JP7363323B2 - 立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 - Google Patents

立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 Download PDF

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本発明は、立体造形物の製造方法、立体造形物の製造装置、及び立体造形物に関する。
近時、複雑で微細な立体造形物の低ロット生産のニーズが高まってきている。このニーズに対応するための技術として、立体造形方法が提案されている。立体造形方法においては、最近では、セラミックスの造形を行う方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、十分な破壊靭性値のセラミックスの立体造形物を製造することができなかった。
本発明は、セラミックスの破壊靭性値を改善した立体造形物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段である本発明の立体造形物の製造方法は、
粉末層とファイバー層との積層単位を形成する第1工程と、
前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させるための液体を、前記積層単位の任意領域に対して付与する第2工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、セラミックスの破壊靭性値を改善した立体造形物の製造方法を提供することができる。
図1は、立体造形物の製造に関する概念図である。 図2は、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例のフローチャートである。 図3は、立体造形物の製造装置の第1実施形態の一例の機能ブロック図である。 図4Aは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例を説明するための概略図である(その1)。 図4Bは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例を説明するための概略図である(その2)。 図4Cは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例を説明するための概略図である(その3)。 図4Dは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例を説明するための概略図である(その4)。 図4Eは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例を説明するための概略図である(その5)。 図4Fは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例を説明するための概略図である(その6)。 図4Gは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例を説明するための概略図である(その7)。 図4Hは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例を説明するための概略図である(その8)。 図4Iは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例を説明するための概略図である(その9)。 図5は、立体造形物の製造方法の第1実施形態の他の一例のフローチャートである。 図6は、立体造形物の製造方法の第1実施形態の他の一例のフローチャートである。 図7は、立体造形物の製造装置の第1実施形態の他の一例の機能ブロック図である。 図8は、立体造形物の製造方法の第1実施形態の他の一例のフローチャートである。 図9は、立体造形物の製造方法の第2実施形態の一例のフローチャートである。 図10は、立体造形物の製造装置の第2実施形態の一例の機能ブロック図である。 図11Aは、立体造形物の製造方法の第2実施形態の一例を説明するための概略図である(その1)。 図11Bは、立体造形物の製造方法の第2実施形態の一例を説明するための概略図である(その2)。 図11Cは、立体造形物の製造方法の第2実施形態の一例を説明するための概略図である(その3)。 図11Dは、立体造形物の製造方法の第2実施形態の一例を説明するための概略図である(その4)。 図11Eは、立体造形物の製造方法の第2実施形態の一例を説明するための概略図である(その5)。 図11Fは、立体造形物の製造方法の第2実施形態の一例を説明するための概略図である(その6)。 図11Gは、立体造形物の製造方法の第2実施形態の一例を説明するための概略図である(その7)。 図11Hは、立体造形物の製造方法の第2実施形態の一例を説明するための概略図である(その8)。 図12は、立体造形物の製造方法の第2実施形態の他の一例のフローチャートである。 図13は、立体造形物の製造方法の第2実施形態の他の一例のフローチャートである。 図14は、立体造形物の製造装置の第2実施形態の他の一例の機能ブロック図である。
(立体造形物の製造方法、立体造形物の製造装置)
本発明の立体造形物の製造方法の第1実施形態は、第1工程と、第2工程とを含み、更に必要に応じて、第3工程、第4工程などのその他の工程を含む。
前記第1工程は、粉末層とファイバー層との積層単位を形成する工程である。
前記第2工程は、前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させるための液体を、前記積層単位の任意領域に対して付与する工程である。
前記第3工程は、前記第1工程、及び前記第2工程を行うことにより得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させる工程である。
前記第4工程は、乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する工程である。
本発明の立体造形物の製造装置の第1実施形態は、第1手段と、第2手段とを有し、更に必要に応じて、第3手段、第4手段などのその他の手段を有する。
前記第1手段は、粉末層とファイバー層との積層単位を形成する手段である。
前記第2手段は、前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させるための液体を、前記積層単位の任意領域に対して付与する手段である。
前記第3手段は、前記第1手段、及び前記第2手段を用いて得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させる手段である。
前記第4手段は、乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する手段である。
本発明の立体造形物の製造方法の第2実施形態は、第A工程と、第B工程とを含み、更に必要に応じて、第C工程、第D工程などのその他の工程を含む。
前記第A工程は、粉末、及びファイバーを混合して得られた混合粉を、被付与面上に付与して、混合紛層を形成する工程である。
前記第B工程は、前記粉末同士、前記ファイバー同士、並びに前記粉末及び前記ファイバーの少なくともいずれかを結着させるための液体を、前記混合紛層の任意領域に対して付与する工程である。
前記第C工程は、前記第A工程、及び前記第B工程を行うことにより得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末同士、前記ファイバー同士、並びに前記粉末及び前記ファイバーの少なくともいずれかを結着させる工程である。
前記第D工程は、乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する工程である。
本発明の立体造形物の製造装置の第2実施形態は、第A手段と、第B手段とを有し、更に必要に応じて、第C手段、第D手段などのその他の手段を有する。
前記第A手段は、粉末、及びファイバーを混合して得られた混合粉を、被付与面上に付与して、混合紛層を形成する手段である。
前記第B手段は、前記粉末同士、前記ファイバー同士、並びに前記粉末及び前記ファイバーの少なくともいずれかを結着させるための液体を、前記混合紛層の任意領域に対して付与する手段である。
前記第C手段は、前記第A手段、及び前記第B手段を用いて得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末同士、前記ファイバー同士、並びに前記粉末及び前記ファイバーの少なくともいずれかを結着させる手段である。
前記第D手段は、乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する手段である。
破壊靭性とは、亀裂の進展しやすさを示す指標であり、いわゆる脆さの程度を表している。例えば、球形なアルミナ粉末を焼結して製造されたセラミックス部材の破壊靭性値は、4(MPa・m1/2)程度であり、金属は数十程度であることからわかるように著しく低い。靭性改善のために、セラミックス部材内部に繊維を配向させることで、破壊靭性値を改善する手法が提案されている。例えば、耐熱構造部材としての実装が進むSiC/SiC複合材は、SiC部材の内部にSiC繊維を織り込んだシートを重ねることで、破壊靭性値を30(MPa・m1/2)程度まで向上させることに成功している(例えば、Effect of heat treatment on microstructure and mechanical properties of PIP-SiC/SiC composites,Materials Science and Engineering: A ,Volume 559, 1 January 2013, Pages 808-811参照)。
しかしながら、繊維を織り込んだシートを積層して焼結する方法は、極めてコストが高く、かつ製造納期が長いという問題がある。また、焼結時に加圧しながら焼結を進める必要があるため、製造できる部材の形状に制約がある。
セラミックスの立体造形は、金属又は樹脂の立体造形と比較して、技術的難易度が高く、造形できる形状の制約が多い。そのため、セラミックスの立体造形は、あまり浸透していないのが現状である。
技術的難易度が高い背景には、セラミックスの原材料は金属又は樹脂と比較して融点が高いため、緻密体を形成するための”溶かして固める”という工程が取りにくいということがある。結果として、焼結工程を用いる必要性が高いため、レーザー等のエネルギー手段を用いて材料を直接融解させるSLM(Selective laser melting)方式及びDED(Direct Energy Deposition)方式などの造形方式を採用することが難しい。そのため、セラミックスの立体造形は、研究レベルでもあまり提案されていない。
また、セラミックスの根本的課題である、低破壊靭性という特性は、セラミックス造形物の普及を妨げている主要因の一つである。
本発明では、立体造形方法を利用してセラミックス中にファイバーを導入するため、上記のごとく、コストが高く、かつ製造期間が長くなることを防ぎつつ、セラミックスである立体造形物の破壊靭性値を改善することができる。
また、本発明では、セラミックスである立体造形物を製造する立体造形方法において、立体造形物の原材料を一時的に結着させた後に立体造形物を得ている。この場合、例えば、結着に樹脂を用いた場合でも、結着に用いる樹脂は少量でよいため、焼結後の体積収縮が少ない。その結果、大きな構造部材を造形する際にも、焼結時の割れを防ぐことができるため、構造部材として実用可能な寸法のモデルを造形できる。
