JP7054373B2 - 外観検査装置および外観検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、外観検査装置および外観検査方法に関する。
食品、薬品、工業製品などの目視による外観検査に代わって、自動で外観検査を行う外観検査装置が使用されている。
一般に、外観検査装置による外観検査では、照明装置により検査対象物に照明を当てた状態で、検査対象物をカメラで撮像し、撮像画像に対して画像処理を施すことにより、所定の検査項目の判定を行っている。
しかし、検査対象物ごとに最適な撮影条件、照明条件が異なり、これらの条件設定が煩雑であった。そこで、撮影条件等の設定を支援する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、ユーザが入力した情報とデータ・ベースの情報とに基づいて、検査対象物の撮影条件を算出することにより、画像処理システムを支援する装置が開示されている。具体的には、ユーザが、検査対象物の大きさ、検査対象物に形成された溝の深さ、幅等の形状的特徴などの情報を入力し、照明装置の大きさや等照度特性の情報が格納されたデータ・ベースの情報を基に、照明装置の最適高さ位置、最適角度などの撮影条件を表示器に表示するようになっている。
WO93/001559
しかしながら、特許文献1に記載の従来の支援装置にあっては、予め所定の位置に配置された検査対象物を前提としたものであり、搬送装置により搬送されてくる検査対象物に対して外観検査を行うことについては何ら考慮されていなかった。
そのため、従来の技術では、カメラにより撮像するために照明装置を適切に設定しても、検査対象物の搬送位置のバラツキが生じると、搬送されてくる検査対象物がカメラ撮像の最適な設定位置からずれてしまい、常に最適な撮像条件下で撮像することが難しかった。特に表面に凸凹を有する検査対象物ではハレーションが生じたり、暗い部分が生じたりすることで、検査自体ができないか、誤った検査結果を生じる誤検査になりやすかった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、検査対象物の搬送位置のバラツキによらず、常に同じ最適な撮影条件で検査対象物を撮像することで誤検査を低減することができる外観検査装置および外観検査方法を提供することを目的とする。
本発明に係る外観検査装置は、上記目的を達成するため、検査対象物(W)を搬送する搬送部(10)と、前記搬送部により搬送されている前記検査対象物に光を照射する複数の光源が平面状に配列された照明部(20)と、前記照明部により光が照射された前記検査対象物を撮像する撮像部(30)と、前記撮像部による1回目の撮像により得られた前記検査対象物の画像を基に前記検査対象物の少なくとも中心の搬送路内の幅方向の位置を検出する仮撮像画像処理部(57)と、検出した該幅方向の位置の情報に基づいて前記複数の光源からリング状の照明パターンを画定するよう選定する本撮像条件算出部(58)と、選定した光源による照明下で前記撮像部により前記検査対象物の2回目の撮像を行い外観検査用の画像を取得する本撮像制御部(59)と、を有する制御部(50)とを備え、前記制御部は、前記外観検査用の画像を基に前記検査対象物の外観検査を行う検査部(40)を備えたことを特徴としている。
上述のように、本発明に係る外観検査装置は、撮像部による1回目の撮像で得られた検査対象物の画像を基に検出された検査対象物の搬送路内の位置に基づいて、複数の光源から選定した光源による照明下で2回目の撮像を行うようになっている。
この構成により、1回目の撮像により検出した検査対象物の搬送路内の位置に応じて、照明位置などの照明条件を変更して検査対象物の2回目の撮像を行うことができるので、検査対象物の搬送位置のバラツキによらず、常に同じ最適な撮影条件で検査対象物を撮像することができる。これにより誤検査を低減することができる。
また、本発明の外観検査装置において、前記照明部は、前記複数の光源が一の平面状に配列されたものであり、前記制御部は、前記撮像部による1回目の撮像および2回目の撮像ともに、前記照明部の照明下において、前記搬送部により搬送されている前記検査対象物の中心の搬送路内の幅方向の位置と、前記リング状の照明パターンの中心の搬送路内の幅方向の位置とを一致させて、前記照明部の孔(24)の上に配置されたカメラ(31)により行わせる構成であってもよい。
この構成により、2回目の撮像時において、検査対象物の中心の搬送路内位置と、選定した光源により画定される照明パターンの中心の搬送路内位置とが一致するので、常に検査対象物の真上から照明を当てることができる。これにより、検査対象物の搬送位置のバラツキによらず、常に同じ最適な撮影条件で検査対象物を撮像することができるので、誤検査を低減することができる。
