JP2010078698A - 防眩性反射防止フィルム及びそれを備える画像表示装置 - Google Patents

防眩性反射防止フィルム及びそれを備える画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像の黒濃度を良好にし、ヘイズ値を抑え、画像の視認性を向上させることができる防眩性反射防止フィルム及びそれを備える画像表示装置を提供する。
【解決手段】防眩性反射防止フィルムは、セルロース系材料からなる透明基材上に、防眩性ハードコート層及び反射防止層が順次形成されたものである。防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂、光重合開始剤及び平均粒子径が6μm以上30μm未満の透光性有機微粒子を含有する防眩性ハードコート層形成用組成物の硬化物からなる。そして、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物の屈折率nと透光性有機微粒子の屈折率nが0≦|n―n|<0.020、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対する透光性有機微粒子の配合量が5〜50質量部及び防眩性ハードコート層の膜厚(A)に対する透光性有機微粒子の平均粒子径(a)の比a/Aが0.2〜1.0である。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば液晶ディスプレイの画像表示側の最表面に貼付して用いられる画像表示装置用の防眩性反射防止フィルム及びそれを備える画像表示装置に関する。特に、高精細な画像を表示する画像表示装置上に設置したときのぎらつきを抑制し、黒濃度の低下及び像鮮明度の悪化を抑制した防眩性反射防止フィルム及びそれを備える画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)などの各種画像表示装置において、画面に外部からの光が映り込み、表示画像が見づらくなるという欠点があった。このため、ディスプレイ表面には外部からの光を拡散させるために防眩性フィルムが配置されている。特に近年、フラットパネルディスプレイの大型化や高精細化が進んでいる。これに伴って、これまでの防眩性フィルムよりも、より精密な防眩処理を施す必要性が高まってきている。高精細なディスプレイへ装着する防眩性反射防止フィルムの機能としては、透過鮮明度を高める機能、シンチレーション(ぎらつき)を防止する機能などが挙げられる。
この透過鮮明度を向上し、かつシンチレーションを低下させるようにした防眩性反射防止フィルムとして、次のような防眩フィルムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。すなわち、係る防眩フィルムは、透明基材フィルムと透光性樹脂中に透光性微粒子を含む防眩層とが積層されて構成され、透光性微粒子の粒径が0.5〜5μm、透光性微粒子と透光性樹脂との屈折率の差が0.02〜0.2及び曇価(ヘイズ値)が10%以上、40%未満等になるように構成されている。
特開2007−256962号公報(第2頁及び第8頁)
しかしながら、特許文献1に記載されている防眩フィルムでは、防眩層表面で拡散される反射光の角度依存性が考慮されておらず、ディスプレイにおける画像の黒濃度が低下するという問題があった。また、透光性微粒子と透光性樹脂との屈折率の差が0.02以上に設定され、ヘイズ値が13〜35%という高い値になる(特許文献1の第8頁の表1に示されている実施例1〜12)ため、特に高精細なディスプレイの場合には画像の視認性が不足するという問題があった。
そこで、本発明の目的とするところは、画像の黒濃度を良好にし、ヘイズ値を抑え、画像の視認性を向上させることができる防眩性反射防止フィルム及びそれを備える画像表示装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、第1の発明の防眩性反射防止フィルムは、セルロース系材料からなる透明基材上に、防眩性ハードコート層及び反射防止層が順次形成された防眩性反射防止フィルムであって、前記防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂、光重合開始剤及び平均粒子径が6μm以上30μm未満の透光性有機微粒子を含有する防眩性ハードコート層形成用組成物の硬化物からなり、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物の屈折率nと透光性有機微粒子の屈折率nが0≦|n―n|<0.020の関係を満たし、かつ活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対する透光性有機微粒子の配合量が5〜50質量部であり、さらに防眩性ハードコート層の膜厚(A)に対する透光性有機微粒子の平均粒子径(a)の比a/Aが0.2〜1.0であることを特徴とする。
第2の発明の防眩性反射防止フィルムは、第1の発明において、入射角45°で入射した光が表面で反射する変角光度において、反射角45°での反射光度をR(45°)、反射角53°での反射光度をR(53°)としたとき、R(53°)/R(45°)の値が0以上0.04未満であることを特徴とする。
第3の発明の防眩性反射防止フィルムは、第1又は第2の発明において、表面反射の積分球最小反射率が0〜1.8%であることを特徴とする。
第4の発明の画像表示装置は、ディスプレイの画像を表示する側の最表面に第1から第3のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルムを備えていることを特徴とする。
第5の発明の画像表示装置は、第4の発明において、前記ディスプレイが液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであることを特徴とする。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
第1の発明の防眩性反射防止フィルムでは、セルロース系材料からなる透明基材上に、防眩性ハードコート層及び反射防止層が順次形成されたものである。このため、防眩性ハードコート層により表面で反射する光を拡散させることができると共に、反射防止層により反射する光の強度も低減させることができる。また、防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂、光重合開始剤及び平均粒子径が6μm以上30μm未満の透光性有機微粒子を含む防眩性ハードコート層形成用組成物の硬化物からなり、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物の屈折率nと透光性有機微粒子の屈折率nが0≦|n―n|<0.020の関係を満たしている。従って、防眩性ハードコート層の内部ヘイズを小さくすることができ、画像の黒濃度及び像鮮明度を良好にすることができる。
さらに、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対する透光性有機微粒子の配合量が5〜50質量部であり、かつ防眩性ハードコート層の膜厚(A)に対する透光性有機微粒子の平均粒子径(a)の比a/Aが0.2〜1.0である。そのため、表面凹凸が大きくなり過ぎず、しかも表面で拡散反射する光の強度を均一にしやすいため、ぎらつきを抑制することができる。
よって、防眩性反射防止フィルムは、画像の黒濃度を良好にし、ヘイズ値を抑え、画像の視認性を向上させることができる。
第2の発明の防眩性反射防止フィルムでは、反射光度の比を表すR(53°)/R(45°)の値が0以上0.04未満である。従って、第1の発明の効果に加えて、表面に入射する光に基づいて広い角度で拡散する光の強度が弱いため、白ボケしにくく、黒濃度の低下をより効果的に抑制することができる。
第3の発明の防眩性反射防止フィルムでは、表面反射の積分球最小反射率が0〜1.8%である。このため、第1又は第2の発明の効果に加えて、最小反射率を抑えてぎらつきをさらに抑制し、黒濃度の低下及び像鮮明度の悪化を一層抑制することができる。
