JP2018197829A - 防眩性反射防止フィルム及びそれを備えた画像表示装置 - Google Patents

防眩性反射防止フィルム及びそれを備えた画像表示装置 Download PDF

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憲人 藤田
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将幸 村瀬
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Abstract

【課題】視感反射率を抑制して人間が実際に感じる画像の視認性を確実に向上できると共に、耐擦傷性等も良好な防眩性反射防止フィルムを提供する。【解決手段】透明基材フィルム上に、防眩性ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層されている、防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂と、ポリマー成分とを含む。低屈折率層の屈折率は1.29〜1.37、膜厚は0.06〜0.13μmである。そのうえで、高屈折率層の屈折率をnH、防眩性ハードコート層の屈折率をnAG、高屈折率層の膜厚をdH、防眩性ハードコート層の算術平均粗さをRaとした場合、下記条件(1)・(2)・(3)を満たす、防眩性反射防止フィルム。0.03≦nH−nAG≦0.20・・・(1)0.12μm≦dH≦0.30μm・・・(2)0.05μm≦Ra≦0.30μm・・・(3)【選択図】なし

Description

本発明は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、及びカーナビゲーションシステム等の画像表示側の最表面に貼付して用いられる、画像表示装置用の防眩性反射防止フィルム、及びそれを備える画像表示装置に関する。
従来から、液晶ディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、及びカーナビゲーションシステム等の各種画像表示装置では、画面(ディスプレイ)に外部からの光が映り込み、表示画像が見づらくなるという欠点があった。このため、ディスプレイ表面には、外部からの光を拡散させるために防眩性フィルムが配置されている。特に近年、ディスプレイの高精細化が進んでいる。これに伴って、これまでの防眩性フィルムよりも、より外光の映り込みを防止する必要性が高まってきている。
しかし、ディスプレイにおける画像の視認性、特に黒濃度をはじめとする色再現性を向上するためには、外部からの光を拡散させる防眩性のみでは十分ではなく、ディスプレイ表面での反射率を低下させる必要がある。そのため、近年では防眩性と低反射性とを兼ね備えた防眩性反射防止フィルムが用いられている。
このような画像表示装置用の防眩性反射防止フィルムとして、例えば特許文献1が開示されている。特許文献1では、画像の黒濃度を良好にし、ヘイズ値を抑え、且つ画像の視認性を向上させることを目的として、透明基材フィルムに、防眩性ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層をこの順で積層した防眩性反射防止フィルムにおいて、防眩性ハードコート層を、活性エネルギー線硬化型樹脂、光重合開始剤、及び平均粒子径が6μm以上30μm未満の透光性有機微粒子を含有する防眩性ハードコート層形成用組成物により形成している。そのうえで、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物の屈折率n1と透光性有機微粒子の屈折率n2が0≦|n1―n2|<0.020の関係を満たし、且つ防眩性ハードコート層の膜厚(A)に対する透光性有機微粒子の平均粒子径(a)の比a/Aを0.2〜1.0としている。また、防眩性反射防止フィルムに入射角45°で入射した光が表面で反射する変角光度において、反射角45°での反射光度をR(45°)、反射角53°での反射光度をR(53°)としたとき、R(53°)/R(45°)の値が0以上0.04未満であり、表面反射の積分球最小反射率が0〜1.8%となっている。
また、タッチパネル方式の入力操作ができるディスプレイが発達したことで、指入力が可能となっている。このように指入力が可能となったことで、近年ではディスプレイ表面の耐擦傷性を高める必要性も高まってきている。
特開2010−78698号公報
しかし、特許文献1では反射率の基準として「積分球最小反射率」を用いている。積分球最小反射率は人間の視感度に基づくものではないため、反射率が低くても、その最小反射率波長が人間の視感度から大きく外れていると、結局人間の目は反射する光を眩しく感じてしまうことがある。したがって、「積分球最小反射率」を基準に反射率を低下させても、必ずしも人間が実際に感じる画像視認性には合致しないおそれがある。
これに対し、反射率の基準として、人間の視感度を反射率に重み付けして算出した「視感反射率」もある。これは、人間が感じる反射光の強さをそのまま表現した定量値に相当する。したがって、人間が実際に感じる画像視認性を確実に向上させるには、視感反射率(RSCI)を基準に設計する必要がある。特許文献1では、視感反射率については着目していない。
また、この種の防眩性反射防止フィルムには耐擦傷性も求められるが、特許文献1では、当該耐擦傷性についても着目していない。
そこで、本発明の目的とするところは、視感反射率を抑制して人間が実際に感じる画像の視認性を確実に向上できると共に、耐擦傷性等も良好な防眩性反射防止フィルムと、これを備える画像表示装置を提供することにある。
