JP3959793B2 - ブタンジオールの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高純度ブタンジオールの製造方法に関する。詳しくは、ブタジエンをアセトキシ化及び水素化して得られるジアセトキシブタンを加水分解してブタンジオールを製造する方法の改良に関する。
ブタンジオールは、溶剤或いは、ポリエステル樹脂、γ−ブチロラクトンやテトラヒドロフラン等の合成原料として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
ブタンジオールの製造方法として、ブタジエン、酢酸、及び酸素を、パラジウム系触媒の存在下、反応させてジアセトキシブテンを得、次いで、パラジウム系又はニッケル系触媒等を使用して、水添反応させて得られるジアセトキシブタンを加水分解してブタンジオールとする方法が知られている(例えば、特開昭52−7909、同52−133912、特開平7−82191号公報等)。
【0003】
このブタジエンを原料とする方法では、ブタジエンのアセトキシ化工程では多量の酢酸を使用し、未反応の酢酸と副生する水を除去する必要があり、ジアセトキシブタンの加水分解工程では多量の水を使用し、未反応の水と副生する酢酸を除去する必要があるため、製品純度を保持しながら、これらを回収してリサイクルする各種の提案がなされている(上記各公報等参照)。
一方、ブタンジオールの用途、特に、ポリエステル樹脂原料や、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテル原料として用いられるテトラヒドロフラン向け等には、ブタンジオールの純度が重合反応の速度や得られるポリマーの分子量に対して影響を与えることから、重合反応に影響を与えない高純度のブタンジオールが要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法では、ジアセトキシブタンを加水分解して得られる反応生成物を蒸留に供し、通常、水と酢酸及び他の軽沸物を留去させた塔底液としてブタンジオールを含む成分を得、この缶出液を更に蒸留して、例えば、塔頂より軽沸分、上部側流よりジアセトキシブタン、ヒドロキシアセトキシブタン等を留出させ、中若しくは下部側流又は塔底より留出させるブタンジオールを精留して高純度ブタンジオールを得ているが、この方法では不純物の除去が必ずしも十分とは言えなかった。
本発明は、ブタジエンを原料とし、これをアセトキシ化し、次いで水素化して得られるジアセトキシブタンを加水分解して、ポリエステル樹脂原料やテトラヒドロフラン原料等として用いるに適した高純度ブタンジオールを、工業的に有利に製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高純度ブタンジオールの製造方法について鋭意検討した結果、ブタジエンを原料として得られるブタンジオール中には蒸留によっては分離困難な不純物が含まれること、この分離し難い不純物がモノアセトキシオクタノールであること、モノアセトキシオクタノールの沸点は約270℃と推算されるが、気液平衡の実測結果からは、1,4−ブタンジオール(沸点230℃)との沸点差約40℃から予想される以上に蒸留による分離が困難であること、更に、この不純物モノアセトキシオクタノールはジアセトキシブタン中に含まれるジアセトキシオクタンの加水分解により生成していることを見出し本発明を完成した。
【0006】
即ち本発明は、ジアセトキシブタンを加水分解してブタンジオールを製造する方法において、加水分解反応に供されるジアセトキシブタン中のジアセトキシオクタンの含有量が0.5重量%以下であることを特徴とするブタンジオールの製造方法を提供するものである。
ジアセトキシオクタンの含有量を0.5重量%以下、好ましくは0.01〜0.2重量%とすることにより、加水分解反応生成物を常法に従って蒸留に供し、水と酢酸及び他の軽沸物を留去させた塔底缶出液を蒸留して軽沸分を留出させたブタンジオール留分を精留することにより不純物モノアセトキシオクタノール含量が1重量%以下の、即ち、純度99重量%以上の高純度1,4−ブタンジオールを得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
