JP2013097362A - 反射防止フィルム用の高屈折率層形成用組成物と、該組成物からなる高屈折率層を備える反射防止フィルム - Google Patents

反射防止フィルム用の高屈折率層形成用組成物と、該組成物からなる高屈折率層を備える反射防止フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】金属酸化物微粒子の凝集に伴う欠陥の発生や視感度反射率の上昇を抑制できる、反射防止フィルム用の高屈折率層形成用組成物を提供する。
【解決手段】(A)多官能(メタ)アクリレートと(B)金属酸化物微粒子とを含む高屈折率層形成用の組成物である。当該高屈折率層形成用組成物に含まれる多官能(メタ)アクリレート(A)の体積を(VA)、金属酸化物微粒子(B)の体積を(VB)とした場合、多官能(メタ)アクリレート(A)と金属酸化物微粒子(B)の合計体積に対して、金属酸化物微粒子(B)の体積比率{VB/(VA+VB)}が15〜37%であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射防止フィルムの基材フィルム上に被膜層を形成するための被膜層形成用組成物であって、特に高屈折率層形成用の組成物と、該組成物を硬化した高屈折率層を備える反射防止フィルムに関する。
近年、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機ELディスプレイパネル等が使用される電子画像表示装置(電子ディスプレイ)は、テレビやモニター用途として著しい進歩を遂げ、広く普及している。これら電子画像表示装置は、大型化に伴い、外光の映り込みによる視認性の低下が問題となっている。この問題を解決するために、外光の映り込みを抑制して視認性を向上させる反射防止機能を備えた反射防止フィルムが、パネル表面に設けられることが一般的となっている。そして、ディスプレイの高精細化に伴い、その部材である反射防止フィルムには高い反射防止性能と高い品質が求められるようになった。
外光の映り込み(反射)を抑える方法としては、反射防止フィルムの最表面に最も屈折率の低い低屈折率層を設け、かつ、低屈折率層の裏層(基材フィルム側)にこれよりも屈折率の高い高屈折率層を設ける方法が一般に知られている。このような技術としては、例えば下記特許文献1がある。特許文献1では、高屈折率層に、屈折率1.50〜2.80の金属酸化物微粒子からなる高屈折率微粒子を含有している。当該金属酸化物微粒子の配合量は、体積比率としては不明だが、高屈折率層形成用組成物中、バインダー樹脂(多官能ウレタンアクリレート)2.3質量部に対し、金属酸化物微粒子ゾルとして28.6質量部配合されている。また、特許文献1では高屈折率層と基材フィルムとの間にハードコート層も形成している。すなわち、特許文献1の反射防止フィルムは、基材フィルム側から、ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層がこの順で積層されている。
特開2011−145649号公報
しかしながら、高屈折率層形成用組成物に金属酸化物微粒子を含有していると、微粒子が凝集することで高屈折率層に部分的な凹凸(高屈折率層の膜厚の厚い部分と薄い部分)が生じ、その凹凸(高屈折率層の膜厚の厚い部分と薄い部分)上に低屈折率層をオーバーコートすると、その周囲との反射率(高屈折率層に凹凸が生じていない部分での反射率)に差異が生じるため、斑点のような光点となって見える欠陥が生じるという問題がある。これは、反射防止フィルムの製造過程における金属酸化物微粒子の凝集が要因である。これを避けるには、高屈折率層形成用組成物における金属酸化物粒子の体積割合、特にバインダー樹脂との体積割合が重量となる。これに対し特許文献1では、高屈折率層形成用組成物中の金属酸化物微粒子の含有量を、質量比を基準として配合しているのみであり、体積割合については特に着目していない。しかも、質量基準ではあるが、バインダー樹脂に対して比較的多量に金属酸化物微粒子を配合している。これでは、金属酸化物微粒の凝集が要因となって発生する欠陥等を低減することができない。
そこで、本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、金属酸化物微粒子の凝集に伴う欠陥の発生や視感度反射率の上昇を抑制できる、反射防止フィルム用の高屈折率層形成用組成物と、該組成物からなる高屈折率層を備える反射防止フィルムを提供することにある。
