JPH09165348A - シクロヘキセンの分離方法 - Google Patents

シクロヘキセンの分離方法

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JPH09165348A
JPH09165348A JP32707795A JP32707795A JPH09165348A JP H09165348 A JPH09165348 A JP H09165348A JP 32707795 A JP32707795 A JP 32707795A JP 32707795 A JP32707795 A JP 32707795A JP H09165348 A JPH09165348 A JP H09165348A
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JP
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cyclohexene
benzene
column
hexane
mixture
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JP32707795A
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Kyo Ishikawa
矯 石川
Tamotsu Kanda
有 神田
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シクロヘキセンと、シクロヘキセン又はベン
ゼンの少なくとも1種を含む混合物から、効率よく高純
度のシクロヘキセンを得る。 【解決手段】 シクロヘキセンとベンゼンの混合物から
共沸蒸留によってシクロヘキセンに富む成分を得るシク
ロヘキセンの分離方法において、n−ヘキサンをエント
レーナーとして共沸蒸留を行い、塔頂よりベンゼンとn
−ヘキサンを留出させ、塔底よりシクロヘキセンを抜き
出すことを特徴とするシクロヘキセンの分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロヘキセンと
ベンゼンを含む混合物からシクロヘキセンを分離する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ベンゼンの部分水素化反応により
得られるシクロヘキセンを水和してシクロヘキサノ−ル
を製造する方法が注目されている。ベンゼンの部分水素
化反応は、通常、ルテニウム触媒と水の存在下で行わ
れ、通常、シクロヘキセン、未反応のベンゼン及び副生
するシクロヘキサンを含む反応混合物が得られる(特公
平3−5370、特公平2−19098、特開平4−0
74141など)。
【0003】上記ベンゼンの部分水素化反応混合物より
純度の高いシクロヘキセンを取得するのためには、該混
合物からのシクロヘキセンの分離方法が問題となる。し
かしながら、シクロヘキセン、ベンゼン及びシクロヘキ
サンの3成分の沸点は極めて近接しているため通常の蒸
留によって分離することは困難である。このため、これ
らの混合物の分離方法として、一般に抽出蒸留法が採用
される。この抽出蒸留では、N,N−ジメチルアセトア
ミド、アジポニトリル、スルホラン、マロン酸ジメチ
ル、コハク酸ジメチルなど各種の抽剤を用いた方法が提
案されている(特開昭58−1645724、特開昭5
8−1645725、特開昭58−172323、特開
昭62−295311、特開平4−41441など)。
また、他にシクロヘキセン、ベンゼン及びシクロヘキサ
ンの混合物に対し、ベンゼン又はシクロヘキサンを所定
量を添加して成分比を調整し、これを共沸蒸留すること
により塔底よりシクロヘキセンを分離する方法も知られ
ているが(特開昭62−292374)、該方法は添加
するベンゼン又はシクロヘキサンの量や蒸留塔での添加
位置により分離性能が著しく変化するため、工業的に十
分な方法とは言いがたい。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】従来の各種の抽剤を用
いた抽出蒸留において、その分離効率が必ずしも十分で
なかったり、高価な抽剤を使用する場合は経済的に不利
な方法であったりする。また、前記の特開平4−414
