JPH1129504A - シクロヘキセンの製造方法 - Google Patents
シクロヘキセンの製造方法Info
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- JPH1129504A JPH1129504A JP9183667A JP18366797A JPH1129504A JP H1129504 A JPH1129504 A JP H1129504A JP 9183667 A JP9183667 A JP 9183667A JP 18366797 A JP18366797 A JP 18366797A JP H1129504 A JPH1129504 A JP H1129504A
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- water
- cyclohexene
- oil phase
- extractive distillation
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ベンゼンの水素化反応混合物から分離された
油相を抽出蒸留して、シクロヘキセン、シクロヘキサン
を高純度で効率よく回収する工業的有利なシクロヘキセ
ン製造方法を提供する。 【解決手段】 ベンゼンを触媒及び水の存在下、水素と
反応させ、得られた反応液を水相と油相に相分離し、水
素化生成物を含む油相から抽出蒸留によりシクロヘキセ
ンを回収し、シクロヘキセン分離後の主としてベンゼン
と抽剤からなる混合液を蒸留して、混合液中の水分をベ
ンゼンと共に留出させて水素化反応工程にリサイクルす
ると共に、抽剤を抽出蒸留工程にリサイクルする方法で
あって、油相と共に抽出蒸留工程に供給される水の流量
(W1 )と、ベンゼンと共に反応工程にリサイクルされ
る水の流量(W2 )が、 【数1】W2 /W1 >0.5 となる様に蒸留条件を制御することを特徴とするシクロ
ヘキセンの製造方法。
油相を抽出蒸留して、シクロヘキセン、シクロヘキサン
を高純度で効率よく回収する工業的有利なシクロヘキセ
ン製造方法を提供する。 【解決手段】 ベンゼンを触媒及び水の存在下、水素と
反応させ、得られた反応液を水相と油相に相分離し、水
素化生成物を含む油相から抽出蒸留によりシクロヘキセ
ンを回収し、シクロヘキセン分離後の主としてベンゼン
と抽剤からなる混合液を蒸留して、混合液中の水分をベ
ンゼンと共に留出させて水素化反応工程にリサイクルす
ると共に、抽剤を抽出蒸留工程にリサイクルする方法で
あって、油相と共に抽出蒸留工程に供給される水の流量
(W1 )と、ベンゼンと共に反応工程にリサイクルされ
る水の流量(W2 )が、 【数1】W2 /W1 >0.5 となる様に蒸留条件を制御することを特徴とするシクロ
ヘキセンの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベンゼンの水素化
により主生成物であるシクロヘキセン及び副生物である
シクロヘキサンを製造する方法に関する。更に詳しくは
反応生成物からシクロヘキセン及びシクロヘキサンを高
品質で効率よく分離、回収する製造方法に関する。
により主生成物であるシクロヘキセン及び副生物である
シクロヘキサンを製造する方法に関する。更に詳しくは
反応生成物からシクロヘキセン及びシクロヘキサンを高
品質で効率よく分離、回収する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロヘキセンはラクタム類、ジカルボ
ン酸等のポリアミドの原料や各種有機化学製品、医薬、
農薬等の合成中間体として有用な化合物である。シクロ
ヘキセンの製造方法に関しては、種々の方法が知られて
いるが、その一つとしてベンゼンの部分水素化による製
法が知られている。ベンゼンの部分水素化は、通常、ル
テニウム触媒の存在下、水とベンゼンの懸濁液に水素を
通入して行われ、反応の結果、主として、水、シクロヘ
キセン、未反応ベンゼン、副生シクロヘキサンを含有す
る混合物が得られる。高純度のシクロヘキセンを得るた
めには、反応混合物からシクロヘキセンを分離する手段
が問題となる。シクロヘキサン、シクロヘキセン、ベン
ゼンは沸点が近接しているため、通常の蒸留方法では高
純度のシクロヘキセン、シクロヘキサンを得ることは困
難である。このため、これら混合物の分離方法として、
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、アジポニトリル、スルホラン、マロン酸ジメチル、
コハク酸ジメチル等の溶剤を使用する抽出蒸留法が提案
されている。(特開昭52−5733、特開昭58−1
645724、特開昭58−1545725、特開昭5
8−17232、特開昭62−295311、特開平4
−41441等)
ン酸等のポリアミドの原料や各種有機化学製品、医薬、
農薬等の合成中間体として有用な化合物である。シクロ
