JP4308463B2 - ワイヤソー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はワイヤソー、詳しくは半導体ウェーハの反りを制御可能としたワイヤソーに関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤソーは、ワイヤ繰出し用のボビンから導出されたインゴット切断用のワイヤを、複数本のワイヤソー用グルーブローラ(以下、グルーブローラ)にコイル状に巻き架け、これをワイヤ巻取り用のボビンに巻き取るように構成されている。
グルーブローラは、円筒形状の台金の外周面を所定厚さのライニング材(ウレタンゴム)で被覆し、このライニング材の外周面に多数条のワイヤ溝を刻設してある。グルーブローラは、その軸線方向の両端部に配置された1対の軸受により回転自在に支持されている。
インゴット切断時には、ラッピングオイルに遊離砥粒(以下、砥粒)を含ませたスラリー状の砥液を供給しながら、高速で往復走行中のワイヤ列に対して、単結晶シリコンインゴットを相対的に押し付ける。この砥粒の研削作用により、このインゴットが多数枚のウェーハに切断される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようにワイヤを高速走行させるためには、グルーブローラも高速度で回転させる必要がある。それに伴い、グルーブローラを軸支する各軸受が発熱し、その影響で、各軸受を支える支持部材も熱せられて、これらの部材に部分的な熱膨張による変形が起きていた。
そのため、これらの部材に支えられたグルーブローラとインゴットとのその軸線方向の位置が相対的にずれ、ワイヤ列を構成する各ワイヤの走行位置も切断開始位置からは軸線方向にずれてしまっていた。このように、切り込み深さによりその走行位置(切断位置)が軸線方向にずれた結果、ウェーハに反りが発生していた。この反りは、吸着固定しない状態のウェーハで指定された表面上の基準面とウェーハ表面の距離の最大値と最小値との差で示される。
【0004】
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、実際の運転時にウェーハに反りが発生するのであれば、これを利用して積極的にウェーハに反りを与えた切断を行うこと(以下、反り切断)、また、この反り(の値)を各ロット間で均一化すれば、その後のウェーハ加工時(研磨など)に、同じ条件で所定の制御を施せばよいことを知見した。
しかも、その具体的な制御法として、インゴットへのワイヤの切り込み位置(切り込み深さ)に応じて、グルーブローラの軸受部に形成された冷媒流路に供給される冷媒の温度を調整することにより、この反り切断だけでなく、反り(の値)を抑えた切断も容易に行えることを知見し、この発明を完成させた。
【0005】
【発明の目的】
この発明は、反りが低減された半導体ウェーハが得られるだけでなく、異なるロットのウェーハにおいて、反りの度合いが調整された均一な反りを有する半導体ウェーハも得られるワイヤソーを提供することを、その目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、複数本のグルーブローラと、各グルーブローラを回転自在に支持する軸受と、各軸受を冷却する冷媒を供給する冷媒供給手段とを備え、上記グルーブローラ間に架け渡されたワイヤを往復走行させながら、インゴットをワイヤに相対的に押しつけることにより、このインゴットを切断するワイヤソーにおいて、上記インゴットに対するワイヤの切り込み位置を検出する位置センサと、上記インゴットに対するワイヤのインゴット切断開始端からインゴット切断中間位置までは上記冷媒の温度20℃から40℃にまで上昇させ、その後は該冷媒の温度を低くして、インゴット切断終了端ではインゴット切断開始端と同じ冷媒の温度になるよう制御する冷媒温度調整手段と、を有するとともに、上記冷媒供給手段は、上記グルーブローラの軸線方向に延びてこのグルーブローラを上記軸受を介して回転自在に支持する芯金の内部にこの芯金の全長にわたり形成された冷媒流路を有し、この冷媒流路を介して上記冷媒が供給されるワイヤソーである。
【0007】
ワイヤソーとしては、インゴットを動かしてワイヤ列に押圧、接触させて切断する構造のものでもよい。これとは反対に、ワイヤ列を動かしてインゴットに押圧、接触させて切断するものでもよい。また、ワイヤ列の上部にインゴットの下面が当接するものでもよい。さらにワイヤ列の下部にインゴット上面が押し当てられる型式のものでもよい。