41号公報にあるように、抽剤の分解物が、蒸留装置の
腐食をもたらしたり、あるいはシクロヘキセン中の不純
物として各種の反応における触媒毒となることがある。
特に、抽出蒸留に用いる抽剤は、一般に極性の高いもの
が多く、分子中に窒素や硫黄を含むものも多いので、抽
剤の分解によって各種の触媒毒となる可能性が高い。特
に、抽出蒸留においては、通常ベンゼンと抽剤とは混合
物として回収されるので、ベンゼンを部分水素化反応系
に戻す場合に触媒毒となる抽剤中の分解物を分離してお
くことが望ましく、結果として、必要以上の分離コスト
がかかることになる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はシクロヘキ
センの分離方法、特にシクロヘキセンとベンゼンとの分
離について鋭意検討した結果、n−ヘキサンをエントレ
ーナーに用いた共沸蒸留法によれば上記課題が解決でき
ることを見いだし本発明に到達した。即ち、本発明の要
旨は、シクロヘキセンとベンゼンの混合物から共沸蒸留
によってシクロヘキセンに富む成分を得るシクロヘキセ
ンの分離方法において、n−ヘキサンをエントレーナー
として共沸蒸留を行い、塔頂よりベンゼンとn−ヘキサ
ンを留出させ、塔底よりシクロヘキセンを抜き出すこと
を特徴とするシクロヘキセンの分離方法に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、共沸蒸留に供する混合物は、シクロヘ
キセンとベンゼンとを少なくとも含むものである。該混
合物は、ベンゼンとシクロヘキセン以外にもシクロヘキ
サンなどの他の化合物を含有していてもよい。該混合物
としては、ベンゼンの部分水素化反応によって得られる
ベンゼン、シクロヘキセン及びシクロヘキサンからなる
混合物が例示できる。この混合物としては、該混合物中
のシクロヘキセンとベンゼンの総量に対してベンゼンを
通常80%以下、好ましくは75%以下、特に好ましく
は60%以下、一方、通常1%以上、好ましくは10%
以上含むものが用いられる。
【0007】以上のシクロヘキセンとベンゼンの混合物
を、本発明ではn−ヘキサンをエントレーナーとして共
沸蒸留を行う。この場合、通常ベンゼンとn−ヘキサン
とが共沸物を形成し、該共沸物が塔頂からの留出分とし
て得られ、塔底よりシクロヘキセンを抜き出し回収する
ことができる。この共沸蒸留においては、蒸留塔の理論
段数が通常10〜10段、好ましくは15〜60段の蒸
留塔を使用する。また、還流比は通常0.5〜50、好
ましくは2〜15である。以上の理論段数や還流比の値
を大きくほど分離度が向上するが、大きくしすぎても設
備が必要以上に大型化することになるので好ましくな
い。蒸留塔への混合物あるいn−ヘキサンのフィード段
数(供給段数)は、上段から通常1/4〜3/4、好ま
しくは1/3であり、また、塔頂圧は通常0.01〜1
MPa、好ましくは0.02〜0.3MPa以下であ
る。
【0008】エントレーナーであるn−ヘキサンは、ベ
ンゼンとシクロヘキセンを含む混合物と共に蒸留塔に供
給してもよく、またこれとは別途に供給してもよい。n
−ヘキサンの使用量は、対象となる混合物を効果的に分
離できる量であれば特に制限はないが、例えばシクロヘ
キセンとベンゼンを含む混合物として、シクロヘキセン
とベンゼンの総量に対してベンゼンを1〜80%含む混
合物を用いた場合については、該混合物に対して通常1
〜4モル倍、好ましくは2〜3モル倍のn−ヘキサンを
供給するとよい。
【0009】本発明は、対象となるベンゼンとシクロヘ
キセンを含む混合物として、前記のようにベンゼンの部
分水素化反応によって得られるベンゼン、シクロヘキセ
ン及びシクロヘキサンからなる混合物にも適用できる。
ベンゼンの部分水素化反応は公知の方法を実施すればよ
く、通常ルテニウム触媒と水の存在下で行われる。触媒
としては、ルテニウム単独、あるいは、ルテニウムに
鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、金など加えたものが使
用される。該触媒は粒子状でもよいし、シリカあるいは
アルミナ、ジルコニアなどの金属酸化物などに担持して
用いてもよい。水はベンゼンに対する容量比で好ましく
は0.1〜5倍の範囲で使用される。また、選択率向上
