JP6552163B2 - 積層体 - Google Patents
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Description
即ち、本発明の課題は、鉛筆硬度、耐傷付性(耐擦傷性)、透明性、層間密着性、防汚性等に優れた積層体及び該積層体からなる表示体カバーを提供することにある。
層(A):(メタ)アクリロイル基を有する化合物を少なくとも含む硬化性組成物(α)を、厚み2〜40μmで基材層上に塗布し、硬化性組成物(α)の(メタ)アクリロイル基の反応率が5%以上60%未満となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を少なくとも1回行って得られる層
層(B):パーフルオロアルキレン構造及びパーフルオロポリエーテル構造のうち少なくとも1種を含み、且つ分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を少なくとも含む硬化性組成物(β)を、厚み2〜40μmで上記層(A)上に塗布し、硬化性組成物(β)の(メタ)アクリロイル基の反応率が60%以上となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を経て得られる層
[10] 基材層上の少なくとも一方の面に、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を少なくとも含む硬化性組成物(α)を、厚み2〜40μmで基材層上に塗布し、硬化性組成物(α)の(メタ)アクリロイル基の反応率が5%以上60%未満となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を少なくとも1回行って層(A)を形成した後、パーフルオロアルキレン構造及びパーフルオロポリエーテル構造のうち少なくとも1種を含み、且つ分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を少なくとも含む硬化性組成物(β)を、厚み2〜40μmで上記層(A)上に塗布し、硬化性組成物(β)の(メタ)アクリロイル基の反応率が60%以上となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を行って層(B)を形成することにより、基材層上の少なくとも一方の面に、基材層側から上記層(A)及び上記層(B)をこの順で有する積層体を製造する積層体の製造方法。
このため、本発明の積層体は、タッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品;ランプ関連物品、ウインドウ関連物品(リアウィンドウ、サイドウィンドウ、天窓等)等の自動車関連部品;各種電気機器の筐体;化粧板、家具等の生活関連物品等の幅広い物品の表面カバーに好適に用いることができる。これらの中でもタッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品の表面カバー、即ち表示体カバーとして特に好適に用いることができる。
本発明の積層体は、基材層上の少なくとも一方の面に、基材層側から下記層(A)及び下記層(B)をこの順で有するものである。
層(A):アクリロイル基を有する化合物を少なくとも含む硬化性組成物(α)を、厚み2〜40μmで基材層上に塗布し、硬化性組成物(α)のアクリロイル基の反応率が5%以上60%未満となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を少なくとも1回行って得られる層
層(B):アクリロイル基を有する化合物を少なくとも含む硬化性組成物(β)を、厚み2〜40μmで上記層(A)上に塗布し、硬化性組成物(β)のアクリロイル基の反応率が60%以上となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を経て得られる層
基材層の構成材料については特に制限はないが、本発明の積層体の基材層は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリメチルメタクレート(PMMA)樹脂(本発明において、「ポリメチルメタクリレート樹脂」とは、メチルメタクリレートを構成単位の50モル%以上用いて得られる樹脂を意味する。)、ポリカーボネート(PC)樹脂(本発明において、「ポリカーボネート樹脂」とは、芳香族ポリカーボネート樹脂のみを意味するものではなく、その構成単位がカーボネート結合により連結した樹脂一般を意味する。)、水添ポリイミド(水添PI)樹脂(本発明において、「水添ポリイミド」とは原料として、少なくとも芳香環が水素化された化合物を用いて得られるポリイミドである。)、及びポリシクロオレフィン(COP)樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる層であることが、透明性、光学特性、耐熱性、入手のし易さ等の点において好ましい。
基材層は、これらの樹脂よりなる2層以上の積層構造のものであってもよい。