<第1実施形態>
立体造形物の製造方法においける第1実施形態は、第1工程と、第2工程とを含み、更に必要に応じて、第3工程、第4工程などのその他の工程を含む。
立体造形物の製造装置においける第1実施形態は、第1手段と、第2手段とを有し、更に必要に応じて、第3手段、第4手段などのその他の手段を有する。
<<第1工程及び第1手段>>
第1工程としては、粉末層とファイバー層との積層単位を形成する工程(積層単位形成工程)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第1手段としては、粉末層とファイバー層との積層単位を形成する手段(積層単位形成手段)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
粉末層の形成は、例えば、粉末による粉末層を形成する処理(第1-1処理:粉末層形成処理)により行うことができる。
粉末層の形成は、例えば、粉末による粉末層を形成する部材(第1-1部材:粉末層形成処理)により行うことができる。
ファイバー層の形成は、例えば、ファイバーによるファイバー層を形成する処理(第1-1処理:ファイバー層形成処理)により行うことができる。
ファイバー層の形成は、例えば、ファイバーによるファイバー層を形成する部材(第1-2部材:ファイバー層形成部材)により行うことができる。
積層単位において、粉末層とファイバー層との順序は問わない。即ち、積層単位は、粉末層上にファイバー層が形成された積層単位であってもよいし、ファイバー層上に粉末層が形成された積層単位であってもよい。
<<<第1-1処理及び第1-1部材>>>
第1-1処理(粉末層形成処理)としては、粉末による粉末層を形成する処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第1-1部材(粉末層形成部材)としては、粉末による粉末層を形成する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
粉末層を形成する際、粉末は、例えば、ファイバー層上、支持体上、又は、既に形成されたに立体造形物の前駆体上に付与される。
粉末層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、粉末をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、粉末の表面を、押圧部材により押圧して薄層に拡げる方法、公知の粉末積層造形装置を用いる方法などが挙げられる。
カウンター回転機構(カウンターローラ)、ブラシ乃至ブレード、押圧部材などを用いて、支持体上に粉末による粉末層を形成する場合、例えば、外枠(「型」、「中空シリンダー」、「筒状構造体」などと称することがある)内に、外枠の内壁に摺動しながら昇降可能に配置された支持体上に、粉末をカウンター回転機構、ブラシ、ブラシ乃至ブレード、押圧部材などを用いて載置して、粉末層を形成する。このとき、支持体として、外枠内を昇降可能なものを用いる場合には、支持体を外枠の上端開口部よりも少しだけ(粉末による層の厚み分だけ)下方の位置に配し、支持体上に粉末を載置させることが好ましい。
また、粉末層を形成するには、公知の粉末積層造形装置を用いて自動的にかつ簡便に行うこともできる。粉末積層造形装置は、一般に、粉末材料を積層するためのリコーターと、粉末材料を支持体上に供給するための可動式供給槽と、粉末材料からなる層を形成して、積層するための可動式成形槽とを備える。この粉末積層造形装置においては、供給槽を上昇させるか、成形槽を下降させるか、又はその両方によって、供給槽の表面を成形槽の表面よりもわずかに上昇させることができる。そのため、この粉末積層造形装置は、供給槽側からリコーターを用いて、粉末材料を層状にして粉末層を形成することができ、リコーターを繰り返し移動させることにより、粉末層を積層させることができる。
粉末層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一層当たりの平均厚みは、10μm以上200μm以下が好ましく、30μm以上100μm以下がより好ましい。
<<<<粉末>>>>
粉末は、例えば、セラミックスの原材料を含有する。
粉末は、樹脂を含有していてもよい。この樹脂は、例えば、粉末層及びファイバー層の結着に用いられる。更には、例えば、粉末同士、並びに粉末及びファイバーの結着に用いられる。
ここで、セラミックスの原材料は、例えば、粉末の主成分である。主成分とは、粉末においてセラミックスを50質量%超含むことを意味し、粉末におけるセラミックスの含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
-セラミックスの原材料-
セラミックスとは、無機物を加熱処理し焼き固めた焼結体を意味する。
セラミックスの原材料としては、例えば、ガラス粒子、金属酸化物粒子、金属炭化物粒子、金属窒化物粒子などが挙げられる。
金属酸化物粒子としては、例えば、ジルコニア粒子、アルミナ粒子、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)粒子などが挙げられる。
金属炭化物粒子としては、例えば、炭化ケイ素粒子、タングステンカーバイド粒子などが挙げられる。
金属窒化物粒子としては、例えば、窒化ケイ素粒子、窒化アルミ粒子などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、高温強度を保持する観点で、ジルコニア粒子、アルミナ粒子、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)粒子、タングステンカーバイド粒子、炭化ケイ素粒子、窒化ケイ素粒子が好ましい。
-樹脂-
粉末に含有される樹脂は、例えば、粉末層及びファイバー層の結着、粉末同士の結着、並びに粉末とファイバーとの結着などに寄与する。
樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル、マレイン酸、シリコーン、ブチラール、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α-オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン又はその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ニトロセルロースなどが挙げられる。
粉末が樹脂を含有する場合、粉末において、樹脂は、セラミックスの原材料の表面に配されていることが好ましく、樹脂は、セラミックスの原材料の表面を被覆していることが好ましい。なお、ここでの被覆とは、表面の100%を覆っている必要はない。
例えば、粉末において、樹脂は、セラミックスの原材料の表面に膜状に存在している。
粉末において、セラミックスの原材料の表面に、樹脂を配する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾式コーティング方法、湿式コーティング方法などが挙げられる。
粉末が樹脂を含有する場合、粉末における樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形物のひび割れ、欠陥形成、及び変形防止の観点から、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
<<<第1-2処理及び第1-2部材>>>
第1-2処理(ファイバー層形成処理)としては、ファイバーによるファイバー層を形成する処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第1-2部材(ファイバー層形成部材)としては、ファイバーによるファイバー層を形成する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ファイバー層を形成する際、ファイバーは、例えば、粉末層上、支持体上、又は、既に形成されたに立体造形物の前駆体上に付与される。
ファイバー層は、ファイバーが高密度に敷き詰められた層である必要はない。例えば、ファイバー層には複数のファイバーの間に隙間があり、ファイバー層の密度は、ファイバー層の一方の面側からファイバー層を見た場合に、複数のファイバーの間の隙間から、他方の面側が見える程度であってもよい。
ファイバー層は、ファイバーを、被付与面上に、被付与面に接しない非接触部材を用いて付与することにより形成されることが好ましい。
即ち、第1-2処理(ファイバー層形成処理)は、ファイバーを、被付与面上に、被付与面に接しない非接触部材を用いて付与する処理であることが好ましい。
第1-2部材(ファイバー層形成部材)は、ファイバーを、被付与面上に、被付与面に接しない非接触部材を用いて付与する部材であることが好ましい。
ここで、被付与面とは、積層単位が、粉末層上にファイバー層が形成された積層単位である場合には、粉末層面であり、積層単位が、ファイバー層上に粉末層が形成された積層単位である場合には、支持体面、又は既に形成されたに立体造形物の前駆体面である。
非接触部材を用いることで、ファイバーが折れることを防ぐことができ、その結果、ファイバーによるセラミックスの破壊靭性値の改善効果がより優れたものとなる。
積層単位におけるファイバー層の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、積層単位に対して、5質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がより好ましい。前記量が5質量%以上であると、破壊靭性値の改善効果がより優れ、70質量%以下であると、立体造形物の密度が高くなり、結果として強度が高くなる。
第1-2処理は、例えば、以下のようにして行うことができる。
被付与面の上方(例えば、10mm程度離れた位置)から、ファイバーを被付与面に非接触で落下させるために、例えば、金属篩のような、ファイバーが落下できるほどの寸法のメッシュが設けられた部材(非接触部材)を、被付与面の上方に配置し、その部材にファイバーを落下させる方法が有用である。
ファイバーがメッシュを通過することを促進させるために、メッシュを振動させてもよいし、ブラシ部材又はローラー部材でファイバーをメッシュに押し付けてもよい。造形速度を向上させることや、ファイバーの配置量を制御する点で、そのような処理は有用である。
また、メッシュの形状に異方性を設けるなどして、ファイバーの向きを揃えながら被付与面上にファイバーを配置することで、ファイバーを配向させた造形物を取得することが可能である。セラミックスの破壊靭性値は、ファイバーの含有によって向上することだけでなく、ファイバーを配向することによって大きく向上する。積層ごとに、ファイバーの配向度を調整し、あるいは配向する向きを調整することで、セラミックスの破壊靭性値を調整することも可能である。
さらに、ファイバーが落下する際に、飛び散ることを防ぐために、静電気力を利用してもよい。メッシュと被付与面との間に電位差を形成させ、電場を発生させることで、その電場内にメッシュと同じ正負の電荷を持ったファイバーが入ることで、ファイバーが被付与面面側に容易に移動し、かつ密に被付与面に接着する。この方式は静電スクリーン技術と呼ばれ、部材に粉材料を転写させる方式の一つであるが、この方法は本発明と極めて親和性が高い。
<<<<ファイバー>>>>
ファイバーは、例えば、無機材料を含有する。
ファイバーは、樹脂を含有していてもよい。この樹脂は、例えば、粉末層及びファイバー層の結着に用いられる。更には、例えば、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの結着に用いられる。