第4の発明に係る画像表示装置では、ディスプレイの画像を表示する側の最表面に第1から第3のいずれかの発明の防眩性反射防止フィルムを備えている。従って、画像表示装置は、第1から第3のいずれかの発明の防眩性反射防止フィルムが発揮する効果を奏することができる。
第5の発明の画像表示装置では、ディスプレイが液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。従って、特に液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイについて第4の発明の効果を有効に発揮することができる。
以下、本発明の最良の形態と思われる実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の防眩性反射防止フィルム(以下、単に防眩性フィルムともいう)は、セルロース系材料からなる透明基材上に、防眩性ハードコート層及び反射防止層が順次形成されて構成されている。この防眩性フィルムは、画像表示装置、特に高精細な液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの画像を表示する側の最表面に配置されて使用される。以下、防眩性反射防止フィルムを構成する透明基材、防眩性ハードコート層及び反射防止層並びに防眩性反射防止フィルムを備える画像表示装置について順に説明する。
[透明基材]
透明基材を形成するセルロース系材料は、透明性が良いため光透過性に優れ、しかも光学異方性のない材料である。このため、ディスプレイの表面に配置されて使用される防眩性フィルムの基材として最も好適なものである。係るセルロース系材料としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等の誘導体が使用できるが、特に光透過率が良い点からトリアセチルセルロースを使用することが最も好ましい。透明基材の厚さは通常10〜5000μm、好ましくは25〜1000μm、さらに好ましくは35〜500μmである。この厚さが10μmより薄い場合には、防眩性フィルムの取扱性が悪くなると共に、その強度も低下する傾向にある。一方、厚さが5000μmより厚い場合には、不必要に厚くなって防眩性フィルムの取扱性も悪くなり好ましくない。
[防眩性ハードコート層]
防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂、光重合開始剤及び平均粒子径が6μm以上30μm未満の透光性有機微粒子を含有する防眩性ハードコート層形成用組成物の硬化物から形成される。この場合、防眩性ハードコート層の膜厚(A)に対する透光性有機微粒子の平均粒子径(a)の比a/Aが0.2〜1.0に設定される。さらに、活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化物の屈折率nと透光性有機微粒子の屈折率nが0≦|n−n|<0.020の関係を満たし、かつ活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対する透光性有機微粒子の配合量が5〜50質量部に設定されている。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの画像について、像鮮明度を向上させて黒濃度(黒のしまり)、さらにはコントラストを良好にするためには、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物と透光性有機微粒子の屈折率差より発生する内部ヘイズ値を小さくする必要がある。そのため、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物の屈折率nと透光性有機微粒子の屈折率nとの屈折率差|n−n|を0以上0.020未満、好ましくは0.001〜0.016に設定する。活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物と透光性有機微粒子との屈折率差をこのような範囲に設定することにより、防眩性ハードコート層の内部における光の散乱を抑制することができ、光の透過性を向上させることができる。この屈折率差が0.02以上の場合、防眩性ハードコート層の内部における光の散乱が大きくなり、光の透過が阻害されて像鮮明度が悪化する。係る屈折率差を調整する場合には、主に透光性有機微粒子の種類などを特定してその屈折率を変化させることにより行われるが、活性エネルギー線硬化型樹脂に無機微粒子などの付加成分を添加し、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物の屈折率を変化させる方法も、付加成分を添加することによる物性の低下が問題とならない限り可能である。
係る防眩性ハードコート層の膜厚(A)は、通常10〜30μm程度に設定される。この膜厚(A)が10μmを下回る場合には、膜厚(A)に対する透光性有機微粒子の平均粒子径(a)の比a/Aが1.0を超える傾向が強く、防眩性ハードコート層表面の凹凸が大きくなって、ヘイズ値が大きくなり、像鮮明度が悪くなる。その一方、膜厚(A)が30μmを上回る場合には、比a/Aが0.2を下回る傾向が強くなり、防眩性ハードコート層表面に凹凸を形成することが難しくなって防眩性が低下する。
(活性エネルギー線硬化型樹脂)
防眩性ハードコート層はその表面に凹凸を有し、係る凹凸に光が反射して拡散され(表面拡散性)、防眩性を発現することができる機能を備えている。この防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂及び光重合開始剤を含むバインダーに透光性有機微粒子を含有する防眩性ハードコート層形成用組成物を硬化させることにより形成され、ハードコート層として所要の強度及び硬度を有している。ここで、バインダー又は防眩性ハードコート層形成用組成物中には、通常希釈溶剤が配合され、バインダー又は防眩性ハードコート層形成用組成物の粘度が調整される。
前記活性エネルギー線硬化型樹脂は、その構成成分として重合性成分が必須であり、必要に応じてその他の成分が含まれていてもよい。そのような重合性成分としては、単官能単量体、多官能単量体、ビニル基や(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー及びビニル基や(メタ)アクリロイル基を有する重合体の中から1種又は2種以上が選択して用いられる。特に、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂が柔軟性やゴム弾性といったウレタン樹脂の特徴を有し、透明基材への追随性が良好で屈曲性に優れる硬化被膜が得られるので好ましい。
その他の成分としては、光分解型又は熱分解型の重合開始剤、ビニル基や(メタ)アクリロイル基を含まないオリゴマー(以下、非重合性オリゴマーという)、ビニル基や(メタ)アクリロイル基を含まない重合体(以下、非重合性重合体という)、金属酸化物、界面活性剤、希釈溶剤、光増感剤、安定化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、粒子分散剤等が用いられる。
単官能単量体として具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリロイルオキシアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタン及びアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能の(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の多官能単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタヘリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能アクリレートや、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば単官能のウレタン(メタ)アクリレート、2官能のウレタン(メタ)アクリレート、3官能のウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、2官能のウレタン(メタ)アクリレート又は3官能のウレタン(メタ)アクリレートが好ましく、末端に(メタ)アクリロイル基を有する3官能のウレタン(メタ)アクリレートがより好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、活性エネルギー線硬化型樹脂分のうち、50〜100質量%が好ましい。また、ウレタン(メタ)アクリレートの質量平均分子量は、1,000〜10,000が好ましい。
