JP2016000575A - タイヤ - Google Patents

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Yoshio Kachi
与志男 加地
崇之 藏田
Takayuki Kurata
崇之 藏田
辰作 片山
Shinsaku Katayama
辰作 片山
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    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/12Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes

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Abstract

【課題】雪上におけるトラクション性能及びハンドリング性能の向上を可能にするタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド表面に形成されたタイヤの周方向に延びる複数本の周方向溝及び前記周方向溝と交差するようにタイヤの幅方向に延びる複数本のラグ溝により区画されたブロックにサイプを備えたタイヤであって、前記サイプは、ブロック表面において一方の端から他方の端まで間で少なくとも1回は向きを変え、前記一方の端側の一端部及び前記他方の端側の他端部と前記ブロックを区画する区画線とのなす角度がともに直角であり、前記一端部の延長線と前記他端部の延長線とが一致しないようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤに関し、特に雪上におけるトラクション性能、及びハンドリング性能が向上するタイヤに関する。
従来より、タイヤには雪上におけるトラクション性能とハンドリング性能との両立が求められている。特許文献1に示すように、トラクション性能を向上させる構成として、周方向溝やラグ溝に区画されたブロック内に形成されるサイプ数を増加させるものが知られている。また、特許文献2に示すように、ハンドリング性能を向上させる構成として、ブロック内に形成されるサイプ数を減少させてブロック剛性を高めるものが知られている。
しかしながら、サイプ数を増加するとトラクション性能は向上するものの、ブロック剛性が低くなるためハンドリング性能が低下し、ブロック剛性を高めるためにサイプ数を減少させるとトラクション性能が低下してしまうといった背反関係にあるため、トラクション性能及びハンドリング性能を両立させることが難しいという問題がある。
特開平4−85113号公報 特開2012−86665号公報
本発明は、上記課題を解決するため、雪上におけるトラクション性能、及びハンドリング性能を向上可能なタイヤを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのタイヤの構成として、トレッド表面に形成されたタイヤの周方向に延びる複数本の周方向溝及び前記周方向溝と交差するようにタイヤの幅方向に延びる複数本のラグ溝により区画されたブロックにサイプを備えたタイヤであって、前記サイプは、ブロック表面において一方の端から他方の端まで間で少なくとも1回は向きを変え、前記一方の端側の一端部及び前記他方の端側の他端部と前記ブロックを区画する区画線とのなす角度がともに直角であり、前記一端部の延長線と前記他端部の延長線とが一致しないので、接地したときのブロックに作用する力が、サイプの延長方向に加わるため、サイプの倒れこみを防止してサイプによるエッジ効果を向上させ、雪上におけるトラクション性能及びハンドリング性能を向上させることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記サイプは、前記ブロック内に隣接して形成され、一方のサイプの一端部又は他端部と、他方のサイプの一端部又は他端部とが互いに離間するように逆向きに延長するので、接地したときにブロックに作用する力が、サイプの延長方向に加わるため、サイプの倒れこみを防止してサイプによるエッジ効果を高めることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記サイプは、前記ブロック内に隣接して形成され、一方のサイプの一端部及び他端部が同一方向に延長し、他方のサイプの一端部及び他端部が前記一方のサイプの一端部及び他端部の延長方向とは逆向きに延長するので、サイプの倒れこみを防止してサイプによるエッジ効果をより高めることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記サイプは前記ブロック内において対称に形成されたので、ブロックに作用する力の方向にかかわらずサイプによるエッジ効果を高めることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記サイプは、前記ブロック内に複数形成され、一方のサイプの一端部及び他端部の延長する方向と、他方のサイプの一端部及び他端部の延長する方向とが少なくとも一組同一方向であるので、ブロックに作用する力が、サイプの延長方向に加わるため、サイプの倒れこみを防止してサイプによるエッジ効果をより高めることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記サイプは、前記ブロック内に複数形成され、少なくとも一組の一方のサイプの一端部又は他端部と、他方のサイプの一端部又は他端部とが少なくとも一組互いに平行であるので、サイプの倒れこみを防止してサイプによるエッジ効果をより高めることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記サイプは、一端部と他端部との間に中間区間を有するので、サイプによるエッジ効果をより高めることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記中間区間は、直線部と、2以上の屈曲部及び湾曲部のいずれか又は両方を有するので、ブロックの剛性の低下を抑制してサイプによるエッジ効果をより高めることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記中間区間の直線部は、少なくとも前記サイプの2つに形成され、互いに平行であるので、ブロックの剛性の低下を抑制してサイプによるエッジ効果をより高めることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記サイプの一端部及び他端部の長さが1mm以上4mm以下であるので、確実にサイプの倒れこみを防止してサイプによるエッジ効果を高めることができる。
また、上記課題を解決するためのタイヤの他の構成として、前記サイプは、前記ブロックにおける踏込側及びタイヤの幅方向外側に形成されたので、確実に雪上におけるトラクション性能及びハンドリング性能を向上させることができる。
本発明に係るタイヤの踏面を示す図である。 ブロックの拡大図である。 本発明に係るブロックの加速時における変形を示す模式図である。 本発明に係るブロックの旋回時における変形を示す模式図である。 従来タイヤの踏面を示す図である。 本発明のタイヤの性能試験結果を示す表である。 本発明のタイヤの性能試験結果を示す表である。 本発明に係るサイプの他の形成例を示す図である。 本発明に係るサイプの他の形成例を示す図である。 本発明に係るサイプの他の形成例を示す図である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
図1は本発明に係るタイヤのトレッド表面を示す平面図である。以下、本発明について図面に基づき説明する。図1に示すように、タイヤ1は、トレッド11の踏面側にタイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向溝12乃至16と、周方向溝12乃至16と交差するようにタイヤ幅方向に延びるラグ溝17,18とを備える。周方向溝12乃至16のうち、タイヤ幅方向中央側に位置する周方向溝13乃至15は、いわゆる主溝である。また、主溝のうち周方向溝14がセンター主溝、周方向溝14に隣接する周方向溝13,15がサイド主溝である。また、周方向溝12,16は、タイヤ幅方向最外側に位置するショルダー溝である。なお、同図の一点鎖線で示すCLは、タイヤの幅方向中心を示す仮想中心線であり、この仮想中心線CL上に周方向溝14が形成されている。以下、図面における仮想中心線CL側をタイヤ幅方向内側、その逆側をタイヤ幅方向外側という。
なお、周方向溝12乃至16は、タイヤ円周方向に対して傾斜して設けられていても良い。また、互いに同一方向に延長せずに、互いに相対的な傾斜があっても良い。
ラグ溝17,18は、タイヤ1の周方向に例えば周期的に形成される。ラグ溝17,18は、それぞれ周方向溝14を起点とし、周方向に位置ずれした位置から、所定の傾斜角度でタイヤに設定される回転方向の踏込側から蹴出側に向けて傾斜し、周方向溝12,16に向けて直線状に延長する。ラグ溝17とラグ溝18とは周方向溝14からタイヤ幅方向外側に向けてそれぞれ逆向きに延長している。ラグ溝17は、周方向溝16とのとの交差後にタイヤ回転中心軸に沿うように方向を変えて延長し、ラグ溝18は、周方向溝12との交差後にタイヤ回転中心軸に沿うように方向を変えて延長する。このように、ラグ溝17,18をタイヤに設定される回転方向踏込側から蹴出側に向けて傾斜して延長することにより、排水性を向上させている。
なお、ラグ溝17,18は、延長方向が傾斜せずに、タイヤの回転軸に沿うようにタイヤ幅方向に延長するように形成されても良い。
トレッド11には、上述の周方向溝12乃至16及びラグ溝17,18により、トレッドブロック(以下、ブロックという)20,21がタイヤ一周分にわたり周方向に連続するように画成される。各ブロック20,21は、互いに幅方向に隣接する周方向溝12乃至16、及び周方向に隣接するラグ溝17,18により区画される。ブロック20,21は、左右の周方向溝12,16の間のタイヤセンター部11Aに形成されたセンターブロックである。なお、ブロック23は、周方向溝12,16の外側に形成されたショルダーブロックである。
具体的には、ブロック20が周方向溝14乃至16、及びラグ溝17,17により区画され、ブロック21が周方向溝12乃至14、及びラグ溝18,18により区画される。ブロック20及びブロック21は、仮想中心線CLを挟んで対称の平行四辺形状に形成されている。ブロック20,21は、それぞれ周方向溝12乃至16やラグ溝17,18よりも浅い複数の細溝により形成されるサイプ群30A,30Bを備える。サイプ群30A,30Bは、ブロック20,21を細溝により複数の小ブロックに分割することで、各ブロック20,21におけるエッジ成分を増加させる。なお、ブロック20に形成されるサイプ群30Aは、ブロック20,21の関係と同様に、仮想中心線CLを対称軸としてブロック21のサイプ群30Bと対称形状に形成されている。
