JP2010518878A - 乳癌患者における転移発生の予測方法 - Google Patents

乳癌患者における転移発生の予測方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010518878A
JP2010518878A JP2009551932A JP2009551932A JP2010518878A JP 2010518878 A JP2010518878 A JP 2010518878A JP 2009551932 A JP2009551932 A JP 2009551932A JP 2009551932 A JP2009551932 A JP 2009551932A JP 2010518878 A JP2010518878 A JP 2010518878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metastasis
biological markers
tissue
group
markers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009551932A
Other languages
English (en)
Inventor
ロゼット リドロー
ケルトゥーマ ドリウシュ
トマ ランドメーヌ
Original Assignee
アンセルム (アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル)
サントル レヌ ユグナン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アンセルム (アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル), サントル レヌ ユグナン filed Critical アンセルム (アンスティテュ ナシオナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル)
Publication of JP2010518878A publication Critical patent/JP2010518878A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • C12Q1/6886Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material for cancer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/118Prognosis of disease development

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

本発明は、患者における乳癌進行の予後診断、さらに詳細には、乳癌に侵されている患者の1以上の組織または臓器中での転移発生の予測に関する。

Description

本発明は、患者の乳癌進行の予後診断、さらに詳細には、乳癌に侵されている患者の1以上の組織または臓器内での転移発生の予測に関する。
乳癌は、欧米女性における最も一般的な悪性疾患である。原発性腫瘍ではなくて、離れた臓器内での転移の発生が癌患者における主要な死亡原因である。二次腫瘍が一旦定着すると、長期生存のチャンスは、90%から5%辺りまで落ち込む。ターゲット療法開発の進展にもかかわらず、治療患者のほぼ40%が再発し、最終的には転移性乳癌によって死亡する。転移の基礎をなす分子および細胞メカニズムのより一層良好な理解により、乳癌治療を改善する有効な治療法の開発は改良され得ている。
悪性乳房腫瘍は、直ぐ近くの組織および臓器を浸潤し損傷させ得る。悪性腫瘍細胞は、血流またはリンパ系に転移し侵入し得る。乳癌細胞は、乳房外に転移したとき、多くの場合、腕の下のリンパ節(腋窩リンパ節)において見出される。癌がこれらの節に到達した場合は、癌細胞が他のリンパ節或いは骨、肝臓、脳または肺臓のような他の臓器に広がり得ることを意味する。また、種々の臓器の乳癌転移は、リンパ節への事前の拡散なしでも生じる。重要で集中的な研究は、転移性乳癌の早期検出、治療および予防に絞り込まれている。
乳癌のリスクにある女性に対する予防、診断および治療方法の合理的な開発は、腫瘍形成過程の分子マップによって促進されるであろう。相対的に、正常な乳腺細胞の乳癌進行の各種段階への推移を介在する分子事象は、殆ど知られていない。同様に、乳癌の1つの段階からもう1つの段階への、最終的には転移に至る細胞の推移を介在する分子事象も殆ど知られていない。
正常な非癌性細胞と癌性細胞間の相違を特定する分子手法は、重点的な研究の目的である。発癌性細胞に対する正常細胞の遺伝子発現パターンの相違を分析するためのcDNAライブラリーの使用も説明されている。ヒト乳癌における遺伝子発現パターンは、Perou等によって説明されており(1999, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 96 : 9212-9217)、彼らは、培養したヒト“正常”乳房上皮細胞(HMEC)と乳房組織サンプル間の遺伝子発現を、約5000の遺伝子を含むマイクロアレーを使用することによって研究している。Perou等は、クラスタ化アルゴリズムを使用して、HMECおよび組織サンプル中での発現の識別パターンを特定している。Perou等(2000, Nature, Vol. 406 : 747-752)は、ヒト乳房腫瘍のサブタイプを分類するためのクラスタ化遺伝子発現プロフィールの使用を説明している。Hedenfalk等(2001, New Engl. J. Medicine, Vol.
344(8) : 539-548)は、BRCA1変異陽性でBRCA2変異陽性で且つ散発性腫瘍における遺伝子発現プロフィールを説明している。遺伝子発現パターンを使用して乳房腫瘍のサブクラスを識別し、臨床的意義を予測することは、Sorlie等(2001, Proc. Natl. Acad. Sci USA, Vol. 98(19) : 10869-10874)およびWest等(2001,
Proc. Natl. Acad. Sci USA, Vol. 98(20) : 11462-11467)によって説明されている。
原発性腫瘍が転移過程を予測する遺伝子を既に含有し得るという前提に基づき、幾つかのグループは、広範なゲノムマイクロアレー試験を行って遠隔再発の発生および貧弱な生存率と関連する発現プロフィールを特定している。転移過程および/または遠隔再発のマーカーに潜在的に関与する遺伝子を含む数種の高度に予後的な遺伝子サインが報告されている。これらの研究は、主として、再発問題全体に取組んでいる。
また、幾つかの組織または臓器内での乳癌転移に関与する生物学的マーカーを同定することを目的とした研究も当該技術において行われている。この目的においては、ヌードマウスにおいてヒト乳癌異種移植法を使用する生体内試験が、以下で説明するようにして行われている。
Kang等(2003, Cancer Cell, Vol. 3 : 537-549)は、骨への乳癌転移に潜在的に関与する1群の遺伝子を、(i) MDBA-MB-231ヒト乳癌細胞系の生体外培養細胞から得られた遺伝子発現プロフィールを(ii) マウスにおいて骨転移を形成する能力について前以って実験的に生体内で選択した同じ細胞系のサブクローンから得られた遺伝子発現プロフィールと比較することによって同定している。これらの著者は、マイクロアレー遺伝子発現分析法を使用して、マウスにおいて骨転移を形成する能力について選択した細胞下位系において、親MDBA-MB-231ヒト乳癌細胞系と比較したとき、数種の遺伝子は不十分に発現し、数種の他の遺伝子は過発現していることを証明している。これらの著者は、MDBA-MB-231ヒト細胞系の場合、骨への転移に関連する細胞機能は、CXCR4、CTGF、IL-11およびOPN遺伝子により、他の遺伝子の潜在的寄与と相俟って発揮されると結論付けている。
Minn等(2005, Nature, Vol. 436(28) : 518-524)は、同じMDBA-MB-231ヒト乳癌親細胞系を、マウスにおいて肺転移を形成する能力を有する細胞下位系を生体内で選択するのに使用している。その後、これらの著者は、侵襲性の肺転移挙動に関連する遺であろう伝子発現パターンを同定する目的で、高および弱肺転移性細胞集団のトランスクリプトミクスマイクロアレー分析を行っている。54種の候補肺転移形成性(metastagenicity)および毒性遺伝子の最終目録を選択し、MMP1、CXCL1およびPTGS2のような、これらの遺伝子のうちの12種を、それらの無肺転移生存との有意の関連についてさらに同定した。
上記で報告した研究においては、著者等は、動物モデルにおいて骨または肺転移を特異的に介在する1群の遺伝子を同定し機能的に確認している。同定した臓器特異性遺伝子サインは、(i) 骨または肺に優先的に転移する原発性乳癌と(ii) 他の部位に転移する原発性乳癌とを区別することを可能にした。
最近、1つの研究において、ヒト乳癌の骨特異性転移の予後診断を可能にする分子特性が報告されている。この研究は、骨に再発する原発性乳房腫瘍を他の部位に再発する原発性乳房腫瘍を比較することによって行われている。著者等は、結果として、骨への乳癌転移に関連する1群の遺伝子を同定している(Smid et al., 2006, J Clin Oncol, Vol. 24(15) : 2261-2267)。
しかしながら、原発性腫瘍の混合コホートにおける臓器特異性特性の試験は、特異性転移をもたらさない原発性腫瘍と対比しての特異性転移をもたらす原発性腫瘍の確固たる分類を可能にしていない。このことは、おそらく、これら遺伝子サインの予測値が殆どないことによる。
乳癌患者における早期の転移検出は、長期無病生存のチャンスを増大させる目的において、抗癌治療処置を相応に適応化するのに不可欠である。
しかしながら、乳癌患者における転移検出は、その検出が転移の早期段階で行われたとしても、癌帰結の貧弱な予測からなることから、当該技術においては、医療および医療調査の双方の目的において、乳癌腫瘍の潜在的転移を検出する信頼性のある方法を利用可能にすることが益々求められている。また、当該技術においては、乳癌転移癌の形成および発症がおそらく生じるであろう1以上の組織または臓器の予測を与える方法も求められている。
本発明は、乳癌に侵されている患者における転移の発生を予測する方法およびキットに関する。
本発明の乳癌転移予測方法は、検査すべき乳癌患者から前以って採集した腫瘍組織サンプルにおいて、転移に向う癌進行を指標する1種以上の生物学的マーカー、さらに正確には、特定の組織、とりわけ、骨、脳、肺および肝臓への転移に向う癌進行を指標する1種以上の生物学的マーカーの発現量を測定する工程を含む。
また、本発明は、上記の転移予測方法を実施するために特別に設計した乳癌転移予測キットにも関する。
また、本発明は、骨、脳、肺および肝臓のような特定の組織における転移に向う癌進行を指標する1種以上の生物学的マーカーを選択する方法にも関する。
原発性腫瘍に対する骨および肺転移関連遺伝子試験。27名の患者コホートからの再発性原発性乳癌の階層的クラスタ解析を、肺(A)および骨(B)転移サインによって行った。相応する患者の無肺転移生存率および無骨転移生存率解析を行った。患者群A2からの腫瘍(最終結果)は、骨転移関連遺伝子を骨再発と類似した形で発現している。患者群B2からの腫瘍(最終結果)は、骨転移関連遺伝子を骨再発と類似した形で発現している。 臓器特異性サインを使用しての原発性乳癌の分離比解析。図2Aは、無肺転移生存率を示す。図2Bは、無骨転移生存率を示す。図2Cは、全体的無転移生存率を示す。肺転移サインを発現した乳癌患者(図2A、クラスタAに相応)または発現しなかった(緑線) (クラスタB+C)乳癌患者 82名の乳癌患者における無肺転移生存率(カプラン・マイヤー解析)。 72例のリンパ節転移陰性乳癌群(CRHコホート)における6種遺伝子肺転移サインの挙動。(A)上記6種遺伝子サインによって同定した高リスクおよび低リスク群における遠隔転移(最初および/または唯一の転移部位)の分布(カイ二乗検定)。(B) 上記6種遺伝子サインを発現する腫瘍を有する患者等(高リスク群)は、短い無肺転移生存を有していた(ログランク検定)。(CおよびD) 無骨転移生存および無肝転移生存のカプラン・マイヤー曲線は、6種遺伝子サインによって同定した高リスク群と低リスク群間で差を示していなかった。 3つの独立の乳癌患者群における6種遺伝子肺転移サインの検証。無肺転移生存を、MSKコホート(図4A)、EMCコホート(図4B)コホートおよびNKIコホート(図4C) (それぞれ、82名、344名および295名の患者)並びに721名の乳癌患者の複合コホート(図4D)について解析した。カプラン・マイヤー解析は、上記6種遺伝子サインを発現した患者(高リスク群)と発現しなかった患者(低リスク群)を区別していた。肺転移の高予測リスクを有する患者等は、短い無肺転移生存率を有していた。 肺転移リスク予測における種々の臨床病理マーカーと遺伝子発現サインの積分解析(integration)。(A) 乳癌肺転移の予測は、2つの異なるモデルに由来する予測因子の組合せを脂溶することによって改善されている。(B) 臨床および試験に由来するサインに従う721名の乳癌患者の複合コホート(MSK/EMC/NKI)における肺転移分布。両サインに対して陰性である患者は、黒色で示しており;拡散した帰属(divergent assignment)を示す患者は、青色で示しており;両サインに対して陽性であると判明した患者は、緑色で示している。上記6種遺伝子サインおよびLMSサインは、肺転移に関連する乳癌患者の帰結分類において85%の一致を示した(カッパ係数 =0.57)。(B) 上記6種遺伝子およびMDA由来肺転移サインに従う乳癌患者(n = 721)のカプラン・マイヤー解析。 原発性腫瘍に対する骨転移性関連遺伝子試験:患者コホートからの再発性原発性乳癌の階層的クラスタ解析を11遺伝子骨転移サインによって行った。相応する患者の無骨転移生存率解析を実施した。
乳癌患者における転移発症の可能性の早期予測を可能にする方法を、本発明によって提供する。
詳細には、本発明は、本明細書において、乳癌患者における1以上の特定の組織または臓器、とりわけ、骨、肺、肝および脳組織または臓器への転移の発生の予測を可能にする方法およびキットを提供する。
本発明によれば、乳癌患者における転移発生の高い可能性を指標する生物学的マーカーの高信頼性組織特異性群を同定した。
これらの高信頼性組織特異性生物学的マーカー群の同定は、本明細書において以下で説明するそのような転移生物学的マーカーの高度に正確なスクリーニング方法の使用に基づき可能になった。
従って、本発明の目的は、下記の工程を含むことを特徴とする、乳癌に侵されている患者における転移発生の生体外予測方法からなる:
a) 検査すべき患者から前以って採集した乳房腫瘍組織サンプルを用意する工程;
b) 前記乳房腫瘍組織サンプルにおいて、1以上の組織または臓器内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーの発現を判定することからなり、前記1種以上の生物学的マーカーを、下記からなる群から選択する工程:
(i) CLEC4A、MFNG、NXF1、FAM78A、KCTD1、BAIAP2L1、PTPN22、MEGF10、PERP、PSTPIP1、FLI1、COL6A2、CD4、CFD、ZFHX1B、CD33、LST1、MMRN2、SH2D3C、RAMP3、FAM26B、ILK、TM6SF1、C10orf54、CLEC3B、IL2RG、HOM-TES-103、ZNF23、STK35、TNFAIP8L2、RAMP2、ENG、ACRBP, TBC1D10C、C11orf48、EBNA1BP2、HSPE1、GAS6、HCK、SLC2A5、RASA3、ZNF57、WASPIP、KCNK1、GPSM3、ADCY4、AIF1、NCKAP1、AMICA1、POP7、GMFG、PPM1M、CDGAP、GIMAP1、ARHGAP9、APOB48R、OCIAD2、FLRT2、P2RY8、RIPK4、PECAM1、URP2、BTK、APBB1IP、CD37、STARD8、GIMAP6、E2F6、WAS、HLA-DQB1、HVCN1、LOC56902、ORC5L、MEF2C、PLCL2、PLAC9、RAC2、SYNE1、DPEP2、MYEF2、HSPD1、PSCD4、NXT1、LOC340061、ITGB3、AP1S2、SNRPG、CSF1、BIN2、ANKRD47、LIMS2、DARC、PTPN7、MSH6、GGTA1、LRRC33、GDPD5、CALCOCO1、FAM110C、BCL6B、LOC641700、ARHGDIB、DAAM2、TNFRSF14、TPSAB1、CSF2RA、RCSD1、FLJ21438、LOC133874、GSN、SLIT3、FYN、NCF4、PTPRC、EVI2B、SCRIB、C11orf31、LOC440731、TFAM、ARPC5L、PARVG、GRN、LMO2、CRSP8、EHBP1L1、HEATR2、NAALADL1、LTB、STRBP、FAM65A、ADARB1、TMEM140、DENND1C、PRPF19、CASP10、SLC37A2、RHOJ、MPHOSPH10、PPIH、RASSF1、HCST、C16orf54、EPB41L4B、LRMP、LAPTM5、PRDM2、CYGB、LYCAT、ACP5、CMKLR1、UBE1L、MAN2C1、TNFSF12、C7orf24、Cxorf15、CUL1、SMAD7、ITGB7、APOL3、PGRMC1、PPA1、YES1、FBLN1、MRC2、PTK9L、LRP1、IGFBP5、WDR3、GTPBP4、SPI1、SELPLG、OSCAR、LYL1、POLR2H、YWHAQ、ISG20L2、LGI14、KIF5B、NGRN、TYROBP、C5orf4、COX7A2、S100A4、MATK、TMEM33、DOK3、LOC150166、CIRBP、NIN、C10orf72、FMNL1、FAT3、CHKB/CPT1B、SNRPA1、GIMAP4、C20orf18、LTBP2、GAB3、NQO1、MARCH2、MYO1F、CDS1、SRD5A1、C20orf160、SLAMF7、ACTL6A、ABP1、RAE1、MAF、SEMA3G、P2RY13、ZDHHC7、ERG、FHL1、CLEC10A、INTS5、MYO15B、CTSW、PILRA、HN1、SCARA5、PRAM1、EBP、SIGLEC9、LGP1、DGUOK、GGCX、RABL5、ZBTB16、NOP5/NOP58、CCND2、CD200、EPPK1、DKFZp586CO721、CCT6A、RIPK3、ARHGAP25、GNAI2、USP4、FAHD2A、LOC399959、LOC133308、HKDC1、CD93、GTF3C4、ITGB2、ELOVL6、TGFB1I1、ASCC3L1、FES、KCNMB1、AACS、ATP6VOD2、TMEM97、NUDT15、ATP6V1B2、CCDC86、FLJ10154、SCARF2、PRELP、ACHE、GIMAP8、PDE4DIP、NKG7、C20orf59、RHOG、TRPV2、TCP1、TNRC8、TNS1、IBSP、MMP9、NRIP2、OLFML2B、OMD、WIF1、ZEB2、ARL8、COL12A1、EBFおよびEBF3からなる群から選ばれる、骨組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
(ii) DSC2、HORMAD1、PLEKHG4、ODF2L、C21orf91、TFCP2L1、TTMA、CHODL、CALB2、UGT8、LOC146795、C1orf210、SIKE、ITGB8、PAQR3、ANP32E、C20orf42/FERMT1、ELAC1、GYLTL1B、SPSB1、CHRM3、PTEN、PIGL、CHRM3、CDH3からなる群から選ばれる、肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
(iii) TBX3、SYT17、LOC90355、AGXT2L1、LETM2、LOC145820、ZNF44、IL20RA、ZMAT1、MYRIP、WHSC1L1、SELT、GATA2、ARPC2、CAB39L、SLCl6A3、DHFRL1、PRRT3、CYP3A5、RPS6KA5、KIAA1505、ATP5S、ZFYVE16、KIAA0701、PEBP1、DDHD2、WWP1、CCNL1、ROBO2、FAM111B、THRAP2、CRSP9、KARCA1、SLC16A3、ARID4A、TCEAL1、SCAMP1、KIAAO701、EIF5A、DDX46、PEX7、BCL2L11、YBX1、UBE21、REXO2、AXUD1、C10orf2、ZNF548、FBXL16、LOC439911、LOC283874、ZNF587、FLJ20366、KIAAO888、BAG4、CALU、KIAA1961、USP30、NR4A2、FOXA1、FBXO15、WNK4、CDIPT、NUDT16L1、SMAD5、STXBP4、TTC6、LOC113386、TSPYL1、CIP29、C8orf1、SYDE2、SLC12A8、SLC25A18、C7、STAU2、TSC22D2、GADD45G、PHF3、TNRC6C、TCEAL3、RRN3、C5orf24、AHCTF1、LOC92497からなる群から選ばれる、肝組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;および、
(iv) LOC644215、BAT1、GPR75、PPWD1、INHA、PDGFRA、MLL5、RPS23、ANTXR1、ARRDC3、PTK2、SQSTM1、METTL7A、NPHP3、PKP2、DDX31、FAM119A、LLGL2、DDX27、TRA16、HOXB13、GNAS、CSPP1、COL8A1、RSHL1、DCBLD2、UBXD8、SURF2、ZNF655、RAC3、AP4M1、HEG1、PCBP2、SLC30A7、ATAD3A/ATAD3B、CHI3L1、MUC6、HMG20B、BCL7A、GGN、ARHGEF3、PALLD、TOP1、PCTK1、C20orf4、ZBTB1、MSH6、SETD5、POSTN、MOCS3、GABPA、ZSWIM1、ZNHIT2、LOC653352、ELL、ARPC4、ZNF277、VAV2、HNRPH3、LHX1、FAM83A、DIP2B、RBM10、PMPCA、TYSND1、RAB4B、DLC1、KIAA2018、TES、TFDP2、C3orf10、ZBTB38、PSMD7、RECK、JMJD1C、FLJ20273、CENPB、PLAC2、C6orf111、ATP10D、RNF146、XRRA1、NPAS2、APBA2BP、WDR34、SLK、SBF2、SON、MORC3、C3orf63、WDR54、STX7、ZNF512、KLHL9、LOC284889、ETV4、RMND5B、ARMCX1、SLC29A4、TRIB3、LRRC23、DDIT3、THUMPD3、MICAL-L2、PA2G4、TSEN54、LAS1L、MEA1、S100PBP、TRAF2、EMILIN3、KIAA1712、PRPF6、CHD9、JMJD1B、ANKS1A、CAPN5、EPC2、WBSCR27、CYB561、LLGL1、EDD1からなる群から選ばれる、脳組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
c) 1以上の組織または臓器内の転移発生を、1種以上の上記生物学的マーカーが、相応する組織または臓器内での転移を被っていない患者の乳房腫瘍サンプルにおいて測定したその相応する発現量と比較したとき、脱制御(deregulated)発現量を有する場合に予測する工程。
本明細書において先に説明したように、従来技術の研究は、転移過程に潜在的に関与する遺伝子および/または遠隔再発のマーカーを含む数種の遺伝子サインを開示している。しかしながら、これらの従来技術の研究は、全体的再発問題に対処している。複数のタイプの転移および転移に至る潜在的に複数の明確な病理過程が存在するので、これらの従来技術の研究は、正確性の欠如を伴っていた。
とりわけ、複数のこれら従来技術方法によれば、転移特異性生物学的マーカーの選択は、人工的生体内系における、即ち、非ヒト動物、とりわけ、マウスにおけるヒトマーカー発現分析によって行っていた。
さらに、転移特異性生物学的マーカーのスクリーニングは、一般に、人工ヒト細胞系、即ち、1種以上の遺伝子またはタンパク質の発現人工物を除外し得ない確立させたヒト癌細胞系を使用して行われている。生物学的マーカー発現人工物導入の可能性は、マウスのような非ヒト動物系中での生体内細胞投与/選択サイクルを繰返すことによる、親細胞系由来の転移能を有する複数のヒト細胞下位系の選択のような使用するスクリーニング方法の各種特徴によってさらに増大する。
さらにまた、これらの従来技術方法によれば、適切な細胞下位系を、非ヒト動物において、その高転移能について最終的に選択した時点で、識別的遺伝子発現分析を、(i) 親ヒト乳癌細胞系と(ii) 転移能を有する各種細胞下位系間の遺伝子発現量を比較することによって行っている。
乳癌における転移特異性マーカーを選択する従来技術方法の正確性を改良することを考慮して、本発明者等は、完全なヒト分析系を使用し、且つ、幾つかの特徴のなかでとりわけ、候補生物学的マーカーの発現量を(i) 興味ある転移組織または臓器と(ii) 1以上の明確な転移組織または臓器間で比較し、それによって、マーカー選択方法の終了時に、前向きに選択している組織特異性転移生物学的生物学的マーカーの高選択性と統計的関連性を可能にする工程を含む、乳癌における転移の高信頼性組織特異性マーカーを選択する独創的な方法を設計している。
本明細書の実施例において示すように、候補生物学的マーカーの発現量を(i) 骨、肺、肝および脳からなる群から選ばれる興味ある転移組織または臓器と(ii) 骨、肺、肝および脳からなる群から選ばれる全ての他の転移組織または臓器間で比較する工程を含むマーカー選択方法を使用したとき、本発明者等は、高い統計的関連性を有する組織特異性乳癌転移生物学的マーカーを1.10-4よりも常に低いP値でもって同定しており、このP値は、最も統計的に関連性のある生物学的マーカーにおいては10-6よりも低い。最初に選択した生物学的マーカーの統計的関連性は、本明細書の実施例において示しているように、乳癌患者の腫瘍組織サンプル中での上記組織特異性マーカーの発現についてアッセイした後に、カプラン・マイヤー解析によって汁分に確証されている。
本明細書において意図するとき、“生物学的マーカー”は、特異的遺伝子の発現時に合成されるあらゆる検出可能な生成物に及び、従って、遺伝子特異性mRNA、cDNAおよびタンパク質を包含する。
本明細書において使用するとき、“転移の発生を指標する生物学的マーカー”または“転移特異性マーカー”とは、特定の所定の組織内または特定の所定の臓器内で転移を生じているまたは転移を生じているであろう乳房腫瘍中で、上記特定の所定の組織内または上記特定の所定の臓器内で転移を生じていないまたは生じていないであろう乳房腫瘍中での同じ生物学的マーカーの発現と比較したとき、特異的に発現するあらゆる生物学的マーカーを包含する。好ましくは、組織および臓器は、骨、肺、肝および脳からなる群から選ばれる。
“組織特異性”マーカーおよび“組織転移特異性”マーカーなる用語は、本明細書においては互換的に使用する。同様に、“臓器特異性”マーカーおよび“臓器転移特異性”マーカーなる用語も、本明細書においては互換的に使用する。
本明細書において意図するとき、“転移の発生の予測”とは、絶対値からなるものではなく、対照的に、乳癌患者において、1以上の特定の組織または臓器への転移の発生の可能性を定量することを可能にする相対値からなる。ある種の実施態様においては、転移発生の予測は、試験する1種以上の生物学的マーカーの各々において得られた発現値から算出したP値のような統計値として表す。
本明細書において意図するとき、“腫瘍組織サンプル”とは、(i) 原発性腫瘍全体(全体としての)、(ii) 腫瘍中心からの組織サンプル、(iii) 腫瘍中心以外の腫瘍内の位置からの組織サンプルおよび(iv) 腫瘍組織自体の外側に位置する任意の腫瘍細胞を包含する。ある種の実施態様においては、上記腫瘍組織サンプルは、乳癌患者に対して行った腫瘍切除の外科活動に由来する。ある種の他の実施態様においては、上記組織サンプルは、腫瘍組織の一片をさらなる分析のために乳癌患者から収集する生検外科活動に由来する。さらなる実施態様においては、上記組織サンプルは、原発性腫瘍組織或いは既に発症している転移に由来する腫瘍細胞を含有する全血サンプル、血清サンプルおよび血漿サンプルのような血液サンプルからなる。さらなる実施態様においては、上記腫瘍サンプルは、原発性腫瘍組織或いは既に発症している転移に由来する腫瘍細胞が産生する腫瘍タンパク質を含有する全血サンプル、血清サンプルおよび血漿サンプルのような血液サンプルからなる。
本明細書において特定した各種生物学的マーカーの名称は、その相補DNA(cDNA)およびゲノムDNA(gDNA)配列のようなその完全アミノ酸および核酸配列を利用するのに使用し得るその国際的に承認された頭字語に相応する。具体的には、本明細書において特定した生物学的マーカーの各々の相応するアミノ酸および核酸配列は、本明細書において“遺伝子記号”とも称するその頭字語名称に基づき、GenBankまたはEMBL配列データベースにおいて検索し得る。本明細書において挙げた全ての遺伝子記号は、GenBank命名法に相応している。従って、生物学的マーカーのDNA (cDNAおよびgDNA)配列並びにアミノ酸配列は、当業者にとって、とりわけ以下のウェブサイトアドレス:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/から十分に入手可能である。また、同じ配列は、以下のウェブサイトアドレス:http://www.gene.ucl.ac.uk/nomenclature/で利用し得るHugo Gene Nomenclature Committee (HGCN)データベースから検索し得る。
本発明に従う生体外予測方法の工程b)においては、1種以上の特定した生物学的マーカーを定量する。生物学的マーカーの定量法は、上記生物学的マーカーの発現量の検出を含む。特異性生物学的マーカーの発現量の検出法は、試験する腫瘍組織サンプル中で発現する相応する特異性mRNAまたはcDNAの量の評価、並びに上記腫瘍組織サンプル中で産生する相応するタンパク質の量の評価を包含する。
本発明に従う方法の工程b)の終了時には、定量値が、使用する1種以上の生物学的マーカーの各々について得られる。
