JP2015227943A - 画像形成装置及び露光位置調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】露光後にプロセスノイズ等が発生した場合でも、複数の光ビームの主走査方向のビームピッチを適切に調整できるようにする。
【解決手段】本発明の一態様では、パターン画像110の一の光ビームにより形成された線像とこの一の光ビームに隣接する他の光ビームにより形成された線像との間の境界部分116a,116bのトナー濃度と、境界部分以外のトナー濃度に基づいて、複数の光ビームによる露光のタイミングが調整される。ここで、パターン画像110は、画像形成部により、感光体の副走査方向に所定のピッチを設けながら、感光体の主走査方向に延びる線像が周期的に形成され、かつ上記境界部分116a,116bが、感光体の副走査方向とずれるように配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、マルチビーム方式の画像形成装置及び露光位置調整方法に関し、特に複数の光ビームの主走査方向のビームピッチを調整する技術に関する。
従来、画像出力の高速化の要求に対して、感光体に複数の光ビームを一斉に走査させるマルチビーム露光部を備えた画像形成装置がある。このような画像形成装置で高画質を得るためには、感光体に走査される複数の光ビームの主走査方向及び副走査方向のビームピッチ(間隔)を適切に調整することが重要である。
一般に画像形成装置は、マルチビーム露光部単体で粗調整(評価用パターン画像の出力なし)が行われる。その後、マルチビーム露光部を実機に取り付け、各光源の露光開始タイミングを変えながら評価用パターン画像の出力を行い、その評価用パターン画像を調整員が目視で評価することで微調整(感光体等、他ユニットの影響を含めた調整)が行われる。
例えば、副走査方向のビームピッチの調整に関して、複数の光ビームの副走査方向における微小なビームピッチの変化を検知するための評価用画像パターンを出力する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、複数の光ビームの副走査方向における照射位置ズレの確認を容易に行うことができる評価チャートが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、副走査方向の光ビームピッチの変位を高精度で検知できる評価チャートが開示されている(例えば、特許文献3参照)。この評価チャートは、主走査方向に形成されるnドットライン(n≧2)が光ビームの数の整数倍の周期で副走査方向に繰り返す画像パターンからなり、複数の異なる光ビームの組み合わせで形成される画像パターンを、主走査方向に複数個並設して構成された画像評価パターンを含むものである。
特開2007−133056号公報 特開2010−197072号公報 特開平10−62705号公報
従来の画像出力による調整は、主走査方向におけるピッチズレが視認できる評価用画像パターンのズレ量を調整員が目視により確認し、その後、ズレ量に基づいて調整値を画像形成装置に入力することにより対応していた。そのため、調整員による技量差(例えばイエローは他色より視認性が悪く、評価用画像パターンにブルーライトを当てて観察している)による影響が大きく、調整ばらつきによる不良画像が形成されることがあった。
また、評価用画像パターンを出力後に調整及び確認を行う工程をピッチズレがなくなるまで繰り返すため、複数回の調整作業が行われる。そのため、調整時間が長くなり、かつ評価用画像パターンを出力する用紙が増え、コストの増加にも繋がっていた。仮に、画像形成装置を出荷後に、上記の調整及び確認の作業をサービスマンが行う場合には、サービスマンの作業に対する費用がかかる。
さらに、用紙に出力された評価用画像パターンの線幅(評価用画像パターンを構成する線像の重なり具合(黒線)又は離れ具合(白線))を目視により評価するため、画像スジ(黒スジ、白スジ)の影響を受け正確な作業が行えない。
図9は、複数の光源から射出された各々の光ビームを感光体に露光走査して得られる評価用画像パターンの一例を示す。評価用画像パターンは、例えば感光体の副走査方向に所定のピッチを有し、かつ、複数の光ビームの各々ごとに主走査方向へ周期的に配置された複数の線像を有する。図9の例は、8個の光源(「LD1」〜「LD8」と表記することがある)を有する露光部により、異なる3つの条件A〜Cで露光された評価用画像パターン301〜303を表している。ここでは、LD1による線像とLD8による線像に着目して説明する。
条件A〜CごとのLD1による線像とLD8による線像の間隔は下記である。
・条件Aでは、LD8による露光を行うタイミング(以下、「露光タイミング」と称する)がLD1に対して早いために、LD8の線像とその左側のLD1の線像との間に重なり部301Dが生じ、かつ、LD8の線像とその右側のLD1の線像との間に離間部301Aが生じている。
・条件Bでは、LD8の露光タイミングが適切であり、LD8の線像はその左右のLD1の線像との間に重なり及び離間がなく、LD1の線像と適切な間隔にある。
・条件Cでは、LD8の露光タイミングがLD1に対して遅いために、LD8の線像とその左側のLD1の線像との間に離間部303Aが生じ、かつ、LD8の線像とその右側のLD1の線像との間に重なり部303Dが生じている。
図9の例では条件Bが各光ビームの主走査方向のビームピッチが揃っている。このように、評価用画像パターンの線像の重なり具合又は離れ具合を見ることで、各光源の露光タイミングが適切かどうかを判定できる。
しかし、図10に示すように、矢印で示した判定したい箇所(線像の繰り返しの境界)に、黒スジ304Bのようなプロセスノイズがあると、正確な判定を行うことができない。
上述した特許文献1〜3に係るいずれの技術も、副走査方向のビームピッチの良否の判定を行うための評価用チャートの形成に関するものであって、ビームピッチの自動補正を行うものではない。また、その評価用チャートを用いても、露光後に発生するプロセスノイズ等の影響により、ビームピッチのずれを純粋に判別及び調整できない。そのため、これらの評価用チャートに基づいてビームピッチを調整したとしても、その後のプロセス変動によって不良画像が発生する可能性があった。
上記の状況から、露光後にプロセスノイズ等が発生した場合でも、複数の光ビームの主走査方向のビームピッチを適切に調整できる手法が望まれていた。
