JP2014151588A - 積層体及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】防汚性に優れ、高い表面硬度、透明性、耐擦傷性を有する積層体を提供する。
【解決手段】光硬化性組成物(i)を硬化してなる透明な樹脂成形体[I]の少なくとも片面に、酸化アルミニウム含有硬化樹脂層[II]が形成されてなることを特徴とする積層体である。
【選択図】なし
【解決手段】光硬化性組成物(i)を硬化してなる透明な樹脂成形体[I]の少なくとも片面に、酸化アルミニウム含有硬化樹脂層[II]が形成されてなることを特徴とする積層体である。
【選択図】なし
Description
本発明は、光硬化性組成物を硬化してなる透明な樹脂成形体に、防汚機能が付与された積層体に関し、更に詳しくは、防汚性に優れ、かつ表面硬度、透明性、耐擦傷性、耐熱性に優れ、ディスプレイ用保護シートやタッチパネル用基板として有用である積層体に関するものである。
従来、ディスプレイ用保護シートとしては、ガラスが汎用されており、一般的な厚さ0.5〜1mm程度の青板ガラス以外にも、化学強化ガラスや極薄のガラスフィルムも使用されている。
ここで言う保護シートとは、携帯電話やパソコンなどのディスプレイの最外面に位置し、内部のデバイスを保護する役目を担うものである。かかる保護シートは、カバー、ウィンドウ、あるいはカバーウィンドウといった名称で呼ばれることもある。タッチパネル付きディスプレイの場合は、タッチパネルの最外面に位置するフィルムまたはシートが保護シートを兼ねているため、当然のことながら、強度や耐擦傷性に優れていなければならない。また、透明でなければならないが、防眩効果、傷や汚れの隠蔽性及び/または指すべり性の観点から、ある程度のヘイズ値を有するものも用いられている。
ここで言う保護シートとは、携帯電話やパソコンなどのディスプレイの最外面に位置し、内部のデバイスを保護する役目を担うものである。かかる保護シートは、カバー、ウィンドウ、あるいはカバーウィンドウといった名称で呼ばれることもある。タッチパネル付きディスプレイの場合は、タッチパネルの最外面に位置するフィルムまたはシートが保護シートを兼ねているため、当然のことながら、強度や耐擦傷性に優れていなければならない。また、透明でなければならないが、防眩効果、傷や汚れの隠蔽性及び/または指すべり性の観点から、ある程度のヘイズ値を有するものも用いられている。
かかる保護シートには、近年、防汚機能が要求されるようになっている。保護シートに付着した皮脂、汗、汚水などの汚れは、清潔感を損なうだけでなく、画像の視認性を低下させる。また、マジックインキ等で汚れた場合は、ウエスで拭き取っても落ちづらく、著しく視認性を低下させる。
更に、複数の人間が指入力するタッチパネルにおいて、皮脂や汗などの汚れは、食中毒を引き起こす菌の伝播や院内感染の原因となりやすいといった問題もある。従って、付着した汚れは速やかに拭き取る必要があり、保護シートには、防汚機能だけでなく、汚れの拭き取り容易性も求められている。
更に、複数の人間が指入力するタッチパネルにおいて、皮脂や汗などの汚れは、食中毒を引き起こす菌の伝播や院内感染の原因となりやすいといった問題もある。従って、付着した汚れは速やかに拭き取る必要があり、保護シートには、防汚機能だけでなく、汚れの拭き取り容易性も求められている。
保護シートに防汚機能を付与するには、フッ素系材料やシリコン系材料などを用いてシート表面の接触角を高める手法が一般的である。例えば、ガラスをフッ素化アルキル基含有シランカップリング剤で処理する手法や、ガラス表面にポリシロキサン含有ウレタン(メタ)アクリレート系組成物の硬化被膜を設ける手法が挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。しかし、前者の手法では薄いフッ素膜しか形成できないため耐久性に問題があり、後者の手法ではガラスと硬化被膜との密着性に問題がある。
一方、ディスプレイの軽量薄型化や割れにくさといった安全性向上の観点から、また、フレキシブルディスプレイの製造を目的に、プラスチック製の保護シートも使用され始めている。具体的には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルムやシートが挙げられる。
しかし、これらのプラスチック製の保護シートでは、表面硬度や曲げ弾性率などの機械特性、耐熱性などの熱特性、吸湿性、耐薬品・溶剤性、低リタデーションなどの諸性能を満足することができず、特に、表面硬度に関しては、これらプラスチック基材の表面にハードコート層を設けても、基材自体の硬度が低いため、保護シートとして十分な硬度を確保できていないのが現状である。
そこで、これらの諸特性を満足するために、熱可塑性あるいは熱硬化性を問わず数多くの樹脂が提案されており、近年の提案の中には、特定の光重合性組成物を光硬化して得られる成形体も見受けられる。例えば、脂環構造を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートと脂環構造を有する多官能(メタ)アクリレートよりなる光重合性組成物が、鉛筆硬度の高い樹脂成形体を与えることが開示されており(例えば、特許文献2参照。)、脂環構造を有する単官能(メタ)アクリレート、脂環構造を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート、及び脂環構造を有する多官能(メタ)アクリレートよりなる光重合性組成物が、光学特性や熱機械特性に優れる樹脂成形体を与えることが開示されており(例えば、特許文献3参照。)、特定の脂環骨格2官能(メタ)アクリレート系化合物、特定の脂肪族4官能(メタ)アクリレート系化合物、及び、脂環骨格を有する分子量200〜2000の多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物よりなる光重合性組成物が、光学特性や熱機械特性に優れる樹脂成形体を与えることが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、これらの開示技術をもってしても全ての性能を満足しているとは言いがたく、高度な防汚機能を有し、高い表面硬度や耐擦傷性を具備したプラスチック製の保護シートが望まれている。特に、防汚機能の付与に関しては、密着性と耐久性に優れた防汚層を有する積層体が望まれている。
そこで、本発明ではこのような背景下において、防汚性に優れ、高い表面硬度、高い耐擦傷性、透明性を有する積層体を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、光硬化性組成物を硬化してなる透明な樹脂成形体に、酸化アルミニウムを含有させてなる光硬化性組成物を硬化してなる硬化樹脂層を形成することにより、樹脂成形体と硬化樹脂層との密着性に優れ、それに伴って防汚性に優れるとともに透明性や表面硬度、耐擦傷性に優れることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、光硬化性組成物(i)を硬化してなる透明な樹脂成形体[I]の少なくとも片面に、酸化アルミニウム含有硬化樹脂層[II]が形成されてなる積層体に関するものである。
更に、本発明においては、前記積層体を用いてなるディスプレイ用保護シートやタッチパネルも提供するものである。
なお、積層体に防汚機能をもたせるために、一般的に用いられるフッ素系材料やシリコン系材料等の防汚剤を用いようとしても、表面硬度の問題があって、その使用が困難であり、また、表面硬度を高めるために、かかる防汚剤に酸化ケイ素を配合したものを用いても、積層体表面が耐擦傷性に劣るものとなる。即ち、表面硬度と耐擦傷性の間には密接な関係があるが、単純に表面硬度を上げても耐擦傷性は向上しない。例えば、表面硬度が6H以上の硬化樹脂層においては、硬度を上げても耐擦傷性が低下する現象も見受けられるし、数百gの荷重をかけたスチールウールで硬化樹脂層を数百回もこする過酷な試験では、硬度と全く連動しない結果も得られる。かかる現象は、基材と硬化樹脂層との密着性や硬度差などにより発現すると予想される。
本発明において、酸化ケイ素に代えて酸化アルミニウムを配合することにより、耐擦傷性が向上する理由は明らかでないが、光硬化性組成物を硬化して得られる基材もしくは下地層の表面と、酸化アルミニウムを含有する硬化樹脂層が、物理的及び/または化学的に親和性が高いためと推測される。推測される背景に、酸化アルミニウムを含有する硬化樹脂層は、酸化ケイ素を含有する硬化樹脂層より、光硬化性組成物を硬化して得られる基材樹脂との密着性に優れることが挙げられる。
本発明において、酸化ケイ素に代えて酸化アルミニウムを配合することにより、耐擦傷性が向上する理由は明らかでないが、光硬化性組成物を硬化して得られる基材もしくは下地層の表面と、酸化アルミニウムを含有する硬化樹脂層が、物理的及び/または化学的に親和性が高いためと推測される。推測される背景に、酸化アルミニウムを含有する硬化樹脂層は、酸化ケイ素を含有する硬化樹脂層より、光硬化性組成物を硬化して得られる基材樹脂との密着性に優れることが挙げられる。
本発明によれば、樹脂成形体と硬化樹脂層との密着性に優れ、それに伴って優れた防汚性を有するとともに透明性や表面高度、耐擦傷性に優れた積層体となり、かかる積層体は、ディスプレイ用の保護シートやタッチパネルの基板として好適である。
以下、本発明につき詳細に説明する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの総称であり、「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルの総称である。また、ここでいう多官能とは、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有することを意味する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの総称であり、「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルの総称である。また、ここでいう多官能とは、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有することを意味する。
本発明の積層体は、光硬化性組成物(i)を硬化してなる透明な樹脂成形体[I]の少なくとも片面に、酸化アルミニウム含有硬化樹脂層[II]が形成された積層体である。
まず、樹脂成形体[I]について説明する。
樹脂成形体[I]は、光硬化性組成物(i)を硬化してなるものである。光硬化性組成物(i)としては、例えば、アクリル系、エポキシ系、チオール/エン付加系などの公知の組成物を用いることができる。中でも、かかる光硬化性組成物(i)としては、下記成分(A1)、(A2)及び(A3)を含有してなることが防汚層となる後述の硬化樹脂層[II]との密着性の点で好ましい。
(A1)多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物
(A2)脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート系化合物
(A3)光重合開始剤
樹脂成形体[I]は、光硬化性組成物(i)を硬化してなるものである。光硬化性組成物(i)としては、例えば、アクリル系、エポキシ系、チオール/エン付加系などの公知の組成物を用いることができる。中でも、かかる光硬化性組成物(i)としては、下記成分(A1)、(A2)及び(A3)を含有してなることが防汚層となる後述の硬化樹脂層[II]との密着性の点で好ましい。
(A1)多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物
(A2)脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート系化合物
(A3)光重合開始剤
多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)は、多官能であるため、硬化により架橋樹脂を形成し、表面硬度や耐熱性の高い樹脂成形体を得ることができる。また、分子内にウレタン結合を有し、得られる樹脂成形体は水素結合により適度な靱性を有するため、曲げ弾性率が高く、かつ高強度な樹脂成形体を得ることができる。
そして、脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート系化合物(A2)は、多官能であるため、硬化により架橋樹脂を形成し、表面硬度や耐熱性の高い樹脂成形体を得ることができる。また、脂環骨格を有するため樹脂成形体の吸水率を低減することができる。
そして、脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート系化合物(A2)は、多官能であるため、硬化により架橋樹脂を形成し、表面硬度や耐熱性の高い樹脂成形体を得ることができる。また、脂環骨格を有するため樹脂成形体の吸水率を低減することができる。
多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)は、ポリイソシアネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物を反応させてなるものであり、ポリイソシアネート系化合物としては特に限定されないが、例えば、芳香族系、脂肪族系、脂環式系等のポリイソシアネートが挙げられ、中でもトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等のポリイソシアネート或いはこれらポリイソシアネートの3量体化合物又は多量体化合物、ビュレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート(例えば、日本ポリウレタン工業社製の「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」等)、又は、これらポリイソシアネートとポリオールの反応生成物等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中でも、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの脂環式ポリイソシアネートが、樹脂成形体の吸水率を少なくできる点で好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中でも、アクリレートが速硬化性の点から好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの炭素鎖(水酸基と(メタ)アクリロイル間の炭素鎖)が比較的短いものが、樹脂成形体の曲げ弾性率を向上できる点でより好ましい。
脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート系化合物(A2)としては、例えば、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13] ペンタデカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13] ペンタデカン=アクリレートメタクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13] ペンタデカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13] ペンタデカン=アクリレートメタクリレート、2,2−ビス[ 4−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル] プロパン、1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)シクロヘキサンなどの2官能(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=トリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=トリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13] ペンタデカン=トリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13] ペンタデカン=トリ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,3,5−トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)シクロヘキサンなどの3官能(メタ)アクリレートがあげられる。これらの中では、樹脂成形体の耐熱性の観点から、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジ(メタ)アクリレートが好ましい。上記脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート系化合物は2種以上を併用することもできるし、アクリレートとメタクリレートとを併用することもできる。
本発明において、多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A1)の含有量は、成分(A1)と成分(A2)の合計に対して、5〜50重量%であることが好ましく、特には8〜40重量%、更には10〜30重量%であることが好ましい。成分(A1)の含有量が少なすぎると樹脂成形体の表面硬度が低下する傾向にあり、逆に、多すぎると樹脂成形体の吸水率が増大する傾向にある。
また、脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート系化合物(A2)の含有量は、成分(A1)と成分(A2)の合計に対して、50〜95重量%であることが好ましく、特には60〜92重量%、更には70〜90重量%であることが好ましい。成分(A2)の含有量が少なすぎると樹脂成形体の吸水率が増大する傾向にあり、逆に、多すぎると樹脂成形体の表面硬度が低下する傾向にある。
光重合開始剤(A3)としては、公知の化合物を用いることができ、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホシフィンオキシド等が挙げられる。これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどのラジカル開裂型の光重合開始剤が好ましい。これらの光重合開始剤(A3)は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤(A3)の含有量は、成分(A1)と成分(A2)の合計100重量部に対して、0.1〜5重量部、更には0.2〜4重量部、特には0.3〜3重量部であることが好ましい。含有量が多すぎると樹脂成形体のリタデーションが増大し、また黄変が生じやすい傾向にあり、少なすぎると重合速度が低下し、重合が十分に進行しないおそれがある。
本発明で用いる光硬化性組成物(i)は、樹脂成形体[I]の表面硬度や耐熱性を阻害しない程度に、更に少量の補助成分を含んでいてもよく、例えば、成分(A1)及び(A2)以外のエチレン性不飽和結合を有する単量体、連鎖移動剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱重合開始剤、重合禁止剤、消泡剤、レべリング剤、ブルーイング剤、染顔料、フィラーなどが挙げられる。
成分(A1)及び(A2)以外のエチレン性不飽和結合を有する単量体としては、例えば、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレレート、ジエチレングリコールジ(メタ) アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ) アクリレート、テトラエチレングリコール以上のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸誘導体、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物等が挙げられる。
