JP2016125049A - 光硬化性樹脂組成物、該組成物から形成される硬化被膜および被膜付き基材、並びに硬化被膜および被膜付き基材の製造方法 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物、該組成物から形成される硬化被膜および被膜付き基材、並びに硬化被膜および被膜付き基材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化収縮が少なく、ハードコート性、耐候性、防汚性および防汚持続性に優れる硬化被膜を形成できる光硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】脂環式骨格に、イソシアネート基を有する反応性基が少なくとも2つ結合され、反応性基が同一の化学構造である脂環式イソシアネート化合物(a1)と水酸基および光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)とを反応させて得られ、化学構造中に脂環式骨格および光重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(B)と、光重合性不飽和基を有する含フッ素化合物(C)と、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)と、光重合開始剤(E)と、を含有する光硬化性樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物、該組成物から形成される硬化被膜および被膜付き基材、並びに硬化被膜および被膜付き基材の製造方法に関する。
屋外で使用されるディスプレイやタッチパネル、建物や車両の窓ガラス用の保護フィルム、遮光フィルム等のプラスチックからなる基材は、軽量で透明性に優れている一方、傷が付き易い。そのため、これら基材の表面には保護膜としての硬化被膜が設けられる。硬化被膜は、例えば、光硬化性樹脂組成物(コーティング剤)を塗布、硬化させることで形成される。
この硬化被膜には、傷が付きにくいこと(ハードコート性)の他、光(紫外線)や水に長時間曝されても劣化が少なく変色しにくいこと(耐候性)や、汚れが付着し難く、容易に拭き取れること(防汚性)が求められている。
そこで、硬化被膜に耐候性を付与するため光硬化性樹脂組成物に紫外線吸収剤や光安定剤を配合することが知られている。また硬化被膜に防汚性を付与するため、防汚性(撥水性および撥油性)を有するシリコーンオリゴマー及び/又はフッ素含有オリゴマーを配合することが知られている。例えば、特許文献1では、光重合性の(メタ)アクリル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーに、トリアジン系の紫外線吸収剤や、防汚性を有し、かつモノマー及び/又はオリゴマーとの反応が可能である反応性のシリコーンオリゴマー及び/又はフッ素含有有機高分子オリゴマーを配合している。
特開2010−106061号公報
しかしながら、特許文献1の光硬化性樹脂組成物から形成される硬化被膜では、ハードコート性、耐候性および防汚性といった各種特性を高い水準で満たすことが困難であった。各種特性を向上させるために硬化被膜を厚くすることも考えられるが、硬化被膜を厚く形成すると、光硬化性樹脂組成物が硬化するときに収縮する硬化収縮量が大きくなるため、光硬化性樹脂組成物の硬化収縮に伴いフィルム等の薄い基材がカールしてしまうことがある。
また、特許文献1の硬化被膜は、紫外線に曝されることにより防汚性が低下しやすいため、初期状態では高い防汚性を示すものの、長期間、紫外線に曝された後の状態では十分な防汚性を示さないことが本発明者の検討により明らかとなった。つまり、高い防汚性を長期にわたって維持することが困難であり、防汚持続性が不十分となっている。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、硬化収縮が少なく、ハードコート性、耐候性、防汚性および防汚持続性に優れる硬化被膜を形成できる光硬化性樹脂組成物、硬化被膜および被膜付き基材、並びに硬化被膜および被膜付き基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、
脂環式骨格に、イソシアネート基を有する反応性基が少なくとも2つ結合され、前記反応性基が同一の化学構造である脂環式イソシアネート化合物(a1)と水酸基および光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)とを反応させて得られ、化学構造中に前記脂環式骨格および前記光重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、
光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(B)と、
光重合性不飽和基を有する含フッ素化合物(C)と、
トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)と、
光重合開始剤(E)と、を含有する光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第2の態様によれば、
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量が1,000以上10,000以下である第1の態様の光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
前記脂環式イソシアネート化合物(a1)が水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートである第1の態様又は第2の態様の光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第4の態様によれば、
前記光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)が光重合性不飽和基を3つ以上有する第1〜第3の態様のいずれかの光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第5の態様によれば、
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)と前記(メタ)アクリレートモノマー(B)とを比率20:80〜70:30の範囲内で含有する第1〜第4の態様のいずれかの光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第6の態様によれば、
前記含フッ素化合物(C)を、固形分100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下の範囲で含有する第1〜第5の態様のいずれかの光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第7の態様によれば、
前記トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)を、固形分100質量部に対して1質量部以上10質量部以下の範囲で含有する第1〜第6の態様のいずれかの光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第8の態様によれば、
光安定剤(F)をさらに含有する第1〜第7の態様のいずれかの光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第9の態様によれば、
コロイダルシリカ(G)をさらに含有する第1〜第8の態様のいずれかの光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第10の態様によれば、
前記コロイダルシリカ(G)が光重合性不飽和基を有する第9の態様の光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第11の態様によれば、
ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)をさらに含有する第1〜第10の態様のいずれかの光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第12の態様によれば、
前記ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)が光重合性不飽和基を有する第11の態様に記載の光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第13の態様によれば、
前記ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)が2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールである第12の態様に記載の光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第14の態様によれば、
