JP7475464B2 - スライス動作のシーケンス中にワイヤソーによって被加工物から複数のウェハをスライスする方法 - Google Patents

スライス動作のシーケンス中にワイヤソーによって被加工物から複数のウェハをスライスする方法 Download PDF

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Description

本発明は、スライス動作のシーケンス中にワイヤソーによって被加工物から複数のウェハをスライスする方法であって、ワイヤソーは、ソーイングワイヤの可動ワイヤセクションのワイヤウェブと、設定装置とを備え、ワイヤウェブは、2つのワイヤガイドローラ間の平面に張り渡され、2つのワイヤガイドローラの各々は、固定軸受と可動軸受との間に取り付けられている、方法に関する。
先行技術
ある材料からなる薄い均一なウェハが必要とされる用途は多数ある。それぞれの表側および裏側の均一性および平面平行度の点で特に厳しい要求にさらされるウェハの一例は、マイクロエレクトロニクス部品の作製のための基板として使用される半導体ウェハである。
ワイヤソーによってウェハをスライスしている間、複数のウェハが被加工物から同時にスライスされる。このために、ソーイングワイヤは、少なくとも2つのワイヤガイドローラの周囲に螺旋状に誘導され、これは、保持棒に接着された切断対象の被加工物に面する2つの隣接するワイヤガイドローラの側に、互いに平行に延在するソーイングワイヤセクションからなるワイヤウェブが張り渡されるように行われる。ワイヤガイドローラは、直線円柱の形状を有しており、これらの円柱の軸は、互いに平行に配置されており、ワイヤガイドローラの円柱面は、環状に閉じた溝を備えた、耐摩耗性材料からなるカバーを有しており、これらの環状に閉じた溝は、ワイヤガイドローラ軸に垂直な平面に延在してソーイングワイヤを誘導する。
ワイヤガイドローラをそれらの円柱軸を中心として同一方向に回転させることにより、被加工物に対してワイヤウェブのワイヤセクションが移動し、研磨剤の存在下で被加工物とワイヤウェブとが接触することによって、ワイヤセクションは材料の除去を行う。被加工物の送りを続けることにより、ワイヤセクションは、被加工物に切断カーフを形成し、全てのワイヤセクションが保持棒で停止するまで被加工物を処理する。このとき、被加工物は、複数の均一なウェハに切断されており、これらのウェハは、接着線によって、櫛の歯のように保持棒からぶら下がっている。ワイヤソーおよびワイヤソーイング方法は、たとえばDE 10 2016 211 883 A1またはDE 10 2013 219 468 A1から公知である。
ワイヤソーイングは、ラップスライスまたは研削スライスによって実現され得る。
ラップスライスでは、液体分散媒における硬質物質のスラリの形態の作動流体が、ワイヤ表面と被加工物との間に形成された作業空間に供給される。ラップスライスの場合、材料の除去は、ツールキャリア(ソーイングワイヤ)とツール(研磨剤)と被加工物との間の三者間の相互作用によって実現される。
研削スライスでは、使用されるソーイングワイヤがその表面に硬質物質をしっかりと組み込んでおり、供給される作動流体自体は、いかなる研磨物質も含んでおらず、冷却潤滑剤の役割を果たす。研削スライスの場合、材料の除去は、ダイヤモンドコーティングされたソーイングワイヤの形態のツールと被加工物との間の二者間の相互作用によって行われる。
ソーイングワイヤは、一般に、たとえば過共晶パーライト鋼からなるピアノ線である。ラップスライスの場合、硬質物質はたとえば炭化ケイ素(SiC)で構成されており、研削スライスの場合、それらは、たとえば、ニッケルもしくは合成樹脂接着によって、または巻き込まれることによってワイヤ表面に形状適合的および圧力適合的に接着されるダイヤモンドで構成されている。ラップスライスの場合、スラリの分散媒はたとえば油またはグリコールであり、研削スライスの場合、冷却潤滑剤はたとえば湿潤剤または粘度調整添加剤を添加した水である。
ラップスライスの場合、使用されるソーイングワイヤは、プレーンなものまたは構造化されたものであり、研削スライスの場合、プレーンなソーイングワイヤのみが使用される。プレーンなソーイングワイヤは、ワイヤ長に対応する高さを有する円柱形状を有している。構造化されたソーイングワイヤは、その全長にわたって、長手方向ワイヤ方向に垂直な方向に複数の突出部および窪み部が設けられたプレーンなワイヤである。ラップスライスのためのプレーンなソーイングワイヤの一例は、WO 13 053 622 A1によって記載されており、ラップスライスのための構造化されたソーイングワイヤの一例は、US 9 610 641によって記載されており、研削スライスのためのダイヤモンドカバーを有するプレーンなソーイングワイヤの一例は、US 7 926 478によって記載されている。
ワイヤソーイングによる複数のウェハのスライスは、ワイヤの単一方向移動または往復移動によって実現され得る。単一方向ワイヤ移動で動作する場合、ソーイングワイヤは、スライス動作の期間全体にわたって長手方向ワイヤ方向に未使用ソーイングワイヤの第1のストックから使用済みソーイングワイヤの第2のストックまで移動させられる。往復(二方向)ワイヤ移動によるワイヤソーイングの場合、ソーイングワイヤは、スライス動作中に、少なくとも一対の方向反転によって移動させられ、一対の方向反転は、第1の長手方向ワイヤ方向における第1の長さのソーイングワイヤの第1の移動と、第1の方向とは正反対の第2の方向における第2の長さのソーイングワイヤの第2の移動とを含む。
特に、ワイヤの往復移動によるワイヤソーイングは、このような複数対のワイヤ方向反転を含み得て、第1の長さは、第2の長さよりも大きいように選択され、その結果、概して、ストックがスライス動作中に未使用ソーイングワイヤの第1のストックから使用済みソーイングワイヤの第2のストックまで移動する。後者のワイヤソーイング方法は、ピルグリムモードスライスまたはワイヤ往復移動スライスと称される。
第1および第2のストックは、一般に、それぞれその目的で想定されたスプールにおよびスプールから巻き付けられる。往復移動ワイヤソーイングの場合、ソーイングワイヤは、第1の長手方向ワイヤ方向における第1の移動中に、第1の引張力でワイヤウェブに供給され得て、第1の引張力は、ソーイングワイヤが未使用ソーイングワイヤのためのスプールに巻き付けられる第2の引張力とは異なっており、ワイヤは、ワイヤウェブを通過した後、第1の引張力とは異なる第3の引張力で使用済みソーイングワイヤのためのスプールに供給され得る。ソーイングワイヤが未使用ソーイングワイヤのためのスプールに巻き付けられる第2の引張力、および、ソーイングワイヤが使用済みソーイングワイヤのためのスプールに巻き付けられる第3の引張力は、一般に、ソーイングワイヤがワイヤウェブに供給される第1の引張力よりも低い。このアプローチは、引張力低減とも称される。スプールへのソーイングワイヤの巻き付け張力を低くすることにより、ソーイングワイヤがスプール巻線に突っ込んで、ロックされて、その結果ワイヤ破断を生じさせることを防止する。
また、往復移動ワイヤソーイングは、第1の長さの第1の方向における第1の移動中に、未使用ソーイングワイヤが長手方向ワイヤ方向に第1の引張力でワイヤウェブに供給され、第2の長さの第2の方向における第2の移動中に、使用済みソーイングワイヤが長手方向ワイヤ方向にさらなる引張力でワイヤウェブに供給され、さらなる引張力が第1の引張力よりも低いように選択される、ように行われ得る。これはワイヤ破断を抑制する。なぜなら、摩耗の結果として細くなっている使用済みソーイングワイヤの最大引張力が、太い未使用ソーイングワイヤの最大引張力よりも低いからである。
慣例的なワイヤソーイングでは、ワイヤガイドローラの各々は、いずれの場合にもその一方の端面の近傍に、マシンのフレームにしっかりと接合された、固定軸受と呼ばれる軸受を備えており、反対側の端面の近傍に、マシンのフレームに対してワイヤガイドローラの軸方向に移動可能な、可動軸受と呼ばれる軸受を備えている。
特にワイヤウェブと被加工物との間の最初の接触時に、言い換えればソー係合(切り込み)時に、機械的および熱的負荷の突然の切り換えがある。ワイヤウェブおよび被加工物の互いに対する配置は変化し、ワイヤガイドローラ軸の方向におけるこの変化の成分は、隣接するウェハの表側および裏側によって形成される側面である切断カーフが、ワイヤガイドローラ軸に垂直にそれらの平面から逸脱することによって、ウェハが波状になることを意味する。波状のウェハは、要求の厳しい用途には不適当である。
