JP2015212060A - 三次元造形用組成物、三次元造形物の製造方法および三次元造形物 - Google Patents

三次元造形用組成物、三次元造形物の製造方法および三次元造形物 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的強度に優れた三次元造形物の製造に好適に用いることのできる三次元造形用組成物を提供すること、機械的強度に優れた三次元造形物を製造することができる三次元造形物の製造方法を提供すること、また、前記三次元造形用組成物、前記三次元造形物の製造方法を用いて製造された三次元造形物を提供すること。
【解決手段】本発明の三次元造形用組成物は、層を積層することにより製造される三次元造形物の製造に用いられる三次元造形用組成物であって、繊維状物質を含むことを特徴とする。前記繊維状物質として、セルロースを含むのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、三次元造形用組成物、三次元造形物の製造方法および三次元造形物に関する。
粉末(粒体)を含む組成物を用いて材料層(単位層)を形成し、これらを積層することにより、三次元造形物を造形する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、次のような操作を繰り返すことによって三次元造形物を造形する。まず、粉末を均一な厚さで薄く敷き詰めて材料層を形成し、この材料層の所望部分のみにおいて、選択的に粉末同士を結合させ結合部を形成する。この結果、粉末同士が結合した結合部に薄い板状の部材(以下、「断面部材」という)が形成される。その後、その材料層の上にさらに材料層を薄く形成し、所望部分のみにおいて、選択的に粉末同士を結合させ結合部を形成する。その結果、新たに形成された材料層にも、新たな断面部材が形成される。このとき、新たに形成された断面部材は、先に形成された断面部材にも結合される。このような操作を繰り返して、薄い板状の断面部材(結合部)を一層ずつ積層することによって、三次元造形物を造形することができる。
しかしながら、従来においては、機械的強度に優れた三次元造形物を得ることが困難であった。また、三次元造形物の製造時等における粉末の飛散が起こりやすいという問題があった。
特開2003−53847号公報
本発明の目的は、機械的強度に優れた三次元造形物の製造に好適に用いることのできる三次元造形用組成物を提供すること、機械的強度に優れた三次元造形物を製造することができる三次元造形物の製造方法を提供すること、また、前記三次元造形用組成物、前記三次元造形物の製造方法を用いて製造された三次元造形物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の三次元造形用組成物は、層を積層することにより製造される三次元造形物の製造に用いられる三次元造形用組成物であって、
繊維状物質を含むことを特徴とする。
これにより、機械的強度に優れた三次元造形物の製造に好適に用いることのできる三次元造形用組成物を提供することができる。
本発明の三次元造形用組成物では、前記繊維状物質として、セルロースを含むことが好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形用組成物では、前記セルロースは、少なくとも一部が塩を形成していることが好ましい。
これにより、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の製造時における繊維状物質の飛散等をより効果的に防止することができる。
本発明の三次元造形用組成物では、前記セルロースは、少なくとも一部がナトリウム塩を形成していることが好ましい。
これにより、三次元造形物の生産性をさらに優れたものとすることができる。また、三次元造形物の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。また、三次元造形物の製造時における繊維状物質の飛散等をさらに効果的に防止することができる。また、例えば、三次元造形用組成物の加熱時に不本意なガスが発生すること等を確実に防止することができる。
本発明の三次元造形用組成物では、前記繊維状物質の平均長さは、1μm以上100μm以下であることが好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度、寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の製造時、製造後等における繊維状物質の飛散をより効果的に防止することができる。
本発明の三次元造形用組成物では、前記繊維状物質の平均太さは、2nm以上200nm以下であることが好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度、寸法精度を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形用組成物では、前記繊維状物質の平均長さをL[nm]、前記繊維状物質の平均太さをT[nm]としたとき、20≦L/T≦10000の関係を満足することが好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度、寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の製造時、製造後等における繊維状物質の飛散をより効果的に防止することができる。
本発明の三次元造形用組成物では、三次元造形用組成物中に含まれる全固形分に対する前記繊維状物質の含有率は、50質量%以上であることが好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度、寸法精度を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法は、繊維状物質を含む三次元造形用組成物を用いて層を形成する層形成工程と、
前記層に硬化性を有する結着液を付与する結着液付与工程とを含む一連の工程を繰り返し行うことを特徴とする。
これにより、機械的強度に優れた三次元造形物を製造することができる三次元造形物の製造方法を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記結着液は、紫外線硬化性樹脂を含むものであり、
前記一連の工程において、前記結着液付与工程の後に、紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させる硬化工程を有していることが好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度や三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、結着液の保存安定性、三次元造形物の生産コストの面からも有利である。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記組成物は、前記繊維状物質に加えて、前記繊維状物質を分散する溶媒を含むものであることが好ましい。
これにより、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、層形成時等における繊維状物質の不本意な飛散等をより効果的に防止することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記一連の工程は、前記溶媒を除去する溶媒除去工程を有していることが好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度をより確実にさらに優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形用組成物を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、機械的強度に優れた三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、機械的強度に優れた三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 各実施例および各比較例で製造する三次元造形物(三次元造形物A)の形状を示す斜視図である。 各実施例および各比較例で製造する三次元造形物(三次元造形物B)の形状を示す斜視図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
《三次元造形物の製造方法》
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
図1、図2は、本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の製造方法は、繊維状物質を含む組成物(三次元造形用組成物)1’を用いて、所定の厚さを有する層1を形成する層形成工程(1a、1e)と、層1から溶媒を除去する溶媒除去工程(層加熱工程)(1b、1f)と、インクジェット法により、層1に対し、結着液2を付与する結着液付与工程(1c、1g)と、層1に付与された結着液2中に含まれる結合剤を硬化させ、層1中に結合部(硬化部)3を形成する硬化工程(1d、1h)とを有し、これらの工程を順次繰り返し行い(1i)、さらに、その後に、各層1のうち結合部3以外のものを除去する未結合部除去工程(1j)を有している。
以下、各工程について説明する。
≪層形成工程≫
層形成工程では、繊維状物質を含む組成物(三次元造形用組成物)1’を用いて、所定の厚さを有する層1を形成する(1a、1e)。
特に、1回目の層形成工程では、ステージ(支持体)50上に、繊維状物質を含む組成物(三次元造形用組成物)1’を用いて、所定の厚さを有する層1を形成し(1a)、2回目以降の層形成工程では、層1(結合部3が形成された層1)上に、繊維状物質を含む組成物(三次元造形用組成物)1’を用いて、所定の厚さを有する新たな層1を形成する(1e)。
組成物1’が繊維状物質を含むものであることにより、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を優れたものとすることができる。また、三次元造形物100の寸法精度等を優れたものとすることができる。また、三次元造形物100の製造時等における組成物1’の構成材料の不本意な飛散等を確実に防止することができる。
組成物(三次元造形用組成物)1’は、繊維状物質を含むものであればよいが、繊維状物質を分散する溶媒を含むペースト状のものであるのが好ましい。
これにより、組成物1’の流動性を高め層1形成時の作業性を向上させることができる。また、層1形成時等における繊維状物質の不本意な飛散等をより効果的に防止することができる。