そのための手段として、本発明は次の手段を採る。
[1]透明基材フィルム上に、防眩性ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層されており、前記防眩性ハードコート層が、活性エネルギー線硬化型樹脂と、ポリマー成分とを含み、前記低屈折率層の屈折率が1.29〜1.37、膜厚が0.06〜0.13μmであり、前記高屈折率層の屈折率をnH、前記防眩性ハードコート層の屈折率をnAG、前記高屈折率層の膜厚をdH、防眩性ハードコート層の算術平均粗さをRaとした場合、下記条件(1)・(2)・(3)を同時に満たす、防眩性反射防止フィルム。
0.03≦nH−nAG≦0.20・・・(1)
0.12μm≦dH≦0.30μm・・・(2)
0.05μm≦Ra≦0.30μm・・・(3)
[2]視感反射率RSCIが1.0%以下である、前記の[1]に記載の防眩性反射防止フィルム。
[3]ディスプレイの画像を表示する側の最表面に、前記の[1]または[2]に記載の防眩性反射防止フィルムを備えている、画像表示装置。
なお、視感反射率RSCIとは、XYZ表色系のY値(三刺激値)の反射率であり、JIS Z 8701に準じて測定される反射率である。また、本発明ないし明細書において数値範囲を示す「○○〜××」とは、特に明示しない限り「○○以上××以下」を意味する。
本発明では、防眩性反射防止フィルムの防眩性ハードコート層によって反射光が拡散されることで防眩性を有すると共に、高屈折率層と低屈折率層によって反射光の強度が低減されることで、反射防止効果が得られる。そのうで、所定の低屈折率層の屈折率及び膜厚と共に、上記条件(1)・(2)も全て満たすことで、視感反射率RSCIが1.0%以下となり、画像の視認性が向上する。特に、視感反射率は人間が感じる反射光の強さをそのまま表現した定量値に相当するので、人間が実際に感じる画像視認性を確実に向上することができる。
《防眩性反射防止フィルム》
本発明の防眩性反射防止フィルム(以下、単に防眩性フィルムともいう)は、透明基材フィルム上(一方面)に、防眩性ハードコート層、高屈折率層、及び低屈折率層が、透明基材フィルム側からこの順で積層されてなる。この防眩性フィルムは、画像表示装置におけるディスプレイの画像を表示する側の最表面に配置される。画像表示装置としては、特に高精細な液晶ディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はカーナビゲーションシステムが挙げられる。
[透明基材フィルム]
透明基材フィルムを形成する材料は、透明性が良好で光透過性に優れているものであれば特に限定されず、この種のフィルムにおいて従来から使用されている公知の材料を使用できる。例えば、トリアセチルセルロース(TAC),ジアセチルセルロース,プロピオニルセルロース,ブチリルセルロース,アセチルプロピオニルセルロース,ニトロセルロース等の誘導体,ポリエチレンテレフタレート(PET),シクロシクロオレフィンポリマー(COP),シクロオレフィンコポリマー(COC),ポリカーボネート(PC),ポリメチルメタクリレート(PMMA)などからなる単層又は二層シートを使用できる。中でも、光学異方性がなく光透過率が良い点から、トリアセチルセルロース(TAC)が好ましい。
透明基材フィルムの膜厚は通常10〜500μmであり、好ましくは20〜400μm、より好ましくは30〜300μmである。この膜厚が薄すぎると、防眩性フィルムの取扱性が悪くなると共に、その強度も低下する傾向にある。一方、膜厚が大きすぎると、不必要に厚くなって防眩性フィルムの取扱性も悪くなる。
[防眩性ハードコート層]
防眩性ハードコート層は、ハードコート層として所要の強度及び硬度を有していると共に、その表面に凹凸を有する。この表面凹凸に外光が反射して拡散される(表面拡散性)ことで、防眩性を発現する。なお、防眩性ハードコート層の表面凹凸は、防眩性ハードコート層の膜厚に依存する。防眩性ハードコート層は、少なくとも活性エネルギー線硬化型樹脂と、ポリマー成分とを含有する防眩性ハードコート層用組成物を硬化して形成される。
防眩性ハードコート層の表面凹凸を表す表面粗さ(算術平均粗さ)Raは少なくとも0.05〜0.30μmとし、0.06〜0.25μmが好ましく、0.07〜0.20μmがより好ましい。Raが0.05μmより小さいと防眩性フィルムの防眩性が低くなり、外光を十分に拡散できなくなる。一方、Raが0.30μmより大きいと防眩性フィルムの視感反射率RSCIが高くなり、画像視認性が低下する。
防眩性ハードコート層の膜厚は、1.0〜9.0μmが好ましく、1.5〜8.5μmがより好ましく、1.6〜8.0μmがさらに好ましい。防眩性ハードコート層の膜厚が1.0μmよりも薄い場合は、表面粗さRa(算術平均粗さ)が0.05μmより小さくなる。一方、9.0μmよりも厚い場合は、表面粗さRaが0.30μmを越えてしまう。
防眩性ハードコート層の屈折率(nAG)は、1.49〜1.60が好ましく、1.50〜1.53がより好ましい。防眩性ハードコート層の屈折率がこの範囲内であれば、防眩性フィルムの視感反射率RSCIは高くなり過ぎず、ディスプレイの画像視認性は良好になる。
(活性エネルギー線硬化型樹脂)
