JP2015212007A - ワークピースから特に均一な厚さの多数のスライスを同時に切り出すための方法 - Google Patents

ワークピースから特に均一な厚さの多数のスライスを同時に切り出すための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】円筒状のワークピースから同時に多数のスライスを切り出す方法において、前面および後面の高い平坦性を均一に有する方法を提供する。
【解決手段】ワイヤーガイドローラ3,4に巻回されたワイヤー1を、ワイヤーガイドローラの回転の第1の方向7,8と、回転の第1の方向と反対である回転の第2の方向との間で連続的に交互に運動することによって、ワークピース15を切り出す際に、第1の方向の回転の間、ワイヤーは第1の長さだけ動かされ、第2の方向の回転の間、ワイヤーは第2の長さだけ動かされ、第2の長さは第1の長さよりも短くなるように選択される方法であって、切断動作の開始の際、第1の長手方向のワイヤー張力が選択され、切断動作の終了の際、第2の長手方向のワイヤ張力が選択され、第1の長手方向の張力は第2の長手方向の張力より大きいように選択されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワークピースから多数のスライスを切り出すための方法、特に、ワイヤーで補助された切断ラッピングによって結晶から半導体スライスを切り出すための方法に関する。
多くの用途において、特定の材料の薄く平坦なスライスが必要とされている。当該スライスはたとえば、磁気記憶ディスクの製造のための基板としてのガラススライス、オプトエレクトロニクスコンポーネントの製造のための基部としてのサファイアもしくは炭化珪素のスライス、または光起電セル(「太陽電池セル」)の製造のための半導体スライスあるいは超小型電子要素もしくは超小型電気機械要素の構造化のための基板としての半導体スライスである。
半導体スライスは、たとえば元素半導体(シリコン,ゲルマニウム)、化合物半導体(たとえばアルミニウムもしくはガリウム)、またはその化合物(たとえばSi1xGe、0<x<1;AlGaAs,AlGaInPなど)といった、半導体材料のスライスである。
出発物質は通常、単結晶(エレクトロニクス用途)または多結晶(太陽電池セル)の半導体材料のロッドの形態であり、この材料の必要とされるスライスは、切断ラッピングのようなチップ除去プロセスによってロッドから切り出される。ワークピースから除去される粒子はチップと称される。
特に、半導体スライスを切り出すために、切断ラッピングおよび切断研削は特に重要である。切断ラッピングの場合には、材料を除去するためのツールは、懸濁液として、粘性のキャリア液におけるたとえば炭化珪素のような硬質物質の鋭いエッジの粒子の形態にあり、キャリア液および硬質物質が付着するワイヤーの形態にあるツールキャリアがこれらの粒子をワークピースに接触させる。キャリア液はたとえば、水、ポリオール、鉱油、グリコールまたはその混合物を含む。硬質物質の懸濁液はスラリーと称される。ワイヤーの長手方向におけるワイヤーの運動と、ワイヤーの横断方向において力がかかることと、スラリーの供給との結果、硬質物質が、ワイヤーの表面とワークピースの表面との間に入り、摺動運動または転動運動によってワークピースに対して圧力下で移動され、脆性浸食による材料の過負荷または疲労によってワークピースからチップが除去される。
材料の除去を実行する硬質物質をスラリーが含んでいることと、ツールキャリアが材料の除去を実行する如何なる硬質物質も含んでいないことと、材料の除去が3つの物体(第1にワークピース、第2に硬質物質、第3にツールキャリア)の相互作用に基づくということとが切断ラッピングの特徴である。
切断研削の場合には、材料を除去するツールは、固定的にツールキャリアの表面に結合される硬質物質の鋭いエッジの粒子の形態にある。当該ツールキャリアはたとえばワイヤーである。
ツールキャリアが材料の除去を実行する固定的に接合された硬質物質を含んでいることと、冷却潤滑剤が材料の除去を実行する如何なる硬質物質も含んでいないことと、材料の除去が2つの物体(第1にワークピース、第2にツールキャリアに固定的に結合された硬質物質)の相互作用に基づくこととが切断研削の特徴である。
ワイヤーによる切断ラッピングおよび切断研削のプロセスは、これらの結合した用語である「ワイヤーソーイング」と称される。
切断ラッピングおよび切断研削の場合には、使用される硬質物質は、たとえば、炭化珪素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、窒化珪素、酸化ジルコニウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化クロム、窒化チタン、炭化タングステン、炭化チタン、炭化バナジウム、ダイヤモンド、サファイアおよびその混合物を含む。炭化珪素は切断ラッピングの場合には特に重要であり、ダイヤモンドは切断研削の場合に特に重要である。
ツールキャリアとしてのワイヤーは、モノフィラー(monofilar)であってもよく、または、複数のストランドもしくはファイバから構成されるとともに異なる材料から構成されるストランデッドワイヤーであってもよく、場合によっては金属、合金またはプラスチックの付加的なコーティングを担持してもよい。
切断ラッピングおよび切断研削の場合には、ワイヤーは、たとえば硬化鋼(「ピアノ線」)、プラスチック、炭素繊維または金属合金から構成される。
切断ラッピングおよび切断研削の両方は、1つ以上のワイヤーで行なわれ得る。後者の例は、いわゆるガングソー(gang saw)であり、当該ガングソーにおいては、多数の個々のワイヤーがフレーム(ガング)に固定され、次いで当該フレームがワイヤーの長手方向において前後に動かされ、これにより、ワイヤーがワークピースを通過するように作用する。
半導体材料のロッドからのスライスの切り出しにおいては、1つのみワイヤーを有するワイヤーソーが特に重要である。
エレクトロニクス用途のための半導体材料のロッドは通常、切断動作の前に、ロッド軸と、円筒状の周面と、2つの円筒端面(底面および上面)とを有する真っすぐな円筒の形状になるように処理される。通常、たとえば特定の結晶方位を示す識別溝(切欠部)が、円筒軸と平行にロッドの周面へと研削される。切断動作によって得られる半導体スライスは、「ウェハ」とも称され、真っすぐな円筒の形状であり、当該円筒の高さは、数十分の1ミリメートルからたとえば1ミリメートルであり、当該円筒の基部は75〜450mmの直径を有する。直径が150mmまでであるロッドまたはウェハは小さいと分類され、200mmまでのものは中型と分類され、300mmまでのものは大きいと分類され、450mmまでのものは非常に大きいと分類される。
切断ラッピングまたは切断研削によるスライスへの分割は、多数のカーフに沿って行われる。当該多数のカーフは、可能な限り平坦であり、可能な限り互いに平行であり、かつ、ロッド軸に対して実質的に垂直である。すなわち、ロッド軸への垂線に対してずれが2°までである。
切断ラッピングおよび切断研削は、小さい半導体ロッドおよび中型の半導体ロッドを分割する場合には等しく好適である。大きい半導体ロッドおよび非常に大きな半導体ロッドを分割する場合には、切断ラッピングが特に重要である。なぜならば、ワイヤーが長手方向においてロッドに接する長さが長い場合でも、前面および後面が互いに対して高い程度の平坦性および平行性を有するウェハが作り出されるからである。さらに、切断スライスの前面および後面を形成する切断面は、切断動作によって引き起こされる結晶損傷の深さが小さい。
この損傷の浅さによって、切断ラッピングによって得られたウェハは破損を受けにくくなっており、前面および後面の必要とされた高い程度の面平行性を有し欠陥が存在しないウェハを最終的に得るためにその後の処理の間に除去される必要がある材料が小量となる。したがって、切断ラッピングは、特にコスト効率の良い態様で、特に高品質のウェハが製造されることを可能にする。
切断動作において任意のときにワイヤー部分がワークピースを通るように沿って延在することによりワイヤー部分が材料を除去するように作用する長さは、ワイヤー部分の係合長さと称される。
以下において、図1を参照して、「マルチワイヤー切断ラッピング(multiwire cut-off lapping)」([スラリー]マルチワイヤースライシング([slurry] multiwire slicing)、MWS、S−MWS)がより詳細に記載される。
切断ラッピングにおいて、ワイヤー1は、少なくとも2つの円筒状のワイヤーガイドローラ3および4のまわりに螺旋状に巻回されており、ワイヤーガイドローラ3および4は互いに平行な円筒軸5および6を有する。この構成の少なくとも一方の側上では、ワイヤーの多数の部分11が、1つの面において互いに平行に存在するとともに円筒軸に対して垂直に存在し(25)、ワイヤーガイドローラがそれぞれの軸のまわりを同じ方向に回転(7および8)されると、ワイヤー部分11はワイヤーの長手方向において均一な速度で互いに平行に移動する。ワイヤーグリッドまたはソーインググリッドという用語は、ワイヤー部分のこの少なくとも一方の側が互いに平行に延在することを指すように使用される。この場合におけるワイヤーグリッドの位置は、切断されるべきロッドに向くように選択される。
この場合におけるワイヤーガイドローラには通常、多数の閉じられた溝2が各々設けられており、当該閉じられた溝2は、互いに平行であり、円筒軸に対して垂直であり、隣接するガイドローラに対して面一で整列しており、当該溝2においてワイヤーの個々の旋回部がガイドされる。
材料の除去は、ワイヤーの長手方向にワイヤー部分を移動させ、硬質物質を含む懸濁液をワイヤーグリッドに供給し、ワイヤーグリッド上におよびワイヤーグリッドを通るようにワークピースを進めることによって行われる。
ワイヤーグリッドへの導入およびワイヤーグリッドからの送出において、ワイヤーの延在方向における長手方向のワイヤー張力は、レバーに取り付けられる偏向ローラによって制御されており、ワイヤーの長手方向に対して当該レバーの角度を変更することにより、ワイヤーの延在長さが変更され、これにより、より大きな程度または小さな程度の張力がワイヤーに加えられることが可能になる。
ワイヤーによってレバーに及ぼされるトルクは、実際のワイヤー張力の測定を提供し、トルク測定および角度調整によって長手方向のワイヤー張力のフィードバック制御のための閉ループが存在する。偏向ローラを有するレバーは、制御の変動が発生すると速く前後運動するので、「ダンサー(dancer)」と称される。
切断の間に、ワイヤーは摩滅に起因する摩耗に晒される。ワイヤー断面は、ワークピース15と接触するワイヤーの累積長さとカーフ当たりの機械加工されたワークピース体積との積にほぼ比例して減少する。結果的に、カーフ13の幅は、ワイヤーが最初に第1のカーフに入るロッドの第1の端面12から、ワイヤーが最終的に最後のカーフから出るロッドの反対の第2の端面24へと減少する。
第1の端面はロッドのワイヤー供給側12とも称され、第2の端面24はワイヤー送出側と称される。
ワイヤーの厚さの減少は一般に、ロッドの全長にわたって平均するとロッドから切り出されるウェハが一定の厚さを有するように、ロッドのワイヤー供給側12からワイヤー送出側24への、ワイヤーガイドローラ3および4の隣接した溝同士の間の距離の漸進的な減少によって補償される。
切断動作の間に、ワイヤーは、ワイヤー部分が全切断動作を通じて一方向に移動するように、巻出コイル(供給コイル)からワイヤーガイドローラおよびグリッドを介して巻取コイル(受取コイル)へと一方向に連続的に巻回され得る。これは単方向ソーイングと称される。
ワイヤーはさらに、方向の変更を伴ってワークピースを通るようにガイドされ得る。このような双方向の切断は、巻出コイルからグリッドおよびワークピースを介して巻取コイルへと、次いで巻出コイルになる元々の巻取コイルから巻取コイルになる元々の巻出コイルへと戻るように完全に、ワイヤー供給の全実行にわたって行われ得る。しかしながら、ワイヤー上の摩耗により、ワークピースは、「行きの通過」時においてよりも「戻りの通過」時においてより厚くなり、これは望ましくない。
特に要求が高い用途のための大きいウェハおよび非常に大きなウェハの製造の場合、いわゆるピルグリムステップ法(pilgrim step method)(「ピルグリムステップ運動(pilgrim step motion)」、「ワイヤー往復運動(wire reciprocation)」)に従ったワイヤーの延在の方向の複数および連続的な反転を伴う切断ラッピングには特別な重要性が付随する。