ワイヤソーに組み配置されるワイヤソー用グルーブローラの本数は2本でもよいし、3本以上でもよい。
ワイヤソーにより切断されるインゴットとしては、例えばシリコン単結晶、化合物半導体単結晶、磁性材料、石英、セラミックスなどが挙げられる。
切断に使用される砥液としては、例えば平均粒径5〜50μmのSiCなどの遊離砥粒を含むものが採用される。
【0008】
ワイヤソー用グルーブローラの構造は限定されない。例えば、円筒形状の台金の外周面に所定厚さのライニング材(ウレタンゴム)を被覆し、このライニング材の外周面にワイヤ溝を刻設したローラなどを採用することができる。
冷媒流路は、各軸受を冷却する部位に設けられ、軸受内部だけでなく、グルーブローラの内部にも一連に設けられている。
冷媒としては、例えば冷却水、冷却油などを採用することができる。
位置センサとしては、渦電流センサ、レーザ変位センサなどのワイヤ列までの距離を測定する距離センサを採用することができる。
冷媒温度調整手段として、供給する冷媒を加熱するヒータ、熱交換器などを採用することができる。
また、あらかじめ切り込み位置に応じて設定された冷媒の温度とは、実際の切断で発生した反りに基づいて設定された温度である。
半導体ウェーハの反り量の目標値は限定されない。例えば、8インチウェーハの場合、30〜40μmである。
【0009】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、インゴットへのワイヤの切り込み位置を位置センサにより検出し、その検出データに基づき、冷媒温度調整手段によって、あらかじめインゴットに対するワイヤの切り込み位置に応じて設定された温度に達するまで、各軸受の冷媒流路を流れる冷媒の温度を変更する。具体的には、インゴットに対するワイヤのインゴット切断開始端からインゴット切断中間位置までは除々に冷媒の温度を20℃から40℃まで上昇させ、その後は除々に冷媒の温度を低くし、インゴット切断終了端ではインゴット切断開始端と同じ冷媒の温度とする。冷媒の温度を下げると、各軸受が冷却される。また、冷媒の温度を上げることにより、各軸受の温度を高めることができる。
各軸受の温度が低下すると、その影響で、各軸受の支持体なども冷却され、これらの部材の熱膨張による変形が抑えられる。その結果、これらの部材により支持されたワイヤソー用グルーブローラの軸線方向の位置、すなわちインゴットに対する軸線方向の相対位置のずれが抑えられる。グルーブローラの軸線方向の変形量が小さくなる。よって、ワイヤ列を構成するワイヤ全体の走行位置のずれが抑えられ、ウェーハの反りが小さくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。まず、第1の実施例を説明する。
図1は、この発明の第1の実施例に係るワイヤソーのグルーブローラの拡大断面図である。図2(a)は、この発明の第1の実施例に係るワイヤソーの要部を拡大して示す模式図である。図2(b)は、この発明の第1の実施例に係るワイヤソーに組み込まれたグルーブローラの部分拡大図である。図3は、この発明の第1の実施例に係るワイヤソーによって反り切断されたインゴットの拡大断面図である。
【0011】
図2(a)において、10はこの発明の第1の実施例に係るワイヤソーを示している。このワイヤソー10は、CZ法により引き上げられた単結晶シリコン製のインゴットI(8インチウェーハ用)を多数枚のウェーハにワイヤ切断する装置である。
ワイヤソー10は、図において正面視して逆三角形状に配置された3本のグルーブローラ12A,12B,12Cを有している。これらのグルーブローラ12A,12B,12C間には、1本のワイヤ11aが互いに平行かつ一定ピッチで巻きかけられている。これによって、グルーブローラ12A,12B,12C間にワイヤ列11が現出される。ワイヤ列11は、3本のグルーブローラ12A,12B,12C間で駆動モータにより往復走行される。上側に配置された2本のグルーブローラ12A,12Bの中間が、インゴットIを切断するワイヤ列11のインゴット切断位置aとなっている。
【0012】
インゴットIは、カーボンベッド19aを介して、インゴットIを昇降させる昇降台19の下面に固定されている。この昇降台19の下面の一部には、ワイヤ列11までの距離を測定する渦電流センサ(位置センサ)Sが設けられている。インゴット切断位置aの両側の上方には、砥液をワイヤ列11上に連続供給する砥液供給部(図示していない)が、例えば一対配設されている。
