JP4236540B2 - ワイヤソー - Google Patents

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本発明は、ワイヤソー表面における砥粒の付着状態を最適化したワイヤソーに関する。
大口径シリコンインゴットからのシリコンウエハのスライシング等を用途として、近年ワイヤソーがよく使用されている。
このワイヤソーの一種としてレジンボンドワイヤソーがあり、高抗張力金属を芯線として用い、ポリアミド、ポリイミド樹脂等の有機材料またはガラス等の無機材料をバインダーとしてこれに砥粒を分散含有させたもので芯線を被覆するという構成のものである。
ワイヤソー表面においては、一定量の砥粒がほぼ等しい間隔で規則的に付着していることが理想的であるが、製造上の誤差によって砥粒の付着状態が乱れる場合がある。
ワイヤソーの切断性能に最も影響を与えるのは芯線表面に固着された砥粒の固着状態であり、主に砥粒数、砥粒間隔、偏芯量が重要な要素となる。砥粒の固着状態が悪いと、早期に砥粒が脱落し、最終的にはボンド材が剥離する。ボンド材の剥離によって、切断速度は急速に低下し、加工面の精度も悪くなるとともに、ワイヤソーの寿命が短くなる。
そのため、砥粒が脱落することによるボンド材の剥離を防止して、高能率の加工を行うためには、砥粒固着状態を最適なものとすることが必要となる。
ワイヤソー表面の砥粒固着状態を良好なものとすることを目的としたワイヤソーの製造方法が、特許文献1に開示されている。
特開2002−036091号公報(段落番号0009〜0077)
しかし、この製造方法は、ワイヤソー表面において砥粒の占める面積、すなわち砥粒数を限定してワイヤソーの切断性能を管理するものであり、砥粒間隔や偏芯量の最適化を行うことができない。このように、砥粒数を管理して製造するだけでは、砥粒の脱落を有効に防止することはできない。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ワイヤソーに固着された砥粒の砥粒数、砥粒間隔、偏芯量を最適化して、砥粒脱落を有効に防止することが可能なワイヤソーを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明のワイヤソーは、芯線の周囲にボンド材によって砥粒を固着したワイヤソーを透過した光を用いて前記ワイヤソーの画像を撮影し、撮影されたワイヤソーの画像の明度に基づいて砥粒の輪郭を検知して前記砥粒の分布状態を検査するワイヤソーの検査方法によって検出された前記砥粒の投影面積に基づいて前記投影面積を制御し、砥粒層の投影面積に対する前記砥粒の投影面積が20%以上80%以下となるように形成したことを特徴とする。
砥粒層の投影面積に対する前記砥粒の投影面積が20%未満であると、作用砥粒数が少ないために、早期に砥粒の脱落を生じ、ボンド材の剥離が発生する。一方、砥粒層の投影面積に対する前記砥粒の投影面積が80%を超えると、作用砥粒数が多すぎるため、切粉の目詰まりが発生して加工能率が低下する。従って、砥粒層の投影面積に対する前記砥粒の投影面積を20%以上80%以下とすることにより、目詰まりを抑制して加工能率を維持しつつ、砥粒の脱落とボンド材の剥離を防止して切断性能に優れたワイヤソーを実現することができる。
本発明のワイヤソーは、前記ワイヤソーの検査方法によって検出された前記砥粒の砥粒間隔に基づいて前記砥粒間隔を制御し、前記砥粒間隔の標準偏差が200μm以下となるように形成したことを特徴とする。
砥粒間隔の標準偏差が200μmを超えると、砥粒配列の分散性が悪く、砥粒が凝集した部分では被削材の加工面精度が低下し、砥粒間隔が広い部分でボンド材の剥離が生じやすい。従って、砥粒間隔の標準偏差を200μm以下とすることによって、砥粒配列のばらつきによって生じる加工面精度の低下やボンド材の剥離を抑制することができる。
