JP5803788B2 - 金属の欠陥検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属試料の検査面に現出する欠陥の検出方法に関するものである。
金属材料、特に鋼片や鋳片内部の割れや偏析といった欠陥部の検出と評価は、鋳片の品質管理及び鋳片の製造プロセスの適正化と操業管理を行う上で不可欠である。金属材料内部の品質評価方法として、従来はサルファプリント法やエッチプリント法が用いられてきた。いずれも、金属材料から試料を切り出し、金属材料の断面を検査面として研磨し、評価を行う。
サルファプリント法は、臭化銀を含む転写用印画紙に硫酸水溶液を浸して検査面に貼りつけ、試料中の硫黄の偏析状況を印画紙上に現出するものである。鋳片の中心偏析部や割れ部に硫黄が偏析する性質を利用し、鋳片の中心偏析や内部割れの評価を行う。金属材料中の硫黄濃度が高い材料に対して用いられるものであり、硫黄濃度が低い極低硫鋼などではサルファプリント法を適用することができない。
エッチプリント法は、検査面の中心偏析部や割れ部に元素が偏析する性質を利用し、検査面をエッチングして元素の偏析部を現出し、試料にワセリンを塗り込んだ上で再研磨することにより、偏析、割れを可視化する技術であり、硫黄濃度が低い材料に対しても用いることができる。
近年の金属材料の高品質化、高純度化にともない、金属材料の欠陥検出のさらなる高精度化が求められている。サルファプリント法については、使用する印画紙の安定供給に問題が生じており、そもそも極低硫鋼にはサルファプリント法が適用できない。エッチプリント法については、作業全体に数時間を要し、欠陥検出の迅速化が求められている。
金属材料の検査面にエッチングを施した上で、検査面を直接カメラ等の撮像装置で撮像して画像として記録する方法が知られている。検査面をエッチング(マクロ腐食)し、検査面を撮像装置で撮像するに際し、照明として自然光やライト照明で撮像したのでは、無欠陥部の明度が低いために欠陥部と無欠陥部との明度コントラストが小さいという問題がある。これに対し特許文献1においては、検査面の撮像位置に対して両側から、入射角50°〜70°で照明用光を照射して撮像する方法が開示されている。「図1(b)に示すように、反射鏡5、6の設置方向に研磨目が平行になるようにセットし」と記載されていることから、検査面において研磨方向を1方向とし、撮像位置に対して研磨方向の両側から照明用光を照射している(図1(b))。これにより、金属材料の偏析部の大きさや程度が明瞭に判定できるとしている。
また、特許文献2においては、検査面を一方向に研磨後、エッチング処理を行い、照射光源として線状光源を用い、線状光源の線状方向と研磨方向とを同一の方向とし、線状光源によって研磨方向と直角の方向から検査面を照射し、撮像する方法が開示されている。これにより、検査面撮像画像における非欠陥部の明度を均一かつ明るくし、欠陥部6を明瞭に検出することができるとしている。
特開平7−306161号公報 特開平2011−203201号公報
特許文献1に具体的に開示された方法において、撮像装置としてCCDリニアセンサ等を用いたカメラが採用され、図1によると撮像範囲は研磨方向に直角な方向に長い線状範囲であり、この線状の撮像範囲の両側から反射鏡を用いて照明用光が照射されている。従って、検査面全体を撮像するためには、線状の撮像範囲を移動させつつ撮像を行う必要がある。もし特許文献1に記載の方法を拡張し、検査面全体を1回で撮像しようとすると、照明用光を検査面から離れた位置から照射する必要がある。この場合、検査面上の非欠陥部から撮像装置方向に反射する光が場所によって均一ではなく、非欠陥部からの反射光が少ない部分においては、欠陥部と非欠陥部との明度コントラストが少なすぎて欠陥検出精度が不充分であるという問題があった。
特許文献2に具体的に開示された方法において、光源の種類が線状光源に限定されており、さらに、光源の設置方法、具体的には線状光源の線状方向と研磨方向との関係、及び研摩方向に対する照射角度が限定されており、欠陥検出作業の効率がよくないという問題があった。