これらのグルーブローラ12A,12B,12Cは円筒形状でそれらの外周面は、ウレタンゴムからなる所定厚さのライニング材12a,12b,12cで被覆されている。各ライニング材12a,12b,12cの外周面には、それぞれワイヤ溝12dが刻設されている(図2(b))。
ピアノ線などからなるワイヤ11aは、繰出し装置13のボビン20から導出され、供給側のガイドローラ(図示せず)を介して、これらのグルーブローラ12A,12B,12Cに架け渡された後、導出側のガイドローラ(図示せず)を介して、巻取り装置15のボビン21に巻き取られる。繰出し装置13および巻取り装置15の各回転軸は、駆動モータ16,17の出力軸にそれぞれ連結されている。
各駆動モータ16,17を同期して駆動すると、一対の軸受18に軸支された各ボビン20,21が、その軸線を中心として図2における時計回り方向または反時計回り方向に回転して、ワイヤ11aが往復走行する。
【0013】
次に、図1を参照しながら、第1の実施例に係るワイヤソー用グルーブローラを詳細に説明する。ここでは、グルーブローラ12Aを例に説明する。
図1に示すように、グルーブローラ12Aは、所定間隔をあけて配置された1対の支持体30,31間に、直径が異なる多数個のベアリング(軸受)37…を介して、回転自在に支持されている。グルーブローラ12Aは床面(ベッド33)から所定高さ位置で水平に配置されている。
各支持体30,31はベッド33上に立設されている。これらの支持体30,31間には、細長い芯金34を内嵌した管状のライナ35が固定状態で架け渡されている。芯金34の内部には、その全長にわたり、図外の外管と内管(冷媒流路)とが形成されている。芯金34の一端部は支持体31から外方へ突出し、この突出部分の外周面に、外管に連結される冷却水の供給ノズル36aと、内管に連結される冷却水の排出ノズル36bとがそれぞれ配設されている。
【0014】
供給ノズル36aには、ヒータHにより所定温度に調整された冷却水が、ポンプ(冷媒供給手段)Pによって圧送される。その後、冷却水は外管の内部流路を芯金34の支持体30側へ向かって流れ、それから、芯金34の支持体30側の端部で内管へと流れ込む。すなわち、進行方向が反対向きになる。このように、外管および内管は芯金34の全長にわたって形成されているので、冷却水を両管内に流すと、グルーブローラ12Aだけでなく、各ベアリング37…および支持体30,31も冷却される。
【0015】
冷却水の温度は、ヒータHとポンプPとの間に配置された温度センサTによって常時測定されている。また、冷却水の供給量の調整は電磁弁Bの弁体の開度調整により行い、この冷却水の流量の検出は、流量センサS1により行う。これらの渦電流センサSおよび流量センサS1からの検出信号は制御部Cへ送られる。制御部Cに組み込まれたROMには、あらかじめ切り込み位置に応じて設定された冷却水の温度制御の目標値が記憶されている。制御部Cは、この渦電流センサSからの検出データに基づき、インゴットIへのワイヤ11aの切り込み位置を算出し、その算出データからROMに記憶された温度制御の目標値を選出する。次いで、制御部CはヒータHに対して所定の出力変更の指令を出し、選出された目標値に冷却水の温度が達するように制御する。
これらの構成部品、すなわち渦電流センサS、制御部CおよびヒータHにより、あらかじめ切り込み位置に応じて設定された温度に達するまで冷却水の温度を変更する冷媒温度調整手段50が構成される。表1に、冷却水の温度制御の目標値(反り切断用)を示す。ウェーハの反り量の目標値は30〜40μmである。
【0016】
【表1】
【0017】
ライナ35の外周には、多数個のベアリング37…を介して、厚肉な円筒形状の台金38が、この芯金34を中心にして回転自在に設けられている。台金38の外周面には、ライニング材12aが設けられている。ライニング材12aはウレタンゴム製で、厚さは5〜20mmである。このライニング材12aの外周面には、ピッチの短い平行溝である多数本のワイヤ溝12dが刻設されている。この台金38の支持体30側の端面には、環状の端板39が固定されている。一方、台金38の支持体31側の端面には、厚肉な円筒形状の端板40が固定されている。したがって、台金38の回転時には両端板39,40も一体的に回転する。
