JP2007071661A - 外観検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エッジ部に生じた欠陥を精度よく検出することができる外観検査装置を提供する。
【解決手段】 この装置は、検査対象(ワークW)を撮像する撮像手段10と、撮像時にワークWに光を照射する照明手段20,30と、得られたワークWの画像を処理して、この処理結果に基づいてワークWの外観の良否を判定する画像処理手段41とを具える。画像処理手段41は、ワークWと、ワークW以外の箇所とのコントラストが表れた第一画像データによりワークWのエッジ部の位置情報を取得し、この位置情報を用いて、ワークWのエッジ部周辺と、それ以外の箇所とのコントラストが表れた第二画像データからエッジ部のデータを抽出し、この抽出データについてワークWの外観の良否を判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カメラに代表される撮像手段を用いて得られた画像を処理して検査対象の外観の良否を検査する外観検査装置に関するものである。特に、歯車などの外周に凹凸を有する形状の部品の外観検査に適した外観検査装置に関する。
一般的な動力伝達に用いられる歯車や、オイルポンプなどに用いられるロータなどといった外周に歯形を有する金属部品の外観検査は、検査作業者が目視確認することで行われる。
一方、特許文献1,2には、検査対象に照明の光を照射しながらCCDカメラにて検査対象を撮像し、得られた画像に画像処理を施して、その処理結果に基づいて外観の良否を判定する手法が開示されている。特許文献1には、ベアリングの外観検査として、複数のLEDが円環状に配置された照明をベアリングの上方、又は下方に配置してベアリングに光を照射してCCDカメラで撮像し、得られた画像データを2値化し、この2値データにより疵の有無を判定することが開示されている。特許文献2には、プリント配線板の外観検査装置として、リング状の発光体を有する低角度リング照明、及びカメラの光軸と同軸方向に光を照射する同軸照明を具える装置を用い、ハンダボールといった立体部分の検査にリング照明を用い、ボールパッドといった平面部分の検査に同軸照明を用いることが開示されている。
特開2000-111491号公報 特開2002-71578号公報
目視にて外観検査を行う場合、検査作業者によって不良の判定基準がばらついたり、見逃したりする恐れがある。特に、全ての検査対象を検査する全数検査では、全ての検査対象のうち幾つかを抜き出して検査する抜取検査と比較して、長時間の緊張や疲労などから見逃しや誤判定を起こす可能性が高くなる。従って、目視による外観検査は、製品の全数に対する保証を行いにくい。また、目視による外観検査を、生産ラインから一旦外してオフライン状態で行う場合、オフライン移行時に不良が発生する恐れもある。これらの不具合を解消するべく、歯車などの外周形状が連続的な凹凸を有する部品の外観検査に対して、カメラ、照明及び画像処理手段を用いて、外観の良否を判定することが考えられる。しかし、特許文献1,2に記載される従来の手法では、検査対象のエッジ部に生じた疵を精度よく検出することが難しいことがある。特に、検査対象が歯車などのように外周に凹凸を有する形状のものである場合、外観の良否を精度よく判定することが難しい。
歯車などの部品は、外周形状が複雑であることに加えて、エッジ部に面取り加工が施されていることが多い。また、面取り加工の加工量(大きさ)や加工後のエッジ部の形状は、部品によって異なる。このような検査対象の場合、特許文献1に記載されるように円環状の照明を用いて得られた画像に2値化処理を施したデータ(2値データ)や通常の濃淡処理を施したデータを用いても、検査対象のエッジ部に生じた疵の検出は難しい。従って、検査対象の面取り加工の大きさや加工後の形状によらず、エッジ部において高精度に欠陥を検出できることが望まれる。
また、従来の手法では、比較的小さな疵を精度よく検出することが難しい。歯車などの部品において、生産ラインで生じる欠陥としては、連続した疵といった比較的大きなものの他、鋳巣、欠け、バリ、打痕のように不連続な疵といった比較的小さなものがある。本発明者は、歯車などの部品において、これらの欠陥の有無を検出するにあたり、特許文献1,2に記載されるようにカメラを用いて、自動的に外観検査を行うことを検討した。しかし、2値データを用いて疵の有無を検出する特許文献1に記載の手法では、連続した疵のように比較的大きな欠陥の検出には有効であるが、打痕などの不連続な疵のように比較的小さな欠陥を精度よく検出することが難しい。また、特許文献2には、疵の検出についての具体的な手法が開示されていない。そして、上記打痕は、特に、エッジ部に発生し易い。そのため、特に、検査対象のエッジ部に生じる打痕などといった比較的小さな疵を精度よく検出することが望まれる。
上記の事情に鑑み、本発明の主目的は、特に、検査対象のエッジ部における欠陥の有無をより正確に検出することができる外観検査装置を提供することにある。
本発明は、検査対象の輪郭を表わす輪郭画像を得る際によく用いられるリング照明により検査対象に光を照射しながらカメラで撮像し、得られた画像に2値化処理や濃淡処理を施して外観検査を行っても、エッジ部の欠陥が精度よく検出できないという知見に基づくものである。そこで、本発明では、二つの異なる画像データを用いて、エッジ部のみの画像データを抽出し、この抽出データを用いて外観の良否の判定を行うことで、特にエッジ部の外観の良否を精度よく検出する。具体的には、本発明は、一方の画像データとして、検査対象のエッジ部の位置情報が得られるようなもの、他方の画像データとして、検査対象のエッジ部周辺が表わされたものを利用する。そして、本発明は、上記エッジ部周辺の画像データとエッジ部の位置情報とを照合して、エッジ部周辺の画像データからエッジ部の画像データのみを抽出する。
