JP2015532328A - ラクチド共重合体、これを含む樹脂組成物およびフィルム - Google Patents

ラクチド共重合体、これを含む樹脂組成物およびフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2015532328A
JP2015532328A JP2015535585A JP2015535585A JP2015532328A JP 2015532328 A JP2015532328 A JP 2015532328A JP 2015535585 A JP2015535585 A JP 2015535585A JP 2015535585 A JP2015535585 A JP 2015535585A JP 2015532328 A JP2015532328 A JP 2015532328A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diisocyanate
lactide copolymer
repeating unit
lactide
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015535585A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5968547B2 (ja
Inventor
ソン、チョン−ミン
パク、スン−ヨン
ユク、キョン−ソク
チェ、スン−ホ
Original Assignee
エルジー・ケム・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エルジー・ケム・リミテッド filed Critical エルジー・ケム・リミテッド
Publication of JP2015532328A publication Critical patent/JP2015532328A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5968547B2 publication Critical patent/JP5968547B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/02Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/06Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids or from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds derived from hydroxycarboxylic acids
    • C08G63/08Lactones or lactides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/48Polyethers
    • C08G18/4887Polyethers containing carboxylic ester groups derived from carboxylic acids other than acids of higher fatty oils or other than resin acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G81/00Macromolecular compounds obtained by interreacting polymers in the absence of monomers, e.g. block polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/66Polyesters containing oxygen in the form of ether groups
    • C08G63/664Polyesters containing oxygen in the form of ether groups derived from hydroxy carboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L67/00Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L67/04Polyesters derived from hydroxycarboxylic acids, e.g. lactones
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2353/00Characterised by the use of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2367/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2367/04Polyesters derived from hydroxy carboxylic acids, e.g. lactones
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2387/00Characterised by the use of unspecified macromolecular compounds, obtained otherwise than by polymerisation reactions only involving unsaturated carbon-to-carbon bonds

Abstract

【課題】 本発明は、優れた柔軟性を示し、押出成形時のより向上した加工性および生産性を有するラクチド共重合体、これを含む樹脂組成物およびフィルムに関するものである。【解決手段】 前記ラクチド共重合体は、ポリエーテルポリオール繰り返し単位のソフトセグメントの両末端に、ポリラクチド繰り返し単位のハードセグメントが結合された、所定のブロック共重合繰り返し単位を含み、重量平均分子量が150,000〜300,000であり、2.16kgの荷重下、170℃〜210℃の間の温度x℃で測定した溶融指数y(MI;g/10min)が一定の関係を満たすものである。【選択図】図2

Description

本発明は、ラクチド共重合体、これを含む樹脂組成物およびフィルムに関するものである。より具体的には、本発明は、優れた柔軟性を示し、押出成形時のより向上した加工性および生産性を有するラクチド共重合体、これを含む樹脂組成物およびフィルムに関するものである。
ポリラクチド(あるいはポリ乳酸)樹脂は、下記一般式の繰り返し単位を含む樹脂の一種である。このようなポリラクチド樹脂は、既存の原油ベースの樹脂とは異なり、バイオマス(biomass)に基づくため、再生資源の活用が可能であり、生産時、既存の樹脂に比べて地球温暖化ガスのCO2が少なく排出され、埋立時、水分および微生物によって生分解されるなどの環境に優しい属性と共に、既存の原油ベースの樹脂に準ずる適切な機械的強度を有する素材である。
このようなポリラクチド樹脂は、主に、使い捨て包装/容器、コーティング、発泡、フィルム/シートおよび繊維用途などに使用されてきている。しかし、このようなポリラクチド樹脂またはこれを含む共重合体などは、フィルム形態などに加工して包装用フィルムなどに使用する場合、衝撃に弱く、柔軟性に劣る欠点を有する。特に、劣悪な柔軟性によって、フィルム形態への製造時に非常に大きい騒音があり、これは実際の商品化に限界として作用してきた。
しかも、このようなポリラクチド樹脂は、溶融状態における流動性が非常に低いことにより、フィルムまたはシートなどに押出加工自体が容易でない上に、押出加工時、押出機のスクリューなどに大きな負荷を印加することがある。これは、ポリラクチド樹脂の迅速な大量生産を阻害し、フィルムなどの製品の生産性を大きく低下させることがある。
そこで、本発明は、優れた柔軟性を示し、押出成形時のより向上した加工性および生産性を有するラクチド共重合体を提供する。
本発明はまた、前記ラクチド共重合体を含む樹脂組成物およびフィルムを提供する。
本発明は、ポリエーテルポリオール繰り返し単位のソフトセグメントの両末端に、ポリラクチド繰り返し単位のハードセグメントが結合された、化学式1のブロック共重合繰り返し単位を含み、
重量平均分子量が約150,000〜300,000であり、
2.16kgの荷重下、約170℃〜210℃の間の温度x℃で測定した溶融指数y(MI;g/10min)が約0.0043x2−1.3026x+99.2≦y≦約0.04x2−13.06x+1073.7を満たすラクチド共重合体を提供する。
前記化学式1において、Dは炭素数2〜10の線状もしくは分枝状のアルキレン基であり、xはそれぞれ独立して30〜500の整数であり、nは30〜1000の整数である。