【0018】
次に、このワイヤソー10によるインゴットIの切断方法を説明する。
図2に示すように、ワイヤソー10では、砥液を砥液供給部よりワイヤ列11に供給するとともに、駆動モータ16により繰出し装置13のボビン20を回転させて、ワイヤ11aを供給側のガイドローラを経てグルーブローラ12A,12B,12Cに供給する。同時に、駆動モータ17により巻取り装置15のボビン21を回転させて、グルーブローラ12A,12B,12C、導出側のガイドローラを経てワイヤ11aを巻き取る。そして、一定周期で、各ボビン20,21の回転方向を変えることで、ワイヤ11aを往復走行させる。これに伴い、2本のグルーブローラ12A,12Bが回転するとともに、両ガイドローラも回転する。この際、図外の回転モータによってグルーブローラ12Cを回転させ、ワイヤ列11の往復走行を補助する。
【0019】
このワイヤ列11の往復走行時に、上方からインゴットIをワイヤ列11へ押し付けていく。これにより、インゴットIが何枚ものウェーハに切断される。すなわち、ワイヤ列11の往復走行時に、砥液中の遊離砥粒がワイヤ列11のワイヤ11aにより切断溝の底部に擦りつけられ、その底部が徐々に削り取られて、最終的に多数枚のウェーハに切断される。
インゴット切断中、供給ノズル36aには、ヒータHにより所定温度に調整された冷却水が、ポンプPによって圧送される。供給ノズル36aに流れ込んだ冷却水は、外管の管内を芯金34の支持体30側へ向かって流れ、芯金34の支持体30側の端部に達したところで内管へ流れ込む。このとき、前述したように外管および内管は、芯金34の全長にわたって形成されている。そのため、冷却水を芯金34内に流すことで、グルーブローラ12Aだけでなく、このグルーブローラ12Aの高速回転に伴って発熱するベアリング37…および各支持体30,31も冷却される。
【0020】
以下、この冷却水の温度制御方法を説明する。
インゴット切断中、渦電流センサSにより、インゴットIへのワイヤ11aの切り込み位置(切り込み量、切り込み深さ)が検出される(図3参照)。その検出データに基づき、制御部CからヒータHに対して、表1に記載された各切り込み位置に応じた設定温度に達するまで、冷却水の温度調整が行われる。その設定温度に達したかどうかは、温度センサTによって検出される。
すなわち、冷却水の温度が下がると、グルーブローラ12Aの高速回転によって発熱する各ベアリング37…および支持体30,31の温度が低下し、その影響も受けてベッド33などの温度も下がる。よって、これらの部材30,31,33の熱膨張による変形が抑えられる。その結果、各部材30,31,33により支持されたグルーブローラ12Aの、インゴットIに対する相対位置の軸線方向への移動の幅が小さくなる。その結果、ワイヤ列11を構成するワイヤ11a全体の緊張位置のずれが抑えられ、ウェーハの反りが小さくなる。
【0021】
一方、この冷却水の供給によって、グルーブローラ12Aも冷やされる。そのため、インゴット切断時のグルーブローラ12Aの熱膨張に伴うウェーハの厚さムラが解消される。すなわち、インゴット切断時、グルーブローラ12Aが高速回転するとベアリング37…が発熱して台金38が熱膨張する。これにより、台金38に固着されたライニング材12aの各ワイヤ溝12dの間隔も大きくなる。その結果、各ワイヤ溝12dに巻回されたワイヤ11aの間隔も広がり、ワイヤ列11を構成するワイヤ11aの緊張位置が設定位置からずれ、切断中のウェーハに厚さムラが起きてしまう。そこで、冷却水によってグルーブローラ12Aを冷やすことで、ウェーハの厚さムラを低減することができる。したがって、前述したように冷却水の温度を下げる制御を行えば、このウェーハの厚さムラはさらに低減される。
このように、インゴットIへのワイヤ11aの切り込み位置に応じて冷媒の温度制御を行うことにより、反りが小さなウェーハが得られるだけでなく、インゴット1の1本分のウェーハを、反りの度合いが任意に調整された略均一な反りを有するウェーハとすることも可能になる。よって、異なるロット内の各ウェーハにおいて、その後のウェーハ加工時(例えば研磨時など)に、同じ反り条件で所定のウェーハ加工を施すことができる。
【0022】
ところで、冷却水による支持体30,31の温度調整は、芯金34内の冷媒流路に供給される冷却水の流量を変更する方法によっても行うことができる。すなわち、制御部CのROMには、あらかじめ上記切り込み位置に応じて設定された冷却水の流量制御の目標値が記憶され、その目標値に基づき、流量センサS1によってその流量を測定しながら、電磁弁Bの弁体の開度調整を行う。