即ち、本発明は、検査対象を撮像する撮像手段と、撮像時に検査対象に光を照射する照明手段と、得られた画像を処理して、この処理結果に基づいて検査対象の外観の良否を判定する画像処理手段とを具える外観検査装置であり、以下の画像処理手段を具えることを特徴とする。この画像処理手段は、検査対象と検査対象以外の箇所とのコントラストが表れた第一画像データに基づいて検査対象のエッジ部の位置情報を取得する位置情報取得部と、検査対象のエッジ部周辺とそれ以外の箇所とのコントラストが表れた第二画像データから前記位置情報に基づいてエッジ部のデータを抽出するデータ抽出部と、抽出したエッジ部のデータに基づいて検査対象の外観の良否を判定する判定部とを具える。
本発明では、特に、検査対象のエッジ部に生じた欠陥の検出をより精度よく行うべく、上述のように二つの画像データを用いて、検査対象のエッジ部のみのデータを取得する。一方の画像データとしては、検査対象のエッジ部周辺と、それ以外の箇所とのコントラストが表れたものを用いる。このような画像データは、主として検査対象のエッジ部近傍に光を照射可能な照明手段を利用すると、容易に取得できる。このような照明手段としては、光源からの光を撮像手段の光軸と交差するように照射できるものが適している。他方の画像データとしては、検査対象と検査対象以外の箇所とのコントラストが表れたものを用いる。このような画像データは、検査対象において撮像手段と対向する表面側全体、或いはこの対向面と対向する裏面側全体に光を照射可能な照明手段を利用すると、容易に取得できる。このような照明手段としては、光源からの光を撮像手段の光軸と同軸となるように照射できるものが適している。そこで、本発明装置には、照明手段として、照明方法が異なる二つの照明手段、つまり第一照明手段及び第二照明手段を具えることが好ましい。
光源からの光を撮像手段の光軸と同軸となるように照射可能な第一照明手段としては、例えば、同軸落射照明、透過照明が挙げられる。同軸落射照明は、代表的には、光源と、ハーフミラーとを具える構成が挙げられる。この照明は、撮像手段と検査対象との間に配置させて用いる。より具体的には、光源からの光が、撮像手段の光軸と同軸方向となるようにハーフミラーで反射されて検査対象を照射するように上記照明手段を配置する。この配置により、ハーフミラーからの反射光が検査対象に照射されると、検査対象においてエッジ部を含めた撮像手段との対向面側全体がこの照射された光(ハーフミラーからの反射光)を実質的に全反射する。この検査対象にて反射された反射光は、ハーフミラーを透過して撮像手段に入光される。一方、検査対象が存在しない箇所(背景部分)では、照射された光(ハーフミラーからの反射光)が反射されず透過又は吸収される。そのため、得られた原画像は、検査対象が明るく、かつ輪郭に縁取られ、奥行きがなく平面的に表れ、検査対象以外の背景部分が暗く表れる。このように同軸落射照明を用いることで、検査対象と検査対象以外の箇所である背景部分とにおいてコントラストが高い状態の正反射像を得ることができる。透過照明は、非透過性材料からなる検査対象の下方に配置させ、検査対象の上方に撮像手段を配置させて用いる。この配置により、光源からの光は、撮像手段の光軸と同軸方向となるように照射され、検査対象に照射された光は、検査対象にて遮られる(全反射される)ため、検査対象の上方に位置する撮像手段に入光されず、検査対象が存在しない箇所に照射された光は、検査対象に遮られることがないため、そのまま撮像手段に入光される。従って、得られた原画像は、上記同軸落射照明を用いた場合と同様に検査対象と背景部分とにおいてコントラストが高い状態の像であり、同場合とは逆に検査対象以外の背景部分が明るく、検査対象は、暗く、かつ輪郭に縁取られ、奥行きがなく平面的に表れる。これら原画像において、明るい部分と暗い部分との境界が検査対象のエッジ部となる。第一照明手段に具える第一光源は、一つでもよいし複数具えていてもよく、例えば、LEDや蛍光灯などが好適に用いられる。また、第一照明手段として、市販の同軸落射照明、透過照明を用いてもよい。
光源からの光を撮像手段の光軸と交差するように検査対象に照射可能な第二照明手段としては、例えば、複数の光源が検査対象の外周を囲むように配置される構成のものが適する。具体的には、複数の光源が円環状に配置されたリング照明が好適に利用できる。この照明は、光源が検査対象の側方に位置し、撮像手段が光源及び検査対象の上方に位置するように配置させて用いる。この配置により、光源からの光が、撮像手段の光軸と交差するように検査対象を照射すると、検査対象は、同光を反射するが、この反射光のうち、同光軸と概ね同軸方向に反射された光のみが光源で囲まれた空間内を通過して撮像手段に入光され、それ以外の光は反射角度が浅いため撮像手段に入光されない。特に、検査対象において面取り加工などの処理が施されたエッジ部周辺では、光源からの光を概ね撮像手段の光軸とほぼ同軸方向に反射し、背景部分を含むエッジ部周辺以外の箇所では、光源からの光を概ね低角度で反射するか、又は光源からの光が当たらない。そのため、得られた原画像は、検査対象のエッジ部近傍のみが明るく表れ、検査対象においてエッジ部近傍以外の箇所及び背景部分が暗く表れる。また、エッジ部近傍に生じた欠陥も暗く表れる。このように第二照明手段を用いることで、エッジ部周辺とそれ以外の箇所においてコントラストが高い状態の画像を得ることができる。特に、エッジ部周辺に光がよく照射されるように第二照明手段の位置を調整すると、より明確なエッジ部周辺の画像を得ることができて好ましい。第二照明手段に具える第二光源としては、例えば、LEDや蛍光灯などを用いることができる。また、第二光源の数、入光角度は、適宜選択するとよい。第二照明手段として、市販のリング照明を用いてもよい。
