JP5853081B2 - ワークピースから多数のウェハを同時に切り出すための方法 - Google Patents

ワークピースから多数のウェハを同時に切り出すための方法 Download PDF

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Description

発明の主題
本発明は、ワークピースから同じタイプの多数のウェハを同時に切り出すための方法に関し、特定的には、ワイヤーにより補助されたラッピングによって、円筒状の結晶から半導体ウェハを同時に切り出すための方法に関する。
先行技術
多くの用途において、ストックピースから切り出すことにより得られる、スライス状態にある同じタイプおよび同じ形状の多数のワークピースが必要とされる。スライスは、高さがそのベース面の寸法と比較すると小さい筒である。筒は、平行で平坦かつ合同な2つのベース面と横方向の表面とによって規定される物体であり、横方向の表面には、当該2つのベース面の縁部と交差するすべての平行な直線がつながる。
直筒形状のスライスが重要である。直筒では、横方向の表面の直線はベース面に対して垂直に延在する。多角形のベース面を有する直筒スライス、すなわち直角柱、または、円形のベース面を有する直筒スライス、すなわち直円柱が特定に重要である。
多角形のベース面を有する直筒スライスの例には、光起電セル(「太陽電池セル」)があり、そのベース面は通常、正方形または略八角形である。
円形のベース面を有する直筒スライスの例には、電子部品、超小型電子部品または超小型電子機械部品のパターニングのための基板として使用されるか、またはさまざまなコーティングの堆積のための支持部として使用される半導体材料のスライスがある。
半導体材料は、珪素もしくはゲルマニウムのような単体半導体、たとえば砒化ガリウムもしくは炭化珪素のような化合物半導体、またはその複合材料または層構造を含む。さまざまなコーティングの堆積のための支持部の例には、半導体レーザもしくはLED(発光ダイオード)を製造するためにたとえば砒化ガリウムが適用される珪素、砒化ガリウムもしくは炭化珪素のスライスか、またはハードディスクメモリを製造するために磁化可能層が適用されるアルミニウム、ガラスもしくはセラミックのスライスか、またはいわゆるオプティカルフラットという、光学コーティング(鏡、フィルタ)の適用のためのガラスから形成される支持部がある。さらなる例には、非線形光学(レーザにおける周波数2逓倍)で使用するための、リン酸二水素カリウム(KDP)、ニオブ酸リチウムなどといった光学的に複屈折の結晶のスライス、サファイア(Al)のスライス、およびセラミックのスライスなどがある。
しばしば、これらのスライスはウェハとも称され、特に珪素(光起電技術、超小型電子技術)または砒化ガリウムおよび炭化珪素(オプトエレクトロニクス)から形成される。通常、筒状のウェハの2つのベース面のうちの1つは、その反対に位置するベース面に関連して、構成要素担持側または機能担持側(component- or function-carrying side)として指定される。このように指定された側は表側と称され、表側の反対に位置する側はウェハの裏側と称される。
ウェハが切り出されるストックピースは、インゴットとも称される。これらのインゴットは一般に、筒状の形状、通常は直筒状の形状を有し、そのベース面は、当該インゴットから得られたウェハのベース面と合同である。慣性モーメントが最も低いインゴットの主な慣性軸は、インゴット軸と称される。規則的な多角形のベース面を有する直角柱のインゴットの場合または直円筒形状を有するインゴットの場合、インゴット軸はインゴットの対称軸と同じである。
超小型電子部品のための基板としての半導体ウェハには通常、縁部領域において、切欠部または平坦部が設けられる。この切欠部または平坦部は、指定された結晶方向を示しており、ウェハを切り出す前に、切欠溝である軸溝をミリングにより形成することまたは平面である軸平坦部を研削により形成することにより、インゴット上に適用される。切り出しの後、これらの半導体ウェハには通常、レーザスクライブによって、半導体ウェハの表側または後側において上記の方向マークの直近に識別コードが与えられる。
「ワイヤーソーイング」と称される切り出し方法には、インゴットからウェハを切り出すことについて特有の重要性が存在する。ワイヤーソーイングでは、ワイヤーソーと称される装置において、全インゴットから多数の同じタイプのウェハが同時に切り出される。したがってワイヤーソーイングは、非連続的なバッチプロセスである。ワイヤーソーイングを実行するのに好適な装置は、ワイヤーソーと称される。
ワイヤーソーは、ワイヤーと、少なくとも2つの筒状のワイヤー案内ローラと、インゴットを保持および移動させるための装置と、研削剤とを含む。インゴットの軸およびワイヤー案内ローラの軸は、互いに平行に配される。ワイヤー案内ローラの横方向の表面には、互いに本質的に等距離である多数の平行溝が設けられ、当該平行溝は、それぞれ連続的であり、ワイヤー案内ローラ軸に対して垂直に延在する。ワイヤーは、各ワイヤー案内ローラの各溝にワイヤーがそれぞれちょうど1つ存在するような態様でワイヤー案内ローラの周りを螺旋状に外方向に案内されており、互いに平行かつワイヤー案内ローラ軸に対して垂直に延在するワイヤーセクションからなるワイヤーウェブには、2つのワイヤーガイドローラ間で張力が与えられる。
切り出しプロセスは、同じ周方向速度で、すべてのワイヤー案内ローラの回転によってワイヤー長手方向にワイヤーを動かすことと、ワイヤーウェブにインゴットを垂直にフィードすることと、研削剤を供給することとを含む。インゴットに対するワイヤーの相対的な運動によって、ワイヤーは、研削剤の補助により、インゴットに接触する際およびインゴットの継続的なフィード中に、インゴットの材料摩滅を引き起こす。したがって、フィードを継続すると、ワイヤーウェブは、インゴットをゆっくり貫通し、同じタイプの多数のウェハを同時に製造する。
ほとんどの用途の場合、正確に等しい厚さのウェハが必要とされる。ワイヤーは、切り出しの間に、摩耗によって厚さが減少するので、ワイヤー案内ローラにおける溝同士の間には通常、互いからの距離が設けられ、当該溝は、新しいワイヤー側から使用されたワイヤー側まで若干減少する。
インゴットは、切り出しの開始時にワイヤーウェブから離れている自身の側がインゴット搭載ビームに接着により結合される。切り出しプロセスは、ワイヤーウェブのすべてのワイヤーセクションがインゴットを完全に切断し、インゴット搭載ビームに完全に到達するとすぐに終了する。その後、切り出されたウェハは、櫛の歯のように半分切断された搭載ビームから吊るされたままであり、それらの横方向の表面の部分に沿って、切り込まれたインゴット搭載ビームにまだ接着剤接合によって接続されている。インゴット搭載ビームはたとえば、硬質炭素、プラスチック、鉱物材料またはこれらまたは他の材料の複合材料といった、切断が容易な材料からなる。
フィード方向を反転させることによって、ウェハへと切断されたインゴットは、ワイヤーウェブから動かされ、これらのウェハは接着結合を解放することにより分離される。接着結合の解放は、脱接合(uncementing)と称される。使用される接着剤はたとえば、水に可溶であり、pHを修正することによって、溶媒に可溶であるか、または熱により可溶になる。そのため、切断されたインゴットを好適な液体に浸すかまたは当該インゴットを加熱することによって、すべてのウェハは同時に脱接合し得るか、または破断分離、切断分離、レーザ分離もしくは水噴射分離によって接着接合が連続的に分離され、インゴットがウェハごとに分離される。
切り出しの任意の時において各ワイヤーセクションがインゴットの内部で延在する長さは、それぞれのワイヤーセクションの係合長さと称される。切り出しプロセスの全体にわたって生じる最も大きな係合長さは、インゴットの直径と称される。ワイヤーが初めてワークピースに接する切り出しプロセスの瞬間は、切込みと称される。したがって、非回転対称のインゴットの場合、上に規定されるような直径は、インゴットがインゴット搭載ビーム上に接合される方位(角度位置)に依存する。
係合長さによって、さまざまなワイヤーソーイング方法が区別され得る。すなわち、側面がワイヤーウェブと平行に方向付けされる立方形のインゴットの場合には、係合長さは、すべてのワイヤーセクションについて、切り出しプロセス全体を通じて一定である。側面がワイヤーウェブに平行に方向付けされる概して角柱形であるが立方形ではないインゴットの場合には、切込みの際の係合長さは有限であり、切り出しプロセスがさらに進むと、一般に変動し得る。ワイヤーウェブに平行に方向付けされる側面を有していないインゴットの場合には、切込みの際の係合長さは0であり、切り出しプロセスがさらに進むと、はじめは増加し、切り出しプロセスの全体にわたって一般に変動し得るとともに有限である。円筒状のインゴットの場合には、切込みの際、係合長さは0であり、次いで、最大値へと増加し、その後、減少して、終了の際、再び0まで減少する。
さまざまなワイヤーソーイングプロセスは、材料摩滅のメカニズムに従って、ラッピングおよび研削へとさらに細分化され得る。
ラッピングの場合には、研磨するよう作用する硬質物質の懸濁液がワイヤーに供給される。材料浸食は、ラッピングによる三体相互作用(1.インゴット、2.研磨材、3.ワイヤー)によって発生する。ラッピングは、自由に移動可能な研磨材とワークピース表面との間の微小割れの形成を伴うヘルツプレッシング(Hertzian pressing)によって局所的に材料強度を超過することによる材料結合の破断を指す(脆い浸食性摩滅)。キャリア液における研磨材の懸濁液はスラリーとも称される。
研削の場合には、研磨するように作用する硬質物質がワイヤーの表面に固定される。ワイヤーは工具担持体として作用し、固定された研磨剤は工具として作用し、研削による二体相互作用(1.インゴット、2.研磨材)によって材料浸食が発生する。研削は、空間的に一様に方向付けされる切れ刃の切り込みによる材料結合の破断と、ワークピース表面を貫通するようにワークピース表面と平行に切ることによる切断物の除去とを指す。
