JP6698682B2 - 金属合金固定層を有する固定砥粒ソーワイヤーの製造方法及びそれにより得られるワイヤー - Google Patents

金属合金固定層を有する固定砥粒ソーワイヤーの製造方法及びそれにより得られるワイヤー Download PDF

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Description

本発明は、固定砥粒ソーワイヤーの製造方法及びこの方法により得られる固定砥粒ソーワイヤーに関する。固定砥粒ソーワイヤーは、サファイア、シリコン、ガリウムヒ素、石英、炭化ケイ素、天然若しくは人工の石、又は同様の物質などの硬くて脆い物質の切断のために使用することができる。
半導体及びソーラーウェハーの製造の分野においては、マルチループのシングルワイヤーソーマシンの開発により、1つのサイクルで複数のウェハー(100枚以上)を平行に切断することが可能になった。そのようなソーマシンにおいては、単一の長さのワイヤーが、ループを等距離に保つ溝が付いたキャプスタンの上に複数のループ状に巻き付けられる一方で、ワークピースは結果として形成されるワイヤーウェブの中に沈み込む。キャプスタンはワイヤーを前後に動かし、それによりウェブのループの入口で新しいワイヤーが段階的に供給され、一方で使用済みのワイヤーがウェブの出口ループで引き抜かれる。
最近は基本的には2つの異なるタイプのソー切断方法が一般的である。砥粒(主にポリエチレン粘性担体中の炭化ケイ素粉末)を含むスラリーがソーワイヤーによって切断部に引き込まれる、遊離砥粒ソー切断が存在する。ソー切断は、ソーワイヤー表面とワークピースとの間に貼り付いて転がる砥粒によって、すなわち三体研磨によって行われる。ソーワイヤーは、通常は滑らかな表面と丸い断面を有する高張力鋼ワイヤーである。最近、微小な波形がつけられたソーワイヤーを使用することによって、速度及び表面品質の点で改善された切断結果が得られた。そのようなソーワイヤーにおいては、ワイヤーの中に小さい屈曲部が形成され、それにより切断部の中へのスラリーの引き込みが改善される(共に出願人のものである国際公開第2014/036714A1号パンフレット、国際公開第2012/2069314A1号パンフレットを参照)。
ワークピースだけでなく鋼製ワイヤーの表面も摩耗することから、ワイヤーは速い補充速度が必要とされる。更に、スラリーの管理はプロセス制御及び付随する装置の両方の観点からプロセスの複雑さを増すことになり、また全体のプロセスは環境に優しくない。
このため、固定砥粒ソーワイヤーの使用は、太陽電池又は半導体用途のシリコンの切断のためのみならず、青色LED基板、カメラのレンズ、透明押しボタンとして、及び更にはスマートフォン画面基板としての用途のサファイアウェハーの切断のためにも、ここ数年より一層の成功を収めている。
固定砥粒ソーワイヤーにおいては、砥粒は結合層によってワイヤーの表面に固定される。この方式においては砥粒とキャリアワイヤーとの間の相対速度がゼロであり、ワイヤーの摩耗がない。すなわち、ワイヤーの寿命はこの場合砥粒の摩耗寿命によって制限される。切断部からソーの削り屑を取り除くために冷却剤のみが必要とされるが、これは砥粒スラリーよりも管理し易い。結合層は、有機樹脂結合層(米国特許第6070570号明細書)であってもよく、あるいはこれは金属結合層であってもよい。金属結合層は、ろう付け若しくははんだ付けによって(国際公開第99/46077号パンフレット)、又は無電解析出若しくは電解析出(先願は独国特許第916143号明細書)によって、設けることができる。本出願は、後者のタイプの固定砥粒ソーワイヤー、すなわち電気的に析出した金属層中への砥粒の保持に関する。
結合層中への砥粒の電解共析出は難しい課題である。砥粒(多くの場合は人工ダイヤモンド粒)は電気的に不活性であるため、粒子はプロセス中に被覆されない。そのため、砥粒は無電解Ni−P若しくはCo−Pなどの導電層(英国特許第1198479号明細書)、又はTiC若しくはSiCのような半導体層(米国特許第7704127号明細書)で最初に被覆される。導電層は砥粒を取り囲む必要はない(特開2010−036298号公報、特開2010−120116号公報)。
一般的に、析出は2段階プロセスである:
a.最初の「固定工程」では、粒子は基材ワイヤーに暫定的に固定される。好ましくは、これは粒子がクラスターの中で互いに付着することなしに粒子の単一の層で行われる。この固定はソー切断用にワイヤーを適合させる目的には弱すぎるものの、2番目の「結合工程」時に粒子を少なくとも一時的にワイヤーに保持させるのに十分な強さである必要がある。