層(A)は、アクリロイル基を有する化合物を少なくとも含む硬化性組成物(α)を、厚み2〜40μmで基材層上に塗布し、硬化性組成物(α)のアクリロイル基の反応率が5%以上60%未満となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を少なくとも1回行って得られる層である。以下に硬化性組成物(α)について説明し、層(A)の形成方法及び好適な厚みについては後述する。
硬化性組成物(α)はアクリロイル基を有する化合物を少なくとも含むものである。また、この硬化性組成物(α)のアクリル当量は100g/mol以上であることが層(A)を硬化させた際にクラックが入ることを防ぐ観点から好ましい。一方、硬化性組成物(α)のアクリル当量の上限は特に制限されないが、通常、10,000g/mol以下であり、好ましくは6,000g/mol以下であり、より好ましくは3,000g/mol以下であり、更に好ましくは2,000g/mol以下であり、特に好ましくは1,000g/mol以下である。
硬化性組成物(α)に含有されるアクリロイル基を有する化合物としては、単官能(メタ)アクリレート及びその誘導体、多官能(メタ)アクリレート及びその誘導体、アクリロイル基を有する化合物で表面を修飾したシリカ粒子等が挙げられる。これらの中でも層(A)の硬度を高める観点から、多官能(メタ)アクリレート及びその誘導体並びにアクリロイル基を有する化合物で表面を修飾したシリカ粒子からなる群のうちの少なくとも1つを含むことが好ましく、さらに、これのうちの少なくとも2つを含むことがより好ましい。
[平均一次粒子径(nm)]=
6,000/〔[比表面積(m2/g)]×[密度(g/cm3)]〕
アクリロイル基を有する化合物で表面を修飾したシリカ粒子のシリカ粒子表面に修飾されるアクリロイル基の量(表面をアクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子1g当りの二重結合量(mol))、仕込み値からの計算値で0.1mmol/g以上であることが好ましく、0.2mmol/g以上であることがより好ましく、0.3mmol/g以上であることが更に好ましく、一方、2.0mmol/g以下であることが好ましく、1.5mmol/g以下であることがより好ましく、1.0mmol/g以下であることが更に好ましい。
本発明に用いる硬化性組成物(α)は、硬化性を向上させるため、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は公知のものを使用することができる。光重合開始剤としては例えば、光ラジカル発生剤、光酸発生剤等が挙げられる。
硬化性組成物(α)は、有機溶媒を含むことが好ましい。有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、硬化性組成物(α)に含まれる成分の種類等を考慮して適宜選択することができる。用いることができる有機溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、アニソール、フェネトール等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテート等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。
本発明に用いる硬化性組成物(α)は、本発明の効果を阻害しない範囲で上記のアクリロイル基を有する化合物、光重合開始剤及び有機溶媒以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、充填剤、シランカップリング剤、反応性希釈剤、帯電防止剤、有機顔料、スリップ剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、消泡剤、酸化防止剤、レベリング剤等が挙げられる。
本発明の積層体において、層(B)は、アクリロイル基を有する化合物を少なくとも含む硬化性組成物(β)を、厚み2〜40μmで前記層(A)上に塗布し、硬化性組成物(β)のアクリロイル基の反応率が60%以上となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を経て得られる層である。以下に硬化性組成物(β)について説明し、層(B)の形成方法及び好適な厚みについては後述する。
なお、硬化性組成物(β)は、硬化性組成物(α)と同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
硬化性組成物(β)はアクリロイル基を有する化合物を少なくとも含むものである。また、この硬化性組成物(β)のアクリル当量は100g/mol以上であることが層(B)を硬化させた際にクラックが入ることを防ぐ観点から好ましい。一方、硬化性組成物(β)のアクリル当量の上限は特に制限されないが、通常、10,000g/mol以下であり、好ましくは6,000g/mol以下であり、より好ましくは3,000g/mol以下であり、更に好ましくは2,000g/mol以下であり、特に好ましくは1,000g/mol以下である。
硬化性組成物(β)に含有されるアクリロイル基を有する化合物としては、特に制限されないが、例えば以下の(1)〜(5)などが挙げられる。
(1) 単官能(メタ)アクリレート及びその誘導体
(2) 多官能(メタ)アクリレート及びその誘導体
(3) アクリロイル基を有する化合物で表面を修飾したシリカ粒子