前記溶媒は、繊維状物質を分散する機能を有するものであればいかなるものであってもよいが、水系溶媒であるのが好ましい。
水系溶媒は、一般に適度な揮発性を有しているため、層形成工程における作業性(作業のしやすさ、作業効率)を特に優れたものとしつつ、最終的に得られる三次元造形物100中に溶媒が不本意に残存することを確実に防止することができる。
また、水系溶媒は、水素結合等により、分子間の結合力が強く、溶媒除去工程(層加熱工程)において、層1からの溶媒分子(水系溶媒)の除去に伴い、層1の内部(深部)に存在する溶媒分子も層1の外表面側に移動する効果が非水系の溶媒に比べて強く表れる。したがって、水系溶媒を用いることにより、層1中に溶媒が不本意に残存することを効果的に防止することができる。
また、水系溶媒は、一般に安全性が高い。このため、三次元造形物100の製造時における作業者の安全を図る上でも好ましい。
なお、本発明において、水系溶媒とは、水または水との親和性の高い液体のことをいい、具体的には、25℃における水100gに対する溶解度が、50g以上のもののことをいう。
以下の説明では、組成物1’が溶媒(特に、水系溶媒)を含むものである場合について中心的に説明する。
なお、組成物(三次元造形用組成物)1’については、後に詳述する。
本工程では、スキージー、ローラー等の平坦化手段を用いて、層1を表面が平坦化されたものとして形成する。
本工程で形成される層1の厚さは、特に限定されないが、例えば、5μm以上100μm以下であるのが好ましく、10μm以上50μm以下であるのがより好ましい。
このように、本発明においては、層の厚さを好適に薄いものとすることができる。すなわち、従来においては、層の厚さを薄いものとした場合、層形成時や結着液の付与時等に層に比較的大きな凹凸が生じる(凹凸の高低差の層の厚さに対する比率が大きいものとなる)という問題があったが、本発明では、このような不本意な凹凸の発生を効果的に防止することができる。このように、層の厚さを薄いものとしつつ、不本意な凹凸の発生を防止することにより、より高い寸法精度の三次元造形物が得られる。
なお、例えば、繊維状物質や非繊維状の粒体を含む層形成用組成物を用いないで、インクジェット法により硬化性の組成物を付与して三次元造形物を形成する方法を採用することにより、層の厚さを比較的薄いものとして層形成することができるが、このような方法では、硬化性の組成物を硬化させる際の収縮率が大きく、やはり、三次元造形物の寸法精度を十分に優れたものとすることができない。
また、層1の厚さが前記範囲内の値であると、溶媒除去工程(層加熱工程)における溶媒の除去も短時間で効率よく行うことができるとともに、三次元造形物100全体を製造するのに必要な総工程数(積層数)が極端に多くなることも防止することができる。したがって、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
本工程における組成物1’の粘度(E型粘度計(東京計器社製 VISCONIC ELD)を用いて測定される値)は、500mPa・s以上600000mPa・s以下であるのが好ましく、1000mPa・s以上300000mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、形成される層1における不本意な膜厚のばらつきの発生をより効果的に防止することができる。
≪溶媒除去工程(層加熱工程)≫
層形成工程で層1を形成した後、層1中に含まれる溶媒を除去する(1b、1f)。
これにより、最終的に得られる三次元造形物100中の溶媒の含有率を特に低いものとすることができ、繊維状物質と結合剤との結合力を特に高いものとすることができ、三次元造形物100の機械的強度をより確実にさらに優れたものとすることができる。
本工程は、いかなる方法で行うものであってもよく、例えば、層1を減圧環境下に置いたり、乾燥気体(溶媒成分の含有率の低い気体)を吹きかけること等により行うこともできるが、加熱処理(層加熱処理)により行うものであるのが好ましい。
これにより、効率よく、層1中の溶媒の含有率を特に低いものとすることができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度のさらなる向上を図ることができ、また、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
本工程での層1の加熱温度は、20℃以上120℃以下であるのが好ましく、45℃以上90℃以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとしつつ、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
本工程での加熱処理は、いかなる方法で行うものであってもよく、例えば、ホットプレートを用いた方法、赤外線ヒーターを用いた方法、熱風を用いた方法等により行うことができるが、熱風を用いた方法が好ましい。
これにより、層1の外表面からの水系溶媒の蒸発、層1の内部(深部)からの外表面への水系溶媒の移動をより効率よく進行させることができ、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
本工程での熱風の風速は、1.0m/秒以上18m/秒以下であるのが好ましく、3.0m/秒以上15m/秒以下であるのがより好ましい。
これにより、層1の不本意な変形等をより確実に防止しつつ、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
本工程での加熱処理の処理時間(加熱時間)は、5秒以上60秒以下であるのが好ましく、10秒以上45秒以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとしつつ、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
なお、本工程での加熱処理は、層1の全体に対して一括して行うものであってもよいし、層1の各部位について順次行うものであってもよい。層1の各部位について順次、加熱処理を施す場合は、各部位についての処理時間が、それぞれ、前記条件を満足するのが好ましい。
熱風を用いて加熱処理を行う場合、層1の外表面側の斜め方向(層1の法線方向から所定角度傾斜した方向)から熱風を吹き付けるのが好ましい。
これにより、層1の外表面からの水系溶媒の蒸発、層1の内部(深部)からの外表面への水系溶媒の移動をさらに効率よく進行させることができ、三次元造形物100の生産性をさらに優れたものとすることができる。
層1の法線と熱風の吹き付け方向とのなす角θは、10°以上85°以下であるのが好ましく、30°以上80°以下であるのがより好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
また、熱風の吹き付け方向は、一定であってもよいし、経時的に変化するものであってもよい。
≪結着液付与工程≫
次に、当該層1に対し、層1を構成する繊維状物質を結合するための結着液2を付与する(1c、1g)。
本工程では、層1のうち三次元造形物100の実部(実体のある部位)に対応する部位にのみ、選択的に結着液2を付与する。
これにより、層1を構成する繊維状物質同士を結合させ、最終的に所望の形状の結合部(硬化部)3を形成することができる。また、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を優れたものとすることができる。
また、本実施形態では、層1に対する結着液2の付与を、インクジェット法により行う。
これにより、結着液2の付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よく結着液2を付与することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度を特に高いものとすることができる。
なお、結着液2については、後に詳述する。
≪硬化工程(結合工程)≫
結着液付与工程で層1に結着液2を付与した後、層1に付与された結着液2に含まれる結合剤を硬化させ、結合部(硬化部)3を形成する(1d、1h)。
これにより、(硬化をさせない場合に比べて)結合剤と繊維状物質との結合強度を特に優れたものとすることができ、その結果、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
本工程は、結合剤の種類により異なるが、例えば、結合剤が熱硬化性樹脂の場合、加熱により行うことができ、結合剤が光硬化性樹脂の場合、対応する光の照射により行うことができる(例えば、結合剤が紫外線硬化性樹脂の場合は紫外線の照射により行うことができる)。
本工程を紫外線の照射により行う場合、当該紫外線のピーク波長は、340nm以上400nm以下であるのが好ましく、350nm以上380nm以下であるのがより好ましい。
なお、結着液付与工程と硬化工程とは、同時進行的に行ってもよい。すなわち、1つの層1全体のパターン全体が形成される前に、結着液2が付与された部位から順次硬化反応を進行させるものであってもよい。
また、例えば、結合剤が硬化性成分でない場合には、本工程を省略することができる。この場合、前述した結着液付与工程が結合工程を兼ねることとなる。
≪未結合部除去工程≫
そして、前記のような一連の工程を繰り返し行い(1i)、その後、後処理工程として、各層1について、結合剤により結合していない領域(未結合領域)を除去する未結合部除去工程(1j)を行う。これにより、三次元造形物100が取り出される。
本工程の具体的な方法としては、例えば、刷毛等で未結合部を払い除ける方法、未結合部の構成材料を吸引により除去する方法、空気等の気体を吹き付ける方法、水等の液体を付与する方法(例えば、液体中に前記のようにして得られた積層体を浸漬する方法、液体を吹き付ける方法等)、超音波振動等の振動を付与する方法等が挙げられる。また、これらから選択される2種以上の方法を組み合わせて行うことができる。より具体的には、空気等の気体を吹き付けた後に、水等の液体に浸漬する方法や、水等の液体に浸漬した状態で、超音波振動を付与する方法等が挙げられる。中でも、前記のようにして得られた積層体に対し、水を含む液体を付与する方法(特に、水を含む液体中に浸漬する方法)を採用するのが好ましい。
前述したような本発明の製造方法によれば、機械的強度および寸法精度に優れた三次元造形物を安定的に製造することができる。
<結着液>
次に、本発明の三次元造形物の製造に用いる結着液について詳細に説明する。
結着液2は、少なくとも結合剤を含むものである。
(結合剤)
結合剤は、繊維状物質を結合する機能を有するものであればいかなるものであってもよい。