スライス動作中のワイヤウェブおよび被加工物の互いに対する配置の変化を抑制すること、したがってスライス動作によって得られるウェハの主面の平面平行度を向上させることを目的とした公知の方法がある。
US 5 377 568には、ワイヤガイドローラの外部であって、可動軸受の端面に平行に、可動軸受の端面の近傍に位置する基準面の位置が、マシンのフレームに対して測定され、測定された基準面の位置変化が再び補償されるまでワイヤガイドローラ内部の温度制御によってワイヤガイドローラの長さの熱的増加または減少を生じさせる、方法が開示されている。
JP 2003 145 406 A2には、渦電流センサがワイヤガイドローラの外部のある地点の位置を測定し、この位置測定に従って、ワイヤガイドローラ内部の温度を制御する冷却水の温度を変化させる、方法が開示されている。
KR 101 340199 B1には、各々が中空のシャフト上に回転可能に取り付けられたワイヤガイドローラを使用し、この中空のシャフトは、複数のセクションにおいてさまざまな温度に加熱または冷却されることができるため、軸方向にセクションごとに膨張させたり収縮させたりすることができる、方法が開示されている。その結果、少なくともいくつかの部分では、ワイヤガイドローラの長さは、軸方向に非線形に(不均一に)変更される。
US 2012/0240915 A1には、ワイヤガイドローラを使用し、その内部とワイヤガイドローラを回転可能に支える軸受のうちの1つとが、冷却流体によって互いに独立して温度制御される、方法が開示されている。
WO 2013/079683 A1には、まず第一にワイヤガイドローラ軸受のさまざまな温度についてもたらされるウェハの形状が測定され、これらの形状の各々がそれぞれに関連付けられた軸受温度とともに保存され、次いで、下流のステップにおいて、選択される軸受温度が所望のターゲット形状にベストマッチする軸受温度である、方法が開示されている。
JP 11 165 251 Aには、被加工物軸の方向におけるワイヤウェブのワイヤセクションの撓みがたとえば光学的に(CCDライン)検出され、それに対応して、被加工物がたとえば圧電設定要素によって軸方向に変位される、方法が開示されている。
US 5 875 770には、1回の切断のウェハの形状が測定され、ウェハの所望の理想的な形状に対する差異を形成することによって、切断深さに依存する補正曲線が計算され、次の切断において、被加工物がスライス動作中にこの補正曲線に従ってワイヤウェブに対して軸方向に変位される、方法が開示されている。
これらの公知の方法の共通の欠点は、多くの問題、たとえばスライス動作中のウェハ形状の自発的な突然の変化の発生、ずれに対応する、スライス動作によって異なるウェハ形状の発生、および特に被加工物への切り込み局面での熱的および機械的負荷の切り換えの影響、を考慮に入れていないことである。
本発明の目的は、形状がターゲット形状にできる限り近づくウェハにアクセスできるようにこれらの問題に対処することである。
この目的は、スライス動作のシーケンス中にワイヤソーによって被加工物から複数のウェハをスライスする方法によって達成され、上記スライス動作のシーケンスは、初期切断と、その後の第1および第2の切断とに細分され、上記ワイヤソーは、ソーイングワイヤの可動ワイヤセクションのワイヤウェブと、設定装置とを備え、上記ワイヤウェブは、2つのワイヤガイドローラ間の平面に張り渡され、上記2つのワイヤガイドローラの各々は、固定軸受と可動軸受との間に取り付けられており、上記方法は、
各上記スライス動作中に、上記設定装置によって、作動流体と上記被加工物に対して研磨するように作用する硬質物質とが存在する状態で、被加工物軸に垂直であって上記ワイヤウェブの上記平面に垂直な送り方向に沿って、上記ワイヤウェブを通過するようにそれぞれの上記被加工物を送るステップを備え、上記送るステップは、
各上記スライス動作中に、上記2つのワイヤガイドローラの上記可動軸受を振動軸方向移動させるステップと、
補正プロファイルの要求に従った設定要素による上記被加工物軸に沿った上記被加工物の同時変位とともに上記ワイヤウェブを通過するように上記被加工物を送るステップとを備え、上記補正プロファイルは、上記可動軸受の上記軸方向移動が上記スライスされたウェハの形状に対して及ぼす影響とは逆の振動成分を含む。
本発明の方法に従って被加工物からスライスされたウェハは、被加工物およびワイヤウェブの互いに対する軸方向移動の影響をほぼ全面的に受けない。その結果、基準ウェハからのこのようなウェハの形状の逸脱は最小化される。
したがって、本発明は、好ましくは半導体ウェハの製造に利用され、より特定的には単結晶シリコンからなるウェハの製造に利用される。
被加工物軸に沿って被加工物を変位させるための設定要素は、圧電的に、液圧的に、空気圧的に、電気機械的に、または熱的に、すなわち熱膨張を利用して動作し得る。制御された圧電機械的設定要素を使用することが優先される。なぜなら、それは、圧電アクチュエータ技術と位置センサ技術とを備える閉ループ制御によって、要求に従って負荷無しかつクリープ無しの位置決めを可能にするからであり、数マイクロメートルの関連する位置決め範囲内で制御が特に正確かつ確実であるからである。
可動軸受の振動軸方向移動は、冷却流体を平均温度に対して冷却および加熱の複数対の切り換えにさらすことによって冷却流体によって固定軸受を温度制御することによってもたらされ得る。また、代替的に、可動軸受の振動軸方向移動は、固定軸受と係合し、圧電的に、液圧的に、空気圧的に、または電気機械的に動作するさらなる設定要素によってもたらされてもよい。
このように固定軸受の温度を制御することにより、固定軸受、したがってワイヤガイドローラの軸方向におけるそれらの構成要素が収縮または膨張し、その結果、可動軸受が軸方向に変位し、したがってワイヤガイドローラが被加工物に対して変位する。固定軸受冷却および固定軸受加熱の対で構成される切り換えは、固定軸受の冷却流体回路に対して影響を及ぼすことによって実現される。時間の点で、これらの切り換えは、一方では、固定軸受温度制御の熱慣性のためにそれらが数マイクロメートルの可動軸受の移動を生じさせるほどにゆっくりと行われるが、他方では、被加工物がワイヤウェブを通過する間に、すなわちワイヤセクションの被加工物への切り込みから被加工物の直径に対応する総切断深さの到達までに、冷却および加熱で構成された少なくとも10回の切り換えがあるのに十分に素早く行われる。
冷却剤の温度は、平均温度に対して、要求された振幅で変更される。固定軸受温度制御の熱慣性のために、高温変化よりも低温変化でより多くの切り換えが可能である。したがって、温度と帯域幅との積には限界があり、この温度と帯域幅との積は、好ましくは0.025℃/分以上であって4℃/分以下になり、より好ましくは0.1℃/分以上であって1℃/分以下になる。温度と帯域幅との積は、温度変化の振幅と切り換えの時間間隔の逆数との積である。平均温度に対する温度変化の振幅は、好ましくは0.5℃以上であって10℃以下である。
スライス動作のシーケンスにおける各初期切断中に、被加工物は、好ましくは振動成分のみを含む補正プロファイルに従って、または、好ましくは振動成分と第1の形状プロファイルベースの成分とを含む補正プロファイルに従って軸方向に変位され、第1の形状プロファイルベースの成分は、第1の平均形状プロファイルと基準ウェハの形状プロファイルとの差に比例し、第1の平均形状プロファイルは、先行するスライス動作のシーケンスにおける1回または複数回の初期切断中にスライスされたウェハから決定される。
各々のその後の第1の切断中に、被加工物は、好ましくは振動成分と第2の形状プロファイルベースの成分とを含む補正プロファイルに従って軸方向に変位され、第2の形状プロファイルベースの成分は、第2の平均形状プロファイルと基準ウェハの形状プロファイルとの差に比例し、第2の平均形状プロファイルは、シーケンスにおける1回または複数回の初期切断中にスライスされたウェハから決定される。
各々のその後の第2の切断中に、被加工物は、好ましくは振動成分と第3の形状プロファイルベースの成分とを含む補正プロファイルに従って軸方向に変位され、第3の形状プロファイルベースの成分は、第3の平均形状プロファイルと基準ウェハの形状プロファイルとの差に比例し、第3の平均形状プロファイルは、シーケンスにおけるそれぞれのその後の第2の切断の直前の少なくとも1回~5回のスライス動作から生じるウェハから決定される。