本発明のワイヤソーは、前記ワイヤソーの検査方法によって検出された偏芯量に基づいて前記偏芯量を制御し、芯線を挟んでその両側に形成された砥粒層について、厚い砥粒層に対する薄い砥粒層の厚みの比が0.6以上となるように形成したことを特徴とする。
厚い砥粒層に対する薄い砥粒層の厚みの比が0.6未満であると、砥粒層の偏芯が大きく、被削材の加工面精度が悪く、偏摩耗を生じやすい。従って、厚い砥粒層に対する薄い砥粒層の厚みの比を0.6以上とすることによって、被削材の加工面精度を良好に保ち、偏摩耗の発生を抑制することができる。
本発明のワイヤソーは、前記ボンド材中に骨材を含まず、ボンド材の光透過率が80%以上であることを特徴とする。
ボンド材中に金属粉末や無機粉末等の骨材が含まれていると、骨材を砥粒として判定していまい、正確な砥粒分布の判定が困難となり、判定結果に誤差を生じやすい。また、ボンド材の光透過率が80%未満であると、芯線と砥粒層との位置関係を測定することが困難となり、正確な砥粒分布の判定が難しい。従って、ボンド材中に骨材を含まず、ボンド材の光透過率を80%以上とすることによって、砥粒分布の判定を正確に行って、砥粒の脱落とボンド材の剥離を防止して切断性能に優れたワイヤソーを実現することができる。
本発明のワイヤソーは、前記ボンド材が感光性樹脂からなることを特徴とする。
感光性樹脂は熱硬化性樹脂に比べて硬化速度が格段に速いため、ボンド材として感光性樹脂を用いることにより、砥粒分布の判定を迅速に行うことができ、ワイヤソーの生産性を高めることができる。
本発明によると、以下の効果を奏することができる。
(1)芯線の周囲にボンド材によって砥粒を固着したワイヤソーを透過した光を用いて前記ワイヤソーの画像を撮影し、撮影されたワイヤソーの画像の明度に基づいて砥粒の輪郭を検知して前記砥粒の分布状態を検査するワイヤソーの検査方法によって検出された前記砥粒の投影面積に基づいて前記投影面積を制御し、砥粒層の投影面積に対する前記砥粒の投影面積が20%以上80%以下となるように形成したことにより、目詰まりを抑制して加工能率を維持しつつ、砥粒の脱落とボンド材の剥離を防止して切断性能に優れたワイヤソーを実現することができる。
(2)砥粒間隔の標準偏差を200μm以下とすることによって、砥粒配列のばらつきによって生じる加工面精度の低下やボンド材の剥離を抑制することができる。
(3)芯線を挟んでその両側に形成された砥粒層について、厚い砥粒層に対する薄い砥粒層の厚みの比を0.6以上とすることによって、被削材の加工面精度を良好に保ち、偏摩耗の発生を抑制することができる。
(4)ボンド材中に骨材を含まず、ボンド材の光透過率を80%以上とすることによって、砥粒分布の判定を正確に行って、砥粒の脱落とボンド材の剥離を防止して切断性能に優れたワイヤソーを実現することができる。
(5)ボンド材として感光性樹脂を用いることにより、砥粒分布の判定を迅速に行うことができ、ワイヤソーの生産性を高めることができる。
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
まず、本発明のワイヤソーを製造するために用いられるワイヤソーの検査方法と検査装置について説明する。
図1に、本発明のワイヤソーの検査装置を示す。
図1において、ワイヤソー1の長手方向に対して垂直な2軸方向に、CCDカメラ2が配置され、このCCDカメラ2に対向してワイヤソー1を挟んでLED光源3が配置されている。CCDカメラ2にはカメラ用電源4が接続され、LED光源3にはLED光源用電源5が接続されている。2つのカメラ用電源4にはカメラ切替器6が接続され、カメラ切替器6と2つのLED光源3は制御装置7に接続され、制御装置7は演算装置8に接続されている。演算装置8には、その周辺機器としてのディスプレイ9、キーボード10,およびマウス11が接続されている。