結合剤としては、例えば、熱可塑性樹脂;熱硬化性樹脂;可視光領域の光により硬化する可視光硬化性樹脂(狭義の光硬化性樹脂)、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化性樹脂等の各種光硬化性樹脂;X線硬化性樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、得られる三次元造形物100の機械的強度や三次元造形物100の生産性等の観点から、結合剤は、硬化性樹脂を含むものであるのが好ましい。また、各種硬化性樹脂の中でも、得られる三次元造形物100の機械的強度や三次元造形物100の生産性、結着液2の保存安定性等の観点から、特に、紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)が好ましい。
紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。単官能の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、単官能のもの、多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート以外の重合性化合物としては、例えば、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例としては、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も用いることができる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーとしては、例えば、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有するもの等が挙げられる。
また、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (1)
(ただし、式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、HまたはCHを示す。)
本発明において、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有するカチオン開環重合性の化合物を紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)として好適に用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げられ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば、単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類等が挙げられる。
グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、例えば、ジグリシジルエーテル類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、3官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、4官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキシ類(例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテル等)、オキセタン類(例えば、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)等)等が挙げられる。
重合性化合物としては、脂環式エポキシ誘導体を好ましく用いることができる。「脂環式エポキシ基」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を言う。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基またはシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
分子内に脂環式構造を有しない通常のエポキシ基を有するグリシジル化合物を、単独で使用したり、前記の脂環式エポキシ化合物と併用することもできる。
このような通常のグリシジル化合物としては、例えば、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物等を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、例えば、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリトリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。グリシジルエステルとしては、例えば、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステル等を挙げることができる。
重合性化合物としては、4員環の環状エーテルであるオキセタニル基を有する化合物(以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)を使用することができる。オキセタニル基含有化合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物である。
結着液2中における結合剤の含有率は、80質量%以上であるのが好ましく、85質量%以上であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
(その他の成分)
また、結着液2は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;重合開始剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、結着液2が着色剤を含むことにより、着色剤の色に対応する色に着色された三次元造形物100を得ることができる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、結着液2、三次元造形物100の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに詳しくは、黒色(ブラック)の顔料として使用されるカーボンブラックとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)等が挙げられる。
白色(ホワイト)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21等が挙げられる。
黄色(イエロー)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
紅紫色(マゼンタ)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
藍紫色(シアン)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60等が挙げられる。
また、前記以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63等が挙げられる。
結着液2が顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下であるのが好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。これにより、結着液2の吐出安定性や結着液2中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができるとともに、より優れた画質の画像を形成することができる。
また、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35等が挙げられる。
結着液2が着色剤を含むものである場合、当該結着液2中における着色剤の含有率は、1質量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性および色再現性が得られる。
特に、結着液2が着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該結着液2中における酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質量%以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性が得られる。
結着液2が顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。高分子分散剤の市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、ノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズ等が挙げられる。
結着液2が界面活性剤を含むものであると、三次元造形物100の耐擦性をより良好なものとすることができる。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤としての、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等を用いることができ、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。界面活性剤の具体例としては、例えば、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製商品名)等を挙げられる。
また、結着液2は、溶剤を含むものであってもよい。これにより、結着液2の粘度調整を好適に行うことでき、結着液2が高粘度の成分を含むものであっても、結着液2のインクジェット方式による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、結着液2の粘度は、1mPa・s以上30mPa・s以下であるのが好ましく、3mPa・s以上25mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェット法による結着液2の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書中において、粘度とは、特に条件の指定がない限り、E型粘度計(東京計器社製 VISCONIC ELD)を用いて25℃において測定される値をいう。
また、三次元造形物100の製造には、複数種の結着液2を用いてもよい。