本発明の一態様では、画像形成部が、露光部から射出される複数の光ビームを感光体上に走査することにより、感光体の副走査方向に所定のピッチを設けながら、感光体の主走査方向に延びる線像を周期的に形成し、かつ一の光ビームにより形成された線像とこの一の光ビームに隣接する他の光ビームにより形成された線像との間の境界部分が、感光体の副走査方向とずれるように配置されたパターン画像を形成する。次に、トナー濃度検出部により、感光体上のパターン画像又は感光体から転写材に転写された転写後のパターン画像のトナー濃度を検出する。そして、制御部により、トナー濃度検出部で検出される境界部分のトナー濃度と境界部分以外のトナー濃度に基づいて、画像形成部における複数の光ビームに対する露光のタイミングを算出する。
上記の隣接する光ビームには、露光部が備える互いに主走査方向及び副走査方向に一定の距離離れた複数の光源のうち隣り合う光源が射出する光ビームの他、複数の光源のうち画像データに基づいて間引かれた後の残りの光源から射出される複数の光ビームのうちで最も近い位置関係にある光ビームが含まれる。
上記構成では、パターン画像の一の光ビームによる線像と他の光ビームによる線像の境界部分のトナー濃度と、境界部分以外のトナー濃度に基づいて、複数の光ビームによる露光のタイミングが調整される。ここで、パターン画像は、画像形成部により、感光体の副走査方向に所定のピッチを設けながら、感光体の主走査方向に延びる線像が周期的に形成され、かつ上記境界部分が、感光体の副走査方向とずれる(一致しない或いは平行にならない)ように配置されている。
本発明によれば、露光後に副走査方向に沿って発生するプロセスノイズ等の影響を抑えて、複数の光ビームによる主走査方向のビームピッチを適切に調整できる。
本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置を示す全体構成図である。 第1の実施の形態に係る画像形成装置の各部のハードウェア構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係るパターン画像の説明図である。 図3のパターン画像内の第5条件で形成されたパッチの拡大図である。 図3のパターン画像に対して変形処理を実施した後のパターン画像である。 第1の実施の形態に係るビームピッチ調整ステップとセンサ検出値との関係の一例を示すグラフである。 第1の実施の形態に係る露光位置調整処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るパターン画像の説明図である。 複数の光源から射出された複数の光ビームにより露光された複数の線像の一例を示した説明図である。 従来の露光位置調整方法の問題点を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明や各図において、同一要素または同一機能を有する要素には同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
<1.第1の実施の形態>
[画像形成装置の構成例]
まず、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の概要について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置を示す全体構成図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。この画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ベルト50と、2次転写部70と、定着部80とを有する。
原稿搬送部10は、原稿Gがセットされる原稿給紙台11と、複数のローラ12と、搬送ドラム13と、搬送ガイド14と、原稿排出ローラ15と、原稿排出トレイ16とを有している。原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラ12及び搬送ドラム13によって、画像読取部30の読取位置に1枚ずつ搬送される。搬送ガイド14及び原稿排出ローラ15は、複数のローラ12及び搬送ドラム13により搬送された原稿Gを原稿排出トレイ16に排出する。
画像読取部30は、原稿搬送部10により搬送された原稿G又は原稿台31に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。具体的には、原稿Gの画像がランプLによって照射される。原稿Gからの反射光は、第1ミラーユニット32、第2ミラーユニット33、レンズユニット34の順に導かれて、撮像素子35の受光面に結像する。撮像素子35は、入射した光を光電変換して所定の画像信号を出力する。出力された画像信号は、A/D変換されることにより画像データとして作成される。
また、画像読取部30は、画像読取制御部36を有している。画像読取制御部36は、A/D変換によって作成された画像データに、シェーディング補正やディザ処理、圧縮等の処理を施して、RAM103(図2参照)に格納する。なお、画像データは、画像読取部30から出力されるデータに限定されず、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置などの外部装置から受信したものであってもよい。
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙のサイズや種類に応じて複数設けられている。この用紙は、給紙部21により給紙されて搬送部23に送られ、搬送部23によって転写位置を有する2次転写部70に搬送される。つまり、搬送部23は、給紙部21から給紙された用紙を2次転写部70へ搬送する機能を果たし、用紙を搬送する搬送経路を形成している。また、用紙収納部20の近傍には、手差部22が設けられている。この手差部22からは、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。図1においては、給紙部21により給紙される用紙にSの符号を付している。
画像読取部30と用紙収納部20との間には、画像形成部40と、中間転写ベルト50が配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー画像を形成するために、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを有する。