本発明は、金属試料の検査面をエッチング処理して欠陥を現出させ、撮像装置によって検査面を撮像することにより欠陥を検出するに際し、検査面撮像画像における非欠陥部の明度を均一かつ明るくすることにより、効率よく迅速に、欠陥部を明瞭に検出することのできる金属の欠陥検出方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)金属試料1の検査面2をJIS R6252に規定する100番〜1000番の粗さを有する研磨手段を用いて、直前の研摩の番手と同等又はそれ以上の番手を用いて、3方向以上、5方向以下に研磨し、同一箇所に各々の前記方向の研磨目を残存させ、前記、金属試料1の検査面2上に残存、形成された隣接する方向の研磨目のなす角度(以下「相対研摩角度」という)がいずれも80度以下であり、金属試料1にエッチング処理を行って金属試料中の欠陥を現出させ、光源4を準備し、光源4と検査面2との間の最小距離Lminを1000mm以下とし、各々の前記方向の研磨目を残存させた状態で、検査面2を撮像する撮像装置3を配置し、光源4からの光を検査面2に照射しつつ、撮像装置3によって検査面2を撮像することを特徴とする金属の欠陥検出方法。
(2)撮像装置3と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ3が、
θ3 ≦60°
の関係にあることを特徴とする上記(1)に記載の金属の欠陥検出方法。
本発明は、金属試料の検査面に現出する欠陥の検出方法において、金属試料の検査面を3方向以上、5方向以下に研磨し、金属試料の検査面上に所定の研磨目を形成し、当該金属試料にエッチング処理を行って金属試料中の欠陥を現出させ、検査面から1000mm以内に設置した任意の光源を用いて検査面を照射し、撮像装置によって検査面を撮像することにより、検査面撮像画像における非欠陥部の明度を均一かつ明るくし、欠陥部を明瞭に検出することが、効率よく迅速に可能となる。
本発明の欠陥検出方法を示す平面図である。 本発明の欠陥検出方法を示す斜視概念図である。 本発明の研摩方向を示す平面図である。 (a)、(b)、(c)は本発明の研摩方向を示す平面図である。 本発明の研摩方向を示す平面図である。 本発明の研摩方向を示す平面図である。 本発明の欠陥検出方法を示す斜視概念図である。 本発明の欠陥検出方法を示す斜視概念図である。 照射光が反射する状況を示す断面図である。 照射光の反射状況を示す斜視図であり、(a)は研磨方向に平行な方向から照射した場合、(b)は研磨方向に直角の方向から照射した場合である。 入射光に対して欠陥部のコントラストが良好な研磨方向の範囲を説明する平面図である。 研摩方向に対して欠陥部のコントラストが良好な入射光の方向の範囲を説明する平面図である。 1方向研磨の場合に欠陥部のコントラストが良好な検査面の範囲を説明する平面図である。 本発明の研摩方向を示す平面図である。 本発明の欠陥検出方法を示す平面図である。
検査面を研磨した後にエッチングを行い、欠陥部を現出させる。欠陥部については、例えば割れ部は凹部を形成し、偏析部については腐食による凹部の形成もしくは偏析部の濃色化(例えば黒色化)を生じさせる。図9に示すようにこの検査面2に照明光20を照射すると、欠陥部6については凹部又は濃色部であるために上方への反射光21が少なくなる。欠陥部以外の非欠陥部7から上方への反射光21が多くかつ均一であれば、撮像画像として、欠陥部6が暗部(黒色部)として認識されることとなる。
検査面における非欠陥部からの拡散反射(乱反射)成分を大きくし、欠陥部の検出精度を高めるための検査面の研磨方法について説明する。検査面を研磨するに際し、検査面の算術平均粗さRaに好適範囲が存在する。算術平均粗さRaの測定方法は、JIS B0601及びJIS B0633に規定する方法によって行う。当該Raが小さすぎると、非欠陥部における拡散反射(乱反射)成分は小さく、拡散反射(乱反射)成分中の撮像装置方向へ反射する成分も小さいため、欠陥部の検出精度が低くなる。本発明において、前記Raが0.1μm以上であれば、拡散反射(乱反射)成分を十分に大きくすることができる。一方、前記Raが大きすぎると、非欠陥部と欠陥部の識別が難しくなり、欠陥部の検出精度は低い。本発明において、前記Raが50μm以下であれば、非欠陥部と欠陥部の識別を良好に行うことができる。検査面の算術平均粗さRaを0.1μm以上とするためには、検査面をJIS R6252に規定する1000番以下の粗さを有する研磨手段を用いて研磨を行えばよい。また、前記Raを50μm以下とするためには、同100番以上の粗さを有する研磨手段を用いて研磨を行えばよい。研磨手段として、研磨紙、研磨布、研磨材のいずれを用いても良い。