また、本発明の外観検査装置において、前記仮撮像画像処理部は、前記撮像部による1回目の撮像により得られた前記検査対象物の画像を基に前記検査対象物のサイズも検出し、前記本撮像条件算出部はさらに、前記仮撮像画像処理部が検出した前記検査対象物の中心の搬送路内の幅方向の位置および該検査対象物のサイズを基に前記照明部による前記検査対象物での所要照度は確保しつつ前記照明部から照射される光が前記検査対象物の表面で正反射して前記撮像部のカメラに入射する光量を抑制するように、前記光源の照明条件を算出す構成であってもよい。
この構成により、照明部から照射される光が検査対象物の表面で正反射して撮像部のカメラに入射する光量を抑制するように光源の選定を行うことができるので、ハレーションが生じにくい。これにより、対象物の搬送位置のバラツキによらず、常に同じ最適な撮影条件で対象物を撮像することができるので、誤検査を低減することができる。
また、本発明の外観検査装置は、前記搬送路内で前記検査対象物の通過を検知する通過検知部(80)をさらに備え、前記制御部は、前記通過検知部による前記検査対象物の通過の検知に基づいて前記撮像部による前記1回目の撮像タイミングを制御する仮撮像条件算出部(56)をさらに備えた構成であってもよい。
この構成により、搬送路内の所定位置を検査対象物が通過したことを検知することにより、1回目および2回目の撮像のタイミングを正確に算出することができる。これにより、対象物の搬送位置のバラツキによらず、最適なタイミングで対象物を撮像することができるので、誤検査を低減することができる。
また、本発明の外観検査装置において、前記制御部は、前記検査対象物が前記撮像部のカメラ視野に入った時に前記撮像部による1回目の撮像を行う構成であってもよい。
この構成により、検査対象物の通過を検知する通過検知部を別途設ける必要がなく、装置をコンパクトにできる。
また、本発明の外観検査方法は、検査対象物を搬送する搬送ステップ(S1)と、前記搬送ステップにおいて搬送されている前記検査対象物に、複数の光源が平面状に配列された照明部から光を照射する照明ステップ(S4、S8)と、前記照明ステップにおいて光が照射された前記検査対象物を2回撮像する撮像ステップ(S5、S9)と、1回目の撮像ステップ(S5)において得られた前記検査対象物の画像を基に前記検査対象物の少なくとも中心の搬送路内の幅方向の位置を検出するステップ(S6)と、2回目の撮像ステップ(S9)の前に前記検査対象物の中心の搬送路内の幅方向の位置に基づいて前記複数の光源から該2回目の撮像のためにリング状の照明パターンを画定するよう作動させる光源を選定するステップ(S7)と、前記2回目の撮像ステップにおいて取得された前記検査対象物の画像を基に外観検査を行う検査ステップ(S10)と、を備えたことを特徴としている。
この構成により、1回目の撮像により検出した検査対象物の搬送路内の位置に応じて、照明位置などの照明条件を変更して検査対象物の2回目の撮像を行うことができるので、検査対象物の搬送位置のバラツキによらず、常に同じ最適な撮影条件で検査対象物を撮像することができる。これにより誤検査を低減することができる。
本発明によれば、検査対象物の搬送位置のバラツキによらず、常に同じ最適な撮影条件で対象物を撮像することで誤検査を低減することができる外観検査装置および外観検査方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る外観検査装置の構成図である。 (a)は図1の照明部の構成図であり、(b)は図2(a)のA部の拡大図である。 図1の制御部の機能ブロック図である。 図1の制御部のハードウェア構成図である。 搬送位置のバラツキに対応して照明パターンの位置を変更する様子を示す説明図である。 照明部から照射された光が検査対象物の表面で反射する様子を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る外観検査装置を用いて行う外観検査のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る外観検査装置の要部説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る外観検査装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る外観検査装置1の構成図である。図1に示すように、外観検査装置1は、例えば、包装された状態のハムなどの食品の外観を検査するものであり、搬送部10と、照明部20と、撮像部30と、通過検知部80と、制御部50と、表示部70と、操作部72とを備えている。検査対象物(以下、対象物ともいう)Wは、ハムなどの食品に限定されるものではなく、薬品、工業製品およびその部品など任意の物品を検査対象とすることができる。