ジアセトキシブタン中のジアセトキシオクタンの含有量を0.5重量%以下とする方法としては、アセトキシ化反応生成物からジアセトキシブテンを蒸留回収する際に、得られるジアセトキシブテン中のジアセトキシオクタジエンの量を所定量(0.5重量%)以下とする方法、ジアセトキシブテンを水素化して得られる水添反応生成物であるジアセトキシブタン中のジアセトキシオクタンを蒸留除去して0.5重量%以下とする方法、及び、上記各工程での該当不純物の低減化法の一部又は全部を組合わせて全体としてジアセトキシブタン中のジアセトキシオクタンの量を0.5重量%以下とする方法等を、適宜、採用することができる。工程全体のエネルギー負荷とプロセスの簡略化の面から、ジアセトキシオクタジエンを蒸留除去する方法が好ましい。
【0008】
以下、図面を用いてブタジエンを原料にアセトキシ化反応によりジアセトキシブテンを得、これを水添反応、加水分解反応を経てブタンジオールとする製造工程の一例を説明する。
図1において、1はアセトキシ化反応器、2は第1蒸留塔、3は第2蒸留塔、4は水添反応器、5は第3蒸留塔、6は加水分解反応器、7は第4蒸留塔、8は第5蒸留塔、9は第6蒸留塔である。
【0009】
(1)ブタジエンを、酢酸及び分子状酸素と反応させて、ジアセトキシブテンを得るアセトキシ化反応工程:
アセトキシ化反応は、ブタジエン、酢酸、及び分子状酸素を、パラジウム系触媒の存在下、反応器(1)内で反応させる公知の方法により行われる。パラジウム系触媒としては、パラジウム金属又はその塩(例えば、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム等の有機又は無機酸塩)を単独で、或いは、助触媒としてビスマス、セレン、アンチモン、テルル、銅等の金属又はそれらの塩や酸、酸化物(例えば、酸化ビスマス、セレン酸、酸化テルル、塩化アンチモン、オルトテルル酸、塩化銅等)を組み合わせて用いられる。触媒は、シリカ、アルミナ、活性炭等の担体に担持させて用いることが好ましく、担持触媒中の触媒金属量は、通常、パラジウム金属が0.1〜20重量%、他の助触媒金属を使用する場合は当該金属が0.01〜30重量%の範囲で選定される。
【0010】
アセトキシ化反応は、公知の固定床方式、流動床方式、触媒懸濁方式等の任意の方法で実施される。
反応は40〜180℃、好ましくは60〜150℃の温度範囲で、常圧以上、通常、300kg/cm2 〔29.4MPa〕以下、好ましくは30〜150kg/cm2 〔2.94〜14.7MPa〕の圧力下で実施される。
このようにして得られるアセトキシ化の反応生成物には、未反応のブタジエン等が含まれているので、脱ガス処理した後、蒸留してジアセトキシブテンを得るのが一般的である。
【0011】
蒸留は、通常、第1蒸留塔(2)で、水、酢酸を塔頂から留去し、その塔底液を第2蒸留塔(3)に供給し、塔頂からジアセトキシブテンを得、ジアセトキシオクタジエンを含む高沸物を塔底から抜き出す。この際、第2蒸留塔(3)の塔底液を薄膜蒸発器に供給して高沸物との分離効率を上げる方法(詳細は特開平6−321861号公報参照)を採用してもよい。
【0012】
塔頂から回収されるジアセトキシブテン中に含まれるジアセトキシオクタジエンの量は、第2蒸留塔(3)に供給されるジアセトキシブテン中のジアセトキシオクタジエンの量と第2蒸留塔の操作条件によって定められるが、通常、第2蒸留塔(3)に供給されるジアセトキシブテン中のジアセトキシオクタジエンの量は約3重量%程度である。第2蒸留塔(3)は、理論段5〜10段で、塔頂圧力5〜200mmHg(0.7〜26.7kPa)、塔底温度190℃以下、還流比0.1〜1、塔頂からの留出率70〜99%で操作される。
【0013】
上記操作条件の第2蒸留塔の塔頂から抜き出されるジアセトキシブテン中のジアセトキシオクタジエンの量は、約0.1〜2.5重量%であるが、ジアセトキシブタン中のジアセトキシオクタンを蒸留除去する方法と組み合わせる場合は、1.0〜2.5重量%、好ましくは1.5重量%以下となるように蒸留条件を設定し、ジアセトキシオクタジエンのみを蒸留除去する場合は0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下となるように蒸留条件を設定する。