成分(A1)及び(A2)以外のエチレン性不飽和結合を有する単量体の含有量は、成分(A1)と成分(A2)の合計100重量部に対して、30重量部以下、更には20重量部以下、特には10重量部以下であることが好ましい。含有量が多すぎると樹脂成形体[I]の表面硬度や耐熱性が低下する傾向にある。
連鎖移動剤としては、多官能メルカプタン化合物が好ましい。多官能メルカプタン化合物としては、例えば、ペンタエリスルトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスルトールテトラキスチオプロピオネートなどが挙げられる。これらの多官能メルカプタン系化合物は、成分(A1)と成分(A2)の合計100重量部に対して、通常10重量部以下の割合で使用されることが好ましく、更には5重量部以下、特には3重量部以下が好ましい。かかる使用量が多すぎると、得られる樹脂成形体[I]の表面硬度や剛性が低下する傾向がある。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−s−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、n−オクタデシル−β−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、4,4−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4′−ジ−チオビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4′−トリ−チオビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロキシヒドロシンナミド、N,N′−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、カルシウム(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)モノエチルフォスフォネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−2[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイト−ジエチルエステル等の化合物が挙げられ、これらの化合物は、単独または2種以上併用してもよい。これらの中でも、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが、色相を抑制する効果が大きくなる点から特に好ましい。
酸化防止剤の含有割合は、成分(A1)と成分(A2)の合計100重量部に対して、通常0.001〜1重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.5重量部である。かかる酸化防止剤が少なすぎると樹脂成形体[I]の耐熱性が低下する傾向があり、多すぎると光線透過率が低下する傾向にある。
紫外線吸収剤としては、(メタ)アクリレート系化合物に溶解するものであれば特に限定されず、各種紫外線吸収剤を使用することができる。具体的には、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、トリアゾール系、ヒドロキシベンゾエート系、シアノアクリレート系などが挙げられる。これらの紫外線吸収剤は複数を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(メタ)アクリレート系化合物との相溶性の点で、ベンゾフェノン系またはトリアゾール系、具体的には、(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシ−フェニル)−フェニル−メタノン、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−t−オクチル−フェノール等の紫外線吸収剤が好ましい。紫外線吸収剤の含有割合は、成分(A1)と成分(A2)の合計100重量部に対して、通常0.001〜1重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.1重量部である。かかる紫外線吸収剤が少なすぎると耐光性が低下する傾向があり、多すぎると光硬化性組成物の硬化に時間がかかったり、十分な硬化ができない可能性がある。
熱重合開始剤としては、公知の化合物を用いることができ、例えば、ハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等のパーオキシエステル、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。
本発明においては、上記光硬化性組成物(i)を硬化して樹脂成形体[I]を製造するのであり、具体的には、以下の方法により製造する。
即ち、例えば、上記光硬化性組成物(i)を、平坦な型の上か、もしくは2枚の平坦な型の間に設け、両面もしくは片面から、活性エネルギー線、とりわけ波長200〜400nmの紫外線を用いて、照射光量1〜100J/cm2 の範囲で光硬化することが好ましい。照射光量のより好ましい範囲は5〜70J/cm2 、更に好ましくは10〜50J/cm2 である。照射光量が少なすぎると重合が不十分となる傾向があり、多すぎると生産性が低下する傾向がある。紫外線の照度は、通常10〜5,000mW/cm2 、好ましくは100〜1,000mW/cm2 である。照度が小さすぎると樹脂成形体内部まで十分に硬化しにくい傾向があり、照度が大きすぎると重合が暴走しリタデーションが増大する傾向がある。
型の材質は、少なくとも一方の型が活性エネルギー線を透光するものであれば特に限定されず、ガラス製、金属製、樹脂製のものを使用することができる。これらの中では、活性エネルギー線の透光性の点で、ガラス製もしくは透明樹脂製の型が好ましい。不透明な型を用いる場合は、反対面の型に透明な材質の型を使用し、この反対面側から活性エネルギー線を照射することとなる。
紫外線の照射に際しては、複数回に分割して照射すると、リタデーションがより小さい樹脂成形体が得られるので好ましい。例えば、1回目に全照射量の1/100〜1/10程度を照射し、2回目以降に必要残量を照射する方法が挙げられる。
紫外線源としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯ランプ、無電極水銀ランプ等が挙げられる。光源から発生する赤外線により重合が暴走するのを防ぐため、ランプに赤外線を遮断するフィルターや赤外線を反射しない鏡等を用いることも可能である。
本発明で得られた樹脂成形体[I]に対して、より重合度の向上のため、あるいは応力ひずみ開放のために熱処理してもよく、特には100℃以上で熱処理することが好ましい。
本発明において、樹脂成形体[I]の厚さは、保護シートの剛性に直接影響するものであることから、0.1〜3mmであることが好ましい。かかる厚さが薄すぎるとたわみやすく内部デバイスの保護が困難となる傾向があり、逆に、厚すぎるとディスプレイ全体の軽量化が困難となる傾向がある。厚さの好ましい範囲は0.2〜2mm、より好ましくは0.3〜1.5mm、特に好ましくは0.4〜1mmである。
本発明の樹脂成形体[I]は、ガラス転移温度が100℃以上であることが、耐熱性の点から好ましい。ガラス転移温度が低すぎると、うねりが生じたり、色相が悪化する傾向がある。ガラス転移温度の好ましい範囲は100〜500℃、より好ましくは150〜400℃、更に好ましくは200〜300℃である。かかるガラス転移温度を上記範囲に調整するに当たっては、上述した光硬化性組成物(i)の種類や成分の含有量を適宜コントロールする手法が挙げられる。例えば、アクリレート系化合物とメタクリレート系化合物とを併用し、その混合比率においてメタクリレート系化合物のほうを多めに配合するなどが挙げられる。
本発明の樹脂成形体[I]は、鉛筆硬度が3H以上であることが、表面硬度の点から好ましい。鉛筆硬度は、より好ましくは3H〜10H、特に好ましくは4H〜8Hである。かかる鉛筆硬度を上記範囲に調整するに当たっては、上述した光硬化性組成物(i)の種類や成分の含有量を適宜コントロールする手法が挙げられる。例えば、多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物として3〜6官能等のものを使用するなどが挙げられる。
更に、本発明の樹脂成形体[I]の曲げ弾性率は、3GPa以上であることが好ましい。曲げ弾性率が低すぎると剛性が低下する傾向にある。曲げ弾性率は3〜5GPaであることがより好ましく、更に好ましくは3.5〜4GPaである。かかる曲げ弾性率を上記範囲に調整するに当たっては、上述した光硬化性組成物(i)の種類や成分の含有量を適宜コントロールする手法が挙げられる。例えば、多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物として3〜6官能等のものを使用するなどが挙げられる。
また、本発明の樹脂成形体[I]は、透明であることが重要であり、「透明」とは、全光線透過率が70%以上であることをいう。そして、通常、全光線透過率が80%以上であることが好ましく、特には85%以上、更には90%以上であることが好ましい。
次に、硬化樹脂層[II]について説明する。
本発明においては、樹脂成形体[I]に防汚機能を付与するため、樹脂成形体[I]の少なくとも片面に、酸化アルミニウムを含有させた硬化樹脂層[II]を形成することを最大の特徴とするものである。
本発明においては、樹脂成形体[I]に防汚機能を付与するため、樹脂成形体[I]の少なくとも片面に、酸化アルミニウムを含有させた硬化樹脂層[II]を形成することを最大の特徴とするものである。
また、本発明では、かかる硬化樹脂層[II]における、水との接触角が、防汚機能の点から、100°以上であることが好ましく、特には100〜150゜、更には105゜〜140゜、殊には110〜120゜であることが好ましい。接触角が小さすぎると防汚性が低下することとなる。なお、接触角が大きすぎると、基材(具体的には、前記樹脂成形体[I]もしくは後述する硬化樹脂層[III ])との密着性が低下する傾向にある。
本発明において、硬化樹脂層[II]としては、例えばフッ素系やシリコン系などの公知材料を使用し、それに酸化アルミニウムを含有させてなる防汚剤を用いて、光硬化してなるものでもよいが、とりわけ、下記成分(B1)、(B2)、(B3)、(B4)及び(B5)を含有してなる光硬化性組成物(ii)を硬化してなることが樹脂成形体との密着性や耐擦傷性の点で好ましい。
(B1)ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物
(B2)下記一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物
(B3)酸化アルミニウム
(B4)(メタ)アクリレート系化合物
(B5)光重合開始剤
(B1)ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物
(B2)下記一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物
(B3)酸化アルミニウム
(B4)(メタ)アクリレート系化合物
(B5)光重合開始剤
上記ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)は、その構造中にポリシロキサン構造を含有するものであればよいが、中でも特には、下記一般式(4)で示される片末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物を用いて得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)、下記一般式(5)で示される両末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物を用いて得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)であることが好ましい。
なお、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)は、一般式(4)および(5)両方由来の構造部位を有するものであってもよい。
なお、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)は、一般式(4)および(5)両方由来の構造部位を有するものであってもよい。
まず、上記一般式(4)で示される片末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物を用いて得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)について説明する。
かかるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)は、上記一般式(4)で示される片末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物(x1)と、ポリイソシアネート系化合物(x2)と、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)、必要に応じて更にポリオール系化合物(x4)を反応させてなるものである。
かかるポリシロキサン系化合物(x1)について、一般式(4)中のR1 はアルキル基であり、アルキル基の炭素数は比較的短いものが好ましい。具体的には、通常炭素数1〜15、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
一般式(4)中のR2 はそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基である。
アルキル基の炭素数は比較的短いものが好ましい。具体的には、通常炭素数1〜15、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基の炭素数としては、通常炭素数3〜10、好ましくは5〜8であり、例えば、シクロペンチル基、ソクロヘキシル基、ノルボニル基等が挙げられる。
アルキル基の炭素数は比較的短いものが好ましい。具体的には、通常炭素数1〜15、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基の炭素数としては、通常炭素数3〜10、好ましくは5〜8であり、例えば、シクロペンチル基、ソクロヘキシル基、ノルボニル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基は置換基を有するものであってもよい。置換基としては、通常、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルファニル基、ビニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。なお、かかる置換基が炭素原子を有する場合には、該炭素原子は上記R2 の説明中で規定している炭素数には含めないものとする。
一般式(4)中のR3 は、炭化水素基又は酸素原子を含む有機基である。
炭化水素基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20であり、二価または三価の炭化水素基が挙げられる。
二価の炭化水素基としては、アルキレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、特に好ましくは炭素数1〜4であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
酸素原子を含む有機基としては、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。
炭化水素基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20であり、二価または三価の炭化水素基が挙げられる。
二価の炭化水素基としては、アルキレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、特に好ましくは炭素数1〜4であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
酸素原子を含む有機基としては、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。
一般式(4)中のaは1以上の整数であり、好ましくは5〜200、特に好ましくは5〜120の整数である。bは1〜3の整数であり、好ましくは1〜2の整数である。
本発明で用いられるポリシロキサン系化合物(x1)の重量平均分子量としては、通常100〜50,000であることが好ましく、特には500〜10,000、更には1,000〜10,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が低すぎると防汚性能が低下する傾向があり、高すぎると硬化樹脂層の硬度や耐擦傷性が低下する傾向がある。
一般式(4)で示されるポリシロキサン系化合物(x1)の具体例としては、例えば、信越化学工業社製の「X−22−170BX」、「X−22−170DX」、「X−22−176DX」、「X−22−176F」、チッソ社製の「サイラプレーンFM−0411」、「サイラプレーンFM−0421」、「サイラプレーンFM−0425」、「サイラプレーンFM−DA11」、「サイラプレーンFM−DA21」、「サイラプレーンFM−DA26」等の商品が挙げられる。
本発明で用いられるポリイソシアネート系化合物(x2)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環式系ポリイソシアネート、或いはこれらポリイソシアネートの3量体化合物又は多量体化合物、アロファネート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート(例えば、日本ポリウレタン工業社製の「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」等)、等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、1分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート系化合物、特にはポリイソシアネートの3量体又は多量体化合物であることが、硬化樹脂層の硬度、耐擦傷性、耐溶剤性、及びブリードの原因となる未反応の低分子量成分を少なくできる点でより好ましい。
これらの中でも、1分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート系化合物、特にはポリイソシアネートの3量体又は多量体化合物であることが、硬化樹脂層の硬度、耐擦傷性、耐溶剤性、及びブリードの原因となる未反応の低分子量成分を少なくできる点でより好ましい。
本発明で用いられる水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性−グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイル−オキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、高硬度の硬化樹脂層が得られる点でペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