搬送部10は、少なくとも一対の搬送ローラ12と、一対の搬送ローラ12に張架された搬送ベルト11と、駆動用のモータ14とを備えている。ステッピングモータなどからなる駆動用のモータ14を駆動することにより、搬送ローラ12が回転し、それにより搬送ベルト11が移動するようになっている。上走部の搬送ベルト11上に検査対象物Wを載置し、搬送路13上を搬送するようになっている。
ここで、搬送路13は、図1においてxy平面上で搬送ベルト11により検査対象物Wが搬送され得る領域をいい、搬送路内の位置(搬送位置ともいう)は、搬送路13上での位置をいい、搬送路内の位置PはP(x,y)により特定される位置である。
搬送路13は、搬送方向C(y軸方向)に沿って上流側から順に、対象物Wの通過を検出する通過検出領域13aと、外観検査を行う検査領域13bと、検査結果に応じて対象物Wを選別する選別領域(図示せず)とを有している。
通過検出領域13aには、対象物Wの通過を検知する通過検知部80が設けられている。通過検知部80は、搬送ベルト11の上方に搬送ベルト11の幅方向(x軸方向)に間隔を置いて複数設けられている。1つの通過検知部80は、投光器と受光器とを備え、投光器から照射された光が、搬送ベルト11上の検査対象物Wに当たって反射した光を受光器で受光するように配置されている。対象物Wの有無により反射光の強度が相違することにより、対象物Wの通過を検知するようになっている。
対象物Wの高さ方向(z軸方向)の厚みがある程度大きい場合には、通過検知部80は、搬送ベルト11の幅方向(x軸方向)の一端側に投光器を、他端側に受光器を配置するようにしてもよい。このようにすると、検査対象物Wが搬送ベルト11により投受光器まで搬送されると、対象物Wが光を遮ることにより、受光器による受光が遮られることにより対象物Wの通過を検知することができる。
図1に示すように、照明部20は、搬送路13の検査領域13bの上方に配置され、搬送部10の搬送ベルト11により搬送されてくる対象物Wに光を照射して検査対象物Wに照明を当てるものである。照明部20は、円板状の形状を有している。搬送路13の幅方向(x軸方向)に搬送位置がばらついた検査対象物Wのすべてに対応するためには、照明部20の円板の直径は、搬送路13の幅よりもやや大きくするのが好ましい。ただし、照明部20の形状は円板状に限定されるものではなく、楕円、矩形など任意の形状を採用し得る。
図2(a)は、照明部20の構成図であり、図2(b)は、図2(a)のA部の拡大図である。図2に示すように、照明部20は、複数のLED点光源21が平面状に配列されたLEDアレイ22を有し、照明駆動部20a(図4参照)により、各LED点光源21を個別に点灯および消灯できるようになっている。例えば、照明部20全体でLEDアレイ22は500mm×500mmほどの大きさを有し、1mm間隔でLED点光源21が配列されている(すなわち、d1=d2=1mm)。照明部20の中心には撮像用の孔24が開けられている。
図2には、照明部20内に円形リング状の照明パターン25が図示されている。この照明パターン25は、後で説明するように撮像部30による本撮像時に選択的に点灯するLED点光源21により形成される光源である。すなわち、円形リング内に存在するLED点光源21のみを点灯させ、それ以外のLED点光源21を消灯させることにより、照明パターン25が形成される。
照明パターン25の形状は、対象物Wの形状、サイズを考慮して、最適な照明条件となるように選択されるものであり、例えば、円形リング形状、楕円リング形状、矩形リング形状などが挙げられる。リング形状の他にも、円形、楕円、矩形などの内部に存在するすべてのLED点光源21を点灯させるようにしてもよい。また、照明パターン25は、1つの点灯領域からなるものに限らず、複数の分離した点灯領域から構成されてもよい。
本実施形態では、LED点光源21は単色白色であるが、検査内容に依っては赤色、青色、黄色など任意の色のLED点光源を使用してもよい。例えば、検査対象物Wが赤色の照明をよく反射する成分を含んでいる場合には、検査対象物Wに赤色の照明を当てて、当該成分の存在、およびその割合などを検出しやすくなるようにしてもよい。
また、照明部20のLEDアレイ22に赤色、青色、黄色など異なる色のLED点光源を規則的に混在させて、検査対象および検査内容によって、特定の色の照明を任意に作り出せるようにしてもよい。
また、本実施形態の照明部20は、可視光を照射するようになっているが、検査対象および検査内容に依っては紫外光または赤外光を照射するものであってもよい。
