JP2005201880A - 表面欠陥検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 セラミック部材に発生するヒビや欠けなとの欠陥で微細なものは、セラミック部材のコントラストが低いこともあり、目視で発見することは困難である。また、現在主流のレッドチェック法は工数と費用がかかるという問題がある。本発明は、光学的手段を用いてセラミック部材表面の欠陥を検出する表面欠陥検査装置、とくに微細な割れなどの欠陥を撮像可能とする表面欠陥検査装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 照明手段として円環状光源を被検査対象物の上方に配置し、この円環状光源の軸線上にラインセンサを撮像手段として配置し、前記円環状照明光の入射角を適切に設定することにより、セラミック部材の表面に発生するヒビや欠けなどの微細な欠陥を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】 照明手段として円環状光源を被検査対象物の上方に配置し、この円環状光源の軸線上にラインセンサを撮像手段として配置し、前記円環状照明光の入射角を適切に設定することにより、セラミック部材の表面に発生するヒビや欠けなどの微細な欠陥を検出する。
【選択図】 図1
Description
本発明はセラミックス部品、特に円環状のセラミックスシール材の割れ、欠け等の欠陥を光学的な手段により検出する欠陥検査装置に関する。
セラミックを基材とする機能部品が自動車やその他の精密機器分野で多く用いられてきている。セラミック部材は素材を焼結により成形して得られるが、この工程だけでは精度を得ることは困難であり、精密部材として使用するために機械加工などの二次加工を施して形状や寸法を精密に仕上げている。
焼結して得られたセラミック部材を機械加工すると、セラミックの加工部にひずみが発生し、場合によってはその外形部が欠けることや、ヒビが入る等の欠陥が発生することがある。
セラミック部材に発生するヒビや欠けなどの欠陥で微細なものは、セラミック部材のコントラストが低いこともあり、目視で発見することは困難であり、その検査には多くレッドチェック検査が用いられている。
レッドチェック検査は、レッドチェック液とよぶ超微粒子の赤色の液体を検査対象物に塗布することにより、微細なヒビ割れなどの傷を目視可能にする検査方法であり、目視することが困難な微細なひび割れであっても、塗布した赤色の液体がひび割れの間に侵入し乾燥時に赤色の筋となって目視可能となる。また、欠けた部分がある場合には、かけた部分の荒い凹凸に入り、赤色の模様が発生し目視が可能となる。この結果、容易に不良品と判断することが可能となる。
しかし、この方法は、塗布した後にすすぎや乾燥工程を必要とし、検査に手間がかかるとともに、塗布した深傷剤を洗浄する必要があり、製造時間および製造コストの負担は大なるものになっている。
また、使用する液体がPRTR法の規制対象薬剤であり、保管管理あるいは書類作成等が必要となり、管理する手間がかかるという問題がある。
一方、セラミック部品を光学的手段により検査しようとする試みがなされてきた。図4は、斜め方向からセラミック部材表面を照明し、その反射光を撮像することによって欠陥を検出しようとした構成である。
セラミック部材の表面を照明手段で照明する場合、その一部は表面で反射するが、残りの光は焼結されたセラミック部材の内部に入り、内部で拡散して一部が表面から放射される。
図4のように斜め方向からセラミック部材表面を照明した場合には、セラミック表面で散乱する光量が大となり、表面に存在する微細な割れに起因する濃淡が不鮮明になる。
他方、図5のように真上から照明した場合には、セラミック部材内部に入る光量が大となり、その結果セラミック部材内部から放射される光の量が多くなり、表面で反射される光と一緒になってキズの部分の濃淡が不鮮明になる。
従来のレッドチェック法では、検査工程に時間と手間がかかるという問題があった。また、光学的な手段を用いてセラミック部材の表面欠陥を検査することは困難であった。
光学的手段により、セラミック部品の割れ、傷等の欠陥を検出することが可能となれば、上記のレッドチェック検査にかかる時間、手間あるいは管理の負担を解消することができるとともに、加工工程から搬送されてくるセラミック部品を搬送ライン上でオンライン検査することが可能となる。