この検査装置においては、CCDカメラ2によってワイヤソー1の静止画像が撮影されるが、この際にLED光源3によってワイヤソー1に対して光が照射される。従って、CCDカメラ2はワイヤソー1を透過した光を用いてワイヤソー1の静止画像を撮影する。カメラ切替器6によって、2つのCCDカメラ2のうちいずれを選択するかが切り替えられ、制御装置7によってカメラ用電源4、LED光源用電源5のオン/オフと、カメラ切替器6の切替が制御される。ワイヤソー1の静止画像は演算装置8に取り込まれ、そのデータが処理されてワイヤソーの良否が判定される。
上記の検査装置を用いたワイヤソーの検査方法について以下に説明する。
図2(a)に、CCDカメラ2によって撮影されたワイヤソー1の静止画像の一例を示す。ワイヤソー1は、芯線21の周囲にボンド材22を用いて砥粒23を固着してなるものであるが、この検査方法においてはまず、画像の明度を読み取って、明度が大きく変化する位置に曲線Iを引く。この曲線Iはワイヤソー1と空間との境界であると判断できるため、曲線Iの立ち上がり部をワイヤソー1の両端と定義し、この両端から等距離の点を通ってワイヤソーの長手方向に直線Iを引き、この直線Iをワイヤソー1の中心線とする。次に、砥粒23の輪郭部の明度を基準値として設定し、この明度を持つ点を繋いで曲線IIを引き、砥粒23の輪郭線とする。
図2(b)は、図2(a)の部分拡大図であり、曲線IIより芯線側に、砥粒23をワイヤソー1の長手方向に貫く直線II(この直線IIは、曲線IIの回帰直線となる)を引き、この直線IIに平行であって、直線Iから曲線IIまでの距離が最大となる点を結ぶ直線IIIと、直線Iから曲線IIまでの距離が最小となる点を結ぶ直線IVを引く。
直線IIに平行であって、砥粒23を最も多く含むように直線Vを引き(図2(b)では、曲線IIに囲まれた部分のみを表示)、この直線Vに垂直に、直線IIIから直線IVまでの間に直線VIを引く。この直線VIは、検出された砥粒23のほぼ中心となる位置に引かれるため、直線VIの数によって砥粒数を検出することができ、隣り合う直線VIの間隔によって砥粒間隔を検出することができる。
図3に基づいて、上記の方法により検出される砥粒数と砥粒間隔から、ワイヤソーの良否判定を行うプロセスについて説明する。
図3は、ワイヤソー1が、芯線21の周囲に複数の砥粒23(斜線を引いて示す)が固着されて形成されている様子を模式的に示しており、ワイヤソー1の外径をW、ワイヤソー1の左側の砥粒23の厚さをWL、ワイヤソー1の右側の砥粒23の厚さをWRとしている。また、各砥粒の投影面積をSL1、SR1等とし、砥粒間隔をLL1、LR1等としている。この検査方法は、以下のステップに従って実行される。
ステップ1
まず、砥粒数が閾値以上であるかについて判定する。ここでは、ワイヤソー1の長手方向について長さLの部分に、左右それぞれに砥粒23が5個ずつ固着されているものを示しており、たとえば、長さLの部分に固着されている砥粒数が5個以上であるものを良品と判定する。この判定は、ワイヤソーの左側、右側のいずれについても行い、
左側の砥粒数≧5
右側の砥粒数≧5
のとき良と判定してステップ2に進み、それ以外のときは不可と判定して砥粒数を赤で表示して検査を終了する。
ステップ2
砥粒を含む砥粒層の厚さとワイヤソーの外径との比率を判定する。ワイヤソー1の外径Wに対する、左側の砥粒23の厚さWLと、右側の砥粒23の厚さWRとの和の比が0.55以上であるとき、すなわち
(WL+WR)/W≧0.55
を満たすとき良と判定してステップ3に進み、0.55より小さいときは不可と判定してその数値を赤で表示して検査を終了する。
