
(a)C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートは、防汚性機能を発現するためのものであり、低屈折率層表面を触った際に付着する指紋の付着性を弱めることができる。C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートの例としては、具体的には、下記化学式(1)で示されるものや下記化学式(2)に示されるものが挙げられる。
( 式中、nは0〜100の整数である。また、X はHまたはCH3である。)
( 式中、Xはパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテルを表す。)
(c)(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物は、低屈折率層へ硬度を付与する事が出来る。(c)(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物は、低屈折率層用組成物中に9.0〜70.0質量%含まれる。含有量が9.0質量%未満では、低屈折率層の硬度不足や、透過率の低下が生じる。一方、70.0質量%を越えると、指紋の拭取り性が向上しない。
(d)中空シリカ微粒子は、屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.37であることが好ましい。中空シリカ微粒子としては、屈折率を低くするものであれば特に限定されず、公知の中空シリカ微粒子を使用できる。具体的には、日揮触媒化成(株)製アクリル修飾中空シリカ微粒子スルーリア4320等が挙げられる。
(e)光重合開始剤は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線により低屈折率層用組成物を硬化させて塗膜を形成する際の重合開始剤として用いられる。(e)光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。
ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の形成方法は特に制限されず、例えばドライコーティング法、ウェットコーティング法等の塗布方法により、各層用組成物を適宜溶剤で希釈して調整した各塗液を熱可塑性透明基材フィルムの一方面に、順に塗布し、硬化させる方法を採用することができる。塗布方法としては、生産性や生産コストの面より、特にウェットコーティング法が好ましい。ウェットコーティング法は公知の方法でよく、例えばロールコート法、ダイコート法、スピンコート法、そしてディップコート法等が代表的なものとして挙げられる。これらの中では、ロールコート法等、連続的に塗膜を形成できる方法が生産性の点より好ましい。形成された塗膜は、加熱や紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射によって硬化反応を行うことにより硬化被膜を形成することができる。
本実施形態の成形物は、インサート成形融着法にて、樹脂を成形すると同時に、その成形物の表面に反射防止フィルムを一体化して得られる。例えば、反射防止フィルムを射出成形金型内のキャビティに保持し、溶融した樹脂を金型内に注入することで、表面に防眩性反射防止フィルムが一体化された成形物を得ることができる。
各実施例及び比較例において、熱可塑性透明基材フィルムとしては、以下のものを使用した。
ポリメチルメタクリレートフィルム(PMMA)
住友化学株式会社製「S014G」188μm
ポリカーボネートフィルム(PC)
住友化学(株)製「C000」188μm
ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなるフィルム(PC/PMMA)
住友化学株式会社製「C003」200μm
次の原料を使用し、各原料を下記表1に記載した組成にて混合し、ハードコート層用塗液α1−1及びα1−2を調製した。尚、各材料の配合量は、固形分の質量%を記載している。
下記製造例1で合成した水酸基含有メタクリレート変性無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン(A1)
<紫外線硬化型樹脂(B)>
ダイセル・サイテック(株)製「EBECRYL8402」
日本化薬(株)製「KAYARAD DPCA−20」
共栄社化学(株)製「ライトアクリレート1.9ND−A」
<光重合開始剤(C)>
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「IRGACURE184(I−184)」
<金属酸化物微粒子(D)>
シリカ微粒子(分散液)日産化学工業(株)製「MIBK−ST(固形分濃度30%)」
酸化チタン微粒子(分散液)CIKナノテック(株)製「RTTMIBK15WT%−N24(固形分濃度15%)」
高分子ポリオレフィン(プロピレンと1−ブテンとの共重合体:三井化学社製「タフマーXR110T」)を攪拌機および温度計を備えた反応容器に入れ、360℃まで昇温して溶融させ、窒素気流下で80分間加熱することにより、熱減成による低分子ポリオレフィン(a1)を得た。
α1−1と同じ材料を、表1に示す配合(質量部)にてα1と同様に調整した。なお、製造例α2〜α5には、シリカ微粒子(分散液)として日産化学工業(株)製、MIBK−ST(固形分濃度30%、粒子径15nm)、酸化チタン微粒子(分散液)としてCIKナノテック(株)製、RTTMIBK15WT%−N24をそれぞれ使用した。
紫外線硬化型樹脂としてウレタンアクリレート〔分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕76質量部、酸化チタン微粒子(分散液)〔CIKナノテック(株)製、RTTMEK25WT%−F02〕を固形分換算で24質量部、光重合開始剤〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907〕を5質量部、及びメチルエチルケトン500質量部を混合し、中屈折率層用塗液(含酸化チタン微粒子硬化性塗液)を得た。
