JP5649692B2 - 円筒形の被加工物から多数のウェハを同時にスライスするための方法 - Google Patents

円筒形の被加工物から多数のウェハを同時にスライスするための方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
発明の主題
本発明は、円筒形の被加工物、特に半導体材料からなる被加工物から多数のウェハを同時にスライスするための方法であって、被加工物およびワイヤソーのワイヤ群は、順方向送り装置により、被加工物の長手方向軸に対して垂直な方向に相対的に移動し、それによって被加工物がワイヤ群を通過するように導かれる、方法に関する。
先行技術
半導体ウェハは一般に、ワイヤソーを利用して、1つの作業ステップにおいて、半導体材料からなる円筒形の単結晶または多結晶の被加工物を多数の半導体ウェハに同時にスライスすることによって作製される。
これらのワイヤソーの必須の構成要素は、機枠と、順方向送り装置と、平行なワイヤセクションの群からなるソーイングツールとを含む。被加工物は、一般的には結合または接着接合によって、いわゆるソーイングストリップに固定される。被加工物をワイヤソーにクランプするために、ソーイングストリップはさらに取付プレートに留められる。
ワイヤソーのワイヤ群は一般に、少なくとも2つのワイヤガイドロールの間にピンと張られた多数の平行なワイヤセクションによって形成され、当該ワイヤガイドロールは回転可能に取付けられており、それらのうちの少なくとも1つが駆動される。ワイヤセクションは一般に、ロールシステムの周りに螺旋状に導かれ、ストックロールから巻き出されて受取ロールに至る単一の有限のワイヤに属する。
ソーイングプロセスの間、順方向送り装置は、互いに向き合ったワイヤセクションおよび被加工物を相対的に移動させる。この順方向送り移動の結果、ソーイング懸濁液が塗布されるワイヤが、被加工物を通る平行なソーイング切り口を形成するように動作する。スラリとも呼ばれるソーイング懸濁液は、例えば液体中に懸濁した炭化ケイ素からなる研磨粒子を含む。堅固に結合した研磨粒子を有するソーイングワイヤが用いられてもよい。この場合には、ソーイング懸濁液の塗布は不要である。ワイヤおよび被加工物を過熱から保護し、同時にソーイング切り口から被加工物削り屑を排出する液体冷却潤滑剤を供給するだけでよい。
円筒形の半導体材料、例えば単結晶からの半導体ウェハの作製は、ソーイング法に対して厳しい要求をつきつける。ソーイング法のねらいは、一般に、ソーイング後の各半導体ウェハが、できる限り平坦でありかつ相互に平行である2つの面を有するべきである、ということである。
厚みのばらつきに加えて、半導体ウェハの2つの面の平面性が非常に重要である。半導体単結晶、例えばシリコン単結晶がワイヤソーによってスライスされた後、それによって作製されたウェハは波状の面を有する。この波形状は、波形状の波長および振幅ならびに材料除去の深さに応じて、後続のステップ、例えば研削またはラッピングにおいて、部分的または完全に除去されてもよい。最も好ましくない場合には、完成した半導体ウェハの研磨後であっても、この波形状の残りが依然として検出される可能性があり、局部形状に悪影響を及ぼす。これらの波は、ソーイング後のウェハのさまざまな位置でさまざまな程度で生じる。この場合に特に重要になるのは切断部の端部領域であり、この端部領域では、後続のステップの性質によっては最終製品でも検出可能な特に顕著な波または溝が生じ得る。
先行技術に係るソーイングプロセスで生じる切断部の端部領域における波は、円筒形の被加工物の端部においてスライスされたウェハで特に顕著であることが、DE102005007312A1から公知である。一方、被加工物の(軸方向の)中央では、スライスされたウェハは切断部の端部領域に波を事実上持たない。さらに、ソーイング懸濁液によって発生する軸方向の動圧勾配が、ソーイングプロセスの終盤で生じる波の原因であると見なされてきた。したがって、DE102005007312A1によれば、ワイヤ群に塗布されるソーイング懸濁液の量を減らし、それによって、切断部の端部領域においてソーイング後の半導体ウェハの波形状を減少させる。しかし、この手法は高まりつつある局部形状に対する要求を満たすのには十分でないことが分かった。特に、端部領域におけるソーイング溝の形成が確実に防止されない。
DE102006032432B3には、ワイヤが被加工物だけでなくソーイングストリップも通過する時に切断部の端部において波形状を減少させるために、傾斜した側面を有するソーイングストリップを用いる方法が開示されている。このソーイングストリップの変形例も切断部の端部におけるソーイング溝の形成を防止しない。さらに、特にソーイングストリップが複数の異なる材料からなる場合には、ソーイングストリップの作製中にさらなる処理ステップが必要であり、ソーイングプロセスの補助材料コストを増大させる。
