JP5147138B2 - シクロヘキセンの精製及び製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
(a)シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベンゼンを含む混合溶液を、抽剤を用いて抽出蒸留する工程と、
(b)前記工程(a)で得られた留出液から、ベンゼンを、ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物として除去する工程と、
を含むシクロヘキセンの精製方法。
[2]
(c)前記工程(a)で得られた留出液から、シクロヘキサンを、シクロヘキサンとシクロヘキセンとの共沸混合物として除去する工程をさらに含む、上記[1]記載のシクロヘキセンの精製方法。
[3]
前記工程(a)で得られる留出液のシクロヘキセンとベンゼンの和に対するベンゼン濃度が0.1mol%以上3mol%以下である、上記[1]又は[2]記載のシクロヘキセンの精製方法。
[4]
前記工程(a)で得られる留出液のシクロヘキセンとシクロヘキサンの和に対するシクロヘキサン濃度が0.1mol%以上3mol%以下である、上記[1]〜[3]のいずれか記載のシクロヘキセンの精製方法。
[5]
前記工程(a)で得られた留出液を供給した蒸留塔の塔頂から、前記ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物を除去し、塔底から前記シクロヘキサンとシクロヘキセンとの共沸混合物を除去し、中段から前記シクロヘキセンを回収する、上記[2]〜[4]のいずれか記載のシクロヘキセンの精製方法。
[6]
前記工程(b)において、前記工程(a)で得られた留出液を第一の蒸留塔に供給して塔頂から前記ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物を除去すると共に、塔底液を第二の蒸留塔に供給し、
前記第二の蒸留塔の塔底から前記シクロヘキサンとシクロヘキセンとの共沸混合物を除去し、前記第二の蒸留塔の塔頂から前記シクロヘキセンを回収する、上記[2]〜[4]のいずれか記載のシクロヘキセンの精製方法。
[7]
前記ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物を、前記工程(a)にリサイクルする、上記[1]〜[6]のいずれか記載のシクロヘキセンの精製方法。
[8]
前記シクロヘキサンとシクロヘキセンとの共沸混合物を、前記工程(a)にリサイクルする、上記[2]〜[7]のいずれか記載のシクロヘキセンの精製方法。
[9]
前記抽出蒸留の抽剤がN−メチル−2−ピロリドン及び/又はN,N−ジメチルアセトアミドである、上記[1]〜[8]のいずれか記載のシクロヘキセンの精製方法。
[10]
(i)ベンゼンを部分水素化し、シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベンゼンを含む混合溶液を得る工程と、
(ii)前記工程(i)により得られた混合溶液を、抽剤を用いて抽出蒸留する工程と、
(iii)前記工程(ii)により得られた留出液から、ベンゼンを、ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物として除去し、シクロヘキセンを回収する工程と、
を含むシクロヘキセンの製造方法。
[11]
(iv)前記工程(ii)で得た留出液から、シクロヘキサンを、シクロへキサンとシクロヘキセンとの共沸混合物として除去し、シクロヘキセンを回収する工程をさらに含む、上記[10]記載のシクロヘキセンの製造方法。
[12]
前記工程(ii)における、シクロヘキセン中のベンゼン濃度が0.1mol%以上3mol%以下である、上記[10]又は[11]記載のシクロヘキセンの製造方法。
[13]
前記工程(ii)における、シクロヘキセン中のシクロヘキサン濃度が0.1mol%以上3mol%以下である、上記[11]又は[12]記載のシクロヘキセンの製造方法。
本実施の形態のシクロヘキセンの精製方法は、
(a)シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベンゼンを含む混合溶液を、抽剤を用いて抽出蒸留する工程と、
(b)前記工程(a)で得られた留出液から、ベンゼンを、ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物として除去する工程と、
を含む方法である。