先に明記したように、工程b)の特定の実施態様は、下記を含む:
(i) 1種以上の生物学的マーカーの免疫化学法による定量;この定量は、興味ある1種以上のタンパク質マーカーを、腫瘍組織サンプルにおける現場免疫組織化学法により、例えば、上記1種以上のタンパク質マーカー各々に対して特異的に指向する抗体を使用して定量することを含む;
(ii) 1種以上の生物学的マーカーの遺伝子発現分析による定量;この定量は、興味ある1種以上のマーカーmRNAを、例えば、Real-Time PCR Taqman PCR分析を実施することにより、さらにまた、特異的に専用化DNAマイクロアレー、即ち、本明細書において列挙した生物学的マーカーのうちで興味ある生物学的マーカーのいずれにも相応するcDNAと特異的にハイブリッド化する核酸を結合させた基体を含むDNAマイクロアレーを使用することにより、定量することを含む。
上記方法のある種の他の実施態様においては、工程b)は、腫瘍組織サンプルにおいて、上記で特記したマーカー遺伝子のうちの1種以上のマーカー遺伝子の発現量を定量することからなる。一般に、少なくとも2種のマーカー遺伝子の組合せにおける発現量の評価を行う。上記方法の工程b)のこれらの実施態様においては、工程b)の終了時に得られるのは、腫瘍組織サンプル中に含まれる細胞内で特異的に見出される各マーカー遺伝子について見出される発現量値(核酸またはタンパク質発現量)である。
本発明に従う転移特異性生物学的マーカーの発現量は、組織サンプル中で検出した興味ある相応するmRNAの量を反映する何らかの任意単位、例えば、(i) 組織サンプルのmRNA含有量のリアルタイムPCR分析および(ii) 増幅核酸のDNAマイクロアレーへのハイブリッド化によるような組織サンプルのmRNA含有量のPCR分析によって産生させたcDNA物質が発出する放射能または蛍光シグナルの強度として表し得る。好ましくは、上記発現量値は、絶対発現量値と対照値との比較後に得られた標準化相対値からなり、上記対照値は、正常または腫瘍乳房組織のいずれかからなるかにかかわらないおよび/または非転移性または転移性乳房組織のいずれかからなるかにかかわらない任意の乳房組織サンプルにおいて同じ発現量値を有する遺伝子の発現量値からなる。具体的には、上記対照値は、本明細書の実施例において示しているように、TATAボックス結合タンパク質(TBP)をコード化するmRNA量からなり得る。
また、上記発現量は、上記組織サンプル中で検出した興味あるタンパク質の量を反映する何らかの任意単位、例えば、興味あるタンパク質に特異的に結合させたラベル化抗体が発出する放射能または蛍光シグナルの強度として表し得る。また、工程b)の終了時に得られる値は、ELISA、SELDI-TOF、FACAまたはウェスタンブロッティングのような当該技術において周知の各種タンパク質検出方法によって測定することのできる興味あるタンパク質(1種以上)の濃度からなり得る。
本明細書において特記している生物学的マーカーは、いずれも、(i) 専ら乳癌転移性組織または臓器内で所定の発現量で特異的に発現する、および(ii) 異なる乳癌転移性組織または臓器内で別の発現量で発現する生物学的マーカーからなるので、その場合、原発性腫瘍試験標本に由来する腫瘍組織サンプル中でのその発現の単純な定量が、担乳癌患者が上記組織または臓器内での転移の発生を被りそうであるかを予測することを可能にする。
さらに、本明細書において特記している1種以上の生物学的マーカーの定量は、担乳癌患者の1以上の特異的組織または臓器内での転移発生の可能性に関するさらなる予測データももたらす;何故ならば、転移発生の可能性が、転移を被っていない患者からの乳房腫瘍サンプル中で前以って測定した1種以上の生物学的マーカーの対照発現値と比較したとき、少なくとも検討する興味ある組織または臓器において、試験する上記1種以上の生物学的マーカーの発現量の脱制御の増大を伴って増大するからである。
従って、本明細書において使用するとき、“脱制御発現量”を有する興味ある生物学的マーカーは、本発明に従う生体外予測方法の工程b)を実施したとき、(i) 決して転移を被らない乳癌患者に由来する腫瘍組織サンプル中または(ii) 上記生物学的マーカーが転移特異性である組織または臓器において決して転移を被らない乳癌患者に由来する腫瘍組織サンプル中において前以って測定した上記生物学的マーカーにおける発現量値(“対照”発現値とも称し得る)とは異なる発現量値が見出せる転移特異性生物学的マーカーからなる。
本発明に従う予測方法の工程c)を実施するに当っては、当業者であれば、本明細書において説明する、とりわけ、下記の表1、2、5および8において見出せるような転移特異性マーカーの各々についての脱制御発現値を参照し得るであろう。
実施例において示しているように、本明細書において列挙したどの生物学的マーカーも、最低の統計的関連性を有するマーカーが1.10-4よりも低いP値を有することから、特定の組織中での転移発生を予測するのに高度に関連している。
さらに、転移予測の精度は、上記方法の工程c)において、所定の組織または臓器に対する2種以上の組織特異性生物学的マーカーを工程b)において検出および/または定量したときに上昇する。
従って、本発明に従う予測方法の好ましい実施態様においては、所定の組織または臓器に対する2種以上の生物学的マーカーを、上記方法の工程b)において検出および/または定量する。
上記方法の工程b)において定量する所定の組織または臓器に対して特異性の生物学的マーカー数が多いほど、上記方法の工程c)において得られる予測結果は正確である。
所定の組織または臓器に対して特異性の複数の生物学的マーカーを上記方法の工程b)において定量することにより、上記複数のマーカーの実験的発現プロフィールを創生することが可能となり、その場合、この実験的発現プロフィールを、組織特異性転移患者から前以って測定した少なくとも1つの参照発現プロフィールと比較する。具体的には、骨転移が検査する患者において疑われる場合、上記方法の工程b)において使用した骨転移特異性マーカー遺伝子の定量の結果から得られた実験的発現プロフィールを、骨転移に相応する先存参照発現プロフィールと比較する。好ましくは、骨特異性転移マーカーの実験的発現プロフィールを、骨転移を示す患者において前以って測定した同じ遺伝子の参照発現プロフィール並びに他の組織または臓器特異性転移を示す患者から得られた参照発現プロフィールと比較して上記実験的発現プロフィールが骨転移を示す患者から予め測定していた参照発現プロフィールと最も近いことを確証する。
上記予測方法のある種の実施態様においては、工程b)は、組織または臓器各々に対する少なくとも1種の組織特異性生物学的マーカーを定量することを含む。具体的には、上記方法のこれらの実施態様においては、工程b)は、(i) 少なくとも1種の骨特異性生物学的マーカー、(ii) 少なくとも1種の肺特異性生物学的マーカー、(iii) 少なくとも1種の肝特異性生物学的マーカーおよび(iv) 少なくとも1種の脳特異性生物学的マーカーを定量することを含む。
上記方法のある種の実施態様においては、所定の組織または臓器に対して少なくとも2種の組織特異性生物学的マーカーを定量することを含む。工程b)において定量する所定の組織または臓器に対する組織特異性マーカー数が多いほど、検査する担乳癌患者の上記所定の組織中での転移発生の予測は正確である。
従って、本発明に従う予測方法のある種の実施態様においては、所定の組織または臓器に対して検査する生物学的マーカー数は、本明細書において開示している組織特異性生物学的マーカーからなる群から選ばれる少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99, 100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299または300種の所定の組織または臓器に対する明確な組織特異性生物学的マーカーであり、所定の組織または臓器に対する明確な組織特異性生物学的マーカーの最大数は、上記所定の組織または臓器に対して本明細書において開示しているマーカー数に限定される。
本明細書において開示している2種以上の生物学的マーカーの任意の組合せが本発明に完全に包含される。
上記組織または臓器の各々に対する複数の生物学的マーカーを上記方法の工程b)において定量する場合、試験する患者の実験的発現プロフィールを発生させ、その後、このプロフィールを同じ生物学的マーカーの参照発現プロフィールと比較して、実験的発現プロフィールが最も類似している参照発現プロフィールを判定し、そのようにして、その組織または臓器特異性転移を最終的に予測する。
本発明に従う予測方法のある種の実施態様においては、工程c)は、当業者であれば、検査する患者の臓器特異性転移のリスク指数を、工程b)において測定した1種以上の生物学的マーカーの発現量値から出発して算出することによって実施し得えるであろう。多くのリスク指数の算出方法が、当業者にとって周知である。
具体的には、当業者であれば、上記リスク指数が標準化コックス(Cox’s)回帰係数を荷重として有する荷重(また、試験する遺伝子に依存しない)発現量値の一次結合として定義される検査患者のリスク指数を算出し得るであろう。
(式中、Aは、定数であり;
wiは、各マーカーにおける標準化コックス回帰係数であり;
xiは、マーカーの発現値(対数尺度)であり、
nは、リスクを予測する遺伝子数である)。
基準点は、最高の感度および特異度を確保するためのトレーニングセットのROC曲線から決定する。定数値Aは、リスク指数の基準点をゼロに集中するように選定する。陽性のリスク指数を有する患者は高リスクの臓器特異性群に分類し、陰性のリスク指数を有する患者は低リスクの臓器特異性群に分類する。
工程c)を検査患者の臓器特異性転移のリスク指数を算出することによって実施する本発明に従う予測方法の具体的な実施態様は、下記の表9、10、11および12に示している。
表9は、本発明に従う方法において使用し得る各種肺特異性生物学的マーカーの予測値を示している。表9の詳細を以下に示す。
コホート:EMC-344 TP
結果の要約:
0.99レベルの単変量検定において有意の遺伝子数:23
生存に有意に関連する遺伝子:
表9(単変量検定のp値によってソートしている)
最初の23遺伝子は、公称0.99レベルの単変量検定において有意である。
危険率は、遺伝子発現量の2倍変化における危険率である。
危険率は、exp(b)に等しく、bはコックス回帰係数である。SDは、遺伝子発現量のlog 2の標準偏差である。
表10は、本発明に従う方法において使用し得る各種肺特異性生物学的マーカーの予測値を示している。表10の詳細を以下に示す。
コホート:MSK-82 TP
結果の要約:
0.99レベルの単変量検定において有意の遺伝子数:23
生存に有意に関連する遺伝子:
表10(単変量検定のp値によってソートしている)
最初の23遺伝子は、公称0.99レベルの単変量検定において有意である。
危険率は、遺伝子発現量の2倍変化における危険率である。2の遺伝子発現量。
危険率は、exp(b)に等しく、bはコックス回帰係数である。SDは、上記対数の標準偏差である。
表11は、本発明に従う方法において使用し得る各種肺特異性生物学的マーカーの予測値を示している。表11の詳細を以下に示す。
コホート:NKI-295
結果の要約:
0.9レベルの単変量検定において有意の遺伝子数:20
生存に有意に関連する遺伝子:
表11(単変量検定のp値によってソートしている)
最初の20遺伝子は、公称0.9レベルの単変量検定において有意である。
危険率は、遺伝子発現量の2倍変化における危険率である。2の遺伝子発現量。
危険率は、exp(b)に等しく、bはコックス回帰係数である。SDは、遺伝子発現量のlog 2の標準偏差である。
表12は、本発明に従う方法において使用し得る各種骨特異性生物学的マーカーの予測値を示している。表12の詳細を以下に示す。
コホート:NHI-295
結果の要約:
0.99レベルの単変量検定において有意の遺伝子数:51
生存に有意に関連する遺伝子:
表1(単変量検定のp値によってソートしている)
最初の51遺伝子は、公称0.99レベルの単変量検定において有意である。
危険率は、遺伝子発現量の2倍変化における危険率である。
危険率は、exp(b)に等しく、bはコックス回帰係数である。SDは、遺伝子発現量のlog 2の標準偏差である。
また、本発明に従って同定した40種の最高格付け骨特異性生物学的マーカーを下記の表13に示している。
本発明に従う予測方法のある種の実施態様においては、工程b)において定量する1種以上の骨特異性生物学的マーカーは、CLEC4A、MFNG、NXF1、FAM78A、KCTD1、BAIAP2L1、PTPN22、MEGF10、PERP、PSTPIP1、FL11、COL6A2、CD4、CFD、ZFHX1B、CD33、MMRN2、LST1、SH2D3CおよびRAMP3からなる群から選択する。これらの骨特異性マーカーは、表2において示すように、DNAマイクロアレー分析後に得られる常に10-6よりも低いP値でもって、骨組織内での転移発生を予測するのに高い統計的関連性を有する。
本発明に従う予測方法のある種の実施態様においては、工程b)において定量する1種以上の肺特異性生物学的マーカーは、DSC2、HORMAD1、PLEKHG4、ODF2L、c21orf91、TFCP2L1、CHODL、CALB2、UGT8、c1orf210、SIKE、ITGB8、PAQR3、ANP32E、KIND1、ELAC1、GYLTL1B、SPSB1、PTENおよびCHRM3からなる群から選択する。これらの肺特異性マーカーは、表2において示すように、DNAマイクロアレー分析後に得られる常に10-4よりも低いP値でもって、肺組織または臓器内での転移発生を予測するのに高い統計的関連性を有する。
本発明に従う予測方法のある種の実施態様においては、工程b)において定量する1種以上の肝特異性生物学的マーカーは、TBX3、c5orf30、AGXT2L1、LETM2、ZNF44、IL20RA、ZMAT1、MYRIP、WHSC1L1、SELT、GATA2、DHFRL1、ARPC2、SLC16A3、GNPTG、PRRT3、RPS6KA5、K1AA1505、ZFYVE16およびK1AA0701からなる群から選択する。これらの肝特異性マーカーは、表2において示すように、DNAマイクロアレー分析後に得られる常に10-5よりも低いP値でもって、肝組織または臓器内での転移発生を予測するのに高い統計的関連性を有する。
本発明に従う予測方法のある種の実施態様においては、工程b)において定量する1種以上の脳特異性生物学的マーカーは、PPWD1、INHA、PDGFRA、MLL5、RPS23、ANTXR1、ARRDC3、METTL7A、NPHP3、PKP2、DDX27、TRA16、HOXB13、CSPP1、RSHL1、DCBLD2、UBXD8、SURF2、ZNF655およびRAC3からなる群から選択する。これらの脳特異性マーカーは、表2において示すように、DNAマイクロアレー分析後に得られる常に10-5以下であるP値でもって、脳組織または臓器内での転移発生を予測するのに高い統計的関連性を有する。
本発明に従う予測方法のある種の実施態様においては、1種以上の組織特異性生物学的マーカーは、下記の群のマーカーから選択する:
(i) KTCD1、BAIAP2L1、PERP、CFD、CD4、COL6A2、FLI1、PSTPIP1、MGF10、PTPN22、FAM78A、NXF1、MFNGおよびCLEC4Aからなる骨転移特異性マーカー群;
(ii) KIND1、ELAC1、ANP32E、PAQR3、ITGB8、c1orf210、SIKE、UGT8、CALB2、CHODL、c21orf91、TFCP2L1、ODF2L、HORMAD1、PLEKHG4およびDSC2からなる肺転移特異性マーカー群;
(iii) GATA2、SELT、WHSC1L1、MYRIP、ZMAT1、IL20RA、ZNF44、LETM2、AGXT2L1、c5orf30およびTBX3からなる肝転移特異性マーカー群;
(vi) PPWD1、PDGFRA、MLL5、RPS23、ANTXR1、ARRDC3、METTL7A、NPHP3、RSHL1、CSPP1、HOXB13、TRA16、DDX27、PKP2およびINHAからなる脳転移特異性マーカー群。
本発明に従う予測方法のさらに他の実施態様においては、1種以上の組織特異性生物学的マーカーは、下記の群のマーカーから選択する:
(i) BAIAP2L1、PERP、CFD、CD4、COL6A2、FLI1、PSTPIP1、MGF10、PTPN22、FAM78A、NXF1、MFNGおよびCLEC4Aからなる骨転移特異性マーカー群;
(ii) KIND1、ANP32E、ITGB8、UGT8、TFCP2L1、HORMAD1およびDSC2からなる肺転移特異性マーカー群;
(iii) GATA2、WHSC1L1、LETM2、AGXT2L1およびTBX3からなる肝転移特異性マーカー群;
(vi) PPWD1、PDGFRA、ANTXR1、ARRDC3およびDDX27からなる脳転移特異性マーカー群。
本発明に従う予測方法のさらなる実施態様においては、工程b)において検出および/または定量する1種以上の肺特異性生物学的マーカーは、DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1からなる群から選択する。
本発明に従う予測方法のさらなる実施態様においては、工程b)において検出および/または定量する1種以上の骨特異性生物学的マーカーは、KCNK1、CLEC4A、MFNG、NXF1、PTPN22、PERP、PSTPIP1、FL11、COL6A2、CD4およびCFDからなる群から選択する。これらの骨特異性生物学的マーカーの予測結果は、下記の表8に示している。
本明細書の実施例3〜6において示すように、上記肺特異性マーカーは、とりわけ表5において示しているように、DNAマイクロアレー分析後に得られる常に10-4よりも低いP値でもって、肺組織または臓器内での転移発生を予測するのに高い統計的関連性を有する。
肺特異性マーカーDSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1は、表5に示すように、肺転移を有していない乳癌患者または乳癌に侵されていない個々人と比較したとき、乳癌に侵され且つ肺転移を有する個々人において全てアップレギュレートしている。
本明細書の実施例3〜6において示すように、DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1肺特異性マーカーは、肺への選択性乳癌再発を予測する6種遺伝子サインからなる。
本明細書の上記実施例において示すように、6種遺伝子サイン(DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1)は、ネオアジュバントまたはアジュバント療法を何ら受けていないリンパ節陰性乳癌患者群から生成しており、疾病の自然経過に沿ったサイン予後効果を有する分析を可能にしている。従って、上記予測因子は、全身治療に関連する因子によって影響を受けない。
この6種遺伝子サインを、本明細書の下記で詳述しまた実施例において例示しているように、合計721名の患者からなる乳癌の3つの個々のコホートにおいて検証した。即ち、上記6種遺伝子サインを、2つの異なるマイクロアレープラットホームから発生させた早期段階の患者の2つの個々のデータ群(n = 295および344)および第3の局所的に進行した乳癌患者群(n = 82)において検証した。個々の試験群の全ておよび合同コホート(n = 721)において、上記6種遺伝子サインは、乳癌肺転移についての強い予測能力を有していた。
本明細書の実施例において示している結果は、上記6種遺伝子サインが、既知の標準臨床パラメーターおよび実験モデルに基づき以前に確立された肺転移サインとは無関係に、リスク層化を改善していることを示している。
骨転移に対するビスホスホネート類のような肺転移に対するターゲット療法は存在しないけれども、臓器特異性転移の知識がここ数年重視されており、近い将来、ターゲット療法に至る可能性がある。肺転移のリスクを遺伝子サインに基づき描き出すことにより、これらの高リスク乳癌患者が特異的二次障害をターゲッティングするこれらの療法からの利益を享受することが可能であり得る。
従って、本発明に従う予測方法のさらなる実施態様においては、工程b)は、乳房腫瘍組織サンプルにおいて、DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1からなる群から選ばれる肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーの発現を測定することからなる。
本発明に従う予測方法の上記実施態様においては、上記6種の肺特異性マーカーの2種、3種、4種、5種または全種の発現を測定、即ち、検出および/または定量する。
本発明に従う予測方法のある種の実施態様においては、本明細書において開示する各マーカー群に含まれる組織特異性生物学的マーカーの全てを定量に供する。これらの実施態様においては、工程b)は、本明細書において開示する各マーカー群に含まれるどの生物学的マーカーも定量することを含む。さらに正確には、上記方法のこれらの実施態様によれば、工程b)は、本明細書において開示する(i) 骨特異性マーカー、(ii) 肺特異性マーカー、(iii) 肝特異性マーカーおよび(iv) 脳特異性マーカーの各群のなかから選ばれた(i) 骨特異性マーカーの1群、(ii) 肺特異性マーカーの1群、(iii) 肝特異性マーカーの1群および(iv) 脳特異性マーカーの1群に含まれる全ての生物学的マーカーを定量することを含む。
事実、本明細書において開示する転移特異性生物学的マーカーの全てからなる群から選ばれる少なくとも2種転移特異性生物学的マーカーのあらゆる可能性ある組合せの使用は、本発明に従う生体外予測方法を実施する目的において、本発明に包含される。
好ましくは、4種以上の転移特異性生物学的マーカーのあらゆる可能性ある組合せの使用が、各可能性ある組合せが(i) 1種以上の骨転移特異性生物学的マーカー、(ii) 1種以上の肺転移特異性生物学的マーカー、(iii) 1種以上の肝転移特異性生物学的マーカーおよび(iv) 1種以上の肝転移特異性生物学的マーカーを含むことを条件として、本発明に従う生体外予測方法を実施する目的において、本発明に包含される。
従って、本発明に従う予測方法のある種の実施態様においては、群(i)、(ii)、(iii)および(vi)の各々から選ばれた少なくとも1種の生物学的マーカーを、工程b)において定量する。
上記予測方法のある種の実施態様においては、特異性群(i)、(ii)、(iii)および(vi)からの全ての生物学的マーカーを、工程b)において定量する。
従って、本発明に従う予測方法のある種の実施態様においては、工程b)は、乳房腫瘍組織サンプルにおいて、以下の肺特異性マーカー:DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1の全ての発現を測定する(即ち、検出および/または定量する)ことからなる。
また、本発明に従う予測方法のある種の実施態様においては、工程b)は、乳房腫瘍サンプルにおいて、以下の骨特異性マーカー:KCNK1、CLEC4A、MFNG、NXF1、PTPN22、PERP、PSTPIP1、FL11、COL6A2、CD4およびCFDの全ての発現を測定する(即ち、検出および/または定量する)ことからなる。
工程b)においては、上記1種以上の生物学的マーカーは、上記乳房腫瘍組織サンプルを遺伝子発現分析方法に供することによって定量し得る。
また、工程b)においては、上記1種以上の生物学的マーカーは、上記乳房腫瘍組織サンプルを免疫組織化学分析方法に供することによって定量し得る。
本明細書において開示する組織特異性生物学的マーカーの一般的定量方法を、以下で詳述する。
生物学的マーカーの一般的定量方法
本明細書において網羅しているタンパク質生物学的マーカーまたは核酸生物学的マーカーを定量する当業者にとって既知の方法のうちの任意の1つを、本発明の転移予測方法を実施するのに使用し得る。即ち、サンプル中のタンパク質または核酸を検出し定量する当該技術において周知の標準または非標準(新たな)方法のうちの任意の1つを容易に応用し得る。
そのような方法としては、核酸生物学的マーカーの核酸プローブまたはプライマーによる検出または定量がある。
また、そのような方法としては、核酸(例えば、周知のセレックス(Selex)法により結合するよう選定した核酸)および抗体フラグメントを含む抗体のようなタンパク質に特異的に結合する任意のタイプのリガンド分子によるタンパク質生物学的マーカーの検出および定量がある。興味ある生物学的マーカーが酵素からなるある種の実施態様においては、これらの検出および定量方法は、相応する酵素活性の検出および定量も含み得る。
とりわけ、抗体類は、現在、表4に列挙している生物学的マーカーのような本明細書に開示している全てではないが殆どの生物学的マーカーに対して既に入手可能である。
さらに、抗体が所定の生物学的マーカーに対してまだ入手可能でない場合または所定の生物学的マーカーに対するさらなる抗体の産生を模索している場合、上記所定の生物学的マーカーに対して特異性の抗体は、抗体産生性ハイブリドーマの産出のような通常の方法によって容易に得ることができる。この方法においては、生物学的マーカータンパク質の完全体またはセグメントを含むタンパク質またはペプチドを合成するかまたは分離する(例えば、上記タンパク質またはペプチドを発現する細胞から精製するか、または上記タンパク質またはペプチドを生体内または生体外にコード化する核酸を既知の方法を使用して転写し翻訳することによって)。脊椎動物、好ましくは、マウス、ラット、ウサギまたはヒツジのような哺乳類を、上記タンパク質またはペプチドを使用して免疫化する。脊椎動物は、必要に応じて(好ましくは)、少なくとももう1回上記のタンパク質またはペプチドで免疫化して、脊椎動物が上記タンパク質またはペプチドに対して強固な免疫応答を示すようにする。脾細胞を免疫化脊椎動物から分離し、当該技術において周知の各種方法のうちの任意の1つの方法を使用して、不死化細胞系と融合させてハイブリドーマを形成させる。その後、この方法で形成させたハイブリドーマを、標準の方法を使用してスクリーニングして、上記生物学的マーカータンパク質またはそのフラグメントと特異的に結合する抗体を産生する1以上のハイブリドーマを同定する。また、本発明は、この方法によって製造したハイブリドーマおよびそのようなハイブリドーマを使用して製造した抗体にも及ぶ。また、ポリクローナル抗体も同様に使用し得る。
本明細書において開示する組織特異性生物学的マーカーの発現は、転写核酸またはタンパク質の発現を検出する多種多様な周知の方法のうちの任意の1つの方法によって評価し得る。そのような方法の非限定的な例としては、分泌した細胞表面、細胞質または細胞核タンパク質の免疫学的検出方法、タンパク質精製法、タンパク質官能または活性アッセイ法、核酸ハイブリッド化法、核酸逆転写法、および核酸増幅法がある。
1つの好ましい実施態様においては、マーカーの発現は、通常の翻訳後修飾の全部または一部を受けているマーカータンパク質のようなマーカータンパク質またはそのフラグメントと特異的に結合する抗体(例えば、放射能標識抗体、発色団標識抗体、フルオロフォア標識抗体、ポリマー骨格抗体または酵素標識抗体)、抗体誘導体(例えば、基体またはタンパク質‐リガンド対(例えば、ビオチン‐ストレプタビジン)のタンパク質もしくはリガンドと接合させた抗体)、または抗体フラグメント(例えば、一本鎖抗体、分離抗体超可変ドメイン等)を使用して評価する。
もう1つの好ましい実施態様においては、マーカーの発現は、患者の腫瘍組織サンプル中の細胞からmRNA/cDNA (即ち、転写ポリヌクレオチド)を調製することによって、さらに、このmRNA/cDNAをマーカー核酸の補体である参照ポリヌクレオチドまたはそのフラグメントとハイブリッド化させることによって評価する。cDNAは、必要に応じて、参照ポリヌクレオチドとハイブリッド化させる前に、種々のポリメラーゼ連鎖反応法のうちの任意の1つの方法を使用して増幅させ得る。
本発明に従う生体外予測方法の好ましい実施態様においては、1種以上の生物学的マーカーを検出および/または定量する工程b)は、DNAマイクロアレーを使用して実施する。具体的には、この好ましい実施態様によれば、サンプルから得られた転写ポリヌクレオチドの混合物を、生物学的マーカー核酸の少なくとも1部(例えば、少なくとも7個、10個、15個、20個、25個、30個、40個、50個、100個、500個またはそれ以上のヌクレオチド残基)に対して相補性のまたはそのような1部と相同性のポリヌクレオチドを固定させている基体と接触させる。相補性または相同性のポリヌクレオチドが上記基体上で識別的に検出可能である(例えば、種々の発色団またはフルオロフォアを使用して或いは異なる選定位置に固定して検出可能である)場合、複数のマーカーの発現量を、単一の基体(例えば、選定した位置に固定させたポリヌクレオチドの“遺伝子チップ”マイクロアレー)を使用して同時に評価し得る。1つの核酸と他の核酸とのハイブリッド化を含むマーカー発現評価方法を使用する場合、ハイブリッド化を緊縮ハイブリッド化条件下に実施することが好ましい。
生物学的マーカータンパク質または核酸を腫瘍組織サンプル中で検出および/または定量する典型的な方法は、腫瘍組織サンプルを入手することを含む。この方法は、上記生物学的サンプルを、ポリペプチドまたは核酸(例えば、mRNAまたはcDNA)を検出することのできる化合物または薬剤と接触させる工程をさらに含む。従って、本発明の検出方法は、例えば、腫瘍組織サンプル中のmRNA、タンパク質またはcDNAを生体外で検出するのに使用し得る。例えば、mRNAの生体外検出方法としては、ノーザンハイブリッド化および現場ハイブリッド化がある。生物学的マーカータンパク質の生体外検出方法としては、酵素免疫吸着測定法(ELISA),ウェスタンブロット法、免疫沈降法、免疫蛍光法およびRT-PCR法がある。そのような検出および/または定量アッセイ法の一般的原理は、生物学的マーカーとプローブを含有し得るサンプルまたは反応混合物を、上記マーカーとプローブが相互作用して結合するのを可能にする適切な条件および十分な時間で調製し、それによって反応混合物中で取出すおよび/または検出することのできる複合体を形成させることを含む。
本明細書において使用するとき、用語“プローブ”は、特定的に意図するターゲット分子、例えば、生物学的マーカーによってコード化されたまたは生物学的マーカーに相応するヌクレオチド転写体またはタンパク質に選択的に結合することのできる任意の分子を称する。プローブは、当業者であれば合成することができ、或いは適切な生物学的調製物に由来し得る。ターゲット分子を検出する目的において、プローブは、本明細書において説明しているようにして、特定的に設計して標識化し得る。プローブとして使用し得る分子の例としては、限定するものではないが、RNA、DNA、タンパク質、抗体、および有機分子がある。