撮像手段は、検査対象を撮像し、その画像データを出力できるものであればよく、例えば、複数の撮像素子を有し、各素子が受光した光の強度を電気信号に変換出力することが可能なCCDカメラが好適に利用できる。公知のカメラを利用してもよい。この撮像手段は、第一照明手段を用いて検査対象を撮像する場合、及び第二照明手段を用いて検査対象を撮像する場合の双方に共通して用いてもよい。一つの撮像手段を異なる照明による撮像に用いることで、撮像手段数を節約することができる。第一照明手段を用いて撮像する際の撮像手段と、第二照明手段を用いて撮像する際の撮像手段とをそれぞれ異なるものを用いても構わない。
画像処理手段としては、例えば、コンピュータを利用するとよい。画像処理手段には、上述した位置情報取得部、データ抽出部、判定部の他に、演算部、画像データの取得を行う画像データ取得部、取得した画像データや演算値を記憶する記憶部などといった種々の処理を行う処理部を具えるものが適する。上記画像処理手段に加えて、画像処理手段や撮像手段、照明手段などの制御を行う制御部を具えたコンピュータを利用してもよい。このような制御部を具えたコンピュータを用いることで、外観検査を自動的に、かつ容易に行うことができる。もちろん、画像処理手段と制御部とを別個に具えてもよい。
位置情報取得部では、第一画像データに基づき、検査対象のエッジ部の位置情報を取得する。第一画像データは、上述のように輪郭に縁取られた平面的な検査対象の像と検査対象以外の背景部分の像とが高コントラストで表れている。従って、この第一画像データの明度をそのまま用いてエッジ部の位置情報を取得するように構成してもよい。例えば、隣り合う撮像素子の明るさの差が所定値以上となる二つの撮像素子において、第一照明手段が同軸落射照明の場合、高明度の撮像素子を、第一照明手段が透過照明の場合、低明度の撮像素子をエッジ部形成素子として、位置情報取得部は、これらの素子の位置情報(例えば、座標)を抽出して取得するとよい。或いは、位置情報取得部に2値化処理部を具えておき、又は別途2値化処理部を具えておき、第一画像データを2値データに処理してもよい。2値化処理に用いる閾値は、適宜設定しておき、記憶部に予め入力しておく。2値化処理部は、記憶部から閾値を呼び出して、第一画像データを構成する各撮像素子の明るさ(明度)と比較し、閾値以上の明度を有する撮像素子を白い像、閾値未満の明度を有する撮像素子を黒い像とした白黒の2値データを作成する。そして、位置情報取得部は、2値データにおいて、白い像と黒い像との境界をつくる撮像素子の位置情報(例えば、座標)をエッジ部の位置情報として取得し、記憶部に保存する。
上記2値データは、検査対象のエッジ部の位置情報を得るために用いる他、検査対象においてエッジ部以外の箇所に存在する欠陥の検出に用いてもよい。このとき、第一照明手段は、同軸落射照明を用いる。同軸落射照明を用いることで、検査対象において撮像手段と対向する面(エッジ部以外)に存在する欠陥の検出を行うことができる。同軸落射照明を用いて得られる画像は、検査対象の撮像手段と対向する面において欠陥がない正常な部分が第一照明手段からの光をほぼ正反射するため明るい像、疵などの欠陥部分が暗い像、また、上述のように背景部分も暗い像である。従って、この画像に2値化処理を施した2値データでは、検査対象の像(エッジ部で囲まれる領域)において正常部分が白い像、欠陥部分が黒い像となって表わされる。そこで、例えば、演算部にて、検査対象においてエッジ部で囲まれる領域に存在する黒い像の群の面積を求め、この黒い像の群の面積が所定値以上の大きさを有するか否かを判定部にて判定し、同面積が所定値以上である場合、欠陥有り(不良)とし、所定値未満の場合、欠陥無しと判定するように構成するとよい。黒い像の群は、周囲を白い像で囲まれる黒い像を抽出することで得られる。上記黒い像の群の抽出は、データ抽出部にて行うとよい。
データ抽出部では、第二画像データから、エッジ部のみの画像データを抽出する。第二画像データは、上述のように検査対象においてエッジ部周辺の像とそれ以外の箇所の像とが高コントラストで表れている。そこで、データ抽出部は、このエッジ部周辺が表れている第二画像データとエッジ部の位置情報とを照合して、第二画像データからエッジ部のみのデータを抽出する。具体的には、第二画像データの各撮像素子の座標と、エッジ部の位置情報の座標とを照合して、同一座標となる撮像素子を抽出する。一つの照明手段にて検査対象に光を照射してエッジ部近傍の画像データを得て、このデータを用いて欠陥の有無の判定を行う従来の手法に対して、本発明では、上述のようにエッジ部を含む検査対象全体の第一画像データによりエッジ部の位置情報を取得し、エッジ部周辺の第二画像データとこの位置情報とを利用してエッジ部のデータを抽出することで、エッジ部における欠陥の有無を精度よく検出する。
判定部では、抽出されたエッジ部のデータを用いて、欠陥の有無を判定する。エッジ部の欠陥の有無を判定するにあたり、検査対象においてエッジ部以外の箇所の欠陥の有無を判定する場合と同様に2値データを用いることが考えられる。しかし、本発明者が検討したところ、2値データを用いた判定方法では、エッジ部に生じ易い打痕などの比較的小さい疵の検出を精度よく行いにくい場合があることが分かった。特に、検査対象が歯車などの外周に連続した凹凸を有する外形の部品の場合、エッジ部の画像データは、明暗の波形が、検査対象の外形と同様に凹凸を描くように繰り返される波形を描くため、疵の像がこの波形に埋もれてしまうことがある。従って、このような画像データに2値化処理や濃淡処理を施しても、疵の検出は困難である。そこで、本発明装置は、抽出されたエッジ部のデータの処理方法を工夫することで、外周に凹凸を有する形状の検査対象やエッジ部に面取り加工が施された検査対象に対して、エッジ部に生じた小さな疵の有無をより精度よく検出する。