金属材料を切断して金属試料とし、金属試料の検査面である断面を研磨するに際し、研磨方向に平行に研磨目が形成される。即ち、研磨方向に平行な方向に粗度を測定すると粗度が小さく、研磨方向に直角の方向に粗度を測定すると粗度が大きいという状況となる。
検査面の斜め上方から検査面に照明光を照射する場合、図10(a)に示すように研磨方向11に平行な方角から照射された照射光20は、検査面で反射するに際し、入射角と反射角が等しくなる正反射成分21aが比較的強く、あらゆる方向に反射する乱反射成分21bが比較的少ないという傾向を有する。そのため、検査面上の任意の点のうち、たまたま正反射方向が撮像装置方向と一致する点P1については撮像画像において非欠陥部が明るく輝き、正反射方向が撮像装置方向と一致しない点P2(検査面の大部分の領域)については非欠陥部の明度が低いという、画面全体で明度が不均一な撮像画像が得られる。非欠陥部の明度が低いと、欠陥部とのコントラストが少なく欠陥検出精度が低くなる。
一方、検査面の斜め上方から検査面に照射する照射光のうち、図10(b)に示すように研磨方向11に直角な方向から照射された照射光20は、検査面で反射するに際し、正反射成分21aが比較的少なく、乱反射成分21bが比較的多いという傾向を有する。そのため、検査面のいずれの部分についても、非欠陥部は比較的強い乱反射光によって明度が高く、また明度が均一であるという性質を有する。
ここで、図11に示すように、照射光20に対して研磨方向11のなす角度が直角である場合(11a)のほか、照射光20に対して研磨方向11のなす角度が 50度(11b)以上、130度(11c)以下であれば、つまり、直線11bと直線11cで形成される80度の領域内(図11中の斜線部)に研摩方向11があれば、照射された照射光20は、検査面で反射するに際し、正反射成分が比較的少なく、乱反射成分が比較的多いという傾向を有する。そのため、検査面のいずれの部分についても、非欠陥部は比較的強い乱反射光によって明度が高く、また明度が均一であるという性質を有する。照射光20と研摩方向11のなす角度が、55度以上、125度以下であればより好ましい。
図11を用いた上記説明では、照射光の方向を固定して研磨方向を変化させた。これに対し、研磨方向を固定して照射方向を変化させ場合、以下のように表現することができる。即ち、図12に示すように、研磨方向11に対して照射光20のなす角度が直角である場合(20a、もしくは20a´)のほか、研磨方向11に対して照射光20のなす角度が50度(20b、もしくは20b´)以上、130度(20c、もしくは20c´)以下であれば、つまり、直線20bと直線20c、もしくは直線20b´と直線20c´で形成される80度の領域内(図12中の斜線部)に照射光20があれば、照射された照射光20は、検査面で反射するに際し、正反射成分が比較的少なく、乱反射成分が比較的多いという傾向を有する。そのため、検査面のいずれの部分についても、非欠陥部は比較的強い乱反射光によって明度が高く、また明度が均一であるという性質を有する。照射光20と研摩方向11のなす角度が、55度以上、125度以下であればより好ましい。
検査面において、研磨方向が特定の1方向のみであり、かつ照射光が特定の1箇所のみである場合を考える。図13においては、研磨方向11が検査面長手方向の1方向であり、照射光として点光源4が図13に示す1箇所に配置されている。この場合、図中の良好反射領域8は、研磨方向11に対して照射光20のなす角度が50度以上、130度以下の範囲にあるので、このエリアについては非欠陥部からの乱反射が良好に得られる。一方、良好反射領域8から外れる領域(不良反射領域9)については、非欠陥部からの乱反射が十分に得られないので、欠陥部6と非欠陥部との明度差が不足し、欠陥検出を良好に行うことができない。一方、検査面において研磨方向が1方向のみではなく、複数の方向に研磨方向が向いていれば、図中の不良反射領域9であっても、別の方向に向いた研磨目と照射光のなす角度が50度以上、130度以下の範囲に入っていれば、その別な研磨目によって乱反射を得ることができる。