2官能のウレタン(メタ)アクリレート又は3官能のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えばポリオールと、ジイソシアネートと、水酸基含有モノ(メタ)アクリレート化合物とを反応して得られるもの等が挙げられる。ポリオールとしては、分子中に水酸基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アルキレンポリオール、ポリウレタンポリオール等が挙げられるが、活性エネルギー線硬化型樹脂がポリエステル骨格によって低収縮性を有する点からポリエステルポリオールが好ましい。このポリエステルポリオールとしては、分子中に水酸基を2個有するポリオールが好ましい。
ポリオールの質量平均分子量としては、前記した2官能のウレタン(メタ)アクリレート又は3官能のウレタン(メタ)アクリレートを、好ましい質量平均分子量である1,000〜10,000となるように製造しやすい点から、500以上が好ましく、1,000〜2,000がより好ましい。ポリオールは各々単独又は混合物として用いることができる。
前記ジイソシアネート化合物としては、例えば脂肪族系ジイソシアネート化合物、芳香族系ジイソシアネート化合物等が挙げられる。ここで言う脂肪族系ジイソシアネートとは、イソシアネート基が鎖状炭素原子に結合したジイソシアネート化合物、イソシアネート基が環状飽和炭化水素の炭素原子に結合したジイソシアネート化合物を意味し、芳香族系ジイソシアネート化合物とはイソシアネート基が芳香環の炭素原子に結合したイソシアネート化合物を意味する。
脂肪族系ジイソシアネート化合物としては、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−又は1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4‘−ジイソシアネート、m−又はp−テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−又は2,2,4−トリメチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,2,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−フェニレンジイソシアネート、1,4−又は1,6−フェニレンジイソシアネートの如きジイソシアネート化合物が挙げられる。このジイソシアネート化合物としては、低収縮性で高い密着性を発現することができる脂肪族系ジイソシアネート化合物が好ましく、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。ジイソシアネート化合物は各々単独又は混合物として用いることができる。
前記水酸基含有モノ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば1分子中に水酸基(ヒドロキシル基)と(メタ)アクリロイル基を1個ずつ有する化合物などが用いられる。具体的には、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレートなどの2価アルコールのモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの水酸基含有モノ(メタ)アクリレート化合物のうち、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
好ましい2官能のウレタン(メタ)アクリレートや3官能のウレタン(メタ)アクリレート等のウレタン(メタ)アクリレートは、次のように製造することができる。すなわち、例えばポリオールとジイソシアネート化合物と水酸基含有モノ(メタ)アクリレート化合物とを、2官能のウレタン(メタ)アクリレートや3官能のウレタン(メタ)アクリレートが得られる組合せで用い、通常のウレタン化反応の反応条件、すなわち20〜100℃、好ましくは40〜80℃で反応させることによって得られる。ウレタン化反応は、窒素雰囲気下でも行なうことができるが、(メタ)アクリレート基が重合を起こさないように酸素を含んだ乾燥空気雰囲気下で反応せしめることが好ましい。
2官能のウレタン(メタ)アクリレート又は3官能のウレタン(メタ)アクリレートを製造する際のポリオールとジイソシアネート化合物と水酸基含有モノ(メタ)アクリレート化合物との配合量は次のように設定される。つまり、ポリオールと水酸基含有モノ(メタ)アクリレート化合物に含まれる水酸基(OH基)の合計モル数と、ジイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基(NCO基)のモル数との比率(OH/NCO)が、100/100〜100/90となるように設定することが、未反応のイソシアネート基を残存せしめないため好ましい。
(透光性有機微粒子)
係る透光性有機微粒子は、防眩性ハードコート層における光拡散機能、表面の凹凸形成による防眩機能等を発現するためのものである。この透光性有機微粒子は、例えば塩化ビニル、(メタ)アクリル単量体、スチレン及びエチレンから選択される少なくとも1種の単量体を重合してなる樹脂から形成される。そのような透光性樹脂微粒子としては、屈折率の調整が容易な点から(メタ)アクリル樹脂、スチレン−アクリル単量体共重合樹脂(スチレン−アクリル共重合樹脂という)又はそれらの架橋物により形成されることが好ましい。スチレン−アクリル共重合樹脂の場合には、両単量体の共重合組成を変化させることにより、屈折率を任意に調整することができる点でより好ましい。透光性有機微粒子は、スチレン−アクリル共重合樹脂又は(メタ)アクリル樹脂(屈折率1.49)のほか、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂(屈折率1.54)、ポリエチレン樹脂、メラミン樹脂(屈折率1.57)、ポリカーボネート樹脂等を含む樹脂より形成することも可能である。
透光性有機微粒子は、防眩性ハードコート層中及びその表面における光の拡散又は散乱を均一に行うために、粒子径の揃った単分散なものであることが好ましい。透光性有機微粒子の平均粒子径は、その機能を十分に発揮させるために6μm以上30μm未満となるように設定し、好ましくは8〜25μm、さらに好ましくは8〜20μmとなるように設定する。この場合、防眩性フィルム内部の界面で生じる反射光を効率的に拡散させる効果を発揮することができる。
透光性有機微粒子の平均粒子径が6μmより小さい場合、防眩性フィルム内部の界面で生じる反射光を拡散させる効果が小さいため、防眩性フィルム内部の界面で生じる反射光を程よく拡散させるには、像鮮明度や黒濃度(黒のしまり)を犠牲にして、内部ヘイズ値を高める必要がある。一方、透光性有機微粒子の平均粒子径が30μm以上の場合、防眩性ハードコート層の膜厚が厚くなるため、膜の硬化収縮により防眩性フィルムがカールしたり、シワが発生したりするという問題が生じる。このため、透光性有機微粒子の平均粒子径は6μm以上30μm未満に設定する必要がある。ここで、係る平均粒子径は、コールターカウンター法により測定された分布を粒子数分布に換算し、得られた粒子数分布から算出される値である。なお、コールターカウンター法は、電気抵抗を利用した粒子径測定法であり、粒子が細孔を通過する際に生じる2電極間の電気抵抗の変化を測定して平均粒子径を測定する方法である。
防眩性ハードコート層の膜厚(A)に対する透光性有機微粒子の平均粒子径(a)の比a/Aは0.2〜1.0であり、0.3〜0.8であることが好ましい。この比a/Aが0.2未満であるときには、透光性有機微粒子により凹凸が形成されにくく、防眩性が不足すると共に、防眩性ハードコート層表面に所望の凹凸を形成するために添加する透光性有機微粒子の増量が必要となり、ヘイズ値が上昇するために像鮮明度が悪化する。その一方、比a/Aが1.0を超えるときには、防眩性ハードコート層表面の凹凸が大きくなり過ぎるために、ヘイズ値が大きくなって像鮮明度が悪化し、ぎらつきも強くなる。