β1と同じ材料を、表2に示す配合(質量部)にてβ1と同様に調整した。
β1と同じ材料を、表3に示す配合(質量部)にてβ1と同様に調整した。なお、DPHAは、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
四つ口フラスコにパーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビスフルオロメチル−3,6−ジオキサノネノール)104部とビス(2,2,3,3,4,45,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイドの8質量%パーフルオロヘキサン溶液11部を入れた。そして、その中空部を窒素置換した後、窒素気流下20℃で24時間撹拌して高粘度の固体を得た。得られた固体をジエチルエーテルに溶解させたものをパーフルオロヘキサンに注ぎ、分離後に真空乾燥させてヒドロキシル基含有含フッ素アリルエーテル重合体である無色透明なポリマーを得た。
低屈折率層用塗液LL1-1は、イソプロピルアルコール(IPA)を溶媒として、固形分濃度が5質量%となるように、(a)C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレート〔信越化学工業(株)製、DAC−HP〕5.0質量%と、(b)アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン〔ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570〕4.0質量%と、(c)溶媒可溶性の含フッ素反応性ポリマー(δ1)を固形分換算で43質量%と、(d)粒子径が60nmの中空シリカ微粒子〔日輝触媒化成工業株式会社製、スルーリア4320〕43質量%と、(e)光重合開始剤〔BASFジャパン株式会社製、イルガキュア907(I−907)〕5質量%とを混合して得た。
表4に示す配合(質量%)にて、LL1−1と同様に調整した。なお、(a)成分である「RS−75」は、DIC(株)製のC2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートである。また、(b)成分であるBYKUV−3500及びBYKUV−3530は、ビックケミー・ジャパン(株)製のアクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンである。また、(e)成分であるI−184は、BASFジャパン株式会社製のイルガキュア184である。
表5に示す配合(質量%)にて、LL1−1と同様に調整した。なお、(a)成分である「F−558」は、DIC(株)製のC2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートである。また、(b)成分であるBYKUV331は、ビックケミー・ジャパン(株)製のアクリル基を有さないポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンである。
ハードコート層形成用塗液α1を、住友化学(株)製ポリメチルメタクリレートフィルム「S014G、188μm」の一面に、ロールコーターにて乾燥膜厚が2μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。なお、上記乾燥膜厚が実質的にハードコート層の膜厚である。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量300mJ/cm2)、ハードコート層用組成物を硬化させてハードコート層を形成した。
表6〜表8に示す構成にて、実施例1−1と同様に作製した。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
表9、表10に示す構成にて、実施例1-1と同様に作製した。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
膜厚の測定は、光学積層体の断面をTEM写真で観察することにより行った。
一方の面に易接着層が付与されている屈折率1.65のPETフィルム〔商品名:「A4100」、東洋紡(株)製〕を基材として、易接着層が付与されていない面上に測定したい被膜を100nm程度の膜厚で形成し、測定用フィルムを作成した。反射分光膜厚計(大塚電子(株)製「FE3000」を持いてフィルム上に形成された被膜について270〜1040nmの範囲で絶対反射率を測定した。得られた絶対反射率のスペクトルの実測値から、代表的な波長分散の近似式としてn-Cauchyの分散式を引用し、未知のパラメーターを絶対反射率のスペクトル非線形最小二乗法によって求めて、波長589nmにおける屈折率を算出した。
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U−best560〕により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる光の波長380nm〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8701で想定されているXYZ表色系における、反射による物体色の三刺激値Yを視感度反射率(%)とした。
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U−best560〕により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる光の波長380nm〜780nmの分光反射率の500〜650nmの領域における反射率の最大値と最小値の差を読み取った。
人工指脂液(尿素1g、乳酸4.6g、ピロリン酸ナトリウム8g、食塩7g、エタノール20mLを蒸留水で1Lに希釈したもの)を1滴反射防止フィルム表面に滴下する。その後、日本製紙クレシア(株)製キムワイプを用い、人工指脂液を馴染ませる。続いて、東レ(株)製トレシーを用いて5往復拭取りを実施した後、表面の跡を目視で観察し下記の3段階で評価した。