これらの中でも、高硬度の硬化樹脂層が得られる点でペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオール系化合物(x4)を用いてもよい。かかるポリオール系化合物(x4)としては、例えば、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、(メタ)アクリル系ポリオール、等が挙げられる。
ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のアルキレン構造含有ポリエーテル系ポリオールや、これらポリアルキレングリコールのランダム或いはブロック共重合体が挙げられる。
ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物などが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)などが挙げられる。
前記多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
前記環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)などが挙げられる。
前記多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
前記環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
ポリオール系化合物(x4)の重量平均分子量としては、50〜8,000が好ましく、特に好ましくは50〜5,000、更に好ましくは600〜3,000である。ポリオール系化合物(x4)の重量平均分子量が大きすぎると、硬化樹脂層における硬度等の機械的物性が低下する傾向があり、小さすぎると硬化収縮が大きく安定性が低下する傾向がある。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)は、1個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが好ましく、硬化樹脂層の硬度の点で3個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが特に好ましく、更には6個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)が含有するエチレン性不飽和基の上限は通常30個であり、好ましくは25個以下である。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)が含有するエチレン性不飽和基の上限は通常30個であり、好ましくは25個以下である。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、
(イ):ポリシロキサン系化合物(x1)、ポリイソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(x2))、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を一括に仕込み反応させる方法、
(ロ):ポリシロキサン系化合物(x1)とポリイソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(x2))を反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を反応させる方法、
(ハ):ポリイソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(x2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(x1)を反応させる方法、
(ニ):ポリイソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(x2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)の一部を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(x1)を反応させ、さらに残りの水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を反応させる方法、
等が挙げられるが、これらの中でも、(ロ)または(二)の方法が好ましく、反応制御の安定性の点で、特に好ましくは(ロ)の方法である。
(イ):ポリシロキサン系化合物(x1)、ポリイソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(x2))、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を一括に仕込み反応させる方法、
(ロ):ポリシロキサン系化合物(x1)とポリイソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(x2))を反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を反応させる方法、
(ハ):ポリイソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(x2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(x1)を反応させる方法、
(ニ):ポリイソシアネート系化合物(x2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(x4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(x2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)の一部を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(x1)を反応させ、さらに残りの水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)を反応させる方法、
等が挙げられるが、これらの中でも、(ロ)または(二)の方法が好ましく、反応制御の安定性の点で、特に好ましくは(ロ)の方法である。
なお、予めポリオール系化合物(x4)とポリイソシアネート系化合物(x2)を反応させる場合には、例えば、公知一般のウレタン系ポリオールの製造例に従えばよい。
かかる(ロ)の方法にあたっては、ポリシロキサン系化合物(x1)の水酸基とポリイソシアネート系化合物(x2)のイソシアネート基を、イソシアネート基を残存させる条件下で反応させた後、次いでポリイソシアネート系化合物(x2)の該残存イソシアネート基と上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)の水酸基を反応させるのである。
ポリシロキサン系化合物(x1)とポリイソシアネート系化合物(x2)との反応モル比は、例えば、ポリイソシアネート系化合物(x2)のイソシアネート基が2個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)の水酸基が1個である場合は、ポリシロキサン系化合物(x1):ポリイソシアネート系化合物(x2)0.001〜1:1程度であり、ポリイソシアネート系化合物(x2)のイソシアネート基が3個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)の水酸基が1個である場合は、ポリシロキサン系化合物(x1):ポリイソシアネート系化合物(x2)0.001〜2:1程度であればよい。
この反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基が0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)が得られる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)100重量部中に含まれるポリシロキサン系化合物(x1)に由来する構造部分の重量としては、上記モル比の範囲内で0.1〜80重量部であることが好ましい。
かかる反応においては、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましく、かかる触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫等の有機金属化合物、オクトエ酸亜鉛、オクトエ酸錫、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫等の金属塩、トリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物や、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒等が挙げられ、中でも、ジブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセンが好適である。
かかる反応においては、イソシアネート基に対して反応する官能基を有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等の有機溶剤を用いることができる。
かかる反応の反応温度は、通常30〜100℃、好ましくは40〜90℃であり、反応時間は、通常2〜10時間、好ましくは3〜8時間である。
かくして得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)の重量平均分子量としては500〜50,000であることが好ましく、更には500〜30,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が小さすぎると硬化収縮が大きく硬化樹脂層の硬度や耐擦傷性等の物性が低下する傾向があり、大きすぎると高粘度となり取り扱い性が低下する傾向がある
なお、上記の重量平均分子量とは、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(昭和電工社製「Shodex GPC system−11型」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定される。
以下、後述のウレタン(メタ)アクリレート系化合物の重量平均分子量の測定は、上記の方法に準じて測定される。
以下、後述のウレタン(メタ)アクリレート系化合物の重量平均分子量の測定は、上記の方法に準じて測定される。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)の60℃における粘度は、500〜15万mPa・sであることが好ましく、特には500〜12万mPa・s、更には1,000〜10万mPa・sであることが好ましい。かかる粘度が上記範囲外では塗工性が低下する傾向がある。
尚、粘度の測定法はE型粘度計による。
尚、粘度の測定法はE型粘度計による。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)は、1 種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、上記一般式(5)で示される両末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物を用いて得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)について説明する。
かかるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)は、上記一般式(5)で示される両末端に水酸基を有するポリシロキサン系化合物(y1)と、ポリイソシアネート系化合物(y2)と、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)、更に必要に応じてポリオール系化合物(y4)を反応させてなるものである。
かかるポリシロキサン系化合物(y1)について、一般式(5)中のR1 、R3 は、炭化水素基又は酸素原子を含む有機基である。
炭化水素基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20であり、二価または三価の炭化水素基が挙げられる。
二価の炭化水素基としては、アルキレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、特に好ましくは炭素数1〜4であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
酸素原子を含む有機基としては、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。
炭化水素基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20であり、二価または三価の炭化水素基が挙げられる。
二価の炭化水素基としては、アルキレン基が挙げられる。アルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、特に好ましくは炭素数1〜4であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
酸素原子を含む有機基としては、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。
一般式(5)中のR2 はそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、又はフェニル基である。
アルキル基の炭素数は比較的短いものが好ましい。具体的には、通常炭素数1〜15、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基の炭素数としては、通常炭素数3〜10、好ましくは5〜8であり、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基等が挙げられる。
アルキル基の炭素数は比較的短いものが好ましい。具体的には、通常炭素数1〜15、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基の炭素数としては、通常炭素数3〜10、好ましくは5〜8であり、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基は置換基を有するものであってもよい。置換基としては、通常、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルファニル基、ビニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。なお、かかる置換基が炭素原子を有する場合には、該炭素原子は上記R2 の説明中で規定している炭素数には含めないものとする。
一般式(5)中のaは1以上の整数であり、好ましくは5〜200、特に好ましくは5〜120の整数である。bは1〜3の整数であり、好ましくは1〜2の整数である。
ポリシロキサン系化合物(y1)の重量平均分子量としては、通常100〜50,000であることが好ましく、特には500〜10,000、更には1,000〜10,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が低すぎると防汚性能が低下する傾向があり、高すぎると透明性や耐擦傷性が低下する傾向がある。
ポリシロキサン系化合物(y1)の具体例としては、信越化学工業社製の「X−22−160AS」、「KF−6001」、「KF−6002」、「KF−6003」、チッソ社製の「サイラプレーンFM−4411」、「サイラプレーンFM−4421」、「サイラプレーンFM−4425」、東亞合成社製の「マクロモノマーHK−20」等の商品が挙げられる。
ポリイソシアネート系化合物(y2)としては、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレート(B1−1)に関する説明の中で、ポリイソシアネート系化合物(x2)として例示したものと同様のものが挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)としては、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレート(B1−1)に関する説明の中で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)として例示したものと同様のものが挙げられる。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオール系化合物(y4)を用いてもよく、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレート(B1−1)に関する説明の中でポリオール系化合物(x4)として例示したものと同様のものが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)は、2個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが好ましく、硬化樹脂層の硬度の点で4個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが特に好ましく、更には6個以上のエチレン性不飽和基を有するものであることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)が含有するエチレン性不飽和基の上限は通常30個であり、好ましくは25個以下である。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)が含有するエチレン性不飽和基の上限は通常30個であり、好ましくは25個以下である。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、
(イ):ポリシロキサン系化合物(y1)、ポリイソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(y2))、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を一括に仕込み反応させる方法、
(ロ):ポリシロキサン系化合物(y1)とポリイソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(y2))を反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を反応させる方法、
(ハ): ポリイソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(y2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(y1)を反応させる方法、
(ニ):ポリイソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(y2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)の一部を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(y1)を反応させ、さらに残りの水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を反応させる方法、
等が挙げられるが、これらのなかでも(ロ)又は(ニ)の方法が好ましく、反応制御の安定性や相溶性の点で、特に好ましくは(ニ)の方法である。