前記トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)と前記ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)とを比率99:1〜1:99の範囲内で含有する第11〜第13の態様のいずれかの光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第15の態様によれば、
前記トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)と前記ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)とを比率90:10〜50:50の範囲内で含有する第14の態様の光硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の第16の態様によれば、
第1〜第15の態様のいずれかの光硬化性樹脂組成物から形成される硬化被膜が提供される。
本発明の第17の態様によれば、
基材と前記基材上に設けられる第16の態様の硬化被膜とを備える被膜付き基材が提供される。
本発明の第18の態様によれば、
第1〜第15の態様のいずれかの光硬化性樹脂組成物を光照射により硬化させる硬化工程を有する硬化被膜の製造方法が提供される。
本発明の第19の態様によれば、
第1〜第15の態様のいずれかの光硬化性樹脂組成物を基材の少なくとも一方の主面に塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後、光照射により前記光硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化被膜を形成する硬化工程と、
を有する被膜付き基材の製造方法が提供される。
本発明によれば、硬化収縮が少なく、ハードコート性、耐候性、防汚性および防汚持続性に優れる硬化被膜を形成できる光硬化性樹脂組成物、硬化被膜および被膜付き基材が得られる。
上述したように、従来の光硬化性樹脂組成物からなる硬化被膜は、ハードコート性、耐候性および防汚性といった各種特性を高い水準で満たすことが困難であるばかりか、紫外線や結露により防汚性が著しく低下してしまうため、長期にわたって防汚性を高く維持することが困難である。本発明者らの検討によると、防汚性が低下する原因としては、防汚性を有するシリコーンオリゴマーやフッ素オリゴマー(含フッ素化合物)が時間経過に伴って硬化被膜からブリードしてしまうことや、紫外線や結露により硬化被膜が劣化し、防汚性を有する成分が徐々に劣化してしまうことが挙げられる。そこで、本発明者らは、光硬化性樹脂組成物を構成するオリゴマー成分(樹脂成分)、モノマー成分および防汚性を有する成分について、各種特性を高い水準で満たすことができ、かつ防汚性を有する成分をブリードさせないように硬化被膜中に組み込めるような組み合わせを検討した。その結果、化学構造中に脂環式骨格および光重合性不飽和基を有する所定の脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー、光重合性不飽和基を有する含フッ素化合物、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤および光重合開始剤の組み合わせがよいことが見出された。本発明は上記知見に基づいてなされたものである。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよびメタアクリレートを表し、「(メタ)アクリル」はアクリルおよびメタアクリルを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルを表す。また、光重合性不飽和基とは、光により重合反応に関与する不飽和基を意味する。また、「光」は活性光線又は放射線を意味し、例えば可視光線や紫外線、遠紫外線、電子線、X線などを含むものを意味する。
<光硬化性樹脂組成物>
本実施形態に係る光硬化性樹脂組成物は、化学構造中に脂環式骨格および光重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(B)と、光重合性不飽和基を有する含フッ素化合物(C)と、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)と、光重合開始剤(E)と、を含有する。光硬化性樹脂組成物に紫外線を照射することにより、(A)成分、(B)成分および(C)成分が重合して硬化し、硬化被膜が形成される。以下、各成分について説明する。
〔脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)〕
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、少なくとも、脂環式イソシアネート化合物(a1)と(メタ)アクリレートモノマー(a2)とを反応させて得られるオリゴマー又は樹脂であり、(a1)成分に由来する脂環式骨格と(a2)成分に由来する光重合性不飽和基((メタ)アクリロイル基)とを有している。光重合性不飽和基を有する(A)成分は、光硬化性樹脂組成物に紫外線が照射されたときに(B)成分や(C)成分と重合する。(A)成分は、耐候性に優れる化学構造を有しており、(B)成分や(C)成分と重合することで、紫外線や結露による硬化被膜の劣化や変色を抑制することができる。また、高いハードコート性を維持しながら、硬化収縮を抑制することができる。さらに、硬化被膜の劣化による(C)成分の劣化を抑制できるので、硬化被膜の防汚性を長時間にわたって高く維持することができる。
脂環式イソシアネート化合物(a1)は、脂環式骨格に、イソシアネート基を有する反応性基が少なくとも2つ結合され、反応性基が同一の化学構造となる化合物である。脂環式骨格としては、例えば、シクロ環、ビシクロ環、デカリン環などが挙げられる。イソシアネート基を有する反応性基とは、イソシアネート基(−NCO)そのもの、もしくは、例えば−CH−NCOのようにイソシアネート基を含むイソシアネート含有基を示す。反応性基は、その化学構造の違いにより(a2)成分との反応性が相違する。つまり、本実施形態では、2つ以上の反応性基が同一の化学構造を有しており、各反応性基の反応性が同一の(a1)成分を用いている。このような(a1)成分を反応させて得られる(A)成分を用いることにより、硬化収縮が少なく、ハードコート性、耐候性、防汚性および防汚持続性を高い水準で満たす硬化被膜を形成することができる。
(a1)成分としては、例えば、下記一般式(1−1)に示す水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、下記一般式(1−2)〜(1−4)に示す水素添加キシレンジイソシアネート(水添XDI)、下記一般式(1−5)および(1−6)に示す水素添加トリレンジイソシアネート(水添TDI)、下記一般式(1−7)に示すノルボルナンジイソシアネート、下記一般式(1−8)〜(1〜10)に示すシクロへキシレンジイソシアネート、下記一般式(1−11)に示す1,1−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、下記一般式(1−12)に示す2−イソシアネート−4−[(4−イソシアネートシクロヘキシル)メチル]−1−シクロヘキサン、下記一般式(1−13)〜(1−16)に示すデカリンジイソシアネート等を用いることができる。
Figure 2016125049
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Figure 2016125049
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(a1)成分は、脂環式骨格としてシクロ環を有することが好ましく、2つ以上のシクロ環を有することがさらに好ましい。また、(a1)成分においては、複数の反応性基のそれぞれが脂環式骨格に対称となるように結合していることが好ましく、また反応性基としてのイソシアネート基が脂環式骨格に直接結合していることがより好ましく、また脂環式骨格には反応性基以外の置換基が結合していないことがさらに好ましい。すなわち、(a1)成分としては、一般式(1−1)に示す水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)が好ましい。水添MDIによれば、硬化収縮を抑制しつつ、硬化被膜の耐候性及びハードコート性をより向上させることができる。
なお、脂環式イソシアネート化合物として、脂環式骨格に結合する2つ以上の反応性基が同一とならない化合物は、例えば、下記一般式(2)に示すイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。イソホロンジイソシアネートにおいては、脂環式骨格に、イソシアネート基と、それとは化学構造の異なるイソシアネート含有基(−CH−NCO)が結合している。つまり、イソホロンジイソシアネートは、反応性の異なる反応性基を有している。このような化合物を反応させて得られる脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートでは、詳細を後述するように、硬化被膜のハードコート性が劣る。
Figure 2016125049