そこで本発明においては、図1〜3に示すように、金属試料1の検査面2に対して、研磨方向を3方向以上、5方向以下として、検査面2上に3方向以上、5方向以下の研磨目を形成させ、隣接する方向の研磨目のなす角度(以下「相対研摩角度」という)がいずれも80度以下であるとすれば、照射光を照射する光源4の配置によらず、検査面全体の非欠陥部において撮像装置には乱反射光が入射するので、非欠陥部が全体として明度が高くかつ明度が均一に保たれるので、明度が低い欠陥部との明度コントラストが大きくなり、効率よく迅速に、欠陥検出精度を上げることが可能となる。前記相対研磨角度が70度以下であればより好ましい。例えば、図14に示すように、金属試料1の検査面2上に3方向の研磨目を形成させ、隣接する研磨目のなす角度が60度であるとすれば、照射光を照射する光源の配置によらず、効率よく迅速に、欠陥検出精度を上げることが可能となる。
ここにおいて、前述のとおり、検査面をJIS R6252に規定する1000番以下の粗さを有する研磨手段を用いて研磨を行う。これにより、検査面の算術平均粗さRaを0.1μm以上とすることができ、非欠陥部と欠陥部の識別を良好に行うことができる。また、最初の研磨方向に研磨を行った後、次の研磨方向に研磨を行うに際し、最初の研磨で形成した研磨目が消滅したのでは本発明の効果を得ることができない。本発明では、複数の研磨方向に研磨を行うに際し、JIS R6252に規定する粗さの番手を、直前の研摩の番手と同等又はそれ以上としながら研磨を行うこととすれば、それ以前に形成した研磨目を残存させつつ研磨を行うことができることを明らかにした。
なお、金属試料1の検査面2上に、JIS R6252に規定する粗さの番手を、直前の研摩の番手と同等又はそれ以上としながら、6方向以上の研摩目を形成させ、隣接する研磨目のなす角度(以下「相対研摩角度」という)が80度以下であるとすれば、照射光20を照射する光源の配置によらず、欠陥検出精度を上げることが可能になる。ただし、6方向以上の研摩目を形成させるため、欠陥検出作業の効率がよくない。
また、金属試料1の検査面2上に、他方向の研摩目を形成させる際に、JIS R6252に規定する粗さの番手を、直前の研摩の番手未満とすると、それまで形成された研摩目が消えてしまい、複数方向の研磨目を形成することができない。
研摩方向を3方向とした場合の、研摩方向と前記相対研磨角度の例を図4(a)、(b)、(c)に示す。ここで、図4(a)、(b)、(c)は、一方向毎の研摩方向が異なる研摩方法を示すが、いずれも同一の前記相対研磨角度(θg,1、θg,2、θg,3)をとる。研摩方向を4方向とした場合の、研摩方向と前記相対研磨角度の例を図5に示す。研摩方向を5方向とした場合の、研摩方向と前記相対研磨角度の例を図6に示す。
例えば、図14に示すように、金属試料1の検査面2上に3方向の研磨目を形成させ、前記相対研磨角度が60度であるとすれば(この場合、θg,1=θg,2=θg,3=60°)、照射光を照射する光源の配置によらず、効率よく迅速に、欠陥検出精度を上げることが可能となる。
なお、θg,1+θg,2+θg,3=180°となるので、θg,1、θg,2がそれぞれ0〜80°で本発明範囲となったとしても、例えばθg,1=40°、θg,2=40°の場合、θg,3=100°となって本発明範囲から外れてしまうので良好な結果を得ることができない。
また、研磨方向を3方向以上、5方向以下とする際に、検査面の全体で3方向以上、5方向以下である場合のほか、若干であれば角度が変化してもかまわない。例えば、研磨目が大きな曲率半径の円弧を描いてもかまわない。この場合、研磨方向の変化が、検査面内で10°以下程度であればよい。5°以下であればより好ましい。