(イ):ポリシロキサン系化合物(y1)、ポリイソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(y2))、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を一括に仕込み反応させる方法、
(ロ):ポリシロキサン系化合物(y1)とポリイソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(y2))を反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を反応させる方法、
(ハ): ポリイソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(y2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(y1)を反応させる方法、
(ニ):ポリイソシアネート系化合物(y2)(必要に応じて、予め、ポリオール系化合物(y4)と反応させたポリイソシアネート系化合物(y2))と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)の一部を反応させた後、ポリシロキサン系化合物(y1)を反応させ、さらに残りの水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)を反応させる方法、
等が挙げられるが、これらのなかでも(ロ)又は(ニ)の方法が好ましく、反応制御の安定性や相溶性の点で、特に好ましくは(ニ)の方法である。
なお、予めポリオール系化合物(y4)とポリイソシアネート系化合物(y2)を反応させる場合には、例えば、公知一般のウレタン系ポリオールの製造例に従えばよい。
かかる(ロ)の方法にあたっては、ポリシロキサン系化合物(y1)の水酸基とポリイソシアネート系化合物(y2)のイソシアネート基を、イソシアネート基を残存させる条件下で反応させた後、次いでポリイソシアネート系化合物(y2)の該残存イソシアネート基と上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)の水酸基を反応させるのである。
ポリシロキサン系化合物(y1)とポリイソシアネート系化合物(y2)との反応モル比は、例えば、ポリイソシアネート系化合物(y2)のイソシアネート基が2個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)の水酸基が1個である場合は、ポリシロキサン系化合物(y1):ポリイソシアネート系化合物(y2)0.001〜1:1程度であり、ポリイソシアネート系化合物(y2)のイソシアネート基が3個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)の水酸基が1個である場合は、ポリシロキサン系化合物(y1):ポリイソシアネート系化合物(y2)0.001〜2:1程度であればよい。
この反応性生物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(y3)との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基が0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)が得られる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)100重量部中に含まれるポリシロキサン系化合物(y1)に由来する構造部分の重量は、上記モル比の範囲内で0.1〜80重量部であることが好ましい。
かかる反応においては、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましく、かかる触媒としては、上記と同様のものが挙げられる。
かかる反応においては、イソシアネート基に対して反応する官能基を有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等の有機溶剤を用いることができる。
かかる反応の反応温度は、通常30〜100℃、好ましくは40〜90℃であり、反応時間は、通常2〜10時間、好ましくは3〜8時間である。
かくして得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)の重量平均分子量としては、通常500〜50,000であることが好ましく、更には500〜30,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が小さすぎると硬化収縮が大きく硬化樹脂層の硬度や耐擦傷性等の物性が低下する傾向があり、大きすぎると高粘度となり取り扱い性が低下する傾向がある。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)の60℃における粘度は、500〜15万mPa・sであることが好ましく、特には500〜12万mPa・s、更には1,000〜10万mPa・sであることが好ましい。かかる粘度が上記範囲外では塗工性が低下する傾向がある。
尚、粘度の測定法はE型粘度計による。
尚、粘度の測定法はE型粘度計による。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)としては、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)及び/又はウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)を用いることが好ましいが、防汚性能に優れる点で、ウレタン(メタ)アクリレート(B1−1)を用いることが特に好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)および(B1−2)を併用する場合には、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−1)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1−2)の含有割合(重量比)は、好ましくは(B1−1)/(B1−2)=5/95〜95/5、特に好ましくは(B1−1)/(B1−2)=20/80〜80/20である。
次に、下記一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物(B2)について説明する。
上記一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物(B2)は、その構造中に、X3で示されるフッ素原子含有構造部位、および(メタ)アクリロイル基を含有することを特徴とするものであり、かかる構造を有することによりウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)と併用した際に優れた防汚性能を発揮することが可能となる。特にX4がオキシアルキレン基である場合には、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)との相溶性が特に向上し好ましい。
一般式(1)中のR1〜R4は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。
一般式(1)中のX1はアルキレン基であり、アルキレン基の炭素数としては、通常1〜12、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
一般式(1)中のX2はアリーレン基であり、アリーレン基の炭素数としては、通常6〜12、好ましくは6である。具体的には、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
一般式(1)中のX3は、下記一般式(2)または(3)で示されるフッ素原子含有置換基である。
なお、反応性フッ素含有化合物(B2)において、aが2以上の場合には、一般式(2)、(3)で示される置換基を両方含むものであってもよいし、一方のみを含むものであってもよい。
一般式(1)中のX4は、アルキレン基またはオキシアルキレン基である。
アルキレン基の炭素数としては、通常1〜12、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
アルキレン基の炭素数としては、通常1〜12、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
オキシアルキレン基の場合には、下記一般式(7)で示される構造であればよく、nが2以上のポリオキシアルキレン基の場合は、同一オキシアルキレン鎖のホモ重合体でもよいし、相異なるオキシアルキレン鎖がランダム或いはブロック状に共重合したものでもよい。
一般式(7)中のYはアルキレン基であり、アルキレン基の炭素数としては、通常1〜12、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
一般式(7)中のnは1以上の整数であり、好ましくは1〜30、特に好ましくは2〜20、更に好ましくは5〜15である。
一般式(1)中のX5はアルキレン基であり、アルキレン基の炭素数としては、通常1〜12、好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
一般式(1)中のX6は水素原子またはエステル結合残基である。
エステル結合残基としては、一価の飽和炭化水素基またはアリール基等が挙げられる。
一価の飽和炭化水素基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20のものが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基等の直鎖アルキル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐アルキル基、クロヘキシル基、イソボニル基、ジシクロペンタニル基等の脂環式アルキル基等が挙げられる。
アリール基としては、通常炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15のものが挙げられる。具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
エステル結合残基としては、一価の飽和炭化水素基またはアリール基等が挙げられる。
一価の飽和炭化水素基としては、通常炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20のものが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基等の直鎖アルキル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐アルキル基、クロヘキシル基、イソボニル基、ジシクロペンタニル基等の脂環式アルキル基等が挙げられる。
アリール基としては、通常炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15のものが挙げられる。具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
また、上記X1、X2、X4、X5、X6は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、メルカプト基、スルファニル基、ビニル基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。なお、かかる置換基が炭素原子を有する場合には、該炭素原子は上記X1、X2、X4、X5、X6の説明中で規定している炭素数には含めないものとする。
一般式(1)中、a、bはそれぞれ1〜30の整数であり、c、dはそれぞれ0〜60の整数である。更に、
aと(b+c+d)との割合は、0.1≦a/(b+c+d)≦10であることが好ましく、特に好ましくは0.1≦a/(b+c+d)≦8であり、
cと(b+c)との割合は、0≦c/(b+c)<0.95であることが好ましく、特に好ましくは0≦c/(b+c)<0.9であり、
dと(a+b+c)との割合は、0≦d/(a+b+c)≦5であることが好ましく、特に好ましくは0≦d/(a+b+c)≦3である。
aと(b+c+d)との割合は、0.1≦a/(b+c+d)≦10であることが好ましく、特に好ましくは0.1≦a/(b+c+d)≦8であり、
cと(b+c)との割合は、0≦c/(b+c)<0.95であることが好ましく、特に好ましくは0≦c/(b+c)<0.9であり、
dと(a+b+c)との割合は、0≦d/(a+b+c)≦5であることが好ましく、特に好ましくは0≦d/(a+b+c)≦3である。
なお、一般式(1)中のa〜dが2以上の整数である場合は、一般式(1)中の[ ]で括られた各構造部位は、同一構造の繰り返しでもよいし、異なる構造の繰り返しであってもよい。
反応性フッ素含有化合物(B2)の重量平均分子量は、通常1,000〜100,000であり、好ましくは2,500〜40,000、特に好ましくは3,000〜30,000である。
反応性フッ素含有化合物(B2)の製造方法については、公知一般のフッ素含有化合物の製造方法に従えばよく、例えば、特開2010−47680号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
反応性フッ素含有化合物(B2)の含有量は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)100重量部に対して0.5〜500重量部であることが好ましく、特に好ましくは1〜200重量部、更に好ましくは2〜100重量部である。かかる含有量が多すぎると相溶性が低下し相分離を起こしたり硬化樹脂層が白濁したりする傾向があり、少なすぎると防汚性能が充分に発揮されなくなる傾向がある。
本発明においては、更に酸化アルミニウム(B3)及び(メタ)アクリレート系化合物(B4)を含有させるものであり、特に耐擦傷性に効果を発揮させることができる。
かかる酸化アルミニウム(B3)としては、積層体のヘイズの点で、平均粒径50nm以下の酸化アルミニウムを用いることが好ましく、特には45nm以下、更には40nm以下であることが好ましい。平均粒径が大きすぎると透明性が低下する傾向がある。なお、平均粒径の下限値は通常1nmである。
酸化アルミニウム(B3)の含有量は、上記ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましく、特には0.2〜5重量部、更には0.3〜2重量部であることが好ましい。酸化アルミニウム(B3)の含有量が少なすぎると耐擦傷性が低下する傾向があり、多すぎると透明性が低下する傾向がある。
上記の(メタ)アクリレート系化合物(B4)は、酸化アルミニウム(B3)を分散させることができるものであればよいが、とりわけ、表面硬度の点で、多官能(メタ)アクリレート系化合物であることが好ましく、特には、酸化アルミニウムの良好な分散性を発現する点で、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
かかるポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、アルキレングリコールの繰り返し単位数は2〜10が好ましく、特には3〜5が好ましい。中でも、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、特にはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレート系化合物(B4)の含有量は、上記ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましく、特には0.2〜5重量部、更には0.3〜3重量部であることが好ましい。(メタ)アクリレート系化合物(B4)の含有量が少なすぎると透明性が低下する傾向があり、多すぎると表面硬度が低下する傾向がある。
本発明においては、上記成分(B1)〜(B4)に加え、更に、光重合開始剤(B5)を含有させるものであるが、上記の成分(B1)〜(B5)を含有させるに際して、その配合方法は、成分(B1)〜(B5)のうちのいくつかの任意の成分を先に配合した後、残りの成分を配合するなど適宜選択されるが、中でも、予め酸化アルミニウム(B3)と(メタ)アクリレート系化合物(B4)を配合しておくことが透明性の点で好ましい。
酸化アルミニウム(B3)を予め(メタ)アクリレート系化合物(B4)に配合しておく場合には、酸化アルミニウム(B3)の含有量は、酸化アルミニウム(B3)と(メタ)アクリレート系化合物(B4)の全量に対して、10〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは、20〜50重量%、更に好ましくは、25〜40重量%である。かかる含有量が少なすぎると表面硬度や耐擦傷性が低下する傾向にあり、多すぎると積層体の透明性が低下する傾向にある。
なお、酸化アルミニウム(B3)を予め(メタ)アクリレート系化合物(B4)に配合しておく場合は、酸化アルミニウム(B3)の分散性を向上させるために分散剤を配合することも可能であり、また、酸化アルミニウム(B3)の他に、更に酸化ケイ素などの金属酸化物を配合することも可能である。これらの補助成分の配合量は、酸化アルミニウム(B3)と(メタ)アクリレート系化合物(B4)の全量に対して、10重量%以下であることが好ましい。多すぎると積層体の透明性が低下する傾向にある。
更に、酸化アルミニウム(B3)を予め(メタ)アクリレート系化合物(B4)に配合しておく場合には、酸化アルミニウム(B3)と(メタ)アクリレート系化合物(B4)の合計量が、光硬化性組成物(ii)全量に対して、0.1〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%、更に好ましくは0.7〜3重量%、特に好ましくは0.8〜2重量%である。少なすぎると表面硬度や耐擦傷性が低下する傾向にあり、多すぎると積層体の透明性が低下する傾向にある。
本発明では、上記成分(B1)〜(B5)に加えて、更にエチレン性不飽和化合物(B6)[ただし、(B1)、(B2)及び(B4)を除く。]を含有することが、硬化樹脂層の硬度や耐擦傷性に優れる点で好ましい。
エチレン性不飽和化合物(B6)の含有量は、成分(B1)〜(B5)の全体に対して、0〜99重量%であることが好ましく、特に好ましくは25〜98重量%、殊に好ましくは50〜97重量%、更に好ましくは75〜96重量%である。エチレン性不飽和化合物(B6)の含有量が多すぎると充分な防汚性能が得られない傾向がある。なお、エチレン性不飽和化合物(B6)が少なすぎると硬化樹脂層の硬度や耐擦傷性が低下する傾向がある。
エチレン性不飽和化合物(B6)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B6−1)及び/又はエチレン性不飽和モノマー(B6−2)であることが好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B6−1)としては、下記一般式(6)で示されるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B6−1−1)であることが、様々な用途に用いた際にも要求される物性を付与しやすい点で好ましい。
上記一般式(6)で示されるウレタン(メタ)アクリレート(B6−1−1)は、ポリイソシアネート系化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物を反応させてなるものである。
上記一般式(6)中のaは2〜50の整数であればよく、好ましくは2〜20、特に好ましくは2〜10である。
