JP2015511121A - 浸潤性および予後に関する乳がんバイオマーカーシグネチャー - Google Patents
浸潤性および予後に関する乳がんバイオマーカーシグネチャー Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015511121A JP2015511121A JP2014553510A JP2014553510A JP2015511121A JP 2015511121 A JP2015511121 A JP 2015511121A JP 2014553510 A JP2014553510 A JP 2014553510A JP 2014553510 A JP2014553510 A JP 2014553510A JP 2015511121 A JP2015511121 A JP 2015511121A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mir
- hsa
- mirna
- expression
- mrna
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6876—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
- C12Q1/6883—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
- C12Q1/6886—Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material for cancer
-
- G—PHYSICS
- G06—COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
- G06F—ELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
- G06F16/00—Information retrieval; Database structures therefor; File system structures therefor
- G06F16/20—Information retrieval; Database structures therefor; File system structures therefor of structured data, e.g. relational data
- G06F16/24—Querying
- G06F16/245—Query processing
- G06F16/2458—Special types of queries, e.g. statistical queries, fuzzy queries or distributed queries
- G06F16/2468—Fuzzy queries
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q2600/00—Oligonucleotides characterized by their use
- C12Q2600/112—Disease subtyping, staging or classification
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q2600/00—Oligonucleotides characterized by their use
- C12Q2600/118—Prognosis of disease development
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q2600/00—Oligonucleotides characterized by their use
- C12Q2600/158—Expression markers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q2600/00—Oligonucleotides characterized by their use
- C12Q2600/178—Oligonucleotides characterized by their use miRNA, siRNA or ncRNA
Abstract
マイクロRNAプロファイルの正常な乳房から非浸潤性腺管癌への転換および浸潤性腺管癌(IDC)への転換、ならびにその使用の方法を記述する。浸潤癌を非浸潤癌から識別するためのマイクロRNAシグネチャーを用いる診断および予後予測の方法を記述する。全生存および転移までの時間を予測するためのマイクロRNA発現の使用も記述する。【選択図】なし
Description
発明者:Carlo M. Croce, Stefano Volinia
関連出願への相互参照
[0001] この出願は2012年1月20日に出願された米国仮出願第61/588,790号の利益を主張し、その全開示を明確に全ての目的に関して参照により本明細書に援用する。
関連出願への相互参照
[0001] この出願は2012年1月20日に出願された米国仮出願第61/588,790号の利益を主張し、その全開示を明確に全ての目的に関して参照により本明細書に援用する。
連邦政府により資金提供を受けた研究に関する記載
[0002] この発明は、国立衛生研究所により与えられた助成金番号U01−CA152758およびU01−CA154200の下での政府援助によりなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
[0002] この発明は、国立衛生研究所により与えられた助成金番号U01−CA152758およびU01−CA154200の下での政府援助によりなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
[0003] この発明は該して分子生物学の分野に関する。より詳細には、それはがん関連技術に関する。本発明の特定の観点には、乳がんの診断学、療法学、および予後における適用が含まれる。
[0004] 乳がん(BC)は、遺伝子の変化の不均一性を特徴とし、いくつかの環境要因の影響を受ける複雑な疾患である。非浸潤性腺管癌(DCIS)は、基底膜を通る浸潤のない乳管内の悪性細胞の増殖を反映する病変の不均一な群である。全乳がんの約80%がBCの最も高頻度なタイプである浸潤性腺管癌(IDC)である。別個の分子亜型の乳房腫瘍(luminal A/B、HER2+、およびbasal−like)は劇的に異なるmRNAプロファイルを有する。
[0005] 1980年まで、DCISは稀にしか診断されず、BCの1%未満に相当していた。マンモグラフィーの使用の増大と共に、DCISは米国における新規に診断されたBCの症例の15%〜25%を占めるBCの最も急速に増大する亜集団になった。
[0006] マイクロRNA(miRNA)は制御的機能を有する保存された非コードRNAのクラスであり、がんにおいて重要な役割を果たしている。近年、miRNAのマイクロアレイ分析は多くの新しい知識をもたらしている。miRNAの機能および活性に関する情報に関する、ならびにそれらの特性付けおよび分析のために用いることができる方法および組成物に関する必要性がなお存在する。しかし、ゲノムワイドなmRNA発現研究は進行期特異的な遺伝子の同定に失敗した。
[0007] 第1の広い観点において、本明細書において、予後不良の乳がんに関する増大した危険性を示す乳がんシグネチャー(signature)を記述する。そのシグネチャーは、ヒトの対象からの組織の試験試料中のmiRNA/mRNAシグネチャーのレベルにおける変化の決定を含む。1態様において、そのmiRNA/mRNAシグネチャーは、以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、T
TC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなる。その試験試料中のmiRNAおよびmRNA遺伝子産物のレベルにおける、がんを含まない組織の対照試料中のmiRNAおよびmRNA遺伝子産物の対応するレベルのレベルと比較した変化は、そのヒトの対象がBCに関する生存予後不良を有することを示している。
TC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなる。その試験試料中のmiRNAおよびmRNA遺伝子産物のレベルにおける、がんを含まない組織の対照試料中のmiRNAおよびmRNA遺伝子産物の対応するレベルのレベルと比較した変化は、そのヒトの対象がBCに関する生存予後不良を有することを示している。
[0008] 別の観点において、本明細書において、ヒトの対象が乳がん(BC)に関する生存予後不良を有するかどうかを決定する方法を提供する。その方法には、一般にそのヒトの対象からの組織の試験試料中のmiRNA/mRNAシグネチャーのレベルを測定することが含まれ、ここでそのmiRNA/mRNAシグネチャーは以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなる。その方法には一般にその対象の生存予後を決定することも含まれ;ここでその試験試料中のmiRNAおよびmRNA遺伝子産物のレベルにおける、がんを含まない組織の対照試料中のmiRNAおよびmRNA遺伝子産物の対応するレベルのレベルと比較した変化は、そのヒトの対象がBCに関する生存予後不良を有することを示している。
[0009] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、ヒトの対象が予後不良と関係するBCを有する、またはそれを発現する危険にさらされているかどうかを診断する方法を提供する:(1)ヒトの対象から得られた組織の試験試料からのRNAを逆転写して標的オリゴデオキシヌクレオチドのセットを提供し;(2)その標的オリゴデオキシヌクレオチドをmiRNA特異的プローブオリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイにハイブリダイズさせてその試験試料に関するハイブリダイゼーションプロファイルを提供し、ここでそのマイクロアレイは以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなるmiRNA/mRNAシグネチャーに関するmiRNA特異的プローブオリゴヌクレオチドを含み;(3)その試験試料のハイブリダイゼーションプロファイルを転移を含まない組織の対照試料から生成されたハイブリダイゼーションプロファイルと比較し、そして(4)そのmiRNA/mRNA遺伝子産物シグネチャーにおける変化に基づいて、そのヒトの対象が予後不良と関係するBCを有する、またはそれを発現する危険にさらされているかどうかを診断する。
[0010] 特定の態様において、浸潤性腺管癌(IDC)乳がん(BC)を有する対象の生存予後を決定する工程。
[0011] 特定の態様において、その対象の生存予後を決定する工程は全生存(OS)を予測する。
[0012] 特定の態様において、miRNAおよびmRNAのシグネチャーセットは対照
試料と比較してそのようなmiRNAおよびmRNAに特異的であるプローブにハイブリダイズし、それはヒトの患者における生存予後不良を示している。
試料と比較してそのようなmiRNAおよびmRNAに特異的であるプローブにハイブリダイズし、それはヒトの患者における生存予後不良を示している。
[0013] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、乳がん(BC)を有するヒトの対象が生存転帰不良を有するかどうかを決定するための方法を提供する:そのヒトの対象の乳房細胞から得られた核酸試料をアッセイしてその核酸試料中のmiRNA/mRNAシグネチャーの発現レベルを決定し、そのmiRNA/mRNAシグネチャーは以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなり;そして、対照核酸試料と比較した場合にその核酸試料においてmiRNA/mRNAシグネチャーの発現レベルにおける変化が存在する場合、そのヒトの対象は生存転帰不良を有すると決定する。
[0014] 別の観点において、本明細書において、結腸がん関連疾患に関する試験のためのDNAチップであって、その上に以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなるmiRNA/mRNAシグネチャーをアッセイするためのプローブが固定されている前記DNAチップを提供する。
[0015] 別の観点において、本明細書において、以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなるmiRNA/mRNAシグネチャーに関する少なくとも1種類のマーカーに結合する少なくとも1種類の捕捉試薬を含む製品を提供する。
[0016] 別の観点において、本明細書において、乳がんに関するスクリーニングのためのキットを提供し、ここでそのキットは以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1に
関する少なくとも1種類のマーカーの1種類以上の試薬を含む。
関する少なくとも1種類のマーカーの1種類以上の試薬を含む。
[0017] 特定の態様において、そのマーカーの存在は、少なくとも1種類のマーカーと特異的に結合する抗体または抗体断片を含む試薬を用いて検出される。
[0018] 特定の態様において、その試薬は標識、放射標識、もしくはビオチン標識されており、および/またはここでその抗体もしくは抗体断片は放射標識、発色団標識、蛍光体標識、もしくは酵素標識されている。
[0019] 特定の態様において、その試薬は以下の1種類以上を含む:抗体、その試薬が結合している、またはその試薬が結合することができるプローブ、および固定された金属キレート。
[0020] 別の観点において、本明細書において、以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなるmiRNA/mRNAシグネチャーに向けられた抗体を含む、対象における乳がん関連疾患の存在を予測するためのマイクロアレイを提供する。
[0021] 特定の態様において、そのマーカーの発現のレベルは転写されたポリヌクレオチドまたはその一部の存在を検出することにより評価され、ここでその転写されたポリヌクレオチドはそのマーカーのコード領域を含む。
[0022] 特定の態様において、その試料は乳がんと関連する体液または組織である。
[0023] 特定の態様において、その試料はその患者から得られた細胞を含む。
[0024] 特定の態様において、少なくともmiRNA/mRNAシグネチャーには、単離された変異体もしくはその生物学的に活性な断片もしくは機能的均等物、またはそれらに結合する抗体が含まれる。
[0025] 特定の態様において、その乳がん関連疾患は浸潤性腺管癌(IDC)である。
[0026] 特定の態様において、その試料は、時間の経過にわたって採取された、その患者から得られた細胞を含む。
[0027] 特定の態様において、その方法はさらにその診断に基づいて処置計画を設計することを含む。
[0028] 特定の態様において、その方法はさらにその診断に基づいて処置を施すことを含む。
[0029] 特定の態様において、その標準的なmiRNAおよび/またはmRNA発現レベルは代表的な個体のプールからのものであり、その対象中の対照組織におけるmiRNAおよびmiRNAレベルに関する、平均、中央値、または他の統計学的に操作された、
または他の方法で要約もしくは統合された(aggregated)代表的なmiRNAおよび/またはmRNA発現レベルである。
または他の方法で要約もしくは統合された(aggregated)代表的なmiRNAおよび/またはmRNA発現レベルである。
[0030] 別の観点において、本明細書において、複数のデジタル的にコード化された参照プロファイルを有するデータベースを含むコンピューターで読み取り可能な媒体を提供し、ここで少なくとも1つの第1の参照プロファイルは乳がん関連疾患応答の徴候を示す1以上の対象からの1個以上の試料における少なくとも1種類のmiRNA/mRNAシグネチャーのレベルを表し、ここでそのmiRNA/mRNAシグネチャーは以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなる。
[0031] 特定の態様において、そのコンピューターで読み取り可能な媒体には、乳がん関連疾患応答の徴候を示す1以上の対象または乳がん関連疾患を有する対象からの1個以上の試料における少なくとも1種類の追加のmiRNAまたはmRNAのレベルを表す少なくとも1つの第2の参照プロファイルが含まれる。
[0032] 別の観点において、本明細書において、請求項17に記載のデータベースを含む、対象が乳がん関連疾患を有する、有しやすい、または乳がん関連疾患に関する生存予後不良を有するかどうかを決定するためのコンピューターシステム、およびそのコンピューターに対象のプロファイルを受け取らせ、そのデータベースから診断的にその対象のプロファイルに関連する適合する参照プロファイルを同定させ、そしてその対象が乳がん関連疾患を有する、または有しやすいかどうかの表示を生成させるためのコンピューターが実行可能なコードを含むサーバーを提供する。
[0033] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、対象における乳がん関連疾患の存在、非存在、性質または程度を評価するためのコンピューター支援の方法を提供する:
(1)その対象から得られた試料からのデータを分類するためのモデルまたはアルゴリズムを含むコンピューターを提供し、
ここでその分類にはそのデータを少なくとも1種類のmiRNA/mRNAシグネチャーの存在、非存在または量に関して分析することが含まれ、かつ
ここでそのmiRNA/mRNAシグネチャーは以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなり;
(2)その対象から得られた生物学的試料からのデータを入力し;そして、
(3)その生物学的試料を分類して乳がん関連疾患の存在、非存在、性質または程度を示す。
(1)その対象から得られた試料からのデータを分類するためのモデルまたはアルゴリズムを含むコンピューターを提供し、
ここでその分類にはそのデータを少なくとも1種類のmiRNA/mRNAシグネチャーの存在、非存在または量に関して分析することが含まれ、かつ
ここでそのmiRNA/mRNAシグネチャーは以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなり;
(2)その対象から得られた生物学的試料からのデータを入力し;そして、
(3)その生物学的試料を分類して乳がん関連疾患の存在、非存在、性質または程度を示す。
[0034] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、乳がん患者における予後を予測するための方法を提供する:乳がんを有する対象からの生物学的試験試料中のシグネチャーのセットの試験発現レベルを検出し;その試験発現レベルに危険性スコアを割り当て;そしてその試験発現レベルが高い危険性スコアを割り当てられた場合、予後不良を予測し;そしてその試験発現レベルが低い危険性スコアを割り当てられた場合、良好な予後を予測し、
ここでそのシグネチャーは以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなるmiRNA/mRNAシグネチャーを含む。
ここでそのシグネチャーは以下のmiRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにmRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなるmiRNA/mRNAシグネチャーを含む。
[0035] 特定の態様において、その予後は全がん生存である。
[0036] 特定の態様において、その試験発現レベルはマイクロアレイにより決定される。
[0037] 特定の態様において、その試験発現レベルはRT−PCRにより決定される。
[0038] 特定の態様において、そのmiRNA/mRNAシグネチャーは乳房細胞対乳がん細胞におけるmiRNAおよびmRNAの発現における統計的に有意な変化を含む。
[0039] 別の観点において、本明細書において、miR−210遺伝子産物を含む、対象における浸潤性乳管癌(IDC)を検出するためのマーカーを提供する。
[0040] 別の観点において、本明細書において、試験試料と比較した場合のmiR−210遺伝子産物における増大を検出することを含む、対象において浸潤性乳管癌を検出するための方法を提供する。
[0041] 別の観点において、本明細書において、以下を含む、浸潤性腺管癌(IDC)を非浸潤性腺管癌(DCIS)から識別するためのマイクロRNAシグネチャーを提供する:i)IDCにおけるlet−7d、miR−181a、miR−210およびmiR−221の少なくとも1種類の上方制御;ならびに、ii)IDCにおけるmiR−10b、miR−126、miR−143、miR−218およびmiR−335−5pの少なくとも1種類の下方制御。
[0042] 別の観点において、本明細書において、miR−210、miR−21、miR−106b*、miR−197および/またはlet−7iを含む、乳がんを有する対象における全生存予後に関する、および転移までの時間の予後に関するマイクロRNAシグネチャーを提供する。
[0043] 別の観点において、本明細書において、miR−210遺伝子産物を含む、乳がんを有する対象におけるDCISからIDCへの転換を検出するためのマイクロRNAマーカーを提供する。
[0044] 別の広い観点において、本明細書において、以下の少なくとも1種類を含む、
浸潤性腺管癌(IDC)を非浸潤性腺管癌(DCIS)から識別するためのマイクロRNAシグネチャーを提供する:非浸潤性転換において下方制御されているlet−7d、miR−210およびmiR−221;ならびに浸潤性転換において上方制御されているlet−7d、miR−210およびmiR−221。
浸潤性腺管癌(IDC)を非浸潤性腺管癌(DCIS)から識別するためのマイクロRNAシグネチャーを提供する:非浸潤性転換において下方制御されているlet−7d、miR−210およびmiR−221;ならびに浸潤性転換において上方制御されているlet−7d、miR−210およびmiR−221。
[0045] 別の観点において、本明細書において、miR−210、miR−21、miR−106b*、miR−197およびlet−7iを含む、乳がんに関する全生存および転移までの時間に関するマイクロRNAシグネチャーを提供する。
[0046] 別の観点において、本明細書において、miR−210に対する逆相関プロファイルを有するタンパク質をコードする遺伝子を含む、浸潤性転換に関するマーカーを提供し、ここでBRCA1、FANCD、FANCF、PARP1、E−カドヘリン、Rb1の1種類以上が非浸潤癌において活性化されており、浸潤癌において下方制御されている。
[0047] 別の観点において、本明細書において、少なくとも1種類の差次的スプライシングイソ型、例えばキナーゼドメインを欠く切り詰められたEGFRを含む非浸潤性腺管癌に関するマーカーを提供し、ここでそのようなマーカーは非浸潤性腺管癌においてのみ過剰発現されている。
[0048] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、患者をmiR−210発現における増大に基づいて浸潤性乳管癌(IDC)と相関するマーカーを有すると同定するための方法を提供する:a)IDCを有することが疑われる患者からの乳がん試料におけるmiR−210発現を分析し;そしてb)患者をi)その患者からの試料中のmiR−210発現における非がん性乳房試料と比較した増大が検出された場合、IDCがんと相関するマーカーを有すると同定し、またはii)その増大が検出されなかった場合、IDCがんと相関するマーカーを有しないと同定する。
[0049] 特定の態様において、その方法はさらに、その試料を以下:let−7d、miR−221およびmiR−181aの1種類以上における非がん性乳房試料と比較した増大;および/またはmiR−10b、miR−126、miR−143、miR−218およびmiR−335−5pの1種類以上における非がん性乳房試料と比較した減少に関して分析することを含む。
[0050] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、対象が浸潤性乳管癌(IDC)を有するかどうかを診断する方法を提供する:その対象からの試験試料中の少なくとも1種類のmiR−210遺伝子産物のレベルを測定し、ここでその試験試料中の少なくともそのmiR−210遺伝子産物のレベルにおける対照試料中の対応するmiR遺伝子産物のレベルと比較した増大は、その対象がIDCを有することを示している。
[0051] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、対象における乳がんの浸潤性を試験する方法を提供する:a)乳癌を有する対象からの試料中の少なくとも1種類のマーカーの発現レベルを決定し;その少なくとも1種類のマーカーには少なくとも1種類のmiR−210遺伝子産物が含まれ;b)工程(a)において決定された発現レベルを健康な対象からの試料中のそのマーカーの対照発現レベルと比較し;そしてc)工程(b)における比較の結果がその試験対象におけるその少なくとも1種類のマーカーの発現レベルが対照における発現レベルよりも高いことを示している場合、その対象が浸潤性乳管癌(IDC)の診断を有すると判定する。
[0052] 特定の態様において、その試料は乳房組織を含む。
[0053] 特定の態様において、その方法の工程はインビトロで実施される。
[0054] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、対象が浸潤性乳管癌(IDC)を有するかどうかを診断する方法を提供する:a)その対象から得られた試験試料からのRNAを逆転写して標的オリゴデオキシヌクレオチドのセットを提供し、ここでその対象は乳房IDCを有し;b)その標的オリゴデオキシヌクレオチドをmiR−210特異的プローブオリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイにハイブリダイズさせてその試験試料に関するハイブリダイゼーションプロファイルを提供し;そしてc)その試験試料のハイブリダイゼーションプロファイルを対照試料から生成されたハイブリダイゼーションプロファイルと比較し、ここでmiR−210のシグナルにおける増大はその対照がIDCを有することを示している。
[0055] 特定の態様において、その方法はさらに、工程c)がその試験試料のハイブリダイゼーションプロファイルを非がん性試料と関係するmiRレベルのデータベース、統計、または表と比較することを含むことを含む。
[0056] 特定の態様において、その方法はさらに、少なくとも1種類の追加のmiRがそのマイクロアレイ中に含まれることを含む。
[0057] 特定の態様において、その方法はさらに、miR−210遺伝子産物の発現のレベルを転写されたポリヌクレオチドまたはその一部の存在を検出することにより評価することを含み、ここでその転写されたポリヌクレオチドはmiR−210遺伝子産物のコード領域を含む。
[0058] 特定の態様において、その方法はさらに、その試料が時間の経過にわたって採取されたその患者から得られた細胞を含むことを含む。
[0059] 特定の態様において、その方法はさらに、その少なくとも1種類のmiR−210遺伝子産物に単離された変異体またはその生物学的に活性な断片が含まれることを含む。
[0060] 別の広い観点において、本明細書において、本明細書で記述されるマーカー(単数または複数)を含むキットを提供する。
[0061] 特定の態様において、その方法はさらに、そのキットがさらに乳がんを有する、または有することが疑われる対象から採取された試料をスクリーニングするための説明書を含むことを含む。
[0062] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、対象において浸潤性乳管癌(IDC)を診断する方法を提供する:a)対照と比較した相対的miR−210発現を同定し;そして、b)i)その対象が対照と比較して増大したmiR−210発現を有する場合、その対象においてIDCがあると診断し;または、ii)その対象が対照と比較して増大したmiR−210発現を有しない場合、その対象においてIDCがないと診断する。
[0063] 特定の態様において、その方法はさらに、let−7dおよびmiR−221の少なくとも1種類の対照と比較した相対的発現を同定することを含む。
[0064] 特定の態様において、その方法はさらに、対照と比較して減少したlet−7
dおよび/またはmiR−221発現が浸潤性乳がんの診断を確証することを含む。
dおよび/またはmiR−221発現が浸潤性乳がんの診断を確証することを含む。
[0065] 特定の態様において、その方法はさらに、その診断に基づいて処置計画を設計することを含む。
[0066] 特定の態様において、その方法はさらに、その診断に基づいて処置を施すことを含む。
[0067] 特定の態様において、その方法はさらに、IDCが診断された場合に抗血管新生処置を施すことを含む。
[0068] 特定の態様において、その方法はさらに、その診断に基づいて予後を決定することを含む。
[0069] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、対象において浸潤性乳管癌(IDC)がんを診断する方法を提供する:a)対照と比較した相対的miR−210発現を同定し、対照と比較したlet−7d発現を同定し、対照と比較したmiR−221発現を同定し;そしてb)i)その対象が対照と比較して増大したmiR−210発現、対照と比較して増大したlet−7d発現、および対照と比較して増大したmiR−221を有する場合、その対象においてIDCがあると診断し、またはii)その対象が対照と比較して増大したmiR−210発現、対照と比較して増大したlet−7d発現、および対照と比較して増大したmiR−221発現を有しない場合、その対象においてIDCがないと診断する。
[0070] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、浸潤性乳管癌(IDC)を有するヒトの対象を処置するための方法を提供する:ヒトER+および/またはHER2+の発現または活性を阻害する薬剤をIDCを有するヒトの対象に投与し、ここでその薬剤はRNA干渉により機能するオリゴヌクレオチドを含み、かつここでそのオリゴヌクレオチドには少なくとも1種類のmiR−210遺伝子産物が含まれる。
[0071] 別の観点において、本明細書において、以下の工程を含む、乳がん進行の可能性を決定するための方法を提供する:a)乳がんを有する対象からの乳がん細胞を含有する試料におけるhsa−miR−210の発現レベルを決定し、そしてb)その発現レベルを対照組織における標準的なmiRNA発現レベルと比較し、ここでその乳がんを有する対象におけるhsa−miR−210のより高い発現は、より高い進行の危険性と相関している。
[0072] 特定の態様において、その方法はさらに、その対照組織が乳がんが進行していなかった乳がんを有する代表的な個体または個体のプールからの組織を含むことを含む。
[0073] 特定の態様において、その方法はさらに、その対照組織が工程a)の発現レベルを決定する時点と比較した場合により早い時点で採取されたその対象からの組織を含むことを含む。
[0074] 特定の態様において、その方法はさらに、その標準的なmiRNA発現レベルが代表的な個体のプールからのものであり、その対象中の対照組織におけるmiRNAレベルに関する、平均、中央値、または他の統計学的に操作された、または他の方法で要約もしくは統合された代表的なmiRNA発現レベルであることを含む。
[0075] 特定の態様において、その方法はさらに、let−7dおよび/またはmiR
−221の1種類以上の発現レベルも対照組織における発現レベルと比較して測定すること、ならびにlet−7dおよび/またはmiR−221の1種類以上の増大した発現レベルがより高い進行の危険性と相関していることを含む。
−221の1種類以上の発現レベルも対照組織における発現レベルと比較して測定すること、ならびにlet−7dおよび/またはmiR−221の1種類以上の増大した発現レベルがより高い進行の危険性と相関していることを含む。
[0076] 特定の態様において、その方法はさらに、miR−10b、miR−126、miR−143、miR−218およびmiR−335−5pの1種類以上の発現レベルも対照組織における発現レベルと比較して測定すること、ならびにmiR−10b、miR−126、miR−143、miR−218およびmiR−335−5pの1種類以上の減少した発現レベルがより高い進行の危険性と相関していることを含む。
[0077] 本発明の他の系、方法、特徴、および利点は、以下の図面および詳細な記述を吟味すれば当業者には明らかであり、または明らかになるであろう。全てのそのような追加の系、方法、特徴、および利点はこの記述の範囲内に含まれ、本発明の範囲内であり、そして添付の特許請求の範囲により保護されることを意図している。
[0078] 本特許または出願ファイルは、カラーで作成された1個以上の図面および/または1個以上の写真を含んでいてよい。カラーの図面(単数または複数)および/または写真(単数または複数)を有するこの特許または特許出願公開のコピーは、要請して必要な料金を払えば特許庁により提供されるであろう。
[00119] この開示全体を通して、様々な刊行物、特許および公開された特許明細書を、引用を同定することにより参照する。これらの刊行物、特許および公開された特許明細書の開示を、この発明が属する技術の現状をより完全に記述するために本開示の中に参照により援用する。
[00120] 定義および一般的論考
[00121] 本明細書において互換的に用いられる際、“miR遺伝子産物”、“マイクロRNA”、“miR”、または“miRNA”は、miR遺伝子からのプロセシングされていない、またはプロセシングされたRNA転写産物を指す。miR遺伝子産物はタンパク質に翻訳されないため、用語“miR遺伝子産物”にはタンパク質は含まれない。そのプロセシングされていないmiR遺伝子転写産物は“miR前駆体”とも呼ばれ、典型的には約70〜100ヌクレオチド長のRNA転写産物を含む。そのmiR前駆体はRNA分解酵素(例えばDicer、Argonaut、RNA分解酵素III(例えば大腸菌RNA分解酵素III))による消化によりプロセシングされて活性な19〜25ヌクレオチドのRNA分子になることができる。この活性な19〜25ヌクレオチドのRNA分子は“プロセシングされた”miR遺伝子転写産物または“成熟”miRNAとも呼ばれる。
[00121] 本明細書において互換的に用いられる際、“miR遺伝子産物”、“マイクロRNA”、“miR”、または“miRNA”は、miR遺伝子からのプロセシングされていない、またはプロセシングされたRNA転写産物を指す。miR遺伝子産物はタンパク質に翻訳されないため、用語“miR遺伝子産物”にはタンパク質は含まれない。そのプロセシングされていないmiR遺伝子転写産物は“miR前駆体”とも呼ばれ、典型的には約70〜100ヌクレオチド長のRNA転写産物を含む。そのmiR前駆体はRNA分解酵素(例えばDicer、Argonaut、RNA分解酵素III(例えば大腸菌RNA分解酵素III))による消化によりプロセシングされて活性な19〜25ヌクレオチドのRNA分子になることができる。この活性な19〜25ヌクレオチドのRNA分子は“プロセシングされた”miR遺伝子転写産物または“成熟”miRNAとも呼ばれる。
[00122] その活性な19〜25ヌクレオチドのRNA分子は、miR前駆体から、天然のプロセシング経路を通して(例えば完全な細胞または細胞溶解物を用いて)、または合成的プロセシング経路により(例えば単離されたプロセシング酵素、例えば単離されたDicer、Argonaut、またはRNA分解酵素IIIを用いて)得ることができる。その活性な19〜25ヌクレオチドのRNA分子はmiR前駆体からプロセシングされなければならないわけではなく、生物学的合成または化学合成により直接生成することもできることは理解されている。マイクロRNAが本明細書において名前により言及される場合、別途示さない限り、その名前はその前駆体および成熟形態両方に対応する。
[00123] DNA デオキシリボ核酸
[00124] mRNA メッセンジャーRNA
[00125] meDNA DNAメチル化
[00126] miR マイクロRNA
[00127] PCR ポリメラーゼ連鎖反応
[00128] 前miRNA 前駆体マイクロRNA
[00129] qRT−PCR 定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応
[00130] RNA リボ核酸
[00131] 本明細書における記述は典型的かつ説明的なものでしかなく、本教示の範囲を限定することは意図していないことは理解されるべきである。この出願において、別途明確に記載しない限り、単数形の使用には複数形が含まれる。
[00124] mRNA メッセンジャーRNA
[00125] meDNA DNAメチル化
[00126] miR マイクロRNA
[00127] PCR ポリメラーゼ連鎖反応
[00128] 前miRNA 前駆体マイクロRNA
[00129] qRT−PCR 定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応
[00130] RNA リボ核酸
[00131] 本明細書における記述は典型的かつ説明的なものでしかなく、本教示の範囲を限定することは意図していないことは理解されるべきである。この出願において、別途明確に記載しない限り、単数形の使用には複数形が含まれる。
[00132] 別途言及しない限り、技術用語は慣習的な用法に従って用いられる。分子生物学における一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes V, Oxford University Press出版、1994 (ISBN 0-19-854287-9);Kendrew et al. (編者), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd.出版、1994 (ISBN 0-632-02182-9);およびRobert A. Meyers (編者), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk
Reference, VCH Publishers, Inc.出版、1995 (ISBN 1-56081-569-8)において見つけることができる。
Reference, VCH Publishers, Inc.出版、1995 (ISBN 1-56081-569-8)において見つけることができる。
[00133] 本開示の様々な態様の再考を容易にするため、以下の特定の用語の説明を提供する:
[00134] 補助的療法:一次処置の作用を向上させるために一次処置との組み合わせで用いられる処置。
[00134] 補助的療法:一次処置の作用を向上させるために一次処置との組み合わせで用いられる処置。
[00135] 臨床転帰:疾患もしくは障害に関する処置後の、または処置なしでの患者の健康状態を指す。臨床転帰には、死亡までの時間の長さにおける増大、死亡までの時間の長さにおける減少、生存の機会における増大、死亡の危険性における増大、生存、疾患なしでの生存、慢性疾患、転移、進行した、または侵攻性の疾患、疾患の再発、死亡、および療法に対する望ましい、または乏しい応答が含まれるが、それらに限定されない。
[00136] 生存における減少:本明細書で用いられる際、“生存における減少”は、患者の死亡前の時間の長さにおける減少、またはその患者の死亡の危険性における増大を指す。
[00137] 発現のレベルを検出すること:例えば、“miRまたはmiRNA発現のレベルを検出すること”は、試料中に存在するmiRまたはmiRNAの量を定量化することを指す。特定のmiR、またはあらゆるマイクロRNAの発現を検出することは、当技術で既知の、または本明細書で記述されるあらゆる方法を用いて、例えばqRT−PCRにより達成することができる。miRの発現を検出することには、miRNAの成熟形態またはmiRNAの発現と相関している前駆体形態のどちらかの発現を検出することが含まれる。典型的には、miRNA検出法は、例えばRT−PCRによる配列特異的検出を含む。miR特異的プライマーおよびプローブは、その前駆体および成熟したmiR核酸の配列を用いて設計することができ、それは当技術で既知である。
[00138] DNAメチル化は、メチル基のシトシンピリミジン環の5位またはアデニンプリン環の6位の窒素へのメチル基の付加を含む生化学的プロセスである。DNAメチル化は細胞における遺伝子発現パターンを安定して変化させ、遺伝子転写の重要な制御因子である。異常なDNAメチル化パターンは多数のヒトの悪性腫瘍と関連付けられており、2つの別個の形態で見付かっている:正常組織と比較した過剰メチル化および低メチル化。過剰メチル化は典型的にはプロモーター領域中のCpGアイランドにおいて起こり、遺伝子の不活性化と関係している。全体的な低メチル化もがんの発現および進行に関わっていることが示されてきた。
[00139] メッセンジャーRNA(mRNA)はゲノム情報をDNAからリボソームに運ぶRNA分子の大きなファミリーであり、そこでそれらは遺伝子発現のタンパク質産物のアミノ酸配列を指定する。RNAポリメラーゼによるmRNAの転写後、そのmRNAはアミノ酸のポリマーであるタンパク質へと翻訳される。
[00140] マイクロRNA(miRNA):遺伝子発現を制御する一本鎖RNA分子。マイクロRNAは一般に約22ヌクレオチドの長さである。マイクロRNAは、一次miRNAとして知られる一次転写産物からプロセシングされて前駆体(前)miRNAと呼ばれる短いステムループ構造になり、最終的に機能する成熟したマイクロRNAになる。成熟したマイクロRNA分子は1種類以上のメッセンジャーRNA分子に部分的に相補的であり、それらの主な機能は遺伝子発現を下方制御することである。マイクロRNAは遺伝子発現をRNAi経路を通して制御する。
[00141] miR発現:本明細書で用いられる際、“低miR発現”および“高miR発現”は、試料中にあるmiRNAのレベルを指す相対的な用語である。一部の態様において、低および高miR発現は、対照試料および試験試料の群中のmiRNAレベルの比較により決定される。次いで低および高発現を、試料中の1種類以上のmiRの発現が平均miR発現レベルまたはmiR発現レベルの中央値よりも上である(高い)か、または下である(低い)かに基づいて、それぞれの試料に割り当てることができる。個々の試料に関して、高または低miR発現は、その試料の正常な、高い、もしくは低い発現を有することが既知である対照もしくは基準試料に対する比較により、または標準値に対する比較により決定することができる。低および高miR発現には、miRNAの前駆体もしくは成熟形態のどちらか、または両方の発現が含まれ得る。
[00142] 患者:本明細書で用いられる際、用語“患者”にはヒトおよび非ヒト動物が含まれる。処置に関する好ましい患者はヒトである。“患者”および“対象”は、本明細書において互換的に用いられている。
[00143] 医薬的に許容できるビヒクル:この開示において有用な医薬的に許容できるキャリヤー(ビヒクル)は従来のものである。E. W. Martin, Mack Publishing Co.(ペンシルベニア州イーストン)によるRemington’s Pharmaceutical Sciences、第15版(1975)は、1種類以上の療法化合物、分子または薬剤の医薬的送達に適した組成物および配合物を記載している。
[00144] 一般に、そのキャリヤーの性質は、用いられる個々の投与方式に依存するであろう。例えば、非経口配合物は通常、医薬的および生理的に許容できる流体、例えば水、生理食塩水、平衡塩類溶液、水性デキストロース、グリセロール等が含まれる注射可能な流体をビヒクルとして含む。固体組成物(例えば粉末、丸剤、錠剤、またはカプセルの形態)に関して、一般に用いられる非毒性の固体のキャリヤーには、例えば医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムが含まれ得る。生物学的に中性のキャリヤーに加えて、投与される予定の医薬組成物は、少量の非毒性の補助的物質、例えば湿潤または乳化剤、保存剤、およびpH緩衝剤等、例えば酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含有することができる。
[00145] 疾患を予防、処置または改善すること:疾患を“予防すること”は、疾患の完全な発現を抑制することを指す。“処置すること”は、疾患の徴候もしくは症状または病的状態をそれが発現し始めた後に改善する療法的介入を指す。“改善すること”は、疾患の徴候または症状の数または重症度における低減を指す。