第1、第2および第3の平均形状プロファイルの決定は、ウェハのウェハベースの選択に基づいて行われ得る。ウェハベースの選択の場合、スライス動作の特定のウェハが、平均化によってそれぞれの平均形状プロファイルを決定するのに利用され、他のものは除外される。たとえば、平均化のために検討されるウェハは、被加工物において特定の位置を有するウェハのみ、たとえば被加工物軸に沿って15番目から25番目ごとのウェハのみである。
ウェハベースの選択のための別の可能性は、全てのウェハの平均形状プロファイルからの形状プロファイルの最大逸脱および最小逸脱を有するウェハをスライス動作から除外するというものである(切り捨て平均と称される)。代替的可能性は、形状プロファイルがスライス動作からの全てのウェハの平均形状プロファイルから1~2シグマ以上逸脱しているウェハを平均化から除外するというものである。
その代わりに、第2および第3の平均形状プロファイルを決定することは、ウェハの切断ベースの選択に基づいて行われてもよい。切断ベースの選択の場合、少なくとも1回のスライス動作からのウェハは全て、さらなる平均形状プロファイルを決定するのに利用され、少なくとも1回の他のスライス動作からのウェハは全て、決定から除外される。
さらに、第2および第3の平均形状プロファイルの決定は、ウェハベースの選択および切断ベースの選択に基づいて行われてもよい。この場合、先行するスライス動作のうちの少なくとも1つが選択され、先行するスライス動作のうちの少なくとも1つが除外され、同時に、選択されたスライス動作からの特定のウェハがいずれの場合にも選択され、他のウェハがいずれの場合にも除外され、このように選択されたウェハ全体が平均化に利用される。
補正プロファイルの振動成分は、可動軸受の振動移動によって引き起こされるワイヤウェブおよび被加工物の互いに対する相対的位置変化を、量(振幅)および位置(切断深さ)の点で正確であって、振動成分なしの補正プロファイルを使用した場合に生成されるであろう形状プロファイルの短波変調を正確に補償する方法で、抑制する。
本発明の理解に役立つ定義、ならびに本発明をもたらした検討事項および観察結果については、本明細書の以下のセクションで扱う。
ウェハの表面は、主面と副面とで構成されている。主面は、ウェハの表側と裏側とを備える。ウェハの中心は、その重心である。ウェハは、一対のセンサ間のその回帰平面に沿ってそれを挿入することによって測定することができ、一対のセンサの接続線は、回帰平面に垂直に配置されており、各センサは、センサの接続線が主面を通過する地点である測定地点において、各センサに面するウェハ主面までの距離をそれぞれ求める。測定地点は、主面にわたって分散されていてもよく、またはウェハの直径に沿って位置していてもよい。それらが主面にわたって分散されている場合、測定はエリアベースの値をもたらす。測定地点が最も近くの隣接する測定地点まで同一距離を有する直径にわたって分散されている場合、測定結果は線ベースの値である。
回帰平面は、エリアベースの測定値から最小二乗法に従った回帰計算によって導き出される平面を示す。対応して、回帰線は、線ベースの測定値から最小二乗法に従った回帰計算によって導き出される直線である。
ウェハのエリアベースの厚みプロファイルは、測定値di=D-(FDi+BDi)が位置するエリアを指し、diは、測定位置iにおけるウェハの厚みであり、Dは、センサ間の距離であり、FDiは、ウェハの表側のそれぞれの測定地点からの上部センサの距離であり、BDiは、ウェハの裏側のそれぞれの測定地点からの下部センサの距離である。
ウェハのエリアベースの形状プロファイルは、測定値si=D-(FDi-BDi)が位置するエリアを指す。したがって、任意の厚みの任意の形状のウェハは、常に、そのエリアベースの厚みプロファイルおよびそのエリアベースの形状プロファイルによって十分に説明することができる。
以下、ウェハの形状プロファイル(形状、S)は、切断深さに沿って、言い換えれば送り方向にプロットされた線ベースの形状プロファイルを示す。切断深さにわたって分散された測定地点の数iは、好ましくは、可動軸受の振動移動の回数の2倍未満であるべきではなく、したがって、たとえば可動軸受の冷却および加熱で構成された切り換えの回数の2倍以上であるべきである。可動軸受の冷却および加熱で構成された切り換えの8倍以上であることが特に優先される。測定値は、補間によって補完されて連続曲線を形成することができる。
そりは、形状欠陥の特性の一例であり、回帰平面からのウェハの形状プロファイルの最大逸脱と最小逸脱との間の差を示す。波形は、ウェハの形状欠陥の特性の別の例である。切断深さの関数としての波形(線ベースの、切断深さに依存した波形)が特に興味深い。それは、形状プロファイルの測定地点と回帰線との間の距離の最大値を求めることによって、予め定められた長さの測定窓、すなわち波形の特徴的波長の範囲内で決定される。
測定窓の開始は、形状プロファイルの測定地点から測定地点に切断深さに沿って移動され、測定窓の各位置について、距離の最大値を求めることが繰り返される。このようにして確かめられる、それぞれに関連付けられた測定窓の位置に対してプロットされる最大値の量は、切断深さの関数としての波形のプロファイルを提供する。特徴的波長は、好ましくは2mm~50mmである。
被加工物への切り込みの領域および被加工物からの切り出しの領域における形状プロファイルは、熱的および機械的負荷の比較的急激な切り換えから決定される。
切断深さ(D.o.C.)は、被加工物への切り込みから被加工物からの切り出しまでの領域における、送り方向とは逆の長さを示す。
平均形状プロファイルは、2つまたはそれ以上のウェハの形状プロファイルを平均化することによって得られる形状プロファイルである。
形状逸脱は、ターゲット形状プロファイル、たとえば基準ウェハの形状プロファイルからの形状プロファイルまたは平均形状プロファイルの逸脱を示す。
基準ウェハは、規定の厚みプロファイルおよび形状プロファイルを有するウェハである。基準ウェハは、便宜上、測定値diおよびsiがそれぞれ対応する回帰線上に位置する厚みプロファイルおよび形状プロファイルを有する。代替的に、選択される基準ウェハは、これから逸脱する規定の形状プロファイルまたは規定の厚みプロファイルを有するウェハ、たとえばくさび形の厚みプロファイルを有するウェハ、または、一定の厚みおよび凸もしくは凹形状プロファイルを有するウェハであってもよい。このような種類の形状プロファイルは有利であり得る。なぜなら、それは、ウェハの表側にたとえばエピタキシャル層などの歪み層をその後適用することによって、またはたとえばウェハの裏側に酸化物層を適用することによって引き起こされる形状の変化を抑制することができるからである。
補正プロファイルは、設定要素によって被加工物とワイヤウェブとの間の相対的移動を生じさせるための指令を示し、設定要素は、補正プロファイルに従って被加工物軸に沿って被加工物を変位させる。スライス動作中の補正プロファイルの適用は、スライス動作中に得られるウェハの形状逸脱を最小化する目的を追求する。補正プロファイルのプロットは、切断深さの関数としての被加工物の変位経路Cを示す。
温度プロファイルは、ワイヤウェブの固定軸受の温度制御によって被加工物とワイヤウェブとの間の相対的移動を生じさせるための指令を示す。温度プロファイルのプロットは、切断深さの関数としての固定軸受温度制御のための冷却流体の温度Tを示す。
本発明は、直線円柱形シリコンインゴットを直径が300mmのウェハにラップスライスすることに関連する、以下で説明する観察結果に基づく。
測定されたウェハの形状プロファイルが、往々にして突然の急上昇およびピークの意味で不連続性を示す、ということが観察された。これらの急上昇の発生についての発明者の説明は、可動軸受では、スライス動作中の機械的および熱的負荷の切り換えのもとで、軸方向の圧縮または引張応力が蓄積され、軸方向における可動軸受の摺動によって静摩擦を突然上回ったときだけそれらの応力が放散される、というものである。これは、短い時間尺度内での、蓄積した軸受力の突然の解放を反映した、非常に短い切断深さの範囲内の高振幅を有する形状プロファイルの変化を生じさせる。