かかるポリイソシアネート系化合物としては、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレート(B1−1)に関する説明の中で、ポリイソシアネート系化合物(x2)として例示したものと同様のもの、或いは、ポリイソシアネート系化合物(x2)とポリオール系化合物(x4)とを反応させたものが挙げられる。
かかる水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、上記ウレタン(メタ)アクリレート(B1−1)に関する説明の中で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)として例示したものと同様のものが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B6−1−1)の製造方法は、公知一般のウレタン(メタ)アクリレート系化合物の製造方法に準じて製造すればよい。例えば、上記ポリイソシアネート系化合物(x2)と同様のもの、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(x3)と同様のものを用いて、反応器に一括又は別々に仕込み反応させればよい。
なお、ポリイソシアネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物との反応モル比は、例えば、ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基が2個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物の水酸基が1個である場合は、ポリイソシアネート系化合物:水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物が1:2〜3程度であり、ポリイソシアネート系化合物のイソシアネート基が3個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物の水酸基が1個である場合は、ポリイソシアネート系化合物:水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物が1:3〜4程度である。
このポリイソシアネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基含有率が0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B6−1−1)が得られる。
上記で得られるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B6−1−1)中に含まれるエチレン性不飽和基の個数としては、2〜30であることが好ましく、特に好ましくは3〜20、更に好ましくは6〜15である。
エチレン性不飽和基の個数が少なすぎると硬化樹脂層の硬度や耐擦傷性が得られない傾向があり、多すぎると硬化樹脂層の硬化収縮が大きくなり基材密着性が低下したり、硬化樹脂層が脆くなったりする傾向がある。
エチレン性不飽和基の個数が少なすぎると硬化樹脂層の硬度や耐擦傷性が得られない傾向があり、多すぎると硬化樹脂層の硬化収縮が大きくなり基材密着性が低下したり、硬化樹脂層が脆くなったりする傾向がある。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B6−1)の重量平均分子量は、700〜50,000であることが好ましく、更には800〜30,000、特には1,000〜10,000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が小さすぎると、硬化樹脂層の硬度及び耐収縮性のバランスを保持させることが困難となったり、基材への濡れ性も低下したりする傾向があり、重量平均分子量が大きすぎると、2〜3官能の多官能性オリゴマーを用いた際に耐擦傷性や硬度を保持することが困難となる傾向がある。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B6−1)の60℃における粘度は、200〜15万mPa・sであることが好ましく、特には500〜12万mPa・s、更には500〜10万mPa・sであることが好ましい。かかる粘度が上記範囲外では硬化樹脂層を形成する際の塗工性が低下する傾向がある。
なお、粘度の測定法はE型粘度計による。
なお、粘度の測定法はE型粘度計による。
上記エチレン性不飽和モノマー(B6−2)としては、1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー(ただし、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B6−1)を除く)であればよく、例えば、単官能モノマー、2官能モノマー、3官能以上のモノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、エチレン性不飽和基を1つ含有するモノマーであればよく、例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフエステル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートモノエステル等が挙げられる。
また、前記の単官能モノマーの他にアクリル酸のミカエル付加物あるいは2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルも挙げられ、アクリル酸のミカエル付加物としては、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、メタクリル酸トリマー、アクリル酸テトラマー、メタクリル酸テトラマー等が挙げられる。また、特定の置換基をもつカルボン酸である2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルとしては、例えば2−アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。更に、オリゴエステルアクリレートも挙げられる。
2官能モノマーとしては、エチレン性不飽和基を2つ含有するモノマーであればよく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートジエステル等が挙げられる。
3官能以上のモノマーとしては、エチレン性不飽和基を3つ以上含有するモノマーであればよく、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらエチレン性不飽和モノマー(B6−2)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エチレン性不飽和モノマー(B6−2)としては、好ましくはエチレン性不飽和基を2つ以上含有するモノマーであり、高硬度の塗膜が得られる点で、更に好ましくはエチレン性不飽和基を3つ以上含有するモノマーである。
具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートであることが高硬度の硬化樹脂層を得るために好ましい。
エチレン性不飽和化合物(B6)として、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B6−1)とエチレン性不飽和モノマー(B6−2)を併用する場合の(B6−1)および(B6−2)の含有割合(重量比)としては、(B6−1):(B6−2)=5:95〜95:5であることが好ましく、特に好ましくは(B6−1):(B6−2)=20:80〜80:20である。
本発明で用いられる光重合開始剤(B5)としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;等が挙げられる。なお、これら光重合開始剤(B5)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、これらの助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
光重合開始剤(B5)の含有量は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)、反応性フッ素含有化合物(B2)、および、必要に応じて使用するエチレン性不飽和化合物(B6)の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜8重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。かかる含有量が少なすぎると紫外線硬化の場合の硬化速度が極めて遅くなる傾向があり、多すぎても硬化性は向上せず非効率である。
また、本発明においては、上記(B1)〜(B5)成分の他に、フィラー、電解質塩、染顔料、油、可塑剤、ワックス類、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、ゲル化剤、安定剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、補強剤、艶消し剤、架橋剤等を配合することも可能である。
これらのほかに、硬化樹脂層の硬化収縮率を抑える目的で、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステルウレタン樹脂、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、アクリル樹脂類、アルキッド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体、ポリジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類やニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体の如き高分子を配合してもよい。
かくして本発明で用いる、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)、上記一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物(B2)、酸化アルミニウム(B3)、(メタ)アクリレート系化合物(B4)、光重合開始剤(B5)、好ましくは更にエチレン性不飽和化合物(B6)を含有する光硬化性組成物(ii)が得られる。
かかる光硬化性組成物(ii)は、必要に応じて、有機溶剤を配合し、粘度を調整して使用することも可能であり、通常10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%に希釈し、基材に塗布することができる。
かかる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、トルエン、キシレン等の芳香族類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ジアセトンアルコール等が挙げられる。これら上記の有機溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明の光硬化性組成物(ii)を製造するにあたり、ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)、上記一般式(1)で示される反応性フッ素含有化合物(B2)、酸化アルミニウム(B3)、(メタ)アクリレート系化合物(B4)、光重合開始剤(B5)、好ましくは更にエチレン性不飽和化合物(B6)の配合方法については、例えば、各々別途製造された(B1)〜(B6)成分を種々の順序で配合してもよいし、まず(B1)と(B6)を同じ反応系で製造した後に、次いで残りの成分を配合してもよい。酢酸エチル、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤を使用する場合は、有機溶剤を上記混合物に添加してもよいし、それぞれの組成物を有機溶剤に溶解した後に混合してもよい。
また、上述したように、(B3)を予め(B4)に配合し良好な分散液とした状態で、残りの成分を配合することが好ましい。
これらの中でも、(B1)、(B2)、(B6)を配合した後に、(B3)を予め(B4)に配合した分散液を配合し、最後に(B5)を加える方法が好ましく用いられる。
また、上述したように、(B3)を予め(B4)に配合し良好な分散液とした状態で、残りの成分を配合することが好ましい。
これらの中でも、(B1)、(B2)、(B6)を配合した後に、(B3)を予め(B4)に配合した分散液を配合し、最後に(B5)を加える方法が好ましく用いられる。
本発明において、光硬化性組成物(ii)は、上記の樹脂成形体[I]の少なくとも片面に、塗工した後(有機溶剤で希釈した組成物を塗工した場合には、さらに乾燥させた後)、活性エネルギー線を照射することにより硬化樹脂層[II]として硬化される。塗工方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー、シャワー、ディッピング、ロール、スピン、スクリーン印刷等のようなウェットコーティング法が挙げられる。
硬化樹脂層[II]の硬化後の膜厚としては、通常1〜50μmであることが好ましく、特には3〜30μmであることが好ましい。
かかる活性エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。
紫外線照射により硬化させる方法としては、150〜450nmの波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極ランプ等を用いて、100〜3,000mJ/cm2 程度照射すればよい。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
かくして、樹脂成形体[I]の少なくとも片面に、硬化樹脂層[II]が形成される。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
かくして、樹脂成形体[I]の少なくとも片面に、硬化樹脂層[II]が形成される。
本発明においては、樹脂成形体[I]と硬化樹脂層[II]の間に、下記成分(C1)、(C2)、(C3)及び(C4)を含有する光硬化性組成物(iii )を硬化してなる硬化樹脂層[III ]が形成されていることが、樹脂成形体[I]と硬化樹脂層[II]との密着性を向上させる点で好ましい。
(C1)アクリル系樹脂
(C2)リン酸基含有エチレン性不飽和化合物
(C3)エチレン性不飽和基を2個以上含有する不飽和化合物〔但し(C2)のリン酸基含有エチレン性不飽和化合物を除く。)
(C4)光重合開始剤
(C1)アクリル系樹脂
(C2)リン酸基含有エチレン性不飽和化合物
(C3)エチレン性不飽和基を2個以上含有する不飽和化合物〔但し(C2)のリン酸基含有エチレン性不飽和化合物を除く。)
(C4)光重合開始剤
〔アクリル系樹脂(C1)〕
本発明におけるアクリル系樹脂(C1)とは、(メタ)アクリル系モノマーを含有するモノマー成分を重合してなるものであり、1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
アクリル系樹脂(C1)は、好ましくは、重合成分として、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(c1)を主成分として含有し、必要に応じて、官能基含有モノマー(c2)、その他の共重合性モノマー(c3)を共重合成分とすることもできる。
本発明におけるアクリル系樹脂(C1)とは、(メタ)アクリル系モノマーを含有するモノマー成分を重合してなるものであり、1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
アクリル系樹脂(C1)は、好ましくは、重合成分として、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(c1)を主成分として含有し、必要に応じて、官能基含有モノマー(c2)、その他の共重合性モノマー(c3)を共重合成分とすることもできる。
かかる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(c1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の脂肪族系(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、(メタ)アクリル酸フェニルエステル等の芳香族系(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが挙げられる。
かかる脂肪族系(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、例えば、アルキル基の炭素数が、通常1〜12、特に好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8である(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
かかる、脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
かかる、脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香族系(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
かかる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(c1)の中でも、共重合性、硬化樹脂層の強度に優れる点、取り扱いやすさ及び原料入手しやすさの点で、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましく用いられ、特に好ましくはメチル(メタ)アクリレートである。
官能基含有モノマー(c2)としては、例えば、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、アルコキシ基又はフェノキシ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、窒素含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の1級水酸基含有モノマー;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;2,2−ジメチル−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有モノマーが挙げられる。
また、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコール誘導体、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマーを用いてもよい。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、アクリルアミドN−グリコール酸、ケイ皮酸、(メタ)アクリル酸のミカエル付加物(例えば、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、メタクリル酸トリマー、アクリル酸テトラマー、メタクリル酸テトラマー等)、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステル(例えば、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等)等が挙げられる。なお、かかるカルボキシル基含有モノマーは、酸のまま用いても良いし、アルカリで中和された塩の形で用いても良い。