チップは、切り出し動作によってワークピースから放出されたワークピースの断片を意味するように意図される。研磨材は、不規則な多面体(多辺体)の形状を有する。研磨材は、粒子とも称される。切れ刃は、研磨材の移動方向に方向付けられるとともにワークピースに接する多面体の面の縁部を指し、その縁部にて、ワークピース材料が切断され、したがってチップが解放される。切断角度は、切れ刃がワークピースに係合する状態の粒子の面がワークピースの表面に対して配置される角度を意味するように意図される。
ラッピングの場合には、スラリーにおけるその自由運動に起因して、各粒子は時間とともに変動する切れ刃および切断角度を有する。研削の場合には、各個々の粒はそれぞれ、粒子の摩耗を無視すると、工具担持部(ワイヤー)へのその固定接続に起因して、切断角度が時間とともに変動せず、時間とともに変動しない切れ刃を有するが、たとえば新しい切れ刃が形成され得るような研削プロセス中の割裂によって、研削の間に係合する切れ刃のすべておよびすべての粒子の切断角度はランダムな切断面および切断角度となる。したがって、ラッピングおよび研削は、幾何学的に決定されない切れ刃を用いる切り出し方法と称される。
最後に、単方向のワイヤー運動を伴うソーまたはワイヤー運動の連続的な方向反転を伴うソーといったワイヤー運動の性質によって、さまざまなワイヤーソーイング方法が区別され得る。
単方向のソーイングの場合には、切り出しプロセスの全体にわたって、ワイヤーは、フィードスプールから巻き取りスプールまで、ちょうど1つのワイヤー長手方向に巻かれている。ワイヤー運動の連続的な方向反転を伴うソーイングの場合には、長手方向のワイヤー運動の方向は継続的に反転される。ワイヤー運動の連続的な方向の反転を伴うソーイング方法の群のうち、往復運動工程法(reciprocating step method)が特に重要である。
往復運動工程法に従うと、切り出しは、いわゆる往復運動工程または「巡回工程(pilgrim step)」のシーケンスからなる。往復運動工程は正確に、第1のワイヤー長手方向における第1の長さを通るワイヤーの運動と、第1の方向と正反対の第2の方向における第2の長さを通るワイヤーのその後の運動とを含み、第2の長さは、第1の長さより短くなるよう選択される。したがって、往復運動工程の間、合計でこれらの2つの長さの合計に対応するワイヤー長さがワークピースを通過し、ワークピースに切断係合するワイヤーセクションが、合計で上記2つの長さの間の差に対応する量だけフィードスプールから巻き取りスプールへと前方に動かされる。したがって往復運動工程法において、ワイヤーは、2つの長さの差に対する合計の比によって与えられた係数によって、繰り返し使用される。2つの長さの間の差は、全往復運動工程に亘るワイヤーの「正味の運動」とも称される。
ワイヤーはたとえば、1つ以上のストランドを有するプラスチック、炭素繊維または金属合金を含む(ケーブル)。モノフィラメント硬化鋼のワイヤー(ピアノ線)は特に重要である。ラッピングの間に使用される鋼のワイヤーは、通常1マイクロメートル未満の層厚さを有し、潤滑剤としてワイヤー引きプロセスに由来し、浸食を妨げる非鉄金属合金でコーティングされる。研削の間に使用される鋼のワイヤーは、固定された研磨剤についてバインダとして作用する合成樹脂またはニッケルの層でコーティングされる。研削ワイヤーの場合には、研磨材はさらに、形状嵌合(form fit)によって、たとえば鋼のワイヤーの表面に研磨材をロールする(押圧する)ことによって、固定され得る。
ラッピングの場合に使用される研磨材はたとえば、炭化珪素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、窒化珪素、酸化ジルコニウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化クロム、窒化チタン、炭化タングステン、炭化チタン、炭化バナジウム、ダイヤモンド、サファイア、およびそれらの混合物を含む。炭化珪素はラッピングの場合に特に重要であり、ダイヤモンドは研削の場合に特に重要である。
スラリーのキャリア液はたとえば、油またはグリコールを含む。
半導体ウェハを切り出すためのスラリーラッピングおよびそれに好適な装置が、たとえばEP 0 789 091 A2に記載されている。半導体ウェハを切り出すためのダイヤモンドのワイヤー研削およびそれに好適な装置が、たとえばWO2013/041140 A1に記載されている。
インゴットは、開始部、終端部および中間部を有する。インゴット開始部は、長手方向における単方向のワイヤー運動を伴うワイヤーソーイングの間において、長手方向におけるワイヤーの運動中にワイヤーがインゴットに最初に係合するインゴットの端面に近いインゴットの軸領域を指す。長手方向におけるワイヤーの運動の連続的な方向反転を伴うワイヤーソーイング(往復運動方法)の場合には、インゴット開始部はこれに対応して、全往復運動工程に亘るその正味の運動中にワイヤーが最初にインゴットに係合する端面の近傍におけるインゴットの軸領域を指す。インゴット終端部は、インゴット開始部とは反対側のインゴットの端面の近傍における軸領域を指し、インゴット中間部は、インゴット開始部とインゴット終端部との間の領域を指す。
これに対応して、ワイヤーウェブも、開始部、中間部および終端部を有する。ワイヤーウェブ開始部は、そのワイヤーセクションがインゴット開始部にあるインゴットセクションを切る部分を指し、ワイヤーウェブ終端部は、そのワイヤーセクションがインゴット終端部を切る部分を指し、ワイヤーウェブ中間部は、そのワイヤーセクションがインゴット中間部を切る部分を指す。単方向のソーイングの場合におけるその長手方向のワイヤー運動の間または往復運動工程法によるソーイングの際のその正味の運動の間において、ワイヤーは、ワイヤーウェブ開始部でワイヤーウェブに入り、ワイヤーウェブ終端部でワイヤーウェブから出る。
チップの形成によってインゴットに形成される各カーフは、ワイヤー入口側およびワイヤー出口側を有する。ワイヤー入口側は、その長手方向のワイヤー運動(単方向の切り出し)の間またはその正味のワイヤー運動(往復運動工程法を用いる切り出し)の間にワイヤーがカーフに入る、ワイヤー長手方向におけるインゴットの側を指し、ワイヤー出口側は、ワイヤーが切断カーフから出る側を指す。
切り出しプロセスの間、ワイヤーセクションは、フィード方向において横断方向の撓みに晒される。これは、ワイヤー湾曲(wire bending)と称される。ワイヤー湾曲は、フィード方向におけるワイヤー横断方向に作用する横断ワイヤー力に応答して、ワイヤー長手方向におけるワイヤーの予応力とワイヤーの弾力とにより生じる。フィード方向における横断ワイヤー力は、切り出しプロセスの本質的な部分である。この横断ワイヤー力がなければ、粒子はワークピース内に入り込むことができず、材料浸食は発生しない。フィード方向における横断ワイヤー力は、材料除去速度と長手方向のワイヤー運動の速度との比によって決定される。
材料除去速度は、切り出しプロセスによってワークピースから放たれる、単位時間当たりに生成されるチップの体積を指す。ワイヤーウェブに張力を与える2つのワイヤーガイドローラ上の軸受点間の個々のワイヤーセクションの自由長さと比較して小さいワイヤー湾曲の場合、ワイヤー湾曲は、材料除去速度と長手方向のワイヤー速度との比に比例する(線形範囲;フックの法則)。この点において、ワイヤーソーイングの間には、小さなワイヤー湾曲だけが生じる。
ワイヤーは、切込みの前にはワイヤー湾曲を示さず、またワークピースの切断の間は有限のワイヤー湾曲を示すので、少なくとも切込み領域において、ワイヤー湾曲が変動する領域が常に存在する。
たとえば、ワイヤー湾曲は、係合長さが増加する場合、ワイヤーウェブ上へのワークピースのフィードの速度が増加する(材料除去速度が増加する)場合、および長手方向のワイヤー運動の速度が減少する場合に増加し、係合長さが減少する場合、材料除去速度が減少する場合、および長手方向のワイヤー運動の速度が増加する場合に減少する。
切込みビームは、切り出しプロセスの間、ワイヤーウェブが最初に切込みビームに係合し、少なくとも部分的に切込みビームを切断した後はインゴットにのみ係合するようにインゴットの切込み位置に固定される物体を指す。係合長さがカット深さに応じて変動するワークピースを切断する場合における切込みビームの目的は、少なくとも切込み領域において係合長さの変動を最小限にすることである。
公知の切込みビームは、インゴット進行方向における切込みビームの範囲がインゴット直径と比較して小さいという点において区別される。
JP2007−301688 A2は、切込みビームが使用されるワイヤーソーイング方法を記載する。
ワイヤーソーイングによってインゴットから切り出される上記のウェハの多くは、ウェハの表側および裏側の特に高い程度の平坦性および平行性を必要とする特に要求の高い用途のために意図される。
ワイヤーソーイングの当業者の間では、インゴットにおいてワイヤーウェブのワイヤーセクションによって形成されるカーフの側壁は通常、あまり平坦ではないということが知られている。特に、インゴットの横方向の表面との最初の接触時(切込みプロセス)において、ワイヤーセクションはまず、切り出しがさらに継続されてワイヤーウェブにインゴットがさらにフィードされる際のインゴット軸位置とは若干異なるインゴット軸位置からインゴットに切り込むことが知られている。これにより、ウェハは、特に切込み領域において、それらの表側および裏側の所望の完全な面平行性からの相対的に顕著な逸脱を有することになる。切込み領域における平坦性からの表側および裏側の同じ方向におけるこのような逸脱は、「切込み波状部(cut-in wave)」とも称され得る。
公知の切込みビームは、インゴットを切断することにより得られたウェハの表側および裏側の、特に重大な切込み領域における互いに所望の面平行性からの長い波状部の長さの逸脱の問題の解決のためには好適ではない。
不規則な切込みは、切り出されたウェハのそれぞれの表側および裏側の、同じ方向にではない平坦性の逸脱に結びつき得る。特に、ある状況下では、ウェハは、切込み領域において、他の位置においてよりも薄い。ウェハの切込み領域の平坦でないこの形状は、「切込み楔部(cut-in wedge)」と称され得る。
EP 0 789 091 A2 WO2013/041140 A1 JP2007−301688 A2
発明の目的