活性エネルギー線硬化型樹脂は防眩性ハードコート層のベース成分であり、単官能単量体、多官能単量体、ビニル基や(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー、及びビニル基や(メタ)アクリロイル基を有する重合体の中から1種又は2種以上を使用できる。なお、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。また、後述の(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
単官能単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系単量体、ビニルピロリドンなどのビニル系単量体、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどの橋架環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能単量体には、2〜8程度の重合性基を有する多官能単量体が含まれる。2官能単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジ(メタ)アクリレートなどの橋架環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
3〜8官能単量体としては、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ビニル基や(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーや重合体としては、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体の(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート(ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなど)、ポリエステル(メタ)アクリレート(例えば、脂肪族ポリエステル型(メタ)アクリレート、芳香族ポリエステル型(メタ)アクリレートなど)、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート(ポリエステル型ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル型ウレタン(メタ)アクリレートなど)、シリコーン(メタ)アクリレートなどが例示できる。
上記活性エネルギー線硬化型樹脂の中でも、柔軟性やゴム弾性といったウレタン樹脂の特徴を有し、透明基材フィルムへの追随性が良好で屈曲性に優れる硬化被膜が得られる点において、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。特に、末端に(メタ)アクリロイル基を複数有する多官能(好ましくは6官能以上)のウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
(ポリマー成分)
ポリマー成分は、防眩性ハードコート層用組成物中に溶解する化合物であり、そのような化合物としては、重量平均分子量1,000〜500,000、好ましくは1,100〜400,000、より好ましくは1,200〜300,000の熱可塑性樹脂や、(メタ)アクリロイル基を有する重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、スチレン・(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体、などが挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有する重合体としては、例えば(メタ)アクリルモノマーを重合または共重合した樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとを共重合した樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびエポキシ基を有するモノマーとを反応させた樹脂、(メタ)アクリルモノマーと他のエチレン性不飽和二重結合およびイソシアネート基を有するモノマーとを反応させた樹脂などが挙げられる。中でも、スチレン・(メタ)アクリル系樹脂が防眩性を最適に発現する観点から好ましい。
ポリマー成分の配合量としては、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して25〜45質量部が好ましく、28〜43質量部がより好ましく、30〜40質量部がさらに好ましい。25質量部よりも少ない場合は、防眩性が必要以上に強くなりすぎ、白くぼけた感じとなり表示コントラストが低下する。一方、45質量部よりも多い場合は、防眩性が弱く、室内の蛍光灯や視聴者の像がディスプレイ表面に写りこむことを防止することが困難となる。