ヘキセンの製造方法に関しては、種々の方法が知られて
いるが、その一つとしてベンゼンの部分水素化による製
法が知られている。ベンゼンの部分水素化は、通常、ル
テニウム触媒の存在下、水とベンゼンの懸濁液に水素を
通入して行われ、反応の結果、主として、水、シクロヘ
キセン、未反応ベンゼン、副生シクロヘキサンを含有す
る混合物が得られる。高純度のシクロヘキセンを得るた
めには、反応混合物からシクロヘキセンを分離する手段
が問題となる。シクロヘキサン、シクロヘキセン、ベン
ゼンは沸点が近接しているため、通常の蒸留方法では高
純度のシクロヘキセン、シクロヘキサンを得ることは困
難である。このため、これら混合物の分離方法として、
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、アジポニトリル、スルホラン、マロン酸ジメチル、
コハク酸ジメチル等の溶剤を使用する抽出蒸留法が提案
されている。(特開昭52−5733、特開昭58−1
645724、特開昭58−1545725、特開昭5
8−17232、特開昭62−295311、特開平4
−41441等)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抽出蒸留によりシクロ
ヘキサン等を分離回収するには、反応混合物から、先
ず、触媒を含有した水相を分離した後の油相を対象とす
る。油相中には、通常、少なくとも溶解度相当量の水が
混入しているが、かかる混入水の抽出蒸留系での挙動、
分離性能、生成物の純度に与える影響に関してはよく知
られていなかった。而して、工業的規模でシクロヘキセ
ンを製造する場合は、かかる混入水の存在は無視し得な
い。本発明はかかる事情に鑑み成されたものであって、
混入水の影響を明らかにすることによって、ベンゼンの
水素化によりシクロヘキセンを製造する工業的有利な方
法を提供することを目的とするものである。
ヘキサン等を分離回収するには、反応混合物から、先
ず、触媒を含有した水相を分離した後の油相を対象とす
る。油相中には、通常、少なくとも溶解度相当量の水が
混入しているが、かかる混入水の抽出蒸留系での挙動、
分離性能、生成物の純度に与える影響に関してはよく知
られていなかった。而して、工業的規模でシクロヘキセ
ンを製造する場合は、かかる混入水の存在は無視し得な
い。本発明はかかる事情に鑑み成されたものであって、
混入水の影響を明らかにすることによって、ベンゼンの
水素化によりシクロヘキセンを製造する工業的有利な方
法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は検討を重
ね、かかる混入水の制御によって、蒸留に使用されるエ
ネルギーを大幅に低下させ、また高品質のシクロヘキサ
ンを得ることが出来ることを見出した。本発明はかかる
知見に基ずき達成されたもので、その要旨は、ベンゼン
を触媒及び水の存在下、水素と反応させ、得られた反応
液を水相と油相に相分離し、水素化生成物を含む油相か
ら抽出蒸留によりシクロヘキセンを回収し、シクロヘキ
セン分離後の主としてベンゼンと抽剤からなる油相を蒸
留して、油相中の水分をベンゼンと共に留出させて水素
化反応工程にリサイクルすると共に、抽剤を抽出蒸留工
程にリサイクルする方法であって、油相と共に抽出蒸留
工程に供給される水の流量(W1 )と、ベンゼンと共に
反応工程にリサイクルされる水の流量(W 2 )が、
ね、かかる混入水の制御によって、蒸留に使用されるエ
ネルギーを大幅に低下させ、また高品質のシクロヘキサ
ンを得ることが出来ることを見出した。本発明はかかる
知見に基ずき達成されたもので、その要旨は、ベンゼン
を触媒及び水の存在下、水素と反応させ、得られた反応
液を水相と油相に相分離し、水素化生成物を含む油相か
ら抽出蒸留によりシクロヘキセンを回収し、シクロヘキ
セン分離後の主としてベンゼンと抽剤からなる油相を蒸
留して、油相中の水分をベンゼンと共に留出させて水素
化反応工程にリサイクルすると共に、抽剤を抽出蒸留工
程にリサイクルする方法であって、油相と共に抽出蒸留
工程に供給される水の流量(W1 )と、ベンゼンと共に
反応工程にリサイクルされる水の流量(W 2 )が、
【0005】
【数2】W2 /W1 >0.5
【0006】となる様に蒸留条件を制御することを特徴
とするシクロヘキセンの製造方法に存する。以下、本発
明を詳細に説明する。ベンゼンの部分水素化反応は、触
媒及び水の存在下、主に液相中で懸濁状態で実施され
る。連続法の場合は、触媒、水を含むスラリーにベンゼ
ンと水素を導入することにより実施される。水の量は反
応形式により異なるが、少なくとも反応系が原料及び生
成物を主成分とする有機相(油相)と水を含む水相の2
相を形成するに足る量が必要であり、一般に、ベンゼン
の0.01〜10重量倍、好ましくは、0.1〜5重量
倍である。2相の形成が困難な場合、分液が困難とな
