JP6677537B2 - 表面保護フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、一般に、ディスプレイやタッチパネル等の表面保護フィルムに関するものであり、より特定的には、皮脂等の汚染物質が付きにくくする表面保護フィルム及びその製造方法に関する。
図4に示すように、従来、例えばナビ、携帯電話などのタッチパネル1の最表面は、引っかき傷や擦り傷が付き易いので、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにハードコート層を積層した表面保護フィルム2を設けて保護している。表面保護フィルム2には透明性が要求されており、全光線透過率が高いものが好ましい。さらに、表面保護フィルム2の表面には皮脂等の汚染物質が付きにくくするというニーズもある。
特開2011−201087号公報(特許文献1)は、フッ素系材料をハードコート剤に添加することで表面保護フィルムの表面に防汚性を付与する技術を開示する。
特開2011−201087号公報
従来の表面保護フィルムは上述のようにして形成されている。しかしながら、特許文献1に開示された表面保護フィルムにおいては、フィルム表面の鉛筆硬度は3H程度で耐擦傷性も低く、擦る頻度が高いタッチパネル等に使用するには問題があった。
この発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、表面硬度が高く、皮脂等の汚染物質が付きにくく、耐擦傷性の高い表面保護フィルムを提供することにある。
本発明は、ディスプレイ等の最表面に設けられるフレキシブルな表面保護フィルムであって、多官能ウレタン(メタ)アクリレートを含んだ紫外線硬化型アクリル系樹脂で形成された透明フィルムと、前記透明フィルムの上に設けられ、シリコーン系およびフッ素系のうち、少なくともいずれかの成分を含有する紫外線硬化型樹脂で形成されたハードコート層と、からなる表面保護フィルムであって、前記透明フィルムの厚みは80〜300μmであり、前記表面保護フィルムのハードコート層の表面は、鉛筆硬度(JISK5400に基づく測定)が8H以上であり、スチールウール摺動試験(#0000スチールウール、1kgf/cm2、ストローク幅6cm、速度9.6cm/秒)において、傷確認回数が1500回以上であり、且つ初期純水接触角が100度以上であることを特徴とする。
本発明にかかる表面保護フィルムの好ましい実施態様によれば、前記紫外線硬化型アクリル系樹脂は、数平均分子量が200〜5000の多官能ウレタン(メタ)アクリレート、及び多官能(メタ)アクリレートを含有する重合性組成物である。本特徴により、可撓性があって割れにくい表面保護フィルムとすることができる。
本発明にかかる表面保護フィルムの好ましい製造方法によれば、多官能ウレタン(メタ)アクリレートを含んだ紫外線硬化型樹脂層に紫外線を照射して透明フィルムを作製する透明フィルム作製工程と、前記透明フィルム上に接して、シリコーン系およびフッ素系のうち、少なくともいずれかの成分を含有する紫外線硬化型樹脂層を設け、紫外線を照射してハードコート層を作製するハードコート層作製工程と、を備え、前記透明フィルム作製工程は、少なくとも前記ハードコート層との界面付近における、紫外線硬化型アクリル系樹脂の架橋率が40%以上65%以下となるように紫外線を照射する工程である。本特徴により、表面保護フィルムとハードコート層との密着性が高まり、表面硬度や耐擦傷性の高い表面保護フィルムとすることができる。
本発明にかかる表面保護フィルムの好ましい他の製造方法によれば、透明フィルムを作製する透明フィルム作製工程と、前記透明フィルム上に接して、シリコーン系およびフッ素系のうち、少なくともいずれかの成分を含有する紫外線硬化型樹脂層を設け、紫外線を照射してハードコート層を作製するハードコート層作製工程と、を備え、前記透明フィルム作製工程は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートを含んだ紫外線硬化型アクリル系樹脂層に、紫外線硬化型アクリル系樹脂が十分に硬化するように紫外線を照射して基材層を作製する基材層作製工程と、前記基材層上に接して、前記紫外線硬化型アクリル系樹脂層と同一の樹脂からなる紫外線硬化型アクリル系樹脂層をさらに設け、その後当該紫外線硬化型アクリル系樹脂の架橋率が40%以上65%以下となるように紫外線を照射して、前記ハードコート層と接する接着層を形成する接着層作製工程と、を有する
本発明に係る表面保護フィルムによれば、皮脂等の汚染物質が付きにくく、耐擦傷性の高い表面保護フィルムを提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る表面保護フィルムの製造方法を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る表面保護フィルムの製造方法を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る表面保護フィルムの製造方法を示す図である。 タッチパネル用の表面保護フィルムの使用形態を示す図である。