ジアセトキシブテン中の不純物の切れをよくするためには、通常、蒸留条件の中、例えば理論段数又は還流比を上げると共に留出率を絞る等の方法が採用され、具体的には、第2蒸留塔は、理論段5〜20段で、還流比0.1〜10、塔頂からの留出率70〜97%で操作される。
【0014】
(2)アセトキシ化反応工程で得られる反応生成物を水添してジアセトキシブタンを得る水素化工程:
第2蒸留塔(3)の塔頂から得られたジアセトキシブテンは、次いで水添反応に供されジアセトキシブタンを生成する。水添反応は、反応器(4)内で通常、パラジウム、ルテニウム等の貴金属触媒又はニッケル触媒の存在下に、アセトキシブテンと水素を接触させ、40〜180℃の温度範囲で、常圧以上、通常、150kg/cm2 〔14.7MPa〕までの圧力下で反応させることにより実施される。
【0015】
水素化反応は、公知の固定床方式、流動床方式、触媒懸濁方式等の任意の方法で実施される。
水素化反応に使用される水素は高純度のものはもとより、反応に悪影響を及ぼさない他のガスで希釈されているものでも使用することができる。その使用量は、ジアセトキシブテン1モルに対して通常1〜50モル、好ましくは2〜20モルである。
【0016】
水添反応生成物は、未反応水素の脱ガス処理をした後、第3蒸留塔(5)で蒸留してジアセトキシブタンを得る。蒸留は、通常、塔頂からジアセトキシブタンを留出し、塔底からジアセトキシオクタジエンの水素化物であるジアセトキシオクタンを含む高沸物を缶出する。
第3蒸留塔(5)は、理論段5〜10段で、塔頂圧力5〜200mmHg[0.7〜26.7kPa]、塔底温度190℃以下、還流比0.1〜1、塔頂からの留出率70〜99%で操作される。
【0017】
第3蒸留塔(5)に供給されるジアセトキシブタン中のジアセトキシオクタンの量は、第2蒸留塔(3)の操作条件によって定まるが、前記の操作条件では約0.1〜2.5重量%であり、第2蒸留塔でジアセトキシオクタジエンを0.5重量%以下に除去した場合は0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下であり、第2蒸留塔でジアセトキシオクタジエンを1.0〜2.5重量%、好ましくは1.5重量%以下とした場合は1.0〜2.5重量%、好ましくは1.5重量%以下である。第2蒸留塔でのジアセトキシオクタジエンの蒸留除去が不十分で2.5重量%超える場合は、第3蒸留塔に供給されるジアセトキシブタン中のジアセトキシオクタンが2.5重量%超え、第3蒸留塔の蒸留条件によりジアセトキシオクタジエンを0.5重量%以下とする必要がある。
【0018】
第2蒸留塔でのジアセトキシオクタジエンの除去と第3蒸留塔でのジアセトキシオクタンの除去とを組み合わせる場合の両塔での除去量の関係については、各塔の蒸留負荷見合いで適宜設定されるが、第2蒸留塔でのジアセトキシオクタジエンの除去の割合が所定除去量の50%以上であることが好ましい。
塔頂から抜き出されるジアセトキシブタン中のジアセトキシオクタンの量は、第2蒸留塔が通常の操作条件の場合、1.0〜2.5重量%であり、本発明の方法では0.5重量%以下、好ましくは0.2重量%以下となるように第3蒸留塔の条件を設定する。
具体的には、第3蒸留塔(5)は、理論段5〜20段で、還流比0.1〜10、塔頂からの留出率70〜97%で操作される。
ジアセトキシオクタンの含有量が0.5重量を越えると、これを加水分解して得られるブタンジオール中にモノアセトキシオクタノールとして含有され、蒸留によってこれを除去することが困難となる。
【0019】
(3)水素化反応生成物を加水分解してブタンジオールを得る工程:
加水分解反応は、通常、反応器(6)内で陽イオン交換樹脂等の固体酸触媒の存在下に、ジアセトキシブタンと水を接触させ、30〜110℃、好ましくは40〜90℃の温度範囲で、反応中、沸騰状態を生起したり或いは溶存ガス等による著しい気泡が発生するのを阻止する程度の圧力下、通常、常圧〜10kg/cm2 G〔0.098〜1.08MPa〕の範囲で実施される。
