JP2000143652A - 粗テトラヒドロフランの精製方法 - Google Patents
粗テトラヒドロフランの精製方法Info
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- JP2000143652A JP2000143652A JP10323148A JP32314898A JP2000143652A JP 2000143652 A JP2000143652 A JP 2000143652A JP 10323148 A JP10323148 A JP 10323148A JP 32314898 A JP32314898 A JP 32314898A JP 2000143652 A JP2000143652 A JP 2000143652A
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Abstract
する方法の提供。 【解決手段】 粗テトラヒドロフランを、(a)強酸性
陽イオン交換樹脂の存在下、水及び/又は酢酸と接触処
理し、(b)該処理液を酢酸分離塔に供給し、側流から
水−テトラヒドロフラン混合物を抜き出し、塔頂より沸
点がテトラヒドロフラン以下の成分を含有する水−テト
ラヒドロフラン混合物を留出させ、(c)該水−テトラ
ヒドロフラン混合物を貴金属系触媒の存在下で水素化処
理し、(d)該水素化反応生成物を気液分離後、液相部
を共沸脱水塔に供給し、塔底から脱水されたテトラヒド
ロフランを缶出させ、(e)該缶出液を製品塔に供給
し、塔頂から高純度テトラヒドロフランを留出させ、塔
底から高沸物を缶出させ、(f)該缶出液を原料粗テト
ラヒドロフランに循環混合する、工程に従って処理する
粗テトラヒドロフランの精製方法。
Description
ラン(以下、粗THFと略記する)の精製方法に関す
る。詳しくは、粗THFをイオン交換樹脂で処理した
後、水素化処理することにより精製する方法の改良に関
する。THFは、有機溶剤、或いはポリテトラメチレン
エーテルグリコール(以下、PTMGと略記する)等の
高分子化合物の原料として極めて有用な物質である。
1,4−ブタンジオールを脱水環化する方法或いは、
1,4−ブタンジオールのジ酢酸エステルを酸触媒の存
在下、水と反応させる方法が知られている。これらの方
法で得られたTHFにはその製法にもよるが、ジヒドロ
フラン(以下、DHFと略記する)、ブチルアルデヒド
(以下、NBDと略記する)、プロピオンアルデヒド、
クロトンアルデヒド等、種々の不純物が含まれる。これ
らの不純物を含むTHFを原料として製造されたPTM
Gについては、樹脂、繊維等の原料としては不適なた
め、粗THFをイオン交換樹脂で処理し、次いで水添処
理した後、蒸留精製して高純度THFを回収する方法が
特開昭61−200979号公報に提案されている。
法ではTHFの製法にもよるが、エタン、プロパン、ブ
タン、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン等
(以下、低級炭化水素類と略記する)が系内に蓄積し、
一定量を越えると製品THF中に混入し、純度の低下を
招く。また、この方法では高純度THFを回収する蒸留
塔の塔底液として排出される高沸物中のTHFが多く、
工程ロスとなるため効率の悪いものとなる。本発明の目
的は、高純度THFを低コストで且つ無駄なく回収する
方法を提供することにある。
を解決するため鋭意検討した結果、酢酸分離塔の側流か
ら水−テトラヒドロフラン混合物を抜き出し、塔頂より
低級炭化水素類を留去し、且つ高純度THFを回収する
蒸留塔の塔底液を原料粗THFに循環混合することによ
りTHFを効率良く回収出来ることを見出し本発明を完
成するに至った。
はブチルアルデヒドとエタン、プロパン、ブタン、エチ
レン、プロピレン、ブテン及びブタジエンからなる群か
ら選ばれた少なくとも一種とを含有する粗テトラヒドロ
フランを、(a)強酸性陽イオン交換樹脂の存在下、水
及び/又は酢酸と接触処理し、(b)該処理液を酢酸分
離塔に供給し、側流から水−テトラヒドロフラン混合物
を抜き出し、塔頂より沸点がテトラヒドロフラン以下の
成分を含有する水−テトラヒドロフラン混合物を留出さ
せ、(c)該水−テトラヒドロフラン混合物を貴金属系
触媒の存在下で水素化処理し、(d)該水素化反応生成