(4) パーフルオロアルキル構造、パーフルオロアルキレン構造、パーフルオロポリエーテル構造及びポリシロキサン構造のうち少なくとも1種を含み、且つ分子内に1個以上のアクリロイル基を有する化合物以下、「(メタ)アクリレート(β)」と称す場合がある。)
(5) 下記式(1)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレートとエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとを共重合して得られた共重合体にカルボキシル基及びアクリロイル基を有する化合物を反応させて得られる(メタ)アクリル系共重合体(以下、「(メタ)アクリル系共重合体(β)」と称す場合がある。)
本発明に用いる硬化性組成物(β)は層(B)の硬化性を向上させるために光重合開始剤を用いることが好ましい。ここで用いることのできる光重合開始剤は硬化性組成物(α)において挙げたものと同様である。
本発明に用いる硬化性組成物(β)は有機溶媒を用いることが好ましい。ここで用いることのできる有機溶媒の種類及びその量、即ち、硬化性組成物(β)の固形分濃度は、硬化性組成物(α)において挙げたものと同様である。
本発明に用いる硬化性樹脂組成物(β)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、アクリロイル基を有する化合物、光重合開始剤及び有機溶媒以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、充填剤、シランカップリング剤、反応性希釈剤、帯電防止剤、有機顔料、スリップ剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、消泡剤、酸化防止剤、レベリング剤等が挙げられる。
本発明の積層体は、基材層上に各層を順次積層することにより製造することができる。本発明の積層体の製造方法は特に制限されないが、通常、基材層上に層(A)を形成し、次いで層(B)を形成することにより得ることができる。
なお、本発明の積層体は、基材層の一方の面にのみ層(A)及び層(B)が形成されていてもよく、両面に層(A)及び層(B)が形成されていてもよい。
また、層(B)は、前述の硬化性組成物(β)を、厚み2〜40μmで層(A)上に塗布し、硬化性組成物(β)のアクリロイル基の反応率が60%以上となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を経て形成される。
なお、アクリロイル基の反応率は、後述の実施例の項に記載される方法で求められる。
層(A)は、前述の通り、硬化性組成物(α)を、厚み2〜40μmで基材層上に塗布し、硬化性組成物(α)のアクリロイル基の反応率が5%以上60%未満となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を少なくとも1回行うことにより形成される。
槽(B)は、前述の通り、硬化性組成物(β)を、厚み2〜40μmで、層(A)上に塗布し、硬化性組成物(β)のアクリロイル基の反応率が60%以上となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を経て形成される。
本発明の積層体は、鉛筆硬度、耐傷付性、透明性、層間密着性、防汚性等に優れたものである。このため、本発明の積層体は、タッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品;ランプ関連物品、ウインドウ関連物品(リアウィンドウ、サイドウィンドウ、天窓等)等の自動車関連部品;各種電気機器の筐体、化粧板、家具等の生活関連物品等の幅広い物品の表面カバーに好適に用いることができる。これらの中でもタッチパネル、液晶テレビ等の光学ディスプレイ用部品の表面カバー、即ち表示体カバーとして特に好適に用いることができる。
以下の実施例・比較例で得られた積層体(比較例7では基材のみ)は以下の方法により評価した。
積層体の層(B)に対して、JIS K−5400に従って碁盤目剥離試験(10×10マス)を1回行い、膜が残ったマスの数により、下記の通り評価した。
◎:90個以上
○:80〜89個
△:50〜79個
×:49個以下
積層体の層(B)又は基材に対して、JIS準拠鉛筆硬度計(太佑機材社製)を用い、JIS K−5400の条件に基づき測定を行い、傷の入らない最も硬い鉛筆の番手を確認した。なお、鉛筆硬度4H以上を合格とした。
JIS K−7136に従ってヘーズメーター(村上色彩技術研究所製「HAZE METER HM−65W」)にて、積層体又は基材のヘーズ値を測定し、以下の通り評価した。
○:1.0未満
△:1.0以上2.0未満
×:2.0以上
#0000のスチールウール、加重200g/cm2にて、積層体の層(B)又は基材表面を20往復擦り、試験後の層(B)の硬化膜又は基材の傷付きの程度を以下の通り評価した。なお、△以上を合格とした。
◎:傷0〜10本
○:傷11〜20本
△:傷21〜100本
×:傷無数又は白化
黒マジック(ゼブラ社製「マッキーケア黒」)にて、積層体の層(B)又は基材の表面の1cm×1cmの範囲を黒く塗り、10秒静置後、表面を不織布(クラレ社製「KURAFLEX CLEAN WIPER」)で拭き取るという操作を繰り返し、拭き取り不可能(書き込んだマジックが黒く残る)となるまでの前記操作の回数を調べ、以下の通り評価した。