また、本実施形態の照明部20は、上方から検査対象物Wに光を照射して、検査対象物Wからの反射光を撮像部30のカメラ31で撮像するようになっているが、照明部20の配置はこれに限定されない。例えば、検査対象物Wが光を透過する材質から構成されているか、あるいは厚みが薄い場合や、シルエットで検査したい場合などには、検査対象物Wの下方から光を照射して、検査対象物Wを透過した光を撮像部30のカメラ31で撮像するようにしてもよい。下方から照明を当てる場合には、光透過性の材質からなる搬送ベルト11を用い、搬送ベルト11の下方に照明部20を配置するようにしてもよい。
撮像部30は、CCDなどを備えたカメラ31を備えており、撮像駆動部30a(図4参照)によりカメラ31を駆動するとともに、カメラ31により撮像された画像を取得して制御部50に取り込むことができるようになっている。例えば、カメラ31は1200×800ピクセルの分解能を有し、カラー画像を得ることができるものである。検査の目的によってはカメラ31はモノクロ画像を得るものであってもよい。
この撮像部30は、搬送路13の検査領域13bにて照明部20の中央の孔24の真上に配置され、孔24からカメラ31で搬送ベルト11上を搬送されてくる検査対象物Wを撮像できるようになっている。なお、カメラ31を複数台用意し、うち1台を中央の孔24の真上に、他の1台ないし複数台のカメラを斜め上方に配置することにより、死角を補うようにしてもよい。
図3は、制御部50の機能ブロック図である。図3に示すように、制御部50は、仮撮像条件算出部55と仮撮像制御部56と仮撮像画像処理部57と本撮像条件算出部58と本撮像制御部59と本撮像画像処理部60と判定部61とを有している。
仮撮像条件算出部55は、対象物Wが搬送路13の所定位置(通過位置)を通過したことを通過検知部80が検知すると、搬送ベルト11による搬送速度および通過位置と撮像部30により行われる1回目の撮像(仮撮像という)の位置(仮撮像位置)との間の距離に基づいて、撮像部30による仮撮像の撮像タイミングと、照明部20の照明条件を決定する。照明条件は、例えば、照明部20のすべてのLED点光源21を点灯するというものでもよい。この場合には、照明条件を決定する処理が省略できる。撮像タイミングは、通過位置と仮撮像位置との距離を搬送ベルト11の搬送速度で割ることにより算出することができる。
仮撮像位置は、1回目の撮像(仮撮像)から2回目の撮像(本撮像という)の準備が整うまでの準備時間を考慮して、撮像部30のカメラ31がカメラ視野内のできるだけ上流側(搬送方向Cの上流側)で検査対象物Wを捉える位置に設定する。準備時間である仮撮像から本撮像までの時間は、例えば、50msec~100msecである。すなわち、カメラ31のカメラ視野内で移動する検査対象物Wを2回撮像できるように、仮撮像位置と本撮像位置を設定する。逆にいえば、仮撮像から少なくとも50msecの間に、本撮像の撮像タイミングおよび照明条件を算出するようにする。
なお、本実施形態では、撮像部30により2回の撮像を行うが、回数はこれに限定されるものではなく、3回以上であってもよい。例えば、本撮像を2回以上行うようにして、検査精度を高めるようにしてもよい。
仮撮像制御部56は、仮撮像条件算出部55により決定された照明条件および撮像タイミングに従い、照明駆動部20aを介して必要なLED点光源21を点灯させて、算出した撮像タイミングで撮像するように、撮像駆動部30aを介して撮像部30を制御する。
仮撮像画像処理部57は、仮撮像制御部56による制御下で仮撮像により得られた対象物Wの画像に対して2値化、パターンマッチング等の画像処理を施し、対象物Wの搬送路13内の位置およびサイズの情報を取得する。対象物Wの位置は、対象物Wの中心の位置を求める。
本撮像条件算出部58は、仮撮像画像処理部57により得られた対象物Wの位置およびサイズ、ならびに仮撮像の撮像タイミング、搬送速度などに基づいて、本撮像での撮像部30の撮像タイミングと、照明部20の照明条件を算出する。照明条件は、照明パターン25の形状およびその位置の情報を含む。
本撮像の撮像タイミングは、仮撮像を行った位置と本撮像が想定されている位置との距離を搬送速度で割ることにより算出することができる。また、照明パターン25は、対象物Wの形状・サイズに基づいて、最適な形状・サイズを有するものに決定する。例えば、平面視円形のハムが検査対象物Wである場合、照明パターン25は、ハムの外径よりも大きい径の円形リング状にしてもよい。照明パターン25の位置(円形リングの中心位置)は、仮撮像時の対象物Wの位置、搬送速度、本撮像の撮像タイミングなどに基づいて算出することができる。
照明パターン25は、照明部20から照射される光が検査対象物Wの表面で正反射して撮像部30のカメラ31に入射しないように決定するのが好ましい。照明パターン25が上記のような円形リングで、その径が検査対象物Wのサイズより大きい場合には、検査対象物Wの表面で正反射した光がカメラ31に入射しにくいので、ハレーションも発生し難く、好ましい。
