JP2016017041A - テトラヒドロフランの精製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させる。
【選択図】なし
Description
[1]10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させることを特徴とするテトラヒドロフランの精製方法。
[2]固体酸触媒と接触させた後に、γ−ブチロラクトンを蒸留により分離する[1]に記載の方法。
[3]固体酸触媒が酸性陽イオン交換樹脂である[1]又は[2]に記載の方法。
[4]反応温度が50℃以上120℃以下である[1]〜[3]の何れかに記載の方法。[5]反応時間が3分以上600分以下である[1]〜[4]の何れかに記載の方法。
[6]理論段数が0段の蒸発缶又は理論段数が1段以上100段以下の蒸留塔を用いて蒸留により、テトラヒドロフランとγ−ブチロラクトンの分離を行う[2]〜[5]の何れかに記載の方法。
[7]蒸留により回収する精製テトラヒドロフランの割合が、原料テトラヒドロフラン化合物の供給量に対して80wt%以上である[2]〜[6]の何れかに記載の方法。
[8]10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させることを特徴とする精製テトラヒドロフランの製造方法。[9][8]に記載の製造方法によって得られたテトロヒドロフランに対して、開環重合反応触媒の存在下で、開環重合反応を行うことを特徴とするポリエーテルポリオールの製造方法。
本発明のテトラヒドロフランの精製方法は、10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料となるテトラヒドロフラン(以下、「原
料テトラヒドロフラン」と略記することがある。)を固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させることに特徴を有するものである。
さらに、精製テトラヒドロフラン中のTHF過酸化物濃度は、原料THF中のTHF過酸化物濃度よりも、通常5wtppm以上低く、好ましくは10wtppm以上低く、より好ましくは50wtppm以上低い。
上記のとおりTHF過酸化物濃度を低下させることにより、着色が少ない高品質のポリエーテルポリオールの製造原料として好適に用いることができる。
に行われないと共に触媒の交換頻度が高くなる。また、大きすぎると反応器に係る建設費が高くなるため工業的に不利となる傾向がある。
本発明のポリエーテルポリオールの製造方法は、上記方法によって得られたテトロヒド
ロフランに対して、開環重合反応触媒の存在下で、開環重合反応を行うことに特徴を有するものである。
%、特に好ましくは0.1〜20重量%である。
分方式においては、反応温度まで上昇した時点から反応が終了して冷却を開始するまでの時間を意味し、連続方式においては、反応器中での重合反応液の滞留時間のことを意味する。
なお、気液接触装置とは、ポリアルキレングリコールジエステルを含む反応液に対して不活性ガスを接触させる工程にて使用される装置を意味する。
THF中の水分分析はカールフィッシャー法を用いて行った。有機成分の分析はガスクロマトグラフィー(装置:島津製作所社製、型番GC−2014、カラムDB−1)により行い、修正面積百分率により算出した。各成分の係数は、THFを基準として、有効炭
素数に基づいて下記の様に定めた。
THFに対する係数
GBL 1.3026
なお、各成分の濃度(含有量)は、100wt%から水分濃度を差し引いた値を算出し、その値から残る成分の割合(wtppm)をガスクロマトグラフィーの各成分の面積百分率により計算した。
THF中の過酸化物濃度は試料にヨウ化カリウムを添加して生成する遊離ヨウ素を窒素雰囲気下でチオ硫酸ナトリウム溶液により滴定し、使用した溶液量から濃度を算出した。
尚、本発明におけるTHF中の化合物濃度は、THF過酸化物をテトラヒドロフランハイドロパーオキサイドと仮定し、上記THF中の過酸化物濃度から計算した。
三菱化学社製の強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンPK216LH)を、内径20mmの円筒型ガラス反応器に30cc充填し、150cc/hrの流量で三菱化学社製のTHFを6hr通液した。本処理を終えた直後に反応器出口から得られるTHF中に含まれる水分は約100wtppmであった。本処理を前処理として実施した反応器を用いた。
ポリアルキレンエーテルグリコールジエステル(具体的にはPTME)の着色の程度は、ハーゼン色数米国公衆衛生協会の規格に規定されているハーゼン色数(APHA値)で表した。ハーゼン色数はキシダ化学社製のAPHA色数標準液(N0.500)を希釈して調製した標準液を使用し、JIS K0071−1に準じて比色して求めた。色差計は日本電色工業社製の測色色差計ZE−2000を使用し、セル厚み:10mmの条件で測定した。
ポリアルキレンエーテルグリコールジエステル(具体的にはPTME)の数平均分子量(Mn)は、PTMEのテトラヒドロフラン溶液を調製後、GPC装置〔東ソー社製、製品名「HLC−8220」、カラム:TskgelSuperHZM−N(4本)〕を用いて測定した。GPCのキャリブレーションには、英国POLYMER LABORATORIES社製のPOLYTETRAHYDROFURANキャリブレーションキットを使用した。
THFの開環重合反応触媒として、27.2%硝酸ジルコニア水溶液にCARiACTQ15(登録商標)(富士シリシア化学社製のシリカ担体)を含浸し乾燥処理を実施し、その後、重炭酸アンモニウム水溶液で中和・洗浄を行った後、乾燥および900℃で焼成処理を行ったものを用いた。
THF過酸化物が358wtppm含まれているTHFをガラス製の300ccフラスコ反応器に135g、Celanese社製の無水酢酸を16.5g、触媒(開環重合反応触媒)を6g仕込み、窒素雰囲気下にて反応温度40℃で6時間反応させた。この反応液から触媒を濾過分離して得られた重合反応液を、撹拌子を備えたガラス製丸底フラスコに100g入れて、500cc/minの流量で窒素をバブリングさせながら、常圧下でバス温度170℃にて2時間加熱して未反応原料を留去し、PTMEを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)および比色分析を行い、得られたPTMEの品
質を確認した。数平均分子量(Mn)は2169、転化率は45.8%、APHA値は32であった。
THF過酸化物が358wtppm含まれているTHFを前処理の終えた固定床反応器に90℃、0.3MPaの条件で30cc/hrで流通させた。反応開始後24〜48hrの液を製品タンクに溜め込んだ。この製品タンクに溜め込まれた反応液中のTHF過酸化物は23wtppm、GBLが157wtppm、水は100wtppmであった。本反応液を、ガラス製ナシ型フラスコに1000g入れて、30cc/minの流量で窒素をバブリングさせながら、常圧下でバス温度100℃にて2時間加熱し、原料に対して99.5wt%のTHFを留出させた。本留出液中にはTHF過酸化物が23wtppm、GBLが8wtppm、水が100wtppm含まれていた。
上記比較例1、実施例1の条件及び結果を表1に示す。
Claims (9)
- 10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させることを特徴とするテトラヒドロフランの精製方法。
- 固体酸触媒と接触させた後に、γ−ブチロラクトンを蒸留により分離する請求項1に記載の方法。
- 固体酸触媒が酸性陽イオン交換樹脂である請求項1又は2に記載の方法。
- 反応温度が50℃以上120℃以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
- 反応時間が3分以上600分以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
- 理論段数が0段の蒸発缶又は理論段数が1段以上100段以下の蒸留塔を用いて蒸留により、テトラヒドロフランとγ−ブチロラクトンの分離を行う請求項2〜5の何れか1項に記載の方法。
- 蒸留により回収する精製テトラヒドロフランの割合が、原料テトラヒドロフラン化合物の供給量に対して80wt%以上である請求項2〜6の何れか1項に記載の方法。
- 10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させることを特徴とする精製テトラヒドロフランの製造方法。
- 請求項8に記載の製造方法によって得られたテトロヒドロフランに対して、開環重合反応触媒の存在下で、開環重合反応を行うことを特徴とするポリエーテルポリオールの製造方法。
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WO2023145554A1 (ja) | 2022-01-28 | 2023-08-03 | 保土谷化学工業株式会社 | テトラヒドロフランと植物由来2-メチルテトラヒドロフランとの共重合反応物、およびその製造方法 |
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JPS61200979A (ja) * | 1985-02-28 | 1986-09-05 | Mitsubishi Chem Ind Ltd | 粗テトラヒドロフランの精製方法 |
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-
2014
- 2014-07-07 JP JP2014139781A patent/JP2016017041A/ja active Pending
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WO2023145554A1 (ja) | 2022-01-28 | 2023-08-03 | 保土谷化学工業株式会社 | テトラヒドロフランと植物由来2-メチルテトラヒドロフランとの共重合反応物、およびその製造方法 |
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