以下、サイプ群30A,30Bについて説明するが、サイプ群30A,30Bは互いに対称であるため、サイプ群30Aを例として説明する。図2は、ブロック20の拡大平面図である。同図において、25は仮想中心線CL側でブロック20を画成する内側区画線、26はタイヤ周方向踏込側でブロック20を画成する踏込側区画線、27はタイヤ幅方向外側でブロック20を画成する外側区画線、28はタイヤ周方向蹴出側でブロック20を区画する蹴出側区画線である。内側区画線25、踏込側区画線26、外側区画線27及び蹴出側区画線28は、上述の周方向溝14,15及びラグ溝17,17を形成する各溝壁面の延長方向を示す線である。
サイプ群30Aは、複数のサイプ31乃至38により構成される。サイプ31乃至38は、例えば、周方向溝14,15及びラグ溝17の溝深さよりも浅い深さで形成される。なお、各サイプ31乃至38のブロック20の表面からサイプ底部までの深さは、同一であっても異なっていてもよい。
サイプ31乃至34と、サイプ35乃至サイプ38とは、ブロック20の対角に位置する頂部G,Hを結ぶ対角線T、及び頂部E,Fを結ぶ対角線Sとの交点について180°回転させたときに一致するように点対称に形成されている。
サイプ31乃至34は、周方向溝14に開口する一端部サイプ(以下一端部という)31A乃至34Aと、踏込側のラグ溝17に開口する他端部サイプ(以下他端部という)31B乃至34Bとをそれぞれ備える。
一端部31A乃至34Aは、内側区画線25と直交するようにブロック内部に向けて直線状に所定長さL1乃至L4で延長する。即ち、サイプ31乃至34の一端部31A乃至34Aは、周方向溝14の延長方向と直交するように、周方向溝14に向けて延長している。また、サイプ31乃至34の一端部31A乃至34Aは互いに平行である。
他端部31B乃至34Bは、踏込側区画線26と直交するようにブロック内部に向けて直線状に所定長さL5乃至L8で延長する。即ち、サイプ31乃至34の他端部31B乃至34Bは、踏込側のラグ溝17の延長方向と直交するように、踏込側のラグ溝17に向けて延長している。また、他端部31B乃至34Bは、互いに平行である。
ブロック20の頂部E側に位置するサイプ31は、一端部31Aと他端部31Bとがブロック内部において直接交差して周方向溝14と踏込側のラグ溝17とに連通する。サイプ32乃至サイプ34は、それぞれの一端部32A乃至34Aと、他端部32B乃至34Bとを接続する中間区間サイプ(以下中間区間という)32C乃至34Cとを有する。中間区間32C乃至34Cは、ブロック内部における一端部32A乃至34Aの終端と、他端部32B乃至34Bの終端とを例えば直線状に接続する。つまり、サイプ32乃至34は、それぞれ中間区間32C乃至34Cを介して周方向溝14と踏込側のラグ溝17とに連通する。
サイプ35乃至38は、周方向溝15に開口する一端部サイプ(以下一端部という)35A乃至38Aと、蹴出側のラグ溝17に開口する他端部サイプ(以下他端部という)35B乃至38Bとをそれぞれ備える。
一端部35A乃至38Aは、外側区画線27と直交するようにブロック内部に向けて直線状に所定長さL9乃至L12で延長する。即ち、サイプ35乃至38の一端部35A乃至38Aは、周方向溝15の延長方向と直交するように、周方向溝15に向けて延長している。また、サイプ35乃至38の一端部35A乃至38Aは互いに平行である。
他端部35B乃至38Bは、蹴出側区画線28と直交するようにブロック内部に向けて直線状に所定長さL13乃至L16で延長する。即ち、サイプ35乃至38の他端部35B乃至38Bは、蹴出側のラグ溝17の延長方向と直交するように、蹴出側のラグ溝17に向けて延長している。また、他端部35B乃至38Bは、互いに平行である。
ブロック20の頂部F側に位置するサイプ38は、一端部38Aと他端部38Bとがブロック内部において直接交差して周方向溝15と蹴出側のラグ溝17とに連通する。サイプ35乃至サイプ37は、それぞれの一端部35A乃至37Aと、他端部35B乃至37Bとを接続する中間区間サイプ(以下中間区間という)35C乃至37Cを有する。中間区間35C乃至37Cは、ブロック内部における一端部35A乃至37Aの終端と、他端部35B乃至37Bの終端とを例えば直線状に接続する。つまり、サイプ35乃至37は、それぞれ中間区間35C乃至37Cを介して周方向溝14と蹴出側のラグ溝17とに連通する。なお、中間区間32C乃至37Cのうち少なくとも2つが平行となるように形成するとよい。より好ましくは、中間区間32C乃至37Cのうち隣接する2つが平行となるように形成するとよい。なお、サイプ31は、一端部31Aと他端部31Bとがブロック内部において直接交差し、サイプ38は、一端部38Aと他端部38Bとがブロック内部において直接交差する。
サイプ35の一端部35Aは、隣接するサイプ34の他端部34Bと相互に離れるように形成されるとともに、サイプ34の一端部34Aと逆向きに延長するように形成される。また、サイプ35の他端部35Bは、隣接するサイプ34の一端部34Aと相互に離れるように形成されるとともに、サイプ34の他端部34Bと逆向きに延長するように形成される。
上述のサイプ31及びサイプ38はブロック20内において一端部31A側の開口から他端部31B側の開口までの区間で延長方向を1回変えて形成され、サイプ32乃至サイプ37はそれぞれ一端部32A乃至37A側の開口から他端部32B乃至37B側の開口までの区間で延長方向を2回変えて形成されている。
サイプ31乃至38の一端部31A乃至38A、及び他端部31B乃至38Bの長さL1乃至L16は、例えば、各サイプ31乃至の38の端部である周方向溝12乃至16及びラグ溝17,18の開口から1mm乃至4mmの範囲で設定するとよい。また、一端部31A乃至38Aの延長線と、他端部31B乃至38Bの延長線とのなす角が0度以上180度未満で交差するようにブロック20内にサイプ31乃至38を形成するとよい。上記サイプ31乃至サイプ38により、ブロック20には、小ブロック41乃至49が画成されることになる。