前記の目的を達成するために、第1の発明は、(A)多官能(メタ)アクリレート及び(B)金属酸化物微粒子を含む、反射防止フィルム用の高屈折率層形成用組成物であって、該高屈折率層形成用組成物に含まれる前記多官能(メタ)アクリレート(A)の体積を(V)、前記金属酸化物微粒子(B)の体積を(V)とした場合、前記多官能(メタ)アクリレート(A)と前記金属酸化物微粒子(B)の合計体積に対して、前記金属酸化物微粒子(B)の体積比率{V/(V+V)}が15〜37%であることを特徴とする。
なお、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、その下限及び上限を含む範囲を意味する。したがって、正確に表せば「○○以上××以下」となる。また、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートとアクリレートの両方を含む概念である。
第2の発明は、トリアセチルセルロースフィルム上に、ハードコート層、該ハードコート層より相対的に屈折率の高い高屈折率層、及び該高屈折率層より相対的に屈折率の低い低屈折率層が、前記トリアセチルセルロースフィルム側からこの順で順次形成された反射防止フィルムであって、前記高屈折率層は、第1の発明の高屈折率層形成用組成物の硬化物であることを特徴とする。
本発明によれば、金属酸化物微粒子の体積比率{V/(V+V)}を所定範囲にしていることで、金属酸化物微粒子によって高屈折率層の屈折率を高めながら、金属酸化物微粒子の凝集に伴う欠陥を的確に低減することができる。欠陥の少ない高屈折率層を形成できることで、視感度反射率の上昇も防止することができる。
<反射防止フィルム>
本実施形態の反射防止フィルムは、透明基材フィルムとしてのトリアセチルセルロースフィルム(以下、単に「基材フィルム」と称すことがある)上に、ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層が、基材フィルム側からこの順で順次形成されている。以下に、この反射防止フィルムの構成要素について順に説明する。
〔トリアセチルセルロースフィルム〕
反射防止フィルムに用いられる基材フィルムは、屈折率(n)が1.46〜1.52の範囲内のものが好ましい。基材フィルムとして具体的には、トリアセチルセルロース(TAC、n=1.49)フィルムが用いられる。TACフィルムの厚みは、好ましくは25〜200μmであり、さらに好ましくは40〜100μmである。この厚みが25μm未満の場合や200μmを超える場合には、反射防止フィルムの製造時及び使用時における取り扱い性が低下する傾向がある。
TACフィルムには、各種の添加剤が含有されていてもよい。そのような添加剤として例えば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤等が挙げられる。
〔ハードコート層〕
ハードコート層は、反射防止フィルムの表面強度を担保するための層である。ハードコート層の屈折率は、1.46〜1.53の範囲内のものが好ましい。ハードコートの屈折率が1.46未満の場合、或いは1.53を超える場合には、TACフィルムとハードコート層の屈折率差から生じる干渉により、干渉ムラが顕著に表れるため好ましくない。また、ハードコート層の膜厚は、1〜20μmが好ましい。ハードコート層の膜厚が1μm未満の場合には、十分な表面強度が得られないため好ましくない。その一方、膜厚が20μmを超える場合には、耐屈曲性の低下等の問題が生じるため好ましくない。
ハードコート層を形成するハードコート層用塗液(ハードコート層形成用組成物)の材料としては、例えば、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、及びテトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物等の硬化物が挙げられる。これらのうち生産性及び硬度両立の観点より、多官能(メタ)アクリレートを含む組成物の重合硬化物であることが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては特に制限されず、この種の反射防止フィルムにおいて従来から公知の多官能(メタ)アクリレートを使用することができる。
ハードコート層用塗液には、その他の成分として各種添加剤を含有させることもできる。当該添加剤としては、例えば、無機又は有機の微粒子状充填剤、無機又は有機の微粒子状顔料、及びそれ以外の無機又は有機微粒子、重合体、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤及びレベリング剤等の添加剤が挙げられる。また、ウェットコーティング法において成膜後乾燥させる限りは、任意の量の溶媒を添加することができる。