精製の対象となる混合溶液は、シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベンゼンを含む限り、組成比やその他の成分は特に限定されないが、典型的には、シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベンゼンの組成比は、35〜45mol:5〜15mol:45〜55mol程度である。このような組成の混合溶液は、例えば、ベンゼンの部分水素化反応の生成物として得られる。
ベンゼン濃度=ベンゼンのモル数/(シクロヘキセンのモル数+ベンゼンのモル数)
また、図11に示すように、シクロヘキサンとシクロヘキセンの共沸点は100mmHgにおいて、これらのモル数の和100mol%に対して、シクロヘキサン濃度35mol%である。
シクロヘキサン濃度=シクロヘキサンのモル数/(シクロヘキセンのモル数+シクロヘキサンのモル数)
後述する工程(b)は、共沸蒸留によりシクロヘキセンを精製する工程であるから、工程(a)の留分を工程(b)に直接導入する場合は、工程(a)で得られる留出液中のベンゼン濃度を、工程(b)における共沸蒸留により不純物であるベンゼンを除去する事が可能な濃度にしておく。共沸濃度は圧力によっても変化し得るが、760mmHgにおいてベンゼンの濃度を35mol%未満(シクロヘキセンに対するベンゼン濃度は53mol%未満)に粗分離しておく。
工程(b)は、前記工程(a)で得られた留出液から、ベンゼンを、ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物として除去する工程である。
工程(c)は、前記工程(a)で得られた留出液から、シクロヘキサンを、シクロヘキサンとシクロヘキセンとの共沸混合物として除去する工程である。
以上のように、図1及び図2に示す蒸留装置においては、蒸留塔D1〜D3で工程(a)の抽出蒸留を行い(3塔方式)、蒸留塔D4で工程(b)の共沸蒸留を行う。
本実施の形態のシクロヘキセンの製造方法は、(i)ベンゼンを部分水素化し、シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベンゼンを含む混合溶液を得る工程と、(ii)前記工程(i)により得られた混合溶液を、抽剤を用いて抽出蒸留する工程と、(iii)前記工程(ii)により得られた留出液から、ベンゼンを、ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物として除去し、シクロヘキセンを回収する工程と、を含む。工程(ii)及び(iii)による混合溶液の精製工程は、上述の[1]シクロヘキセンの精製方法と同じであるから、相違点のみ次に説明する。
(実施例1)
[ベンゼンの部分水素化反応]
工程(i)
特開2001−26556号(実施例1)に従って、塩化ルテニウム塩酸溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて、水酸化ルテニウムの微粒子を調製し、水洗を繰り返して塩素イオンを除去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、アルカリ性条件で水素圧50atm、150℃で24時間オートクレーブ中で撹拌しながら水中還元を行い、ルテニウムの平均結晶子径60Åの水素化触媒を調製した。これを、質量比で560倍の水と混合し、さらにジルコニアを水素化触媒の5質量倍、硫酸亜鉛七水和物(ZnSO4・7H2O)を水素化触媒の98質量倍混合する事でスラリー状にした。反応温度140℃、攪拌機回転数108rpm、反応圧力5MPaとなるように部分水素化反応器を水素ガスで昇圧し、ベンゼンをスラリー状触媒1質量部に対し、1時間当たり0.3質量部供給し、反応圧力5MPaが保たれるよう水素を供給した。このようにしてベンゼンの連続部分水素化反応を行い、部分水素化反応器出口の液を、脱水塔で脱水する事でベンゼン52.4mol%、シクロヘキセン38.3mol%、シクロヘキサン9.2mol%を含む混合溶液を得た。
工程(a)及び工程(ii)
上記工程(i)で得られた混合溶液を、理論段数35段の蒸留塔D1の上から15段目(コンデンサー、リボイラーもそれぞれ1段とする。以下同じ。)に、1時間当たり1質量部供給すると共に、抽剤としてN−メチル−2−ピロリドン10質量部/1時間を上から5段目に供給した。蒸留塔D1塔頂より純度90.6mol%のシクロヘキサンが0.1質量部/1時間ずつ留出するよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離を行った。蒸留塔D1塔底液を、理論段数35段の蒸留塔D2の上から15段目に供給すると共に、抽剤としてN−メチル−2−ピロリドン5重量部を上から5段目に供給し、蒸留塔D2塔頂より純度94.9mol%のシクロヘキセン0.46質量部/1時間を留出するよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離を行った。蒸留塔D2塔底液を、理論段数20段の蒸留塔D3の上から10段目に供給し、蒸留塔D3塔頂より純度99.1mol%のベンゼン0.52質量部/1時間を留出するよう、リボイラー熱負荷を調整し、留出したベンゼンを部分水素化反応にリサイクルした。