例えば、着色剤を含む結着液2(カラーインク)と、着色剤を含まない結着液2(クリアインク)とを用いてもよい。これにより、例えば、三次元造形物100の外観上、色調に影響を与える領域に付与する結着液2として着色剤を含む結着液2を用い、三次元造形物100の外観上、色調に影響を与えない領域に付与する結着液2として着色剤を含まない結着液2を用いてもよい。また、最終的に得られる三次元造形物100において、着色剤を含む結着液2を用いて形成された領域の外表面に、着色剤を含まない結着液2を用いて形成された領域(コート層)を設けるように、複数種の結着液2を併用してもよい。
また、例えば、異なる組成の着色剤を含む複数種の結着液2を用いてもよい。これにより、これらの結着液2の組み合わせにより、表現できる色再現領域を広いものとすることができる。
複数種の結着液2を用いる場合、少なくとも、藍紫色(シアン)の結着液2、紅紫色(マゼンタ)の結着液2および黄色(イエロー)の結着液2を用いるのが好ましい。これにより、これらの結着液2の組み合わせにより、表現できる色再現領域をより広いものとすることができる。
また、白色(ホワイト)の結着液2を、他の有色の結着液2と併用することにより、例えば、以下のような効果が得られる。すなわち、最終的に得られる三次元造形物100を、白色(ホワイト)の結着液2が付与された第1の領域と、第1の領域と重なり合い、かつ、第1の領域よりも外表面側に設けられた白色以外の有色の結着液2が付与された領域(第2の領域)とを有するものとすることができる。これにより、白色(ホワイト)の結着液2が付与された第1の領域が隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物100の彩度をより高めることができる。
《三次元造形用組成物》
次に、本発明の三次元造形用組成物について説明する。
三次元造形用組成物1’は、複数個の繊維状物質を含むものである。
繊維状物質を含むことにより、例えば、球状の粒体を含むものである場合に比べて、複数個の繊維状物質(粒体)間での結合力を優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物100の機械的強度を優れたものとすることができる。
また、繊維状物質を含むことにより、例えば、繊維状物質の代わりに球状の粒体を含むものである場合等に比べて、層1を形成した状態の構成成分の不本意な移動が起こりにくい。また、結着液2を付与した際の層1(繊維状物質を含む組成物1’を用いて形成された層1)の不本意な変形を効果的に防止することができる。このようなことから、三次元造形物100の寸法精度を優れたものとすることができる。
以上のようなことから、本発明の三次元造形用組成物は、機械的強度に優れ、寸法精度にも優れた信頼性の高い三次元造形物の製造に好適に用いることができる。
また、繊維状物質は、その形状により、三次元造形物の製造時や製造後の後処理時等において、不本意な飛散が生じにくい。このため、作業性が向上し、作業者の安全の観点等からも好ましい。
(繊維状物質)
三次元造形用組成物1’は、複数個の繊維状物質を含むものである。
各繊維状物質は、繊維状をなすものである。
繊維状物質の平均長さは、1μm以上100μm以下であるのが好ましく、5μm以上70μm以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物100の機械的強度、寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、組成物1’中における繊維状物質の不本意な凝集等をより確実に防止することができ、組成物1’の保存安定性、層1形成時の作業性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物100の製造時、製造後等における繊維状物質の飛散をより効果的に防止することができる。
繊維状物質の平均太さ(平均繊維径)は、2nm以上200nm以下であるのが好ましく、4nm以上100nm以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物100の機械的強度、寸法精度を特に優れたものとすることができる。
繊維状物質の平均長さをL[nm]、繊維状物質の平均太さをT[nm]としたとき、20≦L/T≦10000の関係を満足するのが好ましく、200≦L/T≦2000の関係を満足するのがより好ましい。
これにより、三次元造形物100の機械的強度、寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、組成物1’中における繊維状物質の不本意な凝集等をより確実に防止することができ、組成物1’の保存安定性、層1形成時の作業性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物100の製造時、製造後等における繊維状物質の飛散をより効果的に防止することができる。
繊維状物質の比表面積は、70m/g以上300m/g以下であるのが好ましく、70m/g以上250m/g以下であるのがより好ましく、70m/g以上200m/g以下であるのがさらに好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
繊維状物質の構成材料としては、例えば、セルロース、ガラス、カーボンナノチューブ等の炭素材料、アラミド等が挙げられるが、セルロースが好ましい。
これにより、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、結着液2が結合剤として硬化性樹脂を含むものである場合において、硬化部3の形成時における硬化性樹脂の硬化収縮を効果的に抑制することができ、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
繊維状物質がセルロースを含む材料で構成されたものである場合、当該セルロースは、少なくとも一部が塩を形成しているものであるのが好ましい。
これにより、未結合部除去工程における未結合部の除去を効率よく行うことができる。また、組成物1’が水系溶媒を含む場合における組成物1’中での繊維状物質の分散性を特に優れたものとし、層形成工程をより効率よく行うことができる。また、形成される層1における不本意な厚みのばらつきの発生をより効果的に防止することができ、その結果、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物100の製造時における繊維状物質の飛散等をより効果的に防止することができる。
セルロースの塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられるが、セルロースは、少なくとも一部がナトリウム塩を形成しているものであるのが好ましい。
これにより、未結合部除去工程における未結合部の除去をさらに効率よく行うことができる。また、組成物1’が水系溶媒を含む場合における組成物1’中での繊維状物質の分散性をさらに優れたものとし、層形成工程をより効率よく行うことができる。また、形成される層1における不本意な厚みのばらつきの発生をさらに効果的に防止することができ、その結果、三次元造形物100の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。また、三次元造形物100の製造時における繊維状物質の飛散等をさらに効果的に防止することができる。また、例えば、層1の加熱時に不本意なガスが発生すること等を確実に防止することができる。
繊維状物質がセルロース(少なくとも一部が塩を形成しているもの等を含む)で構成されたものである場合、当該セルロースは、例えば、合成セルロースを原料とするものであってもよいし、天然セルロースを原料とするものであってもよいし、半合成セルロースを原料とするものであってもよい。また、これらを併用してもよい。
なお、例えば、天然セルロースを原料とする場合等において、繊維状物質は、化合物としてのセルロース以外の成分(例えば、ヘミセルロース、リグニン等)を比較的高い含有率で含むものであってもよい。このような成分を比較的高い含有率で含むものも、通常、セルロースと呼ばれる。
天然セルロースとしては、植物、動物、バクテリア産生ゲル等のセルロースの生合成系から単離・精製したものを用いることができる。
特に、繊維状物質の原料として好ましく用いられるセルロースとしては、例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、綿、ビート、農産物残廃物、布といった天然植物原料から得られるパルプ;レーヨン、セロファン等の再生セルロース繊維等が挙げられる。
前記パルプとしては、例えば、植物原料を化学的、もしくは機械的に、または両者を併用してパルプ化することで得られるケミカルパルプ(クラフトパルプ(KP)、亜硫酸パルプ(SP))、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグランドパルプ(CGP)、ケミメカニカルパルプ(CMP)、砕木パルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、及びこれらのパルプを主成分とする脱墨古紙パルプ、段ボール古紙パルプ、雑誌古紙パルプが好ましいものとして挙げられる。これらの原材料は、必要に応じ、脱リグニン、漂白等の処理を行い、当該パルプ中のリグニン量を調整することができる。
これらのパルプの中でも、繊維の強度が強い針葉樹由来の各種クラフトパルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(以下、NUKPということがある)、針葉樹酸素晒し未漂白クラフトパルプ(以下、NOKPということがある)、針葉樹漂白クラフトパルプ(以下、NBKPということがある))が特に好ましい。
パルプは、主にセルロース、ヘミセルロース、リグニンから構成され、セルロース繊維に加え、セルロース繊維の間をリグニンおよびヘミセルロースが埋めている構造を有し、セルロースミクロフィブリル束の周囲の一部または全部をヘミセルロースおよび/またはリグニンが被覆された構造を有する。パルプ中のリグニン含有量は、特に限定されるものではないが、通常0質量%以上40質量%以下、好ましくは0質量%以上10質量%以下である。リグニン含有量の測定は、Klason法により測定することができる。
繊維状物質としてのセルロースは、例えば、パルプを解繊することにより得ることができる。
パルプを解繊する方法としては、例えば、前記セルロースファイバー含有材料の水懸濁液またはスラリーをリファイナー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、一軸または多軸混練機、ビーズミル等による機械的な摩砕、ないし叩解することにより解繊する方法が使用できる。必要に応じて、2種以上の解繊方法を組み合わせて行ってもよい。