TACフィルム上に、ウェットコーティング法でハードコート層を形成する場合には、TACフィルム表面を浸食する溶媒、例えばメチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル等を単独又は任意の溶媒を混合して使用することが好ましい。これによれば、TACフィルムとハードコート層との界面が乱れることにより、TACフィルムとハードコート層との界面の干渉効果が抑制される。このため、両者の屈折率が同等であることによる上記効果に加えて、より効果的に干渉ムラを抑制することができる。
〔高屈折率層〕
次に、高屈折率層について説明する。高屈折率層は、後述の低屈折率層との有意な屈折率差により、反射防止効果を発現させるための層である。高屈折率層の屈折率は、ハードコート層及び低屈折率層より高く設定される。高屈折率層の屈折率は、1.54以上が好ましい。高屈折率層の屈折率が1.54未満の場合、低屈折率層との屈折率差が小さくなることで界面の反射が弱くなり、反射防止性能が十分に発揮されない場合がある。高屈折率層の屈折率の上限は、1.91程度であればよい。これ以上屈折率を高くするには金属酸化物微粒子の配合量を多くする必要があり、当該金属酸化物微粒子の凝集に伴う欠陥が発生し易くなるからである。高屈折率層の膜厚は、100〜150nm程度とすればよい。
〔高屈折率層形成用組成物〕
高屈折率層は、本発明の高屈折率層形成用組成物を硬化することで形成できる。当該高屈折率層形成用組成物は、(A)多官能(メタ)アクリレートと(B)金属酸化物微粒子とを含む混合物である。(A)多官能(メタ)アクリレートとしては、紫外線や電子線のような活性エネルギー線を照射することにより硬化反応を生じる樹脂を使用でき、その種類は特に制限されない。この多官能(メタ)アクリレートとしては、例えばジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ビス(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン等の多官能アルコール(メタ)アクリル誘導体や、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、さらに紫外線硬化性ハードコート材として市販されているもの等が挙げられる。
一方、(B)金属酸化物微粒子としては、例えばアンチモン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム錫、アンチモン含有酸化錫等の微粒子が挙げられる。特に、アンチモン酸亜鉛、酸化インジウム錫、アンチモン含有酸化錫等の導電性微粒子を用いた場合には表面抵抗率を下げることができ、さらに帯電防止能も付与することができる点で好ましい。
本発明の高屈折率層形成用組成物に含まれる(A)多官能(メタ)アクリレートの体積を(V)、前記金属酸化物微粒子(B)の体積を(V)とした場合、多官能(メタ)アクリレート(A)と金属酸化物微粒子(B)の合計体積に対して、金属酸化物微粒子(B)の体積比率{V/(V+V)}は15〜37%である必要がある。金属酸化物微粒子の体積比率が15%未満となる場合、高屈折率層が高い屈折率を維持することが困難となるため、高い反射防止効果を発揮することが困難となる。一方、金属酸化物微粒子の体積比率が37%を超過する場合、低屈折率層をオーバーコートする際に、金属酸化物微粒子の凝集に由来した欠陥(光点)が多発する。
(B)金属酸化物微粒子の平均粒子径は、10〜100nmの範囲が好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径が10nmより小さいと、被膜(高屈折率層)を形成したときの屈折率が低くなる傾向がある。一方、金属酸化物微粒子の平均粒子径が100nmを超過すると、高屈折率層の膜厚を粒子の大きさが超過するため、その粒子に起因した欠陥が発生する。また、可視光も散乱するため、透過鮮明性が低下する。
高屈折率層形成用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分として各種添加剤を添加することができる。そのような添加剤としては、例えば、光重合開始剤、分散剤、界面活性剤、光安定剤及びレベリング剤等の添加剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、紫外線照射による重合開始能を有するものであれば何れでもよい。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独又は混合物として用いることができる。
〔低屈折率層〕