本発明の目的は、筒状のワークピースから多数のウェハを同時に切り出すための方法を提供することであり、当該方法によって、切込みの領域においてそれぞれの表側および裏側の高い程度の平坦性および平行性がウェハに与えられる。
解決策
上記の目的は、筒状のワークピースから同時に多数のウェハを切り出すための方法によって達成され、上記ワークピースは、軸と、上記ワークピースの横方向の表面において上記軸に平行に適用される切欠部とを有しており、上記方法は、上記ワークピース上に切込みビームを適用するステップを含み、上記切込みビームは、上記切欠部にヘッド端部が存在する状態での形状嵌合により表側から後側まで嵌合されるとともにフット端部にて上記切欠部から突出しており、上記方法はさらに、上記ワークピースの上記軸がワイヤーソーの筒状のワイヤー案内ローラの軸に平行状態で、上記ワイヤーソーのフィード装置によって上記ワークピースを保持するステップと、上記フィード装置によって、平坦なワイヤーウェブを通るよう垂直にフィード方向に上記切込みビームおよび上記ワークピースを動かすステップとを含み、上記ワイヤーウェブは、上記ワイヤー案内ローラにおける溝によって上記ワイヤー案内ローラの周りに螺旋状に複数回案内されるワイヤーのセクションからなっており、上記ワイヤーのセクションは互いに平行に配されるとともに上記ワイヤー案内ローラの上記軸に垂直であり、ワイヤーウェブに対して、上記切込みビームはまず上記フット端部が動かされるとともに上記ワークピースはまず上記切欠部が動かされ、上記方法はさらに、同じ周速度と同じ意味での上記ワイヤー案内ローラの回転によって、研削剤として作用する研磨材が存在する状態でワイヤー長手方向に上記ワイヤーセクションを動かすステップを含む。
上記切込みビームは好ましくは、円筒の形状、または、長さが高さより大きく高さが幅以上である長さ、高さおよび幅を有する物体の形状を有する。
切込みビームの長さは表側から後側まで及び、切込みビームの高さは、ヘッド端部とフット端部との間の最も大きな垂直距離に対応し、切込みビームの幅は、ワイヤーセクションの方向における切込みビームの最も大きな範囲に対応する。切込みビームの幅は好ましくは、ワークピースの周辺部上の切欠部の幅と等しい。
切込みビームは好ましくは、ワイヤーセクションに亘って垂直に配される溝を有する。
切込みビームの高さは、表側と後側との間で一定であるか、または切欠部から突出するフット端部が後側に向かって次第に短くなるように表側から後側へと減少する。これ対応して、ワイヤーセクションとワイヤーウェブの開始部との間のワイヤー通路が長くなるほど、ワイヤーセクションはより遅く切込みビームに対応して入り込む。
フィード方向におけるフット端部の断面の形状は、切込みビームの長さに亘って変動してもよい。好ましくは、当該断面の形状は、フット端部の下端部にて次第に楔形になる。本発明は、一般的な形状で以下に記載される。
切込みビームはたとえば、互いに鏡面対称で存在しワークピース軸に垂直である、第1の長さの相互に平行な2つの線と、第2および第3の長さの2つの曲線とによってそれぞれ断面エリアが囲まれる物体であり、第1の長さは第2の長さおよび第3の長さより大きく、第1の曲線はすべての断面エリアについて同じである。第1の曲線は円弧であり、その半径は切欠部の半径と同じであり、その傾きは上記の2つの線の傾きに連続的に合流し、切込みビームは、切込みビームのすべての断面エリアの第1の曲線を含むその表面の部分がワークピースの切欠部に挿入される。
相互に平行な2つの線の第1の長さは、切込みビームの開始部から終端部まで一定であってもよい。切込みビームは筒状であり、ワークピースおよび切込みビームがワイヤーソーのワイヤーウェブ上にフィードされると、ワイヤーウェブのすべてのワイヤーセクションが同時に、フィード方向においてワイヤーウェブに最も近くに存在する切込みビームの横線に沿って切り込む。
相互に平行な2つの線の第1の長さは、インゴット開始部からインゴット終端部まで減少してもよい。切込みビームはほぼ楔形の物体であり、ワークピースがワイヤーウェブ上にフィードされると、切込みビームはまず、インゴット開始部に最も近くに存在するワイヤーセクションによって切り込まれ、その後、連続的にさらなるワイヤーセクションによってワイヤーセクションごとにフィード方向においてワイヤーウェブに最も近くに存在する横線に沿って切られ、最後に、インゴット終端部に最も近くに存在するワイヤーセクションによって切られる。
好ましくは、第1の長さは、インゴット開始部からインゴット終端部に単調減少する。特に好ましくは、第1の長さは、インゴット開始部からインゴット終端部に厳密に単調減少し、ワイヤーウェブのワイヤーセクションがそれに沿って切込みビームに切り込む縁部は、特に線状であってもよい。
上記の方法は好ましくは、切込みビームの張出部の切断の間、すなわち切欠部から突出するフット端部の切断の間、フィード方向におけるワイヤーウェブの湾曲が構築され、ワークピースの切断の間、一定に保たれるような態様で行なわれる。
切込みビームは、ワークピースの切欠部に接着によって結合されてもよい。
好ましくは、この場合、第1の長さは、切込みビームを伴わないワークピースの以前の切断から得られたウェハがそれらの表側および裏側において同じ方向の平坦性の逸脱を有した切断深さ、すなわち、切込み波状部または切込み楔部を被った切断深さと等しくなるように選択される。
切込みビームの長手方向に対して垂直な切込みビームの断面の縁部線の一部である第2の曲線は、共通の頂部によって接続される少なくとも2つのセクションへ細分されてもよい。ワイヤーウェブのワイヤーセクションが切込みビームに切り込むすべての点を含む、切込みビームの長手方向における切込みビームの表面における線は、ワークピース軸に垂直な切込みビームのすべての断面の頂部によって形成される縁部と同一である。
切込みビームの第2の曲線は、ワイヤーウェブに平行な線を含んでもよい。
切込みビームの第2の曲線は好ましくは円弧であり、その傾きは上記の平行な2つの線に絶えず合流する。
切込みビームの材料は、ワークピースの材料に対して同様の浸食性を有する。
切込みビームの材料は、好ましくはガラスであり、特に好ましくは、たとえばDURAN(登録商標)の名称の下で販売されるガラスのような硼珪酸ガラスである。
切込みビームには、ワイヤーウェブを向く側において、ワイヤーウェブのワイヤーセクションに平行な溝が設けられてもよく、フィード方向において距離を置いて、ちょうど1つの溝がちょうど1つのワイヤーセクションをカバーする。溝は、切込みが行われる切込みビームの表面の部分に形成される。この場合、溝は、切り出し装置のワイヤーウェブを形成するワイヤーセクションに平行に延在する。好ましくは、溝は、上記切り出し方法を行なう際に、ワークピースがワイヤーウェブ上に動かされる方向に距離を置いて、各溝がちょうど1つのワイヤーセクションをカバーし、各ワイヤーセクションがちょうど1つの溝をカバーするような態様で互いに分離される。したがって、ワイヤーウェブのワイヤーセクションが切込みビームに切り込む際に、ちょうど1つのワイヤーセクションが各溝内に正確に存在するようになる。
溝はさらに、以前の切断において得られたウェハの切込み楔部または切込み波状部の範囲より大きい切断深さについて以前の切り出しプロセスの切断カーフがそれぞれ延在する各面がちょうど1つの溝を含むような態様で位置決めされてもよい。したがって溝は、ワイヤーウェブのワイヤーセクションの位置に対応する位置に配されており、ワークピースの継続的な切断の間、ワイヤーセクションは、ワークピースの軸方向におけるそれらの力のない平衡位置を占める。これらは、ワイヤーセクションが切込みビームを伴わないワークピースに切り込む位置と異なり得るので、溝が設けられる切込みビームを使用する場合、切込みビームに切り込む際に、ワイヤーセクションは既に、ワイヤーセクションのその後の軸方向の力のない平衡位置に対応する位置に配置される。これにより、切込み波状部が回避される。
この方法は、長手方向における単方向のワイヤー運動によってか、または、長手方向のワイヤー運動の方向の繰り返される連続的な反転(往復運動工程法)によって、行なわれてもよい。
上記方法は、研磨材が懸濁状態でワイヤーに供給されるラッピングであってもよい。
上記方法は、研磨材がワイヤーの表面上に固定される研削であってもよい。
本発明に従った、切込み楔部がなく切込み波状部のない、インゴットの開始部でのウェハ厚さおよびウェハ形状のプロファイルの例の図である。 切込み楔部が存在する、インゴットの開始部でのウェハ厚さおよびウェハ形状のプロファイルの比較例の図である。 切込み楔部が存在する、インゴットのウェハ厚さおよびウェハ形状のプロファイルの比較例の図である。 延在した切込み波状部が存在する、インゴットのウェハ形状のプロファイルの比較例の図である。 サドル形状の厚さ、切込み楔部または切込み波状部を有するウェハの比較例の図である。 変動し得るワイヤー湾曲を伴う切断プロファイルの比較例の図である。 本発明に従った、切込みビームが切欠部に嵌合するとともにインゴットにおいてワイヤー湾曲が一定である、インゴットの切断プロファイルの例の図である。 本発明に従った、切込みビームが切欠部に嵌合したインゴットの例の図である。 本発明に従った、切込み溝を有する切込みビームが切欠部に嵌合したインゴットの例の図である。 本発明に従った、切断深さの関数としてのフィード速度のプロファイルの例の図である。 切込み領域および他の領域におけるウェハ厚さのプロファイル、ならびに、インゴットにおけるウェハの位置の関数としてのこれら2つ同士の間の差(切込み楔部)の図である。 インゴットにおけるウェハの位置の関数としての切込み波状部のプロファイルの図である。 本発明に従った、インゴットフィード方向において大きな範囲を有する切込みビームの実施形態の例の図である。 切込み領域におけるウェハ厚さのプロファイル、フィード方向においてウェハ対角線に沿った他の領域におけるウェハ厚さのプロファイル、最も大きな係合長さのワイヤー入口領域におけるにおける最小のウェハ厚さのプロファイル、ならびに最も大きな係合長さのワイヤー出口領域における最小のウェハ厚さのプロファイルの図である。 インゴットフィード方向において範囲がインゴット開始部からインゴット終端部まで厳密に単調減少する切込みビームを伴うインゴットの断面プロファイルの図である。 本発明に従った切込みビームの例の図である。
参照符号一覧
1 ウェハ