b.粒子が金属の「結合層」の更なる電解析出によって適切な位置に結合する2番目の「結合工程」。結合層は適切な場所に砥粒を保持する。
「固定工程」のための代替手段の非網羅的なリストは、
・熱溶融性金属の仮止め層の使用(米国特許出願公開第2012/167482号明細書、米国特許出願公開第2013/032129A号明細書);
・有機接着剤の使用(特開2010−120116号公報)
・ファンデルワールス力によって粒子を保持する中間層の使用(米国特許出願公開第2011/263187号明細書)
・無電解めっきによる固定(JP1271117A2)
・少なくとも部分的に金属で被覆された砥粒と金属コーティングの電解共析出による固定(例えば国際特許出願第2011/042931A1号パンフレット)
である。
本出願においては、固定工程は電解共析出めっきによる。
電解固定工程で生じる問題は、
・粒子が基材の表面に達する前にクラスターを形成する傾向、又は基材自体の上でクラスターを形成する傾向があること、及び
・砥粒上の導電性コーティングが電解液に溶解すること、
である。
1つ目の問題は使用時にソーマークを生じさせる望ましくない大きな突出の原因になる。2つ目の問題は、経時的に導電性コーティングが溶解することにより粒子が電気的に不活性になることから砥粒析出速度が低下する原因になる。その結果、粒子は基材ワイヤーに固定されるその能力を失い、ワイヤー上の粒子の被覆範囲は徐々に減少する。
次の参照文献は、本発明と特に関連性があることが見出された:
・台湾特許出願公開第2013/25780号明細書には、「何も入っていないめっき層2」、すなわち中にダイヤモンド砥粒を有さないめっき層を含む固定砥粒ソーワイヤーが記載されている。また、「厚い層」は、約70重量%のNiと30重量%のCoの組成の電着層である。何も入っていないめっき層と厚い層は、同じ全体組成を共有している。ダイヤモンド粒子を予め被覆することの示唆は存在しない。耐摩耗性を改善するため及び摩擦を低減するためにニッケル層にコバルトを添加することは公知である。
・韓国特許第101222061B1号明細書は、スパッタリングによってダイヤモンドをニッケル又はコバルト又は他の金属で部分的に被覆し(すなわち金属コーティングはリン又はホウ素を含まない)、その後これらを電解により金属ワイヤーに固定することにより仕上げることの課題に取り組んでいる。「仕上げ」とは、最初のストロークから切断を開始するために、析出金属のダイヤモンドの先端を剥離することによって使用のためにソーワイヤーを準備する行為である。ダイヤモンドは金属の「付着めっき層220」で最初に固定され、これは「固定めっき層」によって更に電解により厚くされる。
・韓国特許出願公開第20090026490A号明細書及び韓国特許出願公開第20090026498A号明細書には、ダイヤモンドで被覆されたソーワイヤーのための製造方法及び装置が記載されている。この方法は、ワイヤーを洗浄する工程(「洗浄槽120」)、その上に銅又はニッケルのストライク層を置く工程(浴「130」の中で)、その後浴「140」の中でダイヤモンド及びニッケルを共析出させる工程、更にその後浴「150」の中でニッケル層を厚くしてダイヤモンドの結合を増強する工程、並びにコバルト層の析出(浴「160」)で終了してワイヤーとソー切断されたピースとの間の摩擦を低減し、ワイヤーの耐摩耗性を向上させる工程、を含む。
・国際公開第2011/042931A1号パンフレットには、砥粒の金属プレコーティングの溶解及びそれに付随する経時的な粒子析出の喪失の問題が、銀より低いイオン化傾向を有する金属で粒子の外表面を被覆することによって解決される、製造方法及び得られる固定砥粒ソーワイヤーが記載されている。
・国際公開第2014/184457A1号パンフレットには、砥粒がニッケル−コバルト層に保持されており、これらが引き続き重ねて堆積されている、固定砥粒ソーワイヤーが記載されている。全ての層にはコバルトが含まれる。ワイヤーの製造方法も記載されている。
かくして本発明の第1の目的は、固定砥粒ソーワイヤーの製造方法を提供することである。この方法によって、析出浴の寿命を通じてのクラスター化及び粒子析出の喪失の問題が解決される。更なる目的は、実質的に砥粒クラスターを含まない固定砥粒ソーワイヤーを提供することである。