工程(b)に供給した混合溶液のベンゼン濃度は、2.79mol%、シクロヘキサン濃度は、2.31mol%であった。
工程(b)及び工程(iii)
蒸留塔D2塔頂液を理論段数15段のシクロヘキセン精製塔D4の上から7段目に供給し、塔底の液組成がベンゼン0.01mol%で、塔底の缶出液量が最大になるよう、リボイラー熱負荷と留出液量を調整した。留出液0.06質量部/1時間を工程(a)にリサイクルした。
[ベンゼンの部分水素化反応]
工程(i)
実施例1と同様にベンゼンの部分水素化反応を行なった後、脱水操作を実施し、ベンゼン52.4mol%、シクロヘキセン38.3mol%、シクロヘキサン9.2mol%を含む混合溶液を得た。
[シクロへキセンの蒸留分離2(図2参照)]
工程(a)及び工程(ii)
この混合溶液を、理論段数35段の蒸留塔D1の上から15段目(コンデンサー、リボイラーもそれぞれ1段とする。以下同じ。)に、1時間当たり1質量部供給すると共に、抽剤としてN−メチル−2−ピロリドン10質量部/1時間を上から5段目に供給した。蒸留塔D1塔頂より純度90.6mol%のシクロヘキサンが0.11質量部/1時間ずつ留出するよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離を行った。蒸留塔D1塔底液を、理論段数35段の蒸留塔D2の上から15段目に供給すると共に、抽剤としてN−メチル−2−ピロリドン5重量部を上から5段目に供給し、蒸留塔D2塔頂より純度94.9mol%のシクロヘキセン0.60質量部/1時間を留出するよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離を行った。蒸留塔D2塔底液を、理論段数20段の蒸留塔D3の上から10段目に供給し、蒸留塔D3塔頂より純度99.1mol%のベンゼン0.52質量部/1時間を留出するよう、リボイラー熱負荷を調整し、留出したベンゼンを部分水素化反応にリサイクルした。
工程(b)に供給した混合溶液のベンゼン濃度は、2.79mol%、シクロヘキサン濃度は、2.31mol%であった。
工程(b)及び工程(iii)
蒸留塔D2塔頂液を理論段数35段のシクロヘキセン精製塔D4の上から7段目に供給し、上から20段目からシクロヘキセンガスを0.37質量部/1時間抜出し、冷却後の液組成がベンゼン0.01mol%、シクロヘキサン0.016mol%になるよう、リボイラー熱負荷と留出液量及び缶出液量を調整した。留出液0.07質量部/1時間、缶出液0.16質量部/1時間を工程(a)にリサイクルした。
[ベンゼンの部分水素化反応]
工程(i)
実施例1と同様にベンゼンの部分水素化反応を行なった後、脱水操作を実施し、ベンゼン52.4mol%、シクロヘキセン38.3mol%、シクロヘキサン9.2mol%を含む混合溶液を得た。
[シクロへキセンの蒸留分離2(図2参照)]
工程(a)及び工程(ii)
この混合溶液を、理論段数35段の蒸留塔D1の上から15段目(コンデンサー、リボイラーもそれぞれ1段とする。以下同じ。)に、1質量部/1時間供給すると共に、抽剤としてN−メチル−2−ピロリドン15質量部/1時間を上から5段目に供給した。蒸留塔D1塔頂より純度85.0mol%のシクロヘキサン0.11質量部/1時間を留出するよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離を行った。蒸留塔D1塔底液を、理論段数35段の蒸留塔D2の上から15段目に供給すると共に、抽剤としてN−メチル−2−ピロリドン8重量部を上から5段目に供給し、蒸留塔D2塔頂より純度90.0mol%のシクロヘキセン1.40質量部/1時間を留出するよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離を行った。蒸留塔D2塔底液を、理論段数20段の蒸留塔D3の上から10段目に供給し、蒸留塔D3塔頂より純度99.1mol%のベンゼン0.52質量部/1時間を留出するよう、リボイラー熱負荷を調整し、留出したベンゼンを部分水素化反応にリサイクルした。
工程(b)に供給した混合溶液のベンゼン濃度は、4.7mol%、シクロヘキサン濃度は、5.3mol%であった。