ステップ3
芯線21の右側と左側での砥粒23を含む砥粒層の厚さの偏りについて判定する。左側の砥粒23の厚さWLと、右側の砥粒23の厚さWRとの比が、0.9以上であれば良と判定してステップ3に進み、0.6以上0.9未満であれば可と判定してステップ3に進む。すなわち、
L≧WRのとき、
R/WL≧0.9 :良の判定
0.6≦WR/WL<0.9 :可の判定
L≦WRのとき、
L/WR≧0.9 :良の判定
0.6≦WL/WR<0.9 :可の判定
とし、それ以外のときは不可と判定してその数値を赤で表示して検査を終了する。
ステップ4
砥粒層中での砥粒の投影面積が閾値以上であるかについて判定する。砥粒層におけるボンド材の厚みが、左側においてWL、右側においてWRであるとすると、砥粒層の投影面積は図示する部分について左側でL×WL、右側でL×WRである。この砥粒層の投影面積に対して、砥粒の投影面積の総和の比をとって、
0.20≦(SL1+SL2+SL3+SL4+SL5)/(L×WL)≦0.80
0.20≦(SR1+SR2+SR3+SR4+SR5)/(L×WR)≦0.80
の条件を満たすときには良と判定してステップ5に進み、それ以外のときは不可と判定してその数値を赤で表示して検査を終了する。
以上のステップ1からステップ4までは前処理段階の検査工程であり、固着している砥粒数が十分でないものや、砥粒層が偏芯しているものを排除することによって、砥粒間隔の良否判定に誤判定が生じるのを防ぐために設けたものである。
ステップ5
図2における直線VIの間隔を検出することによって得られる砥粒間隔の標準偏差について判定を行い、砥粒の分散状態についての良否を判定する。
砥粒間隔の標準偏差は、芯線を挟んで右側の砥粒と左側の砥粒のいずれもが良と判定される条件を満たしているときに良と判定される。すなわち、左側の砥粒間隔を総称してLLとし、右側の砥粒間隔を総称してLRとしたときに、
Lの標準偏差≦25、かつLRの標準偏差≦25
のときに良と判定し、この範囲を除いて
Lの標準偏差≦70、かつLRの標準偏差≦70
のときに可と判定する。
なお、以上の標準偏差における数値は、静止画像における画素数を意味しており、これらの数値の単位は画素のドット数となる。このドット数を砥粒間隔に換算すると、標準偏差の上限は200μmとなる。
以上のステップによって良と判定された場合には、そのままワイヤソーの製造が続けられる。可と判定された場合には、あらかじめ設定された回数だけ「可」の判定が連続した場合は、警報を鳴らし、装置停止等の処置がなされる。また、不可と判定されたときには、検査終了後に、警報を鳴らし、装置停止の処置がなされる。
なお、上記の説明における数値は一例であって、上記のものに限定されず、必要に応じて適宜定めることができる。
上記の測定に使用される光として、例えば可視光の波長領域(波長400nm〜700nm)の光を用いることができる。ボンド材の光透過度は80%以上であることが好ましい。ボンド材の光透過度が80%未満であると、光透過度が低いために、ワイヤソーを透過した光を用いて芯線と砥粒層との位置関係を測定することが困難になるからである。
また、測定に使用できる光源としては、蛍光灯、ハロゲンランプ、LED等の白色光を用いることができる。
以上のステップを経て、本発明のワイヤソーが製造される。具体的には、ステップ4によって、砥粒層の投影面積に対する砥粒の投影面積が20%以上80%以下となるようにワイヤソーが形成され、ステップ5によって、砥粒の間隔の標準偏差が200μm以下であるワイヤソーが形成される。また、ステップ3によって、芯線を挟んでその両側に形成された砥粒層について、厚い砥粒層に対する薄い砥粒層の厚みの比が0.6以上であるワイヤソーが形成される。