本発明の第1の態様によれば、固定砥粒ソーワイヤーの製造方法が提供される。工程は次の通りである:
− 供給スプールからワイヤーを連続的に巻き出すことによって引き伸ばした金属基材ワイヤーを準備する。
− リン又はホウ素を有する第1の金属の合金コーティングで少なくとも部分的に被覆された砥粒を準備する。
− 前記金属基材ワイヤー上の金属固定層の中に砥粒を電解共析出させるために、砥粒及び第1の金属のイオンを含む固定化浴に金属基材ワイヤーを通過させる。これにより中間体ワイヤーが得られる;
− 金属結合層の中に前記砥粒を電解により結合させるために、1種以上の結合金属イオン種を含む1つ以上の浴に前記中間体ワイヤーを通過させ、最終的なワイヤーを得る;
− 最終的なワイヤーをワイヤーキャリアーに連続的に巻き取る。
本発明は、固定化浴が第1の金属イオンとは異なる活性化金属イオンを更に含むという点で先行技術と区別される。活性化金属イオンは金属固定層中及び砥粒上に共析出する。
金属基材ワイヤーは、ステンレス鋼フィラメントであってもよい。ステンレス鋼は、少なくとも12重量%のCrと、相当量のニッケルとを含有する。細い直径に引き伸ばせることから、より好ましいステンレス鋼組成物はオーステナイト系ステンレス鋼である。例はAISI302、AISI301、AISI304、及びAISI314である。
あるいは、基材ワイヤーは、高張力の、大きく引き伸ばされた普通炭素鋼フィラメントであってもよい。本発明との関係においては、普通炭素鋼は、0.65%の最少炭素含有率、0.40〜0.70%の範囲のマンガン含有率、0.15〜0.30%の範囲のケイ素含有率、0.03%の最大硫黄含有率、0.30%の最大リン含有率を有し、全てのパーセンテージは重量%である。銅、ニッケル、及び/又はクロムは極微量しか存在しない。
好ましくは、金属基材ワイヤーは鋼心から作られ、これは金属コーティングで被覆される。典型的な金属コーティングは真鍮(銅亜鉛合金)、銅、銀、アルミニウム、亜鉛、コバルト、又はニッケルである。特に好ましいものは、銅、銀、アルミニウム、亜鉛、若しくはコバルトなどの、ステンレス鋼や普通鋼よりも高い導電率を有する合金の、より厚い金属コーティングである。厚くてより導電性の金属コーティングは、析出時に必要とされる場所であるワイヤーの外表部で電流を形成する。固定層と適合する粒を成長させるために、第1の金属又は活性化金属又は両方の金属の合金のコーティングも特に好ましい。
ワイヤーの断面は多角形(これはその上に砥粒を保持するためのより良い表面を与える)であっても円形であってもよい。金属コーティングが存在する場合にはそれも含めた引き伸ばされた金属ワイヤーの直径は、60〜300μm、更に好ましくは60〜120μmであり、例えば60〜100μmである。典型的なサイズは120、110、100、90、80、又は70μmである。
砥粒はダイヤモンド(天然又は人工)、立方晶窒化ホウ素、又はこれらの混合物などの超砥粒であってもよい。より少ない用途のためには、炭化タングステン(WC)、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(Al)、又は窒化ケイ素(Si)などの粒子を使用することができる:これらはより軟らかいものの、これらはダイヤモンドよりもはるかに安価である。最も好ましいものは人工ダイヤモンドである。サファイアの切断のためには、立方八面体形状の未粉砕ダイヤモンドの使用が有益であることが見出された。
砥粒の大きさは用途及びワイヤーの直径に依存する。砥粒の大きさとは、粒子上に設けられた全てのコーティングを除外した大きさ、すなわち剥き出しの粒子の大きさを意味する。例えばシリコンのソー切断のためには、80μm〜120μmのワイヤー直径が通常使用される。その際粒子は、80μmのワイヤー直径のためには6〜12μm又は8〜16μmの大きさを有し、120μmのワイヤー直径のためには最大で12〜15μmの大きさを有する。
サファイアのソー切断のためには、120μm〜180μmの若干大きいワイヤー直径が使用され、その際粒子は小さい方の直径のワイヤーのためには15〜25μmの大きさを有し、大きい方のワイヤーサイズのためには最大で35〜45μmの大きさを有する。
範囲は粒子の累積サイズ分布の5%及び95%のサイズ範囲を示す。この場合、砥粒の90%が上述した範囲の間の大きさを有する。砥粒のメジアン径は、粒子の50%がそれより小さい大きさであり50%がそれより大きい大きさであるサイズを意味する。サイズ測定はANSI B74.20−2004に従って「低角度レーザー光散乱」により行われる。
