JP2016017041A - テトラヒドロフランの精製方法 - Google Patents

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亮 山下
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Abstract

【課題】テトラヒドロフラン中の過酸化物を、容易に分離除去でき、かつ濃縮されても熱的に安定な物質へ変換することで、品質の高いテトラヒドロフランを得ると共にテトラヒドロフランの精製負荷を低減できる工業的に有利なTHFの精製方法を提供する。
【解決手段】10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させる。
【選択図】なし

Description

本発明はテトラヒドロフランの精製方法に関する。さらに詳しくは、固体酸触媒を用いて、テトラヒドロフラン中に含まれる過酸化物を分解し、γ−ブチロラクトンに変換する、好ましくは変換して分離除去することで、品質の高いテトラヒドロフランを得る方法、該方法により得られたテトラヒドロフランを原料として用いるポリエーテルポリオールの製造方法に関する。
従来、テトラヒドロフラン(以下、「THF」と略記することがある。)は各種有機化合物の溶剤として使用される他に、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、「PTMG」と略記することがある。)などのポリエーテルポリオールの原料モノマーとしても有用な化合物として知られている。
THFなどの環状エーテルの工業的な製法としては、様々な製法がある。中でもジヒドロキシ化合物を、脱水環化反応を行うことにより環状エーテルを製造する方法が使用されることが多い。また、1,4−ブタンジオ−ル(以下、「1,4BG」と略記することがある。)とテレフタル酸とからポリブチレンテレフタレート(以下、「PBT」と略記することがある。)を製造する際に副生するTHFを精製する方法も挙げられる。
これらの方法で得られたTHFには、その製法や保管方法および酸化防止剤の有無にもよるがTHF過酸化物が含まれることがある。THF過酸化物が存在すると、高濃度ではTHFの熱安定性が著しく悪くなり、また微量であってもPTMGなどの原料として使用する場合に、色相の悪化により工業原料としての価値が著しく低下する問題がある。
そのため、該成分を何らかの方法により除去することが好ましいが、従来提案されている精製方法は、例えば2,3−ジヒドロフランやn−ブチルアルデヒド等の不飽和化合物を除去するものであり(特許文献1〜3)、過酸化物の存在については着目されていなかった。
特開昭61−200979号公報 特開2003−89694号公報 国際公開第99/16762号
ここで、THF過酸化物は、蒸留操作などで濃縮すると過酸化物であるトリマーを形成し、爆発的に分解する危険性があるため、通常の蒸留などで分離するには安全面の懸念が大きい。そのため、該成分の除去方法には、例えば、塩化第一銅や硫酸第一銅の様な還元性物質で処理を行った後にリチウムハイドライド存在下で蒸留分離する方法や、相当量の苛性ソーダを添加して撹拌処理を行った後に蒸留分離する方法等が有効であると考えられる。
しかしながら、これらの方法は、いずれもアルカリ塩を使用するという点などからも中和処理に係る設備や発生した塩を除外するためにコストが多くかかるため、工業的に十分有利な方法とは言えなかった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、THF中の過酸化物を容易に分離除去でき、かつ濃縮されても熱的に安定な物質へ変換することで、品質の高いTHFを得ると共にTHFの精製負荷を低減できる工業的に有利なTHFの精製方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、精製負荷が少ないながらも色相に優れたポリエーテルポリオールの原料となるTHFを製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、原料となるTHFと固体酸触媒を接触させれば、過酸化物が分解して、濃縮されても熱的に安定なγ−ブチロラクトン(以下、「GBL」と略記することがある。)に変換し得ることを見出した。また、かかる方法により過酸化物が分解され、さらに分解物(GBL)が分離除去されたTHFを原料として用いることにより、特に色相の優れたポリエーテルポリオールが得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて成し遂げられたものである。
即ち、本発明の要旨は、次の[1]〜[9]に存する。
[1]10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させることを特徴とするテトラヒドロフランの精製方法。