第1の画像形成ユニット40Yは、イエローのトナー画像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mは、マゼンタのトナー画像を形成する。また、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー画像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー画像を形成する。これら4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
第1の画像形成ユニット40Yは、ドラム状の感光体41と、感光体41の周囲に配置された帯電部42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45を有している。感光体41は、不図示の駆動モータによって回転する。帯電部42は、感光体41に電荷を与え感光体41の表面を一様に帯電する。露光部43は、画像読取部30により生成された画像データ又は外部装置から送信された画像データ等に基づいて、感光体41の表面に対して露光走査を行うことにより、感光体41上にスポット形状の静電潜像を形成する。
露光部43は、主走査方向及び副走査方向に一定の距離離れた不図示の複数の光源と、偏向光学系とを有する。各光源は、画像データに基づいてパルス発生部(不図示)から入力されたパルス電流に応じて、光ビームを射出する。複数の光源から射出された光ビームは不図示の偏向光学系により目的の方向へ一斉に偏向される。偏向光学系は、例えば、入射された光ビームを平行光に変換するコリメータレンズ、複数の光ビームを所定のビームピッチに変換するプリズム、入射した光ビームを集光するコリメータレンズ、該コリメータレンズから入射された光ビームを反射するポリゴンミラー、該ポリゴンミラーより入射された光ビームを感光体41の表面に入射する走査レンズ等を用いて構成される。露光部43は、後述するCPU101の指示に従って、主走査方向及び副走査方向に一定の距離離れた複数の光ビームを一斉に偏向して、感光体41の表面を副走査方向に所定のピッチを設けながら主走査方向へ周期的に走査する。
現像部44は、例えばトナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いて、感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面は、イエローのトナー画像が形成される。
なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。
感光体41上に形成されたトナー画像は、中間転写ベルト50に転写される。中間転写ベルト50は、無端状に形成されており、複数のローラに掛け渡されている。この中間転写ベルト50は、不図示の駆動モータで感光体41の回転(移動)方向とは逆方向に回転駆動する。
クリーニング部45は、トナー画像が中間転写ベルト50に転写された後に、感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
中間転写ベルト50における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体41と対向する位置には、1次転写部51が設けられている。この1次転写部51は、中間転写ベルト50にトナーと反対の極性の電圧を印加することで、感光体41上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト50に1次転写する。
そして、中間転写ベルト50が回転駆動することで、中間転写ベルト50の表面には、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー画像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト50上には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー画像が重なり合いカラーのトナー画像が形成される。
中間転写ベルト50の近傍で、4つの感光体41の用紙搬送方向下流には、トナー付着量検出センサ60が設けられている。トナー付着量検出センサ60は、中間転写ベルト50に付着しているトナー量を検出する。トナー付着量検出センサ60の検出結果に応じて、画像形成の各プロセスの制御条件を変更する、いわゆる画像安定化制御が適宜実施される。
また、中間転写ベルト50には、ベルトクリーニング装置53が対向している。このベルトクリーニング装置53は、用紙へのトナー画像の転写を終えた中間転写ベルト50の表面を清掃する。
中間転写ベルト50の近傍で、かつ搬送部23の用紙搬送方向下流には、2次転写部70が配置されている。2次転写部70は、中間転写ベルト50の外周面上に形成されたトナー画像を用紙に2次転写する。
2次転写部70は、2次転写ローラ71を有している。2次転写ローラ71は、中間転写ベルト50を挟んで対向ローラ52に圧接されている。2次転写ローラ71と中間転写ベルト50が接触する部分は、2次転写ニップ部72となる。この2次転写ニップ部72が、中間転写ベルト50の外周面上に形成されたトナー画像を用紙Sに転写する転写位置である。
2次転写部70における用紙の排出側には、定着部80が設けられている。この定着部80は、用紙を加圧及び加熱して、転写されたトナー画像を用紙に定着させる。定着部80は、例えば、一対の定着部材である定着上ローラ81及び定着下ローラ82で構成されている。定着上ローラ81及び定着下ローラ82は、互いに圧接した状態で配置されており、定着上ローラ81と定着下ローラ82とが接する位置には、圧接部として定着ニップ部が形成される。
定着上ローラ81の内部には、加熱部が設けられている。この加熱部からの輻射熱により定着上ローラ81の外周部が温められる。そして、定着上ローラ81の熱が用紙へ伝達されることにより、用紙上のトナー画像が熱定着される。