物を気液分離後、液相部を共沸脱水塔に供給し、塔底か
ら脱水されたテトラヒドロフランを缶出させ、(e)該
缶出液を製品塔に供給し、塔頂から高純度テトラヒドロ
フランを留出させ、塔底から高沸物を缶出させ、(f)
該缶出液を原料粗テトラヒドロフランに循環混合する、
工程に従って処理することを特徴とする粗テトラヒドロ
フランの精製方法にある。以下、本発明を詳細に説明す
る。
ては、DHF又はNBDとエタン、プロパン、ブタン、
エチレン、プロピレン、ブテン及びブタジエンからなる
群から選ばれた少なくとも一種とを含有すれば特に限定
されるものではなく、フランの接触水素化、1,4−ブ
タンジオールの脱水環化、1,4−ブタンジオールのジ
酢酸エステルを酸触媒存在下で水と反応させる方法等、
いずれの方法で製造されたものでもよいが、例えば、
1,4−ブタンジオールのジ酢酸エステルを加水分解し
て生成した1,4−ブタンジオールの脱水環化により得
られる反応生成液から蒸留により、水、酢酸、THFを
主成分とする軽沸物を留出させ、該留出物を蒸留して塔
頂から留出させた水−THF共沸混合物(水/THF:
2/98〜20/80(重量%/重量%))は、DHF
又はNBD、及びエタン、プロパン、ブタン、エチレ
ン、プロピレン、ブテン及びブタジエンからなる群から
選ばれた少なくとも一種を不純物として含むものであ
り、本発明で精製処理される原料粗THFの要件を満た
すものである。
びNBDの量、並びにエタン、プロパン、ブタン、エチ
レン、プロピレン、ブテン及びブタジエンの量は特に限
定されるものではなく、公知の種々の方法で製造された
粗THF中に含まれる程度の量であるが、通常DHFは
0〜500ppm、NBDは0〜1000ppm程度
(但し、DHF+NBD≠0)、エタンは0〜10pp
m程度、プロパンは0〜10ppm程度、ブタンは0〜
20ppm程度、エチレンは0〜10ppm程度、プロ
ピレンは0〜10ppm程度、ブテンは0〜20pp
m、ブタジエンは0〜50ppm程度(但し、エタン+
プロパン+ブタン+エチレン+プロピレン+ブテン+ブ
タジエン≠0)である。
HFについては、前記工程(a)〜(f)に付すことに
より処理精製されるが、これらの中、(a)(c)
(d)については、公知の方法、例えば特開昭61−2
00979号公報に記載の手法をそのまま用いることが
出来る。工程(a)においては、粗THFを強酸性陽イ
オン交換樹脂、好ましくは、例えば三菱化学(株)製S
K−1B、SK−116、PK−216、PK−20
8、PK−228、RCP−160、SK−106等の
ようなスルホン酸型陽イオン交換樹脂の存在下、水及び
/又は酢酸と接触処理することにより、粗THF中の不
純物であるDHFの少なくとも一部をヒドロキシテトラ
ヒドロフラン及び/又はアセトキシテトラヒドロフラン
とする。なお、処理温度は、通常30〜90℃、LHS
Vは、0.25〜2hr-1程度である。
酢酸分離塔に供給し、塔頂から低級炭化水素類を含有す
る水−THF共沸混合物を留去し、側流からNBD及び
一部のDHFを含む水−THF共沸混合物を抜き出し、
塔底からヒドロキシテトラヒドロフラン及び/又はアセ
トキシテトラヒドロフランを含み、水及び/又は酢酸を
主成分とする液を缶出する。第1蒸留塔は、通常、理論
段数20〜40で、塔頂圧力ほぼ常圧(101kP
a)、塔底温度100〜130℃、還流比90〜300
程度で操作される。側流液は、塔下部より理論段数15
〜30段から抜き出される。なお、塔頂からの留出液
は、塔に供給される液量に対し1/1000〜1/1
0、好ましくは1/1000〜1/20の量である。
F共沸混合物をRu、Pd、Pt等の貴金属系触媒の存
在下で水素化処理することにより混合物中に含まれるD
HF及びNBDをTHF及びn−ブタノールとする。処
理温度は通常30〜200℃、好ましくは50〜120
℃、水素分圧は通常1kg/cm2 以上、好ましくは5
〜20kg/cm2 (0.49〜1.96MPa)であ
る。
応生成物は気液分離後、液相部は脱水塔(第2蒸留塔)
に供給され、塔頂から水−THF共沸混合物を留出さ
せ、塔底より高沸物を含有する脱水されたTHFを缶出
する。なお、塔頂からの留出液は、第1蒸留塔にリサイ
クルする。第2蒸留塔は、通常、理論段数10〜20
で、塔頂圧力5〜15kg/cm2(0.49〜1.4
7MPa)、塔底温度130〜180℃、還流比0.1