すなわち、サイプ31乃至38は、一端部31A乃至38Aの延長と、他端部31B乃至38Bの延長とがブロック表面において一方の端から他方の端まで間で少なくとも1回は向きを変え、一方の端側の一端部31A乃至38A及び他方の端側の他端部31B乃至38Bとブロック20を区画する区画線25乃至28とのなす角度がともに直角であり、一端部31A乃至38Aの延長線と他端部31B乃至38Bの延長線とが一致しないように形成される。なお、ブロック表面において一方の端から他方の端まで間で少なくとも1回は向きを変えるとは、サイプ32乃至37の一端部32A乃至37Aのブロック20内側の端(溝側の端とは逆側の端)と、他端部32B乃至37Bのブロック20内側の端(溝側の端とは逆側の端)との間を直線的に振幅をもって方向を変えながら結ぶことを意味するのではない。言い換えると、サイプ32乃至37の、一端部32A乃至37Aのブロック20内側の端から他端部32B乃至37Bのブロック20内側の端までを結ぶ中間区間32C乃至37Cにおいて、ジグザグ状、波状等のように振幅をもって方向を変える
ように形成されていても、ジグザグ状、波状を形成する振幅の中心線が一端部32A乃至
37Aのブロック20内側の端から他端部32B乃至37Bのブロック20内側の端まで
の間で曲線や折れ線となって方向を変えることを意味する。このようにサイプ31乃至3
8を形成することにより、ブロック20内において小ブロック41乃至49が直線状に延長しないため、隣接する小ブロック同士が変形にともなって接触し、互いに支え合うことでブロック剛性の低下を抑制し、小ブロック41乃至49によるエッジ効果を得ることができる。したがって、ブロック20内におけるサイプの形成数を増加させたとしても、ブロック剛性の低下を抑制して確実にエッジ効果を得ることができるので、トラクション性能及びハンドリング性能の両方を向上させることができる。
以下、本発明に係るサイプを備えたタイヤの作用について説明する。
図3(a),(b)は、タイヤ回転時にブロックが雪面に接触するときの変形を模式的に示した図である。
[直進走行時]
直進走行時のブロック20は、踏込側に位置する頂部Eから接地し、小ブロック41から順に小ブロック49が接地する。このような接地では、ブロック20に対して主として踏込側区画線26の法線方向(図中矢印で示す)から力P1が入力される。この力P1は、サイプ31乃至34の他端部31B乃至34Bの延長方向に沿って小ブロック41乃至45を押してブロック20を変形させる力となる。
以下、ブロック20の変形の詳細について説明する。図3(a)に示すように、最初に小ブロック41が、サイプ31の他端部31Bの延長方向に沿って、踏込側のラグ溝17側から力P1により押されることで、サイプ31の一端部31Aの隙間を閉じるように小ブロック42側に倒れて接触し、小ブロック42を押圧する。次に、タイヤの回転により、小ブロック42が、サイプ31の他端部31B及びサイプ32の他端部32Bの延長方向に沿って踏込側のラグ溝17側から力P1により押されることで、サイプ32の一端部32A側の隙間を閉じるように小ブロック43側に倒れて接触し、小ブロック43を押圧する。次に、タイヤの回転により、小ブロック43が、サイプ32の他端部32B及びサイプ33の他端部33Bの延長方向に沿って踏込側のラグ溝17側から力P1により押されることで、サイプ33の一端部33A側の隙間を閉じるように小ブロック44側に倒れて接触し、小ブロック44を押圧する。次に、タイヤの回転により、小ブロック44が、サイプ33の他端部33B及びサイプ34の他端部34Bの延長方向に沿って踏込側のラグ溝17側から力P1により押されることで、サイプ34の一端部34Aの隙間を閉じるように小ブロック45側に倒れて接触し、小ブロック45を押圧する。次に、タイヤの回転により、小ブロック45が、サイプ34の他端部34Bの延長方向に沿って踏込側のラグ溝17側から力P1により押されることで、サイプ35の一端部35Aの隙間を閉じるように小ブロック46側に倒れて接触し、小ブロック46を押圧する。この小ブロック45による小ブロック46の押圧により、小ブロック46が、サイプ36の他端部36Bの隙間を閉じるように小ブロック47側に倒れて接触し、小ブロック47を押圧する。次に、小ブロック46による小ブロック47の押圧により、小ブロック47がサイプ37の他端部37Bの隙間を閉じるように小ブロック48側に倒れて接触し、小ブロック48を押圧する。次に、小ブロック47による小ブロック48の押圧により、小ブロック48がサイプ38の他端部38Bの隙間を閉じるように小ブロック49側に倒れて接触し、小ブロック49を押圧する。
このように直進走行時にはラグ溝17側からブロック20に入力された力P1が直接的に小ブロック41乃至45を連続的に変形させる一方で、小ブロック45を介して力P1により間接的に押圧された小ブロック46乃至49が小ブロック41乃至45の変形を支持することにより、小ブロック41乃至49の過度な倒れ込みを抑制することができる。したがって、本発明に係るサイプ31乃至38によりブロック20に画成された小ブロック41乃至49のなかでも特に小さい小ブロック41や小ブロック42に生じやすいめくれが抑制されることで、エッジ効果をより確実なものとすることができる。また、小ブロック41乃至49全体の過度の倒れこみが抑制されるため、ブロック剛性の低下も防止できる。また、小ブロック41乃至小ブロック45が互いに変形を支えあうように連続的に倒れこむため、図3(b)に示すように、各小ブロック42乃至49の踏込側のエッジ42b乃至49bが蹴出側のエッジ41a乃至48aよりも高くなってブロック表面に露出することで、雪面に食い込むエッジ効果がより効果的に得られる。このエッジ効果により直進走行時の加減速動作におけるトラクション性能を向上させることができる。なお、エッジ41a乃至48a及びエッジ42b乃至49bは、サイプ31乃至38により小ブロック41乃至49に形成されたタイヤ表面側の角部という。