反応に使用する水の量は、ジアセトキシブタン1モルに対し、通常、2〜100モル、好ましくは4〜50モルであり、水の量が少なすぎると反応率が低下し、他方、水の量が多過ぎると反応生成物からブタンジオールを回収する際に多量の熱エネルギーを要するので好ましくない。
【0020】
反応は、回分式、連続式等の任意の方法で実施される。また、イオン交換樹脂を用いる場合、懸濁状態で反応させる方式でも、イオン交換樹脂の充填層に反応原料を通過させる方式でもよく、工業的には固定床連続法が有利である。
懸濁床で反応を実施する場合、イオン交換樹脂の使用量は液重量に対して0.1〜50重量%、好ましくは1〜10重量%である。
固定床連続法の場合は、所定温度に保たれたイオン交換樹脂充填層反応器に、水とジアセトキシブタンを連続的に供給するとともに、生成したブタンジオールと酢酸を過剰水との混合液として連続的に抜き出すことにより行われる。
【0021】
ジアセトキシブタン及び水の反応器(6)内への供給は、別々でも、混合して供給してもよく、また、反応生成物であるブタンジオールやモノヒドロキシアセトキシブタン等を共存させて均一液相で供給することもできる。固定床の場合には、反応を円滑に促進する上で均一液相で供給することが好ましい。
反応生成液は、目的とするブタンジオールの他に、酢酸と水、並びに部分加水分解生成物及び若干の副生テトラヒドロフラン等を含んでいる。反応終了後、必要に応じ反応液から触媒を濾別し、蒸留してブタンジオールを得る。
蒸留は、通常、第4蒸留塔(7)で、水、酢酸を塔頂から留去し、その塔底液を第5蒸留塔(8)に供給し、塔頂から未反応のジアセトキシブタンや異性体を分離し、1,4−ブタンジオールを主成分とする塔底液を第6蒸留塔(9)に供給し、その塔頂から目的とする製品1,4−ブタンジオールを得、塔底から高沸物を缶出する。製品1,4−ブタンジオール中のモノアセトキシオクタノールの量は1重量%以下、好ましくは0〜0.5重量%である。
【0022】
【実施例】
以下に実験例を挙げ、本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例において「部」とは「重量部」を、「%」は「重量%」を意味する。
(参考例1)アセトキシ化反応
アセトキシ化反応器に、1,3−ブタジエン170部/hr、酢酸3000部/hr、及び酸素530部/hrを供給し、パラジウム3%、テルル0.6%を活性炭に担持した触媒の存在下、9MPa、100℃で反応した後、脱ガス処理して、ジアセトキシブテン14.2%、ジアセトキシオクタジエン0.6%を含む反応生成物を得た。
該反応生成物を3100部/hrで第1蒸留塔に供給し、水及び酢酸の大部分を252部/hrで塔頂より留去し、ジアセトキシブテン84.5%、ジアセトキシオクタジエン3.2重量%を含む塔底液を580部/hrで缶出した。
【0023】
(実施例1)
参考例1で得た缶出液を第2蒸留塔(実段数20段)に580部/hrで供給して、塔頂圧力2.7kPa、還流比0.5の条件で蒸留し、塔頂からジアセトキシブテン86.3%、ジアセトキシオクタジエン1.0%を含む液を550部/hrで留出させた。
得られたジアセトキシブテン留分を、パラジウム触媒及びルテニウム触媒を充填した水添反応器に供給し、水素流通下、反応圧5MPa、温度70℃で水添反応を行い、ジアセトキシブタン86.5%、ジアセトキシオクタン1.0%を含む反応液を得た。
該反応液を、気液分離後、第3蒸留塔(実段数20段)に550部/hrで供給して、塔頂圧力2.0kPa、還流比0.25の条件で蒸留し、塔頂からジアセトキシブタン87.1%、ジアセトキシオクタン0.2%を含む液を520部/hrで留出させた。
【0024】
得られた水添反応液を520部/hrで、水500部/hrと共に、強酸性イオン交換樹脂(ダイヤイオンSK−1B;三菱化学(株)商品名)を充填した加水分解反応器に供給し、温度50℃で加水分解反応を行い、1,4−ブタンジオール10.2%、モノアセトキシオクタノール0.04%を含む反応液を得た。