解繊時に溶媒を用いる場合、当該溶媒を組成物1’の構成成分としてもよい。
繊維状物質を構成するセルロースの少なくとも一部が塩を形成しているものとする場合、例えば、上記のようにして得られたセルロースに対して、対応する塩基と混合することにより、目的とするセルロースの塩を得ることができる。また、前述した解繊の際に、対応する塩基を用いてもよい。これにより、目的とするセルロースの塩を効率よく得ることができる。また、全体としての三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、セルロースは、上記のような塩のほか、他の化学修飾が施されたものであってもよい。
このような化学修飾は、例えば、セルロースが有する水酸基を、酸、アルコール類、ハロゲン化試薬、酸無水物、イソシアナート類、シランカップリング剤、ポリマー等の修飾剤と反応させることにより、行うことができる。当該化学修飾は、解繊によって得られた繊維状物質に対して行うものであってもよいし、原料としてのセルロースを解繊する際に行うものであってもよい。
組成物1’中に含まれる全固形分に対する繊維状物質の含有率は、50質量%以上であるのが好ましく、80質量%以上であるのがより好ましい。
これにより、前述したような繊維状物質を含むことによる効果がより顕著に発揮される。
組成物1’中における繊維状物質の含有率は、0.1質量%以上30質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以上10質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮されるとともに、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
(溶剤)
組成物1’は、繊維状物質に加え、揮発性の溶剤を含むものであってもよい。
これにより、組成物1’の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。また、層1の形成時に、繊維状物質が不本意に飛散すること等をより効果的に防止することができる。
特に、組成物1’が、溶媒として水系溶媒を含む場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、水系溶媒は、セルロース(少なくとも一部が塩を形成しているものを含む)等の親水性の高い材料で構成された繊維状物質との親和性が高い。このため、組成物1’中において、繊維状物質をより好適に分散させることができ、層形成構成をより容易に行うことができ、形成される層1の厚さの不本意なばらつきの発生をより効果的に防止することができる。
組成物1’を構成する水系溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール性溶媒;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶媒;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒;プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、プロピレングリコール1−モノエチルエーテル2−アセタート等のグリコールエーテルアセテート系溶媒;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、組成物1’は、水を含むものであるのが好ましい。
これにより、組成物1’の流動性、組成物1’を用いて形成される層1の厚さ、組成の均一性を特に優れたものとすることができる。また、水は層加熱工程での除去が容易である。また、人体に対する安全性、環境問題の観点等からも有利である。
組成物1’中における溶媒の含有率は、70質量%以上99.9質量%以下であるのが好ましく、90質量%以上99.9質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮されるとともに、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
水系溶媒が水を含むものである場合、水系溶媒中に占める水の割合は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
(非繊維状の粒体)
三次元造形用組成物1’は、繊維状物質とは異なる非繊維状の粒体(非繊維状粒体)を含むものであってもよい。
非繊維状粒体を含むことにより、未結合部除去工程をより容易に行うことができる。また、例えば、三次元造形物100の端面における不本意な凹凸の発生等を好適に防止し、三次元造形物100の寸法精度、美的外観を特に優れたものとすることができる。
非繊維状粒体の構成材料としては、例えば、無機材料や有機材料、これらの複合体等が挙げられる。
非繊維状粒体を構成する無機材料としては、例えば、各種金属や金属化合物等が挙げられる。金属化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の各種金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の各種金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ等の各種金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の各種金属炭化物;硫化亜鉛等の各種金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の各種金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の各種金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩;ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム等の各種金属のホウ酸塩や、これらの複合化物等が挙げられる。
非繊維状粒体を構成する有機材料としては、例えば、合成樹脂、天然高分子等が挙げられ、より具体的には、ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン;ポリエチレンオキサイド;ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリウレア;ポリエステル;シリコーン樹脂;アクリルシリコーン樹脂;ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとする重合体;メタクリル酸メチルクロスポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとするクロスポリマー(エチレンアクリル酸共重合樹脂等);ナイロン12、ナイロン6、共重合ナイロン等のポリアミド樹脂;ポリイミド;カルボキシメチルセルロールス;ゼラチン;デンプン;キチン;キトサン等が挙げられる。
中でも、非繊維状粒体は、金属酸化物で構成されたものであるのが好ましく、シリカで構成されたものであるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物100の機械的強度、耐光性等の特性を特に優れたものとすることができる。また、シリカは、流動性にも優れているため、厚さの均一性がより高い層1の形成に有利であるとともに、三次元造形物100の生産性、寸法精度を特に優れたものとする上でも有利である。
非繊維状粒体は、外部に開放する空孔を有する多孔質であるのが好ましい。
このような構成であることにより、三次元造形物100を製造する際に、結合剤を空孔内に好適に侵入させることができ、アンカー効果が発揮され、その結果、非繊維状粒体の結合力を特に優れたものとすることができ、結果として、三次元造形物100全体としての機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、結着液2を構成する結合剤が、非繊維状粒体の空孔内に入り込むことにより、結着液2の不本意な濡れ広がりを効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度をより高いものとすることができる。
非繊維状粒体の空孔率は、20%以上であるのが好ましく、30%以上70%以下であるのがより好ましい。これにより、結合剤が入り込む空間(空孔)を十分に有するとともに、非繊維状粒体自体の機械的強度を優れたものとすることができ、結果として、空孔内に結合剤が侵入してなる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。なお、本発明において、粒体(粒子)の空孔率とは、粒体の見かけ体積中に対する、粒体の内部に存在する空孔の割合(体積率)のことを言い、粒体の密度をρ[g/cm]、粒体の構成材料の真密度をρ[g/cm]としたときに、{(ρ−ρ)/ρ}×100で表される値である。
非繊維状粒体の平均空孔径(細孔直径)が10nm以上であるのが好ましく、50nm以上300nm以下であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物100の製造に、顔料を含む結着液2(着色インク)を用いる場合において、顔料を非繊維状粒体の空孔内に好適に保持することができる。このため、不本意な顔料の拡散を防止することができ、高精細な画像をより確実に形成することができる。
非繊維状粒体は、疎水化処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
非繊維状粒体に施された疎水化処理としては、非繊維状粒体(母粒子)の疎水性を高める処理であればいかなるものであってもよいが、炭化水素基を導入するものであるのが好ましい。これにより、非繊維状粒体の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に、各非繊維状粒体や非繊維状粒体表面の各部位(外部に開放する空孔を有するものである場合には、空孔内部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