本撮像制御部59は、本撮像条件算出部58により決定された照明条件および撮像タイミングに従い、照明駆動部20aを介して必要なLED点光源21を点灯させて、算出した撮像タイミングで撮像するように撮像駆動部30aを介して撮像部30を制御する。
本撮像画像処理部60は、本撮像により得られた画像に対して外観検査用の画像処理を施し、検査対象物Wの形状、配置、個数、色合いなどの外観情報を取得する。
判定部61は、本撮像画像処理部60により得られた検査対象物Wの外観情報に基づいて、検査対象物Wの外観の良否を判定する。なお、本実施形態の本撮像画像処理部60と判定部61が、本発明の検査部40に対応する。
例えば、複数枚のハムが包装されたものが検査対象物Wの場合、ハムの形状は正常か、ハムに穴が開いていないか、包装内でハムがずれていないか、ハムが部分的にめくれていないか、燻製により形成されるスモークが表皮以外に存在しないか、脂肪分が多すぎないか、などの観点から良否を判定する。
図4は、制御部50のハードウェア構成図である。図4に示すように、制御部50は、CPU51、ROM52、RAM53、入出力インタフェース54などを備えている。制御部50は外部記憶装置を備えていてもよい。制御部50の上記各種機能は、ROM52などの記憶装置に記憶された各種処理プログラムをCPU51で実行することにより実現されるようになっている。
外観検査装置1は、制御部50により得られた検査結果等を表示する表示部70と、制御部50への各種パラメータ等の設定入力を行う操作部72とをさらに備えている。
表示部70は、平面ディスプレイ等から構成されており、ユーザに対する表示出力を行うようになっている。この表示部70は、検査対象物Wの外観の良否判定結果を「OK」や「NG」等の文字又は記号で表示するとともに、総検査数、良品数、NG総数などの検査結果を、既定設定として、又は、操作部72からの所定のキー操作による要求に基づいて表示するようになっている。
操作部72は、ユーザが操作する複数のキーやスイッチ等で構成され、制御部50への各種パラメータ等の設定入力や動作モードの選択等を行うものである。なお、表示部70と操作部72とを、タッチパネル式表示器として一体構成してもよい。
また、本実施形態に係る外観検査装置1は検査対象物Wに対する照明条件を常に最適にするために、少なくとも検査領域13bには覆いが設けられ、照明部20以外の外部からの光を遮断するようにしている。
また、本実施形態に係る外観検査装置1は、1種類の検査対象物Wが順次搬送されてくる場合だけでなく、複数種類の検査対象物Wが順に、或いは順不同に搬送されてくる場合にも対応できる。例えば、仮撮像により得られた撮像画像を画像処理することにより、検査対象物Wの形状、サイズ等の情報を取得することにより、検査対象物Wの種類を判別することができる。判別した検査対象物Wの種類に応じて検査項目を変更するようにしてもよい。
図5は、搬送位置のバラツキに対応して照明パターン25の位置を変更する様子を示す説明図である。図5(a)は、検査対象物Wが搬送ベルト11の幅方向(x軸方向)の一端(同図上側)寄りに搬送される場合を示し、図5(b)は、検査対象物Wが搬送ベルト11の幅方向(x軸方向)の他端(同図下側)寄りに搬送される場合を示す。図中、第1の位置P(x,y)およびP'(x',y')は、それぞれ通過検知部80により検査対象物Wの通過が検知された時の搬送位置であり、第2の位置P(x,y)およびP'(x',y')は、それぞれ仮撮像時の搬送位置であり、第3の位置P(x,y)およびP'(x',y')は、本撮像時の検査対象物Wの搬送位置であり、かつ照明パターン25の中心位置である。
検査対象物Wの搬送中は、x軸位置は同じであり、x=x=xであり(図5(a))、x'=x'=x'である(図5(b))。仮撮像のタイミングtは、第1の位置Pと第2の位置Pとの距離を搬送速度で割ることにより算出される。ここで、仮撮像のタイミングtとは、通過検知位置Pでの時刻tを基準とし、基準の時刻tからの経過時間としてもよい。仮撮像時の搬送位置Pは、仮撮像から本撮像まで条件等の算出時間が必要となるので、照明部20の下に入った直後のところに設定されるのが好ましい。本撮像時の搬送位置Pは、照明部20を出る直前のところに設定されるようにしてもよい。本撮像のタイミングtは、仮撮像時の搬送位置Pと本撮像時の搬送位置Pとの距離を搬送速度で割ることにより算出される。
図5(a)および図5(b)に示すように、検査対象物Wのx軸方向の搬送位置xが検査対象物Wごとに変動しても、本撮像では、検査対象物Wの中心位置とリング状の照明パターン25の中心位置とが常に一致するように制御される。これにより、搬送位置のバラツキによらず、常に検査対象物の真上から照明を当てることができる。これにより、検査対象物の搬送位置のバラツキによらず、常に同じ最適な撮影条件で検査対象物を撮像することができるので、誤検査を低減することができる。