また、本発明は、前記ラクチド共重合体を含む樹脂組成物およびフィルムを提供する。
以下、発明の具体的な実施形態に係るラクチド共重合体、これを含む樹脂組成物およびフィルムなどについてより詳細に説明する。
発明の一実施形態によれば、ポリエーテルポリオール繰り返し単位のソフトセグメントの両末端に、ポリラクチド繰り返し単位のハードセグメントが結合された、化学式1のブロック共重合繰り返し単位を含み、
重量平均分子量が約150,000〜300,000であり、
2.16kgの荷重下、約170℃〜210℃の間の温度x℃で測定した溶融指数y(MI;g/10min)が約0.0043x2−1.3026x+99.2≦y≦約0.04x2−13.06x+1073.7を満たすラクチド共重合体が提供される。
前記化学式1において、Dは炭素数2〜10の線状もしくは分枝状のアルキレン基であり、xはそれぞれ独立して30〜500の整数であり、nは30〜1000の整数である。
前記一実施形態のラクチド共重合体は、ポリアルキレングリコールなどに由来のポリエーテルポリオール繰り返し単位のソフトセグメントの両末端に、ポリラクチド繰り返し単位のハードセグメントが結合された、前記化学式1のブロック共重合繰り返し単位を含む。例えば、このようなブロック共重合繰り返し単位は、前記共重合体に2以上の複数で含まれ、これらブロック共重合繰り返し単位は、ウレタン連結基を介して互いに連結されてもよい。
このようなブロック共重合繰り返し単位の構造およびこれら繰り返し単位の選択的連結構造により、前記ラクチド共重合体は、所定のソフトセグメントを含むようになって、以前に知られたポリラクチド樹脂またはラクチド共重合体に比べて優れた柔軟性を示すことができる。また、このような柔軟性向上のためのソフトセグメントが上述した連結構造でラクチド共重合体中に結合可能なため、前記ソフトセグメントが加工または使用中に排出される恐れも少なくなる。したがって、前記ラクチド共重合体は、以前のポリラクチド樹脂が有する問題を解決し、包装用材料などへの使用に適した優れた柔軟性を発現および維持することができる。
さらに、前記ラクチド共重合体は、上述したブロック共重合繰り返し単位およびこれらの選択的連結構造により、より大きい分子量を有するようにより容易に製造および提供できる。例えば、前記一実施形態のラクチド共重合体は、約150,000〜300,000、あるいは約170,000〜230,000の高い重量平均分子量を有することができる。このような高い分子量によって、前記ラクチド共重合体は、優れた機械的物性および柔軟性を同時に満たすことができる。
これに加えて、前記ラクチド共重合体は、押出成形温度に対応する約170℃〜210℃の間の温度、あるいは約170℃〜190℃の温度で、2.16kgの荷重下で溶融指数を測定した時、温度x℃による溶融指数y(MI;g/10min)が約0.0043x2−1.3026x+99.2≦y≦約0.04x2−13.06x+1073.7の特定の関係を満たすことができる。このような関係を満たす一実施形態のラクチド共重合体は、大きい分子量を有しながらも、押出成形温度で流動性に優れ、温度上昇に応じた流動性の増加程度も大きくなることが確認された。これによって、一実施形態のラクチド共重合体は、押出成形による優れた加工性を示すことができるだけでなく、押出加工時、押出機のスクリューなどに印加される負荷を大きく低減することができる。
このような一実施形態のラクチド共重合体が満たす温度別溶融指数特性は、後述するラクチド共重合体の構造的特性、例えば、ブロック共重合繰り返し単位を連結する連結基の構造やその当量比などによって達成できる。
結局、一実施形態のラクチド共重合体は、以前のポリラクチド樹脂が有していた問題を解決し、優れた機械的物性および柔軟性と共に、より向上した加工性およびフィルムなどへの製品生産性を示すことができる。
以下、前記ラクチド共重合体などについてより具体的に説明する。
上述したように、一実施形態のラクチド共重合体は、ポリエーテルポリオール繰り返し単位のソフトセグメントの両末端に、ポリラクチド繰り返し単位のハードセグメントが結合された、ブロック共重合繰り返し単位を含む。また、このようなブロック共重合繰り返し単位は、前記共重合体に2以上の複数で含まれ、これらブロック共重合繰り返し単位は、例えば、ウレタン連結基を介して互いに連結されてもよい。
このようなラクチド共重合体において、前記ウレタン連結基は、分子あたり2価以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート化合物から誘導されたものであってもよく、例えば、ポリラクチド繰り返し単位に由来の末端ヒドロキシ基と、前記多価イソシアネート化合物の反応で形成されたウレタン結合を2個以上含むことができる。つまり、前記ウレタン連結基に含まれている2個以上のウレタン結合によって、前記ブロック共重合繰り返し単位が互いに連結されてもよい。
より具体的には、このようなウレタン連結基の形成のための多価イソシアネート化合物は、分子あたりの平均イソシアネート基の当量が約2超過、あるいは約2超過3未満、あるいは約2.1〜2.9、あるいは約2.2〜2.8のイソシアネート化合物になってもよい。
この時、分子あたりの平均イソシアネート基の当量が約2超過、あるいは約2超過3未満であるとは、例えば、分子あたり2個のイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物(分子あたりの平均イソシアネート基の当量=2)と、分子あたり3個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート化合物(分子あたりの平均イソシアネート基の当量=3以上)の混合物(例えば、分子あたりの平均イソシアネート基の当量=2超過3未満など)を包括して称することができる。一例において、このような多価イソシアネート化合物に由来のウレタン連結基は、1つあたり2個のウレタン結合を含む線状構造の連結基と、3個以上のウレタン結合を含む分枝状構造の連結基を共に含むことができる。
したがって、前記ラクチド共重合体に含まれる複数のブロック共重合繰り返し単位は、例えば、線状構造のウレタン連結基と、分枝状構造のウレタン連結基が共に含まれている連結基によって互いに連結されてもよい。
上述したブロック共重合繰り返し単位の構造およびこれらの連結形態によって、前記ラクチド共重合体は、次のような特性を示すことができる。
まず、前記ラクチド共重合体がポリエーテルポリオール繰り返し単位のソフトセグメントを含むことにより、優れた柔軟性を示すことができ、このようなソフトセグメントが上述した連結構造によって加工または使用中に排出される恐れもほとんどないことはすでに上述した通りである。したがって、このようなラクチド共重合体自体が、以前のポリラクチド樹脂が達成できなかった優れた柔軟性を示すだけでなく、これを用いて優れた柔軟性および伸び率などを有するフィルムを製造および提供することができる。また、このような連結構造によって、前記ラクチド共重合体およびこれから得られたフィルムなどは、より大きい分子量および優れた機械的物性を有することができ、諸物性の調整も容易になり得る。
これに加えて、前記ラクチド共重合体では、上述した複数のブロック共重合繰り返し単位が、線状構造のウレタン連結基および分枝状構造のウレタン連結基が共に含まれているウレタン連結基によって互いに連結されてもよい。この場合、前記ラクチド共重合体は、線状の共重合体鎖と、分枝状の共重合体鎖を同時に含むことができる。その結果、前記ラクチド共重合体は、より大きい分子量を有しながらも、押出成形温度に対応する約170℃〜210℃の温度、あるいは約170℃〜190℃の温度で、温度x℃による溶融指数y(MI;g/10min)が約0.0043x2−1.3026x+99.2≦y≦約0.04x2−13.06x+1073.7の特定の関係を満たすことができる。これは、各温度範囲で以前のポリラクチド樹脂が達成できなかった溶融指数に相当するものであって、一実施形態のラクチド共重合体がより大きい分子量を有しながらも、押出成形温度で流動性に優れ、温度上昇に応じた流動性の増加程度も大きくなることを反映することができる。このような溶融加工温度での大きい流動性によって、一実施形態のラクチド共重合体は、高い分子量に応じた優れた機械的物性を示しながらも、より向上した溶融加工性を示すことができる。そして、このような大きい流動性によって、溶融および押出加工時、押出機のスクリューなどに印加される負荷を大きく低減して、フィルムなどの製品加工をより容易にし、その生産性を大きく向上させることができることが確認された。
一方、上述したウレタン連結基を形成するための多価イソシアネート化合物としては、上述したような約2超過、あるいは約2超過3未満の当量範囲を満たすために、例えば、ジイソシアネート化合物、イソシアネート基の当量が3以上の多価イソシアネート化合物の混合物を使用することができる。