[旋回時]
ブロック20は、踏込側に最先に位置する頂部Eから接地し、小ブロック41から順に小ブロック49が接地するが、旋回時には主として外側区画線27の法線方向(図中矢印で示す)から力P2として入力される。この力P2は、サイプ35乃至38の一端部35A乃至38Aの延長方向に沿って小ブロック45乃至49を押してブロック20を変形させる力となる。
以下、ブロック20の変形の詳細について説明する。図4(a)に示すように、タイヤの回転により、最初に小ブロック45がサイプ35の一端部35Aの延長方向に沿って周方向溝15から力P2により押されることで、サイプ34の他端部34Bの隙間を閉じるように小ブロック44側に倒れて接触し、小ブロック44を押圧する。この小ブロック44への押圧については後述する。次に、タイヤの回転により、小ブロック46がサイプ35の一端部35A及びサイプ36の一端部36Aの延長方向に沿って周方向溝15側から力P2により押されることで、サイプ35の他端部35Bの隙間を閉じるように小ブロック45側に倒れて接触し、小ブロック45を押圧する。次に、タイヤの回転により、小ブロック47がサイプ36の一端部36A及びサイプ37の一端部37Aの延長方向に沿って周方向溝15側から力P2により押されることで、サイプ36の他端部36Bの隙間を閉じるように小ブロック46側に倒れて接触し、小ブロック46を押圧する。次に、タイヤの回転により、小ブロック48がサイプ37の一端部37A及びサイプ38の一端部38Aの延長方向に沿って周方向溝15側から力P2により押されることで、サイプ37の他端部38Bの隙間を閉じるように小ブロック47側に倒れて接触し、小ブロック47を押圧する。次に、タイヤの回転により、小ブロック49がサイプ38の一端部38Aの延長方向に沿って周方向溝15から力P2により押されることで、サイプ38の他端部38Bの隙間を閉じるように小ブロック48側に倒れて接触し、小ブロック48を押圧する。上述の小ブロック45乃至49の変形にともなう小ブロック45への押圧力は、小ブロック44を押圧する力となる。この押圧力により小ブロック44が、サイプ33の他端部33Bの隙間を閉じるように小ブロック43側に倒れて接触し、小ブロック43を押圧する。次に、小ブロック44による小ブロック43の押圧により、小ブロック43がサイプ32の他端部32Bの隙間を閉じるように小ブロック42側に倒れて接触し、小ブロック42を押圧する。次に、小ブロック43による小ブロック42の押圧により、小ブロック42がサイプ31の他端部31Bの隙間を閉じるように小ブロック41側に倒れて接触し、小ブロック41を押圧する。
このように旋回時に周方向溝15側からブロック20に入力された力P2は、小ブロック45乃至49を連続的に変形させ、さらに、小ブロック45乃至49の変形による力P2の小ブロック45を介した押圧力が小ブロック41乃至44に伝達されることになるが、この小ブロック41乃至44が変形しつつ小ブロック45乃至49の変形を支持することにより、小ブロック41乃至49の過度な倒れ込みが抑制され、ブロック剛性の低下を防止して、特に雪面から直接の力P2の入力がなされる小ブロック45乃至49のめくれなどを防止できる。また、小ブロック45乃至小ブロック49が互いに変形を支えあうことにより、図4(b)に示すように、各小ブロック41乃至48の蹴出側のエッジ41a乃至48aが踏込側のエッジ42b乃至49bよりも高くなってタイヤ表面に露出することで、雪面に食い込むエッジ効果が得られる。このエッジ効果により旋回時のハンドリング性能を向上させることができる。
また、仮想中心線CL、すなわち周方向溝14を挟んでブロック20と対称に形成されたブロック21では、旋回時にブロック21の内側、すなわち仮想中心線CL側の踏込側区画線の法線方向から力P2が入力されることになる。
ブロック21は、踏込側に最先に位置する頂部Eから接地し、小ブロック41から小ブロック49まで順に接地するが、旋回時には主として内側区画線25の法線方向からブロック21に図中矢印で示すような力P2が入力される。この力P2は、サイプ31乃至34の一端部31A乃至34Aの延長方向に沿って小ブロック41乃至45を押してブロック21を変形させる力となる。
以下、ブロック21の変形の詳細について説明する。図4(c)に示すように、最初に小ブロック41が、サイプ31の一端部31Aの延長方向に沿って周方向溝14から力P2により押されることで、サイプ31の他端部31Bの隙間を閉じるように倒れて接触し、小ブロック42を押圧する。次に、タイヤの回転により、小ブロック42が、サイプ31の一端部31A及びサイプ32の一端部32Aの延長方向に沿って周方向溝14側から力P2により押されることで、サイプ32の他端部32Bの隙間を閉じるように小ブロック43側に倒れて接触し、小ブロック43を押圧する。次に、タイヤの回転により、小ブロック43が、サイプ32の一端部32A及びサイプ33の一端部33Aの延長方向に沿って周方向溝14側から力P2により押されることで、サイプ33の他端部33Bの隙間を閉じるように小ブロック44側に倒れて接触し、小ブロック44を押圧する。