この場合におけるピルグリムステップは、ワイヤー方向の連続的な反転の対を指す。ピルグリムステップは、ワイヤーの第1の長手方向におけるワイヤーの第1の長さの第1の運動と、第1の方向と正反対の第2の方向におけるワイヤーの第2の長さの第2の運動とを含み、第2の長さは第1の長さより小さくなるように選択される。
したがって、各ピルグリムステップについて、2つの長さの合計に対応するワイヤー長さがワークピースを通り抜け、その間、この場合にワークピースと切断係合するワイヤー部分が、当該2つの長さの差に対応する量だけ、巻出コイルから巻取コイルまで進む。したがって、ピルグリムステップ法の場合には、ワイヤーは、2つの長さの差に対する合計の比から得られる係数だけ、複数の回、使用される。単純さのために、2つの長さの差は、正味のワイヤー導入9および正味のワイヤー送出10を有する完全なピルグリムステップ(図1)にわたるワイヤーの「正味の運動」と称されることとする。
単方向のワイヤー運動によって切断されるロッドについて使用される用語の類似性により、ピルグリムステップ法で切断されるロッドの場合には、その正味の運動の方向においてワイヤーがまず第1のカーフに入るロッドの第1の端面はロッドのワイヤー供給側と称され、その正味の運動の方向においてワイヤーが最後のカーフから最終的に出る反対の第2の端面はロッドのワイヤー送出側と称される。
順方向および戻り方向の運動の長さ、したがって、ワイヤーの有効長さおよび摩耗は自由に選択可能であるので、ピルグリムステップ法は、単一のワイヤー通過(単方向の切断)にのみによってワイヤーを経済的に使用して切断され得ない比較的短いワークピースの少数のスライスへとワークピースを切断するのに非常に好適である。ピルグリムステップ法は、たとえば円筒状の半導体ロッドといった、切断の間に変動するワイヤー係合長さを有するワークピースを切断するのに特に好適である。
半導体ロッドからウェハを切り出す目的で、ロッドはまず、その合計の長さに依存して、その周面の部分が保持ストリップ、搭載ストリップまたはソーイングストリップ上に存在する状態で搭載される。当該ストリップは、たとえば硬質炭素、ガラス、プラスチックまたは複合材料から形成されるストリップである。このソーイングストリップは、対応する受取装置においてソーイングストリップまたはアダプタがクランプされ得るように、ロッドから離れるように向く側上にて形状決めされるか、または、さらに別のアダプタに接続される。受取装置は、切断動作の間にグリッド上およびグリッドを通るようにバーを垂直にフィードするフィードテーブルに固定される。ロッドとソーイングストリップとの間の結合は、接着によって作り出され、ソーイングストリップとアダプタとの間の結合は、接着、力による確実な嵌合または形状による確実な嵌合(たとえばクランピング接続またはねじ締め接続)によって作り出される。ロッド軸は、フィード方向に対して実質的に垂直に、グリッドにおけるワイヤーの方向に対して垂直に、したがってグリッドのワイヤー部分が及ぶ平面に実質的に整列される。
フィードテーブルは通常、ワイヤーグリッドの上に配置され、グリッドのワイヤー部分が及ぶ平面上へと上記クランプされたロッドを垂直にフィードする。
以下において、引き続き図1を参照する。グリッドのワイヤー部分がそれらの長手方向に沿ってカーフに入るロッドの円筒表面の側は(瞬間的な)ワイヤー入口側17と称され、ワイヤー部分が長手方向に沿って再びカーフから出る側は(瞬間的な)ワイヤー出口側18と称される。ワイヤー入口側のワイヤーグリッド25の上には、スラリーノズル21を有するノズルストリップ19がロッド軸14と平行に配置されており、ノズルストリップ19は、ワイヤーグリッドの全長上にわたって延在し、ロッドが入る前にワイヤー部分11にスラリー22を均一に適用する。
1つのワイヤー入口側のみを伴う単方向の切断の場合には、この目的のために1つのノズルストリップが提供され、時間においてワイヤー入口側および出口側が交代する双方向切断の場合には、2つのノズルストリップ22および23がロッドの各側に1つずつ設けられる。2つのノズルストリップ19および20は、瞬間的なワイヤー入口側のストリップが各場合においてアクティブであるように交互に動作され得るか、または、単純さのために、両方ともが連続的に動作され得る。
グリッド上へロッドがフィードされる結果、ロッドの全長は、ロッド軸と平行であるロッドの円筒表面上の線に沿ってグリッドに接触される。このロッドとのワイヤー部分の最初の接触の時点は、切込動作または一言で言えば切り込みと称される。さらなるフィードと、ワイヤーの長手方向におけるグリッドのワイヤー部分の運動と、スラリーの供給とが行われると、ワイヤー部分はロッドを通るようにゆっくり作用して材料を除去する。
グリッドのすべてのワイヤー部分がロッドの全断面にわたって通過し、完全にソーイングストリップに到達するとすぐに、切断は終了する。ロッドとのワイヤー部分の最後の接触の時点は、切抜動作または一言で言えば切り抜きと称される。図1に示される例では、識別溝26を有する側に対して、ロッドの反対側の面から切断が行われている。ロッドを保持する搭載ストリップは、識別溝26(図示せず)を有する側にてロッドに結合される。
ロッドのフィードが終了し、ロッドは再びグリッドからゆっくり引き戻される。ロッドが引き戻されている際に、ワイヤーは、以前に生成された切断面の如何なる凹凸上にもワイヤー部分が引っ掛かるのを防止するように、少なくともゆっくりその長手方向に移動し続ける。
ロッドがワイヤーグリッドから引き戻された後、ソーイングされたロッドとソーイングおよび搭載ストリップとからなる複合材料がフィードテーブル上のクランピング装置から除去される。したがって、切断の完了の後、多数のウェハは、櫛の上の歯のように、周面の一部がソーイングストリップにまだつながった状態で、部分的に切り込まれたソーイングストリップ上に掛かっている。これらのウェハは、接着剤を溶解することにより分離される。たとえば水または熱によって溶解することができる接着剤が使用されていれば、当該接合は、ウェハとソーイングおよび搭載ストリップとからなる複合材料をいわゆる脱接着(degluing)の目的で温水バスに浸すことで溶解され得る。
半導体スライスを切り出すためのスラリー切断ラッピングおよびそのための好適な装置が、たとえば、EP 0 798 091 A2に記載される。
作り出されたカーフの幅と、その結果、切断動作によって得られたウェハの厚さとは、ワイヤーの厚さ、カーフにおいてワイヤーを囲むスラリー膜の厚さ、およびワイヤーをガイドするワイヤーガイドローラにおける溝のスペーシングに依存する。ワイヤーの厚さは摩耗により連続的に変化し、かつ、スラリー膜の厚さは、切断動作の間に拭き取られるまたは消費される結果、連続的に変化するので、切断ラッピングは、それによって得られるウェハの所望の形状が正確に達成され得る程度についてある制限を受ける。これらの制限を以下に記載する。
ワイヤー部分がワークピースに入ると、付着するスラリーのほとんどが取り除かれる。ワイヤーがロッドにさらに入り込むと、カーフに入るスラリーのうち、大部分は取り除かれ続けるかまたは消費され続ける。摩耗によって、粒子がまず消費されることになる。なぜならば、硬質材料は破壊または破砕されるから、または、材料を取り除く鋭いエッジの切断面が丸み付けまたはチップオフによって失われるからである。ワイヤー入口の方向において見た際のソーイングワイヤーを囲むスラリー膜の厚さの減少は、「スラリーファンネル(slurry funnel)」とも称される。スラリーファンネルにより、各カーフは、ワイヤーが入る側上においてワークピースの周辺部にて広くなっており、ワイヤーの延在方向において、ワイヤー係合長さに沿って反対のワイヤー出口側へとウェッジ形状またはファンネル形状になるようにテーパする。
単方向の切断および大きい半導体ロッドまたは非常に大きい半導体ロッドの場合には特に最長のワイヤー係合長さの領域において、したがって、円筒状ロッドの場合には円筒状ロッドがちょうど半分切断される際に、実際にはスラリーはこれ以上ロッドのワイヤー出口側に到達しない。ワイヤー入口側からワイヤー出口側までウェッジ形状で増加する厚さを有し、ワイヤー出口側にて高程度の粗さ(「ソーイング傷(sawing score)」,「ソーマーク(saw mark)」)を有するスライスが作り出される。テーパする厚さと高程度の粗さとを有する半導体スライスは要求が高い用途に好適でない。したがって、単方向の切断ラッピングは、高品質の大きいウェハまたは高品質の非常に大きいウェハの製造のために使用され得ない。
ピルグリムステップ法の場合には、ワイヤーの長手方向の運動の方向が連続的に反転される。結果として、「スラリーファンネル」が各カーフにおいて左および右に交互に作り出される。ロッドの供給が非常にゆっくり行われて、または、ワイヤーの長手方向の運動の方向の変更が非常に迅速に行われて、ロッドの進行の方向において見た場合に交互の態様で連続的に形成されるスラリーファンネルが一回おきの方向変化(=1回の完全なピルグリムステップ)ごとに多少オーバーラップする場合、各々の場合において、カーフには両側にてスラリーが効果的に供給され、スラリーが搬送される必要があるのはロッドの中心までとなる。また、このオーバーラッピングによって、ワイヤー入口側において、各々の場合におけるスラリーファンネルによって引き起こされるカーフの広がりが低減され、これにより、ウェハのテーパが低減される。得られたウェハはもはやウェッジ形状ではないが、ワイヤーの両方の延在方向において中心からそれらの周辺にわずかに厚さが減少するわずかにサドルの形状をまだ有している。最小厚さは、最も大きなワイヤー係合長さの周辺領域、すなわち、円筒がちょうど半分切られれた際の周辺領域において発生する。最も大きなワイヤー係合長さの周辺領域における最小厚さのゾーンは、図2において27および29により示される。ピルグリムステップ法に従った切断ラッピングの場合のワイヤーの正味の運動と、このプロセスにおいてワイヤーが経験する厚さの減少とによって、ワイヤー入口側上のウェハのテーパ27は、ワイヤー出口側上のテーパ29より多少厚いが、両者は、単方向のワイヤー運動を伴う比較の切断のウェッジ形状よりもかなり小さい。
このサドル形状は、先行技術において公知の方法によってあまり顕著でなくなり得る。たとえば、実際の切断深さ(インゴットフィードの方向のカーフの深さ)に従ってピルグリムステップの第1および第2のワイヤー運動の長さを調節することによってか、または、サドル形状が最も顕著である領域においてワイヤーの適用を増加させることによって、あまり顕著でなくなり得る。特に、たとえば、2回のワイヤー反転のスラリーファンネルがほとんど完全にオーバーラップする程度までロッドフィード速度は低減され得る。当該サドル形状を低減するための措置は、全体の切断時間が非常に長くなり、ワイヤー長さの消費速度が高くなるので、経済効率の限界が存在する。
切断ラッピングによって達成され得る切断にわたって変化するワイヤー係合長さを有するロッドから得られたスライスの前面および後面の平坦性のさらなる制限は、いわゆる「切込ウェッジ」28(図2)の形態で構成される。この切込ウェッジは、ワイヤーの長手方向においてスライス幅全体にわたって延在する、ワイヤーの横断方向におけるスライスの中央面に向かう前面および後面の傾きを含む。
円筒状ロッドの場合には、たとえば、ワイヤーグリッドが最初にロッドと接触する時点で、ワイヤー部分の係合長さと、結果的にワイヤー上の摩耗とが0であるので、切込ウェッジが作り出される。
ワイヤー部分は最初は如何なる摩耗にも晒されていないので、最初に切り込んだワイヤー部分は、有限の長さのカーフを既に通過しているため摩耗に晒された、係合状態に後で入るワイヤー部分よりも大きな直径を有する。したがって、切込深さが増加すると、その結果はウェハのウェッジ形状の増加した厚さ28となる。さらに、ワイヤー部分が最初に円筒状ロッドに接触する時点に、ワイヤー部分はロッドの周面に接する。その点で、係合長さが有限であって、ロッドの周面とのワイヤー部分の接触がますますより急勾配に、すなわち最も大きな係合長さの領域(半切)において正確に垂直になると、切断がさらに進んだ場合よりも拭い去られるスラリーはより少なくなり、各ワイヤー部分がロッドに入る点にて、取り除かれたスラリーの規則的な上昇が発生する。
WO 2013/051183 A1は、円錐形のワイヤーガイドローラが使用されるピルグリムステップ法によるワイヤー切断ラッピングを記載しており、ワイヤーガイドローラの軸からの溝の基部の距離は、ワイヤー供給側からワイヤー送出側まで減少する。結果として、ロッド軸を有するロッドがワイヤーガイドローラ軸上へ垂直に供給されると、ワイヤー供給側上にあるワイヤーグリッドのワイヤー部分が最初にロッドと係合する。ワイヤーの正味の運動により、これらのワイヤー部分は、ワイヤーガイドローラのワイヤー供給からワイヤー送出側に進み、最終的にワイヤー送出側上のロッドの部分もワイヤーグリッドとの材料除去係合状態になるまでグリッド上にさらにロッドがフィードされる結果、摩滅によって薄くなり、切込ウェッジの形成が抑制される。