ここで、ファイバーとは、針状、棒状、繊維状などの細長い形状の物質を意味する。
ここで、無機材料は、例えば、ファイバーの主成分である。ここで、主成分とは、ファイバーにおいて無機材料を50質量%超含むことを意味し、ファイバーにおける無機材料の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
なお、ファイバーにおいては、ファイバーに含有される全ての材料が、針状、棒状、繊維状などの細長い形状である必要はなく、例えば、主成分である無機材料が少なくとも針状、棒状、繊維状などの細長い形状であればよい。
-無機材料-
無機材料は、針状、棒状、繊維状などの細長い形状である。
無機材料の材質としては、例えば、ガラス、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、ジルコニア、アルミナ、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)などが挙げられる。
金属炭化物としては、例えば、炭化ケイ素、タングステンカーバイドなどが挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、炭化ケイ素、アルミナ、ムライトが、高温での比強度、耐環境性の点で好ましい。
無機材料には、窒化ホウ素、カーボンなどの耐熱コーティングが前処理として施されたものを用いてもよい。
-樹脂-
ファイバーに含有される樹脂は、例えば、粉末層及びファイバー層の結着、ファイバー同士の結着、並びに粉末とファイバーとの結着などに寄与する。
樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル、マレイン酸、シリコーン、ブチラール、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α-オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン又はその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ニトロセルロースなどが挙げられる。
ファイバーに含有される樹脂は、粉末に含有される樹脂と同じ樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよいが、粉末層及びファイバー層の結着、並びに粉末とファイバーとの結着がより強固になる点で、同じ樹脂であることが好ましい。
ファイバーが樹脂を含有する場合、ファイバーにおいて、樹脂は、ファイバー状の無機材料の表面に配されていることが好ましく、樹脂は、無機材料の表面を被覆していることが好ましい。なお、ここでの被覆とは、表面の100%を覆っている必要はない。
例えば、ファイバーにおいて、樹脂は、無機材料の表面に膜状に存在している。
ファイバーにおいて、無機材料の表面に、樹脂を配する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾式コーティング方法、湿式コーティング方法などが挙げられる。
ファイバーが樹脂を含有する場合、ファイバーにおける樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形物のひび割れ、欠陥形成、及び変形防止の観点から、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
<<第2工程及び第2手段>>
第2工程としては、粉末層とファイバー層とを結着させるための液体を、積層単位の任意領域に対して付与する工程(液体付与工程)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第2手段としては、粉末層とファイバー層とを結着させるための液体を、積層単位の任意領域に対して付与する手段(液体付与手段)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
任意領域は、例えば、立体造形物中に残る領域である。
粉末層とファイバー層との結着は、樹脂を介して行われることが好ましい。
粉末層とファイバー層との結着に用いられる樹脂は、乾燥前の積層単位に含有されている。樹脂は、粉末及びファイバーに含有されていてもよいし、液体に含有されていてもよい。
粉末及びファイバーの少なくともいずれかが、粉末層とファイバー層との結着に用いられる樹脂を含有する場合、積層単位の任意領域に対して液体を付与した際に、粉末及びファイバーの少なくともいずれかに含有される樹脂は、液体によって溶解する。その後、乾燥を行い、液体における揮発成分(例えば、溶剤)が除去されると、粉末層とファイバー層とは、樹脂を介して結着する。この際、例えば、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかは、結着されている。
一方、液体が、粉末層とファイバー層との結着に用いられる樹脂を含有する場合、積層単位の任意領域に対して液体を付与した際に、液体は、粉末層の隙間、ファイバー層の隙間、粉末層及びファイバー層の界面に侵入する。その後、乾燥を行い、液体における揮発成分(例えば、溶剤)が除去されると、粉末層とファイバー層とは、樹脂を介して結着する。また、液体は、粉末同士の間の隙間、ファイバー同士の間の隙間、並びに粉末及びファイバーの間の隙間の少なくともいずれかに侵入する。その後、乾燥を行い、液体における揮発成分(例えば、溶剤)が除去されると、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかは、樹脂を介して結着する。
液体を、積層単位の任意領域に対して付与する方法としては、例えば、ディスペンサ方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。なお、これらの方式を実施するには公知の装置を第2手段として好適に使用することができる。
これらの中でも、ディスペンサ方式は、液滴の定量性に優れるが、塗布面積が狭くなる。スプレー方式は、簡便に微細な吐出物を形成でき、塗布面積が広く、塗布性に優れるが、液滴の定量性が悪く、スプレー流による粉末材料の飛散が発生する。
このため、インクジェット方式が特に好ましい。インクジェット方式は、スプレー方式に比べ、液滴の定量性が良く、ディスペンサ方式に比べ、塗布面積が広くできる利点があり、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で好ましい。
インクジェット法による場合、第2手段は、インクジェット法により液体を積層単位の任意領域に対して付与可能なノズルを有する。なお、ノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズル(吐出ヘッド)を好適に使用することができ、また、インクジェットプリンターを第2手段として好適に使用することができる。なお、インクジェットプリンターとしては、例えば、株式会社リコー製のSG7100、などが好適に挙げられる。インクジェットプリンターは、ヘッド部から一度に滴下できる液体の量が多く、塗布面積が広いため、塗布の高速化を図ることができる点で好ましい。
<<<液体>>>
液体としては、粉末層とファイバー層とを結着させるための液体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液体は、例えば、溶剤を含有し、必要に応じて樹脂などのその他の成分を含有する。
例えば、粉末層とファイバー層との結着に用いられる樹脂が、粉末及びファイバーの少なくともいずれかに含有されている場合、液体は、樹脂を含有していてもよいし、樹脂を含有していなくてもよい。
-溶剤-
溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数2以上7以下のアルコール、炭素数3以上8以下のケトン、環状エーテル、ポリエーテルが好ましい。
炭素数2以上7以下のアルコールとしては、例えば、エチルアルコール、イソプロパノール、n-ブタノールなどが挙げられる。
炭素数3以上8以下のケトンとしては、例えば、アセトン、エチルメチルケトンなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
ポリエーテルとしては、例えば、ジメトキシエタノール、ジメトキシジエチレングリコールなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
液体における溶剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液体が樹脂を含有する場合、液体における溶剤の含有量としては、60質量%以上95質量%以下が好ましく、70質量%以上90質量%以下がより好ましい。
液体が樹脂を含有しない場合、液体における溶剤の含有量としては、50質量%以上99質量%以下が好ましく、70質量%以上90質量%以下がより好ましい。
液体における水の含有量は、少ない方が好ましい。液体における水の含有量は、45質量%未満が好ましく、5質量%未満が好ましい。
-樹脂-
樹脂は、例えば、粉末層とファイバー層との結着、粉末同士の結着、ファイバー同士の結着、並びに粉末とファイバーとの結着などに寄与する。
樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル、マレイン酸、シリコーン、ブチラール、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α-オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン又はその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ニトロセルロースなどが挙げられる。
また、樹脂としては、親水性の低い有機又は有機金属の高分子化合物であってもよい。
液体が樹脂を含有する場合、液体における樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体の粘性を所定の範囲に制御する観点から、5質量%以上40質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
-その他の成分-
その他の成分としては、無機微小粒子などが挙げられる。
--無機微小粒子--
液体は、ノズルに詰まることのないサイズの粒子径の無機微小粒子を含有していてもよい。液体が無機微小粒子を含有することで、液体が、積層単位に付与された際に、無機微小粒子が、積層単位における粉末の隙間に配置される。その結果、得られる立体造形物の密度が向上する。
無機微小粒子の材質としては、例えば、ガラス、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、ジルコニア、アルミナ、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)などが挙げられる。
金属炭化物としては、例えば、炭化ケイ素、タングステンカーバイドなどが挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機微小粒子の材質は、セラミックスの原材料の材質と同じ材質であることが好ましい。
無機微小粒子の体積平均粒子径としては、セラミックスの原材料の粒子径よりも小さい限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積平均粒子径として、1nm以上5μm以下が好ましい。
ここで、体積平均粒子径は、例えば、レーザー回折・散乱法により測定できる。