り、また、水の量が多すぎても、少なすぎても、水の存
在効果が減少し、特に水が多すぎる場合は、反応槽を大
きくする必要があり好ましくない。本発明方法において
は、必要に応じて水中に金属塩を存在させてもよい。金
属塩としては、周期律表1族金属、2族金属、或いは亜
鉛、マンガン、コバルト等の硫酸塩、ハロゲン化物、リ
ン酸塩等の無機酸塩、或いはこれら金属の酢酸塩等の有
機酸塩が例示される。特に、硫酸亜鉛、硫酸コバルトが
好ましい。金属塩の使用量は、通常、反応系の水の量に
対して、1×10-5重量倍〜1重量倍、好ましくは1×
10-4重量倍〜0.1重量倍である。
とするシクロヘキセンの製造方法に存する。以下、本発
明を詳細に説明する。ベンゼンの部分水素化反応は、触
媒及び水の存在下、主に液相中で懸濁状態で実施され
る。連続法の場合は、触媒、水を含むスラリーにベンゼ
ンと水素を導入することにより実施される。水の量は反
応形式により異なるが、少なくとも反応系が原料及び生
成物を主成分とする有機相(油相)と水を含む水相の2
相を形成するに足る量が必要であり、一般に、ベンゼン
の0.01〜10重量倍、好ましくは、0.1〜5重量
倍である。2相の形成が困難な場合、分液が困難とな
り、また、水の量が多すぎても、少なすぎても、水の存
在効果が減少し、特に水が多すぎる場合は、反応槽を大
きくする必要があり好ましくない。本発明方法において
は、必要に応じて水中に金属塩を存在させてもよい。金
属塩としては、周期律表1族金属、2族金属、或いは亜
鉛、マンガン、コバルト等の硫酸塩、ハロゲン化物、リ
ン酸塩等の無機酸塩、或いはこれら金属の酢酸塩等の有
機酸塩が例示される。特に、硫酸亜鉛、硫酸コバルトが
好ましい。金属塩の使用量は、通常、反応系の水の量に
対して、1×10-5重量倍〜1重量倍、好ましくは1×
10-4重量倍〜0.1重量倍である。
【0007】通常、触媒としては、ルテニウム系触媒が
使用され、具体的には種々のルテニウム化合物を還元し
て得られる金属ルテニウムが用いられる。ルテニウム化
合物としては、ハロゲン化物、硝酸塩等の無機酸塩、水
酸化物、ルテニウムカルボニル、ルテニウムアンミン錯
体等の錯化合物、アルコキシド等が挙げられ、特に塩化
ルテニウムが好適に使用される。還元法しては、水素ガ
スによる接触還元法、或いはホルマリン、ヒドラジン等
による化学的還元法が採用され、特に水素による、接触
還元が好ましい。触媒の活性成分はルテニウム単独でも
よいし、助触媒として他の金属成分を併用してもよい。
助触媒成分としては、亜鉛、鉄、コバルト、マンガン、
金、ランタン、銅等が挙げられ、これら金属のハロゲン
化物、硝酸塩、硫酸塩等の無機酸塩、酢酸塩等の有機酸
塩、錯体化合物等が使用され、特に亜鉛の化合物が好ま
しい。助触媒の使用量は、ルテニウム原子に対する助触
媒金属の原子比として、通常、0.01〜20、好まし
くは0.1〜10である。
使用され、具体的には種々のルテニウム化合物を還元し
て得られる金属ルテニウムが用いられる。ルテニウム化
合物としては、ハロゲン化物、硝酸塩等の無機酸塩、水
酸化物、ルテニウムカルボニル、ルテニウムアンミン錯
体等の錯化合物、アルコキシド等が挙げられ、特に塩化
ルテニウムが好適に使用される。還元法しては、水素ガ
スによる接触還元法、或いはホルマリン、ヒドラジン等
による化学的還元法が採用され、特に水素による、接触
還元が好ましい。触媒の活性成分はルテニウム単独でも
よいし、助触媒として他の金属成分を併用してもよい。
助触媒成分としては、亜鉛、鉄、コバルト、マンガン、
金、ランタン、銅等が挙げられ、これら金属のハロゲン
化物、硝酸塩、硫酸塩等の無機酸塩、酢酸塩等の有機酸
塩、錯体化合物等が使用され、特に亜鉛の化合物が好ま
しい。助触媒の使用量は、ルテニウム原子に対する助触
媒金属の原子比として、通常、0.01〜20、好まし
くは0.1〜10である。
【0008】触媒は、非担持型でも担持型でもよい。非
担持型触媒前駆体の調製法としては、ルテニウム及び所
望の助触媒金属成分の化合物の混合液を用いて、アルカ
リ沈澱法等により固体として得てもよいし、或いは均一
溶液の状態で蒸発乾固してもよい。通常は、シリカ、ア
ルミナ、シリカ−アルミナ、ジルコニウム或いはその他
の金属酸化物、複合酸化物、水酸化物、活性炭等の担体
に担持させて使用される。担持方法としては、公知の方
法、例えばイオン交換法、スプレー法、含浸法、蒸発乾
固法等があるが、イオン交換法が好適に使用される。ル
テニウムの担持量は、通常、0.001〜10重量%、
好ましくは0.1〜5重量%である。助触媒成分はルテ
ニウムと同時に担持させてもよいし、順次担持させても
よい。また、触媒を水処理することによりシクロオレフ
ィンの選択性等を更に改良することが出来る。
担持型触媒前駆体の調製法としては、ルテニウム及び所
望の助触媒金属成分の化合物の混合液を用いて、アルカ
リ沈澱法等により固体として得てもよいし、或いは均一