2a 最も大きなワイヤー係合長さの領域におけるワイヤー入口側の、サドル形状である低減されたウェハ厚さ
2b 最も大きなワイヤー係合長さの領域におけるワイヤー出口側の、サドル形状である低減されたウェハ厚さ
3 対角線の厚さの測定長さおよび形状プロファイル
4a ワイヤー入口側の厚さの測定弦および形状プロファイル
4b ワイヤー出口側の厚さの測定弦および形状プロファイル
5 切欠部
6 切込み楔部
7 切込み波状部
8 ウェハの表側および裏側の間の中間表面
9 ウェハ対角線に沿ったウェハ厚さのプロファイル
10a 最長のワイヤー係合長さの領域におけるワイヤー入口側の測定弦に沿ったウェハ厚さのプロファイル
10b 最長のワイヤー係合長さの領域におけるワイヤー出口側の測定弦に沿ったウェハ厚さのプロファイル
11 ウェハ対角線に沿ったウェハ形状のプロファイル
12 ウェハが切込み楔部を有し得る切断深さ
13 インゴット
14 円筒状の切込みビーム
15 ワイヤー
16 変動し得るワイヤー湾曲
17 切断されたインゴット部分
18 一定のワイヤー湾曲
19 切断された切込みビーム部分
20 フィード方向において大きな範囲を有する筒状の切込みビーム
21 ウェハが切込み楔部または切込み波状部を有し得る切断深さ
22 フィード方向において大きな範囲を有する切込みビームの最長の範囲(切欠部から突出する切込みビームフット端部の高さ)
23 接着接合部
24 溝
26 フィード速度のプロファイル
27 切込みビームの領域における非常に速いフィード速度
28 インゴットの領域における、係合長さに依存する低いフィード速度
29 インゴット搭載ビームの領域におけるフィード速度
30 インゴットにおけるウェハの位置の関数としての切込み領域における最も小さなウェハ厚さのプロファイル
31 インゴットにおけるウェハの位置の関数としての切込み領域外の中心ウェハ厚さのプロファイル
32 インゴットにおけるウェハの位置の関数としての、切込み領域外の中心ウェハ厚さと切込み領域における最も小さな厚さとの間の差のプロファイル(「切込み楔部」)
33 インゴットにおけるウェハの位置の関数としての切込み波状部のプロファイル
34 ウェハの切欠部に形状嵌合により接続される第1の切込みビーム曲線部
35 互いに鏡面対称に位置する、切込みビームのそれぞれの第1の長さの等しい長さの線の対
36 切込みビームの第2の曲線部
38 インゴットにおけるウェハの位置の関数としての、最も大きなワイヤー係合長さの領域におけるワイヤー出口側上の最小のウェハ厚さのプロファイル
39 インゴットにおけるウェハの位置の関数としての、最も大きなワイヤー係合長さの領域におけるワイヤー入口側上の最小のウェハ厚さのプロファイル
40a ウェハが切込み波状部を有し得る最も小さな切断深さ
40b ウェハが切込み波状部を有し得る最も大きな切断深さ
41 インゴットフィード方向における範囲がインゴット開始部からインゴット終端部へと減少する切込みビーム
42a インゴット開始部
42b インゴット終端部
43a ウェブ開始部(ソーイングウェブにおける第1のワイヤーセクション)
43b ウェブ終端部(ソーイングウェブにおける最後のワイヤーセクション)
44a 範囲がインゴットフィード方向においてインゴット開始部からインゴット終端部へ減少する切込みビームの開始部(表側)
44b 範囲がインゴットフィード方向においてインゴット開始部からインゴット終端部へ減少する切込みビームの終端部(後側)
45a 範囲がインゴットフィード方向においてインゴット開始部からインゴット終端部へ減少する切込みビームを切断する場合のワイヤーウェブ開始部での変動し得るワイヤー湾曲
45b 範囲がインゴット開始部からインゴット終端部へインゴットフィード方向において減少する切込みビームを切断する場合のワイヤーウェブ終端部での変動し得るワイヤー湾曲
46 ワイヤーウェブが切り込む切込みビームの側面
47 終点
48 ワイヤーウェブ上へのワークピースの移動の方向における切込みビームの一定の範囲
49 切込みビームの長手方向に垂直な切込みビームの断面
CD 切断深さ(インゴットのフィード方向における切断深さ;CD)
T 厚さ(T)
TE 最も大きな係合長さの領域におけるワイヤー入口側の最小厚さ(厚さ入口;TE)
TS フィードの速度(テーブル速度;TS)
TX 最も大きな係合長さの領域におけるワイヤー出口側の最小厚さ(厚さ出口;TX)
W 形状(波状部;W)
WP インゴットにおけるウェハの位置(ウェハ位置;WP)
発明の詳細な説明
図および参照符号を用いて、本発明を以下に詳細に記載する。
ワイヤーソーイングにより筒状のインゴットを切断する場合、一般に筒のようなウェハが得られ、その表側および裏側は、互いから独立して任意に湾曲する、すなわち、その表側および裏側は特に、筒のベースおよび上面のように、互いに対して正確には面平行に延在しない。しかしながら、このようなウェハの場合には、共通の投影面に投影された場合におけるそれらの表側および裏側の投影表面は、それでも合同であり、表側および裏側の縁部の線の相互に対応する点を通って延在する直線は、筒の場合でのように、互いに平行に延在する。したがって、一定の距離とは別に、筒のようなウェハも、それらの表側および裏側によって完全に規定される。
横方向の表面の直線に平行に延在する直線との筒のようなウェハの表側および裏側の交点は、表側および裏側の相互割当点(mutually assigned point)と称され得る。表側および裏側の割当点の相対的な空間的配置は常に、ちょうど1つの厚さ規定成分とちょうど1つの形状規定成分との合計として示され得る。これは一般に、すべての筒のようなウェハについて、限定なく当てはまる。
厚さ規定成分は正確に、ウェハの表側および裏側との、ウェハの内部にて選択される基準面に対する各法線の交点からこの基準面への距離の合計のセットを含む。形状規定成分は正確に、ウェハの表側および裏側との、この基準面に対する各法線の交点からこの基準面への距離の差のセットを含む。
したがって、一定の厚さであるが任意の形状のウェハは、ウェハの表側および裏側との、基準面に対する各法線の交点から基準面への距離の一定の合計を有するが、対応する差の任意のセットを有する。したがって、反対に、任意の厚さであるが一定の形状のウェハは、表側および裏側との、基準面に対する各法線の交点から基準面への距離の一定の差を有するが、対応する合計の任意のセットを有する。
表側および裏側上の相互割当点のすべての対のそれぞれの接続線の半分上のすべての点のセットを含む表面は、表側および裏側の中間表面とも称され得る。任意の厚さであるが平坦形状のウェハの中間表面は、常に平面である。一定の厚さであるが任意形状のウェハの中間表面は、概して湾曲され、表側および裏側の形状規定成分を正確に反映する。
この文脈では、不規則な切込みの一般的な問題は、厚さ規定成分および形状規定成分へと分類され、これらの厚さ規定成分と形状規定成分とには異なる原因があり、その結果、互いから独立しており、異なる措置によって互いに別々に解決される必要があるという所見に本発明は基づく。切込みの領域における理想的な面平行な表側および裏側からの逸脱の厚さ規定成分は、「切込み楔部」と称され得、当該逸脱の形状規定成分は「切込み波状部」と称され得る。
「切込み楔部」および「切込み波状部」という用語ならびにワイヤーソーが適用されたウェハの他の典型的な幾何学的な欠陥は、図5に示される。図5(A)は、往復運動工程法を用いてワイヤーラッピングによって切り出されるウェハ1を概略的に示しており、ウェハ1は、切欠部5を有しており、その表側および裏側のすべてについてほとんど完全な平坦性および平行性を有する。その結果、表側および裏側の間の中間表面8は平坦である。
全体的なウェハ形状を評価するためには、好適に選択された測定線に沿って厚さおよび形状を測定することで十分である。ウェハの全表面エリアに亘る測定は、特に往復運動工程法によって切り出されるウェハの場合には、必要ではない。なぜならば、ワイヤー運動の連続的な方向反転により、厚さプロファイルおよび形状プロファイルが、それに対して垂直にワイヤー長手方向が延在するフィード方向におけるウェハ対角線に対してほぼ鏡面対称であるからである。参照番号3は、フィード方向においてウェハ対角線に沿った測定線を示す。4aおよび4bは、インゴットとのワイヤーの係合長さが切り出しの間に最も長かったウェハの領域にわたって、フィード方向における対角線に平行に延在する弦に沿った測定線を示す。
最も大きな係合長さの領域において、ワイヤーラッピングの間に材料除去を引き起こすスラリーの枯渇に起因して、特に薄い切断カーフが、インゴットの中心に生じるので、ウェハはそこが最も厚くなる。これは、全体として可能な限り均等なウェハ厚さを目的として、インゴットのフィードをより遅くすることによって、または最長の係合長さの領域におけるフィード距離の関数としてより長いワイヤー長さの使用によって、補償される。両方の措置によって、切断カーフが広がり、したがってより小さなウェハ厚さにつながる。これにより、そして、切断カーフにおける、上記の係合長さでの長手方向のワイヤー運動の方向におけるスラリーの枯渇により、ウェハは、残りの中間部よりワイヤー入口側にてより薄くなる。
往復運動工程法におけるワイヤー運動の方向の連続的な反転に起因して、当該往復運動方法によってワークピースから切り出されたウェハは、最長の係合長さの領域において厚さが低減された2つのゾーンを有する。すなわち、当該ウェハは、正味のワイヤー運動の方向に見られるようにワイヤー入口側での厚さがより大きく低減されたゾーン2aと、正味のワイヤー運動の方向に見られるようにワイヤー出口側の厚さがあまり大きく低減されなかったゾーン2bとを有する。
ゾーン2aがゾーン2bよりも厚さが幾分より多く低減されるのは、ワイヤーラッピングの間のワイヤーの正味の運動の方向における摩耗により、ワイヤーがある厚さ低減に晒されるからである。長手方向における単方向のワイヤー運動を伴うワイヤーラッピングは、最長の係合長さの領域において、ワイヤー入口側でのみ厚さの低減を引き起こす。しかしながら、摩耗によるワイヤー厚さの低減に起因して、ウェハ厚さが、長手方向のワイヤー運動方向において全体として強く増加することになる。したがって、単方向のワイヤー運動を伴うワイヤーラッピングによって切り出されるウェハの厚さは、ワイヤー運動方向に大きく楔形のプロファイルを有する。したがって、単方向の切断は、可能な限り均等な厚さを有するウェハの製造には適さない。