以下、この発明の実施例を、図を用いて説明する。なお、各図において、同一又は相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明を繰り返さない。
(実施形態1)
図1に、本発明の実施の形態1に係る、紫外線硬化型アクリル系樹脂を用いた表面保護フィルムの製造工程を示す。
図1(A)に示すように、第1のベースフィルム6(PETフィルム)上に予め準備した紫外線硬化型アクリル系樹脂3を塗布する。紫外線硬化型アクリル系樹脂3としては、表面硬度が高く且つ可撓性があって割れにくい表面保護フィルムを作製するため、多官能ウレタン(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートを含有する重合性組成物を用いることが好ましい。多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、多官能であるので硬化して架橋構造を形成し、硬度が高い樹脂成形体を得ることができる。また多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させてなることで、分子内のウレタン基の水素結合により適度な靭性を付与されて機械強度に優れるため、好ましい。多官能ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量は、200〜5000であることが好ましい。数平均分子量が200未満であると、硬化収縮が増大し、複屈折が発生しやすくなるおそれにある。数平均分子量が5000を超えると、架橋性が低下し、耐熱性が不十分となるおそれがある。
ポリイソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、及び芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられるが、黄変を抑制できる点で脂肪族ポリイソシアネートを用いることが好ましい。またポリイソシアネート化合物として、脂環構造を有しない化合物を用いると、特に表面硬度が優れた透明フィルム4を得ることができ、好ましい。脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(ジイソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、分子中に水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有していれば限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート等が挙げられる。特に分子中に脂環構造を有しないものを用いることが、樹脂成形体の表面硬度、及び色目変化の抑制の点で好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=アクリレートメタクリレート、2,2−ビス[4−(β−メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル]プロパン、1,3−ビス(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(メタクリロイルオキシエチルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシエチルオキシメチル)シクロヘキサンなどの2官能(メタ)アクリレート、1,3,5−トリス(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,3,5−トリス(メタクリロイルオキシエチルオキシメチル)シクロヘキサンなどの3官能(メタ)アクリレートがあげられる。フレキシブル性の点から、2官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。さらに耐熱性の点から、2官能メタクリレートを用いることが好ましい。
紫外線硬化型アクリル系樹脂3を第1のベースフィルム6(PETフィルム)上に塗布した後、別の第2のベースフィルム7(PETフィルム)で該塗布面を覆う。そして、架橋率が40%以上65%以下(より好ましくは45%以上60%以下)になるように光量を制御(250〜600mJ/cm2)して、紫外線を照射して硬化させる。すなわち未架橋部分を残すのが特徴である。得られる透明フィルム4の膜厚が80〜300μm、より好ましくは100〜250μmになるようにする。
架橋率はFT−IR(Perkin Elmer社製、型番:Spectrum100)にて(メタ)アクリロイル基に由来する810cm-1付近のピーク面積を求め、未反応原料と比較することにより算出した。所定の架橋率となる紫外線照射条件は、架橋率と紫外線照射量についての事前の試験データから設定した。
なお、2枚の第1及び第2のベースフィルム6、7で挟まれた状態で紫外線硬化するのは、所定の膜厚の透明フィルム4を平滑に形成し、また紫外線硬化型アクリル系樹脂3が紫外線硬化時に酸素阻害の影響を受けることを防ぐためである。