次に、タイヤの回転により、小ブロック44が、サイプ33の一端部33A及びサイプ34の一端部34Aの延長方向に沿って周方向溝14側から力P2により押されることで、サイプ34の他端部34Bの隙間を閉じるように小ブロック45側に倒れて接触し、小ブロック45を押圧する。次に、タイヤの回転により、小ブロック45が、サイプ34の一端部34Aの延長方向に沿って周方向溝15から力P2により押されることで、サイプ35の他端部35Bの隙間を閉じるように小ブロック46側に倒れて接触し、小ブロック46を押圧する。上述の小ブロック41乃至45の変形にともなう押圧力は、小ブロック45を介して小ブロック46を押圧する。この小ブロック45の押圧により、小ブロック46はサイプ36の他端部36Bの隙間を閉じるように小ブロック47側に倒れて接触し、小ブロック47を押圧する。次に、小ブロック46による小ブロック47の押圧により、小ブロック47はサイプ37の他端部37Bの隙間を閉じるように小ブロック48側に倒れて接触し、小ブロック48を押圧する。次に、小ブロック47による小ブロック48の押圧により、小ブロック48はサイプ38の他端部38Bの隙間を閉じるように小ブロック49側に倒れて接触し、小ブロック49を押圧する。
このように旋回時に周方向溝14側からブロック21に入力された力P2は、小ブロック41乃至45を連続的に変形させ、さらに、小ブロック45を介して押圧された小ブロック46乃至49が、力P2による小ブロック41乃至45の変形を支持することにより、小ブロック41乃至49の過度な倒れ込みを抑制することができる。小ブロック41乃至49、特に雪面から直接の力P2の入力がなされる小ブロック41乃至45へのめくれなどを防止できる。また、小ブロック41乃至小ブロック45が互いに変形を支えあうことにより、図4(c)に示すように、各小ブロック41乃至48の蹴出側のエッジ41a乃至48aが踏込側のエッジ42b乃至49bよりも高くなってタイヤ表面に露出することで、雪面に食い込むエッジ効果が得られる。このエッジ効果により旋回時におけるハンドリング性能を向上させることができる。したがって、旋回時には、仮想中心線CLを挟んで左右のブロック20,21によるエッジ成分が増加するため、このエッジ効果により旋回時の横滑りが抑制され、ハンドリング性能を向上させることができる。
[実施例]
以下、本発明に係るサイプの効果を検証するため、本発明に係るサイプ形状を有するタイヤと、従来のサイプを有するタイヤとを実車に装着し、雪上におけるトラクション性能試験とハンドリング性能試験とを実施し、その評価結果を図6の表に示す。また、従来タイヤのトレッドパターンを図5に示す。同図に示す従来タイヤは、図1に示す発明タイヤとトレッドブロックの形状及び配置が同一であり、各ブロックに形成されるサイプの形状のみが異なる。従来タイヤのブロックに形成されたサイプは、発明タイヤのサイプ31乃至38と同数であり、一端部31A乃至38A及び一端部31B及び38Bを備えていない点でのみ相違している。
トラクション性能試験では、静止状態からアクセルを全開にして50m走行するまでの時間(加速タイム)で評価した。また、ハンドリング性能試験は、フィーリング評点にて評価し、従来タイヤの100を基準としてすべて指数で評価した。指数値が大きいほど良好であることを示している。発明タイヤ1はサイプの端部長さが区画線から1.0mm、発明タイヤ2はサイプの端部長さが区画線から3.0mm、発明タイヤ3はサイプの端部長さが区画線から4.0mmである。また、発明タイヤ1乃至3の比較例として、比較タイヤ1及び比較タイヤ2を用意した。比較タイヤ1はサイプの端部長さが区画線から0.5mm、比較タイヤ2はサイプの端部長さが区画線から5.0mmである。なお、図6の表における端部長さとは、サイプ31乃至38の一端部31A乃至38A及び他端部31B乃至38Bの長さL1乃至L16(図2参照)である。発明タイヤ1〜3、比較タイヤ1,2及び従来タイヤのいずれもタイヤサイズ205/55R/16の同サイズで、内圧を220Kpaに設定した。
図6の表から明らかなように、発明タイヤ1〜3は、いずれもトラクション性能及びハンドリング性能の両方が向上している。これはブロック20,21を区画する区画線に対して直交するようにサイプ31乃至38の両端部、一端部31A乃至38A及び他端部31B乃至38Bを形成したことにより、従来タイヤに比べて、トラクション性能及びハンドリング性能の両方の性能が向上することが確認された。これに対して、比較タイヤ1では従来タイヤと同じ性能となっている。これは、比較タイヤ1のサイプの形状が発明タイヤ1〜3に似てはいるものの、周方向溝及びラグ溝に開口するサイプの両端部(一端部及び他端部)の端部長さL1乃至L16が短いため、従来タイヤに形成されたサイプと同等の機能しか果たしていないものと考えられる。また、比較タイヤ2では、従来タイヤに比べてトラクション性能及びハンドリング性能のいずれの性能も低下している。これは、サイプの形状が発明タイヤ1〜3に似てはいるものの、周方向溝及びラグ溝に開口するサイプの両端部(一端部及び他端部)の長さL1乃至L16が長すぎるため、サイプによって区画された小ブロックに倒れこみが生じ、サイプのエッジ圧が抑制され、エッジ圧が低下したことによりトラクション性能及びハンドリング性能の両方の性能が従来タイヤよりも低下したものと考えられる。