工程(b)及び工程(iii)
蒸留塔D2塔頂液を理論段数35段のシクロヘキセン精製塔D4の上から7段目に供給し、上から20段目からシクロヘキセンガス0.38質量部/1時間を抜出し、冷却後の液組成がベンゼン0.01mol%、シクロヘキサン0.016mol%になるよう、リボイラー熱負荷と留出液量及び缶出液量を調整した。留出液0.21質量部/1時間、缶出液0.81質量部/1時間を工程(a)にリサイクルした。実施例1と同純度、同量のシクロヘキセンが回収できたが、リサイクル量は実施例1に比べて多くなり、工程(a)及び工程(b)のリボイラー熱負荷は高くなった。
シクロヘキセン精製塔D4を用いずに、蒸留塔D1及びD2で、シクロヘキセン中のシクロヘキサン及びベンゼン濃度を極力下げる運転を行ったこと以外は、実施例2と同様にシクロへキセンの抽出蒸留を行った。
リボイラー熱負荷を実施例1より大幅に増大させたにもかかわらず、実施例と同等の分離は出来なかった。
実施例1及び2、参考例1、比較例1における結果を表1に示す。
[シクロへキセンの蒸留分離3]
図5に示すように、抽剤及びシクロヘキセン精製塔を用いずに、蒸留塔D11〜12で蒸留を行った。
1塔目で十分な分離が出来ないまま、蒸留塔はフラッディングを起こし、抽剤を用いた蒸留操作(抽出蒸留)が必須であることがわかった。
[ベンゼンの部分水素化反応]
工程(i)
実施例1と同様にベンゼンの部分水素化反応を行なった後、脱水操作を実施し、ベンゼン52.4mol%、シクロヘキセン38.3mol%、シクロヘキサン9.2mol%を含む混合溶液を得た。
[シクロへキセンの蒸留分離4(図3参照)]
工程(a)及び工程(ii)
工程(i)で得られた混合溶液1質量部/1時間を理論段数35段の蒸留塔D5の上から15段目(コンデンサー、リボイラーもそれぞれ1段とする。以下同じ)に供給すると共に、抽剤としてN,N−ジメチルアセトアミド8質量部/1時間を上から2段目に供給し、蒸留塔D5塔頂よりN,N−ジメチルアセトアミド4.1mol%、ベンゼン0.1mol%、シクロヘキサン19.0mol%、シクロヘキセン76.80mol%を含む混合液0.51質量部/1時間を留出できるよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離した。蒸留塔D5塔底液を、理論段数20段の蒸留塔2の上から10段目に供給し、蒸留塔D6塔頂より純度98.8mol%のベンゼン0.52質量部/1時間を留出できるよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離して反応系にリサイクルした。
次に蒸留塔D5塔頂の留出液0.51質量部/1時間を理論段数35段の蒸留塔D7の上から15段目に供給した。抽剤としてN,N−ジメチルアセトアミド8質量部/1時間を上から5段目に供給し、蒸留塔D7塔頂より純度98.1mol%のシクロヘキサン0.10質量部/1時間を留出できるよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離した。蒸留塔D7塔底液を、理論段数20段の蒸留塔D8の上から10段目に供給し、蒸留塔8塔頂より純度99.7mol%のシクロヘキセン0.39質量部/1時間を留出できるよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離した。蒸留塔D5塔頂から抜け出た抽剤相当を蒸留塔D8塔底液から一部抜出し、蒸留塔D5にリサイクルすると共に、残液を蒸留塔D7にリサイクルした。
工程(b)に供給した混合溶液のベンゼン濃度は、0.13mol%、シクロヘキサン濃度は、0.16mol%であった。
工程(b)及び工程(iii)
蒸留塔D8塔頂液を理論段数15段のシクロヘキセン精製塔D9の上から7段目に供給し、塔底の液組成がベンゼン0.01mol%で、塔底の缶出液量が最大になるよう、リボイラー熱負荷と留出液量を調整した。留出液0.003質量部/1時間を、工程(a)にリサイクルした。
[ベンゼンの部分水素化反応]
工程(i)
実施例1と同様にベンゼンの部分水素化反応を行なった後、脱水操作を実施し、ベンゼン52.4mol%、シクロヘキセン38.3mol%、シクロヘキサン9.2mol%を含む混合溶液を得た。
[シクロへキセンの蒸留分離5(図4参照)]
工程(a)及び工程(ii)