上記アルコキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の脂肪族系の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
上記アミド基含有モノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−(n−ブトキシアルキル)アクリルアミド、N−(n−ブトキシアルキル)メタクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アクリルアミド−3−メチルブチルメチルアミン、ジメチルアミノアルキルアクリルアミド、ジメチルアミノアルキルメタクリルアミド等が挙げられる。
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートやその4級化物等が挙げられる。
上記窒素含有モノマーとしては、例えば、アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、例えばポリエチレングリコールモノメタクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM100」や「Sipomer PAM4000」等)、ポリエチレングリコールモノアクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「SipomerPAM5000」等)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM200」等)、ポリプロピレングリコールモノアクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM300」等)等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートのリン酸エステル、例えばリン酸メチレン(メタ)アクリレート、リン酸トリメチレン(メタ)アクリレート、リン酸プロピレン(メタ)アクリレート、リン酸テトラメチレン(メタ)アクリレート等のリン酸アルキレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸あるいはその塩等が挙げられる。
これら官能基含有モノマー(c2)は1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
これら官能基含有モノマー(c2)は1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
その他の共重合性モノマー(c3)としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等のモノマーが挙げられる。
また、高分子量化を目的とする場合、エチレングリコールジ(メタ) アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等のエチレン性不飽和基を二つ以上有する化合物等を併用することもできる。
アクリル系樹脂(C1)において、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(c1)、官能基含有モノマー(c2)、およびその他共重合性モノマー(c3)の含有割合は、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(c1)が好ましくは10〜100重量%、特に好ましくは20〜95重量%、官能基含有モノマー(c2)が好ましくは0〜90重量%、特に好ましくは5〜80重量%、その他共重合性モノマー(c3)が好ましくは0〜50重量%、特に好ましくは0〜40重量%である。
本発明におけるアクリル系樹脂(C1)としては、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合成分とする重合体であることが好ましく、特にメチル(メタ)アクリレートを重合成分とする重合体であることが好ましく、さらにはメチルメタリレートを重合成分とする重合体であることが好ましく、さらに特にはポリメチルメタクリレートであることが、硬化樹脂層の強度に優れる点で好ましい。
アクリル系樹脂(C1)の重合に際しては、例えば、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合などの従来公知の方法を採用することができる。例えば、有機溶媒中に、上記(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(c1)、官能基含有モノマー(c2)、その他の共重合性モノマー(c3)等の重合モノマー、重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、過酸化ベンゾイル等)を混合あるいは滴下し、還流状態あるいは50〜90℃で2〜20時間重合する。
アクリル系樹脂(C1)のガラス転移温度(Tg)は、通常、0〜180℃、好ましくは15〜175℃、特に好ましくは50〜130℃である。かかるガラス転移温度が高すぎると硬化物の熱収縮の緩和作用が低下する傾向があり、低すぎると硬化物の熱耐久性が低下する傾向がある。
かくして得られるアクリル系樹脂(C1)の重量平均分子量については、通常、1万〜50万、好ましくは1万〜10万である。
かかる重量平均分子量が大きすぎると硬化樹脂層の強度が低下する傾向があり、小さすぎるとガラス基材やプラスチック基材等の各種基材との密着性や硬化樹脂層の外観性が低下する傾向がある。
かかる重量平均分子量が大きすぎると硬化樹脂層の強度が低下する傾向があり、小さすぎるとガラス基材やプラスチック基材等の各種基材との密着性や硬化樹脂層の外観性が低下する傾向がある。
また、アクリル系樹脂(C1)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、通常、1〜4、好ましくは1.5〜2.5である。
なお、上記の重量平均分子量、数平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算によるものであり、高速液体クロマトグラフィー(日本Waters社製、「Waters2695(本体)」と「Waters2414(検出器)」)に、カラム:ShodexGPCKF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定されるもので、また分散度は重量平均分子量と数平均分子量より求められる。またガラス転移温度はFoxの式より算出されるものである。
〔リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)〕
本発明におけるリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)とは、1分子内にリン酸基を1個以上、好ましくは1〜5個含有し、かつエチレン性不飽和基を1個以上、好ましくは1〜3個含有する不飽和化合物である。リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)は、1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
本発明におけるリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)とは、1分子内にリン酸基を1個以上、好ましくは1〜5個含有し、かつエチレン性不飽和基を1個以上、好ましくは1〜3個含有する不飽和化合物である。リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)は、1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート(例えば、共栄社化学社製「ライトアクリレートP−1A」等)、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(例えば、共栄社化学社製「ライトアクリレートP−2A」等)、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート(例えば、共栄社化学社製「ライトエステルP−1M」等)、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート(例えば、共栄社化学社製「ライトエステルP−2M」、エターナルケミカル社製「EM39」、日本化薬社製「KAYAMER PM−2」等)、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの6−ヘキサノリド付加物と無水リン酸との反応生成物(例えば、日本化薬社製「KAYAMER PM−21」等)、トリスアクリロイルオキシエチルホスフェート(例えば、大阪有機化学工業社製「ビスコート#3PA」等)、トリスメタアクリロイルオキシエチルホスフェート(例えば、大阪有機化学工業社製「ビスコート#3PMA」等)、ポリエチレングリコールモノメタクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製の「Sipomer PAM100」や「Sipomer PAM4000」等)、ポリエチレングリコールモノアクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製「SipomerPAM5000」等)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製「Sipomer PAM200」等)、ポリプロピレングリコールモノアクリレートのリン酸エステル(例えば、ローディア日華社製「Sipomer PAM300」等)のようなポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートのリン酸エステル、リン酸メチレン(メタ)アクリレート、リン酸トリメチレン(メタ)アクリレート、リン酸プロピレン(メタ)アクリレート、リン酸テトラメチレン(メタ)アクリレート等のリン酸アルキレン(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのリン酸エステルは、モノエステル、ジエステル、トリエステルのうち、1種又は2種以上を併せて用いることができる。
また、ビニルホスホン酸、ジメチルビニルホスホン酸、ジエチルビニルホスホン酸、ジイソプロピルビニルホスホン酸、ジイソブチルビニルホスホン酸、ジブチルビニルホスホン酸、フェニルビニルホスホン酸、p−ビニルベンゼンホスホン酸等のホスホン酸基含有モノエチレン性不飽和化合物、ジビニルホスホン酸、ビス(ジエチルビニル)ホスホン酸、ビス(ジメチルビニル)ホスホン酸、ビス(ジイソプロピルビニル)ホスホン酸、(ジイソブチルビニル)ホスホン酸、(ジブチルビニル)ホスホン酸、ビス(フェニルビニル)ホスホン酸等のホスホン酸基含有ジエチレン性不飽和化合物が挙げられる。これらのビニル化合物は1種又は2種以上を併せて用いることができる。
リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)としては、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートが好ましく、これら化合物のうち1種又は2種を併せて用いることができる。
リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)の含有量は、アクリル系樹脂(C1)100重量部(固形分換算)に対して、通常、0.1〜30重量部であり、0.1〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部である。
リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)の含有量が多すぎると樹脂成形体[I]との基材密着性や硬化樹脂層の強度が低下する傾向があり、少なすぎても基材密着性が低下する傾向がある。
リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)の含有量が多すぎると樹脂成形体[I]との基材密着性や硬化樹脂層の強度が低下する傾向があり、少なすぎても基材密着性が低下する傾向がある。
〔エチレン性不飽和基を2個以上含有する不飽和化合物(C3)〕
本発明におけるエチレン性不飽和基を2個以上含有する不飽和化合物(C3)(以下、「多官能不飽和化合物(C3)」と記すことがある。)とは、1分子内にエチレン性不飽和基を2個以上、好ましくは2〜15個、特に好ましくは3〜6個含有し、かつ前述の(C2)成分であるリン酸基含有エチレン性不飽和化合物を除くものである。多官能不飽和化合物(C3)は1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。例えば、2官能モノマー、3官能以上のモノマーや、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物等を用いることができる。
本発明におけるエチレン性不飽和基を2個以上含有する不飽和化合物(C3)(以下、「多官能不飽和化合物(C3)」と記すことがある。)とは、1分子内にエチレン性不飽和基を2個以上、好ましくは2〜15個、特に好ましくは3〜6個含有し、かつ前述の(C2)成分であるリン酸基含有エチレン性不飽和化合物を除くものである。多官能不飽和化合物(C3)は1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。例えば、2官能モノマー、3官能以上のモノマーや、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物等を用いることができる。
上記2官能モノマーは、エチレン性不飽和基を2個含有するモノマーであり、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート等が挙げられる。
上記3官能以上のモノマーは、エチレン性不飽和基を3個以上含有するモノマーであり、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート系化合物であり、水酸基を含有する(メタ)アクリル系化合物とポリイソシアネート系化合物(必要に応じて、ポリオール系化合物)を、公知一般の方法により反応させて得られるものが挙げられ、その重量平均分子量が、通常300〜50,000のものが挙げられる。
本発明における多官能不飽和化合物(C3)としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましく、硬化樹脂層の強度に優れる点で特に好ましくはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの混合物である。
多官能不飽和化合物(C3)の含有量は、アクリル系樹脂(C1)100重量部(固形分換算)に対して、通常、10〜900重量部であり、10〜500重量部であることが好ましく、特に好ましくは15〜300重量部、さらに好ましくは20〜150重量部、殊に好ましくは30〜100重量部である。
多官能不飽和化合物(C3)の含有量が多すぎると樹脂成形体[I]との密着性が低下する傾向があり、少なすぎると硬化樹脂層の強度が低下する傾向がある。
多官能不飽和化合物(C3)の含有量が多すぎると樹脂成形体[I]との密着性が低下する傾向があり、少なすぎると硬化樹脂層の強度が低下する傾向がある。
本発明で用いる光重合開始剤(C4)としては、例えば、上記の光重合開始剤(B5)で例示したものと同様のものが挙げられる。
また、これらの助剤としても、上記の光重合開始剤(B5)の助剤として例示したものと同様のものが挙げられる。
また、これらの助剤としても、上記の光重合開始剤(B5)の助剤として例示したものと同様のものが挙げられる。
これらの中でも、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを用いることが好ましい。
光重合開始剤(C4)の含有量としては、(C2)成分と(C3)成分の合計を100重量部(固形分換算)としたときに、0.1〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは1〜18重量部、殊に好ましくは2〜15重量部である。
光重合開始剤(C4)の含有量が少なすぎると、硬化不良となる傾向があり、多すぎると硬度等の機械的物性が低下する傾向があったり、脆化や着色の問題が起こりやすい傾向がある。
光重合開始剤(C4)の含有量が少なすぎると、硬化不良となる傾向があり、多すぎると硬度等の機械的物性が低下する傾向があったり、脆化や着色の問題が起こりやすい傾向がある。
本発明で用いる光硬化性組成物(iii )は、上記アクリル系樹脂(C1)、リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)、多官能不飽和化合物(C3)、光重合開始剤(C4)を含有するものであるが、更にシランカップリング剤(C5)を含有させることもできる。
〔シランカップリング剤(C5)〕
シランカップリング剤(C5)としては、例えば、エポキシ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤、水酸基含有シランカップリング剤、カルボキシル基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、アミド基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤等を挙げることができ、中でも(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤が好適である。これらは1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
シランカップリング剤(C5)としては、例えば、エポキシ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤、水酸基含有シランカップリング剤、カルボキシル基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、アミド基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤等を挙げることができ、中でも(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤が好適である。これらは1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトメチルジメトキシシラン、3−メルカプトトリエトキシシランが挙げられ、好ましくは3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
シランカップリング剤(C5)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部(固形分換算)に対して、通常、0.1〜30重量部であり、0.1〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部である。シランカップリング剤(C5)の含有量が多すぎると硬化樹脂層の強度や外観性が低下する傾向があり、少なすぎると樹脂成形体[I]との基材密着性が低下する傾向がある。
本発明で用いる光硬化性組成物(iii )には、さらに、フィラー、電解質塩、染顔料、油、可塑剤、ワックス類、乾燥剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、ゲル化剤、安定剤、消泡剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、難燃剤、充填剤、補強剤、艶消し剤、架橋剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含有させることも可能である。また、帯電防止性や導電性を付与するため、リチウム塩等の金属塩、金属酸化物等の導電性フィラー、導電性高分子、帯電防止剤等を含有させることも可能である。