[00146] 予後不良:一般に生存における減少、または言い換えれば死亡の危険性における増大もしくは死亡までの時間における減少を指す。予後不良は、疾患の重症度における増大、例えばがんの他の組織および/または器官への拡散(転移)における増大も指し得る。
[00147] スクリーニング:本明細書で用いられる際、“スクリーニング”は、そのような疾患に影響を及ぼす候補薬剤を評価および同定するために用いられるプロセスを指す。マイクロRNAの発現は、当技術で既知の、および本明細書で記述されるいくつかの技法のいずれか1つを用いて、例えばマイクロアレイ分析により、またはqRT−PCRにより定量化することができる。
[00148] 小分子:典型的には約1000ダルトン未満、または一部の態様において約500ダルトン未満の分子量を有する分子、ここでその分子はある測定可能な程度まで標的分子の活性を調節することができる。
[00149] 療法的:診断および処置の両方が含まれる総称。
[00150] 療法剤:対象に適切に投与された際に所望の療法的または予防的作用を誘導することができる化学化合物、小分子、または他の組成物、例えばアンチセンス化合物、抗体、プロテアーゼ阻害剤、ホルモン、ケモカインまたはサイトカイン。
[00151] 本明細書で用いられる際、“候補薬剤”または“試験化合物”は、それが療法剤として機能することができるかどうかを決定するためのスクリーニングのために選択された化合物である。“保温すること”には、薬剤に関する細胞または組織と相互作用するための十分な長さの時間が含まれる。“接触させること”には、固体または液体形態の薬剤を細胞または組織と共に保温することが含まれる。細胞または組織を薬剤で“処置すること”には、その薬剤をその細胞もしくは組織と接触させること、またはその薬剤をその細胞もしくは組織と共に保温することが含まれる。
[00152] 療法上有効量:その薬剤で処置されている対象において、または細胞において所望の作用を達成するために十分な明記された医薬または療法剤の量。薬剤の有効量は、処置されている対象または細胞、およびその療法組成物の投与の方法が含まれるがそれらに限定されないいくつかの要因に依存するであろう。
[00153] 本方法の一部の態様において、対照の使用が望ましい。その点において、その対照は同じ患者から得られた非がん性組織試料、または健康な対象、例えば健康な組織提供者から得られた組織試料であってよい。別の例において、その対照は既存の(historical)値から計算された標準である。1態様において、その対照は乳がんのがん性組織試料である。その対照は、既知の形成異常、既知のがんのタイプ、既知の変異状態、および/または既知の腫瘍の病期の組織に由来していてよい。1態様において、その対照は浸潤性腺管癌に由来する既存の平均値である。別の態様において、その対照は非浸潤性腺管癌に由来する既存の平均値である。1態様において、その対照はより早い時点におけるその患者の腫瘍試料からのものであり;この態様は、乳がんの進行または寛解を評価する場合に特に有用であり得る。
[00154] 腫瘍試料および非がん性組織試料は、当技術で既知のあらゆる方法に従って得ることができる。例えば、腫瘍および非がん性試料は、切除を受けたがん患者から得ることができ、またはそれらは皮下針を用いた抜き取りにより、顕微手術により、もしくはレーザー捕獲により得ることができる。対照(非がん性)試料は、例えば死体提供者から、または健康な提供者から得ることができる。
[00155] その対象から得られた試料中のmiR遺伝子産物のレベルにおける、対照試料中の対応するmiR遺伝子産物のレベルと比較した変化(例えば増大または減少)は、その対象におけるがん関連疾患の存在を示している。
[00156] 1態様において、その試験試料中の少なくとも1種類のmiR遺伝子産物のレベルはその対照試料中の対応するmiR遺伝子産物のレベルよりも大きい(すなわち、そのmiR遺伝子産物の発現は“上方制御されている”)。本明細書で用いられる際、miR遺伝子産物の発現は、対象からの細胞または組織試料中のmiR遺伝子産物の量が対照の細胞または組織試料中の同じ遺伝子産物の量よりも大きい場合に“上方制御されている”。
[00157] 別の態様において、その試験試料中の少なくとも1種類のmiR遺伝子産物のレベルは対照試料中の対応するmiR遺伝子産物のレベルよりも小さい(すなわち、そ
のmiR遺伝子産物の発現は“下方制御されている”)。本明細書で用いられる際、miR遺伝子の発現は、対象からの細胞または組織試料中のその遺伝子から産生されたmiR遺伝子産物の量が対照の細胞または組織試料中の同じ遺伝子から産生された量よりも少ない場合に“下方制御されている”。
のmiR遺伝子産物の発現は“下方制御されている”)。本明細書で用いられる際、miR遺伝子の発現は、対象からの細胞または組織試料中のその遺伝子から産生されたmiR遺伝子産物の量が対照の細胞または組織試料中の同じ遺伝子から産生された量よりも少ない場合に“下方制御されている”。
[00158] 対照および正常な試料中の相対的なmiR遺伝子発現は、1種類以上のRNA発現標準に関して決定することができる。その標準は、例えばゼロmiR遺伝子発現レベル、標準的な細胞株におけるそのmiR遺伝子の発現レベル、その対象の冒されていない組織におけるそのmiR遺伝子の発現レベル、または以前に正常なヒトの対照の集団に関して得られたmiR遺伝子発現の平均レベルを含み得る。
[00159] 試料中のmiR遺伝子産物のレベルは、生物学的試料中のRNA発現レベルを検出するのに適したあらゆる技法を用いて測定することができる。生物学的試料(例えば細胞、組織)中のRNA発現レベルを決定するための適切な技法(例えばノーザンブロット分析、RT−PCR、インサイチュハイブリダイゼーション)は、当業者には周知である。特定の態様において、少なくとも1種類のmiR遺伝子産物のレベルはノーザンブロット分析を用いて検出される。例えば、細胞の全RNAを細胞から核酸抽出緩衝液の存在下でのホモジナイゼーション、続いて遠心分離により精製することができる。核酸が沈殿し、DNAをDNA分解酵素による処理および沈殿により除去する。次いでそのRNA分子を標準的な技法に従うアガロースゲル上でのゲル電気泳動により分離し、ニトロセルロースフィルターに転写する。次いでそのRNAを加熱によりそのフィルター上に固定する。特定のRNAの検出および定量化は、問題のRNAに相補的な適切に標識されたDNAまたはRNAプローブを用いて成し遂げられる。例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, J. Sambrook et al.(編者), 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989, 第7章を参照、その全開示を参照により援用する。
[00160] 一部の態様において、スクリーニングはその候補薬剤/試験化合物を細胞と接触させることを含む。その細胞は患者から得られた初代細胞であることができ、またはその細胞は不死化された、もしくは形質転換された細胞であることができる。
[00161] その候補薬剤/試験化合物は、あらゆるタイプの薬剤、例えばタンパク質、ペプチド、小分子、抗体または核酸であることができる。一部の態様において、その候補薬剤はサイトカインである。一部の態様において、その候補薬剤は小分子である。スクリーニングには、高スループットスクリーニングおよび個々の候補薬剤または候補薬剤の小さな群のスクリーニングの両方が含まれる。
[00162] マイクロRNAの検出
[00163] 本明細書における一部の態様において、試料中に存在するmiRNAを同定することが望ましい。
[00163] 本明細書における一部の態様において、試料中に存在するmiRNAを同定することが望ましい。
[00164] 前駆体マイクロRNA(前miRNA)および成熟miRNAの配列は、例えばサンガー研究所によりオンラインで利用可能なmiRBaseデータベースにより、公的に利用可能である(Griffiths-Jones et al., Nucleic Acids Res. 36:D154-D158, 2008; Griffiths-Jones et al., Nucleic Acids Res. 34:D140-D144, 2006;およびGriffiths-Jones, Nucleic Acids Res. 32:D109-D111, 2004を参照)。本明細書で開示される好ましいファミリーのメンバーの前駆体および成熟形態の配列は、本明細書で提供されている。
[00165] RNA発現の検出および定量化は、当技術分野で周知のいくつかの方法のいずれか1つにより達成することができる。RNAファミリーのメンバーに関する既知の配
列を用いて、特異的なプローブおよびプライマーを適宜下記で記述される検出法における使用のために設計することができる。
列を用いて、特異的なプローブおよびプライマーを適宜下記で記述される検出法における使用のために設計することができる。
[00166] 一部の場合において、RNA検出法は試料、例えば細胞または組織試料からの核酸の単離を必要とする。RNAおよび特にmiRNAが含まれる核酸は、当技術分野で既知のあらゆる適切な技法を用いて単離することができる。例えば、フェノールに基づく抽出はRNAの単離のための一般的な方法である。フェノールに基づく試薬は、細胞および組織の破壊ならびにそれに続く夾雑物からのRNAの分離のために、変性剤およびRNA分解酵素阻害剤の組み合わせを含有する。フェノールに基づく単離手順は、10〜200ヌクレオチドの範囲のRNA種(例えば、前駆体および成熟miRNA、5Sおよび5.8SリボソームRNA(rRNA)、ならびにU1核内低分子RNA(snRNA))を回収することができる。加えて、抽出手順、例えばTRIZOL(商標)またはTRI REAGENT(商標)を用いる抽出手順は、全てのRNA(大分子および小分子)を精製すると考えられ、miRNAおよび低分子干渉RNA(siRNA)を含有する生物学的試料から全RNAを単離するための効率的な方法である。
[00167] 一部の態様において、マイクロアレイの使用が望ましい。マイクロアレイは、複雑な生化学的試料の並行分析を可能にする、核酸、タンパク質、小分子、細胞または他の物質の微視的な整列したアレイである。DNAマイクロアレイは、マイクロチップ、スライドガラスまたはマイクロスフィアの大きさのビーズであることができる固体支持体に化学的に結合している捕捉プローブとして知られる異なる核酸プローブを有する。マイクロアレイは、例えば多数のメッセンジャーRNA(mRNA)および/またはmiRNAの発現レベルを同時に測定するために用いることができる。
[00168] マイクロアレイは、微細に尖ったピンによるスライドガラス上への印刷、予め作られたマスクを用いたフォトリソグラフィー、動的マイクロミラー装置を用いたフォトリソグラフィー、インクジェット印刷、または微小電極アレイ上での電気化学が含まれる様々な技術を用いて製作することができる。
[00169] 例えばmiRNAのマイクロアレイ分析は(これらの手順はあらゆるRNA分析のために改変した形態で用いることができるが)、当技術分野で既知のあらゆる方法に従って成し遂げることができる。1つの例において、RNAを細胞または組織試料から抽出し、低分子RNA(18〜26ヌクレオチドのRNA)を全RNAから変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いてサイズ選択する。オリゴヌクレオチドリンカーをその低分子RNAの5’および3’末端に結合させ、得られたライゲーション産物を、10サイクルの増幅を用いるRT−PCR反応のための鋳型として用いる。センス鎖PCRプライマーはその5’末端に結合した蛍光体を有し、それによりそのPCR産物のセンス鎖を蛍光標識する。そのPCR産物を変性させ、次いでマイクロアレイにハイブリダイズさせる。PCR産物(標的核酸と呼ばれ、そのアレイ上の対応するmiRNA捕捉プローブ配列に相補的である)は、塩基対合によりその捕捉プローブが固定されているスポットにハイブリダイズするであろう。次いでそのスポットはマイクロアレイレーザースキャナーを用いて励起した際に蛍光を発するであろう。次いでそれぞれのスポットの蛍光強度を、いくつかの陽性および陰性対照ならびにアレイデータ正規化法を用いて個々のmiRNAのコピー数に換算して評価し、それは結果として個々のmiRNAの発現のレベルの評価をもたらすであろう。
[00170] 代わりの方法において、細胞または組織試料から抽出された低分子RNA画分(miRNAが含まれる)を含有する全RNAを低分子RNAのサイズ選択なしで直接用いて、T4RNAリガーゼおよびどちらかの蛍光標識された短いRNAリンカーを用いて3’末端標識する。そのRNA試料を30℃で2時間の保温により標識し、続いて80
℃で5分間のT4RNAリガーゼの熱不活性化を行う。アレイ上の対応するmiRNA捕捉プローブ配列に相補的な蛍光体標識されたmiRNAは、塩基対合によりその捕捉プローブが固定されているスポットにハイブリダイズするであろう。マイクロアレイ走査およびデータ処理は上記で記述したように実施される。
℃で5分間のT4RNAリガーゼの熱不活性化を行う。アレイ上の対応するmiRNA捕捉プローブ配列に相補的な蛍光体標識されたmiRNAは、塩基対合によりその捕捉プローブが固定されているスポットにハイブリダイズするであろう。マイクロアレイ走査およびデータ処理は上記で記述したように実施される。
[00171] スポットされたオリゴヌクレオチドのマイクロアレイ、予め製作された(pre−fabricated)オリゴヌクレオチドのマイクロアレイおよびスポットされた長いオリゴヌクレオチドのアレイを含め、用いられるいくつかのタイプのマイクロアレイが存在する。スポットされたオリゴヌクレオチドのマイクロアレイでは、捕捉プローブはmiRNA配列に相補的なオリゴヌクレオチドである。このタイプのアレイは典型的には、2種類の異なる蛍光体で標識されている比較すべき2つの試料(例えば非がん性組織およびがん性または試料組織)からのサイズ選択された低分子RNAの増幅されたPCR産物とハイブリダイズさせる。あるいは、(miRNAが含まれる)低分子RNA画分を含有する全RNAをその2つの試料から抽出し、低分子RNAのサイズ選択なしで直接用いて、T4RNAリガーゼおよび2種類の異なる蛍光体で標識された短いRNAリンカーを用いて3’末端標識する。その試料を混合して単一のマイクロアレイにハイブリダイズさせ、次いでそれを走査し、上方制御および下方制御されたmiRNA遺伝子の可視化が1アッセイで可能になる。
[00172] 予め製作されたオリゴヌクレオチドマイクロアレイまたは単一チャンネルマイクロアレイでは、そのプローブは既知の、または予想されるmiRNAの配列にマッチするように設計されている。完全なゲノムをカバーする商業的に入手可能な設計が存在する(例えば、AffymetrixまたはAgilentからのもの)。これらのマイクロアレイは遺伝子発現の絶対値の推定を与え、従って2つの条件の比較は2つの別々のマイクロアレイの使用を必要とする。
[00173] スポットされた長いオリゴヌクレオチドのアレイは50〜70塩基長のオリゴヌクレオチドの捕捉プローブからなり、インクジェットまたはロボット印刷のどちらかにより製造される。短いオリゴヌクレオチドのアレイは20〜25塩基長のオリゴヌクレオチドのプローブからなり、フォトリソグラフィーでの合成により(Affymetrix)、またはロボット印刷により製造される。
[00174] 一部の態様において、定量的RT−PCRの使用が望ましい。定量的RT−PCR(qRT−PCR)は、ポリメラーゼ連鎖反応の産物の量を迅速に測定するために用いられる、ポリメラーゼ連鎖反応の改変である。qRT−PCRは一般に、ある遺伝子配列、例えばmiRが試料中に存在するかどうか、そしてそれが存在する場合、その試料中のコピー数を決定する目的で用いられる。miRNAを含め、核酸分子の発現を決定することができるあらゆるPCRの方法が本開示の範囲内に入る。当技術で既知のqRT−PCR法のいくつかのバリエーションが存在し、その3つを下記で記述する。
[00175] 定量的ポリメラーゼ連鎖反応のための方法には、アガロースゲル電気泳動、SYBR Green(二本鎖DNA色素)の使用、および蛍光レポータープローブの使用による方法が含まれるが、それらに限定されない。後者2つはリアルタイムで分析することができる。
[00176] アガロースゲル電気泳動により、未知の試料および既知の試料を、標的DNAの既知の濃度の同様にサイズ分けした区分を用いて増幅のために調製する。両方の反応を、同一の条件で(好ましくは同じプライマーまたは少なくとも類似のアニーリング温度のプライマーを用いて)同じ長さの時間の間運転する。アガロースゲル電気泳動を用いてその反応の産物をそれらの元のDNAおよび余分なプライマーから分離する。既知および
未知の試料の相対的な量を測定して、未知の試料の量を決定する。
未知の試料の相対的な量を測定して、未知の試料の量を決定する。
[00177] SYBR Green色素の使用はアガロースゲル法よりも正確であり、結果をリアルタイムで与えることができる。DNA結合色素は全ての新しく合成された二本鎖DNAに結合し、蛍光強度における増大が測定され、そうして初期濃度を決定することが可能になる。しかし、SYBR Greenはあらゆる予想外のPCR産物ならびにプライマーダイマーを含む全ての二本鎖DNAを標識し、それは混乱およびアーティファクトの可能性につながる。その反応は通常通り蛍光二本鎖DNA色素の添加により調製される。その反応を運転し、蛍光のレベルを監視する(その色素は二本鎖DNAに結合した場合のみ蛍光を発する)。標準試料または標準曲線を参照して、そのPCRにおける二本鎖DNA濃度を決定することができる。
[00178] 蛍光レポータープローブ法は、全ての二本鎖DNAではなくプローブ配列のみを定量化するために、配列特異的な核酸に基づくプローブを用いる。それは一般に、隣接した位置に保持された蛍光レポーターおよび消光物質を有するDNAに基づくプローブ(いわゆる二重標識プローブ)を用いて実施される。レポーターの消光物質への密接な近接はその蛍光を妨げ;その蛍光が検出されるのはそのプローブが壊れた際のみである。このプロセスは、関わっているポリメラーゼの5’から3’へのエキソヌクレアーゼ活性に依存している。
[00179] そのリアルタイム定量的PCR反応は、二重標識プローブの添加により調製される。その二本鎖DNA鋳型が変性すると、そのプローブはその鋳型DNAの対象の領域中のその相補配列に結合することができる。そのPCR反応混合物を加熱してポリメラーゼを活性化した際、そのポリメラーゼはプライマーが結合した(primed)一本鎖鋳型DNAに対する相補鎖の合成を開始する。重合が継続するにつれて、それはその相補配列に結合したプローブに到達し、次いでそれはそのポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ活性により加水分解され、それによりその蛍光レポーターおよび消光物質分子が分離される。これは結果として蛍光の増大をもたらし、それが検出される。リアルタイムPCR反応の熱サイクルの間、それぞれのPCRサイクルにおいて加水分解された二重標識プローブから放出されるような蛍光における増大が監視され、それは最終的な、従って最初のDNAの量の正確な決定を可能にする。
[00180] 一部の態様において、インサイチュハイブリダイゼーションの使用が望ましい。インサイチュハイブリダイゼーション(ISH)は、核酸ハイブリダイゼーションの技術を単一細胞レベルに適用および外挿し、細胞化学、免疫細胞化学、および免疫組織化学の技術分野との組み合わせで、形態の維持ならびに維持および同定されるべき細胞マーカーの同定を可能にし、集団、例えば組織および血液試料内の特定の細胞への配列の局在確認を可能にする。ISHは、相補的核酸を用いて組織の一部または切片中の(インサイチュ)、またはその組織が十分に小さい場合は組織全体中の(ホールマウントISH)1種類以上の特定の核酸配列の位置を特定するタイプのハイブリダイゼーションである。RNA ISHを用いて組織中の発現パターン、例えばmiRNAの発現をアッセイすることができる。
[00181] プローブ、例えばmiRNA特異的プローブが細胞に入ることを可能にするため、試料細胞または組織を処理してそれらの透過性を増大させる。そのプローブを処理した細胞に添加し、適切な温度でハイブリダイズさせ、過剰なプローブを洗い流す。相補的プローブは、組織中のそのプローブの位置および量をオートラジオグラフィー、蛍光顕微鏡法または免疫アッセイを用いて決定することができるように、放射性、蛍光または抗原性タグで標識されている。その試料は、本明細書で記述されているようなあらゆる試料、例えば非がん性またはがん性組織試料であってよい。個々のmiRの配列は既知である
ため、miR特異的プローブをそのプローブが特定のmiR遺伝子産物に特異的に結合するように適宜設計することができる。mRNAに特異的なプローブを利用することもできる。
ため、miR特異的プローブをそのプローブが特定のmiR遺伝子産物に特異的に結合するように適宜設計することができる。mRNAに特異的なプローブを利用することもできる。
[00182] RNAの検出のため、インサイチュPCRの前に細胞内逆転写工程を用いてRNA鋳型から相補的DNAを生成することができる。これは低コピーRNA配列の検出を可能にする。
[00183] 細胞内PCR産物の検出は一般に、PCR産物特異的プローブを用いたISHによる間接的インサイチュPCR、または熱サイクルの間にPCR産物中に組み込まれた標識されたヌクレオチド(例えばジゴキシゲニン−11−dUTP、フルオレセイン−dUTP、3H−CTPまたはビオチン−16−dUTP)の直接検出によるISHなしの直接的インサイチュPCRのような技法により達成される。
[00184] 一般的論考
[00185] エストロゲン受容体(ER)陽性およびER陰性乳がんは、分子的な点で別個の疾患である。2つの重要な分子シグネチャー:PRおよびヒト上皮成長因子受容体2型(HER2)は、現在分類および処置の線引き(delineation)において基礎的であると信じられている。ER、プロゲステロン受容体(PR)、およびHER2の発現を欠いている“トリプルネガティブ”乳がん(TNBC)は、現在の標的化療法に反応しない侵攻性の悪性腫瘍である。非浸潤性腺管癌(DCIS)は、基底膜を通る浸潤のない乳管内の悪性細胞の増殖を反映する病変の不均一な群である。全乳がんの約80%がBCの最も高頻度なタイプである浸潤性腺管癌(IDC)である。別個の分子亜型の乳房腫瘍(luminal A/B、HER2+、およびbasal−like)は劇的に異なるmRNAプロファイルを有する。乳房腫瘍発生の1つの仮説は、上皮の過剰増殖からDCISへ、次いで浸潤癌(IDC)への漸進的な転換を仮定する。この進行モデルは、臨床および疫学的データにより、ならびに分子的クローン性研究により強く支持されている。1980年まで、DCISは稀にしか診断されず、BCの1%未満に相当していた。マンモグラフィーの使用の増大と共に、DCISは米国における新規に診断されたBCの症例の15%〜25%を占めるBCの最も急速に増大する亜集団になった。
[00185] エストロゲン受容体(ER)陽性およびER陰性乳がんは、分子的な点で別個の疾患である。2つの重要な分子シグネチャー:PRおよびヒト上皮成長因子受容体2型(HER2)は、現在分類および処置の線引き(delineation)において基礎的であると信じられている。ER、プロゲステロン受容体(PR)、およびHER2の発現を欠いている“トリプルネガティブ”乳がん(TNBC)は、現在の標的化療法に反応しない侵攻性の悪性腫瘍である。非浸潤性腺管癌(DCIS)は、基底膜を通る浸潤のない乳管内の悪性細胞の増殖を反映する病変の不均一な群である。全乳がんの約80%がBCの最も高頻度なタイプである浸潤性腺管癌(IDC)である。別個の分子亜型の乳房腫瘍(luminal A/B、HER2+、およびbasal−like)は劇的に異なるmRNAプロファイルを有する。乳房腫瘍発生の1つの仮説は、上皮の過剰増殖からDCISへ、次いで浸潤癌(IDC)への漸進的な転換を仮定する。この進行モデルは、臨床および疫学的データにより、ならびに分子的クローン性研究により強く支持されている。1980年まで、DCISは稀にしか診断されず、BCの1%未満に相当していた。マンモグラフィーの使用の増大と共に、DCISは米国における新規に診断されたBCの症例の15%〜25%を占めるBCの最も急速に増大する亜集団になった。
[00186] 正常からDCISへの転換の間に劇的な変化が起こるが、驚くべきことに、同じ組織学的亜型の非浸潤性および浸潤性乳癌は一般に同じ遺伝的および後成的変化ならびに発現パターンを共有している。
[00187] 対照的に、異なる亜型(luminal、HER2+、およびbasal−like)の乳房腫瘍のmRNAプロファイルは劇的に異なる。TP53、PTEN、PIK3CA、ERBB2、MYCが含まれる数多くの腫瘍抑制因子およびがん遺伝子の発現および変異状態がDCISおよびIDCにおいて分析されており、腫瘍亜型による違いが見付かっているが、組織学的病期による違いは見付かっていない。例えば、TP53における変異はbasal−likeおよびHER2+亜型においてluminal腫瘍と比較してより高頻度であり;basal−likeの症例ではPIK3CAは稀にしか変異していないがPTENは高頻度で失われており、ERBB2の増幅はHER2+亜型に特異的である。それらの生物学的機能に基づいて選択されたいくつかの候補遺伝子の発現がDCISにおいても分析されてきた。
[00188] 本明細書において、正常な乳房から非浸潤性腺管癌への転換に関して確立されたマイクロRNAプロファイルは大部分が非浸潤性腺管癌から浸潤性腺管癌への転換において維持されていることが示されている。
[00189] 加えて、9マイクロRNAシグネチャーを用いて浸潤癌を非浸潤癌から識別することができることが示されている。具体的には、let−7d、miR−210および−221は非浸潤癌において下方制御され、浸潤性転換において上方制御されており、従ってがんの進行経路に沿った発現の逆転を特徴としていることが示された。
[00190] 全生存および転移までの時間に関するマイクロRNAシグネチャーも記述する。5種類の非コード遺伝子:miR−210、miR−21、miR−106b*、miR−197およびlet−7iが両方の予後予測シグネチャーと関係しており;miR−210は浸潤性転換にも関わっている唯一の非コード遺伝子である。浸潤性転換において影響を受ける重要な細胞機能を特定するため、miR−210に対して逆相関するプロファイルを有するタンパク質コード遺伝子:BRCA1、FANCD、FANCF、PARP1、E−カドヘリン、Rb1の同定が行われ、それは全て非浸潤癌において活性化されており、浸潤癌において下方制御されていた。
[00191] 加えて、キナーゼドメインを欠き、非浸潤性腺管癌においてのみ過剰発現されている切り詰められたEGFRのような、特別な特徴を有する差次的スプライシングイソ型を本明細書において記述する。
[00192] 正常な乳房、非浸潤性および浸潤性腺管癌が含まれる乳がんに関する高度に情報価値のあるmiRNAプロファイルを発見するため、大規模配列決定からのマイクロRNAデータを調べた。本明細書で記述されるような本発明の態様は、BCの進行、診断の実施、進行の予測、生存時間の推定、および転移の予測においてmiRNAを適用する知識および方法を実質的に拡張する。
[00193] 本明細書において、正常な乳房/DCISおよびDCIS/IDC転換に関わるmiR−210および他の重要なmiRNAの役割を記述する。
[00194] 本明細書において、組織学的および分子的BCタイプにおいて差次的に制御されているマイクロRNAも記述する。これは、それがここで転移までの時間および全生存と関係するマイクロRNAを同定するため、特に有用であり、特別な臨床的関連性を有する。予後予測シグネチャーにおいて同定された全ての非コード遺伝子は、miR−21を除いて、転帰不良と関係している。DCISにおいて高度に増大するmiR−21の発現は、IDCにおいて維持されており、または低下してさえいた。
[00195] 本明細書における実施例において特筆されるように、整えられた(trimmed)データセットにおいて、miR−423−3pはなお全生存において多変量Cox回帰により、および一変量分析により有意であった。予後と関係するmiRNAの数は拡張され、miR−210は確証された。
[00196] 本明細書における実施例において、miR−126および−335はDCIS/IDC転換において下方制御される5種類のmiRNAの中にあった。それでもなお、それらは転移までの時間または全生存とは関係していなかった。DCIS/IDC転換において下方制御される別のmiRNAはmiR−10bであった;しかし、miR−10bの転移への関連付けは存在しなかった。
[00197] 本明細書で記述される浸潤性マイクロRNAシグネチャーを用いて、BCの進行に関連付けられる遺伝子および機能を同定するためにさらなる分析を実施した。浸潤性シグネチャー中の9種類のmiRNAの中で、miR−210は予後に関連付けられ発現の逆転を示す唯一のmiRNAであった。従って、次いで本発明者らはBCの進行の間にmiR−210に対して拮抗的に振る舞うタンパク質コード遺伝子を決定した。これら
の遺伝子に関して、本発明者らは脱制御された経路を同定し、それは今度は重要な乳がん遺伝子の小さな群に対応していた。DCISにおいて活性化され、IDCにおいて下方制御されるこれらの遺伝子には、BRCA1、RB1、FANCD、FANCF、PP2CA、EGFR、PARP1、NLK、CDH1およびEHMT1が含まれていた(図5および図6)。
の遺伝子に関して、本発明者らは脱制御された経路を同定し、それは今度は重要な乳がん遺伝子の小さな群に対応していた。DCISにおいて活性化され、IDCにおいて下方制御されるこれらの遺伝子には、BRCA1、RB1、FANCD、FANCF、PP2CA、EGFR、PARP1、NLK、CDH1およびEHMT1が含まれていた(図5および図6)。
[00198] 従って、1つの広い観点において、本明細書において、IDC患者における浸潤性に特異的な9種類のmiRNAのマイクロシグネチャーならびに転移までの時間および全生存に関連付けられた5種類のmiRNAを記述する。
[00199] 特定の観点において、本明細書において、miR−210はBCの進行の間に制御されており、2つの予後予測シグネチャーの構成要素でもあるという発見を記述する。
[00200] 別の特定の観点において、本明細書において、miR−210に拮抗的な様式で発現されている非常に顕著なBC遺伝子のセットを記述する。
[00201] 本発明は以下の実施例においてさらに定義され、別途記載しない限り、ここで全ての部および百分率は重量によるものであり、度はセ氏である。これらの実施例は、本発明の好ましい態様を示すものであるが、説明としてのみ与えられていることは理解されるべきである。上記の論考およびこれらの実施例から、当業者はこの発明の本質的な特徴を確かめることができ、その精神および範囲から逸脱せずに、本発明の様々な変更および修正を行ってそれを様々な使用および条件に適応させることができる。この明細書中で言及される特許および非特許文献が含まれる全ての刊行物は、参照により明確に援用される。以下の実施例は本発明の特定の好ましい態様を説明することを意図しており、そのように明記されない限り、特許請求の範囲において定義される通りの本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
[00202] 従って、本発明の価値は本明細書における実施例への参照により理解することができる。
[00203]
[00204] 実施例1
[00205] 材料および方法
[00206] 乳房miRNAプロファイルの最適代表に関する98,000の読みの最小運転複雑性を、複雑性50を用いることにより決定した。代表50を中心とした最近傍の複雑性の中央値としての複雑性50を計算した(図7)。従って、この試験に含まれたのは、複雑性50よりも大きい複雑性を有する運転のみであった(185個の試料から107個の試料が保持された)。異なる運転の正規化を、RPKMの改変を用いて実施した(Mortazavi A, Williams BA, McCue K, Schaeffer L, & Wold B (2008) Mapping and quantifying mammalian transcriptomes by RNA-Seq. Nat Methods 5(7):621-628)。一部の短いRNA配列に関する生データをFarazi et al. (2011) MicroRNA Sequence and Expression Analysis in Breast Tumors by Deep Sequencing,” Cancer Res. 71(13):4443-4453から得た。
[00205] 材料および方法
[00206] 乳房miRNAプロファイルの最適代表に関する98,000の読みの最小運転複雑性を、複雑性50を用いることにより決定した。代表50を中心とした最近傍の複雑性の中央値としての複雑性50を計算した(図7)。従って、この試験に含まれたのは、複雑性50よりも大きい複雑性を有する運転のみであった(185個の試料から107個の試料が保持された)。異なる運転の正規化を、RPKMの改変を用いて実施した(Mortazavi A, Williams BA, McCue K, Schaeffer L, & Wold B (2008) Mapping and quantifying mammalian transcriptomes by RNA-Seq. Nat Methods 5(7):621-628)。一部の短いRNA配列に関する生データをFarazi et al. (2011) MicroRNA Sequence and Expression Analysis in Breast Tumors by Deep Sequencing,” Cancer Res. 71(13):4443-4453から得た。
[00207] 異なるmiRNA種の長さはほとんど一定であるため、miRNAの長さは正規化に含まれず、従ってそれは単に100万あたりの読み(reads per million)(RPM)として計算された。その発現データは200RPMにおける閾値
であり、発現値の20%未満がmiRNAの中央値からどちらの方向においても1.5倍未満の変化を有するmiRNAを除外した。最終的な発現マトリックスは、107個の試料における159種類のmiRNAに関する測定を含有していた。2標本T検定を2つのクラスの比較(すなわちIDC対DCIS)のために用いた。多変量並べ替え検定を、1000回のランダムな並べ替えに基づいて計算した。誤検出率を用いて多重検定誤差を評価した。偽発見率の評価の信頼水準は80%であり、偽陽性遺伝子の最大の許容される割合は5%であった。本発明者らは、その発現が転移までの時間および全生存に有意に関連しているmiRNAをCox比例ハザードモデルを用いることにより発見した。並べ替え検定を実施し、ここで時間および打ち切り指標(censoring indicators)を試料間でランダムに並べ替えた。有意な遺伝子に関する並べ替えp値を10000回のランダムな並べ替えに基づいて計算した。ハザード比をmiRNA発現レベルにおける2倍変化に関して計算した。Cox回帰に基づくそれぞれの有意なmiRNAに関して、カプラン・マイヤー生存曲線をプロットし、ここでその患者を発現の中央値において2つの群に分け、曲線間の差をログランク検定を用いて評価した。ヒト正常乳房、DCISおよびIDCに関する全トランスクリプトームプロファイルは、AffymetrixヒトゲノムU133 Plus 2.0アレイに由来していた。42の正常な乳房、17のDCIS、51のER+/HER2− IDC、17のHER2+/ER− IDC、17のHER2+/ER+ IDCおよび33のトリプルネガティブIDC試料(25、29)。CELファイルまたはRMAデータはGEOデータベースから得た(GSE3893、GSE2109、GSE21422およびGSE21444)。RMAを分位数正規化と共に用いた。アノテーション、可視化および統合型発見発現分析系統的エクスプローラーのためのデータベース(Database for Annotation, Visualization and Integrated Discovery Expression Analysis Systematic Explorer)(DAVID EASE)を遺伝子オントロジー、疾患関連付けおよびBiocarta経路分析のために用いた。
であり、発現値の20%未満がmiRNAの中央値からどちらの方向においても1.5倍未満の変化を有するmiRNAを除外した。最終的な発現マトリックスは、107個の試料における159種類のmiRNAに関する測定を含有していた。2標本T検定を2つのクラスの比較(すなわちIDC対DCIS)のために用いた。多変量並べ替え検定を、1000回のランダムな並べ替えに基づいて計算した。誤検出率を用いて多重検定誤差を評価した。偽発見率の評価の信頼水準は80%であり、偽陽性遺伝子の最大の許容される割合は5%であった。本発明者らは、その発現が転移までの時間および全生存に有意に関連しているmiRNAをCox比例ハザードモデルを用いることにより発見した。並べ替え検定を実施し、ここで時間および打ち切り指標(censoring indicators)を試料間でランダムに並べ替えた。有意な遺伝子に関する並べ替えp値を10000回のランダムな並べ替えに基づいて計算した。ハザード比をmiRNA発現レベルにおける2倍変化に関して計算した。Cox回帰に基づくそれぞれの有意なmiRNAに関して、カプラン・マイヤー生存曲線をプロットし、ここでその患者を発現の中央値において2つの群に分け、曲線間の差をログランク検定を用いて評価した。ヒト正常乳房、DCISおよびIDCに関する全トランスクリプトームプロファイルは、AffymetrixヒトゲノムU133 Plus 2.0アレイに由来していた。42の正常な乳房、17のDCIS、51のER+/HER2− IDC、17のHER2+/ER− IDC、17のHER2+/ER+ IDCおよび33のトリプルネガティブIDC試料(25、29)。CELファイルまたはRMAデータはGEOデータベースから得た(GSE3893、GSE2109、GSE21422およびGSE21444)。RMAを分位数正規化と共に用いた。アノテーション、可視化および統合型発見発現分析系統的エクスプローラーのためのデータベース(Database for Annotation, Visualization and Integrated Discovery Expression Analysis Systematic Explorer)(DAVID EASE)を遺伝子オントロジー、疾患関連付けおよびBiocarta経路分析のために用いた。
[00208] miRNAは非浸潤性腺管癌から浸潤性腺管癌への転換を定める
[00209] 浸潤性腺管癌(IDC)、非浸潤性腺管癌(DCIS)および正常な乳房に関するmiRNAプロファイルを発見した。配列決定運転の複雑性選択に対する偏りのないアプローチを用いて、乳がんに関する堅牢かつ高度に情報価値のあるmiRNAプロファイルを得た。
[00209] 浸潤性腺管癌(IDC)、非浸潤性腺管癌(DCIS)および正常な乳房に関するmiRNAプロファイルを発見した。配列決定運転の複雑性選択に対する偏りのないアプローチを用いて、乳がんに関する堅牢かつ高度に情報価値のあるmiRNAプロファイルを得た。
[00210] 本明細書において、ヒトのレパートリーを代表するmiRNAプロファイルを生成するために必要な読みの最小数を決定するための手順を記述する(図7)。このBCデータセットに関して、最小限の必要とされる複雑性は98,000の読みのものであった。この閾値を適用して、78の低い複雑性の乳がんの運転を除外し(43%)、107(57%)をさらなる統計分析のために保持した。この整えられたデータセットを用いて、高、中、および低存在量のmiRNA種を代表する発現マトリックスを生成した。66種類のmiRNAがDCISにおいて正常な乳房と比較して差次的に制御されていた(図9−表1および図1)。
[00211] 腫瘍浸潤において特異的に変化しているmiRNAを同定するため、DCISおよびIDCの試料を比較した。9種類のmiRNAがDCISのIDCへの転換において差次的に調節されていた(図10−表2および図11−表3)。この差次的調節は本明細書において一般に“浸潤性マイクロシグネチャー”と呼ばれ、ここで:miR−210、let−7d、miR−181aおよびmiR−221が活性化されており、一方でmiR−10b、miR−126、miR−218、miR−335−5pおよびmiR−143が抑制されていた(図1)。
[00212] これらの9種類のmiRNAの中で、let−7d、miR−210およびmiR−221は、まずDCISにおいて正常と比較して下方制御され、次いでIDCにおいて上方制御される、最も極度の発現における変化を有するmiRNAであった。DCIS/IDC転換に関わっているmiRNAのいずれも、類似の傾向で、早期の正常/DCIS転換には関わっていなかった。腫瘍の悪性度と相関しているmiRNAはなかった。
[00213] 図12−表4、図13−表5、図14−表6および図15−表7において示されるように、IDC亜型において発現を分析し、差次的に発現されているmiRNAを同定した。例は以下の通りである:miR−190はER+/HER2− IDCにおいて過剰発現されており;トリプルネガティブIDCはMycに制御されるmiR17/92発がんmir(oncomir)クラスター、miR−200cおよびmiR−128の活性化を特徴とし;miR−200cはmiR−148aおよびmiR−96と一緒にER+/HER2+二重陽性BCにおいて最も抑制されるmiRNAの中にあった。
[00214] 4つのIDC臨床亜群(ER+/HER2−、HER2+/ER−、ER+/HER2+およびトリプルネガティブ)において脱制御されているmiRNAを、DCISおよび正常な乳房において顕著であるmiRNAと共に図2において示す。乳がん細胞株がその分析に含まれていた。BC分子亜型のmiRNAプロファイルも調べた。Luminal BおよびBasalはmiRNAにより最もよく特性付けられた亜型であった。miR−190およびmiR−425はLuminal Bと関係していた。miR−452、miR−224、miR−155、miR−9およびmiR−17/92クラスターはBasalと関係していた。(図16−表8)
[00215] 腫瘍中に存在するが正常な乳房中には存在せず、BC細胞株中にも存在しないmiRNAは、おそらく混入している細胞型の結果であり;miR−142およびmiR−223が2つのそのようなmiRNAであった(図2)。miR−142およびmiR−223は両方とも、同じ発現クラスター中の別のmiRNAであるmiR−342と同様に、造血系に高度に特異的であることを特筆する(図2)。この非乳房遺伝子クラスター中の他の造血性miRNAには、miR−29およびmiR−26が含まれていた。
[00215] 腫瘍中に存在するが正常な乳房中には存在せず、BC細胞株中にも存在しないmiRNAは、おそらく混入している細胞型の結果であり;miR−142およびmiR−223が2つのそのようなmiRNAであった(図2)。miR−142およびmiR−223は両方とも、同じ発現クラスター中の別のmiRNAであるmiR−342と同様に、造血系に高度に特異的であることを特筆する(図2)。この非乳房遺伝子クラスター中の他の造血性miRNAには、miR−29およびmiR−26が含まれていた。
[00216] 実施例2
[00217] 乳癌における転移までの時間および全生存に関する予後予測miRNAシグネチャー
[00218] miRNAおよび予後の間の関係は、2つの臨床パラメーター:転移までの時間および全生存を用いて発見された。正常/DCIS、DCIS/IDC転換および異なるIDC亜型において差次的に発現しているmiRNA(図2)が同定された。
[00217] 乳癌における転移までの時間および全生存に関する予後予測miRNAシグネチャー
[00218] miRNAおよび予後の間の関係は、2つの臨床パラメーター:転移までの時間および全生存を用いて発見された。正常/DCIS、DCIS/IDC転換および異なるIDC亜型において差次的に発現しているmiRNA(図2)が同定された。
[00219] miR−127−3p、miR−210、miR−185、miR−143*およびlet−7bは、一変量および多変量解析により決定されたように、転移までの時間と有意に関係しているmiRNAの中にあった(図17−表9)。
[00220] miR−210、miR−21、miR−221およびmiR−652は全生存と相関するmiRの中にあり(図18−表10)、miR−210、miR−21、miR−106b*、miR−197およびlet−7iは両方の予後予測シグネチャーに共通していた。これらの5種類の共通のmiRNAの中で、miR−210は浸潤性マイクロシグネチャー中に存在する唯一のmiRNAであった。
[00221] IDC患者の転移までの時間におけるmiR−210に関するカプラン・マイヤー曲線を図3Bにおいて、全生存におけるmiR−210に関するカプラン・マイヤー曲線を図3Aにおいて示す。