[2]固体酸触媒と接触させた後に、γ−ブチロラクトンを蒸留により分離する[1]に記載の方法。
[3]固体酸触媒が酸性陽イオン交換樹脂である[1]又は[2]に記載の方法。
[4]反応温度が50℃以上120℃以下である[1]〜[3]の何れかに記載の方法。[5]反応時間が3分以上600分以下である[1]〜[4]の何れかに記載の方法。
[6]理論段数が0段の蒸発缶又は理論段数が1段以上100段以下の蒸留塔を用いて蒸留により、テトラヒドロフランとγ−ブチロラクトンの分離を行う[2]〜[5]の何れかに記載の方法。
[7]蒸留により回収する精製テトラヒドロフランの割合が、原料テトラヒドロフラン化合物の供給量に対して80wt%以上である[2]〜[6]の何れかに記載の方法。
[8]10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させることを特徴とする精製テトラヒドロフランの製造方法。[9][8]に記載の製造方法によって得られたテトロヒドロフランに対して、開環重合反応触媒の存在下で、開環重合反応を行うことを特徴とするポリエーテルポリオールの製造方法。
本発明によれば、テトラヒドロフラン中のTHF過酸化物を簡便な方法で効果的に分解除去することができ、高純度のテトラヒドロフランを効率的に得ることができる。また、本発明によれば、THF過酸化物が効果的に除去されたテトラヒドロフランを原料に用いることで着色の少ないポリエーテルポリオールを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に特定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<テトラヒドロフランの精製方法(製造方法)>
本発明のテトラヒドロフランの精製方法は、10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料となるテトラヒドロフラン(以下、「原
料テトラヒドロフラン」と略記することがある。)を固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させることに特徴を有するものである。
本発明の精製方法は、高品質のテトラヒドロフランが効率的に得られる方法であり、テトラヒドロフランの製造方法と同義である。かかる精製方法(製造方法)により得られたテトラヒドロフラン(以下、「精製テトラヒドロフラン」と略記することがある。)は、そのままポリエーテルポリオールの製造原料として用いてもよいし、蒸留等の適当な方法で、γ−ブチロラクトンを分離除去したものをポリエーテルポリオールの製造原料として用いてもよい。
本発明において、原料テトラヒドロフランとしては、特定量の過酸化物を含有するものであれば特に限定されず、化学法により得られるもの、バイオ法と化学法を組み合せて得られるもの、化学製造工程で副生するもの等の何れのものも使用することができる。
さらに具体的には、例えば、レッペ法、プロピレン法、ブタン法、ブタジエン法、バイオマス資源の発酵由来の製造法によって得られた1,4BGを脱水環化することで得られるTHFや、1,4BGを原料にポリエステルを製造する工程(例えば、1,4BGとテレフタル酸からPBTを製造する工程、1,4BGとコハク酸からポリブチレンサクシネートを製造する工程)で、水と共に副生するTHF等が挙げられる。これらの方法は、それ自体既知の通常用いられるものである。
中でも、PBTを製造する工程で副生するTHFは、他の手法で得られたTHF化合物に比べて安価であるものの、テトラヒドロフラン中にテトラヒドロフラン過酸化物等の不純物が多く含まれる傾向にあり、そのままポリエーテルポリオールの製造原料に用いると、得られるポリエーテルポリオールに着色が生じるという問題があった。それ故、このTHFを原料として本発明の精製方法を実施し、得られた高品質のTHFをポリエーテルポリオールの製造原料として用いることが好ましい。
本発明において、原料テトラヒドロフラン中のTHF過酸化物濃度は、1000wtppm以下、好ましくは500wtppm以下、より好ましくは100wtppm以下である。下限は10wtppm以上である。原料THF中のTHF過酸化物濃度が低すぎると除去する必要性はなく、高すぎると熱安定性が著しく悪化するため、工業的な処理は困難である。
ここで、THF過酸化物は、ペルオキシド構造(−O−O−)を含むテトラヒドロフラン化合物であれば特に限定されないが、具体的には、テトラヒドロフラン環の何れかの位置にハイドロパーオキサイド構造(−O−O−H)を有するハイドロパーオキシドテトラヒドロフランであると考えられる。
本発明においては、原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させる。