(メタ)アクリレートモノマー(a2)は、水酸基および光重合性不飽和基を有している。(a2)成分は、水酸基により(a1)成分と反応して脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)を形成し、その化学構造中に光重合性不飽和基を導入する。(a2)成分としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。硬化被膜を高硬度としてハードコート性を向上させる観点から、光重合性不飽和基が3つ以上であることが好ましく、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、(a1)成分および(a2)成分にポリオール(a3)をさらに反応させてもよい。(a3)成分としては、特に限定されないが、硬化被膜の耐候性の観点から、化学構造中に芳香環を含まない化合物であることが好ましく、例えば1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビスシクロヘキサノール等を用いることができる。
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、硬化被膜の硬度を向上させて高いハードコート性を得る観点からは、光重合性不飽和基の数が多いほど好ましく、3つ以上であることが好ましい。
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量で1,000以上10,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が1,000未満となると、光硬化性樹脂組成物が硬化するときに収縮する硬化収縮量が大きくなるおそれがある。その結果、例えば薄い基材上に硬化被膜を形成するときに基材がカールしてしまうおそれがある。一方、重量平均分子量が10,000を超えると、光硬化性樹脂組成物の粘度が上昇して塗工性が悪くなったり、架橋密度が低下するために硬化被膜の硬度が低下してハードコート性が低くなったりするおそれがある。
〔(メタ)アクリレートモノマー(B)〕
(メタ)アクリレートモノマー(B)は、光重合性不飽和基((メタ)アクリロイル基)を有しており、(A)成分や(C)成分と重合する。(B)成分は、(A)成分と比較して分子量が小さく、硬化被膜を高硬度としてハードコート性を向上させる。(B)成分としては、光重合性不飽和基を3つ以上有する3官能以上のモノマーであることが好ましい。3官能のモノマーとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。4官能のモノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。5官能のモノマーとしては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられ、6官能のモノマーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリレートモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硬化被膜をより高硬度としてハードコート性をより向上させる観点からは、4官能以上のモノマーが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。なお、(B)成分は上述した(a2)成分と同一の化合物であってもよい。
(B)成分の配合量は、特に限定されないが、硬化被膜においてハードコート性、耐候性、防汚性および防汚持続性を高い水準でバランスよく得る観点からは、(A)成分と(B)成分との比率が20:80〜70:30の範囲内となることが好ましく、25:75〜50:50の範囲内となることがより好ましい。なお、ここでの比率は、(A)成分および(B)成分のそれぞれを固形分換算したときの質量比を示す。
〔含フッ素化合物(C)〕
含フッ素化合物(C)は、化学構造中にフッ素原子を有し、撥水性および撥油性に優れているので、硬化被膜の防汚性を向上させる。(C)成分は、光重合性不飽和基を有するモノマー及び/又はオリゴマーであり、例えば、パーフルオロポリエーテル骨格を有し、その一端または両端に光重合性不飽和基として(メタ)アクリロイル基を有するパーフルオロポリエーテル化合物である。パーフルオロポリエーテル骨格は、例えば、−(O−CFCF)−、−(OCFCFCF)−、又は−(O−CFC(CF)F)−等の繰り返し構造を示す。この(C)成分は、光硬化性樹脂組成物が硬化する際に(A)成分や(B)成分と重合することで硬化被膜中に組み込まれる。そのため、紫外線や結露によって硬化被膜から(C)成分がブリードしにくく、また、耐候性に優れる(A)成分との併用によって(C)成分の劣化を抑制できるため、硬化被膜では防汚性の低下が抑制されることになる。つまり、(C)成分が組み込まれた硬化被膜は長期間にわたって高い防汚性を維持することができるので、防汚持続性に優れている。また、(C)成分は耐候性に優れ、硬化被膜に組み込まれるため、硬化被膜は紫外線等により劣化しにくく、基材との密着性に優れている。
(C)成分における光重合性不飽和基は、特に限定されず、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基などが挙げられ、(A)成分や(B)成分との反応性の観点からは(メタ)アクリロイル基が好ましい。
このような(C)成分としては、例えば、「メガファックRS−75」(DIC株式会社製)、「KY−1203」(信越化学工業株式会社製)、「FLUOROLINK AD1700」「FLUOROLINK MD700」(ソルベイ ソレクシス株式会社製)、「オプツールDAC−HP」(ダイキン化学工業株式会社製)、「CN4000」(サートマー社製)などが挙げられる。
(C)成分の配合量は、特に限定されないが、硬化被膜のハードコート性、防汚性および防汚持続性を高い水準でバランスよく得る観点からは、光硬化性樹脂組成物の固形分100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、1.0質量部以上14質量部以下がより好ましく、1.0質量部以上4.0質量部以下がさらに好ましい。(C)成分の配合量が上記範囲内よりも少ないと、硬化被膜の防汚性および防汚持続性が損なわれるおそれがあり、上記範囲よりも多いと、硬化被膜の硬度が低くなり、ハードコート性が損なわれるばかりか、硬化被膜の外観も損なわれるおそれがある。なお、本実施形態において、固形分とは、光硬化性樹脂組成物から有機溶剤などの揮発成分を除いたものであり、硬化させたときに硬化被膜として残存する成分を示す。
〔トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)〕
トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)は、紫外線吸収性であるトリアジン骨格を有しており、硬化被膜の耐候性を向上させる。前記紫外線吸収剤(D)としては、例えば、
下記一般式(3−1)に示す2−(2−ヒドロキシ−4−[イソオクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン(BASFジャパン株式会社製「チヌビン479」)、
下記一般式(3−2)に示す、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンとの混合物(BASFジャパン株式会社製「チヌビン400」)、
下記一般式(3−3)に示す2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(BASFジャパン株式会社製「チヌビン460」)、
下記一般式(3−4)に示す2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(BASFジャパン株式会社製「チヌビン405」)
等が挙げられる。
Figure 2016125049
トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)としては、これらの中でもトリアジン骨格にビフェニル基を有するものが好ましく、上記式(3−1)に示す化合物(BASFジャパン株式会社製 「チヌビン479」)がより好ましい。このような化合物は、他の化合物と比較して紫外線吸収能に優れているので、紫外線による硬化被膜の劣化・変色をさらに抑制するだけでなく、硬化被膜と基材との密着性の低下を抑制することができる。つまり、硬化被膜を長期間にわたって紫外線に曝露させても、硬化被膜の基材との密着性を大きく損なうことなく維持することができる。
トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)の配合量は、硬化被膜のハードコート性と耐候性とを両立させる観点から、光硬化性組成物の固形分100質量部に対して1質量部以上10質量部以下が好ましく、2質量部以上9質量部以下がより好ましい。
〔光重合開始剤(E)〕
光重合開始剤(E)は、光照射によりラジカル又はカチオンを発生し、上述の(A)成分、(B)成分および(C)成分を結合させることで光重合性組成物を硬化させるものである。光重合開始剤(E)としては、光照射によりラジカル等を発生できるものであれば特に限定されず、例えば、アルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、水素引抜型開始剤などが挙げられる。