砥粒は、意図的な合金元素としてホウ素又はリンを有する第1の金属の合金コーティングで少なくとも部分的に被覆される。ホウ素又はリンの存在はコーティングをアモルファスにし、合金コーティングが電解液に溶解しにくくするのに役立つ。第1の金属はニッケルとコバルトのうちのいずれかである。最も好ましいのはニッケルである。Ni−B、Ni−P、Co−P、Co−Bを用いた、粒子及び特にはダイヤモンド粒子の無電解コーティングは周知であり、例えば英国特許第1198479号明細書に記載されている。
合金コーティングの最初の平均厚さは20〜800nm、又は50〜200nmである。通常、約100nmを中心とした薄い平均コーティング厚が好ましい。コーティングの平均厚さは二重秤量によって導き出され、この中でコーティングの質量は未被覆の砥粒の質量に分割される。粒子を、測定された大きさと等しい直径を有する球状とみなして、砥粒と合金コーティングの相対密度を考慮すると、平均厚さを導き出すことができる。
コーティングの質量全体中のリン又はホウ素の質量パーセンテージは6.5%よりも大きいが14%よりも小さい。
砥粒は、第1の金属のイオンを有する電解液を含む固定化浴の中で浮いているか浮かせられる。通常これは、陰極緩衝液としてのホウ酸又は有機若しくは無機の光沢剤が補完されていてもよい、第1の金属の硫酸塩、第1の金属の塩化物、又は第1の金属のスルファミン酸塩、又はこれらの混合物を含む酸性浴であろう。
砥粒上の第1の金属の合金コーティングの質量は、固定化浴の電解液中に砥粒が存在する時間に伴って次第にゼロになる傾向がある。砥粒は、ホウ素又はリンを有する第1の金属の合金コーティングで「少なくとも部分的に被覆されている」。少なくとも部分的に被覆されている、には、初期状態の場合である合金コーティングで完全に被覆されている粒子も含まれる。めっきの間、合金コーティングの厚さは均一には減らず、合金コーティングのある部分は他の部分よりも速く溶解してそれにより砥粒表面が現れることになる。合金コーティングが減るにつれて潜在能力は次第に弱まるものの、粒子上に幾らかの合金コーティングが存在している限り、粒子は金属基材ワイヤーに電着する潜在能力を有している。
− 金属基材ワイヤーに固定されてその後浴から出たもの、及び;
− もはや電気的に活性でないもの、
を補うために砥粒は徐々に添加されることから、任意の活性な砥粒の被覆状態は100%と0%のすぐ上との間であろう。
ここで固定化浴に活性化金属のイオンを添加することによって、本発明者らは砥粒の活性を実質的に延長できることを見出した。その結果、砥粒の析出をはるかに長い時間にわたって安定に維持することができ、合金コーティング全体の溶解によってはわずかな砥粒しか失われない。活性化金属は固定層に共析出する。驚くべきことに、発明者らは砥粒のクラスター化が大幅に低減されることも見出した。
この仮説によっていかなる形でも本発明の範囲が限定されるものではないが、活性化金属が部分的に被覆された砥粒上で優先的に吸着することによって砥粒の電着作用を改善するようである。言い換えると、被覆された砥粒の一部の表面で第1の金属のコーティングがなくなると、活性金属が有効になる。発明者らは、活性化金属イオンが解放された表面に吸着し、それにより電着粒子の活性が維持及び向上されると推測している。粒子が完全に被覆されている限り、粒子はいずれにせよ既に活性であることから、活性化金属は役立たない。
これによって浴中の砥粒が全体としてよく利用され、活性化金属が固定化浴中に存在しない状況と比較して、より多くの部分的に被覆された砥粒が固定層に共析出する。活性化金属が固定化浴中に存在しない場合はより多くの砥粒が固定層に取り込まれずに失われる。
発明者らは、正に帯電した活性化金属イオンの砥粒への吸着の結果として、砥粒が固定化浴中で互いに反発し合う傾向があるとも推測している。この場合、活性化金属は析出前の粒子の凝集も防止し、そのためクラスター化が妨げられる。
砥粒の有効寿命の終了時、すなわちリン又はホウ素を有する第1の金属コーティング全体が溶解しきった場合、活性化金属は粒子を基材ワイヤーへ移動させるのに未だ役立つものの、固定化浴における第1の金属での粒子の被覆はより困難である。しかし、粒子上にコーティングが存在しないことにより、粒子は固定層の中にあまり保持されない。