次に、低屈折率層について説明する。低屈折率層の屈折率は、高屈折率層の屈折率より低く設定されることを要件とし、その屈折率は1.33〜1.40程度が好ましい。該屈折率が1.33未満の場合には十分に硬い層を形成することが困難である。その一方、屈折率が1.40を超える場合には十分な視感度反射率を得ることが難しい。
低屈折率層としては特に限定されず、この種の反射防止フィルムにおいて従来から公知の低屈折率層形成用組成物(低屈折率層用塗液)を利用することができる。例えば、屈折率を効果的に低下させる材料として中空シリカ微粒子に重合性二重結合を有するシランカップリング剤で変性した変性中空シリカ微粒子を含む組成物を硬化させてなる硬化被膜を利用することができる。
〔ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層の形成〕
ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層の形成方法は特に制限されず、例えばドライコーティング法、ウェットコーティング法等の塗布方法により各塗液をTACフィルム上に順に塗布し、硬化させる方法を採用することができる。塗布方法としては、生産性や生産コストの面より、特にウェットコーティング法が好ましい。ウェットコーティング法は公知の方法でよく、例えばロールコート法、ダイコート法、スピンコート法、そしてディップコート法等が代表的なものとして挙げられる。これらの中では、ロールコート法等、連続的に塗膜を形成できる方法が生産性の点より好ましい。形成された塗膜は、加熱や紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射によって硬化反応を行うことにより硬化被膜を形成することができる。
<反射防止フィルムの利用>
本実施形態の反射防止フィルムは、高い反射防止効果、かつ、高い品質を求められる用途に好適に用いることができる。特に、電子画像表示装置の表面に使用することができる。電子画像表示装置としては、例えばブラウン管、プラズマディスプレイ、液晶表示装置等が挙げられる。そして、その画面表面に直接、又は画面の前面に配置される板に接着層を介して密着させて用いることができる。
(実施例1−1、高屈折率層形成用組成物の調製)
アンチモン酸亜鉛微粒子分散液〔日産化学工業(株)製、セルナックスCX−603M−F2〕を固形分換算で47質量部、ウレタンアクリレート〔分子量1400、60℃における粘度が2500〜4500Pa・s、日本合成化学工業(株)製、紫光UV7600B〕53質量部、光重合開始剤〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア184〕を5質量部及びイソプロピルアルコール500質量部を混合し、高屈折率層形成用組成物(含アンチモン酸亜鉛微粒子硬化性塗液)を得た。
(金属酸化物微粒子の体積比率)
高屈折率層形成用組成物に含まれる硬化前の(A)多官能(メタ)アクリレートの比重を(d)、配合した質量部を(w)、(B)金属酸化物微粒子の比重を(d)、配合した固形分の質量部を(w)、とした場合、高屈折率層用組成物に含まれる金属酸化物微粒子の体積比率V/(V+V)(%)=100×(w/d)/{(w/d)+(w/D)}として計算した。
(実施例1−2〜1−5及び比較例1−1〜1−4、高屈折率層形成用組成物の調製)
表1に示す配合(質量部)にて、実施例1−1と同様に調整した。なお、実施例1−3〜1−4、及び比較例1−3には、チタニア分散液としてシーアイ化成(株)製、RTTMIBK15WT%−N24を使用した。また、実施例1−5と比較例1−4には、ジルコニア分散液としてシーアイ化成(株)製、ZRMEK25%−F47を使用した。
Figure 2013097362
(低屈折率層用組成物の調製)
変性中空シリカ微粒子が分散されたオルガノゾル〔触媒化成品工業(株)製、スルーリアNAU〕を固形分換算で60質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名「DPHA」〕40質量部、光重合開始剤〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア907〕5質量部、シリコン添加剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、BYKUV−3570〕8質量部、シリコン添加剤〔信越化学工業(株)製、TIC2457〕5質量部、アルミナ添加剤〔ビックケミー・ジャパン(株)製、NANOBYKUV-3601〕0.5質量部、を及びイソプロピルアルコール2000質量部を混合し、低屈折率層用組成物(含シリカ硬化性塗液)を得た。