アルキルフェノン系としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
水素引抜型開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノンなどが挙げられる。
これらの中でも、1‐ヒドロキシ‐シクロヘキシル‐フェニルケトン、2,4,6‐トリメチルベンゾイル‐ジフェニル‐フォスフィンオキサイドが好ましい。なお、これらの光重合開始剤(E)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤(E)の配合量は、光硬化性樹脂組成物の固形分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下、より好ましくは2質量部以上8質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上6質量部以下である。配合量が上記範囲よりも少ないと、光硬化性樹脂組成物を硬化させたときに塗膜の硬化性が不十分となり、硬化被膜のハードコート性が低くなるおそれがある。一方、上記範囲よりも多いと、過剰分が未反応のまま塗膜中に残存するため、硬化被膜のハードコート性が低くなるばかりか、硬化被膜が紫外線により黄変しやすくなり、また基材との密着性が低下するおそれがある。
〔その他の添加剤〕
本実施形態に係る光硬化性樹脂組成物には、紫外線による硬化被膜の黄変をさらに抑制するため、光安定剤(F)が配合されてもよい。光安定剤(F)としては、ヒンダードアミン系の光安定剤が好ましい。ヒンダードアミン系としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチロキシ)−4−ピペリジニル)エステル等が挙げられる。市販品では、「チヌビン292」、「チヌビン144」、「チヌビン123」(BASF株式会社製)が挙げられる。
光安定剤(F)の配合量は、硬化被膜のハードコート性と耐候性とを両立させる観点から、固形分100質量部に対して0.1質量部以上5質量部以下が好ましく、0.5質量部以上2質量部以下がより好ましい。
また、本実施形態に係る光硬化性樹脂組成物には、硬化被膜のハードコート性および耐候性の向上のため、コロイダルシリカ(G)を含有させても良い。硬化被膜の硬度を高くしてハードコート性を向上させる観点からは、コロイダルシリカ(G)が光重合性不飽和基を有することが好ましい。光重合性不飽和基を有するコロダイルシリカ(G)は、光硬化性樹脂組成物の硬化時に(A)成分などと重合して硬化被膜に組み込まれるため、硬化被膜の硬度を高く維持できる。光重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基などが挙げられる。市販品としては、「MEK−AC−2140Z」、「MEK−AC−5140Z」(日産化学工業株式会社製)などが挙げられる。
コロイダルシリカ(G)の配合量は、耐候性と塗膜硬度、塗膜濁度のバランスの観点から、固形分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下、より好ましくは2質量部以上6質量部以下である。
また、本実施形態に係る光硬化性樹脂組成物には、硬化被膜の耐候性を向上させるため、ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)を含有させても良い。つまり、上述したトリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)とともに、ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)を併用するとよい。(H)成分を用いることで、紫外線による硬化被膜の劣化・変色をさらに抑制するだけでなく、硬化被膜と基材との密着性の低下をさらに抑制することができる。これにより、硬化被膜を長時間にわたって紫外線に暴露させても、硬化被膜の基材との密着性を損なうことなく維持することがより可能になる。
ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)としては、特に限定されないが、硬化被膜の耐候性をより向上させる観点からは、光重合性不飽和基を有することが好ましい。光重合性不飽和基を有する(H)成分によれば、光硬化性樹脂組成物を硬化させる際に(A)成分や(B)成分と重合させて硬化被膜に組み込むことが可能となり、(H)成分が紫外線や結露によって硬化被膜からブリードすることを抑制できる。すなわち、硬化被膜の諸特性をより長時間にわたって維持することができる。
具体的には、(H)成分としては、2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学株式会社製「RUVA−93」、大和化成株式会社製「DAINSORB T−31」)、2−(4−アリルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(大和化成株式会社製「DAINSORB T−84」)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)フェノール(BASFジャパン株式会社製「チヌビン928」)等が挙げられる。これらの中でも、硬化被膜の耐候性をより向上させる観点からは、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールが好ましい。
(H)成分の配合量は、特に限定されないが、硬化被膜の耐候性とハードコート性を両立させる観点から、固形分100質量部に対して、0.1質量部以上4質量部以下が好ましく、1質量部以上3質量部以下がより好ましい。また、(D)成分と(H)成分との比率が99:1〜1:99の範囲内となることが好ましく、90:10〜50:50の範囲内となることがより好ましい。なお、ここでの比率は、(D)成分および(H)成分のそれぞれを固形分換算したときの質量比を示す。
本実施形態に係る光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、上述した成分以外の成分を含有させてもよい。その他成分としては、有機溶剤、重合禁止剤、粘度調整剤、非反応性希釈剤、艶消し剤、消泡剤、沈降防止剤、分散剤、熱安定剤などが挙げられる。これらの配合量は、本実施形態の効果を損なわない範囲で適宜変更することができる。
有機溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素類(例:キシレン、トルエンなど)、ケトン類(例:メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エステル類(例:酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなど)、アルコール類(例:イソプロピルアルコール、ブタノールなど)、グリコールエーテル類(例:プロピレングリコールモノメチルエーテルなど)などの各種有機溶剤を用いることができる。これらの有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘度調整剤としては、2官能(メタ)アクリレートモノマーを用いることができる。例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
消泡剤としては、例えばアクリル系、シリコーン系の各種消泡剤を用いることができる。消泡剤によれば、光硬化性樹脂組成物での気泡の発生を抑制し、硬化被膜の外観を良好にすることができる。
なお、本実施形態の光硬化性樹脂組成物は、有機溶剤に脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、含フッ素化合物(C)、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)、光重合開始剤(E)、および必要に応じてその他の添加剤を添加して混合することにより製造できる。
<被膜付き基材>
被膜付き基材は、上述した光硬化性樹脂組成物を基材上に塗布し、硬化させて硬化被膜を形成したものである。
基材としては、プラスチック基材などの透明基材を用いることができる。透明基材としては、例えば、各種透明プラスチックフィルム、例えばトリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルムなどが挙げられる。その中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムが強度や光学特性等のバランスなどの点で好ましい。
硬化被膜は、基材上に光硬化性樹脂組成物を塗布し、紫外線を照射して硬化させることにより形成される。硬化被膜の厚さは、基材を保護できる程度の厚みであれば特に限定されないが、ハードコート性、耐候性、防汚性および防汚持続性を高い水準でバランスよく得る観点から、2μm以上10μm以下であることが好ましく、3μm以上5μm以下であることがより好ましい。なお、本実施形態の光硬化性樹脂組成物は硬化収縮量が少ないので、薄い基材上に硬化被膜を形成するような場合であっても基材のカールを抑制することができる。