生物学的マーカーのこれらの検出および/または定量アッセイ法は、種々の方法で実施し得る。
例えば、そのようなアッセイを行う1つの方法は、上記プローブを、基体とも称する固相支持体上に固定させ、固相上に固定させたターゲットマーカー/プローブ複合体を反応終了時に検出ことを含む。そのような方法の1つの実施態様においては、生物学的マーカーの定量のためにアッセイすべき対象者からのサンプルを、担体または固相支持体上に固定させ得る。もう1つの実施態様においては、プローブを固相に固定させ、対象者からのサンプルをこのアッセイの固定させていない成分として反応させる得る逆の場合も可能である。
アッセイ成分を固相に固定させるには、多くの確立された方法が存在する。これらの方法は、限定するものではないが、ビオチンとストレプタビジンとの接合によって固定するマーカーまたはプローブ分子を含む。そのようなビオチン化アッセイ成分は、ビオチン‐NHS (N‐ヒドロキシ‐スクシンイミド)から、当該技術において既知の方法(例えば、ビオチン化キット;Pierce Chemicals社、イリノイ州ロックフォード)を使用して調製し、ストレプタビジンコーティーング96ウェルプレート(Pierce Chemical社)のウェル中に固定し得る。ある種の実施態様においては、固定化アッセイ成分を有する表面は、前以って調製し、保存し得る。
そのようなアッセイ用の他の適切な担体または固相支持体としては、上記マーカーまたはプローブが属する群の分子を結合することのできる任意の材料がある。周知の支持体または担体としては、限定するものではないが、ガラス、ポリスチレン、ナイロン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、デキストラン、アミラーゼ、天然および変性セルロース、ポリアクリルアミド、ハンレイ岩、およびマグネタイトがある。
アッセイを上記の方法によって実施するためには、固定させてない成分を固相に加え、固相上に第2成分を固定させる。反応終了後、複合体化していない成分は、形成された複合体の全てが固相上に固定されたままであるような条件下に除去し得る(例えば、洗浄により)。固相上に固定させたマーカー/プローブ複合体の検出は、本明細書に略述している多くの方法で達成し得る。
好ましい実施態様においては、プローブは、固定させていないアッセイ成分である場合、アッセイの検出および読取り目的において、本明細書において説明し且つ当業者にとっては周知である検出可能なラベルによって直接または間接的に標識化し得る。
また、マーカー/プローブ複合体形成を、いずれの成分(マーカーまたはプローブ)もさらに操作または標識化することなく、例えば、蛍光エネルギー移動技術(例えば、Lakowic等の米国特許U.S第5,631,169号;Stavrianopoulos等の米国特許第4,868,103号参照)を使用して、直接検出することも可能である。第1の‘供与体’分子上のフルオロフォア標識を、適切な波長の入射光による励起時に、その発出した蛍光エネルギーを第2の‘受容体’分子上の蛍光標識が吸収し、引続き、この蛍光標識が吸収エネルギーにより蛍光を発し得るように選定する。また、‘供与体’タンパク質分子は、トリプトファン残基の天然蛍光エネルギーを単純に利用し得る。種々の波長の光を発出する標識を選択して、‘受容体’分子標識を‘供与体“の標識と識別し得るようにする。標識間のエネルギー移動の効率は各分子を引き離している距離に関連するので、分子間の空間的関係を評価し得る。結合が分子間で生じる場合、アッセイにおける‘受容体’分子標識の蛍光発光は最大でなければならない。FRET結合事象は、当該技術において周知の標準蛍光検出手段により(例えば、蛍光光度計を使用して)、通常測定する。
もう1つの実施態様においては、プローブがマーカーを認識する能力の測定は、いずれのアッセイ成分(マーカーまたはプローブ)も標識化することなく、リアルタイム生体分子相互作用分析(BIA)のような方法 (例えば、Sjolander,
S. and Urbaniczky, C., 1991, Anal. Chem. 63:2338-2345;および、Szabo et al., 1995, Curr. Opin. Struct. Biol. 5:699-705参照) を使用して達成し得る。本明細書において使用するとき、“BIA”または“表面プラズモン共鳴”とは、生体特異性相互作用を、相互作用物のいずれか(例えば、BIAcore)を標識化することなしに、リアルタイムで試験する技術である。結合表面での質量の変化(結合事象を指標する)は、表面近くの光の屈折率の変化(表面プラズモン共鳴(SPR)の光学現象)を生じ、生物学的分子間のリアルタイム反応の指標として使用し得る検出可能なシグナルをもたらす。
また、もう1つの実施態様においては、同様な診断および予後診断アッセイを、液相中の溶質としてのマーカーおよびプローブによって実施し得る。そのようなアッセイにおいては、複合体化したマーカーとプローブを、複合体化していないアッセイ成分から、限定するものではないが分画遠心、クロマトグラフィー、電気泳動、および免疫沈降のような多くの標準方法のうちの任意の1つの方法によって分離する。分画遠心法においては、マーカー/プローブ複合体を、複合体化していない成分から、複合体の種々のサイズおよび密度に基づく複合体の種々の沈降平衡による1連の遠心分離工程によって分離する(例えば、Rivas, G., and Minton, A. P., 1993,
Trends Biochem Sci. 18(8):284-7参照)。また、標準のクロマトグラフィー法も、複合体化分子を複合体化していない分子から分離するのに使用し得る。例えば、ゲル濾過クロマトグラフィーは、分子を、サイズにより且つカラムフォーマットでの適切なゲル濾過樹脂の使用により分離する、例えば、相対的に大きな複合体を相対的に小さい複合体化していない成分から分離し得る。同様に、複合体化していない成分と比較したときマーカー/プローブ複合体の相対的異なる電荷特性を利用して、複合体を、複合体化していない成分から、例えば、イオン交換クロマトグラフィー樹脂を使用することによって識別し得る。そのような樹脂およびクロマトグラフィー法は、当業者にとって周知である(例えば、Heegaard, N. H., 1998, J. Mol.
Recognit. Winter 11(1-6):141-8;Hage, D. S., and Tweed, S. A. J Chromatogr B Biomed Sci Appl 1997 Oct. 10;699(1-2):499-525参照)。また、ゲル電気泳動も複合体化アッセイ成分を結合していない成分から分離するのに使用し得る(例えば、Ausubel et al., ed., Current Protocols
in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, 1987-1999参照)。この方法においては、タンパク質または核酸複合体を、例えば、サイズまたは電荷に基づいて分離する。結合相互作用を電気泳動過程において維持するためには、非変性性ゲルマトリックス材料および還元剤の存在しない条件が典型的に好ましい。また、SELDI-TOF法も、活性表面と結合させたまたは結合させてないマトリックスまたはビーズ上或いは抗体コーティーング表面またはビーズ上で使用し得る。
特定のアッセイに対しての適切な条件およびアッセイ成分は、当業者にとって周知である。
特定の実施態様においては、マーカーmRNAレベルは、現場フォーマットおよび生体外フォーマットの双方により、当該技術において既知の方法を使用して、生物学的サンプル中で測定し得る。用語“生物学的サンプル”は、対象者から分離した組織、細胞、生物学的液体およびその分離物、並びに対象者内に存在する組織、細胞および液体を包含するものとするが、上記生物学的サンプルは、(i) 乳癌に由来する細胞または(ii) 患者由来の乳癌細胞が産生する核酸またはタンパク質を含有しがちであることを条件とする。多くの発現検出方法が、分離したRNAを使用する。生体外方法においては、mRNAの分離に対しては選択しない任意のRNA分離方法を、乳癌からのRNAの精製に使用し得る(例えば、Ausubel et al., ed., Current Protocols
in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York 1987-1999参照)。さらに、大多数の組織サンプルは、例えば、Chomczynskiの一工程RNA分離法 (1989, U.S. Pat. No. 4,843,155) のような当業者にとって周知の方法を使用して容易に加工し得る。
分離したmRNAは、限定するものではないが、サザンまたはノーザン分析、ポリメラーゼ連鎖反応分析およびプローブアレーのようなハイブリッド化または増幅アッセイにおいて使用し得る。mRNAレベル検出のための1つの好ましい診断方法は、分離したmRNAを、検出する遺伝子がコード化するmRNAにハイブリッド化し得る核酸分子(プローブ)と接触させることを含む。核酸プローブは、例えば、全長cDNAまたはその1部、例えば、長さにおいて少なくとも7、15、30、50、100、250または300個のヌクレオチドを有し且つ本発明のマーカーをコード化するmRNAに対し緊縮性条件下に特異的にハイブリッド化するに十分なオリゴヌクレオチドであり得る。本発明の予後アッセイにおいて使用する他の適切なプローブは、本明細書に記載している。mRNAのプローブとのハイブリッド化は、該当するマーカーが発現していることを指標する。
本発明に従う生体外予測方法の工程b)の最も好ましい実施態様においては、転移特異性生物学的マーカーの検出および/または定量は、適切なDNAマイクロアレーを使用することによって実施する。そのようなマーカー検出/定量フォーマットにおいては、mRNAを固体表面上に固定し、プローブと、例えば、分離したmRNAをアガロースゲル上に流しmRNAをゲルからニトロセルロースのような膜に移すことによって接触させる。別のフォーマットにおいては、プローブ(1種以上)を固体表面上に固定し、mRNAを、例えば、Affymetrix遺伝子チップアレー内のプローブ(1種以上)と接触させる。熟練技術者であれば、既知のmRNA検出方法を、本発明のマーカーがコード化するmRNAのレベルの検出において使用するのに容易に適応化し得るであろう。本発明方法において使用する発現プロフィールを発生させるために実施する特異的ハイブリッド化方法としては、米国特許第5,143,854号、第5,288,644号、第5,324,633号、第5,432,049号、第5,470,710号、第5,492,806号、第5,503,980号、第5,510,270号、第5,525,464号、第5,547,839号、第5,580,732号、第5,661,028号、第5,800,992号(これら米国特許の開示は、参考として本明細書に合体させる);並びに、WO 95/21265号、WO
96/31622号、WO 97/10365号、WO
97/27317号、EP 373 203号およびEP 785
280号に記載されている方法がある。これらの方法においては、発現についてアッセイするフェノタイプ決定遺伝子の各々に対するプローブを含む“プローブ”核酸のアレーを、上述したようなターゲット核酸と接触させる。接触は、ハイブリッド化条件、例えば、上述したような緊縮ハイブリッド化条件下に実施し、その後、結合していない核酸を除去する。得られるハイブリッド化核酸パターンは、精査する遺伝子の各々についての発現に関する情報を提供し、この発現情報は、遺伝子が典型的には如何なるレベルで発現したかどうかに関連し、発現データ、即ち、発現プロフィールは、定性的または定量的の双方であり得る。
サンプル中のmRNAマーカーレベルを測定する別の方法は、例えば、rtPCR (Mullis、1987年、米国特許第4,683,202号に示されている実施例)、リガーゼ連鎖反応(Barany, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 88:189-193)、自立配列複製(Guatelli et al., 1990, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 87:1874-1878)、転写増幅系(Kwoh et al., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA
86:1173-1177)、Q‐ベータレプリカーゼ(Lizardi
et al., 1988, Bio/Technology 6:1197)、ローリングサークル複製(Lizardi等、米国特許第5,854,033号)および任意の他の核酸増幅法による核酸増幅過程、並びに、その後の当業者にとって周知の方法を使用しての増幅分子の検出を含む。これらの検出スキームは、核酸分子の検出において、そのような分子が極めて少数で存在する場合にとりわけ有用である。本明細書において使用するとき、増幅プライマーは、遺伝子の5’または3’領域(それぞれ、プラスおよびマイナスストランド、またはその逆)にアニーリングし且つ間に短い領域を含有し得る対の核酸分子であると定義する。一般に、増幅プライマーは、長さで約10〜30個のヌクレオチドであり、長さで約50〜200個のヌクレオチド領域をフランキングしている。適切な条件下で且つ適切な試薬により、そのようなプライマーは、そのプライマーによってフランキングされたヌクレオチド配列を含む核酸分子の増幅を可能にする。
現場方法においては、mRNAは、検出前に乳癌から分離する必要はない。そのような方法においては、細胞または組織サンプルを、既知の組織学的方法を使用して調製/加工する。その後、サンプルを、支持体、典型的にはガラススライド上に固定し、次いで、マーカーをコード化するmRNAにハイブリッド化し得るプローブと接触させる。
マーカーの絶対発現量に基づく測定を行う別法としては、測定が、マーカーの標準化発現量に基づき得る。発現量は、マーカーの絶対発現量を、マーカーの発現をマーカーでない遺伝子、例えば、構成的に発現するハウスキーピング遺伝子の発現と比較することによって補正することによって標準化する。標準化用の適切な遺伝子としては、アクチン遺伝子、リボソーム18S遺伝子、GAPDH遺伝子およびTATAボックス結合タンパク質(TBP)のようなハウスキーピング遺伝子がある。この標準化は、1つのサンプルにおける1種以上の興味ある組織特異性生物学的マーカーの発現量の比較を可能にする。
また、発現量は、相対的発現量として示し得る。マーカーの相対的発現量を測定するためには、該当するサンプルにおける発現量を測定する前に、マーカーの発現量を、正常細胞分離物対癌細胞分離物の10以上のサンプル、好ましくは50以上のサンプルにおいて測定する。多数のサンプルにおいてアッセイした遺伝子各々の中央値発現量を決定し、これをマーカーにおけるベースライン発現量として使用する。その後、試験サンプルにおいて測定したマーカーの発現量(絶対発現量)をそのマーカーにおいて得られた平均発現値で割る。これによって、相対的発現量が得られる。
本明細書において前記で既に述べたように、本発明の転移予測方法を実施するときに生物学的マーカータンパク質を検出および/または定量するための検出/定量試薬は、そのような生物学的マーカータンパク質またはそのフラグメントに特異的に結合する抗体、好ましくは検出可能な標識を有する抗体からなり得る。抗体は、ポリクローナル抗体、または、より好ましくはモノクローナル抗体であり得る。無欠抗体またはそのフラグメントもしくは誘導体(例えば、FabまたはF(ab’).sub.2)を使用し得る。プローブまたは抗体に関連しての用語“標識化”は、検出可能な物質をプローブまたは抗体にカップリングさせる(即ち、物理的に連結させる)ことによるプローブまたは抗体の直接標識化、並びに直接標識化した他の試薬との反応性によるプローブまたは抗体の間接標識化を包含するものとする。間接標識化の例としては、蛍光標識化二次抗体およびDNAプローブのビオチンによる末端標識化を使用して、蛍光標識化ストレプタビジンによって検出できるようにした一次抗体の検出がある。
当業者であれば、抗体または抗原を結合させるための多くの他の適切な担体を知っているであろうし、また、そのような担体を本発明による使用に適応化し得るであろう。例えば、乳癌から分離したタンパク質をポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、ニトロセルロースのような固相支持体上に固定し得る。その後、支持体を適切な緩衝液で洗浄し、次いで、検出可能な標識化抗体で処理する。次に、固相支持体を緩衝液による2度目の洗浄を行い結合していない抗体を除去し得る。その後、固体支持体上の結合標識量を、通常の手段によって検出することができる。
本発明の転移予測方法を実施する目的において生物学的マーカーを定量する最も好ましい方法を、以下に説明する。
cDNAマイクロアレーによる生物学的マーカーの定量
この実施態様によれば、マイクロアレーは、本明細書の全体に亘って開示している転移特異性マーカーをベースとして構築し得る。これらのマーカーのような転移特異性検出試薬をマイクロアレー上に置くことができる。これらの癌転移特異性検出試薬は、PCR法において使用する試薬と異なり得る。しかしながら、これらの試薬は、転移特異性マーカーを有する核酸のみがハイブリッド化し陽性結果を示すような条件で設計し使用すべきである。
Affymetrix社(カリフォルニア州)が提供しているマイクロアレーのような現存のマイクロアレーの殆どを、本発明において使用し得る。
当業者であれば、莫大な数のアレー設計が適していることは認識しているであろう。高密度アレーは、興味ある配列に特異的にハイブリッド化する多数のプローブを典型的に含む。所定の遺伝子(1種以上)に対するプローブの製造方法についてはWO 99/32660号を参照されたい。好ましい実施態様においては、アレーは、1種以上の対照プローブを含む。
マイクロアレー装置上に固定させた核酸プローブ
高密度アレーチップは、本明細書において説明している転移特異性生物学的マーカーの発現生成物からなるmRNAまたはcDNAと特異的にハイブリッド化する“試験プローブ”を含む。
各試験プローブは、長さにおいて約5〜約500個または約5〜約200個のヌクレオチド、より好ましくは約10〜約100個のヌクレオチド、最も好ましくは約15〜約70個のヌクレオチドの範囲にあるオリゴヌクレオチドであり得る。他のとりわけ好ましい実施態様においては、各プローブは、長さにおいて約20個または25個のヌクレオチドである。もう1つの好ましい実施態様においては、各試験プローブは、二本または一本ストランドDNA配列である。DNA配列は、天然源から分離しまたはクローニングするか或いは天然核酸をテンプレートとして使用して天然源から増幅し得る。これらのプローブは、発現を検出するように設計されている転移特異性マーカーの特定の部分配列(subsequence)に対して相補性である配列を有する。
興味あるターゲット核酸(1種以上)に結合する試験プローブ以外に、高密度アレーは、多くの対照プローブも含み得る。対照プローブは、本明細書においては標準化対照、発現量対照およびミスマッチ対照と称する3つのカテゴリーに分けられる。標準化対照は、核酸サンプルに加える標識化参照オリゴヌクレオチドまたは他の核酸配列に対して相補性であるオリゴヌクレオチドまたは他の核酸プローブである。ハイブリッド化後の標準化対照から得られるシグナルは、ハイブリッド化条件、標識強度、“読取り”効率、およびアレー間で変化する完全ハイブリッド化のシグナルを生じ得る他の要因における変動に対する対照を提供する。好ましい実施態様においては、アレー中の全ての他のプローブからのシグナル(例えば、蛍光強度)の読みを、対照プローブからのシグナル(例えば、蛍光強度)で割り、それによって測定値を標準化する。実質的にあらゆるプローブが標準化対照として作動し得る。しかしながら、ハイブリッド化効率は、塩基組成およびプローブ長によって変動することを認識されたい。好ましい標準化プローブは、アレーに存在する他のプローブの平均長を反映するように選定する;しかしながら、標準化対照は、長さ範囲をカバーするように選定する。また、標準化対照(1つ以上)は、アレー内の他のプローブの(平均)塩基組成を反映するように選定し得る;しかしながら、好ましい実施態様においては、1個のみまたは数個のプローブを使用し、これらのプローブを、良好にハイブリッド化し(即ち、二次構造のない)、且ついずれのターゲット特異性プローブとも一致しないように選定する。発現量対照は、生物学的サンプル中の構成的発現性遺伝子と特異的にハイブリッド化するプローブである。実質的にあらゆる構成的発現性遺伝子が発現量対照に対する適切なターゲットを提供する。典型的な発現量対照プローブは、ベータ-アクチン遺伝子、トランスフェリンレセプター遺伝子およびGAPDH遺伝子のような構成的発現性“ハウスキーピング遺伝子”の部分配列に対して相補性の配列を有する。また、ミスマッチ対照は、発現量対照におけるまたは標準化対照におけるターゲット遺伝子に対するプローブに備え得る。ミスマッチ対照は、1個以上のミスマッチ塩基の存在を除いてはその相応する試験または対照プローブと同一のオリゴヌクレオチドプローブまたは他の核酸プローブである。ミスマッチ塩基は、プローブがさもないと特異的にハイブリッド化するであろうターゲット配列中の相応する塩基に対して相補性でないように選定した塩基である。1個以上のミスマッチを、適切なハイブリッド化条件(例えば、緊縮性条件)下では試験または対照プローブはそのターゲット配列とハイブリッド化するのを期待されるが、ミスマッチプローブはハイブリッド化しない(或いは有意に低い程度にしかハイブリッド化しない)ように選定する。好ましいミスマッチプローブは、中央ミスマッチを含む。従って、例えば、プローブが二十量体である場合、相応するミスマッチプローブは、位置6〜14の任意の位置において1個の塩基ミスマッチ(1個のAを1個のG、CまたはTで置換する) (中央ミスマッチ)を除いては同一の配列を有し得る。従って、ミスマッチプローブは、プローブが特異的であるターゲット以外のサンプル中の核酸への非特異結合または交差ハイブリッド化についての対照を提供する。また、ミスマッチプローブは、ハイブリッド化が特異的かまたはそうでないかも指標する。
DNAマイクロアレー用の固体支持体
差次的発現性遺伝子に対するオリゴヌクレオチドプローブを含む固体支持体は、当業者にとって既知の任意の固体または半固体の支持体材料であり得る。適切な例としては、限定するものではないが、膜、フィルター、組織培養皿、ポリ塩化ビニル皿、ビーズ、試験ストリップ、シリコンまたはガラス系チップ等がある。適切なガラスウェーハおよびハイブリッド化法を広範囲に利用し得る。オリゴヌクレオチドを、直接または間接的に、共有または非共有的に結合させ得る任意の固体表面を使用し得る。ある種の実施態様においては、ある種のオリゴヌクレオチドは共有的に、他のオリゴヌクレオチドは非共有的に同じ固体支持体に結合させるのが望ましくあり得る。好ましい固体支持体は、高密度アレーまたはDNAチップである。これらは、特定のオリゴヌクレオチドプローブをアレー上の所定の位置に含む。各所定の位置は、2以上の分子のプローブを含み得るが、所定の位置内の各分子は同一の配列を有する。そのような所定の位置を機能(freature)と称する。例えば、2、10、100、1000〜10,000、10,000または400,000のそのような機能が1つの固体支持体上に存在し得る。個体支持体即ち各プローブを結合させる領域は、およそ1平方センチメートルであり得る。最少数の合成工程によってオリゴヌクレオチドの高密度アレーを形成させる方法は、既知である。オリゴヌクレオチドアナログアレーは、固形基体上で、限定するものではないが光指向化学カップリングおよび機械指向カップリングのような種々の方法によって合成し得る(例えば、Pirrung等に付与された米国特許第5,143,854号、Fodor等に付与された米国特許第5,800,992号、Chee等に付与された米国特許第5,837,832号参照)。
要するに、ガラス表面上でのオリゴヌクレオチドアレーの光指向コンビナトリアル合成は、自動化ホスホラミダイト化学およびチップマスキング法を使用して進行する。1つの特定の実施においては、ガラス表面を、官能基、例えば、光解離性保護基でブロックしたヒドロキシルまたはアミン基を有するシラン試薬によって誘導体化する。フォトリソグラフィーマスクによる光分解を使用して官能基を選択的に露出させると、この官能基は、その後、流入する5’ 光保護ヌクレオチドホスホラミダイトと直ぐに反応する。このホスホラミダイトは、照射する(従って、光解離性封鎖基の除去によって露出させる)部位のみと反応する。従って、ホスホラミダイトは、前の工程で選択的に露出させた領域にのみ付加する。これらの工程を、所望の配列アレーが固体表面に合成されるまで繰返す。アレーの種々の位置での種々のオリゴヌクレオチドアナログ類のコンビナトリアル合成は、合成中の照射パターンおよびカップリング試薬の付加順序によって決まる。
上記以外に、オリゴヌクレオチド類のアレーを単一基体上に生成させるのに使用し得る方法は、Fodor等のWO 93/09668号に記載されている。また、高密度核酸アレーも、前以って製造したまたは天然核酸類を所定の位置に付着させることによって製造し得る。合成または天然核酸類を、基体の特定の各位置上に、光指向ターゲッティングおよびオリゴヌクレオチド指向ターゲッティングによって付着させる。もう1つの実施態様は、領域間を移動して核酸類を特定の各位置に付着させるディスペンサーを使用する。
発現モニタリング用のオリゴヌクレオチドプローブアレーは、当該技術において既知の任意の方法に従って製造し、使用することができる(例えば、Lockhart et al., Nat. Biotechnol. 14,
1675-1680 (1996);McGall et al., Proc. Nat. Acad. Sci.
USA 93, 13555-13460 (1996)参照)。そのようなプローブアレーは、本明細書において開示する2種以上の遺伝子に対して相補性であるか或いはハイブリッド化する少なくとも2種以上のオリゴヌクレオチドを含み得る。また、そのようなアレーは、本明細書において開示する少なくとも3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、20種、30種、50種、70種またはそれ以上の遺伝子に対して相補性であるか或いはハイブリッド化するオリゴヌクレオチド類も含み得る。
遺伝子サイン差分分析
遺伝子サイン差分分析(Gene Signature Differential analysis)は、種々のサンプル中で差次的に発現するmRNAまたはcDNAのような核酸を検出するように設計された方法である。
ハイブリッド化
核酸ハイブリッド化は、プローブとその相補性ターゲットが相補性塩基対合により安定なハイブリッド二重体を形成することができる条件下に、プローブとターゲット核酸を接触させることを単純に含む(LockhartのWO 99/32660号参照)。その後、ハイブリッド二重体を形成しない核酸を洗い流してハイブリッド化核酸を残存させ、典型的には結合させた検出可能な標識を検出することによって検出する。一般に、核酸が温度の上昇または核酸を含有する緩衝液の塩濃度の低下によって変性されることは認識されている。低緊縮性条件(例えば、低温および/または高塩)下では、ハイブリッド二重体(例えば、DNA-DNA、RNA-RNA、RNA-DNA)は、アニーリングした配列が完全に相補性でない場合でさえも形成する。従って、ハイブリッド化の特異性は、緊縮性が低いほど低下する。逆に、高めの緊縮性(例えば、高めの温度または低めの塩)においては、成功裏のハイブリッド化は、少なめのミスマッチを求めている。当業者であれば、ハイブリッド化条件をあらゆる度合の緊縮性が得られるように選定し得ることは承知しているであろう。好ましい実施態様においては、ハイブリッド化を、低緊縮性、この場合は6倍のSSPE-Tにおいて37℃(0.005%のTriton x-100)で実施してハイブリッド化を確実にし、その後、引き続きの洗浄を、高めの緊縮性(例えば、37℃で1倍のSSPE-T)で行ってミスマッチハイブリッド二重体を排除する。連続洗浄は、次第に高めの緊縮性(例えば、37℃〜50℃で0.25倍の低いSSPE-Tに低めて)において、所望レベルのハイブリッド化特異性が得られるまで実施し得る。また、緊縮性は、ホルムアミドのような薬剤を添加することによっても高め得る。ハイブリッド化特異性は、試験プローブへのハイブリッド化と存在し得る各種対照(例えば、発現量対照、標準化対照、ミスマッチ対照等)へのハイブリッド化とを比較することによって評価し得る。
一般に、ハイブリッド化特異性(緊縮性)とシグナル強度間にはトレードオフ(かね合い)が存在する。従って、好ましい実施態様においては、洗浄を、一貫した結果を生じ且つ背景強度よりの約10%よりも高いシグナル強度をもたらす最高の緊縮性で実施する。ハイブリッド化アレーは、連続的に高めの緊縮性溶液で洗浄し、各洗浄の間で読取る。そのようにして生じたデータ群の解析により、ハイブリッド化パターンが認識し得るほどには変化せず且つ興味ある特定のオリゴヌクレオチドプローブについての適切なシグナルをもたらす上記の洗浄緊縮性が明白となる。
シグナル検出
ハイブリッド化核酸は、典型的には、サンプル核酸に結合させた1種以上の標識を検出することによって検出する。標識は、当業者にとって周知の多くの手段のうちの任意の1つによって取込ませ得る(LockhartのWO 99/32660号参照)。任意の適切な方法を使用して本明細書において開示する1種以上のマーカーを検出し得る。例えば、気相イオン分光分析を使用し得る。この方法としては、例えば、レーザー脱着/イオン化質量分析法がある。ある種の実施態様においては、サンプルを、気相イオン分光分析前に、例えば、事前分別、二次元ゲルクロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィー等によって調製してマーカーの検出を助長し得る。
通常の組織スライド(パラフィン埋込みまたは凍結試験標本)における免疫組織化学による生物学的マーカーの定量
ある種の実施態様においては、生物学的マーカーまたは生物学的マーカー群は、当該技術において既知の免疫組織化学法のうちの任意の1方法によって定量し得る。
典型的には、さらなる分析においては、1枚の薄い腫瘍切片を、先ず、興味ある1種の生物学的マーカーに対して特異性の標識化抗体と一緒にインキュベートする。洗浄後、上記興味ある生物学的マーカーに結合させた標識化抗体を、標識の種類、例えば、放射能、蛍光または酵素標識に応じた適切な方法で明白にする。複数の標識化は、同時に行い得る。