但し、本発明で用いる光硬化性組成物(iii )は、シリカ等の無機微粒子を含有しないことが硬化樹脂層の透明性や、光硬化性組成物(iii )の安定性や相溶性の点で好ましい。
但し、本発明で用いる光硬化性組成物(iii )は、シリカ等の無機微粒子を含有しないことが硬化樹脂層の透明性や、光硬化性組成物(iii )の安定性や相溶性の点で好ましい。
本発明で用いる光硬化性組成物(iii )は、必要に応じて、有機溶剤を含有させ、粘度を調整して使用することも可能である。かかる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、トルエン、キシレン等の芳香族類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ジアセトンアルコール等が挙げられる。これら有機溶剤は、1種を単独で又は2種以上を併せて用いることができる。
2種以上を併用する場合は、酢酸エチルと酢酸ブチル等の酢酸エステル類同士の組み合わせや、酢酸エチルと酢酸ブチル等の酢酸エステル類同士とトルエン等の芳香族類の組み合わせ、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等のケトン類とメタノールやプロピルアルコール等のアルコール類の組み合わせ、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等のケトン類とメタノールやプロピルアルコール等のアルコール類とトルエン等の芳香族類の組み合わせ等が、硬化樹脂層の外観の点で好ましい。
本発明で用いる光硬化性組成物(iii )は、上記有機溶剤を用いて、通常10〜60重量%、好ましくは20〜40重量%に希釈し、塗布することができる。
本発明の光硬化性組成物(iii )を製造するにあたり、アクリル系樹脂(C1)、リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)、多官能不飽和化合物(C3)、光重合開始剤(C4)、好ましくは更にシランカップリング剤(C5)を混合する方法については、種々の方法を採用することができる。
例えば、アクリル系樹脂(C1)と多官能不飽和化合物(C3)を混合し、リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)を追加した後、シランカップリング剤(C5)を加え、最後に光重合開始剤(C4)を加える方法が挙げられ、好ましくは、酢酸エチル、トルエンなどの有機溶剤にアクリル系樹脂(C1)と多官能不飽和化合物(C3)を溶解させた溶液を調製し、有機溶剤に溶解させたリン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)と混合し、さらにシランカップリング剤(C5)と光重合開始剤(C4)をこの順序で混合する方法が採用される。
本発明においては、上記光硬化性組成物(iii )を上記の樹脂成形体[I]に塗工した後、活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができ、樹脂成形体[I]の上に硬化樹脂層[III ]が形成される。そして、硬化樹脂層[III ]の上に、上記の硬化樹脂層[II]が形成されることとなり、樹脂成形体[I]と硬化樹脂層[II]とが強固にされることとなる。
なお、この場合には、硬化樹脂層[III ]が樹脂成形体[I]上に形成された後に、その上に光硬化性組成物(ii)を塗工し硬化して硬化樹脂層[II]を形成することが好ましく、硬化樹脂層[II]の形成に当たっては、上記の樹脂成形体[I]上に硬化樹脂層[II]を形成する場合の方法に準じて行うことができる。
上記塗工方法としては、例えば、スプレー、シャワー、ディッピング、フローコート、グラビアコート、ロール、スピン、スクリーン印刷等のようなウェットコーティング法が挙げられる。
かかる活性エネルギー線としては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。
紫外線照射により硬化させる方法としては、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、LED等を用いて、30〜3,000mJ/cm2 程度照射する方法が挙げられる。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
硬化樹脂層[III ]の硬化後の膜厚としては、通常0.1〜30μmであることが好ましく、特には1〜20μmであることが好ましい。かかる膜厚が厚すぎると、沸騰水浸漬試験等の熱負荷が大きくかかる耐久性試験において硬化樹脂層[III ]の熱収縮が大きくなり、基材に対する密着性が低下する傾向がある。一方、薄すぎると、紫外線硬化膜として目的とする表面硬度が得られない傾向がある。
かくして本発明において、樹脂成形体[I]に硬化樹脂層[II]が形成された積層体、或いは樹脂成形体[I]上に硬化樹脂層[III ]を介して更に硬化樹脂層[II]が形成された積層体が得られる。
本発明の積層体の硬化樹脂層[II]表面の鉛筆硬度は、保護シートの耐久性の点から、6H以上であることが好ましい。鉛筆硬度は、より好ましくは7H以上、特に好ましくは8H以上である。かかる鉛筆硬度を上記範囲に調整するに当たっては、上述した硬化樹脂層[II]の種類や成分の配合量を適宜コントロールする手法が挙げられる。
本発明の積層体のヘイズは、保護シートやタッチパネル透明性の点から、1%以下であることが好ましい。ヘイズは、より好ましくは0.8%以下、特に好ましくは0.7%以下である。かかるヘイズを上記範囲に調整するに当たっては、上述した硬化樹脂層[II]の種類や成分の配合量を適宜コントロールする手法が挙げられる。
本発明の積層体は、硬化樹脂層[II]の反対面に粘着剤層を形成し、粘着層付き保護シートとすることができる。粘着剤層の材料は特に限定されず、アクリル系やシリコーン系の粘着剤が適宜使用される。
また、本発明の積層体は、硬化樹脂層[II]の反対面に透明導電膜を形成し、タッチパネルの基板とすることができる。透明電極の材料は特に限定されず、例えば、ITOやIGZOなどの無機系導電膜、PEDOTなどの有機系導電膜が挙げられる。透明導電膜の表面抵抗値は、1000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは10〜900Ω/□以下、更に好ましくは200〜800Ω/□以下である。かかる表面抵抗値が高すぎると導電性が不足する傾向がある。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
また、下記の通り評価を行った。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
また、下記の通り評価を行った。
(1)防汚性
(インキ拭き取り性)
樹脂成形体の表面に青マジックインキで線を引いて、24時間放置した後、ウエスにより拭き取った後の外観を目視で観察し、以下の通り評価した。
○・・・きれいに拭き取れる
△・・・拭き取れるものの線の跡が残る
×・・・拭き取れない
(インキはじき性)
樹脂成形体の表面に青マジックインキで線を引いて、マジックインキの跡を目視で観察し、以下の通り評価した。
○・・・インクをはじいており、線の跡が点状になる
△・・・インクをはじいており、線の跡が細くなる
×・・・インクをはじかない
(インキ拭き取り性)
樹脂成形体の表面に青マジックインキで線を引いて、24時間放置した後、ウエスにより拭き取った後の外観を目視で観察し、以下の通り評価した。
○・・・きれいに拭き取れる
△・・・拭き取れるものの線の跡が残る
×・・・拭き取れない
(インキはじき性)
樹脂成形体の表面に青マジックインキで線を引いて、マジックインキの跡を目視で観察し、以下の通り評価した。
○・・・インクをはじいており、線の跡が点状になる
△・・・インクをはじいており、線の跡が細くなる
×・・・インクをはじかない
(2)表面硬度
JIS K 5600−5−4に準じて、積層体の硬化樹脂層[II]側表面の鉛筆硬度を測定した。
JIS K 5600−5−4に準じて、積層体の硬化樹脂層[II]側表面の鉛筆硬度を測定した。
(3)透明性
日本電色社製のヘイズメーター「NDH−2000」を用いて、ヘイズ(%)を測定した。
日本電色社製のヘイズメーター「NDH−2000」を用いて、ヘイズ(%)を測定した。
(4)密着性
JIS K 5400(1990年版)に準じて碁盤目テープ法により密着性評価を行った。
JIS K 5400(1990年版)に準じて碁盤目テープ法により密着性評価を行った。
(5)耐擦傷性
500gの荷重をかけたスチールウール#0000を、硬化塗膜表面で300回往復させた後の表面の傷付き度合いを目視により観察し、以下の通り評価した。
○・・・全く傷が付かないもの
△・・・わずかに傷が付いたもの
×・・・傷が付いて白化したもの
500gの荷重をかけたスチールウール#0000を、硬化塗膜表面で300回往復させた後の表面の傷付き度合いを目視により観察し、以下の通り評価した。
○・・・全く傷が付かないもの
△・・・わずかに傷が付いたもの
×・・・傷が付いて白化したもの
<実施例1>
[光硬化性組成物(i−1)の調製]
多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A1)として6官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製「UV7600B」)10部、脂環骨格多官能(メタ)アクリレート(A2)としてビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート(新中村化学社製「DCP」)90部、光重合開始剤(A3)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製「Irgacure184」)1部を、60℃にて均一になるまで撹拌した後、50μmのフィルターで濾過して光硬化性組成物(i−1)を得た。
[光硬化性組成物(i−1)の調製]
多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A1)として6官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製「UV7600B」)10部、脂環骨格多官能(メタ)アクリレート(A2)としてビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート(新中村化学社製「DCP」)90部、光重合開始剤(A3)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製「Irgacure184」)1部を、60℃にて均一になるまで撹拌した後、50μmのフィルターで濾過して光硬化性組成物(i−1)を得た。
[樹脂成形体[I]の作製]
2枚の光学研磨ガラスを対向させ、厚さ0.2mmのシリコン板をスペーサーとした成形型に、光硬化性組成物(i−1)を23℃で注液し、メタルハライドランプを用いて、両面から光量20J/cm2 で紫外線を照射した。脱型して得られた樹脂シートを、150℃の真空オーブン中で2時間加熱して、長さ400mm、幅300mm、厚さ0.2mmの樹脂成形体[I]を得た。得られた樹脂成形体[I]の鉛筆硬度は5H、ヘイズは0.1%であった。
2枚の光学研磨ガラスを対向させ、厚さ0.2mmのシリコン板をスペーサーとした成形型に、光硬化性組成物(i−1)を23℃で注液し、メタルハライドランプを用いて、両面から光量20J/cm2 で紫外線を照射した。脱型して得られた樹脂シートを、150℃の真空オーブン中で2時間加熱して、長さ400mm、幅300mm、厚さ0.2mmの樹脂成形体[I]を得た。得られた樹脂成形体[I]の鉛筆硬度は5H、ヘイズは0.1%であった。
[ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)の製造]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(y2)(イソシアネート基含有量21.0%)90.6g、一般式(5)で示されるポリシロキサン系化合物(y1)(R1 =−C2H4OC3H6−、R2 =メチル基、R3 =−C3H6OC2H4−、a=9、b=1、c=1、水酸基価120mgKOH/g)70.6g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(y3)〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートアクリレートの混合物(水酸基価50mgKOH/g)〕169.4g、ジブチルスズジラウリレート0.10g、メチルエチルケトン500gを仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネート基が0.76%となった時点で、更に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(y3)〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価50mgKOH/g)〕169.4g、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール0.4gを約1時間かけて滴下し、そのまま反応を継続し、イソシアネート基が消失した時点で反応を終了し、ポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)溶液を得た(固形分濃度50%)。
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(y2)(イソシアネート基含有量21.0%)90.6g、一般式(5)で示されるポリシロキサン系化合物(y1)(R1 =−C2H4OC3H6−、R2 =メチル基、R3 =−C3H6OC2H4−、a=9、b=1、c=1、水酸基価120mgKOH/g)70.6g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(y3)〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートアクリレートの混合物(水酸基価50mgKOH/g)〕169.4g、ジブチルスズジラウリレート0.10g、メチルエチルケトン500gを仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネート基が0.76%となった時点で、更に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(y3)〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価50mgKOH/g)〕169.4g、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール0.4gを約1時間かけて滴下し、そのまま反応を継続し、イソシアネート基が消失した時点で反応を終了し、ポリシロキサン基含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)溶液を得た(固形分濃度50%)。
[反応性フッ素含有化合物(B2)の調整]
反応性フッ素含有化合物として、表1に示される(B2)を用意した(重量平均分子量:20,000)。
反応性フッ素含有化合物として、表1に示される(B2)を用意した(重量平均分子量:20,000)。
[光硬化性組成物(ii)の調整]
酸化アルミニウム(B3)と(メタ)アクリレート系化合物(B4)とからなる分散液として、トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)を2部、上記のポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート(B1)溶液200部(固形分換算で100部)、反応性フッ素含有化合物(B2)1部(固形分換算で1部)、光重合開始剤(B5)としてBASFジャパン社製「Irgacure184」4部(固形分換算で4部)、溶剤としてメチルイソブチルケトンを固形分濃度35%となるように配合し、光硬化性組成物(ii−1)溶液を得た。
酸化アルミニウム(B3)と(メタ)アクリレート系化合物(B4)とからなる分散液として、トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)を2部、上記のポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート(B1)溶液200部(固形分換算で100部)、反応性フッ素含有化合物(B2)1部(固形分換算で1部)、光重合開始剤(B5)としてBASFジャパン社製「Irgacure184」4部(固形分換算で4部)、溶剤としてメチルイソブチルケトンを固形分濃度35%となるように配合し、光硬化性組成物(ii−1)溶液を得た。
[積層体の製造]
上記光硬化性組成物(ii−1)溶液を、樹脂成形体[I]上に、バーコーターを用いて、乾燥後の膜厚が8μmとなるように塗工し、90℃で3分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量500mJ/cm2 )を行い、硬化樹脂層[II−1](膜厚8μm)を形成した。
得られた積層体について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
上記光硬化性組成物(ii−1)溶液を、樹脂成形体[I]上に、バーコーターを用いて、乾燥後の膜厚が8μmとなるように塗工し、90℃で3分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量500mJ/cm2 )を行い、硬化樹脂層[II−1](膜厚8μm)を形成した。
得られた積層体について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
<実施例2>
[光硬化性組成物(i−1)の調製]
実施例1と同様にして光硬化性組成物(i−1)を得た。
[樹脂成形体[I]の作製]
実施例1と同様にして樹脂成形体[I]を得た。
[ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)の製造]
実施例1と同様にしてポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)を得た。
[光硬化性組成物(ii)の調整]
実施例1と同様にして光硬化性組成物(ii−1)を得た。
[光硬化性組成物(i−1)の調製]
実施例1と同様にして光硬化性組成物(i−1)を得た。
[樹脂成形体[I]の作製]
実施例1と同様にして樹脂成形体[I]を得た。
[ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)の製造]
実施例1と同様にしてポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)を得た。
[光硬化性組成物(ii)の調整]
実施例1と同様にして光硬化性組成物(ii−1)を得た。
[光硬化性組成物(iii )の調整]