これらの急上昇は、自発的に発生し、時間的に、言い換えれば切断深さの関数として予測することはできず、特にスライス動作によって異なる。それらは、予測不可能であるので、補正プロファイルによって補償することができない。これらの形状逸脱は、ウェハが完全に機械加工されるまでずっと現れ、後者を要求の厳しい用途にとって不適当にする。この説明を支持する証拠は、形状プロファイルの自発的急上昇が観察される切断深さにおいて、厚みプロファイルが急上昇を持たない、という事実を備えていた。被加工物およびワイヤウェブの相対的位置の自発的変化は、それぞれの切断深さにおいてウェハの厚みを変化させるのではなく、その代わりにウェハの形状に関連するのみである。
また、たとえば固定軸受の冷却流体を加熱または冷却することによるワイヤガイドローラの固定軸受の意図的な加熱または冷却が、軸方向における固定軸受の膨張または収縮を生じさせ、そのため、それぞれ固定軸受から離れる方へのまたは固定軸受に向かう方への軸方向における可動軸受の変位を生じさせる、ということも観察された。
さらに、ウェハの形状プロファイルの自発的な急上昇は、可動軸受の軸方向位置を絶えず動作状態に維持することによって無くすことができる、ということが観察された。これについての発明者の説明は、連続的な軸受移動により静摩擦が蓄積されないため、可動軸受の軸方向位置が、軸受に作用する力を直接追従する、というものである。
したがって、たとえば設定点温度値の正弦波振動によって冷却流体の平均温度付近で固定軸受の温度制御の継続的な急激な切り換えを生じさせることが適切である。その結果、可動軸受は絶えず動作状態に維持たれ、静摩擦から摺動摩擦への突然の切り換えの結果としての可動軸受の位置の予測不可能な突然の変化(スティックスリップ)が抑制される。
さらに、被加工物およびワイヤウェブの相対的配置が、特に切り込み時、言い換えれば被加工物とワイヤウェブとの最初の接触時であるが、スライス動作全体にわたっても、熱的および機械的負荷の急激な切り換えにさらされる、ということが観察された。したがって、ソーイングワイヤが被加工物に切り込むときに、被加工物に対してなされる切断作業は、数キロワットの熱出力を被加工物、ワイヤガイドローラおよびそれらの軸受に伝達し、スライス動作中に、ワイヤガイドローラは、横断軸方向における約10kN(キロニュートン)の力による機械的負荷の切り換えにさらされる。
機械的負荷の切り換えは、ワイヤガイドローラをマシンのフレームに接続する軸受における摩擦を増加させる。第一に、軸方向負荷の増加による転がり要素の転がり摩擦の増加がある。第二に、無負荷状態でワイヤガイドローラが有する軸に対する軸受ブッシュの軸の傾斜による摩擦の増加がある。この傾斜は、軸受ブッシュが嵌められているスリーブ内で軸受ブッシュを屈曲させ、このスリーブは、マシンのフレームに接続されている。この屈曲作業は、軸受ブッシュとスリーブとの間の移行部における加熱を生じさせる。
特に、切り込みまたは切り出し時の負荷切り換えは、可動軸受の傾斜、ティッピングまたはロックアップを生じさせ、これは、静摩擦から摺動摩擦への移行とともに、比較的大きな振幅を有する可動軸受の軸方向位置において突然の急上昇を引き起こす。
これらの観察結果は、スライス動作自体によって引き起こされる急激な負荷切り換え時、特に切り込みおよび切り出し時の特に高い負荷切り換え時でさえ、軸方向可動軸受位置を動作状態に維持し続けることを確実に保証するために、固定軸受の温度制御の切り換え速度をできるだけ速くすべきであることも意味している。それにもかかわらず、固定軸受がその温度を変化させ得る速度には制限が課されており、これらの制限は、特に、関与する熱質量、冷却流体が固定軸受アセンブリの要素上を通過するときの熱抵抗、および冷却流体自体を一次側で加熱または冷却することができる速度によって課される。
また、可動軸受を動作状態に維持し続けることは、冷却および加熱を含む周期的な切り換えにより固定軸受を温度制御すること以外の手段によって、たとえば固定軸受と係合し、圧電的に、液圧的に、空気圧的に、または電気機械的に動作する設定要素によって、より特定的には音声コイルアクチュエータによっても実現することができる。この場合、負荷切り換えによって引き起こされる固定軸受加熱のみができる限り補償されるように固定軸受の温度を制御することが有用である。
可動軸受の振動軸方向移動は、得られるウェハの形状プロファイルに対して、軸受移動に比例する形状成分を課す。その結果、可動軸受の振動軸方向移動が開始された切断深さにおいて、形状プロファイルは、対応する突出部および窪み部を示す。
この影響を無くすために、可動軸受の振動移動をできる限り正確に補償する補正プロファイルに従って被加工物の軸方向変位を生じさせることが提案される。それに応じて、ワイヤウェブおよび被加工物の互いに対する相対的位置は、変化のないまま保持される。温度変化の結果としての長さの変化は、関与する質量の熱慣性に鑑みてある時間遅延で発生するのに対して、たとえば圧電アクチュエータなどの設定要素による変位はすぐに発生するので、この補償は、好ましくは対応する遅延で被加工物の軸方向変位を引き起こすことによって実現される。
互いに近い被加工物軸上の位置を有するウェハの厚みプロファイルおよび形状プロファイルは、互いにわずかに異なっているのみである。互いに離れている被加工物軸上の位置を有するウェハの厚みプロファイルは、実際に類似しているが、このようなウェハの形状プロファイルは、かなり異なっている。その結果、被加工物の各ウェハの形状プロファイルをターゲット形状プロファイルに同じ成功具合で近付けるために適用することができる補正プロファイルはない。
被加工物軸上で同一の位置を有するウェハの形状プロファイルは、一般に、それらが直接連続するスライス動作中に形成される場合には、互いにわずかに異なっているのみである。しかし、それらは、一般に、間に複数回の介在するスライス動作が行われるスライス動作から生じたものである場合には、かなり異なっている。その結果、適用されて保持された場合に、被加工物軸上で同一の位置を有するウェハの形状プロファイルを複数回の連続的なスライス動作にわたって変化のないままにする補正プロファイルもない。その代わりに、形状プロファイルがターゲット形状プロファイルにおおよそ対応するウェハを複数回のスライス動作にわたって得ることができるようにするために、スライス動作によって補正プロファイルを少なくともわずかに変化させなければならないであろう。したがって、ずれの態様での複数回のスライス動作にわたるウェハの形状のゆっくりとした変化、および、直接連続するスライス動作からのウェハの形状プロファイルの自発的不連続性が予想される。
したがって、提案は以下の通りである。
(a)ウェハの形状プロファイルの急上昇を防ぐために、ワイヤウェブの各ワイヤガイドローラの固定軸受の温度は、連続的な切り換えの際に、要求された温度プロファイルに従って、要求された平均値付近で変化させるべきである。代替的に、結果として生じる可動軸受の振動軸方向移動は、固定軸受と係合する設定要素によって生じさせてもよい。その場合、固定軸受の温度制御は、好ましくは、スライス動作の負荷切り換えによって生成された熱を放散させるためだけに使用される。
(b)サイズおよび周波数の点で可動軸受の位置切り換えとは正反対である振動成分が課された補正プロファイルに従って、設定装置によって、被加工物を被加工物軸に沿って移動させるべきである。
さらに、スライス動作のシーケンスは、初期切断と、その後の第1および第2の切断とに細分される。これらの切断は、好ましくは、被加工物がワイヤウェブを通過する間に被加工物軸に沿った被加工物の変位を要求する補正プロファイルの構成の点で異なっている。その後の第1および第2の切断のための補正プロファイル、ならびに任意に初期切断のための補正プロファイルは、振動成分だけでなく、スライス動作によって変化し得る形状プロファイルベースの成分も含む。
スライス動作のシーケンスは、ソーイングシステムの変化後に、すなわちワイヤソー、ソーイングワイヤまたは冷却潤滑剤の少なくとも1つの特徴の変化後に開始することが有用である。たとえばワイヤガイドローラの切り換えがあったとき、またはワイヤソーに対して機械的調整がなされたときに、ソーイングシステムの変化がある。シーケンスにおける第1のスライス動作は、好ましくは1回~5回の初期切断である。これらの初期切断は、たとえば振動成分のみを含む補正プロファイルのもとで行われる。
代替的可能性は、振動成分を含み、さらに形状プロファイルベースの成分も有する初期切断のための補正プロファイルを要求するというものであり、この形状プロファイルベースの成分は、同等のソーイングシステムの変化後に発生した形状の逸脱に応答する。この第1の形状プロファイルベースの成分は、第1の平均形状プロファイルと基準ウェハの形状プロファイルとの差に比例し、第1の平均形状プロファイルは、先行するスライス動作のシーケンスの1つまたは複数の初期ステップ中にスライスされたウェハから決定される。