被加工物順方向送り速度を時間の関数として変化させることによってソーイング後のウェハの平面平行性を向上させる方法も同様に知られている。EP856388A2には、とりわけ、被加工物直径の約70%の切断深さに達するまでは切断深さの関数として最初は被加工物順方向送り速度を低下させ、その後わずかに再上昇させ、最後に再び低下させる方法が開示されている。この方法により、切断深さの最初および最後の10%に対応するウェハの領域は非常に小さな厚みを有するものの、均一な厚みを有するウェハを作製することができる。しかし、EP856388A2には、特に切断深さの最後の10%の範囲内で生じるソーイング溝を回避するためのいかなる手法についても記載されていない。
DE102005007312A1 DE102006032432B3 EP856388A2
したがって、目的は、切断部の端部領域に形成されるソーイング溝をできる限り回避することであった。
発明
当該目的は、実質的に円筒形の被加工物から多数のウェハを同時にスライスするための方法であって、ソーイングストリップに接続された被加工物およびワイヤソーのワイヤ群は、順方向送り装置により、規定の順方向送り速度で被加工物の長手方向軸に対して垂直な方向に相対的に移動し、それによって被加工物がワイヤ群を通過するように導かれ、それによって多数のウェハにスライスされ、順方向送り速度は、
被加工物直径の50%の切断深さで値vを有し、
次に、値v≧1.15×vで、極大値となり、
その後、ワイヤ群が初めてソーイングストリップと接触する時に、値v<vをとり、
次いで、値v>vまで上昇される
ように当該方法の過程で変化させられる、方法によって達成される。
本発明に係る方法について、図面を用いて以下で詳細に説明する。
本発明を説明するために用いられる幾何学的な量を示す図である。 本発明に従った順方向送り速度プロファイルと本発明に従わない順方向送り速度プロファイルとの比較を示す図である。
発明の詳細な説明
本発明は、明細書の導入部に記載されかつ図1に概略的に示されるワイヤソーイング法に関する。図1は、円筒形状を有する被加工物1を示す。被加工物1はソーイングストリップ2に固定され、ソーイングストリップ2はさらに取付プレート3によってワイヤソー(図示せず)にクランプされる。平行に延びる(図1では互いに隣接して位置する)多数のワイヤセクション4によってワイヤ群が形成される。ワイヤセクション4は、ワイヤセクション4の長手方向に平行に、ワイヤ速度vで移動する。順方向送り装置(図示せず)によって、被加工物1、ソーイングストリップ2および取付プレート3からなる構造は、ワイヤセクション4によって形成されるワイヤ群に対して順方向送り速度vで動かされる。ワイヤ速度vの結果、ソーイングワイヤにより搬送された研磨剤が被加工物1に対して研磨効果を発揮することができ、その結果、各ワイヤセクション4に沿ってソーイング切り口が被加工物1に形成される。順方向送り速度vで起こる相対的な移動により、ソーイングプロセスの過程では、ソーイングプロセスの終盤で多数のウェハに完全に切離されるが櫛の歯のようにソーイングストリップの残りの部分によってのみ取付プレートに接続される状態になるまで、ワイヤセクション4は被加工物1にますます深く食い込んでいく。
本発明によれば、ソーイングプロセスの過程において規定の態様で順方向送り速度vを変化させる。ここでは、順方向送り速度vは、ワイヤ群全体および被加工物1が互いに対して動かされる相対速度を意味するよう意図されている。この相対的な移動は一般に、平行に延びるワイヤ群のワイヤセクション4によって規定される平面に対して垂直に起こる。
先行技術には、ソーイングプロセスの過程で順方向送り速度を変化させる方法についてすでに記載されている。本発明に係る方法とは対照的に、これらは、ソーイングワイヤが被加工物に加えてソーイングストリップも切断する位置ではソーイング後の被加工物の面上に特に顕著な溝が生じる可能性があるという事実を考慮に入れていない。本発明は、順方向送り速度の規定の変化によりこれらの溝を減少させる方法を初めて提供する。
EP856388A2には、ソーイングプロセスの開始時から、少なくとも最大係合長さに達するまで、連続的に、好ましくは徐々に減少するように順方向送り速度を低下させる方法がすでに開示されている。