防眩性ハードコート層用組成物には、必須成分である活性エネルギー線硬化型樹脂、ポリマー成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の成分を添加することもできる。例えば、光重合開始剤、金属酸化物微粒子、界面活性剤、光増感剤、安定化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、粒子分散剤等が挙げられる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂に紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合を開始させるためのものである。光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン類、アセトフェノン類、α−アミロキシムエステル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等の中から1種又は2種以上を使用できる。具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、α−アミロキシムエステル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、テトラメチルチュウラムモノサルファイド等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。光重合開始剤の含有量が過少では防眩性ハードコート層の硬化が不十分となり、過多では不必要に多量であって無駄になる。
[高屈折率層]
高屈折率層は防眩性ハードコート層よりも屈折率が高く、低屈折率層と共に反射防止層を構成する層であって、低屈折率層との相対関係によって反射防止機能を発現するものである。高屈折率層は、ベースとなる活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、金属酸化物微粒子を含有する高屈折率層用組成物を硬化して形成される。
活性エネルギー線硬化型樹脂や光重合開始剤は、防眩性ハードコート層で使用するものと同種のものを使用すればよい。光重合開始剤の含有量は、高屈折率層用組成物中において0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
金属酸化物微粒子は、高屈折率層の屈折率を防眩性ハードコート層よりも積極的に高めるために配合される必須成分である。金属酸化物微粒子としては、アンチモン酸亜鉛、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化ジルコニウム、酸化チタン等が、屈折率が高い点で好ましい。金属酸化物微粒子の含有量は、高屈折率層用組成物中において1〜80質量%、好ましくは5〜75質量%の範囲で、所望の屈折率に応じて調整すればよい。
高屈折率層の屈折率(nH)は、防眩性ハードコート層よりも高いことを前提として、1.56〜1.80とすることが好ましい。このとき、高屈折率層の屈折率(nH)と防眩性ハードコート層の屈折率(nAG)との差(nH−nAG)が、0.03〜0.20、好ましくは0.04〜0.17となるように設定する。両層の屈折率差(nH−nAG)がこの範囲を外れると、防眩性フィルムの視感反射率RSCIが1.0を超えてしまい、ディスプレイの画像視認性が低下する。
高屈折率層の膜厚(dH)は、0.12〜0.30μmとする。高屈折率層の膜厚(dH)がこの範囲を外れても、防眩性フィルムの視感反射率RSCIが1.0を超えてしまい、ディスプレイの画像視認性が低下する。
[低屈折率層]
低屈折率層は防眩性ハードコート層よりも屈折率が低く、高屈折率層と共に反射防止層を構成する層であって、高屈折率層との相対関係によって反射防止機能を発現するものである。低屈折率層は、(a)C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートと、(b)アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと、(c)(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物と、(d)中空シリカ微粒子と、(e)光重合開始剤とを含有する、低屈折率層用組成物を硬化して形成される。
((a)成分)
C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートは、低屈折率層の表面を触った際の指紋の付着性を弱めることができる。C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートとしては、具体的には、ダイキン工業(株)製オプツールDAC−HP,DIC(株)製メガファックRS−75等が挙げられる。C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートは、低屈折率層用組成物中に3〜15質量%、好ましくは5〜10質量%含まれる。
((b)成分)
アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンは、低屈折率層表面に付着した指紋の拭取り性を良好にすることが出来る。アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとしては、具体的には、ビックケミー・ジャパン(株)製BYK−UV3500,BYK−UV3530,BYK−UV3570等が挙げられる。
アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンは、低屈折率層用組成物中に、1〜8質量%、好ましくは2〜6質量%含まれる。
((c)成分)
(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物は、低屈折率層へ硬度を付与する事が出来る。この含フッ素化合物は、低屈折率層用組成物中に3〜70質量%、好ましくは5〜50質量%含まれる。含有量が3質量%未満では、低屈折率層の硬度不足により耐擦傷性が低下する。一方、70質量%を越えると、防眩性フィルムの視感反射率が低下する。