〜1.0程度で操作される。
液は更に製品塔(第3蒸留塔)に供給され、塔底よりT
HFを80〜99%程度及び原料粗THF中にNBDを
含有する場合にはn−ブタノールを含む高沸物を缶出
し、塔頂より高純度THFを得る。第3蒸留塔は、通
常、理論段数15〜30で、塔頂圧力760〜1000
Torr(101〜133kPa)、塔底温度60〜1
25℃、還流比0.1〜1.5程度で操作される。
液は、原料粗THFに対して通常、1/100〜1/5
(重量比)、好ましくは1/50〜1/10(重量比)
を原料粗THFに循環混合し、固体酸触媒からなる反応
域にリサイクルする。また、その缶出液量については、
通常、該塔への供給液量の1/100〜1/5(重量
比)、好ましくは1/50〜1/10(重量比)であ
る。原料粗THFに対する缶出液のリサイクル量が1/
5を超えると、THFの純度が悪くなる。また、その量
が1/100より少ないと、THFの純度は99.9%
以上となるが、THFの回収量が殆ど増加しない。
タノールは、第1蒸留塔で塔底より缶出される。そし
て、この高沸物、n−ブタノールとも、上記反応を阻害
することはない。かくして第3蒸留塔から得られるTH
Fは、純度99.9%以上という極めて高純度のもので
ある。なお、この缶出液を原料粗THFに循環混合して
缶出液中のTHFを回収する場合、缶出液を更に蒸留し
てTHFを回収する場合と比べて、THFを温和な条件
でその重質化を抑制しつつ、約10〜80%多く回収す
ることができる。
するが、本発明は、その要旨を越えない限り実施例に限
定されるものではない。なお、以下の実施例で原料とし
て使用した粗THFは、ブタジエンのアセトキシ化で得
られた1,4−ジアセトキシブテンを水素化により1,
4−ジアセトキシブタンとしたものを更に加水分解し、
得られた1,4−ブタンジオール、4−アセトキシブタ
ノールを環化することにより製造したものを使用した。
又、以下の記載において「%」及び「部」は、それぞれ
「重量%」及び「重量部」を示す。
30ppmを含有し、水9.9%、酢酸23.0%、T
HF67.1%からなる混合物715部/hrを第3蒸
留塔缶出液5部/hrと共にスルホン酸型強酸性陽イオ
ン交換樹脂ダイヤイオンSK1B(三菱化学社製)を充
填した反応塔に導入し反応させた。反応塔は50℃、2
kg/cm2 Gで運転した。反応塔を流出した液は、ヒ
ドロキシテトラヒドロフラン180ppm、アセトキシ
テトラヒドロフラン190ppm、NBD535ppm
を含有し、DHFは10ppm以下であった。
と主に理論段数28段、常圧、還流比200で操作され
る水、酢酸分離塔(第1蒸留塔)に供給し、塔底より
水、酢酸を主成分とする缶出液を236部/hrで抜き
出し、塔頂からTHF93.8%、水5.8%、エタン
50ppm、プロパン80ppm、ブタン300pp
m、エチレン80ppm、プロピレン90ppm、ブテ
ン420ppm、ブタジエン1700ppmからなる留
出液を11部/hrで留出させ、塔下部より理論段数2
1段目から水5.9%、THF94.0%からなる側流
液を867部/hrで抜き出した。側流液中のDHF、
ヒドロキシテトラヒドロフラン、アセトキシテトラヒド
ロフラン、低級炭化水素類の含有量はいずれも10pp
m以下で、NBDが460ppmであった。側流液はR
uを活性炭に担持した触媒を充填した反応器に、0.5
部/hrの水素と共に供給した。
m2 G、滞留時間0.5hr(空塔基準)で行った。反
応器から留出した液中のn−ブタノールは470pp
m、NBDは10ppm以下であった。この反応液を、
理論段数14段、圧力8.5kg/cm2 G、還流比
0.3で操作される脱水塔(第2蒸留塔)に供給し、塔
頂から水13.0%、THF87.0%からなる留出液
を394部/hrで留出させ、第1蒸留塔にリサイクル
した。
860ppmを含有する粗THFを473部/hrで抜
き出し、理論段数19段、常圧、還流比0.6で操作さ
れる製品塔(第3蒸留塔)に供給した。塔底からはブタ
ノール8.1%及び高沸物を含有するTHFを5部/h
rで抜き出し、スルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂を
充填した反応器にリサイクルした。塔頂からは製品TH
Fを468部/hrで留出させた。系が安定したときの
THF純度は99.9%以上であった。また、安定後2