ワイヤーガイドローラの円錐形によって、ワイヤーガイドローラのまわりの巻回のそれぞれについての長さは、溝ごとに、ワイヤー供給側からワイヤー送出側まで減少する。ワイヤー供給側からワイヤー送出側までの溝直径の減少に起因して、各ワイヤーガイドローラの溝はすべて同じ角速度で回転するが、一定の周速度では回転しない。しかしながら、ワイヤーは溝の周速度によってグリッドにおいて移動されるので、グリッドにおける軸方向のワイヤー張力はしたがって、ワイヤー供給側からワイヤー送出側へと低減される。
ワイヤー切断方法に精通している当業者には、作り出されるカーフの平坦性が長手方向のワイヤー張力が減少するにつれて減少することは既知である。したがって、記載される方法で作り出されるスライスは、ワイヤー送出側に向かうにつれて平坦性が悪化する。
この方法の根本的な欠陥は、たとえば4つのガイドローラを使用する明白な手段によっても除去することができない。当該4つのガイドローラは、互いを正確に補完するように選択され、それらのガイドローラうち、ロッドに接触するワイヤー部分のグリッドに及ぶ上側の2つのガイドローラには、ワイヤー供給側からワイヤー送出側まで増加する溝深さが与えられ、下側の2つのガイドローラには、ワイヤー供給側からワイヤー送出側まで減少する溝深さが与えられる。ワイヤー巻回の長さはワイヤーガイドローラの全長にわたって一定であるが、上側のワイヤーガイドローラと下側のワイヤーガイドローラとの間で、同じ角速度での異なる直径に起因する異なる周速度によって、溝においてワイヤーは顕著な力が加えられて摺動する。この結果、ワイヤーガイドローラの溝は大量の摩耗に晒され、結果的にワイヤーによる摩滅によって異なる切り込みを経験し、その結果、当該方法の期待される利点が非常に短い時間のうちに除去されることになる。WO 2013/051183 A1は、摩耗の問題への推定されるソリューションについて論じていない。
さらに、グリッドにおける均一でないワイヤー張力は、ワイヤー部分のワイヤー長手方向の張力が平均してグリッドにわたって非常に低くなるように選択されなければならないという影響を有する。なぜならば、ワイヤー供給側上の最も高く張力が加えられたワイヤー部分は最大で、ワイヤーがまだ破断しないのが確かであるワイヤー長手方向の張力(引張り強さ)を有し得、したがって、すべての他のワイヤー部分は、これらのワイヤー部分よりも小さい張力を有するからである。結果的に、ワイヤー部分の大部分は、ワイヤー送出側に向かって増加するワイヤーの屈曲を経験し、ワイヤーガイダンスが貧弱になり、得られるウェハの平坦性が悪化する。
ワイヤーグリッドにわたるワイヤー張力の不均一性はワイヤーの摺動によって多少補償されるが、WO 2013/051183 A1に従った方法は、各ピルグリムステップの後半において、ワイヤー送出側上の短い巻回長さのワイヤー部分がワイヤー供給側の長い巻回長さに戻り、過剰に張力が加えられそこで破断することになるので、ピルグリムステップ原理に従った実行には適さない。これは、ワイヤーが制御された態様でグリッドに供給されるワイヤーの長手方向の張力(セットポイント長手方向ワイヤー張力)をさらに低減して、ワイヤー破断張力までの十分に信頼性のあるワイヤー張力の余裕(「余力(headroom)」)を保証して切断動作の間のワイヤー破断を防止することによってのみ妨げられ得る。しかしながら、これは、カーフにおける不正確かつ信頼性の低いワイヤーガイダンスに起因して、得られたウェハの平坦性がさらに損なわれることを伴う。
したがって、WO 2013/051183 A1において特定される方法は、要求の高い用途のための非常に平坦な半導体スライスを製造することに適さない。
US 8,146,581 B2は、ロッドの軸がワイヤーガイドローラの軸に向かってフィード方向にわずかに傾けられるワイヤー切断ラッピングのための方法を開示する。この場合、ワイヤーフィードローラは円筒形状を有しており、それらの軸は互いに平行になるように配置されており、ソーイングワイヤーをガイドするためのすべての溝が均等な深さに切開される。したがって、ロッドがフィードされると、ワイヤーガイドローラの軸に対するロッド軸の傾斜によって、端面のロッド端部が最初に切り込まれ、反対のロッド端部が最後に切り込まれる。
すべてのワイヤー部分の周速度が等しいので、この方法は、ワイヤーグリッドにわたって変化するワイヤー張力に起因する問題を回避するとともに、ワイヤーの摺動によって引き起こされる溝の過度の摩耗も回避する。しかしながら、軸の傾斜によって、ワイヤーの横断方向における、かつ、ロッド軸に平行な付加的な力(傾きの下方向の力(slope downforce))が発生する。傾きの下方向の力は、各ワイヤー部分のそれぞれの切り込みの時点にのみ作用し、切り込みがなされるとすぐに消滅する。したがって、切断面は、切り込みの領域において、横断方向の力なしで、切断によって作り出される切断平面から偏向するワイヤーとともに延在し、したがってその領域において曲げられる。隣接したワイヤー部分にかかる傾きの下方向の力がほぼ同じであるので、得られたスライスの前面および後面は互いに実質的に平行であり、切込領域において前面および後面について均一な曲率を有する。得られたスライスはこのように実質的に一定の厚さであるが、湾曲または反った形状(「切込波部」)を有する。
US 8,146,581 B2は、傾斜によって意図的に作り出されたこの切込波部を利用して、傾きの下方向の力なしで以前に切断されたウェハ上に存在し得るランダムな切込波部を補償する。傾斜により、個々のワイヤー部分は、時間的に連続してロッド軸に沿って切り込みを実行するので異なる摩耗に晒されるため、当該方法も切込ウェッジを抑制するために使用され得るということは明らかである。この可能な適用例はUS 8,146,581 B2では識別されていない。
US 8,146,581 B2に従った方法では、ロッドの傾斜により、ロッド軸に対して傾斜する平面に沿って切断が行われるので、得られるスライスには望まれない誤配向(misorientation)が存在する。この誤配向は、ロッドの先行する円形研削の間に、回転軸に対して反対の方向に結晶軸を対応して傾けることによって補償され得る。しかしながら、このためには、切込波部を形成するためのこのワイヤーソーの瞬間の傾きが、得られたスライスが誤配向を有することなく正確に補償され得るように、どのような傾斜およびどのような角度がワイヤーソーについてその後で必要になるかを各ロッドについて円形研削の間に予め知ることが必要となる。これは、因果関係の理由で、可能ではないことは明白である。
したがって、US 8,146,581 B2に従って切断されたスライスは常に、望まれない誤配向を有するので、当該方法も同様に、要求の高い用途のためのスライスを製造することに適さない。
EP 0 798 091 A2 WO 2013/051183 A1 US 8,146,581 B2
本発明の目的は、ピルグリムステップ法に従った、前面および後面の高い程度の平坦性を均一に有し、かつ、すべてのワイヤーグリッド位置にわたって小さい切込ウェッジを均一に有するスライスをロッドから切り出すためのマルチワイヤー切断ラッピング方法を特定することである。
この目的は、2つのグループの方法によって達成される。そのうちの第1のグループは、切り込みの間にソーワイヤの有効径を低減することを目標とし、第2のグループは、切り込みの間にソーワイヤを囲むスラリー膜の厚さを低減することを目標とする。この場合における第1のグループは第1の方法を含み、第2のグループは第2、第3、および第4の方法を含む。
この目的は、ソーイングワイヤーを含みワイヤーソーによって液体切断手段の存在下で、直径を有する円筒状のワークピースから多数のスライスを同時に切り出すための第1の方法によって達成される。当該第1の方法では、ソーイングワイヤーは回転可能なワイヤーガイドローラ同士の間に平行方向に配置される多数のワイヤー部分から構成されるワイヤーグリッドにわたり、長手方向の張力を有するワイヤー部分は、ワイヤーガイドローラの回転の結果、回転の第1の方向と、回転の第1の方向と反対である回転の第2の方向との間で連続的に交互にワークピースに対して相対運動を示し、ワイヤーは、第1の方向における回転の間に第1の長さだけ動かされ、第2の方向における回転の間に第2の長さだけ動かされ、第2の長さは第1の長さ未満であり、当該第1の方法は、第1の切断深さでのワークピースへのワイヤー部分の切り込みの時点で、長手方向のワイヤー張力部分は、第2の切断深さを伴う第2の時点よりも大きく、第2の時点は、切り込みの時点の後であって、ワークピースにおけるワイヤー部分の係合長さlが>0である時点であることを特徴とする。
同様に、この目的は、ソーイングワイヤーを含みワイヤーソーによって液体切断手段の存在下で、直径を有する円筒状のワークピースから多数のスライスを同時に切り出すための第2の方法によって達成される。当該第2の方法では、ソーイングワイヤーは2つの回転可能なワイヤーガイドローラ同士の間に平行方向に配置される多数のワイヤー部分から構成されるワイヤーグリッドにわたり、長手方向の張力を有するワイヤー部分は、ワイヤーガイドローラの回転の結果、回転の第1の方向と、回転の第1の方向と反対である回転の第2の方向との間で連続的に交互にワークピースに対して相対運動を示し、ワイヤーは、第1の方向における方向の直接的に連続する反転の各対の間の回転の間、各場合において、各場合における第1の長さだけ第1の速度で動かされ、第2の方向における回転の間、各場合において、各場合における第2の長さだけ第2の速度で動かされ、第2の長さは第1の長さよりも短く、当該第2の方法は、切断動作の開始の際、第1および第2の速度から形成される、2つの連続的な方向の変更の間のワイヤーの第1の平均速度と、切断動作の終わりの際、第1および第2の速度から形成される、2つの連続的な方向の変更の間のワイヤーの第2の平均速度とが選択され、第1の平均速度は第2の平均速度未満であることを特徴とする。
さらに、上記目的は、ソーイングワイヤーを含みワイヤーソーによって液体切断手段の存在下で、直径を有する円筒状のワークピースから多数のスライスを同時に切り出すための第3の方法によって達成される。当該第3の方法では、ソーイングワイヤーは2つの回転可能なワイヤーガイドローラ同士の間に平行方向に配置される多数のワイヤー部分から構成されるワイヤーグリッドにわたり、長手方向の張力を有するワイヤー部分は、ワイヤーガイドローラの回転の結果、回転の第1の方向と、回転の第1の方向と反対である回転の第2の方向との間で連続的に交互にワークピースに対して相対運動を示し、ワイヤーは、第1の方向における回転の間に第1の長さだけ動かされ、第2の方向における回転の間に第2の長さだけ動かされ、第2の長さは第1の長さ未満であり、当該第3の方法は、切断動作の開始から第1の切断深さの達成まで、切断手段の供給された硬質物質は第1の平均粒径を有し、第1の切断深さの達成の後、切断動作の終了まで、切断手段の供給された硬質物質は第2の平均粒径を有し、第1の平均粒径は第2の平均粒径未満であることを特徴とする。
最後に、上記目的は、ソーイングワイヤーを含みワイヤーソーによって液体切断手段の存在下で、直径を有する円筒状のワークピースから多数のスライスを同時に切り出すための第4の方法によって達成される。当該第4の方法では、ソーイングワイヤーは2つの回転可能なワイヤーガイドローラ同士の間に平行方向に配置される多数のワイヤー部分から構成されるワイヤーグリッドにわたり、長手方向の張力を有するワイヤー部分は、ワイヤーガイドローラの回転の結果、回転の第1の方向と、回転の第1の方向と反対である回転の第2の方向との間で連続的に交互にワークピースに対して相対運動を示し、ワイヤーは、第1の方向における回転の間に第1の長さだけ動かされ、第2の方向における回転の間に第2の長さだけ動かされ、第2の長さは第1の長さ未満であり、当該第4の方法は、切断動作の開始から第1の切開深さまで、第1の粘性を有する懸濁液がワイヤーグリッドに供給され、第1の切断深さから切断動作の終了まで、第2の粘性を有する懸濁液がワイヤーグリッドに供給され、第1の粘性は第2の粘性未満であるように選択されることを特徴とする。
上記目的はさらに、上記の4つの方法のうちの2つ以上の方法の任意の組合せの同時適用によって達成される。
本発明に従った上記4つの方法は好ましくは、ワイヤーソーによって半導体材料のロッドをスライスするために使用される。特に好ましくは、半導体ロッドは、真っすぐな円形の円筒形状をしている。
本発明に従った4つの方法は、キャリア液とキャリア液に存在する流動性のある硬質物質とを含む液体切断手段の存在下で行なわれる。液体切断手段(懸濁液)はスラリーとも称される。