固定化浴中の活性化金属イオンの濃度は高くてはならない。既に浴中の金属イオンの総量の0.5%が活性化イオンである場合、プラスの効果が認められる。固定化浴中に100%の活性化金属イオンから開始する場合、砥粒から第1の金属イオンが溶解することによる希釈が使用時にその濃度を減少させるであろう。実用上は、固定化浴中の全ての金属イオンの50%以下が活性化金属イオンである必要がある。例えば0.5〜30%、又は0.5〜20%、更には0.5〜10%のような固定化浴中の活性化金属の更に低い濃度は、等しく良好な砥粒の活性化挙動を示す。活性化金属イオンは優先的に金属基材ワイヤーと結合し、また部分的に被覆された砥粒とも結合することから、金属固定層の全部の金属原子に対する活性化金属原子の割合は、浴自体中よりも固定層中で高いであろう。そのため、活性化金属の消費量は浴中の第1の金属の消費量よりも大幅に大きい。
本方法のさらに改良された実施形態においては、中間体ワイヤー又は最終的なワイヤーの表面に付着する砥粒の量は、固定化浴中の活性化金属イオンの濃度を変化させることによって制御される。活性化金属イオンは浴中で第1の金属イオンよりも速く消費されることから、また活性化金属イオンの存在に対する砥粒の応答が比較的速いことから、付着粒子の量は、活性化金属イオンの固定化電解浴への添加速度を上げるか下げることによって、合理的な時間内に操ることができる。
中間体ワイヤー又は最終的なワイヤーの表面の砥粒の量は、特開2005−074599号公報に開示されているような高性能の光学的なモニタリング技術を使用することによって測定できる。この出力データは活性化金属の添加スキームへの入力データとして使用することができる。
固定化浴の後の浴において、中間体ワイヤーは、1種以上の結合金属のイオンを含む1つ以上の電解浴から析出する金属結合層で高効率に被覆される。別個の結合金属イオンが浴の1つ1つの中に存在していてもよい。あるいは、2つ以上の結合金属のイオンが1つ以上の浴の中に存在していてもよい。結合層は固定層よりも厚く、「その場」で粒子を効果的に結合させる。結合層が厚いと砥粒が完全に結合層の中に埋没し、表面から突き出ないことから、結合層はいくら厚くても厚過ぎになることはない。他方で結合層が薄すぎると、粒子を十分に保持できないであろう。
結合層の析出後、ワイヤーは最終的なものとなり、先の用途のためにカスタマースプールに巻き取られる。
好ましい実施形態においては、結合層を析出させるための1つ以上の浴の中の結合金属イオン種のうちのいずれも活性化金属イオン種ではない。更に好ましい実施形態においては、1つ以上の結合金属イオンは、意図的なホウ素又はリンが存在しない第1の金属のイオンである。その利点は、砥粒上のコーティング及び固定層が結合層と全て適合性があることと、層間接着の難しさが生じないことである。結論として、結合層には好ましくはホウ素、リン及び活性化金属が存在しない。
第1の金属及び第1の金属イオンとしては、ニッケルの原子及びイオンが好ましい。これは固くて頑丈であり、腐食せず、また電解浴から容易に析出できることから群を抜いて最も優れた金属である。
活性化金属としては、コバルト、鉄、マンガン、及びスズを含む群のうちの1つが好ましい。これらは全て部分的に被覆された砥粒の活性の増加を生じさせる。最も好ましいのはコバルトである。
本発明の第2の態様によれば、上述の方法の結果である固定砥粒ソーワイヤーが記載される。固定砥粒ソーワイヤーは、金属基材ワイヤーと砥粒とを含む。砥粒は、リン又はホウ素を有する第1の金属の合金コーティングで少なくとも部分的に被覆される。粒子は固定層及び固定層の上の結合層によって基材ワイヤーに保持される。固定層は少なくとも第1の金属を含み、砥粒及び基材ワイヤーを被覆する。固定層は次に結合金属又は結合金属合金の結合層で被覆される。固定層と結合層は共に電解析出される。ワイヤーについての特徴は、固定層が第1の金属とは異なる活性化金属を含む、含有することである。
金属基材ワイヤーの種類と砥粒の種類は方法の説明において記載したとおりである。ホウ素又はリンを有する第1の金属合金での砥粒の少なくとも部分的なコーティングは、好ましくは無電解析出によって付着させられる。リン及びホウ素は電解浴の成分でもあることから、本発明者らは、リン及びホウ素の存在は本発明の実施に有利であると考えている。好ましくは、リン及びホウ素を有する第1の金属合金コーティングはアモルファスである。これは、磁場との干渉及び/又は粒子間の磁気双極子のいかなる相互作用(対を形成することよりクラスターを形成し得る)も防ぐためである。磁気相の存在は、合金で被覆された砥粒を磁石と接触させることによって容易に確かめることができる。粒子が引き付けられる場合、それらは磁性を有する。