上記のようにして調製された高屈折率層用組成物及び低屈折率用組成物、並びに市販のハードコート層形成用組成物を使用して反射防止フィルムを作製し、それらの欠陥数及び視感度反射率と、各層の屈折率を測定した。なお、欠陥数、視感度反射率、及び各層の屈折率の測定方法は以下の通りである。
(1m2あたりの欠陥数)
フィルム1m2の非コート面側に黒色粘着を付与し、目視にて欠陥の有無を観察した。観察するときの明るさは、面光源によりフィルム面上の明るさが2000lx以上となるように設定した。目視確認できた欠陥については、420倍の光学顕微鏡を使用して欠陥のサイズを確認し、欠陥のサイズが20μmφ以上となったものの数をカウントした。
(欠陥の断面SEM+EDX分析)
欠陥部分を集束イオンビーム(FIB)加工によって切断し、断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。断面写真にて観察された凝集部分について、エネルギー分散型X線分光法(EDX)により含まれる元素を特定した。凝集部分すべてにおいて、高屈折率層に含まれる金属酸化物微粒子の成分が最も多く検出された。
(視感度反射率)
測定面の裏面反射を除くため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計〔日本分光(株)製、商品名:U−best560〕により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られる光の波長380nm〜780nmの分光反射率と、CIE標準イルミナントD65の相対分光分布を用いて、JIS Z8701で想定されているXYZ表色系における、反射による物体色の三刺激値Yを視感度反射率(%)とした。
(屈折率)
硬化被膜表面の反射スペクトルを反射分光膜厚計FE−3000(大塚電子製)により測定して、得られた反射スペクトルを基に589nmの光に対する屈折率を算出した。
(実施例2−1)
ハードコート層形成用組成物〔JSR(株)製、オプスターZ7521〕を、透明基材として厚さ100μmのトリアセチルセルロースフィルム上にロールコーターにて乾燥膜厚が6μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。なお、上記乾燥膜厚が実質的にハードコート層の膜厚である。その後、120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量300mJ/cm)、ハードコート層形成用組成物を硬化させてハードコート層を形成した。このハードコート層の屈折率は1.50であった。
次いで、このハードコート層上に実施例1−1で製造された高屈折率層形成用組成物を、乾燥時の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて300mJの紫外線を照射し、高屈折率層形成用組成物を硬化させて高屈折率層を形成した。この高屈折率層の屈折率は1.54であった。
最後に、この高屈折率層上に上記低屈折率層用組成物を乾燥時の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて300mJの紫外線を照射し、低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.38であった。また、得られた反射防止フィルムの欠陥発生頻度を評価したところ、欠陥サイズ20μmφ以上の欠陥数が16個/mであった。
(実施例2−2)
実施例1−2で製造された高屈折率層形成用組成物を使用した以外は、実施例2−1と同様に実施した。得られた反射防止フィルムの欠陥発生頻度を評価したところ、欠陥サイズ20μmφ以上の欠陥数が18個/mであった。
(実施例2−3)
ハードコート層形成用組成物〔東洋インキ製造(株)製、リオデュラスLAS1303NL〕を、透明基材として厚さ100μmのトリアセチルセルロースフィルム上にロールコーターにて乾燥膜厚が4μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥した。なお、上記乾燥膜厚が実質的にハードコート層の膜厚である。その後、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯〔日本電池(株)製〕により紫外線を照射し(積算光量300mJ/cm)、ハードコート層形成用組成物を硬化させてハードコート層を形成した。このハードコート層の屈折率は1.53であった。