図6は、照明部20から照射された光が検査対象物Wの表面で正反射する様子を示す説明図である。図6は、円形の照明部20の中央にリング状の照明パターン25が形成され、この照明パターン25が検査対象物Wの真上に位置している場合を示す。照明パターン25の径は検査対象物Wのサイズよりも大きく設定されている。撮像部30のカメラ31は照明部20の孔24の上側に取り付けられている。図6に示す配置の場合、照明パターン25から照射されて検査対象物Wの上面で正反射した光は、いずれも照明部20の孔24に入らないようになっている。したがって、このような円形リング状の照明パターン25では、検査対象物Wにおける照明光の正反射によるハレーションが生じにくくなっている。
本実施形態では、撮像部30による仮撮像により得られた検査対象物Wの画像を基に検査対象物Wの中心の搬送位置および検査対象物Wのサイズを検出し、検出した位置およびサイズを基に照明部20による検査対象物Wでの所要照度は確保しつつ照明部20から照射される光が検査対象物Wの表面で正反射して撮像部30のカメラ31に入射する光量を抑制するように、LED点光源21の選定を行うようにするとよい。
具体的には、図6に示すように、円板状の照明部20の中心に照明パターン25の中心があり、検査対象物Wの中心が照明部20の中心に一致する場合を基準に考える。この場合には、検査対象物Wと撮像部30のカメラ31と照明部20との位置関係より、検査対象物Wの上面の所要照度は確保しつつ、照明部20から照射される光が検査対象物Wの表面で正反射して撮像部30のカメラ31に入射する光量を抑制するように、リング状照明パターン25のリング径を設定するとよい。図6の場合には、照明パターン25のリング径は、検査対象部Wのサイズより大きくするとよい。
照明パターン25の中心が照明部20の中心と一致しない場合には、例えば、本撮像するタイミングを少し遅らせるか早めることにより、撮像部30のカメラ31と照明部20の照明パターン25および検査対象物Wとの位置関係が変化し、それにより検査対象物Wの表面で正反射してカメラに入射する照明光の光量が変わる。よって、撮像タイミングを最適なものに調整することにより、検査対象物Wの表面で正反射してカメラ31に入る光量を抑制できるので、ハレーションの発生を抑制することができる。
また、リング状の照明部20のリング径Dおよびリング幅Lを変えることにより、検査対象物Wの表面での所要照度は確保しつつ、照明部20から照射される光が検査対象物Wの表面で正反射して撮像部30のカメラ31に入射する光量を抑制するように照明パターン25を設定するようにしてもよい。
次に、外観検査方法を説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る外観検査装置1を用いて行う外観検査方法のフローチャートである。
まず、外観検査の検査対象物Wを搬送ベルト11上に載せて搬送を開始する(ステップS1)。
次に、通過検知部80により検査対象物Wの通過を検知したか否か判定する(ステップS2)。検査対象物Wの通過が検知されていなければ(Noの場合)、ステップS2に戻って判定を繰り返す。検査対象物Wの通過が検知されたならば(Yesの場合)、ステップS3に進む。
次に、仮撮像条件算出部55により、検査対象物Wの通過時刻と搬送ベルト11の搬送速度に基づいて、仮撮像での撮像部30の撮像タイミングと、照明部20の照明条件を決定する(ステップS3)。
次に、仮撮像制御部56により、決定した照明条件で照明部20を作動させて検査対象物Wに照明を当てる(ステップS4)。このとき、照明部20のすべてのLED点光源21を点灯させてもよい。この場合には、ステップS3で、照明条件を決定する必要はない。
次に、仮撮像制御部56により、決定した撮像タイミングで撮像部30を作動させて仮撮像画像を取得する(ステップS5)。
次に、仮撮像画像処理部57により、仮撮像により得られた画像に対して2値化、パターンマッチング等の画像処理を施し、検査対象物Wの搬送位置、サイズの情報を取得する(ステップS6)。
次に、本撮像条件算出部58により、仮撮像の撮像タイミング、搬送速度、検査対象物Wの搬送位置、サイズなどに基づいて、本撮像での撮像部30の撮像タイミングと、照明部20の照明条件を決定する(ステップS7)。照明条件は、照明パターンおよびその位置の情報を含む。
次に、本撮像制御部59により、決定した照明条件で照明部20を作動させて照明パターン25により検査対象物Wに照明を当てる(ステップS8)。
次に、本撮像制御部59により、決定した撮像タイミングで撮像部30を作動させて本撮像画像を取得する(ステップS9)。
次いで、本撮像画像処理部60により、本撮像により得られた画像に対して各種画像処理を施し、検査対象物Wの形状、配置、個数などの外観情報を取得する(ステップS10)。