好ましい実施形態においては、結合金属又は結合金属合金は実質的に活性化金属を含まない。更に好ましい実施形態においては、結合金属又は金属結合合金は第1の金属と同じ元素である。最も好ましいのは結合金属がニッケルの場合である。
活性化金属は、コバルト、鉄、マンガン、及びスズからなる群のうちの1つである。これらの金属は部分的に被覆された砥粒を再活性化し、それにより浴中の砥粒の有効寿命を延長することから、これらが固定化浴への添加剤として特に有用であることが見出された。その結果、この活性化金属が固定層の中に戻ることを見出すことができる。固定化浴中に活性化金属が存在すると、表面上に少ないクラスターしか存在せず、結果として少ないソーマークのより優れたソー切断品質が得られるという点で、改良された製品が得られる。
固定層中の活性化金属の濃度は、固定層の総重量の1〜100重量%、1〜90重量%、又は1〜80重量%であってもよい。粒子の分布に対するプラスの影響、すなわちより少ないクラスター化は、非常に低濃度の活性化金属で生じる。そのため、1〜30%、更には1〜20%又は1〜10%、例えば2〜10%の、固定層の重量中の活性金属のより低い濃度範囲で、既に固定砥粒ソーワイヤーの表面上の低減されたクラスター化を示す。
「結合層及び固定層の合計の厚さ」又は簡潔には「合計の層厚さ」は、砥粒が存在しない円周領域におけるソーワイヤーの断面で測定することができる径方向の厚さを意味する。好ましくは結合層及び固定層の合計の厚さは、砥粒のメジアン径と相関する。好ましくは、合計の層厚さは、砥粒のメジアン径の25%〜75%、より好ましくは粒子のメジアン径の25%〜33%などの粒子のメジアン径の25%〜50%である。そのため、例えば9μmのメジアン径の粒子については合計の層厚さは2.25〜6.75μmが最もよく、12μmのメジアン径の粒子については合計の層厚さは3μm〜9μmが最もよい。
いずれの場合においても、固定層は結合層よりもはるかに薄く、固定層及び結合層の合計の厚さに対するその厚さは40%未満、例えば20%未満などの30%未満、又は更には10%未満である。固定層は、そうでない場合に粒子が十分に保持されないことから、固定層と結合層の合計の厚さの少なくとも1%である。固定層は、走査型電子顕微鏡と接続したエネルギー分散型X線分析(EDX−SEM)で最少1重量%以上の量の活性化金属を識別することができる層を意味する。
好ましい実施形態においては、活性化金属は金属基材ワイヤーに近い方に集中している。固定層と結合層の中の全ての活性化金属原子の70%超が、固定層及び結合層の合計の層厚さの30%の中に、金属基材に近接して存在している。更には固定層及び結合層中の全ての活性化金属原子の80%超が、固定層及び結合層の合計の層厚さの20%の中に、金属基材に近接して存在していてもよい。これも同様に、ソーワイヤーの断面に対するEDX−SEMスキャンを行うことによって確認することができる。
活性化金属は砥粒の周りにも存在する。活性化金属は部分的に被覆された砥粒に吸着することから、これは固定層及び結合層に保持される砥粒の近くに組み込まれる。活性化金属もEDX−SEMスキャンで検出することができる。
実用的には、固定層の厚さは0.2〜2.0μm、例えば0.3〜2.0μm、又は0.3〜1.5μm、又は0.3〜1μmであろう。
実際には、用途によって様々であり得るものの、ワイヤー1km当たり0.1〜1.0グラムの砥粒を有するように努められる。
本方法の実施を示す。 EDX−SEMによって測定した濃度を以下の通り示す。 a.SEM写真:図2a b.ニッケル:図2b c.リン:図2c d.コバルト:図2d コーティング全体の活性化金属(Co)及び第1の金属(Ni)の累積分布を示す。
以降、本方法を具体的な実施例に基づいて説明する。
図1は本方法の実施方法を示す。設備には、スプール102からの鋼製ワイヤーの巻き出し、アルカリ脱脂浴中でのワイヤーの洗浄、その後の酸洗浄106などのいくつかの従来の準備工程が含まれる。任意選択的には、浴108中でワイヤーを金属フラッシュコーティングで予め被覆してもよい。これらの任意選択的な工程は当業者に公知である。得られるワイヤー104は本方法のための出発製品である引き伸ばされた金属基材ワイヤーである。鋼製ワイヤーは、真鍮で被覆された引張強度が約3950N/mm2である120μmの普通炭素(0.8重量%の炭素)鋼ワイヤーである。砥粒の析出の前に、ワイヤーは固定化浴中で適合性のある表面を有するように700nmのニッケルの層で被覆される。