[00222] IDCにおける転移までの時間と関係しているmiRNAに関するカプラン・マイヤー曲線を図3C〜3Jにおいて示し、ここで図3CはmiR−127を示し;図3DはmiR−185を示し;図3EはmiR−145*を示し;図3Fはlet−7bを示し;図3GはmiR−197を示し;図3HはmiR−106*を示し;図3IはmiR−21を示し;そして、図3Jはlet−7iを示す。
[00223] IDVにおける全生存と関係しているmiRNAに関するカプラン・マイヤー曲線を図3K〜3Sにおいて示し、ここで図3KはmiR−21を示し;図3LはmiR−221を示し;図3MはmiR−652を示し;図3NはmiR−106b*を示し;図3OはmiR−28−3pを示し;図3PはmiR−197を示し;図3Qはlet−7iを示し;図3RはmiR−423−3pを示し;そして、図3SはmiR−278を示す。
[00224] 実施例3
[00225] 乳がん進行におけるmiR−210およびHIF1Aのカップリング
[00226] miR−210は低酸素状態により誘導可能であり、腫瘍開始に関わる遺伝子を制御しているため、Affymetrixマイクロアレイデータを用いて乳がん進行におけるHIF1AおよびmiR−210に関する一次RNA(一次mir−210)の分析を行った。そのデータは、HIF1Aおよび一次mir−210のRNAの間の非常に優れた相関を示している(p<0.001)。
[00225] 乳がん進行におけるmiR−210およびHIF1Aのカップリング
[00226] miR−210は低酸素状態により誘導可能であり、腫瘍開始に関わる遺伝子を制御しているため、Affymetrixマイクロアレイデータを用いて乳がん進行におけるHIF1AおよびmiR−210に関する一次RNA(一次mir−210)の分析を行った。そのデータは、HIF1Aおよび一次mir−210のRNAの間の非常に優れた相関を示している(p<0.001)。
[00227] それぞれのBC亜型を、成熟miR−210、一次mir−210およびHIF1Aの相対量に関して比較した(図4)。成熟miR−210の発現は、それぞれのBC亜型に関して、および正常な乳房に関して、一次mir−210およびHIF1AのRNAの発現と並んでいることが示されている。そのRNAの測定は、それぞれのRNAに関して群内で全体のパーセントとして示されている。HIF1A、一次mir−210、および成熟miR−210のレベルは常にHER2+/ER−腫瘍において最大であり、一方でHIF1Aおよび一次mir−210の最も低いレベルは正常な乳房においてであった。HIF1Aのレベルは低酸素状態を示すと信じられており、正常な乳房組織におけるHIF1Aの低いレベルは酸素正常状態と一致していた。HIF1AのmRNAはDCISにおいて強く誘導されており、従ってそこで低酸素状態が起こっているようである。従って、低酸素感受性プロモーターにより駆動される一次mir−210の転写がDCISにおいて活性化されていた。HIF1A/一次mir−210の比率は多様なIDC亜群にわたって維持されていた。DCISにおいて、成熟miR−210および一次mir−210 RNAのカップリングに対する1つの例外が存在した。DCISは高レベルのHIF1Aおよび一次mir−210を発現していた(低酸素状態を示唆している)が、その系列における成熟miR−210のはるかに最低のレベルは、厳しい下方制御に関する強い圧力を示している。
[00228] 実施例4
[00229] 乳がん遺伝子の限られたセットが非浸潤性および浸潤性転換を定めている
[00230] 本明細書において記述される結果ならびに浸潤および予後におけるmiR−210の独特の役割を考慮して、BCにおけるその発現により制御されるタンパク質および機能をさらに調べた。42の正常な乳房、17のDCISおよび118のIDC試料(51のER+/HER2−、17のHER2+/ER−、17のHER2+/ER+および33のTNBC)からの全トランスクリプトームを調べた。miR−210の直接的または間接的な標的であることと適合する遺伝子、すなわちmiR−210の挙動に対して拮抗挙動を有し、DCISにおいて上方制御され、かつIDCにおいて下方制御される遺伝子を探した。DCISの症例は4524種類の上方制御されたプローブのセット(89
30種類から、FDR<0.05)を有し;その中で、1761種類のプローブセット(1353種類の遺伝子に対応する)がIDCにおいて下方制御されており、従ってmiR−210の標的またはその下流の作用を表している。乳がんはこれらの遺伝子と有意に関係している唯一の疾患であった(25種類の遺伝子、濃縮p<0.001;図19−表11)
[00231] DCIS/IDC進行軸に沿ってmiR−210に対して拮抗的様式で制御される乳がん遺伝子には、RB1、BRCA1、FANCD、FANCF、PP2CA、PARP1、NLK、E−カドヘリン(CDH1)およびEHMT1が含まれていた(図5および図6)。BCにおいてmiR−210に対して逆相関する遺伝子により制御される経路は以下の通りであった:アポトーシスにおけるカスパーゼカスケード、HER2受容体の再利用、TNFR1シグナル伝達、FASシグナル伝達(CD95)ならびにがんの易罹患性におけるBRCA1、BRCA2およびATR。これらの遺伝子の一部はまた、それらのスプライシングイソ型に応じて差次的に制御されていた。EGFRの古典的イソ型は正常な乳房において発現しており、DCISにおいて下方制御されていた。興味深いことに、チロシンキナーゼドメイン全体を欠いている切り詰められたEGFR変種(uc003tqi.2)は、正常な乳房においてもIDCにおいても発現されていなかったが、DCISにおいて特異的に過剰発現されていた。差次的腫瘍亜群発現を示す他の遺伝子のスプライシング変種は、ニブリンおよびErbB3であった。
[00229] 乳がん遺伝子の限られたセットが非浸潤性および浸潤性転換を定めている
[00230] 本明細書において記述される結果ならびに浸潤および予後におけるmiR−210の独特の役割を考慮して、BCにおけるその発現により制御されるタンパク質および機能をさらに調べた。42の正常な乳房、17のDCISおよび118のIDC試料(51のER+/HER2−、17のHER2+/ER−、17のHER2+/ER+および33のTNBC)からの全トランスクリプトームを調べた。miR−210の直接的または間接的な標的であることと適合する遺伝子、すなわちmiR−210の挙動に対して拮抗挙動を有し、DCISにおいて上方制御され、かつIDCにおいて下方制御される遺伝子を探した。DCISの症例は4524種類の上方制御されたプローブのセット(89
30種類から、FDR<0.05)を有し;その中で、1761種類のプローブセット(1353種類の遺伝子に対応する)がIDCにおいて下方制御されており、従ってmiR−210の標的またはその下流の作用を表している。乳がんはこれらの遺伝子と有意に関係している唯一の疾患であった(25種類の遺伝子、濃縮p<0.001;図19−表11)
[00231] DCIS/IDC進行軸に沿ってmiR−210に対して拮抗的様式で制御される乳がん遺伝子には、RB1、BRCA1、FANCD、FANCF、PP2CA、PARP1、NLK、E−カドヘリン(CDH1)およびEHMT1が含まれていた(図5および図6)。BCにおいてmiR−210に対して逆相関する遺伝子により制御される経路は以下の通りであった:アポトーシスにおけるカスパーゼカスケード、HER2受容体の再利用、TNFR1シグナル伝達、FASシグナル伝達(CD95)ならびにがんの易罹患性におけるBRCA1、BRCA2およびATR。これらの遺伝子の一部はまた、それらのスプライシングイソ型に応じて差次的に制御されていた。EGFRの古典的イソ型は正常な乳房において発現しており、DCISにおいて下方制御されていた。興味深いことに、チロシンキナーゼドメイン全体を欠いている切り詰められたEGFR変種(uc003tqi.2)は、正常な乳房においてもIDCにおいても発現されていなかったが、DCISにおいて特異的に過剰発現されていた。差次的腫瘍亜群発現を示す他の遺伝子のスプライシング変種は、ニブリンおよびErbB3であった。
[00232] 実施例5
[00233] TCGA IDCコホートにおける患者の特徴および統合されたプロファイル
[00234] 統合されたmiRNA/mRNA腫瘍プロファイル(19262種類のmRNAおよび581種類のmiRNA)を、前処理なしの466個の女性患者からの原発性IDC(TCGA IDCコホート)において研究した。完全に特性付けられた(mRNAおよびmiRNAプロファイル)腫瘍を有し、少なくとも1ヶ月の全生存(OS)を有する患者のみがその研究に含められた。TCGAコンソーシアムにより特性付けられたこれらの患者に関する拡張された人口統計を図20において提供する。生のRNA、DNAメチル化(meDNA)、体細胞突然変異および臨床データをTCGAデータポータルから得た。統合されたmRNA/miRNA発現プロファイルを確立するため、我々はmRNAをRPKMとして、miRNAを整列させたmiRNAの読み全体の100万あたりの読みとして正規化した。それぞれの遺伝子に関する正規化された読みのlog2の分散を、全ての分散の中央値に対して比較した。その中央値の遺伝子よりも変動性の大きい遺伝子を、統合されたプロファイル中に保持した(p<0.05)。この強度変動フィルターを用いた後、7735種類のmRNAおよび247種類のmiRNAがその統合されたRNAプロファイル中に存在していた。DNAメチル化(meDNA)を、同じIDCコホートからの296人の患者に対してInfinium 450Kプラットフォームを用いて研究した。M値、すなわちメチル化されたプローブの強度対その対応するメチル化されていないプローブの強度の比率のlog2を用いてCpGメチル化を測定した。Catalogue Of Somatic Mutations In Cancerデータベース(バージョン60)を用いて、がんにおいて機能的体細胞突然変異を有することが知られている遺伝子を同定した。その乳がんデータセットを、大きい腫瘍の標本サイズを評価するため、高度に関連する卵巣がんデータセットを用いて増加させた。結果として一次タンパク質構造の変化をもたらす少なくとも2個の検証された体細胞突然変異を有する遺伝子を同定した。
[00233] TCGA IDCコホートにおける患者の特徴および統合されたプロファイル
[00234] 統合されたmiRNA/mRNA腫瘍プロファイル(19262種類のmRNAおよび581種類のmiRNA)を、前処理なしの466個の女性患者からの原発性IDC(TCGA IDCコホート)において研究した。完全に特性付けられた(mRNAおよびmiRNAプロファイル)腫瘍を有し、少なくとも1ヶ月の全生存(OS)を有する患者のみがその研究に含められた。TCGAコンソーシアムにより特性付けられたこれらの患者に関する拡張された人口統計を図20において提供する。生のRNA、DNAメチル化(meDNA)、体細胞突然変異および臨床データをTCGAデータポータルから得た。統合されたmRNA/miRNA発現プロファイルを確立するため、我々はmRNAをRPKMとして、miRNAを整列させたmiRNAの読み全体の100万あたりの読みとして正規化した。それぞれの遺伝子に関する正規化された読みのlog2の分散を、全ての分散の中央値に対して比較した。その中央値の遺伝子よりも変動性の大きい遺伝子を、統合されたプロファイル中に保持した(p<0.05)。この強度変動フィルターを用いた後、7735種類のmRNAおよび247種類のmiRNAがその統合されたRNAプロファイル中に存在していた。DNAメチル化(meDNA)を、同じIDCコホートからの296人の患者に対してInfinium 450Kプラットフォームを用いて研究した。M値、すなわちメチル化されたプローブの強度対その対応するメチル化されていないプローブの強度の比率のlog2を用いてCpGメチル化を測定した。Catalogue Of Somatic Mutations In Cancerデータベース(バージョン60)を用いて、がんにおいて機能的体細胞突然変異を有することが知られている遺伝子を同定した。その乳がんデータセットを、大きい腫瘍の標本サイズを評価するため、高度に関連する卵巣がんデータセットを用いて増加させた。結果として一次タンパク質構造の変化をもたらす少なくとも2個の検証された体細胞突然変異を有する遺伝子を同定した。
[00235] 生存分析
[00236] IDC腫瘍および患者に関する臨床的共変量を図20において要約する。カプラン・マイヤー分布を計算するため、遺伝子の過剰発現を有する群を発現の中央値より大きい発現を有する試料に割り当てた。生存分布に関する質の試験は、明確に記載された
場合を除いて、ログランク法(Mantel−Cox)を用いて実施した。ハザード比(HR)およびカプラン・マイヤー曲線をそれぞれの独立した下位クラス中のRNAに関して計算した。(同じ臨床または分子クラス内で)少なくとも2つの下位クラスにおいて有意なHRおよびログランク検定(p<0.05)両方を有するRNAを選択した。コード遺伝子の選択のために必要とされる追加の基準は、DNAメチル化のOSとの関係およびCOSMICデータベース中の体細胞突然変異の存在であった。DNAメチル化およびOSの間の関連付けは、一変量Cox回帰を用いて実施された(図26〜図27)。多数決原理投票手順(majority rule voting procedure)をそれぞれの予後予測遺伝子に関するCpG部位の全ての有意なハザード比に適用し(FDR<0.001);例えば1より低い最も有意なCpG HRを有する遺伝子のDNAメチル化は転帰に対して負に相関していると定義されると考えられ、また逆も同様である。多変量解析に関して、そのCox比例ハザードモデルを一変量レベルで統計的有意性(p<0.05)を示した全ての共変量に適用した。ワルド検定を後退段階的(backward
stepwise)選択手順で用いて、有意な独立した予測値を有する遺伝子または共変量を同定し、ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を概算した。全ての報告されたp値は両側であった。全ての分析はSPSS(バージョン21)またはR/BioConductor(バージョン2.10)を用いて実施された。
[00236] IDC腫瘍および患者に関する臨床的共変量を図20において要約する。カプラン・マイヤー分布を計算するため、遺伝子の過剰発現を有する群を発現の中央値より大きい発現を有する試料に割り当てた。生存分布に関する質の試験は、明確に記載された
場合を除いて、ログランク法(Mantel−Cox)を用いて実施した。ハザード比(HR)およびカプラン・マイヤー曲線をそれぞれの独立した下位クラス中のRNAに関して計算した。(同じ臨床または分子クラス内で)少なくとも2つの下位クラスにおいて有意なHRおよびログランク検定(p<0.05)両方を有するRNAを選択した。コード遺伝子の選択のために必要とされる追加の基準は、DNAメチル化のOSとの関係およびCOSMICデータベース中の体細胞突然変異の存在であった。DNAメチル化およびOSの間の関連付けは、一変量Cox回帰を用いて実施された(図26〜図27)。多数決原理投票手順(majority rule voting procedure)をそれぞれの予後予測遺伝子に関するCpG部位の全ての有意なハザード比に適用し(FDR<0.001);例えば1より低い最も有意なCpG HRを有する遺伝子のDNAメチル化は転帰に対して負に相関していると定義されると考えられ、また逆も同様である。多変量解析に関して、そのCox比例ハザードモデルを一変量レベルで統計的有意性(p<0.05)を示した全ての共変量に適用した。ワルド検定を後退段階的(backward
stepwise)選択手順で用いて、有意な独立した予測値を有する遺伝子または共変量を同定し、ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を概算した。全ての報告されたp値は両側であった。全ての分析はSPSS(バージョン21)またはR/BioConductor(バージョン2.10)を用いて実施された。
[00237] 危険予測因子およびROC曲線の定義
[00238] 線形RNA危険予測因子に関する遺伝子の重みを、教師あり主成分法を用いて計算した。低または高危険性(中央値で切った)を有すると予測された症例に関するカプラン・マイヤー生存曲線を、10分割交差検証を用いて生成した。共変量、例えばN期、病期、固有の亜型、年齢、ER状態、PR状態、TP53変異、およびPIK3CA変異を組み込んだ多変量モデルを同様に構築した。交差検証されたカプラン・マイヤー曲線およびログランク統計の統計的有意性を、そのプロセスをその生存データのランダム並べ替えにおいて1000回繰り返すことにより決定した。そのRNAモデルに関して、p値は発現データおよび生存の間に関連は存在しないという帰無仮説を試験した。組み合わせたRNAおよび臨床共変量モデルに関して、そのp値は遺伝子に関する発現データがその共変量と比較した場合に危険予測に有意に加えられる(adds significantly to)かどうかに取り組んだ。
[00238] 線形RNA危険予測因子に関する遺伝子の重みを、教師あり主成分法を用いて計算した。低または高危険性(中央値で切った)を有すると予測された症例に関するカプラン・マイヤー生存曲線を、10分割交差検証を用いて生成した。共変量、例えばN期、病期、固有の亜型、年齢、ER状態、PR状態、TP53変異、およびPIK3CA変異を組み込んだ多変量モデルを同様に構築した。交差検証されたカプラン・マイヤー曲線およびログランク統計の統計的有意性を、そのプロセスをその生存データのランダム並べ替えにおいて1000回繰り返すことにより決定した。そのRNAモデルに関して、p値は発現データおよび生存の間に関連は存在しないという帰無仮説を試験した。組み合わせたRNAおよび臨床共変量モデルに関して、そのp値は遺伝子に関する発現データがその共変量と比較した場合に危険予測に有意に加えられる(adds significantly to)かどうかに取り組んだ。
[00239] そのモデルの転帰を予測する能力を、それぞれのROC曲線のAUCを比較することにより評価した。受信者動作特性(ROC)曲線に関する曲線下面積(AUC)の分析を、打ち切られたデータを用いた時間依存性ROC曲線推定を可能にするRでのsurvivalROCパッケージを用いて実施した。生存分析の全てにおいて、より少ない事象が60ヶ月より後に起こった(カプラン・マイヤー曲線参照)ため、モデルのこの時点における、およびこの時点の周辺における転帰を予測する能力を比較した。ROC曲線は真陽性対偽陽性の予測をプロットし、従ってより高いAUCはよりよいモデルの性能を示す(AUC=0.5はランダムな性能を示す)。RNA危険性スコアおよび群(上記で定義された高危険性および低危険性)は、その線形危険予測因子における加重に基づいていた。
[00240] 34遺伝子の予後予測シグネチャーの検証のための独立したコホート
[00241] TCGA IDCコホートから得られた予後予測シグネチャーを検証するため、合計2104人の患者に関する完全な10年間の追跡調査を有する原発性乳がん患者の7つの遡及的な系列を用いた。UKコホート(n=207)において、その患者の74パーセントがIDCを有し、一方で残りの乳がん患者は大部分が小葉性(12%)または混合型(7%)であった。遠隔再燃なしの生存(DRFS)に向けたUKコホートに関する臨床エンドポイントは、遠隔転移の検出もしくは死亡、またはそのような事象一切なしでの最後の評価の日付(打ち切られた観察)であった。miRNA(GSE22216)
の発現をIllumina miRNA v.1ビーズチップを用いて測定し、mRNA(GSE22219)の発現をIllumina Human RefSeq−8ビーズチップを用いて測定した。そのアッセイは24332種類のmRNAおよび488種類のmiRNAを測定した。分位数正規化を両方のアッセイに関して、および統合されたプロファイルに関して用いた。mRNA予後予測構成要素の検証を6つの追加のAffymetrix乳がんプロファイルに対して実施した。Wangコホートは180人のリンパ節陰性の再燃のない患者および106人の遠隔転移を発現したリンパ節陰性の患者により構成されていた(GSE2034、n=286)。Hatzisコホートはネオアジュバントタキサン−アントラサイクリン化学療法後の応答および生存を研究するために用いられた(GSE25066、n=508)。Kaoコホートは、327個の乳がん試料の遺伝子発現プロファイルを通して乳がんの分子亜型を同定し、異なる乳がん亜型の分子的および臨床的特徴を決定するために用いられた(GSE20685、n=327)。Bosコホートは、がんの最も恐れられる合併症および成人における最も一般的な頭蓋内悪性腫瘍の1つである脳転移を研究するために用いられた(GSE12276、n=195)。TNBCコホートは、トリプルネガティブ乳がんを特性付けるためにドイツ人の患者から集められた(GSE31519、n=383)。TRANSBIGコホートはベルギー人の患者で構成されており、リンパ節陰性の患者における遠隔転移の予測のために76遺伝子の予後予測シグネチャーの検証に適用された(GSE7390、n=198)。DRFSは、OSが用いられたKaoおよびTRANSBIGを除いて全ての検証コホートに関する臨床エンドポイントであった。その7つの検証コホートは、その34遺伝子の統合されたシグネチャーの他の予後予測BCシグネチャーに対する比較のためにも用いられた。
[00241] TCGA IDCコホートから得られた予後予測シグネチャーを検証するため、合計2104人の患者に関する完全な10年間の追跡調査を有する原発性乳がん患者の7つの遡及的な系列を用いた。UKコホート(n=207)において、その患者の74パーセントがIDCを有し、一方で残りの乳がん患者は大部分が小葉性(12%)または混合型(7%)であった。遠隔再燃なしの生存(DRFS)に向けたUKコホートに関する臨床エンドポイントは、遠隔転移の検出もしくは死亡、またはそのような事象一切なしでの最後の評価の日付(打ち切られた観察)であった。miRNA(GSE22216)
の発現をIllumina miRNA v.1ビーズチップを用いて測定し、mRNA(GSE22219)の発現をIllumina Human RefSeq−8ビーズチップを用いて測定した。そのアッセイは24332種類のmRNAおよび488種類のmiRNAを測定した。分位数正規化を両方のアッセイに関して、および統合されたプロファイルに関して用いた。mRNA予後予測構成要素の検証を6つの追加のAffymetrix乳がんプロファイルに対して実施した。Wangコホートは180人のリンパ節陰性の再燃のない患者および106人の遠隔転移を発現したリンパ節陰性の患者により構成されていた(GSE2034、n=286)。Hatzisコホートはネオアジュバントタキサン−アントラサイクリン化学療法後の応答および生存を研究するために用いられた(GSE25066、n=508)。Kaoコホートは、327個の乳がん試料の遺伝子発現プロファイルを通して乳がんの分子亜型を同定し、異なる乳がん亜型の分子的および臨床的特徴を決定するために用いられた(GSE20685、n=327)。Bosコホートは、がんの最も恐れられる合併症および成人における最も一般的な頭蓋内悪性腫瘍の1つである脳転移を研究するために用いられた(GSE12276、n=195)。TNBCコホートは、トリプルネガティブ乳がんを特性付けるためにドイツ人の患者から集められた(GSE31519、n=383)。TRANSBIGコホートはベルギー人の患者で構成されており、リンパ節陰性の患者における遠隔転移の予測のために76遺伝子の予後予測シグネチャーの検証に適用された(GSE7390、n=198)。DRFSは、OSが用いられたKaoおよびTRANSBIGを除いて全ての検証コホートに関する臨床エンドポイントであった。その7つの検証コホートは、その34遺伝子の統合されたシグネチャーの他の予後予測BCシグネチャーに対する比較のためにも用いられた。
[00242] 共通のリスク遺伝子に関連付けられた生物学的プロセス
[00243] 単一の遺伝子(マイクロRNAさえも)と関係する細胞機能を調べるため、GO分析をその遺伝子がそれとの正または負のスピアマン相関(FDR<0.001)を有するmRNAに対して実施した。Cytoscape中のBiNGOプラグインを用いて関連するGOアノテーションを検索し、それらをGO階層を通して上方へ伝達した。標本抽出が置き換えなしで行われる超幾何検定を用いて、生存遺伝子セットにおいて、P値の形態で、遺伝子オントロジー(GO)タームのエンリッチメント(enrichment)を評価した。GOのP値をベンジャミン・ホッホバーグ法を用いて補正した。
[00243] 単一の遺伝子(マイクロRNAさえも)と関係する細胞機能を調べるため、GO分析をその遺伝子がそれとの正または負のスピアマン相関(FDR<0.001)を有するmRNAに対して実施した。Cytoscape中のBiNGOプラグインを用いて関連するGOアノテーションを検索し、それらをGO階層を通して上方へ伝達した。標本抽出が置き換えなしで行われる超幾何検定を用いて、生存遺伝子セットにおいて、P値の形態で、遺伝子オントロジー(GO)タームのエンリッチメント(enrichment)を評価した。GOのP値をベンジャミン・ホッホバーグ法を用いて補正した。
[00244] 共通のリスク遺伝子と関連して活性化または抑制される生物学的プロセスを調べた。脂質修飾およびホスホイノシチドリン酸化(PIK3CA、SMG1およびCPT1)を除いて、危険予測因子中の全てのコード遺伝子を一緒に考慮した場合に機能的濃縮は存在しなかった。この発見は、個々の経路に影響を与えるリスク遺伝子と一致していた。それぞれの単一の遺伝子を、mRNAでもmiRNAでも、それが統合されたRNAプロファイルにおいてそれと相関しているmRNAに対するGO分析を実施することにより調べた。有糸分裂細胞周期および核分裂に関わる遺伝子は、miR−484と正に関連していた。miR−328はM期の、およびDNA修復の遺伝子と相関しており、miR−874は細胞接着に関わる遺伝子と相関していた。miR−484は形態形成および血管新生における遺伝子と負に相関しており、表皮の発生および上皮細胞を基底層のような細胞外マトリックス構成要素に係留する半接着斑の集合における遺伝子とも負に相関していた。CPT1Aは、出生後の乳房発達の開始であり通常は思春期の開始時に起こる乳房発育開始に関わる乳腺の分枝ならびにRal GTPアーゼの制御と関係していた。C2CD2は、NME1およびNME2(転移抑制性NM23ファミリーのメンバー)が含まれる、生殖腺中胚葉の発生に、およびミュラー管の退行に関わる遺伝子の抑制と関係していた。PIK3CAの発現は、タンパク質リン酸化の活性化および転写開始と、ならびにミトコンドリアATP合成と共役したプロトン輸送の抑制と関係していた。
[00245] 結果
[00246] TCGA IDCコホートにおける統合された分子プロファイルおよび臨床パラメーター
[00247] 統合されたmiRNA/mRNA腫瘍プロファイル(7735種類のmRNAおよび247種類のmiRNA)を、TCGA IDCコホートにおける466個の原発性IDCに関して研究した(図20)。非浸潤性腺管癌(DCIS)からIDCへの転換と、および予後不良と関係しているmiR−210は、遠隔転移を有する原発腫瘍において最も上方制御されていたmiRNAであった(p=0.02)。RNA発現およびDNAメチル化の予後予測的価値を研究する前に、一変量生存検定を実施してTCGA IDCコホートにおける臨床パラメーターおよび転帰の間の関係を評価した。N期、M期、病期、T期、および固有の亜型(図30〜図34)は、OSと有意に関係していた。ER陽性患者はより好ましい転帰を示し、トリプルネガティブ乳がんを有する患者はより悪い予後を示した(図35〜図36)。閉経状態および年齢はOSと関係していなかった。IDCにおける体細胞突然変異は特定の固有の亜型と(TP53はBasal−likeおよびHER2豊富型と、一方でPIK3CAはLuminal Aと)関係しており、それらはOSとは関係していなかった(図37〜図38)。この評価の結果は、TCGA IDCコホートに関する生存データは、大部分の打ち切られたデータを含有するが、情報価値があり、さらなる分子研究における使用に適していたことを示している。
[00246] TCGA IDCコホートにおける統合された分子プロファイルおよび臨床パラメーター
[00247] 統合されたmiRNA/mRNA腫瘍プロファイル(7735種類のmRNAおよび247種類のmiRNA)を、TCGA IDCコホートにおける466個の原発性IDCに関して研究した(図20)。非浸潤性腺管癌(DCIS)からIDCへの転換と、および予後不良と関係しているmiR−210は、遠隔転移を有する原発腫瘍において最も上方制御されていたmiRNAであった(p=0.02)。RNA発現およびDNAメチル化の予後予測的価値を研究する前に、一変量生存検定を実施してTCGA IDCコホートにおける臨床パラメーターおよび転帰の間の関係を評価した。N期、M期、病期、T期、および固有の亜型(図30〜図34)は、OSと有意に関係していた。ER陽性患者はより好ましい転帰を示し、トリプルネガティブ乳がんを有する患者はより悪い予後を示した(図35〜図36)。閉経状態および年齢はOSと関係していなかった。IDCにおける体細胞突然変異は特定の固有の亜型と(TP53はBasal−likeおよびHER2豊富型と、一方でPIK3CAはLuminal Aと)関係しており、それらはOSとは関係していなかった(図37〜図38)。この評価の結果は、TCGA IDCコホートに関する生存データは、大部分の打ち切られたデータを含有するが、情報価値があり、さらなる分子研究における使用に適していたことを示している。
[00248] TCGA IDCコホートにおけるOSのmiRNA/mRNA/meDNAとの関係
[00249] 次いで、OSのmiRNA、mRNA、およびDNAメチル化プロファイルとの関係をTCGA IDCコホートに関して詳細に研究した。目的は、もし存在するのであれば、異なる臨床または分子亜型にわたって一貫してその疾患の転帰を左右する共通の遺伝子のセットの同定であった。その戦略および基礎となる理論的根拠を図22において図式的に示す。
[00249] 次いで、OSのmiRNA、mRNA、およびDNAメチル化プロファイルとの関係をTCGA IDCコホートに関して詳細に研究した。目的は、もし存在するのであれば、異なる臨床または分子亜型にわたって一貫してその疾患の転帰を左右する共通の遺伝子のセットの同定であった。その戦略および基礎となる理論的根拠を図22において図式的に示す。
[00250] OSに関する一変量生存分析を、以下の独立したクラスのそれぞれの内の統合されたmRNA/miRNAプロファイルを用いて実施した:病期、リンパ節転移、外科的縁、閉経前または閉経後、固有の亜型、体細胞突然変異(TP53、PIK3CA経路、TP53/PIK3CA二重変異体、GATA3、MAPK類、および残りのより低い頻度で変化していた遺伝子)。異なる臨床的または分子的特徴を有する患者の下位クラスはそれぞれのクラス内の素集合を表していた。mRNA、またはmiRNAは、同じクラスからの少なくとも2個の独立した下位クラス内で有意である場合のみ選択された。DNAメチル化は転写制御における重要な機序であるため、コード遺伝子のDNAメチル化はOSとの関係に関する追加の基準として用いられた。第1の焦点は、PIK3CA予後予測遺伝子をモデルとして用いるCpGメチル化およびmRNA発現の間の関連に置かれた。PIK3CAの発現と相関しているメチル化されたCpG部位は、全てその第1エキソンの周囲の2.2Kbの領域中に位置しており(図26)、それはヒストンH3中のリシン27の強いアセチル化および転写因子の高密度結合を有する領域であった。この領域中の重要なCpG部位の大部分(6の内の5)は、DNAメチル化およびPIK3CA発現の間の予想される負の相関を有していた。この発見に基づいて、多数決原理を用いて遺伝子のメチル化およびOSの間の関係のタイプを決定した。遺伝子に関する重要なメチル化部位(図27)のほとんどが1より低いHRを有していた場合、その遺伝子のメチル化および転帰の間の相関は“負”であると定義された。この手順は、転帰不良のRNA過剰発現およびDNA低メチル化の両方との対の関係を有する遺伝子の発見を可能にし、また逆も同様であった。そのDNAメチル化試験はmiRNAには適用されず、これはそれらの非常に小さい遺伝子中のアッセイされるCpG部位の限られた数のためであった。それでもなお、ほとんどのmiRNAはそのメチル化試験に合格した(データは示していない)。リスク遺伝子セットを洗練するための最後の工程として、(Catalogue Of Somatic Mutations In Cancerに従って)がんにおける
既知のタンパク質変異を有するmRNAのみを保持した。
既知のタンパク質変異を有するmRNAのみを保持した。
[00251] 適用されたストリンジェントな多工程選択(図22において示されている)は、以下の発見をもたらす:i)特定の腫瘍下位クラスに限定されない、IDC患者にわたる臨床転帰に関連する共通のRNAの同定、ii)重複しない患者の下位クラスにおける予後予測遺伝子の検証、iii)DNAメチル化のRNA発現を確証するための独立した分子パラメーターとしての使用、およびiv)本物のがん活性を用いた予後的遺伝子の同定(図28)。
[00252] 予後予測マトリックス(図23)は、提案された基準を満たした24種類のmRNAおよび10種類のmiRNAに関する全ての有意なハザード比(p<0.05)を可視化する。そのマトリックス中の遺伝子は本明細書において“予後予測的な34遺伝子のセット”と呼ばれる。いくつかの既知のBC遺伝子(例えばNM23ファミリーのイソ型であるNME3)は単一の下位クラス内でのみ転帰と関係しており、従って選択必要条件を満たさなかった。本質的に、全ての選択されたmRNAおよびmiRNAは1より大きいハザード比を有し、従ってそれらの過剰発現は予後不良と相関していた。Wntに誘導されるdisheveled(Dvl)−Rho複合体の会合に関する足場タンパク質として機能すると考えられているDAAM1は、リンパ節転移との最高の相関を有する予後予測遺伝子であった(スピアマン相関検定、p<0.001、FDR=0.001)。
[00253] TCGA IDCコホートにおける統合されたIDC危険予測因子
[00254] その予後予測的な34遺伝子のセットを用いて2つの多変量モデルを開発し、IDCを有する患者においてOSを予測した。
[00254] その予後予測的な34遺伝子のセットを用いて2つの多変量モデルを開発し、IDCを有する患者においてOSを予測した。
[00255] a)mRNAおよびmiRNA発現データのみを用いる、遺伝子のみからなる“RNAモデル”;ならびに、
[00256] b)加えて分子的および臨床的共変量を含んだ“組み合わせモデル”。
[00256] b)加えて分子的および臨床的共変量を含んだ“組み合わせモデル”。
[00257] 生存高および低危険群を、教師あり主成分法を用いて構成した。次いでIDCにおけるOSに関する線形危険予測因子(図29および図24A)を発見した。
[00258] 受信者動作特性(ROC)に関する曲線下面積(AUC)の分析を実施して、打ち切られたデータによる時間依存性ROC曲線推定を可能にした(図24B)。統合されたIDC危険予測因子に関するAUCは、60ヶ月のOSにおいて0.71であった(p<0.001)。統合されたRNA予測因子の独立した予後予測的価値を評価するため、リンパ節転移(N期)、病期、T期、分子亜型、診断時の年齢、TP53変異状態、PIK3CA経路の変異状態、ER状態、およびPR状態が含まれる組み合わせたモデルを開発した。最終的な組み合わせたモデルには、線形危険予測因子およびN期が唯一の残っている臨床または分子共変量として含まれていた。その組み合わせたモデルに関するROC曲線はかなりのAUCを有していたが、RNAモデルのAUCよりは大きくなかった。従って、そのIDC危険予測因子のRNAレベルは独立した予後予測的価値を有していたが、他の臨床および分子共変量は、N期を除いて有していなかった。
[00259] 独立したBCコホートにおける34遺伝子の予後予測シグネチャーの検証
[00260] 34遺伝子の予後予測シグネチャーの検証を3つの独立したBCコホートに対して実施した。最初に用いられたのは、207人の乳がん患者のUKコホートであった。ここでそのmiRNA/mRNA予後予測遺伝子のセットを遠隔再燃のない生存(DRFS)の予測に関して再評価した。34種類の予後予測遺伝子の2/3未満である9種類のmiRNAおよび11種類のmRNAをそのUKコホートにおいて測定した。それでも
なお、KM曲線(p=0.013)および予後予測シグネチャーに関するROC曲線(AUC=0.65、p=0.001)は両方とも有意であった(図25a〜25B)。大きなコホートに関する利用可能なmRNAおよびmiRNAの組み合わせた発現データが他に存在しなかったため、Hatzis(n=508)、Kao(n=327)、TNBC(n=383)、Bos(n=195)、Wang(n=286)、およびTRANSBIG(n=198)コホートにおける予後予測シグネチャーのmRNA構成要素も評価した。その予後予測シグネチャーはこれらのBCコホートに関して予測的であり、それはAffymetrixプロファイルにより特性付けられた(図21)。
[00260] 34遺伝子の予後予測シグネチャーの検証を3つの独立したBCコホートに対して実施した。最初に用いられたのは、207人の乳がん患者のUKコホートであった。ここでそのmiRNA/mRNA予後予測遺伝子のセットを遠隔再燃のない生存(DRFS)の予測に関して再評価した。34種類の予後予測遺伝子の2/3未満である9種類のmiRNAおよび11種類のmRNAをそのUKコホートにおいて測定した。それでも
なお、KM曲線(p=0.013)および予後予測シグネチャーに関するROC曲線(AUC=0.65、p=0.001)は両方とも有意であった(図25a〜25B)。大きなコホートに関する利用可能なmRNAおよびmiRNAの組み合わせた発現データが他に存在しなかったため、Hatzis(n=508)、Kao(n=327)、TNBC(n=383)、Bos(n=195)、Wang(n=286)、およびTRANSBIG(n=198)コホートにおける予後予測シグネチャーのmRNA構成要素も評価した。その予後予測シグネチャーはこれらのBCコホートに関して予測的であり、それはAffymetrixプロファイルにより特性付けられた(図21)。
[00261] 他の予後予測BCシグネチャーを用いた34遺伝子シグネチャーの比較
[00262] その34遺伝子の統合されたシグネチャーの予後予測的価値を、BCの危険性層別化に関する5種類の異なるシグネチャー:21遺伝子、ゲノムグレードインデックス(Genomic Grade Index)に関して用いられた97遺伝子、70遺伝子、76遺伝子、および10miRNAシグネチャーの予後予測的価値と比較した。6種類の予後予測シグネチャーのそれぞれ1つを8つの異なるBCコホートに、合計2570人の患者に関して適用した(図21)。ROC曲線のAUCをそれぞれのシグネチャー/コホートの組み合わせに関して計算し、そうして予後予測的価値のマトリックスを生成した(図21)。
[00262] その34遺伝子の統合されたシグネチャーの予後予測的価値を、BCの危険性層別化に関する5種類の異なるシグネチャー:21遺伝子、ゲノムグレードインデックス(Genomic Grade Index)に関して用いられた97遺伝子、70遺伝子、76遺伝子、および10miRNAシグネチャーの予後予測的価値と比較した。6種類の予後予測シグネチャーのそれぞれ1つを8つの異なるBCコホートに、合計2570人の患者に関して適用した(図21)。ROC曲線のAUCをそれぞれのシグネチャー/コホートの組み合わせに関して計算し、そうして予後予測的価値のマトリックスを生成した(図21)。
[00263] その10miRNAシグネチャーはUKデータセットにおいてDRFSを予測し、そこでそれは決定されたが(AUC=0.75、p<0.001)、TCGAコホートでは決定されなかった。TNBCコホートにおいて、試験した全てのシグネチャーは類似の性能(p<0.001)で成功であった。21遺伝子シグネチャーは全てのコホートで非常によく働き、注目に値する例外はTCGA IDCコホートであり、そこではそれは有意ではなかった(AUC=0.58、p=0.12)。Bosコホートのみにおいて、統合された34遺伝子、21遺伝子および70遺伝子シグネチャーは優れた予後予測的価値を有していた。34遺伝子(p<0.001)および97遺伝子(ボーダーラインであるp=0.053であったが)シグネチャーは、大きく不均一なTCGA IDCコホートにおいて有意な予後予測的価値を有するただ2つのシグネチャーであった。
[00264] 実施例5の論考
[00265] IDCを臨床転帰に関連する細胞経路に影響を与える異なる分子亜型により特性付けた。本発明者らは、本明細書において、共通の機序がIDCの分子および臨床クラスにわたって全生存(OS)と関係しているかどうかを決定した。マイクロRNA(miRNA)はがんの原因となる細胞プロセスの調節因子であり、それはmRNAによりコードされており、それは今度はDNAメチル化により制御されている。これらの多重の関係のため、統合された生存分析を466人の患者の大きな乳がんコホートに対してmRNA/miRNA発現およびDNAメチル化に関するゲノムワイドなデータを用いて実施した。発見された34遺伝子の予後予測的シグネチャーは、7つの乳がんコホートにおいて、合計2104人の追加の患者に関してうまく検証された。
[00265] IDCを臨床転帰に関連する細胞経路に影響を与える異なる分子亜型により特性付けた。本発明者らは、本明細書において、共通の機序がIDCの分子および臨床クラスにわたって全生存(OS)と関係しているかどうかを決定した。マイクロRNA(miRNA)はがんの原因となる細胞プロセスの調節因子であり、それはmRNAによりコードされており、それは今度はDNAメチル化により制御されている。これらの多重の関係のため、統合された生存分析を466人の患者の大きな乳がんコホートに対してmRNA/miRNA発現およびDNAメチル化に関するゲノムワイドなデータを用いて実施した。発見された34遺伝子の予後予測的シグネチャーは、7つの乳がんコホートにおいて、合計2104人の追加の患者に関してうまく検証された。
[00266] 34遺伝子のシグネチャー
[00267] これらのコホートは処置未経験ではなかったため、同定されたRNAは予後予測的であり得るだけでなく、処置に対する応答を予測するものでもあり得た。しかし、患者は異なる処置を受けており、従ってそのRNAは処置と無関係である。加えて、miRNAおよびmRNAのプロファイルの統合はその危険予測因子の予後予測的強度を増大させた。また、DNAメチル化を基準として用いて、mRNA発現およびOSの間の関係を確証した。発見されたバイオマーカーは、8つの異なる、かつ不均一な乳がんコホートにわたって、合計2500人を超える患者に関して一貫していた。
[00267] これらのコホートは処置未経験ではなかったため、同定されたRNAは予後予測的であり得るだけでなく、処置に対する応答を予測するものでもあり得た。しかし、患者は異なる処置を受けており、従ってそのRNAは処置と無関係である。加えて、miRNAおよびmRNAのプロファイルの統合はその危険予測因子の予後予測的強度を増大させた。また、DNAメチル化を基準として用いて、mRNA発現およびOSの間の関係を確証した。発見されたバイオマーカーは、8つの異なる、かつ不均一な乳がんコホートにわたって、合計2500人を超える患者に関して一貫していた。
[00268] 注目すべきことに、その34種類の予後予測遺伝子のほとんどは以前にBCにおいて記述されていなかった。その予後予測シグネチャー中の少数の既知のがん遺伝子の中で、PIK3CAは最も有名なものの1つであった。PIK3CAは、それが変異していない場合でも、がん遺伝子依存性の1つの例であり、従って療法に関する主要な標的である。逆に、BCにおいて高頻度で変異している別のがん遺伝子であるTP53は、そのような関連性を示さなかった。最後に、TP53またはPIK3CAのいずれの遺伝子型もRNAに基づく危険予測因子に予後予測的価値を追加しなかった。
[00269] マーカーの妥当性は、それがその関係を生成したデータのセットと無関係なデータのセットに適用される場合、強化される。その予後予測的な34遺伝子のセットは、それが研究された全てのコホートにおいて予後予測的であったため、そのような妥当なマーカーであることが証明された。
[00270] 実施例6
[00271] がん関連疾患を診断する、病期を分類する、予後予測する、監視する、および処置するための方法、試薬およびキット
[00272] 本明細書における全ての実施例はそれらの範囲において限定的ではないと考えられるべきであることは理解されるべきである。様々な観点は以下の小節においてさらに詳細に記述される。
[00271] がん関連疾患を診断する、病期を分類する、予後予測する、監視する、および処置するための方法、試薬およびキット
[00272] 本明細書における全ての実施例はそれらの範囲において限定的ではないと考えられるべきであることは理解されるべきである。様々な観点は以下の小節においてさらに詳細に記述される。