各々のその後の第1の切断の補正プロファイルは、振動成分、および好ましくは、第2の平均形状プロファイルと基準ウェハの形状プロファイルとの差に比例する第2の形状プロファイルベースの成分を含み、第2の平均形状プロファイルは、シーケンスにおける1回または複数回の初期切断中にスライスされたウェハから決定される。
各々のその後の第2の切断の補正プロファイルは、振動成分、および好ましくは、第3の平均形状プロファイルと基準ウェハの形状プロファイルとの差に比例する第3の形状プロファイルベースの成分を含み、第3の平均形状プロファイルは、それぞれのその後の第2の切断に先行するシーケンスにおける少なくとも1回~5回のスライス動作から生じるウェハから決定される。
1つのスライス動作から次のスライス動作へと補正プロファイルを連続的に適合させることを踏まえると、いくつかのスライス動作内で得られるウェハの形状プロファイルは、基準ウェハの形状の方に収束することになり、形状の逸脱は最小になる。
本発明の方法を実行するために使用され得るワイヤソーの特徴の斜視図である。 図1のワイヤソーのワイヤガイドローラの断面図である。 温度プロファイル(上)および結果として得られる形状プロファイル(下)を示す図である。 振動成分を有する温度プロファイル(上)および結果として得られる形状プロファイル(下)を示す図である。 形状プロファイルベースの成分を有する補正プロファイル(上)、一定温度プロファイル(中央)、および結果として得られる形状プロファイル(下)を示す図である。 形状プロファイルベースの成分を有する補正プロファイル(上)、振動成分を有する温度プロファイル(中央)、および結果として得られる形状プロファイル(下)を示す図である。 形状プロファイルベースの成分および振動成分を有する補正プロファイル(上)、振動成分を有する温度プロファイル(中央)、および結果として得られる形状プロファイル(下)を本発明のために代表的に示す図である。 ウェハの形状プロファイルを決定するための配置の概略図である。 凹形状を有するウェハの対応する配置を示す図である。 凹形状を有するウェハの形状プロファイルおよび基準ウェハの形状プロファイルを示す図である。 図10の形状プロファイルから導き出される、凹形状を有するウェハの形状プロファイルと基準ウェハの形状プロファイルとの差に比例する形状プロファイルベースの成分で構成された補正プロファイルを示す図である。
図面を参照して、本発明について以下でより詳細に説明する。
図1は、本発明に関して必須のワイヤソーの要素を示す。互いに平行に延在するソーイングワイヤ1のワイヤセクション2で構成されたワイヤウェブ11が、被加工物12に面するワイヤガイドローラ3および4の側に張り渡されるように、耐摩耗性コーティング36における溝18によって、ストック(未使用ワイヤスプール)からのソーイングワイヤ1が左側ワイヤガイドローラ3および右側ワイヤガイドローラ4に螺旋状に供給される。ワイヤガイドローラ3および4をそれらの軸5および6を中心として同一方向に回転させる(7および8)によって、ワイヤウェブをインゴット1に対して相対的に移動させる。ワイヤガイドローラは、直線円柱形状を有しており、それらの軸5および6は、互いに平行に整列されているため、ワイヤウェブ11のワイヤセクション2は、ワイヤガイドローラの軸に垂直に延在する。参照番号9および10を有する矢印は、ワイヤ送りおよびワイヤ取り出しを示し、参照番号13を有する矢印は、ワイヤウェブ11のワイヤセクション2の移動を示す。
被加工物12は、ワイヤガイドローラの軸5および6に概して平行に整列された被加工物軸14を有しており、被加工物が半導体材料で作られている場合、それは、通常、識別ノッチ26も有する。これから逸脱すると、ワイヤウェブ11を通る平面に平行な平面における被加工物軸の対象を絞ったねじれによって、スライス動作によって得られるウェハのいわゆる「誤配向」を生じさせる可能性がある。被加工物12は、接着線16を介して保持棒15に接続されており、保持棒15は、さらに送り装置(図示せず)に接続されている。作動流体の左側噴射口22および右側噴射口23を介して、ワイヤウェブ11は、出口開口21を有する左側ノズル19および右側ノズル20から作動流体を受け取る。
ワイヤガイドローラの回転、したがって被加工物に対するワイヤウェブのワイヤセクションの移動、およびワイヤウェブの平面に垂直な送り方向17における送り装置による被加工物の送りの結果、被加工物は、ワイヤウェブと接触させられ、さらに送ると、作動流体が存在しているので、移動されるワイヤのセクションは、材料の除去するため、インゴットに平行な切断カーフ25を形成する。この動作は、ワイヤセクション自体が被加工物を始めから終わりまで処理して、プロセス中に材料を除去して、保持棒15に位置するようになるまで、継続される。
次いで、切断カーフは、結果として得られる複数のウェハの表側および裏側の境界を定め、これらのウェハは、このとき、櫛の歯のように、接着線16のみによって保持棒15に接続されている。ソーイングワイヤ1も、材料の除去(摩耗)にさらされ、ワイヤウェブを横断した後に、使用済みソーイングワイヤのストックに供給される。矢印10は、ワイヤ取り出しの方向を示す。スライス動作中のインゴット送りの送り方向17とは逆の切断カーフ25の広がりは、切断深さ24と称される。
本発明の方法の実現に適したワイヤラップスライス装置では、ソーイングワイヤは、たとえば、まず第一に175μmの直径を有する、過共晶パーライト鋼からなるピアノ線であり、作動流体は、ジプロピレングリコール(DPG)を含む分散媒における、約13μmの平均粒径を有する炭化ケイ素(SiC)のスラリ(FEPA F500)である。ワイヤソーは、たとえば、4つのワイヤガイドローラ、すなわちワイヤウェブを張り渡す2つの上部ローラ、および、スライスされたウェハを収容するための空間がワイヤガイドローラ間に形成されるようにソーイングワイヤを迂回させる2つの下部ローラ、とを備え、これらのワイヤガイドローラは約180mmの直径を有しており、上部ワイヤガイドローラの軸間の距離は520mm(ワイヤウェブのワイヤセクションの長さ)である。
たとえば、複数回の方向反転によって、いずれの場合にも前方(移動方向13)に約320mおよび後方(移動方向13とは逆)に240mソーイングワイヤを移動させ、そのため、一対のワイヤ移動中に、ソーイングワイヤの320m+240m=560mが切断カーフを横断し、ソーイングワイヤのストックは、合計で320m-240m=80m前方に移動され、これは、ソーイングワイヤが560/80=7x回使用されることを意味する(往復移動ワイヤ方法)。ソーイングワイヤは、10m/sで長手方向ワイヤ方向に移動する。
被加工物は、たとえば、301mmの直径を有する、単結晶シリコンからなる直線円柱形インゴットであり、平均約0.4mm/sでスライス動作中に送られるため、スライス動作全体は、約13時間かかる。ソーイングワイヤおよび作動流体によって被加工物に対して行われる切断作業、ワイヤウェブに対するシリコンロッドの送り速度、および選択される10m/sのワイヤ走行速度のために、ソーイングワイヤには、ワイヤガイドローラ軸間のその自由長の途中で、すなわちシリコンインゴットの途中で、約6mmの送り方向における撓みが生じる。これらの条件下で、ソーイングワイヤには摩耗が生じ、この摩耗は12μmの直径の減少に対応する。したがって、ワイヤガイドローラにおける隣接する溝間の距離は、ワイヤ摩耗を補償するために、合計12μmだけ、未使用ワイヤ入口側から古いワイヤ出口側の方に連続的に減少するように選択されており、そのため、インゴットの始めから終わりまで同一の平均厚みが得られる。
図2は、ワイヤガイドローラ軸(それぞれ左側ワイヤガイドローラ軸5または右側ワイヤガイドローラ軸6)を通る断面平面におけるワイヤガイドローラ(左側ワイヤガイドローラ3または右側ワイヤガイドローラ4)を示し、このワイヤガイドローラは、マシンフレーム37に固定的に接続された固定軸受38と、ワイヤガイドローラの軸方向にマシンフレームに対して移動可能な可動軸受39と、耐摩耗性コーティング36と、ソーイングワイヤを誘導するための溝18とを有する。固定軸受38は、温度制御装置40および冷却流体回路44によって冷却または加熱されるため、軸方向に短くなったり膨張したりして、軸方向に対応する左方向または右方向の移動方向45に可動軸受39、したがってワイヤガイドローラ全体を移動させる。