用紙は、2次転写部70によりトナー画像が転写された面(定着対象面)が定着上ローラ81と向き合うように搬送され、定着ニップ部を通過する。したがって、定着ニップ部を通過する用紙には、定着上ローラ81と定着下ローラ82とによる加圧と、定着上ローラ81の熱による加熱が行われる。
定着部80の用紙搬送方向下流には、定着部80を通過した用紙に形成された画像を光学的に検出するトナー濃度センサ90(トナー濃度検出部の一例)が、搬送路に対向するように配置されている。
トナー濃度センサ90は、用紙Sに転写及び定着された画像のトナー濃度を、用紙Sの幅方向(画像の主走査方向と同じ方向)全域に亘って検出するセンサである。具体的には、トナー濃度センサ90は、用紙Sの幅方向全域に亘って複数の光電変換素子が直線状に配置されたセンサ(いわゆるラインセンサ)と、用紙Sに定着された画像に光を照射する光源と、用紙Sに定着された画像からの反射光をラインセンサに導く光学系を有する。ラインセンサは、CCD型のイメージセンサであってもよいし、CMOS型(MOS型を含む)のイメージセンサであってもよい。この種のトナー濃度センサ90は、インラインセンサと呼称される場合がある。トナー濃度センサ90では、カラーフィルタによってイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の画像を検出可能なラインセンサを用いている。
また、トナー濃度センサ90は、ラインセンサの画素単位のセンサ出力を処理する信号処理回路を有している。トナー濃度センサ90は、搬送路を通過する用紙Sの幅方向及び搬送方向(画像の副走査方向と同じ方向)全域に亘って、画像の色情報や印字位置情報等をエリア的に検出することができる構成となっている。なお、トナー濃度センサ90として、光電変換素子をマトリクス状に配置したイメージセンサを使用することもできる。
定着部80の用紙搬送方向下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部80を通過した用紙の搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート24は、片面画像形成における画像形成面を上方に向けて排紙するフェースアップ排紙を行う場合に、用紙を直進させる。これにより、用紙は、一対の排紙ローラ25によって排紙される。また、切換ゲート24は、片面画像形成における画像形成面を下方に向けて排紙するフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙を下方に案内する。
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート24によって用紙を下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転して上方に搬送する。これにより、表裏が反転されて画像形成面が下方に向いた用紙は、一対の排紙ローラ25によって排紙される。
両面画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって用紙を下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転し、再給紙路27により再び2次転写部70の転写位置へ送られる。
一対の排紙ローラ25の下流側に、用紙を折ったり、用紙に対してステープル処理等を行ったりする後処理装置を配置してもよい。
[画像形成装置の制御系の構成]
次に、画像形成装置1の制御系について、図2を参照して説明する。
図2は、画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。
画像形成装置1は、図2に示すように、例えばCPU(Central Processing Unit)101と、CPU101が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)102と、CPU101の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)103と、を有する。さらに、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)104と、操作表示部105を有する。なお、ROM102としては、例えば、電気的に消去可能なプログラマブルROMが用いられる。
CPU101は、制御部の一例であり、ROM102、RAM103、HDD104及び操作表示部105にそれぞれシステムバス107を介して接続され、装置全体を制御する。また、CPU101は、画像読取部30、画像処理部106、画像形成部40、給紙部21、搬送部23にシステムバス107を介して接続されている。
HDD104は、画像読取部30で読み取って得た原稿の画像の画像データを記憶したり、出力済みの画像データ等を記憶したりする。操作表示部105は、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示部105は、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部105は、複数のキーを備え、ユーザのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付けて、入力信号をCPU101に出力する。
画像読取部30によって生成された画像データや、画像形成装置1に接続された外部装置の一例であるPC(パーソナルコンピュータ)120から送信される画像データは、画像処理部106に送られ、画像処理される。画像処理部106は、受信した画像データに対し、必要に応じて、シェーディング補正、画像濃度調整、画像圧縮等の画像処理を行う。
画像形成部40は、画像処理部106によって画像処理された画像データを受け取り、画像データに基づいて露光部43による感光体41への露光及び現像部44による現像等を行い、用紙S上に画像を形成する。
トナー濃度センサ90は、用紙S上の画像のトナー濃度の検出結果を、CPU101に送る。CPU101は、トナー濃度センサ90から送られる検出結果に基づいて、露光部43における複数の光ビームの露光タイミングを調整する。これにより、複数の光ビームの主走査方向の露光位置が調整され、その結果複数の光ビーム間のビームピッチが調整される。露光タイミングは、例えば露光開始タイミングと露光時間により定義される。本例では、ビームピッチの調整時には、複数の光ビームの露光時間は一定とする。