ここで、THF過酸化物は少量であれば蒸留によりTHFと分離除去することが可能であるが、濃度が高いと、また蒸留操作などで濃縮すると爆発的に分解が進む特性を持つため、単純な蒸留で分離することは困難である。該成分の持つヒドロキシラジカルは酸化力が高く、THF中に含まれる微量のオレフィン成分やカルボニル成分の重合を引き起こし、ポリエーテルポリオールの色相を悪化させる高沸点化合物と化す。そのため、該成分をあらかじめ固体酸触媒と接触させてテトラヒドロフランと容易かつ安定的に分離できるGBLに変換し、蒸留等の簡便な方法で分離除去することが効果的である。なお、本発明における蒸留は、蒸発又は蒸留を意味する。
本発明でTHF中のTHF過酸化物がGBLに変換される詳細な機構は不明であるが、THF中のTHF過酸化物を固体酸触媒存在下とを接触させることで、過酸化物に脱水反応が生じ、GBLが生成したと考えられる。
THF過酸化物が分解して生成するGBLは原料THF中から分離除去を行わずに、ポリエーテルポリオール製造時の原料に混入させて使用することも可能ではあるが、該成分はポリエーテルポリオール製造時の未反応原料として濃縮される成分であり、連続的にこれを製造する際に、未反応原料の分離負荷を上げる成分となり得る。そのため、開環重合反応前に原料THF中からGBLを蒸留によって分離することが好ましい。THF過酸化物を含む原料テトラヒドロフランを、本発明の方法により精製した後のテトラヒドロフラン(精製テトラヒドロフラン)中のGBL濃度は、通常1000wtppm以下、好ましくは500wtppm以下、より好ましくは100wtppm以下、さらに好ましくは50wtppm以下である。
また、精製テトラヒドロフラン中のTHF過酸化物濃度は、通常50wtppm以下、好ましくは25wtppm以下、より好ましくは10wtppm以下、さらに好ましくは5wtppm以下である。
さらに、精製テトラヒドロフラン中のTHF過酸化物濃度は、原料THF中のTHF過酸化物濃度よりも、通常5wtppm以上低く、好ましくは10wtppm以上低く、より好ましくは50wtppm以上低い。
上記のとおりTHF過酸化物濃度を低下させることにより、着色が少ない高品質のポリエーテルポリオールの製造原料として好適に用いることができる。
本発明で用いる固体酸触媒としては、酸塩基触媒作用を示す固体酸であれば特に限定されないが、例えば、陽イオン交換樹脂、モンモリロナイトを主成分とする活性白土〔例えば、水澤化学社製のガレオンアース(商品名)〕、硫酸化ジルコニア、フルオロスルホン酸含有樹脂〔例えば、DuPont社製のNafion(商品名)〕、リン酸、ヘテロポリ酸(リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸)、スルホン酸化合物等が好ましいものとして挙げられる。これらの中で、陽イオン交換樹脂、活性白土がより好ましく、陽イオン交換樹脂がさらに好ましい。
陽イオン交換樹脂としては、例えば、スルホン酸を交換基として持つ強酸性陽イオン交換樹脂、メタクリル酸やアクリル酸などのカルボン酸基を交換基として持つ弱酸性陽イオン交換樹脂等の酸性陽イオン交換樹脂が挙げられる。また、樹脂の型式もゲル型およびポーラス型、ハイポーラス型のいずれを選んでもよい。
本発明において、原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させる形式、即ちTHF過酸化物の分解処理における反応形式として、固定床流通反応形式、懸濁床流通反応形式、回分反応形式等の公知の反応形式を使用することができる。また用い得る反応器は特に限定されず、反応槽、反応容器、反応釜、反応塔等と同じ意味内容で用いられるものであれば何れのものでもよい。工業的には、連続生産が可能となる固定床流通反応形式が好ましい。
固体酸触媒の使用量は、固定床流通反応器であれば、原料テトラヒドロフランの1時間当たりの通液量に対して、通常0.05倍以上、好ましくは0.1倍以上、より好ましくは0.5倍以上であり、上限は、通常10倍以下、好ましくは5倍以下、より好ましくは3倍以下である。滞留時間(反応時間)で言えば、通常3分以上、好ましくは6分以上、より好ましくは30分以上であり、上限は、通常600分以下、好ましくは300分以下、より好ましくは90分以下である。この値が小さすぎるとTHF過酸化物の分解が十分
に行われないと共に触媒の交換頻度が高くなる。また、大きすぎると反応器に係る建設費が高くなるため工業的に不利となる傾向がある。