この時、前記ジイソシアネート化合物の具体例としては、エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1,2−ドデカンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、2,4−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ヘキサヒドロ−1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサヒドロ−1,4−フェニレンジイソシアネート、ペルヒドロ−2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ペルヒドロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,4−スチルベンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、トルエン2,4−ジイソシアネート(TDI)、トルエン2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、またはナフチレン−1,5−ジイソシアネートなどが挙げられ、前記イソシアネート基の当量が3以上の多価イソシアネート化合物の例としては、前記ジイソシアネート化合物のオリゴマー、前記ジイソシアネート化合物のポリマー、前記ジイソシアネート化合物の環状多量体、ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート(Hexamethylene diisocyanate isocyanurate)、トリイソシアネート化合物、およびこれらの異性体からなる群より選択された化合物などが挙げられる。
そして、上述したラクチド共重合体の構造において、化学式1のブロック共重合繰り返し単位に含まれるポリエーテルポリオール繰り返し単位のソフトセグメントは、ポリエーテルポリオール重合体、例えば、炭素数2〜8のポリアルキレングリコールに由来の繰り返し単位になってもよい。より具体的には、前記ポリエーテルポリオール繰り返し単位は、ポリエチレングリコール繰り返し単位、ポリ(1,2−プロピレングリコール)繰り返し単位、ポリ(1,3−プロパンジオール)繰り返し単位、およびポリテトラメチレングリコール繰り返し単位からなる群より選択されたポリアルキレングリコール繰り返し単位になってもよく、より好適には、ポリ(1,2−プロピレン)グリコール繰り返し単位またはポリ(1,3−プロピレン)グリコール繰り返し単位になってもよい。
一方、すでに上述したように、一実施形態のラクチド共重合体は、約170℃〜210℃の温度、あるいは約170℃〜190℃の温度で、2.16kgの荷重下で溶融指数を測定した時、温度x℃による溶融指数y(MI;g/10min)が約0.0043x2−1.3026x+99.2≦y≦約0.04x2−13.06x+1073.7の特定の関係を満たすことができる。このような関係を満たすことにより、前記ラクチド共重合体は、優れた加工性およびフィルムなどの製品への優れた生産性を示すことができる。
この時、前記ラクチド共重合体の溶融指数は、前記約170℃〜210℃の温度に設定されたシリンダに、約2.16kgの荷重を加えながら前記ラクチド共重合体の約5gを投入して測定することができる。このようにラクチド共重合体を前記シリンダに投入し、約4分間加熱してラクチド共重合体を溶融した後、約2.16kgの錘でシリンダ内のラクチド共重合体を加圧して、前記シリンダからラクチド共重合体を排出させることができる。この時、初期に排出される約2gのラクチド共重合体は捨て、残りの排出されるラクチド共重合体に実測定を始めて、約60秒間排出されるラクチド共重合体の重量を測定し、これを溶融指数単位のg/10minで換算することで、前記温度別溶融指数を測定することができる。このように測定された温度別溶融指数を、同一のラクチド共重合体に対して、各温度別、例えば、約170℃、約175℃、約180℃、約185℃、約190℃、約200℃および約210℃の温度別に求めて線形回帰することで、上述した温度x℃による溶融指数y(MI;g/10min)の関係式を導出することができ、このような関係式が上述した約0.0043x2−1.3026x+99.2≦y≦約0.04x2−13.06x+1073.7の関係を満たすか否かを確認することができる。
このような特定の関係を満たすか否かは、ラクチド共重合体のソフトセグメントの含有量、分子量、上述したブロック共重合繰り返し単位の特定の連結構造などによって左右され、このような特定の関係を満たすことにより、ラクチド共重合体がより優れた加工性および製品生産性を示し得ることはすでに上述した通りである。
一実施形態のラクチド共重合体は、約2.16kgの荷重下、約170℃〜210℃の間の温度、あるいは約170℃〜190℃の間の任意の温度で測定した溶融指数が約1.0〜40.0、あるいは約1.7〜35.0、あるいは約1.8〜30.0になってもよい。より具体的には、前記ラクチド共重合体は、約2.16kgの荷重下、約170℃の温度で測定した溶融指数が約1.7〜10.0、あるいは約1.8〜9.0になってもよく、約180℃の温度で測定した溶融指数が約3.0〜20.0、あるいは約4.0〜18.0になってもよく、約190℃の温度で測定した溶融指数が約8.0〜約35.0、あるいは約8.5〜30.0になってもよい。
このような温度別溶融指数範囲を満たすことにより、フィルムなどへの押出成形時、優れた流動性およびこれに伴うより向上した加工性を示すことができ、押出機のスクリューに対する最小化された負荷を印加して、向上した製品生産性を示し得ることが確認された。
一方、上述したラクチド共重合体において、前記化学式1のブロック共重合繰り返し単位のそれぞれは、約50,000〜200,000、あるいは約70,000〜180,000の重量平均分子量を有することができる。これによって、前記ラクチド共重合体が大きい分子量を有することができて、このようなラクチド共重合体およびこれから得られたフィルムなどがより優れた強度などの機械的物性を示すことができる。
そして、前記ラクチド共重合体に含まれるポリエーテルポリオール繰り返し単位は、それぞれ約2,000〜15,000、あるいは約2,000〜13,000、あるいは約3,000〜10,000の数平均分子量を有することができる。このような範囲の大きい分子量を有するポリエーテルポリオール繰り返し単位をソフトセグメントに含むことにより、前記ラクチド共重合体およびこれを含むフィルムなどは、より優れた柔軟性を発現および維持することができ、前記ラクチド共重合体の大きい分子量によって、これから得られたフィルムなどの製品が優れた機械的物性を示すことができる。
また、上述したラクチド共重合体において、前記ブロック共重合繰り返し単位は、約50〜95重量%、あるいは約60〜90重量%のハードセグメントと、残量のソフトセグメント、例えば、約5〜50重量%、あるいは約10〜40重量%のソフトセグメントとを含むことができる。仮に、ハードセグメントの含有量が過度に低くなる場合、ラクチド共重合体およびこれを含むフィルムなどの強度などの機械的物性が低下することがある。逆に、ハードセグメントの含有量が過度に高くなるか、ソフトセグメントの含有量が過度に低くなる場合、前記ラクチド共重合体の柔軟性が低下することがある。このため、一実施形態のラクチド共重合体から得られたフィルムなどの柔軟性が低下するだけでなく、前記ラクチド共重合体の加工性に劣り、適切に適用されにくいことがある。
一方、以下により詳細に説明するが、前記ラクチド共重合体は、一種の巨大開始剤(macro−initiator)として作用するポリエーテルポリオール繰り返し単位の存在下、特定の触媒を用いてラクチド単量体を開環重合して得られる。このような特定の触媒は、下記化学式2の有機金属複合体、または下記化学式3および4の化合物の混合物を含む触媒になってもよい。
前記化学式2〜4において、nは0〜15の整数であり、pは0〜2の整数であり、MはSnまたはZnであり、R1およびR3は互いに同一または異なっていてもよく、それぞれ水素、置換もしくは非置換の炭素数3〜10のアルキル、置換もしくは非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル、置換もしくは非置換の炭素数6〜10のアリールであり、R2は置換もしくは非置換の炭素数3〜10のアルキレン、置換もしくは非置換の炭素数3〜10のシクロアルキレン、置換もしくは非置換の炭素数6〜10のアリーレンであり、XとYはそれぞれ独立してアルコキシまたはカルボキシル基である。
このような触媒によって、ラクチド単量体が開環重合されてハードセグメントが形成され、このようなハードセグメントが前記巨大開始剤に由来のソフトセグメントと共重合される過程によってブロック共重合繰り返し単位が得られ、このようなブロック共重合繰り返し単位が互いに連結されて、一実施形態の共重合体が製造できる。