光硬化性樹脂組成物の塗布(コーティング)方法としては、光硬化性樹脂組成物の種類や組成および基材の種類等に対応したコーティング工程の状況に応じて適時選択することができ、例えばスプレーコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法などが挙げられる。
光硬化性樹脂組成物を硬化させるときの活性エネルギー線としては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線などの光線に加えて、X線、γ線などの電磁波、電子線、プロトン線、中性子線などが挙げられ、中でも、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格などの面から、紫外線が好ましい。
紫外線で硬化させる方法としては、200〜500nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極ランプ等を用いて、100〜3000mJ/cmほど照射する方法などが挙げられる。
また、乾燥、硬化時間を短縮させるため、5〜120℃程度の加熱により、前記被膜を乾燥、硬化させてもよい。
<本発明の実施形態に係る効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
本実施形態の光硬化性樹脂組成物によれば、光を照射したときに、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)と含フッ素化合物(C)が重合して硬化することにより硬化被膜が形成される。(C)成分がフッ素原子を含有し、撥油性および撥水性に優れているので、硬化被膜は防汚性に優れている。また、硬化被膜においては、(C)成分が(A)成分および(B)成分と結合しているので、硬化被膜が紫外線や結露に長時間曝された場合であっても(C)成分がブリードしにくい。しかも、硬化被膜には、耐候性に優れる(A)成分に加え、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)が配合されているので、紫外線による硬化被膜の劣化が抑制されている。そのため、硬化被膜は、防汚性の低下が抑制され、長期間にわたって高い防汚性を持続できる。したがって、本実施形態の光硬化性樹脂組成物によれば、初期状態で高い防汚性を有し、かつ高い防汚性を長期間維持することができる硬化被膜を形成することができる。
また、本実施形態の光硬化性樹脂組成物によれば、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)を含有しているので、紫外線により劣化しにくく、紫外線に長時間曝されても変色しにくい硬化被膜を形成できる。つまり、耐候性に優れる硬化被膜を形成できる。
また、本実施形態の光硬化性樹脂組成物によれば、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)とを含有しているので、硬度が高く、ハードコート性に優れる硬化被膜を形成できる。
また、本実施形態の光硬化性樹脂組成物によれば、(メタ)アクリレートモノマー(B)だけでなく、比較的分子量が高く、脂環式骨格を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)を含有しているので、光を照射して硬化させるときの硬化収縮量が少ない。そのため、薄い基材上に硬化被膜を形成する場合であっても、光硬化性樹脂組成物の硬化収縮による基材のカールを抑制することができる。
本実施形態において、脂環式イソシアネート化合物(a1)が水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートであるとよい。これにより、硬化収縮を抑制しつつ、硬化被膜の耐候性およびハードコート性をより向上させることができる。
本実施形態において、光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)が光重合性不飽和基を3つ以上有するとよい。これにより、硬化被膜のハードコート性をより向上させることができる。
本実施形態において、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量を1,000以上10,000以下とするとよい。重量平均分子量を1,000以上とすることにより、硬化被膜の硬度をより高くでき、ハードコート性を向上できる。重量平均分子量を10,000以下とすることにより、光硬化性樹脂組成物の粘度の過度な増加を抑制し、適度な塗布性を得られる。
本実施形態において、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)との比率を20:80〜70:30とするとよい。これにより、硬化被膜の耐候性とハードコート性とを高い水準でバランスよく得ることができる。
本実施形態において、含フッ素化合物(C)を固形分100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下の範囲で配合するとよい。これにより、防汚性がより高く、かつ防汚持続性に優れる硬化被膜を形成できる。
本実施形態において、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)を固形分100質量部に対して1質量部以上10質量部以下の範囲で配合するとよい。これにより、硬化被膜のハードコート性を損なうことなく、紫外線による劣化および変色を抑制できる。例えば、劣化による硬化被膜の割れや基材との密着性の低下、硬化被膜の黄変などを抑制できる。
本実施形態において、光硬化性樹脂組成物に光安定剤(F)をさらに配合するとよい。これにより硬化被膜の紫外線による劣化および変色をさらに抑制できる。
本実施形態において、光硬化性樹脂組成物にコロイダルシリカ(G)を配合するとよく、コロイダルシリカ(G)が光重合性不飽和基を有するとさらによい。これにより、硬化被膜のハードコート性をさらに向上させることができる。
本実施形態において、ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)を配合するとよく、ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)が光重合性不飽和基を有するとさらによく、2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールであると特によい。これにより、紫外線による硬化被膜の劣化をさらに抑制でき、耐候性を向上させるだけでなく、硬化被膜の基材との密着性の低下をさらに抑制できる。
本実施形態において、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)とベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)とを比率99:1〜1:99の範囲内で含有するとよく、比率90:10〜50:50の範囲内で含有するとさらによい。これにより、硬化被膜の耐候性とハードコート性とを高い水準でバランスよく得ることができる。
本実施形態において、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)が上記式(3−1)に示す化合物であるとよい。このような化合物によれば、紫外線による硬化被膜の劣化をさらに抑制でき、耐候性を向上させるだけでなく、硬化被膜の基材との密着性の低下を抑制できる。
次に、本発明について実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
まず、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)の合成例について説明する。
(合成例1)
脂環式骨格に、イソシアネート基を有する反応性基が少なくとも2つ結合され、反応性基が同一の化学構造である脂環式イソシアネート化合物(a1)として、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI、イソシアネート基含有量31.8%)を準備した。また、水酸基および光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(水酸基価110mg/KOH)を準備した。そして、攪拌装置、温度計、空気導入管を備えた200mL反応容器に、(a1)である水添MDIを32.8g、(a2)であるペンタエリスリトールトリアクリレートを102g、ジエチレングリコールを3.3g、p−メトキシフェノールを0.05g、ジブチルヒドロキシトルエンを0.17g、ジブチルスズジラウレートを0.17g、酢酸ブチルを15.4gを添加し、80℃で5時間反応させることにより、ウレタンアクリレートオリゴマー(A1)を得た。この(A1)成分は、官能基数が5、重量平均分子量(MW)が2000、固形分が90%であった。
(合成例2)
合成例2では、合成例1と同様の化合物を用いて、重量平均分子量が2800であるウレタンアクリレートオリゴマー(A2)を得た。
(合成例3)
合成例3では、合成例1と同様の化合物を用いて、重量平均分子量が5500であるウレタンアクリレートオリゴマー(A3)を得た。
(比較合成例1)