該反応液を、第4蒸留塔に1020部/hrで供給し、水及び酢酸の大部分を660部/hrで塔頂より留去し、1,4−ブタンジオール28.9%、モノアセトキシオクタノール0.1%を含む塔底液を360部/hrで缶出し、缶出液を第5蒸留塔に供給して塔頂より未反応のジアセトキシブタン等を留去した後、第5蒸留塔の缶出液を第6蒸留塔に供給して、高沸物を塔底から除去して、塔頂より純度99.3%の1,4−ブタンジオールを得た。1,4−ブタンジオール中のモノアセトキシオクタノール濃度は0.4%であった。
【0025】
(実施例2)
実施例1において、参考例1で得た缶出液を供給した第2蒸留塔の還流比を5とした他は実施例1と同様の条件で蒸留し、塔頂からジアセトキシブテン87.1%、ジアセトキシオクタジエン0.1%を含む留出液を得た。
得られたジアセトキシブテン留分を、実施例1と同様の条件で水添反応に供給し、ジアセトキシブタン87.3%、ジアセトキシオクタン0.1%を含む反応液を得た。
【0026】
得られた水添反応液を、気液分離後、第3蒸留塔に供給せず、そのまま実施例1と同様の条件で加水分解反応を行い、1,4−ブタンジオール10.4%、モノアセトキシオクタノール0.02%を含む反応液を得た。
該反応液を、実施例1と同様にして、第4蒸留塔、第5蒸留塔、及び第6蒸留塔に供給して、第6蒸留塔の塔頂より純度99.5%の1,4−ブタンジオールを得た。モノアセトキシオクタノール濃度は0.2%であった。
【0027】
(比較例1)
実施例1において、第2蒸留塔の還流比を0.05とした他は実施例1と同様の条件で蒸留し、塔頂からジアセトキシブテン85.0%、ジアセトキシオクタジエン1.7%を含む留出液を得た。
得られたジアセトキシブテン留分を用いて、実施例2と同様にして、水添反応に供給し、得られた水添反応液(ジアセトキシブタン85.1%、ジアセトキシオクタン1.6%含有)を、気液分離後、第3蒸留塔に供給せず、そのまま実施例1と同様の条件で加水分解反応を行い、1,4−ブタンジオール9.9%、モノアセトキシオクタノール0.3%を含む反応液を得た。
該反応液を、実施例1と同様にして、第4蒸留塔、第5蒸留塔、及び第6蒸留塔に供給して、第6蒸留塔の塔頂より純度95.1%の1,4−ブタンジオールを得た。モノアセトキシオクタノール濃度は3.2%であった。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、ブタジエン法により得られるブタンジオール中に含まれる蒸留により分離困難な不純物であるモノアセトキシオクタノールの含有量が1重量%以下の、ポリエステル、テトラヒドロフラン等の原料として用いるに適した高純度の1,4−ブタンジオールを工業的に有利に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例を示すフローシートである。
【符号の説明】
1 アセトキシ化反応器
2 第1蒸留塔
3 第2蒸留塔
4 水添反応器
5 第3蒸留塔
6 加水分解反応器
7 第4蒸留塔
8 第5蒸留塔
9 第6蒸留塔

Claims (8)

  1. ジアセトキシブタンを加水分解してブタンジオールを製造する方法において、加水分解反応に供されるジアセトキシブタン中のジアセトキシオクタンの含有量が0.5重量%以下であることを特徴とするブタンジオールの製造方法。
  2. ジアセトキシブタンが、ジアセトキシブテンを水素化して得られるものである請求項1に記載の製造方法。
  3. ジアセトキシブタンが、ブタジエンを原料とし、これをアセトキシ化し、更に水素化して得られるものである請求項1に記載の方法。
  4. ブタジエンのアセトキシ化が、パラジウム系触媒の存在下、ブタジエン、酢酸及び分子状酸素を反応させて、ジアセトキシブテンを得るものである請求項3に記載の製造方法。
  5. ジアセトキシオクタンの含有量が0.2重量%以下である請求項1に記載の製造方法。
  6. ジアセトキシブテン中のジアセトキシオクタジエンの含有量が0.2重量%以下である請求項1に記載の製造方法。
  7. ブタンジオールが1,4−ブタンジオールである請求項1に記載の製造方法。
  8. 1,4−ブタンジオール中のモノアセトキシオクタノールの含有量が1重量%以下である請求項7に記載の製造方法。
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