[00273] 診断法
[00274] 1態様において、患者試料におけるマーカーの発現のレベルおよび対照、例えばがん関連疾患を有しない患者からの試料におけるそのマーカーの発現の正常なレベルを比較する工程を含む、患者ががん関連疾患を有する、またはがん関連疾患の発現に関する通常より高い危険性を有するかどうかを評価する診断法を提供する。
[00274] 1態様において、患者試料におけるマーカーの発現のレベルおよび対照、例えばがん関連疾患を有しない患者からの試料におけるそのマーカーの発現の正常なレベルを比較する工程を含む、患者ががん関連疾患を有する、またはがん関連疾患の発現に関する通常より高い危険性を有するかどうかを評価する診断法を提供する。
[00275] 患者試料におけるそのマーカーの発現の、正常なレベルと比較した場合に有意に変化したレベルは、その患者ががん関連疾患に冒されている、またはがん関連疾患の発現に関する通常より高い危険性を有することを示すものである。
[00276] 特定の態様において、そのマーカーは、その方法の陽性の予測値が少なくとも約10%、特定の限定的でない態様において約25%、約50%または約90%であるように選択される。少なくとも約20%、特定の限定的でない態様において約50%または約75%において正常な細胞と比較した場合に少なくとも2倍差次的に発現しているマーカーも、その方法における使用に関して好ましい。
[00277] 患者ががん関連疾患に冒されているかどうかを評価する1つの診断法(例えば、新規の検出(“スクリーニング”)、再発の検出、反射検査)において、その方法は、a)患者試料におけるマーカーの発現のレベル、およびb)対照のがん関連疾患でない試料におけるそのマーカーの発現の正常なレベルを比較することを含む。患者試料におけるそのマーカーの発現の、正常なレベルと比較した場合に有意に変化したレベルは、その患者ががん関連疾患に冒されていることを示すものである。
[00278] 患者においてがん関連疾患を抑制するための療法の有効性を評価するための診断法も提供する。そのような方法は、a)その療法の少なくとも一部をその患者に提供する前にその患者から得た第1試料におけるマーカーの発現、およびb)その療法の一部の提供後にその患者から得られた第2試料におけるそのマーカーの発現を比較することを含む。第2試料におけるそのマーカーの発現の、第1試料におけるそのマーカーの発現のレベルと比較して有意に変化したレベルは、その療法がその患者におけるがん関連疾患の抑制に有効であることを示すものである。
[00279] これらの方法において、“療法”は、医薬組成物、遺伝子療法および生物学的療法、例えば抗体およびケモカイン類の投与が含まれるがそれらに限定されない、がん関連疾患を処置するためのあらゆる療法であることができる。従って、本明細書において記述される方法は、例えば疾患状態における低減を評価するために療法の前、間および後に患者を評価するために用いることができる。
[00280] 特定の観点において、その診断法は化学的または生物学的薬剤を用いる療法に向けられている。これらの方法は、a)その患者から得られ、その化学的または生物学的薬剤の存在下で維持された第1試料におけるマーカーの発現、およびb)その患者から得られ、その薬剤の非存在下で維持された第2試料におけるマーカーの発現を比較することを含む。第2試料におけるそのマーカーの発現の、第1試料におけるそのマーカーの発現のレベルと比較して有意に変化したレベルは、その薬剤がその患者におけるがん関連疾患の抑制に有効であることを示すものである。1態様において、その第1および第2試料は、その患者から得られた単一の試料の一部またはその患者から得られたプールされた試料の一部であることができる。
[00281] 予後を評価するための方法
[00282] 患者においてがん関連疾患の進行を評価するための監視法も提供し、その方法は以下の工程を含む:a)最初の時点において患者試料中でマーカーの発現を検出し;b)その後の時点において工程a)を繰り返し;そしてc)工程a)およびb)において検出された発現のレベルを比較し、そしてそれからその患者におけるがん関連疾患の進行を監視する。後の時点における試料中のマーカーの発現の、最初の時点における試料中のマーカーの発現のレベルから有意に変化したレベルは、そのがん関連疾患が進行していたことを示すものであり、一方で逆向きでの発現の有意に変化したレベルは、そのがん関連疾患が退行していたことを示すものである。
[00282] 患者においてがん関連疾患の進行を評価するための監視法も提供し、その方法は以下の工程を含む:a)最初の時点において患者試料中でマーカーの発現を検出し;b)その後の時点において工程a)を繰り返し;そしてc)工程a)およびb)において検出された発現のレベルを比較し、そしてそれからその患者におけるがん関連疾患の進行を監視する。後の時点における試料中のマーカーの発現の、最初の時点における試料中のマーカーの発現のレベルから有意に変化したレベルは、そのがん関連疾患が進行していたことを示すものであり、一方で逆向きでの発現の有意に変化したレベルは、そのがん関連疾患が退行していたことを示すものである。
[00283] さらに、がん関連疾患が悪化した、または将来悪化しそうであるかどうかを決定するための診断法を提供し、その方法はa)患者試料におけるマーカーの発現のレベル、およびb)対照試料におけるそのマーカーの発現の正常なレベルを比較することを含む。患者試料中の発現の、正常なレベルと比較した場合に有意に変化したレベルは、そのがん関連疾患が悪化した、または将来悪化しそうであることを示すものである。
[00284] 抑制性、療法的および/または有害な組成物を評価するための方法
[00285] 患者においてがん関連疾患を抑制するための組成物を選択するための試験法も提供する。この方法は以下の工程を含む:a)その患者から細胞を含む試料を得て;b)その試料の分割量(aliquots)を複数の試験組成物の存在下で別々に維持し;c)その分割量のそれぞれにおけるマーカーの発現を比較し;そしてd)その試験組成物を含有する分割量におけるそのマーカーの発現のレベルをその他の試験組成物の存在下でのそのマーカーの発現のレベルと比較して有意に変化させる試験組成物の1つを選択する。
[00285] 患者においてがん関連疾患を抑制するための組成物を選択するための試験法も提供する。この方法は以下の工程を含む:a)その患者から細胞を含む試料を得て;b)その試料の分割量(aliquots)を複数の試験組成物の存在下で別々に維持し;c)その分割量のそれぞれにおけるマーカーの発現を比較し;そしてd)その試験組成物を含有する分割量におけるそのマーカーの発現のレベルをその他の試験組成物の存在下でのそのマーカーの発現のレベルと比較して有意に変化させる試験組成物の1つを選択する。
[00286] 加えて、がん関連疾患の誘発における化合物の有害な可能性を評価する試験法を提供する。この方法は以下の工程を含む:a)その化合物の存在下および非存在下で細胞の別々の分割量を維持し;そしてb)その分割量のそれぞれにおけるマーカーの発現を比較する。その化合物の存在下で維持された分割量におけるそのマーカーの発現の、その化合物の非存在下で維持された分割量におけるそのマーカーの発現のレベルと比較して有意に変化したレベルは、その化合物がそのような有害な可能性を有することを示すものである。
[00287] 加えて、さらに患者においてがん関連疾患を抑制する方法を提供する。この方法は以下の工程を含む:a)その患者から細胞を含む試料を得て;b)その試料の分割量を複数の組成物の存在下で別々に維持し;c)その分割量のそれぞれにおけるマーカーの発現を比較し;そしてd)その組成物を含有する分割量におけるそのマーカーの発現のレベルをその他の組成物の存在下でのそのマーカーの発現のレベルと比較して有意に変化させる組成物の少なくとも1つをその患者に投与する。
[00288] 試料中のマーカーの発現のレベルは、例えばその試料中の、対応するマーカータンパク質またはそのタンパク質の断片(例えばそのタンパク質またはタンパク質断片と特異的に結合する抗体、抗体誘導体、抗体断片または単鎖抗体のような試薬を用いることにより)、対応するマーカー核酸(例えばヌクレオチド転写産物、またはその相補物)、またはその核酸の断片(例えば、その試料から得られた転写されたポリヌクレオチドを、それに固定された核酸配列またはその相補配列の全体または部分(segment)を有する1種類以上の核酸を有する支持体と接触させることにより)、対応するマーカータンパク質により直接(例えば触媒される)または間接的に生成される代謝産物の存在を検出することにより評価することができる。
[00289] 前記の方法のいずれも、少なくとも1つ(1)または複数(例えば2、3、5、または10以上)のがん関連疾患マーカーを用いて実施することができる。そのような方法において、複数のマーカー(その少なくとも1つはマーカーである)のそれぞれのその試料における発現のレベルを、がん関連疾患に冒されていない対照のヒトから得られた同じタイプの試料におけるその複数のマーカーのそれぞれの発現の正常なレベルと比較する。その試料における1種類以上のマーカーまたはそのある組み合わせの発現の、そのマーカーの対応する正常または対照レベルと比較して有意に変化した(すなわち、単一のマーカーを用いる上記で記述された方法において明記されているように増大または減少した)レベルは、その患者ががん関連疾患に冒されていることを示すものである。前記の方法の全てに関して、そのマーカー(単数または複数)はその方法の陽性の予測値が少なくとも約10%であるように選択される。
[00290] 候補薬剤の例
[00291] その候補薬剤は当技術分野で既に知られている薬剤であることができ、または薬理学的活性を有することが以前に一切知られていない薬剤であることができる。その薬剤は天然に存在する、または実験室で設計されたものであることができる。それらは微生物、動物または植物から単離することができ、または組み替えにより生成することができ、またはあらゆる適切な化学的方法により合成することができる。それらは小分子、核酸、タンパク質、ペプチド、またはペプチド模倣体であることができる。特定の態様において、候補薬剤は50ダルトンより大きく約2,500ダルトンより小さい分子量を有する小さい有機化合物である。候補薬剤は、タンパク質との構造的相互作用に必要な官能基を含む。候補薬剤は、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド類、プリン類、ピリミジン類、誘導体、構造類似体、またはそれらの組み合わせが含まれるがそれらに限定されない生体分子の中でも見付かる。
[00291] その候補薬剤は当技術分野で既に知られている薬剤であることができ、または薬理学的活性を有することが以前に一切知られていない薬剤であることができる。その薬剤は天然に存在する、または実験室で設計されたものであることができる。それらは微生物、動物または植物から単離することができ、または組み替えにより生成することができ、またはあらゆる適切な化学的方法により合成することができる。それらは小分子、核酸、タンパク質、ペプチド、またはペプチド模倣体であることができる。特定の態様において、候補薬剤は50ダルトンより大きく約2,500ダルトンより小さい分子量を有する小さい有機化合物である。候補薬剤は、タンパク質との構造的相互作用に必要な官能基を含む。候補薬剤は、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド類、プリン類、ピリミジン類、誘導体、構造類似体、またはそれらの組み合わせが含まれるがそれらに限定されない生体分子の中でも見付かる。
[00292] 候補薬剤は、合成または天然化合物のライブラリーが含まれる多種多様な源から得られる。例えば、ランダム化されたオリゴヌクレオチドおよびオリゴペプチドの発現が含まれる、多種多様な有機化合物および生体分子のランダム合成および方向付けられた合成のために利用可能な数多くの手段が存在する。あるいは、細菌、真菌、植物および動物性抽出物の形態の天然化合物のライブラリーが利用可能であり、または容易に生成される。加えて、天然の、または合成により生成されたライブラリーおよび化合物は、従来の化学的、物理的および生化学的手段により容易に修飾され、コンビナトリアルライブラリーを生成するために用いることができる。特定の態様において、その候補薬剤は、限定
的でない例により以下のライブラリー法が含まれる、コンビナトリアルライブラリー法の技術分野における数多くのアプローチのいずれを用いて得ることもできる:生物学的ライブラリー;空間的にアドレス指定可能な並行固相または液相ライブラリー;デコンボリューションを必要とする合成ライブラリー法;“1ビーズ1化合物”ライブラリー法;および親和性クロマトグラフィー選択を用いる合成ライブラリー法。
的でない例により以下のライブラリー法が含まれる、コンビナトリアルライブラリー法の技術分野における数多くのアプローチのいずれを用いて得ることもできる:生物学的ライブラリー;空間的にアドレス指定可能な並行固相または液相ライブラリー;デコンボリューションを必要とする合成ライブラリー法;“1ビーズ1化合物”ライブラリー法;および親和性クロマトグラフィー選択を用いる合成ライブラリー法。
[00293] 特定のさらなる態様において、特定の薬剤に対して、方向付けられた、またはランダムな化学修飾、例えばアシル化、アルキル化、エステル化、アミド化(amidification)等を施して構造類似体を生成することができる。
[00294] がん関連疾患を処置するための療法剤を同定するための方法と同じ方法を用いて、インビトロ研究から生成されたリード化合物/薬剤を検証することもできる。
[00295] その候補薬剤は、1つ以上のがん関連疾患反応経路を上方または下方制御する薬剤であることができる。特定の態様において、その候補薬剤はそのような経路に影響を及ぼす拮抗薬であることができる。
[00296] がん関連疾患を処置するための方法
[00297] 本明細書において、がん関連疾患反応を処置する、阻害する、軽減する、または逆転させるための方法を提供する。本明細書で記述される方法において、シグナル伝達カスケードを妨げる薬剤をそれを必要とする個体、例えば(それらに限定されないが)そのような合併症がまだ明らかではないがん関連疾患の患者および既に少なくとも1種類のがん関連疾患反応を有するがん関連疾患の患者に投与する。
[00297] 本明細書において、がん関連疾患反応を処置する、阻害する、軽減する、または逆転させるための方法を提供する。本明細書で記述される方法において、シグナル伝達カスケードを妨げる薬剤をそれを必要とする個体、例えば(それらに限定されないが)そのような合併症がまだ明らかではないがん関連疾患の患者および既に少なくとも1種類のがん関連疾患反応を有するがん関連疾患の患者に投与する。
[00298] 前者の例において、そのような処置は、そのようながん関連疾患反応の発生を予防する、および/またはそれらが起こる程度を低減するために有用である。後者の例において、そのような処置は、そのようながん関連疾患反応が起こる程度を低減する、それらのさらなる発達を予防する、またはそのがん関連疾患反応を逆転させるために有用である。
[00299] 特定の態様において、そのがん関連疾患反応カスケードを妨げる薬剤は、そのような反応に特異的な抗体であることができる。
[00300] マーカーの発現および/または検出
[00301] マーカーの発現は、限定的でない例として、アンチセンスオリゴヌクレオチドをそのマーカー(単数または複数)の転写、翻訳、または両方を阻害/増進するためにそのがん関連疾患細胞に提供することができることが含まれる、いくつかの方法で阻害/増進することができる。代わりに、マーカータンパク質に特異的に結合する抗体、抗体誘導体、または抗体断片をコードし、適切なプロモーター/レギュレーター領域と作動可能に(operably)連結されたポリヌクレオチドを、そのタンパク質の機能または活性を阻害/増進するであろう細胞内抗体を生成するためにその細胞に提供することができる。マーカーの発現および/または機能は、そのがん関連疾患細胞をマーカータンパク質に特異的に結合する抗体、抗体誘導体または抗体断片で処理することにより阻害/増進することもできる。本明細書で記述された方法を用いて、マーカーの発現を阻害/増進する、またはマーカータンパク質の機能を阻害する分子を同定するために、特にそれらが細胞膜を越えることができるように十分に小さい分子が含まれる様々な分子をスクリーニングすることができる。そのようにして同定された化合物を、その患者のがん関連疾患細胞を阻害するためにその患者に提供することができる。
[00301] マーカーの発現は、限定的でない例として、アンチセンスオリゴヌクレオチドをそのマーカー(単数または複数)の転写、翻訳、または両方を阻害/増進するためにそのがん関連疾患細胞に提供することができることが含まれる、いくつかの方法で阻害/増進することができる。代わりに、マーカータンパク質に特異的に結合する抗体、抗体誘導体、または抗体断片をコードし、適切なプロモーター/レギュレーター領域と作動可能に(operably)連結されたポリヌクレオチドを、そのタンパク質の機能または活性を阻害/増進するであろう細胞内抗体を生成するためにその細胞に提供することができる。マーカーの発現および/または機能は、そのがん関連疾患細胞をマーカータンパク質に特異的に結合する抗体、抗体誘導体または抗体断片で処理することにより阻害/増進することもできる。本明細書で記述された方法を用いて、マーカーの発現を阻害/増進する、またはマーカータンパク質の機能を阻害する分子を同定するために、特にそれらが細胞膜を越えることができるように十分に小さい分子が含まれる様々な分子をスクリーニングすることができる。そのようにして同定された化合物を、その患者のがん関連疾患細胞を阻害するためにその患者に提供することができる。
[00302] あらゆるマーカーまたはマーカーの組み合わせ、ならびにそのマーカーとの
組み合わせでのあらゆる特定のマーカーを、本明細書で記述される組成物、キットおよび方法において用いることができる。一般に、がん関連疾患細胞におけるそのマーカーの発現のレベルおよび正常な細胞における同じマーカーの発現のレベルの間の差が可能な限り大きいマーカーを用いることが望ましい。この差はそのマーカーの発現を評価するための方法の検出限界と同じくらい小さいことができるが、その差は少なくともその評価法の標準誤差よりも大きく、そして特定の態様において正常な組織における同じマーカーの発現のレベルよりも少なくとも0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、100、500、1000倍、またはより大きな差であることが望ましい。
組み合わせでのあらゆる特定のマーカーを、本明細書で記述される組成物、キットおよび方法において用いることができる。一般に、がん関連疾患細胞におけるそのマーカーの発現のレベルおよび正常な細胞における同じマーカーの発現のレベルの間の差が可能な限り大きいマーカーを用いることが望ましい。この差はそのマーカーの発現を評価するための方法の検出限界と同じくらい小さいことができるが、その差は少なくともその評価法の標準誤差よりも大きく、そして特定の態様において正常な組織における同じマーカーの発現のレベルよりも少なくとも0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、100、500、1000倍、またはより大きな差であることが望ましい。
[00303] 特定のマーカータンパク質はその細胞の周囲の細胞外空間に分泌されることが認識されている。これらのマーカーは、そのようなマーカータンパク質はがん関連体液試料中で検出することができ、それはヒトの患者から組織生検試料よりも容易に収集することができるという事実のため、その組成物、キットおよび方法の特定の態様において用いられる。加えて、マーカータンパク質の検出のためのインビボの技法には、対象中にそのタンパク質に対して向けられた標識された抗体を導入することが含まれる。例えば、その抗体は、対象中のその存在および位置を標準的な画像化技法により検出することができる放射性マーカーを用いて標識することができる。
[00304] あらゆる特定のマーカータンパク質が分泌されるタンパク質であるかどうかを決定するため、そのマーカータンパク質を、例えば哺乳類細胞、例えばヒト細胞株中で発現させ、細胞外液を収集し、その細胞外液中のそのタンパク質の存在または非存在を(例えばそのタンパク質と特異的に結合する標識された抗体を用いて)評価する。
[00305] 細胞を含有する患者試料を本明細書で記述される方法において用いることができることは理解されるであろう。これらの態様において、そのマーカーの発現のレベルは試料中のそのマーカーの量(例えば絶対量または濃度)を評価することにより評価することができる。当然、その試料中のそのマーカーの量を評価する前に、その細胞試料に対して様々な収集後の調製および保管技法(例えば核酸および/またはタンパク質抽出、固定、貯蔵、凍結、限外濾過、濃縮、蒸発、遠心分離等)を施すことができる。
[00306] その組成物、キットおよび方法を用いて、それを発現する細胞の表面上に提示されている少なくとも1つの部分を有するマーカータンパク質の発現を検出することができる。例えば、免疫学的方法を用いて細胞全体上でそのようなタンパク質を検出することができ、またはコンピューターに基づく配列分析法を用いて少なくとも1種類の細胞外ドメイン(すなわち、分泌されるタンパク質および少なくとも1個の細胞表面ドメインを有するタンパク質の両方が含まれる)の存在を予測することができる。それを発現する細胞の表面上に提示されている少なくとも1つの部分を有するマーカータンパク質の発現は、必ずしもその細胞を溶解する必要なく(例えばそのタンパク質の細胞表面ドメインと特異的に結合する標識された抗体を用いて)検出することができる。
[00307] マーカーの発現は、転写された核酸またはタンパク質の発現を検出するための多種多様な方法のいずれにより評価することもできる。そのような方法の限定的でない例には、分泌、細胞表面、細胞質または核タンパク質の検出のための免疫学的方法、タンパク質精製法、タンパク質機能または活性アッセイ、核酸ハイブリダイゼーション法、核酸逆転写法および核酸増幅法が含まれる。
[00308] 特定の態様において、マーカーの発現は、その正常な翻訳後修飾の全部または一部を経たマーカータンパク質を含め、マーカータンパク質またはその断片と特異的に結合する抗体(例えば放射標識された、発色団標識された、蛍光体標識された、または酵素標識された抗体)、抗体誘導体(例えば支持体と、またはタンパク質−リガンド対のタ
ンパク質もしくはリガンドとコンジュゲートされた抗体)、または抗体断片(例えば単鎖抗体、単離された抗体の超可変ドメイン等)を用いて評価される。
ンパク質もしくはリガンドとコンジュゲートされた抗体)、または抗体断片(例えば単鎖抗体、単離された抗体の超可変ドメイン等)を用いて評価される。
[00309] 別の特定の態様において、マーカーの発現を、患者試料中の細胞からmRNA/cDNA(すなわち転写されたポリヌクレオチド)を調製することにより、そしてそのmRNA/cDNAをマーカー核酸の相補物またはその断片である参照ポリヌクレオチドとハイブリダイズさせることにより評価する。cDNAは、場合により、その参照ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの前に様々なポリメラーゼ連鎖反応法のいずれかを用いて増幅することができ;好ましくはそれは増幅されない。1種類以上のマーカーの発現を同様に定量的PCRを用いて検出してそのマーカー(単数または複数)の発現のレベルを評価することができる。あるいは、マーカーの変異または変異体(例えば一塩基多型、欠失等)を検出する多くの方法のいずれかを用いて患者におけるマーカーの出現を検出することができる。
[00310] 関連する態様において、その試料から得られた転写されたポリヌクレオチドの混合物を、それに固定されたマーカー核酸の少なくとも一部(例えば少なくとも7、10、15、20、25、30、40、50、100、500、またはより多くのヌクレオチド残基)に相補的な、またはそれと相同なポリヌクレオチドを有する支持体と接触させる。相補的または相同なポリヌクレオチドがその支持体上で差次的に検出可能である(例えば、異なる発色団もしくは蛍光体を用いて検出可能である、または異なる選択された位置に固定されている)場合、複数のマーカーの発現のレベルを単一の支持体(例えば選択された位置に固定されたポリヌクレオチドの“遺伝子チップ”マイクロアレイ)を用いて同時に評価することができる。ある核酸の別の核酸とのハイブリダイゼーションが含まれるマーカー発現を評価する方法を用いる場合、そのハイブリダイゼーションはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で実施されることが望ましい。
[00311] バイオマーカーアッセイ
[00312] 特定の態様において、そのバイオマーカーアッセイは質量分析または表面プラズモン共鳴を用いて実施することができる。様々な態様において、がん関連疾患に対して有効な薬剤を同定する方法には以下の工程が含まれることができる:a)1種類以上のマーカーまたはその誘導体を含有する細胞の試料を提供し;b)その細胞から抽出物を調製し;c)その抽出物をマーカー結合部位を含有する標識された核酸プローブと混合し;そして、d)その試験薬剤の存在下または非存在下でそのマーカーおよび核酸プローブの間の複合体の形成を決定する。その決定工程には、その抽出物/核酸プローブ混合物に対して電気泳動移動度シフトアッセイを行うことが含まれることができる。
[00312] 特定の態様において、そのバイオマーカーアッセイは質量分析または表面プラズモン共鳴を用いて実施することができる。様々な態様において、がん関連疾患に対して有効な薬剤を同定する方法には以下の工程が含まれることができる:a)1種類以上のマーカーまたはその誘導体を含有する細胞の試料を提供し;b)その細胞から抽出物を調製し;c)その抽出物をマーカー結合部位を含有する標識された核酸プローブと混合し;そして、d)その試験薬剤の存在下または非存在下でそのマーカーおよび核酸プローブの間の複合体の形成を決定する。その決定工程には、その抽出物/核酸プローブ混合物に対して電気泳動移動度シフトアッセイを行うことが含まれることができる。
[00313] 特定の態様において、その決定工程は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、蛍光に基づくアッセイおよび超高スループットアッセイ、例えば表面プラズモン共鳴(SPR)または蛍光相関分光(FCS)アッセイから選択されるアッセイを含む。そのような態様において、そのSPRセンサーは、SPRは金属誘電体表面における微小な屈折率の変化に敏感であるため、生体分子相互作用のリアルタイム観察を方向付けるために有用である。SPRはSPRセンサー/試料境界面のおおよそ200nmの範囲内の105〜10−6の屈折率(RI)単位の変化に敏感な表面技法である。従って、SPR分光法はその検出層上に堆積した薄い有機性薄膜の成長を監視するために有用である。
[00314] その組成物、キット、および方法は1種類以上のマーカーの発現レベルにおける差異の検出に頼っているため、そのマーカーの発現のレベルは正常な細胞およびがんに冒された細胞の少なくとも一方における発現を評価するために用いられる方法の最小検出限界よりもかなり大きいことが望ましい。
[00315] そのマーカーの1種類以上を用いた追加の患者試料のルーチン的なスクリーニングにより、そのマーカーのあるものが特定のがん関連疾患が含まれる様々なタイプの細胞において過小または過剰発現されていることが認識されるであろうことは理解されている。
[00316] 加えて、より多くの患者試料がそのマーカーの発現に関して評価され、その試料を得た個々の患者の転帰が相互に関連付けられるにつれて、そのマーカーのあるものの変化した発現はがん関連疾患と強く相関しており、他のマーカーの変化した発現は他の疾患と強く相関していることも確証されるであろう。従って、その組成物、キット、および方法は、患者におけるがん関連疾患の病期、悪性度、組織学的タイプ、および性質の1つ以上を特性付けるために有用である。
[00317] その組成物、キットおよび方法が患者におけるがん関連疾患の病期、悪性度、組織学的タイプ、および性質の1つ以上を特性付けるために用いられる場合、そのマーカーまたはマーカーのパネル(panel)は、陽性の結果がその対応する病期、悪性度、組織学的タイプ、または性質のがん関連疾患に冒された患者の少なくとも約20%、特定の態様において少なくとも約40%、60%、または80%において、そして実質的に全てにおいて得られるように選択されることが望ましい。そのマーカーまたはマーカーのパネルは、(限定的でない例において、80%より大きいアッセイ特異性と合わせて)一般集団に関して約10%より大きい陽性の予測値が得られるように選択することができる。
[00318] 複数のマーカーがその組成物、キット、および方法において用いられる場合、患者試料におけるそれぞれのマーカーの発現のレベルを、同じタイプのがんではない試料におけるその複数のマーカーのそれぞれの発現の正常なレベルと、単一の反応混合物中で(すなわちそれぞれのマーカーに関して異なる蛍光プローブのような試薬を用いて)、またはそのマーカーの1種類以上に対応する個々の反応混合物中でのどちらかで比較することができる。1態様において、その試料におけるその複数のマーカーの1種類より多くの発現の、対応する正常なレベルと比較して有意に変化したレベルは、その患者ががん関連疾患に冒されていることを示すものである。複数のマーカーが用いられる場合、2、3、4、5、8、10、12、15、20、30、もしくは50種類、またはより多くの個々のマーカーを用いることができ;特定の態様において、より少ないマーカーの使用が望ましい可能性がある。
[00319] その組成物、キット、および方法の感受性を(すなわち患者試料中の非組織および/または流体由来の細胞に起因し得る干渉により)最大化するため、そこで用いられるマーカーは限られた組織分布を有する、例えば通常は非組織細胞において発現していないマーカーであることが望ましい。
[00320] その組成物、キット、および方法はがん関連疾患を発現する高められた危険性を有する患者および彼らの指導医に特に有用であろうことが認識されている。がん関連疾患を発現する高められた危険性を有すると認められる患者には、例えばがん関連疾患の家族暦を有する患者が含まれる。
[00321] 正常なヒト細胞におけるマーカーの発現のレベルは、様々な方法で評価することができる。1態様において、この正常な発現のレベルは、正常であるように見える細胞の一部におけるそのマーカーの発現のレベルを評価することにより、そしてこの正常な発現のレベルを異常であることが疑われる細胞の一部における発現のレベルと比較することにより評価される。代わりに、そして特にさらなる情報が本明細書において記述される方法のルーチン的な実施の結果として利用可能になるにつれて、そのマーカーの正常な発
現に関する集団平均値を用いることができる。他の態様において、マーカーの発現の“正常な”レベルは、がんに冒されていない患者から、患者におけるがん関連疾患の疑わしい開始の前に患者から得られた患者試料から、記録された患者試料等から得られた患者試料におけるそのマーカーの発現を評価することにより決定することができる。
現に関する集団平均値を用いることができる。他の態様において、マーカーの発現の“正常な”レベルは、がんに冒されていない患者から、患者におけるがん関連疾患の疑わしい開始の前に患者から得られた患者試料から、記録された患者試料等から得られた患者試料におけるそのマーカーの発現を評価することにより決定することができる。
[00322] 本明細書において、試料(例えば保存された組織試料または患者から得られた試料)中のがん関連疾患細胞の存在を評価するための組成物、キット、および方法も提供する。これらの組成物、キット、および方法は、必要である場合にその組成物、キット、および方法を患者試料以外の試料での使用に適合させることを除いて、上記で記述された組成物、キット、および方法と実質的に同じである。例えば、用いられるべき試料がパラフィン処理された(parafinized)保存されたヒト組織試料である場合、その組成物中、そのキット中の化合物の比率、またはその試料中のマーカー発現のレベルを評価するために用いられる方法を調節する必要がある可能性がある。
[00323] 抗体を産生する方法
[00324] 本明細書において、患者ががん関連疾患に冒されているかどうかを評価するために有用な抗体を産生する単離されたハイブリドーマを作る方法も提供する。この方法において、マーカータンパク質の全体または部分を含むタンパク質またはペプチドを(例えばそれが発現されている細胞からの精製により、またはインビボもしくはインビトロでのそのタンパク質もしくはペプチドをコードする核酸の転写および翻訳により)合成または単離する。脊椎動物、例えば哺乳類、例えばマウス、ラット、ウサギ、またはヒツジをそのタンパク質またはペプチドを用いて免疫する。その脊椎動物を、その脊椎動物がそのタンパク質またはペプチドに対して強い免疫反応を示すように、場合により(そして好ましくは)そのタンパク質またはペプチドで少なくとももう1回免疫することができる。様々な方法のいずれかを用いて、その免疫された脊椎動物から脾臓細胞を単離し、不死化された細胞株と融合させてハイブリドーマを形成する。次いでこのように形成されたハイブリドーマを標準的な方法を用いてスクリーニングして、そのマーカータンパク質またはその断片と特異的に結合する抗体を産生する1以上のハイブリドーマを同定する。本明細書において、この方法により作製されたハイブリドーマおよびそのようなハイブリドーマを用いて作製された抗体も提供する。
[00324] 本明細書において、患者ががん関連疾患に冒されているかどうかを評価するために有用な抗体を産生する単離されたハイブリドーマを作る方法も提供する。この方法において、マーカータンパク質の全体または部分を含むタンパク質またはペプチドを(例えばそれが発現されている細胞からの精製により、またはインビボもしくはインビトロでのそのタンパク質もしくはペプチドをコードする核酸の転写および翻訳により)合成または単離する。脊椎動物、例えば哺乳類、例えばマウス、ラット、ウサギ、またはヒツジをそのタンパク質またはペプチドを用いて免疫する。その脊椎動物を、その脊椎動物がそのタンパク質またはペプチドに対して強い免疫反応を示すように、場合により(そして好ましくは)そのタンパク質またはペプチドで少なくとももう1回免疫することができる。様々な方法のいずれかを用いて、その免疫された脊椎動物から脾臓細胞を単離し、不死化された細胞株と融合させてハイブリドーマを形成する。次いでこのように形成されたハイブリドーマを標準的な方法を用いてスクリーニングして、そのマーカータンパク質またはその断片と特異的に結合する抗体を産生する1以上のハイブリドーマを同定する。本明細書において、この方法により作製されたハイブリドーマおよびそのようなハイブリドーマを用いて作製された抗体も提供する。
[00325] 有効性を評価する方法
[00326] 本明細書において、試験化合物のがん関連疾患細胞の阻害に関する有効性を評価する方法も提供する。本明細書において記述されるように、そのマーカーの発現のレベルにおける差は、その細胞の異常な状態と相関している。そのマーカーのあるものの発現のレベルにおける変化はおそらくその細胞の異常な状態に起因することが認識されているが、そのマーカーの他のものの発現のレベルにおける変化がそれらの細胞の異常な状態を誘導、維持、および促進することが同様に認識されている。従って、患者においてがん関連疾患を抑制する化合物は、そのマーカーの1種類以上の発現のレベルをそのマーカーに関する発現の正常なレベル(すなわち、正常な細胞におけるそのマーカーに関する発現のレベル)により近いレベルに変化させるであろう。
[00326] 本明細書において、試験化合物のがん関連疾患細胞の阻害に関する有効性を評価する方法も提供する。本明細書において記述されるように、そのマーカーの発現のレベルにおける差は、その細胞の異常な状態と相関している。そのマーカーのあるものの発現のレベルにおける変化はおそらくその細胞の異常な状態に起因することが認識されているが、そのマーカーの他のものの発現のレベルにおける変化がそれらの細胞の異常な状態を誘導、維持、および促進することが同様に認識されている。従って、患者においてがん関連疾患を抑制する化合物は、そのマーカーの1種類以上の発現のレベルをそのマーカーに関する発現の正常なレベル(すなわち、正常な細胞におけるそのマーカーに関する発現のレベル)により近いレベルに変化させるであろう。
[00327] 従って、この方法は、試験化合物の存在下で維持された第1細胞試料におけるマーカーの発現およびその試験化合物の非存在下で維持された第2細胞試料におけるそのマーカーの発現を比較することを含む。試験化合物の存在下でのマーカーの有意に変化した発現は、その試験化合物ががん関連疾患を抑制することを示すものである。例えば、その細胞試料は、患者から得られた正常細胞の単一の試料の分割量、患者から得られた正常細胞のプールされた試料、正常な細胞株の細胞、患者から得られたがん関連疾患細胞の単一の試料の分割量、患者から得られたがん関連疾患細胞のプールされた試料、がん関連疾患細胞株の細胞等であってよい。
[00328] 1態様において、その試料は患者から得られたがん関連疾患細胞であり、様々ながん関連疾患を抑制するのに有効であると信じられている複数の化合物をその患者におけるがん関連疾患を最高に抑制しそうである化合物を同定するために試験する。
[00329] この方法は同様に患者におけるがん関連疾患の抑制に関する療法の有効性を評価するために用いることができる。この方法において、1対の試料(一方はその療法を受け、他方はその療法を受けていない)における1種類以上のマーカーの発現のレベルを評価する。試験化合物の有効性を評価する方法と同様に、その療法がマーカーの発現の有意に変化したレベルを誘導する場合、その療法はがん関連疾患を抑制するために有効である。上記のように、選択された患者からの試料をこの方法において用いる場合、その患者においてがん関連疾患を抑制するために最も有効でありそうである療法を選択するため、代わりの療法をインビトロで評価することができる。
[00330] 有害な可能性を評価するための方法
[00331] 本明細書で記述されるように、ヒト細胞の異常な状態はそのマーカーの発現のレベルにおける変化と相関している。試験化合物の有害な可能性を評価するための方法も提供する。この方法は、ヒト細胞の別々の分割量をその試験化合物の存在下および非存在下で維持することを含む。その分割量のそれぞれにおけるマーカーの発現を比較する。その試験化合物の存在下で維持された分割量におけるマーカーの発現の(その試験化合物の非存在下で維持された分割量と比較して)有意に変化したレベルは、その試験化合物が有害な可能性を有することを示すものである。様々な試験化合物の相対的な有害な可能性を、関連するマーカーの発現のレベルの増進もしくは阻害の程度を比較することにより、発現のレベルが増進もしくは阻害されたマーカーの数を比較することにより、または両方を比較することにより評価することができる。
[00331] 本明細書で記述されるように、ヒト細胞の異常な状態はそのマーカーの発現のレベルにおける変化と相関している。試験化合物の有害な可能性を評価するための方法も提供する。この方法は、ヒト細胞の別々の分割量をその試験化合物の存在下および非存在下で維持することを含む。その分割量のそれぞれにおけるマーカーの発現を比較する。その試験化合物の存在下で維持された分割量におけるマーカーの発現の(その試験化合物の非存在下で維持された分割量と比較して)有意に変化したレベルは、その試験化合物が有害な可能性を有することを示すものである。様々な試験化合物の相対的な有害な可能性を、関連するマーカーの発現のレベルの増進もしくは阻害の程度を比較することにより、発現のレベルが増進もしくは阻害されたマーカーの数を比較することにより、または両方を比較することにより評価することができる。
[00332] 単離されたタンパク質および抗体
[00333] 1観点は、マーカータンパク質またはその断片に対して向けられた抗体を産生させるための免疫原としての使用に適した単離されたマーカータンパク質およびその生物学的に活性な部分、ならびにポリペプチド断片に関する。1態様において、その未変性のマーカータンパク質を細胞または組織源から標準的なタンパク質精製技法を用いる適切な精製スキームにより単離することができる。別の態様において、そのマーカータンパク質の全体または部分を含むタンパク質またはペプチドを組み替えDNA技法により生成する。組み換え発現の代わりに、そのようなタンパク質またはペプチドを標準的なペプチド合成技法を用いて化学的に合成することができる。
[00333] 1観点は、マーカータンパク質またはその断片に対して向けられた抗体を産生させるための免疫原としての使用に適した単離されたマーカータンパク質およびその生物学的に活性な部分、ならびにポリペプチド断片に関する。1態様において、その未変性のマーカータンパク質を細胞または組織源から標準的なタンパク質精製技法を用いる適切な精製スキームにより単離することができる。別の態様において、そのマーカータンパク質の全体または部分を含むタンパク質またはペプチドを組み替えDNA技法により生成する。組み換え発現の代わりに、そのようなタンパク質またはペプチドを標準的なペプチド合成技法を用いて化学的に合成することができる。
[00334] “単離された”または“精製された”タンパク質またはその生物学的に活性な部分は、そのタンパク質が由来する細胞もしくは組織源からの細胞性物質もしくは他の混入するタンパク質を実質的に含まず、または化学的に合成された場合は化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。用語“細胞性物質を実質的に含まない”には、そのタンパク質を、それが単離された、または組み替えにより生成された細胞の細胞構成要素から分離するタンパク質の調製が含まれる。従って、細胞性物質を実質的に含まないタンパク質には、(乾燥重量により)約30%、20%、10%、または5%未満の異種タンパク質(本明細書において“混入タンパク質”とも呼ばれる)を有するタンパク質の調製物が含まれる。
[00335] タンパク質またはその生物学的に活性な部分が組み替えにより生成される場合、それは好ましくは培地も実質的に含まず、すなわち培地はそのタンパク質調製物の体積の約20%、10%、または5%未満に相当する。そのタンパク質が化学合成により生成される場合、それは好ましくは化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まず、すな
わちそれはそのタンパク質の合成に関わる化学前駆体または他の化学物質から分離されている。従って、そのタンパク質のそのような調製物は、(乾燥重量により)約30%、20%、10%、5%未満の化学前駆体または対象のポリペプチド以外の化合物を有する。
わちそれはそのタンパク質の合成に関わる化学前駆体または他の化学物質から分離されている。従って、そのタンパク質のそのような調製物は、(乾燥重量により)約30%、20%、10%、5%未満の化学前駆体または対象のポリペプチド以外の化合物を有する。
[00336] マーカータンパク質の生物学的に活性な部分には、その完全長タンパク質よりも少ないアミノ酸を含み、その対応する完全長タンパク質の少なくとも1種類の活性を示す、そのマーカータンパク質のアミノ酸配列と十分に同一の、またはそれに由来するアミノ酸配列を含むポリペプチドが含まれる。典型的には、生物学的に活性な部分は、その対応する完全長タンパク質の少なくとも1種類の活性を有するドメインまたはモチーフを含む。マーカータンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば10、25、50、100、またはより長いアミノ酸長であるポリペプチドであることができる。さらに、そのマーカータンパク質の他の領域が削除されている他の生物学的に活性な部分を組み替え技法により調製し、そのマーカータンパク質の未変性形態の機能活性の1種類以上に関して評価することができる。特定の態様において、有用なタンパク質はこれらの配列の1つと実質的に(例えば少なくとも約40%、特定の態様において50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%)同一であり、その対応する天然存在マーカータンパク質の機能活性を保持しているが、天然の対立遺伝子変異または突然変異誘発によりアミノ酸配列が異なる。
[00337] 加えて、マーカータンパク質の部分のライブラリーを用いて、変異体マーカータンパク質またはその部分のスクリーニングおよびその後の選択のためのポリペプチドの多様な集団を生成することができる。
[00338] 予測医学
[00339] 本明細書において、予測医学の分野における動物モデルおよびマーカーの使用も提供し、ここで診断アッセイ、予後予測アッセイ、薬理ゲノミクス、および臨床試験の監視が予後予測(予測)目的のために用いられ、それにより個体を予防的に処置する。従って、本明細書において、個体ががん関連疾患を発現する危険にさらされているかどうかを決定するために1種類以上のマーカータンパク質または核酸の発現のレベルを決定するための診断アッセイも提供する。そのようなアッセイを予後予測または予測目的のために用いて、それにより個体をそのがん関連疾患の発症の前に予防的に処置することができる。