懸濁床流通反応器であれば、触媒濃度は、原料テトラヒドロフランに対して、通常0.5wt%以上、好ましくは3wt%以上、より好ましくは5wt%以上であり、上限は、通常50wt%以下、好ましくは30wt%以下、より好ましくは20wt%以下である。また、滞留時間(反応時間)は、通常10分以上、好ましくは30分以上、より好ましくは60分以上であり、上限は、通常600分以下、好ましくは300分以下、より好ましくは100分以下である。これらの値が小さすぎるとTHF過酸化物の分解が十分に行われないと共に触媒の交換頻度が高くなる傾向がある。また、これらの値が大きすぎると反応器に係る建設費が高くなるため工業的に不利となる傾向がある。
反応温度は、通常50℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、上限は、通常120℃以下、好ましくは110℃以下、より好ましくは100℃以下である。この値が低すぎるとTHF過酸化物の分解が十分に行われないことがある。高すぎると固体酸触媒への熱負荷や加熱に係る熱量の観点から好ましくない傾向がある。ここで、反応温度とは、反応器内の温度、即ち原料テトラヒドロフラン化合物を固体酸触媒へ接触させて、THF過酸化物をGBLへ変換する反応を行う温度である。
反応圧力は特に限定されないが、絶対圧として、通常10kPa以上、好ましくは100kPa以上であり、上限は、通常1000kPa以下、好ましくは500kPa以下である。
生成したGBLを除去する方法としては、蒸留により分離することが好ましい。分離するために用いる設備としては、蒸発缶(理論段数が0段の蒸発缶)を用いてもよいし、充填塔、棚段塔などを有した蒸留塔を用いてもよい。
蒸留塔の段数は任意であるが、理論段として、通常1段以上、好ましくは4段以上であり、上限は、通常100段以下、好ましくは30段以下である。100段より大きい段数では塔が大きくなりすぎ、設備建設のための経済性が悪化する場合がある。
蒸留塔の還流比は、通常0.1以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上であり、上限は、通常10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。この値が小さすぎると十分な分離が行えない可能性があり、大きすぎると蒸発に要する熱量が多大となるため経済的に悪化する場合がある。
また、蒸留により回収する留出液(精製テトラヒドロフラン)の割合は、原料テトラヒドロフランの供給量に対して、通常80wt%以上、好ましくは90wt%以上、より好ましくは95wt%以上である。この値が低すぎると蒸発缶の缶出部や蒸留塔の塔底部に含まれるTHFが多くなり、塔底部の溶液の廃棄や別途蒸留を行う必要が生じる場合がある。塔底部の溶液の廃棄や別途蒸留プロセスを加える場合は、いずれも工業的に不利な傾向となる。なお、蒸留塔を用いる場合、留出液は、通常蒸留塔の塔頂部より回収する液である。
本発明の方法により精製されたテトラヒドロフランは、THF過酸化物が効果的に除去された高純度の化合物であり、ポリエーテルポリオールの製造原料として、特に好適に用いることができる。
<ポリエーテルポリオールの製造方法>
本発明のポリエーテルポリオールの製造方法は、上記方法によって得られたテトロヒド
ロフランに対して、開環重合反応触媒の存在下で、開環重合反応を行うことに特徴を有するものである。
本発明において、開環重合反応の原料となるテトラヒドロフランは、上記方法により得られるものである。以下、ポリアルキレンエーテルグリコール、具体的にはポリテトラメチレンエーテルグリコールを代表例として、本発明のポリエーテルポリオールの製造方法について説明する。
上記方法により得られるテトラヒドロフランは、THF過酸化物が分解除去された高純度の化合物であり、そのままポリアルキレンエーテルグリコールの原料として用いることができる。THF過酸化物濃度は少ないほど好ましいが、重合時の着色や副反応を抑制するために、通常50wtppm以下で用いるのが好ましい。
一般に、テトラヒドロフラン等の環状エーテルは、酸化されやすく過酸化物を形成しやすい。精製テトラヒドロフランの保管に際しては、2,6−ジ−(t−ブチル)−p−クレゾール等の酸化防止剤を添加することで、過酸化物の濃度を制御することができる。酸化防止剤の濃度は、好ましくは50ppm以上、より好ましくは100ppm以上、さらに好ましくは250ppm以上であり、上限は、通常5000ppm以下、好ましくは1000ppm以下である。保管時の温度は、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下、さらに好ましくは25℃以下である。
本発明における開環重合反応では、助剤(重合反応開始剤)としてカルボン酸無水物が使用される場合がある。具体的には、例えば、炭素数2〜12、好ましくは2〜8の脂肪族又は芳香族カルボン酸から誘導されるカルボン酸無水物が挙げられる。無水物の原料となるカルボン酸はモノカルボン酸であるのが好ましいが、ポリカルボン酸を用いてもよい。上記カルボン酸の具体例として、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、マレイン酸、コハク酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸、フタル酸、ナフタリン酸等の芳香族カルボン酸が挙げられる。これらの中で、価格や入手のしやすさから脂肪族カルボン酸から誘導される無水物が好ましく、反応性や製造物の需給の観点から無水酢酸がより好ましい。