次いで、判定部61により、本撮像画像処理部60により得られた検査対象物Wの外観情報に基づいて、検査対象物Wの外観の良否を判定する(ステップS10)。
次いで、外観検査の結果を表示部70および選別部74に出力する。選別部74では、外観検査により良品であると判定されたもの、或いは不良品であると判定されたものが選別されるようになっている。
次に、作用・効果について説明する。
上述のように、本実施形態に係る外観検査装置1は、撮像部30による仮撮像で得られた検査対象物Wの画像を基に検出された検査対象物Wの搬送位置に基づいて、使用するLED点光源21を選定して本撮像を行うようになっている。この構成により、仮撮像により検出した検査対象物Wの搬送位置に応じて、照明位置などの照明条件を変更して検査対象物Wの本撮像を行うことができるので、検査対象物Wの搬送位置のバラツキによらず、常に同じ最適な撮影条件で検査対象物Wを撮像することができる。これにより誤検査を低減することができる。
また、上述したように、本実施形態に係る外観検査装置1は、撮像部30による仮撮像により得られた検査対象物Wの画像を基に検査対象物Wの中心の搬送位置を検出し、本撮像時において、検査対象物Wの中心の搬送路内位置と、選定したLED点光源21により画定される照明パターン25の中心の搬送路内位置とを一致させるようにしている。この構成により、本撮像時において、常に検査対象物Wの真上から照明を当てることができる。これにより、検査対象物Wの搬送位置のバラツキによらず、常に同じ最適な撮影条件で検査対象物Wを撮像することができるので、誤検査を低減することができる。
また、本実施形態に係る外観検査装置1は、撮像部30による仮撮像により得られた検査対象物Wの画像を基に検査対象物Wの中心の搬送位置および検査対象物Wのサイズを検出し、検出した位置およびサイズを基に照明部20による検査対象物Wでの所要照度は確保しつつ照明部20から照射される光が検査対象物Wの表面で正反射して撮像部30のカメラ31に入射する光量を抑制するように、LED点光源21の選定を行うようにしている。この構成により、照明部20から照射される光が検査対象物Wの表面で正反射して撮像部30のカメラ31に入射する光量を抑制するように、LED点光源21の選定が行われているので、ハレーションが生じにくい。これにより、検査対象物Wの搬送位置のバラツキによらず、常に同じ最適な撮影条件で検査対象物Wを撮像することができるので、誤検査を低減することができる。
また、本実施形態に係る外観検査装置1は、搬送路内の検査対象物Wの通過を検知する通過検知部80を備え、通過検知部80による検査対象物の通過の検知に基づいて撮像部30による仮撮像および本撮像の撮像タイミングを制御するようになっている。この構成により、仮撮像および本撮像のタイミングを正確に算出することができる。これにより、検査対象物Wの搬送位置のバラツキによらず、最適なタイミングで検査対象物Wを撮像することができるので、誤検査を低減することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る外観検査装置について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る外観検査装置は、通過検知部80の機能を撮像部30および制御部50が担っている点で、通過検知部80を用いて検査対象物Wの通過を検知している第1の実施形態と異なっている。その他の構成は第1の実施形態と同一であり、同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る外観検査装置の要部説明図である。本実施形態に係る外観検査装置は、検査対象物Wが撮像部30のカメラ視野に入った時に撮像部30による仮撮像を行う構成である。
具体的には、矩形板状の照明部20'のすべてのLED点光源21を点灯させた状態で、撮像部30により常に撮像している状態にしておくか、定期的に撮像するようにする。そして、定期的に、撮像部30により撮像された画像に画像処理を施し、検査対象物Wがカメラ視野に入ってきたか否かを監視しておく。
検査対象物Wがカメラ視野に入ってきたことを検知すると、仮撮像を行う。仮撮像により得られた画像に対して画像処理を施すことにより、検査対象物Wの中心の搬送位置P(x,y)を算出する。
次いで、本撮像で用いられる照明パターン25の中心座標P(x,y)、および本撮像の撮像タイミングを算出する。本撮像では算出した座標P(x,y)を中心位置とする照明パターンを点灯して算出した撮像タイミングで撮像を行う。このようにして、本撮像時に、検査対象物Wの搬送位置と照明パターン25の中心位置とが一致した状態で、検査対象物Wの真上から照明を当てることができるので、検査対象物Wの搬送位置のバラツキによらず、最適なタイミングで検査対象物Wを撮像することができるので、誤検査を低減することができる。