次に、ワイヤソーの砥粒の投影面積、砥粒間隔、偏芯量が以上の範囲内となるように制御する方法について説明する。
図4に、ワイヤソーの砥粒の分布状態を制御しつつワイヤソーを製造する工程を図示する。
砥粒が混入された樹脂を貯留するボンド槽31内に芯線32を通過させ、ボンド槽31を通過した被覆ワイヤ33の被覆厚みをダイス34により均一化する。
ダイス34の周囲には、図4(b)に示すように、被覆ワイヤ33が通過する方向に対して垂直な平面内で直交する2軸(X軸、Y軸)方向に、ダイス位置制御部35が設けられている。
ダイス34を通過した被覆ワイヤ33は、紫外線照射装置等からなる樹脂硬化部36により被覆層の液状樹脂が硬化される。
その後、被覆ワイヤ33は、挟み込みローラ37を通過することによって進行方向が変えられ、又、両端を挟み込み保持されることにより被覆ワイヤ33の軸方向の回転を抑制し、X、Y軸の変動が防止される。続いて、振れ防止用の第1のV溝プーリー38を通過する。この第1のV溝プーリー38を通過する際に、Y軸方向観察用カメラ39によって、被覆ワイヤ33の砥粒層のY軸方向の厚みが測定される。図4(c)に、被覆ワイヤ2の進行方向に対して垂直なY軸方向、X軸方向を示す。
その後、被覆ワイヤ33は振れ防止用の第2のV溝プーリー40を通過する。この第2のV溝プーリー40を通過する際に、X軸方向観察用カメラ41によって、被覆ワイヤ33の砥粒層のX軸方向の厚みが測定される。
その後、被覆ワイヤ33は挟み込みローラ37を通過した後、巻き取られる。
砥粒層の投影面積に対する砥粒の投影面積が20%以上80%以下となるようにワイヤソーを形成することは、以下の方法で実現することが可能である。すなわち、砥粒の投影面積が20%近くまで低下したときは、ボンド槽31に砥粒のみを追加してボンド槽31内の砥粒の密度を高める。一方、砥粒の投影面積が80%近くまで増大したときは、ボンド槽31に樹脂のみを追加してボンド槽31内の砥粒の密度を低下させる。
また、砥粒の間隔の標準偏差が200μm以下であるワイヤソーを形成することは、ボンド槽31内を攪拌して砥粒と樹脂との分散性を高めることによって可能である。
さらに、芯線を挟んでその両側に形成された砥粒層について、厚い砥粒層に対する薄い砥粒層の厚みの比が0.6以上であるワイヤソーを形成するためには、ダイス位置制御部35によってダイス34の位置を調整して、ダイス34の中心を被覆ワイヤ33が通過するように制御することによって可能である。
以上の方法で製造されたワイヤソーについて切断試験を行った。
ワイヤソーを形成する芯線及び砥粒は以下の通りである。
芯線:φ0.18mm
砥粒:Niコート砥粒 40/60μm
試験条件は以下の通りである。
切断装置:単線切断装置
ワイヤ速度:平均400m/min
ワイヤテンション:19.5N
被切断材:ソーダガラス 20mm幅
表1に砥粒の投影面積を変えて製造されたワイヤソーに対する試験結果を示す。
Figure 0004236540
表1において、切れ味は、加工開始後5分間の切り溝長さを、砥粒の投影面積が42%のときの値を100としたときの指標で表している。切れ味低下率は、加工開始から5分間における切れ味に対する、加工開始40分経過後から5分間の切れ味の比率を表している。また、ワイヤ摩耗率は、加工開始40分経過後10個所で測定したワイヤソーの径を平均化し、加工開始前のワイヤソーの径との差をワイヤソー径変化量として求め、{(ワイヤソー径変化量)/(砥粒層厚み×2)}×100の計算式にて求めたものである。