カルボン酸無水物の使用量としては、原料のテトラヒドロフラン1モルに対して、通常0.03モル以上、好ましくは0.04モル以上、より好ましくは0.05モル以上、さらに好ましくは0.06モル以上であり、上限は、通常0.30モル以下、好ましくは0.28モル以下、より好ましくは0.26モル以下、さらに好ましくは0.25モル以下、特に好ましくは0.22モル以下である。上記上限値を超えると、重合時または未反応原料留去時等にカルボン酸無水物由来の着色が起こりやすくなり、製造されるポリアルキレンエーテルグリコールジエステルの色相が悪化し、転化率の低下に伴う生産量低下が生じることがある。また、上記下限値未満では、十分な開環重合反応の進行が困難となることがある。
開環重合反応触媒としては、テトラヒドロフランを開環重合できる能力を持つ触媒であれば特に限定されないが、ルイス酸性を有する固体酸系触媒を用いるのが好ましい。固体酸系触媒としては、金属酸化物からなる固体酸触媒が好適に使用される。金属としては、好ましくは周期表(IUPAC無機化学命名法改訂版(1998)による)の第3族、第4族、第13族もしくは第14族に属する金属元素からなる金属酸化物、または、これらの金属元素を含む複合酸化物が用いられる。具体的には、酸化イットリウム、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカなどの金属酸化物;ジルコニアシリカ、ハフニアシリカ、シリカアルミナ、チタニアシリカ、チタニアジルコニアのような複合酸化物が好ましい。また、これらの複合酸化物にさらに他の金属元素を含有する複合酸化物を用いてもよい。
固体酸触媒を調製する方法としては、例えば、上記金属元素から選ばれる1種類以上の金属の塩またはそのアルコキシドを含有する混合溶液に、必要により、酸、アルカリ又は水を添加することにより、沈澱物あるいはゲルを固体酸触媒前駆体として形成させる方法が挙げられる。上記沈澱物またはゲルの調製方法としては、共沈殿法、ゾル−ゲル法、混練法、含浸法などが挙げられる。本発明においては、適当な担体上に金属塩及び/又は金属アルコキシドを担持させ、固相状態(実質的に水を含まない状態)においてアルカリやアミン等の塩基性物質を接触させる過程を経て固体酸触媒前駆体を得る方法が好ましい。
得られた固体酸触媒前駆体は、必要に応じて、ろ過、洗浄、乾燥を行った後、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、空気あるいは希釈酸素ガス等の酸化性ガス雰囲気下で焼成し、所望の(複合)酸化物を得ることができる。焼成温度は、通常600℃以上、好ましくは700℃以上であり、上限は、通常1150℃以下、好ましくは1000℃以下である。上記温度範囲で焼成することにより、活性、安定性に優れた固体酸触媒を得ることができる。
開環重合反応触媒の使用量は、反応形式が固定床であるか懸濁床であるかによって、あるいは連続反応であるか回分反応であるかによって異なるが、懸濁床連続反応の場合には、通常、反応系の全化合物中の0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜30重量
%、特に好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明において、原料にテトラヒドロフラン、助剤としてカルボン酸無水物を使用することにより、ポリアルキレンエーテルグリコールジエステルを得ることができる。ポリアルキレンエーテルグリコールジエステルは加水分解反応やエステル交換反応を行う等の公知の方法でポリアルキレンエーテルグリコールに変換することができる。例えば、カルボン酸無水物として無水酢酸を使用する場合には、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジメチルエステル(以下、「PTME」と略記することがある。)を炭素数1〜4の脂肪族アルコールと混合し、エステル交換触媒存在下でのアルコリシス反応によりエステル交換を行うことで、PTMGを得ることができる。
本発明において、開環重合反応を行う反応器は特に限定されないが、槽型、塔型等一般に用いられるものが使用される。また、反応方式も公知の方法であれば特に限定されない。具体的な反応方式として、テトラヒドロフランとカルボン酸無水物、触媒をそれぞれ一定量測り取り、その量を反応器に仕込んで重合させる方法(回分方式);テトラヒドロフラン、カルボン酸無水物及び触媒がそれぞれ反応器内で一定量存在するように連続的に供給すると同時に、目的生成物であるポリアルキレンエーテルグリコールジエステルを含む反応液を連続的に抜き取る方法(連続方式)が挙げられる。中でも、生産性に優れることから、連続方式が好ましい。