[00339] 本明細書において、予測医学の分野における動物モデルおよびマーカーの使用も提供し、ここで診断アッセイ、予後予測アッセイ、薬理ゲノミクス、および臨床試験の監視が予後予測(予測)目的のために用いられ、それにより個体を予防的に処置する。従って、本明細書において、個体ががん関連疾患を発現する危険にさらされているかどうかを決定するために1種類以上のマーカータンパク質または核酸の発現のレベルを決定するための診断アッセイも提供する。そのようなアッセイを予後予測または予測目的のために用いて、それにより個体をそのがん関連疾患の発症の前に予防的に処置することができる。
[00340] 別の観点において、その方法は、その個体が彼の/彼女の発現パターンを変化させる化学物質または毒素に晒されたことがあるかどうかを理解するための同じ個体の少なくとも定期的なスクリーニングのために有用である。
[00341] さらに別の観点は、臨床試験においてがん関連疾患を抑制するためまたはいずれかの他の障害を処置もしくは予防するためのどちらかで投与される薬剤(例えば薬物または他の化合物)の、(例えばそのような処置が有し得るあらゆるシステム作用(system effects)を理解するための)マーカーの発現または活性への影響を監視することに関する。
[00342] 薬理ゲノミクス
[00343] そのマーカーは、薬理ゲノミクスマーカーとしても有用である。本明細書で用いられる際、“薬理ゲノミクスマーカー”は、その発現レベルが患者における特定の臨床薬物応答または感受性と相関する客観的な生化学的マーカーである。その薬理ゲノミクスマーカーの発現の存在または量は、その患者の、より詳細にはその患者の腫瘍の特定の薬物または特定のクラスの薬物を用いた療法への予測される応答に関連している。患者における1種類以上の薬理ゲノミクスマーカーの発現の存在または量を評価することにより
、その患者に関して最も適切である、またはより大きな成功の程度を有すると予測される薬物療法を選択することができる。
[00343] そのマーカーは、薬理ゲノミクスマーカーとしても有用である。本明細書で用いられる際、“薬理ゲノミクスマーカー”は、その発現レベルが患者における特定の臨床薬物応答または感受性と相関する客観的な生化学的マーカーである。その薬理ゲノミクスマーカーの発現の存在または量は、その患者の、より詳細にはその患者の腫瘍の特定の薬物または特定のクラスの薬物を用いた療法への予測される応答に関連している。患者における1種類以上の薬理ゲノミクスマーカーの発現の存在または量を評価することにより
、その患者に関して最も適切である、またはより大きな成功の程度を有すると予測される薬物療法を選択することができる。
[00344] 臨床試験の監視
[00345] 薬剤(例えば薬物化合物)のマーカーの発現のレベルへの影響の監視は、基本的な薬物スクリーニングにおいてだけでなく臨床試験においても適用することができる。例えば、薬剤のマーカー発現に影響を及ぼす有効性を、がん関連疾患に関する処置を受けている対象の臨床試験において監視することができる。
[00345] 薬剤(例えば薬物化合物)のマーカーの発現のレベルへの影響の監視は、基本的な薬物スクリーニングにおいてだけでなく臨床試験においても適用することができる。例えば、薬剤のマーカー発現に影響を及ぼす有効性を、がん関連疾患に関する処置を受けている対象の臨床試験において監視することができる。
[00346] 1つの限定的でない態様において、本発明は、以下の工程を含む、薬剤(例えば作動薬、拮抗薬、ペプチド模倣体、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子、または他の薬物候補)を用いた対象の処置の有効性を監視するための方法を提供する:(i)その薬剤の投与の前に、対象から投与前の試料を得て;(ii)その投与前の試料中の1種類以上の選択されたマーカーの発現のレベルを検出し;(iii)その対象から1個以上の投与後の試料を得て;(iv)その投与後の試料中のそのマーカー(単数または複数)の発現のレベルを検出し;(v)その投与前の試料中のそのマーカー(単数または複数)の発現のレベルをその投与後の試料(単数または複数)中のそのマーカー(単数または複数)の発現のレベルと比較し;そして(vi)その対象へのその薬剤の投与をそれに応じて変更する。
[00347] 例えば、処置の過程の間のそのマーカー遺伝子(単数または複数)の増大した発現は、無効な投与量およびその投与量の増大が望ましいことを示している可能性がある。逆に、そのマーカー遺伝子(単数または複数)の減少した発現は、有効な処置および投与量を変更する必要がないことを示している可能性がある。
[00348] 電子装置で読み取り可能な媒体、システム、アレイおよび同じものを用いる方法
[00349] 本明細書で用いられる際、“電子装置で読み取り可能な媒体”は、電子装置により直接読まれ得る、およびアクセスされ得るデータまたは情報を記憶、保持または含有するためのあらゆる適切な媒体を指す。そのような媒体には以下の媒体が含まれ得るが、それらに限定されない:磁気記録媒体、例えばフロッピーディスク、ハードディスク記憶媒体、および磁気テープ;光学記憶媒体、例えばコンパクトディスク;電子記憶媒体、例えばRAM、ROM、EPROM、EEPROM等;ならびに一般的なハードディスクおよびこれらのカテゴリーのハイブリッド、例えば磁気/光学記憶媒体。その媒体は、本明細書において記述されるようなマーカーをその上に記録するために適合または設計されている。
[00349] 本明細書で用いられる際、“電子装置で読み取り可能な媒体”は、電子装置により直接読まれ得る、およびアクセスされ得るデータまたは情報を記憶、保持または含有するためのあらゆる適切な媒体を指す。そのような媒体には以下の媒体が含まれ得るが、それらに限定されない:磁気記録媒体、例えばフロッピーディスク、ハードディスク記憶媒体、および磁気テープ;光学記憶媒体、例えばコンパクトディスク;電子記憶媒体、例えばRAM、ROM、EPROM、EEPROM等;ならびに一般的なハードディスクおよびこれらのカテゴリーのハイブリッド、例えば磁気/光学記憶媒体。その媒体は、本明細書において記述されるようなマーカーをその上に記録するために適合または設計されている。
[00350] 本明細書で用いられる際、用語“電子装置”には、データまたは情報を記憶するために設計または適合されたあらゆる適切な演算もしくは処理装置または他のデバイスが含まれることを意図している。本発明の態様による使用に適した電子装置の例には、スタンドアローンの演算装置;ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)インターネット、イントラネット、およびエクストラネットが含まれるネットワーク;電子機器、例えば携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ポケットベル等;ならびに局所的および分散型処理システムが含まれる。
[00351] 本明細書で用いられる際、“記録された”は、その電子装置で読み取り可能な媒体上の情報を記憶またはコード化するためのプロセスを指す。当業者は、本明細書で記述されるマーカーを含む物質を生成するために、媒体上に情報を記録するためのあらゆる方法をすぐに採用することができる。
[00352] 様々なソフトウェアプログラムおよびフォーマットを用いて、本発明の態様のマーカー情報を電子装置で読み取り可能な媒体上に記憶させることができる。あらゆる数のデータ処理装置構造化フォーマット(例えばテキストファイルまたはデータベース)を、そのマーカーをその上に記録する媒体を得る、または作製するために用いることができる。そのマーカーを読み取り可能な形態で提供することにより、様々な目的のためにそのマーカー配列情報にルーチン的にアクセスすることができる。例えば、当業者はその読み取り可能な形態のヌクレオチドまたはアミノ酸配列を用いて標的配列または標的構造モチーフをそのデータ記憶手段内に記憶された配列情報と比較することができる。特定の標的配列または標的モチーフにマッチする配列の断片または領域を同定するために、検索手段が用いられる。
[00353] 従って、本明細書において、対象ががん関連疾患またはがん関連疾患に対する素因を有するかどうかを決定するための方法を実施するための指示を保持するための媒体も提供し、ここでその方法は、マーカーの存在または非存在を決定し、そしてマーカーの存在または非存在に基づいてその対象ががん関連疾患もしくはがん関連疾患に対する素因を有するかどうかを決定する、および/またはがん関連疾患もしくは前がん関連疾患状態に関する特定の処置を推奨する工程を含む。異なる実体(entities)がその意図される方法の工程を実施することができること、ならびに電子通信のための1つ以上の手段を用いてそのデータを記憶および送信することができることが意図されている。生データ、処理されたデータ、診断、および/または予後は、以下:プライマリケア医師、患者、専門医、保険業者、財団法人、病院、データベース、カウンセラー、療法士、薬剤師、および政府の1つ以上が含まれ得る実体間で通信されるであろうことが意図されている。
[00354] 対象がマーカーと関係するがん関連疾患またはがん関連疾患に対する素因を有するかどうかを決定するための電子システムおよび/またはネットワーク中のシステム、方法も提供し、ここでその方法は、そのマーカーの存在または非存在を決定し、そしてそのマーカーの存在または非存在に基づいてその対象ががん関連疾患もしくはがん関連疾患に対する素因を有するかどうかを決定する、および/またはそのがん関連疾患もしくは前がん関連疾患状態に関する特定の処置を推奨する工程を含む。その方法はさらに、その対象と関係する表現型の情報を受け取る、および/またはネットワークからその対象と関係する表現型の情報を得る工程を含むことができる。
[00355] 本明細書において、対象がマーカーと関係するがん関連疾患またはがん関連疾患に対する素因を有するかどうかを決定するためのネットワーク、方法も提供し、その方法は、そのマーカーと関係する情報を受け取り、その対象と関係する表現型の情報を受け取り、そのマーカーおよび/またはがん関連疾患に対応するネットワークから情報を得て、そしてその表現型の情報、そのマーカー、およびその得た情報の1つ以上に基づいてその対象ががん関連疾患またはがん関連疾患に対する素因を有するかどうかを決定する工程を含む。その方法はさらに、そのがん関連疾患もしくは前がん関連疾患状態に関する特定の処置を推奨する工程を含むことができる。
[00356] 本明細書において、対象ががん関連疾患またはがん関連疾患に対する素因を有するかどうかを決定するための商法も提供し、その方法は、そのマーカーと関係する情報を受け取り、その対象と関係する表現型の情報を受け取り、そのマーカーおよび/またはがん関連疾患に対応するネットワークから情報を得て、そしてその表現型の情報、そのマーカー、およびその得た情報の1つ以上に基づいてその対象ががん関連疾患またはがん関連疾患に対する素因を有するかどうかを決定する工程を含む。その方法はさらに、そのがん関連疾患もしくは前がん関連疾患状態に関する特定の処置を推奨する工程を含むことができる。
[00357] アレイ
[00358] 本明細書において、アレイ中の1種類以上の遺伝子の発現をアッセイするために用いることができるアレイも提供する。1態様において、そのアレイを用いて組織における遺伝子発現をアッセイしてそのアレイ中の遺伝子の組織特異性を確かめることができる。この方法において、約7000以上に至るまでの遺伝子を発現に関して同時にアッセイすることができる。これは、1種類以上の組織において特異的に発現している一連の遺伝子を示すプロファイルを開発することを可能にする。
[00358] 本明細書において、アレイ中の1種類以上の遺伝子の発現をアッセイするために用いることができるアレイも提供する。1態様において、そのアレイを用いて組織における遺伝子発現をアッセイしてそのアレイ中の遺伝子の組織特異性を確かめることができる。この方法において、約7000以上に至るまでの遺伝子を発現に関して同時にアッセイすることができる。これは、1種類以上の組織において特異的に発現している一連の遺伝子を示すプロファイルを開発することを可能にする。
[00359] そのような定性的決定に加えて、本明細書において遺伝子発現の定量化を提供する。従って、組織特異性だけでなく、その組織における一連の遺伝子の発現のレベルも確かめることができる。従って、遺伝子をそれらの組織発現それ自体およびその組織における発現のレベルに基づいてグループ分けすることができる。これは、例えば2つの組織間の、または3つ以上の組織間の遺伝子発現の関係の確認において有用である。従って、ある組織を撹乱させることができ、第2の組織における遺伝子発現への作用を決定することができる。この状況において、生物学的刺激に応答したある細胞型の別の細胞型への作用を決定することができる。
[00360] そのような決定は、例えば細胞間相互作用を遺伝子発現のレベルで知るために有用である。ある薬剤がある細胞型を処置するために療法的に投与されるが別の細胞型への望ましくない作用を有する場合、その方法はその望ましくない作用の分子的基礎を決定するためのアッセイを提供し、そうして中和する薬剤を同時投与する、または他の方法でその望ましくない作用を処置するための機会を提供する。同様に、単一の細胞型内でさえ、望ましくない生物学的作用を分子レベルで決定することができる。従って、ある薬剤のその標的遺伝子以外の発現への作用を確かめ、そして中和することができる。
[00361] 別の態様において、そのアレイを用いてそのアレイ中の1種類以上の遺伝子の発現の時間経過を監視することができる。これは、本明細書で開示されるような様々な生物学的状況、例えばがん関連疾患の発現、がん関連疾患の進行、およびがん関連疾患と関係する細胞の形質転換のようなプロセスにおいて起こる可能性がある。
[00362] そのアレイは、同じ細胞における、または異なる細胞におけるある遺伝子の発現または他の遺伝子の発現の作用を確かめるためにも有用である。これは、例えば、最終的な標的または下流の標的を制御することができない場合の療法介入のための代わりの分子標的の選択を提供する。
[00363] そのアレイは、正常および異常な細胞における1種類以上の遺伝子の差次的発現パターンを確かめるためにも有用である。これは、診断または療法介入のための分子標的として役立ち得る一連の遺伝子を提供する。
[00364] 代用マーカー
[00365] そのマーカーは、1種類以上の障害もしくは疾患状態に関する、またはがん関連疾患状態に至る病気に関する代用マーカーとして役立ち得る。本明細書で用いられる際、“代用マーカー”は、疾患もしくは障害の非存在もしくは存在と、または疾患もしくは障害の進行と相関する客観的な生化学的マーカーである。そのようなマーカーの存在または量は、その疾患に依存していない。従って、これらのマーカーは、特定の処置の過程が疾患状態または障害の低減において有効であるかどうかを示す役目を果たし得る。代用マーカーは、疾患状態もしくは障害の存在もしくは程度が標準的な方法論では評価するのが難しい場合、または危険である可能性のある臨床エンドポイントに到達する前に疾患進行の評価が望まれる場合に、特に有用である。
[00365] そのマーカーは、1種類以上の障害もしくは疾患状態に関する、またはがん関連疾患状態に至る病気に関する代用マーカーとして役立ち得る。本明細書で用いられる際、“代用マーカー”は、疾患もしくは障害の非存在もしくは存在と、または疾患もしくは障害の進行と相関する客観的な生化学的マーカーである。そのようなマーカーの存在または量は、その疾患に依存していない。従って、これらのマーカーは、特定の処置の過程が疾患状態または障害の低減において有効であるかどうかを示す役目を果たし得る。代用マーカーは、疾患状態もしくは障害の存在もしくは程度が標準的な方法論では評価するのが難しい場合、または危険である可能性のある臨床エンドポイントに到達する前に疾患進行の評価が望まれる場合に、特に有用である。
[00366] 薬力学的マーカー
[00367] そのマーカーは薬力学的マーカーとしても有用である。本明細書で用いられる際、“薬力学的マーカー”は、薬物の作用と特異的に相関する客観的な生化学的マーカーである。薬力学的マーカーの存在または量は、それに関してその薬物が投与されている疾患状態または障害とは無関係であり;従って、そのマーカーの存在または量は対象におけるその薬物の存在または活性を示している。例えば、薬力学的マーカーは生物学的組織中のその薬物の濃度を示している可能性があり、ここでそのマーカーはその組織においてその薬物のレベルと関連して発現もしくは転写されているか、または発現もしくは転写されていないかのどちらかである。この様式で、その薬物の分布または取り込みをその薬力学的マーカーにより監視することができる。同様に、その薬力学的マーカーの存在または量は、そのマーカーの存在または量がインビボでのその薬物の相対的な分解速度を示しているように、薬物の代謝産物の存在または量と関連している可能性がある。
[00367] そのマーカーは薬力学的マーカーとしても有用である。本明細書で用いられる際、“薬力学的マーカー”は、薬物の作用と特異的に相関する客観的な生化学的マーカーである。薬力学的マーカーの存在または量は、それに関してその薬物が投与されている疾患状態または障害とは無関係であり;従って、そのマーカーの存在または量は対象におけるその薬物の存在または活性を示している。例えば、薬力学的マーカーは生物学的組織中のその薬物の濃度を示している可能性があり、ここでそのマーカーはその組織においてその薬物のレベルと関連して発現もしくは転写されているか、または発現もしくは転写されていないかのどちらかである。この様式で、その薬物の分布または取り込みをその薬力学的マーカーにより監視することができる。同様に、その薬力学的マーカーの存在または量は、そのマーカーの存在または量がインビボでのその薬物の相対的な分解速度を示しているように、薬物の代謝産物の存在または量と関連している可能性がある。
[00368] 薬力学的マーカーは、薬物作用の検出の感度の増大において、特にその薬物が低用量で投与される場合に特に有用である。少量の薬物さえも多数ラウンドのマーカーの転写または発現を活性化するのに十分である可能性があるため、その増幅されたマーカーはその薬物自体よりも容易に検出可能な量である可能性がある。また、そのマーカーは、そのマーカー自体の性質により、より容易に検出することができ;例えば本明細書で記述される方法を用いて、タンパク質マーカーに関して抗体を免疫に基づく検出系において用いることができ、またはマーカー特異的な放射標識されたプローブを用いてmRNAマーカーを検出することができる。さらに、薬力学的マーカーの使用は、可能な直接観察の範囲を超える薬物処置による危険性の機序に基づく予測を与えることができる。
[00369] 試験のためのプロトコル
[00370] がん関連疾患に関する試験の方法は、例えば対象からの生物学的試料におけるそれぞれのマーカー遺伝子の発現レベルを時間の経過にわたって測定し、そしてそのレベルを対照生物学的試料におけるそのマーカー遺伝子の発現のレベルと比較することを含む。
[00370] がん関連疾患に関する試験の方法は、例えば対象からの生物学的試料におけるそれぞれのマーカー遺伝子の発現レベルを時間の経過にわたって測定し、そしてそのレベルを対照生物学的試料におけるそのマーカー遺伝子の発現のレベルと比較することを含む。
[00371] そのマーカー遺伝子が本明細書で記述された遺伝子の1つであり、その発現レベルが差次的に発現されている(例えば、対照における発現レベルよりも高い、または低い)場合、その対象はがん関連疾患に冒されていると判定される。そのマーカー遺伝子の発現レベルが許容できる範囲内に入る場合、その対象はがん関連疾患に冒されていそうにない。
[00372] その対照に関する標準値は、その発現レベルを比較するためにその対照におけるそのマーカー遺伝子の発現レベルを測定することにより予め決定することができる。例えば、その標準値は、その対照における上記で言及したマーカー遺伝子の発現レベルに基づいて決定することができる。例えば、特定の態様において、その許容できる範囲は、その標準値に基づいて±2標準誤差として選ばれる。一度その標準値を決定したら、その試験法を、対象からの生物学的試料中の発現レベルのみを測定し、その値をその対照に関する決定された標準値と比較することにより実施することができる。
[00373] マーカー遺伝子の発現レベルには、そのマーカー遺伝子のmRNAへの転写およびタンパク質への翻訳が含まれる。従って、がん関連疾患に関する試験の1つの方法は、そのマーカー遺伝子に対応するmRNAの発現の強度またはそのマーカー遺伝子によりコードされるタンパク質の発現レベルの比較に基づいて実施される。
[00374] プローブ
[00375] そのがん関連疾患に関する試験におけるマーカー遺伝子の発現レベルの測定は、様々な遺伝子分析法に従って実施することができる。具体的には、例えばこれらの遺伝子にハイブリダイズする核酸をプローブとして用いるハイブリダイゼーション技法、またはそのマーカー遺伝子にハイブリダイズするDNAをプライマーとして用いる遺伝子増幅技法を用いることができる。
[00375] そのがん関連疾患に関する試験におけるマーカー遺伝子の発現レベルの測定は、様々な遺伝子分析法に従って実施することができる。具体的には、例えばこれらの遺伝子にハイブリダイズする核酸をプローブとして用いるハイブリダイゼーション技法、またはそのマーカー遺伝子にハイブリダイズするDNAをプライマーとして用いる遺伝子増幅技法を用いることができる。
[00376] その試験のために用いられるプローブまたはプライマーは、そのマーカー遺伝子のヌクレオチド配列に基づいて設計することができる。それぞれのマーカー遺伝子のヌクレオチド配列に関する識別番号は本明細書で記述されている。
[00377] さらに、より高度な動物の遺伝子は一般に高頻度で多型を伴うことは理解されるべきである。スプライシングプロセスの間に互いに異なるアミノ酸配列を含むイソ型を生成する多くの分子も存在する。マーカー遺伝子の活性に類似した活性を有するがん関連疾患と関係するあらゆる遺伝子は、たとえそれが多型またはイソ型であることによるヌクレオチド配列の違いを有していても、そのマーカー遺伝子に含まれる。
[00378] そのマーカー遺伝子にはヒトに加えて他の種のホモログが含まれることができることも理解されるべきである。従って、別途明記しない限り、表現“マーカー遺伝子”は、その種に特有のマーカー遺伝子または個体に導入された外来のマーカー遺伝子のホモログを指す。
[00379] また、“マーカー遺伝子のホモログ”は、ストリンジェントな条件下でそのヒトのマーカー遺伝子にプローブとしてハイブリダイズすることができるヒト以外の種に由来する遺伝子を指すことは理解されるべきである。そのようなストリンジェントな条件は当業者には既知であり、当業者は等しいストリンジェンシーを生成するための適切な条件を実験的または経験的に選択することができる。
[00380] マーカー遺伝子のヌクレオチド配列またはマーカー遺伝子のヌクレオチド配列の相補鎖に相補的であるヌクレオチド配列を含み、少なくとも15ヌクレオチドを有するポリヌクレオチドを、プライマーまたはプローブとして用いることができる。従って、“相補鎖”は二本鎖DNAの他方の鎖に関する一方の鎖を意味し、それはA:T(RNAに関してはU)およびG:C塩基対からなる。
[00381] 加えて、“相補的”は、少なくとも15個の連続したヌクレオチドの領域に完全に相補的であるそれらだけでなく、特定の場合において少なくとも40%、特定の場合において50%、特定の場合において60%、特定の場合において70%、少なくとも80%、90%、および95%以上のヌクレオチド配列相同性を有するそれらも意味する。ヌクレオチド配列間の相同性の程度は、アルゴリズム、BLAST等により決定することができる。
[00382] そのようなポリヌクレオチドは、マーカー遺伝子を検出するためのプローブとして、またはマーカー遺伝子を増幅するためのプライマーとして有用である。プライマーとして用いられる場合、そのポリヌクレオチドは通常15bp〜100bp、特定の態様において15bp〜35bpのヌクレオチドを含む。プローブとして用いられる場合、DNAはそのマーカー遺伝子(またはその相補鎖)のヌクレオチド配列全体または少なくとも15pbのヌクレオチドを有するその部分配列を含む。プライマーとして用いられる場合、その3’領域はそのマーカー遺伝子に相補的でなければならず、一方でその5’領域は制限酵素認識配列またはタグに連結されていることができる。
[00383] “ポリヌクレオチド”は、DNAまたはRNAのどちらかであることができ
る。これらのポリヌクレオチドは、合成によるものまたは天然存在のもののどちらであってもよい。また、ハイブリダイゼーションのためのプローブとして用いられるDNAは、通常は標識されている。当業者はそのような標識法をすぐに理解する。本明細書において、用語“オリゴヌクレオチド”は、比較的低い重合度を有するポリヌクレオチドを意味する。オリゴヌクレオチドはポリヌクレオチドに含まれる。
る。これらのポリヌクレオチドは、合成によるものまたは天然存在のもののどちらであってもよい。また、ハイブリダイゼーションのためのプローブとして用いられるDNAは、通常は標識されている。当業者はそのような標識法をすぐに理解する。本明細書において、用語“オリゴヌクレオチド”は、比較的低い重合度を有するポリヌクレオチドを意味する。オリゴヌクレオチドはポリヌクレオチドに含まれる。
[00384] がん関連疾患に関する試験
[00385] ハイブリダイゼーション技法を用いたがん関連疾患に関する試験は、例えばノーザンハイブリダイゼーション、ドットブロットハイブリダイゼーション、またはDNAマイクロアレイ技法を用いて実施することができる。さらに、遺伝子増幅技法、例えばRT−PCR法を用いることができる。RT−PCRにおける遺伝子増幅工程の間にPCR増幅監視法を用いることにより、マーカー遺伝子の発現のより定量的な分析を達成することができる。
[00385] ハイブリダイゼーション技法を用いたがん関連疾患に関する試験は、例えばノーザンハイブリダイゼーション、ドットブロットハイブリダイゼーション、またはDNAマイクロアレイ技法を用いて実施することができる。さらに、遺伝子増幅技法、例えばRT−PCR法を用いることができる。RT−PCRにおける遺伝子増幅工程の間にPCR増幅監視法を用いることにより、マーカー遺伝子の発現のより定量的な分析を達成することができる。
[00386] PCR遺伝子増幅監視法において、検出標的(DNAまたはRNAの逆転写産物)を、蛍光色素およびその蛍光を吸収する消光物質で標識されたプローブにハイブリダイズさせる。そのPCRが進行し、Taqポリメラーゼがそのプローブをその5’−3’エキソヌクレアーゼ活性により分解すると、その蛍光色素および消光物質は互いから引き離され、蛍光が検出される。その蛍光はリアルタイムで検出される。標的のコピー数が既知である標準試料を同時に測定することにより、PCR増幅が線形であるサイクル数を用いてその対象試料中のその標的のコピー数を決定することが可能である。また、当業者は、そのPCR増幅監視法はあらゆる適切な方法を用いて実施することができることを認識している。
[00387] がん関連疾患に関する試験の方法は、マーカー遺伝子によりコードされるタンパク質を検出することにより実施することもできる。以下、マーカー遺伝子によりコードされるタンパク質を“マーカータンパク質”と記述する。そのような試験法に関して、例えば、それぞれのマーカータンパク質に結合する抗体を用いて、ウェスタンブロッティング法、免疫沈降法、およびELISA法を用いることができる。
[00388] その検出において用いられるそのマーカータンパク質に結合する抗体は、あらゆる適切な技法により生成することができる。また、マーカータンパク質を検出するため、そのような抗体を適切に標識することができる。あるいは、その抗体を標識する代わりに、その抗体に特異的に結合する物質、例えばプロテインAまたはプロテインGを標識してそのマーカータンパク質を間接的に検出することができる。より具体的には、そのような検出法にはELISA法が含まれ得る。
[00389] 抗原として用いられるタンパク質またはその部分的なペプチドは、例えばマーカー遺伝子またはその一部を発現ベクター中に挿入し、そのコンストラクトを適切な宿主細胞中に導入して形質転換体を生成し、その形質転換体を培養してその組み換えタンパク質を発現させ、そしてその発現された組み換えタンパク質をその培養物または培養上清から精製することにより得ることができる。あるいは、遺伝子によりコードされるアミノ酸配列または完全長cDNAによりコードされるアミノ酸配列の一部を含むオリゴペプチドを化学的に合成して免疫原として用いる。
[00390] さらに、がん関連疾患に関する試験は、生物学的試料中のマーカー遺伝子の発現レベルだけでなくマーカータンパク質の活性も指標として用いて実施することができる。マーカータンパク質の活性は、そのタンパク質に本来備わっている生物学的活性を意味する。様々な方法をそれぞれのタンパク質の活性を測定するために用いることができる。
[00391] たとえ患者がこれらの疾患を示唆する症状にも関わらずルーチン的な試験においてがん関連疾患に冒されていると診断されなくても、そのような患者ががん関連疾患を患っているか否かは本明細書で記述される方法に従う試験を実施することにより容易に決定することができる。
[00392] より具体的には、特定の態様において、そのマーカー遺伝子が本明細書で記述される遺伝子の1つである場合、その症状が少なくともがん関連疾患への易罹患性を示唆している患者におけるそのマーカー遺伝子の発現レベルにおける増大または減少は、その症状が主にがん関連疾患により引き起こされていることを示す。
[00393] 加えて、その試験は患者においてがん関連疾患が改善しているかどうかを決定するために有用である。言い換えれば、本明細書で記述される方法を用いてがん関連疾患に関する処置の療法的作用を判定することができる。さらに、そのマーカー遺伝子が本明細書で記述される遺伝子の1つである場合、がん関連疾患に冒されていると診断されている患者におけるそのマーカー遺伝子の発現レベルにおける増大または減少は、その疾患がより進行していることを暗示している。
[00394] がん関連疾患への重症度および/または易罹患性は、発現レベルにおける差に基づいて決定することもできる。例えば、そのマーカー遺伝子が本明細書で記述される遺伝子の1つである場合、そのマーカー遺伝子の発現レベルにおける増大の程度はがん関連疾患の存在および/または重症度と相関している。
[00395] マーカーの発現の制御
[00396] 加えて、マーカー遺伝子の発現自体を、その遺伝子の転写制御領域中に変異(単数または複数)を導入することにより制御することができる。当業者はそのようなアミノ酸置換を理解している。また、変異させるアミノ酸の数は、その活性が維持される限り特に制限されない。通常、それは50アミノ酸以内、特定の限定的でない態様において30アミノ酸以内、10アミノ酸以内、または3アミノ酸以内である。変異の部位は、その活性が維持される限りあらゆる部位であってよい。
[00396] 加えて、マーカー遺伝子の発現自体を、その遺伝子の転写制御領域中に変異(単数または複数)を導入することにより制御することができる。当業者はそのようなアミノ酸置換を理解している。また、変異させるアミノ酸の数は、その活性が維持される限り特に制限されない。通常、それは50アミノ酸以内、特定の限定的でない態様において30アミノ酸以内、10アミノ酸以内、または3アミノ酸以内である。変異の部位は、その活性が維持される限りあらゆる部位であってよい。
[00397] スクリーニング法
[00398] さらに別の観点において、本明細書において、がん関連疾患を処置するための療法剤に関する候補化合物に関するスクリーニング法を提供する。1種類以上のマーカー遺伝子を、本明細書で記述される遺伝子の群から選択する。がん関連疾患に関する療法剤は、そのマーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルを増大または減少させることができる化合物を選択することにより得ることができる。
[00398] さらに別の観点において、本明細書において、がん関連疾患を処置するための療法剤に関する候補化合物に関するスクリーニング法を提供する。1種類以上のマーカー遺伝子を、本明細書で記述される遺伝子の群から選択する。がん関連疾患に関する療法剤は、そのマーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルを増大または減少させることができる化合物を選択することにより得ることができる。
[00399] “遺伝子の発現レベルを増大させる化合物”という表現は、遺伝子の転写、遺伝子の翻訳、またはタンパク質活性の発現の段階のいずれか1つを促進する化合物を指すことは理解されるべきである。一方で、“遺伝子の発現レベルを減少させる化合物”という表現は、本明細書で用いられる際、これらの段階のいずれか1つを阻害する化合物を指す。
[00400] 特定の観点において、がん関連疾患に関する療法剤に関するスクリーニングの方法は、インビボまたはインビトロのどちらで実施することもできる。このスクリーニング法は、例えば、(1)候補化合物を動物の対象に投与し;(2)その動物の対象からの生物学的試料中のマーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルを測定し;または(3)マーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルを、その候補化合物を接触させていない対照における発現レベルと比較した場合に増大または減少させる化合物を選択するこ
とにより実施することができる。
とにより実施することができる。
[00401] さらに別の観点において、本明細書において、以下の工程による、医薬品のための候補化合物のマーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルへの有効性を評価するための方法を提供する:動物の対象をその候補化合物と接触させ、その化合物のその動物の対象に由来する生物学的試料中のそのマーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルへの作用を監視する。その動物の対象に由来する生物学的試料中のそのマーカー遺伝子(単数または複数)の発現レベルにおける変動は、上記で記述した試験法において用いられる技法と同じ技法を用いて監視することができる。さらに、その評価に基づいて、医薬品のための候補化合物をスクリーニングにより選択することができる。
[00402] キット
[00403] 本明細書で記述された組成物のいずれもキット中に含まれてよい。限定的でない例において、miRNAを単離する、miRNAを標識する、および/またはmiRNA集団をアレイを用いて評価するための試薬がキット中に含まれる。そのキットにはさらに、miRNAプローブを作製または合成するための試薬が含まれていてよい。従って、そのキットは、適切な容器手段(container means)中に、標識されたヌクレオチドまたは後で標識される未標識のヌクレオチドを組み込むことによりmiRNAを標識するための酵素を含むであろう。それには1種類以上の緩衝液、例えば反応緩衝液、標識緩衝液、洗浄緩衝液、またはハイブリダイゼーション緩衝液、miRNAプローブを調製するための化合物、およびmiRNAを単離するための構成要素も含まれてよい。他のキットには、miRNAに相補的なオリゴヌクレオチドを含む核酸アレイを作製するための構成要素も含まれてよく、従って例えば固体支持体が含まれてよい。
[00403] 本明細書で記述された組成物のいずれもキット中に含まれてよい。限定的でない例において、miRNAを単離する、miRNAを標識する、および/またはmiRNA集団をアレイを用いて評価するための試薬がキット中に含まれる。そのキットにはさらに、miRNAプローブを作製または合成するための試薬が含まれていてよい。従って、そのキットは、適切な容器手段(container means)中に、標識されたヌクレオチドまたは後で標識される未標識のヌクレオチドを組み込むことによりmiRNAを標識するための酵素を含むであろう。それには1種類以上の緩衝液、例えば反応緩衝液、標識緩衝液、洗浄緩衝液、またはハイブリダイゼーション緩衝液、miRNAプローブを調製するための化合物、およびmiRNAを単離するための構成要素も含まれてよい。他のキットには、miRNAに相補的なオリゴヌクレオチドを含む核酸アレイを作製するための構成要素も含まれてよく、従って例えば固体支持体が含まれてよい。
[00404] アレイが含まれるあらゆるキットの態様に関して、本明細書における配列のいずれかの全部または一部と同一または相補的である配列を含有する核酸分子が存在することができる。
[00405] そのキットの構成要素は、水性媒体中または凍結乾燥された形態のどちらかで包装されてよい。そのキットの容器手段には一般に、その中に構成要素を入れる、そして好ましくは適切に分取する(aliquoted)ことができる少なくとも1個のバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、注射器または他の容器手段が含まれるであろう。そのキット中に1種類より多くの構成要素が存在する場合(標識試薬および標識は一緒に包装されてよい)、そのキットは一般に、その中に追加の構成要素を別々に入れることができる第2、第3または他の追加の容器も含有するであろう。しかし、構成要素の様々な組み合わせが1個のバイアル中に含まれてよい。本発明のキットには典型的には、核酸を収容するための手段、および商業販売のために厳重に密閉されたあらゆる他の試薬容器も含まれるであろう。そのような容器には、その中に所望のバイアルが保持される射出成形または吹込成形されたプラスチック容器が含まれ得る。
[00406] そのキットの構成要素が1種類以上の液体溶液中で提供される場合、その液体溶液は水溶液であり、無菌水溶液が1つの好ましい溶液である。キット中に含まれてよい他の溶液は、miRNAの混合された試料からの単離および/または濃縮(enriching)に関わる溶液である。
[00407] しかし、そのキットの構成要素は乾燥粉末(単数または複数)として提供されてよい。試薬および/または構成要素が乾燥粉末として提供される場合、その粉末は適切な溶媒の添加により再構成され得る。その溶媒は別の容器手段中で提供されてもよいと予想される。そのキットには標識されたmiRNAの単離を容易にする構成要素も含まれてよい。それにはそのmiRNAを保存もしくは維持する、またはその分解に対して保護
する構成要素も含まれてよい。その構成要素はRNA分解酵素無含有であることができ、またはRNA分解酵素に対して保護することができる。
する構成要素も含まれてよい。その構成要素はRNA分解酵素無含有であることができ、またはRNA分解酵素に対して保護することができる。
[00408] また、そのキットは一般に、適切な手段中で、それぞれの個々の試薬または溶液のための別個の容器を含むことができる。そのキットには、そのキットの構成要素の使用ならびにそのキット中に含まれていないあらゆる他の試薬の使用のための説明書も含まれ得る。説明書には実施することができる変更が含まれていてよい。そのような試薬は本発明のキットの態様であることが意図されている。また、そのキットは上記で確認された特定の品目に限定されず、miRNAの操作または特性付けのために用いられるあらゆる試薬が含まれてよい。
[00409] miRNAアレイの文脈で論じられたあらゆる態様は、本発明のスクリーニングまたはプロファイリングの方法またはキットにおいてより一般的に用いられてよいことも意図されている。言い換えれば、特定のアレイ中に何が含まれていてよいかを記述しているあらゆる態様は、miRNAプロファイリングの状況においてより一般的に実施することができ、アレイ自体を含む必要はない。
[00410] あらゆるキット、アレイまたは他の検出技法もしくは道具、またはあらゆる方法は、これらのmiRNAのいずれかに関するプロファイリングを含み得ることも意図されている。また、miRNAアレイの文脈で論じられたあらゆる態様は本発明の方法におけるアレイ形式を用いて、または用いずに実施することができ;言い換えれば、miRNAアレイ中のあらゆるmiRNAは本発明のあらゆる方法において当業者に既知のあらゆる技法に従ってスクリーニングまたは評価することができることが意図されている。そのアレイ形式は、実施されるスクリーニングおよび診断法に必要ではない。
[00411] 療法的、予後的、または診断的適用のためにmiRNAアレイを用いるためのキットおよびそのような使用が意図されている。そのキットには、miRNAアレイ、ならびにそのアレイ上のmiRNAに関する標準的な、または正規化されたmiRNAプロファイルに関する情報が含まれ得る。また、特定の態様において、対照RNAまたはDNAがそのキット中に含まれ得る。その対照RNAは、標識および/またはアレイ分析に関する陽性対照として用いることができるmiRNAであることができる。
[00412] 別の観点において、様々な診断および試験キットを提供する。1態様において、キットは患者ががん関連疾患に冒されているかどうかを評価するために有用である。そのキットは、マーカーの発現を評価するための試薬を含む。別の態様において、キットは化学的または生物学的薬剤の患者におけるがん関連疾患の阻害に関する適切性を評価するために有用である。そのようなキットはマーカーの発現を評価するための試薬を含み、1種類以上のそのような薬剤も含んでいてよい。
[00413] さらなる態様において、そのキットはがん関連疾患細胞の存在を評価する、またはがん関連疾患を処置するために有用である。そのようなキットは、マーカータンパク質またはそのタンパク質の断片と特異的に結合する抗体、抗体誘導体または抗体断片を含む。そのようなキットは複数の抗体、抗体誘導体または抗体断片を含んでいてもよく、ここで複数のそのような抗体薬剤はマーカータンパク質またはそのタンパク質の断片と特異的に結合する。
[00414] 追加の態様において、そのキットはがん関連疾患細胞の存在を評価するために有用であり、ここでそのキットはマーカー核酸またはその核酸の断片と特異的に結合する核酸プローブを含む。そのキットは複数のプローブを含んでいてもよく、ここでそのプローブのそれぞれがマーカー核酸またはその核酸の断片と特異的に結合する。
[00415] 本明細書で記述される組成物、キットおよび方法は、数ある中でも以下の使用を有し得る:1)患者ががん関連疾患に冒されているかどうかを評価する;2)ヒトの患者におけるがん関連疾患の病期を評価する;3)患者におけるがん関連疾患の悪性度を評価する;4)患者におけるがん関連疾患の性質を評価する;5)患者におけるがん関連疾患を発現する可能性を評価する;6)患者におけるがん関連疾患と関係する細胞の組織学的タイプを評価する;7)がん関連疾患を処置する、および/または患者ががん関連疾患に冒されているかどうかを評価するために有用である抗体、抗体断片または抗体誘導体を作製する;8)がん関連疾患細胞の存在を評価する;9)1種類以上の試験化合物の患者におけるがん関連疾患の抑制に関する有効性を評価する;10)療法の患者におけるがん関連疾患の抑制に関する有効性を評価する;11)患者におけるがん関連疾患の進行を監視する;12)患者におけるがん関連疾患の抑制のための組成物または療法を選択する;13)がん関連疾患に冒された患者を処置する;14)患者においてがん関連疾患を抑制する;15)試験化合物の有害な可能性を評価する;ならびに16)がん関連疾患を発現する危険にさらされている患者において、がん関連疾患の発症を予防する。
[00416] そのキットは、(例えば患者試料のような試料中の)がん関連疾患細胞の存在を評価するために有用である。そのキットは複数の試薬を含み、そのそれぞれがマーカー核酸またはタンパク質と特異的に結合することができる。マーカータンパク質との結合に関する適切な試薬には、抗体、抗体誘導体、抗体断片等が含まれる。マーカー核酸(例えばゲノムDNA、MRNA、スプライシングされたMRNA、cDNA等)との結合に関する適切な試薬には、相補的核酸が含まれる。例えば、その核酸試薬には、支持体に固定された(標識または未標識)オリゴヌクレオチド、支持体と結合していない標識オリゴヌクレオチド、PCRプライマーの対、分子ビーコンプローブ等が含まれ得る。
[00417] そのキットは場合により本明細書で記述される方法を実施するために有用な追加の構成要素を含んでいてよい。例として、そのキットは、相補的核酸をアニーリングさせるために、または抗体をそれが特異的に結合するタンパク質と結合させるために適切な流体(例えばSSC緩衝液)、1個以上の試料区画(compartments)、その方法の実施を記述している説明書、正常細胞の試料、がん関連疾患細胞の試料等を含んでいてよい。
[00418] 本教示の方法およびキットは、本明細書において広く、かつ包括的に記述されてきた。その包括的な開示の範囲内に入るより狭い種および包括性の低い(sub−generic)グループ分けのそれぞれも、本教示の一部を形成する。これには、条件付きの本教示の包括的な記述またはその属からいずれかの主題を除去する消極的な限定が、その切り取られた物質が本明細書において明確に列挙されているか否かに関わらず含まれる。