疎水化処理に用いる化合物としては、シリル基を含むシラン化合物が好ましい。疎水化処理に用いることのできる化合物の具体例としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、1−プロペニルメチルジクロロシラン、プロピルジメチルクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、テトラデシルトリクロロシラン、3−チオシアネートプロピルトリエトキシシラン、p−トリルジメチルクロロシラン、p−トリルメチルジクロロシラン、p−トリルトリクロロシラン、p−トリルトリメトキシシラン、p−トリルトリエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブチロキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブチロキシシラン、ジ−t−ブチルジ−t−ブチロキシシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルメチルジエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、オクタデシルメトキシジクロロシラン、7−オクテニルジメチルクロロシラン、7−オクテニルトリクロロシラン、7−オクテニルトリメトキシシラン、オクチルメチルジクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、10−ウンデセニルジメチルクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、メチルオクタデシルジエトキシシラン、n−オクチルメチルジメトキシシラン、n−オクチルメチルジエトキシシラン、トリアコンチルジメチルクロロシラン、トリアコンチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルイソプロポキシシラン、メチル−n−ブチロキシシラン、メチルトリ−sec−ブチロキシシラン、メチルトリ−t−ブチロキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルイソプロポキシシラン、エチル−n−ブチロキシシラン、エチルトリ−sec−ブチロキシシラン、エチルトリ−t−ブチロキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、2−〔2−(トリクロロシリル)エチル〕ピリジン、4−〔2−(トリクロロシリル)エチル〕ピリジン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1,3−(トリクロロシリルメチル)ヘプタコサン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルメチルジメトキシシラン、ベンジルジメチルメトキシシラン、ベンジルジメトキシシラン、ベンジルジエトキシシラン、ベンジルメチルジエトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、6−(アミノヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシシラン、ω−アミノウンデシルトリメトキシシラン、アミルトリエトキシシラン、ベンゾオキサシレピンジメチルエステル、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、8−ブロモオクチルトリメトキシシラン、ブロモフェニルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、2−クロロメチルトリエトキシシラン、クロロメチルメチルジエトキシシラン、クロロメチルメチルジイソプロポキシラン、p−(クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、シアノメチルフェネチルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリメトキシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリエトキシシラン、3−シクロヘキセニルトリクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルジメチルクロロシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルメチルジクロロシシラン、
シクロヘキシルジメチルクロロシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、(シクロヘキシルメチル)トリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロオクチルトリクロロシラン、(4−シクロオクテニル)トリクロロシラン、シクロペンチルトリクロロシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、1,1−ジエトキシ−1−シラシクロペンタ−3−エン、3−(2,4−ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、(ジメチルクロロシリル)メチル−7,7−ジメチルノルピナン、(シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(3−シクロペンタジエニルプロピル)トリエトキシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(フルフリルオキシメチル)トリエトキシシラン、2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシプロポキシ)ジフェニルケトン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルトリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)メチルジクロロシラン,p−(メチルフェネチル)トリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)ジメチルクロロシラン、3−モルフォリノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、1,2,3,4,7,7,−ヘキサクロロ−6−メチルジエトキシシリル−2−ノルボルネン、1,2,3,4,7,7,−ヘキサクロロ−6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、3−ヨードプロピルトリメトキシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチル{2−(3−トリメトキシシリルプロピルアミノ)エチルアミノ}−3−プロピオネート、7−オクテニルトリメトキシシラン、R−N−α−フェネチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、S−N−α−フェネチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルメチルジメトキシシラン、フェネチルジメチルメトキシシラン、フェネチルジメトキシシラン、フェネチルジエトキシシラン、フェネチルメチルジエトキシシラン、フェネチルジメチルエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、(3−フェニルプロピル)ジメチルクロロシラン、(3−フェニルプロピル)メチルジクロロシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)ダンシルアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、2−(トリエトキシシリルエチル)−5−(クロロアセトキシ)ビシクロヘプタン、(S)−N−トリエトキシシリルプロピル−O−メントカルバメート、3−(トリエトキシシリルプロピル)−p−ニトロベンズアミド、3−(トリエトキシシリル)プロピルサクシニック無水物、N−〔5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソ−ペンチル〕カプロラクタム、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、N−(トリメトキシシリルエチル)ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、フェニルビニルジエトキシシラン、3−チオシアナートプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフロオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、N−{3−(トリエトキシシリル)プロピル}フタルアミド酸、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルジメトキシシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシシラン、1−トリメトキシシリル−2−(クロロメチル)フェニルエタン、2−(トリメトキシシリル)エチルフェニルスルホニルアジド、β−トリメトキシシリルエチル−2−ピリジン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリブチルアンモニウムブロマイド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリブチルアンモニウムクロライド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、ビニルメチルジエトキシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルフェニルジクロロシラン、ビニルフェニルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメチルシラン、ビニルフェニルメチルクロロシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリス−t−ブトキシシラン、アダマンチルエチルトリクロロシラン、アリルフェニルトリクロロシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルジメチルクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ベンジルメチルジクロロシラン、フェネチルジイソプロピルクロロシラン、フェネチルトリクロロシラン、フェネチルジメチルクロロシラン、フェネチルメチルジクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、2−(ビシクロヘプチル)ジメチルクロロシラン、2−(ビシクロヘプチル)トリクロロシラン、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ブロモフェニルトリクロロシラン、3−フェノキシプロピルジメチルクロロシラン、3−フェノキシプロピルトリクロロシラン、t−ブチルフェニルクロロシラン、t−ブチルフェニルメトキシシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルジメチルクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、1,3−(クロロジメチルシリルメチル)ヘプタコサン、((クロロメチル)フェニルエチル)ジメチルクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)メチルジクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、2−シアノエチルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルジメチルエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン、フッ化アルキルシラン等を挙げることができ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、ヘキサメチルジシラザンを疎水化処理に用いるのが好ましい。