のため、マンガン、亜鉛、コバルト、リチウムなどの金
属塩を水中に共存させてもよい。反応時の水素圧力は、
通常0.5〜10MPa、また、反応温度は、通常10
0〜220℃で実施される。
【0010】ベンゼンの部分水素化反応によって得られ
た反応液から水相及び触媒等を分離した油相として得ら
れるシクロヘキセン、シクロヘキサン及びベンゼンの混
合物からシクロヘキセンを分離、取得する方法として
は、該混合物を直接前記の共沸蒸留に供してもよいが、
抽出蒸留と共沸蒸留を組み合わせた以下のような方法を
採用することもできる。
【0011】第1の方法として、(1)シクロヘキセ
ン、シクロヘキサン及びベンゼンの混合物につき、n−
ヘキサンをエントレーナーとした共沸蒸留を行い、塔頂
からベンゼン及びn−ヘキサンを留出させ、塔底からシ
クロヘキセン及びシクロヘキサンを抜き出し、(2)
(1)で得られたシクロヘキセン及びシクロヘキサンに
つき、抽剤を用いて抽出蒸留を行い、塔頂よりシクロヘ
キサンを留出させ、塔底よりシクロヘキセン及び抽剤の
混合液を抜き出し、(3)該混合液を蒸留して、塔頂よ
りシクロヘキセンを留出させ、塔底より抽剤を抜き出
す、という方法もあり、この方法により、シクロヘキセ
ン、シクロヘキサン及びベンゼンの混合物を効率よく各
成分に分離することができる。
【0012】他に第2の方法として、(1)シクロヘキ
セン、シクロヘキサン及びベンゼンの混合物につき、抽
剤を用いて抽出蒸留を行い、塔頂よりシクロヘキサンを
留出させ、塔底よりシクロヘキセン、ベンゼン及び抽剤
の混合液を抜き出し、(2)該混合液を蒸留して、塔頂
よりシクロヘキセン及びベンゼンを留出させ、塔底より
抽剤を抜き出し、(3)(2)で得られたシクロヘキセ
ン及びベンゼンを、n−ヘキサンをエントレーナーとし
た共沸蒸留に供して、塔頂からベンゼン及びn−ヘキサ
ンを留出させ、塔底よりシクロヘキセンを抜き出す、と
いう方法があり、この方法でも、シクロヘキセン、シク
ロヘキサン及びベンゼンの混合物を効率よく各成分に分
離することができる。
【0013】上記の第1の方法と第2の方法とを比較す
ると、第1の方法では一般に抽出蒸留に要する抽剤の量
がより少量で済む。また、分離されたベンゼンを部分水
素化反応系に循環させる場合、第2の方法では得られた
ベンゼン及びn−ヘキサンの混合物からベンゼンを分離
しないでそのまま循環するとn−ヘキサンが水素化反応
に対して不活性であるもののその後の抽出蒸留によって
塔頂成分としてパージされてしまうのに対し、第1の方
法ではそのようなことがないので、分離して得られたベ
ンゼン及びn−ヘキサンの混合物からベンゼンを分離し
ないでそのまま循環させることができる。
【0014】一方、第2の方法では、分離されたベンゼ
ンを部分水素化反応に循環させる際に、得られたベンゼ
ン及びn−ヘキサンの混合物からベンゼンを分離する必
要があるが、n−ヘキサンと共沸蒸留に供する混合物と
を別々に共沸蒸留塔に供給することができるので、n−
ヘキサン及び該混合物とをそれぞれ共沸蒸留塔の最適段
に供することができ、また、水素化反応器をより小型化
できるという効果を奏する。
【0015】なお、上記の抽出蒸留の抽剤としては、各
成分を効率よく分離できるものであれば特に制限はない
が、例えば好ましい抽剤として、ジメチルスルホキシ
ド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ブテ
ンニトリル、ペンテンニトリル、ヘキセンニトリル、2
−メチル−3−ブテンニトリル、シス及びトランス−ペ
ンテンニトリル、3−ペンテンニトリル、4−ペンテン
ニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホン、
ジエチルスルホン、ジプロピルスルホン、ジシクロヘキ
シルスルホン、ジフェニルスルホン、スルホラン、2−
スルホレン、2−メチルスルホラン、2,4−ジメチル
スルホラン、マロンニトリル、スクシノニトリル、グル
タルニトリル、メチルグルタルニトリル、アジポニトリ
ル、ピペロニトリル、スベロニトリルリン酸トリメチ
ル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリ
フェニル、ジプロピレングリコール、マロン酸ジメチ