[00419] 動物モデル
[00420] 非ヒト動物モデルを少なくとも1種類のがん関連疾患の評価のために生成することができる。その方法には、その動物を対象の(if interest)がんを引き起こすと信じられている少なくとも1種類の化学物質の繰り返し投与に曝露することが含まれる。特定の観点において、その方法にはさらに、その動物から1個以上の選択された試料を収集し;そしてその収集された試料を可能性のあるがんの開始または発達の1種類以上の徴候(indicia)と比較することが含まれる。
[00420] 非ヒト動物モデルを少なくとも1種類のがん関連疾患の評価のために生成することができる。その方法には、その動物を対象の(if interest)がんを引き起こすと信じられている少なくとも1種類の化学物質の繰り返し投与に曝露することが含まれる。特定の観点において、その方法にはさらに、その動物から1個以上の選択された試料を収集し;そしてその収集された試料を可能性のあるがんの開始または発達の1種類以上の徴候(indicia)と比較することが含まれる。
[00421] その動物モデルを生成する方法には、以下の工程が含まれる:その動物を特定の化学物質を含まない環境において維持し、そしてその動物をそのがんを引き起こすと信じられている少なくとも1種類の化学物質を用いて感作する。特定の態様において、そ
の動物の少なくとも一部を多数回の連続曝露により感作する。
の動物の少なくとも一部を多数回の連続曝露により感作する。
[00422] 薬剤に関して少なくとも1種類のがん関連疾患に対する有効性に関してスクリーニングする方法には、一般に以下の工程が含まれる:少なくとも1種類の薬剤を試験動物に投与し、その薬剤がそのがん関連疾患の1種類以上の症状を低減するか悪化させるかを決定し;1種類以上の症状における低減を、そのがん関連疾患に対するその薬剤の有効性と関連付け;または1種類以上の症状における低減の欠如をその薬剤の無効性と関連付ける。その動物モデルは、少なくとも1種類のがん関連疾患の開始、進行、重症度、病理、侵攻性、悪性度、活性、能力低下(disability)、死亡率、罹患率、疾患の細分類、または他の基礎をなす病原性もしくは病理学的特徴の少なくとも1つに寄与する1種類以上の代謝経路を評価するために有用である。その分析は、階層クラスタリング、シグネチャーネットーワーク構築、質量分析プロテオミクス解析、表面プラズモン共鳴、線形統計モデリング、部分的最小二乗判別分析、および多重線形回帰分析の1種類以上によることができる。
[00423] その動物モデルは、1種類以上のマーカーまたはそれに対する機能的均等物の発現レベルを調べることにより、少なくとも1種類のがん関連疾患に関して評価することができる。
[00424] その動物モデルは、がん関連疾患を処置または予防するために有用な療法剤のスクリーニングのために用いることができる。従って、その方法は、がん関連疾患を処置または予防するための療法剤を同定するために有用である。その方法は、本明細書で記述される方法により候補薬剤を動物モデルに投与し、その動物モデルにおける少なくとも1種類のがん関連疾患応答をその候補薬剤が投与されていない対照動物モデルと比較して評価することを含む。少なくとも1種類のがん関連疾患応答が症状において低減する、または発病において遅延する場合、その候補薬剤はそのがん関連疾患を処置または予防するための薬剤である。
[00425] そのがん関連疾患に関する動物モデルには、1種類以上のマーカー遺伝子またはそのマーカー遺伝子に機能的に均等な遺伝子の発現レベルがその動物モデルにおいて高められている動物が含まれることができる。“機能的に均等な遺伝子”は、本明細書で一般的に用いられる際、そのマーカー遺伝子によりコードされるタンパク質の既知の活性に類似した活性を有するタンパク質をコードする遺伝子である。機能的に均等な遺伝子の代表的な例には、対象動物のその動物に本来備わっているマーカー遺伝子のカウンターパートが含まれる。
[00426] がん関連疾患に関する動物モデルは、がん関連疾患による生理学的変化を検出するために有用である。特定の態様において、その動物モデルは、マーカー遺伝子の追加の機能を明らかにするため、およびその標的がそのマーカー遺伝子である薬物を評価するために有用である。
[00427] 1態様において、がん関連疾患に関する動物モデルは、カウンターパート遺伝子の発現レベルを制御する、またはカウンターパート遺伝子を投与することにより作製することができる。その方法には、本明細書で記述される遺伝子の群から選択された遺伝子の発現レベルを制御することによりがん関連疾患に関する動物モデルを作製することが含まれることができる。別の態様において、その方法には、本明細書で記述される遺伝子によりコードされるタンパク質を投与すること、またはそのタンパク質に対する抗体を投与することによりがん関連疾患に関する動物モデルを作製することが含まれることができる。特定の他の態様において、そのマーカーをその後適切な方法を用いて測定することができるようにそのマーカーを過剰発現させることができることも理解されるべきである。
[00428] 別の態様において、がん関連疾患に関する動物モデルは、そのような遺伝子の群から選択された遺伝子を導入することにより、またはそのような遺伝子によりコードされるタンパク質を投与することにより作製することができる。
[00429] 別の態様において、がん関連疾患は、そのような遺伝子の群から選択された遺伝子の発現またはそのような遺伝子によりコードされるタンパク質の活性を抑制することにより誘導することができる。アンチセンス核酸、リボザイム、またはRNAiを用いてその発現を抑制することができる。タンパク質の活性は、その活性を阻害する物質、例えば抗体を投与することにより有効に制御することができる。
[00430] その動物モデルは、がん関連疾患の基礎をなす機序を解明するために、そしてスクリーニングにより得られた化合物の安全性を試験するためにも有用である。例えば、動物モデルががん関連疾患の症状を発現する場合、または特定のがん関連疾患に関わる測定値がその動物において変化する場合、その疾患を緩和する活性を有する化合物を探究するためのスクリーニング系を構築することができる。
[00431] 本明細書で用いられる際、“発現レベルにおける増大”という表現は、以下のいずれか1つを指す:外来遺伝子として導入されたマーカー遺伝子が人為的に発現されている場合;その対象動物に本来備わっているマーカー遺伝子の転写およびそのタンパク質への翻訳が増進されている場合;または翻訳産物であるタンパク質の加水分解が抑制されている場合。本明細書で用いられる際、“発現レベルにおける減少”という表現は、その対象動物のマーカー遺伝子の転写およびそのタンパク質への翻訳が阻害されている状態、または翻訳産物であるタンパク質の加水分解が増進されている状態のどちらかを指す。遺伝子の発現レベルは、例えばDNAチップ上のシグナル強度における差異により決定することができる。さらに、その翻訳産物(タンパク質)の活性は、正常な状態における活性と比較することにより決定することができる。
[00432] その動物モデルには、例えばマーカー遺伝子が人為的に導入されて発現している動物;マーカー遺伝子ノックアウト動物;および別の遺伝子でマーカー遺伝子が置換されているノックイン動物が含まれるトランスジェニック動物が含まれ得ることも、意図される範囲内である。マーカー遺伝子のアンチセンス核酸、リボザイム、RNAi作用を有するポリヌクレオチド、またはデコイ核酸もしくはそのようなものとして機能するDNAが導入されているトランスジェニック動物を、そのトランスジェニック動物として用いることができる。そのようなトランスジェニック動物には、例えば、マーカータンパク質の活性がその遺伝子のコード領域中に変異(単数または複数)を導入することにより増進もしくは抑制されている、またはそのアミノ酸配列が加水分解に耐性もしくは感受性になるように修飾されている動物も含まれる。アミノ酸配列中の変異には、置換、欠失、挿入、および付加が含まれる。
[00433] 本発明者の発明の原理を適用することができる多くの可能な態様を考慮して、説明された態様は本発明の好ましい例でしかなく、本発明の範囲に対する限定として受け取られるべきでないことは認識されるべきである。むしろ、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲により定義される。従って、本発明者らは、これらの特許請求の範囲および精神の範囲内に入る全てを本発明者らの発明として特許請求する。
[00434] 本発明を明らかにする、または本発明の実施に関して追加の詳細を提供するために本明細書で用いられる刊行物および他の資料は、参照により本明細書に援用され、便宜のため以下の参考文献一覧において提供される。
[00435] 本明細書で列挙された文書のいずれの引用も、前記のいずれかが関係する先行技術であるという自認として意図されていない。日付に関する全ての記載またはこれらの文書の内容に関する表現は出願者に入手可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確さに関する自認は一切構成しない。
Claims (79)
- ヒトの対象が乳がん(BC)に関する生存予後不良を有するかどうかを決定する方法であって、以下の工程:
該ヒトの対象からの組織の試験試料中のmiRNA/mRNAシグネチャーのレベルを測定し、該miRNA/mRNAシグネチャーがi)miRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874a、hsa−miR−93;ならびにii)mRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなり;そして、
該対象の生存予後を決定し;ここで該試験試料中のmiRNAおよびmRNA遺伝子産物のレベルにおける、がんを含まない組織の対照試料中のmiRNAおよびmRNA遺伝子産物の対応するレベルのレベルと比較した変化は、該ヒトの対象がBCに関する生存予後不良を有することを示している;
を含む、前記方法。 - ヒトの対象が予後不良と関係するBCを有する、またはそれを発現する危険にさらされているかどうかを診断する方法であって、以下の工程:
(1)該ヒトの対象から得られた組織の試験試料からのRNAを逆転写して標的オリゴデオキシヌクレオチドのセットを提供し;
(2)該標的オリゴデオキシヌクレオチドをmiRNA特異的プローブオリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイにハイブリダイズさせて該試験試料に関するハイブリダイゼーションプロファイルを提供し、
ここで該マイクロアレイはi)miRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874a、hsa−miR−93;ならびにii)mRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなるmiRNA/mRNAシグネチャーに関するmiRNAおよびmRNA特異的プローブオリゴヌクレオチドを含み;
(3)該試験試料のハイブリダイゼーションプロファイルをがんではない細胞の対照試料から生成されたハイブリダイゼーションプロファイルと比較し、そして、
(4)該miRNA/mRNAシグネチャーにおける変化に基づいて、該ヒトの対象が予後不良と関係するBCを有する、またはそれを発現する危険にさらされているかどうかを診断する;
を含む、前記方法。 - 乳がん(BC)を有するヒトの対象が生存転帰不良を有するかどうかを決定するための方法であって、以下の工程:
該ヒトの対象の乳房細胞から得られた核酸試料をアッセイして該核酸試料中のmiRNA/mRNAシグネチャーの発現レベルを決定し、
該miRNA/mRNAシグネチャーはi)miRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874a、hsa−miR−93;ならびにii)mRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、
C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなり;そして、
対照試料と比較した場合に該核酸試料においてmiRNA/mRNAシグネチャーの発現レベルにおける変化が存在する場合、該ヒトの対象は生存転帰不良を有すると決定する;
を含む、前記方法。 - 結腸がん関連疾患に関する試験のためのDNAチップであって、その上にi)miRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874a、hsa−miR−93;ならびにii)mRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなるmiRNA/mRNAシグネチャーをアッセイするための少なくとも1種類のプローブが固定されている、前記DNAチップ。
- i)miRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにii)mRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなるmiRNA/mRNAシグネチャーに関する少なくとも1種類のマーカーに結合する少なくとも1種類の捕捉試薬を含む製品。
- 乳がんに関するスクリーニングのためのキットであって、i)miRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874 a、hsa−miR−93;ならびにii)mRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1に関する少なくとも1種類のマーカーの1種類又はこれより多い種類の試薬を含む、前記キット。
- マーカーの存在が少なくとも1種類のマーカーに特異的に結合する抗体または抗体断片を含む試薬を用いて検出される、請求項6に記載のキット。
- 試薬が標識、放射標識、もしくはビオチン標識されており、および/または抗体もしくは抗体断片が放射標識、発色団標識、蛍光体標識、もしくは酵素標識されている、請求項7に記載のキット。
- 試薬が抗体、該試薬が結合している、または該試薬が結合することができるプローブ、および固定された金属キレートの1種類又はこれより多い種類を含む、請求項6に記載のキット。
- i)miRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、
hsa−miR−874a、hsa−miR−93;ならびにii)mRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなるmiRNA/mRNAシグネチャーに向けられた抗体を含む、対象における乳がん関連疾患の存在を予測するためのマイクロアレイ。 - miRNA/mRNAシグネチャー中のmiRNAおよびmRNAが、それぞれ対照試料と比較してそのようなmiRNAおよびmRNAに特異的である少なくとも1種類のプローブにハイブリダイズする、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- miRNAおよびmRNAの発現のレベルが転写されたポリヌクレオチドまたはその一部の存在を検出することにより評価され、該転写されたポリヌクレオチドが該miRNAまたはmRNAのコード領域を含む、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 少なくともmiRNA/mRNAシグネチャーにそれぞれのmiRNAおよびmRNAの単離された変異体もしくは生物学的に活性な断片もしくは機能的均等物、またはそれらに結合する抗体が含まれる、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 試料が乳がんと関連する体液、細胞または組織である、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 試料が患者から得られた細胞を含む、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 試料が時間の経過にわたって採取された患者から得られた細胞を含む、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 乳がん疾患が浸潤性腺管癌(IDC)乳がんである、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 対象の生存予後を決定する工程が全生存(OS)を予測する、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- さらに診断に基づいて処置計画を設計することを含む、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- さらに診断に基づいて処置を施すことを含む、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 試験発現レベルがマイクロアレイにより決定される、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 試験発現レベルがRT−PCRにより決定される、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- miRNA/mRNAシグネチャーが非がん性乳房細胞対乳がん細胞におけるmiRNAおよびmRNAの発現における統計的に有意な変化を含む、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 対照miRNAおよび/またはmRNA発現レベルが代表的な個体のプールからのものであり、対照試料中のmiRNAおよびmiRNAレベルに関する平均、中央値または他の統計学的に操作された、または他の方法で要約もしくは統合された代表的なmiRNAおよび/またはmRNA発現レベルである、本特許請求の範囲における請求項のいずれか1項に記載の方法。
- 複数のデジタル的にコード化された参照プロファイルを有するデータベースを含むコンピューターで読み取り可能な媒体であって、少なくとも1つの第1の参照プロファイルが乳がん関連疾患応答の徴候を示す1又はこれより多い対象からの1個又はこれより多い試料における少なくとも1種類のmiRNA/mRNAシグネチャーのレベルを表し、該miRNA/mRNAシグネチャーがi)miRNA遺伝子産物:hsa
−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874a、hsa−miR−93;ならびにii)mRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなる、前記コンピューターで読み取り可能な媒体。 - 乳がん関連疾患応答の徴候を示す1又はこれより多い対象または乳がん関連疾患を有する対象からの1個又はこれより多い試料における少なくとも1種類の追加のmiRNAまたはmRNAのレベルを表す少なくとも1つの第2の参照プロファイルが含まれる、請求項25に記載のコンピューターで読み取り可能な媒体。
- 対象が乳がん関連疾患を有する、有しやすい、または乳がん関連疾患に関する生存予後不良を有するかどうかを決定するためのコンピューターシステムであって、請求項5に記載のデータベース、ならびに該コンピューターに対象のプロファイルを受け取らせ、該データベースから診断的に該対象のプロフィールに関連する適合する参照プロファイルを同定させ、そして該対象が乳がん関連疾患を有する、または有しやすいかどうかの表示を生成させるためのコンピューターが実行可能なコードを含むサーバーを含む、前記コンピューターシステム。
- 対象における乳がん関連疾患の存在、非存在、性質または程度を評価するためのコンピューター支援の方法であって、以下の工程:
(1)該対象から得られた試料からのデータを分類するためのモデルまたはアルゴリズムを含むコンピューターを提供し、
ここで該分類には該データを少なくとも1種類のmiRNA/mRNAシグネチャーの存在、非存在または量に関して分析することが含まれ、かつ
該miRNA/mRNAシグネチャーはi)miRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874a、hsa−miR−93;ならびにii)mRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなり;
(2)該対象から得られた生物学的試料からのデータを入力し;そして、
(3)該生物学的試料を分類して乳がん関連疾患の存在、非存在、性質または程度を示す;
を含む、前記方法。 - 予後不良の乳がんに関する増大した危険性を示す乳がんシグネチャーであって、該シグネチャーがヒトの対象からの組織の試験試料中のmiRNA/mRNAシグネチャーの発現レベルにおける変化を含み、
該miRNA/mRNAシグネチャーがi)miRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874a、hsa−miR−93;ならびにii)mRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなり;
ここで、該試験試料中のmiRNAおよびmRNA遺伝子産物の発現レベルにおける、がんを含まない組織の対照試料中のmiRNAおよびmRNA遺伝子産物の対応するレベルのレベルと比較した変化は、該ヒトの対象が乳がんに関する生存予後不良を有することを示している、前記乳がんシグネチャー。 - 乳がん患者において予後を予測するための方法であって、以下の工程:
乳がんを有する対象からの生物学的試験試料中のシグネチャーの試験発現レベルを検出し;該試験発現レベルに危険性スコアを割り当て;そして
該試験発現レベルが高い危険性スコアを割り当てられた場合、予後不良を予測し;そして該試験発現レベルが低い危険性スコアを割り当てられた場合、良好な予後を予測する;を含み、該シグネチャーがi)miRNA遺伝子産物:hsa−miR−103、hsa−miR−1307、hsa−miR−148b、hsa−miR−324、hsa−miR−326、hsa−miR−328、hsa−miR−365、hsa−miR−484、hsa−miR−874a、hsa−miR−93;ならびにii)mRNA遺伝子産物:ADAT1、ANKRD52、BIRC6、C10orf18、C2CD2、CHD9、CHM、CPT1A、DAAM1、DIP2B、DPY19L3、FAM91A1、GMCL1、ME1、NCOA2、OTUD6B、PDSS2、PIK3CA、SMG1、TRIM23、TTC3、UBR5、UBXN7およびZFC3H1からなるmiRNA/mRNAシグネチャーを含む、前記方法。 - miRNA/mRNAシグネチャー中のmiRNAおよびmRNAが、それぞれ対照試料と比較してそのようなmiRNAおよびmRNAに特異的である少なくとも1種類のプローブにハイブリダイズする、請求項30に記載の方法。
- miRNAおよびmRNAの発現のレベルが転写されたポリヌクレオチドまたはその一部の存在を検出することにより評価され、該転写されたポリヌクレオチドが該miRNAまたはmRNAのコード領域を含む、請求項30に記載の方法。
- 少なくともmiRNA/mRNAシグネチャーにそれぞれのmiRNAおよびmRNAの単離された変異体もしくは生物学的に活性な断片もしくは機能的均等物、またはそれらに結合する抗体が含まれる、請求項30に記載の方法。
- 試料が乳がんと関係する体液、細胞または組織である、請求項30に記載の方法。
- 試料が患者から得られた細胞を含む、請求項30に記載の方法。
- 試料が時間の経過にわたって採取された患者から得られた細胞を含む、請求項30に記載の方法。
- 乳がん疾患が浸潤性腺管癌(IDC)乳がんである、請求項30に記載の方法。
- 対象の生存予後を決定する工程が全生存(OS)を予測する、請求項30に記載の方法。
- さらに診断に基づいて処置計画を設計することを含む、請求項30に記載の方法。
- さらに診断に基づいて処置を施すことを含む、請求項30に記載の方法。
- 試験発現レベルがマイクロアレイにより決定される、請求項30に記載の方法。
- 試験発現レベルがRT−PCRにより決定される、請求項30に記載の方法。
- miRNA/mRNAシグネチャーが非がん性乳房細胞対乳がん細胞におけるmiRNAおよびmRNAの発現における統計的に有意な変化を含む、請求項30に記載の方法。
- 対照miRNAおよび/またはmRNA発現レベルが代表的な個体のプールからのものであり、対照試料中のmiRNAおよびmiRNAレベルに関する平均
、中央値または他の統計学的に操作された、または他の方法で要約もしくは統合された代表的なmiRNAおよび/またはmRNA発現レベルである、請求項30に記載の方法。 - miR−210遺伝子産物を含む、対象における浸潤性乳管癌(IDC)を検出するためのマーカー。
- 試験試料と比較した場合の請求項45に記載のmiR−210遺伝子産物における増大を検出することを含む、対象において浸潤性乳管癌を検出するための方法。
- 請求項45に記載のmiR−210遺伝子産物を含む、乳がんを有する対象においてDCISからIDCへの転換を検出するための方法。
- i)IDCにおけるlet−7d、miR−181a、miR−210およびmiR−221の少なくとも1種類の上方制御;ならびに、ii)IDCにおけるmiR−10b、miR−126、miR−143、miR−218およびmiR−335−5pの少なくとも1種類の下方制御を含む、浸潤性腺管癌(IDC)を非浸潤性腺管癌(DCIS)から識別するためのマイクロRNAシグネチャー。
- miR−210、miR−21、miR−106b*、miR−197および/またはlet−7iを含む、乳がんを有する対象における全生存予後に関する、および転移までの時間の予後に関するマイクロRNAシグネチャー。
- 非浸潤性転換において下方制御されているlet−7d、miR−210およびmiR−221;ならびに浸潤性転換において上方制御されているlet−7d、miR−210およびmiR−221の少なくとも1種類を含む、浸潤性腺管癌(IDC)を非浸潤性腺管癌(DCIS)から識別するためのマイクロRNAシグネチャー。
- miR−210、miR−21、miR−106b*、miR−197およびlet−7iを含む、乳がんに関する全生存および転移までの時間に関するマイクロRNAシグネチャー。
- miR−210に対する逆相関プロファイルを有するタンパク質をコードする遺伝子を含む浸潤性転換に関するマーカーであって、BRCA1、FANCD、FANCF、PARP1、E−カドヘリン、Rb1の1種類又はこれより多い種類が非浸潤癌において活性化されており、浸潤がんにおいて下方制御されている、前記マーカー。
- 少なくとも1種類の差次的スプライシングイソ型、例えばキナーゼドメインを欠く切り詰められたEGFRを含む非浸潤性腺管癌に関するマーカーであって、そのようなマーカーが非浸潤性腺管癌においてのみ過剰発現されている、前記マーカー。
- 患者をmiR−210発現における増大に基づいて浸潤性乳管癌(IDC)と相関するマーカーを有すると同定するための方法であって、以下の工程:
a)IDCを有することが疑われる患者からの試験試料におけるmiR−210の発現を分析し;そして、
b)該患者をi)該患者からの試料中のmiR−210発現における非がん性乳房試料と比較した増大が検出された場合、IDCがんと相関するマーカーを有すると同定し、またはii)該増大が検出されなかった場合、IDCがんと相関するマーカーを有しないと同定する;
を含む、前記方法。 - さらに該試験試料を、let−7d、miR−221およびmiR−181aの1種類又はこれより多い種類における非がん性乳房試料と比較した増大;および/またはmiR−10b、miR−126、miR−143、miR−218およびmiR−335−5pの1種類又はこれより多い種類における非がん性乳房試料と比較した減少に関して分析することを含む、請求項54に記載の方法。
- 対象が浸潤性乳管癌(IDC)を有するかどうかを診断する方法であって、該対象からの試験試料中の少なくとも1種類のmiR−210遺伝子産物のレベルを測定することを含み、該試験試料中の少なくとも該miR−210遺伝子産物のレベルにおける対照試料中の対応するmiR遺伝子産物のレベルと比較した増大が該対象がIDCを有することを示す、前記方法。
- 対象における乳がんの浸潤性を試験する方法であって、以下の工程:
a)浸潤性乳管癌(IDC)を有する対象からの試料中の少なくとも1種類のマーカーの発現レベルを決定し;該少なくとも1種類のマーカーには少なくとも1種類のmiR−210遺伝子産物が含まれ;
b)工程(a)において決定された発現レベルを健康な対象からの試料中の該マーカーの対照発現レベルと比較し;そして
c)工程(b)における比較の結果が該試験対象における該少なくとも1種類のマーカーの発現レベルが該対照における発現レベルよりも高いことを示している場合、該対象が(IDC)の診断を有すると判定する;
を含む、前記方法。 - 試料が乳房組織を含む、請求項57に記載の方法。
- 全ての方法の工程がインビトロで実施される、請求項57に記載の方法。
- 対象が浸潤性乳管癌(IDC)を有するかどうかを診断する方法であって、以下の工程:
a)該対象から得られた試験試料からのRNAを逆転写して標的オリゴデオキシヌクレオチドのセットを提供し、ここで該対象は乳房IDCを有し;
b)該標的オリゴデオキシヌクレオチドをmiR−210特異的プローブオリゴヌクレオチドを含むマイクロアレイにハイブリダイズさせて該試験試料に関するハイブリダイゼーションプロファイルを提供し;そして
c)該試験試料のハイブリダイゼーションプロファイルを対照試料から生成されたハイブリダイゼーションプロファイルと比較し、ここでmiR−210のシグナルにおける増大は該対照がIDCを有することを示している;
を含む、前記方法。 - 工程c)が該試験試料のハイブリダイゼーションプロファイルを非がん性試料と関係するmiRレベルのデータベース、統計、または表と比較することを含む、請求項60に記載の方法。
- 少なくとも1種類の追加のmiRが該マイクロアレイ中に含まれる、請求項60に記載の方法。
- miR−210遺伝子産物の発現のレベルを転写されたポリヌクレオチドまたはその一部の存在を検出することにより評価し、該転写されたポリヌクレオチドがmiR−210遺伝子産物のコード領域を含む、請求項60に記載の方法。
- 該試料が時間の経過にわたって採取された該患者から得られた細胞を含む、請求項60に記載の方法。
- 少なくとも1種類のmiR−210遺伝子産物に単離された変異体またはその生物学的に活性な断片が含まれる、請求項60に記載の方法。
- 対象において浸潤性乳管癌(IDC)を診断する方法であって、以下の工程:
a)対照と比較した相対的miR−210発現を同定し;そして、
b)i)該対象が該対照と比較して増大したmiR−210発現を有する場合、該対象においてIDCがあると診断し;または、ii)該対象が該対照と比較して増大したmiR−210発現を有しない場合、該対象においてIDCがないと診断する;
を含む、前記方法。 - さらにlet−7dおよびmiR−221の少なくとも1種類の対照と比較した相対的発現を同定することを含む、請求項66に記載の方法。
- 対照と比較して減少したlet−7dおよび/またはmiR−221発現が浸潤性乳がんの診断を確証する、請求項67に記載の方法。
- さらに診断に基づいて処置計画を設計することを含む、請求項66に記載の方法。
- さらに診断に基づいて処置を施すことを含む、請求項66に記載の方
法。 - さらに診断に基づいて予後を決定することを含む、請求項66に記載の方法。
- 対象において浸潤性乳管癌(IDC)がんを診断する方法であって、以下の工程:
a)対照miR−210レベルと比較した場合の試験miR−210発現レベルを同定し、対照let−7dレベルと比較した場合の試験相対的let−7d発現レベルを同定し、そして対照miR221レベルと比較した場合の試験miR−221発現レベルを同定し;そして
b)i)該対象が対照と比較して増大したmiR−210発現、対照と比較して増大したlet−7d発現、および対照と比較して増大したmiR−221を有する場合、該対象においてIDCがあると診断し、またはii)該対象が対照と比較して増大したmiR−210発現、対照と比較して増大したlet−7d発現、および対照と比較して増大したmiR−221発現を有しない場合、該対象においてIDCがないと診断する;
を含む、前記方法。 - 浸潤性乳管癌(IDC)を有するヒトの対象を処置するための方法であって、ヒトER+および/またはHER2+の発現または活性を阻害する薬剤をIDCを有するヒトの対象に投与することを含み、該薬剤がRNA干渉により機能するオリゴヌクレオチドを含み、かつ該オリゴヌクレオチドに少なくとも1種類のmiR−210遺伝子産物が含まれる、前記方法。
- 乳がん進行の可能性を決定するための方法であって、以下の工程:
:a)乳がんを有する対象からの乳がん細胞を含有する試料におけるhsa−miR−210の発現レベルを決定し、そして
b)工程a)からの発現レベルを対照試料における標準的なmiRNA発現レベルと比較し、ここで該乳がんを有する対象におけるhsa−miR−210の、該対照試料と比較した場合により高い発現は、より高い進行の危険性と相関している;
を含む、前記方法。 - 対照試料が乳がんが進行していなかった乳がんを有する代表的な個体または個体のプールからの組織を含む、請求項74に記載の方法。
- 対照試料が工程a)の発現レベルを決定する時点と比較した場合により早い時点で採取された対象からの組織を含む、請求項74に記載の方法。
- 標準的なmiRNA発現レベルが代表的な個体のプールからのものであり、対象中の対照組織におけるmiRNAレベルに関する、平均、中央値、または他の統計学的に操作された、または他の方法で要約もしくは統合された代表的なmiRNA発現レベルである、請求項74に記載の方法。
- let−7dおよび/またはmiR−221の1種類又はこれより多い種類の発現レベルも対照試料におけるlet−7dおよび/またはmiR−221の発現レベルと比較して測定し、let−7dおよび/またはmiR−221の1種類又はこれより多い種類の増大した発現レベルがより高い進行の危険性と相関している、請求項74に記載の方法。
- miR−10b、miR−126、miR−143、miR−218およびmiR−335−5pの1種類又はこれより多い種類の発現レベルも対照試料における発現レベルと比較して測定し、miR−10b、miR−126、miR−143、miR−218およびmiR−335−5pの1種類又はこれより多い種類の減少した発現レベルがより高い進行の危険性と相関している、請求項74に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201261588790P | 2012-01-20 | 2012-01-20 | |
US61/588,790 | 2012-01-20 | ||
PCT/US2013/022492 WO2013110053A1 (en) | 2012-01-20 | 2013-01-22 | Breast cancer biomarker signatures for invasiveness and prognosis |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015511121A true JP2015511121A (ja) | 2015-04-16 |
JP2015511121A5 JP2015511121A5 (ja) | 2016-03-03 |
Family
ID=48797723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014553510A Pending JP2015511121A (ja) | 2012-01-20 | 2013-01-22 | 浸潤性および予後に関する乳がんバイオマーカーシグネチャー |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (3) | US8859202B2 (ja) |
EP (1) | EP2804960A4 (ja) |
JP (1) | JP2015511121A (ja) |
CN (2) | CN104685065B (ja) |
AU (1) | AU2013209477B2 (ja) |
CA (1) | CA2866052A1 (ja) |
WO (1) | WO2013110053A1 (ja) |
Families Citing this family (28)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2633754C (en) | 2006-01-05 | 2013-06-18 | The Ohio State University Research Foundation | Microrna-based methods and compositions for the diagnosis and treatment of solid cancers |
EP2804960A4 (en) | 2012-01-20 | 2015-08-19 | Univ Ohio State | BREAST CANCER BIOMARK SIGNATURES FOR INVASIVITY AND FORECAST |
ES2548299B2 (es) | 2014-03-13 | 2016-05-13 | Universidad De Málaga | Firma de microARN como indicador del riesgo de recurrencia temprana en pacientes con cáncer de mama |
CN105586390B (zh) * | 2014-10-23 | 2019-01-22 | 王辉云 | 一种用于乳腺癌预后判断的试剂盒 |
WO2016115572A1 (en) * | 2015-01-16 | 2016-07-21 | City Of Hope | Markers of breast cancer and methods for the use thereof |
WO2016150475A1 (en) * | 2015-03-22 | 2016-09-29 | Universite De Liege | Circulating micrornas for the diagnosis of breast cancer |
CN105200043B (zh) * | 2015-06-26 | 2018-08-03 | 宋尔卫 | 一种用于评估乳腺癌预后风险的试剂盒 |
KR101903838B1 (ko) | 2015-09-07 | 2018-10-02 | 동국대학교 산학협력단 | 유방암 관련 stk32c 유전자 및 이의 용도 |
WO2017059521A1 (en) * | 2015-10-06 | 2017-04-13 | Ontario Institute For Cancer Research (Oicr) | Targeting the histone pathway to detect and overcome anthracyclin resistance |
MX2015016721A (es) * | 2015-12-04 | 2017-06-05 | Inst Nac De Medicina Genómica | Metodo de pronostico en cancer de mama. |
CN105483254A (zh) * | 2015-12-31 | 2016-04-13 | 高勇 | 乳腺癌的诊断标记物 |
CN107299129B (zh) * | 2016-04-15 | 2021-07-27 | 昆山市工业技术研究院小核酸生物技术研究所有限责任公司 | 循环核酸作为乳腺癌生物标志物的应用 |
WO2018009703A1 (en) * | 2016-07-06 | 2018-01-11 | Youhealth Biotech, Limited | Breast and ovarian cancer methylation markers and uses thereof |
EP3562960A1 (en) * | 2016-12-29 | 2019-11-06 | Istanbul Universitesi Rektorlugu | Early diagnosis method and kit for breast cancer |
EP3366780B1 (en) * | 2017-02-23 | 2020-05-06 | Siemens Healthcare GmbH | Single-molecule sequence and high sensitivity methylation analysis for tissue-specific analysis |
CN107025387B (zh) * | 2017-03-29 | 2020-09-18 | 电子科技大学 | 一种用于癌症生物标志物识别的方法 |
CN107543926A (zh) * | 2017-08-25 | 2018-01-05 | 复旦大学附属金山医院 | 一种新的诊断乳腺浸润性导管癌的应用 |
CN108504555B (zh) * | 2018-04-16 | 2021-08-03 | 图灵人工智能研究院(南京)有限公司 | 鉴别及评价肿瘤进展的装置和方法 |
CN109745335B (zh) * | 2019-03-26 | 2021-03-16 | 南京医科大学 | miR-218在制备乳腺癌化疗药物增敏剂中的应用 |
WO2020242857A1 (en) * | 2019-05-24 | 2020-12-03 | Lunella Biotech, Inc. | Therapeutics and methods for predicting and overcoming endocrine resistance in breast cancer |
JP7299765B2 (ja) * | 2019-06-14 | 2023-06-28 | 株式会社東芝 | マイクロrna測定方法およびキット |
CN111312330A (zh) * | 2020-02-13 | 2020-06-19 | 兰州理工大学 | 一种基于蛋白质节点特性的关键蛋白质识别方法及系统 |
CN112035421B (zh) * | 2020-11-02 | 2021-01-19 | 杭州优云科技有限公司 | 一种基于数据积累的idc调度优化系统 |
CN112301133B (zh) * | 2020-12-01 | 2021-07-27 | 江门市中心医院 | 胆固醇生成基因标签在年轻乳腺癌患者预后预测中的应用 |
JP2024507775A (ja) * | 2021-02-12 | 2024-02-21 | マンモゲン インコーポレイテッド | 乳がんの診断のためのバイオマーカー |
CN113140258B (zh) * | 2021-04-28 | 2024-03-19 | 上海海事大学 | 基于肿瘤浸润性免疫细胞筛选肺腺癌的潜在预后生物标志物的方法 |
CN113355419B (zh) * | 2021-06-28 | 2022-02-18 | 广州中医药大学(广州中医药研究院) | 一种乳腺癌预后风险预测标志组合物及应用 |
CN113702635A (zh) * | 2021-07-23 | 2021-11-26 | 深圳市罗湖区人民医院 | Birc6作为三阴性乳腺癌诊断和治疗靶标 |
Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005519624A (ja) * | 2002-03-13 | 2005-07-07 | ジェノミック ヘルス, インコーポレイテッド | 生検腫瘍組織での遺伝子発現プロファイリング |
WO2007081740A2 (en) * | 2006-01-05 | 2007-07-19 | The Ohio State University Research Foundation | Micrornarna-based methods and compositions for the diagnosis and treatment of solid cancers |
JP2008508895A (ja) * | 2004-08-10 | 2008-03-27 | ユニバーシティ カレッジ カーディフ コンサルタンツ リミテッド | 乳癌の予後診断方法およびキット |
WO2008089577A1 (en) * | 2007-01-26 | 2008-07-31 | Vm Institute Of Resaerch | Breast cancer gene array |
JP2009505639A (ja) * | 2005-08-01 | 2009-02-12 | ジ・オハイオ・ステイト・ユニバーシティ・リサーチ・ファウンデイション | 乳癌の診断、予後及び治療のためのマイクロrnaに基づいた方法及び組成物 |
JP2009507918A (ja) * | 2005-09-12 | 2009-02-26 | ジ・オハイオ・ステイト・ユニバーシティ・リサーチ・ファウンデイション | Bcl2関連癌の診断及び療法のための組成物及び方法 |