透光性有機微粒子の配合量は、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して5〜50質量部であり、好ましくは10〜40質量部である。透光性有機微粒子の配合量が5質量部より少ない場合には、透光性有機微粒子の機能を十分に発揮することができず、満足できる防眩性が得られなくなる。その一方、50質量部より多い場合には、防眩性ハードコート層のヘイズ値が高くなり過ぎ、防眩性フィルムを例えば液晶ディスプレイ表面に設置した際、白化等が生じて画像視認性が低下する。
(光重合開始剤)
光重合開始剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂に紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合を開始させるためのもので、公知の化合物が用いられる。係る光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン類、アセトフェノン類、α−アミロキシムエステル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が用いられる。具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3‘,4,4‘−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、α−アミロキシムエステル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、テトラメチルチュウラムモノサルファイド等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがさらに好ましい。この含有量が0.01質量部未満の場合には、防眩性ハードコート層形成用組成物から得られる硬化物(被膜)が完全には硬化し難く、硬化が不十分となるため好ましくない。一方、20質量部を超える場合には、硬化は十分であるが、それ以上の効果は望めず、不必要に多い量であって無駄になる。
(希釈溶剤)
前記バインダー又は防眩性ハードコート層形成用組成物の調製に用いられる希釈溶剤は、バインダー又は防眩性ハードコート層形成用組成物の粘度を調整するために使用され、非重合性のものであれば特に制限されない。係る希釈溶剤により、主に防眩性ハードコート層形成用組成物を透明基材上に容易に塗布することができる。
希釈溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール等が挙げられる。
さらに、防眩性ハードコート層の表面を欠陥がなく均一な表面とするために、透光性有機微粒子に対する非膨潤性溶剤を使用することが好ましい。非膨潤性溶剤とは、透光性有機微粒子を膨潤させない溶剤のことを意味する。この非膨潤性溶剤としてはアルコール系溶剤が好ましく、その使用量は全希釈溶剤量中10〜60質量%であることが好ましい。この使用量が10質量%未満である場合、均一な防眩性ハードコート層を形成することが困難な状況となる。一方、60質量%を超える場合、透光性有機微粒子の分散性が悪化し、均一な防眩性ハードコート層を形成することが難しくなる。
(防眩性ハードコート層の形成)
以上の防眩性ハードコート層形成用組成物を透明基材上に塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、透明基材上に防眩性ハードコート層を形成することができる。防眩性ハードコート層形成用組成物を透明基材上に塗布する方法としては、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、カーテンフローコート法、リバースコート法、キスコート法、コンマコート法等公知のいかなる方法も採用される。塗布に際しては、密着性を向上させるために、予め透明基材表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことが望ましい。
活性エネルギー線の照射に用いられる活性エネルギー線源としては、例えば高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ、電子線加速装置、放射性元素等の線源が使用される。活性エネルギー線の照射量は、紫外線の波長365nmでの積算光量として、50〜5000mJ/cmであることが好ましい。照射量が50mJ/cm未満のときには、防眩性ハードコート層形成用組成物の硬化が不十分となるため好ましくない。一方、5000mJ/cmを超えるときには、活性エネルギー線硬化型樹脂が着色する傾向を示すため好ましくない。
得られた防眩性フィルムの光学特性として、入射角45°で入射した光が表面で反射する変角光度において、反射角45°(正反射)での反射光度をR(45°)、反射角53°での反射光度をR(53°)としたとき、R(53°)/R(45°)の値が好ましくは0以上0.04未満である。このR(53°)/R(45°)の値は、より好ましくは0以上0.02未満、さらに好ましくは0.005〜0.01である。このような範囲にR(53°)/R(45°)の値を制御することで黒濃度(黒のしまり)の低下をより効果的に抑制することができる。R(53°)/R(45°)の値が0.04以上になると、表面で拡散反射する光が強くなるため、画面が白ボケしてしまい、黒濃度が悪化してしまう。
防眩性の指標としてはヘイズ値が採用される。このヘイズ値(曇価、曇り度)はJIS K 7136に準拠して測定されるもので、散乱光線透過率を全光線透過率で割った値を百分率で表したものである。防眩性フィルムのヘイズ値すなわち全体ヘイズ値は、防眩性ハードコート層表面の凹凸による外部散乱に起因する外部ヘイズ値、及び防眩性ハードコート層内部に存在する透光性有機微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物との屈折率差に起因する内部散乱による内部ヘイズ値とに分類される。この全体ヘイズ値は好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、最も好ましくは5%以下である。全体ヘイズ値が10%より大きい場合には、防眩性フィルムをディスプレイの画像を表示する最表面に配置したとき、画像のコントラストが低下し、又は画像が白色味を帯びてくるので好ましくない。
[反射防止層]
次に、前記反射防止層は、防眩性ハードコート層よりも屈折率が低い低屈折率層を少なくとも有しており、その表面において反射防止機能を発現するものである。より有効に反射防止効果を発現させるためには、低屈折率層と防眩性ハードコート層との間に、防眩性ハードコート層よりも屈折率の高い高屈折率層を設けることが望ましい。
低屈折率層を形成する材料としては、例えば紫外線硬化型アクリル樹脂等の樹脂系材料、樹脂中にコロイダルシリカ等の無機微粒子を分散させたハイブリッド系材料、テトラエトキシシランやチタンテトラエトキシド等の金属アルコキシドを用いたゾル−ゲル系材料等が挙げられる。特に、フッ素原子を有する化合物が低屈折率を示すことから、具体的には側鎖にフルオロアルキル基を有する重合性単量体、例えば(メタ)アクリル酸の含フッ素アルキルエステルを重合してなる重合体、フルオロアルキルスチレンを重合してなる重合体等が挙げられる。さらに、屈折率を効率良く低減する手法としてフッ素原子を含有する化合物に中空シリカ微粒子を配合する方法も挙げられる。
低屈折率層の厚さは特に制限されないが、可視光線の波長の1/4(約100nm)であると干渉効果により表面反射が減少し、透過率が向上するため好ましい。また、好適な反射防止効果を得るという観点からは、低屈折率層の屈折率は低い方が好ましいが、あまり低過ぎると反射光が着色するため好ましくない。従って、反射防止と着色防止とを考慮すれば、低屈折率層の屈折率は1.30〜1.50であることが好ましく、特に反射防止効果に重点をおいた場合には1.30〜1.45であることが好ましい。