液体における無機微小粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以上60質量%以下が好ましく、15質量%以上50質量%以下がより好ましい。
<<第3工程及び第3手段>>
第3工程としては、第1工程、及び第2工程を行うことにより得られた、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、粉末層とファイバー層とを結着させる工程(結着工程)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の乾燥機を用いて行うことができる。
第3手段としては、第1手段、及び第2手段を用いて得られた、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、粉末層とファイバー層とを結着させる手段(結着手段)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の乾燥機などが挙げられる。
第3工程においては、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥する。その際に、液体中の溶剤が蒸発することで、例えば、溶剤に溶解していた樹脂が固化し、粉末層とファイバー層とが当該樹脂を介して結着される。
第3工程は、第1工程、及び第2工程を1巡して得られる立体造形物の前駆体に対して行ってもよい。この場合、立体造形物の前駆体は、例えば、積層単位それ自身ということができる。また、この場合、例えば、第3工程は、第1工程、及び第2工程を1巡する毎に行われる。
また、第3工程は、第1工程、及び第2工程を繰り返して得られる立体造形物の前駆体に対して行ってもよい。この場合、立体造形物の前駆体は、複数の積層単位を積層した積層構造ということができる。
乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃以上200℃以下が好ましい。
乾燥の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以上48時間以下が好ましい。
なお、液体に含まれる揮発成分の沸点が低い場合、又は液体に含まれる揮発成分の揮発性が高い場合には、第3工程は、自然乾燥であってもよい。即ち、第3工程は、液体を含有する立体造形物の前駆体を放置することで、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥させてもよい。
<<第4工程及び第4手段>>
第4工程としては、乾燥した立体造形物の前駆体を加熱する工程(加熱工程)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の加熱装置を用いて行うことができる。
第4手段としては、乾燥した立体造形物の前駆体を加熱する手段(加熱手段)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の加熱装置などが挙げられる。
一態様では、第4工程及び第4手段における加熱は、立体造形物の前駆体の焼結のための加熱である。
他の態様では、第4工程及び第4手段における加熱は、樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを兼ねている。
加熱においては、樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行ってもよいし、分けて行ってもよい。樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行う方が、工程を短縮できる点で好ましい。
樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行う場合、例えば、立体造形物の前駆体を、樹脂の分解除去が可能な温度に加熱して一定時間保持し、樹脂を分解して、立体造形物の前駆体から樹脂を除去した後に、引き続き、使用したセラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱して、立体造形物の前駆体を焼結することが挙げられる。
樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを分けて行う場合、例えば、立体造形物の前駆体を、樹脂の分解除去が可能な温度に加熱して一定時間保持し、樹脂を分解して、立体造形物の前駆体から樹脂を除去した後に、一旦冷却(例えば、放冷)し、その後、使用したセラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱して、立体造形物の前駆体を焼結することが挙げられる。即ち、樹脂分解処理を行った後に、焼結処理を行う。
樹脂の分解除去のための加熱における雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気)などが挙げられる。
樹脂の分解除去のための加熱の温度、及び時間としては、樹脂を分解除去できる温度、及び時間であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱の温度としては、150℃以上700℃以下などが挙げられ、加熱の時間としては、0.5時間以上24時間以下などが挙げられる。
焼結おける雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気)などが挙げられる。
焼結の加熱の温度、及び時間としては、焼結できる温度、及び時間であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱の温度としては、800℃以上2000℃以下などが挙げられ、加熱の時間としては、0.5時間以上12時間以下などが挙げられる。
<<その他の工程、及びその他の手段>>
第3工程と第4工程の間には、第5工程として、不要な粉末層、及び不要なファイバー層を除去する工程を有していてもよい。
立体造形物の製造装置の第1実施形態では、第5手段として、不要な粉末層、及び不要なファイバー層を除去する手段を有していてもよい。
第5工程としては、例えば、エアスプレー、刷毛などで、立体造形物の前駆体の周囲に付着した不要な粉末層、及び不要なファイバー層を除去することが挙げられる。
第5手段としては、例えば、エアスプレー、刷毛などが挙げられる。
<第2実施形態>
本発明の立体造形物の製造方法の第2実施形態は、第A工程と、第B工程とを含み、更に必要に応じて、第C工程、第D工程などのその他の工程を含む。
本発明の立体造形物の製造装置の第2実施形態は、第A手段と、第B手段とを有し、更に必要に応じて、第C手段、第D手段などのその他の手段を有する。
<<第A工程及び第A手段>>
第A工程としては、粉末、及びファイバーを混合して得られた混合粉を、被付与面上に付与して、混合紛層を形成する工程(混合粉層形成工程)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第A手段としては、粉末、及びファイバーを混合して得られた混合粉を、被付与面上に付与して、混合紛層を形成する手段(混合粉層形成手段)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
被付与面は、例えば、支持体の表面、又は、既に形成されたに立体造形物の前駆体の表面である。
混合紛層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、粉末をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、混合紛の表面を、押圧部材により押圧して薄層に拡げる方法、公知の粉末積層造形装置を用いる方法などが挙げられる。
第A工程は、混合紛を、被付与面上に、被付与面に接しない非接触部材を用いて付与する工程であることが好ましい。
第A手段は、混合紛を、被付与面上に、被付与面に接しない非接触部材を用いて付与する手段であることが好ましい。
非接触部材を用いることで、ファイバーが折れることを防ぐことができ、その結果、ファイバーによるセラミックスの破壊靭性値の改善効果がより優れたものとなる。
混合紛層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一層当たりの平均厚みは、10μm以上200μm以下が好ましく、30μm以上100μm以下がより好ましい。
第A工程は、例えば、以下のようにして行うことができる。
被付与面の上方(例えば、10mm程度離れた位置)から、ファイバーを含む混合紛を被付与面に非接触で落下させるために、例えば、金属篩のような、ファイバーが落下できるほどの寸法のメッシュが設けられた部材(非接触部材)を、被付与面の上方に配置し、その部材に混合紛を落下させる方法が有用である。
ファイバーがメッシュを通過することを促進させるために、メッシュを振動させてもよいし、ブラシ部材又はローラー部材でファイバーをメッシュに押し付けてもよい。造形速度を向上させることや、ファイバーの配置量を制御する点で、そのような処理は有用である。
また、メッシュの形状に異方性を設けるなどして、ファイバーの向きを揃えながら被付与面上にファイバーを配置することで、ファイバーを配向させた造形物を取得することが可能である。セラミックスの破壊靭性値は、ファイバーの含有によって向上することだけでなく、ファイバーを配向することによって大きく向上する。積層ごとに、ファイバーの配向度を調整し、あるいは配向する向きを調整することで、セラミックスの破壊靭性値を調整することも可能である。
さらに、ファイバーを含む混合紛が落下する際に、飛び散ることを防ぐために、静電気力を利用してもよい。メッシュと被付与面との間に電位差を形成させ、電場を発生させることで、その電場内にメッシュと同じ正負の電荷を持ったファイバーが入ることで、ファイバーが被付与面側に容易に移動し、かつ密に被付与面に接着する。この方式は静電スクリーン技術と呼ばれ、部材に粉材料を転写させる方式の一つであるが、この方法は本発明と極めて親和性が高い。
<<<混合紛>>>
混合紛は、粉末とファイバーとを含有し、更に必要に応じて樹脂などのその他の成分を含有する。
混合紛は、例えば、粉末とファイバーとを混合することで得られる。混合の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
混合紛におけるファイバーの量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、混合紛に対して、15質量%以上90質量%以下が好ましく、30質量%以上70質量%以下がより好ましい。前記量が15質量%以上であると、破壊靭性値の改善効果がより優れ、90質量%以下であると、立体造形物の密度が高くなり、結果として強度が高くなる。
-粉末-
粉末は、例えば、セラミックスの原材料を含有する。
粉末は、樹脂を含有していてもよい。この樹脂は、例えば、粉末同士、並びに粉末及びファイバーの結着に用いられる。
ここで、セラミックスの原材料は、例えば、粉末の主成分である。主成分とは、粉末においてセラミックスを50質量%超含むことを意味し、粉末におけるセラミックスの含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
--セラミックスの原材料--
セラミックスとは、無機物を加熱処理し焼き固めた焼結体を意味する。
セラミックスの原材料としては、例えば、ガラス粒子、金属酸化物粒子、金属炭化物粒子、金属窒化物粒子などが挙げられる。