ワイヤー研削によって切り出されるウェハは、最長の係合長さの領域において、厚さの低減されたゾーン2aおよび2bを有していない。なぜならば、材料浸食を引き起こす研磨材は、ワイヤー上に固定されるので長手方向のワイヤー運動の方向において枯渇しにくいからである。
図5(B)は、往復運動工程法を用いるワイヤーラッピングによって切り出されるウェハを概略的に示しており、このウェハは、ラッピングに固有のサドル形状の厚さ低減部4aおよび4bに加えて、切込み領域において厚さ低減部、すなわち切込み楔部6、を有する。非均一な厚さ部分が存在するだけであり、形状は均一であるので、このようなウェハの中間表面8は平坦である。
図5(C)は、往復運動工程法を用いるワイヤーラッピングによって切り出されるウェハを概略的に示しており、当該ウェハは、同じ方向にその表側および裏側の屈曲部、すなわち切込み波状部7を有する。切込み波状部は、形状を規定する幾何学的な欠陥であり、サドル2aおよび2bを除いてウェハ厚さは一定であるので、中間表面8は、切込み領域における表側および裏側に平行に湾曲される。そのプロファイルは正確に、表側および裏側の全体的なプロファイルの形状規定成分を反映する。
最後に、図5(D)は、往復運動工程法を用いるワイヤーラッピングによって切り出されるウェハを概略的に示しており、当該ウェハは、互いに重なる切込み楔部6および切込み波状部7の両方を有する。ここで、中間表面8は、厚さ規定成分および形状規定成分の両方を含んでいる。
この文脈において、本発明は特に、ワイヤーソーイングによってインゴットから切り出されたウェハが、切込み楔部を有し得るが切込み波状部を有し得ないか、または、切込み楔部を有し得ないが切込み波状部を有し得るという所見に基づいた。さらに、これらの両方を有するウェハも存在する。
図1(A)は、比較例として、本発明に従っていない往復運動工程ラッピング方法によって300mmのシリコン単結晶から切り出されたウェハについて、インゴットフィード方向におけるウェハ対角線に沿った(図5(A)における測定線3)、インゴット開始部からのウェハ厚さTのプロファイル9を示す(単位はマイクロメートル)。x軸は、切断深さCD(単位はミリメートル)を示す。
インゴットへの切込みは0mmであり、出口は300mmである。曲線10aは、短い測定線4a(図5(A))に沿ったワイヤーの正味の運動の方向におけるワイヤー入口側の厚さプロファイルであり、曲線10bは、4b(図5(A))に沿った正味の運動の方向におけるワイヤー出口側の厚さプロファイルである。摩耗によるワイヤー厚さの低減に起因して、正味のワイヤー運動方向におけるワイヤー入口での切断カーフは広くなり、ウェハは、ワイヤー出口(10b)でよりもワイヤー入口(10a)において薄くなる。
図1(B)は、その厚さプロファイルが図1(A)に示されるのと同じウェハについて、インゴットフィード方向における対角線に沿ったウェハ形状W(波状)のプロファイル11を示す(単位はマイクロメートル)。当該ウェハには切込み波状部が存在しない。
厚さプロファイル9、10aおよび10bならびに形状プロファイル11(「波状」)は、容量測定法によって決定された。測定プローブは、互いに対向する2つの電極を含んでおり、これらの電極の間をウェハが動かされ、そのためプローブペアが、距離を置いてウェハ表側および裏側上の所望の測定線に沿って動く。一方の電極は、ウェハの表側の上に短距離にて配されており、他方の電極は、ウェハの裏側の上に短距離にて配される。これらの電極はそれぞれ、ウェハの表側および裏側とともにキャパシタを形成する。これらの2つのキャパシタのキャパシタンスは、交番電界によって決定される。キャパシタンスは、各電極とそれに面するウェハ側との間に存在するエアギャップの厚さに正確に反比例する。このように決定された表側および裏側のエアギャップの厚さの合計によって、互いからの測定電極の距離によって決定される定数内のウェハ厚さが与えられる。その差によって、ウェハ形状(波状)が与えられる。
図2(A)は、その厚さおよび形状のプロファイルが図1に示される、インゴット開始部側のウェハが取られるのと同じインゴットからのインゴット終端部側のウェハの厚さプロファイル9を示す。ウェハ厚さが大幅に低減された領域6、すなわち切込み楔部をはっきり見ることができる。切込み楔部は、約15mmの最大切断深さ12まで達する。切込み楔部が達する最大切断深さは、300mmの全体切断長さと比較して常に小さい(15mm<<300mm)ということが観察された。図2(B)は、このウェハの形状(波状)のプロファイル11を示す。ウェハ厚さおよび形状がそれぞれ図1(A)および図2(A)と図1(B)および図2(B)とに示される、往復運動工程ワイヤーラッピング方法によって切断されるインゴットではしたがって、インゴット開始部では切込み楔部または切込み波状部のいずれも有していないウェハが得られるが、インゴット終端部では、顕著な切込み楔部を有するがそれでも切込み波状部は有さないウェハが得られる。
図3(A)は、そのウェハ厚さおよび形状が図1および図2に示されるインゴットとは異なるインゴットの開始部から得られたウェハの厚さプロファイル9を、さらなる比較例として示す。図3(B)は、その厚さプロファイルが図3(A)に示されるウェハと同じウェハの形状プロファイル11を示す。このウェハは、切込み楔部を有していないが、約15mmの切断深さ40aまで延在する切込み波状部7を有している。したがって、その厚さおよび形状が図2(A)および図2(B)に示されるとともに切込み楔部を有するが切込み波状部は有さないウェハと対照的に、その厚さおよび形状が図3(A)および図3(B)に示されるウェハは、切込み楔部を有さないが顕著な切込み波状部を有する。
最後に、図4は、往復運動工程法を用いるワイヤーラッピングによって切断される異なるインゴットから得られる異なるウェハの形状W(波状)のプロファイル11の最後の比較例を示す。このウェハは、約75mmといった非常に大きな切断深さ40bまで延在する顕著な切込み波状部7を有する。切込み楔部とは対照的に、切込み波状部が、全体的な切断深さ(ここでは300mm)と比較して、もはや非常に小さいと考えることができない切断深さまで生じ得る(75mm<300mm)ということが観察されている。
したがって、要約すると、以下の所見が得られた。すなわち、各インゴットにおいて、切込み楔部を有するウェハが存在する。この切込み楔部は、インゴット開始部では非常に小さいか、または完全に0であるが、インゴット終端部では、切込み楔部は常に著しく顕著になる。インゴット終端部から得られた、切込み楔部を有するウェハの切込み領域の最小厚さはしばしば、最大のワイヤー係合長さの領域におけるワイヤー出口でのその最小厚さよりも著しく小さく、通常、最大のワイヤー係合長さの領域におけるワイヤー入口でのその最小厚さよりも小さい。
したがって、インゴット終端部では、切込み楔部は通常、ウェハの最小厚さについて決定的である。ここで、切込み楔部がこのように特に不利益であるのは、ある状況下では、ソーイングの後にウェハの幾何学的な欠陥を修正するために、それがなければ完全に処理されたウェハの所定の目標厚さを下回る、ワイヤーソーイングに続く処理工程においてさらに除去され得る材料があまり残留しないからである。
これは、図11によって確認される。図11は、対角線の測定線3(図5(A))に沿って、切込み楔部領域の外で測定された中心の厚さTC(厚さ中心)のプロファイル31と、切込み楔部厚さTI(厚さin)のプロファイル30と、2つの曲線間の差32(TC−TI)とを比較例として示す。x軸は、インゴット位置(ワークピース位置;WP)を示す(単位はミリメートル)。インゴット開始部はx=0mmに存在し、インゴット終端部は約x=310mmに存在する。インゴット終端部では、切込み楔部は、ウェハの全体厚さのうち15μmまで占める。
ここで、本発明の一部は以下の考察に基づく。すなわち、切断の開始時のワイヤーウェブには、事実上新しく(ほとんど磨り減っていない)、そのため厚いワイヤーが設けられており、磨り減っていない新しいワイヤーの表面は滑らかであまりスラリーを担持し得ないため、切込み領域では層厚さが小さくなるので、切込み楔部はインゴット終端部において特に顕著になるはずであるという考察に基づく。具体的には、切込みでのワイヤーウェブ上のワイヤーは、以前の切断において搭載ビームを切断している。このビームは、短い全体的な切断時間を目的として、たとえば炭素または鉱物充填プラスチックといった容易に機械加工可能な材料からなるので、切断する際に、ワイヤーはほとんど摩耗に晒されず、したがってほとんど完全な直径を有する。
ワイヤーウェブの開始部、すなわち新しいワイヤーがフィードスプールから直接的に供給される部分では、ワイヤーラッピングの場合、ワイヤーは、直径が減少する引抜ダイを通ってワイヤーを引くことを可能にするために固体状態の「潤滑剤」としてワイヤー引きプロセスにおいて施されたその非鉄金属コーティングをまだ担持している。これは、むき出しの鋼のワイヤーよりもスラリーによってあまり良好に濡れない。これは濡れテストにおいて確認されており、当該濡れテストでは、非鉄金属でまだ覆われている鋼のワイヤーのセクションと、むき出しの鋼のワイヤーのセクションとがスラリーに浸漬され、取り出し後に付着するスラリーの量が決定された。この結果、非鉄金属層にまだ覆われているワイヤーの周りのスラリー膜は薄く、切断カーフは狭い。これは、磨り減っていないワイヤーによって広くなる切断カーフの効果と同等であるので、切込み楔部はインゴット開始部側に通常ほとんど形成されない。ワイヤーの非鉄金属コーティングは、非常に薄く耐摩耗性が低いので、いくらかの切断カーフを通過後、摩耗する。したがって、インゴットの中間部では、スラリーによく濡れるむき出しの鋼線のみがワークピースに係合する。したがって、より広いソーイングカーフが形成されるので、顕著な切込み楔部がインゴットの中間部を越えて進展する。もはやむき出しになった鋼のワイヤーの表面がさらに粗くなることによって、スラリーの濡れ性は、インゴット終端部に向かってさらに向上するので、切込み楔部は、使用されているワイヤーが最終的にインゴットから離れるインゴット終端部で最も大きく顕著になる。