溶液の状態で蒸発乾固してもよい。通常は、シリカ、ア
ルミナ、シリカ−アルミナ、ジルコニウム或いはその他
の金属酸化物、複合酸化物、水酸化物、活性炭等の担体
に担持させて使用される。担持方法としては、公知の方
法、例えばイオン交換法、スプレー法、含浸法、蒸発乾
固法等があるが、イオン交換法が好適に使用される。ル
テニウムの担持量は、通常、0.001〜10重量%、
好ましくは0.1〜5重量%である。助触媒成分はルテ
ニウムと同時に担持させてもよいし、順次担持させても
よい。また、触媒を水処理することによりシクロオレフ
ィンの選択性等を更に改良することが出来る。
【0009】部分水素化反応の反応温度は、通常、50
〜250℃、好ましくは100〜220℃である。温度
が高すぎるとシクロオレフィンの選択率が低下し、低す
ぎると反応速度が著しく低下するので好ましくない。反
応は、水素圧で0.1〜20MPa、好ましくは0.5
〜10MPaの圧力下で行われる。20MPaを越える
高圧は、工業的に不利であり、一方、0.1MPa未満
では反応速度が著しく低下し好ましくない。反応形式と
しては一槽又は二槽以上の反応槽を用いて回分式で行な
うことも、或いは連続式で行なうことも出来るが、工業
的には、連続式が好ましい。
〜250℃、好ましくは100〜220℃である。温度
が高すぎるとシクロオレフィンの選択率が低下し、低す
ぎると反応速度が著しく低下するので好ましくない。反
応は、水素圧で0.1〜20MPa、好ましくは0.5
〜10MPaの圧力下で行われる。20MPaを越える
高圧は、工業的に不利であり、一方、0.1MPa未満
では反応速度が著しく低下し好ましくない。反応形式と
しては一槽又は二槽以上の反応槽を用いて回分式で行な
うことも、或いは連続式で行なうことも出来るが、工業
的には、連続式が好ましい。
【0010】部分水素化反応後の反応液は、ルテニウム
触媒が分散した水相と主としてベンゼン、シクロヘキセ
ン等からなる有機物相(油相)の混合物である。かかる
反応液は、油水分離器、例えば静置槽へ導入され、油水
分離される。分離された水相は、好ましくは反応系に循
環再使用される。一方、油相は主として原料ベンゼン、
生成物であるシクロヘキセン、シクロヘキサン等の副生
物の他、種々の不純物を含有しているので、蒸留系に導
入され、本発明方法に従って抽出蒸発される。本発明方
法において、油相を抽出蒸留する際用いられる溶剤(抽
剤)としては、N,N−ジメチルアセトアミド、アジポ
ニトリル、スルホラン、マロン酸ジメチル、コハク酸ジ
メチル、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン等
の公知の抽剤や、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、
極性を有する有機化合物等が挙げられる。
触媒が分散した水相と主としてベンゼン、シクロヘキセ
ン等からなる有機物相(油相)の混合物である。かかる
反応液は、油水分離器、例えば静置槽へ導入され、油水
分離される。分離された水相は、好ましくは反応系に循
環再使用される。一方、油相は主として原料ベンゼン、
生成物であるシクロヘキセン、シクロヘキサン等の副生
物の他、種々の不純物を含有しているので、蒸留系に導
入され、本発明方法に従って抽出蒸発される。本発明方
法において、油相を抽出蒸留する際用いられる溶剤(抽
剤)としては、N,N−ジメチルアセトアミド、アジポ
ニトリル、スルホラン、マロン酸ジメチル、コハク酸ジ
メチル、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン等
の公知の抽剤や、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、
極性を有する有機化合物等が挙げられる。
【0011】抽出蒸留方式は特に限定されるものではな
い。以下にその一例を図面を用いて具体的に説明する
が、本発明はかかる方法に限定されるものではない。図
1は、本発明方法に従ってルテニウム触媒及び水の存在
下、ベンゼンを部分水素化した反応液から分離された、
主として、シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベンゼ
ンを含む油相を3塔式で蒸留分離する工程の1例を示
す。
い。以下にその一例を図面を用いて具体的に説明する
が、本発明はかかる方法に限定されるものではない。図
1は、本発明方法に従ってルテニウム触媒及び水の存在
下、ベンゼンを部分水素化した反応液から分離された、
主として、シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベンゼ
ンを含む油相を3塔式で蒸留分離する工程の1例を示
す。
【0012】部分水素化反応液から分離された油相は、
ライン1を通じて蒸留塔D1下部に導入され、一方ライ