また、検査対象物Wの通過を検知する通過検知部を別途設ける必要がなく、コンパクトな外観検査装置を実現できる。
以上説明したように、本発明は検査対象物の搬送位置のバラツキによらず、常に同じ最適な撮影条件で検査対象物を撮像することで誤検査を低減することができるという効果を有し、外観検査装置および外観検査方法の全般に有用である。
1 外観検査装置
10 搬送部
11 搬送ベルト
12 搬送ローラ
20 照明部
21 LED点光源
22 LEDアレイ
30 撮像部
31 カメラ
40 検査部
50 制御部
70 表示部
72 操作部
74 選別部
80 通過検知部
W 検査対象物

Claims (6)

  1. 検査対象物(W)を搬送する搬送部(10)と、
    前記搬送部により搬送されている前記検査対象物に光を照射する複数の光源が平面状に配列された照明部(20)と、
    前記照明部により光が照射された前記検査対象物を撮像する撮像部(30)と、
    前記撮像部による1回目の撮像により得られた前記検査対象物の画像を基に前記検査対象物の少なくとも中心の搬送路内の幅方向の位置を検出する仮撮像画像処理部(57)と、検出した該幅方向の位置の情報に基づいて前記複数の光源からリング状の照明パターンを画定するよう選定する本撮像条件算出部(58)と、選定した光源による照明下で前記撮像部により前記検査対象物の2回目の撮像を行い外観検査用の画像を取得する本撮像制御部(59)と、を有する制御部(50)とを備え、
    前記制御部は、前記外観検査用の画像を基に前記検査対象物の外観検査を行う検査部(40)を備えたことを特徴とする外観検査装置(1)。
  2. 前記照明部は、前記複数の光源が一の平面状に配列されたものであり、
    前記制御部は、前記撮像部による1回目の撮像および2回目の撮像ともに、前記照明部の照明下において、前記搬送部により搬送されている前記検査対象物の中心の搬送路内の幅方向の位置と、前記リング状の照明パターンの中心の搬送路内の幅方向の位置とを一致させて、前記照明部の孔(24)の上に配置されたカメラ(31)により行わせることを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
  3. 前記仮撮像画像処理部は、前記撮像部による1回目の撮像により得られた前記検査対象物の画像を基に前記検査対象物のサイズも検出し、
    前記本撮像条件算出部はさらに、前記仮撮像画像処理部が検出した前記検査対象物の中心の搬送路内の幅方向の位置および該検査対象物のサイズを基に前記照明部による前記検査対象物での所要照度は確保しつつ前記照明部から照射される光が前記検査対象物の表面で正反射して前記撮像部のカメラに入射する光量を抑制するように、前記光源の照明条件を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の外観検査装置。
  4. 前記搬送路内で前記検査対象物の通過を検知する通過検知部(80)をさらに備え、
    前記制御部は、前記通過検知部による前記検査対象物の通過の検知に基づいて前記撮像部による前記1回目の撮像タイミングを制御する仮撮像条件算出部(56)をさらに備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の外観検査装置。
  5. 前記制御部は、前記検査対象物が前記撮像部のカメラ視野に入った時に前記撮像部による1回目の撮像を行うことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の外観検査装置。
  6. 検査対象物を搬送する搬送ステップ(S1)と、
    前記搬送ステップにおいて搬送されている前記検査対象物に、複数の光源が平面状に配列された照明部から光を照射する照明ステップ(S4、S8)と、
    前記照明ステップにおいて光が照射された前記検査対象物を2回撮像する撮像ステップ(S5、S9)と、
    1回目の撮像ステップ(S5)において得られた前記検査対象物の画像を基に前記検査対象物の少なくとも中心の搬送路内の幅方向の位置を検出するステップ(S6)と、
    2回目の撮像ステップ(S9)の前に前記検査対象物の中心の搬送路内の幅方向の位置に基づいて前記複数の光源から該2回目の撮像のためにリング状の照明パターンを画定するよう作動させる光源を選定するステップ(S7)と、
    前記2回目の撮像ステップにおいて取得された前記検査対象物の画像を基に外観検査を行う検査ステップ(S10)と、
    を備えたことを特徴とする外観検査方法。
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