通信部108は、例えば外部の情報処理装置であるPC120から送信されるジョブ情報を、通信回線を介して受け取る。そして、受け取ったジョブ情報を、システムバス107を介してCPU101に送る。
なお、本実施の形態では、外部装置としてパーソナルコンピュータを適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、外部装置としては、例えばファクシミリ装置等その他各種の装置を適用することができる。
[光ビームの露光タイミングの調整について]
上述した画像形成装置1では、複数の光ビームの主走査方向の露光タイミングを調整する処理を行う。この露光タイミングを調整する処理は、用紙Sに露光位置調整用パターン像を形成し、このパターン画像のトナー濃度をトナー濃度センサ90で検出し、その検出結果を露光タイミング(すなわち露光開始タイミング)に反映させることによって行われる。
図3は、第1の実施の形態に係るパターン画像を示す。図3において横方向は主走査方向であり、縦方向は副走査方向である。
露光位置調整用パターン像は、図3に示すように、パッチ状のパターン画像110として用紙S(転写材の一例)上に形成される。図中、横方向の矢印は主走査方向を表し、縦方向の矢印は副走査方向を表している。露光部43による感光体41の表面に対する複数の光ビームの主走査方向の走査は、図3の左から右へ向かって行われるものとする。この例では、パターン画像110内に、露光タイミングの条件が異なる5個(第1条件〜第5条件)のパッチ111〜115が主走査方向と直交する副走査方向に配置されている。画像データ上は、パッチ111〜115内のパターンはすべて同一である。なお、図3のパターン画像110(パッチ111〜115)には、主走査方向の任意の位置に黒スジ110Bが発生している。
本実施の形態では、副走査方向に隣接する光ビーム間の露光開始タイミングの遅延時間は同じである。したがって、パターン画像110のパッチ111〜115では、複数の光ビームによる線像で構成される平行四辺形(図3の例では3個)が主走査方向に周期的に形成されている。それゆえ、パッチ111〜115内の隣接する平行四辺形(線像間の)の境界部分(例えば重なり部、離間部)は、副走査方向とずれており一致することはない。すなわち、一の光ビームによる主走査方向の線像と他の光ビームによる主走査方向の線像との境界部分が副走査方向とずれるように形成されている。それゆえ、黒スジ110Bのようなプロセスノイズが発生したとしても、重なり部及び離間部が、副走査方向に発生するプロセスノイズと完全に一致する或いは平行となることはない。このようなパターン画像110が、トナー像の色に対応した第1〜第4の画像形成ユニット40Y、40M、40C、40Kごとに形成される。
図4は、図3のパターン画像110内の第1条件で形成されたパッチ111の一部を拡大した図である。図4では、図3のパターン画像110内の黒スジ110Bを省略している。ここでは、説明を簡略化するため、露光部43が主走査方向及び副走査方向に一定の距離離れた2つの光源を有するものとする。2つの光源のうち第1の光源を「LD1」、第2の光源を「LD2」と表記する。LD1の光ビームによる線像とLD2の光ビームによる線像が副走査方向に繰り返し形成されている。CPU101の制御の下、光ビームごとに副走査方向に所定のピッチを設けながら、主走査方向に延びる線像が周期的に配置されたパターン画像110が形成され、そのパターン画像110が用紙Sに転写及び定着される。
この第1条件では、LD2の露光タイミングが最適な露光タイミングよりも早いために、LD2の線像とその左側のLD1の線像との間に広い幅の重なり部111Dが生じ、かつ、LD2の線像とその右側のLD1の線像との間に広い幅の離間部111Aが生じている。
第2条件では、LD2の露光タイミングが最適な露光タイミングよりもやや早いために、LD2の線像とその左側のLD1の線像との間に狭い幅の重なり部112Dが生じ、かつ、LD2の線像とその右側のLD1の線像との間に狭い幅の離間部112Aが生じている。
第3条件では、LD2の露光タイミングがほぼ最適な露光タイミングであるために、LD2の線像とその左側のLD1の線像との間に離間部がほとんど生じず、かつ、LD2の線像とその右側のLD1の線像との間に重なり部がほとんど生じない。
第4条件では、LD2の露光タイミングが最適な露光タイミングよりもやや遅いために、LD2の線像とその左側のLD1の線像との間に狭い幅の離間部114Aが生じ、かつ、LD2の線像とその右側のLD1の線像との間に狭い幅の重なり部114Dが生じている。
第5条件では、LD2の露光タイミングが最適な露光タイミングよりも遅いために、LD2の線像とその左側のLD1の線像との間に広い幅の離間部115Aが生じ、かつ、LD2の線像とその右側のLD1の線像との間に広い幅の重なり部115Dが生じている。上述した第1条件〜第5条件では、各重なり部及び各離間部は、副走査方向に沿う方向ではない(副走査方向に対して一定の角度を有する)ため、黒スジ110Bと完全に一致することはない。
本実施の形態では、トナー濃度センサ90で、パターン画像110内の主走査方向における一の光ビーム(LD1)による線像と他の光ビーム(LD2)による線像との境界部分を含む一定の領域(検査領域116a,116b)のトナー濃度と、境界部分以外の非境界部分を含む一定の領域(後述する図5の非検査領域117)のトナー濃度を検出する。一の光ビームによる線像と他の光ビームによる線像との境界部分は、副走査方向とずれているため、パターン画像110内にプロセスノイズが発生した場合でも、境界部分を含む検査領域のトナー濃度に対するプロセスノイズの影響を一定の範囲に抑えられる。そして、CPU101は、検査領域のトナー濃度と非検査領域のトナー濃度の差分に基づいて、複数の光ビームに対する露光のタイミングを調整する。その際に、CPU101による演算を簡単にするため、パターン画像110を変形する処理を行ってもよい。