しかし、このような特定の触媒は、以前に知られたものより非常に優れた重合活性を有するものであって、小さい量でも大きい分子量のポリラクチド繰り返し単位の製造を可能にする。したがって、前記ラクチド共重合体は、ハードセグメントおよびソフトセグメントの大きい分子量と、化学式1のブロック共重合繰り返し単位が連結された構造によって、上述した大きい重量平均分子量を有することができる。そのため、前記ラクチド共重合体は、優れた機械的物性を示すことができる。
しかも、前記触媒の優れた活性などに起因して、ラクチド共重合体がより小さい量の触媒でも製造可能であり、前記ラクチド共重合体が有する残留金属量、つまり、前記触媒に由来のスズまたは亜鉛の残留金属量も、約20ppm以下、あるいは約4〜20ppmと低くなり得る。その結果、残留触媒(金属)などが解重合または分解を起こしてラクチド共重合体の機械的物性が低下する恐れも大きく低減され、前記残留金属が汚染問題を起こしたり、毒性を誘発する恐れも実質的にない。
また、前記化学式2の複合体触媒が使用される場合、このような触媒に由来の残留カルボジイミド系成分、つまり、MXp2-pを除いた残りの成分の残留含有量が、全体共重合体に対して約0.2重量%未満、あるいは約0.15重量%未満になってもよく、化学式3および4の混合物触媒を使用する場合にも、化学式3の残留カルボジイミド系成分の含有量が約0.2重量%以下、あるいは約0.15重量%以下になってもよい。
そして、前記ラクチド共重合体は、前記触媒に由来のスズまたは亜鉛の残留金属をその触媒の形態、つまり、前記化学式2の有機金属複合体、または前記化学式3および4の化合物の混合物を含む残留触媒の形態として含むことができ、この時、前記化学式2に結合されたMXp2-p、または化学式4のMXp2-pは、tin(II)2−ethylhexanoate(Sn(Oct)2)になってもよい。
また、前記ラクチド共重合体は、その重量を基準として、約1.0重量%以下、例えば、約0.8重量%以下の残留ラクチド単量体を含むことができる。
このように、残留触媒(金属など)の含有量や、残留ラクチド単量体の含有量が低いながらも、大きい分子量および優れた機械的物性を有することにより、前記ラクチド共重合体は、加工または使用中の分解や解重合が抑制され、優れた強度などの機械的物性の発現および維持が可能になる。また、前記残留触媒または単量体による汚染または毒性の問題も最小化される。その結果、前記ラクチド共重合体は、各種包装用材料として非常に好ましく使用できる。
上述したラクチド共重合体は、ポリラクチド繰り返し単位−ポリエーテルポリオール繰り返し単位−ポリラクチド繰り返し単位からなるハードセグメント−ソフトセグメント−ハードセグメントを含むブロック共重合繰り返し単位構造を2以上含むことにより、バイオマスベースの樹脂特有の生分解性を示すことができる。このようなラクチド共重合体の生分解性などに起因して、これから得られたフィルムなどにも優れた生分解性を示すことができる。
また、前記一実施形態のラクチド共重合体は、所定のウレタン連結基を介して前記ブロック共重合繰り返し単位が連結された構造を含み、樹脂の分子量調整が容易になり得る。したがって、前記ラクチド共重合体は、より向上した機械的物性を示すことができ、これは、高い分子量に起因してより向上できる。しかも、前記ラクチド共重合体は、特定のウレタン連結基を介する連結構造を有することにより、適切な溶融指数および優れた加工性と生産性を同時に満たすことができる。
付加して、前記ラクチド共重合体は、ポリエーテルポリオール繰り返し単位のソフトセグメントを含み、柔軟性(例えば、高い伸び率)が顕著に向上し、透明性にも優れた特性を示すことができる。
そのため、上述したラクチド共重合体は、食品包装材(フィルムなど)を含む多様な分野の包装用材料として非常に好ましく使用できる。
一方、上述したラクチド共重合体は、スズまたは亜鉛含有触媒と、ポリエーテルポリオール重合体を含む開始剤の存在下、ラクチド単量体を開環重合して、化学式1aのブロック共重合体を形成する段階を含む方法で製造できる。また、このような方法は、前記化学式1aのブロック共重合体を分子あたり2価以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネート化合物と反応させる段階をさらに含むことができる。
前記化学式1aにおいて、Dは炭素数2〜10の線状もしくは分枝状のアルキレン基であり、xはそれぞれ独立して30〜500の整数であり、nは30〜1000の整数である。
このような製造方法によれば、第1の段階において、ポリラクチド繰り返し単位のハードセグメントを形成しながら、これをポリエーテルポリオール重合体と結合させて、前記化学式1aのブロック共重合体を製造し、第2の段階において、これを再び多価イソシアネート化合物と結合させて、ウレタン連結基でブロック共重合繰り返し単位が連結されたラクチド共重合体を製造することができる。
この時、前記ポリエーテルポリオール重合体は、ハードセグメントのポリラクチド繰り返し単位の形成時、一種の巨大開始剤(macro−initiator)として作用する。つまり、このような巨大開始剤が有機金属触媒と共にラクチド単量体に結合して開環しながら反応を開始し、その鎖が継続して延長されて前記ハードセグメントおよびこれを含むブロック共重合体が形成できる。つまり、前記ポリエーテルポリオール重合体の両末端のヒドロキシ基が開環重合を開始し、鎖を延長させる作用をするため、これから形成されたブロック共重合体は、前記ポリエーテルポリオール重合体、つまり、ソフトセグメントの両末端にハードセグメントの結合された構造を取ることができる。
したがって、このように形成されたブロック共重合体を多価イソシアネート化合物と反応させることにより、一実施形態に係るラクチド共重合体が製造できるのである。
このような製造方法において、前記スズまたは亜鉛含有触媒は、上述した化学式2の有機金属複合体、または化学式3および4の化合物の混合物を含む触媒になってもよい。このような特定の触媒を使用することにより、前記製造方法で製造されたラクチド共重合体は、低い残留金属量および高い分子量範囲を満たすことができ、一実施形態に係る優れた諸物性を満たすことができる。その結果、前記ラクチド共重合体は、以前に知られたものより大きい分子量およびこれに伴う優れた機械的物性を有しながら、低い残留金属量などによって使用中の分解などが抑制され、より向上した耐加水分解性および耐熱性を示すことができる。これは、前記触媒が以前に使用されていた触媒に比べて優れた重合活性を示すため、小さい使用量でも高い分子量を有するハードセグメントおよびラクチド共重合体の製造を可能にするからである。
つまり、触媒の優れた活性によって、少量の触媒下でもラクチド共重合体がより大きい分子量で提供可能であり、また、その重合中または重合後に、解重合または分解が抑制された状態で得られる。したがって、重合後に、前記ラクチド共重合体内に残留する単量体および触媒の量が最小化できるため、より優れた機械的物性を示すことができ、高温高湿の条件下で優れた耐加水分解性を示すことができる。
そして、前記ラクチド共重合体は、以前に知られたものより低い酸度を示す。これによって、ラクチド共重合体またはこれから得られた製品の使用中に、分解されたりその分子量が減少するのを抑制することができて、より向上した耐加水分解性または耐熱性を示すことができる。さらに、ラクチド共重合体の機械的、物理的物性をより優れたものに維持することができる。
以下、これに関する非制限的な原理および原因を説明する。
ラクチド(共)重合体の製造過程中には、例えば、開環重合のためのスズまたは亜鉛含有触媒が使用されるが、このような触媒の一部は、最終製造された(共)重合体内に不可避に残留する。しかし、このような残留触媒は、(共)重合体の末端に結合し、このような結合体がカルボン酸などとトランスエステル化反応などを起こして、前記(共)重合体の分解や分子量の減少をもたらすことがある。また、残留ラクチド単量体は、高温高湿の条件下で容易に加水分解されてカルボン酸を発生させ、これは、(共)重合体の加水分解を促進させて分子量の減少を起こすことがある。
しかし、すでに上述したように、上述した方法で製造されたラクチド共重合体は、触媒に由来の残留金属の含有量が低いだけでなく、残留ラクチド含量体の含有量が低いながらも、高い分子量を有するように得られる。このため、前記残留金属または残留ラクチド単量体が起こす分解または分子量の減少が最小化され、高い分子量に起因する優れた機械的物性が発現および維持できる。
一方、上述したラクチド共重合体の製造方法において、前記ラクチド単量体としては、L−乳酸またはD−乳酸から得られた環状単量体のL−ラクチドまたはD−ラクチドを使用することができる。より好ましくは、ラクチド共重合体の溶融温度と耐熱性を考慮して、前記ラクチド単量体としては、光学純度98%以上のL−ラクチドまたはD−ラクチド原料を使用するのが良い。
また、前記ポリエーテルポリオール重合体としては、約2,000〜15,000、あるいは約2,000〜13,000、あるいは約3,000〜10,000の数平均分子量を有する炭素数2〜8のポリアルキレングリコールを使用することができ、その具体例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(1,2−プロピレン)グリコール、ポリ(1,3−プロピレン)グリコール、およびポリテトラメチレングリコールからなる群より選択されたポリアルキレングリコールが挙げられる。