金属酸化物粒子としては、例えば、ジルコニア粒子、アルミナ粒子、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)粒子などが挙げられる。
金属炭化物粒子としては、例えば、炭化ケイ素粒子、タングステンカーバイド粒子などが挙げられる。
金属窒化物粒子としては、例えば、窒化ケイ素粒子などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、高温強度を保持する観点で、ジルコニア粒子、アルミナ粒子、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)粒子、タングステンカーバイド粒子、炭化ケイ素粒子、窒化ケイ素粒子が好ましい。
-ファイバー-
ファイバーは、例えば、無機材料を含有する。
ファイバーは、樹脂を含有していてもよい。この樹脂は、例えば、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの結着に用いられる。
ここで、ファイバーとは、針状、棒状、繊維状などの細長い形状の物質を意味する。
ここで、無機材料は、例えば、ファイバーの主成分である。ここで、主成分とは、ファイバーにおいて無機材料を50質量%超含むことを意味し、ファイバーにおける無機材料の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
なお、ファイバーにおいては、ファイバーに含有される全ての材料が、針状、棒状、繊維状などの細長い形状である必要はなく、例えば、主成分である無機材料が少なくとも針状、棒状、繊維状などの細長い形状であればよい。
--無機材料--
無機材料は、針状、棒状、繊維状などの細長い形状である。
無機材料の材質としては、例えば、ガラス、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、ジルコニア、アルミナ、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)などが挙げられる。
金属炭化物としては、例えば、炭化ケイ素、タングステンカーバイドなどが挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、炭化ケイ素、アルミナ、ムライトが、高温での比強度、耐環境性の点で好ましい。
無機材料には、窒化ホウ素、カーボンなどの耐熱コーティングが前処理として施されたものを用いてもよい。
-樹脂-
混合粉は、樹脂を含有していてもよい。
混合粉に含有される樹脂は、粉末同士の結着、ファイバー同士の結着、及び粉末とファイバーとの結着の少なくともいずれかに寄与する。
樹脂は、粉末に含有されていてもよいし、ファイバーに含有されていてもよい。
粉末に含有される樹脂は、粉末同士の結着、及び粉末とファイバーとの結着に寄与する。
ファイバーに含有される樹脂は、ファイバー同士の結着、及び粉末とファイバーとの結着に寄与する。
樹脂の種類としては、粉末同士の結着、ファイバー同士の結着、及び粉末とファイバーとの結着の少なくともいずれかに寄与できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル、マレイン酸、シリコーン、ブチラール、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α-オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン又はその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ニトロセルロースなどが挙げられる。
粉末が樹脂を含有する場合、粉末において、樹脂は、セラミックスの原材料の表面に配されていることが好ましく、樹脂は、セラミックスの原材料の表面を被覆していることが好ましい。なお、ここでの被覆とは、表面の100%を覆っている必要はない。
例えば、粉末において、樹脂は、セラミックスの原材料の表面に膜状に存在している。
ファイバーが樹脂を含有する場合、ファイバーにおいて、樹脂は、ファイバー状の無機材料の表面に配されていることが好ましく、樹脂は、無機材料の表面を被覆していることが好ましい。なお、ここでの被覆とは、表面の100%を覆っている必要はない。
例えば、ファイバーにおいて、樹脂は、無機材料の表面に膜状に存在している。
セラミックスの原材料又は無機材料の表面に、樹脂を配する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乾式コーティング方法、湿式コーティング方法などが挙げられる。
混合紛が樹脂を含有する場合、混合紛における樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、造形物のひび割れ、欠陥形成、及び変形防止の観点から、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
<<第B工程及び第B手段>>
第B工程としては、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかを結着させるための液体を、混合紛層の任意領域に対して付与する工程(液体付与工程)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第B手段としては、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかを結着させるための液体を、混合紛層の任意領域に対して付与する手段(液体付与手段)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
任意領域は、例えば、立体造形物中に残る領域である。
粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかの結着は、樹脂を介して行われることが好ましい。
粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかの結着に用いられる樹脂は、混合紛に含有されていてもよいし、液体に含有されていてもよい。
混合紛が、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの結着に用いられる樹脂を含有する場合、混合紛層の任意領域に対して液体を付与した際に、混合紛層に含有される樹脂は、液体によって溶解する。その後、乾燥を行い、液体における揮発成分(例えば、溶剤)が除去されると、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかは、樹脂を介して結着する。
一方、液体が、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかの結着に用いられる樹脂を含有する場合、混合紛層の任意領域に対して液体を付与した際に、液体は、粉末同士の間の隙間、ファイバー同士の間の隙間、並びに粉末及びファイバーの間の隙間の少なくともいずれかに侵入する。その後、乾燥を行い、液体における揮発成分(例えば、溶剤)が除去されると、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかは、樹脂を介して結着する。
液体を、混合紛層の任意領域に対して付与する方法としては、例えば、ディスペンサ方式、スプレー方式、インクジェット方式などが挙げられる。なお、これらの方式を実施するには公知の装置を第B手段として好適に使用することができる。
これらの中でも、ディスペンサ方式は、液滴の定量性に優れるが、塗布面積が狭くなる。スプレー方式は、簡便に微細な吐出物を形成でき、塗布面積が広く、塗布性に優れるが、液滴の定量性が悪く、スプレー流による粉末材料の飛散が発生する。
このため、インクジェット方式が特に好ましい。インクジェット方式は、スプレー方式に比べ、液滴の定量性が良く、ディスペンサ方式に比べ、塗布面積が広くできる利点があり、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で好ましい。
インクジェット法による場合、第B手段は、インクジェット法により液体を混合紛層の任意領域に対して付与可能なノズルを有する。なお、ノズルとしては、公知のインクジェットプリンターにおけるノズル(吐出ヘッド)を好適に使用することができ、また、インクジェットプリンターを第B手段として好適に使用することができる。なお、インクジェットプリンターとしては、例えば、株式会社リコー製のSG7100、などが好適に挙げられる。インクジェットプリンターは、ヘッド部から一度に滴下できる液体の量が多く、塗布面積が広いため、塗布の高速化を図ることができる点で好ましい。
<<<液体>>>
液体としては、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかを結着させるための液体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液体は、例えば、溶剤を含有し、必要に応じて樹脂などのその他の成分を含有する。
例えば、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかの結着に用いられる樹脂が、粉末及びファイバーの少なくともいずれかに含有されている場合、液体は、樹脂を含有していてもよいし、樹脂を含有していなくてもよい。
-溶剤-
溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数2以上7以下のアルコール、炭素数3以上8以下のケトン、環状エーテル、ポリエーテルが好ましい。
炭素数2以上7以下のアルコールとしては、例えば、エチルアルコール、イソプロパノール、n-ブタノールなどが挙げられる。
炭素数3以上8以下のケトンとしては、例えば、アセトン、エチルメチルケトンなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
ポリエーテルとしては、例えば、ジメトキシエタノール、ジメトキシジエチレングリコールなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
液体における溶剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液体が樹脂を含有する場合、液体における溶剤の含有量としては、60質量%以上95質量%以下が好ましく、70質量%以上90質量%以下がより好ましい。
液体が樹脂を含有しない場合、液体における溶剤の含有量としては、50質量%以上99質量%以下が好ましく、70質量%以上90質量%以下がより好ましい。
液体における水の含有量は、少ない方が好ましい。液体における水の含有量は、45質量%未満が好ましく、5質量%未満が好ましい。
-樹脂-
樹脂としては、粉末同士の結着、ファイバー同士の結着、及び粉末とファイバーとの結着の少なくともいずれかに寄与できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル、マレイン酸、シリコーン、ブチラール、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α-オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α-オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン又はその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ニトロセルロースなどが挙げられる。
また、樹脂としては、親水性の低い有機又は有機金属の高分子化合物であってもよい。