ル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、コハク酸ジ
メチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、N,N
−ジメチルアセトアミド、アジポニトリル、スルホラ
ン、ジエチレングリコール、N,N−ジメチルホルムア
ミド、フルフラール、スクシノニトリル、グルタロニト
リル、2−メチレングルタロニトリル、マロンニトリ
ル、ベンゾニトリル、m−クレゾール、ニトロベンゼ
ン、ニトロメタン、メチルイソブチルケトン、エチレン
グリコール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
等が挙げられる。また、特開平4−41441によれ
ば、これらの抽剤としては20℃における誘電率が10
〜60の範囲が好ましいとしている。更に、以上のよう
な抽剤は水と併用することで分離性能を高めることもで
きる。
【0016】抽出蒸留を行う場合、理論段数が通常10
以上、好ましくは20以上の蒸留塔を使用する。通常、
蒸留塔の上段側に抽剤を供給し、混合物は蒸留塔の中段
より下側に供給する。抽剤の使用量は混合物に対して通
常は等量以上であり、また、塔頂圧は通常0.02〜
0.3MPaである。更に、抽出蒸留の還流比は、通常
1〜20程度である。
【0017】なお、以上で分離回収したシクロヘキサン
についてはそのまま工業的用途に利用してもよいが,脱
水素化反応によりベンゼンに変換し、該ベンゼンをシク
ロヘキセンの原料として再利用するプロセスも可能であ
る。ベンゼンの脱水素反応としては、通常、白金、ロジ
ウム等の白金族系金属をアルミナ等の無機酸化物に担持
させた触媒を用い、気相流通反応を行う。反応条件とし
ては、通常、温度が150〜600℃、圧力が0.01
〜MPa、LHSVが1〜40Hr-1程度の範囲に設定
する。
【0018】また、以上の方法で分離したシクロヘキセ
ンは、水和反応に供してシクロヘキサノールとすること
ができる。シクロヘキサノールは、アジピン酸やε−カ
プロラクタムの製造原料として使用することができる。
該水和反応の触媒としては、通常、固体酸触媒が用いら
れる。固体酸触媒としては、通常、ゼオライトやイオン
交換樹脂などが挙げられる。ゼオライトとしては、結晶
性のアルミノシリケートやアルミノメタロシリケート、
メタロシリケート等の種々のゼオライトが利用でき、特
にペンタシル型のアルミノシリケートまたはメタロシリ
ケートが好ましい。メタロシリケートに含まれる金属と
しては、チタン、ガリウム、鉄、クロム、ジルコニウ
ム、ハフニウム等の金属元素が例示できる。
【0019】水和反応としては、流動床式、攪拌回分方
式、連続方式等、一般的に用いられる方法で行われる。
連続方式の場合は、触媒充填連続流通式、及び攪拌槽流
通式のいずれも可能である。反応の温度は、シクロヘキ
センの水和反応の平衡の面や副反応の増大の面からは低
温が、また反応速度の面からは高温が有利である。最適
温度は、触媒の性質によっても異なるが、通常50〜2
50℃の範囲から選択される。
【0020】このような水和反応で得られた反応生成物
は、通常生成物であるシクロヘキサノールと反応原料で
あるシクロヘキセンとの混合物であるので、該混合物を
蒸留分離してシクロヘキセンを得、該シクロヘキセン
を、シクロヘキセンの水和工程、あるいは、抽出蒸留工
程、共沸蒸留工程などのシクロヘキセンの分離工程のい
ずれかの工程に循環させることができる。抽出蒸留工程
に戻す場合、水和反応の副生成物であるメチルシクロペ
ンテン等が抽出蒸留によってシクロヘキサンと共にシク
ロヘキセンから分離されるという効果を奏する。また、
シクロヘキセンを共沸蒸留工程に循環する場合、水和反
応の副生成物であるメチルシクロペンテンが共沸蒸留時
にベンゼン及びn−ヘキサンと共に留出するので、ベン
ゼンを部分水素化反応の原料としてそのまま用いる場合
には、部分水素化反応系内へのメチルシクロペンテンの
影響を考慮する必要がある。一般に、循環するシクロヘ
キセン中にはベンゼンも含有されているので、これの少
なくとも一部を共沸蒸留に供するのが好ましい。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例によって制限されるものではない。以下の実施例、