ン2を通じてD1上部に抽剤を導入し抽出蒸留が行われ
る。D1塔頂より副生するシクロヘキサン等のシクロヘ
キセンより低沸点物を主成分とする留分が抜き出され、
コンデンサーで凝縮された後、その一部が所定の還流比
でD1に戻されると共に残りはライン3から抜き出され
る。D1塔底からベンゼン、シクロヘキセン、抽剤を主
成分とする留分が抜き出され、ライン4を通じて蒸留塔
D2へ導入される。必要に応じライン5から抽剤を導入
し、蒸留塔D2においても抽出蒸留が行われ、塔頂から
シクロヘキセンを主成分とする留分が抜き出され、その
一部が所定の還流比でD2に戻されると共に残りはライ
ン6から抜き出される。D2塔底から、ベンゼンと抽剤
を主成分とする留分が抜き出され、ライン7を通じて蒸
留塔D3へ導入される。D3においてベンゼンと抽剤が
蒸留分離され、塔頂からベンゼンが留出され、水素化反
応工程に循環させる。塔底からは抽剤が抜き出され、蒸
留塔D2,D3へ循環し、抽出溶剤として再利用する。
ライン1を通じて蒸留塔D1下部に導入され、一方ライ
ン2を通じてD1上部に抽剤を導入し抽出蒸留が行われ
る。D1塔頂より副生するシクロヘキサン等のシクロヘ
キセンより低沸点物を主成分とする留分が抜き出され、
コンデンサーで凝縮された後、その一部が所定の還流比
でD1に戻されると共に残りはライン3から抜き出され
る。D1塔底からベンゼン、シクロヘキセン、抽剤を主
成分とする留分が抜き出され、ライン4を通じて蒸留塔
D2へ導入される。必要に応じライン5から抽剤を導入
し、蒸留塔D2においても抽出蒸留が行われ、塔頂から
シクロヘキセンを主成分とする留分が抜き出され、その
一部が所定の還流比でD2に戻されると共に残りはライ
ン6から抜き出される。D2塔底から、ベンゼンと抽剤
を主成分とする留分が抜き出され、ライン7を通じて蒸
留塔D3へ導入される。D3においてベンゼンと抽剤が
蒸留分離され、塔頂からベンゼンが留出され、水素化反
応工程に循環させる。塔底からは抽剤が抜き出され、蒸
留塔D2,D3へ循環し、抽出溶剤として再利用する。
【0013】油相の抽出蒸留方法としては、図1に示す
方式以外に、例えば第1の蒸留塔で抽出蒸留により、シ
クロヘキセン、シクロヘキサン等の混合物とベンゼンを
分離し、次いで第2の蒸留塔で、ベンゼンを抽剤(溶
剤)と分離し、一方、シクロヘキセン、シクロヘキサン
等の混合物は別の蒸留塔に導入し、順次抽出蒸留して、
シクロヘキサン、シクロヘキセンを分離回収する4塔方
式であってもよい。
方式以外に、例えば第1の蒸留塔で抽出蒸留により、シ
クロヘキセン、シクロヘキサン等の混合物とベンゼンを
分離し、次いで第2の蒸留塔で、ベンゼンを抽剤(溶
剤)と分離し、一方、シクロヘキセン、シクロヘキサン
等の混合物は別の蒸留塔に導入し、順次抽出蒸留して、
シクロヘキサン、シクロヘキセンを分離回収する4塔方
式であってもよい。
【0014】何れの方式を採用する場合も、本発明方法
においては、ベンゼンを蒸留して抽剤と分離する際、水
をベンゼンと共に塔頂から留出させ、抽剤中の水濃度を
低減させる様に蒸留条件を設定することが必要である。
そして、ベンゼンと共に留出させる水の量は、油相と共
に蒸留系に供給される水の流量(W1 )と、ベンゼンと
共に反応工程にリサイクルされる水の流量(W2 )の比
(W2 /W1 )が0.5を超える量とすることが必要で
ある。W2 /W1 は、0.75以上であることが好まし
い。
においては、ベンゼンを蒸留して抽剤と分離する際、水
をベンゼンと共に塔頂から留出させ、抽剤中の水濃度を
低減させる様に蒸留条件を設定することが必要である。
そして、ベンゼンと共に留出させる水の量は、油相と共
に蒸留系に供給される水の流量(W1 )と、ベンゼンと
共に反応工程にリサイクルされる水の流量(W2 )の比
(W2 /W1 )が0.5を超える量とすることが必要で
ある。W2 /W1 は、0.75以上であることが好まし
い。
【0015】従って、ベンゼンと共に留出させる水の量
は、抽出蒸留に供される油相中の水の量に応じて変更さ
れ、蒸留条件も適宜決定されるが、通常、ベンゼンと蒸
留分離され、抽出蒸留系にリサイクルされる抽剤中の水
濃度を1重量%以下に保つことが好ましく、更に好まし
くは、0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%
以下にすることである。
は、抽出蒸留に供される油相中の水の量に応じて変更さ
れ、蒸留条件も適宜決定されるが、通常、ベンゼンと蒸
留分離され、抽出蒸留系にリサイクルされる抽剤中の水
濃度を1重量%以下に保つことが好ましく、更に好まし
くは、0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%
以下にすることである。
【0016】本発明方法は、油水分離後の油相中に多く
の水が存在する場合に、大きな効果が現れる。本発明の
効果は油相中の水濃度が0.5重量%以上の場合に顕著