図7の表は、図5に示した従来タイヤのサイプパターンを基本とし、本発明に係る一端部サイプ31A乃至38A又は他端部サイプ31B乃至38Bに相当する端部サイプZを従来サイプのどの位置に形成すると効果的かについて調べた結果をまとめたものである。なお、図7の表における位置A,B,C,Dとは、従来サイプに対して本発明に係る端部サイプZを形成した位置を示したものである。図7の表から明らかなように、従来サイプに対して本発明に係る端部サイプを少なくとも位置A乃至Dのいずれかに形成することにより、サイプ例1乃至サイプ例6で示すように、トラクション性能及びハンドリング性能が向上することが分かった。なお、サイプ例1乃至サイプ例6における端部サイプZの長さLLは、すべて3mmに設定した。サイプ例1のように、端部サイプZをブロックの踏込側の位置Bのみに設けた場合には、ハンドリング性能に比べてトラクション性能が向上している。サイプ例2のように、端部サイプZをブロックの内側の位置A及び外側の位置Cを設けた場合には、トラクション性能よりもハンドリング性能が大きく向上している。サイプ例3のように、端部サイプZをブロックの内側の位置A及び蹴出側の位置Dに設けた場合には、トラクション性能よりもハンドリング性能の向上幅が大きい。サイプ例4のように、端部サイプZを踏込側の位置B及び外側の位置Cに設けた場合には、ハンドリング性能及びトラクション性能のいずれの性能も大きく向上している。サイプ例5のように、端部サイプZを踏込側の位置B及び蹴出側の位置Dに設けた場合には、ハンドリング性能よりもトラクション性能の向上幅が大きい。サイプ例6のように、端部サイプZを外側の位置C及び蹴出側の位置Dに設けた場合には、トラクション性能よりもハンドリング性能の向上幅が大きい。したがって、本発明に係る端部サイプZをブロックに設ける場合には、サイプ例4に示すように、踏込側の位置B及び外側の位置Cに形成することで、トラクション性能及びハンドリング性能の両方をバランスよく向上させることができることがわかった。
図8は、本発明に係るサイプの他の形状を示す図である。上記実施形態では、中間区間32C乃至中間区間37Cを直線状として説明したが、図8のサイプ61乃至67に示すように中間区間を形成してもよい。なお、図8のサイプ61乃至64の一端部61A乃至67A及び他端部61B乃至67Bは、それぞれ長さが1mm〜4mmの範囲で設定され、ブロックの区画線に対してそれぞれ直交している。
例えば、図8のサイプ61は、中間区間61Cを円弧状に形成したものである。また、サイプ62は、中間区間62CをS字状に形成したものである。また、サイプ63は、中間区間64Cを2つの直線部63d,63eを有するように直線を屈曲させた折れ線状に形成したものである。また、サイプ64の中間区間64Cは、サイプ63の中間区間63Cである直線部分63d,63eを破線で示すように180°回転させ、この直線部分63d,63eを延在方向の中心線とするように、ジグザグ状に形成したものである。また、サイプ65は、サイプ62の中間区間62CであるS字曲線を破線で示すように180°回転させ、このS字曲線を延在方向の中心線とするように、波状に形成したものである。また、サイプ66及びサイプ67は、サイプ61の中間区間61Cである円弧を180°回転させ、円弧の一部に直線部66d,67dを含むように中間区間67C,67Cを形成したものである。このように直線部66d,67dを互いに平行となるように少なくとも一組、隣接するサイプ66,67に形成することにより、ブロック剛性が高くなりすぎないように、サイプ66,67により画成される小ブロックの過度の倒れこみを効果的に防止することができる。
また、上記実施形態では、ブロック20,21に形成されたサイプ31乃至38の一端部31A乃至38Aと他端部31B乃至38Bとが、隣接する異なる溝(周方向溝12乃至16又はラグ溝17,18)、例えば、一端部が周方向溝12乃至16に開口している場合には、他端部がラグ溝17,18に開口するものとして説明したが、図9及び図10に示すサイプ51乃至サイプ59のように、同一の溝や対向する溝に開口するようにサイプを形成してもよい。
図9に示すように、サイプ51乃至54は、矩形状に形成され、一端部51A乃至54Aと他端部51B乃至54Bとがそれぞれ同一の溝に開口するように形成されている。サイプ51は、一端部51Aと他端部51Bが踏込側のラグ溝17の異なる位置において、踏込側のラグ溝17の延長方向と直交するように延長する。また、サイプ52は、一端部52Aと他端部52Bが周方向溝14の異なる位置において、周方向溝14の延長方向と直交するように延長する。また、サイプ53は、一端部53Aと他端部53Bが周方向溝15の異なる位置において、周方向溝15の延長方向と直交するように延長する。また、サイプ54は、一端部54Aと他端部54Bが蹴出側のラグ溝17の異なる位置において、蹴出側のラグ溝17の延長方向と直交するように延長する。
この場合、サイプ52とサイプ53とは、互いに中間区間52Cと中間区間53Cとが背中合わせとなるように逆を向いて隣接しており、一方のサイプ52の一端部52A及び他端部52Bが中間区間52Cから同一方向に延長し、他方のサイプ53の一端部53A及び他端部53Bがサイプ52の一端部52A及び他端部52Bと逆向きに、離間する方向を向いて中間区間53Cから延長する。また、サイプ51及びサイプ54は、互いに逆を向くように形成され、サイプ51の一端部51A及び他端部51Bと、サイプ54の一端部54A及び54Bとが互いに離間するように中間区間51C及び中間区間54Cからそれぞれ延長している。このように、中間区間51C乃至54Cから一端部51A乃至54Aと他端部51B乃至54Bとが同一方向に延長し、この延長方向と周方向溝15やラグ溝17の延長方向と交差するように設けても、ハンドリング性能及びトラクション性能の両方を向上させることができる。なお、一端部51A乃至54A及び他端部51B乃至54Bは、それぞれ1mm〜4mmの長さに設定されている。