基材ワイヤー104は、次のものを含む固定化浴110の中に入れられる:
a.リン又はホウ素を有する第1の金属の合金コーティングで少なくとも部分的に被覆されている砥粒。この具体的な事例においては、砥粒は、粉砕されて大きさで選択された12〜15μmのサイズ範囲の人工ダイヤモンド粒である。これらはニッケルリンコーティングで被覆され、ダイヤモンド重量に対するコーティングの割合は18重量%であった。ニッケル合金コーティング中のリンの濃度はコーティング全体に対して10重量%であった。固定化浴中のダイヤモンド粒子の濃度はワイヤー上に析出させたい粒子の量と相関する。
b.砥粒は、この場合はニッケルである第1の金属の金属イオンが予め入っている電解液の中に浮いているか浮かせられる。ニッケル析出浴の典型的な混合物は次の通りである:
Figure 0006698682
c.この浴に、少量の約20g/lのCoCl・6HO塩を添加する。この塩は浴の他の成分とよく相溶し、コバルトとニッケルの総濃度に対して約5g/lのCo2+及び85g/lのNi2+、又は5.6重量%のCo2+の濃度が得られる。コバルトはこの実施形態においては活性化金属として機能する。
固定化浴から出た後、この中間体ワイヤーの表面には、表面にごく軽くしか付着していないダイヤモンド粒子が点在している。その次の結合化浴114の中では、ワイヤー及び砥粒が結合金属又は結合金属合金のより厚い層で形に合わせて被覆される。便宜上、この目的のためにニッケルが使用される。浴の数、電流密度、濃度等は当業者に公知であり、結合層の厚さを調節するために使用される。
この方法は水平な方式、すなわちワイヤーの動きが水平である方式で述べられているが、設備のうちのある部分でワイヤーが略垂直に進むことは除外されない。
図2においては、EDX−SEM法によって得られた元素分布によって、ワイヤー断面の中で活性金属が実際に到達した場所が示されている。図2aは対象領域のSEM写真である。図2bはダイヤモンド粒子204及び基材ワイヤー202を通る断面におけるニッケルの分布を示している。ニッケル層204はダイヤモンド粒子を完全かつ形に合わせて包み込んでいる。図2cはダイヤモンド粒子の近くにしか見られないリンの分布を示している。コーティングは1μm未満の薄さである。図2dは活性化金属コバルトの分布を示している。コバルトはワイヤーの表面の、1μm未満の厚さの薄い表層の中に主に存在する。その外側では更に薄いコバルトの層が、砥粒表面上で識別できる。砥粒を活性化し、砥粒の活性寿命を改善するのはこの層である。
図3は、活性化金属であるコバルトのほとんどが金属基材ワイヤーのすぐ近くに析出することを示している。ここで、「相対累積カウント(RCC)」は、基材ワイヤーの表面に対して垂直な線に沿って検出される。カウント数は、検出されるコバルト原子の数に比例する。基材ワイヤーへの距離はT(μm)で示されている。累積和は、基材ワイヤー表面を出発点として外側へ計算され、その後合計カウント数で割って%で表されている。ニッケルのカウントの量も、同じグラフ中で累積的に表されている(破線)。
約5.11μmで、それ以上のニッケル原子は検出されず、ニッケルの曲線は平らになる。そのためコーティング全体は約5.11μmの厚さである。約1μmで既に全てのコバルト原子の90%がカウントされた。そのため、全てのコバルトの90%超が1μmの層の中、すなわち層の厚さの19.6%の中に存在する。したがってコバルト層は非常に薄い。全てのコバルト原子の80%超を基材ワイヤーの上のコーティング全体の厚さの20%の層の範囲内に見出すことができる場合(L80/20)と、全てのコバルト原子の70%超をコーティング全体の厚さの30%の層の範囲内に見出すことができる場合(L70/30)の2つの極限的な場合も示されている。ダイヤモンド粒子(ここにも少量のコバルトが存在する)が含まれないライン上をたどらなければないことに留意すべきである。
固定化浴中にコバルトが存在しない方法を行う場合、砥粒上のコーティングが腐食してなくなるため、ダイヤモンドの析出は、多くのダイヤモンドが析出する強い活性ピークを経た後、析出効率がゼロへと大きく減少する。これは、クラスターを有するダイヤモンドの析出の制御及びワイヤーの長さ全体にわたるダイヤモンド粒子の不均一な析出の制御が困難な原因となる。本発明の方法を使用する場合、これも析出が活性ピークと共に開始し、剥離は先行技術の方法よりもはるかに長く、ゆっくり減少する。その結果、長さ全体のダイヤモンドの析出ははるかに均一であり、少ししかクラスターが観察されない。