本発明に従った上記4つの方法は好ましくは、構造が設けられたモノフィラメントの鋼ワイヤーの使用により実行される。
好ましくは、本発明に従った4つの方法は同様に、ねじりワイヤーの使用により実行される。ねじりとは、ワイヤーの弾性ツイストの結果、ワイヤーの長手方向軸の周りをワイヤーが螺旋状に旋回することを指す。
構造が設けられたワイヤーは特に、第1の直径を有するワイヤーであり、ワイヤーには、ワイヤーの横断方向における塑性変形の結果、ジグザグの形態にある多数の凸部および窪みが設けられ、そのエンベロープカーブは、ワイヤーの平均的な長手方向に垂直な平面において、第1の直径より大きい第2の直径を有する。
第1の直径はしたがって、構造が設けられたワイヤーが塑性変形によって作り出された「コアワイヤー」の直径を含む。構造が設けられたワイヤーの「有効径」である第2の直径は、コア直径と、波形形状の変形のピーク間振幅とを含む。
最初はより高い切り込みワイヤー張力を伴う本発明に従った第1の方法は、構造が設けられたワイヤーが使用される場合、特に有利である。当該ワイヤーは、ワイヤーの長手方向にわたって周期的な間隔で繰り返される(「起伏が設けられたワイヤー(undulated wire)」,「ひだ付きワイヤー(crimped wire)」)ある振幅の多数の波形形状の横方向のワイヤーの変形を有する。
本発明に従った方法が行なわれ得る、構造が設けられたワイヤーの例が、たとえばJP2004243492 A2またはEP1827745 B2において記載される。
JP2004243492 A2は、振幅がワイヤーの横断面において延在するか、または、ワイヤーの長手方向においてワイヤーのまわりを螺旋状に巻回する波形形状の凸部または突起を有するワイヤーを記載する。
EP1827745 B2は、ワイヤーの第1の横断方向において第1の振幅および第1の波長の波形形状の突起と、ワイヤーの第2の横断方向において第2の振幅および第2の波長とを有するワイヤーを開示し、第1および第2の振幅ならびに第1および第2の波長は各場合において異なるように選択され、第1の横断面は第2の横断面に垂直である。
これらの波は、横方向の偏向のピーク間振幅だけワイヤーコアの直径よりも大きい、その平均的な長手方向にわたって平均化された見かけ上の直径をワイヤーに提供する。ワイヤーの長手方向にわたって平均して、有効断面がほぼ円形および等方的に発生するために、この変形は少なくとも、両方の相互に垂直な横断方向に方向付けられなければならない、すなわち、2つの相互に垂直で相互に重なった波構造でなければならない。
さらなる可能性は、1つの横断方向にのみにおいてワイヤーに波形を与え、次いで、波形形状の偏向が螺旋の形状でワイヤーの周りを回るようにその平均長手方向軸の周りにおいてワイヤーをねじり(「ツイスト」)に晒すことからなる。
したがって、本発明に従った第1の方法は、ワイヤーが構造およびねじりの特徴を同時に有する場合にも特に有利である。
ワイヤー断面自身も、互いに垂直である横断方向において周期的な態様で変形され得、これにより、周期的な態様で変化するか、または、再びワイヤーをツイストすることによって「回転する」楕円形の断面が得られる。
構造が設けられたワイヤーの特徴は、ワイヤーがカーフに入り、次いでカーフを通過する際にワイヤー表面の窪み(「ポケット」)にある量のスラリーが直ちに取り除かれることなく捕捉され得るので、カーフへのスラリーの搬送を向上させることである。結果として、達成されるカーフの品質が向上(摩耗傷が少ない)し、より大きなワークピースまたは所与のサイズのワークピースがより迅速に切断され得る(切断動作の完了にかかる時間がより短い)。
各切断動作、すなわち各カーフについてワークピースの完全な断面にわたるワイヤーグリッドのワイヤーまたはワイヤー部分の移動は、好ましくは新しいワイヤーで、すなわち以前の切断動作において使用されていないワイヤーで、行なわれる。これは、ワークピースから材料を除去する際にワイヤーが摩耗に晒されるからである。摩耗により、ワイヤーは漸増的にその丸形形状を失う。ワイヤーは、切断動作の間にランダムなねじりに晒されるので、丸形でないワイヤーは、短い切断進行間隔において変動するカーフ厚さ、したがってスライス厚さを作り出す。切断に起因するウェハの厚さにおけるこれらの変動はソーマークと称され、望ましくない。
ワイヤーは、選択可能なスピードで、巻出コイル(供給コイル)から巻取コイル(受取コイル)まで巻回される。この場合におけるワイヤーは、ワイヤーガイドローラの軸に垂直である多数の溝を有する少なくとも2つのワイヤーガイドローラに巻回される。2つのガイドローラ間に存在するワイヤー部分は、ワイヤーグリッドを構成する。したがって、グリッドは、1つの平面において互いに平行に延在するワイヤーの多数の部分を含む。
ワイヤーは、フィードバック制御によって制御される長手方向のワイヤー張力により、巻出コイルから、ワイヤーグリッドの境界を定めるワイヤーガイドローラを介してワイヤーグリッドに供給される。ワイヤー張力のフィードバック制御は好ましくは、いわゆるダンサーによって行われる。
ワイヤーグリッドへの導入およびワイヤーグリッドからの送出において、ワイヤーの延在方向における長手方向のワイヤー張力は、レバーに取り付けられる偏向ローラによって制御されており、ワイヤーの長手方向に対するレバーの角度の変更によってワイヤーの延在長さが変更され、これにより、より大きいまたは小さい程度まで張力がワイヤーに加えられることを可能にする。
ワイヤーによってレバーに加えられるトルクは、実際のワイヤー張力の測定を提供し、トルク測定および角度調整によって長手方向のワイヤー張力のフィードバック制御のための閉ループが存在する。偏向ローラを有するレバーは、制御の変動が発生した際に高速に前後運動するので、「ダンサー」と称される。
その後、ソーイングワイヤーが切断動作の間にワイヤーの長手方向に動かされると、ワイヤー張力は、ワイヤーがワイヤーコイルから巻き出される際に、または、多くのカーフを通過する(切断動作)際に、または、切断装置においてワイヤーをガイドするためのワイヤーガイドローラもしくはさまざまな偏向ローラの軸受摩擦の結果、変動する摩擦により変動し得る。トルクを測定し、閉じたフィードバック制御ループによって適切な方向にレバーアームを移動させることにより、この変動が低く維持されることが可能になる。
切断動作において、ワイヤーは、ワイヤーの長手方向に迅速に動かされる(典型的に数十m/s)ので、如何なるワイヤー張力の変動も対応して迅速に連続して発生し、レバーアームが非常に迅速に、最初はその回転軸の周りの一方の角方向に、次いで他の角方向にといったように対応して迅速に交互に「動き」、これがレバーにその名前を与えている。
次いで、ワイヤーグリッドの境界を定めるワイヤーガイドローラを介してワイヤーがワイヤーグリッドに供給されるワイヤー張力は、ワイヤーグリッドにおけるワイヤー部分のワイヤー張力を決定する。
グリッドにおけるワイヤー張力は、ワークピースから切り出されるスライスの達成される平坦性についての決定ファクターである。グリッドにおけるワイヤー張力は、グリッドにおけるワイヤー部分のいずれも破断しないことが確実であるように、すなわち、切断動作の間にワイヤー破断張力まで十分に信頼性のあるワイヤー張力の余裕が保証されるワイヤー張力(セットポイント長手方向ワイヤ張力)でワイヤーがワイヤーガイドローラに供給されなければならないということが確実であるように、選択されなければならない。
直径を有する円筒状のワークピースを多数のスライスに切り出す目的で、ワークピースは、搭載ストリップによってワイヤーソーに固定される。フィードデバイスによって、ワークピースは、上から垂直にワイヤーグリッドを通るようにガイドされ、硬質物質がキャリア液に入っている懸濁液が切断手段としてワイヤーグリッドのワイヤー部分に供給されると同時に、ワイヤーガイドローラは、回転の第1の方向と、回転の第1の方向と反対である回転の第2の方向との間で連続的に交互に回転する。
第1の方向におけるワイヤーガイドローラの回転の間に、ワイヤー、したがって、ワイヤーグリッドにおけるワイヤー部分が、各場合においてワークピースに対して、第1の長さだけ動かされ、第2の方向における回転の間、第2の長さだけ動かされ、第2の長さは第1の長さより短い(ピルグリムステップ法)。
ピルグリムステップは、ワイヤーの前後運動を含み、ワイヤーは、合計で両方の長さの差に対応するワイヤー長さ(正味のワイヤー運動)だけ進む、すなわち、巻出コイルから巻取コイルまで巻回される。たとえば、第1の長さ(前進運動)が500mであり、第2の長さ(戻り運動)は300mである場合、正味のワイヤー運動は、500m−300m=200mである。
本発明に従った方法において、円形の円筒状のワークピース(たとえば半導体ロッド)のスライシングは、厳密に凸状の切断面に沿って常に必ず行われる。厳密に凸状とは、面の周辺線上の任意の2点を接続する各セグメントが、セグメントの終点は除いて、面内において常に完全に延在する面を指す。
特に、ワークピース内においてワイヤー部分が延在する長さまたは係合長さlは、厳密に凸状の切断面を有するロッドの表面にワイヤー部分が最初に接触する時点では0に等しく、さらなる切断動作の間にワイヤーグリッドの切断深さが増加するにつれて最大値(円形の円筒状のワークピースの直径の半分に対応)まで着実に増加し、当該最大値の達成の後、再び着実に減少して、切断動作の終わりに再び0になる、すなわち、ワークピースの表面とのワイヤー部分の最後の接触の時点に再び0になる。
すべての必須の要素とともに、マルチワイヤー切断ラッピング方法に適した切断装置の簡易図である。 本発明に従っていない方法によって製造されたウェハの図である。 本発明に従っていない方法によって製造されたウェハの中心厚さの特徴の図であって、図3(A)は断面線A−A’に沿った図であり、図3(B)は断面線B−B’に沿った図である。 25℃(A)、30℃(B)および60℃(C)でのせん断速度の関数としての新しいスラリーおよび使用されたスラリーの動的粘度の図である。 新しいスラリーおよび使用されたスラリーにおける固体成分の粒径分布の図である。
図を参照して、以下に本発明を詳細に記載する。
本発明に従った第1の方法の説明
第1の方法は、ワイヤー供給において、したがって、ワイヤーグリッドにおいて、ワイヤーの長手方向の張力が増加されると、カーフの幅が減少するという所見に基づく。カーフ幅の減少の効果は、平坦なワイヤーには小さく、構造が設けられたワイヤーには強い。平坦なワイヤーの場合には、ワイヤー張力が増加すると、ワイヤーの横断方向における自然な運動(振動)は、恐らくより高い周波数へシフトされる。より高い周波数は、次いで、粘着性のソーイングスラリーにおいてより大きな減衰を経験し、この結果、振動の振幅、したがって作り出されるカーフの幅が低減される。
横断方向における塑性変形によって作り出された際のソーイングスラリーの接着および搬送を向上させるためによじれた構造、波形形状の構造、または螺旋構造が設けられるワイヤー(「波形ワイヤー(waved wire)」)は、長手方向のワイヤー張力が増加すると、さらに引き伸ばされる。低減された振動および引き伸ばしによって、ワイヤーの有効径または加工径が低減され、これにより、カーフ幅が低減し、切断スライスの厚さが増加する。
円筒状のワークピースが厳密に凸状の切断面に沿って切断される場合、ワイヤー張力は、少なくとも切り込み(ワークピースとのワイヤーの最初の接触)の時点で、切断動作の残りにおいてよりも、ワイヤーの破断なく実質的に高くなるように選択され得る。これは、係合長さが有意でないため、粘着性のスラリーを通るワイヤーの運動によって引き起こされたワイヤー上の付加的な機械的な負荷と、なされた材料除去動作によって引き起こされた摩擦とが有意でなくなるので可能である。ワークピースにおけるワイヤー部分の係合長さlが増加すると、ワイヤー部分上の機械的な負荷も増加し、ワイヤー破断張力までの十分に安全なワイヤー張力の余裕が、係合長さが0である切り込みの時点よりも小さくなる。
本発明に従った第1の方法において、ワイヤー供給、したがってワイヤーグリッド、およびワイヤー送出における長手方向のワイヤー張力は、ワークピースにおけるグリッドのワイヤー部分の係合長さlに依存して変動される。すなわち、ソーイングプロセスは、ワイヤーグリッドにおけるワイヤー部分の長手方向の張力が時間に関して異なるように行なわれる。ワイヤー部分がワークピースに切り込む時点で、長手方向のワイヤー張力部分は、切り込みの時点の後である第2の時点よりも高い。
本発明に従った第1の方法の第1の好ましい実施形態において、厳密に凸状の切断面に沿った円筒状のワークピースの切断において、ワークピースの直径の≦2%の切断深さの場合には、ワイヤー張力は、ワイヤー部分の係合長さlがワークピースの直径と等しいときのワイヤーの張力、すなわち、係合長さlが最大のときのワイヤーの張力に対して≦80%だけ増加し、円筒状のワークピースの直径の≦5%の切断深さの場合には、ワイヤー張力は≦50%だけ増加される。