液体が樹脂を含有する場合、液体における樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液体の粘性を所定の範囲に制御する観点から、5質量%以上40質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
-その他の成分-
その他の成分としては、無機微小粒子などが挙げられる。
--無機微小粒子--
液体は、ノズルに詰まることのないサイズの粒子径の無機微小粒子を含有していてもよい。液体が無機微小粒子を含有することで、液体が、混合紛層に付与された際に、無機微小粒子が、混合紛層における粉末の隙間に配置される。その結果、得られる立体造形物の密度が向上する。
無機微小粒子の材質としては、例えば、ガラス、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物などが挙げられる。
金属酸化物としては、例えば、ジルコニア、アルミナ、ムライト(アルミノケイ酸塩鉱物)などが挙げられる。
金属炭化物としては、例えば、炭化ケイ素、タングステンカーバイドなどが挙げられる。
金属窒化物としては、例えば、窒化ケイ素、窒化アルミなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機微小粒子の材質は、セラミックスの原材料の材質と同じ材質であることが好ましい。
無機微小粒子の体積平均粒子径としては、セラミックスの原材料の粒子径よりも小さい限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積平均粒子径として、1nm以上5μm以下が好ましい。
ここで、体積平均粒子径は、例えば、レーザー回折・散乱法により測定できる。
液体における無機微小粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%以上60質量%以下が好ましく、15質量%以上50質量%以下がより好ましい。
<<第C工程及び第C手段>>
第C工程としては、第A工程、及び第B工程を行うことにより得られた、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかを結着させる工程(結着工程)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第C手段としては、第A手段、及び第B手段を用いて得られた、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかを結着させる手段(結着手段)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第C工程においては、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥する。その際に、液体中の溶剤が蒸発することで、例えば、溶剤に溶解していた樹脂が固化し、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかが当該樹脂を介して結着される。
第C工程は、第A工程、及び第B工程を1巡して得られる立体造形物の前駆体に対して行ってもよい。この場合、立体造形物の前駆体は、例えば、1層の混合紛層ということができる。また、この場合、例えば、第C工程は、例えば、第A工程、及び第B工程を1巡する毎に行われる。
また、第C工程は、第A工程、及び第B工程を繰り返して得られる立体造形物の前駆体に対して行ってもよい。この場合、立体造形物の前駆体は、複数の混合粉層が積層した積層構造ということができる。
なお、複数の混合紛層の積層構造において、混合粉層間の境界は、明瞭であってもよいし、不明瞭であってもよい。
乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃以上200℃以下が好ましい。
乾燥の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1時間以上48時間以下が好ましい。
なお、液体に含まれる揮発成分の沸点が低い場合、又は液体に含まれる揮発成分の揮発性が高い場合には、第C工程は、自然乾燥であってもよい。即ち、第C工程は、液体を含有する立体造形物の前駆体を放置することで、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥させてもよい。
<<第D工程及び第D手段>>
第D工程としては、乾燥した立体造形物の前駆体を加熱する工程(加熱工程)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の加熱装置を用いて行うことができる。
第D手段としては、乾燥した立体造形物の前駆体を加熱する手段(加熱手段)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の加熱装置などが挙げられる。
一態様では、第D工程及び第D手段における加熱は、立体造形物の前駆体の焼結のための加熱である。
他の態様では、第D工程及び第D手段における加熱は、樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを兼ねている。
加熱においては、樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行ってもよいし、分けて行ってもよい。樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行う方が、工程を短縮できる点で好ましい。
樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行う場合、例えば、立体造形物の前駆体を、樹脂の分解除去が可能な温度に加熱して一定時間保持し、樹脂を分解して、立体造形物の前駆体から樹脂を除去した後に、引き続き、使用したセラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱して、立体造形物の前駆体を焼結することが挙げられる。
樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを分けて行う場合、例えば、立体造形物の前駆体を、樹脂の分解除去が可能な温度に加熱して一定時間保持し、樹脂を分解して、立体造形物の前駆体から樹脂を除去した後に、一旦冷却(例えば、放冷)し、その後、使用したセラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱して、立体造形物の前駆体を焼結することが挙げられる。即ち、樹脂分解処理を行った後に、焼結処理を行う。
樹脂の分解除去のための加熱における雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気)などが挙げられる。
樹脂の分解除去のための加熱の温度、及び時間としては、樹脂を分解除去できる温度、及び時間であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱の温度としては、150℃以上700℃以下などが挙げられ、加熱の時間としては、0.5時間以上24時間以下などが挙げられる。
焼結おける雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気)などが挙げられる。
焼結の加熱の温度、及び時間としては、焼結できる温度、及び時間であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱の温度としては、800℃以上2000℃以下などが挙げられ、加熱の時間としては、0.5時間以上12時間以下などが挙げられる。
<<その他の工程、及びその他の手段>>
第C工程と第D工程の間には、第E工程として、不要な粉末、及び不要なファイバーを除去する工程を有していてもよい。
立体造形物の製造装置の第2実施形態では、第E手段として、不要な混合紛(不要な粉末、及び不要なファイバー)を除去する手段を有していてもよい。
第E工程としては、例えば、エアスプレー、刷毛などで、立体造形物の前駆体の周囲に付着した不要な粉末、及び不要なファイバーを除去することが挙げられる。
第E手段としては、例えば、エアスプレー、刷毛などが挙げられる。
(立体造形物)
本発明の立体造形物(積層造形物)は、本発明の立体造形物の製造方法、又は本発明の立体造形物の製造装置により製造される。
立体造形物は、例えば、針状、棒状、繊維状などの細長い形状を有する無機材料を含有するセラミックスである。
立体造形物における無機材料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、破壊靭性値の改善の観点から、15質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がより好ましい。
立体造形物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、立体造形物は、ジェットエンジンのタービン翼、タービンノズル、ライナ部材などの高温耐熱材料に好適に使用できる。
以下に図を用いて、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置の一例を説明する。
図1は、立体造形物の製造に関する概念図である。
図1は、立体造形装置100と、コンピューター103とが図示されている。立体造形装置100は、造形部101と、後処理部102とを有する。
立体造形物の製造においては、コンピューター103から造形部101に、立体造形物の3Dデータが送られ、造形部101では、3Dデータに基づいて造形が行われる。その後、後処理部102において、加熱などの後処理が施されて立体造形物が完成する。
立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置の第1実施形態の一例について説明する。
図2は、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例のフローチャートである。
図3は、立体造形物の製造装置の第1実施形態の一例の機能ブロック図である。
図4A~図4Iは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の一例を説明するための概略図である。
図3の立体造形装置100は、造形部101と、後処理部102とを有する。造形部101は、第1手段1である積層単位形成手段と、第2手段2である液体付与手段とを有する。後処理部102は、第3手段3である結着手段と、第5手段4である形状顕在化手段と、第4手段5である加熱手段とを有する。第1手段(積層単位形成手段)1は、第1-1部材1-1である粉末層形成部材と、第1-2部材1-2であるファイバー層形成部材とを有する。
<工程S1>
まず、第1工程(積層単位形成工程)を行う。第1工程では、粉末層と、ファイバー層との積層単位を形成する(S1)。粉末層の形成は、第1-1処理(粉末層形成処理)により行う(S1-1)。ファイバー層の形成は、第1-2処理(ファイバー層形成工程)により行う(S1-2)。
まず、第1-1処理(粉末層形成処理)を行う。第1-1処理では、セラミックスの原材料を含有する粉末による粉末層を形成する(S1-1)。第1-1処理は、例えば、第1-1部材(粉末層形成部材)を用いて行う。第1-1部材(粉末層形成部材)は、例えば、図4Aに示すように、粉末51を貯留する供給側粉末貯留槽52と、粉末層を形成するための造形側粉末貯留槽54と、均し機構55とを有する。供給側粉末貯留槽52は、昇降可能なステージ50を有する。造形側粉末貯留槽54は、昇降可能なステージ53を有する。均し機構55が、供給側粉末貯留槽52から造形側粉末貯留槽54に移動することで、供給側粉末貯留槽52内の粉末51が、造形側粉末貯留槽54に移動し、ステージ53上に粉末層56が形成される(図4B)。