本発明は、光学的手段を用いてセラミック部材表面の欠陥を検出する表面欠陥検査装置、とくに微細な割れなどの欠陥を撮像可能とする表面欠陥検査装置を提供することを目的とする。
本発明の表面欠陥検査装置は、光学的手段を用いて検査対象物の表面上に存在する欠陥を検査する欠陥検査装置であって、照明手段として円環状光源を被検査対象物の上方に配置し、この円環状光源の軸線上にラインセンサを撮像手段として配置し、前記円環状照明光の入射角を5°〜15°とすることを特徴とするものであり、円環状光源を用いることによりヒビ割れの方向に関係しない光を得ることができるとともに、円環状照明光の入射角を5°〜15°とすることにより表面散乱光と内部からの放射光の比率を適切にすることができる。
さらに、本発明の表面欠陥検査装置は、円環状照明において青色の輝度を高くしてあることを特徴とするものであり、検査対象物の内部に侵入する光量を抑えて、内部からの放射光の量を抑制することができる。
さらに、本発明の表面欠陥検査装置は、検査対象物は搬送手段により一定方向に搬送されていることを特徴とする。
さらに、本発明の表面欠陥検査装置は、前記撮像手段および前記照明手段は対象部材の表面と平行に移動可能に構成されていることを特徴とする。
本発明の実施の形態について図をもって詳細に説明する。
本実施例の表面欠陥検査装置1は、図1に示すように撮像手段2と照明手段である円環状照明3とから構成されている。
被検査対象物であるセラミック部材4は移動装置5で一定方向に移動搬送される。ここで、搬送装置5はベルトコンベアにセラミック部材4を直接乗せる構成でもよく、あるいはパレットにセラミック部材移動体4を乗せて搬送する形式でもよい。
円環状照明3は搬送装置で搬送されているセラミック部材4の上方に配置し、セラミック部材4の表面を照明する。また、撮像手段2は円環状照明3の軸線上であって、円環状照明3のさらに上方に配置する。
撮像手段2の撮像素子としては、エリアセンサと、ラインセンサのいずれかを用いる。
エリアセンサはCCD素子を2次元格子状に配置した撮像手段であり、2次元の範囲を一括して撮像することが可能である。
一方ラインセンサはCCD素子を直線上に配置した撮像素子であり、図1の搬送手段5の搬送方向と直交する方向にCCD素子の配列方向を合わせて配置する。
ラインセンサの場合は、撮像素子は直線状に配置されているので、2次元の像を得るには撮像素子の配列方向と直交する方向に走査する必要があるが、搬送手段4が一定速度で被検査対象物を搬送している場合、所定の時間間隔で走査すれば、2次元の画像を得ることができる。
なおエリアセンサの場合は言うまでもなく、静止している状態で撮像することが可能である。また、CCD素子の走査が間に合えば移動しながら撮像することが可能であり、走査が間に合わない場合には途中に設けたステーションで停止させた状態で撮像を行えばよい。
円環照明3の光3はセラミック部材4の表面を照明し、その反射光が撮像手段2のCCD素子で結像する。この情報が画像処理装置6に送られ、欠陥の有無の判別が行われる。
円環照明3は、LED素子を円環状に配置した照明手段であり、LED素子の取り付け面は傾斜面となっている。即ち、円環状照明のLED素子取り付け面はすり鉢状の面を形成している。
欠陥のうち、ヒビ割れには方向があり、照明の方向によってはヒビ割れの濃淡が不鮮明になることがある。本実施例のように円環状光源を用いることによりヒビ割れの方向に関係しない照明が実現できる。
欠陥のうち、ヒビ割れには方向があり、照明の方向によってはヒビ割れの濃淡が不鮮明になることがある。本実施例のように円環状光源を用いることによりヒビ割れの方向に関係しない照明が実現できる。
図3は、円環状照明3から発せられた光が被検査対象物4の表面を照射する光入射角について説明する説明図である。
円環状照明3の最も内側から発した光は、被検査物の近い側のエッジに入射する場合に最も入射角が小さくなる。他方円環状照明3の最も外側から発した光は、被検査物の遠い側のエッジに入射する場合に最も入射角が大きくなる。すなわち、円環状照明3の形状および高さに加えて被検査対象物4のサイズから被検査対象物に入射する照明光の入射角が決まる。
入射角度が0°即ち被検査対象物表面に対して垂直に入射する場合、セラミック内部に侵入する光量の割合が多くなり、内部で拡散し、その一部が再びセラミック表面から放射される。この放射光の影響でセラミック部在表面に存在する傷の濃淡が不鮮明になるために、微細な割れなどは撮像手段2で撮像する画像で識別することができない。