アクリル系樹脂(C1)としてポリメチルメタクリレート(重量平均分子量43,000)100部、リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)としてビス(2−(メタクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート(共栄社化学社製「ライトエステルP−2M」)2.65部、エチレン性不飽和基を2個以上含有する不飽和化合物(C3)としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物)(日本化薬社製「KAYARAD DPHA」)46.2部、光重合開始剤(C4)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製「Irgacure184」)6部を配合し、固形分濃度が10%となるように、酢酸エチルで希釈して、光硬化性組成物(iii −1)溶液を得た。
アクリル系樹脂(C1)としてポリメチルメタクリレート(重量平均分子量43,000)100部、リン酸基含有エチレン性不飽和化合物(C2)としてビス(2−(メタクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート(共栄社化学社製「ライトエステルP−2M」)2.65部、エチレン性不飽和基を2個以上含有する不飽和化合物(C3)としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物)(日本化薬社製「KAYARAD DPHA」)46.2部、光重合開始剤(C4)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製「Irgacure184」)6部を配合し、固形分濃度が10%となるように、酢酸エチルで希釈して、光硬化性組成物(iii −1)溶液を得た。
[積層体の製造]
上記光硬化性組成物(iii −1)を、樹脂成形体[I]上に、バーコーターを用いて、硬化後の膜厚が1μmとなるように塗工し、80℃で3分間乾燥させた。その後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量500mJ/cm2 )を行い、硬化樹脂層[III ]を形成した。
上記光硬化性組成物(iii −1)を、樹脂成形体[I]上に、バーコーターを用いて、硬化後の膜厚が1μmとなるように塗工し、80℃で3分間乾燥させた。その後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量500mJ/cm2 )を行い、硬化樹脂層[III ]を形成した。
次いで、硬化樹脂層[III ]上に、光硬化性組成物(ii−1)溶液を、バーコーターを用いて、乾燥後の膜厚が8μmとなるように塗工し、90℃で3分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量500mJ/cm2 )を行い、硬化樹脂層[II−1](膜厚8μm)を形成した。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II−1])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II−1])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
<実施例3>
[光硬化性組成物(i−1)の調製]
実施例1と同様にして光硬化性組成物(i−1)を得た。
[樹脂成形体[I]の作製]
実施例1と同様にして樹脂成形体[I]を得た。
[ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)の製造]
実施例1と同様にしてポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)を得た。
[光硬化性組成物(i−1)の調製]
実施例1と同様にして光硬化性組成物(i−1)を得た。
[樹脂成形体[I]の作製]
実施例1と同様にして樹脂成形体[I]を得た。
[ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)の製造]
実施例1と同様にしてポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)を得た。
[光硬化性組成物(ii)の調整]
酸化アルミニウム(B3)と(メタ)アクリレート系化合物(B4)とからなる分散液として、トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)を1部用いる以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物(ii―2)溶液を得た。
酸化アルミニウム(B3)と(メタ)アクリレート系化合物(B4)とからなる分散液として、トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)を1部用いる以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物(ii―2)溶液を得た。
[積層体の製造]
上記光硬化性組成物(iii −1)を用いて、実施例2と同様にして、硬化樹脂層[III ]を形成した。次いで、硬化樹脂層[III ]上に、光硬化性組成物(ii―2)溶液を用いる以外は、実施例2と同様にして、硬化樹脂層[II−2]を形成した。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II−2])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
上記光硬化性組成物(iii −1)を用いて、実施例2と同様にして、硬化樹脂層[III ]を形成した。次いで、硬化樹脂層[III ]上に、光硬化性組成物(ii―2)溶液を用いる以外は、実施例2と同様にして、硬化樹脂層[II−2]を形成した。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II−2])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
<実施例4>
[光硬化性組成物(i−1)の調製]
実施例1と同様にして光硬化性組成物(i−1)を得た。
[樹脂成形体[I]の作製]
実施例1と同様にして樹脂成形体[I]を得た。
[ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)の製造]
実施例1と同様にしてポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)を得た。
[光硬化性組成物(i−1)の調製]
実施例1と同様にして光硬化性組成物(i−1)を得た。
[樹脂成形体[I]の作製]
実施例1と同様にして樹脂成形体[I]を得た。
[ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)の製造]
実施例1と同様にしてポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)を得た。
[光硬化性組成物(ii)の調整]
酸化アルミニウム(B3)と(メタ)アクリレート系化合物(B4)とからなる分散液として、トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)を3部用いる以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物(ii―3)溶液を得た。
酸化アルミニウム(B3)と(メタ)アクリレート系化合物(B4)とからなる分散液として、トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)を3部用いる以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物(ii―3)溶液を得た。
[積層体の製造]
上記光硬化性組成物(iii −1)を用いて、実施例2と同様にして、硬化樹脂層[III ]を形成した。次いで、硬化樹脂層[III ]上に、光硬化性組成物(ii―3)溶液を用いる以外は、実施例2と同様にして、硬化樹脂層[II−3]を形成した。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II−3])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
上記光硬化性組成物(iii −1)を用いて、実施例2と同様にして、硬化樹脂層[III ]を形成した。次いで、硬化樹脂層[III ]上に、光硬化性組成物(ii―3)溶液を用いる以外は、実施例2と同様にして、硬化樹脂層[II−3]を形成した。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II−3])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
<実施例5>
[光硬化性組成物(i−2)の調製]
多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A1)として2官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製「UT4460」)20部、脂環骨格多官能(メタ)アクリレート(A2)としてビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ] デカン=ジアクリレート(新中村化学社製「DCP」)80部、光重合開始剤(A3)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製「Irgacure184」)1部を、60℃にて均一になるまで撹拌した後、50μmのフィルターで濾過して光硬化性組成物(i−2)を得た。
[光硬化性組成物(i−2)の調製]
多官能ウレタン(メタ)アクリレート(A1)として2官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製「UT4460」)20部、脂環骨格多官能(メタ)アクリレート(A2)としてビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ] デカン=ジアクリレート(新中村化学社製「DCP」)80部、光重合開始剤(A3)として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製「Irgacure184」)1部を、60℃にて均一になるまで撹拌した後、50μmのフィルターで濾過して光硬化性組成物(i−2)を得た。
[樹脂成形体[I]の作製]
光硬化性組成物(i−2)を用いる以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体[I]を得た。得られた樹脂成形体[I]の鉛筆硬度は3H、ヘイズは0.2%であった。
[ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)の製造]
実施例1と同様にしてポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)を得た。
光硬化性組成物(i−2)を用いる以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体[I]を得た。得られた樹脂成形体[I]の鉛筆硬度は3H、ヘイズは0.2%であった。
[ポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)の製造]
実施例1と同様にしてポリシロキサン構造含有ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B1)を得た。
[積層体の製造]
樹脂成形体[I]を用いる以外は、実施例2と同様にして、積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II−1])を得た。
かかる積層体について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
樹脂成形体[I]を用いる以外は、実施例2と同様にして、積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II−1])を得た。
かかる積層体について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
<比較例1>
トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)を配合しないこと以外は実施例2と同様にして積層体を得た。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II′−1])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)を配合しないこと以外は実施例2と同様にして積層体を得た。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II′−1])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
<比較例2>
トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)に代えて、酸化ケイ素分散液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに平均粒径20nmの酸化ケイ素が25%配合されたビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3650」)を2部配合した以外は実施例2と同様にして積層体を得た。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II′−2])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)に代えて、酸化ケイ素分散液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに平均粒径20nmの酸化ケイ素が25%配合されたビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3650」)を2部配合した以外は実施例2と同様にして積層体を得た。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II′−2])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
<比較例3>
トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)に代えて、酸化ケイ素分散液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに平均粒径20nmの酸化ケイ素が25%配合されたビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3650」)を5部配合した以外は実施例2と同様にして積層体を得た。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II′−3])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
トリプロピレングリコールジアクリレートに平均粒径40nmの酸化アルミニウムが30%配合された分散液(ビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3601」)に代えて、酸化ケイ素分散液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに平均粒径20nmの酸化ケイ素が25%配合されたビックケミー・ジャパン社製「NANOBYK3650」)を5部配合した以外は実施例2と同様にして積層体を得た。
得られた積層体(樹脂成形体[I]/硬化樹脂層[III ]/硬化樹脂層[II′−3])について上記の通り各性能を評価した。評価結果は表2に示される通りである。
上記評価結果から、樹脂成形体[I]に、酸化アルミニウムを含有しない硬化樹脂層を形成した積層体や酸化ケイ素を含有した硬化樹脂層を形成した積層体では耐擦傷性は得られないのに対して、樹脂成形体[I]に硬化樹脂層[II]を形成した積層体や硬化樹脂層[III ]を介して樹脂成形体[I]に硬化樹脂層[II]を形成した積層体においては、耐擦傷性に優れたものとなり、更に防汚性に優れ、高い表面硬度、透明性を有するものであることがわかる。
本発明の積層体は、様々な光学材料、電子材料に有利に利用できる。例えば、保護シート、タッチパネル、液晶基板、有機/無機EL用基板、PDP用基板、電子ペーパー用基板、導光板、位相差板、光学フィルター等、各種ディスプレイ用部材、光ディスク基板を初めとする記憶・ 記録用途、薄膜電池基板、太陽電池基板などのエネルギー用途、光導波路などの光通信用途、更には機能性フィルム・シート、各種光学フィルム・シート用途に利用できる。また、光学材料、電子材料の他にも、例えば、自動車用材料、建材用材料、医療用材料、文房具などにも利用できる。
Claims (15)
- 光硬化性組成物(i)を硬化してなる透明な樹脂成形体[I]の少なくとも片面に、酸化アルミニウム含有硬化樹脂層[II]が形成されてなることを特徴とする積層体。
- 光硬化性組成物(i)が、下記成分(A1)、(A2)及び(A3)を含有してなることを特徴とする請求項1記載の積層体。
(A1)多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物
(A2)脂環骨格含有多官能(メタ)アクリレート系化合物
(A3)光重合開始剤 - 硬化樹脂層[II]において、水との接触角が、100°以上であることを特徴とする請求項1または2記載の積層体。
- 酸化アルミニウム(B3)が、平均粒径50nm以下であることを特徴とする請求項4記載の積層体。
- (メタ)アクリレート系化合物(B4)が、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項4または5記載の積層体。
- 積層体の硬化樹脂層[II]表面の鉛筆硬度が6H以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
- ヘイズが1%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体。
- 樹脂成形体[I]と硬化樹脂層[II]の間に、下記成分(C1)、(C2)、(C3)及び(C4)を含有する光硬化性組成物(iii )を硬化してなる硬化樹脂層[III ]が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体。
(C1)アクリル系樹脂
(C2)リン酸基含有エチレン性不飽和化合物
(C3)エチレン性不飽和基を2個以上含有する不飽和化合物〔但し(C2)のリン酸基含有エチレン性不飽和化合物を除く〕
(C4)光重合開始剤 - 厚さが0.1〜3mmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体。
- 積層体の片面に粘着剤層が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の積層体。
- ディスプレイの保護シートとして用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項12記載の積層体からなることを特徴とするディスプレイ用保護シート。
- タッチパネル用の基板として用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の積層体。
- 基板として請求項14記載の積層体が用いられていることを特徴とするタッチパネル。
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