比較例は、ASPENTEC社製静的シミュレータソフ
トASPENを用いた蒸留シミュレーションの結果であ
り、その物性モデルは修正UNIFACで均一系として
計算したものである。なお、以下で「部」とは「モル
部」の意味である。
【0022】実施例1 理論段数20段(塔頂の凝縮器と塔底のリボイラーもそ
れぞれ1段とする)の蒸留塔の上から10段目に、シク
ロヘキセン36.6部/Hrとベンゼン32.0部/H
rとn−ヘキサン150部/Hrとを供給し、塔頂圧
0.1MPa、塔頂と塔底との差圧9331Paで、還
流比を表−1のように変えて共沸蒸留を行う。塔底成分
中のシクロヘキセンの濃度(モル%)と塔頂成分中のベ
ンゼンの濃度(モル%)及びn−ヘキサンの濃度(モル
%)とを表−1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 還流比を5とし、シクロヘキセン、ベンゼン及びn−ヘ
キサンを供給する段数を表−2のように変えたこと以外
は実施例1と同様にして共沸蒸留を行う。結果を表−2
に示す。
【0025】
【表2】
【0026】実施例3 還流比を2とし、フィードするn−ヘキサンの量を表−
3のように変えたこと以外は実施例1と同様にして共沸
蒸留を行う。結果を表−3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】実施例4 本発明のうち、特に、シクロヘキセン、シクロヘキセ
ン、ベンゼンの3種を含む混合物からシクロヘキセンを
分離取得する方法についての具体的な実施態様を示す。
図1は、本実施例のプロセスを示すフローシートであ
る。原料のベンゼンは管1より部分水素化触媒を有する
部分水素化反応器R1に導入され反応が行われる。ベン
ゼン供給量は133.5部/Hrである。図1では省略
したが、反応系には別の管よりルテニウム触媒を含む水
スラリーと水素が各々導入される。部分水素化反応系よ
り分離された油相反応生成物は管2より抜き出され、共
沸蒸留塔D2に導入され、管3から導入されたエントレ
ーナーであるn−ヘキサンにより共沸蒸留され、D2の
塔頂より管4を通じてベンゼン及びn−ヘキサンが得ら
れ、塔底より管5を通じてシクロヘキセンとシクロヘキ
サンの混合物が得られる。また、D2の塔頂から得られ
たベンゼンとn−ヘキサンは、そのまま分離されずに管
4から部分水素化反応器R1に循環される。D2へのn
−ヘキサンの供給は、管4、管1を通じてR1に循環さ
れる分との合計が500部/Hrとなるように管3から
の供給量を調整する。
【0029】シクロヘキセンとシクロヘキサンの混合物
は管5から抽出蒸留塔D1に供給され、管6から供給さ
れるN−メチルピロリドンを抽剤として抽出蒸留が行わ
れる。抽出蒸留塔D1の塔頂より管7を通じてシクロヘ
キサンが得られ、塔底より管8を通じて抽剤とシクロヘ
キセンとが得られる。抽剤は、蒸留塔D3で蒸留されて
塔底から管9を通じて回収される。また、シクロヘキセ
ンは、蒸留塔D3の塔頂から管10を通じて得られる。
【0030】蒸留塔D3で蒸留されて塔頂から得られた
シクロヘキセンは、管10を通じて水和触媒を有する水
和反応器R2に供給される。図1では省略したが、反応
系には別の管よりゼオライト触媒を含む水スラリーが導
入される。水和反応系より分離された油相反応生成物は
管11から抜き出され、蒸留塔D4に供給される。蒸留
塔D4では、塔頂から管12を通じてシクロヘキセンが
得られ、塔底から管13を通じてシクロヘキサノールが
得られる。得られたシクロヘキセンは、管14及び管1
5を通じて、それぞれ水和反応器R2、共沸蒸留塔D2
に戻される。水和反応器R2及び共沸蒸留塔D2に戻さ
れる割合は各々約90%及び約10%である。各々の反
応器及び蒸留塔の条件を表−4及び表−5に、蒸留塔出
口の組成(モル%)を表−6及び表−7にそれぞれ示
す。
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、シクロヘキセンとベン
ゼンを含む混合物から、効率よく高純度のシクロヘキセ
ンを得ることができる。本発明の共沸蒸留で用いるエン
トレーナーのn−ヘキサンは化学的に安定な化合物であ
り、また、比較的安価でもあるので、高純度のシクロヘ
キセンを工業的に長期に生産する際には、本発明は極め