これにより、非繊維状粒体の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に、各非繊維状粒体や非繊維状粒体表面の各部位(外部に開放する空孔を有するものである場合には、空孔内部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
シラン化合物を用いた疎水化処理を液相で行う場合には、シラン化合物を含む液中に、疎水化処理を施すべき非繊維状粒体(母粒子)を浸漬することで、好適に所望の反応を進行させることができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
また、シラン化合物を用いた疎水化処理を気相で行う場合には、シラン化合物の蒸気に疎水化処理を施すべき非繊維状粒体(母粒子)を曝すことで、好適に所望の反応を進行させることができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
非繊維状粒体は、繊維状以外の形状を有するものであれば、いかなる形状を有するものであってもよいが、球形状をなすものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形用組成物1’の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
非繊維状粒体の平均粒径は、特に限定されないが、1μm以上25μm以下であるのが好ましく、1μm以上15μm以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用組成物1’の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明において、平均粒径とは、体積基準の平均粒径を言い、例えば、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができる。
非繊維状粒体のDmaxは、3μm以上40μm以下であるのが好ましく、5μm以上30μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用組成物1’の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
組成物(三次元造形用組成物)1’中における非繊維状粒体の含有率は、10質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以下であるのがより好ましい。
(その他の成分)
また、組成物1’は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、層1中において繊維状物質や非繊維状粒体を仮固定する機能を発揮するバインダー(例えば、水溶性樹脂等);重合開始剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられる。
上記のように、組成物1’は、バインダーを含むものであってもよいが、バインダーを含むものであってもその含有率は比較的低いもの(例えば、三次元造形用組成物1’中に含まれる全固形分に対するバインダーの含有率が10質量%以下)であるのが好ましく、バインダーを含まないものであるのが好ましい。
これにより、結合部(硬化部)3における結合強度を特に優れたものとし、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、未結合部除去工程で除去された材料を好適に再利用し、組成物1’を得ることができる。なお、本発明においては、三次元造形用組成物がバインダーを含まないものであっても、構成成分の不本意な飛散等が効果的に防止される。
《三次元造形物》
本発明の三次元造形物は、前述したような三次元造形用組成物、製造方法を用いて製造することができる。これにより、寸法精度に優れ、機械的強度に優れた三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されるものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、全ての層に対して、結合部を形成するものとして説明したが、結合部が形成されない層を有していてもよい。例えば、ステージの直上に形成された層に対して、結合部を形成しないものとし、犠牲層として機能させてもよい。
また、前述した実施形態では、結着液付与工程をインクジェット法により行う場合について中心的に説明したが、結着液付与工程は他の方法(例えば、他の印刷方法)を用いて行うものであってもよい。
また、前述した実施形態では、層形成工程および結着液付与工程に加え、硬化工程も、層形成工程および結着液付与工程と合わせて繰り返し行うものとして説明したが、硬化工程は、繰り返し行うものでなくてもよい。例えば、硬化されていない複数の層を備えた積層体を形成した後に一括して行うものであってもよい。
また、前述した実施形態では、繰り返し行う一連の工程中において、層加熱工程を行った後に、結着液付与工程、結合工程を行う場合について説明したが、結着液付与工程、結合工程は、層加熱工程の前に行うものであってもよい。
また、本発明の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、ステージの清掃工程等が挙げられる。
中間処理工程としては、例えば、三次元造形用組成物がペレット状をなすものである場合、層形成工程と結着液付与工程との間に、加熱を中止等する工程(バインダー固化工程)を有していてもよい。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、着色工程、被覆層形成工程、未硬化の結合剤を確実に硬化させるための光照射処理や加熱処理を行う結合剤硬化完了工程等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、結着液付与工程と硬化工程(結合工程)とを有する方法について中心的に説明したが、例えば、結着液が結合剤として熱可塑性樹脂を含むものを用いた場合には、結着液付与工程の後に硬化工程(結合工程)を設ける必要がない(結着液付与工程に結合工程を兼ねさせることができる)。
また、前述した実施形態では、組成物(三次元造形用組成物)が、溶媒を含むものである場合について中心的に説明したが、本発明において、組成物は、溶媒を含まないものであってもよい。
また、組成物は、ペースト状をなすものでなくてもよい。
以下に具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に温度条件を示していない処理は、室温(25℃)において行ったものである。また、各種測定条件についても特に温度条件を示していないものは、室温(25℃)における数値である。
(実施例1)
[1]三次元造形用組成物の製造
針葉樹漂白クラフトパルプ(リファイナー処理済み、王子製紙社製、固形分:25%):600gに、0.5質量%の水酸化ナトリウム水溶液:19.94kgを添加し、分散液(懸濁液)を調製した(パルプスラリー濃度:0.75質量%の懸濁液)。得られたスラリーに対し、ビーズミル(NVM−2、アイメックス社製)で機械的処理を行った。処理条件は、ジルコニアビーズ(直径:1mm)のビーズ充填率:70%(4043g)、主軸回転数:2500rpm、ベッセル温度:20℃、滞留時間:2.5分、処理回数:2回とした。
処理液からビーズを除去し、その後、濃縮することにより、少なくとも一部の水酸基がナトリウム塩となっているセルロースで構成された繊維状物質を5.5質量%の含有率で含む三次元造形用組成物(組成物)が得られた。
繊維状物質は、平均長さLが35000nm、平均太さ(平均繊維径)Tが35nm、アスペクト比(L/T)が1000、比表面積が138m/gという条件のものであった。
[2]三次元造形物の製造
前記のようにして得られた三次元造形用組成物を用いて、図3に示すような形状、すなわち、JIS K 7139:1996(ISO 3167:1993)に準拠したダンベル状の三次元造形物A(全長:200mm)、および、図4に示すような形状、すなわち、厚さ:4mm×幅:10mm×長さ:80mmの立方体形状である三次元造形物Bを、以下のようにして製造した。
まず、支持体(ステージ)の表面に、三次元造形用組成物を用いて、スキージー法により、厚さ:20μmの層を形成した(層形成工程)。本工程における組成物の粘度は、10000mPa・sであった。
次に、形成された層を加熱する溶媒除去工程(層加熱工程)を行った。
溶媒除去工程では、加熱温度:40℃×加熱時間:20秒という条件の第1の加熱処理と、加熱温度:60℃×加熱時間:20秒という条件の第2の加熱処理とをこの順で行った。
また、第1の加熱処理、第2の加熱処理は、いずれも、熱風の吹き付けにより行った。第1の加熱処理での熱風の風速は7.5m/秒、第2の加熱処理での熱風の風速は7.5m/秒であった。
次に、三次元造形用組成物で構成された層に、インクジェット法により、所定のパターンでインク(結着液)を付与した(結着液付与工程)。インクとしては、以下の組成で25℃における粘度が18mPa・sのものを用いた。
<重合性化合物>
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:32質量%
・フェノキシエチルアクリレート:10質量%