具体的には、本発明は、抽出データに2値化処理を行うのではなく、演算処理を行い、演算値に基づいてエッジ部の欠陥の有無を判定する。より具体的には、演算部において、抽出データを所定範囲ごと(例えば、5撮像素子ごと)に最大値をとり、得られた複数の演算値(最大値)において閾値以上となるピーク値を有する場合、判定部は、欠陥有り(不良)と判定するように構成することが挙げられる。或いは、演算部は、最大値に加えて、最大値と同様に最小値をとり、最大値と最小値との差を演算し、得られた複数の演算値(差)において閾値以上となるピーク値を有する場合、判定部は、欠陥有りと判定するように構成してもよい。この最大値と最小値との差を用いる場合、最大値のみを用いる場合よりも、より精度よく欠陥の有無を判定できる。ノイズとなる急峻な明度変化が多い場合、演算部は、上記と同様にして最大値及び最小値をとり、これら最大値及び最小値を所定範囲ごと(例えば、3値ごと)に平均をとり、平均をとった範囲と同じ範囲における最大値の平均と最小値の平均との差を演算し、得られた複数の演算値(平均の差)において閾値以上となるピーク値を有する場合、判定部は、欠陥有りと判定するように構成してもよい。このように構成することで、比較的幅を持った欠陥部分と上記ノイズとを区別することができる。通常の判定では、上述した最大値と最小値との差を用いることで十分精度よく欠陥の有無を判定できる。比較に用いる閾値は、予め欠陥のない良品のデータを複数とり、その正常部分のデータを用いた演算値を利用することが挙げられる。具体的には、正常部分の平均輝度(a)をそのまま利用したり、平均輝度(a)を用いた演算値を利用してもよい。演算値としては、平均輝度(a)に加えて上記正常部分のばらつき(標準偏差σ)を算出し、これら平均輝度とばらつきとを用いた値、例えば、a+βσ(βは係数)が挙げられる。閾値は、検出すべき欠陥のレベルに応じて適宜設定するとよく、例えば、上記a+βσを閾値とする場合、βを変化させることで、閾値を簡単に変化させることができる。
その他、本発明装置には、上記照明手段の位置調整を行えるように、第一照明手段や第二照明手段の駆動手段を具えていてもよい。第一照明手段と第二照明手段とで一つの撮像手段を共通して用いる場合、いずれかの一方の照明手段を利用するとき、他方の照明手段が邪魔になるようであれば、撮像手段から離しておく必要がある。また、後述するように搬送手段にて検査対象を撮像手段や照明手段の近傍に配置したり、同近傍から除去する場合に照明手段が邪魔にならないようにしておく必要がある。このような場合、少なくとも一方の照明手段の駆動手段を具えておくことが好ましい。駆動手段の制御は、上記制御部にて行えるように構成してもよいし、別途制御手段を設けてもよい。この駆動手段は、撮像の際や、検査対象の配置、除去の際に邪魔にならなければ、特に設ける必要はなく、照明手段を固定させた構成としてもよい。その他、本発明装置には、画像データなどを表示するモニタなどの表示手段を具えていてもよい。
本発明装置は、生産ラインに併設されることが好ましい。このとき、検査対象を撮像手段の近傍に搬送したり、良品と判定された検査対象を生産ラインに戻したり、不良と判定された検査対象を生産ラインから除去することも自動的に行うことができるように、本発明装置は、検査対象の搬送手段を具えていてもよい。この搬送手段の制御は、別途制御手段を具えて行ってもよいし、上記制御部にて行われる構成としてもよい。また、搬送手段は、検査対象を所定の位置に搬送可能な構成であればよく、その形状などは特に問わない。
上記構成を具える本発明装置を用いて検査対象の外観検査を行うには、例えば、以下の手順で行うことが挙げられる。
1. 第一照明手段にて検査対象に光を照射して撮像手段で撮像し、画像データ取得部が撮像された第一画像データを取得するステップ
2. 2値化処理部が得られた第一画像データを2値化処理するステップ
3. 位置情報取得部が得られた2値データからエッジ部の位置情報を取得するステップ
4. 第二照明手段にて検査対象に光を照射して撮像手段で撮像し、画像データ取得部が撮像された第二画像データを取得するステップ
5. データ抽出部が上記位置情報に基づいて第二画像データからエッジ部のデータを抽出するステップ
6. 演算部が抽出したエッジ部のデータについて所定範囲ごとに最大値及び最小値を求め、これら最大値と最小値の差に基づく値を演算するステップ
7. 判定部が、演算結果が閾値以上のピーク値を有する場合、不良であると判定し、同ピーク値を有しない場合、良品であると判定するステップ
上記手順により、特に、検査対象のエッジ部の欠陥を精度よく検出することができる。更に、上記手順に加えて、検査対象においてエッジ部以外の箇所に生じた表面欠陥を検出する操作を行ってもよい。具体的な手順を以下に示す。
I. 第一照明手段にて検査対象に光を照射して撮像手段で撮像し、画像データ取得部が撮像された第一画像データを取得するステップ
II. 2値化処理部が得られた第一画像データを2値化処理するステップ
III. 位置情報取得部が得られた2値データからエッジ部の位置情報を取得するステップ
IV. データ抽出部が、上記位置情報に基づいて2値データにおいてエッジ部で囲まれる領域に存在する黒い像の群を抽出し、演算部が黒い像の群の面積を演算するステップ
V. 判定部が、黒い像の群の面積が所定値以上の場合、不良であると判定し、同面積が所定値未満の場合、良品であると判定するステップ