JP2010518878A (ja) * | 2007-02-26 | 2010-06-03 | アンセルム (アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル) | 乳癌患者における転移発生の予測方法 |
US20100210738A1 (en) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Vm Institute Of Research | Prognostic biomarkers to predict overall survival and metastatic disease in patients with triple negative breast cancer |
WO2011088137A2 (en) * | 2010-01-12 | 2011-07-21 | H. Lee Moffitt Cancer Center & Research Institute | Bad pathway gene signature |
US20110195848A1 (en) * | 2010-01-08 | 2011-08-11 | Roopra Avtar S | Gene expression and breast cancer |
WO2011107819A1 (en) * | 2010-03-01 | 2011-09-09 | Adelbio | Methods for predicting outcome of breast cancer, and/or risk of relapse, response or survival of a patient suffering therefrom |
Family Cites Families (228)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4196265A (en) | 1977-06-15 | 1980-04-01 | The Wistar Institute | Method of producing antibodies |
US4172124A (en) | 1978-04-28 | 1979-10-23 | The Wistar Institute | Method of producing tumor antibodies |
US4608337A (en) | 1980-11-07 | 1986-08-26 | The Wistar Institute | Human hybridomas and the production of human monoclonal antibodies by human hybridomas |
US4701409A (en) | 1984-11-15 | 1987-10-20 | The Wistar Institute | Detection of B-cell neoplasms |
US4693975A (en) | 1984-11-20 | 1987-09-15 | The Wistar Institute | Human hybridroma fusion partner for production of human monoclonal antibodies |
US4666099A (en) | 1985-11-15 | 1987-05-19 | Scott Paper Company | Apparatus for dispensing sheet material |
US5015568A (en) | 1986-07-09 | 1991-05-14 | The Wistar Institute | Diagnostic methods for detecting lymphomas in humans |
US5202429A (en) | 1986-07-09 | 1993-04-13 | The Wistar Institute | DNA molecules having human BCL-2 gene sequences |
US5198338A (en) | 1989-05-31 | 1993-03-30 | Temple University | Molecular probing for human t-cell leukemia and lymphoma |
EP0480970A1 (en) | 1989-07-03 | 1992-04-22 | Temple University - Of The Commonwealth System Higher Education | Tcl-5 gene rearrangement involved in t-cell leukemia and melanoma |
US5149628A (en) | 1989-11-15 | 1992-09-22 | Temple University | Methods for detecting bcl-3 gene in human leukemias |
US5633135A (en) | 1991-12-11 | 1997-05-27 | Thomas Jefferson University | Chimeric nucleic acids and proteins resulting from ALL-1 region chromosome abnormalities |
WO1993012136A1 (en) | 1991-12-11 | 1993-06-24 | Thomas Jefferson University | Detection and treatment of acute leukemias resulting from chromosome abnormalities in the all-1 region |
US6040140A (en) | 1991-12-11 | 2000-03-21 | Thomas Jefferson University | Methods for screening and treating leukemias resulting from all-1 region chromosome abnormalities |
CA2148350A1 (en) | 1992-10-29 | 1994-05-11 | Carlo Croce | Methods of detecting micrometastasis of prostate cancer |
US5674682A (en) | 1992-10-29 | 1997-10-07 | Thomas Jefferson University | Nucleic acid primers for detecting micrometastasis of prostate cancer |
GB9307754D0 (en) | 1993-04-15 | 1993-06-02 | Perry Robert E | Diagnostic probes and therapeutic products |
WO1994026930A1 (en) | 1993-05-14 | 1994-11-24 | Thomas Jefferson University | Methods for screening and treating leukemias resulting from all-1 region chromosome abnormalities |
US5985598A (en) | 1994-10-27 | 1999-11-16 | Thomas Jefferson University | TCL-1 gene and protein and related methods and compositions |
US7175995B1 (en) | 1994-10-27 | 2007-02-13 | Thomas Jefferson University | TCL-1 protein and related methods |
US5695944A (en) | 1995-05-05 | 1997-12-09 | Thomas Jefferson University | Modulation of bcl-2 phosphorylation |
US5567586A (en) | 1995-05-18 | 1996-10-22 | Thomas Jefferson University | Methods of indentifying solid tumors with chromosome abnormalities in the ALL-1 region |
US6242212B1 (en) | 1996-02-09 | 2001-06-05 | Thomas Jefferson University | Fragile histidine triad (FHIT) nucleic acids and methods of producing FHIT proteins |
US5928884A (en) | 1996-02-09 | 1999-07-27 | Croce; Carlo M. | FHIT proteins and nucleic acids and methods based thereon |
AU4003597A (en) | 1996-09-04 | 1998-03-26 | Howard Florey Institute Of Experimental Physiology And Medicine | Methods of diagnosing and treating cancer |
US6187536B1 (en) | 1997-02-18 | 2001-02-13 | Thomas Jefferson University | Methods of identifying and detecting pancreatic cancer |
EP0972083A1 (en) | 1997-04-04 | 2000-01-19 | THE TEXAS A&M UNIVERSITY SYSTEM | Noninvasive detection of colonic biomarkers using fecal messenger rna |
JP2000511291A (ja) | 1997-10-21 | 2000-08-29 | キャンサー リサーチ キャンペーン テクノロジー リミティド | 細胞の増殖異常の測定 |
US6303323B1 (en) | 1997-10-21 | 2001-10-16 | Cancer Research Campaign Technology Limited | Detection of dysplastic or neoplastic cells using anti-MCM5 antibodies |
CA2335315A1 (en) | 1998-07-20 | 2000-01-27 | Thomas Jefferson University | Nitrilase homologs |
AU5128999A (en) | 1998-07-24 | 2000-02-14 | Yeda Research And Development Co. Ltd. | Prevention of metastasis with 5-aza-2'-deoxycytidine |
AU2869300A (en) | 1999-02-05 | 2000-08-25 | Uab Research Foundation, The | Fiber receptor-independent system for the propagation of adenoviral vectors |
CA2361396A1 (en) | 1999-02-25 | 2000-08-31 | Carlo M. Croce | Compositions, kits, and methods relating to the human fez1 gene, a novel tumor suppressor gene |
US7141417B1 (en) | 1999-02-25 | 2006-11-28 | Thomas Jefferson University | Compositions, kits, and methods relating to the human FEZ1 gene, a novel tumor suppressor gene |
EP1165586A4 (en) | 1999-03-15 | 2003-05-28 | Univ Jefferson | TCL-1B GENES AND PROTEINS AND RELATED METHODS AND METHODS |
US6579857B1 (en) | 1999-06-11 | 2003-06-17 | Evanston Northwestern Healthcare Research Institute | Combination cancer therapy comprising adenosine and deaminase enzyme inhibitors |
WO2001007914A1 (en) | 1999-07-26 | 2001-02-01 | Childrens Hospital Los Angeles Research Institute | Fenretinide increases antibody cellular toxicity |
US7163801B2 (en) | 1999-09-01 | 2007-01-16 | The Burnham Institute | Methods for determining the prognosis for cancer patients using tucan |
US20040132017A1 (en) | 1999-12-16 | 2004-07-08 | Robert Richards | Oxidoreductase gene associated with the fra16d fragile site |
US20030206958A1 (en) | 2000-12-22 | 2003-11-06 | Cattaneo Maurizio V. | Chitosan biopolymer for the topical delivery of active agents |
US6891031B2 (en) | 2000-02-18 | 2005-05-10 | The Regents Of The University Of California | Coordinate cytokine regulatory sequences |
US20010026796A1 (en) | 2000-03-14 | 2001-10-04 | Croce Carlo M. | TCL1 enhances Akt kinase activity and mediates its nuclear translocation |
US6924414B2 (en) | 2000-04-11 | 2005-08-02 | Thomas Jefferson University | Muir-torre-like syndrome in Fhit deficient mice |
WO2001087958A2 (en) | 2000-05-16 | 2001-11-22 | Thomas Jefferson University | CRYSTAL STRUCTURE OF WORM NitFhit REVEALS THAT A Nit TETRAMER BINDS TWO Fhit DIMERS |
US7060811B2 (en) | 2000-10-13 | 2006-06-13 | Board Of Regents, The University Of Texas System | WWOX: a tumor suppressor gene mutated in multiple cancers |
WO2002064172A2 (en) | 2001-02-12 | 2002-08-22 | Thomas Jefferson University | Fhit gene therapy prevents tumor development in fhit-deficient mice |
WO2002064171A1 (en) | 2001-02-12 | 2002-08-22 | Thomas Jefferson University | Adenoviral transduction of fragile histidine triad (fhit) into cancer cells |
US20040033502A1 (en) | 2001-03-28 | 2004-02-19 | Amanda Williams | Gene expression profiles in esophageal tissue |
WO2003070969A2 (en) | 2002-02-20 | 2003-08-28 | Sirna Therapeutics, Inc. | RNA INTERFERENCE MEDIATED INHIBITION OF BCL2 GENE EXPRESSION USING SHORT INTERFERING NUCLEIC ACID (siNA) |
US20050176025A1 (en) | 2001-05-18 | 2005-08-11 | Sirna Therapeutics, Inc. | RNA interference mediated inhibition of B-cell CLL/Lymphoma-2 (BCL-2) gene expression using short interfering nucleic acid (siNA) |
EP2428571B1 (en) | 2001-09-28 | 2018-07-18 | Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. | MicroRNA molecules |
US7371736B2 (en) | 2001-11-07 | 2008-05-13 | The Board Of Trustees Of The University Of Arkansas | Gene expression profiling based identification of DKK1 as a potential therapeutic targets for controlling bone loss |
AU2002360377A1 (en) | 2001-11-09 | 2003-05-19 | The Ohio State University Research Foundation | Baalc expression as a diagnostic marker for acute leukemia |
GB0128898D0 (en) | 2001-12-03 | 2002-01-23 | Biotech Res Ventures Pte Ltd | Materials and methods relating to the stabilization and activation of a tumour suppressor protein |
AU2002231843A1 (en) | 2002-02-12 | 2003-09-04 | Nokia Corporation | Method for controlling data transmission, and data transmission system |
US7790905B2 (en) | 2002-02-15 | 2010-09-07 | Mcneil-Ppc, Inc. | Pharmaceutical propylene glycol solvate compositions |
KR101210018B1 (ko) | 2002-03-08 | 2012-12-07 | 에자이 알앤드디 매니지먼트 가부시키가이샤 | 약물로서 유용한 거대고리 화합물 |
DE60332220D1 (de) | 2002-03-27 | 2010-06-02 | Univ Southern California | Phrasenbasiertes gemeines wahrscheinlichkeitsmodell zur statistischen maschinellen übersetzung |
AU2003226279A1 (en) | 2002-04-08 | 2003-10-27 | Ciphergen Biosystems, Inc. | Serum biomarkers in hepatocellular carcinoma |
CA2484920A1 (en) | 2002-04-29 | 2003-11-13 | Thomas Jefferson University | Human chronic lymphocytic leukemia modeled in mouse by targeted tcl1 expression |
AU2003273542A1 (en) | 2002-05-31 | 2003-12-19 | The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University | Methods of identifying and isolating stem cells and cancer stem cells |
US20050260639A1 (en) | 2002-09-30 | 2005-11-24 | Oncotherapy Science, Inc. | Method for diagnosing pancreatic cancer |
US20050266443A1 (en) | 2002-10-11 | 2005-12-01 | Thomas Jefferson University | Novel tumor suppressor gene and compositions and methods for making and using the same |
JP2006512908A (ja) | 2002-10-11 | 2006-04-20 | トーマス ジェファーソン ユニバーシティー | 腫瘍抑制遺伝子および組成物ならびにその作製法および使用法 |
CN102304570B (zh) | 2002-11-13 | 2015-01-21 | 托马斯杰斐逊大学 | 用于癌症诊断和治疗的组合物和方法 |
CN1719973A (zh) | 2002-11-13 | 2006-01-11 | 托马斯杰斐逊大学 | 用于癌症诊断和治疗的组合物和方法 |
US7250496B2 (en) | 2002-11-14 | 2007-07-31 | Rosetta Genomics Ltd. | Bioinformatically detectable group of novel regulatory genes and uses thereof |
US20040102421A1 (en) | 2002-11-21 | 2004-05-27 | Children's Hospital Research Center At Oakland | Tocopherol and tocotrienol anti-inflammatory medicaments |
WO2004071464A2 (en) | 2003-02-12 | 2004-08-26 | Johns Hopkins University School Of Medicine | Diagnostic application of differentially-expressed genes in lympho-hematopoietic stem cells |
WO2004079013A1 (en) | 2003-03-03 | 2004-09-16 | Arizona Board Of Regents On Behalf Of The University Of Arizona | Ecto-5’-nucleotidase (cd73) used in the diagnosis and the treatment of pancreatic cancer |
US7183384B2 (en) | 2003-03-06 | 2007-02-27 | A & G Pharmaceutical, Inc. | Monoclonal antibody 7H11 reactive with human cancer |
WO2004081196A2 (en) | 2003-03-11 | 2004-09-23 | Qlt Usa Inc. | Formulations for cell- schedule dependent anticancer agents |
AU2003286741A1 (en) | 2003-05-02 | 2004-11-26 | Thomas Jefferson University | Methods and compositions for diagnosis and therapy of parkin-associated disorders |
WO2006031210A1 (en) | 2003-05-29 | 2006-03-23 | Board Of Regents, The University Of Texas Systems | Jabi as a prognostic marker and a therapeutic target for human cancer |
EP1644492B1 (en) | 2003-06-18 | 2009-01-07 | Genelux Corporation | Modified recombinant vaccinia viruses, uses thereof |
CA2533701A1 (en) | 2003-07-31 | 2005-02-17 | Isis Pharmaceuticals, Inc. | Oligomeric compounds and compositions for use in modulation of small non-coding rnas |
US8106180B2 (en) | 2003-08-07 | 2012-01-31 | Whitehead Institute For Biomedical Research | Methods and products for expression of micro RNAs |
US20050037362A1 (en) | 2003-08-11 | 2005-02-17 | Eppendorf Array Technologies, S.A. | Detection and quantification of siRNA on microarrays |
US8412541B2 (en) | 2003-08-14 | 2013-04-02 | Edda Technology, Inc. | Method and system for intelligent qualitative and quantitative analysis for medical diagnosis |
US20050084883A1 (en) | 2003-08-25 | 2005-04-21 | The Johns Hopkins University School Of Medicine | Method of diagnosis and treatment of pancreatic endocrine neoplasms based on differential gene expression analysis |
EP1670955A2 (en) | 2003-09-22 | 2006-06-21 | Rosetta Inpharmatics LLC. | Synthetic lethal screen using rna interference |
WO2005028648A1 (ja) | 2003-09-22 | 2005-03-31 | Aichi Prefecture | リンパ腫の病型および予後診断方法 |
EP1668155A2 (en) | 2003-09-24 | 2006-06-14 | Oncotherapy Science, Inc. | Methods for detecting, diagnosing and treating hepatocellular carcinomas (hcc) |
US20050186589A1 (en) | 2003-11-07 | 2005-08-25 | University Of Massachusetts | Interspersed repetitive element RNAs as substrates, inhibitors and delivery vehicles for RNAi |
US20050164252A1 (en) | 2003-12-04 | 2005-07-28 | Yeung Wah Hin A. | Methods using non-genic sequences for the detection, modification and treatment of any disease or improvement of functions of a cell |
DE602004031881D1 (de) | 2003-12-19 | 2011-04-28 | Univ California | Verfahren und materialien zur beurteilung von prostatakrebstherapien |
JP4120002B2 (ja) | 2004-01-07 | 2008-07-16 | 愛知県 | miRNAを用いた癌の予後判定方法、癌の遺伝子治療ベクター及び癌治療用医薬組成物 |
US20050256072A1 (en) | 2004-02-09 | 2005-11-17 | University Of Massachusetts | Dual functional oligonucleotides for use in repressing mutant gene expression |
WO2005078139A2 (en) | 2004-02-09 | 2005-08-25 | Thomas Jefferson University | DIAGNOSIS AND TREATMENT OF CANCERS WITH MicroRNA LOCATED IN OR NEAR CANCER-ASSOCIATED CHROMOSOMAL FEATURES |
CA2556435C (en) | 2004-02-13 | 2014-08-12 | The Rockefeller University | Anti-microrna oligonucleotide molecules |
AU2005214286A1 (en) | 2004-02-23 | 2005-09-01 | Erasmus University Medical Center Rotterdam | Classification, diagnosis and prognosis of acute myeloid leukemia by gene expression profiling |
WO2005094263A2 (en) | 2004-03-23 | 2005-10-13 | Pintex Pharmaceuticals, Inc. | Methods of determining the prognosis and treatment of subjects with colon cancer |
US20060134639A1 (en) | 2004-04-06 | 2006-06-22 | Huffel Christophe V | Method for the determination of cellular transcriptional regulation |
US7365058B2 (en) | 2004-04-13 | 2008-04-29 | The Rockefeller University | MicroRNA and methods for inhibiting same |
KR20070004957A (ko) | 2004-04-20 | 2007-01-09 | 제나코 바이오메디컬 프로덕츠, 인코포레이티드 | ncRNA 검출 방법 |
EP1784501B1 (en) | 2004-05-14 | 2015-11-18 | Rosetta Genomics Ltd | VIRAL AND VIRUS ASSOCIATED MicroRNAS AND USES THEREOF |
EP2290071B1 (en) | 2004-05-28 | 2014-12-31 | Asuragen, Inc. | Methods and compositions involving microRNA |
US7635563B2 (en) | 2004-06-30 | 2009-12-22 | Massachusetts Institute Of Technology | High throughput methods relating to microRNA expression analysis |
BRPI0512814A (pt) | 2004-07-01 | 2008-04-08 | Univ Pittsburgh Of The Commmmo | exosomas imunossupressivas |
US20060037088A1 (en) | 2004-08-13 | 2006-02-16 | Shulin Li | Gene expression levels as predictors of chemoradiation response of cancer |
EP2338994B1 (en) | 2004-09-02 | 2014-03-19 | Yale University | Regulation of oncogenes by microRNAs |
US7642348B2 (en) | 2004-10-04 | 2010-01-05 | Rosetta Genomics Ltd | Prostate cancer-related nucleic acids |
US7592441B2 (en) | 2004-10-04 | 2009-09-22 | Rosetta Genomics Ltd | Liver cancer-related nucleic acids |
FR2877350B1 (fr) | 2004-11-03 | 2010-08-27 | Centre Nat Rech Scient | IDENTIFICATION ET UTILISATION DE miRNAs IMPLIQUES DANS LA DIFFERENCIATION DE CELLULES ISSUES D'UNE LEUCEMIE MYELOIDE |
DK2302055T3 (da) | 2004-11-12 | 2014-10-13 | Asuragen Inc | Fremgangsmåder og sammensætninger involverende miRNA og miRNA-inhibitormolekyler |
EP1662259A1 (en) | 2004-11-25 | 2006-05-31 | Cellzome Ag | Use of Eph receptor inhibitors for the treatment of neurodegenerative diseases |
WO2006066158A2 (en) | 2004-12-14 | 2006-06-22 | Alnylam Pharmaceuticals, Inc. | Rnai modulation of mll-af4 and uses thereof |
US20060185027A1 (en) | 2004-12-23 | 2006-08-17 | David Bartel | Systems and methods for identifying miRNA targets and for altering miRNA and target expression |
EP1959012A3 (en) | 2004-12-29 | 2009-12-30 | Exiqon A/S | Novel oligonucleotide compositions and probe sequences useful for detection and analysis of microRNAs and their target mRNAs |
US8071306B2 (en) | 2005-01-25 | 2011-12-06 | Merck Sharp & Dohme Corp. | Methods for quantitating small RNA molecules |
WO2006081284A2 (en) | 2005-01-25 | 2006-08-03 | Rosetta Inpharmatics Llc | Methods for quantitating small rna molecules |
EP1856286A2 (en) | 2005-02-11 | 2007-11-21 | Wisconsin Alumni Research Foundation | Mir-155 assay |
AU2006216732C1 (en) | 2005-02-23 | 2017-07-20 | Genentech, Inc. | Extending time to disease progression or survival in cancer patients using a HER dimerization inhibitor |
US20070065840A1 (en) | 2005-03-23 | 2007-03-22 | Irena Naguibneva | Novel oligonucleotide compositions and probe sequences useful for detection and analysis of microRNAS and their target mRNAS |
GB2425311A (en) | 2005-04-15 | 2006-10-25 | Ist Superiore Sanita | Micro RNA against kit protein |
US8247543B2 (en) | 2005-04-29 | 2012-08-21 | The Rockefeller University | Human microRNAs and methods for inhibiting same |
JP2008539731A (ja) | 2005-05-02 | 2008-11-20 | コールド スプリング ハーバー ラボラトリー | 癌の診断及び治療のための組成物及び方法 |
WO2006133022A2 (en) | 2005-06-03 | 2006-12-14 | The Johns Hopkins University | Compositions and methods for decreasing microrna expression for the treatment of neoplasia |
US20070065844A1 (en) | 2005-06-08 | 2007-03-22 | Massachusetts Institute Of Technology | Solution-based methods for RNA expression profiling |
US20060292616A1 (en) | 2005-06-23 | 2006-12-28 | U.S. Genomics, Inc. | Single molecule miRNA-based disease diagnostic methods |
US20070213292A1 (en) | 2005-08-10 | 2007-09-13 | The Rockefeller University | Chemically modified oligonucleotides for use in modulating micro RNA and uses thereof |
CA2618995A1 (en) | 2005-08-10 | 2007-02-22 | The Rockefeller University | Antagomirs for use in inhibiting mir-122 |
WO2007031091A2 (en) | 2005-09-15 | 2007-03-22 | Santaris Pharma A/S | Rna antagonist compounds for the modulation of p21 ras expression |
WO2007044413A2 (en) | 2005-10-05 | 2007-04-19 | The Ohio State University Research Foundation | Wwox gene, vectors containing the same, and uses in treatment of cancer |
US20070092882A1 (en) | 2005-10-21 | 2007-04-26 | Hui Wang | Analysis of microRNA |
US8445198B2 (en) | 2005-12-01 | 2013-05-21 | Medical Prognosis Institute | Methods, kits and devices for identifying biomarkers of treatment response and use thereof to predict treatment efficacy |
US7390792B2 (en) | 2005-12-15 | 2008-06-24 | Board Of Regents, The University Of Texas System | MicroRNA1 therapies |
WO2007073737A1 (en) | 2005-12-29 | 2007-07-05 | Exiqon A/S | Detection of tissue origin of cancer |
WO2007081720A2 (en) | 2006-01-05 | 2007-07-19 | The Ohio State University Research Foundation | Microrna-based methods and compositions for the diagnosis, prognosis and treatment of lung cancer |
EP2591794A1 (en) | 2006-01-05 | 2013-05-15 | The Ohio State University Research Foundation | MicroRNA expressions abnormalities in pancreatic endocrine and acinar tumors |
US20090007281A1 (en) | 2006-01-13 | 2009-01-01 | Battelle Memorial Institute | Animal Model for Assessing Copd-Related Diseases |
EP2371971B1 (en) | 2006-03-20 | 2013-11-27 | The Ohio State University Research Foundation | Microrna fingerprints during human megakaryocytopoiesis |
WO2007112097A2 (en) | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Children's Medical Center Corporation | Novel signature self renewal gene expression programs |
CA2680606C (en) | 2006-03-29 | 2014-08-05 | Wayne State University | Liposomal nanoparticles and other formulations of fenretinide for use in therapy and drug delivery |
DK2666859T3 (en) | 2006-04-03 | 2019-04-08 | Roche Innovation Ct Copenhagen As | PHARMACEUTICAL COMPOSITION CONTAINING ANTI-miRNA ANTISENSE OLIGONUCLEOTIDES |