図1(B)に示すように、2枚の第1及び第2のベース6,7を剥離して、透明フィルム4が得られる。実施形態1では、得られた透明フィルム4の全体の架橋率(架橋密度に関連する)が40%以上65%以下に制御されている。すなわち、未架橋部分35%〜60%残っているのが特徴である。上記制御をして透明フィルム4を形成した後、透明フィルム4上に紫外線硬化型樹脂8を塗布し、紫外線を照射して硬化させると、透明フィルム4の表面に残存する未反応の(メタ)アクリレート成分と、紫外線硬化型樹脂8中のアクリレートなどの架橋成分が、光ラジカル重合することによって界面で結合形成が進むため、密着性が改善すると考えられる。未架橋部分が残っていても、架橋率が40%以上では、得られた透明フィルム4の表面のべたつきが見られないことを事前の試験で確認している。
次に、図1(C)に示すように、透明フィルム4の上に、フッ素系又はシリコーン系の防汚成分を含む、ハードコート層になる紫外線硬化型樹脂8を、硬化後の膜厚が数μmになるようにバーコーターで塗布し、乾燥させる(80℃、2分)。
紫外線硬化型樹脂8としては、防汚性(撥水性や撥油性)が付与され、且つ、紫外線架橋を形成する官能基を有していれば、特に限定されない。例えば、シリコーン含有(メタ)アクリレートなどのシリコーン系化合物、あるいはフッ素含有(メタ)アクリレート化合物やフッ素化エポキシアクリレートなどのフッ素系化合物を用いることができる。シリコーン系化合物及びフッ素系化合物は1種のみを用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
図1(C)(D)に示すように、紫外線硬化型樹脂8に紫外線を照射し、硬化させてハードコート層9を形成した。これにより、透明フィルム4とハードコート層9とからなる表面保護フィルム2が完成した。表面保護フィルム2は、それ自体で、ディスプレイやタッチパネル等のガラスカバーの代替としても用いることができるものである。
(実施例1)
実施例の紫外線硬化型アクリル系樹脂3を以下の通り調整した。ポリイソシアネート化合物として、1,6−ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(130g)を用意した。また、水酸基含有(メタ)アクリレートとして、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(870g)を用意した。これらと、重合禁止剤としてのハイドロキノンメチルエーテル0.8gと、溶媒としてのトルエンとを、撹拌機、冷却管、温度計を備えたガラス製の反応機内に投入した。1,6−ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体と、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの−OH基/−NCO基は1/1であった。更に、ウレタン化触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ0.3gを添加して、85度で6時間反応させた後、溶剤を留去して多官能ウレタン(メタ)アクリレートを調製した。
3官能以上の多官能ポリエステルアクリレートを677.6gガラス容器に投入した。当該ガラス容器に、更に、上述のようにして調製した多官能ウレタン(メタ)アクリレート193.6g;2官能(メタ)アクリレートのトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート96.8g;光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン9.7g;紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−(アクリロイルエトキシ)ベンゾフェノン0.97g;増感剤としてチオール化合物19.4gを添加した。
これらをガラス容器内で、40度2時間の条件下で混合撹拌して紫外線硬化型アクリル系樹脂3を調製した。
得られた紫外線硬化型アクリル系樹脂3を、乾燥膜厚が200μmとなるように、PETフィルム (東洋紡株式会社製A4100) の未処理面(易接着層が形成されていない面)上にバーコーター(#75)を用いて塗布した。別のPETフィルム(東洋紡株式会社製A4100)で塗布面を覆い、透明フィルム4の架橋率が60%となるように、上側からUVランプ(FUSION UV SYSTEM社製 型番CV−110Q−G)で450mJ/cm2の紫外線を照射し、その後両面のPETフィルムを剥離することで、透明フィルム4が得られた。
紫外線硬化型樹脂8として、HSコート001(DSP五協フード&ケミカル株式会社 )を用いて、前記透明フィルム4の一方面にバーコーターで塗工後、乾燥させた(80℃、2分)。その後、UVランプ(FUSION UV SYSTEM社製 型番CV−110Q−G)で1200mJ/cm2の紫外線を照射し、ハードコート層9(厚み4μm)を形成することで、実施例1の表面保護フィルム2を得た。
(実施例2)
紫外線硬化型樹脂8を塗布する透明フィルム4の表面に、事前にコロナ処理(enercon社製コロナ処理機、型番:LM3214−11、処理条件:1kw、100mm/secで1往復)を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の表面保護フィルム2を得た。