開環重合反応温度は、通常30℃以上、好ましくは33℃以上、より好ましくは35℃以上であり、上限は、通常50℃以下、好ましくは49℃以下である。開環重合反応温度が上限を超えると、ポリアルキレンエーテルグリコールジエステルに着色が生じることがある。また、下限温度未満では、収率が低下するだけでなく、低分子量体製造時の無水酢酸使用比率が高くなるので無水酢酸回収コストも増大することがある。なお、本発明における開環重合反応温度とは、反応器内の液温を意味する。
反応圧力は、反応系が液相を保持できるような圧力であればよく、通常常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜5MPaの圧力の範囲から選択される。反応時間に特に限定はないが、ポリアルキレンエーテルグリコールジエステルの収率、経済性の観点から、通常0.1〜20時間、好ましくは0.5〜15時間の範囲である。ここで言う反応時間とは、回
分方式においては、反応温度まで上昇した時点から反応が終了して冷却を開始するまでの時間を意味し、連続方式においては、反応器中での重合反応液の滞留時間のことを意味する。
また、必要に応じて、反応器の後段に、未反応原料の回収工程、得られたポリアルキレンエーテルグリコールジエステルの取り出し及び加水分解工程、触媒の再生工程等を加えてもよい。回分反応方式の場合、反応終了後、先ず触媒と反応液を濾過分別し、反応液より、未反応原料を留去することで、重合体のみを容易に得ることができる。さらに、反応後の触媒は、よく洗浄後、付着した有機物を燃焼することにより容易に活性を回復することができる。
未反応原料の回収工程を加える場合は、気液分離装置や気液接触装置を用いる等公知の方法であれば特に限定されないが、気液接触装置にポリアルキレンエーテルグリコールジエステルを含む反応液を供給し、未反応原料を分離して回収する工程が含まれることが好ましい。また、これら未反応原料の回収工程は一種又は複数を組み合わせてもよい。
なお、気液接触装置とは、ポリアルキレングリコールジエステルを含む反応液に対して不活性ガスを接触させる工程にて使用される装置を意味する。
気液接触装置は特に限定されないが、気体連続相中に液体を分散させる形式の気液接触装置として充填塔、スプレー塔、スクラバー、濡壁塔等;液体連続相中に気体を分散させる形式の気液接触装置として気泡塔、段塔、気泡攪拌槽等が挙げられる。これらは、単独で用いても、複数で用いてもよい。中でも、液体/気体の比が小さく滞留時間が短くでき、重合物の加熱劣化を避けることができるため、気体連続相中に液体を分散させる形式の気液接触装置が好ましい。より好ましくは、気液接触面積が大きくできる充填塔、スプレー塔、スクラバーであり、特に制御が容易な充填塔が工業的に有利な傾向にある。上記充填塔における充填物は、ラシヒリングやポールリングに代表される不規則充填物でも規則充填物でもよい。
気液接触装置に用いる不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、二酸化炭素から選ばれる少なくとも一種が含まれることが好ましく、これらの中で、窒素がより好ましい。
仕込み液量に対する通気ガスの仕込み体積比は、塔内温度及び塔内段数によって変化するが、通常10以上100以下である。過大な体積比は、通気ガスの損失につながるので不利である。塔段数は、滞留時間に依存するが、5〜30段が好適である。
気液接触装置を用いる場合、圧力は通常10〜200kPa、好ましくは20〜100kPa、処理温度は100〜200℃、好ましくは140〜180℃で運転される。上記処理温度が低すぎると、残存する未反応原料の十分な分離が行えない傾向にあり、高すぎるとカルボン酸無水物の分解が起こりやすくなり、分解生成物由来の着色がより顕在化しやすくなる傾向がある。また、処理時間は好ましくは10〜240分、より好ましくは15〜180分、特に好ましくは30〜120分である。処理時間が短すぎると未反応原料が十分に分離されない傾向があり、長すぎるとカルボン酸無水物の分解が進行し、分解生成物由来の着色が顕在化しやすい傾向となる。
気液接触装置の内部の材質としては特に限定されず、公知の材質が使用できるが、例えば、SUS、ハステロイ(商標名)、チタン、ガラス等が挙げられる。中でも、耐腐食性の観点からは、SUS、ハステロイ(商標名)が好ましい。より具体的には、SUS304、SUS316、SUS316L、SUS317、SUS317L、SUS329J4L等が挙げられる。