最大のワイヤー係合長さの場合のこのワイヤー張力は、全切断動作の間にワイヤーがグリッドに供給される最小の張力である。当該ワイヤー張力は、ワイヤーが破断しないことが確かである大きさであるように選択される。たとえば、当該ワイヤー張力は、ワイヤー破断が最大でも、切断の規定された何分の一、たとえばすべての切断の1%発生するように選択され得る。(破断にしばしば帰着する製造欠陥をワイヤー自体が有するので、ワイヤー張力がこれより小さくても、1%よりも著しく小さいワイヤー破断の割合は達成可能ではない。)この最小の張力の正確な選択は、ワイヤーの直径、最大の係合長さのサイズ(ワークピースの直径)、完全な切断動作に使用されるワイヤーの全長(したがって摩耗の結果としてのワイヤーの断面の低減)、ワイヤーの長手方向の速度、ワークピースの進行の速度、スラリーの組成、および他の多くのファクターといった多数のファクターに依存する。したがって、好適な最小の張力は実験的に決定される。
ワイヤーグリッドは、ワイヤーのかなりの長さを収容するので、ワイヤーがグリッドに供給されるこの最小の張力は、グリッドに存在するワイヤーに対応するワイヤーの長さが供給されるまでにかかるのと同じ長さで、最大の係合長さの達成の前に、既に達成されているはずである。結果として、変更された供給張力を有するワイヤーが最後に到達するグリッドのワイヤー送出端部上のワイヤー部分さえ、最長の係合長さの時点、したがってワイヤー上の最も大きな負荷の時点でも破断しない十分に低い張力を有する。
したがって、グリッドに供給されたワイヤーの張力は、選択された張力を有する供給されたワイヤーが、ワイヤーの正味の運動の結果として、グリッドのワイヤー供給側からワイヤー送出側に作用されるまでかかるのと同じ長さで、ワイヤー張力が最小であるべき最長の係合長さの達成の前に、再び増加され得る。代替的には、ワイヤー張力は、たとえばワイヤーの破断の危険性をさらに低減するために、切断動作の後半において一定にされ得る。これは、切断の後半のワイヤー破断の修復は特に要求が高いからである。さらに、ロッドからの切抜は常に、摩耗したワイヤーによりなされる。したがって、切込ウェッジに対応する「切抜ウェッジ」の問題は存在しない。
たとえば、直径が300mmである円筒状のワークピースの場合には、ワイヤー張力は、6mmの切断深さまでは、ワイヤーが最長の係合長さlの領域において破断しないことが確かであるワイヤー張力に対して80%まで増加され得、また、15mmの深さまでは、それでも50%まで増加され得る。
ワークピースにおけるワイヤー部分の係合長さlが増加すると、伸長方向(ワイヤーの長手方向)にワイヤーに作用する力が、ワイヤーおよび切断面(ワイヤーに対して横断するロッド軸の方向)と切断前面(ワイヤーの進行に方向づけられる横断方向)との間に構築されるスラリー膜におけるせん断速度に起因してワイヤーによって構築される粘性摩擦によって、次第に増加する。伸長方向(ワイヤーの長手方向)にワイヤーに作用する力は、ワイヤーがワイヤーグリッドにまたはそのワイヤーグリッドから搬送され、ダンサーによって外部から制御される長手方向のワイヤー張力によって、減少し続ける程度に決定される。すなわち、グリッドへの長手方向のワイヤー張力またはグリッドからの長手方向のワイヤー張力は、グリッドにおける長手方向のワイヤー張力と異なる。
切り込み(ワークピースとのワイヤーの最初の接触)の際のワイヤー係合長さlが0であれば、カーフにおける粘性摩擦も0であり、ダンサーによってワイヤーのほとんど完全な破損負荷(引張り強さ)が適用され得、カーフにおける粘性摩擦についてのワイヤー張力の余裕を考慮する必要はない。
第1の方法について以下に例が挙げられる。第1の方法に関する本発明に従っていない比較例において、直径が175μmであり製造者の定格引張り強さが82Nである硬化炭素鋼C90から形成されるモノフィラーの切断ラッピングワイヤーがまず、直径が300mmである単結晶シリコンの真っすぐな円筒状ロッドを切断するために使用され、平均ロッドフィード速度が0.4mm/minであり、ワイヤーの使用が164m/ウェハであった。ワイヤーが単にまったく破断しないことが確かであった長手方向のワイヤー張力は30Nであると分かった。
第1の方法に関する例では、同じパラメータ(平均ロッドフィード速度が0.4mm/min、ワイヤー使用が164m/ウェハ、ロッドの直径が300mm、最長の係合長さの領域におけるワイヤー張力が30N)を有する同一のワイヤーが用いられ、ワイヤー供給および送出においてダンサーによって制御される長手方向のワイヤー張力は、切り込みの際、6mmの切断深さまで54N、15mmの切開深さまで45Nに増加された。
図3は、比較例で得られた300mmのシリコンロッドの2つのウェハの厚さの特徴30を示しており、図3(A)は、直径方向の切断線A−A’に沿った厚さ測定を伴う図1におけるシリコンロッド15のワイヤー供給側12からの1つのウェハを示し、図3(B)は、B−B’に沿ったロッド15のワイヤー送出側24からの1つのウェハを示す。図3(A)および図3(B)において、厚さ特徴は、最長のワイヤー係合長さの領域において周辺部に近い弦に沿って平行方向に測定された。すなわち、D−D’に沿ってワイヤー入口側(図1における17)上で一度(厚さプロファイル27)およびC−C’に沿ってワイヤー出口側(図1における18)上で一度(厚さプロファイル29)、ロッドがそれぞれ中心線A−A’およびB−B’に平行に半分に切断された際に測定された。この場合において切断深さz=0mmは、直径方向の切断線A−A’(図3(A))と同様に直径方向の切断線B−B’(図3(B))の貫通点16(切開)に対応し、z=300mmは、貫通点16’(切抜)に対応し、貫通点は、ソーイングワイヤーがワークピースに入る点またはワークピースから出る点である。
ワイヤー供給側上のロッドの端部からのウェハの直径方向の厚さプロファイルは、切開領域(図3(A))において、1つだけのわずかにまたは全体的に有意でない厚さの減少28を常に有する。しかしながら、その後、厚さの減少28はウェハごとにロッドのワイヤー供給端部からワイヤー送出端部まで連続的に増加し、最終的に、ワイヤー送出側上でロッドの端部からのウェハについて最も大きくなる(図3(B)における「切込ウェッジ」28)。これは、明白な説明がない完全に予期しない所見である。本発明に従った他の方法の実現に重要であると分かった説明の試みは、以下の2つの所見および考察に基づいた。
第1に、切開の際のロッドと係合するワイヤーグリッドのワイヤー部分は、先行するステップが常に、ロッドがフィードデバイスに固定される搭載ストリップにおいて終わるので、未使用の太いワイヤーから実質的に構成される。本発明に従った方法に関する上記の例および比較例では硬質炭素のストリップである搭載ストリップの材料は、柔らかすぎ、ワイヤーに有意な摩耗を引き起こし得ない。ワイヤーグリッドは、炭素ストリップの中に数ミリメートルの深さにまで切り込み、グリッドのすべてのワイヤー部分は完全にロッドを貫通して切断することを確実にする。上記の例において、切断の終わりでの搭載ストリップへの切り込みは約7mmの深さまで行われた。
数ミリメートルの深さへの炭素ストリップの中へのワイヤーグリッドの切り込みは、その時に実行されているピルグリムステップにわたって、ワイヤーの正味の運動によって、グリッドにおけるワイヤーの供給が完全に置換されるのに十分に長く、少なくとも1回、続く。したがって、その次のロッドの場合には、グリッドにおけるワイヤーは、実際に摩耗をしていないので、厚い。
第2に、切り込みは、先行する切断動作の場合に炭素ストリップの切抜を終了したワイヤー部分を用いて行われるか、または、先行する切断動作の後にワイヤーコイル上の残存するワイヤー供給がさらに別の切断動作にはもはや十分ではなく、また、コイルを変更することが必要であった場合には新しいコイルのワイヤーによって行われるということは事実である。したがって、炭素ストリップは容易に切断されるためワイヤーはほとんど摩耗しないので、切り込みは常に、ほとんど新しいワイヤー(炭素ストリップ)または新しいワイヤー(コイルの変更)で行われる。
小量のスラリーのみが新しいワイヤー、すなわち平滑表面を有するワイヤーに付着することが観察された。したがって、新しいワイヤーを囲むスラリー膜は薄い。ワイヤー供給側のロッドの端面に接近して、新しいワイヤーのより大きな厚さに起因するカーフの増加と、スラリー膜の厚さの低減に起因するカーフの減少とは、ほぼ均衡であり、そのため、ロッドのワイヤー供給側上のロッド位置から切り出されたウェハは切込ウェッジを有さないか、または、わずかな切込ウェッジを有するのみである。
ロッドの反対側すなわちワイヤー送出側では、ワイヤーは多数のカーフを既に通り抜けており、したがって摩耗に晒されている。摩耗したワイヤー、すなわち、荒れた表面を有するワイヤーは、スラリーのよりよい接着を提供し、したがって、実質的により厚いスラリー膜に囲まれるということが観察された。ワイヤー送出側上のロッドの端面では、摩耗によって引き起こされるワイヤーの厚さの減少は、ワイヤーの粗さによるスラリー膜の厚さの増加によって補償されるよりも多い。これは、なされた所見および対応された考察から、ロッドのワイヤー送出側に近いロッド位置からのウェハには顕著な切開ウェッジがあるという事実を説明する。
全体として、したがって、ウェハの所望の均一厚さを損なう切込ウェッジは、ワイヤー供給側上のロッド位置から切断されたウェハからワイヤー送出側上のロッド位置から切断されたウェハに向かって連続的に増加する。
本発明に従った第1の方法は、切開の時点で、グリッドに存在するワイヤー部分が、ダンサーによってその後にさらなる切断の最中においてセットされるよりも実質的により高い長手方向のワイヤー張力を有するという点で、実質的により狭い切開カーフを作り出すことを可能にする。カーフの幅が広くなることは、ロッドの軸方向におけるワイヤーの横断方向の偏向の長手方向の張力の大幅な増加によって妨げられる。
構造が設けられたワイヤーの場合には、切開の間にワイヤー張力がそこまで増加され得る張力は、同一のコア直径の平坦で構造が設けられていないワイヤーについて選択され得る最大の張力よりもさらに高く設定され得るということが観察された。
ワイヤー破断までのワイヤー張力の余裕のいくつかは、予知できない瞬間の負荷ピークによって消費される。当該予知できない瞬間の負荷ピークは、たとえば、ダンサーによる張力フィードバック制御の慣性により発生するか、または、多くの運動要素からなるワイヤー管理システムにおけるワイヤーの搬送の予知されない短い阻害の結果発生する。
さらに、本発明に従った第1の方法において好ましくは使用される構造が設けられたワイヤーの変形(「波」)は、長手方向のワイヤー張力の自然発生的なピークを吸収し得る付加的なバネ作用を提供し、そのため、構造が設けられたワイヤーの場合には、確実にワイヤー破断なくソーイングが行われることを可能にするために利用可能でなければならない、ワイヤー破断までの張力の余裕はより少ない。
構造が設けられたさまざまなワイヤーのうち、ワイヤー破断のないことが確実な最も高い張力で、一定の断面および横方向突起部(「波形のワイヤー」)を有するワイヤーを使用することが可能であった。したがって、そのようなワイヤーが好ましい。
長手方向のワイヤー張力が増加すると、波形のワイヤーは、いくぶん細長くなり、横方向の偏向は、幾分平らになり、波形のワイヤーの有効断面が減少する。したがって、本発明に従った第1の方法における波形のワイヤーの使用により、長手方向のワイヤー張力の増加の結果としてのカーフテーパリングの所望の効果は本発明に従った方法において特に顕著であり、波形のワイヤーの使用は、得られたウェハの切開ウェッジの進展を妨ぐのに特に効果的である。
先行技術とは対照的に、波形のワイヤーを使用する本発明に従った第1の方法は、ほとんどワイヤーの破壊限界までの長手方向のワイヤー張力のかなりの増加により特徴づけられる。この場合における波形のワイヤーの有効径は、波形のワイヤーの破断なく、構造が設けられたワイヤーが形成されていた平坦なワイヤーの有効径まで実質的に低減される。波形のワイヤーのタイプに依存して、有効径は、この「スリム化」によって20μmまで低減され得る。
スリム化の結果、波形の構造によって形成されるスラリーのための「ポケット」は、より浅くなり、スラリーを搬送するワイヤーのキャパシティは、「ポケット」を有さない相当する平坦なワイヤーのキャパシティに徐々に接近する。
ワイヤーを囲むスラリー膜の低減は、さらに狭いカーフに有利であり、したがって、本発明の目的を達成するために所望であるような対応するより厚いウェハが得られる。