前記高屈折率材料を形成する材料としては、例えば紫外線硬化型アクリル樹脂等の樹脂系材料、樹脂中に高屈折率金属酸化物微粒子を分散させた材料等が挙げられる。特に、アンチモン酸亜鉛、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化ジルコニウム、酸化チタン等を用いた材料が高屈折率を示すことから好ましい。
高屈折率層の厚さは特に制限されないが、可視光線の波長の1/4(約100nm)であると干渉効果により表面反射が減少し、透過率が向上するため好ましい。但し、反射する光の着色をする上では、これより厚くした場合の方が好ましい場合もある。また、好適な反射防止効果を得るという観点からは、高屈折率層の屈折率は高い方が好ましいが、あまり高過ぎると反射光が着色するため好ましくない。従って、反射防止と、着色防止とを考慮すれば、高屈折率層の屈折率は1.53〜1.90であることが好ましく、特に反射防止効果に重点をおいた場合には1.55〜1.75であることが好ましい。
防眩性反射防止フィルムの反射を示す積分球最小反射率は、0〜1.8%であることが好ましく、0〜1.5%であることがより好ましく、0.5〜1.5%であることが特に好ましい。該積分球最小反射率を0又は0に近くなるように設定することにより、防眩性フィルム表面で反射する光を抑制することができ、画像の黒濃度及び鮮明度を高めることができ、視認性を改善することができる。この積分球最小反射率は、例えば積分球反射率測定装置を備えた分光光度計を用いて反射率(%)を測定し、その最小反射率の値を求めることによって得られる。防眩性ハードコート層上に反射防止層として低屈折率層を設けた場合には、この積分球最小反射率を十分に抑えることができる。
[画像表示装置]
以上のように構成される防眩性フィルムは、画像表示装置における液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイの画像を表示する側の最表面に配置されて用いられ、防眩性を発揮でき、画像の黒濃度及び像鮮明度を高めることができる。従って、例えば液晶ディスプレイとして高精細な液晶ディスプレイを得ることができる。ここで、高精細とは、画像を形成する画素が小さく、表示される画像の解像度が高いものをいい、具体的には画像の1インチ当たりの画素密度が100ppi(Pixel Per Inch)以上であることを意味する。係る液晶ディスプレイは、防眩性フィルムを備えることによって外景の写り込みが抑えられ、画像の視認性を向上させることができる。さらに、液晶ディスプレイの画素サイズに対して防眩性ハードコート層表面の凹凸が前記のように小さい範囲に設定されているため、レンズ的な作用がなく、画像の視認性に優れている。
液晶ディスプレイとして具体的には、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、テレビジョン、携帯電話、携帯端末機、ゲーム機、自動現金引出し預け入れ装置、現金自動支払機、自動販売機、ナビゲーション装置、セキュリティーシステム端末機等における画像を表示するディスプレイが挙げられる。
ディスプレイとしては、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ以外にプラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、電子ペーパー、CRT(ブラウン管)等に用いられるトナー系ディスプレイ等が挙げられる。さらには、ディスプレイとして展示用ディスプレイ、例えばショウケース、ショウウィンドウ等のガラスケースやプラスチックケースに適用することも可能である。
[実施形態における作用及び効果のまとめ]
・ 本実施形態における防眩性反射防止フィルムは透明基材上に防眩性ハードコート層及び反射防止層が順次形成されたものであり、防眩性ハードコート層により表面で反射する光を拡散させることができると共に、反射防止層により反射する光の強度も低減させることができる。また、防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂、光重合開始剤及び平均粒子径が6μm以上30μm未満の透光性有機微粒子を含む防眩性ハードコート層形成用組成物の硬化物からなり、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物の屈折率nと透光性有機微粒子の屈折率nが0≦|n―n|<0.020の関係を満たしている。従って、防眩性ハードコート層の内部ヘイズを小さくすることができ、画像の黒濃度及び像鮮明度を改善することができる。
加えて、活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対する透光性有機微粒子の配合量が5〜50質量部であり、かつ防眩性ハードコート層の膜厚(A)に対する透光性有機微粒子の平均粒子径(a)の比a/Aが0.2〜1.0である。そのため、防眩性ハードコート層表面の凹凸が大きくなり過ぎず、表面で拡散反射する光の強度を均一にしやすいため、ぎらつきを抑制することができる。
よって、防眩性反射防止フィルムは、画像の黒濃度を良好にすることができると共に、ヘイズ値を抑えることができ、その結果画像の視認性を向上させることができる。
・ 反射光度の比を表すR(53°)/R(45°)の値が0以上0.04未満であることにより、表面に入射する光に基づいて広い角度で拡散する光の強度が弱いため、白ボケしにくく、黒濃度の低下をより効果的に抑制することができる。
・ 表面反射の積分球最小反射率が0〜1.8%であることにより、最小反射率を抑えてぎらつきをさらに抑制し、黒濃度の低下及び像鮮明度の悪化を一層抑制することができる。
・ 画像表示装置では、ディスプレイの画像を表示する側の最表面に前記防眩性反射防止フィルムを備えている。従って、画像表示装置は、防眩性反射防止フィルムが発揮する効果を奏することができる。
・ ディスプレイが液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであることにより、特に高精細な液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイについて防眩性反射防止フィルムの効果を有効に発揮することができる。
以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。各例における変角光度比R(53°)/R(45°)、ヘイズ値、画像視認性、ディスプレイ貼合時の防眩性、ぎらつき、黒濃度及び積分球最小反射率については、下記に示す方法により測定した。
(1)変角光度比R(53°)/R(45°)
変角光度計〔日本電色工業(株)製、GC−5000L〕を使用し、45°の入射光(投光角度45°)に対する45°〜60°までの変角光度(反射率)を1°刻みで測定した。そして、45°での反射率R(45°)と53°での反射率R(53°)の比R(53°)/R(45°)を算出した。
(2)ヘイズ値
ヘイズメーター〔日本電色工業(株)製、NDH2000〕を使用し、光学特性としてのヘイズ値(%)を測定した。なお、内部ヘイズ値は、防眩性ハードコート層表面に水滴を落とし、そこにガラスを押し当てて測定したヘイズ値である。
(3)画像視認性
2mm厚の平滑なガラス板に防眩性フィルムを貼り合わせたサンプルを、防眩性ハードコート層及び反射防止層が積層された面(AGAR処理面)が外側を向くようにディスプレイ〔三菱電機(株)製Diamondcrysta(RDT173LM)〕の前面に設置した。このディスプレイに10.5ポイントの文字(MS明朝)を表示させたときの、文字の鮮明度合いを次の評価基準にて評価した。
○:文字鮮明性良好、×:文字鮮明性悪い。
(4)ディスプレイ貼合時の防眩性
シャープ(株)製液晶テレビ32V型LC−32GH2の表面に装着されている防眩(AG)フィルム及び偏光フィルムを粘着剤まできれいに除去し、ガラス表面をむき出しにしたモジュールを使用した。透明な粘着剤を使用してモジュールの表面にAGAR処理面が外側を向くように防眩性フィルムを貼り付け、蛍光灯距離3m、入射角10°となるように蛍光灯の灯りを映り込ませた場合、10°で正反射した蛍光灯の輪郭がどれほどぼけるかを下記に示す評価基準に従って評価した。蛍光灯は松下電工(株)製National-FHF32EXLHを使用した。