可動軸受は、平均して、好ましくはマシンフレームの温度を少し上回る温度、すなわち25~35℃、より好ましくは30℃に維持される(室温は約21℃)。室温に対してわずかに高い温度は、ワイヤガイドローラからマシンフレーム内に均一な熱が一貫して流れるという利点を有する(熱的兆候の切り換えがないため、安定性がより優れており、制御特性がより好ましい)。さらに、冷却よりも省エネの方法で、すぐれた性能で、すなわち素早く加熱を行うことができる。
図3は、固定軸受の温度を制御するための一定温度プロファイル31(T=温度(単位:℃)、D.o.C.=切断深さ(単位:mm))、および、この温度プロファイルの適用による、被加工物からスライスされた半導体ウェハの形状プロファイル27(S=形状(単位:μm))を示す。この図は、0mmの切断深さ(切り込み)から301mmの被加工物直径に対応する切断深さ(破線の縦線)に至るまでの温度プロファイル31および形状プロファイル27を示す。約6mmのワイヤセクションの撓みを考慮に入れるために、および被加工物の送りの終わりにワイヤウェブのワイヤセクションが全て完全に保持棒の中に位置することを保証するために、実際の最大切断深さは308mmであった。形状プロファイル27は、非常に起伏しており、突然の急上昇35を特徴としており、これらは、可動軸受の予測不可能な突然の移動の結果として説明することができる。要求の厳しい用途では、このような種類の不均一さを有する半導体ウェハは不適当である。
急上昇35は、形状プロファイル27のフーリエ分解の際の高空間周波数における高振幅の部分の表れである。高空間周波数の領域における半導体ウェハの剛性のために、ワイヤソーイング(ラッピング、研削、エッチング、研磨)に続く半導体ウェハに対する動作は全て、ローパスの役割を果たす。これは、これらの動作が平滑化によって突然の急上昇35をある程度減衰させることができることを意味する。それにもかかわらず、半導体ウェハの最終研磨後でさえ、局所的な不均一さ(局所的な起伏)が依然として残っており、その空間的に高い周波数成分は、ナノトポロジの波長範囲内に位置する。このナノトポロジ(完全に機械加工されたウェハの局所的な不均一さ)では、特に厳しい要求がある。なぜなら、それは、半導体部品の重要な構造パラメータの横方向範囲の領域を表しており、ナノトポロジがそれほどよくない場合には、多層部品は特にワイヤリング平面に構造機械的または電気的な貫通または破損を生じさせ、その結果、部品が完全に故障する可能性があるからである。
図4は、固定軸受の温度を制御するための振動成分を有する温度プロファイル28、および、この温度プロファイルの適用による、ワイヤウェブの通過中に被加工物の変位なしに被加工物からスライスされた半導体ウェハの形状プロファイル30を示す。温度プロファイル28は、平均温度T0ならびに振幅T+およびT-での継続的温度切り換えを想定している。
形状プロファイル27のように、形状プロファイル30は、比較的不均一な半導体ウェハを示している。しかし、温度プロファイル28によって要求される温度切り換えのために、および結果として生じる静摩擦のない可動軸受の連続移動のために、急上昇35はなく、それに対応して、研磨を含む後続動作後の半導体ウェハのナノトポロジは改善されている。それにもかかわらず、長波不均一さは残っており、この長波不均一さは、スライスされた半導体ウェハを要求の厳しい用途にあまり適さないようにする。固定軸受の温度の振動切り換えのために、被加工物およびワイヤウェブの互いに対する相対的位置は、被加工物がワイヤウェブを通過する間、継続的に変更される。これは、また、形状プロファイル30に対して規則的な短波変調42を課す。しかし、温度切り換えは、形状プロファイルにいかなる突然の急上昇も生じさせず、半導体ウェハに対するラッピング、研削、エッチングおよび研磨の後続動作はもはやナノトポロジの臨界波長範囲にいかなる局所的な起伏も残さない。
図5は、補正プロファイル32(C=補正プロファイル)、固定軸受の温度を制御するための一定温度プロファイル31、ならびに、温度プロファイル31および補正プロファイル32の適用による、被加工物からスライスされた半導体ウェハの形状プロファイル29を示す。補正プロファイルの要求に従って、被加工物は、切断深さに依存する態様で、半導体ウェハのほぼ平面的な形状プロファイルをもたらすような態様で、設定要素によって、マシンフレームに対して、およびワイヤウェブに対して被加工物軸に沿って変位される。一定温度プロファイル31のために、得られる半導体ウェハの形状プロファイル29は、突然の急上昇34を示す。
図6は、形状プロファイルベースの成分を有する補正プロファイル32、振動成分を有する温度プロファイル28、ならびに、温度プロファイル28および補正プロファイル32の適用による、本発明に係る、その後の切断中に被加工物からスライスされた半導体ウェハの形状プロファイル46を示す。補正プロファイル32の構成は、ワイヤソーに特有の比例定数を考慮に入れて、平均形状プロファイルと基準ウェハの形状プロファイルとの差に比例する形状プロファイルベースの成分を含むようなものである。平均形状プロファイルは、先行するスライス動作の選択から生じる半導体ウェハの選択の形状プロファイルに基づく。
ワイヤソーに特有の比例定数(単位:μm/℃)は、どの形状逸脱ΔS(単位:μm)が1℃の固定軸受温度制御の温度変化ΔTを生じさせるかを示す。それは、ワイヤソーによって多少異なっている。なぜなら、構造上の差異、冷却流体の異なる流量および流速、ならびに使用される熱交換器の性能上の差異のために、冷却流体から固定軸受への熱遷移が各ワイヤソーに特有であるからである。
ワイヤソーに特有の比例定数は、さまざまな切断深さで規定の温度付近で複数回の温度急上昇を想定する温度プロファイルを試験切断中に利用して、得られる半導体ウェハの形状プロファイルにおける形状逸脱(単位:μm)の形態のその影響を測定することによって、ワイヤソーについて一回実験的に決定されることが有用である。ワイヤソーに特有の比例定数を正確に決定する必要はない。なぜなら、上記の収束する仕組みのために、この決定の際のいかなる誤りも、基準ウェハの所望の形状プロファイルへの平均形状プロファイルの収束の速度を遅くするだけであるからである。
図6の温度プロファイル28における平均温度T0は30℃であり、13時間(=780分)というスライス動作の期間全体にわたって、20対の温度上昇および温度降下が行われ、振幅T+およびT-は±3℃であった。補正プロファイル32の適用により、得られる半導体ウェハの形状プロファイル46は、比較的平面的であり、特にワイヤウェブのワイヤガイドローラの可動軸受の予測不可能な突然の移動から生じる突然の急上昇35はない。予想に従って、および温度切り換えのために、温度プロファイル28によって要求される規則的な短波変調42が形状プロファイル46の上に重ね合わせられる。この変調に対応する起伏は、比較的長波であり、比較的低い振幅を有しており、研磨後に後続動作(ラッピング、研削、エッチング、研磨)によってほぼ完全に消滅するため、比較して非常に優れた局所的平面性(ナノトポロジ)を有する半導体ウェハへのアクセスを提供する。
最後に、図7は、形状プロファイルベースの成分および振動成分を有する補正プロファイル41、振動成分を有する温度プロファイル28、ならびに、温度プロファイル28および補正プロファイル41の適用による、本発明に係る、その後の切断中に被加工物からスライスされた半導体ウェハの形状プロファイル33を示す。補正プロファイル41の構成は、ワイヤソーに特有の比例定数を考慮に入れて、平均形状プロファイルと基準ウェハとの差に比例する形状プロファイルベースの成分を含むようなものである。平均形状プロファイルは、先行するスライス動作の選択から生じる半導体ウェハの選択の形状プロファイルに基づく。補正プロファイル32と比較して、補正プロファイル31は、温度プロファイル28によって課される規則的な短波変調42に対して向けられる振動成分43を含むように拡張されている。その結果、この変調は、正確に補償され、形状プロファイル33を有する半導体ウェハが得られ、上記プロファイルは、比較して非常に高い平面性度合いで区別される。特に、このプロファイルは、被加工物およびワイヤウェブの互いに対する相対的位置のずれから生じる長波不均一さがなく、可動軸受の予測不可能な突然の移動から生じる突然の急上昇がなく、温度プロファイル28における振動成分によって引き起こされる規則的な短波変調がない。