◎:10回以上
○:2〜9回
△:1回
×:0回
<合成例1>
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、コロイダルシリカ(カタログ値:平均一次粒子径10〜20nm(カタログ値))のメチルエチルケトン(MEK)溶液(日産化学社製「MEK−ST」、不揮発分30重量%)293.3重量部、3−(アクロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM−5103」)12重量部、MEK16.5重量部を仕込み、撹拌開始後に系内に乾燥空気を通気し、70℃に昇温した。ここへ、p−メトキシフェノール(和光純薬工業社製)0.05重量部、水1重量部、アセチルアセトンアルミニウム(岸田化学社製)0.5重量部、MEK1重量部を加え、70℃で4時間攪拌し、アクリロイル基で表面が修飾されたコロイダルシリカ(Ac−Si)のMEK溶液を得た。反応液の組成はAc−Si/MEK=31/69(重量比)であった。また、シリカ粒子表面に修飾されたアクリロイル基の量は0.49mmol/gであった。
撹拌機、還流冷却管及び温度計を取り付けた反応器に、数平均分子量5,000の片末端メタクリロイル基置換ポリジメチルシロキサン(JNC社製「サイラプレーン(登録商標) FM0721」、前記式(1)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレートに該当する化合物)10重量部、グリシジルメタクリレート(三菱レイヨン社製「アクリエステルG」)60重量部、メチルメタクリレート(三菱レイヨン社製「アクリエステルM」)20重量部、ステアリルメタクリレート(三菱レイヨン社製「アクリエステルS」)10重量部、メチルイソブチルケトン(MIBK)150重量部を仕込み、撹拌開始後に系内を窒素置換し、55℃に昇温した。ここへ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)0.06重量部、1−ドデカンチオール(和光純薬社製)0.09重量部を添加した後、系内を65℃まで昇温し、3時間撹拌した後、さらに、V−65を0.06重量部添加して65℃で3時間撹拌した。系内を100℃まで昇温し、30分間撹拌した後、MIBK98.2重量部を加え、再度系内を100℃まで昇温した。ここへ、p−メトキシフェノール(和光純薬工業社製)0.05重量部とトリフェニルホスフィン(和光純薬工業社製)2.6重量部を添加した後、アクリル酸(三菱化学社製)31重量部を加え、110℃まで昇温し6時間撹拌し、MIBK64.1重量部を加え共重合体(PDMS−Ac)の溶液を得た。反応液の組成はPDMS−Ac/MIBK=30/70(重量比)であった。
[実施例1〜12、比較例1〜7]
<塗液の調製>
表−1に示す配合組成に従って、塗液(硬化性組成物)HC−1、HC−2、HC−3及びHC−4を調製した。
DPHA:ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬製「カヤラッド(登録商標) DPHA」)
M313:ビス/トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成製「アロニックス(登録商標) M−313」)
PF77:アクリル系レベリング剤(共栄社化学社製「ポリフローNo.77」)
PFPE−Ac:パーフロオロポリエーテル構造及びアクリロイル基を有する化合物(ダイキン社製「オプツール(登録商標) DAC−HP」の不揮発分)
HFCP:1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(「オプツール(登録商標) DAC−HP」製品中に50重量%含有されている。)
Irg184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「Irgacure(登録商標) 184」)
得られた塗液を用いて、表−2に記載の条件に従って、厚さ100μmのPETフィルム(三菱樹脂社製「O321E100(CE SE98−)」)上に塗工後、高圧水銀灯を使用して紫外線を照射し、硬化するという工程を繰り返して各層の硬化膜を得た。なお、表−2中の塗工条件A〜Cは次のとおりである。
塗工条件A:高圧水銀灯出力80W、UV照度100mW/cm2、
UV照射量50mJ/cm2
塗工条件B:高圧水銀灯出力120W、照度450mW/cm2、
UV照射量500mJ/cm2
塗工条件C:高圧水銀灯出力120W、UV照度450mW/cm2、
UV照射量700mJ/cm2
反応率[%]=[1−(Sa808/Sa1722)/(Sb808/Sb1722)]×100
Sa808 :硬化後の808cm−1のピーク強度
Sa1722 :硬化後の1722cm−1のピーク強度
Sb808 :硬化前の808cm−1のピーク強度
Sb1722 :硬化前の1722cm−1のピーク強度
装置名:Perkin Elmer社製 FT−IR Spectrometer
「Spectrum100」にオプション「Universal ATR
Sampling Accessory」を取り付け
光源:MIR[800−30]cm−1
ビームスプリッタ:OptKBr[7800−400]cm−1
検出器:MIR TGS[15000−370]cm−1