摩耗によるワイヤーの同時に起こる厚さ減少は、切込み楔部を補償し得ない。なぜならば、厚さ減少は、切込み領域だけでなく全ウェハに影響するからである。ソーイングワイヤーの厚さ減少によるインゴット開始部からインゴット終端部までのウェハの厚さの増加は、すべてのインゴット位置に亘って同じ中心厚さを有するウェハを得るためにワイヤーウェブ終端部に向かって連続的に減少するワイヤー案内ローラにおけるワイヤー案内溝の間隔によって補償される。
図14は、測定されたウェハが得られたワークピース軸位置WPの関数として円筒状のシリコンインゴットから本発明に従ってワイヤーラッピングによって切り出されたウェハの切込み楔部のプロファイルの例を示す。詳細には、切込み楔部TI(厚さin)において最小のウェハ厚さのプロファイル30と、切込み楔部の外側のウェハ対角線測定線3(図5(A))に沿った中心のウェハ厚さTC(厚さ中心)のプロファイル31と、測定線4b(図5(A))に沿って測定された、最も大きな係合長さの領域におけるワイヤー出口側(厚さeXit)の最小のウェハ厚さTXのプロファイル38と、測定線4a(図5(A))に沿って測定された、最も大きな係合長さの領域におけるワイヤー入口側(厚さ入口)の最小のウェハ厚さTEのプロファイル39とが示される。すべてのインゴット位置について、特にインゴット終端部にて、切込み楔部に関連付けられる最小のウェハ厚さは、最も大きな係合長さの領域におけるワイヤー入口の領域に関連付けられるウェハ厚さよりも大きく、最も大きな係合長さの領域におけるワイヤー出口の領域に関連付けられるウェハ厚さよりも大きい。
本発明が基づく試験および所見によりさらに、具体的にはワイヤーウェブに対してワークピースを傾けることなくまたは円錐形のワイヤー案内ローラを使用することなく、ウェブ開始側のワイヤーセクションについてまず行われるとともにウェブ終端側のワイヤーセクションについて最後に行われる切込みビームへの切り込みによってウェブ終端側のワイヤーセクションと比較してウェブ開始側のワイヤーセクションの「事前の摩耗(prewearing)」をより強くすることによりインゴット開始部からインゴット終端部に増加する切込み楔部を除去することが提案される。
このソリューションは、楔形の切込みビームの形態において発見された。これは図15に示される。図15(A)〜図15(C)は、インゴットフィード方向においてその範囲、すなわちインゴットの開始部から終端部までのその高さ、すなわち切込みビームの表側および後側の間の高さまたはその長さが連続的に減少する切込みビームを伴うインゴットの切断プロファイルを示す。図15(A)は、ワイヤーウェブ開始部43aおよびワイヤーウェブ終端部43b、インゴット開始部42aおよびインゴット終端部42b、ならびに楔形の切込みビーム41とともに、ワイヤーウェブのワイヤー15での切込みの前の構成を側面図(左半分)およびインゴット端面(右半分)の図において示しており、インゴット開始部42aに割り当てられる切込みビーム開始部44aでのフィード方向におけるその範囲は、インゴット終端部42bに割り当てられる終端部44bでのフィード方向におけるその範囲より大きい。切込みビーム41は、インゴット13の切欠部5への形状嵌合により挿入されるか、または接着によってインゴット13の切欠部5に結合される。
インゴットおよび切込みビームがワイヤーウェブ上にフィードされると、ワイヤーウェブ開始部43aに配置されるワイヤーセクションがまず、フィード方向において切欠部からそこで最も遠く突出している楔形の切込みビーム(44a)に切り込む。これは図5(B)に示される。行なわれる切り出し動作およびワイヤーウェブ上へのインゴットのさらなるフィードに起因して、インゴット開始部側に切り込むワイヤーセクションは、フィード方向においてワイヤー湾曲45aを経験する。このワイヤー湾曲は、0(切込みの前)から有限値(切り出しプロセス)まで変動するので、初めは必ず変動し得る。さらなるフィードにより、すべてのさらなるワイヤーセクションが楔形の切込みビーム41に連続的に切り込む。
好ましくは、切込みビームの切断の間のフィード速度は、ワイヤーセクションがインゴット13に切り込む前に、すべてのワイヤーセクションが、遅くとも切込みビームの切断の終了時に一定のワイヤー湾曲18に到達するような態様で選択される。その後、これはインゴットの切断全体に亘って本発明に従って一定に保たれ得る。これは図15(C)に示される。
このようなほとんど楔形の切込みビームにより、切込み楔部は、すべてのウェハについてインゴットの全長に亘って完全に除去され得る。ワイヤーの摩耗、したがってその厚さ減少は絶えず発生するが、ワイヤーが通過するすべての係合長さの合計に必ずしも比例するわけではないということが観察された。したがって、切込み楔部が実際に各ワークピース位置ごとに除去されるような態様で、ワイヤーウェブ上へのワークピースの移動の方向における切込みビームの範囲を軸方向のワークピース位置の関数として選択することが特に好ましい。
これに必要である正確な切込みビームの形状は、得られたウェハの残存する切断楔部の試験的な切断および測定によって迅速に決定され得る。すなわち、ワークピースのある軸方向位置でのウェハが、試験的な切断による切込み楔部をまだ有していれば、切込みビームの範囲は、その後の切断においてワイヤーウェブ上へのワークピースの移動の方向に、切込みビームの対応する長手方向位置において増加され、切込み楔部が除去されているだけでなくウェハの厚さがその切込み領域において増加していれば、その後の切断において、対応する位置での切込みビームの範囲が低減される。
同様に、ワークピース開始部からワークピース終端部まで切込みビームの断面エリアのサイズを低減する代わりに、ワイヤーウェブ上へのワークピースの移動の方向における切込みビームの範囲を切込みビームの全長にわたって一定にすることが可能である。この目的のためには、ワイヤーウェブに最も近い切込みビームの部分がその開始部から終端部までテーパされれば、通常十分である。たとえば、切込みビームは、たとえば板ガラスのビームといった容易に入手可能な立方形の物体から作製されてもよく、その長手方向の狭い一方の側はワークピースの切欠部の輪郭に従って丸くされ、その長手方向の狭い他方の側は、インゴット開始部側では処理されず、インゴット終端部に向かうにつれて次第に楔部形状に研削されており、そのためワイヤーウェブのワイヤーは、インゴット開始部側ではワイヤー長手方向に平行な線に沿って切り込み、インゴット終端部側では、その先端部がワイヤーウェブを指す楔部に切り込む。
図16は、ワイヤーウェブ上へのワークピースの移動の方向において一定の範囲48を有する、本発明に従った切込みビーム20の例を示す。第1の曲線34、第2および第3の線35、ならびに第2の曲線36は、切込みビームの長手方向に垂直な各断面49を規定する。図16の概略図において、終点47は、曲線34および36ならびに線35のそれぞれの遷移部を示す。切込みビームは、切込みビームの長手方向に垂直であるすべての断面49の第1の曲線34を含むビームの表面の部分に沿って、ワークピースの切欠部に形状嵌合により挿入または接着によって結合される。本発明に従うと、すべての断面の第1の曲線34は同じである。図16に示される例において、線35の長さはさらに、すべての断面49について等しく、第2の曲線36のみが、切込みビーム20の開始部44aからの終端部44bまでその長さおよび形状が変化する。
ワイヤーウェブ上へのワークピースの移動の方向における切込みビームの一定の範囲48により、ワイヤーウェブのすべてのセクションは、側面46(図16におけるシェーディングにより表わされる)に同時に切り込む。しかしながら、切込みビームの開始部44aから終端部44bまで減少する第2の曲線36の長さによって、切込みビームとのワイヤーウェブのワイヤーセクションの係合長さは切込みビームの開始部44aから終端部44bまで減少する。第2の曲線36によって規定される少なくとも切込みビーム部分の切込みおよびさらなる切断の間、ワイヤーウェブの個々のワイヤーセクションは、切込みビームの開始部44aから終端部44bまで減少する摩耗に晒され、その結果、厚さの低減が減少する。したがって、切り出されるウェハの切込み領域は、インゴット開始部からインゴット終端部へと相対的により厚くなる。したがって、切込みビームが嵌合されていないワークピースまたは一定の断面の切込みビームが嵌合したワークピースへの切り込みと比較して、切込み厚さは増加し、インゴット開始部からインゴット終端部へ増加する切込み楔部は、インゴットの全長に沿って補償される。
切込み楔部が少なくともインゴット終端部側で常に生じている一方、切込み波状部は如何なるインゴット位置でも生じる場合もあるか、または全く存在しない場合もある。切込み波状部の原因は、切込みの際の急激な機械的または熱的な負荷変化であると考えられる。機械的な原因はたとえば、インゴットサスペンションおよびフィード装置におけるインゴットの沈込み運動か、または、その変化がワイヤー案内ローラの軸受における運動を引き起こし得る張力が加えられたワイヤーがワイヤー案内ローラ間に加える張力の大きさおよび方向の変化であり得る。熱的な原因はたとえば、貧弱な熱伝導(たとえば、溝がミリングにより設けられるワイヤー案内ローラのプラスチックコーティングの膨張)により冷却ではあまり補償され得ない個々の構成要素(インゴット、ワイヤー案内ローラ、フィード装置、マシンフレーム)の非均一の熱膨張に起因するインゴットとワイヤーウェブとの間の相対運動である。
切込み波状部の発生は、ワイヤー案内ローラのセットの被膜における溝の耐用年数とともに増加するということが観察された。切込み波状部が過度に頻繁または顕著に発生する場合には、ワイヤー案内ローラを取り外し、摩耗した溝を研削し、新しい溝を適用し、ソーイング装置に当該ワイヤー案内ローラを再設置する必要がある。この場合にしばしば、使用される溝を測定すると、形状的な逸脱が発見され得ないこと、すなわち、摩滅による摩耗が少ないことがあり、また、溝や被膜の特性の変化により摩耗が多いことがあり、たとえば、グリコールやスラリーキャリア液の油を吸収する被膜により弾性特性が変化してワイヤー案内ローラの長さに亘って弾性特性が非均一となり、あるいは被膜のの熱伝導率や膨張が変更する。