工程(i)で得られた混合溶液1質量部/1時間を理論段数35段の蒸留塔D5の上から15段目(コンデンサー、リボイラーもそれぞれ1段とする。以下同じ)に供給すると共に、抽剤としてN,N−ジメチルアセトアミド8質量部/1時間を上から2段目に供給し、蒸留塔D5塔頂よりN,N−ジメチルアセトアミド3.9mol%、ベンゼン0.1mol%、シクロヘキサン18.8mol%、シクロヘキセン77.2mol%を含む混合液0.52質量部/1時間を留出できるよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離した。蒸留塔D5塔底液を、理論段数20段の蒸留塔2の上から10段目に供給し、蒸留塔D6塔頂より純度98.8mol%のベンゼン0.52質量部/1時間を留出できるよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離して反応系にリサイクルした。
次に蒸留塔D5塔頂の留出液0.52質量部/1時間を理論段数35段の蒸留塔D7の上から15段目に供給した。抽剤としてN,N−ジメチルアセトアミド8質量部/1時間を上から5段目に供給し、蒸留塔D7塔頂より純度98.1mol%のシクロヘキサン0.10質量部/1時間を留出できるよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離した。蒸留塔D7塔底液を、理論段数20段の蒸留塔D8の上から10段目に供給し、蒸留塔8塔頂より純度99.7mol%のシクロヘキセン0.39質量部/1時間を留出できるよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離した。蒸留塔D5塔頂から抜け出た抽剤相当を蒸留塔D8塔底液から一部抜出し、蒸留塔D5にリサイクルすると共に、残液を蒸留塔D7にリサイクルした。
工程(b)に供給した混合溶液のベンゼン濃度は、0.12mol%、シクロヘキサン濃度は、0.14mol%であった。
工程(b)及び工程(iii)
蒸留塔D8塔頂液を理論段数15段のシクロヘキセン精製塔D9の上から7段目に供給し、塔底の液組成がベンゼン0.01mol%で、塔底の缶出液量が最大になるよう、リボイラー熱負荷と留出液量を調整した。留出液0.003質量部/1時間を、工程(a)にリサイクルした。シクロヘキセン精製塔D9塔底液を理論段数15段のシクロヘキセン精製塔D10の上から7段目に供給し、塔頂の液組成がシクロヘキサン0.012mol%で、塔頂の留出液量が最大になるよう、リボイラー熱負荷と缶出液量を調整した。留出液0.003質量部/1時間を、工程(a)にリサイクルした。
[ベンゼンの部分水素化反応]
工程(i)
実施例1と同様にベンゼンの部分水素化反応を行なった後、脱水操作を実施し、ベンゼン52.4mol%、シクロヘキセン38.3mol%、シクロヘキサン9.2mol%を含む混合溶液を得た。
[シクロへキセンの蒸留分離5(図4参照)]
工程(a)及び工程(ii)
この混合溶液1質量部/1時間を理論段数35段の蒸留塔D5の上から15段目(コンデンサー、リボイラーもそれぞれ1段とする。以下同じ)に供給すると共に、抽剤としてN,N−ジメチルアセトアミド10質量部/1時間を上から2段目に供給し、蒸留塔D5塔頂よりN,N−ジメチルアセトアミド3.3mol%、ベンゼン0.06mol%、シクロヘキサン19.0mol%、シクロヘキセン77.7mol%を含む混合液0.50質量部/1時間を留出するよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離した。蒸留塔D5塔底液を、理論段数20段の蒸留塔2の上から10段目に供給し、蒸留塔D2塔頂より純度98.8mol%のベンゼン0.52質量部/1時間を留出するよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離して反応系にリサイクルした。
次に蒸留塔D5塔頂の留出液0.50質量部/1時間を理論段数35段の蒸留塔D7の上から15段目に供給した。抽剤としてN,N−ジメチルアセトアミド10質量部/1時間を上から5段目に供給し、蒸留塔D7塔頂より純度98.1mol%のシクロヘキサン0.10質量部/1時間を留出できるよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離した。蒸留塔D7塔底液を、理論段数20段の蒸留塔D8の上から10段目に供給し、蒸留塔D8塔頂より純度99.8質量%のシクロヘキセン0.39質量部/1時間を留出できるよう、リボイラー熱負荷を調整し、蒸留分離した。蒸留塔D5塔頂から抜け出た抽剤相当を蒸留塔D8塔底液から一部抜出し、蒸留塔D5にリサイクルすると共に、残液を蒸留塔D7にリサイクルした。
工程(b)に供給した混合溶液のベンゼン濃度は、0.08mol%、シクロヘキサン濃度は、0.07mol%であった。
工程(b)及び工程(iii)