(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物としては、例えば含フッ素単官能(メタ)アクリレート、含フッ素多官能(メタ)アクリレート、含フッ素イタコン酸エステル、含フッ素マレイン酸エステル等の単量体、それらの重合体、及び重合性二重結合をもつ含フッ素反応性ポリマー等が挙げられる。
含フッ素単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1−(メタ)アクリロイロキシ−1−パーフルオロアルキルメタン、1−(メタ)アクリロイロキシ−2−パーフルオロアルキルエタン等が挙げられる。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜8の直鎖状、分枝状又は環状のものが挙げられる。
含フッ素多官能(メタ)アクリレートとしては、含フッ素2官能(メタ)アクリレート、含フッ素3官能(メタ)アクリレート及び含フッ素4官能(メタ)アクリレートが好ましい。含フッ素2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1,2−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロアルキルブタン、2−ヒドロキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2’,2’−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート、α,ω−ジ(メタ)アクリロイルオキシメチルパーフルオロアルカン等が挙げられる。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜11の直鎖状、分枝状又は環状のものが、パーフルオロアルカン基は直鎖状のものが好ましい。これらの含フッ素2官能(メタ)アクリレートは、使用に際して単独又は混合物として用いることができる。
含フッ素3官能(メタ)アクリレートの例としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシ−1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロアルキル−2’,2’−ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}プロピオナート等が挙げられる。パーフルオロアルキル基は炭素数1〜11の直鎖状、分枝状又は環状のものが好ましい。
含フッ素4官能(メタ)アクリレートの例としては、α,β,ψ,ω−テトラキス{(メタ)アクリロイルオキシ}−αH,αH,βH,γH,γH,χH,χH,ψH,ωH,ωH−パーフルオロアルカン等が好ましい。パーフルオロアルカン基は炭素数1〜14の直鎖状のものが好ましい。使用に際しては、含フッ素4官能(メタ)アクリレートは、単独又は混合物として用いることができる。
また、重合性二重結合をもつ含フッ素反応性ポリマーとしては、含フッ素エチレン性モノマーに由来する主鎖を有し、架橋硬化のための反応性基をもつものである。反応性基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、α−フルオロアクリロイルオキシ基、エポキシ基等が挙げられる。このような溶媒可溶性で重合性二重結合をもつ含フッ素反応性ポリマーは高分子量であるため、フッ素を含有しながらも成膜性が良好で、成膜後に反応性基を利用して架橋硬化することで硬化層を得ることができる。
係る重合性二重結合をもつ含フッ素反応性ポリマーは、重合性二重結合をもつ基の含有率が通常1〜20質量%、好ましくは5〜15質量%である。また質量(重量)平均分子量が通常1,000〜500,000、好ましくは3,000〜200,000である。具体的な含フッ素反応性ポリマーとしては、下記一般式(1)で示されるパーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビストリフルオロメチル−3,6−ジオキサノネノール)を、下記一般式(2)で示される過酸化物で重合させて得られるホモポリマーに、α−フルオロアクリル酸フルオライド:CH=CFCOFを反応させて水酸基をフルオロアクリレートに置換した生成物が挙げられる。
((d)成分)
中空シリカ微粒子は、屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.37であることが好ましい。中空シリカ微粒子としては、屈折率を低くするものであれば特に限定されず、公知の中空シリカ微粒子を使用できる。具体的には、日揮触媒化成(株)製アクリル修飾中空シリカ微粒子スルーリア4320等が挙げられる。
中空シリカ微粒子は、低屈折率層用組成物中に1〜90質量%、好ましくは2〜87質量%含まれる。シリカ微粒子の含有量が1質量%未満では、低屈折率層の屈折率を有意に下げることができず、防眩性フィルムの視感反射率が低下する。一方、シリカ微粒子の含有量が90質量%より多いと塗膜強度が弱くなるため、防眩性フィルムの耐擦傷性が低下する。
((e)成分)
光重合開始剤としては、防眩性ハードコート層や高屈折率層で使用するものと同種のものを使用できる。光重合開始剤は、低屈折率層用組成物中に0.1〜10質量%、好ましくは1〜7質量%含まれる。なお、上記(a)〜(e)成分の合計含有量は100質量%である。