また図7において、光源4と検査面2との間の最短距離Lminが遠すぎると、光源4の出力を上げなければならず、また欠陥検出装置の全体寸法が大きくなりすぎる。Lminが1000mm以下であれば、このような問題を発生させずに欠陥検出を行うことができる。一方、光源4と検査面2との間の最短距離Lminが近すぎると、光源4に近い検査面2の非欠陥部における拡散反射(乱反射)成分中の撮像装置方向へ反射する成分が大きくなりすぎ、検査面2のうちで光源に近い部分の明度が高くなり明度不均一が発生することがあり得るが、Lminが50mm以上であればこのような問題が発生せず好ましい。
以上のように、金属試料1の検査面2を所定の粗さを有する研磨手段を用いて、3方向以上、5方向以下に研磨し、エッチング処理によって金属試料中の欠陥を現出させた上で、光源4を配置するとともに、検査面2を撮像する撮像装置3を配置し、光源4からの光を検査面2に照射しつつ、撮像装置3によって検査面を撮像する。これにより、検査面2の非欠陥部7の明度は明るくかつ均一であり、欠陥部6の明度は暗く、その結果として欠陥部6と非欠陥部7の明度差を明瞭にして、欠陥部6を良好に、効率よく迅速に、検出することのできる画像を撮像することができる。
なお、本発明における照射光の光源としては、図2に示すような点光源4のほか、線状に連続した光源又は複数の点光源を線状に配置した光源(総称して線状光源5)のいずれも使用可能である(図15)。
撮像装置3としては、検査面を撮像できる撮像装置であれば、フィルムカメラ、デジタルカメラのいずれも使用可能である。半導体撮像素子などを用いた撮像装置を用いれば、撮像画像データを画像処理装置に取り込んで欠陥部の画像解析を行うことができるので好ましい。
次に、本発明の撮像装置3の好ましい配置形態について説明する。
撮像装置3は、検査面2の中心(重心)直上から検査面に正対して撮像する位置に配置すると好ましい。図8に示すように、検査面上の任意の点と撮像装置を結ぶ線が当該任意の点の法線となす角度をθ3とする。θ3が大きすぎると、光源からの照射光による拡散反射成分が十分ではなくなり、検査面2の非欠陥部の明度が低下することとなって好ましくない。本発明においては、検査面上のいずれの部位についても、
θ3 ≦60°
の関係を保持するように撮像装置3を配置すれば、検査面2の非欠陥部の明度が均一に保持されるので好ましい。通常の焦点距離を有するカメラを用いて、検査面2の中心(重心)直上から検査面に正対して撮像装置を配置すれば、θ3を上記好ましい範囲とすることができる。
金属試料中の欠陥を現出させるためのエッチングに関しては、割れ部における凹凸の現出、もしくは偏析部における腐食による凹凸の生成、もしくは偏析部の濃色化(例えば黒色化)を生じさせる方法として、通常に用いられているエッチング方法を採用することができる。例えば、過硫酸アンモニウム水溶液や、ピクリン酸を用いた方法などが好適に用いられる。この他、欠陥部を現出、つまり、割れ部における凹凸の現出、もしくは偏析部における腐食による凹凸の生成、もしくは偏析部の濃色化(例えば黒色化)を生じさせる方法であれば、いずれの方法を用いても良い。
中炭アルミキルド鋼の連続鋳造鋳片(幅1200mm、厚み250mm、長さ5000mm)を、長さ方向(鋳造方向)に垂直に切断して長さ方向50mmの金属試料を切り出し、さらに幅方向に2分割して、600mm×250mm×50mmの金属試料1を切り出し、前記連続鋳造鋳片の長さ方向に対する垂直断面を検査面2(サイズ:600mm×250mm)とした。検査面2について種々の方法で研磨を行い、過硫酸アンモニウム水溶液を用いてエッチング処理を行った後、種々の照明条件のもとで、検査面2の重心を中心に30度刻みに水平面内で回転させ、画像撮像を行った。撮像装置としてはデジタル一眼レフカメラ(撮像画面サイズ:22.3mm×14.9mm、有効画素:約1510万画素)とレンズ(焦点距離28mm)を用いた。表1に処理条件と評価結果を示す。本発明範囲から外れる数値にアンダーラインを付している。
Figure 0005803788
検査面2の研磨方法としては、検査面2の長辺(長さ:600mm)と一定の角度(研磨角度)をなす一方向の研摩を、研摩角度(直前の研摩に対する相対研摩角度)を変えて、かつ研磨紙の番手を変えて、もしくは研磨紙の番手を変えないで、1〜6回、行った。研摩回数、研摩角度、研磨紙の番手、算術平均粗さRaは表1に示す。