になり、油相中の水濃度が0.8重量%以上では更に顕
著な効果を奏する。また、本発明では抽出蒸留工程を連
続的に行なうことが好ましく、特に、水素化反応工程、
蒸留工程を一貫して連続的に行なうことが好ましい。
の水が存在する場合に、大きな効果が現れる。本発明の
効果は油相中の水濃度が0.5重量%以上の場合に顕著
になり、油相中の水濃度が0.8重量%以上では更に顕
著な効果を奏する。また、本発明では抽出蒸留工程を連
続的に行なうことが好ましく、特に、水素化反応工程、
蒸留工程を一貫して連続的に行なうことが好ましい。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に制約されるものではない。なお、以下の例中、転
換率及び選択率は下式に従って計算した。
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に制約されるものではない。なお、以下の例中、転
換率及び選択率は下式に従って計算した。
【0018】
【数3】転換率(%)=(反応に消費されたベンゼンの
モル数)/(反応に供したベンゼンのモル数)×100
モル数)/(反応に供したベンゼンのモル数)×100
【0019】
【数4】選択率(%)=(反応で生成したシクロヘキセ
ンのモル数)/(反応に消費されたベンゼンのモル数)
×100
ンのモル数)/(反応に消費されたベンゼンのモル数)
×100
【0020】実施例1 [触媒の調製]オキシ硝酸ジルコニウム2水和物0.8
7gを20mlの純水に溶解させた液に、シリカ(富士
シリシア化学製、商品名;CARIACT50)8.0
gを室温にて浸漬した後、水を留去し乾燥させた。次い
で、空気流通下、1000℃にて4時間焼成し、シリカ
に対し5重量%のジルコニウムで修飾したシリカ担体を
調製した。この担体を、塩化ルテニウムと塩化亜鉛を含
有した水溶液に、60℃で1時間浸漬後、水を留去し乾
燥させて、ルテニウムと亜鉛を担体に対し各々0.5重
量%担持させた触媒前駆体を得た。この前駆体を、水素
気流中にて200℃、3時間焼成し、還元してルテニウ
ム触媒を得た。
7gを20mlの純水に溶解させた液に、シリカ(富士
シリシア化学製、商品名;CARIACT50)8.0
gを室温にて浸漬した後、水を留去し乾燥させた。次い
で、空気流通下、1000℃にて4時間焼成し、シリカ
に対し5重量%のジルコニウムで修飾したシリカ担体を
調製した。この担体を、塩化ルテニウムと塩化亜鉛を含
有した水溶液に、60℃で1時間浸漬後、水を留去し乾
燥させて、ルテニウムと亜鉛を担体に対し各々0.5重
量%担持させた触媒前駆体を得た。この前駆体を、水素
気流中にて200℃、3時間焼成し、還元してルテニウ
ム触媒を得た。
【0021】上記触媒10gと、硫酸亜鉛6重量%の水
溶液200mlを、内容積500mlのチタン製オート
クレーブに仕込み、200℃、圧力5.0MPa、60
0rpmで、5時間攪拌した。触媒を取り出し、30倍
量の純水を加えて十分に攪拌し、実質的に、平衡状態と
なった水中の亜鉛濃度が0.1ppm以下となるまで洗
浄した。次いで乾燥し、水素気流中で200℃、3時間
保持した。得られた触媒は、X線回折法によりルテニウ
ム金属結晶の結晶子径を測定したところ、ルテニウムの
明確な回折線は得られず、非常に高分散状態であること
が分かった。
溶液200mlを、内容積500mlのチタン製オート
クレーブに仕込み、200℃、圧力5.0MPa、60
0rpmで、5時間攪拌した。触媒を取り出し、30倍
量の純水を加えて十分に攪拌し、実質的に、平衡状態と
なった水中の亜鉛濃度が0.1ppm以下となるまで洗
浄した。次いで乾燥し、水素気流中で200℃、3時間
保持した。得られた触媒は、X線回折法によりルテニウ
ム金属結晶の結晶子径を測定したところ、ルテニウムの
明確な回折線は得られず、非常に高分散状態であること
が分かった。
【0022】[ベンゼン部分水素化連続反応]内部に静
置槽を有する、内容積1000mlのチタン製オートク
レーブに、硫酸亜鉛6重量%水溶液250ml、上記触
媒12.4gを仕込んだ。反応温度150℃、圧力5.
0MPaで水素ガスを110Nl/hrの流量で供給
し、ベンゼンを83ml/hrで供給し、600rpm
で攪拌を行い、ベンゼンを部分水素化した。反応器内に
設置した、静置槽より油相を連続的に抜き出し、カール
フィシャー法で水分を定量分析した。また、ガスクロマ
トグラフで反応成績を分析した。得られた油相の水分濃
度は1.2重量%であった。また、反応成績は、ベンゼ
ン転換率73%、シクロヘキセン選択率59%であっ
た。更に、ベンゼン供給量を283ml/hrとしたと
ころ、ベンゼン転換率34%、シクロヘキセン選択率8
4%となった。
置槽を有する、内容積1000mlのチタン製オートク
レーブに、硫酸亜鉛6重量%水溶液250ml、上記触
媒12.4gを仕込んだ。反応温度150℃、圧力5.