ソーイングの切り込みの時点にて薄いカーフを達成するための本発明に従った第1の方法の第2の実施形態では、ワイヤーグリッドにおけるワイヤー部分が、切開の前に実質的により高い長手方向のワイヤー張力を有し、かつ、その後、さらなる切断動作の間にワイヤーに、通常で、増加されておらず、長手方向のワイヤー張力が供給されれば、既に十分である。
したがって、たとえばこの場合、切断動作の開始の前に、最も大きなワイヤー係合長さの場合、したがって最も大きなワイヤー負荷の場合においても、ワイヤーが通常供給されるとともにワイヤーの破損の発生がまだ確実にないワイヤー張力に対して80%まで増加したワイヤー張力を有するワイヤーがグリッドに備えられることが、ワークピースへの切り込みの際のワイヤー破損のより大きなリスクがこれによって生じることなく、可能であった。
記載されるように、これの理由は、ワイヤーグリッドに低い配線張力で供給されたワイヤーが、一様に長手方向のワイヤー張力を変更しながらグリッドを通るように加工を行い、したがってグリッドにおけるすべてのワイヤー部分の張力を変更するまである程度の時間がかかるということである。これが達成されるまでに、切断は既に非常に深く、また、ロッドのフィードによりワイヤー部分の係合長さlが非常に長いので、適切に選択されるワイヤーソリューション(切開深さに依存するピルグリムステップの第1および第2の長さの選択)の場合に発生するワイヤー上の摩耗によって、さらに別の切込ウェッジが、当該技術において公知の措置によって妨がれ得る。
本発明に従った第1の方法の第2の実施形態に関するさまざまな例において、400mmまでの長さの300mmのシリコンロッドは、平均350個のウェハへと切断され、これにおいて、さまざまな切断動作では、1回の切断動作当たり1ウェハにつき115〜340mのワイヤーに対応してまたはロッドにおける切開深さの1ミリメートル当たりのワイヤーの130mと400mとの間の平均に対応して、直径が175μmであり合計が40kmと120kmとの間のものが用いられた。ワイヤーの製造業者の定格破壊限界は少なくとも74Nであった。使用されたワイヤーソーの場合には、ワイヤーグリッドに完全に備えられるように使用されるワイヤーの長さは、約1200m(長さが各々約2.5mである約400の巻回)であった。切断の開始の前に、1200mのワイヤーが54Nの張力でワイヤーグリッドに供給され、切断動作が始められた。ワイヤーの正味の運動によって、結果として、ワイヤーグリッドに備えられるワイヤーは、3〜9mmの切開深さで、既に完全に置換されており、グリッドにおけるすべてのワイヤー部分は、前方への切断の開始からワイヤーに供給された低減された基本張力を有した(30N)。175μmの波形のワイヤーの使用により、ワイヤーグリッドの事前に備えられたワイヤーの増加した基本張力が60Nまで増加されることも可能であり、また、切断の開始の後の低減された基本張力が、ワイヤー破損の危険性が顕著により大きくなることなく、36Nまで増加されることも可能である。
切断の間に、ワイヤーは、材料除去の速度に依存する、ロッドの進行方向におけるワイヤーの横断方向の偏向、すなわち、ワイヤー屈曲を経験する。これはさらに、十分な利用可能なチップ体積の結果、ワイヤーの有効な摩耗が発生する必要とされる切断深さを増加させる。
実際に、このワイヤー屈曲に起因するワイヤーの復元力だけが、切断動作が進行する、ワイヤー部分とカーフの基部との間でのスラリー膜におけるせん断速度を引き起こす。せん断速度、すなわち、相対速度と膜厚さとの比は、材料除去速度を決定する。F.W. Preston, J. Soc.Glass Technol. 11 (1927) 214 - 256参照。
本発明に従った第2の方法の説明
本発明に従った第2の方法は、ワイヤーを囲むスラリー膜の厚さ、したがってカーフの厚さが、ピルグリムステップの第1および第2の長さにわたって、ワイヤーの長手方向の運動の平均速度が実質的に小さいことによって低減されるという点において、低減されたカーフ厚さを達成することを可能にする。
ワイヤーを囲むスラリー膜の厚さは流体力学プロセスによって影響を受け、当該膜の厚さは動的および静的な成分から構成される。動的な膜の厚さは、ワークピースに関してワイヤーの相対速度に起因するせん断速度によって影響を受け、静的な膜の厚さは、スラリー流出を妨げる所与の粘性の場合にワイヤー屈曲に起因する圧力によって、影響を受ける。
小さいワイヤー速度の場合におけるせん断速度の低減は、流体力学的圧力における減少を引き起こし、当該減少は、ワイヤーを囲むスラリー膜の厚さと、所与の係合長さ内におけるより長い滞留時間と、横断方向のワイヤー応力によって構築されるスラリー膜における流体力学的圧力によってカーフから粘着性のキャリア液が押し出される結果によるスラリー流出の増加とを決定する。
さらに、非常に高いワイヤー速度の場合には、高速でスラリーノズルを通過するワイヤーの均一の濡れが損なわれる。なぜならば、濡れも時間の関数であるからである。これは、不規則なカーフ幅につながり、これは得られるウェハの表面上の望まれないソーマークにつながる。
ワイヤー切断ラッピングの場合には、ワイヤーの長手方向におけるワイヤーの速度(ワイヤー速度)が好ましくは5m/sと20m/sとの間である。より高いワイヤー速度は通常、より高い可能なロッドフィード速度を可能にし、したがって、より速い切断の進行を可能にするが、これらは、ワイヤーを囲むスラリー膜の厚さの増加により、カーフの幅の広がりにつながる。したがって、切削速度を増加させることに起因する経済的な効率の増加は、カーフの幅の広がりの結果、減少する歩溜り(ロッド長さ当たりのウェハ)によって妨げられる。そのため、最適なワイヤー速度が存在する。この速度は約10m/sである。
本発明に従った第2の方法は、ピルグリムステップ法によるワイヤーソーイングに関する。ピルグリムステップ法の場合には、ワイヤーの長手方向の運動が、方向の連続的な変化により行われる。方向の2つの連続的な変化の間のワイヤーの長手方向の運動の対は、ピルグリムステップと称される。ピルグリムステップは、第1の速度での第1の方向における第1の長さだけのワイヤーの移動と、第2の速度での第1の方向と正反対な第2の方向における第2の長さだけのワイヤーのその後の移動とを正確に含む。この場合における第2の長さは、完全なピルグリムステップの間に2つの長さの差によって決定される長さだけ前述のワイヤー供給が進行する(ピルグリムステップの間の「正味のワイヤー運動」)ように、第1の長さより小さくなるよう選択される。
第1および第2の速度は好ましくは等しい。
同様に好ましくは、第1および第2の速度は等しくない。更に、好ましくは、第1および第2の速度は時間に関して各々変動可能である。
含まれる質量の慣性によって、ワイヤー運動の方向の変化は急には発生しないが、加速および遅延の段階を含む。
したがって、一般に、第1および第2の速度から形成されるピルグリムステップにわたる平均ワイヤー速度は、一方向における各ワイヤー運動について得られる。
本発明に従った第2の方法は、ピルグリムステップの2つの対向する方向におけるワイヤーの長手方向の運動の2つの速度から各々が計算される2つの平均速度を含み、切断動作の開始は第1のそのような平均速度で行われ、切断動作の終了は第2のそのような平均速度で行われ、第1の平均速度は第2の平均速度よりも小さくなるように選択されるということを特徴とする。
本発明に従った第2の方法において、切断動作の開始の際、方向の2つの連続的な変更間のワイヤーの第1の平均速度が選択され、切断動作の終わりの際、方向の2つの連続的な変更間のワイヤーの第2の平均速度が選択され、第1の速度は第2の速度未満である。
好ましくは、第2の平均速度は6m/sと20m/sとの間であり、特に好ましくは8m/sと15m/sとの間である。
第1の平均速度は好ましくは、第2の平均速度の10%と90%との間であり、特に好ましくは、20%と80%との間である。
切開の間にワイヤーの長手方向の運動の小さい平均速度によって、ワイヤーによってともに運ばれるスラリーがより少なくなり、スラリーによってワイヤーが濡れることと濡れたワイヤー部分がカーフに入ることとの間にワイヤーからスラリーが滴り落ちるのにより多くの時間が残り、またさらに、カーフを通る濡れたワイヤー部分の長手方向のワイヤー運動の最中にワイヤーからスラリーが滴り落ちるのにより多くの時間が残る。この結果は、切断動作のスタートの間にワイヤーを囲む小さい厚さのスラリー膜である。したがって、ワイヤーの直径とワイヤーのまわりのスラリー膜の厚さとによって決定されるワイヤーおよびスラリーによって作り出されるカーフの幅は、切断動作の開始の際に、切断動作の終わりにおいてよりも小さく、本発明に従うと、ワイヤーの長手方向の運動の平均速度がより大きくなると、ワイヤーを囲むスラリー膜がより厚くなり、ワイヤー直径およびスラリー膜の厚さによって決定されるカーフはより広くなる。
本発明に従った第3の方法の説明
本発明に従った第3の方法は、スラリーにおいて平均粒径がより小さく、かつ、他のパラメータが同じままであることで、スラリー膜の平均厚さ、したがって、カーフの幅も低減されるという点で、カーフ厚さの低減を達成することを可能にする。
本発明に従った第3の方法は、切断動作の開始時には、平均粒子径が切断動作の残りの間のスラリーの平均粒子径未満であるスラリーが使用されるということを特徴とする。
好ましくは、切り込みの時点で、より微細な粒子の研磨材を含む少量の新しいスラリーがワイヤーグリッドに供給される。
同様に好ましくは、摩耗のために粒子が小さい平均粒子径を有する少量の使用されたスラリー(古いスラリー)が、切り込みの時点でワイヤーグリッドに供給される。
同様に好ましくは、より微細な粒子の研磨材を含む少量の新しいスラリーと、少量の使用されたスラリーとが、切り込みの時点で、ワイヤーグリッドに供給される。
この場合において、少量はワークピースからの材料の除去の間に使用されるスラリーの量の合計に対して5〜50%に対応する。
第1のミリメートルの切断深さの間、スラリー消費は低く、ロッドの速い供給により、微細粒子のスラリーの添加は短い間だけ行われるので、小さなチップ体積により、システムの格納タンクに存在するスラリーの平均粒子径は、小量の微細粒子のスラリーの添加の結果、わずかに変化するだけである。
ワイヤーグリッドが数ミリメートルの深さまでワークピースに貫入した切断の第1の深さの達成時において、ワークピースが完全に切断されるまで、微細粒子スラリーが、平均粒径が微細粒子スラリーの平均粒径より大きいスラリーによって置換される。好ましくは、微細粒子スラリーの平均粒径は、第2の平均粒径の50%と80%との間である。
好ましくは、第1の切開深さは、ワークピースにおけるワイヤー部分の最も大きな係合長さの2%または5%であり、円形の円筒状ボディの場合の最も大きな係合長さはワークピースの直径に対応する。
本発明に従った第3の方法の実際的な実施形態において、好ましくは処置は以下のとおりである。
切断動作に必要な量のスラリーは、ソーのマシンタンクに存在し、切断の間に、スラリーノズルおよびワイヤーグリッドを介して連続的に循環される。切断動作の終わりには、タンクに存在する量のスラリーのうちのいくつかは、新しいスラリーに置換される。このプロセスは「スラリー再生」と称される。
切断動作の終わりでは、摩耗により、タンクに存在するスラリーの供給は微粒子になる。切断の完了の後、再生量のスラリーが除去されるが、除去される量は、次の切断の開始の前に、新しいスラリーで直ちに補充されず、次の切断は、タンクに残る部分的な量のスラリーで開始され、したがって、切開は、使用されたスラリー、すなわち、特に微細な粒子のスラリーで行われる。再生量の新しく粗い粒子のスラリーは好ましくは、強く切断する新しい粗いスラリーが特に必要とされる漸増的に長くなるワイヤー係合長さに実行中の切断が達した場合にのみ、また必要ならば徐々に、添加される。切込期間の後にだけ行われる以前に取り除かれた再生量のこの連続的な補充は、「スラリー装填」と称される。
再生量のスラリーが先行する切断の終わりにマシンタンクから除去され、かつ、除去量が現在の切断の間にのみ補充(装填)された結果、より微細な粒度による切開、結果的により狭いカーフ、したがって切開ウェッジのない得られたウェハが、特に単純な態様で実現され得る。
本発明に従った第3の方法のこの後者の実施形態についての実際の例において、再生および装填によって、切断についてのワイヤーソーのマシンタンクにおけるスラリーの供給は、150lであり、切断の終わりに除去された再生量は75lであった。したがって、その後の切断動作において、切開は、先行する切断によって消費された切断粒子すなわち微細粒子を有するスラリーの75lの開始量で行われた。その後、当該75lは、係合長さにほぼ比例して加えられる部分的な量で漸進的に補充され(装填)、第1の最小の添加が6mmの深さまでの切断の後で行われ、最後の最大の部分的な添加が120mm、すなわち、最長のワイヤー係合長さ(切断深さが150mm、カーフ当たり300mmの係合長さ)に到達する直前に行われる。