上記I〜Vの操作は、上記エッジ部の外観検査を行う1〜7の操作の前、後のいずれに行ってもよい。エッジ部の外観検査前にこの操作I〜Vを行う場合、この操作I〜Vにて欠陥有りと判定された検査対象については、エッジ部の外観検査を行わないようにしてもよい。また、エッジ部の検査後にこの操作I〜Vを行う場合、エッジ部の外観検査にて欠陥有りと判定された検査対象については、操作I〜Vを行わないようにしてもよい。もちろん、両方の検査を行ってもよく、両検査にて欠陥無しと判定された検査対象のみを生産ラインに戻し、いずれかの検査にて欠陥有りと判定された検査対象、及び両検査にて欠陥有りと判定された検査対象を回収されるようにする。このとき、いずれかの検査にて欠陥有りと判定された検査対象と、両検査にて欠陥有りと判定された検査対象とは、それぞれ別個に回収されるようにしてもよいし、纏めて回収されるようにしてもよい。
本発明において検査対象は、種々の機器に利用される様々な部品が挙げられる。例えば、焼結部品や機械加工部品などといった金属材料を用いた部品が挙げられる。特に、外周形状が凹凸を有する部品、例えば、外周に歯形を有する歯車、より具体的には、平歯車やはすば歯車などの一般に動力伝達に利用される歯車やオイルポンプロータ(アウターロータ、インナーローラ)などの流体圧力調整に利用されるロータなどが挙げられる。
本発明外観検査装置によれば、検査対象のエッジ部に生じた欠陥の有無の検出を精度よく行うことができる。特に、本発明装置は、歯車のように外周形状が複雑であり、エッジ部に面取り加工が施されているような部品に対し、その形状や面取り加工量などによらず、安定して高精度に外観検査を行うことができる。また、本発明装置は、打痕などの比較的小さな疵であっても、高精度に欠陥の有無の検出を行うことができる。従って、本発明装置は、検査対象のエッジ部に生じた打痕やバリ、欠けなどといった比較的小さな欠陥をより的確に検出することができる。このような本発明装置は、製品全数の保証の実現に貢献すると考えられる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。
<検査装置>
図1は、本発明外観検査装置の概略構成図、図2は、本発明外観検査装置の機能ブロック図である。この検査装置は、検査対象(ワーク)Wを撮像する撮像手段10と、撮像手段10にてワークWを撮像する際、ワークWに光を照射する二つの照明手段(第一照明手段20,第二照明手段30)と、撮像手段10にて撮像された画像の処理を行う画像処理手段41と、ワークWの外観検査を行うにあたりワークWを所定の位置に搬送する搬送手段50とを具える。
本例に示す検査装置は、ワークWの生産ラインに併設させており、製造されたワークWがベルトコンベアBにて輸送される途中において外観検査を行う。具体的には、ベルトコンベアBの側方に、検査の際、ワークWを搭載する複数の脚部Lを設けており、これら脚部Lの上方に撮像手段10及び照明手段20,30を配置させ、搬送手段50にてベルトコンベアBから脚部LにワークWを移送して、外観検査を行う。脚部Lは、ワークWを搭載させた際、撮像手段10によってその像が撮られないように、つまり、ワークWによって脚部Lの端面が覆われるように配置している。ワークWを搭載可能な台状のステージを設けてもよいが、ステージでは、照明手段20,30からの光を反射して、ワークWの像を適切に撮像することができない場合も考えられる。そこで、本例では、脚部に直接ワークを搭載させる構成とした。また、背景部分の反射をなくすために、脚部Lの下方に斜めに傾けた磨き板(図示せず)を配置している。検査が終了したら、搬送手段50にて脚部LからベルトコンベアBに、或いは脚部Lから不良品回収箱RにワークWを移送する。本例では、不良品回収箱RとベルトコンベアBとの間に滑り台Slを設けており、不良品と判定されたワークWは、滑り台Slを滑り落ちて回収箱Rに回収される構成である。また、本例では、ワークWとして、外周に複数の歯形を有し、エッジ部が面取り加工され、中央部に軸が挿通される貫通孔を有する一般的な平歯車を用いた。このワークWは、ワークWの軸方向から見た面(歯形を有していない面)が撮像手段10と対向するように脚部Lに配置されて、エッジ部を含むこの面全体の外観検査が行われる。
撮像手段10は、市販の白黒CCDカメラを用いた。撮像手段10の視野の前方には、レンズ11を配置している。レンズ11は、市販のマクロレンズを用いた。撮像手段10は、画像処理手段41に接続させており、得られた画像を随時画像処理できる構成である。この撮像手段10にてワークWを撮像し、得られた画像データを利用して、画像処理手段41にて適宜処理を行って、画像処理手段41(判定部47)は、疵、欠け、鋳巣、打痕などの欠陥の有無を判定する。
第一照明手段20は、同軸落射照明を用いた。この照明手段20は、撮像手段10の光軸に対して直交方向に光を照射する光源21(第一光源)と、光源21からの光を撮像手段10の光軸と同軸方向に反射させてワークWに照射させると共に、ワークWから反射された同光軸とほぼ同軸方向の光を透過するハーフミラー22とを具える。本例において光源21は、複数のLEDを用いた。光源21とハーフミラー22とは、筐体23内に収納させており、筐体23には、撮像手段10の光軸と同軸方向にハーフミラー22にて反射された反射光が撮像手段10に入光されるように、反射光の通過箇所に窓部24を設けている。また、第一照明手段20は、駆動手段25が接続されており、駆動手段25により第一照明手段の位置を適宜調整することができる。このような第一照明手段20は、ワークWと撮像手段10との間に位置するように配置させて用いる。
第二照明手段30は、リング照明を用いた。この照明手段30は、撮像手段10の光軸に対して交差するように光を照射する光源31(第二光源)を複数具えており、これら光源31を円環状に配置させている。本例において光源31は、複数のLEDを用いた。これら光源31は、ワークWの外周を囲むように配置させることが可能な大きさを有するリング状の筐体32に装着させた。また、第二照明手段30は、駆動手段33が接続されており、駆動手段33により第二照明手段30の位置を適宜調整することができる。このような第二照明手段30は、ワークWと撮像手段10との間に位置するように配置させて用いる。また、光源31で囲まれてつくられる円形状の空間の中心部に撮像手段10の光軸が位置するように第二照明手段30を配置させる。