核酸増幅による生物学的マーカーの定量
ある種の実施態様においては、生物学的マーカーまたは生物学的マーカー群は、当該技術において既知の核酸増幅法のうちの任意の1方法によって定量し得る。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、そのような生物学的マーカー定量のための高感度且つ強力な方法である。
本発明の転移予測方法を実施するときに生物学的マーカーを定量するのに適切である核酸増幅方法の任意の1つの方法を実施するに当っては、ターゲットmRNAまたはターゲットcDNAと特異的にハイブリッド化する対のプライマーを必要とする。
興味あるターゲット核酸生物学的マーカーと特異的にハイブリッド化する対のプライマーは、当該技術において既知の多くの方法のうちの任意の1方法によって設計し得る。
ある種の実施態様においては、本発明の生物学的マーカーの各々について、少なくとも1対の特異的プライマー並びに相応する検出核酸プローブは、公的“Quantitative PCRプライマーデータベース”において、とりわけ、インターネットアドレス:http://lpgws.nci.nih.gov/cgi-bin/PrimerViewerにおいて既に参照しており、全体的に説明している。
他の実施態様においては、特異的対のプライマーは、Nakae等に付与された米国特許第6,892,141号に開示されている方法を使用して設計し得る;該米国特許は、その内容全体を参考として本明細書に合体させる。
PCR方法の多くの特定の適応化が、定性および定量検出の両目的において当該技術において既知である。とりわけ、増幅PCR生成物を検出および定量するために蛍光染料を使用する方法は、知られている。また、均質PCRとしても知られる現場増幅および検出法も、以前に開示されている。例えば、Higuchi et al., (Kinetics PCR Analysis: Real-time Monitoring of DNA
Amplification Reactions, Bio/Technology, Vol 11, pp 1026-1030 (1993));Ishiguro et al., (Homogeneous quantitative Assay of Hepatitis C
Virus RNA by Polymerase Chain Reaction in the Presence of a Fluorescent
Intercalater, Anal. Biochemistry 229, pp 20-213 (1995));および、Wittwer et al., (Continuous Fluorescence Monitoring of Rapid cycle
DNA Amplification, Biotechniques, vol.22, pp 130-138 (1997))を参照されたい。
また、核酸を定量する多くの他の方法も開発されている(Southern, E. M., J. Mol. Biol., 98:503-517, 1975;Sharp, P. A., et al., Methods Enzymol. 65:750-768, 1980;Thomas, P. S., Proc. Nat. Acad. Sci., 77:5201-5205, 1980)。さらに最近、サンプル中の核酸の量を測定することのできるPCRおよびRT-PCR法も開発されている。例えば、1つの試みは、反応生成物形成の安定期前の反応の対数期におけるPCR生成物量を測定している(Kellogg, D. E., et al., Anal.
Biochem. 189:202-208 (1990);および、Pang, S., et al.,
Nature 343:85-89 (1990))。全てのサンプル中に比較的一定した量で含まれている遺伝子配列を、サンプル増幅効率標準化のために典型的に使用している。しかしながら、この方法は、幾つかの欠点に直面している。この方法は、各サンプルが等投入量の核酸を含むことおよびサンプル間の増幅効率が分析時まで同一であることを必要としている。さらにまた、ゲル電気泳動またはプレート捕捉ハイブリッド化のような通常のPCR定量方法を使用して、全てのサンプルがこの方法が求めているような反応の対数期中に実際に分析されていることを判断するのは困難である。
定量競合(QC) PCRと称するもう1つの方法は、その名称が暗示しているとおり、各反応において内部対照コンペティターを含ませることに依存している(Becker-Andre, M., Meth. Mol. Cell Biol. 2:189-201 (1991);Piatak, M. J., et al., BioTechniques 14:70-81 (1993);および、Piatak, M. J., et al., Science 259:1749-1754 (1993))。各反応の効率を内部コンペティターに対して標準化している。既知量の内部コンペティターを、各サンプルに典型的に添加している。未知のターゲットPCR生成物を既知のコンペティターPCR生成物と比較して相対的定量値を得ている。この一般的方法に伴う困難性は、ターゲット分子と同じ効率でもって増幅する内部対照の開発にある。
例えば、使用する核酸増幅方法は、リアルタイム定量PCR分析法からなり得る。
リアルタイムまたは定量PCR (QPCR)は、出発量のDNA、cDNAまたはRNAテンプレートの定量を可能にする。QPCRは、各増幅サイクルによってPCR生成物集積物として増大する蛍光レポーター分子の検出に基づく。蛍光レポーター分子としては、二本鎖DNAと結合する染料(即ち、SYBR
Green I)または配列特異性プローブ(即ち、Molecular
Beacon類またはTaqManR Probe類)がある。
好ましい核酸増幅方法は、多重定量PCR、例えば、Therianos等の公開米国特許出願第2005/0089862号に開示されている方法のような定量PCR増幅法である;該米国特許出願は、その内容全体を参考として本明細書に合体させる。
具体的には、本発明の生物学的マーカーの定量においては、腫瘍組織サンプルを、生検採集後まもなく瞬間凍結する。その後、“腫瘍組織サンプル”由来の全RNAを分離し、定量する。その後、抽出し定量したRNAの各サンプルを逆転写し、得られるcDNAを、定量する各生物学的マーカーに対する対の特異性プライマーを使用して、PCRによって増幅する。TBP cDNA、18S cDNAおよびGADPH
cDNA、或いは任意の他の周知の“ハウスキーピング”遺伝子と特異的にハイブリッド化するプライマー対のような対照プライマー対を同時に対照として使用する。
核酸増幅法を使用しての組織特異性生物学的マーカーの検出および定量の具体的な実施態様は、本明細書の実施例において開示している。
本明細書において特記する各種組織特異性生物学的マーカーを検出および/または定量するための核酸プライマーの特異性対の配列は、明確にリストアップしている。
同じ組織特異性生物学的マーカーを検出および/または定量するためのさらなるプライマー対は、当業者であれば、配列データベースにおいて公に入手し得る上記マーカーの核酸配列から出発して入手することができる。
また、本明細書において開示する他の組織特異性マーカーのためのプライマー対も、当業者であれば、配列データベースにおいて公に入手し得る上記マーカーの核酸配列から出発して入手することができる。
具体的には、各種組織特異性生物学的マーカーを検出および/または増幅するのに使用し得る特異的プライマー対は、下記に見出される:
(i) 骨転移特異性マーカー:KTCD1 (SEQ ID NO:1および2)、BAIAP2L1 (SEQ
ID NO:3および4)、PERP (SEQ ID NO:5および6)、CFD (SEQ ID NO:7および8)、CD4 (SEQ ID NO:9および10)、COL6A2 (SEQ ID NO:11および12)、FLI1 (SEQ ID NO:13および14)、PSTPIP1 (SEQ ID NO:15および16)、MGF10 (SEQ
ID NO:17および18)、PTPN22 (SEQ ID NO:19および20)、FAM78A (SEQ ID NO:21および22)、NXF1 (SEQ
ID NO:23および24)、MFNG (SEQ ID NO:25および26)、およびCLEC4A (SEQ ID NO:27および28);
(ii) 肺転移特異性マーカー:KIND1 (SEQ ID NO:29および30)、ELAC1 (SEQ
ID NO:31および32)、ANP32E (SEQ ID NO:33および34)、PAQR3 (SEQ ID NO:35および36)、ITGB8 (SEQ
ID NO:37および38)、c1orf210 (SEQ ID NO:39および40)、SIKE (SEQ ID NO:41および42)、UGT8 (SEQ ID NO:43および44)、CALB2 (SEQ ID NO:45および46)、CHODL (SEQ
ID NO:47および48)、c21orf91 (SEQ ID NO:49および50)、TFCP2L1 (SEQ ID NO:51および52)、ODF2L (SEQ
ID NO:53および54)、HORMAD1 (SEQ ID NO:55および56)、PLEKHG4 (SEQ ID O:57および58)、およびDSC2
(SEQ ID NO:59および60);
(iii) 肝転移特異性マーカー:GATA2 (SEQ ID NO:61および62)、SELT (SEQ
ID NO:63および64)、WHSC1L1 (SEQ ID NO:65および66)、MYRIP (SEQ ID NO:67および68)、ZMAT1 (SEQ
ID NO:69および70)、IL20RA (SEQ ID NO:71および72)、ZNF44 (SEQ ID NO:73および74)、LETM2 (SEQ
ID NO:75および76)、AGXT2L1 (SEQ ID NO:77および78)、c5orf30 (SEQ ID NO:79および80)、およびTBX3
(SEQ ID NO:81および82);
(iv) 脳転移特異性マーカー:PPWD1 (SEQ ID NO:83および84)、PDGFRA (SEQ ID NO:85および86)、MLL5 (SEQ ID NO:87および88)、RPS23 (SEQ ID NO:89および90)、ANTXR1 (SEQ ID NO:91および92)、ARRDC3 (SEQ ID NO:93および94)、METTL7A (SEQ ID NO:95および96)、NPHP3 (SEQ ID NO:97および98)、RSHL1 (SEQ ID NO:99および100)、CSPP1 (SEQ ID NO:101および102)、HOXB13 (SEQ ID NO:103および104)、TRA16 (SEQ ID NO:105および106)、DDX27 (SEQ ID NO:107および108)、PKP2 (SEQ ID NO:109および110)、およびINHA (SEQ ID NO:111および112)。
TATAボックス結合タンパク質(TBP)を対照として定量するのに使用し得るプライマー対は、本明細書において開示しているSEQ ID NO:113-114の核酸からなる。
また、核酸配列SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:114を有するプライマーは、本明細書の表3に示している。
乳癌の転移を予測するためのキット
また、本発明は、患者の1以上の組織または臓器内(例えば、乳癌患者から前以って採集した腫瘍組織サンプル内)での転移の発生の生体外予測のためのキットのも関する。このキットは、各々が生物学的マーカー核酸またはタンパク質と特異的に結合することのできる複数の試薬を含む。
マーカータンパク質と結合させるのに適する試薬としては、抗体、抗体誘導体、抗体フラグメント等がある。
マーカー核酸(例えば、ゲノムDNA、mRNA、スプライシングしたmRNA、cDNA等)と結合させるのに適する試薬は、相補性核酸類がある。例えば、核酸試薬としては、基体に固定させたオリゴヌクレオチド(標識したまたは標識していない)、基体と結合させていない標識化オリゴヌクレオチド、PCRプライマー対、分子ビーコンプローブ等がある。
本発明のもう1つの目的は、患者における転移発生の生体外予測用のキットからなり、このキットは、1以上の組織または臓器内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーを検出および/または定量する手段を含み、上記1種以上の生物学的マーカーが下記からなる群から選ばれることを特徴とする:
(i) CLEC4A、MFNG、NXF1、FAM78A、KCTD1、BAIAP2L1、PTPN22、MEGF10、PERP、PSTPIP1、FLI1、COL6A2、CD4、CFD、ZFHX1B、CD33、LST1、MMRN2、SH2D3C、RAMP3、FAM26B、ILK、TM6SF1、C10orf54、CLEC3B、IL2RG、HOM-TES-103、ZNF23、STK35、TNFAIP8L2、RAMP2、ENG、ACRBP, TBC1D10C、C11orf48、EBNA1BP2、HSPE1、GAS6、HCK、SLC2A5、RASA3、ZNF57、WASPIP、KCNK1、GPSM3、ADCY4、AIF1、NCKAP1、AMICA1、POP7、GMFG、PPM1M、CDGAP、GIMAP1、ARHGAP9、APOB48R、OCIAD2、FLRT2、P2RY8、RIPK4、PECAM1、URP2、BTK、APBB1IP、CD37、STARD8、GIMAP6、E2F6、WAS、HLA-DQB1、HVCN1、LOC56902、ORC5L、MEF2C、PLCL2、PLAC9、RAC2、SYNE1、DPEP2、MYEF2、HSPD1、PSCD4、NXT1、LOC340061、ITGB3、AP1S2、SNRPG、CSF1、BIN2、ANKRD47、LIMS2、DARC、PTPN7、MSH6、GGTA1、LRRC33、GDPD5、CALCOCO1、FAM110C、BCL6B、LOC641700、ARHGDIB、DAAM2、TNFRSF14、TPSAB1、CSF2RA、RCSD1、FLJ21438、LOC133874、GSN、SLIT3、FYN、NCF4、PTPRC、EVI2B、SCRIB、C11orf31、LOC440731、TFAM、ARPC5L、PARVG、GRN、LMO2、CRSP8、EHBP1L1、HEATR2、NAALADL1、INPP5D、LTB、STRBP、FAM65A、ADARB1、TMEM140、DENND1C、PRPF19、CASP10、SLC37A2、RHOJ、MPHOSPH10、PPIH、RASSF1、HCST、C16orf54、EPB41L4B、LRMP、LAPTM5、PRDM2、CYGB、LYCAT、ACP5、CMKLR1、UBE1L、MAN2C1、TNFSF12、C7orf24、Cxorf15、CUL1、SMAD7、ITGB7、APOL3、PGRMC1、PPA1、YES1、FBLN1、MRC2、PTK9L、LRP1、IGFBP5、WDR3、GTPBP4、SPI1、SELPLG、OSCAR、LYL1、POLR2H、YWHAQ、ISG20L2、LGI14、KIF5B、NGRN、TYROBP、C5orf4、COX7A2、S100A4、MATK、TMEM33、DOK3、LOC150166、CIRBP、NIN、C10orf72、FMNL1、FAT3、CHKB/CPT1B、SNRPA1、GIMAP4、C20orf18、LTBP2、GAB3、NQO1、MARCH2、MYO1F、CDS1、SRD5A1、C20orf160、SLAMF7、ACTL6A、ABP1、RAE1、MAF、SEMA3G、P2RY13、ZDHHC7、ERG、FHL1、CLEC10A、INTS5、MYO15B、CTSW、PILRA、HN1、SCARA5、PRAM1、EBP、SIGLEC9、LGP1、DGUOK、GGCX、RABL5、ZBTB16、TPSAB1、NOP5/NOP58、CCND2、CD200、EPPK1、DKFZp586CO721、CCT6A、RIPK3、ARHGAP25、GNAI2、USP4、FAHD2A、LOC399959、LOC133308、HKDC1、CD93、GTF3C4、ITGB2、ELOVL6、TGFB1I1、ASCC3L1、FES、KCNMB1、AACS、ATP6VOD2、TMEM97、NUDT15、ATP6V1B2、CCDC86、FLJ10154、SCARF2、PRELP、ACHE、GIMAP8、PDE4DIP、NKG7、C20orf59、RHOG、TRPV2、TCP1、TNRC8、TNS1、IBSP、MMP9、NRIP2、OLFML2B、OMD、WIF1、ZEB2、ARL8、COL12A1、EBFおよびEBF3からなる群から選ばれる、骨組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
(ii) DSC2、HORMAD1、PLEKHG4、ODF2L、C21orf91、TFCP2L1、TTMA、CHODL、CALB2、UGT8、LOC146795、C1orf210、SIKE、ITGB8、PAQR3、ANP32E、C20orf42/FERMT1、ELAC1、GYLTL1B、SPSB1、CHRM3、PTEN、PIGL、CHRM3、CDH3からなる群から選ばれる、肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
(iii) TBX3、SYT17、LOC90355、AGXT2L1、LETM2、LOC145820、ZNF44、IL20RA、ZMAT1、MYRIP、WHSC1L1、SELT、GATA2、ARPC2、CAB39L、SLCl6A3、DHFRL1、PRRT3、CYP3A5、RPS6KA5、KIAA1505、ATP5S、ZFYVE16、KIAA0701、PEBP1、DDHD2、WWP1、CCNL1、ROBO2、FAM111B、THRAP2、CRSP9、KARCA1、SLC16A3、ARID4A、TCEAL1、SCAMP1、KIAAO701、EIF5A、DDX46、PEX7、BCL2L11、YBX1、UBE21、REXO2、AXUD1、C10orf2、ZNF548、FBXL16、LOC439911、LOC283874、ZNF587、FLJ20366、KIAAO888、BAG4、CALU、KIAA1961、USP30、NR4A2、FOXA1、FBXO15、WNK4、CDIPT、NUDT16L1、SMAD5、STXBP4、TTC6、LOC113386、TSPYL1、CIP29、C8orf1、SYDE2、SLC12A8、SLC25A18、C7、STAU2、TSC22D2、GADD45G、PHF3、TNRC6C、TCEAL3、RRN3、C5orf24、AHCTF1、LOC92497からなる群から選ばれる、肝組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;および、
(iv) LOC644215、BAT1、GPR75、PPWD1、INHA、PDGFRA、MLL5、RPS23、ANTXR1、ARRDC3、PTK2、SQSTM1、METTL7A、NPHP3、PKP2、DDX31、FAM119A、LLGL2、DDX27、TRA16、HOXB13、GNAS、CSPP1、COL8A1、RSHL1、DCBLD2、UBXD8、SURF2、ZNF655、RAC3、AP4M1、HEG1、PCBP2、SLC30A7、ATAD3A/ATAD3B、CHI3L1、MUC6、HMG20B、BCL7A、GGN、ARHGEF3、PALLD、TOP1、PCTK1、C20orf4、ZBTB1、MSH6、SETD5、POSTN、MOCS3、GABPA、ZSWIM1、ZNHIT2、LOC653352、ELL、ARPC4、ZNF277、VAV2、HNRPH3、LHX1、FAM83A、DIP2B、RBM10、PMPCA、TYSND1、RAB4B、DLC1、KIAA2018、TES、TFDP2、C3orf10、ZBTB38、PSMD7、RECK、JMJD1C、FLJ20273、CENPB、PLAC2、C6orf111、ATP10D、RNF146、XRRA1、NPAS2、APBA2BP、WDR34、SLK、SBF2、SON、MORC3、C3orf63、WDR54、STX7、ZNF512、KLHL9、LOC284889、ETV4、RMND5B、ARMCX1、SLC29A4、TRIB3、LRRC23、DDIT3、THUMPD3、MICAL-L2、PA2G4、TSEN54、LAS1L、MEA1、S100PBP、TRAF2、EMILIN3、KIAA1712、PRPF6、CHD9、JMJD1B、ANKS1A、CAPN5、EPC2、WBSCR27、CYB561、LLGL1、EDD1からなる群から選ばれる、脳組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー。
また、本発明は、上記予測キットの各種代替実施態様にも及び、これらの実施態様においては、上記予測キットは、本明細書において開示するマーカーの各種組合せを検出および/または定量するためのマーカー検出および/またはマーカー定量手段の組合せを含む。
本発明のある種の実施態様においては、上記予測キットは、乳癌に侵されている患者の肺転移発生の生体外予測用のキットからなり、該キットは、肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーを検出および/または定量するための手段を含み、上記1種以上の生物学的マーカーは、DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1からなる群から選ばれる。
上記予測キットのある種の実施態様においては、上記キットは、以下の肺特異性マーカー:DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1の2種、3種、4種、5種または全種を検出および/または定量するための手段を含む。
さらなる実施態様においては、上記予測キットは、6種の以下のマーカー:DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1の全部の組合せを検出および/または定量するための手段を含む。
さらなる実施態様においては、上記予測キットは、6種の以下のマーカー:DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1の全部の組合せを専ら検出および/または定量するための手段を、1種以上の参照マーカー、例えば、アクチンのような遍在的に発現する遺伝子またはタンパク質に相応するマーカーを検出および/または定量するための手段と一緒に含む。
最も好ましくは、本発明に従う予測キットは、本明細書において開示する転移特異性生物学的マーカーの核酸発現産生物(mRNAまたはcDNA類)にハイブリッド化するプローブを含むDNAマイクロアレーからなる。
本発明のもう1つの目的は、乳癌に侵されている患者の製薬剤による治療処置の抗転移効果のモニタリング用キットからなり、このキットは、1以上の組織または臓器内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーを定量する手段を含み、上記1種以上の生物学的マーカーが下記からなる群から選ばれることを特徴とする:
(i) CLEC4A、MFNG、NXF1、FAM78A、KCTD1、BAIAP2L1、PTPN22、MEGF10、PERP、PSTPIP1、FLI1、COL6A2、CD4、CFD、ZFHX1B、CD33、LST1、MMRN2、SH2D3C、RAMP3、FAM26B、ILK、TM6SF1、C10orf54、CLEC3B、IL2RG、HOM-TES-103、ZNF23、STK35、TNFAIP8L2、RAMP2、ENG、ACRBP、TBC1D10C、C11orf48、EBNA1BP2、HSPE1、GAS6、HCK、SLC2A5、RASA3、ZNF57、WASPIP、KCNK1、GPSM3、ADCY4、AIF1、NCKAP1、AMICA1、POP7、GMFG、PPM1M、CDGAP、GIMAP1、ARHGAP9、APOB48R、OCIAD2、FLRT2、P2RY8、RIPK4、PECAM1、URP2、BTK、APBB1IP、CD37、STARD8、GIMAP6、E2F6、WAS、HLA-DQB1、HVCN1、LOC56902、ORC5L、MEF2C、PLCL2、PLAC9、RAC2、SYNE1、DPEP2、MYEF2、HSPD1、PSCD4、NXT1、LOC340061、ITGB3、AP1S2、SNRPG、CSF1、BIN2、ANKRD47、LIMS2、DARC、PTPN7、MSH6、GGTA1、LRRC33、GDPD5、CALCOCO1、FAM110C、BCL6B、LOC641700、ARHGDIB、DAAM2、TNFRSF14、TPSAB1、CSF2RA、RCSD1、FLJ21438、LOC133874、GSN、SLIT3、FYN、NCF4、PTPRC、EVI2B、SCRIB、C11orf31、LOC440731、TFAM、ARPC5L、PARVG、GRN、LMO2、CRSP8、EHBP1L1、HEATR2、NAALADL1、INPP5D、LTB、STRBP、FAM65A、ADARB1、TMEM140、DENND1C、PRPF19、CASP10、SLC37A2、RHOJ、MPHOSPH10、PPIH、RASSF1、HCST、C16orf54、EPB41L4B、LRMP、LAPTM5、PRDM2、CYGB、LYCAT、ACP5、CMKLR1、UBE1L、MAN2C1、TNFSF12、C7orf24、Cxorf15、CUL1、SMAD7、ITGB7、APOL3、PGRMC1、PPA1、YES1、FBLN1、MRC2、PTK9L、LRP1、IGFBP5、WDR3、GTPBP4、SPI1、SELPLG、OSCAR、LYL1、POLR2H、YWHAQ、ISG20L2、LGI14、KIF5B、NGRN、TYROBP、C5orf4、COX7A2、S100A4、MATK、TMEM33、DOK3、LOC150166、CIRBP、NIN、C10orf72、FMNL1、FAT3、CHKB/CPT1B、SNRPA1、GIMAP4、C20orf18、LTBP2、GAB3、NQO1、MARCH2、MYO1F、CDS1、SRD5A1、C20orf160、SLAMF7、ACTL6A、ABP1、RAE1、MAF、SEMA3G、P2RY13、ZDHHC7、ERG、FHL1、CLEC10A、INTS5、MYO15B、CTSW、PILRA、HN1、SCARA5、PRAM1、EBP、SIGLEC9、LGP1、DGUOK、GGCX、RABL5、ZBTB16、TPSAB1、NOP5/NOP58、CCND2、CD200、EPPK1、DKFZp586CO721、CCT6A、RIPK3、ARHGAP25、GNAI2、USP4、FAHD2A、LOC399959、LOC133308、HKDC1、CD93、GTF3C4、ITGB2、ELOVL6、TGFB1I1、ASCC3L1、FES、KCNMB1、AACS、ATP6VOD2、TMEM97、NUDT15、ATP6V1B2、CCDC86、FLJ10154、SCARF2、PRELP、ACHE、GIMAP8、PDE4DIP、NKG7、C20orf59、RHOG、TRPV2、TCP1、TNRC8、TNS1、IBSP、MMP9、NRIP2、OLFML2B、OMD、WIF1、ZEB2、ARL8、COL12A1、EBFおよびEBF3からなる群から選ばれる、骨組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
(ii) DSC2、HORMAD1、PLEKHG4、ODF2L、C21orf91、TFCP2L1、TTMA、CHODL、CALB2、UGT8、LOC146795、C1orf210、SIKE、ITGB8、PAQR3、ANP32E、C20orf42、ELAC1、GYLTL1B、SPSB1、CHRM3、PTEN、PIGL、CHRM3、CDH3からなる群から選ばれる、肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
(iii) TBX3、SYT17、LOC90355、AGXT2L1、LETM2、LOC145820、ZNF44、IL20RA、ZMAT1、MYRIP、WHSC1L1、SELT、GATA2、ARPC2、CAB39L、SLCl6A3、DHFRL1、PRRT3、CYP3A5、RPS6KA5、KIAA1505、ATP5S、ZFYVE16、KIAA0701、PEBP1、DDHD2、WWP1、CCNL1、ROBO2、FAM111B、THRAP2、CRSP9、KARCA1、SLC16A3、ARID4A、TCEAL1、SCAMP1、KIAAO701、EIF5A、DDX46、PEX7、BCL2L11、YBX1、UBE21、REXO2、AXUD1、C10orf2、ZNF548、FBXL16、LOC439911、LOC283874、ZNF587、FLJ20366、KIAAO888、BAG4、CALU、KIAA1961、USP30、NR4A2、FOXA1、FBXO15、WNK4、CDIPT、NUDT16L1、SMAD5、STXBP4、TTC6、LOC113386、TSPYL1、CIP29、C8orf1、SYDE2、SLC12A8、SLC25A18、C7、STAU2、TSC22D2、GADD45G、PHF3、TNRC6C、TCEAL3、RRN3、C5orf24、AHCTF1、LOC92497からなる群から選ばれる、肝組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;および、
(iv) LOC644215、BAT1、GPR75、PPWD1、INHA、PDGFRA、MLL5、RPS23、ANTXR1、ARRDC3、PTK2、SQSTM1、METTL7A、NPHP3、PKP2、DDX31、FAM119A、LLGL2、DDX27、TRA16、HOXB13、GNAS、CSPP1、COL8A1、RSHL1、DCBLD2、UBXD8、SURF2、ZNF655、RAC3、AP4M1、HEG1、PCBP2、SLC30A7、ATAD3A/ATAD3B、CHI3L1、MUC6、HMG20B、BCL7A、GGN、ARHGEF3、PALLD、TOP1、PCTK1、C20orf4、ZBTB1、MSH6、SETD5、POSTN、MOCS3、GABPA、ZSWIM1、ZNHIT2、LOC653352、ELL、ARPC4、ZNF277、VAV2、HNRPH3、LHX1、FAM83A、DIP2B、RBM10、PMPCA、TYSND1、RAB4B、DLC1、KIAA2018、TES、TFDP2、C3orf10、ZBTB38、PSMD7、RECK、JMJD1C、FLJ20273、CENPB、PLAC2、C6orf111、ATP10D、RNF146、XRRA1、NPAS2、APBA2BP、WDR34、SLK、SBF2、SON、MORC3、C3orf63、WDR54、STX7、ZNF512、KLHL9、LOC284889、ETV4、RMND5B、ARMCX1、SLC29A4、TRIB3、LRRC23、DDIT3、THUMPD3、MICAL-L2、PA2G4、TSEN54、LAS1L、MEA1、S100PBP、TRAF2、EMILIN3、KIAA1712、PRPF6、CHD9、JMJD1B、ANKS1A、CAPN5、EPC2、WBSCR27、CYB561、LLGL1、EDD1からなる群から選ばれる、脳組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー。