続いて、第1-2処理(ファイバー層形成処理)を行う。第1-2処理では、無機材料を含有するファイバーによるファイバー層を形成する(S1-2)。第1-2部材(ファイバー層形成部材)は、例えば、図4Bに示すように、篩58である。篩58は、粉末層56の直上に10mm程度の距離を置いて配置されている。篩58には、ファイバー57が収容されている。篩58上でローラー59を走らせることで、ファイバー57が篩58の網目から粉末層56上に落ちる(図4B)。そうすることで、ファイバー57が粉末層56上に付与され、ファイバー層60が形成される。ここで、粉末層56と粉末層56上に付与されたファイバー層60とを拡大した断面図を示す(図4C)。粉末層56を構成する粉末51は、セラミックスの原材料51Aと、樹脂51Bとを有する。樹脂51Bは、セラミックスの原材料51Aを被覆している。ファイバー層60を構成するファイバー57は、細長い形状の無機材料で構成される。
第1-1処理(粉末層形成処理)及び第1-2処理(ファイバー層形成処理)をこの順で行うことで、そうすることで、粉末層56上にファイバー層60が形成された積層単位61が得られる。
<工程S2>
続いて、第2工程(液体付与工程)を行う。第2工程では、粉末層とファイバー層とを結着させるための液体を、積層単位の任意領域に対して付与する(S2)。第2工程は、例えば、第2手段(液体付与手段)2を用いて行う。第2手段(液体付与手段)2は、例えば、図4Dに示すように、インクジェットノズル63である。インクジェットノズル63を用いて、積層単位61の任意領域に液体62を付与する。ここで、液体62が付与された積層単位61を拡大した断面図を示す(図4E)。粉末51に含まれる樹脂51Bは、液体62に溶解している。
続いて、第1工程、及び第2工程を、所望の積層数になるまで繰り返す。そうすることで、図4F及び図4Gに示すように、ステージ53上に、液体62が付与された複数の積層単位61の積層構造(液体を含有する立体造形物の前駆体64)が得られる。
<工程S3>
続いて、第3工程(結着工程)を行う。第3工程では、第1工程、及び第2工程行うことにより得られた、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、粉末層とファイバー層とを結着させる(S3)。この実施形態では、粉末層とファイバー層とを樹脂を介して結着させる。第3工程は、例えば、第3手段(結着手段)3を用いて行う。第3手段(結着手段)3は、例えば、乾燥機である。液体62を含有する立体造形物の前駆体64を乾燥する。その際に、液体62中の溶剤が蒸発することで、溶剤に溶解していた樹脂51Bが固化し、粉末層56とファイバー層60が樹脂51Bを介して結着される(図4H)。そうすることで、乾燥した立体造形物の前駆体65が得られる。
<工程S4>
続いて、第5工程(形状顕在化工程)を行う。第5工程では、エアスプレー、刷毛などで、立体造形物の前駆体の周囲に付着した不要な粉末層56、及び不要なファイバー層60を除去する(S4)。そうすることで、立体造形物の前駆体において、立体造形物の形状が顕在化する。
<工程S5>
続いて、第4工程(加熱工程)を行う。第4工程では、乾燥した立体造形物の前駆体を加熱する(S5)。第4工程は、例えば、第4手段(加熱手段)5を用いて行う。第4手段(加熱手段)5は、例えば、加熱装置である。工程S5の第4工程では、例えば、樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行う。
そうすることで、図4Iに示すように、セラミックスの原材料51Aが焼結し、セラミックスの原材料51Aによる焼結体の間にファイバー57が配された立体造形物66が得られる。
次に、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置の第1実施形態の他の一例について説明する。
図5は、立体造形物の製造方法の第1実施形態の他の一例のフローチャートである。
図5のフローチャートでは、第1工程、第2工程、及び第3工程を繰り返して、液体を含有する立体造形物の前駆体を得ている。その他の工程は、図2のフローチャートにおける各工程と同じである。
次に、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置の第1実施形態の他の一例について説明する。
図6は、立体造形物の製造方法の第1実施形態の他の一例のフローチャートである。
図7は、立体造形物の製造装置の第1実施形態の他の一例の機能ブロック図である。
図6のフローチャートでは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の第4工程の一態様として、図2のフローチャートの工程S5(第4工程:加熱工程)において、工程S5-1(第4-1処理:樹脂分解処理)及び工程S5-2(第4-2処理:焼結処理)を行う。
図7の立体造形装置100は、造形部101と、後処理部102とを有する。造形部101は、第1手段1である積層単位形成手段と、第2手段2である液体付与手段とを有する。後処理部102は、第3手段3である結着手段と、第5手段4である形状顕在化手段と、第4手段5である加熱手段とを有する。第1手段(積層単位形成手段)1は、第1-1部材1-1である粉末層形成部材と、第1-2部材1-2であるファイバー層形成部材とを有する。第4手段(加熱手段)5は、第4-1部材5-1である樹脂分解部材と、第4-2部材5-2である焼結部材とを有する。
<工程S5-1>
第4-1処理(樹脂分解処理)では、乾燥した立体造形物の前駆体を樹脂の分解除去が可能な温度に加熱して、乾燥した立体造形物の前駆体に含有される樹脂を分解し、乾燥した立体造形物の前駆体から樹脂を除去する(S5-1)。第4-1工程は、例えば、第4-1部材(樹脂分解部材)5-1を用いて行う。第4-1手段(樹脂分解部材)は、例えば、加熱装置である。
<工程S5-2>
続いて、第4-2処理(焼結処理)では、使用したセラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱して、立体造形物の前駆体を焼結する(S5-2)。第4-2工程は、例えば、第4-2手段(焼結手段)5-1を用いて行う。第4-2部材(焼結部材)は、例えば、セラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱可能な加熱装置である。
図8は、立体造形物の製造方法の第1実施形態の他の一例のフローチャートである。
図8のフローチャートでは、立体造形物の製造方法の第1実施形態の第1工程の一態様として、図2のフローチャートの工程S1(第1工程:積層単位形成工程)の第1-1処理と第1-2処理との順序を逆にしている。即ち、図8のフローチャートの第1工程では、第1-2処理(ファイバー層形成処理)を行った後に、第1-1処理(粉末層形成処理)を行い積層単位を形成する。
次に、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置の第2実施形態の一例について説明する。
図9は、立体造形物の製造方法の第2実施形態の一例のフローチャートである。
図10は、立体造形物の製造装置の第2実施形態の一例の機能ブロック図である。
図11A~図11Hは、立体造形物の製造方法の第2実施形態の一例を説明するための概略図である。
図10の立体造形装置200は、造形部201と、後処理部202とを有する。造形部201は、第A手段11である混合紛層形成手段と、第B手段12である液体付与手段とを有する。後処理部202は、第C手段13である結着手段と、第E手段14である形状顕在化手段と、第D手段15である加熱手段とを有する。
<工程S11>
まず、第A工程(混合紛層形成工程)を行う。第A工程では、粉末、及びファイバーを混合して得られた混合粉を、被付与面上に付与して、混合紛層を形成する(S11)。第A工程は、例えば、第A手段(混合紛層形成手段)11を用いて行う。第A手段(混合紛層形成手段)11は、例えば、図11Aに示すように、篩72である。篩72は、昇降可能なステージ73の直上に10mm程度の距離を置いて配置されている。篩72には、混合紛71が収容されている。篩72上でローラー74を走らせることで、粉末71A及びファイバー71Bを含む混合紛71が篩72の網目からステージ73上に落ちる。そうすることで、混合紛71による混合紛層が形成される。ここで、混合紛層75を拡大した断面図を示す(図11B)。混合紛層75を構成する粉末71Aは、セラミックスの原材料71AAと、樹脂71ABとを有する。樹脂71ABは、セラミックスの原材料71AAを被覆している。ファイバー71Bは、細長い形状の無機材料で構成される。
<工程S12>
続いて、第B工程(液体付与工程)を行う。第B工程では、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかを樹脂を介して結着させるための液体を、混合紛層の任意領域に対して付与する(S12)。第B工程は、例えば、第B手段(液体付与手段)12を用いて行う。第B手段(液体付与手段)12は、例えば、図11Cに示すように、インクジェットノズル77である。インクジェットノズル77を用いて、混合紛層75の任意領域に液体76を付与する。ここで、液体76が付与された混合紛層75を拡大した断面図を示す(図11D)。粉末71Aに含まれる樹脂71ABは、液体76に溶解している。
続いて、第A工程、及び第B工程を、所望の積層数になるまで繰り返す。そうすることで、図11E及び図11Fに示すように、ステージ73上に、液体76が付与された混合紛層75の積層構造(液体を含有する立体造形物の前駆体78)が得られる。
<工程S13>
続いて、第C工程(結着工程)を行う。第C工程では、第A工程、及び第B工程を行うことにより得られた、液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、粉末同士、ファイバー同士、並びに粉末及びファイバーの少なくともいずれかを樹脂を介して結着させる(S13)。第C工程は、例えば、第C手段(結着手段)13を用いて行う。第C手段(結着手段)13は、例えば、乾燥機である。液体76を含有する立体造形物の前駆体78を乾燥する。その際に、液体76中の溶剤が蒸発することで、溶剤に溶解していた樹脂71ABが固化し、粉末71A(セラミックスの原材料71AA)同士、ファイバー71B同士、並びに粉末71A(セラミックスの原材料71AA)及びファイバー71Bの少なくともいずれかが当該樹脂71ABを介して結着される(図11G)。そうすることで、乾燥した立体造形物の前駆体79が得られる。
<工程S14>
続いて、第E工程(形状顕在化工程)を行う。第E工程では、エアスプレー、刷毛などで、立体造形物の前駆体の周囲に付着した不要な粉末71A、及び不要なファイバー71Bを除去する(S14)。そうすることで、立体造形物の前駆体において、立体造形物の形状が顕在化する。
<工程S15>
続いて、第D工程(加熱工程)を行う。第D工程では、乾燥した立体造形物の前駆体を加熱する(S15)。第D工程は、例えば、第D手段(加熱手段)15を用いて行う。第D手段(加熱手段)15は、例えば、加熱装置である。工程S15の第D工程では、例えば、樹脂の分解除去と、立体造形物の前駆体の焼結とを一括して行う。
そうすることで、図11Hに示すように、セラミックスの原材料71AAが焼結し、セラミックスの原材料71AAによる焼結体の間にファイバー71Bが配された立体造形物80が得られる。