比較合成例1では、比較用の脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A´)を合成した。具体的には、(a1)成分である水添MDIを、上記式(2)に示すイソホロンジイソシアネート(IPDI)に変更した以外は、合成例1と同様に反応させ、重量平均分子量が2800であるウレタンアクリレートオリゴマー(A1´)を得た。
<原料>
実施例および比較例で用いた原料は次のとおりである。
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)として、以下の(A1)〜(A3)を用いた。
(A1):合成例1で得られたウレタンアクリレートオリゴマー(官能基数5、重量平均分子量2000)
(A2):合成例2で得られたウレタンアクリレートオリゴマー(官能基数5、重量平均分子量2800)
(A3):合成例3で得られたウレタンアクリレートオリゴマー(官能基数5、重量平均分子量5500)
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)の比較用オリゴマー(A´)として、以下の(A1´)〜(A3´)を用いた。
(A1´):比較合成例1で得られたウレタンアクリレートオリゴマー(官能基数5、重量平均分子量2800、固形分90%)
(A2´):ダイセル・オルネクス株式会社製「KRM8200AE」(脂環式骨格を持たない脂肪族ウレタンアクリレート、官能基数6、重量平均分子量1000、固形分85%)
(A3´):ダイセル・オルネクス株式会社製「EBECRYL1830」(ポリエステルアクリレート、官能基数6、重量平均分子量1000、固形分100%)
(メタ)アクリレートモノマー(B)として、以下の(B1)〜(B3)を用いた。
(B1):BASFジャパン株式会社製「Laromer DPHA」(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物、官能基数5および6、固形分100%)
(B2):ダイセル・オルネクス株式会社製「PETIA」(ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物、官能基数3および4、固形分100%)
(B3):ダイセル・オルネクス株式会社製「EBECRYL 180」(ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物、官能基数3および4、固形分100%)
含フッ素化合物(C)として、以下の(C1)〜(C3)を用いた。
(C1):DIC株式会社製「メガファックRS-75」((メタ)アクリル基を有するパーフルオロポリエーテルオリゴマー、固形分40%)
(C2):信越化学工業株式会社製「KY-1203」(末端に(メタ)アクリル基を有するパーフルオロポリエーテルオリゴマー、固形分20%)
(C3):ソルベイ ソレクシス株式会社製「FLUOROLINK AD1700」(パーフルオロポリエーテル-4官能ウレタンアクリレートオリゴマー、固形分70%)
含フッ素化合物(C)の比較用化合物(C´)として、以下の(C1´)および(C2´)を用いた。
(C1´):DIC株式会社製「メガファックF-568」(光重合性不飽和基を持たないフッ素オリゴマー、固形分5%)
(C2´):エボニック・デグサ・ジャパン株式会社製「TEGO 2100」(光重合性不飽和基を有するシリコーン系オリゴマー、固形分100%)
トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)として、以下の(D1)〜(D4)を用いた。
(D1):BASFジャパン株式会社製「チヌビン479」(2−(2−ヒドロキシ−4−[イソオクチロキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、固形分100%)
(D2):BASFジャパン株式会社製「チヌビン405」(2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、固形分100%)
(D3):BASFジャパン株式会社製「チヌビン400」(2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの混合物、固形分85%)
(D4):BASFジャパン株式会社製「チヌビン460」(2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチロキシフェニル)−6−(2,4−ビス−ブチロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、固形分100%)
比較用の紫外線吸収剤(D´)として、以下の(D1´)を用いた。
(D1´):クラリアントジャパン株式会社製「HOSTAVIN 3026」(N−(4−ドデシルフェニル)−N’−(2−エトキシフェニル)−エタンジアミド、固形分100%)
光重合開始剤(E)として、以下の(E1)および(E2)を用いた。
(E1):BASFジャパン株式会社製「Irgacure 184D」(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、固形分100%)
(E2):BASFジャパン株式会社製「Lucirin TPO」(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、固形分100%)
その他の添加剤として、以下を用いた。
(F)光安定剤:BASFジャパン株式会社製「チヌビン123」(デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチロキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、固形分100%)
(G)コロイダルシリカ:日産化学工業株式会社製「MEK-AC-2140Z」(アクリロイル基で表面修飾された、有機溶媒分散コロイダルシリカ、固形分46%)
(H)ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤
(H1):大塚化学株式会社製「RUVA-93」(2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、固形分100%)(H2):BASFジャパン株式会社製「チヌビン928」(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)フェノール、固形分100%)
有機溶剤:酢酸ブチル
<光硬化性樹脂組成物の調製>
実施例では、上記原料を下記表1〜表3に示す配合で混合することにより光硬化性樹脂組成物を調製した。
Figure 2016125049
Figure 2016125049
Figure 2016125049
(実施例1)
実施例1では、酢酸ブチル44.89質量部に、(A1)成分を15.6質量部、(B1)成分を27.5質量部、(C1)成分を1.3質量部、(D1)成分を2.8質量部、(E1)成分を0.6質量部、(E2)成分を1.7質量部、(F)成分を0.5質量部、(G)成分を5.5質量部、添加して撹拌することにより、固形分濃度が50%である実施例1の光硬化性樹脂組成物を調製した。
なお、実施例1では、(A)成分と(B)成分との比率を34:66とした。また、光硬化性樹脂組成物の固形分に占める各成分の割合として、(A)成分を27.9%、(B)成分を54.9%、(C)成分を1.0%、(D)成分を5.6%、(E)成分を4.6%、(F)成分を1.0%、(G)成分を5.0%とした。
(実施例2〜5)
実施例2〜5では、含フッ素化合物(C)としての(C1)成分の配合量をそれぞれ、2.2質量部、5.0質量部、10.0質量部、20.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例6,7)
実施例6では、含フッ素化合物(C)の種類を(C1)成分から(C2)成分に変更し、その配合量を4.4質量部とした以外は、実施例1と同様に調製した。実施例7では、含フッ素化合物(C)の種類を(C1)成分から(C3)成分に変更した以外は、実施例1と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例8)
実施例8では、(A)成分と(B)成分との比率を34:66から50:50に変更した以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例9,10)
実施例9,10では、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)の種類を(A1)成分から(A2)成分もしくは(A3)成分に変更し、それらの配合量を適宜変更した以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例11,12)
実施例11,12では、(メタ)アクリレートモノマー(B)の種類を(B1)成分から(B2)成分もしくは(B3)成分に変更した以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例13,14)
実施例13,14では、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)としての(D1)成分の配合量をそれぞれ、1.5質量部、4.0質量部に変更した以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例15〜17)