これらの電磁弁B、制御部Cおよび流量センサS1によって、あらかじめ切り込み位置に応じて設定された流量まで、冷却水の流量を変更する冷媒流量調整手段51が構成される。ここで、表2に冷却水の流量制御の目標値(反り切断用)を示す。
【0023】
【表2】
【0024】
次に、図4に基づき、この発明の第2の実施例のワイヤソーを説明する。
図4は、この発明の第2の実施例に係るワイヤソーの要部模式図である。
第2の実施例のワイヤソー60の構成の特長を説明する。制御部CのROMには、あらかじめ切り込み位置に応じて設定されたグルーブローラ12Aの軸線方向に向かうインゴットIの移動量の制御目標値が記憶されている。また、昇降台19が、出力軸の回転数を検出する図外の回転センサを有するサーボモータ(移動手段)Mによって、グルーブローラ12Aの軸線方向へ移動可能に設けられている。これらの制御部C、サーボモータM、図外の回転センサにより、あらかじめ切り込み位置に応じて設定された距離分だけ、インゴットIをグルーブローラ12Aの軸線方向に移動させるインゴット移動量調整手段70が構成される。表3に、インゴットIの移動量の制御目標値(反り切断用)を示す。
【0025】
【表3】
【0026】
次に、この第2の実施例のワイヤソー60の作動を説明する。インゴット切断中、インゴットIへのワイヤ11aの切り込み位置を渦電流センサSにより検出し、その検出データに基づき、ROMに記憶されたインゴットIの移動量の制御目標値の分だけ、サーボモータMにより昇降台19をグルーブローラ12Aの軸線方向へ移動させる。その際、インゴットIの移動量は回転センサにより検出する。
その他の構成、作用および効果は、第1の実施例から推測可能な範囲であるので、説明を省略する。
【0027】
【発明の効果】
この発明によれば、インゴットへのワイヤの切り込み位置を位置センサにより検出し、得られた検出データに基づき、あらかじめこの切り込み位置に応じて設定された温度に達するまで、各軸受の冷媒流路を流れる冷媒の温度を変更する制御を行う。これにより、反りを抑えた半導体ウェーハが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施例に係るワイヤソーのワイヤソー用グルーブローラの拡大断面図である。
【図2】 (a)は、この発明の第1の実施例に係るワイヤソーの要部模式図である。
(b)は、この発明の第1の実施例に係るワイヤソーに組み込まれたワイヤソー用グルーブローラの部分拡大図である。
【図3】 この発明の第1の実施例に係るワイヤソーによって反り切断されたインゴットの拡大断面図である。
【図4】 この発明の第2の実施例に係るワイヤソーの要部模式図である。
【符号の説明】
10,60 ワイヤソー、
11a ワイヤ、
12A,12B,12C ワイヤソー用グルーブローラ、
12a,12b,12c ライニング材、
12d ワイヤ溝、
30,31 軸受、
50 冷媒温度調整手段、
51 冷媒流量調整手段、
70 インゴット移動量調整手段、
I インゴット。
M サーボモータ(移動手段)、
P ポンプ(冷却供給手段)、
S 渦電流センサ(位置センサ)。
Claims (1)
- 複数本のグルーブローラと、各グルーブローラを回転自在に支持する軸受と、各軸受を冷却する冷媒を供給する冷媒供給手段とを備え、上記グルーブローラ間に架け渡されたワイヤを往復走行させながら、インゴットをワイヤに相対的に押しつけることにより、このインゴットを切断するワイヤソーにおいて、
上記インゴットに対するワイヤの切り込み位置を検出する位置センサと、
上記インゴットに対するワイヤのインゴット切断開始端からインゴット切断中間位置までは上記冷媒の温度20℃から40℃にまで上昇させ、その後は該冷媒の温度を低くして、インゴット切断終了端ではインゴット切断開始端と同じ冷媒の温度になるよう制御する冷媒温度調整手段と、を有するとともに、
上記冷媒供給手段は、上記グルーブローラの軸線方向に延びてこのグルーブローラを上記軸受を介して回転自在に支持する芯金の内部にこの芯金の全長にわたり形成された冷媒流路を有し、この冷媒流路を介して上記冷媒が供給されるワイヤソー。
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