なお、露光部43が主走査方向及び副走査方向に一定の距離離れた2個の光源を有する例を示したが、光源の数は複数であればよく、例えば図9のように8個でもよい。そして、隣接する光ビームには、互いに主走査方向及び副走査方向に一定の距離離れた複数の光源のうち隣り合う光源(例えばLD1〜LD8の順に配列された8個の光源のうち、LD1とLD2、LD1とLD8など)が射出する光ビームが含まれる。あるいは、隣接する光ビームには、複数の光源のうち画像データに基づいて間引き後に残った光源から射出される複数の光ビームのうちで最も近い位置関係にある光ビームが含まれる。このような隣接する光ビームとして、例えばLD1〜LD8の順に配列された8個の光源のうちLD2,4,6,8が間引かれた後の残りのLD1とLD3、LD3とLD5から射出される光ビームなどが挙げられる。
図5は、図3のパターン画像110に対して変形処理を実施した後のパターン画像(以下、「変形後パターン画像」と称す。)である。図5において主走査方向は横方向、斜め方向は副走査方向に対応する。
画像処理部106により、トナー濃度センサ90で検出された各パッチ111〜115の形状(平行四辺形)の変形処理が行われる。すなわち、画像処理部106は、CPU101の制御の下、トナー濃度センサ90で検出されたパターン画像110に対し、図5に示すように、一の光ビーム(LD1)による線像と他の光ビーム(LD2)による線像の境界部分が副走査方向に沿うように変形処理を行う。
図5に示すように、変形後パターン画像110Tでは、例えば第1条件〜第5条件に係るパッチ111〜115(図3参照)の形状が、パッチ111T〜115Tのように長方形に変形されている。変形後のパッチ111T〜115Tでは、変形前の3個の平行四辺形に対応する3個の四角形が主走査方向に並んでいる。このようなパターン画像の変形処理が行われることにより、境界部分を含む検査領域116a又は116bと、非境界部分を含む非検査領域117が縦長の形状となる。他方、黒スジ110Bの配置は斜め(図3の副走査方向に対応)となる。すなわち、ビームピッチに関与しない黒スジ110B等のプロセスノイズは斜めの画像情報になり、検出したいビームピッチ情報は縦の画像情報になる。
なお、例えば画像処理部106において、斜めの画像情報である黒スジ110Bに対し、斜めの線を削除する画像処理を実施することにより、変形後パターン画像110Tから黒スジ110Bを除去することが可能である。
以下、一例として、変形後パターン画像110Tの検査領域116aと非検査領域117のトナー濃度から、最適な露光のタイミング(すなわちビームピッチの最適値)を算出する例を説明する。検査領域116bの場合でも同様であるので説明を省略する。
図6は、LD2のビームピッチ調整ステップとセンサ検出値との関係の一例を示すグラフである。横軸はLD2のビームピッチ調整ステップ、縦軸はトナー濃度センサ90の検出値(センサ検出値)を表している。縦軸のセンサ検出値は、検査領域116a内のトナー濃度を積分した値を示し、値が大きいほどトナーの濃度が濃いことを表す。また、ビームピッチ調整ステップの1ステップは予め設定された所定距離であり、ステップ数は基準位置から露光開始位置までの距離(すなわち基準の露光タイミングからの遅れ時間又は進み時間)に相当する。ビームピッチ調整ステップの値が正の場合は、基準(ステップ「0」)の露光タイミングから進んでおり、負の場合には、基準の露光タイミングから遅れていることを示す。特性曲線118は、第1条件〜第5条件ごとに得られた測定点P1〜P5に基づいて算出される近似式に相当する。平均値119(破線)は、第1条件〜第5条件のパッチ111T〜115Tの非検査領域117におけるトナー濃度の積分値の平均の値を示す。
変形後パターン画像110Tの検査領域116a(又は116b)と非検査領域117のトナー濃度が同じであれば、測定対象(LD2)の光ビームによる主走査方向の複数の線像と、比較対象(LD1)の光ビームによる主走査方向の複数の線像とのビームピッチ(間隔)が揃っていることになる。そこで、ビームピッチ調整ステップとセンサ検出値との相関関係と近似式(特性曲線118)より、検査領域116a(又は116b)でのトナー濃度が非検査領域117のトナー濃度となるような条件を設定することにより、最適な露光タイミングを得ることができる。
図6の例では、測定点P3(第3条件)のときの検査領域116aに対するセンサ検出値(トナー濃度)が、非検査領域117のトナー濃度の平均値119と最も近い。よって、CPU101は、最適な露光タイミングの条件として、第3条件すなわちビームピッチ調整ステップ「0」を、ROM102又はHDD104に保存する。
なお、上述した例では、第3条件のときが最適な露光タイミングであるとしたが、他の条件のときに最適な露光タイミングとなることもある。例えば図6に示すように、異なる2つのビームピッチ調整ステップの中間で、検査領域のセンサ検出値(すなわち特性曲線118)と非検査領域117のトナー濃度(すなわち平均値119)が一致する場合が考えられる。この場合には、特性曲線118と平均値119との交点に近い2つのビームピッチ調整ステップを用いて補間処理を行い、最適な露光タイミングを算出するようにする。
[画像形成装置の動作]
以下、画像形成装置1の動作を説明する。
図7は、画像形成装置1における露光位置調整処理を示すフローチャートである。CPU101は、ROM102に記録されたプログラムを実行することで、図7に示す処理を実現する。以下の処理は、例えば、画像形成装置の出荷前、又は客先に納入後の故障時等に行われる。
まず、画像形成装置1のCPU101は、操作表示部105から入力される操作信号又は通信部108を介してPC120から送信されるジョブ情報に基づき、露光位置調整に係るジョブ開始を検知する。CPU101は、露光位置調整に係るジョブ開始を検知すると、露光部43の各LDの露光タイミング(図中「発光タイミング」と表記している)の補正量をROM102から読み出してRAM103に設定する(ステップS1)。この補正量は、設定すべき基準の露光タイミングからの遅れ時間又は進み時間であり、図6において説明したビームピッチ調整ステップに相当する。CPU101は、一例としてLD2に第1条件〜第5条件の露光タイミング(図3参照)を設定する。
次に、CPU101は、パターン画像110(図3参照)をROM102から読み出してRAM103に設定する。そして、CPU101は、パターン画像110に基づいて画像形成部40の露光部43(例えばLD1及びLD2)を制御し、感光体41に第1条件〜第5条件でパターン画像110のパッチ111〜115を形成する(ステップS2)。感光体41に形成されたパターン画像110は中間転写ベルト50に転写された後、2次転写部70において用紙Sに転写され、定着部80を通過してトナー濃度センサ90の近傍に搬送されてくる。