実施例15〜17では、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)の種類を、(D1)成分から(D2)〜(D4)成分にそれぞれ変更した以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例18)
実施例18では、コロイダルシリカ(G)を配合しない以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例19)
実施例19では、さらに、ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)として(H1)成分を1.5質量部、配合した以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調整した。
(比較例1)
比較例1では、含フッ素化合物(C)を配合しない以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(比較例2,3)
比較例2,3では、含フッ素化合物(C)を配合せず、その代わりに、光重合性不飽和基を持たないフッ素系オリゴマー(C1´)もしくは光重合性不飽和基を有するシリコーン系化合物(C2´)を用いた以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(比較例4)
比較例4では、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)を配合せず、その代わりに(メタ)アクリレートモノマー(B)の配合量を42.0質量部に増量した以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(比較例5〜7)
比較例5〜7では、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)の種類を(A1)成分から、IPDI由来の脂環式骨格を有する(A1´)成分、脂環式骨格を有さないウレタンアクリレート(A2´)、もしくはポリエステルアクリレート(A3´)に変更した以外は実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(比較例8)
比較例8では、(B)成分を配合せず、(A1)成分の配合量を46.1質量部とした以外は実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
(比較例9〜11)
比較例9では、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)を配合しない以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。比較例10では、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)を配合せずに、ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)として(H2)成分を用いた以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調整した。比較例11では、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)の種類を(D1)成分から、トリアジン骨格を持たないシュウ酸アニリド系の(D1´)成分に変更した以外は、実施例2と同様に光硬化性樹脂組成物を調製した。
<被膜付き基材の作製>
東洋紡株式会社製のPETフィルム「コスモシャインA4300」(縦200mm×横150mm×厚み100μm)に、上記で調製した光硬化性組成物を乾燥膜厚が約3μmとなるように1回塗布し、無電極ランプにて紫外線を照射することで(照射量:400mJ/cm)、塗膜を硬化させ、硬化被膜を形成し、被膜付き基材を得た。
<評価方法>
次に、得られた被膜付き基材に対し、以下に示す評価を行った。
(密着性)
硬化被膜の基材への密着性を評価するため、JIS K−5400に記載されている碁盤目剥離試験の方法に準じて剥離試験を行った。具体的には、硬化被膜上にカッターで1mm幅、100マスの傷を入れ、碁盤目を付けた試験片を作成し、「セロテープ(登録商標)、ニチバン株式会社製」を試験片に貼りつけた後、このテープを速やかに、碁盤目に対して45度斜め上方向に引っ張って剥離させ、残った碁盤目の硬化被膜の数を数え、この数を付着性の指標とした。本実施例では、残存率90/100以上を良好とした。
(耐候性)
硬化被膜の耐候性を評価するため、硬化被膜を紫外線や結露に曝露させたときの変色(黄変)の度合いを測定した。具体的には、まず、促進耐候性試験機(アイスーパーUVテスター SUV−W23、岩崎電気株式会社製)を用いて、63℃50%RHの環境下で硬化被膜に対して照度75W/cmで紫外線を4時間、照射した後、30℃98%RHの環境下で4時間結露させることを1サイクルとし、これを9サイクル行った。そして、紫外線および結露に曝露させた曝露後の硬化被膜に対して、JIS Z8722:2000に準拠して、黄変度(Δb)を測定した。黄変度は、色差計(JP7100F、株式会社カラーテクノシステム製)を用いて測定した。本実施例では、Δbが3.00以下であれば良、Δbが1.00以下であれば優と判断した。
(防汚性)
作製した直後の硬化被膜について、初期状態での防汚性を評価した。なお、本実施例では、防汚性として、撥油性および撥水性を評価した。
初期の撥油性は、硬化被膜のマジック拭き取り性により評価した。具体的には、硬化被膜上に「マジックインキNo.500 黒」(寺西化学工業株式会社製)で3cm程度の縦線を1本引き、5秒後に、学振型摩擦試験機(RT−200、株式会社大栄科学精器製作所製)の冶具に「キムタオル」(日本製紙クレシア株式会社製)を被せて巻いたものを載せ、加重800gを掛けた状態で線を引いた部分を往復させ、マジックが拭き取られるまでの往復回数を測定した。本実施例では、以下の評価点数で2以上であれば、初期の撥油性が高いものと判断した。
3:10回往復以内でふきとれる
2:11回往復以上20回往復以内でふきとれる
1:20回往復後、マジックが残る
初期の撥水性は、硬化被膜の水接触角により評価した。具体的には、作製直後の硬化被膜の表面に純水1.0μLを1滴滴下し、接触角計(DM500、協和界面科学株式会社製)を使用し、滴下より10秒後の接触角をθ/2法により算出した。本実施例では、接触角が100°以上であれば、初期の撥水性が高いものと判断した。
(曝露後の防汚性)
上述した耐候性試験で紫外線等に曝露された硬化被膜について、曝露後の防汚性(撥油性および撥水性)を測定した。
曝露後の撥油性は、曝露後の硬化被膜を上記と同様にマジック拭き取り性により評価し、上記評価点数で2以上であれば、曝露後の撥油性が高いものと判断した。
曝露後の撥水性は、曝露後の硬化被膜を上記と同様に接触角により評価し、接触角が85°以上であれば、曝露後の撥油性が高いものと判断した。
(ハードコート性)
硬化被膜のハードコート性を評価するため、その耐擦傷性と硬度とを評価した。
耐擦傷性は、学振型摩擦試験機(RT−200、株式会社大栄科学精器製作所製)を用いて評価した。具体的には、学振型摩擦試験機の冶具にスチールウール(#0000)を被せて巻き、その治具を硬化被膜上に載置し、加重500gを掛けた状態で50往復させた。そして、以下に示すように、硬化被膜上に生じた傷の本数により耐擦傷性を評価した。本実施例では、評価が3以上であれば、耐擦傷性に優れるものと判断した。
5:傷が5本以内
4:傷が6本以上10本以内
3:傷が11本以上20本以内
2:傷が21本以上30本以内
1:傷が31本以上
硬化被膜の硬度は、JIS K5600に準拠し、鉛筆引っかき試験機を用いて硬化被膜の鉛筆硬度を測定した。測定するフィルム上に、鉛筆を45度の角度でセットし、750gの加重をかけて5cm程度引っかき、5回中3回以上傷のなかった鉛筆の硬さで評価した。本実施例では、2H以上を高硬度と判断した。
(硬化収縮)
測定するフィルムから10cm×10cmの試験片を作成し、常温常湿の環境(23℃、50%RH)に一日静置した後、4隅の浮き上がりの平均値を測定した。その平均値が10mm以下であれば、硬化収縮量が少ないと判断した。
(透明性)
透明性は、硬化被膜の濁度および全光線透過率により評価した。
濁度(HZ)は、JIS K7136に準拠して測定し、評価した。本実施例では、濁度が1%以下であれば、フィルムの透明性に優れているものと評価した。濁度は、ヘイズメーター(ヘイズメーターNDH4000、日本電色工業株式会社製)を使用した。
全光線透過率(TT)は、JIS K7361に準拠して測定し、評価した。本実施例では、全光線透過率が90%以上であれば、フィルムの透明性に優れているものと評価した。全光線透過率は、ヘイズメーター(ヘイズメーターNDH4000、日本電色工業株式会社製)を使用した。
<評価結果>
実施例1〜19および比較例1〜11について、それぞれの評価結果を下記表4〜6に示す。
Figure 2016125049
Figure 2016125049
Figure 2016125049