そして、前記開環重合は、約120〜200℃、あるいは約120〜190℃の温度で約0.5〜8時間、あるいは約1〜7時間進行できる。
また、前記開環重合は、化学式2の複合体、または前記化学式3および4の混合物が触媒として使用できるが、このような触媒は、ラクチド単量体対比約1:10,000〜1:200,000(mole/mole ratio)の割合で使用できる。仮に、このような触媒の添加割合が過度に小さくなれば、重合活性が十分でなくて好ましくなく、逆に、触媒の添加割合が過度に大きくなる場合、製造されたラクチド共重合体の残留触媒量が大きくなって、共重合体の分解または分子量の減少などをもたらすことがある。
そして、前記開環重合後に、前記ブロック共重合体を多価イソシアネート化合物と反応させる段階において、前記多価イソシアネート化合物としては、イソシアネート基の当量が約2超過、あるいは約2超過3未満の化合物を使用することができるが、これについてはすでに上述した通りであるので、これに関するそれ以上の説明は省略する。
また、前記多価イソシアネート化合物は、前記化学式1aのブロック共重合体の100重量部に対して約0.05〜5重量部、あるいは約0.1〜4重量部、あるいは約0.2〜2重量部の量で使用できる。前記多価イソシアネート化合物の使用量が過度に小さくなれば、ラクチド共重合体の分子量、粘度または機械的物性が十分でないことがあり、逆に、その使用量が過度に多くなれば、ラクチド共重合体の分子量が高すぎてゲルが形成されることがある。
そして、前記多価イソシアネート化合物との反応は、約100〜190℃の温度で約0.001〜1時間進行できる。しかし、ウレタン結合を形成する通常の反応条件であれば、その範囲が特に限定されない。
また、前記多価イソシアネート化合物との反応は、スズ系触媒の存在下で進行可能である。このようなスズ系触媒の代表例としては、Stannous Octoate、Dibutyltin Dilaurate、Dioctyltin Dilaurateなどが挙げられる。
上述した製造方法によれば、所定の構造的特性、高い分子量および適切な溶融指数などを有することにより、優れた機械的物性、柔軟性および加工性などを示すラクチド共重合体、例えば、発明の一実施形態に係るラクチド共重合体を高い転換率で製造することができる。
一方、発明の他の実施形態により、上述したラクチド共重合体を含む樹脂組成物が提供される。
このような樹脂組成物は、優れた機械的物性、柔軟性、耐加水分解性および耐熱性などを示すラクチド共重合体を含むことにより、優れた物理的、機械的物性を示して、食品包装フィルム、シート、床材、電子製品パッケージングあるいは自動車内装材などの半永久的用途に好ましく使用できる。
また、前記樹脂組成物は、以前から様々な樹脂組成物に含まれていた多様な添加剤をさらに含むこともできる。
そして、前記樹脂組成物は、最終製品成形前の液状または固状樹脂組成物になるか、最終製品状態のプラスチックまたは織物などになってもよいが、前記最終プラスチックまたは織物製品などは、各製品の形態による通常の方法によって製造されてもよい。
特に、上述した樹脂組成物は、フィルムの成形時、既存に比べて透明性にも優れ、特に、残留金属の含有量が低くて、毒性が低く、柔軟性が大幅に改善されて、食品用包装フィルムに有用に使用できる。したがって、このような包装用フィルムは、多様な分野の包装用材料として好ましく適用可能である。例えば、生活消費材または食料品の一般包装紙/封筒、冷蔵/冷凍食品包装、Shrinkable over−wrapping film、Bundle包み用フィルム、生理用ナプキンまたは乳児用品などの衛生用品フィルム、Laminationフィルム、Shrinkable Label包装およびスナック包装用Matフィルムだけでなく、農業用マルチングフィルム、自動車塗膜保護シート、ゴミ袋または肥料袋などの産業資材の包装用材料としても幅広く使用できる。
本発明のラクチド共重合体は、優れた機械的物性の発現および維持が可能でありながらも、優れた柔軟性、耐熱性および加工性などを示し、残留触媒および単量体による汚染または毒性の恐れもほとんどない。特に、ラクチド共重合体は、優れた溶融加工性を示すだけでなく、フィルムなどへの溶融および押出加工時、押出機に印加される負荷を低減することができて、フィルムなどの製品への生産性を大きく高めることができる。
したがって、前記ラクチド共重合体は、食品包装材などの各種包装用材料として非常に好ましく適用可能である。特に、前記ラクチド共重合体を含むフィルムは、食品包装製品に好ましく適用することができ、また、生活用品フィルムおよびシートのような使い捨て用品だけでなく、電子製品パッケージングあるいは自動車内装材などのような半永久的な使用を必要とする多様な分野の素材に使用することができる。
実施例1のラクチド共重合体に対する1HNMR spectrumである。 実施例1〜3のラクチド共重合体および比較例1のポリラクチド樹脂に対して、2.16kgの荷重下、170℃〜210℃の間の温度x℃で溶融指数y(MI;g/10min)を測定して、温度と溶融指数の関係を比較して示すグラフである。
以下、発明の具体的な実施例を通じて、発明の作用および効果をより詳述する。ただし、このような実施例は発明の例として提示されたものに過ぎず、これによって発明の権利範囲が定められるのではない。
[実験方法]
下記の実施例および比較例において、空気や水に敏感な化合物を扱うすべての作業は、標準シュレンク技術(standard Schlenk technique)またはドライボックス技術を利用して実施した。
また、後述する実施例において、各物性の定義および測定方法は、以下にまとめられた通りである。
(1)ポリラクチドおよびポリエーテルポリオール繰り返し単位の含有量(wt%):600Mhz核磁気共鳴(NMR)スペクトロメータを用いて、1HNMRによって各製造されたラクチド共重合体に含まれているブロック共重合繰り返し単位中の各繰り返し単位の含有量を定量した。
(2)分子量および分子量分布:重合体の分子量および分子量分布はGPC(gel permeation chromatography)を用いて測定し、この時、ポリスチレン(polystyrene)サンプルを標準とした。
[合成例1]
Sn(Oct)2(アルドリッチ社)(0.2g、0.49mmol)と下記化学式5の化合物(TCI社)(0.36g、1.0mmol)を100mLフラスコにそれぞれ投入し、トルエン30mLを入れて、100℃で1時間撹拌した。以降、真空下で溶媒を除去し、ヘプタン溶媒によって洗浄し、乾燥させて、有機金属複合体A0.36gを得た。
[合成例2]
Sn(Oct)2(アルドリッチ社)(0.2g、0.49mmol)と下記化学式6の化合物(ラインケミー社)0.36gを100mLフラスコにそれぞれ投入し、合成例1と同様の方法で有機金属複合体B0.4gを得た。
有機金属複合体Bに対する13CNMRスペクトルを参照すれば、Sn(Oct)2触媒と化学式6の化合物の反応で3つのカルボニルピークが(188、183、182ppmで現れるが、(183の場合、非常にシャープに現れるもので、化学式6の化合物に結合されたOct−H acid化合物に対するピークであり、(188ppmで現れた広いピークはfree Sn(Oct)2と一致し、(182ppmで現れた広いピークは化学式6の化合物が配位された有機金属複合体に対するものである。
[実施例1]
窒素導入管、撹拌機、触媒投入口および真空システムを備えた反応器に、L−ラクチド単量体(755g、5.24mol)と合成例1の有機金属複合体A(0.83g)を投入した後、ポリプロピレングリコール(数平均分子量6,000g/mol、133g)を投入し、180℃の温度で3時間開環重合反応させて、化学式1aのブロック共重合体を製造した。反応器内で一部の重合樹脂をサンプリングして、GPC(Gel Permeation Chromatography)を用いて重量平均分子量を測定したが、88,000の重量平均分子量を示した。
以降、重合反応器内で分子あたりの平均イソシアネート基の当量が約2.7の多価イソシアネート化合物(イソシアネート基の当量が2.0のMDIと、イソシアネート基の当量が3.0のHexamethylene diisocyanate isocyanurateの混合物)を4.4g投入し、これを前記化学式1aのブロック共重合体と180℃の温度で10分間付加重合反応させて、ウレタン連結基を形成した。
反応が完了した後、通常の揮発工程によって残留ラクチドを除去すれば、化学式1のブロック共重合繰り返し単位を2以上含むラクチド共重合体が製造され、このように製造されたラクチド共重合体に対して重量平均分子量および分子量分布を測定した結果、Mw=約200,000g/mol、PDI=約2.3であると測定され、前記ブロック共重合繰り返し単位中のポリラクチド繰り返し単位(ハードセグメント)およびポリエーテルポリオール繰り返し単位(ソフトセグメント)の含有量はそれぞれ85重量%および15重量%であることが確認された。このような実施例1のラクチド共重合体の1HNMR spectrumは、図1に示された通りである。