○:輪郭はぼけていない、△:輪郭はかすかに確認できるが、ぼけている、×:輪郭が確認できないほどぼけている。
(5)ぎらつき
高精細液晶ディスプレイとしての高精細液晶タッチパネルの画像表示側の最表面に防眩性フィルムを置き、目視にてぎらつきを測定し、下記の3段階で評価した。
3:ぎらつきなし、2:ぎらつき若干あり、1:ぎらつきあり。
(6)黒濃度
黒色アクリル樹脂板〔住友化学(株)製、スミペックE〕に貼り付けた防眩性フィルムに蛍光灯が写り込む状態及び映り込まない状態での黒さを下記に示す評価基準に従って評価した。
◎:黒さが際立つ、○:黒さが良好、△:若干白い部分があるが全体として黒い、×:全体に白い。
(7)積分球最小反射率
黒色アクリル樹脂板〔住友化学(株)製、スミペックE〕に貼り付けた防眩性フィルムを積分球反射率測定装置のついた分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U−best50〕を用いて積分球反射率(%)を測定し、そのスペクトルの最小反射率の値を測定した。
(8)カール性
防眩性フィルムを縦10cm、横10cmのサイズで正方形にカットし、AGAR処理面を上にして平滑面上に設置した。カールした防眩性フィルムの4隅について平滑面からの高さの平均値を測定した。
(9)鉛筆硬度
荷重は500gとし、JIS K 5600に準拠して評価した。
(製造例1、低屈折率層用組成物の調製)
変性中空シリカ微粒子が分散されたオルガノゾル〔触媒化成品工業(株)製、ELCOM V−8208〕を固形分換算で60質量部、1,10−ジアクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカン(フッ素含有率53質量%)〔共栄社化学(株)製、商品名「16−FDA」〕40質量部、光重合開始剤〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907〕を5質量部及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含フッ素硬化性塗液)を得た。
(製造例2、高屈折率層用組成物の調製)
アンチモン酸亜鉛微粒子分散液〔日産化学工業(株)製、セルナックスCX−Z210IP−F2〕を固形分換算で50質量部、ウレタンアクリレート〔分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕を50質量部、光重合開始剤〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184〕を2.5質量部及びイソプロピルアルコールを500質量部混合し、高屈折率層用組成物(含アンチモン酸亜鉛微粒子硬化性塗液)を得た。
(実施例1)
活性エネルギー線硬化型樹脂としてのウレタンアクリレート〔分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕35質量部、同じく活性エネルギー線硬化型樹脂としてのアクリレート〔分子量547、25℃における粘度が5500〜8000Pa・s、日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA〕30質量部、光重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア(Irg.)2959〕5質量部、酢酸エチル(EtOAc)35質量部及び2−プロパノール〔IPA〕22質量部を混合してバインダーを調製し、それに透光性有機微粒子として架橋アクリル−スチレン共重合樹脂の微粒子〔積水化成品(株)製、XX−22V、粒子径の揃った単分散な微粒子、平均粒子径(a)は8.0μm〕20質量部を混合して防眩性ハードコート層形成用組成物を調製した。
この防眩性ハードコート層形成用組成物を、透明基材として厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上にロールコーターにて乾燥膜厚が18μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。なお、上記乾燥膜厚が実質的に防眩性ハードコート層の膜厚(A)である。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。前記バインダーを硬化させて得られた硬化物(実質的に活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物)の屈折率は1.517であり、透光性微粒子の屈折率は1.525であった。従って、バインダーの硬化物と透光性微粒子との屈折率差は、0.008であった。
この防眩性ハードコート層上に製造例1で製造された低屈折率層用組成物を乾燥時の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて400mJ/cmの紫外線を照射し、低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.35であった。また、防眩性反射防止層の表面における変角光度比R(53°)/R(45°)は0.01及び防眩性フィルムの全体ヘイズ値は1.4%であった。
(実施例2)
ウレタンアクリレート〔分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕35質量部、アクリレート〔分子量547、25℃における粘度が5500〜8000Pa・s、日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA〕30質量部、光重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア(Irg.)2959〕5質量部、酢酸エチル(EtOAc)35質量部及び2−プロパノール〔IPA〕22質量部を混合してバインダーを調製し、それに透光性有機微粒子として架橋アクリル−スチレン共重合樹脂の微粒子〔積水化成品(株)製、XX−25V、粒子径の揃った単分散な微粒子、平均粒子径(a)は10.0μm〕10質量部を混合して防眩性ハードコート層形成用組成物を調製した。
この防眩性ハードコート層形成用組成物を、透明基材として厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上にロールコーターにて乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。なお、上記乾燥膜厚が実質的に防眩性ハードコート層の膜厚(A)である。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。前記バインダーを硬化させて得られた硬化物の屈折率は1.517であり、透光性微粒子の屈折率は1.525であった。従って、バインダーの硬化物と透光性微粒子との屈折率差は、0.008であった。
この防眩性ハードコート層上に製造例1で製造された低屈折率層用組成物を乾燥時の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて400mJ/cmの紫外線を照射し、低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.35であった。また、防眩性反射防止層の表面における変角光度比R(53°)/R(45°)は0.01及び防眩性フィルムの全体ヘイズ値は1.1%であった。
(実施例3)
ウレタンアクリレート〔分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕35質量部、アクリレート〔分子量547、25℃における粘度が5500〜8000Pa・s、日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA〕30質量部、光重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア(Irg.)2959〕5質量部、酢酸エチル(EtOAc)35質量部及び2−プロパノール〔IPA〕22質量部を混合してバインダーを調製し、それに透光性有機微粒子として架橋アクリル−スチレン共重合樹脂の微粒子〔積水化成品(株)製、XX−22V、粒子径の揃った単分散な微粒子、平均粒子径(a)は8.0μm〕20質量部を混合して防眩性ハードコート層形成用組成物を調製した。