図3は、本発明装置に具える照明手段にて検査対象に光を照射した状態を説明する説明図であり、(A)は、第一照明手段を用いた場合、(B)は、第二照明手段を用いた場合を示す。なお、図3において検査対象は断面を示しており、エッジ部の形状は、面取り加工が施された状態を強調して示している。また、図3(B)では、左右二つの光源のみを示す。更に、図3(B)では、左側の光源からの光のみ示し、右側の光源からの光は省略している。図4は、本発明装置に具える照明手段にて検査対象に光を照射して撮像手段にて撮像した原画像を示す模式図であり、(A)は、第一照明手段を用いた場合、(B)は、第二照明手段を用いた場合を示す。脚部Lに配置されたワークWに第一照明手段の光源21にて光を照射すると、図3(A)に示すようにワークWに照射された光は、エッジ部を含むワークW全体に亘ってほぼ正反射され、ハーフミラー22を透過して撮像手段に入光され、ワークWが存在しない箇所(背景部分)に照射された光は、そのまま透過する或いは吸収されて、撮像手段にほとんど入光されない(図3(A)では透過された状態を示す)。従って、得られた画像は、図4(A)に示すようにワークWが明るく(図4(A)では白く示す)、背景部分が暗い(同黒く示す)といった明暗のコントラストが高く表れる。また、ワークWは、輪郭に縁取られて奥行きがない平面的な像として表れている。
一方、脚部Lに配置されたワークWに第二照明手段の光源31にて光を照射すると、図3(B)に示すようにワークWの一部(ここではエッジ部近傍)がよく照らされ、残部(ここではワークWの軸方向(或いは光軸)と平行な側面近傍)が照らされない。また、ワークWにおいて第二照明手段により照らされた箇所のうち、面取り加工が施されたエッジ部では、光源31からの光を撮像手段の光軸とほぼ同軸方向に反射するため、この反射光は撮像手段に入光され、エッジ部以外の箇所(例えば、図3(B)において光軸と直交する面)では、光源31からの光を浅い角度で反射するため、この反射光は撮像手段にほとんど入光されない。従って、得られた画像は、図4(B)に示すようにワークWのエッジ部周辺が明るく(図4(B)では白く示す)、ワークWにおいてエッジ部周辺以外の箇所及び背景部分が暗い(同黒く示す)といった明暗のコントラストが高く表れる。
本例に示す装置では、上記第一照明手段20と第二照明手段30とに対して、図1,2に示すように撮像手段10を共通して用いる。本例では、第一照明手段20を用いての撮像時、第二照明手段30を用いての撮像時において、照明手段20,30が互いに邪魔にならないように予め位置調整を行っており、撮像にあたり、両照明手段20,30を通常移動しない。また、第二照明手段30の中央部にある円形状の空間は、ワークWの最大径よりも大きくしており、第二照明手段30の上方に第一照明手段20が位置していても、第一照明手段20は、ワークWに十分光を照射することができる。従って、本例に示す装置では、第一照明手段20を用いて撮像する場合、第一照明手段20の下方に第二照明手段20が配置された状態で行い(但し、第二照明手段30はOFFにしておく)、第二照明手段30を用いて撮像する場合、第二照明手段30の上方に第一照明手段20が配された状態で行う(但し、第一照明手段20はOFFにしておく)。もちろん、第一照明手段20の駆動手段25、第二照明手段30の駆動手段33により、各照明手段20,30を適宜移動させてもよい。なお、搬送手段50により、脚部LにワークWを搭載する際、第二照明手段30が邪魔にならないように駆動手段33により移動させ、第二照明手段30を用いて撮像する際、駆動手段33により、第二照明手段30をワークW近傍に移動させる。
画像処理手段41は、撮像手段10で撮像された画像を取り込み、適宜画像処理を行って、ワークWの外観の良否を判定する。画像処理手段41として、図2に示すように撮像された画像の取り込みを行う画像データ取得部42、画像データを2値化する2値化処理部43、2値データからワークWの位置情報を取り出す位置情報取得部44、画像データからワークWの特定箇所のデータを抽出するデータ抽出部45、得られたデータから特定の値を演算する演算部46、演算結果に基づき欠陥の有無を判定する判定部47を具える。その他、画像処理手段41は、画像データや位置情報などの種々のデータを記憶する記憶部(図示せず)などを具える。このような画像処理手段41として画像処理ボード(回路基板)を用い、コンピュータ40に搭載させた。コンピュータ40は、市販のものを用いた。
コンピュータ40は、上記画像処理手段41の他、画像処理手段41の制御、撮像手段10のON/OFFなどの制御、第一照明手段20及び第二照明手段30のON/OFFなどの制御、駆動手段25,33の移動量などの制御といった各手段、各部の制御を行う制御部48を具える。制御部48には、CPUを有するP-I/Oボード(回路基板)を用い、コンピュータ40に搭載させた。また、コンピュータ40には、モニタ60を接続させており、検査作業者が撮像した画像を確認したり、制御条件を入力したりなどの動作を任意に行えるようにしている。モニタ60の制御も制御部48にて行う。