窓材:Opt KBr
最適スキャン範囲:[7800−650]cm−1
クリスタル:ダイヤモンド/ZnSe
反射回数:1
測定範囲:4000−600cm−1
分解能:4cm−1
積算回数:4スキャン
これに対して、層(B)のみで、層(A)を有しない比較例1〜4では、鉛筆硬度が低い。
層(A)と層(B)を有していても、層(A)又は層(B)の硬化性組成物中のアクリロイル基を有する化合物の反応率が本発明を満たさない比較例5では層間密着性が劣り、また鉛筆硬度の測定時に塗膜がはがれてしまったため評価できなかった。比較例6では耐擦傷性が劣る結果となる。
Claims (10)
- 基材層上の少なくとも一方の面に、基材層側から下記層(A)及び下記層(B)をこの順で有する積層体。
層(A):(メタ)アクリロイル基を有する化合物を少なくとも含む硬化性組成物(α)を、厚み2〜40μmで基材層上に塗布し、硬化性組成物(α)の(メタ)アクリロイル基の反応率が5%以上60%未満となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を少なくとも1回行って得られる層
層(B):下記式(2)で表される化合物と、イソシアヌレート環を有するトリエトキシ(メタ)アクリレート類、そのアルキレンオキサイド変性物、及びそのポリカプロラクトン変性物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを少なくとも含む硬化性組成物(β)を、厚み2〜40μmで上記層(A)上に塗布し、硬化性組成物(β)の(メタ)アクリロイル基の反応率が60%以上となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を経て得られる層
- 前記層(B)の硬化性組成物(β)が、少なくとも下記式(1)で表されるシリコーン含有(メタ)アクリレートとエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとを共重合して得られた共重合体にカルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させて得られる(メタ)アクリル系共重合体を、硬化性組成物(β)中の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の合計に対し、0.05〜10重量%含有する、請求項1に記載の積層体。
- 前記(メタ)アクリル系共重合体が、更に、炭素数4〜22のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを共重合したものである、請求項2に記載の積層体。
- 前記硬化性組成物(α)が、平均一次粒子径1〜100nmのシリカ粒子を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記層(A)が、前記硬化性組成物(α)を厚み2〜40μmで基材層上に塗布し、硬化性組成物(α)の(メタ)アクリロイル基の反応率が5%以上60%未満となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を少なくとも2回行って得られる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記層(A)の厚みが2〜100μmである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記層(B)の厚みが2〜100μmである、請求項1乃至6いずれか1項に記載の積層体。
- 前記基材層が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、水添ポリイミド樹脂、及びポリシクロオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる層である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の積層体からなる表示体カバー。
- 基材層上の少なくとも一方の面に、
(メタ)アクリロイル基を有する化合物を少なくとも含む硬化性組成物(α)を、厚み2〜40μmで基材層上に塗布し、硬化性組成物(α)の(メタ)アクリロイル基の反応率が5%以上60%未満となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を少なくとも1回行って層(A)を形成した後、
下記式(2)で表される化合物と、イソシアヌレート環を有するトリエトキシ(メタ)アクリレート類、そのアルキレンオキサイド変性物、及びそのポリカプロラクトン変性物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを少なくとも含む硬化性組成物(β)を、厚み2〜40μmで上記層(A)上に塗布し、硬化性組成物(β)の(メタ)アクリロイル基の反応率が60%以上となるように活性エネルギー線を照射して硬化させる工程を行って層(B)を形成することにより、基材層上の少なくとも一方の面に、基材層側から上記層(A)及び上記層(B)をこの順で有する積層体を製造する積層体の製造方法。
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