光源として、定格消費電力1000Wの電球を点光源4として図2に示すように1個配置した。具体的には、検査面の長辺(長さ600mm)の中心から短片方向に126mm、高さ方向に216mm離れた位置に、点光源4を配置した。
各検査水準について、検査面2の重心を中心に30度刻みに水平面内で回転させ、撮像装置3で撮像した撮像画像を画像解析し、検査面2における欠陥個数をカウントした。次いで、各条件において検査面2の重心を中心に30度刻みに水平面内で回転させて評価した欠陥個数の最小値を、実施例1において検査面2の重心を中心に30度刻みに水平面内で回転させて評価した欠陥個数の最小値で規格化し、各条件における欠陥個数NNLを算出した。このNNLから、下記判断基準に従って検査状況を評価し、表1に記入した。
0.95≦NNL ・・・かなり良い
0.90≦NNL<0.95 ・・・良い
0.80≦NNL<0.90 ・・・良いが少し劣る
0.55≦NNL<0.80 ・・・少し劣る
0.30≦NNL<0.55 ・・・劣る
NL<0.30 ・・・かなり劣る
実施例1〜9、14、比較例1〜11については、実施例1を基準とし、検査面2の研磨方法を変化させたものである。
実施例10、11は、研摩方法を実施例1と同様とし、撮像装置に関する角度θ3のみを変化させたものである。
実施例12、13、比較例13は、研摩方法を実施例1と同様とし、Lminのみを変化させたものである。
表1において、基準となる実施例1については、比較を容易にするために各実施例群について重複して掲載している。
表1において、本発明例はいずれも評価結果が「かなり良い」から「良いが少し劣る」の範囲に入っていることがわかった。
なお、本発明は、前述の実施の形態及び実施例に具体的に記載された形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定する範囲内での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態、実施例や変形例の一例又は全部を組み合わせて、本発明の金属中、特に鋼片中の欠陥部を、高精度かつ迅速に検出する方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
1 金属試料
2 検査面
3 撮像装置
4 点光源
4a 点光源
4b 点光源
4c 点光源
4a´ 点光源
4b´ 点光源
4c´ 点光源
5 線状光源
6 欠陥部
7 非欠陥部
8 良好反射領域
9 不良反射領域
11 研磨方向
11a 研摩方向
11b 研摩方向
11c 研摩方向
12 研磨方向
13 研磨方向
14 研磨方向
15 研磨方向
20 照射光
20a 照射光
20b 照射光
20c 照射光
20a´ 照射光
20b´ 照射光
20c´ 照射光
21 反射光
21a 正反射成分
21b 乱反射成分

Claims (2)

  1. 金属試料の検査面をJIS R6252に規定する100番〜1000番の粗さを有する研磨手段を用いて、
    直前の研摩の番手と同等又はそれ以上の番手を用いて、
    3方向以上、5方向以下に研磨し、同一箇所に各々の前記方向の研磨目を残存させ、前記、金属試料の検査面上に残存、形成された隣接する方向の研磨目のなす角度(以下「相対研摩角度」という)がいずれも80度以下であり、金属試料にエッチング処理を行って金属試料中の欠陥を現出させ、光源を準備し、光源と検査面との間の最小距離Lminを1000mm以下とし、各々の前記方向の研磨目を残存させた状態で、検査面を撮像する撮像装置を配置し、光源からの光を検査面に照射しつつ、撮像装置によって検査面を撮像することを特徴とする
    金属の欠陥検出方法。
  2. 前記撮像装置と検査面上の任意の点を結ぶ線が検査面の法線となす角度θ3が、
    θ3 ≦60°
    の関係にあることを特徴とする請求項1に記載の金属の欠陥検出方法。
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