(実施例3)
紫外線硬化型樹脂8として、X−12−2464B(信越化学工業株式会社)を用い、1200mJ/cm2の照射条件で紫外線硬化させたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の表面保護フィルム2を得た。
(比較例1)
透明フィルム4の架橋率が75%がとなるように、紫外線硬化型アクリル系樹脂3を1500mJ/cm2の照射条件で紫外線硬化させたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の表面保護フィルム2を得た。
(比較例2)
透明フィルム4の架橋率が75%がとなるように、紫外線硬化型アクリル系樹脂3を1500mJ/cm2の照射条件で紫外線硬化させたこと以外は、実施例2と同様にして、比較例2の表面保護フィルム2を得た。
(比較例3)
透明フィルム4の架橋率が75%がとなるように、紫外線硬化型アクリル系樹脂3を1500mJ/cm2の照射条件で紫外線硬化させたこと以外は、実施例3と同様にして、比較例3の表面保護フィルム2を得た。
得られた各表面保護フィルム2の物性値を表1に示す。各測定値の測定方法は以下の通りである。
〔スチールウール(SW)摺動試験(耐擦傷性)〕
10cm×4cmの試料をガラス板上にテープで固定し、2cm×1cmの#0000スチールウールを用いて、1kg/cm2の荷重でストローク幅6cm、速度9.6cm/秒(毎分48回往復)の摺動試験を行った。摺動100往復毎に表面を確認し、蛍光灯下において目視で傷が確認された回数を傷確認回数とした。
〔鉛筆硬度試験〕
鉛筆硬度は、JIS-K5400に準拠した、鉛筆引っかき試験機(太佑機材社製)で測定した。鉛筆は硬度8H及び9H品を使用して判定を行った。
〔テープ剥離試験〕
表面保護フィルム2のハードコート層9の表面をカッターナイフで1本傷を付けた後、テープ(ニチバン社製、型番:CT−18)を貼り付け、垂直方向に引っ張り、表面膜の状態を確認した。膜剥離が認められない場合は○、認められた場合は×とする。
以上の結果から、架橋率を60%とすることで、架橋率75%の場合よりも顕著に耐擦傷性が改善しており、透明フィルム4の架橋率を低くすることで、透明フィルム4とハードコート層9との密着性が向上することを確認した。一方、コロナ処理について、架橋率が60%の場合(実施例1および2)では各性能において差異は見られなかった。また防汚特性の代替指標として、初期純水接触角が100°以上であることが好ましいが、実施例1および3の表面保護フィルム2の初期純水接触角を接触角計(KRUSS社製、型番:DSA20E)を用いて接線法測定したところ、いずれも109°を示し、十分な防汚性も有していることを確認できた。
(実施形態2)
図2に、本発明の実施の形態2に係る表面保護フィルムの製造工程を示す。
図2(A)に示すように、第1のベースフィルム6上に予め準備した紫外線硬化型アクリル系樹脂3を塗布した。その後、別の第2のベースフィルム7で該塗布面を覆い、紫外線を照射して硬化させる。この際、紫外線硬化型アクリル系樹脂3が十分に硬化する条件で紫外線照射を行う。硬化後、図2(B)に示すように、2枚の第1及び第2のベースフィルム6,7を剥離して、基材層11が得られる。基材層11は、後述するハードコート層9を設ける透明フィルム4の一部である。基材層11の膜厚は80〜300μm、より好ましくは100〜250μmになるようにする。
次に、図2(C)に示すように、紫外線硬化型アクリル系樹脂5を基材層11の上に塗布し、架橋率が40%以上65%以下(より好ましくは45%以上60%以下)になる光量に制御した紫外線照射を行い、図2(D)に示すように、接着層10を形成する。紫外線硬化型アクリル系樹脂5は、基材層11の紫外線硬化型アクリル系樹脂3と異なってもよいが、同じ材料が好ましい。また接着層の厚みは5μm以下になるように形成することが好ましい。接着層10と基材層11と合わせた構成が、実施形態1の透明フィルム4に相当する。接着層10の架橋率は、実施形態1と同様の範囲が好ましい。紫外線硬化型アクリル系樹脂3または5についても、実施形態1と同様の材料が使用できる。
次に、図2(E)に示すように、接着層10の上に、フッ素系又はシリコーン系の防汚成分を含む、ハードコート層になる紫外線硬化型樹脂を、硬化後の膜厚が数μmになるようにバーコータで塗布して、乾燥(80℃、2分)し、紫外線を照射して硬化することでハードコート層9を形成する。これにより、基材層11、接着層10(2つで実施例1の透明フィルム4に相当する)及びハードコート層9とを備えた表面保護フィルム2が得られる。紫外線硬化型樹脂についても、実施形態1と同様の材料が使用できる。
実施の形態1の透明フィルム4は、全体の架橋率を低くした構成であるのに対し、実施の形態2の透明フィルム4は、ハードコート層9との界面に、架橋率の低い接着層10を設けた構成と言える。本構成により、透明フィルム4の大部分は十分な硬化反応させて安定な材料状態としつつ、ハードコート層9との密着性を改善して耐擦傷性を改善することができる。
(実施形態3)