・2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート:13.75質量%
・ジプロピレングリコールジアクリレート:15質量%
・4−ヒドロキシブチルアクリレート:20質量%
<重合開始剤>
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:5質量%
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量%
<蛍光増白剤(増感剤)>
・1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレン:0.25質量%
次に、前記層に紫外線を照射し、三次元造形用組成物中に含まれる結合剤を硬化させた(硬化工程)。
その後、製造すべき三次元造形物の形状に応じて、インクの付与パターンを変更しつつ、複数の層が積層するように、前記層形成工程ないし硬化工程の一連の工程を繰り返し行った。
その後、前記のようにして得られた積層体を水中に浸漬し、超音波振動を付与することにより、各層のうち結合剤により結合していないもの(未結合部)を除去し、三次元造形物Aおよび三次元造形物Bをそれぞれ2個ずつ得た。
その後、60℃×20分間という条件で、乾燥処理を施した。
(実施例2)
前記実施例1で述べたのと同様にして調製した繊維状物質としてのセルロール(少なくとも一部の水酸基がナトリウム塩となっているもの)を含む分散液と、非繊維状粒体とを混合し、各成分の含有率を調整するために、水で希釈した以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形用組成物を調製し、また、前記実施例1と同様にして三次元造形物を製造した。
非繊維状粒体としては、以下のようにして調製したものを用いた。
まず、多数個の多孔質粒子からなる合成非晶質シリカ粉末を用意した。
このシリカ粉末を、40℃のヘキサメチルジシラザン蒸気中で、撹拌することにより、疎水化処理を行った。この疎水化処理により、空孔内を含む表面にメチル基が導入された粉末が得られた。
得られた粉末を構成する粒子の平均粒径は2.6μm、Dmaxは10μm、空孔率は80%、平均空孔径は60nmであった。また、粉末の空隙率は、93%であった。なお、平均粒径およびDmaxは、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めた。また、空孔率、平均空孔径は、ポロシメーター2000型(アムコ社製)による水銀法測定により求めた。
(実施例3〜10)
繊維状物質の原料としてのパルプに対する機械的処理の処理条件、機械的処理後の処理液の濃縮率を調整することにより、三次元造形用組成物の構成を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形用組成物を調製し、また、前記実施例1と同様にして三次元造形物を製造した。
(比較例1)
東ソー・シリカ製 非晶質特殊シリカ Nipsil E−200A(平均粒径:2.8μm、比表面積:140m/g、見かけ比重:0.16g/ml):15質量部と、水:70質量部と、バインダー(水溶性樹脂)としてのポリビニルピロリドン(重量平均分子量:50000):15質量部とを混合したものを三次元造形用組成物として用いた以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形物を製造した。
(比較例2)
東ソー・シリカ製 非晶質特殊シリカ Nipsil E−200A(平均粒径:2.8μm、比表面積:140m/g、見かけ比重:0.16g/ml):15質量部と、水:85質量部とを混合したものを三次元造形用組成物として用いた以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形物を製造した。
前記各実施例および比較例で用いた三次元造形用組成物の条件を表1にまとめて示した。なお、表1中、ポリビニルピロリドンはPVPで示した。なお、前記各実施例では、層形成工程における三次元造形用組成物の粘度は、いずれも、500mPa・s以上20000mPa・s以下の範囲内の値であった。また、前記各実施例では、三次元造形用組成物に含まれる繊維状物質の比表面積は、いずれも、70m/g以上200m/g以下の範囲内の値であった。
Figure 2015212060
[3]評価
[3.1]寸法精度
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Bについて、厚さ、幅、長さを測定し、設計値からのずれ量を求め、以下の基準に従い評価した。
A:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が1.0%未満である。
B:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が1.0%以上2.0%未満である。
C:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が2.0%以上4.0%未満である。
D:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が4.0%以上7.0%未満である。
E:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が7.0%以上である。
[3.2]引張強度および引張弾性率
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Aについて、JIS K 7161:1994(ISO 527:1993)に準拠し、引張降伏応力:50mm/分、引張弾性率:1mm/分という条件で測定を行い、引張強度および引張弾性率について、以下の基準に従い評価した。
(引張強度)
A:引張強度が35MPa以上。
B:引張強度が30MPa以上35MPa未満。
C:引張強度が20MPa以上30MPa未満。
D:引張強度が10MPa以上20MPa未満。
E:引張強度が10MPa未満。
(引張弾性率)
A:引張弾性率が1.5GPa以上。
B:引張弾性率が1.3GPa以上1.5GPa未満。
C:引張弾性率が1.1GPa以上1.3GPa未満。
D:引張弾性率が0.9GPa以上1.1GPa未満。
E:引張弾性率が0.9GPa未満。
[3.3]曲げ強度および曲げ弾性率
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Bについて、JIS K 7171:1994(ISO 178:1993)に準拠し、支点間距離64mm、試験速度:2mm/分という条件で測定を行い、曲げ強度および曲げ弾性率について、以下の基準に従い評価した。
(曲げ強度)
A:曲げ強度が65MPa以上。
B:曲げ強度が60MPa以上65MPa未満。
C:曲げ強度が45MPa以上60MPa未満。
D:曲げ強度が30MPa以上45MPa未満。
E:曲げ強度が30MPa未満。
(曲げ弾性率)
A:曲げ弾性率が2.4GPa以上。
B:曲げ弾性率が2.3GPa以上2.4GPa未満。
C:曲げ弾性率が2.2GPa以上2.3GPa未満。
D:曲げ弾性率が2.1GPa以上2.2GPa未満。
E:曲げ弾性率が2.1GPa未満。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2015212060
表2から明らかなように、本発明では、寸法精度に優れ、機械的強度に優れた三次元造形物が効率よく得られた。また、本発明では、三次元造形物の製造時や製造後の後処理時における組成物の飛散等が効果的に防止されていた。これに対し、比較例では、満足のいく結果が得られなかった。特に、比較例2では、三次元造形物の製造時や製造後の後処理時における組成物の飛散が顕著に発生した。
100…三次元造形物
1…層
1’…組成物(三次元造形用組成物)
2…結着液
3…結合部(硬化部)
50…支持体(ステージ)

Claims (14)

  1. 層を積層することにより製造される三次元造形物の製造に用いられる三次元造形用組成物であって、
    繊維状物質を含むことを特徴とする三次元造形用組成物。
  2. 前記繊維状物質として、セルロースを含む請求項1に記載の三次元造形用組成物。
  3. 前記セルロースは、少なくとも一部が塩を形成している請求項2に記載の三次元造形用組成物。
  4. 前記セルロースは、少なくとも一部がナトリウム塩を形成している請求項3に記載の三次元造形用組成物。
  5. 前記繊維状物質の平均長さは、1μm以上100μm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物。
  6. 前記繊維状物質の平均太さは、2nm以上200nm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物。
  7. 前記繊維状物質の平均長さをL[nm]、前記繊維状物質の平均太さをT[nm]としたとき、20≦L/T≦10000の関係を満足する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物。
  8. 三次元造形用組成物中に含まれる全固形分に対する前記繊維状物質の含有率は、50質量%以上である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物。
  9. 繊維状物質を含む三次元造形用組成物を用いて層を形成する層形成工程と、
    前記層に硬化性を有する結着液を付与する結着液付与工程とを含む一連の工程を繰り返し行うことを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  10. 前記結着液は、紫外線硬化性樹脂を含むものであり、
    前記一連の工程において、前記結着液付与工程の後に、紫外線を照射して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させる硬化工程を有している請求項9に記載の三次元造形物の製造方法。
  11. 前記組成物は、前記繊維状物質に加えて、前記繊維状物質を分散する溶媒を含むものである請求項9または10に記載の三次元造形物の製造方法。
  12. 前記一連の工程は、前記溶媒を除去する溶媒除去工程を有している請求項11に記載の三次元造形物の製造方法。
  13. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物を用いて製造されたことを特徴とする三次元造形物。
  14. 請求項9ないし12のいずれか1項に記載の方法を用いて製造されたことを特徴とする三次元造形物。
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