[実施例2]
窒素導入管、撹拌機、触媒投入口および真空システムを備えた反応器に、L−ラクチド単量体(755g、5.24mol)と合成例1の有機金属複合体A(0.83g)を投入した後、ポリプロピレングリコール(数平均分子量6,000g/mol、133g)を投入し、180℃の温度で3時間開環重合反応させて、化学式1aのブロック共重合体を製造した。反応器内で一部の重合樹脂をサンプリングして、GPC(Gel Permeation Chromatography)を用いて重量平均分子量を測定したが、85,000の重量平均分子量を示した。
以降、重合反応器内で分子あたりの平均イソシアネート基の当量が約2.7の多価イソシアネート化合物(イソシアネート基の当量が2.0のMDIと、イソシアネート基の当量が3.0のHexamethylene diisocyanate isocyanurateの混合物)を3.5g投入し、これを前記化学式1aのブロック共重合体と180℃の温度で10分間付加重合反応させて、ウレタン連結基を形成した。
反応が完了した後、通常の揮発工程によって残留ラクチドを除去すれば、化学式1のブロック共重合繰り返し単位を2以上含むラクチド共重合体が製造され、このように製造されたラクチド共重合体に対して重量平均分子量および分子量分布を測定した結果、Mw=約159,000g/mol、PDI=約2.1であると測定され、前記ブロック共重合繰り返し単位中のポリラクチド繰り返し単位(ハードセグメント)およびポリエーテルポリオール繰り返し単位(ソフトセグメント)の含有量はそれぞれ85重量%および15重量%であることが確認された。
[実施例3]
窒素導入管、撹拌機、触媒投入口および真空システムを備えた反応器に、L−ラクチド単量体(755g、5.24mol)と合成例1の有機金属複合体A(0.83g)を投入した後、ポリプロピレングリコール(数平均分子量6,000g/mol、133g)を投入し、180℃の温度で3時間開環重合反応させて、化学式1aのブロック共重合体を製造した。反応器内で一部の重合樹脂をサンプリングして、GPC(Gel Permeation Chromatography)を用いて重量平均分子量を測定したが、87,000の重量平均分子量を示した。
以降、重合反応器内で分子あたりの平均イソシアネート基の当量が約2.7の多価イソシアネート化合物(イソシアネート基の当量が2.0のMDIと、イソシアネート基の当量が3.0のHexamethylene diisocyanate isocyanurateの混合物)を6.2g投入し、これを前記化学式1aのブロック共重合体と180℃の温度で10分間付加重合反応させて、ウレタン連結基を形成した。
反応が完了した後、通常の揮発工程によって残留ラクチドを除去すれば、化学式1のブロック共重合繰り返し単位を2以上含むラクチド共重合体が製造され、このように製造されたラクチド共重合体に対して重量平均分子量および分子量分布を測定した結果、Mw=約248,000g/mol、PDI=約2.5であると測定され、前記ブロック共重合繰り返し単位中のポリラクチド繰り返し単位(ハードセグメント)およびポリエーテルポリオール繰り返し単位(ソフトセグメント)の含有量はそれぞれ85重量%および15重量%であることが確認された。
[実施例4]
窒素導入管、撹拌機、触媒投入口および真空システムを備えた反応器に、L−ラクチド単量体(755g、5.24mol)と合成例1の有機金属複合体A(0.83g)を投入した後、ポリプロピレングリコール(数平均分子量6,000g/mol、133g)を投入し、180℃の温度で3時間開環重合反応させて、化学式1aのブロック共重合体を製造した。反応器内で一部の重合樹脂をサンプリングして、GPC(Gel Permeation Chromatography)を用いて重量平均分子量を測定したが、83,000の重量平均分子量を示した。
以降、重合反応器内で分子あたりの平均イソシアネート基の当量が約2.7の多価イソシアネート化合物(イソシアネート基の当量が2.0のMDIと、イソシアネート基の当量が3.0のHexamethylene diisocyanate isocyanurateの混合物)を1.7g投入し、これを前記化学式1aのブロック共重合体と180℃の温度で10分間付加重合反応させて、ウレタン連結基を形成した。
反応が完了した後、通常の揮発工程によって残留ラクチドを除去すれば、化学式1のブロック共重合繰り返し単位を2以上含むラクチド共重合体が製造され、このように製造されたラクチド共重合体に対して重量平均分子量および分子量分布を測定した結果、Mw=約103,000g/mol、PDI=約1.9であると測定され、前記ブロック共重合繰り返し単位中のポリラクチド繰り返し単位(ハードセグメント)およびポリエーテルポリオール繰り返し単位(ソフトセグメント)の含有量はそれぞれ85重量%および15重量%であることが確認された。
[実施例5]
窒素導入管、撹拌機、触媒投入口および真空システムを備えた反応器に、L−ラクチド単量体(755g、5.24mol)と合成例1の有機金属複合体A(0.83g)を投入した後、ポリプロピレングリコール(数平均分子量6,000g/mol、133g)を投入し、180℃の温度で3時間開環重合反応させて、化学式1aのブロック共重合体を製造した。反応器内で一部の重合樹脂をサンプリングして、GPC(Gel Permeation Chromatography)を用いて重量平均分子量を測定したが、88,000の重量平均分子量を示した。
以降、重合反応器内で分子あたりの平均イソシアネート基の当量が約2.7の多価イソシアネート化合物(イソシアネート基の当量が2.0のMDIと、イソシアネート基の当量が3.0のHexamethylene diisocyanate isocyanurateの混合物)を4.2g投入し、これを前記化学式1aのブロック共重合体と180℃の温度で10分間付加重合反応させて、ウレタン連結基を形成した。
反応が完了した後、通常の揮発工程によって残留ラクチドを除去すれば、化学式1のブロック共重合繰り返し単位を2以上含むラクチド共重合体が製造され、このように製造されたラクチド共重合体に対して重量平均分子量および分子量分布を測定した結果、Mw=約194,000g/mol、PDI=約2.2であると測定され、前記ブロック共重合繰り返し単位中のポリラクチド繰り返し単位(ハードセグメント)およびポリエーテルポリオール繰り返し単位(ソフトセグメント)の含有量はそれぞれ85重量%および15重量%であることが確認された。
[実施例6]
窒素導入管、撹拌機、触媒投入口および真空システムを備えた反応器に、L−ラクチド単量体(755g、5.24mol)と合成例1の有機金属複合体A(0.83g)を投入した後、ポリプロピレングリコール(数平均分子量6,000g/mol、133g)を投入し、180℃の温度で3時間開環重合反応させて、化学式1aのブロック共重合体を製造した。反応器内で一部の重合樹脂をサンプリングして、GPC(Gel Permeation Chromatography)を用いて重量平均分子量を測定したが、88,000の重量平均分子量を示した。
以降、重合反応器内で分子あたりの平均イソシアネート基の当量が約2.7の多価イソシアネート化合物(イソシアネート基の当量が2.0のMDIと、イソシアネート基の当量が3.0のHexamethylene diisocyanate isocyanurateの混合物)を8.5g投入し、これを前記化学式1aのブロック共重合体と180℃の温度で10分間付加重合反応させて、ウレタン連結基を形成した。
反応が完了した後、通常の揮発工程によって残留ラクチドを除去すれば、化学式1のブロック共重合繰り返し単位を2以上含むラクチド共重合体が製造され、このように製造されたラクチド共重合体に対して重量平均分子量および分子量分布を測定した結果、Mw=約423,000g/mol、PDI=約2.8であると測定され、前記ブロック共重合繰り返し単位中のポリラクチド繰り返し単位(ハードセグメント)およびポリエーテルポリオール繰り返し単位(ソフトセグメント)の含有量はそれぞれ85重量%および15重量%であることが確認された。
[比較例1]
ネイチャーワークス社の4032Dのポリラクチド樹脂(Mw=200,000g/mol)を比較例1とした。
[比較例2]
ネイチャーワークス社の4032Dのポリラクチド樹脂(Mw=150,000g/mol)を比較例2とした。
[比較例3]
ネイチャーワークス社の4032Dのポリラクチド樹脂(Mw=164,000g/mol)を比較例3とした。
[比較例4]
ネイチャーワークス社の4032Dのポリラクチド樹脂(Mw=214,000g/mol)を比較例4とした。
[比較例5]
ネイチャーワークス社の4032Dのポリラクチド樹脂(Mw=227,000g/mol)を比較例5とした。