また、本発明は、上記モニタリングキットの各種代替実施態様にも及び、これらの実施態様においては、上記モニタリングキットは、本明細書において開示するマーカーの各種組合せを検出および/または定量するためのマーカー検出および/またはマーカー定量手段の組合せを含む。
本発明のある種の実施態様においては、上記モニタリングキットは、乳癌に侵されている患者の肺転移発生の生体外予測用のキットからなり、該キットは、肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーを検出および/または定量するための手段を含み、上記1種以上の生物学的マーカーは、DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1からなる群から選ばれる。
上記モニタリングキットのある種の実施態様においては、上記モニタリングキットは、以下の肺特異性マーカー:DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1の2種、3種、4種、5種または全種を検出および/または定量するための手段を含む。
さらなる実施態様においては、上記モニタリングキットは、6種の以下のマーカー:DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1の全部の組合せを検出および/または定量するための手段を含む。
さらなる実施態様においては、上記モニタリングキットは、6種の以下のマーカー:DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1の全部の組合せを専ら検出および/または定量するための手段を、1種以上の参照マーカー、例えば、アクチンのような遍在的に発現する遺伝子またはタンパク質に相応するマーカーを検出および/または定量するための手段と一緒に含む。
本発明の予測キットおよびモニタリングキットは、必要に応じて、本発明の方法を実施するのに有用な追加の成分を含み得る。例えば、上記キットは、相補性核酸をアニーリングするのに或いは抗体を抗体が特異的に結合するタンパク質と結合させるのに適する液体(例えば、SSC緩衝液)、1以上のサンプルコンパートメント、本発明の予測方法またはモニタリング方法の性能を説明する使用説明材料等を含み得る。
抗体を含むキット
ある種の実施態様においては、本発明に従うキットは、抗体の1種または組合せまたは群を含み、各抗体種は、本発明の1種の生物学的マーカーに対して特異的に指向させる。
1つの実施態様においては、上記キットは、少なくとも2種類の抗体のを含む抗体の組合せまたは群を含み、各抗体種は、本明細書において開示する生物学的マーカーの1つに対して指向する抗体からなる群から選ばれる。
本発明に従う抗体キットは、2〜20種類の抗体を含み得、各抗体種は、本発明の1つの生物学的マーカーに対して特異的に指向する。例えば、本発明に従う抗体キットは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20種の抗体を含み得、各抗体種は、本明細書において定義しているような1つの生物学的マーカーに対して特異的に指向する。
本発明に従う生物学的マーカーに対して指向する各種抗体は、表4に示している転移特異性マーカーからなる群から選ばれる生物学的マーカーに対して指向する抗体を包含する。これらの抗体の特定の実施態様は、表4に示している。
抗体からなる検出/定量手段を含む本発明に従う予測キットの特定の実施態様としては、蛍光ミクロスフィア結合抗体サスペンジョンアレー技術、例えば、Bio-Rad Company社から商標Bio-PlexRとして市販されているキット技術がある。
生物学的アッセイにおける磁性ミクロスフィアの興味増大との共在事情は、蛍光ミクロスフィアにおいて実施するアッセイの開発である。ミクロスフィア表面に結合させた或いはミクロスフィア中に取込ませた蛍光標識または蛍光物質の使用は、異なる染色発光スペクトルおよび/またはシグナル強度に基づき識別可能である多数のミクロスフィア群の製造を可能にしている。生物学的アッセイにおいては、これらのミクロスフィアの蛍光または光散乱をフローサイトメーターまたは画像システムにより測定し得、測定結果を使用してミクロスフィアのサイズおよび蛍光を測定し、さらにまた、アッセイ系(例えば、“補足サンドイッチアッセイ”における蛍光標識化抗体)と関連する蛍光を、Lee等に付与された米国特許第5,948,627号に記載されているようにして試験し得る;該米国特許は、完全に説明するつもりで本明細書に参考として合体させる。ミクロスフィア中に取込ませた複数の染料の濃度を変えることにより、数百或いは数千もの識別可能なミクロスフィア群を製造し得る。アッセイにおいては、各ミクロスフィア群を異なるターゲットと結合させ、それによって、Chandler等に付与された米国特許第5,981,180号に記載されているように、多数の試験を単一の容器内で単一のサンプルにおいて実施するのを可能にする;該米国特許は、完全に説明するつもりで本明細書に参考として合体させる。
蛍光的に識別可能なミクロスフィアは、これらのミクロスフィアを磁気応答性にすることによって改良し得る。蛍光磁性ミクロスフィアの形成方法の例は、Wang等に付与された米国特許第5,283,079号に記載されている;該米国特許は、完全に説明するつもりで本明細書に参考として合体させる。Wang等が説明している方法は、蛍光コアミクロスフィアをマグネタイトとさらなるポリマーとでコーティーングするか或いはコアミクロスフィアをマグネタイト、染料および重合可能なモノマーと混合し、重合を開始させてコーティーングしたミクロスフィアを形成させることを含む。これらの方法は、蛍光磁性ミクロスフィアの合成にとって比較的簡単な方法である。
さらに、比較的大量の多重アッセイにおいて使用する多数量の正確に染色したミクロスフィアを製造するには、Chandler等に付与された米国特許第5,981,180号に記載されている方法を使用し得る。
また、蛍光磁性ミクロスフィアは、Chandler等に付与された米国特許第6,268,222号にも記載されている;該米国特許は、完全に説明するつもりで本明細書に参考として合体させる。この方法においては、ナノスフィアを高分子コアミクロスフィアにカップリングさせ、蛍光且つ磁性の材料を上記コアミクロスフィアまたはナノスフィアのいずれかに結合させている。この方法では、所望の特性を有するミクロスフィアが得られている。
蛍光磁性ミクロスフィアのさらなる実施態様は、Chandler等に付与された米国特許第6,514,295号に記載されている方法のような確立された方法を使用して染色し得る磁気応答性ミクロスフィアである。一般に、この方法は、ミクロスフィアを膨潤させる溶媒を使用し、それによって蛍光物質のミクロスフィア中への移行を可能にしている。これらの染色用溶媒としては、1種以上の有機溶媒がある。
また、磁性ミクロスフィアは、Wang等に付与された米国特許第5,091,206号、Sutorに付与された米国特許第5,648,124号、およびWang等に付与された米国特許第6,013,531号にも記載されている;これらの米国特許は、完全に説明するつもりで本明細書に参考として合体させる。
ある種の他の実施態様においては、本発明に従うキットは、本発明の1種以上の生物学的マーカーと結合する対のリガンドまたは特定の可溶性分子の1つまたは組合せまたは群を含む。
核酸プライマーを含むキット
ある種の他の実施態様においては、本発明に従うキットは、プライマー対の1種または組合せまたは群を含み、各プライマー対種は、本発明の1つの生物学的マーカーと特異的にハイブリッド化する。
1つの実施態様においては、上記キットは、少なくとも2種類のプライマー対を含むプライマー対の組合せまたは群を含み、各プライマー対種は、本明細書において前記で詳述しているSEQ ID NO:1〜112のプライマー対のような、本明細書において開示している生物学的マーカーの1種とハイブリッド化するプライマー対からなる群から選ばれる。
本発明に従うプライマーキットは、2〜20種類のプライマー対を含み得、各プライマー対種は、本発明の1種の生物学的マーカーと特異的にハイブリッド化する。例えば、本発明に従うプライマーキットは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20種のプライマー対を含み得、各プライマー対種は、本明細書において定義しているような1種の生物学的マーカーに対して特異的にハイブリッド化する。
とりわけ、少なくとも1対の特異的プライマー、並びに興味ある1種の生物学的マーカーと特異的にハイブリッド化する相応する検出核酸プローブは、公的“Quantitative PCRプライマーデータベース”において、とりわけ、次のインターネットアドレス:http://lpgws.nci.nih.gov/cgi-bin/PrimerViewerにおいて既に参照しており、全体的に説明している。
具体的には、本発明に従う予測キットまたはモニタリングキットは、下記に特記するプライマーのうちの、各種組織特異性生物学的マーカーを検出するおよび/または増幅させる1種以上の特異性プライマー対を含み得る。
(i) 骨転移特異性マーカー:KTCD1 (SEQ ID NO:1および2)、BAIAP2L1 (SEQ
ID NO:3および4)、PERP (SEQ ID NO:5および6)、CFD (SEQ ID NO:7および8)、CD4 (SEQ ID NO:9および10)、COL6A2 (SEQ ID NO:11および12)、FLI1 (SEQ ID NO:13および14)、PSTPIP1 (SEQ ID NO:15および16)、MGF10 (SEQ
ID NO:17および18)、PTPN22 (SEQ ID NO:19および20)、FAM78A (SEQ ID NO:21および22)、NXF1 (SEQ
ID NO:23および24)、MFNG (SEQ ID NO:25および26)、およびCLEC4A (SEQ ID NO:27および28);
(ii) 肺転移特異性マーカー:KIND1 (SEQ ID NO:29および30)、ELAC1 (SEQ
ID NO:31および32)、ANP32E (SEQ ID NO:33および34)、PAQR3 (SEQ ID NO:35および36)、ITGB8 (SEQ
ID NO:37および38)、c1orf210 (SEQ ID NO:39および40)、SIKE (SEQ ID NO:41および42)、UGT8 (SEQ ID NO:43および44)、CALB2 (SEQ ID NO:45および46)、CHODL (SEQ
ID NO:47および48)、c21orf91 (SEQ ID NO:49および50)、TFCP2L1 (SEQ ID NO:51および52)、ODF2L (SEQ
ID NO:53および54)、HORMAD1 (SEQ ID NO:55および56)、PLEKHG4 (SEQ ID O:57および58)、およびDSC2
(SEQ ID NO:59および60);
(iii) 肝転移特異性マーカー:GATA2 (SEQ ID NO:61および62)、SELT (SEQ
ID NO:63および64)、WHSC1L1 (SEQ ID NO:65および66)、MYRIP (SEQ ID NO:67および68)、ZMAT1 (SEQ
ID NO:69および70)、IL20RA (SEQ ID NO:71および72)、ZNF44 (SEQ ID NO:73および74)、LETM2 (SEQ
ID NO:75および76)、AGXT2L1 (SEQ ID NO:77および78)、c5orf30 (SEQ ID NO:79および80)、およびTBX3
(SEQ ID NO:81および82);
(iv) 脳転移特異性マーカー:PPWD1 (SEQ ID NO:83および84)、PDGFRA (SEQ ID NO:85および86)、MLL5 (SEQ ID NO:87および88)、RPS23 (SEQ ID NO:89および90)、ANTXR1 (SEQ ID NO:91および92)、ARRDC3 (SEQ ID NO:93および94)、METTL7A (SEQ ID NO:95および96)、NPHP3 (SEQ ID NO:97および98)、RSHL1 (SEQ ID NO:99および100)、CSPP1 (SEQ ID NO:101および102)、HOXB13 (SEQ ID NO:103および104)、TRA16 (SEQ ID NO:105および106)、DDX27 (SEQ ID NO:107および108)、PKP2 (SEQ ID NO:109および110)、およびINHA (SEQ ID NO:111および112)。
また、これらのキットは、対照マーカーを検出および/または定量するための1種以上のプライマー対も含み得る。具体的には、これらのキットは、本明細書において開示しているSEQ ID NO:113-114の核酸のようなTATAボックス結合タンパク質(TBP)を検出および/または定量するためのプライマー対を含み得る。
抗癌治療のモニタリング
本発明の1種以上の組織特異性生物学的マーカーの発現量に対する薬剤(例えば、薬物化合物)の影響をモニターすることは、患者の治療乳癌の転移潜在力を経時的にモニターすることに応用し得る。例えば、生物学的マーカー発現に影響を与える薬剤の有効性を、抗癌、とりわけ、抗転移治療を受けている対象者の治療中にモニターし得る。
好ましい実施態様においては、本発明は、(i) 薬物投与前の対象者からの投与前サンプルを入手する工程、(ii) 上記投与前サンプル中の本発明の1種以上の選択された生物学的マーカーの発現量を検出する工程、(iii) 対象者からの1以上の投与後サンプルを入手する工程、(iv) 上記投与後サンプル中の生物学的マーカー(1種以上)の発現量を検出する工程、(v) 上記投与前サンプル中の生物学的マーカー(1種以上)の発現量を上記1以上の投与後サンプル中のマーカー(1種以上)の発現量と比較する工程、および(vi) 薬剤の対象者への投与を相応に変更する工程を含む、対象者の薬剤(例えば、作用薬、拮抗薬、ペプチド擬態物、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子または他の薬物候補)による治療の有効性をモニターする方法を提供する。例えば、生物学的マーカー遺伝子(1種以上)の治療途中での発現減少は、有効でない投与量および投与量増大の望ましさを指標し得る。逆に、生物学的マーカー遺伝子(1種以上)の発現増大は、有効な治療および投与量変更の不必要性を指標し得る。
担乳癌患者からの生物学的サンプルの繰返しの採集が上記のモニタリングを実施するには必要であることから、その場合、好ましい生物学的サンプルは、(i) 患者乳癌組織に由来する細胞または(ii) 核酸またはタンパク質のような、患者乳癌組織に由来する細胞が合成する転移特異性マーカー発現生成物を含有しがちな血液サンプルからなる。本明細書において使用するとき、上記“乳癌患者の組織は、原発性腫瘍組織並びに臓器特異性または組織特異性転移組織を包含する。
本明細書において先に既に説明しているように、本発明の転移予測方法の実施は、従来技術方法よりも高い正確性でもって、腫瘍再発の高リスクにあり、免疫療法のようなアジュバント療法からの利益を受け得る患者を指標し得る。
例えば、本発明の転移予測方法の終了時に、転移のない良好な予後を判断した場合、その後の抗癌治療は、何らのアジュバント化学療法を含まないであろう。
しかしながら、本発明の転移予測方法の終了時に、悪い予後を判断した場合、患者に、アジュバント化学療法の適切な組成物を投与する。
従って、本発明は、乳癌患者の癌治療を適応化させる方法にも関し、該方法は、下記の工程を含む:
a) 上記患者から収集した少なくとも1つの腫瘍組織サンプルにおいて、本明細書において開示する転移予測方法を実施する工程;
b) 上記癌患者の癌治療を、骨、肺、肝臓および脳のような1以上の組織または臓器での転移による悪い癌予後が工程a)の終了時に判断された場合に、上記患者にアジュバント化学療法または抗転移療法を施すことによって適応化させる工程。
本発明のもう1つの目的は、対象者の薬剤による治療(アジュバントまたはネオアジュバント)の有効性をモニターするためのキットからなり、このキットは、乳癌患者における転移発生の可能性を指標する本発明の少なくとも1種の生物学的マーカーを定量する手段を含む。
転移を指標する生物学的マーカーの選択方法
また、本発明は、担乳癌患者における1以上の組織または臓器内での転移発生の可能性を指標する1種以上の生物学的マーカーを選択する方法にも関する。
本発明に従う上記組織特異性マーカー選択方法は、好ましくは、下記の工程を含むことを特徴とする:
a) 組織サンプル中の1種以上の生物学的マーカーを検出および/または定量する手段を用意する工程;
b) 乳癌患者に由来する複数の転移組織サンプル収集物(これらの収集物は、各々、転移乳癌患者の独自の組織タイプに由来する転移に由来する複数の組織サンプルからなる)を用意する工程;
c) 前記1種以上の生物学的マーカーの各々を、各組織サンプル収集物中に含まれている組織サンプル毎に個別に検出および/または定量する工程;
d) 工程c)において検出および/または定量する生物学的マーカー群において、工程b)において用意した複数の組織サンプル収集物に含まれる1つの組織サンプル収集物中でのみ専ら発現するマーカーを選択し、それによって、1群のマーカー(この群のマーカーは、その発現が乳癌患者の特定の組織内での転移発生の可能性を示すマーカーを含む)を組織サンプル収集物毎に選択する工程。
上記のマーカー選択方法のみを実施する目的においては、用語“生物学的マーカー”は、当業者であれば、その通常認識された意味で、即ち、本明細書においては、核酸またはタンパク質のような、任意のヒト遺伝子の発現生成物として使用されたい。
上記選択方法の具体的な実施態様は、本明細書の実施例において十分に説明する。
上記選択方法の工程a)を実施するに当たっては、上記マーカー検出および/または定量手段は、抗体のようなマーカータンパク質、またはオリゴヌクレオチドプライマーもしくはプローブのようなマーカー遺伝子特異性核酸を検出または定量する手段を包含する。具体的には、DNAまたは抗体マイクロアレーを、上記選択方法の工程a)において使用し得る。
既知の生物学的マーカーの任意の1種、例えば、任意の既知のタンパク質または任意の遺伝子特異性核酸を特異的に検出および/または定量する手段を、上記選択方法の工程a)において使用し得る。
上記選択方法の工程b)において用意する各々の組織サンプル収集物は、同数の担乳癌個々人から収集する独自の転移組織(例えば、骨、肺、肝臓、脳および皮膚)に由来する多数の転移組織サンプルを含む。好ましくは、各転移組織サンプル収集物は、少なくとも10名の異なる乳癌個々人、最も好ましくは少なくとも20名、25名または30名の異なる乳癌個々人に由来する各サンプルを含む。上記選択方法の終了時に最終的に選択する組織特異性マーカーの統計的関連性は、一般に、試験した異なる乳癌個々人の数、ひいては、工程b)において用意する各収集物中に含ませた転移組織サンプルの数によって増大している。
工程c)においては、工程a)において用意した検出および/または定量手段を使用しての工程b)において用意した組織サンプルにおける生物学的マーカーの検出および/または定量は、本明細書のどこかで説明している検出および/または定量方法のいずれか1つの方法に従って実施し得る。
工程d)においては、第1の特定の組織サンプル収集物(例えば、骨転移組織)中で工程c)において検出した各マーカーを、他の全ての組織サンプル収集物(例えば、肺、肝臓および脳)中の同じマーカーについて見出される検出および/または定量結果と比較する。その場合、上記第1の組織サンプル収集物中で、他の組織サンプル収集物と被殻したときに、差次的に発現する(即ち、(i) 発現する、(ii) 発現しない、(iii) 過発現する、および(vi) 過少発現する)マーカーのみを、上記特定の組織(例えば、骨転移組織)中での乳癌転移発生の可能性を指標するマーカーとして正に選択する。工程d)においては、1つの乳癌転移組織中のマーカー発現を他の全ての異なる乳癌転移組織群における上記マーカーの発現と比較することによる統計的に関連する転移組織特異性マーカーの選択は、本明細書の実施例において十分に説明しているように、“1対全体”(“OVA”)対比較と称する。
工程d)において試験した各マーカーの統計的関連性は、本明細書の実施例において開示しているように、上記マーカーについてのp値を、例えば、単変量t検定を使用して算出することによって機能させ得る。一般的には、マーカーは、上記選択方法の工程d)においては、p値が10-3よりも低いときに選択する。
上記方法の工程d)におけるマーカー選択の統計的信頼性は、本明細書の実施例において開示しているように、多変量並べ替え検定を行って、偽マーカー選択率が10%未満である90%信頼度を示すことによってさらに改善することができる。
工程d)におけるマーカー選択の関連性をさらに改善することを考慮すれば、組織特異性遺伝子からなる全てのマーカー、即ち、第1の特定の正常非癌組織(例えば、骨)において、他の正常非癌組織(例えば、肺、肝臓、脳等)と比較したとき、選択的に差次的に発現する全てのマーカーを取除くようなさらなる選択フィルターを含ませ得る。
上記選択方法の工程d)において最初に選択したマーカーの統計的関連性をさらに改善するには、上述したようにして最初に選択したマーカーを、例えば、最初に選択したマーカーを乳癌転移組織サンプルのさらなる収集物においてアッセイすることにより、さらなる選択サイクルに供し得る。このさらなる選択サイクルは、例えば、本明細書の実施例において示しているように、最初に選択したマーカーの、例えば、定量RT-PCR発現分析法によるさらなる発現分析を実施することからなる。また、DNAマイクロアレーも使用し得る。
そのような定量RT-PCR発現分析によれば、最初に選択した各マーカーの発現定量値を、対照値、例えば、TBPのような対照遺伝子の発現定量値に対して標準化する。結果を、正常乳房組織中の値に対する各マーカーのN倍差として表す。その後、最初に選択した各マーカーの統計的関連性を、例えば、本明細書の実施例において説明しているようにして、マン・ウィットニーU検定(SEM)を使用して、95%よりも高い信頼水準(0.05未満のP)にて確認する。
本発明を、如何なる形でも限定することなしに、以下の実施例により、さらに具体的に説明する。
実施例1および2
実施例1および2の材料および方法
A. 1. 組織サンプル
ヒト乳癌由来の合計33例の転移癌を、マイクロアレーおよび定量RT-PCR分析において使用した。これらのサンプルを液体窒素中で瞬間凍結し、−196℃で保存した。7例の骨転移癌(溶骨性タイプ)と6例の正常骨サンプルをラクイラ大学(ラクイラ(L’Aquila)、イタリア)から入手し、4例の脳転移癌と4例の正常脳サンプルをIDIBELL
(バルセロナ、スペイン)から入手した。他の転移癌サンプル(8例の肺転移癌、8例の肝臓転移癌および6例の皮膚転移癌)の全ておよび35例の乳房原発性腫瘍サンプルは、Centre Rene Huguenin (セント・クラウド(Saint-Cloud)、フランス)から入手した。これらの原発性腫瘍サンプルは、全て、化学療法を受けていない女性患者から切除されていた。正常な乳房、肺、脳および肝臓のRNAサンプルは、Clontech社、Biochain社およびInvitrogen社から購入した。正常組織RNAプールは、少なくとも5例のサンプル各々により調製した。臨床フォローアップによる乳房原発性腫瘍コホート(既知の再発部位:骨、肺およびその他を有する)の公に入手し得るマイクロアレーデータは、NCBIウェブサイトにおいてダウンロードした(GSE2603レコード)。
さらなる乳癌転移癌パラフィン埋込みサンプルは、ベルギーのリエージュ(Liege)大学のDepartment of Pathology (Pr. J.
Boniver) (12例の骨、6例の肝臓、4例の肺)、スペインのIDIBELL(6例の脳)、フランスのCentre Rene HugueninのAnatomopathology
Department (2例の肺および1例の肝臓)から入手し、免疫組織化学分析において使用した。
A. 2. RNA抽出
全RNAは、Gibco社からのTRIZOLR
Reagentを使用して、製造業者が説明しているようにして、ヒトサンプルから分離した。RNAは、260nmでの吸光度により定量した(Nanodrop)。RNAサンプルの品質は、アガロースゲル電気泳動および18Sと28SリボソームRNAバンドの完全性により評価した。マイクロアレー分析において使用した全RNAは、RNeasyR スピンカラム(Qiagen社)を使用して、製造業者のプロトコールに従ってさらに精製した。
A. 3. プローブ調製およびマイクロアレーハイブリッド化
サンプル標識化、ハイブリッド化、および染色は、GeneChipR Expression分析のためのAffymetrixR
Technical Manual (701021 Rev. 5)のEukaryotic Target
Preparationプロトコール(Affymetrix社)に従って実施した。要するに、500ng〜10μgの精製全RNAを使用して、二本鎖cDNAを、GeneChip
Expression 3’-Amplification One-Cycle cDNA合成キットおよびT7-oligo(dT)プライマー(Affymetrix社)を使用して生成させた。得られたcDNAを、GeneChip Sample Cleanup Moduleを使用し、製造業者のプロトコール(Affymetrix社)に従って精製した。精製cDNAを、IVT標識化用のGeneChip
Expression 3’-Amplification Reagents (Affymetrix社)を使用して増幅して、20〜70μgのビオチン標識化cRNA(相補RNA)を生成させた。13μgの標識化cRNA (アレー当り)を、94℃で30分間細片化した。細片化cRNAを、Human Genome U133 Plus 2.0 Arrayに、45℃で16時間ハイブリッド化させた。
ハイブリッド化アレーを洗浄し、ストレプタビジン‐フィコエリトリン(Molecular Proves社)を使用して染色し、ビオチン化抗‐ストレプタビジン(Vector Laboratories社)により、GeneChip Fluidics Station 450 (Affymetrix社)を使用して増幅した。各アレーを、Affymetrix GeneChipスキャナー 3000内で、570nmにてスキャンした。5’/3’ GAPDH比は平均で3.5であり、平均背景、ノイズ平均、%プレゼントコール(Present calls)およびプレゼントコールの平均シグナルは、本試験において使用した全てのアレーにおいて匹敵していた。U133 Plus 2.0発現アレーは、47000個の複写体に相当する56000個のプローブ群を含んでいる。
A. 4. マイクロアレー統計解析
発現プロフィールを、BRB Array器具、バージョン3.3ベータ3 (Biometric Research Branch, Division of Cancer Treatment and
Diagnosis Molecular Statistics and Bioinformatics Section, National Cancer
Institute;米国メリーランド州ベテスダ)により解析した。マイクロアレーデータをCELファイルとして収集し、Affymetrixプローブセット集計の算出および四分標準化は、バイオコンダクター(Bioconductor)のRMA関数を使用して実施した。4つの生部位特異性転移サイン、即ち、骨、脳、肝臓および肺転移を開発した。6種の骨、4種の脳、6種の肝臓、5種の肺および2種の皮膚転移癌を使用した。マルチクラス問題は、1連の4通りの“1対全体”(OVA)対比較として分割した。例えば、生骨転移サインは、次のように定義した:“骨転移”対“全て他の転移”、即ち、“骨転移”対“肺+肝+脳+皮膚転移”間で差次的に発現したプローブを選択した。
2つの分類間で差次的に発現した遺伝子を、単変量t検定を使用して特定した。遺伝子は、そのp値が0.0001未満である場合に、統計的に有意であるとみなした。厳格な有意閾を使用して偽陽性認定数を抑制した。
幾つかの選択フィルターを明確にした。先ず、汚染に由来し得る可能性ある宿主組織遺伝子を特定した。遺伝子は、相応する正常組織プール(例えば、骨)において、他の3種の正常組織プールの各々(例えば、肝臓、脳および肺)におけるよりも1.5倍多く発現する場合、推定宿主組織遺伝子とみなす。次に、相応する分類(例えば、骨転移)において25よりも低い幾何平均強度を有するアップレギュレート遺伝子は、除外する。“他の転移”分類(例えば、肝、脳、肺および皮膚転移) において25よりも低い幾何平均強度を有するダウンレギュレート遺伝子は、除外する。最後に、各プローブは、ヒトゲノムに対して整列させた(NCBIウェブサイトからのBlastソフトウェアを使用して)。プローブは、転写体を認識しないときは保存しなかった。転移サインは、残存する最も差次的に発現した遺伝子(絶対t検定によりソートした)を含んでおり、定量RT-PCRによって試験した。
A. 5. 定量RT-PCR発現分析
リアルタイムRT-PCR分析において使用するヒトサンプルのcDNAを、以前に開示されているようにして合成した(Bieche等、2001年)。全てのPCR反応を、ABI Prism 7700 Sequence Detection
System (Perkin-Elmer Applied Biosystems社)およびSYBR Green PCR Core Reagentsキット(Perkin-Elmer