蒸留塔D8塔頂液を理論段数15段のシクロヘキセン精製塔D9の上から7段目に供給し、塔底の液組成がベンゼン0.01mol%で、塔底の缶出液量が最大になるよう、リボイラー熱負荷と留出液量を調整した。留出液0.002質量部/1時間を、工程(a)にリサイクルした。シクロヘキセン精製塔D9塔底液を理論段数15段のシクロヘキセン精製塔D10の上から7段目に供給し、塔頂の液組成がシクロヘキサン0.012mol%で、塔頂の留出液量が最大になるよう、リボイラー熱負荷と缶出液量を調整した。留出液0.002質量部/1時間を、工程(a)にリサイクルした。実施例5と同純度、同量のシクロヘキセンが回収できたが、工程(a)のリボイラー熱負荷は高くなった。
シクロヘキセン精製塔D9及びD10を用いなかったこと以外は、実施例6と同様にシクロへキセンの抽出蒸留を行った。
リボイラー熱負荷が実施例6より大幅に増大したにもかかわらず、十分な分離は出来なかった。
実施例4〜6、比較例3における結果を表3に示す。
ラインL1〜ラインL16 ・・・ ライン
Claims (11)
- (a)シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベンゼンを含む混合溶液を、抽剤を用いて抽出蒸留する工程と、
(b)前記工程(a)で得られた留出液から、ベンゼンを、ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物として除去する工程と、
を含み、前記工程(a)で得られる留出液のシクロヘキセンとベンゼンの和に対するベンゼン濃度が0.1mol%以上3mol%以下である、シクロヘキセンの精製方法。 - (c)前記工程(a)で得られた留出液から、シクロヘキサンを、シクロヘキサンとシ
クロヘキセンとの共沸混合物として除去する工程をさらに含む、請求項1記載のシクロヘ
キセンの精製方法。 - 前記工程(a)で得られる留出液のシクロヘキセンとシクロヘキサンの和に対するシク
ロヘキサン濃度が0.1mol%以上3mol%以下である、請求項1又は2に記載のシクロヘキセンの精製方法。 - 前記工程(a)で得られた留出液を供給した蒸留塔の塔頂から、前記ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物を除去し、塔底から前記シクロヘキサンとシクロヘキセンとの共沸混合物を除去し、中段から前記シクロヘキセンを回収する、請求項2又は3に記載のシクロヘキセンの精製方法。
- 前記工程(b)において、前記工程(a)で得られた留出液を第一の蒸留塔に供給して
塔頂から前記ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物を除去すると共に、塔底液を第二
の蒸留塔に供給し、
前記第二の蒸留塔の塔底から前記シクロヘキサンとシクロヘキセンとの共沸混合物を除
去し、前記第二の蒸留塔の塔頂から前記シクロヘキセンを回収する、請求項2又は3に記載のシクロヘキセンの精製方法。 - 前記ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物を、前記工程(a)にリサイクルする、
請求項1〜5のいずれか1項記載のシクロヘキセンの精製方法。 - 前記シクロヘキサンとシクロヘキセンとの共沸混合物を、前記工程(a)にリサイクル
する、請求項2〜6のいずれか1項記載のシクロヘキセンの精製方法。 - 前記抽出蒸留の抽剤がN−メチル−2−ピロリドン及び/又はN,N−ジメチルアセト
アミドである、請求項1〜7のいずれか1項記載のシクロヘキセンの精製方法。 - (i)ベンゼンを部分水素化し、シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベンゼンを含む混合溶液を得る工程と、
(ii)前記工程(i)により得られた混合溶液を、抽剤を用いて抽出蒸留する工程と、
(iii)前記工程(ii)により得られた留出液から、ベンゼンを、ベンゼンとシクロヘキセンとの共沸混合物として除去し、シクロヘキセンを回収する工程と、
を含み、前記工程(ii)における、シクロヘキセン中のベンゼン濃度が0.1mol%以上3mol%以下である、シクロヘキセンの製造方法。 - (iv)前記工程(ii)で得た留出液から、シクロヘキサンを、シクロへキサンとシクロヘキセンとの共沸混合物として除去し、シクロヘキセンを回収する工程をさらに含む、請求項9記載のシクロヘキセンの製造方法。
- 前記工程(ii)における、シクロヘキセン中のシクロヘキサン濃度が0.1mol%以上3mol%以下である、請求項10記載のシクロヘキセンの製造方法。
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