[比較例6]
実施例1において、イソシアネート基の当量が3.0のHexamethylene diisocyanate isocyanurate4.4gを使用し、MDIを使用しないことを除いては、実施例1と同様の方法でラクチド共重合体を製造した。
ただし、このような比較例6では、ゲルが過度に含まれている状態で共重合体が製造され、分析に適した試験片自体が製造できないことが確認された。これは、前記ゲルが多量含まれているサンプルを押出機に入れて試験片加工する場合、吐出口が詰まってスクリューが円滑に回らないなどの問題によるもので、比較例6の共重合体は、非常に劣悪な加工性を示すことが確認された。そこで、比較例6に対しては、追加の物性を評価することができず、実際の使用が不可能であると評価した。
[実験例1]温度別溶融指数の測定
前記実施例1〜3のラクチド共重合体、比較例1のポリラクチド樹脂を約5gの量だけToyoseiki社製Melt Indexerのシリンダに投入し、約4分間加熱して溶融させた。この時、シリンダは、測定温度の約170℃、約175℃、約180℃、約185℃、約190℃、約200℃および約210℃にそれぞれ設定されているものを用いた。次に、約2.16kgの錘でシリンダ内の高分子を加圧して、前記シリンダから高分子を排出させた。この時、初期に排出される約2gの高分子は捨て、残りの排出される高分子に実測定を始めて、約60秒間排出されるラクチド共重合体の重量を測定し、これを溶融指数単位のg/10minで換算することで、前記実施例1〜3のラクチド共重合体と、比較例1のポリラクチド樹脂の温度別溶融指数を測定した。
このように測定された温度別溶融指数を、各高分子に対して、約170℃、約175℃、約180℃、約185℃、約190℃、約200℃および約210℃の温度別に求めて線形回帰することで、温度x℃による溶融指数y(MI;g/10min)の関係を導出した。このような関係を表1および図2に比較して共に示し、このような図2に、実施例の関係に対するupper limit=約0.04x2−13.06x+1073.7、lower limit=約0.0043x2−1.3026x+99.2と共に示した。
前記表1および図2を参照すれば、実施例のラクチド共重合体は、約170℃〜210℃の間の温度x℃で測定した溶融指数y(MI;g/10min)が約0.0043x2−1.3026x+99.2≦y≦0.04x2−13.06x+1073.7を満たすのに対し、比較例1のポリラクチド樹脂は、温度別溶融指数が低すぎて、前記関係を満たさないことが確認された。
特に、類似の分子量を有する高分子に対してこのような差を示すことから、実施例のラクチド共重合体は、前記約170℃〜210℃の間の温度でより高い流動性および加工性を示すのに対し、比較例1は、このような流動性および加工性を示すことができないと見られる。
[実験例2]押出機のスクリューに対する負荷の測定
前記実施例1のラクチド共重合体と、比較例1のポリラクチド樹脂を、バウテク社製Ba−11 Twin Screw Compound押出機に投入して、フィルムとしての押出成形を実施した。このような押出機で、各区間別の温度は、下記表2の条件で、前記実施例1と、比較例1の高分子をそれぞれ押出させて、headで発生する圧力を測定した。このような測定結果を、表3に示した。
前記表3を参照すれば、実施例1、比較例1の高分子の分子量が類似しているにもかかわらず、実施例1の共重合体は、押出機のスクリューに印加される負荷を低減可能で、押出機のスクリュー速度をより容易に増加させることができ、押出加工によるフィルムなどの製品生産性に優れたものになり得ることを確認した。
これに対し、比較例1は、押出機のスクリューに大きな負荷が印加されてポリマーの吐出圧力が大きく、スクリュー速度を増加させにくいため、製品生産性が劣悪になることを確認した。

Claims (16)

  1. ポリエーテルポリオール繰り返し単位のソフトセグメントの両末端に、ポリラクチド繰り返し単位のハードセグメントが結合された、化学式1のブロック共重合繰り返し単位を含み、
    重量平均分子量が150,000〜300,000であり、
    2.16kgの荷重下、170℃〜210℃の間の温度x℃で測定した溶融指数y(MI;g/10min)が0.0043x2−1.3026x+99.2≦y≦0.04x2−13.06x+1073.7を満たすラクチド共重合体:
    前記化学式1において、Dは炭素数2〜10の線状もしくは分枝状のアルキレン基であり、xはそれぞれ独立して30〜500の整数であり、nは30〜1000の整数である。
  2. 前記ブロック共重合繰り返し単位を2以上含み、これらがウレタン連結基を介して互いに連結されている、請求項1に記載のラクチド共重合体。
  3. 2.16kgの荷重下、170℃の温度で測定した溶融指数が1.7〜10.0である、請求項1に記載のラクチド共重合体。
  4. 2.16kgの荷重下、180℃の温度で測定した溶融指数が3.0〜20.0である、請求項1に記載のラクチド共重合体。
  5. 2.16kgの荷重下、190℃の温度で測定した溶融指数が8.0〜35.0である、請求項1に記載のラクチド共重合体。
  6. 前記ブロック共重合繰り返し単位は、分子あたりの平均イソシアネート基の当量が2超過の多価イソシアネート化合物から誘導されたウレタン連結基を介して互いに連結されている、請求項2に記載のラクチド共重合体。
  7. 前記ウレタン連結基は、前記ポリラクチド繰り返し単位に由来の末端ヒドロキシ基と、前記多価イソシアネート化合物に由来のイソシアネート基の反応で形成されたウレタン結合を含む、請求項6に記載のラクチド共重合体。
  8. 前記多価イソシアネート化合物は、ジイソシアネート化合物、およびイソシアネート基の当量が3以上の多価イソシアネート化合物の混合物を含む、請求項6に記載のラクチド共重合体。
  9. 前記ジイソシアネート化合物は、エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−ドデカンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、2,4−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ヘキサヒドロ−1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサヒドロ−1,4−フェニレンジイソシアネート、ペルヒドロ−2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ペルヒドロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,4−スチルベンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、トルエン2,4−ジイソシアネート(TDI)、トルエン2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、およびナフチレン−1,5−ジイソシアネートからなる群より選択され、
    前記イソシアネート基の当量が3以上の多価イソシアネート化合物は、前記ジイソシアネート化合物のオリゴマー、前記ジイソシアネート化合物のポリマー、前記ジイソシアネート化合物の環状多量体、ヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート(HDI isocyanurate)、トリイソシアネート化合物、およびこれらの異性体からなる群より選択される、請求項8に記載のラクチド共重合体。
  10. 前記ブロック共重合繰り返し単位は、それぞれ50,000〜200,000の重量平均分子量を有する、請求項1に記載のラクチド共重合体。
  11. 前記ポリエーテルポリオール繰り返し単位は、ポリエチレングリコール(PEG)繰り返し単位、ポリ(1,2−プロピレングリコール)繰り返し単位、ポリ(1,3−プロパンジオール)繰り返し単位、ポリテトラメチレングリコール繰り返し単位、およびポリブチレングリコール繰り返し単位からなる群より選択されたポリアルキレングリコール繰り返し単位である、請求項1に記載のラクチド共重合体。
  12. 前記ポリエーテルポリオール繰り返し単位は、それぞれ2,000〜15,000の数平均分子量を有する、請求項1に記載のラクチド共重合体。
  13. 前記ブロック共重合繰り返し単位は、その全体重量に対してハードセグメントの50〜95重量%と、ソフトセグメントの5〜50重量%とを含む、請求項1に記載のラクチド共重合体。
  14. 請求項1に記載のラクチド共重合体を含む樹脂組成物。
  15. 請求項1に記載のラクチド共重合体を含むフィルム。
  16. 包装用フィルムとして使用される、請求項15に記載のフィルム。