上記の影響により、ワイヤーウェブのワイヤーセクションが、切り出しプロセスがさらに進んで機械的および熱的な平衡が構築された後にセットされる位置と異なるインゴットの軸方向位置にてインゴットにまず切り込む。これは、如何なる断面を有するインゴットにも該当し、特に、切り出しの間中ずっと一定の係合長さを有するインゴット(直平行六面体)にも該当する。非長方形状の多角形または円形の断面の場合には、係合長さは連続的に変動し、切り出しの間中ずっと平衡が構築されない。しかしながら、この変化は常に一定であり、たとえばインゴットの冷却および特にワイヤー案内ローラのようなシステム構成要素の冷却などといった先行技術において公知の措置によって良好に補償され得る。
インゴットから切込み波状部を有するウェハが得られる場合、最も大きな切込み波状部を有するウェハは、インゴット開始部、インゴット終端部、またはインゴットの中間部に存在し得る。切込み波状部は、全体の切断長さと比較して小さい最大切断深さに達し得、300mmの円筒状のインゴットの場合、約15mmになる。しかしながら、切込み波状部は、全体的な切断長さと比較してもはや小さくない最大切断深さにも達し得、300mmの円筒状のインゴットの場合、75mm以上になる。
特に、インゴットの隣接する軸方向位置から切り出されたウェハの切込み楔部および切込み波状部の両方は、切込み楔部または切込み波状部の形状およびサイズに関して差が小さく、この差は、インゴットにおいてウェハが切り出された軸方向位置が互いからより遠く位置する場合、対応してより大きくなるということが観察された。
図12は、比較例として、インゴット長さWPの関数としての切込み波状部Wのプロファイル33を示す。この選択された比較例において、切込み波状部は、インゴット開始部に存在し、インゴットの中間部で最小であり、インゴット終端部で最大である。同様に、切込み波状部がインゴット開始部またはインゴットの中間部で最も顕著である多数の比較例が存在する。しかしながら、すべての所見に共通の特徴は、切込み波状部(存在する場合)または少なくともインゴット終端部側で常に生じる切込み楔部の両方は隣接するウェハ同士の間でわずかに変化するだけであるということである。したがって、切込み波状部および楔部は常に、長手方向のインゴット位置に亘って長い範囲に相互に関連付けられ、1つのウェハで切込み波状部または切込み楔部が生じ、隣接するウェハで生じないということはない。
ここで、本発明に従った方法において、インゴットは、その切欠部がワイヤーウェブに面するとともに切込みビームがワークピースの切欠部に形状嵌合により挿入されるような態様で、搭載ビームに搭載される。切込みビームは、ワークピースの材料に類似している材料除去の性質を有する材料からなるべきである。シリコンインゴットが切断されるように意図される用途の場合、ガラスから形成される切込みビームが有利と分かった。ガラスは、珪素に類似した材料除去性質を有する。類似した材料除去性質とは、類似した材料除去状態が生じる性質であるということが分かっている。
本発明に従った方法は、多くの利点を有する。すなわち、切欠部との切込みビームの形状嵌合によって、多くのワイヤーセクションが切込みビームに切り込む際にワークピースに作用する高いせん断力が良好に消失する。したがって、切込みビームとワークピースとの間の結合は、ワークピースおよび切込みビームの表面に対して接着力(表面結合)をほとんど有する必要はなくかつ低い凝集力(接着剤保持力)を有する接着剤か、またはワークピースと切込みビームとの間の界面を完全にカバーする必要がない(点結合)接着剤によって作り出され得る。したがって、当該接着剤は、入手可能な接着剤の非常に広い選択肢から選択され得、特に、接着結合は表面の一部でのみ実行され得る。
嫌気性硬化接着剤を使用することが特に有利であり、この嫌気性硬化接着剤に、可使時間を観察することなく切欠部はコーティングされ得るとともに、切込みビームが差し込まれる際の良好な毛管作用により、接着接合部において表面全体に亘って特に薄く延在し、空気がない状態で非常に迅速に硬化する。切込みビームが、たとえばUV透過性ガラスといったUV透過性材料から形成されるよう選択される場合、UV硬化接着剤も特に好適である。
本発明に従った方法において、結合面は小さく切込みビームおよび切欠部の嵌合形状は良好であるので、大量の接着剤がさらに節約され、これにより製造コストが低減される。
接着剤は好ましくは、わずかに可溶なように配合される。グリコールスラリーを用いるワイヤーラッピングの場合には、切込みビームの切断の間の小さなカーフ幅により接着結合の著しい解放は発生しないので、接着剤はさらにグリコール可溶であってもよい。切込みビームが切断された後、グリコールはさらに、ワークピースに接続された切込みビーム材の結果得られる薄い層板を、結果生じる切断カーフを通じて両方の表側にまだ保持している接着接合部に到達する。この時点では切込みビームが既に切断されているので、たとえばワイヤーウェブを破損することなく、その残りは接着結合部の解放によって落下し得る。横方向の表面上に接着によって外部から接合した切込みビームでは、これは可能ではない。
接着剤の若干の可溶性はさらに、切断に続く脱接合を単純化する(時間の節約、ノンクリティカルな溶媒、短い作用時間、低温)。さらに、切込みビームおよびワークピースの良好な形状嵌合によって、粘着剤の膜は非常に薄いので、脱接合の後、まだ付着している場合がある残留粘着剤は、得られたウェハのその後の縁部の丸み付けに干渉しない。
良好な脱接合特性を達成するために、接着剤は、従来の分離助剤を含んでもよい。
本発明に従った方法はさらに、以下の利点を有する。すなわち、特に半導体ウェハの場合には、たとえばレーザスクライブの形態にあるワークピース識別部が、切り出しの後、切欠部の近傍に適用される。ワークピースはまず、ワイヤーウェブに対して切欠部とともに動かされるので、切込み楔部および切込み波状部は、いかなる場合においてもワークピース識別部のために提供される領域に生じる。この識別部領域は、ウェハの平坦性の評価から除外される。
切込み波状部(存在する場合)は、著しく大きな切断深さに対して得られたウェハの形状ついてしばしば影響がある。これは、切込みの際のワイヤーセクションの撓みによるインゴットの軸方向における復元力が、切り出しががさらに進んだ際の軸方向力のない平衡位置と比較して非常に小さくなるからである。さらに、非長方形の多角形または円形の断面を有するインゴットの場合には、切り出し時に絶えずに変動する係合長さは、ワイヤーが大きな切断深さに亘って「遅れる」、連続的に変動する軸方向力のない平衡位置につながる。
本発明に従った方法はさらに、非常に波の長い切込み波状部を補償することが可能なように、フィード方向(高さ)において非常に大きな範囲を有する切込みビームを使用することを可能にする。良好な形状嵌合によって、ワイヤー長手方向における切込みビームの範囲(幅)は小さく、そのため、フィード方向において大きな範囲にもかかわらず、切り出しは、ワイヤーの消耗がほとんどなく全体として非常に経済的に、非常に迅速に行われる。
係合の間、係合長さは0値から有限値まで変動する。円形断面を有するワークピースまたは縁部が少なくとも1つの頂部を有する断面を有するワークピースの場合において、この頂部がフィード方向においてワイヤーウェブを指す場合、変動が絶えず発生する。係合長さの変動により、ワイヤー湾曲も常に変動する。
図6は、比較例として、切欠部において切込みビームが存在しない本発明に従わない方法についての円筒状のインゴットの切り出しプロセスを概略的に示す。切込みの前および切込みの際、ワイヤー15の湾曲は0である(図5(A))。切込み段階の間、ワイヤー湾曲は変動し得る大きさ16を有する。参照番号17は、図6において既に切断されたインゴットの部分を示す。切断深さが有限の場合のみ、フィード速度または長手方向のワイヤー速度(図6(C))の変更といった公知の措置によって、一定のワイヤー湾曲18が達成され得る。
ここで、フィード方向におけるワイヤー湾曲が一定に保たれる場合には、切り出し方法によって、特に平坦で相互に平行な表側および裏側を有するウェハが提供されることが分かっている。これは、切断深さの関数として絶えず変動する係合長さを有するワークピースの場合に特に有利であると分かっている。本発明に従った方法によると、切込みにて常に0であるワイヤー湾曲から切込みビームへの継続的な切断プロセスについて必ず有限であるワイヤー湾曲への遷移部を変位することが可能であり、ワークピースにおいて行われる全切り出しプロセスの部分に亘ってそれを一定に保つことが可能である。
図7は、本発明に従った切り出し方法の例を概略的に示す。インゴット13は、切欠部5にてワイヤー15に面しており、示される例において円筒状である切込みビーム14は、当該切欠部に挿入または接着によって結合される(図7(A))。切込みビーム14は、例において円筒状であるワークピースの横方向の表面のエンベロープを超えるよう切欠部から突出するので、ワイヤー15はまず切込みビーム14に切り込む(図7(B))。ここで、インゴットは、ワイヤーが切込みビームの突出部分を切断する間に常に避けられない変動し得るワイヤー湾曲が生じるような態様で、ワイヤーウェブ上にフィードされる。参照番号19は、既に切断された切込みビームの部分を示す(図7(B))。ワイヤーがワークピース13に切り込み始めるとすぐに、到達されたワイヤー湾曲18は、公知の措置によって一定に保たれ(図7(C))、さらなる切り出しプロセスのすべてに亘って一定のままとなる(図7(D)における18)。
図7でのような円筒状のワークピースを切断する例を参照して、図10は、本発明に従った、ワークピースの全切断動作中ずっとワイヤー湾曲が一定に保たれ得る、ワイヤーウェブへのワークピースのフィード速度のプロファイル26の選択の例を示す。x軸は、切断深さCD(単位はミリメートル)を示す。CD<0の値の場合、ワイヤーは本発明に従った切込みビームを切断し、CD=0で初めてワークピースに接触する。ワークピースの直径は300mmである。したがって、ワークピースの切断は、CD=300mmで完了し、CD>300mmの場合、ワイヤーは、ワイヤーウェブから離れたインゴット側上に搭載される搭載ビームに切り込む。y軸は、たとえば分速ミリメートルといった速度の単位でフィード速度TSを示す。