次に、CPU101は、トナー濃度センサ90によりパターン画像110を読み取る。(ステップS3)。
次に、CPU101は、画像処理部106により、トナー濃度センサ90で読み取ったパターン画像110に対し変形処理を行って変形後パターン画像110Tを得、RAM103に保存する(ステップS4)。
次に、CPU101は、トナー濃度センサ90により読み取ったパターン画像110から、パッチ111〜115内の検査領域116a(又は116b)及び非検査領域117のトナー濃度を取得し、検出結果をRAM103に保存する(ステップS5)。
次に、CPU101は、測定対象のLD(例えばLD2)の露光タイミングの補正量(ビームピッチ調整ステップ)とセンサ検出値の近似式(特性曲線118)(図6参照)を算出する(ステップS6)。また、CPU101は、パターン画像110のパッチ111〜115内の非検査領域117のトナー濃度の平均値119を算出する。
次に、CPU101は、図6の近似式(特性曲線118)と平均値119の交点から最適条件を選択する。図6の例では、最適条件は測定点P3に対応する第3条件である。そして、CPU101は、選択した最適条件に基づいてLD2の露光タイミングの補正量の最適値を算出する(ステップS7)。この例では、補正量(ビームピッチ調整ステップ)の最適値は0ステップである。
次に、CPU101は、以降のジョブで画像データに基づいて露光部43による露光を行う際に、LD2の露光タイミングを基準のタイミングに対して0ステップに設定し、露光を行う。上述した一連の処理を、LD1とLD2(図4参照)、LD1とLD8(図9参照)のように、光ビームが隣接する光源について実施するとよい。
上述したように、第1の実施の形態では、複数の光ビームの露光タイミングを変えながら露光を行って、複数のパッチ111〜115を有するパターン画像110を形成し、用紙に転写及び定着する。ここで、パターン画像110は、副走査方向に所定のピッチを設けながら、主走査方向に延びる線像が周期的に形成され、かつ一の光ビーム(LD1)による線像と該一の光ビームによる線像に隣接する他の光ビームによる線像(LD2)の境界部分(重なり部、離間部)が副走査方向とずれる(一致しない)ように形成される。そして、トナー濃度センサ90で検出されるパターン画像110内の主走査方向における一の光ビームによる線像と他の光ビームによる線像の境界部分(検査領域116a,116b)のトナー濃度と、非境界部分(非検査領域117)とのトナー濃度に基づいて、画像形成部40の露光部43における複数の光ビームに対する露光のタイミングを調整(調整)する。
上記構成によれば、一の光ビームによる線像と他の光ビームによる線像との境界部分が副走査方向とずれているため、パターン画像110内にプロセスノイズが発生した場合でも、境界部分を含む検査領域116a,116bのトナー濃度に対するプロセスノイズの影響を一定の範囲に抑えられる。それゆえ、露光後のプロセスノイズ等の影響を抑えて、複数の光ビームによる主走査方向のビームピッチを適切に調整できる。
なお、パターン画像110から黒スジ110B等のプロセスノイズの画像を除去した場合でも、検査領域116a,116bのトナー濃度に対する除去された画像の影響は一定の範囲に留まる。それゆえ、プロセスノイズの画像を除去した場合でも、露光後のプロセスノイズ等の影響を抑えて、複数の光ビームによる主走査方向のビームピッチを適切に調整できる。
<2.第2の実施の形態>
上述した第1の実施の形態では、パターン画像110に対して変形処理を行い、検査領域116a,116bを縦の画像情報とし、非検査領域117を斜めの画像情報としたが、変形処理を実施しなくてもよい。すなわち、第2の実施の形態では、検査領域116a,116bが斜めのまま露光位置調整処理を実施する。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係るパターン画像を示す。このパターン画像130の形成にあたっては、図3と同様に、パターン画像130は、LD1とLD2を用いて露光処理が行われるものとする。
パターン画像130は、露光タイミングの条件が異なる5個(第1条件〜第5条件)のパッチ131〜135が主走査方向と直交する副走査方向に配置されている。画像データ上は、パッチ131〜135内のパターンはすべて同一である。なお、図8のパターン画像130(パッチ131〜135)には、主走査方向の任意の位置に黒スジ130Bが発生している。

本実施の形態では、パターン画像130の左端は、各光ビームの露光開始タイミングを合わせて露光が行われることで、副走査方向に沿って揃えられる。その後、各光ビームの露光タイミング(露光開始タイミング及び露光時間)が調節されることにより、一の光ビーム(例えばLD1)による主走査方向の線像と他の光ビーム(例えばLD2)による主走査方向の線像との境界部分が、副走査方向に対して一定の角度を持つように形成される。すなわち、当該境界部分が副走査方向とずれる(一致しない)ように形成される。そして、各光ビームの露光終了タイミングを合わせることにより、パターン画像130の右端が副走査方向に沿って揃えられる。このようなパターン画像130では、各パッチ131〜135の検査領域136a,136b及び非検査領域137が斜めの画像情報となり、黒スジ130Bが副走査方向に沿う縦の画像情報となる。そのため、例えば画像処理部106において、斜めの画像情報である黒スジ130Bに対し、斜めの線を削除する画像処理が実施されることにより、パターン画像130から黒スジ130Bが除去される。
パターン画像130の境界部分(検査領域136a,136b)及び非検査領域137の角度情報(位置情報)は、パターン画像130の画像データ(露光タイミングのデータ)から得られる。CPU101は、ROM102等に保存された角度情報に基づき、トナー濃度センサ90により検出されたパターン画像130から正確に検査領域136a,136b及び非検査領域137のトナー濃度を取得することができる。