このような気液接触処理を行うことで、得られるポリアルキレンエーテルグリコールジエステルの品質劣化を引き起こすことなく効率よく未反応原料を回収することができる。
本発明において得られるポリアルキレンエーテルグリコールジエステルの着色の程度は、ハーゼン色数米国公衆衛生協会の規格に規定されているハーゼン色数(APHA値)で示すことができる。APHA値は特に限定されないが、通常35以下、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、さらに好ましくは15以下である。なお、ハーゼン色数は、[実施例]の項において説明する方法を用いて測定した値である。
また、酸価も特に限定されないが、通常1.0mgKOH/g以下、好ましくは0.5mgKOH/g以下、より好ましくは0.3mgKOH/g以下、さらに好ましくは0.1mgKOH/g以下である。ここで、酸価は、試料1g中に含有する酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数である。
さらに、上記方法で得られるポリアルキレンエーテルグリコールジエステルは、エステル交換触媒の存在下で、加水分解反応又はエステル交換反応を行うことにより、ポリアルキレンエーテルグリコールを得ることができる。
エステル交換触媒としては、加水分解反応やエステル交換反応に使用されているものであれば特に限定されないが、通常はリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウム等のアルカリ金属アルコキシドが用いられる。中でも、ナトリウム、カリウムのアルコキシドが好ましい。具体的には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシド等が挙げられる。中でも、汎用性が高く安価であることから、ナトリウムメトキシドがより好ましい。
加水分解反応又はエステル交換反応は、通常、常圧または加圧下で行うことができる。反応圧力は、通常0.1〜2.0MPa、好ましくは1.0〜1.5MPaあり、反応温度は、通常60〜180℃の範囲である。
得られるポリアルキレンエーテルグリコールのAPHA値や酸価は、上記ポリアルキレンエーテルグリコールジエステルにおける値と同様である。
このように、本発明の精製方法により得られたテトラヒドロフラン化合物を原料として用いることにより、酸価が低く、特に色調に優れるポリアルキレンエーテルグリコールを得ることができる。
さらに、上記ポリアルキレンエーテルグリコールジエステルから得られるポリアルキレンエーテルグリコールは、弾性繊維、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、コーティング材などの用途に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の比較例、実施例において用いた分析方法、反応器、触媒等は次のとおりである。
[原料分析]
THF中の水分分析はカールフィッシャー法を用いて行った。有機成分の分析はガスクロマトグラフィー(装置:島津製作所社製、型番GC−2014、カラムDB−1)により行い、修正面積百分率により算出した。各成分の係数は、THFを基準として、有効炭
素数に基づいて下記の様に定めた。
THFに対する係数
GBL 1.3026
なお、各成分の濃度(含有量)は、100wt%から水分濃度を差し引いた値を算出し、その値から残る成分の割合(wtppm)をガスクロマトグラフィーの各成分の面積百分率により計算した。
[過酸化物測定]
THF中の過酸化物濃度は試料にヨウ化カリウムを添加して生成する遊離ヨウ素を窒素雰囲気下でチオ硫酸ナトリウム溶液により滴定し、使用した溶液量から濃度を算出した。
尚、本発明におけるTHF中の化合物濃度は、THF過酸化物をテトラヒドロフランハイドロパーオキサイドと仮定し、上記THF中の過酸化物濃度から計算した。
[固定床反応器]
三菱化学社製の強酸性陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンPK216LH)を、内径20mmの円筒型ガラス反応器に30cc充填し、150cc/hrの流量で三菱化学社製のTHFを6hr通液した。本処理を終えた直後に反応器出口から得られるTHF中に含まれる水分は約100wtppmであった。本処理を前処理として実施した反応器を用いた。
[ハーゼン色数]
ポリアルキレンエーテルグリコールジエステル(具体的にはPTME)の着色の程度は、ハーゼン色数米国公衆衛生協会の規格に規定されているハーゼン色数(APHA値)で表した。ハーゼン色数はキシダ化学社製のAPHA色数標準液(N0.500)を希釈して調製した標準液を使用し、JIS K0071−1に準じて比色して求めた。色差計は日本電色工業社製の測色色差計ZE−2000を使用し、セル厚み:10mmの条件で測定した。