硬質物質が存在する状態でスライス動作中にワイヤセクションによって行われる切断作業は、ワイヤウェブへの被加工物の送り方向にワイヤセクションの撓みを生じさせる。この撓みは、切断深さの到達の遅延を生じさせ、この遅延は、被加工物の送りの現在位置に従って予想されるであろう。規定の時点において実際に達成される切断深さは、ワイヤセクションの撓みのために小さくなる。切断期間全体を通して時間切断量が実質的に一定のままであるように被加工物がワイヤウェブに送られる速度を調整することによってこれを考慮に入れることは有用である。図7に示される形状プロファイル53を有する半導体ウェハをもたらすスライス動作において、この手順が採用され、6mmの長さにわたる切り込み局面中を除いて、スライス動作全体を通して、撓みは約6mmで一定のままであった。この局面において、ワイヤセクションの撓みが増加した。撓みは、特に往復移動ワイヤ方法によってワイヤソーイングを行う際にウェハ表面上に形成されるソーイング溝の曲率から直接読み取られた。
さらに、固定軸受を構成する材料の熱慣性は、それらを引き起こす温度プロファイルの振動成分と比較して、可動軸受の振動軸方向移動の開始に時間遅延を生じさせる。この遅延も同様に、好ましくは遅延を実験的に確かめることによって考慮に入れることが有用である。したがって、試験切断において、被加工物の送りの位置が分かっている状態で、固定軸受温度制御のための温度要求を補正し、補正された温度要求がウェハの形状プロファイルを変化させる作用を有していた実際の切断深さを、結果として得られるウェハ上で測定することが可能である。このような種類の測定に基づいて、可動軸受の振動軸方向移動の開始の時間遅延は、図7によって示される例でも考慮に入れられた。
補正プロファイル41の構成によって、両方の遅延が考慮に入れられた。それに対応して、補正プロファイルのコースは、得られる半導体ウェハの形状プロファイルのさらなる短波変調(上記変調は、温度プロファイル28において要求される温度切り換えによってもたらされる)が時間および切断深さの点で正確に補償されるようにずらされる。温度切り換えに応答する補正プロファイル成分の振幅は、ワイヤソーに特有の比例定数(単位:μm/℃)から生じたものであり、これは、温度変化(単位:℃)と結果として得られる形状プロファイル変化(単位:μm)との間の関係をモデル化する。
加熱および冷却で構成された複数対の切り換えによる固定軸受の温度制御の結果としての可動軸受の振動軸方向移動は、以下ではWGTO(ワイヤガイド温度振動)と称される。WGTOの使用は好ましい。なぜなら、一般に、ワイヤソーはワイヤガイドローラ軸受冷却設備を既に有しているため、WGTOは既存のワイヤソーに対する構造変更なしに実現できるからである。WGTOの代わりに、対象の可動軸受の振動移動は、設定要素、たとえば圧電的、液圧的、空気圧的または電気機械的な設定要素によって、より特定的には音声コイルアクチュエータによってもたらされることもできる。
被加工物がワイヤウェブを通過する間の補正プロファイルに従った被加工物軸に沿った被加工物の変位は、好ましくは圧電的設定要素によって実現される。このような種類の変位は、以下ではIPPC(インゴット位置圧電制御)と称される。IPPCを適用することは、それによってウェハの形状プロファイルを改善するという目的で、好ましい。しかし、補正プロファイルに従った被加工物軸に沿った被加工物の変位は、たとえば熱的に、液圧的に、空気圧的に、または電気機械的に動作する設定要素によってもたらされてもよい。
図7に従った形状プロファイル33を有する半導体ウェハの製造中に、固定軸受は温度プロファイル28に従って温度制御された。301mmの最大切断深さに到達する前に、温度プロファイルは、冷却および加熱で構成された20対の温度切り換えを必要とし、平均温度に対する振幅は±3℃であった。13時間(=780分)のスライス動作期間では、温度と帯域幅との積は、3℃×20/780分≒0.08℃/分であった。
温度切換の振幅は、可動軸受の軸方向移動中の静摩擦から摺動摩擦への突然の切り換えを確実に抑制するために好ましくは±0.5℃以上であって、好ましくは±10℃以下である。温度切り換えによって引き起こされる熱膨張が発生する時間遅延のために、振幅をさらに大きくすることは技術的に実現がほぼ不可能である。さらに、振幅が大きくなると、熱膨張が非線形成分を有し、その影響をもはや補正プロファイルによって予測可能に補償することができなくなる。
温度プロファイルが要求すべきである温度切り換え対の数は、好ましくは、被加工物がワイヤウェブを通過している間、言い換えれば被加工物への切り込み時点から合計切断深さに到達するまで、冷却および加熱で構成された少なくとも10対である。この最小数は、一般に、可動軸受の軸方向移動中の静摩擦から摺動摩擦への突然の切り換えを確実に抑制するのに十分である。熱容量および影響を受ける熱質量の関連付けられた慣性のために、被加工物がワイヤウェブを通過する期間中の温度切り換え対の数には上限がある。冷却および加熱で構成された対が毎分3対以上である場合、可動軸受の軸方向移動中の静摩擦から摺動摩擦への突然の切り換えを回避することはほとんど不可能である。
温度と帯域幅との積は、好ましくは0.025℃/分以上であって4℃/分以下であり、より好ましくは0.1℃/分以上であって1℃/分以下である。
また、本発明の方法は、WGTOの適用が、振幅が±3℃であって、冷却および加熱で構成された対の数が13時間(=780分)の切断期間中に160対である温度切り換えを想定するその後の切断でも成功裏に利用され、温度と帯域幅との積は、3℃×160/780分=0.615/分であった。
図8~図11は、形状プロファイルがどのように決定されるかを明らかにし、形状プロファイルと補正プロファイルの関連付けられた形状プロファイルベースの成分との間の関係を示す。
図8は、ウェハの厚みプロファイルおよび形状プロファイルを決定するための測定装置におけるウェハ47の配置を示す。この目的のために、ウェハは、上部センサ48と下部センサ49との間で切断深さに沿って水平に移動される。これらのセンサは、規定の切断深さ位置に対応する測定地点iにおける距離FDiおよびBDiを測定する。距離FDiは、上部センサ48の、それに対向するウェハ47の表側からの距離を示し、距離BDiは、下部センサ49の、それに対向するウェハ47の裏側からの距離を示す。
図9は、凹形状を有するウェハについての同等の状況を示し、ここではセンサは図示されていない。距離Dは、センサ間の距離を示す。距離diは、上記の計算プロトコルによって確かめることができる、測定地点iにおけるウェハの厚みを示す。これに類似して、さらなる上記の計算プロトコルを利用して、ウェハの形状プロファイルの測定値を計算することが可能である。
図10は、図9のウェハの対応する形状プロファイル(実線曲線)および基準ウェハの形状プロファイル(破線)を示す。
図11は、図10の形状プロファイルから導き出される形状プロファイルベースの成分を有する補正プロファイルを示す。それは、ウェハの形状プロファイルと基準ウェハの形状プロファイルとの差に比例する。
使用される参照符号および略語の一覧
1 ソーイングワイヤ
2 ワイヤセクション
3 左側ワイヤガイドローラ
4 右側ワイヤガイドローラ
5 左側ワイヤガイドローラの軸
6 右側ワイヤガイドローラの軸
7 左側ワイヤガイドローラの回転
8 右側ワイヤガイドローラの回転
9 ワイヤ送り
10 ワイヤ取り出し
11 ワイヤウェブ
12 被加工物(半導体インゴット)
13 ワイヤセクションの移動
14 被加工物軸
15 保持棒
16 接着線
17 送り方向
18 溝
19 左側ノズル
20 右側ノズル
21 出口開口
22 左側噴射口
23 右側噴射口
24 切断深さ
25 切断カーフ
26 識別ノッチ
27 形状プロファイル
28 温度プロファイル
29 形状プロファイル
30 形状プロファイル
31 温度プロファイル
32 補正プロファイル
33 形状プロファイル
34 突然の急上昇
35 突然の急上昇
36 コーティング
37 マシンフレーム
38 固定軸受
39 可動軸受
40 温度制御装置
41 補正プロファイル
42 規則的短波変調
43 振動成分
44 冷却流体回路
45 可動軸受の移動方向
46 形状プロファイル
47 ウェハ
48 上部センサ
49 下部センサ
T 冷却流体の温度
T+ 振幅
T- 振幅
T0 冷却流体の平均温度