図5は、スラリーにおいて懸濁される固体の粒径分布を示しており、これは、新しいスラリー(37)と、切断用途で使用されているスラリー(38)とについてのものであり、数えられた粒子成分は、粒径(particle size(P.S.))にわたって、サンプルにおいて数えられたすべての粒子の総数に対して、パーセント(計測頻度(count frequency);C.F.)でプロットされている。
新しいスラリーの場合には、スラリーにおける固体は、ワークピースからの材料の除去を行う硬質物質のみをほとんど排他的に含み、使用されたスラリーの場合には、固体は硬質物質を主として含むが、ワークピース材料からの摩耗砕片と、ワイヤーからの摩耗砕片と、搭載ストリップ(炭素、プラスチック)からの小さな程度の摩耗砕片とをさらに付加的に含む。
1μmの領域において、小さな粒径の場合には、粒径分布38の局所極大39が、使用されたスラリーの場合には顕著である。この「微細粒子」は、砕片の結果であり、消耗したスラリーの材料除去効果の減少の主な原因である。
新しいスラリーおよび使用されたスラリーについての平均粒子径は、図5から直接的に読み取ることができない。なぜならば、図5は、粒径クラス当たり数えられた粒子の数を示し、それぞれの粒径によって占められる体積分率の重み付けにより、平均粒子径は粒径の合計から計算される(体積平均粒子径)からである。この平均粒子径のサイズは、カーフの幅を決定し、本発明に従った第3の方法に関連する。
第3の方法についての例において、Fepa F−500と同様の粒径分布を有する材料除去硬質物質として新たに準備した炭化珪素(SiC)(図5における曲線37)が、キャリア液としてジプロピレングリコール(DPG)において、完成したスラリーの52.4%の質量分率で懸濁され、300mmのシリコンロッド上のカーフ幅を決定するように分離切断が行われた。当該分離切断のために、直径が175μmのワイヤーが使用され、点Aに近い断面A−A’に沿った測定によってワイヤー供給側のロッドの端部12と切断の開始部とにてウェハの厚さが決定される(図1、ウェバ(waver)の中心線厚さ)。ロッドにおけるこのウェハ位置について、ワイヤー直径は、正確に既知であり(新たに供給されたワイヤー,175μm)、断面A−A’上の点Aに近いウェハの厚みの測定位置について、スラリーは使用されておらず、材料除去粒子の平均粒径は既知である(切断の開始)。
ワイヤー供給側上のロッド端部での溝2(図1)のスペーシング(1118μm)から、測定された厚さを減じることによって、218μmの最小のカーフ幅、すなわち、スラリー膜の厚さの2倍(すなわちソーイングワイヤーの両側上)について218μm−175μm=43μmが得られた。したがって、各場合におけるスラリー膜は、使用されたF−500粒子の場合に14.5μmである平均粒子径より約1.4倍広く、粒径分布の中央値より約1.5倍広い。同様に、カーフ幅が、ウェハの中心線厚さA−A’の上の点A’に近い切断の端部にて測定された。そこでは、スラリーが消費され、測定された粒径(図5における曲線38からの体積測定の平均)は平均で9.73μmであり、ワイヤーの両側上のスラリー膜は各々、平均粒子径の約1.3倍にのみ対応する約13μmであると分かった。
この理由は、新しいスラリーとは対照的に、消費されたスラリーの粒子分布は、微粒子の割合が大幅に増加(39)したために、その最大値に関して非常に非対称であるということである。したがって、消費したスラリーの使用によるウェハの厚みについての増加は、新鮮なスラリーと比較して、17μm以上である。
通常、消費されたスラリーによって、均一でなく、傷がついた、波形状のワークピース表面が得られるので、使用されたスラリーを用いて作業することは現在問題外であり、そのため、先行技術に従うと、切断は可能な限り新しいスラリーで行なわれる。
しかしながら、発明者による調査は、第1のミリメートルの切開深さの間は、悪化させる効果を伴うこれらの負の影響は発生しないということを示した。これについての理由は、明らかにソーイングワイヤーの小さな係合長さと、ロッド供給の単位時間当たりの小さなチップ体積と、ほとんど接線方向にワイヤーが入ることによる小さなストリッピング作用とによって、カーフへのスラリーの搬送はまだ非決定的であるという事実である。
300mmのロッドについては、それを下回れば切断品質に対する使用されたスラリーの不利な影響がまだ有意ではなくそれにもかかわらず切込ウェッジの知覚可能な低減を実行するのに十分である限界切断深さは、非常に消費されたスラリーまたは60%まで低減された平均粒子径を有するスラリーの供給の場合、6mmであり、それよりも消費されていないスラリーまたは平均粒子径が70%まで低減されたスラリーの供給の場合、約15mmであることが分かった。切断のこれらの深さはそれぞれ、最大係合長さ(300mm)の2%および5%に対応する。
本発明に従った第4の方法の説明
「切込ウェッジ」がなくてより薄いカーフ、したがって一様により厚いウェハを達成するための本発明に従った第4の方法は、切開の間のスラリー速度の一時的な低減に基づく。
ワイヤーのまわりのスラリー膜の厚さを決定する流体力学的な背圧と、ワイヤーの偏向の復元力によって引き起こされる静圧とは、スラリーが一時的により流れやすくなる場合、すなわち、粘性が低減される場合に、切り込みの間に低減され得る。
この目的のために、本発明に従った第4の方法の第1の好ましい実施形態において、スラリーの一時的な希薄化(キャリア液および硬質物質から構成されるスラリーにおけるキャリア液の割合の一時的増加)が、第1の切開深さ(切開)が達成されるまで、ソーイングプロセスの開始時に行われる。
本発明に従った第4の方法の第2の好ましい実施形態では、使用されていないスラリーと比較して粘性が同様に小さい使用されたスラリーがワークピースへのワイヤーグリッドの切開に使用される。
ワイヤーグリッドが数ミリメートルの深さまでワークピースに貫入する第1の切開深さの達成の際、標準的な(より高い)粘性を有するスラリーが使用される。
好ましくは、切開深さは、ワークピースにおけるワイヤー部分の最も大きな係合長さの2%または5%であり、円形の円筒状ボディの場合における最も大きな係合長さは、ワークピースの直径に対応する。
好ましくは、第1の粘性は第2の粘性の40%と95%との間である。
粘性が小さいスラリー、すなわちより流動性があるスラリーは、より薄いスラリー膜を作り出し、したがってより大きな局所的なウェハ厚みを作り出す。この効果は、消費されたスラリーにおける低減された平均粒子径の効果を重ね、これにより同様に膜厚さの低減が得られる。
短い切開段階の間に必要とされる比較的少量の薄いスラリーによって、ソーのための供給に存在するスラリーのうち、スラリー供給の組成はほとんど変更されない。
図4は、図4(A)においては25℃、図4(B)においては30℃、図4(C)においては60℃で測定されたスラリー膜に対するせん断速度の関数として、ワイヤーソーにおけるスラリー供給の新しいスラリーの測定された動的粘度(dynamic viscosity(D.V.)(記号η))(切断前,「PRE」,曲線31、33および35)と、使用されたスラリー(切断後,「POST」,曲線32、34および36)の測定された動的粘度とを示す。使用されたスラリーにおける固体の割合は、ワイヤーおよびワークピースからの摩耗砕片の付加的な割合により、材料の除去を行う硬質物質のみを含んでいる新しいスラリーにおける固体の割合より常にいくぶん高いが、新しいスラリーと比較して使用されたスラリーの粘性の減少は、25℃および30℃においてはっきり明白である。
薄くすることの効果はまさに係合長さlが短い切込領域において最も大きく、ワークピース材料に対するスラリーにおけるワイヤーの粘性摩擦は低く、したがって、カーフにおける平均温度は低い。
長い係合長さlの場合には、長いカーフにおける高摩擦によって、ちょうど60℃未満までの平均温度が赤外線カメラによって決定された。60℃では、新しいスラリーは使用されたスラリーと粘性において異ならない。
すべての例について、スラリー膜の典型的な厚さhは数十μmであり、ワイヤーの長手方向におけるワイヤー運動の速度vは数m/sであるので、せん断速度dv/dhはそれでも、レオメーターにおける測定に利用可能な1000/sの最高点を越えて得られる。
したがって、置換として、1000/sの粘性が使用される。図4(A)〜図4(C)はさらに、スラリーの温度のわずかな上昇にも粘性のかなりの低減が伴うことを示す。したがって、カーフにおいて実際に支配的であるスラリー温度を大幅に低減する、切り込み時にはマシン温度であるロッドの強い冷却効果にもかかわらず、切込領域において供給される5℃または10℃のスラリーの粘性の増加は、十分なカーフ縮小、したがって、切込領域においてウェハ厚みの増加を実行するのに十分であり、したがって十分に切込ウェッジを低減するということが分かった。
第4の方法の第3の好ましい実施形態においては、そのとき存在するチップ体積によるワイヤー厚さが、たとえばロッドフィード速度の変更ならびにピルグリムステップの第1および第2の長さの変更といった先行技術において公知の方法によって選択的にセットされ得る場合に、切開の時点でワイヤーグリッドおよびカーフに供給されるスラリーが短く加熱され、第1の切開深さの達成の際に再び冷却されるという点で、スラリーの粘性の低減が行われる。
ほとんどの液体の粘性は温度が上昇すると減少する(アレニウス−アンドラーデの関係(Arrhenius-Andrade relationship))ということが公知である。先行技術は、たとえばDE 11 2008 003 339 T5といった、供給されたスラリーの温度が切断の間に増加されるワイヤー切断ラッピング方法のみを開示する。しかしながら、切り込みの時点の際のみの温度の短い上昇は、温度によって影響を受ける得られたウェハの他の特性に関して無害であると分かった。
たとえば、切断にわたって供給されたスラリーの平均温度が25℃である切断が行なわれた。この温度は、環境温度およびマシンフレームの温度にほぼ対応し、したがって、互いに関して構成要素の最小の相対的な熱膨張で、さまざまなシステムの構成要素にわたる小さな熱勾配のみが得られるので、有利と分かった。フローサーモスタットによって、切断装置(150l)について供給に存在するスラリーは、スラリーノズルを通ってワイヤーグリッドおよびワイヤーガイドローラを介して25kg/minの流量で循環した。全切断にわたって平均されたロッドフィード速度は、0.4mm/minであり、低いチップ体積に起因して切開の時点では2mm/minまでであった。切開の間に、温度は3〜8分間で30℃および35℃に増加された。これは、温度の上昇が効果的であった6mmと15mmとの間の切込深さに対応した。その後、25℃の平均温度のスラリーが再び供給された。加熱されたスラリーが供給される時間の短さと、マシンフレーム、フィードデバイスおよびロッド、ならびにワイヤーガイドローラの有効な内部冷却の大きな熱質量とにより、異なる熱膨張によって引き起こされる負の影響が存在しないと分かった。しかしながら、カーフにおける粘性の低減によって、得られたウェハについて切込ウェッジがもはや最小厚さに決定的でないように、スラリー膜の厚さを低減することと、切開領域におけるウェハの厚さを増加させることとが可能であった。
第4の方法は、第3の方法に密接に関連している。これは、第3の方法に従った微粒子(使用されたスラリー)の使用は、切断面からワイヤーを「距離をおいて」維持するより小さな粒子によりカーフのテーパリングが得られることに加えて、たとえば温度を増加させることによってスラリーキャリア液の粘性を変化することにより第4の方法において直接的に達成されるように、粘性の変化と、したがって、距離の低減とが得られるからである。
参照符号および略語一覧
1 ワイヤー
2 溝
3 ワイヤー供給側上のワイヤーガイドローラ
4 ワイヤー送出側上のワイヤーガイドローラ
5 左のワイヤーガイドローラの軸
6 右のワイヤーガイドローラの軸
7 左のワイヤーガイドローラの回転の方向
8 右のワイヤーガイドローラの回転の方向
9 ワイヤー供給
10 ワイヤー送出
11 ワイヤー部分
12 ロッドのワイヤー供給側(の端面)
13 カーフ
14 ロッド軸
15 半導体ロッド
16 切断開始側上の直径方向の切断線A−A’およびB−B’の貫通点
16’ 切断終了側上の直径方向の切断線A−A’およびB−B’の貫通点
17 カーフのワイヤー入口側
18 カーフのワイヤー出口側
19 ワイヤー供給側上のスラリーノズルストリップ
20 ワイヤー送出側上のスラリーノズルストリップ
21 スラリーノズル
22 ワイヤー供給側上のスラリーカーテン
23 ワイヤー送出側上のスラリーカーテン
24 ロッドのワイヤー送出側(の端面)