低屈折率層の屈折率(nL)は、防眩性ハードコート層よりも低いことを前提として、1.29〜1.37とする。低屈折率層の屈折率(nL)が1.29より小さいと、防眩性反射防止フィルムの耐擦傷性が低下する。一方、1.37を超えると防眩性フィルムの視感反射率RSCIが1.0を超えてしまい、ディスプレイの画像視認性が低下する。
低屈折率層の膜厚(dL)は、0.06〜0.13μmとする。低屈折率層の膜厚(dL)がこの範囲を外れても、防眩性フィルムの視感反射率RSCIが1.0を超えてしまい、ディスプレイの画像視認性が低下する。
〔防眩性ハードコート層、高屈折率層、及び低屈折率層の形成〕
防眩性ハードコート層、高屈折率層、及び低屈折率層を形成するには、各層用の組成物を塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより硬化させる方法を採用することができる。
各層用の組成物を塗布する際は、粘度を調整するため必要に応じて希釈溶剤によって希釈される。希釈溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール等が挙げられる。
塗布方法としては、生産性や生産コストの面より、特にウェットコーティング法が好ましい。ウェットコーティング法は公知の方法でよく、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、カーテンフローコート法、リバースコート法、キスコート法、コンマコート法など、公知のいかなる方法も採用される。塗布するに際しては、密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことも好ましい。
活性エネルギー線の照射に用いられる活性エネルギー線源としては、例えば高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ、電子線加速装置、放射性元素等の線源が使用される。活性エネルギー線の照射量は、紫外線の波長365nmでの積算光量として、50〜5000mJ/cmであることが好ましい。照射量が50mJ/cm未満のときには、防眩性ハードコート層形成用組成物の硬化が不十分となるため好ましくない。一方、5000mJ/cmを超えるときには、活性エネルギー線硬化型樹脂が着色する傾向を示すため好ましくない。
《画像表示装置》
以上のように構成される防眩性反射防止フィルムは、画像表示装置における液晶ディスプレイやタッチパネルディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイの画像を表示する側の最表面に配置されて用いられる。これにより防眩性及び反射防止性を発揮でき、画像の視認性が向上する。特に、高精細なディスプレイにおいてその効果が大きい。ここで、高精細とは、画像を形成する画素が小さく、表示される画像の解像度が高いものをいう。具体的には、画像1インチ当たりの画素密度が150ppi(Pixel Per Inch)以上である。係るディスプレイを備える画像表示装置は、防眩性反射防止フィルムを備えることによって、外景の写り込みが抑えられ、良好な画像視認性を有する。
画像表示装置のディスプレイとして具体的には、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン、携帯電話、携帯端末機、ゲーム機、自動現金引出し預け入れ装置、現金自動支払機、自動販売機、カーナビゲーション装置、セキュリティーシステム端末機等における画像を表示するディスプレイが挙げられる。
ディスプレイとしては、液晶ディスプレイやタッチパネルディスプレイや有機ELディスプレイ以外にも、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、電子ペーパー、CRT(ブラウン管)等に用いられるトナー系ディスプレイ等が挙げられる。さらには、ディスプレイとして展示用ディスプレイ、例えばショウケース、ショウウィンドウ等のガラスケースやプラスチックケースに適用することも可能である。
以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明の具体例について説明する。
〔防眩性ハードコート層用組成物:AG1の調製〕
活性エネルギー線硬化型樹脂として6官能ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、「紫光UV7600B」)100質量部、ポリマー成分としてスチレン・(メタ)アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、「BR−50」)38質量部、光重合開始剤としてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、「イルガキュア184(I−184)」5質量部からなる防眩性ハードコート用層組成物に、希釈溶剤としてメチルエチルケトン120質量部を混合した。
(防眩性ハードコート層用組成物:AG2の調製)
活性エネルギー線硬化型樹脂として6官能ウレタンアクリレート(分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、「紫光UV7600B」)95質量部、光重合開始剤としてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、「イルガキュア184(I−184)」5質量部、透光性有機微粒子として架橋アクリル−スチレン共重合樹脂の微粒子(積水化成品(株)製、「SSX−108LXE」(粒子径の揃った単分散な微粒子)、平均粒子径8.0μm、屈折率1.545)5質量部からなる防眩性ハードコート層用組成物に、希釈溶剤としてメチルエチルケトン95質量部を混合した。