Applied Biosystems社)を使用して行った。10μlの希釈サンプルcDNA (2 ・gの全RNAから調製)を、15μlのPCRマスター混合物に添加した。熱サイクル条件は、95℃で10分間の初期変性工程、並びに95℃で15秒間および65℃で1分間の50サイクルからなっていた。
原発性腫瘍および再発由来のヒトRNAを、以前に開示されているようにして、定量リアルタイム逆転写PCR (RT-PCR)アッセイ法を使用して、臓器特異性転移関連遺伝子のうちから選択した56種の遺伝子の発現について分析した(Bieche等、2001年)。これらの遺伝子の発現を、マイクロアレーにより既に試験した19例および10例の新たなサンプル(1例の骨、3例の肺、2例の肝および4例の皮膚再発)を含む29例のヒト乳癌由来転移癌サンプルにおいて測定した。TATAボックス結合タンパク質(TBP)転写体を内生RNA対照として使用し、各サンプルをそのTBP含有量に基づき標準化した。各X遺伝子発現のTBP遺伝子に対するN倍差("NX"で示す)として表す結果は、式:NX = 2DCtサンプル によって得られ、サンプルのDCt (Dサイクル閾)値は、X遺伝子の平均Ct値をTBP遺伝子の平均Ct値から差引くことによって決定する。その後、各サンプルのNx値を標準化して、4例の正常乳房サンプルのNx値の中央値が1の値を有するようにする。リアルタイムRT-PCR増幅において使用する各プライマーのヌクレオチド配列は、表3に示している。全RNA抽出、cDNA合成およびPCR反応条件は、以前に詳細に説明されている(Bieche et al., 2001, Cancer Res, Vol 61(4) : 1652-1658)。
2つの集団間の差異は、マン・ウィットニーU検定(SEM)を使用して、信頼水準
>95% (P <0.05)において有意と判断した。
免疫組織化学
乳癌患者由来の転移癌生検体を、0.1Mリン酸緩衝液、pH 7.2中4%ホルムアルデヒド中で固定し、パラフィン中に埋込んだ。骨試験標本を、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)と塩酸の溶液(脱灰剤II、Labonord社)またはホルマリン(20%)と硝酸(5%)の溶液のいずれかで脱灰処理した。切片を、Reichert-Jung
1150/Autocutミクロトームを使用して切断した。スライド取付け組織切片(4μm厚)をキシレン中でパラフィン除去し、100%、95%および80%エタノール中で連続的に水和させた。内生ペルオキシダーゼをPBS中3% H2O2中で1時間失活させ、次いで、各スライドを、指示一次抗体と一緒に4℃で1夜インキュベートした。切片をPBS中で3回洗浄し、抗体結合を、Ultra-Vision
Detection System anti-Polyvalent HRP/DABキットを使用して、製造業者の使用説明書(Lab Vision社)に従って明確にした。最後に、マイヤーヘマトキシリンで対比染色し、蒸留水中で洗浄した。
抗-OMD抗体および-IBSP抗体は、それぞれ、スウェーデンのDick Heinegard氏(ランド(Lund)大学のDepartment of Experimental Medical Science)、およびL.W. Fisher氏(National Institute of Dental
Craniofacial Research, NIH;米国メリーランド州ベテスダ)から親切に提供された。抗-KIND1および抗-TOP1抗体はAbcam社から、抗-MMP-9はChemicon社から、抗-DSC2抗体はProgen社から、それぞれ購入した。
実施例1:差次的に発現した遺伝子の同定
再発の4つの主要ターゲット臓器、即ち、骨、肺、肝および脳に由来するヒト乳癌転移の転写プロフィールを比較した。従って、マイクロアレー遺伝子発現データ(Affymetrix U133 Plus 2.0チップ)を使用して、手術から得られた23例の転移サンプルを検証した。
上記4つの転移臓器の各々中で特異的に発現した遺伝子を同定するために、1対全体(OVA)分類比較を行って2つの既知の下位群を識別した。以下の組合せを使用した:6例の骨転移対全部で17例の他の転移(非骨転移)、5例の肺転移対18例の他の転移、6例の肝転移対17例の他の転移、および4例の脳転移対19例の他の転移。2つの明確にした群間の遺伝子発現を、臨界的p値を10-4に設定した単変量t検定を使用することによって比較した。
前記材料および方法の項で説明したようなフィルタリング基準を適用した後、骨転移癌(267種の遺伝子を示す325種のプローブ)、肺転移癌(23種の遺伝子を示す28種のプローブ)、肝転移癌(83種の遺伝子を示す114種のプローブ)および脳転移癌(123種の遺伝子を示す133種のプローブ)において差次的に発現する遺伝子に相応する4つの遺伝子目録を同定した(表1)。600種の同定プローブ(505種の遺伝子を示す)のうちで、77%がアップレギュレートされ、23%がダウンレギュレートされていた。骨および脳転移関連遺伝子は症例のほぼ30%においてダウンレギュレートされており、一方、肺および肝転移関連遺伝子は約5%においてダウンレギュレートされていた。各臓器特異性転移における20種の最高格付け遺伝子を表2に示している。
RNAレベルで行った観察をタンパク質レベルで検証するために、数種の臓器特異性転移遺伝子生成物、即ち、肺転移に関連するDSC2およびKIND1並びに脳転移過程に相応するTOP1の免疫組織化学分析を進めた。予想通り、タンパク質は、殆ど転移細胞によってのみ高度に発現していた。KIND1およびTOP1は転移細胞によって高度に且つ均質に発現しているのに対し、DSC2は腫瘍端部に存在する転移細胞により主として高度に発現しており、肺細胞とのクロストークの存在を示唆していた。
1. 1. 臓器特異性転移関連遺伝子を含む主要生物学的過程
4つの再発部位に関連する差次的発現遺伝子の全てを、遺伝子オントロジー(Gene Ontology)データベースに対してマッピングした。試験した505種の遺伝子のうち、326種を、“遺伝子オントロジー生物学的過程記述(Gene Ontology
Biological Process Description)”について注釈付けした。これらの記述は、主要生物学的過程(即ち、アポトーシス、細胞接着、細胞サイクル、細胞シグナリング、細胞骨格構成、RNAプロセッシング、転写調節)に分類してある種の過程が高度に示されているかどうかを判定した。それによって、“細胞接着”関連遺伝子は、肺転移目録における15の注釈のうちの4(26.6%)において示されていた。肝および脳転移関連遺伝子においては、“転写調節”が、それぞれ、21/58 (32.2%)および20/63 (31.7%)において最も示された記述であった。骨転移遺伝子目録においては、“細胞シグナリング”に関連する遺伝子が最も頻繁に見出されていた(61/190、即ち、32.1%)。さらに、以前に説明されているように、骨転移関連遺伝子は、免疫応答に関与する高割合の遺伝子を含有する(Smid等、2006年)。臓器特異性転移遺伝子目録の各々において高度に示された注釈は、再発部位に潜在的に関連している特定の生物学的過程を暗示し得る。
同定した“既知”のタンパク質のうちで、遺伝子PTEN、PERP、PDGFRA、TBX3のような数種は、癌進行および/または転移癌フェノタイプに既に関与している(Attardi等、2000年;Petrocelli等、2001年;Rowley等、2004年;Oliveira等、2005年;Jechlinger等、2006年)。肝転移関連遺伝子のうちでは、WHSC1L1およびLETM2は、これらが肺癌において共増幅されていると説明されていることから、とりわけ興味がある。そのアップレギュレーションは、おそらくは、癌細胞中の遺伝的事象に基づく(Tonon等、2005年)。脳転移関連遺伝子HOXB13は、乳癌患者の臨床帰結と最近関連付けられた(Ma等、2006年)。さらにまた、骨転移関連遺伝子のうち、MFNGは、ノッチ(Notch)シグナリング経路を調節するマニック フリンジ(Manic Fringe)タンパク質をコード化している。この経路は、前立腺癌の骨転移に関与することが報告されており(Zayzafoon等、2003年)、一方、TNFAIP8L2およびCSF-1は、乳癌骨転移において典型的に見出される破骨細胞形成および活性の増強に関与し得る。
1. 2. 骨転移の場合の微環境との相互作用:オステオミミクリー
骨転移において差次的に発現することは判明しているが宿主組織遺伝子を回避するための本発明者等のフィルタリング基準により除外されている(汚染のため)遺伝子のうちで、骨シアロタンパク質(IBSP)およびオステオカルシン(BGLAP)非コラーゲン性骨マトリックスタンパク質のような骨芽細胞系の細胞により発現することが知られている数種の遺伝子を同定した。骨に局在する転移性乳癌細胞は、分析した大多数のサンプルにおいてIBSP、MMP9およびOMDに対して強い免疫反応性を一貫して示していることを観察した。この観察は、骨に転移する乳癌および前立腺癌細胞が骨関連タンパク質を発現することを示唆している以前の報告(Koeneman、1999年;Waltregny、2000年;Huang、2005年)と一致している。この現象は、“オステオミミクリー(osteomimicry)”と称し、骨指向性癌細胞が骨格に転移する性向を説明し得ている(Koeneman、1999年)。
1. 3. 臓器特異性転移サイン
その後、上記4つのターゲット臓器内で差次的に発現する遺伝子(表2)を分析して臓器特異性転移サインを明確にした。これらの遺伝子のうちで、56種を、マイクロアレー分析において既に使用した19例の遠隔再発(4例の骨転移、5例の肺転移、6例の肝転移、4例の脳転移)および10例の追加サンプル(1例の骨転移、3例の肺転移、2例の肝転移および4例の皮膚転移)からなる1連の29例の乳癌転移癌に対しての定量RT-PCRによって試験した。
31種の遺伝子(55%)が、比較基準に合格した(OVA比較、マン・ウィットニーU検定、p値<0.05) (補足表3)。これらの検証遺伝子の組合せを、階層的クラスタ分析による臓器特異性転移サインとして評価した。デンドログラムによって示しているように、上記サインは、異なる転移群を明白に分類していた。とりわけ、骨転移群は、軟質組織転移群とは別のようであった。本発明者等が限定した“31種遺伝子サイン”は、80種の最高格付け遺伝子よりも同様なパターンを示していた(データは示していない)。
1. 4. 臓器特異性転移サインの予測値
現実の仮説は、原発性腫瘍が、転移を強く予測する遺伝子発現プロフィールを既に含んでいる可能性があること、さらにまた、腫瘍細胞も転移部位を予測する組織特異性発現プロフィールを示し得ることである。この仮説を試験するために、82名の乳癌患者のフォローアップを伴うコホートに関連する1連の公に入手可能なマイクロアレーデータ(とりわけ、再発部位)を分析した(Minn等、2005年a)。この群においては、27例の腫瘍が、主として骨または肺において再発していた。従って、本発明者等が同定した肺および骨転移関連遺伝子(U133Aチップ上に存在するそれぞれ6種と10種のみの遺伝子)を使用して上記27例の再発性腫瘍をクラスタ分析した(データは示していない)。いずれの場合も、多くの遺伝子が、再発性腫瘍において、相応する再発と同じ形で発現していることを観察した。例えば、骨転移癌中でアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた遺伝子は、それぞれ、骨に再発する乳房腫瘍においては他の部位に再発する乳房腫瘍におけるよりも高いまたは低い発現を示していた。
さらにまた、これらの骨転移遺伝子を高度に発現させる原発性腫瘍は、骨に対して再発しやすいようであった(p = 0.082、X2 検定)。同じ形で、これらの肺転移遺伝子を高度に発現させる原発性腫瘍は、肺にさらに一層有意に再発しやすいようであった(p = 0.002、X2 検定) (図1)。
最後に、本発明の臓器特異性サインの予測値を82例の原発性腫瘍の大コホートにおいて評価した。臓器特異性転移サイン(U133Aチップ上に存在するプローブの25種のみによって示された)は、肺転移癌、骨転移癌を主として生じ、さらに、転移をもたらさない腫瘍に相応する3つの主要群への腫瘍分類を可能にした(図2)。
カプラン・マイヤー分析を行って、無臓器特異性転移生存に関連する上記サインの予後値を評価した。肺転移遺伝子を発現する腫瘍を有する患者(群#1)は、悪い無肺転移生存を示していた(p = 0.00066)が、無骨転移生存は示していなかった(データは示していない)。骨転移遺伝子を発現する腫瘍を有する患者(群#2)は、悪い無骨転移生存を示す傾向を有しており(p = 0.12)、群#3(骨または肺転移遺伝子のいずれも発現しない腫瘍)に含まれる患者は、より良好な無転移生存を示していた。
これらの結果を確認するために、臓器特異性転移サインの発現分析を、35名の患者の独立のコホートにおける定量RT-PCRによって行った。これらの患者は、Centre Rene Hugueninで治療されており、化学療法は受けておらず、全て骨または肺への再発を示していた。肺転移遺伝子(7種の遺伝子)を高度に発現する腫瘍は、肺にさらに一層有意に再発していた(p = 0.04、c 検定)。これら後者の腫瘍を示す患者は、原発性腫瘍の診断後10年の有意に悪い無肺転移生存を示していた(p = 0.00043)。しかしながら、骨転移遺伝子を発現する腫瘍は、骨へのより一層の再発はなかった(データは示していない)。
実施例3〜6
A. 実施例3〜6の材料および方法
A. 1. 患者およびサンプル
試験は、現地倫理規定に従って実施した。先ず、手術を受けた乳癌患者に由来する23例の転移癌(5例の肺、6例の肝、4例の脳、2例の皮膚および6例の溶骨性骨転移)のトランスクリプトームを試験した(n = 22)。その後、追加の10例のサンプルをRT-PCR検証において使用した(3例の肺、2例の肝、4例の皮膚および1例の骨転移) (n = 10)。転移癌サンプルの全てを、ラクイラ大学(ラクイラ、イタリア)、IDIBELL
(バルセロナ、スペイン)およびCentre Rene
Huguenin (CRH;セント・クラウド、フランス)から入手した。正常組織RNAプールは、6例の骨(ラクイラ)、4例の脳(IDIBELL)から調製し、少なくとも5例の乳房、肺および肝正常サンプルは、Clontech社(パロアルト、米国)、Biochain社(ヘイワード、米国)およびInvitrogen社(フレデリック、米国)から購入した。
1連の72例の原発性乳房腫瘍(“CRHコホート”)を、Centre Rene Hugueninで治療しており、且つ全身ネオアジュバントまたはアジュバント療法を受けていないリンパ節転移陰性乳癌患者(フォローアップ中央値、132ヶ月;範囲、22.6〜294ヶ月)から特定的に選択した。フォローアップの10年間で、38名の患者が遠隔転移癌を発症していた。これらの患者のうちの11名は、遠隔再発の最初の部位として肺転移癌を発症していた。
また、3つの個々の乳房腫瘍群も分析した;マイクロアレーデータをNCBIウェブサイトから自由にダウンロードし得るどこかで詳細に説明されている“MSK”(n=82)、“EMC”(n=344)および“NKI”(n=295)の各コホート(4、6、12、14)。要するに、“EMC”および“NKI”コホートは、それぞれ、100%および50%リンパ節転移陰性の早期段階乳癌からなるのに対し、“MSK”群は、66%リンパ節転移陽性の局所進行性腫瘍からなる。
最後に、肺転移癌および対の乳房腫瘍のパラフィン埋込み切片をリエージュ大学(ベルギー)およびCentre Rene
Huguenin(フランス)から入手して、免疫組織学分析を行った。
A. 2. 遺伝子発現分析
マイクロアレー分析においては、サンプル標識化、ハイブリッド化および染色は、以前に説明されているようにして実施した(Jackson等、2005年)。Human Genome U133 Plus 2.0アレーを、Affymetrix
GeneChipスキャナー 3000内で、570nmにてスキャンした。5’/3’ GAPDH比は、平均3.5であった。平均背景、ノイズ平均、%プレゼントコール数(Present calls)およびプレゼントコール数の平均シグナルは、本試験において使用したアレー全てにおいて同様であった。
定量RT-PCR分析においては、他の箇所で詳述しているcDNA合成およびPCR条件を使用した(34)。全てのPCR反応を、ABI Prism 7700 Sequence Detection System (Perkin-Elmer Applied
Biosystems社)およびSYBR Green PCR
Core Reagentsキット(Perkin-Elmer Applied Biosystems社)によって行った。TATAボックス結合タンパク質(TBP)転写体を内生RNA対照として使用し、各サンプルをそのTBP含有量に基づいて標準化した(Bieche等、2001年)。
A. 3. 免疫組織化学
乳癌患者由来の原発性腫瘍および適合性肺転移癌の生検試験標本を固定し、パラフィン中に埋込んだ。4μm厚の切片をキシレン中でパラフィン除去し、段階エタノール濃度において水和させた。内生ペルオキシダーゼを、3% H2O2を含有するPBS中で1時間失活させ、次いで、各スライドを指示一次抗体と一緒に4℃で1夜インキュベートした。各切片を洗浄し、抗体結合を、Ultra-Vision Detection System Anti-Polyvalent HRP/DABキット(Lab Vision社)によって明らかにした。最後に、各スライドをマイヤーヘマトキシリンで対比染色し、蒸留水中で洗浄した。抗-FERMT1および抗-DSC2抗体は、それぞれ、Abcam社(ケンブリッジ、米国)およびProgen社(クイーンスランド、オーストラリア)から購入した。
A. 4. 統計解析
マイクロアレー発現プロフィールを、developed by Richard SimonおよびAmy Peng Lam
(http://linus.nci.nih.gov/BRB-ArrayTools.html)が開発したBRB
Array器具、バージョン 3.3beta3によって解析した。発現データをCELファイルとして照合し、Affymetrixプローブセット概要計算および変位値標準化を、バイオコンダクターのRMA関数を使用して行った。単変量t検定を使用して、5例の肺転移癌および18例の非肺転移癌(6例の骨、4例の脳、6例の肝および2例の皮膚)間で差次的に発現した遺伝子を同定した。差異は、p値が0.0001未満である場合に統計的に有意であるとみなした。この厳格な閾値は、偽陽性数を抑えるために使用した。
幾つかの選択フィルターを使用して肺転移関連遺伝子群を精選した。先ず、正常肺組織において他の3つの各正常組織プール(骨、肝および脳)におけるよりも1.5倍高い発現量に特徴を有する潜在的宿主組織遺伝子をフィルターに掛けた。これらの遺伝子は、汚染性宿主組織により潜在的に発現したとみなした。次に、肺および非肺転移癌の双方において25よりも低い幾何平均強度を有する遺伝子を除外した。最後に、何らの転写体も認識しない、ヒトゲノムに対して配列した(NCBIウェブサイトからのBlastソフトウェアを使用して)プローブを除外した。
興味ある遺伝子を、Unigene識別器を使用することによって、種々のプラットホーム間にマッピングした。その後、個々の乳癌を、可能な場合、同じプローブによって分析した。遺伝子発現プロフィールがCRHコホートにおける低‐および高‐肺転移リスク集団を確認し得るかどうかを判断するために、6種遺伝子サインを使用して遺伝子発現値の線形結合として定義するリスク指数を創出した。リスク指数値の分布を検証して、最適カットポイントを75番のパーセンタイル値に決めてCRH群における高および低リスクを区別した。その後、リスク指数関数および高/低リスクカットオフ点をMSK、EMC、NKIおよび組合せコホートに適用した。
生存時間は、カプラン・マイヤー法によって評価し、差異の有意性はログランク検定を使用して判定した。多変量解析は、コックス比例ハザード回帰モデルを使用して行った。
実施例3:肺転移関連遺伝子の同定
先ず、マイクロアレー分析を実施して、5例の肺転移癌および他のターゲット臓器(骨、肝、脳および皮膚)由来の18例の転移癌の遺伝子転写体プロフィールを比較した;いずれも、手術を受けた乳癌患者から入手した。階級比較(class comparison)を、単変量t検定により、10-4の厳格なp値でもって行い、上記2つの組織カテゴリーにより差次的に発現する遺伝子を同定した。
フィルタリング基準(患者および方法の項参照)を適用した後、主として肺転移癌において過発現した21種の差次的発現遺伝子(19種の既知遺伝子および2種の未知遺伝子)を同定した(表5)。1つの遺伝子、腫瘍抑制遺伝子PTENのみは、ダウンレギュレートされていた。
上記の差次的発現遺伝子を技術的に検証するために、最高格付け遺伝子の発現を、マイクロアレーにより分析された19例のサンプル(4例は利用し得るRNAをもはや含んでいなかった)および3例の肺再発を含む10例の追加の乳癌転移癌を使用しての定量RT-PCRによって試験した。この検証工程によって、有意の発現変化を示す7種の遺伝子、即ち、DSC2、HORMAD1、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1の選択に至った(表5)。
さらにまた、これらの観察した差次的発現プロフィールが転移サンプルによるが隣接宿主組織の差次的発現によるものではないことを立証するために、2つの代表的な遺伝子、即ち、DSC2およびFERMT1(上限および下限p値に相応する、表5)についてのタンパク質発現を評価した。強い免疫反応性が、ほぼ上記腫瘍細胞中のみの、周囲の肺組織中のでない両タンパク質において検出された。
特性決定した各遺伝子をGene Ontology and Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes (KEGG)データベース中にマッピングして、これら遺伝子の機能および生物学的過程を調査した(表5)。興味深いことに、肺転移関連遺伝子は、細胞接着およびシグナル変換に主として関与する膜結合分子の過発現量を示していた(DSC2、UGT8、ITGB8、FERMT1)。他の同定遺伝子については極めて僅かしか知られていない(HORMAD1、TFCP2L1およびANP32E)。これらのタンパク質のうちで、転移に特異的に関与することが以前に証明されているものはない。
実施例4:肺に対する選択性乳癌障害の予測因子(predictor)の開発
上記7種の肺転移関連遺伝子が原発性乳房腫瘍細胞中で既に発現し得ているのかどうかを、さらに、これらの遺伝子が肺転移の高めのリスクを予測し得るのかどうかを判断するために、qRT-PCRにより、1連の5例の正常乳房組織サンプル、6例の乳癌細胞系(MCF7、T47D、SKBR3、MDA-MB-231、MDA-MB-361およびMDA-MB-435)および44例の原発性乳房腫瘍中でのこれら遺伝子の発現パターンを分析した。全ての正常乳房、全ての細胞系および大多数の原発性腫瘍において極めて弱い発現乃至は無発現を示したHORMAD1 (Ct < 35)以外は、全ての肺転移関連遺伝子が哺乳類起原の組織中で発現していた。従って、HORMAD1は、この試みにおいて、肺転移サインを確立しているとは考えられなかった。
上記6種の残りの遺伝子((DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1)を使用して、肺転移の高めのリスクを予測する遺伝子サインを開発した。治療法および転移帰結に基づき特定的に選定した72名のリンパ節転移陰性患者のコホート、即ち、CRHコホートを試験した。72名の患者の全員が、ネオアジュバントまたはアジュバント療法を受けていなかった。このことは、上記“肺転移分類因子”の潜在的予測効果が全身治療に関連する因子によって影響を受けないことを意味する。38名の患者が10年以内で遠隔転移癌を発症しており(肺転移を示す11名を含む)、34名の患者は、その初期診断後、少なくとも10年間無病のままであった(表6)。
その後、原発性腫瘍を、上記6種遺伝子サインに基づき算出したリスク指数に従い、肺転移に関して高リスク群または低リスク群に割り当てた。肺転移リスク指数は上記6種遺伝子の発現値の線形結合として定義し、適切なカットオフ点を75番のパーセンタイル値に設定した。高レベルのリスク指数を発する腫瘍は、他の腫瘍よりも、肺に有意により頻度高く転移していた(p = 0.04、c 検定;図3A)。さらに、そのような腫瘍を有する患者は、有意に短い無肺転移生存を示していた(p = 0.008、図3B)。上記6種遺伝子サインは、骨転移(図3C)または肝転移(図3D)のリスクとは相関していなかった。
実施例5:上記6種遺伝子サインの予測能力の検証
上記6種遺伝子肺転移サインの予測値を検証するために、マイクロアレーデータが公に利用し得る3つの独立した乳癌患者コホートの発現プロフィールを分析した(Wang等、2005年;Van de Vijver、2002;Minn等、2005年;Minn等、2007年)。これらの3つのデータ群は、早期段階乳癌患者の2つの大きなコホート(それぞれ、295名および344名の患者の“NKI”群および“EMC”群)およびより局所的に進行した乳癌コホート(82名の患者の“MSK”コホート)に相応する(Wang等、2005年;Van de Vijver、2002;Minn等、2005年;Minn等、2007年)。
階層的クラスタ分析を個々の群全てに対して行った。3つの異なるコホートにおいて、上記6種遺伝子サインは、肺に転移する高めの性向を有する乳房腫瘍の下位群を区別している(MSK、EMCおよびMKIにおいて、それぞれ、p=
0.04、p = 0.016およびp=0.014、c
検定)。典型的な結果として、MSKおよびNKI乳房腫瘍のクラスタ分析を行っている。
階層的クラスタ分析の結果は、暗示的なだけである。従って、CRHコホートにおけるのと同じ手順を使用して、上記6種遺伝子サインを上記3つの個々のコホートにおいて評価した。高リスク群に割り当てた患者は、いずれの場合も、有意に短い無肺転移生存を示しており(MSK、EMCおよびMKI群において、それぞれ、p= 0.004、p = 0.001およびp=0.039、図4)、一方、無骨転移生存においては差異がなかった。注目すべきは、NKIコホートにおいて、1種の遺伝子(ANP32E)が相応するチップ中に存在してなかったことから、おそらくは5種のみの遺伝子のサインの検討に基づく少なめの識別が存在していることである。最後に、カプラン・マイヤー解析の複合コホートにおいて行ったところ、上記6種遺伝子サインの肺転移の関しての乳癌患者の帰結との極めて有意な相関をもたらしていた(n
= 721、p<10-5)。
実施例6:標準の臨床病理学変動要因および他の予測サインに対する相関
上記6種遺伝子サインが、他のモデルおよび/または標準マーカーによっては得ることのできないさらなる予測情報を提供するかどうかを評価した。先ず、NKI群(完全な臨床データが記録されている)を、乳癌について報告されている主要予測分子サインについて分析した。以前の報告と一致して、上記6種遺伝子サインを発現する原発性乳房腫瘍は、他の貧弱な予測分子マーカー(Kang等、2003年;Minn等、2007年)も発現していた。上記6種遺伝子サインによって定義したような肺転移に対してのリスクにある患者の腫瘍は、標準の病理パラメーター(62%ER陰性および70%等級3)並びに70種遺伝子サイン(van 't Veer等、2002年;van de
Vijver等、2002年)、創傷治癒サイン(Chang等、2005年;Chang等、2005年)および基底様分子サブタイプ(23、24) (それぞれ、80%, 89%および58%)のような以前に報告された貧弱な予測サインによれば、殆ど貧弱な予測であった。
さらに、乳癌患者の上記各コホートにおいて利用し得る臨床病理変動要因を分析したとき、高および低リスク群間に、年齢、リンパ節状態または原発性腫瘍サイズに関しての差異は見出せず、一方、殆どの高リスク患者およびその腫瘍は、ホルモンレセプター陰性で且つ等級3であるようであった。
上記6種遺伝子分類因子がこれらの標準臨床パラメーターとは無関係にリスク層化を改善したことを確かするため、多変量コックス比例ハザード解析を複合コホート(n = 721)に対して行った(エストロゲンレセプターおよびリンパ節状態パラメーターのみが患者全員について入手可能であった、表7)。コックスモデルは、上記6種遺伝子サインとエストロゲンレセプター状態が肺転移の独立した予測因子であることを示していた(それぞれ、p =0.01および0.04)。上記6種遺伝子サインは、乳癌における肺転移後の有意な予測因子である。上記6種遺伝子サインは、ERおよびリンパ節状態が提供する情報を上回る新規且つ重要な予測情報を追加していた。
最後に、本発明の肺転移サインの予測値をMDA-MB-231マウスモデルに由来するサイン(LMS) (Minn等、2007年)と比較した。これらの2つのサインは、オーバーラップを有しない異なる遺伝子群の発現パターンに特徴を有する。721例のサンプルの同じ群において評価したとき、異なる由来にもかかわらず、これらのサインは、オーバーラップし且つ一致した予測結果を提供していたことを観察している。各サインは、同じ患者を乳癌肺転移の高または低リスク群に割り当てた。事実、2つのモデルは、その肺転移予測において高レベルの一致を有する。また、LMG+として同定したほぼ全ての腫瘍を、上記6種遺伝子サインを有するものとして分類した。LSMと本発明の6種遺伝子サインは、乳癌患者の肺転移に関連する帰結分類において85%の一致を示した(カッパ係数 =
0.57)。これらの結果は、遺伝子オーバーラップが存在せず且つ異なる生物学的モデルを使用しているにもかかわらず、帰結予測が、おそらくはこれらのサインが臓器特異性転移癌フェノタイプを授与する共通の生物学的特性群を追跡していることから常に同様であることを示唆している。
従って、上記2つのモデルの一緒の使用がいすれか一方の単独での使用よりも良好なモデルを生ずるかどうかを判断するために、上記2つのモデルの共通の知見に基づく1つのモデルを独立して誘導した。このモデルのカプラン・マイヤー解析に従う性能は、上記2つのモデルの各々よりもとりわけ良好であり(図5B)、2つの異なる試みに由来する遺伝子サインは、“トップダウン”および“ボトムアップ”戦略にそれぞれ相応する70種遺伝子およびWRサイン(Chang等、2005年)において最近報告されているように、相補的であり得ることを示唆している。
さらに、図6に示すように、11種遺伝子骨転移サインを高度に発現する原発性腫瘍は、より骨に再発しやすい。
また、表8は、乳癌の骨および非骨転移癌の階級比較から得られた最高格付け遺伝子を示している。