表4,5に示すように、実施例1〜19では、いずれも光硬化性樹脂組成物の硬化収縮量が少ないことが確認された。また、形成される硬化被膜は、いずれも、透明性が高く、ハードコート性、耐候性および初期の防汚性に優れていることが確認された。また、曝露後であっても高い防汚性を維持しており、防汚持続性に優れていることが確認された。また、いずれも硬化被膜と基材との密着性が高いことが確認された。特に、実施例19に示すように、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)とベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)を併用した場合、曝露後であっても優れた密着性を示すことが確認された。
一方、表6に示すように、比較例1では、含フッ素化合物(C)を配合しなかったため、硬化被膜の初期の防汚性が低いことが確認された。また当然ながら、曝露後の防汚性も低いことが確認された。
比較例2では、含フッ素化合物(C)の代わりに、光重合性不飽和基を有するシリコーン系化合物を用いたため、初期の撥水性が低いばかりか、劣化により撥油性を高く維持できないことが確認された。
比較例3では、含フッ素化合物(C)の代わりに、光重合性不飽和基を有さない含フッ素化合物を用いたため、初期の防汚性は高いものの、劣化させた後の防汚性を高く維持できないことが確認された。
比較例4では、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)を配合せず、(メタ)アクリレートモノマー(B)のみを配合したため、光硬化性樹脂組成物の硬化収縮量が大きく、フィルムがカールする傾向にあることが確認された。
比較例5では、脂環式骨格を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)の代わりに、脂環式骨格を持たない脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A2´)を用いたため、硬化収縮量が大きく、また防汚性を高く維持できないことが確認された。また、Δb*が3以下であるものの、1よりも大きくなったため、変色度が比較的大きく、耐候性がわずかに劣ることが確認された。
比較例6では、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)の代わりに、ポリエステルアクリレート(A3´)を用いたため、防汚性を高く維持できないばかりか、ハードコート性が低いことが確認された。
比較例7では、IPDI由来の脂環式骨格を有するウレタンアクリレート(A1´)を用いたため、ハードコート性が低いことが確認された。
比較例8では、(メタ)アクリレートモノマー(B)を配合しなかったため、硬化被膜のハードコート性が低くなることが確認された。
比較例9では、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)を配合しなかったため、Δb*が3よりも大きくなり、劣化による変色が著しいことが確認された。つまり、耐候性が低すぎることが確認された。
比較例10,11では、トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)を配合せずに、ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)もしくはトリアジン骨格およびベンゾトリアゾール骨格を持たない紫外線吸収剤(D1´)のみを用いたため、耐候性が低く、劣化による変色が著しいばかりか、防汚性を高く維持できないことが確認された。

Claims (19)

  1. 脂環式骨格に、イソシアネート基を有する反応性基が少なくとも2つ結合され、前記反応性基が同一の化学構造である脂環式イソシアネート化合物(a1)と水酸基および光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)とを反応させて得られ、化学構造中に前記脂環式骨格および前記光重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)と、
    光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(B)と、
    光重合性不飽和基を有する含フッ素化合物(C)と、
    トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)と、
    光重合開始剤(E)と、
    を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. 前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)の重量平均分子量が1,000以上10,000以下であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記脂環式イソシアネート化合物(a1)が水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 前記光重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a2)が光重合性不飽和基を3つ以上有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(A)と前記(メタ)アクリレートモノマー(B)とを比率20:80〜70:30の範囲内で含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 前記含フッ素化合物(C)を、固形分100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. 前記トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)を、固形分100質量部に対して1質量部以上10質量部以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  8. 光安定剤(F)をさらに含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  9. コロイダルシリカ(G)をさらに含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  10. 前記コロイダルシリカ(G)が光重合性不飽和基を有することを特徴とする請求項9に記載の光硬化性樹脂組成物。
  11. ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)をさらに含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  12. 前記ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)が光重合性不飽和基を有することを特徴とする請求項11に記載の光硬化性樹脂組成物。
  13. 前記ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)が2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールであることを特徴とする請求項12に記載の光硬化性樹脂組成物。
  14. 前記トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)と前記ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)とを比率99:1〜1:99の範囲内で含有することを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  15. 前記トリアジン骨格を有する紫外線吸収剤(D)と前記ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収剤(H)とを比率90:10〜50:50の範囲内で含有することを特徴とする請求項14に記載の光硬化性樹脂組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物から形成されることを特徴とする硬化被膜。
  17. 基材と前記基材上に設けられる請求項16に記載の硬化被膜とを備えることを特徴とする被膜付き基材。
  18. 請求項1〜15のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を光照射により硬化させる硬化工程を有することを特徴とする硬化被膜の製造方法。
  19. 請求項1〜15のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物を基材の少なくとも一方の主面に塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程の後、光照射により前記光硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化被膜を形成する硬化工程と、
    を有することを特徴とする被膜付き基材の製造方法。
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