WO2007127190A2 (en) | 2006-04-24 | 2007-11-08 | The Ohio State University Research Foundation | Pre-b cell proliferation and lymphoblastic leukemia/high-grade lymphoma in mir155 transgenic mice |
WO2008002672A2 (en) | 2006-06-28 | 2008-01-03 | The Cleveland Clinic Foundation | Targets for use in diagnosis, prognosis and therapy of cancer |
US9115389B2 (en) | 2006-06-30 | 2015-08-25 | Rosetta Genomics Ltd. | Method for detecting a target nucleic acid comprising two portions using probes having a first portion complementary to the first portion of the target nucleic acid and a second portion substantially complementary to the second portion of the target nucleic acid |
EP2455493B1 (en) | 2006-07-13 | 2014-01-08 | The Ohio State University Research Foundation | Micro-RNA-based methods and compositions for the diagnosis and treatment of colon related diseases |
US20080029279A1 (en) | 2006-08-01 | 2008-02-07 | Louis Zuccarello | Ground-working tool |
AU2007297823B2 (en) | 2006-08-30 | 2012-04-19 | The Regents Of The University Of Michigan | New small molecule inhibitors of MDM2 and the uses thereof |
US20080193943A1 (en) | 2006-09-05 | 2008-08-14 | Abbott Laboratories | Companion diagnostic assays for cancer therapy |
CA2663878A1 (en) | 2006-09-19 | 2008-03-27 | Asuragen, Inc. | Mir-200 regulated genes and pathways as targets for therapeutic intervention |
EP2061907B1 (en) | 2006-09-19 | 2011-11-23 | The Ohio State University Research Foundation | Tcl1 expression in chronic lymphocytic leukemia (cll) regulated by mir-29 and mir-181 |
CA2663962A1 (en) | 2006-09-19 | 2008-03-27 | Asuragen, Inc. | Mir-15, mir-26, mir-31,mir-145, mir-147, mir-188, mir-215, mir-216, mir-331, mmu-mir-292-3p regulated genes and pathways as targets for therapeutic intervention |
EP2115138A2 (en) | 2006-09-19 | 2009-11-11 | Asuragen, Inc. | Micrornas differentially expressed in pancreatic diseases and uses thereof |
JP2008086201A (ja) | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Gifu Prefecture Kenkyu Kaihatsu Zaidan | マイクロrna生成の検出方法と癌の診断・治療およびマイクロrna生成調整剤 |
WO2008070301A2 (en) | 2006-10-20 | 2008-06-12 | Washington University In St. Louis | Predicting lung cancer survival using gene expression |
WO2008054828A2 (en) | 2006-11-01 | 2008-05-08 | The Ohio State University Research Foundation | Microrna expression signature for predicting survival and metastases in hepatocellular carcinoma |
WO2008064519A1 (en) | 2006-11-28 | 2008-06-05 | Capitalbio Corporation | Methods and compositions for diagnosis of esophageal cancer and prognosis and improvement of patient survival |
US8293684B2 (en) | 2006-11-29 | 2012-10-23 | Exiqon | Locked nucleic acid reagents for labelling nucleic acids |
WO2008070082A2 (en) | 2006-12-04 | 2008-06-12 | The Johns Hopkins University | Stem-progenitor cell specific micro-ribonucleic acids and uses thereof |
GB0624302D0 (en) | 2006-12-05 | 2007-01-17 | Istituto Superiore Di Sanito | Micro RNA |
CA2671294A1 (en) | 2006-12-08 | 2008-06-19 | Asuragen, Inc. | Mir-21 regulated genes and pathways as targets for therapeutic intervention |
EP2104734A2 (en) | 2006-12-08 | 2009-09-30 | Asuragen, INC. | Mir-20 regulated genes and pathways as targets for therapeutic intervention |
CA2671299A1 (en) | 2006-12-08 | 2008-06-19 | Asuragen, Inc. | Functions and targets of let-7 micro rnas |
CN101622348A (zh) | 2006-12-08 | 2010-01-06 | 奥斯瑞根公司 | 作为治疗性干预靶标的miR-20调节的基因和途径 |
CA2671270A1 (en) | 2006-12-29 | 2008-07-17 | Asuragen, Inc. | Mir-16 regulated genes and pathways as targets for therapeutic intervention |
CN103555825B (zh) | 2007-01-31 | 2015-09-30 | 俄亥俄州立大学研究基金会 | 用于急性髓细胞白血病(aml)的诊断、预后和治疗的基于微rna的方法和组合物 |
WO2008104974A2 (en) | 2007-02-27 | 2008-09-04 | Rosetta Genomics Ltd. | Composition and methods for modulating cell proliferation and cell death |
EP2126584B1 (en) | 2007-03-16 | 2012-12-19 | CovalX AG | Direct mass spectrometric analysis of drug candidates targeting protein complexes |
WO2008124777A1 (en) | 2007-04-10 | 2008-10-16 | National Taiwan University | Predicting post-treatment survival in cancer patients with micrornas |
US20100144850A1 (en) | 2007-04-30 | 2010-06-10 | The Ohio State University Research Foundation | Methods for Differentiating Pancreatic Cancer from Normal Pancreatic Function and/or Chronic Pancreatitis |
US20090005336A1 (en) | 2007-05-08 | 2009-01-01 | Zhiguo Wang | Use of the microRNA miR-1 for the treatment, prevention, and diagnosis of cardiac conditions |
US20090131354A1 (en) | 2007-05-22 | 2009-05-21 | Bader Andreas G | miR-126 REGULATED GENES AND PATHWAYS AS TARGETS FOR THERAPEUTIC INTERVENTION |
US20090232893A1 (en) | 2007-05-22 | 2009-09-17 | Bader Andreas G | miR-143 REGULATED GENES AND PATHWAYS AS TARGETS FOR THERAPEUTIC INTERVENTION |
WO2008154098A2 (en) | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Wisconsin Alumni Research Foundation | Reagents and methods for mirna expression analysis and identification of cancer biomarkers |
AU2008261951A1 (en) | 2007-06-08 | 2008-12-18 | Asuragen, Inc. | miR-34 regulated genes and pathways as targets for therapeutic intervention |
US8465917B2 (en) | 2007-06-08 | 2013-06-18 | The Ohio State University Research Foundation | Methods for determining heptocellular carcinoma subtype and detecting hepatic cancer stem cells |
CN101918424A (zh) | 2007-06-15 | 2010-12-15 | 俄亥俄州立大学研究基金会 | 用于靶向由Drosha介导的微小RNA加工的致癌ALL-1融合蛋白 |
WO2009015357A1 (en) | 2007-07-25 | 2009-01-29 | University Of Louisville Research Foundation, Inc. | Exosome-associated microrna as a diagnostic marker |
US8367632B2 (en) | 2007-07-31 | 2013-02-05 | Ohio State University Research Foundation | Methods for reverting methylation by targeting methyltransferases |
EP2173908B1 (en) | 2007-08-03 | 2016-01-06 | The Ohio State University Research Foundation | Ultraconserved regions encoding ncrnas |
WO2009026487A1 (en) | 2007-08-22 | 2009-02-26 | The Ohio State University Research Foundation | Methods and compositions for inducing deregulation of epha7 and erk phosphorylation in human acute leukemias |
US20090061424A1 (en) | 2007-08-30 | 2009-03-05 | Sigma-Aldrich Company | Universal ligation array for analyzing gene expression or genomic variations |
EP2775001B1 (en) | 2007-09-06 | 2016-03-09 | The Ohio State University Research Foundation | MicroRNA signatures in human ovarian cancer |
US20090239818A1 (en) | 2007-09-07 | 2009-09-24 | Cheng Jin Q | Effective treatment of ovarian cancer using triciribine and related compounds |
US7993831B2 (en) * | 2007-09-14 | 2011-08-09 | Asuragen, Inc. | Methods of normalization in microRNA detection assays |
EP3112464A1 (en) | 2007-09-14 | 2017-01-04 | The Ohio State University Research Foundation | Mirna expression in human peripheral blood microvesicles and uses thereof |
WO2009044899A1 (ja) * | 2007-10-03 | 2009-04-09 | Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. | 細胞の増殖を制御する核酸 |
ES2463665T3 (es) | 2007-10-04 | 2014-05-28 | Stella Aps | Tratamiento de combinación para el tratamiento de infección por virus de la hepatitis C |
CA2702241A1 (en) | 2007-10-11 | 2009-04-16 | The Ohio State University Research Foundation | Methods and compositions for the diagnosis and treatment of esophageal adenocarcinomas |
CN103898069A (zh) | 2007-10-26 | 2014-07-02 | 俄亥俄州立大学研究基金会 | 鉴定脆性组氨酸三联体(Fhit)相互作用的方法及其用途 |
CA2704043C (en) | 2007-10-29 | 2018-09-18 | Rosetta Genomics Ltd. | Targeting micrornas for the treatment of liver cancer |
AU2008321253B2 (en) | 2007-11-12 | 2014-01-16 | Masaryk Memorial Cancer Institute | Therapeutic applications of p53 isoforms in regenerative medicine, aging and cancer |
US20090123933A1 (en) | 2007-11-12 | 2009-05-14 | Wake Forest University Health Sciences | Microrna biomarkers in lupus |
JP2011505143A (ja) | 2007-11-30 | 2011-02-24 | ジ・オハイオ・ステイト・ユニバーシティ・リサーチ・ファウンデイション | マイクロrna発現プロファイリング及び肺癌における末梢血ターゲティング |
WO2009070805A2 (en) | 2007-12-01 | 2009-06-04 | Asuragen, Inc. | Mir-124 regulated genes and pathways as targets for therapeutic intervention |
WO2009086156A2 (en) | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Asuragen, Inc. | Mir-10 regulated genes and pathways as targets for therapeutic intervention |
CN101215560B (zh) | 2007-12-26 | 2010-09-29 | 暨南大学 | 一种具有抗白血病作用的miR-21反义寡核苷酸及其应用 |
ES2936256T3 (es) | 2008-02-01 | 2023-03-15 | Massachusetts Gen Hospital | Uso de microvesículas en el diagnóstico, y pronóstico de enfermedades y afecciones médicas |
WO2009100430A2 (en) | 2008-02-08 | 2009-08-13 | Asuragen, Inc | miRNAs DIFFERENTIALLY EXPRESSED IN LYMPH NODES FROM CANCER PATIENTS |
CA2716906A1 (en) | 2008-02-28 | 2009-09-03 | The Ohio State University Research Foundation | Microrna-based methods and compositions for the diagnosis, prognosis and treatment of gastric cancer |
CN102007408A (zh) | 2008-02-28 | 2011-04-06 | 俄亥俄州立大学研究基金会 | 与急性髓性白血病(aml)中的细胞遗传学和预后相关的微rna特征及其用途 |
EP3112477A1 (en) | 2008-02-28 | 2017-01-04 | The Ohio State University Research Foundation | Microrna-based methods and compositions for the diagnosis, prognosis and treatment of prostate related disorders |
US20110052502A1 (en) | 2008-02-28 | 2011-03-03 | The Ohio State University Research Foundation | MicroRNA Signatures Associated with Human Chronic Lymphocytic Leukemia (CCL) and Uses Thereof |
CA2717169A1 (en) | 2008-03-01 | 2009-09-17 | Abraxis Bioscience, Llc | Treatment, diagnostic, and method for discovering antagonist using sparc specific mirnas |
EP2268832A2 (en) | 2008-03-06 | 2011-01-05 | Asuragen, INC. | Microrna markers for recurrence of colorectal cancer |
WO2009154835A2 (en) | 2008-03-26 | 2009-12-23 | Asuragen, Inc. | Compositions and methods related to mir-16 and therapy of prostate cancer |
US20110166200A1 (en) | 2008-04-24 | 2011-07-07 | Zhan Zhang | Methods of using mir210 as a biomarker for hypoxia and as a therapeutic agent for treating cancer |
WO2009137807A2 (en) | 2008-05-08 | 2009-11-12 | Asuragen, Inc. | Compositions and methods related to mirna modulation of neovascularization or angiogenesis |
EP2334805A1 (en) | 2008-06-04 | 2011-06-22 | Andor Pivarcsi | Skin cancer associated micrornas |
CN102112110A (zh) | 2008-06-06 | 2011-06-29 | 米尔纳医疗股份有限公司 | 用于RNAi试剂体内递送的新型组合物 |
CN102149827B (zh) | 2008-06-11 | 2014-08-20 | 由卫生与公众服务部代表的美利坚合众国政府 | MiR-26家族作为肝细胞癌和对治疗的应答性的预测性标志物的用途 |
US20100021734A1 (en) | 2008-07-22 | 2010-01-28 | Covalent Materials Corporation | Ceramic particles and producing method thereof |
KR101031305B1 (ko) | 2008-07-23 | 2011-04-29 | 국립암센터 | 마이크로rna-21 저해제를 포함하는 방사선 민감성증진용 조성물 |
WO2010012667A1 (en) | 2008-08-01 | 2010-02-04 | Santaris Pharma A/S | Micro-rna mediated modulation of colony stimulating factors |
WO2010019694A1 (en) | 2008-08-12 | 2010-02-18 | The Ohio State University Research Foundation | Micro-rna-based compositions and methods for the diagnosis, prognosis and treatment of multiple myeloma |
WO2010025928A1 (en) | 2008-09-04 | 2010-03-11 | Mtm Laboratories Ag | Method for prediction of the progression risk of tumors |
US20100179213A1 (en) * | 2008-11-11 | 2010-07-15 | Mirna Therapeutics, Inc. | Methods and Compositions Involving miRNAs In Cancer Stem Cells |
JP2012509886A (ja) | 2008-11-21 | 2012-04-26 | ジ・オハイオ・ステイト・ユニバーシティ・リサーチ・ファウンデイション | 転写制御因子としてのTcl1 |
WO2010065156A1 (en) | 2008-12-05 | 2010-06-10 | The Ohio State University Research Foundation | Microrna-based methods and compositions for the diagnosis and treatment of ovarian cancer |
CN102549166A (zh) | 2009-02-26 | 2012-07-04 | 俄亥俄州立大学研究基金会 | 从未吸烟者中的MicroRNA及相关材料和方法 |
US20110136124A1 (en) | 2009-09-23 | 2011-06-09 | Wilson Roa | Microrna expression profiles associated with lung cancer |
JP2013509430A (ja) | 2009-10-28 | 2013-03-14 | リヴィジョン セラピューティクス,インク. | レチンアミドによる皮膚癌の予防 |
WO2011057304A2 (en) | 2009-11-09 | 2011-05-12 | Yale University | Microrna signatures differentiating uterine and ovarian papillary serous tumors |
US8916533B2 (en) | 2009-11-23 | 2014-12-23 | The Ohio State University | Materials and methods useful for affecting tumor cell growth, migration and invasion |
EP2354246A1 (en) | 2010-02-05 | 2011-08-10 | febit holding GmbH | miRNA in the diagnosis of ovarian cancer |
WO2011097960A1 (en) | 2010-02-11 | 2011-08-18 | The Hong Kong Polytechnic University | Biomarkers of gastric cancer and use thereof |
CA2794142A1 (en) | 2010-03-26 | 2011-09-29 | The Ohio State University | Materials and methods related to modulation of mismatch repair and genomic stability by mir-155 |
US20130139273A1 (en) | 2010-06-24 | 2013-05-30 | The Ohio State University | Chronic Lymphocytic Leukemia Modeled in Mouse by Targeted miR-29 Expression |
WO2012019053A2 (en) | 2010-08-04 | 2012-02-09 | The Ohio State University | Methods for impairing the p53/hdm2 auto-regulatory loop in multiple myeloma development using mir-192, mir-194 and mir-215 |
WO2012065049A1 (en) | 2010-11-12 | 2012-05-18 | The Ohio State University Research Foundation | Materials and methods related to microrna-21, mismatch repair, and colorectal cancer |
WO2012097047A1 (en) | 2011-01-11 | 2012-07-19 | The Ohio State University Research Foundation | Methods to identify chronic lymphocytic leukemia disease progression |
EP2683387A4 (en) | 2011-03-07 | 2014-09-03 | Univ Ohio State | MUTATORY ACTIVITY INDUCED BY INFLAMMATION OF MICROARN-155 (MIR-155) BINDING AND CANCER |
EP2766500A4 (en) | 2011-10-14 | 2015-10-14 | Univ Ohio State | METHODS AND MATERIALS RELATED TO OVARIAN CANCER |
EP2804960A4 (en) | 2012-01-20 | 2015-08-19 | Univ Ohio State | BREAST CANCER BIOMARK SIGNATURES FOR INVASIVITY AND FORECAST |
US20130236453A1 (en) | 2012-03-12 | 2013-09-12 | The Ohio State University | Methods and Compositions for Modulating Acute Graft-versus-Host Disease using miR-155 Specific Inhibitors |
-
2013
- 2013-01-22 EP EP13738335.2A patent/EP2804960A4/en not_active Withdrawn
- 2013-01-22 US US13/746,589 patent/US8859202B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2013-01-22 CN CN201380012282.0A patent/CN104685065B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2013-01-22 WO PCT/US2013/022492 patent/WO2013110053A1/en active Application Filing
- 2013-01-22 CN CN201610287342.5A patent/CN105936932A/zh active Pending
- 2013-01-22 JP JP2014553510A patent/JP2015511121A/ja active Pending
- 2013-01-22 CA CA2866052A patent/CA2866052A1/en not_active Abandoned
- 2013-01-22 AU AU2013209477A patent/AU2013209477B2/en not_active Ceased
-
2014
- 2014-09-11 US US14/483,232 patent/US9434995B2/en not_active Expired - Fee Related
-
2016
- 2016-05-24 US US15/162,903 patent/US20160265066A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005519624A (ja) * | 2002-03-13 | 2005-07-07 | ジェノミック ヘルス, インコーポレイテッド | 生検腫瘍組織での遺伝子発現プロファイリング |
JP2008508895A (ja) * | 2004-08-10 | 2008-03-27 | ユニバーシティ カレッジ カーディフ コンサルタンツ リミテッド | 乳癌の予後診断方法およびキット |
JP2009505639A (ja) * | 2005-08-01 | 2009-02-12 | ジ・オハイオ・ステイト・ユニバーシティ・リサーチ・ファウンデイション | 乳癌の診断、予後及び治療のためのマイクロrnaに基づいた方法及び組成物 |
JP2009507918A (ja) * | 2005-09-12 | 2009-02-26 | ジ・オハイオ・ステイト・ユニバーシティ・リサーチ・ファウンデイション | Bcl2関連癌の診断及び療法のための組成物及び方法 |
WO2007081740A2 (en) * | 2006-01-05 | 2007-07-19 | The Ohio State University Research Foundation | Micrornarna-based methods and compositions for the diagnosis and treatment of solid cancers |
WO2008089577A1 (en) * | 2007-01-26 | 2008-07-31 | Vm Institute Of Resaerch | Breast cancer gene array |
JP2010518878A (ja) * | 2007-02-26 | 2010-06-03 | アンセルム (アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル) | 乳癌患者における転移発生の予測方法 |
US20100210738A1 (en) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Vm Institute Of Research | Prognostic biomarkers to predict overall survival and metastatic disease in patients with triple negative breast cancer |
US20110195848A1 (en) * | 2010-01-08 | 2011-08-11 | Roopra Avtar S | Gene expression and breast cancer |
WO2011088137A2 (en) * | 2010-01-12 | 2011-07-21 | H. Lee Moffitt Cancer Center & Research Institute | Bad pathway gene signature |
WO2011107819A1 (en) * | 2010-03-01 | 2011-09-09 | Adelbio | Methods for predicting outcome of breast cancer, and/or risk of relapse, response or survival of a patient suffering therefrom |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
ROTHE, F. ET AL.: ""Global microRNA expression profiling identifies MiR-210 associated with tumor proliferation, invasi", PLOS ONE, vol. Vol. 6: e20980, JPN6016044549, 2011, pages 1 - 13, XP055200959, ISSN: 0003442933, DOI: 10.1371/journal.pone.0020980 * |
YAN, L.-X. ET AL.: ""MicroRNA miR-21 overexpression in human breast cancer is associated with advanced clinical stage, l", RNA, vol. 14, JPN6016044548, 2008, pages 2348 - 2360, XP055038607, ISSN: 0003442932, DOI: 10.1261/rna.1034808 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN105936932A (zh) | 2016-09-14 |
EP2804960A4 (en) | 2015-08-19 |
AU2013209477B2 (en) | 2016-12-08 |
CN104685065A (zh) | 2015-06-03 |
US20160265066A1 (en) | 2016-09-15 |
EP2804960A1 (en) | 2014-11-26 |
US9434995B2 (en) | 2016-09-06 |
WO2013110053A1 (en) | 2013-07-25 |
CN104685065B (zh) | 2017-02-22 |
US20130190386A1 (en) | 2013-07-25 |
AU2013209477A1 (en) | 2014-09-11 |
US20140378535A1 (en) | 2014-12-25 |
CA2866052A1 (en) | 2013-07-25 |
US8859202B2 (en) | 2014-10-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9434995B2 (en) | Breast cancer biomarker signatures for invasiveness and prognosis | |
US20230046649A1 (en) | Microrna assay for detection and management of pancreatic cancer precursors | |
Chebouti et al. | EMT-like circulating tumor cells in ovarian cancer patients are enriched by platinum-based chemotherapy | |
Wach et al. | MicroRNA profiles of prostate carcinoma detected by multiplatform microRNA screening | |
Jamieson et al. | MicroRNA molecular profiles associated with diagnosis, clinicopathologic criteria, and overall survival in patients with resectable pancreatic ductal adenocarcinoma | |
Bansal et al. | Feasibility of microRNAs as biomarkers for Barrett's esophagus progression: a pilot cross-sectional, phase 2 biomarker study | |
Nadal et al. | A MicroRNA cluster at 14q32 drives aggressive lung adenocarcinoma | |
Sarver et al. | Human colon cancer profiles show differential microRNA expression depending on mismatch repair status and are characteristic of undifferentiated proliferative states | |
Kaur et al. | Integrating molecular subclassification of medulloblastomas into routine clinical practice: a simplified approach | |
Marchini et al. | Association between miR-200c and the survival of patients with stage I epithelial ovarian cancer: a retrospective study of two independent tumour tissue collections | |
Feber et al. | MicroRNA prognostic signature for nodal metastases and survival in esophageal adenocarcinoma | |
Permuth-Wey et al. | A genome-wide investigation of microRNA expression identifies biologically-meaningful microRNAs that distinguish between high-risk and low-risk intraductal papillary mucinous neoplasms of the pancreas | |
CN106574297B (zh) | 选择用于癌症治疗的个体化三联疗法的方法 | |
JP2012510813A (ja) | 卵巣癌の診断および治療のためのマイクロrnaに基づく方法および組成物 | |
D'aiuto et al. | miR-30e* is an independent subtype-specific prognostic marker in breast cancer | |
JP2011516033A (ja) | 急性骨髄性性白血病(aml)における細胞遺伝学および予後と関連するマイクロrnaシグネチャーおよびその使用 | |
WO2014085906A1 (en) | Microrna biomarkers for prostate cancer | |
EP3122905B1 (en) | Circulating micrornas as biomarkers for endometriosis | |
Tao et al. | Identification of circulating microRNA signatures for upper tract urothelial carcinoma detection | |
Deng et al. | RNA interference against cancer/testis genes identifies dual specificity phosphatase 21 as a potential therapeutic target in human hepatocellular carcinoma | |
Chiacchiarini et al. | Role of tissue and circulating microRNAs and DNA as biomarkers in medullary thyroid cancer | |
WO2014201542A1 (en) | Prognostic micro-rna signature for sarcoma | |
Zhu et al. | Genome profiles of pathologist-defined cell clusters by multiregional LCM and G&T-seq in one triple-negative breast cancer patient | |
US10059998B2 (en) | Microrna signature as an indicator of the risk of early recurrence in patients with breast cancer | |
Li et al. | Comprehensive analysis of candidate diagnostic and prognostic biomarkers associated with lung adenocarcinoma |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160115 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161118 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170613 |