4時間後、72時間後、168時間後においても純度9
9.9%以上であった。
トで且つ効率よく回収することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ジヒドロフラン又はブチルアルデヒドと
エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブ
テン及びブタジエンからなる群から選ばれた少なくとも
一種とを含有する粗テトラヒドロフランを、(a)強酸
性陽イオン交換樹脂の存在下、水及び/又は酢酸と接触
処理し、(b)該処理液を酢酸分離塔に供給し、側流か
ら水−テトラヒドロフラン混合物を抜き出し、塔頂より
沸点がテトラヒドロフラン以下の成分を含有する水−テ
トラヒドロフラン混合物を留出させ、(c)該水−テト
ラヒドロフラン混合物を貴金属系触媒の存在下で水素化
処理し、(d)該水素化反応生成物を気液分離後、液相
部を共沸脱水塔に供給し、塔底から脱水されたテトラヒ
ドロフランを缶出させ、(e)該缶出液を製品塔に供給
し、塔頂から高純度テトラヒドロフランを留出させ、塔
底から高沸物を缶出させ、(f)該缶出液を原料粗テト
ラヒドロフランに循環混合する、工程に従って処理する
ことを特徴とする粗テトラヒドロフランの精製方法。 - 【請求項2】 (e)の製品塔缶出液量が、該塔へのフ
ィード量に対し1/100〜1/5である請求項1に記
載の方法。 - 【請求項3】 (b)の酢酸分離塔塔頂からの留出液量
が、供給液量に対し1/1000〜1/10である請求
項1又は2に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10323148A JP2000143652A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 粗テトラヒドロフランの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10323148A JP2000143652A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 粗テトラヒドロフランの精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000143652A true JP2000143652A (ja) | 2000-05-26 |
Family
ID=18151629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10323148A Pending JP2000143652A (ja) | 1998-11-13 | 1998-11-13 | 粗テトラヒドロフランの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000143652A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN1313454C (zh) * | 2005-11-11 | 2007-05-02 | 天津大学 | 间歇萃取精馏精制四氢呋喃的方法 |
JP2014210736A (ja) * | 2013-04-19 | 2014-11-13 | 東レ株式会社 | テトラヒドロフラン含有物の精製方法 |
JP2016017041A (ja) * | 2014-07-07 | 2016-02-01 | 三菱化学株式会社 | テトラヒドロフランの精製方法 |
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CN109438413A (zh) * | 2018-12-13 | 2019-03-08 | 天津康科德医药化工有限公司 | 一种色谱纯1,4-二氧六环的纯化方法 |
CN111793046A (zh) * | 2020-07-22 | 2020-10-20 | 西安国康瑞金制药有限公司 | 一种从工业废四氢呋喃中精馏回收四氢呋喃的方法 |
-
1998
- 1998-11-13 JP JP10323148A patent/JP2000143652A/ja active Pending
Cited By (7)
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