この防眩性ハードコート層形成用組成物を、透明基材として厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上にロールコーターにて乾燥膜厚が16μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。なお、上記乾燥膜厚が実質的に防眩性ハードコート層の膜厚(A)である。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。前記バインダーを硬化させて得られた硬化物の屈折率は1.517であり、透光性微粒子の屈折率は1.525であった。従って、バインダーの硬化物と透光性微粒子との屈折率差は、0.008であった。
この防眩性ハードコート層上に製造例2で製造された高屈折率層用組成物を乾燥時の厚さが0.2μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて400mJ/cmの紫外線を照射し、高屈折率層用組成物を硬化させて高屈折率層を形成した。この高屈折率層の屈折率は1.58であった。
該高屈折率層上に製造例1で製造された低屈折率層用組成物を乾燥時の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて400mJ/cmの紫外線を照射し、低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.35であった。また、防眩性反射防止層の表面における変角光度比R(53°)/R(45°)は0.01及び防眩性フィルムの全体ヘイズ値は1.6%であった。
(実施例4)
アクリル酸エステル組成物及びウレタンアクリレート組成物含有塗料〔DIC(株)製、GRANDIC PC6−6150F〕100質量部、2−プロパノール〔IPA〕20質量部を混合してバインダーを調製し、それに透光性有機微粒子として架橋アクリル−スチレン共重合樹脂の微粒子〔積水化成品(株)製、XX−22V、粒子径の揃った単分散な微粒子、平均粒子径(a)は8.0μm〕10質量部を混合して防眩性ハードコート層形成用組成物を調製した。
この防眩性ハードコート層形成用組成物を、透明基材として厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上にロールコーターにて乾燥膜厚が16μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。なお、上記乾燥膜厚が実質的に防眩性ハードコート層の膜厚(A)である。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。前記バインダーを硬化させて得られた硬化物の屈折率は1.524であり、透光性微粒子の屈折率は1.525であった。従って、バインダーの硬化物と透光性微粒子との屈折率差は、0.001であった。
この防眩性ハードコート層上に製造例1で製造された低屈折率層用組成物を乾燥時の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて400mJの紫外線を照射し、低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.35であった。また、防眩性反射防止層の表面における変角光度比R(53°)/R(45°)は0.01及び防眩性フィルムの全体ヘイズ値は1.6%であった。また、カール性の評価結果は10mmであり、他の防眩性フィルムよりもカールが低減されていた。さらに、鉛筆硬度も4Hであった。
(比較例1)
ウレタンアクリレート〔分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕13質量部、アクリレート〔分子量547、25℃における粘度が5500〜8000Pa・s、日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA〕52質量部、光重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア(Irg.)2959〕5質量部、酢酸エチル(EtOAc)35質量部及び2−プロパノール〔IPA〕22質量部を混合してバインダーを調製した。それに透光性有機微粒子として架橋アクリル樹脂の微粒子〔綜研化学(株)製、MX−1000、粒子径の揃った単分散な微粒子、平均粒子径(a)は10.0μm〕2質量部及び架橋アクリル−スチレン共重合樹脂の微粒子〔積水化成品(株)製、XX−22V、粒子径の揃った単分散な微粒子、平均粒子径(a)は8.0μm〕8質量部を混合して防眩性ハードコート層形成用組成物を調製した。
この防眩性ハードコート層形成用組成物を、透明基材として厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上にロールコーターにて乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。なお、上記乾燥膜厚が実質的に防眩性ハードコート層の膜厚(A)である。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。前記バインダーを硬化させて得られた硬化物の屈折率は1.525であり、透光性微粒子の屈折率は1.490であった。従って、バインダーの硬化物と透光性微粒子との屈折率差は、0.035であった。
この防眩性ハードコート層上に製造例1で製造された低屈折率層用組成物を乾燥時の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて400mJ/cmの紫外線を照射し、低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.35であった。また、防眩性反射防止層の表面における変角光度比R(53°)/R(45°)は0.02及び防眩性フィルムの全体ヘイズ値は10.7%であった。
(比較例2)
ウレタンアクリレート〔分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕35質量部、アクリレート〔分子量547、25℃における粘度が5500〜8000Pa・s、日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA〕30質量部、光重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア(Irg.)2959〕5質量部、酢酸エチル(EtOAc)35質量部及び2−プロパノール〔IPA〕22質量部を混合してバインダーを調製し、それに透光性有機微粒子として架橋アクリル−スチレン共重合樹脂の微粒子〔積水化成品(株)製、XX−09V、粒子径の揃った単分散な微粒子、平均粒子径(a)は5.0μm〕20質量部を混合して防眩性ハードコート層形成用組成物を調製した。
この防眩性ハードコート層形成用組成物を、透明基材として厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上にロールコーターにて乾燥膜厚が9μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。なお、上記乾燥膜厚が実質的に防眩性ハードコート層の膜厚(A)である。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。前記バインダーを硬化させて得られた硬化物の屈折率は1.517であり、透光性微粒子の屈折率は1.525であった。従って、バインダーの硬化物と透光性微粒子との屈折率差は、0.008であった。
この防眩性ハードコート層上に製造例1で製造された低屈折率層用組成物を乾燥時の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて400mJ/cmの紫外線を照射し、低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.35であった。また、防眩性反射防止層の表面における変角光度比R(53°)/R(45°)は0.04及び防眩性フィルムの全体ヘイズ値は1.5%であった。