得られたAG1及びAG2について、その硬化後の屈折率を次のようにして測定した。AG1及びAG2の各組成と共に、これらの屈折率を表1に示す。
<屈折率の測定>
硬化被膜表面の反射スペクトルを反射分光膜厚計FE−3000(大塚電子製)により測定して、得られた反射スペクトルを基に589nmの光に対する屈折率を算出した。
(高屈折率層用組成物:H1の調製)
活性エネルギー線硬化型樹脂としてウレタンアクリレート〔分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、「紫光UV7600B」〕50質量%、光重合開始剤としてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、「イルガキュア184(I−184)」5質量%、及び金属酸化物微粒子としてアンチモン酸亜鉛(日産化学工業(株)製、「セルナックスCX−603M−F2」アンチモン酸亜鉛微粒子分散液)45質量%(固形分換算)からなる高屈折率層用組成物に、希釈溶剤としてIPA(イソプロピルアルコール)を固形分濃度が10%となるように混合した。
(高屈折率層用組成物:H2〜H4の調製)
表2に示す材料を表2に示す割合で混合し、H1と同様に調製した。なお、表2に示す配合量は、固形分換算値である。また、表2にのみ示す各材料の詳細は、次のとおりである。
酸化ジルコニウム:CIKナノテック(株)製「ZRMEK25wt%−F47」(酸化ジルコニウム微粒子分散液)
酸化チタン:シーアイ化成(株)製「RTTMIBK15WT%−N24」(酸化チタン微粒子分散液)
得られたH1〜H4の組成物について、その硬化後の屈折率をAG層用組成物と同様に測定した。その結果も表2に示す。
((c)含フッ素化合物δ1の製造)
四つ口フラスコにパーフルオロ−(1,1,9,9−テトラハイドロ−2,5−ビスフルオロメチル−3,6−ジオキサノネノール)104質量部と、ビス(2,2,3,3,4,45,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイドの8質量%パーフルオロヘキサン溶液11質量部を入れた。そして、その中空部を窒素置換した後、窒素気流下20℃で24時間撹拌して高粘度の固体を得た。得られた固体をジエチルエーテルに溶解させたものをパーフルオロヘキサンに注ぎ、分離後に真空乾燥させてヒドロキシル基含有含フッ素アリルエーテル重合体である無色透明なポリマーを得た。
このポリマーを19F−NMR(核磁気共鳴スペクトル)、1H−NMR、IR(赤外線吸収スペクトル)により分析したところ、ヒドロキシル基含有含フッ素アリルエーテル重合体である無色透明なポリマーの構造単位からなる側鎖末端に水酸基を有する含フッ素ポリマーであった。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)により測定した数平均分子量は72,000、質量平均分子量は118,000あった。
得られたヒドロキシル基含有含フッ素アリルエーテルポリマー5質量部と、メチルエチルケトン(MEK)43質量部、ピリジン1質量部を四つ口フラスコ中に仕込み、5℃以下に氷冷した。そして、窒素気流下で撹拌しながらα−フルオロアクリル酸フルオライド1質量部を、MEK9質量部に溶解したものを10分間かけて滴下した。これにより、(a)成分及び(b)成分と共重合可能な重合性二重結合をもつ含フッ素化合物δ1の溶液を得た。
(低屈折率層用組成物:L1の調製)
イソプロピルアルコール(IPA)を溶媒として、固形分濃度が5質量%となるように、(a)C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレート〔信越化学工業(株)製「DAC−HP」〕5質量%と、(b)アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン〔ビックケミー・ジャパン(株)製「BYKUV−3570」〕4質量%と、(c)含フッ素化合物(δ1)を固形分換算で43質量%と、(d)粒子径が60nmの中空シリカ微粒子〔日輝触媒化成工業(株)製「スルーリア4320」〕43質量%と、(e)光重合開始剤〔BASFジャパン(株)製「イルガキュア907(I−907)」〕5質量%とを混合して得た。
(低屈折率層用組成物:L2〜L7の調製)
表3に示す材料を表3に示す割合で混合し、L1と同様に調製した。なお、表3に示す配合量は、固形分換算値である。また、表3にのみ示す各材料の詳細は、次のとおりである。
スルーリア2320:日輝触媒化成工業(株)製「スルーリア2320」、粒子径が50nmの中空シリカ微粒子
OD2H2A:下記一般式(3)で示される1,10−ジアクリロイルオキシ−2,9−ジヒドロキシ−4,4,5,5,6,6,7,7−オクタフルオロデカン
得られたL1〜L7の組成物について、その硬化後の屈折率をAG層用組成物と同様に測定した。その結果も表3に示す。
(実施例1)
防眩性ハードコート層用組成物AG1に、酢酸エチル(EtOAc)35質量部、及び2−プロパノール〔IPA〕22質量部を混合して調製し、防眩性ハードコート層形成用塗液を調製した。この防眩性ハードコート層形成用塗液を、透明基材フィルムとして厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上にロールコーターにて乾燥膜厚が3.0μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性ハードコート層を形成した。