一方、入射角を45°以上に大きくして、照明手段の光がセラミック表面に斜めに入射する場合は、セラミック表面で反射する光の比率が多くなり、光が入射した領域の輝度が高くなってやはり微細な傷の濃淡が不鮮明になり、撮像手段2で撮像する画像で識別することができない。
そこで、被検査対象物に入射する照明手段3の照明光の入射角度と撮像結果を0°〜45°の間で実験により求めた結果、入射角度が5°〜15°の間に保つと場合が最も効率よく濃淡を撮像できることが確認できた。
セラミック部材4の表面からの散乱光と一旦セラミック内部に侵入した光が再び表面から放射される放射光のいずれが強くてもヒビ割れ等の欠陥の濃淡が不鮮明になる。上記の結果から、円環状照明光の入射角を5°〜15°とすることで表面散乱光と内部からの放射光の比率が適切なることが分かる。
そこで、図4に示すように表面の任意の点に入射する照明光の入射角度が5°〜15°にはいるように、被検査対象物4のサイズを考慮して円環状照明3の形状および高さおよび傾斜角を定めれば、ワーク全表面にわたって明瞭なヒビ割れ等の欠陥の画像を十分な濃淡を確保して撮像することが可能になる。
さらに、青色の光は散乱される性質が高いので、円環状照明3の光源を青色が強い輝度の照明光を用いることによって、より高いコントラストを得ることが可能である。
撮像素子としてエリアセンサを使用して撮像を行う場合、撮像できるのは、縦横ともに撮像レンズにより結像する範囲に限定される。一方、リニアセンサを撮像素子として用いた場合は、幅方向は撮像レンズにより結像する範囲に限定されるが、搬送方向は限りがない。すなわち、長方形のものであれば、長手方向を搬送方向に配置することにより、解像度の高い画像を得ることができる。
また、ラインセンサはエリアセンサと比較して1辺当たりの画素数を多く設けることが可能であり、解像度が高いという特徴があるが、撮像素子が線状に配置されているだけなので、画素が配列されている方向と直交するように被検査対象物を動かす必要がある。
本実施例では搬送装置5によりセラミック部材4を一定速度で移動させ、セラミック部材4の検査を連続的に行う例で説明しているが、セラミック部材4を静止させて行うこともできる。このときは、リニアセンサを撮像手段2の撮像素子として採用する場合は、撮像装置2および円環状照明3を一定速度で移動させる構成とする必要がある。
セラミック部材に発生するヒビや欠けなどの欠陥で微細なものは、セラミック部材のコントラストが低いこともあり、目視で発見することは困難であり、その検査には多くレッドチェック検査が用いられているが、この方法は、塗布した後にすすぎや乾燥工程を必要とし、検査に手間がかかるとともに、塗布した深傷剤を洗浄する必要があり、製造時間および製造コストの負担は大であり、使用する液体の保管管理の手間がかかるという問題がある。
本発明の表面欠陥検査装置は、光学的手段を用いて検査対象物の表面上に存在する欠陥を検査する欠陥検査装置であって、照明手段として円環状光源を使用するとともに、照明光の被検査対象物への入射角を所定の値に維持することにより撮像手段での撮像を実現している。
その結果、大掛かりな検査装置を不要にし、工程の簡素化を実現するものであり、作業時間の短縮および費用の低減に大なる効果がある。
1 表面欠陥検査装置
2 ラインセンサカメラ
3 円環状照明
4 セラミック部材
5 搬送装置
6 画像処理装置
2 ラインセンサカメラ
3 円環状照明
4 セラミック部材
5 搬送装置
6 画像処理装置
Claims (4)
- 光学的手段を用いて検査対象物の表面上に存在する欠陥を検査する欠陥検査装置であって、照明手段として円環状光源を被検査対象物の上方に配置し、この円環状光源の軸線上にラインセンサを撮像手段として配置し、前記円環状照明光の入射角を5°〜15°とすることを特徴とする表面欠陥検査装置。
- 円環状照明は青色の輝度を高くしてあることを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥検査装置。
- 検査対象物は搬送手段により一定方向に搬送されていることを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥検査装置。
- 前記撮像手段および前記照明手段は対象部材の表面と平行に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥検査装置。
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