(比較例3)
ウレタンアクリレート〔分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕35重量部、アクリレート〔分子量547、25℃における粘度が5500〜8000Pa・s、日本化薬(株)製、KAYARAD DPHA〕30質量部、光重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア(Irg.)2959〕5質量部、酢酸エチル(EtOAc)35質量部及び2−プロパノール〔IPA〕22質量部を混合してバインダーを調製し、それに透光性有機微粒子として架橋アクリル−スチレン共重合樹脂の微粒子〔積水化成品(株)製、XX−22V、粒子径の揃った単分散な微粒子、平均粒子径(a)は8.0μm〕20質量部を混合して防眩性ハードコート層形成用組成物を調製した。
この防眩性ハードコート層形成用組成物を、透明基材として厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上にロールコーターにて乾燥膜厚が7μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。なお、上記乾燥膜厚が実質的に防眩性ハードコート層の膜厚(A)である。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量400mJ/cm)、硬化させて防眩性フィルムを作製した。前記バインダーを硬化させて得られた硬化物の屈折率は1.517であり、透光性微粒子の屈折率は1.525であった。従って、バインダーの硬化物と透光性微粒子との屈折率差は、0.008であった。
この防眩性ハードコート層上に製造例1で製造された低屈折率層用組成物を乾燥時の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて400mJ/cmの紫外線を照射し、低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.35であった。また、防眩性反射防止層の表面における変角光度比R(53°)/R(45°)は0.04及び防眩性フィルムの全体ヘイズ値は5.6%であった。
以上の実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた防眩性フィルムについて、変角光度比R(53°)/R(45°)、ヘイズ値、画像視認性、ぎらつき、ディスプレイ貼合時の防眩性、黒濃度、積分球最小反射率、カール性及び鉛筆硬度を測定し、それらの結果を表1に示した。
Figure 2010078698
表1に示した結果より、実施例1〜4では透光性有機微粒子の平均粒子径、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物と透光性有機微粒子との屈折率差、透光性有機微粒子の配合量及び防眩性ハードコート層の膜厚に対する透光性有機微粒子の平均粒子径の比が本発明の範囲内であった。そのため、ぎらつき、防眩性及び黒濃度を良好にすることができると共に、ヘイズ値を1.6%以下に抑え、最小反射率を1.4%以下に抑えることができ、画像の視認性を向上させることができた。その上、カール性及び鉛筆硬度も良好であった。
一方、比較例1では活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物と透光性有機微粒子との屈折率差が本発明の範囲を超えていたため、画像の黒濃度が悪く、画像の視認性が不良であった。また、比較例2では透光性有機微粒子の平均粒子径が本発明の範囲よりも小さいため、防眩性及び黒濃度が悪くなる結果であった。さらに、比較例3では防眩性ハードコート層の膜厚に対する透光性有機微粒子の平均粒子径の比が本発明の範囲を超えていたため、画像の黒濃度及びぎらつきが悪化し、画像の視認性が不良であった。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物の屈折率と透光性有機微粒子の屈折率との屈折率差を調整するために、活性エネルギー線硬化型樹脂の種類の選択や複数種類の組合せによって架橋密度を変更するように構成することができる。
・ 透光性有機微粒子として、粒度分布、比重等の物性を考慮したり、複数種類を組合せたりして光拡散機能や防眩機能を高めるように構成することも可能である。
・ 活性エネルギー線硬化型樹脂として、カルボキシル基、アミノ基等の官能基を有する単量体を用い、透明基材に対する防眩性ハードコート層の密着性を高めるように構成することができる。
さらに、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
・ 前記透光性有機微粒子は、スチレン−アクリル共重合樹脂又はその架橋物により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルム。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、スチレンとアクリル単量体の共重合組成により透光性有機微粒子の屈折率を容易に調整することができる。
・ 前記活性エネルギー線硬化型樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレートを含有するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルム。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物が柔軟性やゴム弾性を発揮でき、透明基材の変形に対する追随性を向上させることができる。
・ 前記防眩性ハードコート層形成用組成物は、希釈溶剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルム。このように構成した場合、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、防眩性ハードコート層用組成物の粘度を調整することができ、透明基材上への塗布性を向上させることができる。

Claims (5)

  1. セルロース系材料からなる透明基材上に、防眩性ハードコート層及び反射防止層が順次形成された防眩性反射防止フィルムであって、前記防眩性ハードコート層は、活性エネルギー線硬化型樹脂、光重合開始剤及び平均粒子径が6μm以上30μm未満の透光性有機微粒子を含有する防眩性ハードコート層形成用組成物の硬化物からなり、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物の屈折率nと透光性有機微粒子の屈折率nが0≦|n―n|<0.020の関係を満たし、かつ活性エネルギー線硬化型樹脂100質量部に対する透光性有機微粒子の配合量が5〜50質量部であり、さらに防眩性ハードコート層の膜厚(A)に対する透光性有機微粒子の平均粒子径(a)の比a/Aが0.2〜1.0であることを特徴とする防眩性反射防止フィルム。
  2. 入射角45°で入射した光が表面で反射する変角光度において、反射角45°での反射光度をR(45°)、反射角53°での反射光度をR(53°)としたとき、R(53°)/R(45°)の値が0以上0.04未満であることを特徴とする請求項1に記載の防眩性反射防止フィルム。
  3. 表面反射の積分球最小反射率が0〜1.8%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防眩性反射防止フィルム。
  4. ディスプレイの画像を表示する側の最表面に請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防眩性反射防止フィルムを備えていることを特徴とする画像表示装置。
  5. 前記ディスプレイが液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイであることを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
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