次に、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置の第2実施形態の他の一例について説明する。
図12は、立体造形物の製造方法の第2実施形態の他の一例のフローチャートである。
図12のフローチャートでは、第A工程、及び第B工程を繰り返して、液体を含有する立体造形物の前駆体を得ている。その他の工程は、図9のフローチャートにおける各工程と同じである。
次に、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置の第2実施形態の他の一例について説明する。
図13は、立体造形物の製造方法の第2実施形態の他の一例のフローチャートである。
図14は、立体造形物の製造装置の第2実施形態の他の一例の機能ブロック図である。
図13のフローチャートでは、立体造形物の製造方法の第2実施形態の第D工程の一態様として、図9のフローチャートの工程S15(第D工程:加熱工程)に代えて、工程S15-1(第D-1処理:樹脂分解処理)及び工程S15-2(第D-2処理:焼結処理を行う。
図14の立体造形装置200は、造形部201と、後処理部202とを有する。造形部201は、第A手段11である混合紛層形成手段と、第B手段12である液体付与手段とを有する。後処理部202は、第C手段13である結着手段と、第E手段14である形状顕在化手段と、第D手段15である加熱手段とを有する。第D手段15は、第D-1部材15-1である樹脂分解部材と、第D-2部材15-2である焼結部材とを有する。
<工程S15-1>
第D-1工程(樹脂分解処理)では、乾燥した立体造形物の前駆体を樹脂の分解除去が可能な温度に加熱して、乾燥した立体造形物の前駆体に含有される樹脂を分解し、乾燥した立体造形物の前駆体から樹脂を除去する(S15-1)。第D-1処理は、例えば、第D-1部材(樹脂分解部材)15-1を用いて行う。第D-1部材(樹脂分解部材)は、例えば、加熱装置である。
<工程S15-2>
続いて、第D-2処理(焼結処理)では、使用したセラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱して、立体造形物の前駆体を焼結する(S15-2)。第D-2処理は、例えば、第D-2部材(焼結部材)15-1を用いて行う。第D-2部材(焼結部材)は、例えば、セラミックスの原材料の焼結温度まで立体造形物の前駆体を加熱可能な加熱装置である。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 粉末層とファイバー層との積層単位を形成する第1工程と、
前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させるための液体を、前記積層単位の任意領域に対して付与する第2工程と、
を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<2> 前記第1工程、及び前記第2工程を行うことにより得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させる第3工程を含む、前記<1>に記載の立体造形物の製造方法である。
<3> 乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する第4工程を含む前記<2>に記載の立体造形物の製造方法である。
<4> 前記ファイバー層が、前記ファイバーを、被付与面上に、前記被付与面に接しない非接触部材を用いて付与することにより形成される前記<1>から<3>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<5> 粉末、及びファイバーを混合して得られた混合粉を、被付与面上に付与して、混合紛層を形成する第A工程と、
前記粉末同士、前記ファイバー同士、並びに前記粉末及び前記ファイバーの少なくともいずれかを結着させるための液体を、前記混合紛層の任意領域に対して付与する第B工程と、
を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。
<6> 前記第A工程、及び前記第B工程を行うことにより得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末同士、前記ファイバー同士、並びに前記粉末及び前記ファイバーの少なくともいずれかを結着させる第C工程を含む、前記<5>に記載の立体造形物の製造方法である。
<7> 乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する第D工程を含む前記<6>に記載の立体造形物の製造方法である。
<8> 前記第A工程は、前記混合紛を、前記被付与面上に、前記被付与面に接しない非接触部材を用いて付与する工程である前記<5>から<7>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<9> 前記粉末及び前記ファイバーの少なくともいずれかが、樹脂を含有する前記<6>から<8>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<10> 前記液体が、樹脂を含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<11> 粉末層とファイバー層との積層単位を形成する第1手段と、
前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させるための液体を、前記積層単位の任意領域に対して付与する第2手段と、
を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<12> 前記第1手段、及び前記第2手段を用いて得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させる第3手段を有する、前記<11>に記載の立体造形物の製造装置である。
<13> 乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する第4手段を有する含む前記<12>に記載の立体造形物の製造装置である。
<14> 前記第1手段が、前記ファイバーを、被付与面上に、前記被付与面に接しない非接触部材を用いて付与して前記ファイバー層を形成する部材を有する前記<11>から<13>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<15> 粉末、及びファイバーを混合して得られた混合粉を、被付与面上に付与して、混合紛層を形成する第A手段と、
前記粉末同士、前記ファイバー同士、並びに前記粉末及び前記ファイバーの少なくともいずれかを結着させるための液体を、前記混合紛層の任意領域に対して付与する第B手段と、
を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<16> 前記第A手段、及び前記第B手段を用いて得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末同士、前記ファイバー同士、並びに前記粉末及び前記ファイバーの少なくともいずれかを結着させる第C手段を有する、前記<15>に記載の立体造形物の製造装置である。
<17> 乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する第D手段を有する前記<16>に記載の立体造形物の製造装置である。
<18> 前記第A手段は、前記混合紛を、前記被付与面上に、前記被付与面に接しない非接触部材を用いて付与する手段である前記<15>から<17>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<19> 前記粉末及び前記ファイバーの少なくともいずれかが、樹脂を含有する前記<15>から<18>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<20> 前記液体が、樹脂を含有する前記<11>から<18>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<21> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法、及び前記<11>から<20>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置のいずれかにより得られることを特徴とする立体造形物である。
前記<1>から<10>に記載の立体造形物の製造方法、前記<11>から<20>に記載の立体造形物の製造装置、及び前記<21>に記載の立体造形物は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 第1手段
1-1 第1-1部材
1-2 第1-2部材
2 第2手段
3 第3手段
4 第5手段
5 第4手段
5-1 第4-1部材
5-2 第4-2部材
11 第A手段
12 第B手段
13 第C手段
14 第E手段
15 第D手段
51 粉末
51A セラミックスの原材料
51B 樹脂
52 供給側粉末貯留槽
53 ステージ
54 造形側粉末貯留槽
55 均し機構
56 粉末層
57 ファイバー
58 篩
59 ローラー
60 ファイバー層
61 積層単位
62 液体
63 インクジェットノズル
64 液体を含有する立体造形物の前駆体
65 乾燥した立体造形物の前駆体
66 立体造形物
71 混合紛
71A 粉末
71AA セラミックスの原材料
71AB 樹脂
71B ファイバー
72 篩
73 ステージ
74 ローラー
75 混合紛層
76 液体
77 インクジェットノズル
78 液体を含有する立体造形物の前駆体
79 乾燥した立体造形物の前駆体
80 立体造形物
100 立体造形装置
101 造形部
102 後処理部
103 コンピューター
200 立体造形装置
201 造形部
202 後処理部
特開2018-204105号公報

Claims (5)

  1. 粉末層とファイバー層との積層単位を形成する第1工程と、
    前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させるための液体を、前記積層単位の任意領域に対して付与する第2工程と、
    を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。
  2. 前記第1工程、及び前記第2工程を行うことにより得られた、前記液体を含有する立体造形物の前駆体を乾燥して、前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させる第3工程を含む、請求項1に記載の立体造形物の製造方法。
  3. 乾燥した前記立体造形物の前記前駆体を加熱する第4工程を含む請求項2に記載の立体造形物の製造方法。
  4. 前記ファイバー層が、ファイバーを、被付与面上に、前記被付与面に接しない非接触部材を用いて付与することにより形成される請求項1から3のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  5. 粉末層とファイバー層との積層単位を形成する第1手段と、
    前記粉末層と前記ファイバー層とを結着させるための液体を、前記積層単位の任意領域に対して付与する第2手段と、
    を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。
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