0MPaで水素ガスを110Nl/hrの流量で供給
し、ベンゼンを83ml/hrで供給し、600rpm
で攪拌を行い、ベンゼンを部分水素化した。反応器内に
設置した、静置槽より油相を連続的に抜き出し、カール
フィシャー法で水分を定量分析した。また、ガスクロマ
トグラフで反応成績を分析した。得られた油相の水分濃
度は1.2重量%であった。また、反応成績は、ベンゼ
ン転換率73%、シクロヘキセン選択率59%であっ
た。更に、ベンゼン供給量を283ml/hrとしたと
ころ、ベンゼン転換率34%、シクロヘキセン選択率8
4%となった。
【0023】[ベンゼン部分水素化バッチ反応]内容積
500mlのチタン製オートクレーブに、硫酸亜鉛6重
量%水溶液150ml、上記触媒3.75g、ベンゼン
100mlを仕込んだ。反応温度150℃、圧力5.0
MPaで水素ガスを57Nl/hrの流量で供給し、1
000rpmの攪拌を行った。反応器内に設置したノズ
ルより、反応液を適宜抜き出し、ガスクロマトグラフで
分析した。ベンゼンの転換率が28.9%の時、シクロ
ヘキセンの選択率は82.3%、ベンゼン転換率67.
4%の時、シクロヘキセン選択率77.4%であった。
500mlのチタン製オートクレーブに、硫酸亜鉛6重
量%水溶液150ml、上記触媒3.75g、ベンゼン
100mlを仕込んだ。反応温度150℃、圧力5.0
MPaで水素ガスを57Nl/hrの流量で供給し、1
000rpmの攪拌を行った。反応器内に設置したノズ
ルより、反応液を適宜抜き出し、ガスクロマトグラフで
分析した。ベンゼンの転換率が28.9%の時、シクロ
ヘキセンの選択率は82.3%、ベンゼン転換率67.
4%の時、シクロヘキセン選択率77.4%であった。
【0024】[反応成績の整理]以上の実験結果を、
M.M.Johnsonが報告している併発・逐次反応
ルート(J.Cat.38.p518〜521(197
5))に従って反応成績を解析した。バッチ反応データ
はこの論文の反応速度式で整理可能であり、得られた速
度式から、5段の攪拌槽を用いた連続反応の結果を計算
したところ、ベンゼンの転換率60%の時のシクロヘキ
センの選択率は80%となった。
M.M.Johnsonが報告している併発・逐次反応
ルート(J.Cat.38.p518〜521(197
5))に従って反応成績を解析した。バッチ反応データ
はこの論文の反応速度式で整理可能であり、得られた速
度式から、5段の攪拌槽を用いた連続反応の結果を計算
したところ、ベンゼンの転換率60%の時のシクロヘキ
センの選択率は80%となった。
【0025】[蒸留試験]それぞれ内部セパレータを有
する5段の攪拌槽を用いた上記ベンゼンの連続水素化反
応の結果、ベンゼンの転換率60%、シクロヘキセンの
選択率80%となる。この反応生成物を引き続き図1に
示す3塔を使用する方式によって連続的に蒸留分離す
る。第1蒸留塔D1は理論段数58段、還流比15、第
2蒸留塔は理論段数58段、還流比2、第3蒸留塔D3
は理論段数18段、還流比1.3で運転する。
する5段の攪拌槽を用いた上記ベンゼンの連続水素化反
応の結果、ベンゼンの転換率60%、シクロヘキセンの
選択率80%となる。この反応生成物を引き続き図1に
示す3塔を使用する方式によって連続的に蒸留分離す
る。第1蒸留塔D1は理論段数58段、還流比15、第
2蒸留塔は理論段数58段、還流比2、第3蒸留塔D3
は理論段数18段、還流比1.3で運転する。
【0026】ベンゼンの転換率60%、シクロヘキセン
選択率80%に相当する150℃の反応液(ベンゼン4
0モル%、シクロヘキセン48モル%、シクロヘキサン
12モル%を含む)を150℃で油水分離する。得られ
た油相中の水濃度1.27重量%である。かかる油相を
1モル/hrで第1蒸留塔D1に供給する。なお、油相
1モルとは、油相中のベンゼン、シクロヘキサン、シク
ロヘキセンのモル数の合計が1モルという意である。D
1上部より抽剤としてN−メチルピロリドンを5.19
モル/hrで供給し、抽出蒸留を行い、塔頂より、シク
ロヘキサンを分離する。塔底液を第2蒸留塔D2に供給
し、N−メチルピロリドンを1.79モル/hrで供給
し、蒸留を行ない、塔頂よりシクロヘキセンを分離す
る。D2の塔底液を第3蒸留塔D3に供給して蒸留を行
ない、塔頂から水濃度3.23重量%のベンゼンを0.
4326モル/hrで留出させ、水素化反応系循環す
る。塔底からは水濃度0.17重量%の抽剤を流出さ
せ、D1,D2へ循環する。D1から得られたシクロヘ
キサンの純度は99.9重量%、D2から得られたシク
ロヘキセン純度は99.9%以上となる。この場合、反
応系に蒸留リサイクルされる水の流量W2 /抽出蒸留系
に持ち込まれる水の流量W1 は0.99以上である。
選択率80%に相当する150℃の反応液(ベンゼン4
0モル%、シクロヘキセン48モル%、シクロヘキサン
12モル%を含む)を150℃で油水分離する。得られ
た油相中の水濃度1.27重量%である。かかる油相を
1モル/hrで第1蒸留塔D1に供給する。なお、油相
1モルとは、油相中のベンゼン、シクロヘキサン、シク
ロヘキセンのモル数の合計が1モルという意である。D
1上部より抽剤としてN−メチルピロリドンを5.19
モル/hrで供給し、抽出蒸留を行い、塔頂より、シク
ロヘキサンを分離する。塔底液を第2蒸留塔D2に供給
し、N−メチルピロリドンを1.79モル/hrで供給
し、蒸留を行ない、塔頂よりシクロヘキセンを分離す
る。D2の塔底液を第3蒸留塔D3に供給して蒸留を行
ない、塔頂から水濃度3.23重量%のベンゼンを0.