○:人工指脂液の跡が無い場合
△:人工指脂液の跡が一部残る場合
×:人工指脂液の跡が残る場合
<成形品におけるクラックの有無>
以下の条件にてインサート成形にて樹脂成形品を作成し、目視にて確認し、クラック等の亀裂の有無を確認した。
○:クラック等の亀裂なし、△:曲面部分に僅かにクラック等の亀裂あり、×:クラック等の亀裂が目立つ
反射防止フィルム表面を#0000のスチールウールに100gfの荷重をかけて、ストローク幅25mm、速度30mm/secで10往復摩擦したあとの表面を目視で観察し、以下の◎、○、×で評価した。スチールウールは約10mmφにまとめ、表面が均一になるようにカット、摩擦して均したものを使用した。
◎:傷が0〜10本 ○:傷が11本から20本 ×:傷が21本以上
10cm×10cmサイズのガラス板の片面にアクリル系粘着シートを使用して反射防止フィルムを貼り合せ、もう片方の面に黒色フィルムを貼り合せたサンプルを作製した。このサンプルを、三波長蛍光灯管の下で観察し、裏面の黒色フィルムの黒色が、自然な黒色に見える場合を○、反射防止フィルムの着色があり自然な黒には見えないが、黒っぽく見える場合を△、黒色が白茶けたり、反射防止フィルムの着色がきつく、黒っぽく見えない場合を× として評価した。
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U−best560〕により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる光の波長380nm〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JISZ8720に規定される色空間CIE1976L*a*b*表色系を計算し、求めたa*、b*値から彩度Cab*={(a*)2+(b*)2}1/2を計算した。
比較例1-1:(a)成分の含有量が少ない。
比較例1-2:(a)成分の含有量が多い。
比較例1-3:(b)成分がない。
比較例1-4:(b)成分の含有量が少ない。
比較例1-5:(b)成分の含有量が多い。
比較例1-6:(b)成分の含有量が多く、かつ、(b)>(a)。
比較例1-7:(a)成分の含有量と(b)成分の含有量が等しい。
比較例1-8:(a)成分の含有量が(b)成分の含有量より少ない。
比較例1-9:(a)成分の含有量と(b)成分の含有量が等しい。
nM-nHC≧0.05・・・(I)
450nm/4nM<dM<560nm/4nM・・・(II)
450nm/2nH<dH<560nm/2nH・・・(III)
450nm/4nL<dL<560nm/4nL・・・(IV)
Claims (5)
- 熱可塑性透明基材フィルム上に、ハードコート層、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の4層がこの順で設けられており、
前記低屈折率層の屈折率は、前記4層のうちで最も低く、
前記高屈折率層の屈折率は、前記4層のうちで最も高く、
前記中屈折率層の屈折率は、前記ハードコート層及び前記低屈折率層の屈折率より高く且つ前記高屈折率層の屈折率より低く、
前記低屈折率層が、
(a)C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレート5.0〜15.0質量%と、
(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%と、
(c)前記(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物9.0〜70.0質量%と、
(d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%と、
(e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%とからなり、
前記(b)成分の含有量が前記(a)成分の含有量より少なく、且つ、前記(a)〜(e)成分の合計が100質量%である低屈折率層用組成物を硬化させてなり、
前記ハードコート層は、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を含む、インサート成形用反射防止フィルム。 - 前記ハードコート層の屈折率が1.50〜1.56、
前記中屈折率層の屈折率が1.57〜1.63、
前記高屈折率層の屈折率が1.77〜1.83、
前記低屈折率層の屈折率が1.29〜1.37
である、請求項1に記載のインサート成形用反射防止フィルム。 - 前記ハードコート層の屈折率をnHC、膜厚をdHC、前記中屈折率層の屈折率をnM、膜厚をdM、前記高屈折率層の屈折率をnH、膜厚をdH、前記低屈折率層の屈折率をnL、膜厚をdLとした場合、下記(I)〜(IV)が成り立つ、請求項1または請求項2に記載のインサート成形用反射防止フィルム。
nM-nHC≧0.05・・・(I)
450nm/4nM<dM<560nm/4nM・・・(II)
450nm/2nH<dH<560nm/2nH・・・(III)
450nm/4nL<dL<560nm/4nL・・・(IV) - 前記熱可塑性透明基材フィルムが、ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなり、
前記ハードコート層はポリメチルメタクリレート層上に形成されている、請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のインサート成形用反射防止フィルム。 - 請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のインサート成形用反射防止フィルムを表面に備える、樹脂成形品。
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