Claims (14)

  1. − 引き伸ばした金属基材ワイヤーを連続的に巻き出す工程;
    − リン又はホウ素を有する第1の金属の合金コーティングで少なくとも部分的に被覆された砥粒を準備する工程;
    − 前記金属基材ワイヤー上の金属固定層の中に前記砥粒を電解共析出させるために、前記砥粒及び前記第1の金属のイオンを含む固定化浴に前記金属基材ワイヤーを通過させて、中間体ワイヤーを得る工程;
    − 金属結合層の中に前記砥粒を電解によって結合させるために、1種以上の結合金属のイオンを含む1つ以上の浴に前記中間体ワイヤーを通過させて、最終的なワイヤーを得る工程;
    − 前記最終的なワイヤーをワイヤーキャリアーに連続的に巻き取る工程;
    を含む固定砥粒ソーワイヤーの製造方法であって、
    前記固定化浴が活性化金属オンを更に含み、前記活性化金属が前記第1の金属イオンとは異なり、前記活性化金属イオンが前記金属固定層の中及び前記砥粒の上に共析出し、前記活性化金属イオンは前記少なくとも部分的に被覆されている砥粒の表面を活性化するためのものであり、前記1種以上の結合金属イオンのそれぞれは前記活性化金属イオンとは異なることを特徴とする、方法。
  2. 前記1種以上の結合金属イオンが第1の金属イオンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の金属イオンがニッケルである、請求項1〜2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 活性化金属がコバルト、スズ、マンガン、及び鉄からなる群のうちの1つである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記活性化金属の濃度が前記固定化浴中の金属イオンの総数の0.5%より多く100%より少ない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記中間体ワイヤー又は最終的なワイヤーの表面に存在する前記砥粒の量が、前記固定化浴中の前記活性化金属イオンの濃度を変化させることによって制御される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 金属基材ワイヤーと砥粒とを含む固定砥粒ソーワイヤーであって、前記砥粒はリン又はホウ素を有する第1の金属の合金コーティングで少なくとも部分的に被覆されており、前記砥粒は前記第1の金属を含む固定層によって前記金属基材ワイヤーに保持されており、前記固定層は前記砥粒と前記基材ワイヤーを被覆しており、前記固定層は結合金属又は結合金属合金の結合層によって更に被覆されており、前記固定層及び結合層は電解析出されており、
    前記固定層が、前記第1の金属とは異なる活性化金属を更に含み、前記結合金属又は結合金属合金が実質的に前記活性化金属を含まないことを特徴とする、固定砥粒ソーワイヤー。
  8. 前記結合金属又は結合金属合金が前記第1の金属と同じである、請求項7に記載の固定砥粒ソーワイヤー。
  9. 前記第1の金属、前記結合金属、又は結合金属合金がニッケルである、請求項8に記載の固定砥粒ソーワイヤー。
  10. 前記活性化金属がコバルト、スズ、マンガン、及び鉄からなる群のうちの1つである、請求項7〜9のいずれか1項に記載の固定砥粒ソーワイヤー。
  11. 前記固定層の中の前記活性化金属の重量基準の濃度が前記固定層の金属の総重量の1〜90重量%である、請求項7〜10のいずれか1項に記載の固定砥粒ソーワイヤー。
  12. 前記固定層と前記結合層の合計の厚さが前記砥粒のメジアン径の25〜75%である、請求項7〜11のいずれか1項に記載の固定砥粒ソーワイヤー。
  13. 前記固定層の厚さが前記固定層と結合層の合計の厚さの40%未満である、請求項7〜12のいずれか1項に記載の固定砥粒ソーワイヤー。
  14. 前記活性化金属原子の70%超が、前記固定層と結合層の合計の厚さの30%の範囲内で、前記金属基材ワイヤーの近くに存在する、請求項7〜13のいずれか1項に記載の固定砥粒ソーワイヤー。
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