[数平均分子量]
ポリアルキレンエーテルグリコールジエステル(具体的にはPTME)の数平均分子量(Mn)は、PTMEのテトラヒドロフラン溶液を調製後、GPC装置〔東ソー社製、製品名「HLC−8220」、カラム:TskgelSuperHZM−N(4本)〕を用いて測定した。GPCのキャリブレーションには、英国POLYMER LABORATORIES社製のPOLYTETRAHYDROFURANキャリブレーションキットを使用した。
[開環重合反応触媒]
THFの開環重合反応触媒として、27.2%硝酸ジルコニア水溶液にCARiACTQ15(登録商標)(富士シリシア化学社製のシリカ担体)を含浸し乾燥処理を実施し、その後、重炭酸アンモニウム水溶液で中和・洗浄を行った後、乾燥および900℃で焼成処理を行ったものを用いた。
<比較例1>
THF過酸化物が358wtppm含まれているTHFをガラス製の300ccフラスコ反応器に135g、Celanese社製の無水酢酸を16.5g、触媒(開環重合反応触媒)を6g仕込み、窒素雰囲気下にて反応温度40℃で6時間反応させた。この反応液から触媒を濾過分離して得られた重合反応液を、撹拌子を備えたガラス製丸底フラスコに100g入れて、500cc/minの流量で窒素をバブリングさせながら、常圧下でバス温度170℃にて2時間加熱して未反応原料を留去し、PTMEを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)および比色分析を行い、得られたPTMEの品
質を確認した。数平均分子量(Mn)は2169、転化率は45.8%、APHA値は32であった。
<実施例1>
THF過酸化物が358wtppm含まれているTHFを前処理の終えた固定床反応器に90℃、0.3MPaの条件で30cc/hrで流通させた。反応開始後24〜48hrの液を製品タンクに溜め込んだ。この製品タンクに溜め込まれた反応液中のTHF過酸化物は23wtppm、GBLが157wtppm、水は100wtppmであった。本反応液を、ガラス製ナシ型フラスコに1000g入れて、30cc/minの流量で窒素をバブリングさせながら、常圧下でバス温度100℃にて2時間加熱し、原料に対して99.5wt%のTHFを留出させた。本留出液中にはTHF過酸化物が23wtppm、GBLが8wtppm、水が100wtppm含まれていた。
本留出液を用いて比較例1と同様に、重合反応を実施し、得られたPTMEの品質を確認した。数平均分子量は1981、転化率は42.7%、APHA値は6であった。
上記比較例1、実施例1の条件及び結果を表1に示す。
Figure 2016017041
表1の結果から明らかなとおり、本発明を実施することで純度の高いTHFを得ることができると共に、得られた精製THFを原料として製造したPTMEの色相を著しく良くすることが可能である。

Claims (9)

  1. 10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させることを特徴とするテトラヒドロフランの精製方法。
  2. 固体酸触媒と接触させた後に、γ−ブチロラクトンを蒸留により分離する請求項1に記載の方法。
  3. 固体酸触媒が酸性陽イオン交換樹脂である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 反応温度が50℃以上120℃以下である請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 反応時間が3分以上600分以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
  6. 理論段数が0段の蒸発缶又は理論段数が1段以上100段以下の蒸留塔を用いて蒸留により、テトラヒドロフランとγ−ブチロラクトンの分離を行う請求項2〜5の何れか1項に記載の方法。
  7. 蒸留により回収する精製テトラヒドロフランの割合が、原料テトラヒドロフラン化合物の供給量に対して80wt%以上である請求項2〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. 10wtppm以上1000wtppm以下のテトラヒドロフラン過酸化物を含有する原料テトラヒドロフランを固体酸触媒と接触させて、テトラヒドロフラン過酸化物をγ−ブチロラクトンに変換させることを特徴とする精製テトラヒドロフランの製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法によって得られたテトロヒドロフランに対して、開環重合反応触媒の存在下で、開環重合反応を行うことを特徴とするポリエーテルポリオールの製造方法。
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