図3に、本発明の実施の形態3に係る、表面保護フィルムの製造工程を示す。図3(A)に示すように、紫外線硬化型アクリル系樹脂3を準備し、第1のベースフィルム6上に塗布した後、別の第2のベースフィルムで該塗布面を覆わずに、紫外線を照射して硬化させる。この際、別の第2のベースフィルムで塗布面を覆った場合において、紫外線硬化型アクリル系樹脂3が十分に硬化する条件で紫外線照射を行う。紫外線硬化型アクリル系樹脂3は、実施形態1と同様の材料が使用できる。硬化後、図3(B)に示すように、第1のベースフィルム6を剥離して透明フィルム4が得られる。透明フィルム4の膜厚は80〜300μm、より好ましくは100〜250μmになるようにする。この時、透明フィルム4のPETフィルムで覆われていない面には、紫外線硬化型アクリル系樹脂3の酸素阻害により紫外線硬化型アクリル系樹脂3の架橋が十分に進んでいない(架橋率が低い)表面4aが形成されている。この表面の架橋率が40%以上65%以下(より好ましくは45%以上60%以下)になる光量に制御した紫外線照射を行う。
次に、図3(C)に示すように、透明フィルム4の上記の架橋率が低い面4aに、フッ素系又はシリコーン系の防汚成分を含む、ハードコート層になる紫外線硬化型樹脂8を、硬化後の膜厚が数μmになるようにバーコータで塗布して、乾燥(80℃、2分)し、紫外線を照射して硬化することでハードコート層9を形成する。紫外線硬化型樹脂8についても、実施形態1と同様の材料が使用できる。これにより、透明フィルム4とハードコート層9とを備えた表面保護フィルム2が得られる。
実施の形態3は、実施の形態2と同様に、透明フィルム4のハードコート層9との界面に架橋率の低い層を設けた構成と言えるが、実施の形態2よりも製造工程が簡素である点が特徴である。
今回開示された実施例は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る表面保護フィルムによれば、高硬度なフィルムであり、皮脂等の汚染物質が付きにくくなり、かつ表面の剥がれも認められない。
1 ディスプレイ
2 表面保護フィルム
3 紫外線硬化型アクリル系樹脂
4 透明フィルム
4a 架橋率が低い面
5 紫外線硬化型アクリル系樹脂
6 第1のベースフィルム
7 第2のベースフィルム
8 紫外線硬化型樹脂
9 ハードコート層
10 接着層
11 基材層

Claims (4)

  1. 多官能ウレタン(メタ)アクリレートを含んだ紫外線硬化型アクリル系樹脂で形成された透明フィルムと、
    前記透明フィルムの上に設けられ、シリコーン系およびフッ素系のうち、少なくともいずれかの成分を含有する紫外線硬化型樹脂で形成されたハードコート層と、からなる表面保護フィルムであって、
    前記透明フィルムの厚みは80〜300μmであり、
    前記表面保護フィルムのハードコート層の表面は、
    鉛筆硬度(JISK5400に基づく測定)が8H以上であり、
    スチールウール摺動試験(#0000スチールウール、1kgf/cm2、ストローク幅6cm、速度9.6cm/秒)において、傷確認回数が1500回以上であり、且つ初期純水接触角が100度以上である表面保護フィルム。
  2. 前記紫外線硬化型アクリル系樹脂は、数平均分子量が200〜5000の前記多官能ウレタン(メタ)アクリレート、及び多官能(メタ)アクリレートを含有する重合性組成物であることを特徴とする請求項1に記載の表面保護フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の表面保護フィルムを製造する方法であって、
    多官能ウレタン(メタ)アクリレートを含んだ紫外線硬化型樹脂層に紫外線を照射して透明フィルムを作製する透明フィルム作製工程と、
    前記透明フィルム上に接して、シリコーン系およびフッ素系のうち、少なくともいずれかの成分を含有する紫外線硬化型樹脂層を設け、紫外線を照射してハードコート層を作製するハードコート層作製工程と、を備え、
    前記透明フィルム作製工程は、少なくとも前記ハードコート層との界面付近における、紫外線硬化型アクリル系樹脂の架橋率が40%以上65%以下となるように紫外線を照射する工程である、表面保護フィルムの製造方法
  4. 請求項1又は2に記載の表面保護フィルムを製造する方法であって、
    透明フィルムを作製する透明フィルム作製工程と、
    前記透明フィルム上に接して、シリコーン系およびフッ素系のうち、少なくともいずれかの成分を含有する紫外線硬化型樹脂層を設け、紫外線を照射してハードコート層を作製するハードコート層作製工程と、を備え、
    前記透明フィルム作製工程は、
    多官能ウレタン(メタ)アクリレートを含んだ紫外線硬化型アクリル系樹脂層に、紫外線硬化型アクリル系樹脂が十分に硬化するように紫外線を照射して基材層を作製する基材層作製工程と、
    前記基材層上に接して、前記紫外線硬化型アクリル系樹脂層と同一の樹脂からなる紫外線硬化型アクリル系樹脂層をさらに設け、その後当該紫外線硬化型アクリル系樹脂の架橋率が40%以上65%以下となるように紫外線を照射して、前記ハードコート層と接する接着層を形成する接着層作製工程と、を有する、表面保護フィルムの製造方法。
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