25 ワイヤーグリッド
26 識別溝(切断ウェハ:識別切欠部)
27 最長の係合長さの領域における切断線D−D’に沿ったワイヤー入口側上の縁部に近い厚さの減少
28 ソーイングイン領域での厚さのウェッジ形状(「切込ウェッジ」)の減少
29 最長の係合長さの領域における切断線C−C’に沿ったワイヤー出口側上の縁部に近い厚さの減少
30 切断線A−A’およびB−B’に沿った中心厚さ
31 25℃でのせん断速度の関数としての新しいスラリーの動的粘度
32 25℃でのせん断速度の関数としての使用されたスラリーの動的粘度
33 30℃でのせん断速度の関数としての新しいスラリーの動的粘度
34 30℃でのせん断速度の関数としての使用されたスラリーの動的粘度
35 60℃でのせん断速度の関数としての新しいスラリーの動的粘度
36 60℃でのせん断速度の関数としての使用されたスラリーの動的粘度
37 新しいスラリーの粒径分布
38 使用されたスラリーの粒径分布
39 小さな粒径を有する使用されたスラリーの粒度分布の局所極大
D マイクロメートルでの局所厚さ
z グリッド上へのワークピースのフィードの方向の長さ(単位はミリメートル)
D.V. 動的粘度(単位はmPas(ミリパスカル秒))
S.R. 1/s(s=秒)におけるせん断速度dv/dh(v=速度、h=液体膜における高さ)
η 動的粘度の記号(ギリシャ文字のイータ)
PRE 前(新しいスラリー)
POST 後(使用されたスラリー)
C.F. 粒子計測頻度(単位はパーセント)
P.S. 粒径(単位はマイクロメートル(μm))

Claims (29)

  1. ソーイングワイヤーを含みワイヤーソーによって液体切断手段の存在下で、直径を有する円筒状のワークピースから多数のスライスを同時に切り出すための方法であって、前記ソーイングワイヤーは回転可能なワイヤーガイドローラ同士の間に平行方向に配置される多数のワイヤー部分から構成されるワイヤーグリッドにわたり、長手方向の張力を有する前記ワイヤー部分は、前記ワイヤーガイドローラの回転の結果、回転の第1の方向と、回転の前記第1の方向と反対である回転の第2の方向との間で連続的に交互に前記ワークピースに対して相対運動を示し、前記ワイヤーは、前記第1の方向における回転の間に第1の長さだけ動かされ、前記第2の方向における回転の間に第2の長さだけ動かされ、前記第2の長さは前記第1の長さ未満である方法において、第1の切断深さでの前記ワークピースへの前記ワイヤー部分の切り込みの時点で、長手方向のワイヤー張力部分は、第2の切断深さを伴う第2の時点よりも大きく、前記第2の時点は、前記切り込みの時点の後であって、前記ワークピースにおける前記ワイヤー部分の係合長さlが>0である時点であることを特徴とする、方法。
  2. 前記ワークピースの直径の≦2%の切断深さの場合、前記ワイヤー部分の係合長さlが前記ワークピースの直径と等しい際には、前記長手方向の張力は、前記ワイヤーの張力に対して≦80%増加されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ワークピースの直径の≦5%の切断深さの場合、前記ワイヤー部分の係合長さlがワークピースの直径と等しい際には、前記長手方向の張力は、前記ワイヤーの張力に対して≦50%増加されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の切断深さは、前記ワークピースにおけるワイヤー部分の最も大きな係合長さの0%と5%との間であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 第1のワイヤー張力は第2のワイヤー張力の1.2倍と1.8倍との間であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. ソーイングワイヤーを含みワイヤーソーによって液体切断手段の存在下で、直径を有する円筒状のワークピースから多数のスライスを同時に切り出すための方法であって、前記ソーイングワイヤーは2つの回転可能なワイヤーガイドローラ同士の間に平行方向に配置される多数のワイヤー部分から構成されるワイヤーグリッドにわたり、長手方向の張力を有する前記ワイヤー部分は、前記ワイヤーガイドローラの回転の結果、回転の第1の方向と、回転の前記第1の方向と反対である回転の第2の方向との間で連続的に交互に前記ワークピースに対して相対運動を示し、前記ワイヤーは、前記第1の方向における方向の直接的に連続する反転の各対の間の回転の間、各場合において、各場合における第1の長さだけ第1の速度で動かされ、前記第2の方向における回転の間、各場合において、各場合における第2の長さだけ第2の速度で動かされ、前記第2の長さは前記第1の長さよりも短い方法において、切断動作の開始の際、前記第1および第2の速度から形成される、2つの連続的な方向の変更の間の前記ワイヤーの第1の平均速度と、前記切断動作の終わりの際、前記第1および第2の速度から形成される、2つの連続的な方向の変更の間の前記ワイヤーの第2の平均速度とが選択され、前記第1の平均速度は前記第2の平均速度未満であることを特徴とする、方法。
  7. 前記第1または第2の長さは、カーフの切開深さにより変化する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ワークピースとの前記ワイヤーグリッドの最初の接触と、第1の切断深さまでとの間、前記ワイヤーの運動は、前記第1の平均速度で行われ、前記第1の切断深さの達成の後、前記切断動作の終了までは、前記ワイヤーの運動は、前記第2の平均速度で行われる、請求項6または7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記第2の平均速度は6m/sと20m/sとの間である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記第1の切断深さは、前記ワークピースにおけるワイヤー部分の最も大きな係合長さの0%と2%との間である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記第1の切断深さは、前記ワークピースにおけるワイヤー部分の最も大きな係合長さの0%と5%との間である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記第1の平均速度は、前記第2の平均速度の10%と90%との間である、請求項6〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記第1の平均速度は前記第2の平均速度の40%と80%との間である、請求項6〜10のいずれか1項に記載の方法。
  14. ソーイングワイヤーを含みワイヤーソーによって液体切断手段の存在下で、直径を有する円筒状のワークピースから多数のスライスを同時に切り出すための方法であって、前記ソーイングワイヤーは2つの回転可能なワイヤーガイドローラ同士の間に平行方向に配置される多数のワイヤー部分から構成されるワイヤーグリッドにわたり、長手方向の張力を有する前記ワイヤー部分は、前記ワイヤーガイドローラの回転の結果、回転の第1の方向と、回転の前記第1の方向と反対である回転の第2の方向との間で連続的に交互に前記ワークピースに対して相対運動を示し、前記ワイヤーは、前記第1の方向における回転の間に第1の長さだけ動かされ、前記第2の方向における回転の間に第2の長さだけ動かされ、前記第2の長さは前記第1の長さ未満である方法において、切断動作の開始から第1の切断深さの達成まで、前記切断手段の供給された硬質物質は第1の平均粒径を有し、前記第1の切断深さの達成の後、前記切断動作の終了まで、前記切断手段の前記供給された硬質物質は第2の平均粒径を有し、前記第1の平均粒径は前記第2の平均粒径未満であることを特徴とする、方法。
  15. 前記第1の切断深さは、前記ワークピースにおけるワイヤー部分の最も大きな係合長さの2%である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1の切断深さは、前記ワークピースにおけるワイヤー部分の最も大きな係合長さの5%である、請求項14に記載の方法。
  17. 前記第1の粒径は前記第2の粒径の50%と80%との間である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. ソーイングワイヤーを含みワイヤーソーによって液体切断手段の存在下で、直径を有する円筒状のワークピースから多数のスライスを同時に切り出すための方法であって、前記ソーイングワイヤーは2つの回転可能なワイヤーガイドローラ同士の間に平行方向に配置される多数のワイヤー部分から構成されるワイヤーグリッドにわたり、長手方向の張力を有する前記ワイヤー部分は、前記ワイヤーガイドローラの回転の結果、回転の第1の方向と、回転の前記第1の方向と反対である回転の第2の方向との間で連続的に交互に前記ワークピースに対して相対運動を示し、前記ワイヤーは、前記第1の方向における回転の間に第1の長さだけ動かされ、前記第2の方向における回転の間に第2の長さだけ動かされ、前記第2の長さは前記第1の長さ未満である方法において、切断動作の開始から第1の切開深さまで、第1の粘性を有する懸濁液が前記ワイヤーグリッドに供給され、前記第1の切断深さから前記切断動作の終了まで、第2の粘性を有する懸濁液が前記ワイヤーグリッドに供給され、前記第1の粘性は前記第2の粘性未満であるように選択されることを特徴とする、方法。
  19. 前記切断深さは、前記ワークピースにおけるワイヤー部分の最も大きな係合長さの0%と2%との間である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記切断深さは、前記ワークピースにおけるワイヤー部分の最も大きな係合長さの0%と5%との間である、請求項18に記載の方法。
  21. 前記第1の粘性は前記第2の粘性の40%と95%との間である、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記第1の粘性は、前記懸濁液の温度を第1の温度に調節することにより達成され、前記第2の粘性は、前記懸濁液の温度を第2の温度に調節することにより達成され、前記第1の温度は前記第2の温度より高いように選択される、請求項18〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記第2の温度は20℃と40℃との間にあるように選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記第1の温度は、前記第2の温度を下回る5℃と15℃との間にあるように選択される、請求項22または23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記第1の粘性は、前記懸濁液における硬質物質の第1の平均粒径の選択によって達成され、前記第2の粘性は、前記懸濁液における前記硬質物質の第2の平均粒径の選択によって達成され、前記第1の平均粒径は前記第2の平均粒径未満であるように選択される、請求項18〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記第1の粘性は、前記懸濁液における硬質物質の第1の濃度の選択によって達成され、前記第2の粘性は、前記懸濁液における前記硬質物質の第2の濃度の選択によって達成され、前記第1の濃度は前記第2の濃度未満であるように選択される、請求項18〜24のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記第1の粘性は第1のキャリア液の選択によって達成され、前記第2の粘性は第2のキャリア液の選択によって達成され、前記第1のキャリア液の粘性は前記第2のキャリア液の粘性未満である、請求項18〜24のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記第1の平均粒径は、前記第2の平均粒径についての値の50%と95%との間にあるように選択される、請求項25に記載の方法。
  29. 前記ワイヤーは第1の直径を有するモノフィラメントの鋼ワイヤーであり、前記モノフィラメントの鋼ワイヤーには、前記ワイヤーの横断方向における塑性変形の結果、ジグザグの形態にある多数の突起および窪みが設けられ、そのエンベロープカーブは、前記ワイヤーの長手方向に垂直な平面において、第2の直径を有し、前記第2の直径は前記第1の直径より大きい、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
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