JP2015535585A 2012-12-06 2013-12-04 ラクチド共重合体、これを含む樹脂組成物およびフィルム Active JP5968547B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR20120141061 2012-12-06
KR10-2012-0141061 2012-12-06
KR10-2013-0149791 2013-12-04
PCT/KR2013/011170 WO2014088319A1 (ko) 2012-12-06 2013-12-04 락타이드 공중합체, 이를 포함하는 수지 조성물 및 필름
KR1020130149791A KR101560303B1 (ko) 2012-12-06 2013-12-04 락타이드 공중합체, 이를 포함하는 수지 조성물 및 필름

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015532328A true JP2015532328A (ja) 2015-11-09
JP5968547B2 JP5968547B2 (ja) 2016-08-10

Family

ID=51126974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015535585A Active JP5968547B2 (ja) 2012-12-06 2013-12-04 ラクチド共重合体、これを含む樹脂組成物およびフィルム

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9382385B2 (ja)
EP (1) EP2891674B1 (ja)
JP (1) JP5968547B2 (ja)
KR (1) KR101560303B1 (ja)
CN (1) CN105722887B (ja)
WO (1) WO2014088319A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102130039B1 (ko) * 2014-06-05 2020-07-03 에스케이케미칼 주식회사 열 접착성 유연 폴리유산 수지 조성물
CN108314769A (zh) * 2017-01-16 2018-07-24 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种反应挤出制备聚乳酸基聚氨酯弹性体的方法及其应用
US11485852B2 (en) * 2020-02-18 2022-11-01 Northern Technologies International Corporation High impact resistant poly(lactic acid) blends
KR102514290B1 (ko) * 2021-04-16 2023-03-27 에스케이마이크로웍스 주식회사 이축연신 필름 및 이를 포함하는 친환경 포장재

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1135655A (ja) * 1997-07-17 1999-02-09 Dainippon Ink & Chem Inc 高分子量乳酸系ポリエーテル共重合体の製造方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL82834A (en) * 1987-06-09 1990-11-05 Yissum Res Dev Co Biodegradable polymeric materials based on polyether glycols,processes for the preparation thereof and surgical artiicles made therefrom
IT1256914B (it) 1992-08-03 1995-12-27 Novamont Spa Composizione polimerica biodegradabile.
JP3501249B2 (ja) 1995-07-25 2004-03-02 大日本インキ化学工業株式会社 乳酸系ポリエーテル共重合体樹脂組成物
JPH09143239A (ja) * 1995-11-28 1997-06-03 Dainippon Ink & Chem Inc 乳酸系ポリエーテルエステルの製造方法
CN1321092A (zh) 1998-06-30 2001-11-07 安姆根有限公司 用于生物活性剂的延缓给药的热敏生物可降解水凝胶
JP2000230029A (ja) * 1998-12-09 2000-08-22 Kanebo Ltd 制電性樹脂組成物
EP1382628A1 (en) * 2002-07-16 2004-01-21 Polyganics B.V. Biodegradable phase separated segmented/block co-polyesters
JP3775423B2 (ja) 2004-09-27 2006-05-17 トヨタ自動車株式会社 ポリ乳酸系共重合体
CA2628598C (en) 2005-12-06 2015-02-24 Tyco Healthcare Group Lp Bioabsorbable surgical composition
KR101183226B1 (ko) 2009-02-09 2012-09-14 주식회사 엘지화학 유기 금속복합체, 촉매 조성물 및 폴리락타이드 수지의 제조 방법
CN101503501B (zh) * 2009-03-02 2011-06-29 四川大学 可生物降解的无毒两亲性多嵌段聚氨酯材料及其制备方法
KR101526593B1 (ko) 2009-10-01 2015-06-09 현대자동차주식회사 폴리유산 복합재료 조성물 및 이의 제조방법
KR101191968B1 (ko) * 2010-11-08 2012-10-17 에스케이케미칼주식회사 폴리유산 수지 및 이를 포함하는 포장용 필름
KR101804431B1 (ko) 2011-01-25 2017-12-05 에스케이케미칼 주식회사 폴리유산 수지 필름
JP5793616B2 (ja) 2011-06-07 2015-10-14 エルジー・ケム・リミテッド ラクチド共重合体、その製造方法およびそれを含む樹脂組成物
EP2719715B1 (en) 2011-06-07 2017-05-17 LG Chem, Ltd. Packaging film comprising a lactide copolymer

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1135655A (ja) * 1997-07-17 1999-02-09 Dainippon Ink & Chem Inc 高分子量乳酸系ポリエーテル共重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US9382385B2 (en) 2016-07-05
CN105722887A (zh) 2016-06-29
WO2014088319A1 (ko) 2014-06-12
CN105722887B (zh) 2017-08-11
EP2891674A4 (en) 2016-05-18
EP2891674B1 (en) 2018-08-01
JP5968547B2 (ja) 2016-08-10
EP2891674A1 (en) 2015-07-08
KR20140073434A (ko) 2014-06-16
US20150274898A1 (en) 2015-10-01
KR101560303B1 (ko) 2015-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5793616B2 (ja) ラクチド共重合体、その製造方法およびそれを含む樹脂組成物
JP5813218B2 (ja) ラクチド共重合体を含む包装用フィルム
KR101604113B1 (ko) 생분해성 수지 조성물
JP5968547B2 (ja) ラクチド共重合体、これを含む樹脂組成物およびフィルム
JP6125644B2 (ja) ラクチド共重合体、その製造方法およびこれを含む樹脂組成物
JP5636438B2 (ja) ポリラクチド樹脂、その製造方法およびこれを含むポリラクチド樹脂組成物
KR101601939B1 (ko) 폴리알킬렌 카보네이트 및 락타이드 공중합체를 포함하는 수지 조성물
JP5956080B2 (ja) 延伸フィルム
JP5050610B2 (ja) 低温特性に優れた樹脂組成物の成型体
KR101576974B1 (ko) 블로운 필름
JP2002293894A (ja) 脂肪族ポリエステル及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5968547

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250