搬送手段50は、図1に示すようにワークWを把持する把持部51と、把持部51を水平方向に回転可能に支持する回転移動部52と、回転移動部52に連結されて把持部51を水平方向に移動可能に支持する水平移動部53と、水平移動部53に連結されて把持部51を垂直方向に移動可能に支持する垂直移動部54とを具える。把持部51は、一対の板状部材を対向配置させてなり、対向面にてワークWの側面(本例では歯形を具える面)を挟み込むようにしてワークWを把持する。把持部51は、対向面の間隔を自在に調整することができ、間隔の調整によりワークWを掴んだり放したりする構成である。ベルトコンベアB上に輸送されるワークWを搬送手段50にて把持するには、搬送手段50を以下のように動作させるとよい。まず、垂直移動部54及び水平移動部53により把持部51をベルトコンベアB上のワークWに近づけ、対向面の間隔を調整して把持部51にてワークWを掴む。把持したワークWを脚部Lに搭載させるには、脚部Lの位置に合わせて垂直移動部54,水平移動部53によりワークWを搬送し、所定位置にワークWが達したら、対向面の間隔を開いて把持部51からワークWを放すことで行う。外観検査が終わってワークWを脚部LからベルトコンベアBに戻すには、上述したベルトコンベアBからワークWを把持する場合と同様にして脚部LからワークWを把持し、上述した脚部Lに搭載した場合と同様にしてベルトコンベアBにワークWを搭載させるとよい。また、外観検査が終わってワークWを脚部Lから不良品回収箱Rに回収する場合も同様である。本例では、搬送手段50の側方に回収箱R及び滑り台Slを設けているため、回転移動部52により把持部51を回転させて、滑り台Sl上にワークWを放すようにする。ワークWを放したら、回転移動部52により把持部51を回転させて元の位置に戻す。搬送手段50は、制御部48に接続させており、制御部48にてその動作が制御される。
上記構成を具える外観検査装置を用いることで、ワークの外観検査を自動的に行うことができる。特に、外観検査装置を生産ラインに併設させているため、オフラインで検査を行う場合のようにワーク移送時にワークに欠陥が発生することを防止することができる。
<検査手順>
上述のような外観検査装置を用いて、ワークの表面部における欠陥の有無を検出する手順を具体的に説明する。図5は、本発明外観検査装置を用いて検査を行う手順を示すフローチャートである。
外観検査は、ワークを脚部に搭載させてから行う。制御部は、搬送手段に命令してワークを脚部に移送させる。脚部にワークが搭載されたら、制御部は、第一照明手段にON命令を出すと共に(ステップS1)、撮像手段に撮像命令を出し、撮像手段は、ワークを撮像する(ステップS2)。第一画像データ取得部は、撮像された画像(第一画像データ)を取得する(ステップS3)。取得された原画像は、図4(A)に示すようにエッジ部を含むワーク全体が明るく、ワーク以外の箇所(背景部分)が暗く表わされる。
得られた第一画像データに対して、2値化処理部は、2値化処理を行う(ステップS4)。2値化処理を行うにあたり、閾値を予め設定しておき、記憶部に入力しておく。2値化処理部は、記憶部から閾値を呼び出し、第一画像データの各撮像素子の明度が閾値以上か否かで白黒の2値データを作成する。ここでは、ワークが白い像、ワーク以外の箇所(背景部分)が黒い像となる。
次に、位置情報取得部は、2値データからワークのエッジ部の位置情報を取得する(ステップS5)。ワークと背景部分との境界、即ち、2値データにおいて白い像と黒い像との境界に位置する白い像がワークのエッジ部を構成する撮像素子となる。そこで、位置情報取得部は、ワークのエッジ部を構成する撮像素子の位置情報(座標)を取得し、記憶部に保存する。
次に、第一データ抽出部は、2値データにおいて、ワークの像に存在する黒い像の群を抽出する。具体的には、ワークの外周側のエッジ部(ワーク外形の輪郭をつくるエッジ部)と内周側のエッジ部(貫通孔の輪郭をつくるエッジ部)とで囲まれた領域に存在する黒い像の群を抽出する。そして、第一演算部は、抽出された黒い像の群の面積Sを求め、第一判定部は、得られた面積Sが設定値S0以上か否かを判定する(ステップS6)。面積Sが設定値S0以上の場合、第一判定部は、ワークに欠陥がある、即ち不良と判定する(ステップS7)。このとき、制御部は、搬送手段に命令を出し、搬送手段は、ワークを脚部から不良品回収箱に移送する(ステップS8)。不良品の回収が終わったら、制御部は、搬送手段に命令を出し、次のワークを脚部に搬送させる。本例では、まず、エッジ部以外の箇所の欠陥の有無を判定し、同欠陥が無かったワークについてエッジ部の欠陥の有無を判定する構成である。
一方、黒い像の群の面積SがS0未満の場合、第一判定部は、エッジ部以外の箇所に欠陥がないと判定する。そこで、次にエッジ部の欠陥の有無を検出する。まず、制御部は、第二照明手段にON命令を出すと共に(ステップS9)、撮像手段に撮像命令を出し、撮像手段は、ワークを撮像する(ステップS10)。なお、ステップS9を行う前に、制御部は、第一照明手段にOFF命令を出しておく。第二画像データ取得部は、撮像された画像(第二画像データ)を取得する(ステップS11)。取得された原画像は、図4(B)に示すようにワークにおいてエッジ部近傍が明るく、エッジ部近傍以外の箇所及びワーク以外の箇所(背景部分)が暗く表わされる。
次に、第二データ抽出部は、記憶部からエッジ部の位置情報を呼び出し、得られた第二画像データと位置情報とを照合し、第二画像データからエッジ部のみのデータを抽出する(ステップS12)。抽出したデータの明度グラフを図6に示す。図6において横軸は撮像素子番号を、縦軸は明度を示す。図6に示すように抽出されたデータは、ワークの外形のように凹凸を繰り返す波形、つまり、明度の高低が繰り返される波形を描いている。欠陥は、通常、正常部分との明度差が大きい像として得られるが、このデータからでは、欠陥が埋もれてしまって欠陥の有無が判定しにくい。そこで、第二演算部は、抽出データを用いて演算を行い、第二判定部は、演算値に基づいて欠陥の有無の判定を行う。この抽出データにおいて5撮像素子(以下、1グループと呼ぶ)ごとに最大値を求めた結果を図7に示す。図7において横軸はグループ番号を、縦軸は明度を示す。この点は、図8についても同様である。