S 形状
C 被加工物の変位経路
D センサ間の距離
ΔS 形状逸脱
ΔT 温度変化
FDi 測定地点iにおけるウェハの表側からの上部センサの距離
BDi 測定地点iにおけるウェハの裏側からの下部センサの距離
i 測定地点
di 測定地点iにおけるウェハの厚み
si 測定地点iにおけるウェハの形状
D.o.C. 切断深さ
WGTO ワイヤガイド温度振動
IPPC インゴット位置圧電制御

Claims (21)

  1. スライス動作のシーケンス中にワイヤソーによって被加工物(12)から複数のウェハをスライスする方法であって、前記スライス動作のシーケンスは、初期切断と、その後の第1および第2の切断とに細分され、前記ワイヤソーは、ソーイングワイヤ(1)の可動ワイヤセクション(2)のワイヤウェブ(11)と、設定装置とを備え、前記ワイヤウェブ(11)は、2つのワイヤガイドローラ(3,4)間の平面に張り渡され、前記2つのワイヤガイドローラ(3,4)の各々は、固定軸受(38)と可動軸受(39)との間に取り付けられており、前記方法は、
    各前記スライス動作中に、前記設定装置によって、作動流体と前記被加工物(12)に対して研磨するように作用する硬質物質とが存在する状態で、被加工物軸(14)に垂直であって前記ワイヤウェブ(11)の前記平面に垂直な送り方向(17)に沿って、前記ワイヤウェブ(11)を通過するようにそれぞれの前記被加工物(12)を送るステップを備え、前記送るステップは、
    各前記スライス動作中に、前記2つのワイヤガイドローラ(3,4)の前記可動軸受(39)を振動軸方向移動させるステップと、
    補正プロファイルの要求に従った設定要素による前記被加工物軸(14)に沿った前記被加工物(12)の同時変位とともに前記ワイヤウェブ(11)を通過するように前記被加工物(12)を送るステップとを備え、前記補正プロファイルは、前記可動軸受(39)の前記軸方向移動が前記スライスされたウェハの形状に対して及ぼす影響とは逆の振動成分を含む、方法。
  2. 前記補正プロファイルは、各前記初期切断の場合には、第1の平均形状プロファイルと基準ウェハの形状プロファイルとの差に比例する第1の形状プロファイルベースの成分を含み、前記第1の平均形状プロファイルは、先行するスライス動作のシーケンスの1回または複数回の初期切断中にスライスされたウェハから決定される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記補正プロファイルは、各前記その後の第1の切断の場合には、第2の平均形状プロファイルと前記基準ウェハの前記形状プロファイルとの差に比例する第2の形状プロファイルベースの成分を含み、前記第2の平均形状プロファイルは、前記シーケンスにおける1回または複数回の前記初期切断中にスライスされたウェハから決定される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記補正プロファイルは、各前記その後の第2の切断の場合には、第3の平均形状プロファイルと前記基準ウェハの前記形状プロファイルとの差に比例する第3の形状プロファイルベースの成分を含み、前記第3の平均形状プロファイルは、前記それぞれのその後の第2の切断の直前の前記シーケンスにおける少なくとも1回~5回のスライス動作から生じるウェハから決定される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記設定要素は、圧電的に、液圧的に、空気圧的に、電気機械的に、または熱的に動作する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記可動軸受(39)を振動軸方向移動させるステップは、さらなる設定要素によって引き起こされ、前記さらなる設定要素は、前記固定軸受(38)と係合し、圧電的に、液圧的に、空気圧的に、または電気機械的に動作する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記可動軸受(39)を振動軸方向移動させるステップは、冷却流体を用いて前記固定軸受(38)を温度制御することによって引き起こされ、前記冷却流体は、平均温度に対する冷却および加熱を含む複数対の切り換えにさらされる、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記切り換えにおいて、前記平均温度に対して0.5℃以上で10℃以下の振幅を有する前記冷却流体の温度変化が引き起こされる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記温度変化の前記振幅と前記切り換えの時間間隔の逆数との積は、0.025℃/分以上であって4℃/分以下である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記積は、0.1℃/分以上であって1℃/分以下である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記被加工物(12)が前記ワイヤウェブ(11)を通過している間、前記冷却流体の冷却および加熱を含む少なくとも10対の切り換えが行われる、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. ウェハベースのウェハ選択に基づいて前記第1、第2および第3の平均形状プロファイルを決定するステップを備える、請求項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 切断ベースのウェハ選択に基づいて前記第2および第3の平均形状プロファイルを決定するステップを備える、請求項3または請求項4に記載の方法。
  14. ウェハベースおよび切断ベースのウェハ選択に基づいて前記第2および第3の平均形状プロファイルを決定するステップを備える、請求項3または請求項4に記載の方法。
  15. 前記補正プロファイルを構成する際に、ワイヤソーに特有の比例定数および前記ワイヤセクション(2)の撓みを考慮に入れるステップを備える、請求項1~1のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記ソーイングワイヤ(1)は、長手方向ワイヤ軸に垂直な複数の突出部および窪み部を備える構造を有する、請求項1~1のいずれか1項に記載の方法。
  17. 各前記スライス動作中に作動流体としての冷却潤滑剤を前記ワイヤセクション(2)に供給するステップを備え、前記硬質物質は、ダイヤモンドで構成されており、電気めっき、合成樹脂接着または形状適合接着によって前記ソーイングワイヤ(1)の表面上に固定されており、前記冷却潤滑剤には、前記被加工物(12)に対して研磨するように作用する物質がない、請求項1~1のいずれか1項に記載の方法。
  18. 各前記スライス動作中にグリコールまたは油における前記硬質物質のスラリの形態の前記作動流体を前記ワイヤセクション(2)に供給するステップを備え、前記硬質物質は、炭化ケイ素で構成されている、請求項1~1のいずれか1項に記載の方法。
  19. 複数対の方向反転の継続的シーケンスにおいて前記ソーイングワイヤ(1)を移動させるステップを備え、各一対の方向反転は、第1の長さの第1の長手方向ワイヤ方向における前記ソーイングワイヤ(1)の第1の移動と、第2の長さの第2の長手方向ワイヤ方向における前記ソーイングワイヤ(1)のその後の第2の移動とを含み、前記第2の長手方向ワイヤ方向は、前記第1の長手方向ワイヤ方向とは逆であり、前記第1の長さは、前記第2の長さよりも大きい、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記ソーイングワイヤ(1)は、前記第1の長さの前記第1の長手方向ワイヤ方向における移動中に、第1の引張力で第1のワイヤストックから前記ワイヤウェブ(11)に供給され、前記第2の長さの前記第2の長手方向ワイヤ方向における移動中に、さらなる引張力で第2のワイヤストックから前記ワイヤウェブ(11)に供給され、前記さらなる引張力は、前記第1の引張力よりも低い、請求項19に記載の方法。
  21. 前記被加工物(12)は、半導体材料で構成されている、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
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