表1からわかるように、砥粒層の投影面積に対する砥粒の投影面積が20%以上80%以下のときに、切れ味、切れ味低下率、ワイヤ摩耗率のいずれも良好な値を示している。これに対し、砥粒層の投影面積に対する前記砥粒の投影面積が20%未満のときには、切れ味、切れ味低下率、ワイヤ摩耗率のいずれについても劣っている。これは、作用砥粒数が少ないために、早期に砥粒の脱落を生じ、ボンド材の剥離が発生するためである。一方、砥粒層の投影面積に対する前記砥粒の投影面積が80%を超えると、切れ味が低下しているが、これは作用砥粒数が多すぎるため、切粉の目詰まりが発生して加工能率が低下するためである。
表2に砥粒間隔の標準偏差を変えて製造されたワイヤソーに対する試験結果を示す。
Figure 0004236540
表2において、面粗さは、砥粒間隔の標準偏差が105μmであるときの加工後の被切断材の面粗さを100としたときの指標で表している。
表2からわかるように、砥粒間隔の標準偏差が200μmを超えると、面粗さが劣化している。これは、砥粒間隔の標準偏差が200μmを超えると、砥粒配列の分散性が悪いために、砥粒が凝集した部分では被削材の加工面精度が低下し、砥粒間隔が広い部分ではボンド材の剥離が生じやすいという事態を生じて、面粗さを良好な状態に保てなくなるからである。
表3に、偏芯量を変えて製造されたワイヤソーに対する試験結果を示す。
Figure 0004236540
ここで、偏芯量とは、芯線を挟んでその両側に形成された砥粒層について、厚い砥粒層に対する薄い砥粒層の厚みの比のことをいう。
表3からわかるように、偏芯量が0.6未満であると、切れ味、切れ味低下率、ワイヤ摩耗率、面粗さのいずれもが劣化している。これは、砥粒層の偏芯が大きいために、被削材の加工面精度が悪く、偏摩耗を生じやすいためである。
本発明は、切断用のワイヤソーとして利用することができる。

本発明のワイヤソーの検査装置の一例を示す図である。 CCDカメラによって撮影されたワイヤソーの静止画像の一例を示す図である。 芯線の周囲に複数の砥粒が固着されてワイヤソーが形成されている様子を模式的に示す図である。 本発明のワイヤソーの製造工程を示す図である。
符号の説明
1 ワイヤソー
2 CCDカメラ
3 LED光源
4 カメラ用電源
5 LED光源用電源
6 カメラ切替器
7 制御装置
8 演算装置
9 ディスプレイ
10 キーボード
11 マウス
21 芯線
22 ボンド層
23 砥粒
31 ボンド槽
32 芯線
33 被覆ワイヤ
34 ダイス
35 ダイス位置制御部
36 樹脂硬化部
37 挟み込みローラ
38 第1のV溝プーリー
39 Y軸方向観察用カメラ
40 第2のV溝プーリー
41 X軸方向観察用カメラ

Claims (3)

  1. 芯線の周囲に、光透過率が80%以上であるボンド材によって砥粒を固着したワイヤソーの前記ボンド材を透過した光を用いて前記ワイヤソーの画像を撮影し、撮影されたワイヤソーの画像の明度に基づいて砥粒の輪郭を検知して前記砥粒の分布状態を検査するワイヤソーの検査方法によって検出された前記砥粒の投影面積に基づいて前記投影面積を制御し、砥粒層の投影面積に対する前記砥粒の投影面積が20%以上80%以下となるように形成し、前記ワイヤソーの検査方法によって検出された当該ワイヤソーの長手方向に隣り合う前記砥粒の輪郭の中心間隔である砥粒間隔に基づいて前記砥粒間隔を制御し、前記砥粒間隔の標準偏差が200μm以下となるように形成したことを特徴とするワイヤソー。
  2. 前記ワイヤソーの検査方法によって検出された偏芯量に基づいて前記偏芯量を制御し、芯線を挟んでその両側に形成された砥粒層について、厚い砥粒層に対する薄い砥粒層の厚みの比が0.6以上となるように形成したことを特徴とする請求項1記載のワイヤソー。
  3. 前記ボンド材が紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載のワイヤソー。
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