図6のグラフと、図7の最大値グラフとを比較すると、大きなピーク値がより明確に現れていることがわかる。また、この抽出データにおいて最大値を求めたものと同じグループごとに最小値を求め、同グループにおける最大値と最小値との差を求めた結果を図8に示す。図7に示す最大値グラフと、図8に示す最大値と最小値との差のグラフとを比較すると、大きなピーク値が更に明確に現れていることがわかる。そこで、本例では、第二演算部において、所定範囲(本例では5撮像素子)ごとに最大値及び最小値を求めると共に、得られた最大値と最小値の差を演算する(ステップS13)。なお、第二演算部は、後述する判定に用いる閾値(y)の演算も行う。具体的には、予め欠陥のない良品のデータを複数とり、その正常部分の平均輝度(a)とばらつき(σ)を算出し、y=a+βσを演算する。本例では、y=30〜40となるようにβを選択した。
そして、第二判定部は、上記最大値と最小値の差において閾値以上となるピーク値が存在するか否かを判定する(ステップS14)。閾値以上のピーク値が存在する場合、第二判定部は、エッジ部に欠陥がある、即ち不良と判定する(ステップS15)。このとき、制御部は、搬送手段に命令を出し、搬送手段は、ワークを脚部から不良品回収箱に移送する(ステップS16)。不良品の回収が終わったら、制御部は、搬送手段に命令を出し、次のワークを脚部に搬送させる。搬送の際に第二照明手段が邪魔になるときは、制御部は、第二駆動手段に命令を出し、第二照明手段を適宜移動させる。
一方、閾値以上のピーク値が存在しない場合、第二判定部は、エッジ部に欠陥がない、即ち良品と判定する(ステップS16)。このとき、制御部は、搬送手段に命令を出し、搬送手段は、ワークを脚部からベルトコンベアに移送する。検査を行ったワークをベルトコンベアに移送し終わったら、制御部は、搬送手段に命令を出し、次のワークを脚部に搬送させる。搬送の際に照明手段が邪魔になるときは、制御部は、駆動手段に命令を出し、照明手段を適宜移動させる。なお、ワークの裏面についても同じく外観検査を行う場合、制御部は、搬送手段に命令を出し、一旦、ワークをベルトコンベアに移送し、搬送手段を適宜操作させてワークを裏返し、裏返したワークを脚部に搭載させて、ステップS1以降の手順に従い外観検査を行うとよい。
本例では、検査対象においてエッジ部以外の箇所の欠陥の有無を判定してから、エッジ部の欠陥の有無を判定する構成としたが、順序を入れ替えてもよい。
本発明外観検査装置は、種々の部品の外観検査に利用することができる。特に、外周形状が連続した凹凸を有しており、エッジ部に面取り加工が施されているような複雑な形状を有する部品の外観検査に好適に利用することができる。
本発明外観検査装置の概略構成図である。 本発明外観検査装置の機能ブロック図である。 本発明外観検査装置に具える照明手段によって検査対象に光を照射した状態を説明する説明図であり、(A)は、第一照明手段の場合、(B)は、第二照明手段の場合を示す。 撮像手段にて撮像された原画像の模式図であり、(A)は、第一照明手段を用いた際の画像、(B)は、第二照明手段を用いた際の画像を示す。 本発明外観検査装置を用いて外観検査を行う際の検査手順を示すフローチャートである。 検査対象において抽出したエッジ部のデータの明度を示すグラフである。 検査対象において抽出したエッジ部のデータについて、所定範囲ごとの最大値(明度)を示すグラフである。 検査対象において抽出したエッジ部のデータについて、所定範囲ごとの最大値と最小値との差(明度)を示すグラフである。
符号の説明
10 撮像手段 11 レンズ
20 第一照明手段 21 光源 22 ハーフミラー 23 筐体 24 窓部 25 駆動手段
30 第二照明手段 31 光源 32 筐体 33 駆動手段
40 コンピュータ 41 画像処理手段 42 画像データ取得部 43 2値化処理部
44 位置情報取得部 45 データ抽出部 46 演算部 47 判定部 48 制御部
50 搬送手段 51 把持部 52 回転移動部 53 水平移動部 54 垂直移動部
60 モニタ

Claims (3)

  1. 検査対象を撮像する撮像手段と、撮像時に検査対象に光を照射する照明手段と、得られた画像を処理して、この処理結果に基づいて検査対象の外観の良否を判定する画像処理手段とを具える外観検査装置において、
    前記画像処理手段は、
    検査対象と、検査対象以外の箇所とのコントラストが表れた第一画像データに基づいて検査対象のエッジ部の位置情報を取得する位置情報取得部と、
    検査対象のエッジ部周辺と、それ以外の箇所とのコントラストが表れた第二画像データから前記位置情報に基づいてエッジ部のデータを抽出するデータ抽出部と、
    抽出したエッジ部のデータに基づいて検査対象の外観の良否を判定する判定部とを具えることを特徴とする外観検査装置。
  2. 更に、画像処理手段は、
    抽出したエッジ部のデータについて所定範囲ごとに最大値及び最小値をとり、これら最大値と最小値の差に基づく値を演算する演算部を具え、
    判定部は、演算結果に基づいて検査対象の外観の良否を判定することを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
  3. 照明手段として、第一光源を有し、この光源からの光を撮像手段の光軸と同軸方向となるように検査対象に照射可能な第一照明手段と、
    第二光源を有し、この光源からの光を撮像手段の光軸と交差するように検査対象に照射可能な第二照明手段とを具え、
    第一画像データは、前記第一照明手段を用いて撮像し、第二画像データは、第二照明手段を用いて撮像することを特徴とする請求項1又は2に記載の外観検査装置。
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