Claims (16)

  1. 下記の工程を含むことを特徴とする、乳癌に侵されている患者における転移発生の生体外予測方法:
    a) 検査すべき患者から前以って採集した乳房腫瘍組織サンプルを用意する工程;
    b) 前記乳房腫瘍組織サンプルにおいて、1以上の組織または臓器内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーの発現を判定することからなり、前記1種以上の生物学的マーカーを、下記からなる群から選択する工程:
    (i) CLEC4A、MFNG、NXF1、FAM78A、KCTD1、BAIAP2L1、PTPN22、MEGF10、PERP、PSTPIP1、FLI1、COL6A2、CD4、CFD、ZFHX1B、CD33、LST1、MMRN2、SH2D3C、RAMP3、FAM26B、ILK、TM6SF1、C10orf54、CLEC3B、IL2RG、HOM-TES-103、ZNF23、STK35、TNFAIP8L2、RAMP2、ENG、ACRBP, TBC1D10C、C11orf48、EBNA1BP2、HSPE1、GAS6、HCK、SLC2A5、RASA3、ZNF57、WASPIP、KCNK1、GPSM3、ADCY4、AIF1、NCKAP1、AMICA1、POP7、GMFG、PPM1M、CDGAP、GIMAP1、ARHGAP9、APOB48R、OCIAD2、FLRT2、P2RY8、RIPK4、PECAM1、URP2、BTK、APBB1IP、CD37、STARD8、GIMAP6、E2F6、WAS、HLA-DQB1、HVCN1、LOC56902、ORC5L、MEF2C、PLCL2、PLAC9、RAC2、SYNE1、DPEP2、MYEF2、HSPD1、PSCD4、NXT1、LOC340061、ITGB3、AP1S2、SNRPG、CSF1、BIN2、ANKRD47、LIMS2、DARC、PTPN7、MSH6、GGTA1、LRRC33、GDPD5、CALCOCO1、FAM110C、BCL6B、LOC641700、ARHGDIB、DAAM2、TNFRSF14、TPSAB1、CSF2RA、RCSD1、FLJ21438、LOC133874、GSN、SLIT3、FYN、NCF4、PTPRC、EVI2B、SCRIB、C11orf31、LOC440731、TFAM、ARPC5L、PARVG、GRN、LMO2、CRSP8、EHBP1L1、HEATR2、NAALADL1、LTB、STRBP、FAM65A、ADARB1、TMEM140、DENND1C、PRPF19、CASP10、SLC37A2、RHOJ、MPHOSPH10、PPIH、RASSF1、HCST、C16orf54、EPB41L4B、LRMP、LAPTM5、PRDM2、CYGB、LYCAT、ACP5、CMKLR1、UBE1L、MAN2C1、TNFSF12、C7orf24、Cxorf15、CUL1、SMAD7、ITGB7、APOL3、PGRMC1、PPA1、YES1、FBLN1、MRC2、PTK9L、LRP1、IGFBP5、WDR3、GTPBP4、SPI1、SELPLG、OSCAR、LYL1、POLR2H、YWHAQ、ISG20L2、LGI14、KIF5B、NGRN、TYROBP、C5orf4、COX7A2、S100A4、MATK、TMEM33、DOK3、LOC150166、CIRBP、NIN、C10orf72、FMNL1、FAT3、CHKB/CPT1B、SNRPA1、GIMAP4、C20orf18、LTBP2、GAB3、NQO1、MARCH2、MYO1F、CDS1、SRD5A1、C20orf160、SLAMF7、ACTL6A、ABP1、RAE1、MAF、SEMA3G、P2RY13、ZDHHC7、ERG、FHL1、CLEC10A、INTS5、MYO15B、CTSW、PILRA、HN1、SCARA5、PRAM1、EBP、SIGLEC9、LGP1、DGUOK、GGCX、RABL5、ZBTB16、TPSAB1、NOP5/NOP58、CCND2、CD200、EPPK1、DKFZp586CO721、CCT6A、RIPK3、ARHGAP25、GNAI2、USP4、FAHD2A、LOC399959、LOC133308、HKDC1、CD93、GTF3C4、ITGB2、ELOVL6、TGFB1I1、ASCC3L1、FES、KCNMB1、AACS、ATP6VOD2、TMEM97、NUDT15、ATP6V1B2、CCDC86、FLJ10154、SCARF2、PRELP、ACHE、GIMAP8、PDE4DIP、NKG7、C20orf59、RHOG、TRPV2、TCP1、TNRC8、TNS1、IBSP、MMP9、NRIP2、OLFML2B、OMD、WIF1、ZEB2、ARL8、COL12A1、EBFおよびEBF3からなる群から選ばれる、骨組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
    (ii) DSC2、HORMAD1、PLEKHG4、ODF2L、C21orf91、TFCP2L1、TTMA、CHODL、CALB2、UGT8、LOC146795、C1orf210、SIKE、ITGB8、PAQR3、ANP32E、C20orf42/FERMT1、ELAC1、GYLTL1B、SPSB1、CHRM3、PTEN、PIGL、CHRM3、CDH3からなる群から選ばれる、肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
    (iii) TBX3、SYT17、LOC90355、AGXT2L1、LETM2、LOC145820、ZNF44、IL20RA、ZMAT1、MYRIP、WHSC1L1、SELT、GATA2、ARPC2、CAB39L、SLCl6A3、DHFRL1、PRRT3、CYP3A5、RPS6KA5、KIAA1505、ATP5S、ZFYVE16、KIAA0701、PEBP1、DDHD2、WWP1、CCNL1、ROBO2、FAM111B、THRAP2、CRSP9、KARCA1、SLC16A3、ARID4A、TCEAL1、SCAMP1、KIAAO701、EIF5A、DDX46、PEX7、BCL2L11、YBX1、UBE21、REXO2、AXUD1、C10orf2、ZNF548、FBXL16、LOC439911、LOC283874、ZNF587、FLJ20366、KIAAO888、BAG4、CALU、KIAA1961、USP30、NR4A2、FOXA1、FBXO15、WNK4、CDIPT、NUDT16L1、SMAD5、STXBP4、TTC6、LOC113386、TSPYL1、CIP29、C8orf1、SYDE2、SLC12A8、SLC25A18、C7、STAU2、TSC22D2、GADD45G、PHF3、TNRC6C、TCEAL3、RRN3、C5orf24、AHCTF1、LOC92497からなる群から選ばれる、肝組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;および、
    (iv) LOC644215、BAT1、GPR75、PPWD1、INHA、PDGFRA、MLL5、RPS23、ANTXR1、ARRDC3、PTK2、SQSTM1、METTL7A、NPHP3、PKP2、DDX31、FAM119A、LLGL2、DDX27、TRA16、HOXB13、GNAS、CSPP1、COL8A1、RSHL1、DCBLD2、UBXD8、SURF2、ZNF655、RAC3、AP4M1、HEG1、PCBP2、SLC30A7、ATAD3A/ATAD3B、CHI3L1、MUC6、HMG20B、BCL7A、GGN、ARHGEF3、PALLD、TOP1、PCTK1、C20orf4、ZBTB1、MSH6、SETD5、POSTN、MOCS3、GABPA、ZSWIM1、ZNHIT2、LOC653352、ELL、ARPC4、ZNF277、VAV2、HNRPH3、LHX1、FAM83A、DIP2B、RBM10、PMPCA、TYSND1、RAB4B、DLC1、KIAA2018、TES、TFDP2、C3orf10、ZBTB38、PSMD7、RECK、JMJD1C、FLJ20273、CENPB、PLAC2、C6orf111、ATP10D、RNF146、XRRA1、NPAS2、APBA2BP、WDR34、SLK、SBF2、SON、MORC3、C3orf63、WDR54、STX7、ZNF512、KLHL9、LOC284889、ETV4、RMND5B、ARMCX1、SLC29A4、TRIB3、LRRC23、DDIT3、THUMPD3、MICAL-L2、PA2G4、TSEN54、LAS1L、MEA1、S100PBP、TRAF2、EMILIN3、KIAA1712、PRPF6、CHD9、JMJD1B、ANKS1A、CAPN5、EPC2、WBSCR27、CYB561、LLGL1、EDD1からなる群から選ばれる、脳組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
    c) 1以上の組織または臓器内の転移発生を、1種以上の前記生物学的マーカーが、相応する組織または臓器内での転移を被っていない患者の乳房腫瘍サンプルにおいて測定したその相応する発現量と比較したとき、脱制御発現量を有する場合に予測する工程。
  2. 工程b)において、前記1種以上の生物学的マーカーを下記からなる群から選択する、請求項1記載の生体外方法:
    (i) CLEC4A、MFNG、NXF1、FAM78A、KCTD1、BAIAP2L1、PTPN22、MEGF10、PERP、PSTPIP1、FL11、COL6A2、CD4、CFD、ZFHX1B、CD33、MMRN2、LST1、SH2D3CおよびRAMP3からなる群から選ばれる、骨組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
    (ii) DSC2、HORMAD1、PLEKHG4、ODF2L、c21orf91、TFCP2L1、CHODL、CALB2、UGT8、c1orf210、SIKE、ITGB8、PAQR3、ANP32E、KIND1、ELAC1、GYLTL1B、SPSB1、PTENおよびCHRM3からなる群から選ばれる、肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
    (iii) TBX3、c5orf30、AGXT2L1、LETM2、ZNF44、IL20RA、ZMAT1、MYRIP、WHSC1L1、SELT、GATA2、DHFRL1、ARPC2、SLC16A3、GNPTG、PRRT3、RPS6KA5、K1AA1505、ZFYVE16およびK1AA0701からなる群から選ばれる、肝組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;および、
    (iv) PPWD1、INHA、PDGFRA、MLL5、RPS23、ANTXR1、ARRDC3、METTL7A、NPHP3、PKP2、DDX27、TRA16、HOXB13、CSPP1、RSHL1、DCBLD2、UBXD8、SURF2、ZNF655およびRAC3からなる群から選ばれる、脳組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー。
  3. 工程b)において、前記1種以上の生物学的マーカーを下記からなるマーカー群から選択する、請求項1記載の生体外方法:
    (i) KTCD1、BAIAP2L1、PERP、CFD、CD4、COL6A2、FLI1、PSTPIP1、MGF10、PTPN22、FAM78A、NXF1、MFNGおよびCLEC4Aからなる、骨転移特異性マーカーの群;
    (ii) KIND1、ELAC1、ANP32E、PAQR3、ITGB8、c1orf210、SIKE、UGT8、CALB2、CHODL、c21orf91、TFCP2L1、ODF2L、HORMAD1、PLEKHG4およびDSC2からなる、肺転移特異性マーカーの群;
    (iii) GATA2、SELT、WHSC1L1、MYRIP、ZMAT1、IL20RA、ZNF44、LETM2、AGXT2L1、c5orf30およびTBX3からなる、肝転移特異性マーカーの群;
    (iv) PPWD1、PDGFRA、MLL5、RPS23、ANTXR1、ARRDC3、METTL7A、NPHP3、RSHL1、CSPP1、HOXB13、TRA16、DDX27、PKP2およびINHAからなる、脳転移特異性マーカーの群。
  4. 工程b)において、前記1種以上の生物学的マーカーを下記からなるマーカー群から選択する、請求項1記載の生体外方法:
    (i) BAIAP2L1、PERP、CFD、CD4、COL6A2、FLI1、PSTPIP1、MGF10、PTPN22、FAM78A、NXF1、MFNGおよびCLEC4Aからなる、骨転移特異性マーカーの群;
    (ii) KIND1、ANP32E、ITGB8、UGT8、TFCP2L1、HORMAD1およびDSC2からなる、肺転移特異性マーカーの群;
    (iii) GATA2、WHSC1L1、LETM2、AGXT2L1およびTBX3からなる、肝転移特異性マーカーの群;
    (iv) PPWD1、PDGFRA、ANTXR1、ARRDC3およびDDX27からなる、脳転移特異性マーカーの群。
  5. 工程b)において、群(i)、(ii)、(iii)および(iv)の各々から選ばれる少なくとも1種の生物学的マーカーを定量する、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 工程b)において、群(i)、(ii)、(iii)および(iv)に由来する全ての生物学的マーカーを定量する、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  7. 工程b)において、検出および/または定量する前記1種以上の肺特異性生物学的マーカーを、DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1からなる群から選択する、請求項1記載の方法。
  8. 工程b)において、検出および/または定量する前記1種以上の骨特異性生物学的マーカーを、KCNK1、CLEC4A、MFNG、NXF1、PTPN22、PERP、PSTPIP1、FL11、COL6A2、CD4およびCFDからなる群から選択する、請求項7記載の方法。
  9. 工程b)が、DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1からなる肺特異性マーカー群に含まれる全ての肺特異性マーカーを検出および/または定量することからなる、請求項1記載の方法。
  10. 工程b)において、前記1種以上の生物学的マーカーを、前記乳房腫瘍組織サンプルを遺伝子発現分析法に供することによって定量する、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 工程b)において、前記1種以上の生物学的マーカーを、前記乳房腫瘍組織サンプルを免疫組織化学分析法に供することによって定量する、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  12. 患者における転移発生の生体外予測用のキットであって、1以上の組織または臓器内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーを定量する手段を含み、前記1種以上の生物学的マーカーが下記からなる群から選ばれることを特徴とする前記キット:
    (i) CLEC4A、MFNG、NXF1、FAM78A、KCTD1、BAIAP2L1、PTPN22、MEGF10、PERP、PSTPIP1、FLI1、COL6A2、CD4、CFD、ZFHX1B、CD33、LST1、MMRN2、SH2D3C、RAMP3、FAM26B、ILK、TM6SF1、C10orf54、CLEC3B、IL2RG、HOM-TES-103、ZNF23、STK35、TNFAIP8L2、RAMP2、ENG、ACRBP, TBC1D10C、C11orf48、EBNA1BP2、HSPE1、GAS6、HCK、SLC2A5、RASA3、ZNF57、WASPIP、KCNK1、GPSM3、ADCY4、AIF1、NCKAP1、AMICA1、POP7、GMFG、PPM1M、CDGAP、GIMAP1、ARHGAP9、APOB48R、OCIAD2、FLRT2、P2RY8、RIPK4、PECAM1、URP2、BTK、APBB1IP、CD37、STARD8、GIMAP6、E2F6、WAS、HLA-DQB1、HVCN1、LOC56902、ORC5L、MEF2C、PLCL2、PLAC9、RAC2、SYNE1、DPEP2、MYEF2、HSPD1、PSCD4、NXT1、LOC340061、ITGB3、AP1S2、SNRPG、CSF1、BIN2、ANKRD47、LIMS2、DARC、PTPN7、MSH6、GGTA1、LRRC33、GDPD5、CALCOCO1、FAM110C、BCL6B、LOC641700、ARHGDIB、DAAM2、TNFRSF14、TPSAB1、CSF2RA、RCSD1、FLJ21438、LOC133874、GSN、SLIT3、FYN、NCF4、PTPRC、EVI2B、SCRIB、C11orf31、LOC440731、TFAM、ARPC5L、PARVG、GRN、LMO2、CRSP8、EHBP1L1、HEATR2、NAALADL1、INPP5D、LTB、STRBP、FAM65A、ADARB1、TMEM140、DENND1C、PRPF19、CASP10、SLC37A2、RHOJ、MPHOSPH10、PPIH、RASSF1、HCST、C16orf54、EPB41L4B、LRMP、LAPTM5、PRDM2、CYGB、LYCAT、ACP5、CMKLR1、UBE1L、MAN2C1、TNFSF12、C7orf24、Cxorf15、CUL1、SMAD7、ITGB7、APOL3、PGRMC1、PPA1、YES1、FBLN1、MRC2、PTK9L、LRP1、IGFBP5、WDR3、GTPBP4、SPI1、SELPLG、OSCAR、LYL1、POLR2H、YWHAQ、ISG20L2、LGI14、KIF5B、NGRN、TYROBP、C5orf4、COX7A2、S100A4、MATK、TMEM33、DOK3、LOC150166、CIRBP、NIN、C10orf72、FMNL1、FAT3、CHKB/CPT1B、SNRPA1、GIMAP4、C20orf18、LTBP2、GAB3、NQO1、MARCH2、MYO1F、CDS1、SRD5A1、C20orf160、SLAMF7、ACTL6A、ABP1、RAE1、MAF、SEMA3G、P2RY13、ZDHHC7、ERG、FHL1、CLEC10A、INTS5、MYO15B、CTSW、PILRA、HN1、SCARA5、PRAM1、EBP、SIGLEC9、LGP1、DGUOK、GGCX、RABL5、ZBTB16、TPSAB1、NOP5/NOP58、CCND2、CD200、EPPK1、DKFZp586CO721、CCT6A、RIPK3、ARHGAP25、GNAI2、USP4、FAHD2A、LOC399959、LOC133308、HKDC1、CD93、GTF3C4、ITGB2、ELOVL6、TGFB1I1、ASCC3L1、FES、KCNMB1、AACS、ATP6VOD2、TMEM97、NUDT15、ATP6V1B2、CCDC86、FLJ10154、SCARF2、PRELP、ACHE、GIMAP8、PDE4DIP、NKG7、C20orf59、RHOG、TRPV2、TCP1、TNRC8、TNS1、IBSP、MMP9、NRIP2、OLFML2B、OMD、WIF1、ZEB2、ARL8、COL12A1、EBFおよびEBF3からなる群から選ばれる、骨組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
    (ii) DSC2、HORMAD1、PLEKHG4、ODF2L、C21orf91、TFCP2L1、TTMA、CHODL、CALB2、UGT8、LOC146795、C1orf210、SIKE、ITGB8、PAQR3、ANP32E、C20orf42、ELAC1、GYLTL1B、SPSB1、CHRM3、PTEN、PIGL、CHRM3、CDH3からなる群から選ばれる、肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
    (iii) TBX3、SYT17、LOC90355、AGXT2L1、LETM2、LOC145820、ZNF44、IL20RA、ZMAT1、MYRIP、WHSC1L1、SELT、GATA2、ARPC2、CAB39L、SLCl6A3、DHFRL1、PRRT3、CYP3A5、RPS6KA5、KIAA1505、ATP5S、ZFYVE16、KIAA0701、PEBP1、DDHD2、WWP1、CCNL1、ROBO2、FAM111B、THRAP2、CRSP9、KARCA1、SLC16A3、ARID4A、TCEAL1、SCAMP1、KIAAO701、EIF5A、DDX46、PEX7、BCL2L11、YBX1、UBE21、REXO2、AXUD1、C10orf2、ZNF548、FBXL16、LOC439911、LOC283874、ZNF587、FLJ20366、KIAAO888、BAG4、CALU、KIAA1961、USP30、NR4A2、FOXA1、FBXO15、WNK4、CDIPT、NUDT16L1、SMAD5、STXBP4、TTC6、LOC113386、TSPYL1、CIP29、C8orf1、SYDE2、SLC12A8、SLC25A18、C7、STAU2、TSC22D2、GADD45G、PHF3、TNRC6C、TCEAL3、RRN3、C5orf24、AHCTF1、LOC92497からなる群から選ばれる、肝組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;および、
    (iv) LOC644215、BAT1、GPR75、PPWD1、INHA、PDGFRA、MLL5、RPS23、ANTXR1、ARRDC3、PTK2、SQSTM1、METTL7A、NPHP3、PKP2、DDX31、FAM119A、LLGL2、DDX27、TRA16、HOXB13、GNAS、CSPP1、COL8A1、RSHL1、DCBLD2、UBXD8、SURF2、ZNF655、RAC3、AP4M1、HEG1、PCBP2、SLC30A7、ATAD3A/ATAD3B、CHI3L1、MUC6、HMG20B、BCL7A、GGN、ARHGEF3、PALLD、TOP1、PCTK1、C20orf4、ZBTB1、MSH6、SETD5、POSTN、MOCS3、GABPA、ZSWIM1、ZNHIT2、LOC653352、ELL、ARPC4、ZNF277、VAV2、HNRPH3、LHX1、FAM83A、DIP2B、RBM10、PMPCA、TYSND1、RAB4B、DLC1、KIAA2018、TES、TFDP2、C3orf10、ZBTB38、PSMD7、RECK、JMJD1C、FLJ20273、CENPB、PLAC2、C6orf111、ATP10D、RNF146、XRRA1、NPAS2、APBA2BP、WDR34、SLK、SBF2、SON、MORC3、C3orf63、WDR54、STX7、ZNF512、KLHL9、LOC284889、ETV4、RMND5B、ARMCX1、SLC29A4、TRIB3、LRRC23、DDIT3、THUMPD3、MICAL-L2、PA2G4、TSEN54、LAS1L、MEA1、S100PBP、TRAF2、EMILIN3、KIAA1712、PRPF6、CHD9、JMJD1B、ANKS1A、CAPN5、EPC2、WBSCR27、CYB561、LLGL1、EDD1からなる群から選ばれる、脳組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー。
  13. 肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーを定量する手段を含み、前記1種以上の生物学的マーカーが、DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1からなる群から選ばれる、請求項12記載のキット。
  14. 乳癌に侵されている患者の製薬剤による治療処置の抗転移効果のモニタリング用キットであって、1以上の組織または臓器内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーを定量する手段を含み、前記1種以上の生物学的マーカーが下記からなる群から選ばれることを特徴とする前記キット:
    (i) CLEC4A、MFNG、NXF1、FAM78A、KCTD1、BAIAP2L1、PTPN22、MEGF10、PERP、PSTPIP1、FLI1、COL6A2、CD4、CFD、ZFHX1B、CD33、LST1、MMRN2、SH2D3C、RAMP3、FAM26B、ILK、TM6SF1、C10orf54、CLEC3B、IL2RG、HOM-TES-103、ZNF23、STK35、TNFAIP8L2、RAMP2、ENG、ACRBP, TBC1D10C、C11orf48、EBNA1BP2、HSPE1、GAS6、HCK、SLC2A5、RASA3、ZNF57、WASPIP、KCNK1、GPSM3、ADCY4、AIF1、NCKAP1、AMICA1、POP7、GMFG、PPM1M、CDGAP、GIMAP1、ARHGAP9、APOB48R、OCIAD2、FLRT2、P2RY8、RIPK4、PECAM1、URP2、BTK、APBB1IP、CD37、STARD8、GIMAP6、E2F6、WAS、HLA-DQB1、HVCN1、LOC56902、ORC5L、MEF2C、PLCL2、PLAC9、RAC2、SYNE1、DPEP2、MYEF2、HSPD1、PSCD4、NXT1、LOC340061、ITGB3、AP1S2、SNRPG、CSF1、BIN2、ANKRD47、LIMS2、DARC、PTPN7、MSH6、GGTA1、LRRC33、GDPD5、CALCOCO1、FAM110C、BCL6B、LOC641700、ARHGDIB、DAAM2、TNFRSF14、TPSAB1、CSF2RA、RCSD1、FLJ21438、LOC133874、GSN、SLIT3、FYN、NCF4、PTPRC、EVI2B、SCRIB、C11orf31、LOC440731、TFAM、ARPC5L、PARVG、GRN、LMO2、CRSP8、EHBP1L1、HEATR2、NAALADL1、INPP5D、LTB、STRBP、FAM65A、ADARB1、TMEM140、DENND1C、PRPF19、CASP10、SLC37A2、RHOJ、MPHOSPH10、PPIH、RASSF1、HCST、C16orf54、EPB41L4B、LRMP、LAPTM5、PRDM2、CYGB、LYCAT、ACP5、CMKLR1、UBE1L、MAN2C1、TNFSF12、C7orf24、Cxorf15、CUL1、SMAD7、ITGB7、APOL3、PGRMC1、PPA1、YES1、FBLN1、MRC2、PTK9L、LRP1、IGFBP5、WDR3、GTPBP4、SPI1、SELPLG、OSCAR、LYL1、POLR2H、YWHAQ、ISG20L2、LGI14、KIF5B、NGRN、TYROBP、C5orf4、COX7A2、S100A4、MATK、TMEM33、DOK3、LOC150166、CIRBP、NIN、C10orf72、FMNL1、FAT3、CHKB/CPT1B、SNRPA1、GIMAP4、C20orf18、LTBP2、GAB3、NQO1、MARCH2、MYO1F、CDS1、SRD5A1、C20orf160、SLAMF7、ACTL6A、ABP1、RAE1、MAF、SEMA3G、P2RY13、ZDHHC7、ERG、FHL1、CLEC10A、INTS5、MYO15B、CTSW、PILRA、HN1、SCARA5、PRAM1、EBP、SIGLEC9、LGP1、DGUOK、GGCX、RABL5、ZBTB16、TPSAP1、NOP5/NOP58、CCND2、CD200、EPPK1、DKFZp586CO721、CCT6A、RIPK3、ARHGAP25、GNAI2、USP4、FAHD2A、LOC399959、LOC133308、HKDC1、CD93、GTF3C4、ITGB2、ELOVL6、TGFB1I1、ASCC3L1、FES、KCNMB1、AACS、ATP6VOD2、TMEM97、NUDT15、ATP6V1B2、CCDC86、FLJ10154、SCARF2、PRELP、ACHE、GIMAP8、PDE4DIP、NKG7、C20orf59、RHOG、TRPV2、TCP1、TNRC8、TNS1、IBSP、MMP9、NRIP2、OLFML2B、OMD、WIF1、ZEB2、ARL8、COL12A1、EBFおよびEBF3からなる群から選ばれる、骨組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
    (ii) DSC2、HORMAD1、PLEKHG4、ODF2L、C21orf91、TFCP2L1、TTMA、CHODL、CALB2、UGT8、LOC146795、C1orf210、SIKE、ITGB8、PAQR3、ANP32E、C20orf42、ELAC1、GYLTL1B、SPSB1、CHRM3、PTEN、PIGL、CHRM3、CDH3からなる群から選ばれる、肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;
    (iii) TBX3、SYT17、LOC90355、AGXT2L1、LETM2、LOC145820、ZNF44、IL20RA、ZMAT1、MYRIP、WHSC1L1、SELT、GATA2、ARPC2、CAB39L、SLCl6A3、DHFRL1、PRRT3、CYP3A5、RPS6KA5、KIAA1505、ATP5S、ZFYVE16、KIAA0701、PEBP1、DDHD2、WWP1、CCNL1、ROBO2、FAM111B、THRAP2、CRSP9、KARCA1、SLC16A3、ARID4A、TCEAL1、SCAMP1、KIAAO701、EIF5A、DDX46、PEX7、BCL2L11、YBX1、UBE21、REXO2、AXUD1、C10orf2、ZNF548、FBXL16、LOC439911、LOC283874、ZNF587、FLJ20366、KIAAO888、BAG4、CALU、KIAA1961、USP30、NR4A2、FOXA1、FBXO15、WNK4、CDIPT、NUDT16L1、SMAD5、STXBP4、TTC6、LOC113386、TSPYL1、CIP29、C8orf1、SYDE2、SLC12A8、SLC25A18、C7、STAU2、TSC22D2、GADD45G、PHF3、TNRC6C、TCEAL3、RRN3、C5orf24、AHCTF1、LOC92497からなる群から選ばれる、肝組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー;および、
    (iv) LOC644215、BAT1、GPR75、PPWD1、INHA、PDGFRA、MLL5、RPS23、ANTXR1、ARRDC3、PTK2、SQSTM1、METTL7A、NPHP3、PKP2、DDX31、FAM119A、LLGL2、DDX27、TRA16、HOXB13、GNAS、CSPP1、COL8A1、RSHL1、DCBLD2、UBXD8、SURF2、ZNF655、RAC3、AP4M1、HEG1、PCBP2、SLC30A7、ATAD3A/ATAD3B、CHI3L1、MUC6、HMG20B、BCL7A、GGN、ARHGEF3、PALLD、TOP1、PCTK1、C20orf4、ZBTB1、MSH6、SETD5、POSTN、MOCS3、GABPA、ZSWIM1、ZNHIT2、LOC653352、ELL、ARPC4、ZNF277、VAV2、HNRPH3、LHX1、FAM83A、DIP2B、RBM10、PMPCA、TYSND1、RAB4B、DLC1、KIAA2018、TES、TFDP2、C3orf10、ZBTB38、PSMD7、RECK、JMJD1C、FLJ20273、CENPB、PLAC2、C6orf111、ATP10D、RNF146、XRRA1、NPAS2、APBA2BP、WDR34、SLK、SBF2、SON、MORC3、C3orf63、WDR54、STX7、ZNF512、KLHL9、LOC284889、ETV4、RMND5B、ARMCX1、SLC29A4、TRIB3、LRRC23、DDIT3、THUMPD3、MICAL-L2、PA2G4、TSEN54、LAS1L、MEA1、S100PBP、TRAF2、EMILIN3、KIAA1712、PRPF6、CHD9、JMJD1B、ANKS1A、CAPN5、EPC2、WBSCR27、CYB561、LLGL1、EDD1からなる群から選ばれる、脳組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカー。
  15. 肺組織内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーを定量する手段を含み、前記1種以上の生物学的マーカーが、DSC2、TFCP2L1、UGT8、ITGB8、ANP32EおよびFERMT1からなる群から選ばれる、請求項14記載のキット。
  16. 下記の工程を含むことを特徴とする、乳癌に侵されている患者の1以上の組織または臓器内での転移発生を指標する1種以上の生物学的マーカーの選択方法:
    a) 組織サンプル中の1種以上の生物学的マーカーを検出および/または定量する手段を用意する工程;
    b) 乳癌患者に由来する複数の転移組織サンプル収集物(これらの収集物は、各々、転移乳癌患者の独自の組織タイプに由来する転移に由来する複数の組織サンプルからなる)を用意する工程;
    c) 前記1種以上の生物学的マーカーの各々を、各組織サンプル収集物中に含まれている組織サンプル毎に個別に検出および/または定量する工程;
    d) 工程c)において検出および/または定量する生物学的マーカー群において、工程b)において用意した複数の組織サンプル収集物に含まれる1つの組織サンプル収集物中でのみ専ら発現するマーカーを選択し、それによって、1群のマーカー(この群のマーカーは、その発現が乳癌患者の特定の組織内での転移発生の可能性を示すマーカーを含む)を組織サンプル収集物毎に選択する工程。
JP2009551932A 2007-02-26 2008-02-26 乳癌患者における転移発生の予測方法 Pending JP2010518878A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP07300823A EP1961825A1 (en) 2007-02-26 2007-02-26 Method for predicting the occurrence of metastasis in breast cancer patients
PCT/EP2008/052318 WO2008104543A2 (en) 2007-02-26 2008-02-26 Method for predicting the occurrence of metastasis in breast cancer patients