て有利な方法として期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本願の実施例4のプロセスを示すフロ−
シ−トである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロヘキセンとベンゼンの混合物から
    共沸蒸留によってシクロヘキセンに富む成分を得るシク
    ロヘキセンの分離方法において、n−ヘキサンをエント
    レーナーとして共沸蒸留を行い、塔頂よりベンゼンとn
    −ヘキサンを留出させ、塔底よりシクロヘキセンを抜き
    出すことを特徴とするシクロヘキセンの分離方法。
  2. 【請求項2】 (1)シクロヘキセン、シクロヘキサン
    及びベンゼンの混合物につき、n−ヘキサンをエントレ
    ーナーとした共沸蒸留を行い、塔頂からベンゼン及びn
    −ヘキサンを留出させ、塔底からシクロヘキセン及びシ
    クロヘキサンを抜き出すこと、(2)(1)で得られた
    シクロヘキセン及びシクロヘキサンにつき、抽剤を用い
    て抽出蒸留を行い、塔頂よりシクロヘキサンを留出さ
    せ、塔底よりシクロヘキセン及び抽剤の混合液を抜き出
    すこと、(3)該混合液を蒸留して、塔頂よりシクロヘ
    キセンを留出させ、塔底より抽剤を抜き出すこと、を特
    徴とするシクロヘキセンの分離方法。
  3. 【請求項3】 シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベ
    ンゼンの混合物として、ベンゼンの部分水素化反応生成
    物を用いることを特徴とする請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 (1)で留出させたベンゼン及びn−ヘ
    キサンを蒸留分離し、分離したベンゼンを部分水素化反
    応に供することを特徴とする請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 (1)で留出させたベンゼン及びn−ヘ
    キサンを分離することなく、ベンゼンの部分水素化反応
    に供することを特徴とする請求項3の方法。
  6. 【請求項6】 (1)シクロヘキセン、シクロヘキサン
    及びベンゼンの混合物につき、抽剤を用いて抽出蒸留を
    行い、塔頂よりシクロヘキサンを留出させ、塔底よりシ
    クロヘキセン、ベンゼン及び抽剤の混合液を抜き出すこ
    と、(2)該混合液を蒸留して、塔頂よりシクロヘキセ
    ン及びベンゼンを留出させ、塔底より抽剤を抜き出すこ
    と、(3)(2)で得られたシクロヘキセン及びベンゼ
    ンを、n−ヘキサンをエントレーナーとした共沸蒸留に
    供して、塔頂からベンゼン及びn−ヘキサンを留出さ
    せ、塔底よりシクロヘキセンを抜き出すこと、を特徴と
    するシクロヘキセンの分離方法。
  7. 【請求項7】 シクロヘキセン、シクロヘキサン及びベ
    ンゼンの混合物として、ベンゼンの部分水素化反応生成
    物を用いることを特徴とする請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 (3)で留出させたベンゼン及びn−ヘ
    キサンを蒸留分離し、分離したベンゼンを部分水素化反
    応に供することを特徴とする請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかの方法で分
    離したシクロヘキセンを水和反応に供することを特徴と
    するシクロヘキサノールの製造方法。
  10. 【請求項10】 水和反応で得られた反応生成物を蒸留
    に供して、塔底よりシクロヘキサノールを得、塔頂より
    シクロヘキセンを得、該シクロヘキセンを水和反応工程
    に、あるいは、請求項1ないし8のいずれかのシクロヘ
    キセンの分離工程に循環させることを特徴とする請求項
    9の方法。
JP32707795A 1995-12-15 1995-12-15 シクロヘキセンの分離方法 Pending JPH09165348A (ja)

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