このようなパターン画像130を形成することにより、第1の実施の形態の場合と同様に、黒スジ130Bのようなプロセスノイズが発生したとしても、重なり部及び離間部が、副走査方向に発生するプロセスノイズと完全に一致することがない。それゆえ、露光後のプロセスノイズ等の影響を抑えて、複数の光ビームの主走査方向のビームピッチを適切に調整できる。さらに、パターン画像に対する変形処理を行わないので、画像処理部106の処理負荷が軽減される。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明した。しかしながら、上記実施の形態による発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した第1及び第2の実施の形態において、複数の光ビームの露光タイミングを変えながら複数のパッチを含むパターン画像を形成し、そのパターン画像のトナー濃度を検出して複数の光ビームによる露光のタイミングを調整する構成を例示したが、この例に限られない。例えばビームピッチ調整ステップとトナー濃度の変動量との相関関係を予め求めておき、その関係と、一の光ビームによる線像と他の光ビームによる線像との境界部分(検査領域)のトナー濃度及び非境界部分(非検査領域)のトナー濃度の差分とから、複数の光ビームによる露光のタイミングを調整する構成としてもよい。
また、一の光ビームによる線像と他の光ビームによる線像との境界部分は、副走査方向とずれた(一致しない)形状であればよく、例えば副走査方向に沿って蛇行していたり、湾曲又は屈曲していたりしてもよい。
また、上述した第1及び第2の実施の形態において、トナー濃度センサ90が用紙S上のパターン画像のトナー濃度を検出する構成を例示したが、この例に限られない。例えば、トナー濃度センサ90が、感光体41、又は中間転写ベルト50等の転写材上に形成されたパターン画像のトナー濃度を検出する構成でもよい。
また、上述した第1及び第2の実施の形態において、電子写真方式の画像形成装置について説明したが、電子写真方式以外にも適用可能である。
1…画像形成装置、 40…画像形成部、 43…露光部、 90…トナー濃度センサ、 110…パターン画像、 110B…黒スジ、 111〜115…パッチ、 111T…115T…変形後パターン画像、 116a,116b…検査領域、 117…非検査領域、 101…CPU、 102…ROM、 103…RAM、 118…特性曲線、 119…平均値

Claims (7)

  1. 露光部から射出される複数の光ビームを感光体上に走査することにより、前記感光体の副走査方向に所定のピッチを設けながら、前記感光体の主走査方向に延びる線像を周期的に形成し、かつ一の光ビームにより形成された前記線像と前記一の光ビームに隣接する他の光ビームにより形成された前記線像との間の境界部分が、前記感光体の副走査方向とずれるように配置されたパターン画像を形成する画像形成部と、
    前記感光体上の前記パターン画像又は前記感光体から転写材に転写された転写後の前記パターン画像のトナー濃度を検出するトナー濃度検出部と、
    前記トナー濃度検出部で検出される前記境界部分のトナー濃度と前記境界部分以外のトナー濃度に基づいて、前記画像形成部における前記複数の光ビームに対する露光のタイミングを算出する制御部と、を備える
    画像形成装置。
  2. 前記画像形成部は、露光のタイミングを異ならせることにより前記パターン画像を形成し、
    前記トナー濃度検出部は、前記露光のタイミングごとに前記パターン画像内の前記一の光ビームによる線像と前記他の光ビームによる線像との境界部分のトナー濃度を検出し、
    前記制御部は、前記トナー濃度検出部により検出された前記境界部分のトナー濃度と前記境界部分以外のトナー濃度に基づいて、前記画像形成部における前記複数の光ビームに対する露光のタイミングを算出する
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記トナー濃度検出部により検出された前記パターン画像内の前記境界部分のトナー濃度と前記境界部分以外のトナー濃度との差分が最も小さくなるように、前記画像形成部における前記複数の光ビームに対する露光のタイミングを算出する
    請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記露光のタイミングと前記境界部分のトナー濃度との関係を示す近似式を算出し、前記境界部分のトナー濃度が前記境界部分以外のトナー濃度に近い場合の露光のタイミングを前記近似式から算出する
    請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記トナー濃度検出部で検出された前記トナー濃度の検出結果に基づくパターン画像に対し、前記一の光ビームによる前記線像と前記他の光ビームによる前記線像の境界部分が副走査方向となるように変形処理を行う画像処理部を、更に備え、
    前記制御部は、変形処理後のパターン画像に基づいて、前記画像形成部における前記複数の光ビームに対する露光のタイミングを調整する
    請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記一の光ビームにより形成された前記線像と前記一の光ビームに隣接する前記他の光ビームにより形成された前記線像との間の境界部分は、前記パターン画像の前記副走査方向に対して斜めに形成される
    請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 画像形成部が、露光部から射出される複数の光ビームを感光体上に走査することにより、前記感光体の副走査方向に所定のピッチを設けながら、前記感光体の主走査方向に延びる線像を周期的に形成し、かつ一の光ビームにより形成された前記線像と前記一の光ビームに隣接する他の光ビームにより形成された前記線像との間の境界部分が、前記感光体の副走査方向とずれるように配置されたパターン画像を形成する処理と、
    トナー濃度検出部により、前記感光体上の前記パターン画像又は前記感光体から転写材に転写された転写後の前記パターン画像のトナー濃度を検出する処理と、
    制御部により、前記トナー濃度検出部で検出される前記境界部分のトナー濃度と前記境界部分以外のトナー濃度に基づいて、前記画像形成部における前記複数の光ビームに対する露光のタイミングを算出する処理と、を含む
    露光位置調整方法。
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