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010518878A true JP2010518878A (ja) 2010-06-03

Family

ID=38561766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009551932A Pending JP2010518878A (ja) 2007-02-26 2008-02-26 乳癌患者における転移発生の予測方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20100113297A1 (ja)
EP (3) EP1961825A1 (ja)
JP (1) JP2010518878A (ja)
AU (1) AU2008220841A1 (ja)
CA (1) CA2679208A1 (ja)
IL (1) IL200181A0 (ja)
WO (1) WO2008104543A2 (ja)
ZA (1) ZA200905897B (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013541339A (ja) * 2010-10-06 2013-11-14 フンダシオ プリバーダ インスティトゥト デ レセルカ ビオメディカ 乳がん転移の診断、予後診断、および処置のための方法
JP2014513790A (ja) * 2010-12-29 2014-06-05 エクスプレッション、パソロジー、インコーポレイテッド 後期乳癌のタンパク質バイオマーカー
JP2014532409A (ja) * 2011-10-24 2014-12-08 ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション 癌のバイオマーカー
JP2015511121A (ja) * 2012-01-20 2015-04-16 ジ・オハイオ・ステート・ユニバーシティ 浸潤性および予後に関する乳がんバイオマーカーシグネチャー
JP2015520606A (ja) * 2012-04-09 2015-07-23 フンダシオ プリバーダ インスティトゥト デ レセルカ ビオメディカ がん転移の予後診断および処置のための方法
JP2017503523A (ja) * 2014-01-22 2017-02-02 ユニヴァーシティー オブ ウルサン ファウンデイション フォー インダストリー コーオペレイション Nudt15遺伝子内の単一塩基多型マーカーを含むチオプリン誘導白血球減少症の発病危険予測用組成物
CN110004228A (zh) * 2019-04-03 2019-07-12 清华大学深圳研究生院 一种与乳腺癌分子分型相关的诊断标志物及其用途
JP2019520038A (ja) * 2016-04-21 2019-07-18 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー 黒色腫およびその他のがんに対する免疫療法
WO2021137506A1 (ko) * 2019-12-31 2021-07-08 한국원자력연구원 Wdr34 억제제를 포함하는 암줄기세포 성장 억제용 조성물 및 그 용도
KR102293110B1 (ko) * 2020-12-07 2021-08-25 주식회사 온코크로스 Ai를 이용한 유방암 예후 예측 방법

Families Citing this family (81)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2009218460A1 (en) * 2008-02-27 2009-09-03 Universiteit Gent Use of SIP1 as determinant of breast cancer stemness
US8034910B2 (en) 2008-05-06 2011-10-11 Academia Sinica, Taiwan SUMO fusion protein expression system for producing native proteins
JP2010043063A (ja) * 2008-05-09 2010-02-25 Agency For Science Technology & Research 川崎病の診断及び治療
JP5461959B2 (ja) * 2008-10-31 2014-04-02 株式会社Dnaチップ研究所 神経膠腫予後予測方法、およびそれに用いるキット
EP2352847B1 (en) 2008-11-10 2014-01-08 The United States of America, as represented by The Secretary, Department of Health and Human Services Gene signature for predicting prognosis of patients with solid tumors
GB0821787D0 (en) * 2008-12-01 2009-01-07 Univ Ulster A genomic-based method of stratifying breast cancer patients
WO2010120554A1 (en) * 2009-04-01 2010-10-21 The Regents Of The University Of California Detecting and treating breast cancer resistance to egfr inhibitors
WO2010118782A1 (en) * 2009-04-17 2010-10-21 Universite Libre De Bruxelles Methods and tools for predicting the efficiency of anthracyclines in cancer
ES2363669B1 (es) * 2009-06-10 2012-08-09 Fundacio Privada Institut D'investigacio Biomedica De Bellvitge (Idibell) Metodo para determinar el riesgo de desarrollar metastasis cerebral y un kit para llevar a cabo dicho procedimiento
US7615353B1 (en) * 2009-07-06 2009-11-10 Aveo Pharmaceuticals, Inc. Tivozanib response prediction
US20130029339A1 (en) 2009-09-09 2013-01-31 The General Hospital Corporation Use of microvesicles in analyzing kras mutations
EP3461912B1 (en) 2009-09-09 2022-07-13 The General Hospital Corporation Use of microvesicles in analyzing nucleic acid profiles
GB0922085D0 (en) 2009-12-17 2010-02-03 Cambridge Entpr Ltd Cancer diagnosis and treatment
JP5676892B2 (ja) * 2010-03-09 2015-02-25 河田 則文 サイトグロビン遺伝子ノックアウト非ヒト癌モデル動物
EP2383578A1 (en) * 2010-04-30 2011-11-02 Externautics S.p.A. Tumor marker and methods of use thereof
WO2012001178A1 (en) * 2010-07-02 2012-01-05 Vib Vzw The role of fragile x mental retardation gene and protein in cancer metastasis
WO2012031008A2 (en) 2010-08-31 2012-03-08 The General Hospital Corporation Cancer-related biological materials in microvesicles
EP2611933A1 (en) 2010-09-02 2013-07-10 INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) Method for the prognosis of the progression of cancer
US9670547B2 (en) 2010-09-15 2017-06-06 Almac Diagnostics Limited Molecular diagnostic test for cancer
ES2379918B1 (es) * 2010-10-06 2013-05-10 Fundació Privada Institut De Recerca Biomèdica Método para el diagnóstico, pronóstico y tratamiento de la metástasis de cáncer de mama.
CN103517990A (zh) 2010-10-07 2014-01-15 通用医疗公司 癌症生物标志物
WO2012060760A1 (en) * 2010-11-05 2012-05-10 Fujirebio Diagnostics Ab Molecular marker for cancer
WO2012064993A1 (en) 2010-11-10 2012-05-18 Exosome Diagnosties, Inc. Method for isolation of nucleic acid containing particles and extraction of nucleic acids therefrom
WO2012104210A1 (en) * 2011-01-31 2012-08-09 Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale Method for determining cancer prognosis
WO2012157239A1 (en) * 2011-05-16 2012-11-22 Oncotherapy Science, Inc. Chodl as tumor marker and therapeutic target for cancer
WO2013011153A2 (en) 2011-07-21 2013-01-24 Fundació Institut D'investigació Biomèdica De Bellvitge (Idibell) Method for the prognosis and treatment of metastasis in breast cancer
US8703425B2 (en) * 2011-09-12 2014-04-22 The Chinese University Of Hong Kong Biomarker for gastric cancer
EP2615181A1 (en) * 2012-01-10 2013-07-17 Universite Joseph Fourier - Grenoble 1 Cyclon expression for the identification and control of cancer cells
ES2705237T3 (es) * 2012-06-06 2019-03-22 Fundacio Inst De Recerca Biomedica Irb Barcelona Método para el diagnóstico y el pronóstico de metástasis del cáncer de pulmón
CA2880762A1 (en) * 2012-08-01 2014-02-06 Pacylex Pharmaceuticals Inc. Methods and compositions for diagnosis and prognosis in breast cancer
CN103656673B (zh) * 2012-08-29 2017-10-13 上海吉凯基因化学技术有限公司 人ywhaq基因的用途及其相关药物
CN110317811A (zh) * 2012-09-17 2019-10-11 霍夫曼-拉罗奇有限公司 Usp30抑制剂及其使用方法
JP2015533832A (ja) * 2012-10-09 2015-11-26 アイジェニカ バイオセラピューティクス インコーポレイテッド 抗C16orf54抗体およびその使用方法
US10119171B2 (en) 2012-10-12 2018-11-06 Inbiomotion S.L. Method for the diagnosis, prognosis and treatment of prostate cancer metastasis
KR101872965B1 (ko) * 2012-10-12 2018-06-29 인바이오모션 에스.엘. C―maf를 이용하는 전립선암 전이의 진단, 예후 및 치료 방법
US20160032399A1 (en) * 2013-03-15 2016-02-04 Inbiomotion S.L. Method for the Prognosis and Treatment of Renal Cell Carcinoma Metastasis
CN105431548A (zh) 2013-03-15 2016-03-23 生物医学研究机构基金会 用于癌转移的诊断、预后和治疗的方法
US10655187B2 (en) * 2013-04-18 2020-05-19 Gencurix Inc. Genetic marker for early breast cancer prognosis prediction and diagnosis, and use thereof
US20150005183A1 (en) * 2013-07-01 2015-01-01 Expression Pathology, Inc. Protein biomarkers of late stage breast cancer
WO2015013455A2 (en) * 2013-07-23 2015-01-29 Oncocyte Corp Methods and compositions for the treatment and diagnosis of cancer
US9550828B2 (en) * 2013-09-05 2017-01-24 Boise State University Oncostatin M (OSM) antagonists for preventing cancer metastasis and IL-6 related disorders
CN104436162A (zh) * 2013-09-24 2015-03-25 中国科学院上海生命科学研究院 抑制乳腺癌骨转移的方法和制剂
CA2926894A1 (en) 2013-10-09 2015-04-16 Fundacio Institut De Recerca Biomedica (Irb Barcelona) Method for the prognosis and treatment of metastasizing cancer of the bone originating from breast cancer
WO2015111852A1 (ko) * 2014-01-22 2015-07-30 울산대학교 산학협력단 Nudt15 유전자 내의 단일염기다형성 마커를 포함하는 티오퓨린 유도 백혈구 감소증 발병 위험 예측용 조성물
WO2015119362A1 (ko) * 2014-02-07 2015-08-13 아주대학교산학협력단 Rip3 발현촉진제를 유효성분으로 포함하는 항암보조용 조성물, rip3 발현을 촉진하여 항암제 감수성을 증진시키는 항암 보조제 스크리닝 방법 및 항암제 감수성 모니터링 방법
SG11201606439VA (en) * 2014-02-07 2016-09-29 Dong Wha Pharm Co Ltd Anticancer adjuvant composition containing rip3 expression promoter as active ingredient, method for screening for anticancer adjuvant enhancing sensitivity of anticancer drug by promoting rip3 expression, and method for monitoring sensitivity of anticancer drug
AU2015252961B2 (en) * 2014-04-30 2018-07-19 Expression Pathology, Inc. SRM/MRM assay for the tyrosine-protein kinase receptor UFO (AXL) protein
US20170226550A1 (en) * 2014-08-07 2017-08-10 Merck Sharp & Dohme Corp. Inhibitory rna for enhanced protein production in recombinant mammalian cells
KR101834378B1 (ko) * 2015-08-05 2018-03-06 아주대학교산학협력단 Rip3 발현촉진제를 유효성분으로 포함하는 항암보조용 조성물, rip3 발현을 촉진하여 항암제 감수성을 증진시키는 항암 보조제 스크리닝 방법 및 항암제 감수성 모니터링 방법
KR20170049024A (ko) * 2015-10-28 2017-05-10 숙명여자대학교산학협력단 ANKs1a 단백질 발현 또는 활성 억제제를 유효성분으로 포함하는 암 예방 또는 치료용 조성물 및 이의 스크리닝 방법
KR101888193B1 (ko) * 2016-02-19 2018-08-13 이화여자대학교 산학협력단 유방암 전이 진단 지표로서의 혈중 페리오스틴
CN117230193A (zh) 2016-05-25 2023-12-15 生物运动有限公司 基于c-maf状态的乳腺癌治疗性治疗
CN106244684B (zh) * 2016-07-29 2019-07-12 北京泱深生物信息技术有限公司 一种食管鳞癌的分子靶标
CN106636444B (zh) * 2017-02-28 2020-03-31 青岛泱深生物医药有限公司 Fam78a基因的用途
CN111133315A (zh) 2017-08-11 2020-05-08 得克萨斯州大学系统董事会 用于治疗癌症转移的靶向激酶
CN107367619A (zh) * 2017-08-30 2017-11-21 福建师范大学 Tcp1蛋白在制备乳腺癌术后预后评估试剂盒中的应用、乳腺癌预后评估试剂盒及方法
US20200323893A1 (en) * 2017-10-06 2020-10-15 The Regents Of The University Of Michigan Office Of Technology Transfer Detection of metastatic disease and related methods
CN109799347B (zh) * 2017-11-17 2022-06-28 瑞博奥(广州)生物科技股份有限公司 白血病生物标志物igfbp3及其应用
CN107904309B (zh) * 2017-11-20 2019-01-04 武汉迈特维尔生物科技有限公司 一种用于诊断预示三阴性型乳腺癌骨转移的基因诊断试剂盒
CA3082728A1 (en) 2017-11-22 2019-05-31 Inbiomotion S.L. Therapeutic treatment of breast cancer based on c-maf status
WO2019113744A1 (zh) * 2017-12-11 2019-06-20 中国科学院深圳先进技术研究院 以 tipe2 基因为靶点的肿瘤 mdsc 在制备预防或治疗肿瘤的药物中的应用
KR102083478B1 (ko) * 2017-12-28 2020-04-28 한양대학교 산학협력단 Chi3l1 억제제를 유효성분으로 하는 암의 폐 전이 예방 또는 치료용 약학 조성물
CN108753834B (zh) * 2018-05-28 2021-11-23 上海海洋大学 ddx27基因缺失斑马鱼突变体的制备方法
WO2019235729A1 (ko) * 2018-06-04 2019-12-12 울산대학교 산학협력단 인산화된 tfcp2l1을 포함하는 고형암 예후 예측용 바이오마커 조성물 및 이의 용도
KR102171774B1 (ko) * 2018-06-04 2020-10-29 울산대학교 산학협력단 인산화된 tfcp2l1을 포함하는 고형암 예후 예측용 바이오마커 조성물 및 이의 용도
CN111487408B (zh) * 2019-01-28 2023-04-07 中国科学院大连化学物理研究所 Calb2及定量检测calb2的试剂的应用及工具
CN109758576A (zh) * 2019-02-26 2019-05-17 南方医科大学南方医院 Dlc3用于制备靶向治疗胃癌的药物的用途
US11633457B2 (en) 2019-04-11 2023-04-25 Boise State University Pharmaceutical compositions comprising oncostatin m (OSM) antagonist derivatives and methods of use
CN110372779B (zh) * 2019-04-11 2020-06-16 南京医科大学 一种能保护及延长卵巢功能的多肽bpp及其应用
CN111041091B (zh) * 2019-07-05 2021-11-19 江苏医药职业学院 检测thump结构域蛋白3表达水平的试剂的应用和试剂盒
CN110358829A (zh) * 2019-07-09 2019-10-22 江苏医药职业学院 检测重组人肽基脯氨酰顺反异构酶-h表达水平的试剂的应用和试剂盒
CN110476843B (zh) * 2019-08-23 2022-03-01 上海海洋大学 Elovl6基因及其应用
KR102315706B1 (ko) * 2020-03-30 2021-10-21 한국원자력의학원 미세플라스틱 노출에 의해 유도되는 암 악성화 예후 예측용 바이오마커 조성물
KR20230041709A (ko) 2020-06-22 2023-03-24 리제너론 파마슈티칼스 인코포레이티드 G-단백질 결합 수용체 75 (gpr75) 억제제를 사용한 비만 치료
KR102434325B1 (ko) * 2020-07-20 2022-08-18 한양대학교 산학협력단 전이성 유방암 진단 또는 예후 예측용 마커 및 이의 용도
KR102434324B1 (ko) * 2020-07-20 2022-08-18 한양대학교 산학협력단 전이성 유방암 진단 또는 예후 예측용 마커 및 이의 용도
CN114107507B (zh) * 2021-09-29 2023-04-25 暨南大学 Zswim1蛋白在调控肺腺癌细胞增殖和转移中的应用
CN114317756B (zh) * 2022-01-07 2024-05-07 深圳市龙华区人民医院 标志物的应用
CN114561469B (zh) * 2022-03-19 2023-12-19 新乡医学院 Er阳性乳腺癌分子标志物及其应用
CN114561470B (zh) * 2022-03-19 2024-03-01 新乡医学院 三阴性乳腺癌分子标志物及其应用
CN117625790B (zh) * 2024-01-23 2024-04-19 杭州华得森生物技术有限公司 用于前列腺癌诊断和预后判断的生物标志物及其应用

Family Cites Families (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4683202A (en) 1985-03-28 1987-07-28 Cetus Corporation Process for amplifying nucleic acid sequences
US4868103A (en) 1986-02-19 1989-09-19 Enzo Biochem, Inc. Analyte detection by means of energy transfer
US5525464A (en) 1987-04-01 1996-06-11 Hyseq, Inc. Method of sequencing by hybridization of oligonucleotide probes
US5202231A (en) 1987-04-01 1993-04-13 Drmanac Radoje T Method of sequencing of genomes by hybridization of oligonucleotide probes
US5091206A (en) 1987-10-26 1992-02-25 Baxter Diagnostics Inc. Process for producing magnetically responsive polymer particles and application thereof
US6013531A (en) 1987-10-26 2000-01-11 Dade International Inc. Method to use fluorescent magnetic polymer particles as markers in an immunoassay
US4843155A (en) 1987-11-19 1989-06-27 Piotr Chomczynski Product and process for isolating RNA
GB8810400D0 (en) 1988-05-03 1988-06-08 Southern E Analysing polynucleotide sequences
US5800992A (en) 1989-06-07 1998-09-01 Fodor; Stephen P.A. Method of detecting nucleic acids
US6040138A (en) 1995-09-15 2000-03-21 Affymetrix, Inc. Expression monitoring by hybridization to high density oligonucleotide arrays
US5143854A (en) 1989-06-07 1992-09-01 Affymax Technologies N.V. Large scale photolithographic solid phase synthesis of polypeptides and receptor binding screening thereof
US5547839A (en) 1989-06-07 1996-08-20 Affymax Technologies N.V. Sequencing of surface immobilized polymers utilizing microflourescence detection
EP0430881A3 (en) 1989-11-29 1991-10-23 Ciba-Geigy Ag Photochromic compounds, process for their preparation and their use
US5288644A (en) 1990-04-04 1994-02-22 The Rockefeller University Instrument and method for the sequencing of genome
US5324633A (en) 1991-11-22 1994-06-28 Affymax Technologies N.V. Method and apparatus for measuring binding affinity
JP3939338B2 (ja) 1991-11-22 2007-07-04 アフィメトリックス, インコーポレイテッド ポリマー合成に対する組合わせの戦略
DE69326967T2 (de) 1992-01-17 2000-06-15 Lakowicz Joseph R Phasenmodulationsenergieübertragungsfluoroimmunassay
ATE173767T1 (de) 1992-04-03 1998-12-15 Perkin Elmer Corp Proben zusammensetzung und verfahren
US5503980A (en) 1992-11-06 1996-04-02 Trustees Of Boston University Positional sequencing by hybridization
US5837832A (en) 1993-06-25 1998-11-17 Affymetrix, Inc. Arrays of nucleic acid probes on biological chips
US5858659A (en) 1995-11-29 1999-01-12 Affymetrix, Inc. Polymorphism detection
US5648124A (en) 1993-07-09 1997-07-15 Seradyn, Inc. Process for preparing magnetically responsive microparticles
US5470710A (en) 1993-10-22 1995-11-28 University Of Utah Automated hybridization/imaging device for fluorescent multiplex DNA sequencing
GB9401833D0 (en) 1994-02-01 1994-03-30 Isis Innovation Method for discovering ligands
GB9507238D0 (en) 1995-04-07 1995-05-31 Isis Innovation Detecting dna sequence variations
US5661028A (en) 1995-09-29 1997-08-26 Lockheed Martin Energy Systems, Inc. Large scale DNA microsequencing device
US5981180A (en) 1995-10-11 1999-11-09 Luminex Corporation Multiplexed analysis of clinical specimens apparatus and methods
US5854033A (en) 1995-11-21 1998-12-29 Yale University Rolling circle replication reporter systems
JP2002515738A (ja) 1996-01-23 2002-05-28 アフィメトリックス,インコーポレイティド 核酸分析法
US5948627A (en) 1997-05-30 1999-09-07 One Lambda Immunobead flow cytometric detection of anti-HLA panel-reactive antibody
US6632526B1 (en) 1997-10-14 2003-10-14 Luminex Corporation Precision fluorescently dyed particles and methods of making and using same
AU1926899A (en) 1997-12-19 1999-07-12 Affymetrix, Inc. Exploiting genomics in the search for new drugs
KR100593712B1 (ko) 1998-01-22 2006-06-30 루미넥스 코포레이션 다수의 형광 시그널을 갖는 마이크로입자
JP2002527066A (ja) * 1998-10-15 2002-08-27 カイロン コーポレイション 転移性乳癌および結腸癌調節遺伝子
US6892141B1 (en) 2000-03-17 2005-05-10 Hitachi, Ltd. Primer design system
CA2468713A1 (en) 2001-11-30 2003-06-12 University Of Rochester Multiplex real-time quantitative pcr
IL177006A0 (en) * 2005-08-02 2006-12-10 Veridex Llc Predicting bone relapse of breast cancer

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN5010006775; Nature Vol.436, No.7050, 20050728, p.518-524 *
JPN6013010131; Am J Pathol. Vol.166, No.5, 200505, p.1565-1579 *

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017104115A (ja) * 2010-10-06 2017-06-15 フンダシオ インスティトゥト デ レセルカ ビオメディカ(イエレベ バルセロナ) 乳がん転移の診断、予後診断、および処置のための方法
JP2013541339A (ja) * 2010-10-06 2013-11-14 フンダシオ プリバーダ インスティトゥト デ レセルカ ビオメディカ 乳がん転移の診断、予後診断、および処置のための方法
JP2019195340A (ja) * 2010-10-06 2019-11-14 フンダシオ インスティトゥト デ レセルカ ビオメディカ(イエレベ バルセロナ) 乳がん転移の診断、予後診断、および処置のための方法
JP2014513790A (ja) * 2010-12-29 2014-06-05 エクスプレッション、パソロジー、インコーポレイテッド 後期乳癌のタンパク質バイオマーカー
JP2014532409A (ja) * 2011-10-24 2014-12-08 ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション 癌のバイオマーカー
JP2015511121A (ja) * 2012-01-20 2015-04-16 ジ・オハイオ・ステート・ユニバーシティ 浸潤性および予後に関する乳がんバイオマーカーシグネチャー
JP2018102316A (ja) * 2012-04-09 2018-07-05 フンダシオ インスティトゥト デ レセルカ ビオメディカ(イエレベ バルセロナ) がん転移の予後診断および処置のための方法
JP2015520606A (ja) * 2012-04-09 2015-07-23 フンダシオ プリバーダ インスティトゥト デ レセルカ ビオメディカ がん転移の予後診断および処置のための方法
JP2022125079A (ja) * 2012-04-09 2022-08-26 フンダシオ インスティトゥト デ レセルカ ビオメディカ(イエレベ バルセロナ) がん転移の予後診断および処置のための方法
JP2017503523A (ja) * 2014-01-22 2017-02-02 ユニヴァーシティー オブ ウルサン ファウンデイション フォー インダストリー コーオペレイション Nudt15遺伝子内の単一塩基多型マーカーを含むチオプリン誘導白血球減少症の発病危険予測用組成物
JP2019520038A (ja) * 2016-04-21 2019-07-18 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー 黒色腫およびその他のがんに対する免疫療法
CN110004228A (zh) * 2019-04-03 2019-07-12 清华大学深圳研究生院 一种与乳腺癌分子分型相关的诊断标志物及其用途
WO2021137506A1 (ko) * 2019-12-31 2021-07-08 한국원자력연구원 Wdr34 억제제를 포함하는 암줄기세포 성장 억제용 조성물 및 그 용도
KR102293110B1 (ko) * 2020-12-07 2021-08-25 주식회사 온코크로스 Ai를 이용한 유방암 예후 예측 방법

Also Published As

Publication number Publication date
CA2679208A1 (en) 2008-09-04
IL200181A0 (en) 2010-04-15
EP2253721A1 (en) 2010-11-24
AU2008220841A1 (en) 2008-09-04
US20100113297A1 (en) 2010-05-06
WO2008104543A2 (en) 2008-09-04
EP2115170A2 (en) 2009-11-11
EP1961825A1 (en) 2008-08-27
WO2008104543A3 (en) 2008-11-06
ZA200905897B (en) 2010-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010518878A (ja) 乳癌患者における転移発生の予測方法
US11174518B2 (en) Method of classifying and diagnosing cancer
Banneau et al. Molecular apocrine differentiation is a common feature of breast cancer in patients with germline PTEN mutations
US20170283885A1 (en) Algorithms for gene signature-based predictor of sensitivity to mdm2 inhibitors
US20090170715A1 (en) Prognostic and diagnostic method for cancer therapy
JPWO2010064702A1 (ja) 癌の予後を予測するためのバイオマーカー
CA2620528A1 (en) Methods and compositions for identifying biomarkers useful in diagnosis and/or treatment of biological states
WO2015073949A1 (en) Method of subtyping high-grade bladder cancer and uses thereof
EP2307886A2 (en) Signatures and determinants associated with metastasis and methods of use thereof
CA3038743A1 (en) Classification and prognosis of cancer
CA2660857A1 (en) Prognostic and diagnostic method for disease therapy
JP2017508442A (ja) Mdm2阻害剤に対する感受性と関連する遺伝子シグネチャー
US20160326594A1 (en) Prostate cancer gene profiles and methods of using the same
WO2020146554A2 (en) Genomic profiling similarity
US20230113092A1 (en) Panomic genomic prevalence score
Lerebours et al. Hemoglobin overexpression and splice signature as new features of inflammatory breast cancer?
EP1937314A2 (en) Biomarkers and methods for determining sensitivity to vascular endothelial growth factor receptor-2 modulators
CN109633156B (zh) 生物标志物在评估口腔鳞癌危险程度中的应用
WO2020051293A1 (en) Recurrence gene signature across multiple cancer types
WO2018160880A1 (en) Compositions and methods for detecting sessile serrated adenomas/polyps
KR20170072685A (ko) 삼중음성유방암의 아형 분류 방법
WO2009123990A1 (en) Cancer risk biomarker
US8765368B2 (en) Cancer risk biomarker
US20120129711A1 (en) Biomarkers for the prognosis and high-grade glioma clinical outcome
KR20100028087A (ko) 간세포암 진단용 조성물, 이를 이용한 간세포암 진단 키트 및 항암제의 스크리닝 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110216

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110513

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110513

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110804

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130305

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130730