また、図10(a)に示すサイプ55乃至57は、一端部55A乃至57Aが周方向溝14と直交して開口し、他端部55B乃至57Bが周方向溝15と直交して開口するように形成されている。一端部55A乃至57Aと他端部55B乃至57Bとの間は、中間区間55C乃至57Cで接続されている。中間区間57Cが円弧状、56Cが直線状、55Cが階段状に一端部55A乃至57Aと他端部55B乃至57Bとを接続している。また、図10(b)に示すサイプ58は、一端部58Aが踏込側のラグ溝17の延長方向と直交して開口し、他端部58Bが蹴出側のラグ溝17の延長方向と直交して開口し、この一端部58Aと他端部58Bとの間をラグ溝17の延長方向に沿って直線状に延長する中間区間58Cにより形成されている。このようなサイプ55乃至58をブロック20に形成してもハンドリング性能及びトラクション性能の両方を向上させることができる。なお、一端部55A乃至58A及び他端部55B乃至58Bは、それぞれ1mm〜4mmの長さに設定されている。
上記実施形態では、サイプ31乃至38の両端が周方向溝12乃至16やラグ溝17,18に開口するように形成するものとして説明したが、一端側又は他端側がブロック内部で終端するようにしてもよい。この場合、車両へのタイヤの装着時に、本発明に係る端部サイプがブロック20,21の回転方向踏込側及び外側に設けるようにするとよい。
また、本実施形態では、ブロック20,21を平行四辺形状として説明したが、これに限定されず、ブロック20,21の形状は正方形や長方向等の他の四角形状や、四角以上の多角形状であってもよく、ブロックに形成されるサイプの端部(一端部及び他端部)の長さが、1mm〜4mmの範囲で、ブロックを区画する区画線、すなわち、ブロックを区画する溝の延長方向と直交するように延長させることが肝要である。
以上説明したように、本発明によれば、ブロック剛性を維持しつつエッジ効果を向上させることができるので、雪上路面におけるトラクション性能とハンドリング性能との両方を向上させることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
11 トレッド、11A タイヤセンター部、12乃至16 周方向溝、
17,18 ラグ溝、20,21,23 ブロック、31乃至38 サイプ、
31A乃至38A 一端部サイプ(一端部)、
31B乃至38B 他端部サイプ(他端部)、
32C乃至37C 中間区間サイプ(中間区間)。

Claims (11)

  1. トレッド表面に形成されたタイヤの周方向に延びる複数本の周方向溝及び前記周方向溝と交差するようにタイヤの幅方向に延びる複数本のラグ溝により区画されたブロックにサイプを備えたタイヤであって、
    前記サイプは、
    ブロック表面において一方の端から他方の端までの間で少なくとも1回は向きを変え、
    前記一方の端側の一端部及び前記他方の端側の他端部と前記ブロックを区画する区画線とのなす角度がともに直角であり、
    前記一端部の延長線と前記他端部の延長線とが一致しない
    ことを特徴とするタイヤ。
  2. 前記サイプは、前記ブロック内に隣接して形成され、一方のサイプの一端部又は他端部と、他方のサイプの一端部又は他端部とが互いに離間するように逆向きに延長することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記サイプは、前記ブロック内に隣接して形成され、一方のサイプの一端部及び他端部が同一方向に延長し、他方のサイプの一端部及び他端部が前記一方のサイプの一端部及び他端部の延長方向とは逆向きに延長することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  4. 前記サイプは、前記ブロック内において対称に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  5. 前記サイプは、前記ブロック内に複数形成され、一方のサイプの一端部及び他端部の延長する方向と、他方のサイプの一端部及び他端部の延長する方向とが少なくとも一組同一方向であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  6. 前記サイプは、前記ブロック内に複数形成され、一方のサイプの一端部又は他端部と、他方のサイプの一端部又は他端部とが少なくとも一組互いに平行であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  7. 前記サイプは、一端部と他端部との間の中間区間を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6いずれかに記載のタイヤ。
  8. 前記中間区間は、直線部と、2以上の屈曲部及び湾曲部のいずれか又は両方を有することを特徴とする請求項7に記載のタイヤ。
  9. 前記中間区間の直線部は、少なくとも前記サイプの2つに形成され、互いに平行であることを特徴とする請求項8に記載のタイヤ。
  10. 前記サイプの一端部及び他端部の長さが1mm以上4mm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれかに記載のタイヤ。
  11. 前記サイプは、前記ブロックにおける踏込側及びタイヤの幅方向外側に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項10いずれかに記載のタイヤ。
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