この防眩性ハードコート層上に、高屈折率層用組成物H1を乾燥膜厚0.16μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯〔アイグラフィックス社製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて高屈折率層を形成した。
さらに、この高屈折率層上に低屈折率層用組成物L1を乾燥膜厚0.10μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯〔アイグラフィックス社製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて低屈折率層を形成し、実施例1の防眩性反射防止フィルムを作製した。
(実施例2〜9、比較例1〜10)
表4,5に示す材料を表4,5に示す膜厚で塗布し、実施例1と同様に乾燥硬化させて、実施例2〜9及び比較例1〜10の防眩性反射防止フィルムを作製した。
得られた各防眩性反射防止フィルムについて、防眩性ハードコート層の算術平均粗さRa、視感反射率RSCI(Y値)、防眩性、黒のしまり、及び耐擦傷性をそれぞれ次のようにして測定した。その結果も表4,5に示す。
<算術平均粗さRa>
表面粗さ測定器〔(株)小坂研究所製、型名 Surfcorder SE500〕を用い走査範囲4mm、走査速度0.2mm/sの条件で、JIS B0601−1994の規定に準拠して算術平均粗さRa(μm)を測定した。
<視感反射率>
測定面の裏面反射を除くため、フィルムの裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰した形態にて調整した。調整したフィルムの測定面を日本電色(株)製「SD6000」により測定し、JIS Z 8701で規定されているXYZ表色系(CIE標準イルミナントD65)における、反射による物体色の三刺激値Yを算出した。
<防眩性>
防眩性フィルムの防眩層側とは逆の面を黒マジックインキで塗りつぶし、ルーバーなしのむき出し蛍光灯(2000 lx)を5度の角度から映し、−5度の方向から観察した場合と、45度の角度から映し、−45度の方向から観察した場合の反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
○:−5度では蛍光灯の輪郭がわずかに観察される程度だが、−45度では輪郭が比較的明瞭に分かる程度
×:−5度でも、−45度でも蛍光灯の輪郭がはっきり見える。
<黒のしまり>
液晶表示装置の視認側表面に防眩性フィルムを粘着層を介して貼合し黒しまり感を官能評価した。評価法は、真正面から電源オフ時の黒味、電源オン時の黒味(黒い画像)をそれぞれのフィルムで比較し、以下の基準で評価した。黒味の強いほど画面のしまり感も強いという基準で評価した。
○:黒味が強く、画面が強くしまって見える。
×:グレー味が強く、画面のしまり感がない。
<耐擦傷性>
反射防止フィルム表面を♯0000のスチールウールに250gfの荷重をかけて、ストローク幅25mm、速度30mm/secで10往復摩擦したあとの表面を目視で観察し、以下の基準で評価した。スチールウールは約10mmφにまとめ、表面が均一になるようにカット、摩擦して均したものを使用した。
○:傷が0〜10本 △:傷が11〜20本 ×:傷が21本以上
表4の結果から、実施例1〜7では全て視感反射率RSCIが1.0以下で良好な画像視認性が得られ、且つ防眩性、黒のしまり、及び耐擦傷性もそれぞれ良好であった。
一方、表5の結果から、比較例1では高屈折率層の膜厚(dH)が薄いため、比較例2では高屈折率層の膜厚(dH)が厚いため、それぞれ防眩性が悪かった。比較例3では高屈折率層の屈折率と防眩性ハードコート層の屈折率との差(nH−nAG)が小さいため、比較例4では(nH−nAG)が大きいため、比較例6では低屈折率層の屈折率(nL)が高いため、比較例7では低屈折率層の膜厚(dL)が薄いため、比較例8では低屈折率層の膜厚(dL)が厚いため、それぞれ視感反射率RSCIが悪かった。また、比較例5及び比較例9は低屈折率層の屈折率(nL)が小さいため、耐擦傷性が悪かった。比較例10防眩性ハードコート層にポリマー成分を含んでいないため、黒のしまりが悪かった。


Claims (3)

  1. 透明基材フィルム上に、防眩性ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層されており、
    前記防眩性ハードコート層が、活性エネルギー線硬化型樹脂と、ポリマー成分とを含み、
    前記低屈折率層の屈折率が1.29〜1.37、膜厚が0.06〜0.13μmであり、
    前記高屈折率層の屈折率をnH、前記防眩性ハードコート層の屈折率をnAG、前記高屈折率層の膜厚をdH、防眩性ハードコート層の算術平均粗さをRaとした場合、下記条件(1)・(2)・(3)を満たす、防眩性反射防止フィルム。
    0.03≦nH−nAG≦0.20・・・(1)
    0.12μm≦dH≦0.30μm・・・(2)
    0.05μm≦Ra≦0.30μm・・・(3)
  2. 視感反射率RSCIが1.0%以下である、請求項1に記載の防眩性反射防止フィルム。
  3. ディスプレイの画像を表示する側の最表面に、請求項1または請求項2に記載の防眩性反射防止フィルムを備えている、画像表示装置。


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