次いで、このハードコート層上に実施例1−3で製造された高屈折率層形成用組成物を乾燥時の厚さが0.1μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて300mJの紫外線を照射し、高屈折率層形成用組成物を硬化させて高屈折率層を形成した。この高屈折率層の屈折率は1.67であった。
最後に、この高屈折率層上に上記低屈折率層用組成物を乾燥時の厚さが0.1〜0.2μmとなるように塗布した後、窒素雰囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、120W高圧水銀灯)を用いて300mJの紫外線を照射し、低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.38であった。また、得られた反射防止フィルムの欠陥発生頻度を評価したところ、欠陥サイズ20μmφ以上の欠陥数が22個/mであった。
(実施例2−4)
実施例1−4で製造された高屈折率層形成用組成物を使用した以外は、実施例2−3と同様に実施した。得られた反射防止フィルムの欠陥発生頻度を評価したところ、欠陥サイズ20μmφ以上の欠陥数が23個/mであった。
(実施例2−5)
実施例1−5で製造された高屈折率層形成用組成物を使用した以外は、実施例2−3と同様に実施した。得られた反射防止フィルムの欠陥発生頻度を評価したところ、欠陥サイズ20μmφ以上の欠陥数が27個/mであった。
(比較例2−1)
比較例1−1で製造された高屈折率層形成用組成物を使用した以外は、実施例2−1と同様に実施した。得られた反射防止フィルムの欠陥発生頻度を評価したところ、欠陥サイズ20μmφ以上の欠陥数が32個/mであった。
(比較例2−2)
比較例1−2で製造された高屈折率層形成用組成物を使用した以外は、実施例2−3と同様に実施した。得られた反射防止フィルムの欠陥発生頻度を評価したところ、欠陥サイズ20μmφ以上の欠陥数は15個/mと少なかったが、視感度反射率は1.2%と1.0%を超えていた。
(比較例2−3)
比較例1−3で製造された高屈折率層形成用組成物を使用した以外は、実施例2−3と同様に実施した。得られた反射防止フィルムの欠陥発生頻度を評価したところ、欠陥サイズ20μmφ以上の欠陥数が45個/mであった。
(比較例2−4)
比較例1−4で製造された高屈折率層形成用組成物を使用した以外は、実施例2−3と同様に実施した。得られた反射防止フィルムの欠陥発生頻度を評価したところ、欠陥サイズ20μmφ以上の欠陥数が48個/mであった。
以上の実施例2−1〜2−5及び比較例2−1〜2−4で使用した高屈折率層形成用組成物に関する(A)多官能(メタ)アクリレートの比重(d)、配合した固形分換算の質量部(w)、(B)金属酸化物微粒子の比重(d)、配合した固形分換算の質量部(w)、高屈折率層形成用組成物に含まれる金属酸化物微粒子の体積比率(%)、及び得られた反射防止フィルムにおける1mあたりの欠陥数(個/m)、視感度反射率を表2に示す。
Figure 2013097362
実施例2−5と比較例2−3に含まれる金属酸化物微粒子の質量は同じであるが、高屈折率層形成用組成物に含まれる金属酸化物微粒子の体積比率の少ない実施例2−5の方が、比較例2−3に比べて欠陥の発生頻度が低いことが分かる。このことから、欠陥の発生頻度は、高屈折率層形成用組成物に含まれる微粒子体積比率に大きく依存していることが分かる。
また、比較例2−1の金属酸化物微粒子の体積比率は13%と低いため、視感度反射率が1.2%と高くなっていることが分かる。

Claims (2)

  1. (A)多官能(メタ)アクリレート及び(B)金属酸化物微粒子を含む、反射防止フィルム用の高屈折率層形成用組成物であって、
    該高屈折率層形成用組成物に含まれる前記多官能(メタ)アクリレート(A)の体積を(VA)、前記金属酸化物微粒子(B)の体積を(VB)とした場合、前記多官能(メタ)アクリレート(A)と前記金属酸化物微粒子(B)の合計体積に対して、前記金属酸化物微粒子(B)の体積比率{VB/(VA+VB)}が15〜37%であることを特徴とする、高屈折率層形成用組成物。
  2. トリアセチルセルロースフィルム上に、ハードコート層、該ハードコート層より相対的に屈折率の高い高屈折率層、及び該高屈折率層より相対的に屈折率の低い低屈折率層が、前記トリアセチルセルロースフィルム側からこの順で順次形成された反射防止フィルムであって、
    前記高屈折率層は、請求項1に記載の高屈折率層形成用組成物の硬化物であることを特徴とする、反射防止フィルム。

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