切込みビームが切断されている間、数ミリメートルのインゴットのフィードにおいて、ワイヤーを所望の目標の湾曲まで曲げる非常に速いフィード速度27が選択される。さらに切断する場合、フィード速度は、係合長さに反比例して変動する。たとえばシリコンインゴットのような円筒状のワークピースの場合には、フィード速度は、インゴットがちょうど半分切断される際(CD=150mm)には、最大の係合長さにて最小値28に到達する。CD>150mmの場合、係合長さは再び減少し、選択されたフィード速度は対応して再び増加する。搭載ビームに到達すると(CD=300mm)、フィードはたとえば、切断の最終端まで絶えず行われる(29)。これは、ワークピースにおいて発生するワイヤー湾曲に影響を及ぼさない。同様に、図10の相互に関係する値の場合、たとえば、実行されるフィードに従ってワークピースを通って延在するワイヤーの長さは、往復運動工程の2つの長手方向のワイヤーの長さの間の大きい差(往復運動工程法)または大きな長手方向のワイヤー速度(単方向の切断)、すなわち、大きな係合長さに対するワイヤーの大きい正味の運動または高速の長手方向のワイヤー運動によって、選択され得る。
図8は、大きな切断深さまで得られた、ウェハの形状を決定する特に顕著な切込み波状部を回避するのに好適な切込みビームが使用される本発明に従った例を示す。切込みビーム20は、フィード方向22において最大の範囲を有しており、当該最大の範囲は、切込み波状部(または切込み楔部)が試験インゴットの以前の切断において観察された切断深さ21以上である。フィード速度もしくはワイヤーの長さまたは長手方向のワイヤー運動の速度が、変動し得るワイヤー湾曲16が好ましくは切込みビームの切断の間の初期に発生するような態様で選択される。
切込みビーム20は、フィード方向において、示された例において円筒状であるワークピース13の切欠部3に切込みビームが嵌合形状により接続される円セグメント34の縁部の曲線部の長さと比較して大きい範囲22を有するので、良好な形状嵌合にもかかわらず、高い横断力が生じるとともに、切込みビームは、接着接合部23に沿って切欠部に接着によって結合される。
図13は、切込みビーム20のさらなる実施形態を示しており、この切込みビーム20の使用は、大きな切断深さまで延在する切込み波状部(または切込み楔部)を除去するために特に好適である。それらの断面は、鏡面対称に位置し互いに平行な第1の長さの2つの等しい線35と、第2の長さの第1の曲線34と、第3の長さの第2の曲線36とによって囲まれ、第1の長さは第2または第3の長さより大きい。第1の曲線36は円弧であり、第1の曲線36に沿って、切込みビームが形状嵌合および接着接合23によってワークピースの切欠部に接続されており、第1の曲線36の半径は、切欠部の半径と同じであり、第1の曲線36の傾きはそれぞれ互いに対向して位置する線35の傾きに絶えず合流する。それを介してワイヤーが切込みビームに切り込む第2の曲線36も同様に、円弧であり得(図13(A))、フィード方向を指す頂部を形成するようさらなる曲線に細分される(図13(B))か、またはワイヤーウェブに平行に方向付けられる線である。
図13(A)および図13(B)の例示的な実施形態の場合、切込みにおいて係合長さの一定の変動が存在し、図13(C)の場合、一定でない変動が存在する。
図13における例が示す形状を有する切込みビームは、ワイヤーウェブのワイヤーセクションの長手方向におけるその範囲、すなわちその幅、が非常に小さいという利点を有する。これにより、係合長さは非常に短くなり、したがって、ワイヤーウェブへのフィードが速くても、材料除去速度は小さいままである。したがって、フィード方向において切込みビームの長さが大きいにもかかわらず、切込みビームおよびワークピースについての切断プロセスの合計時間が、ワークピースのみを切断する場合よりもあまり大きくならないように非常に迅速に切断することが可能である。
図13における例が示す切込みビームは、材料をあまり必要とせず、経済的に製造することができる。切込みビームは本質的に、容易に入手可能で経済的な平坦な材料(板ガラス)から切断、たとえば、割られたガラスビームの形状を有しており、ワークピースの切欠部との形状嵌合をする横方向の表面の部分に若干沿った、たとえば研削といった成形によってのみ処理される必要がある。
図7、図8または図13に示されるような断面を有する切込みビームは好ましくはさらに、ワイヤーウェブに面するとともに切込みが行われるその縁部の曲線部36に溝を有する。これらの溝は、フィード装置においてワークピースが好適な軸方位にある状態で、フィード方向において距離を置いて、ちょうど1つの溝がそれぞれちょうど1つのワイヤーセクションをカバーするように、ワイヤーウェブのワイヤーセクションに平行に延在する。
ワークピースがワイヤーウェブ上にフィードされている際、ちょうど1つのそれぞれのワイヤーセクションがまず、ちょうど1つの溝に存在するようになり、当該溝は、ワイヤーセクションがインゴット軸方向において撓みなしで切込みビームに切り込むような態様でワイヤーセクションを案内する。以前の試験的な切断において、たとえば、ワイヤーをガイドする溝がミリングによって設けられるワイヤー案内ローラのコーティングが、熱膨張によって、ワイヤー案内ローラが回転可能に搭載される軸受の位置に対してワイヤー案内ローラの軸方向にシフトすることが分かっていれば、切込みビーム20における溝24の間隔は、溝の熱位置変位がワイヤー案内ローラにおいて発生した後、切込みビームの溝24がフィード方向にある距離を置いてワイヤーウェブのワイヤーセクションをカバーするような態様でも提供され得る。

Claims (13)

  1. 筒状のワークピースから同時に多数のウェハを切り出すための方法であって、前記ワークピースは、軸と、前記ワークピースの横方向の表面において前記軸に平行に適用される切欠部とを有しており、前記方法は、
    前記ワークピース上に切込みビームを適用するステップを含み、前記切込みビームは、前記切欠部に第1端部が存在する状態で前記切込みビームの表側から後側まで嵌合されるとともに第2端部にて前記切欠部から突出しており、前記方法はさらに、
    前記ワークピースの前記軸がワイヤーソーの筒状のワイヤー案内ローラの軸に平行状態で、前記ワイヤーソーのフィード装置によって前記ワークピースを保持するステップと、
    前記フィード装置によって、平坦なワイヤーウェブを通るよう垂直にフィード方向に前記切込みビームおよび前記ワークピースを動かすステップとを含み、前記ワイヤーウェブは、前記ワイヤー案内ローラにおける溝によって前記ワイヤー案内ローラの周りに数回案内されるワイヤーのセクションからなっており、前記ワイヤーのセクションは互いに平行に配されるとともに前記ワイヤー案内ローラの前記軸に垂直であり前記方法はさらに、
    前記ワイヤー案内ローラの回転によって、削剤として作用する研磨材が存在する状態でワイヤー長手方向に前記ワイヤーセクションを動かすステップを含む、方法。
  2. 前記ワイヤーウェブを通るように前記ワークピースを動かすステップを含み、その間、前記ワイヤーセクションが前記フィード方向において一定の湾曲を示す、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ワイヤーウェブを通るように、前記切欠部から突出する前記切込みビームの前記第2端部を動かすステップを含み、その間、前記ワイヤーセクションが前記フィード方向に変動し得る湾曲を示す、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ワイヤーウェブを通るように、前記切欠部から突出する前記切込みビームの前記第2端部を動かすステップを含み、その間、前記ワイヤーセクションの湾曲が、切り出しプロセスがさらに進んだ際にもはや達成されない最大値を取る、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ワークピース上に前記切込みビームを適用する際に、前記切欠部に前記切込みビームの前記第1端部を接着剤により接着結合するステップを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記表側と前記後側との間で一定である、前記第1端部と前記第2端部との間の高さを切込みビームに与えるステップを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 円筒の形状の切込みビームを設けるステップを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ワイヤーセクションが、該ワイヤーセクションの係合長さが減少する状態で、前記切込みビームに切り込むような態様で、前記第2端部の断面の形状が前記フィード方向において前記表側と前記後側との間で変動する切込みビームを設けるステップを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記フィード方向において前記表側と前記後側との間で前記第2端部の断面の形状が次第に楔形になる切込みビームを設けるステップを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 第1端部と前記第2端部との間の高さを有する切込みビームを設けるステップを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記切込みビームが除去される試験的な切断と、前記試験的な切断の前記ウェハにおける切込み波状部の最大の深さの決定とを行うステップと、決定された前記最大の深さ以上である、前記切欠部から突出する前記切込みビームの第2端部の高さを前記切込みビームに与えるステップとを含む、請求項1〜6および8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記ワイヤーウェブに対向するように存在する前記切込みビームの側上に溝を設けるステップを含み、前記溝は、前記ワイヤーセクションに亘ってされる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記溝は、前記ワイヤー案内ローラの前記軸の方向における熱膨張による位置変位が前記ワイヤーセクションに引き起こされた後、前記ワイヤーセクションに亘って配される、請求項12に記載の方法。
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