4326モル/hrで留出させ、水素化反応系循環す
る。塔底からは水濃度0.17重量%の抽剤を流出さ
せ、D1,D2へ循環する。D1から得られたシクロヘ
キサンの純度は99.9重量%、D2から得られたシク
ロヘキセン純度は99.9%以上となる。この場合、反
応系に蒸留リサイクルされる水の流量W2 /抽出蒸留系
に持ち込まれる水の流量W1 は0.99以上である。
【0027】比較例 実施例1と同様にしてベンゼンの水素化及び抽出蒸留を
行なう。但し、W2 /W1 が0.35となる様に、D1
の還流比は30、D2の還流比は4.2、D3の還流比
は5で、蒸留を行なう。D3塔底から得られた抽剤中の
水濃度は0.17重量%である。この結果、シクロヘキ
サンの純度は、95.8%、シクロヘキセンの純度は9
9.4重量%となる。
行なう。但し、W2 /W1 が0.35となる様に、D1
の還流比は30、D2の還流比は4.2、D3の還流比
は5で、蒸留を行なう。D3塔底から得られた抽剤中の
水濃度は0.17重量%である。この結果、シクロヘキ
サンの純度は、95.8%、シクロヘキセンの純度は9
9.4重量%となる。
【0028】
【発明の効果】本発明方法に依れば、蒸留系内における
水の蓄積を防止し、抽出蒸留の際の分離性能を向上さ
せ、また品質のよいシクロヘキセン、シクロヘキサンを
得ることが出来る。
水の蓄積を防止し、抽出蒸留の際の分離性能を向上さ
せ、また品質のよいシクロヘキセン、シクロヘキサンを
得ることが出来る。
【図1】本発明の実施例で使用される蒸留設備の1例で
ある。
ある。
D1 第1蒸留塔 D2 第2蒸留塔 D3 第3蒸留塔
Claims (5)
- 【請求項1】 ベンゼンを触媒及び水の存在下、水素と
反応させ、得られた反応液を水相と油相に相分離し、水
素化生成物を含む油相から抽出蒸留によりシクロヘキセ
ンを回収し、シクロヘキセン分離後の主としてベンゼン
と抽剤からなる混合液を蒸留して、混合液中の水分をベ
ンゼンと共に留出させて水素化反応工程にリサイクルす
ると共に、抽剤を抽出蒸留工程にリサイクルする方法で
あって、油相と共に抽出蒸留工程に供給される水の流量
(W1 )と、ベンゼンと共に反応工程にリサイクルされ
る水の流量(W2 )が、 【数1】W2 /W1 >0.5 となる様に蒸留条件を制御することを特徴とするシクロ
ヘキセンの製造方法。 - 【請求項2】 抽出蒸留工程に供給される油相中の水量
が、0.5重量%以上であることを特徴とする請求項1
記載のシクロヘキセンの製造方法。 - 【請求項3】 W2 /W1 ≧0.75であることを特徴
とする請求項1又は2記載のシクロヘキセンの製造方
法。 - 【請求項4】 a.ベンゼンを触媒及び水の存在下、水
素と反応させる工程 b.得られた反応液を油相及び水相に分離し水相を水素
化反応工程にリサイクルする工程 c.b工程で分離された油相に抽剤を添加して抽出蒸留
を行い、シクロヘキセンを分離回収する工程 d.シクロヘキセン分離後の主としてベンゼンと抽剤か
らなる混合液を蒸留し、混入する水をベンゼンと共に留
出させ、水素化反応工程にリサイクルし、一方、塔底か
ら流出する抽剤を抽出蒸留工程にリサイクルする工程、
からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
記載のシクロヘキセンの製造方法。 - 【請求項5】 水素化反応工程及び抽出蒸留工程を連続
的に実施することを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
かに記載のシクロヘキセンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9183667A JPH1129504A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | シクロヘキセンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9183667A JPH1129504A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | シクロヘキセンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1129504A true JPH1129504A (ja) | 1999-02-02 |
Family
ID=16139831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9183667A Pending JPH1129504A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | シクロヘキセンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1129504A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101850225A (zh) * | 2010-06-28 | 2010-10-06 | 中国天辰工程有限公司 | 一种苯选择性加氢装置 |
-
1997
- 1997-07-09 JP JP9183667A patent/JPH1129504A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101850225A (zh) * | 2010-06-28 | 2010-10-06 | 中国天辰工程有限公司 | 一种苯选择性加氢装置 |
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