係合長さlは、本明細書では、被加工物1に対するワイヤ群の現在位置で被加工物1と接触しているワイヤセクション4の長さ、すなわちソーイング切り口を通って延びるワイヤセクション4の長さを意味するよう意図されている。したがって、円筒状の被加工物1では、係合長さはプロセスの開始時のゼロからプロセスの最中のその最大係合長さまで増加する。最大係合長さは、円筒の直径に対応する。最大値に達した後、係合長さlは、プロセスの終盤でワイヤが被加工物から出るまで減少し、再びゼロの係合長さに達する。
切断深さdは、ソーイング切り口の現在の深さを意味するよう意図されている。それは、ワイヤ群によって規定される平面に対して垂直にワイヤ群が被加工物1を通ってすでに移動した距離に対応する。ソーイングプロセスの開始時には切断深さはゼロであるが、終了時にはそれは円筒形の被加工物の直径に対応する。したがって、図2では、ソーイング深さdは被加工物直径の百分率として示されている。
したがって、円筒形の被加工物の場合、切断深さが被加工物直径の50%に対応する時に最大係合長さに達する。
図2における曲線8は、被加工物直径の百分率として示される切断深さdの関数としての順方向送り速度vの、本発明に従ったプロファイルを示す。曲線9は、本発明に従わない順方向送り速度vのプロファイルを示す。
先行技術から公知である、50%の切断深さで最大係合長さに達するまで順方向送り速度を低下させることは、厚みのばらつきを回避することに役立ち、それによって、特に楔形の厚みプロファイルの形成を回避することを目的としており、したがって同様に本発明に係る方法の文脈においては好ましい。特に、除去速度(すなわち単位時間当たりに除去される材料の体積)が実質的に一定のままであるように係合長さlの関数として順方向送り速度vを変化させることが有利である。除去速度は、積:係合長さ×順方向送り速度に比例する。したがって、好ましくは、この積が実質的に一定のままであるように係合長さlの関数として順方向送り速度を変化させる。
被加工物直径の50%の切断深さで、順方向送り速度vは値v(図2を参照)を有し、この値は、本発明に従った順方向送り速度プロファイルを説明するための基準値として以下で用いられる。この値は、除去速度を一定に保つために、被加工物直径の50%以上に対応する切断深さまで、順方向送り速度の変化が係合長さのみによって上記のように決定される時の極小値に対応する。しかし、この極小値は、例えばEP856388A2のように順方向送り速度の変化の際の他の影響因子も考慮に入れると、異なる位置にある可能性がある。極小値は、好ましくは切断深さの40〜60%にある。しかし、本発明に従った順方向送り速度vのプロファイルを説明するために、いずれの場合においても50%の切断深さで達する値vを考慮に入れることにする。
好ましくは、切断深さの関数としての順方向送り速度のプロファイルは、被加工物直径の30〜70%、特に好ましくは25〜75%の切断深さ範囲では、上記の極小値に対して鏡面対称のプロファイルを有する。鏡面対称のプロファイルは、除去速度が一定のままであるように上記のように順方向送り速度を変化させる限り、いずれの場合にも構築される。
極小値となった後、本発明に従って順方向送り速度を再び上昇させ、ソーイングワイヤが初めてソーイングストリップと接触する位置に達する前に順方向送り速度を再び低下させ、その結果、50%の切断深さでの最大係合長さの位置とソーイングストリップに切り込む位置との間で極大値に達する。極大値の位置における順方向送り速度の値を以下ではvと呼ぶことにする。本発明によれば、値vは、50%の切断深さでの値vよりも少なくとも1.15倍だけ、好ましくは少なくとも1.2倍だけ、特に好ましくは1.25倍だけ大きい。優れた切断品質を確保するために、ソーイングプロセスの最中に極小値となった後は値vに匹敵する低い範囲に順方向送り速度を保つ必要がないことが分かった。例えば図2における曲線9に従った順方向送り速度のより平坦なプロファイルは、プロセス継続時間を長くするだけであり、これは本発明に従って回避される。除去速度が一定のままであるように上記のように順方向送り速度を好ましく変化させれば、そしてそれによって生じる順方向送り速度の鏡面対称のプロファイルが70%またはさらには75%の切断深さまで維持されれば、上記の1.15倍、1.2倍またはさらには1.25倍は容易に達成可能である。
順方向送り速度vで極大値となった後、順方向送り速度を再び低下させ、その結果、ワイヤ群がソーイングストリップに入る時、すなわちワイヤ群のワイヤセクションが初めてソーイングストリップと接触する時に、順方向送り速度は基準速度vよりも小さい値vをとる。切断の端部領域におけるソーイング溝を回避するために、ワイヤ群がソーイングストリップに入る直前に、順方向送り速度を先行技術から公知である速度よりも大幅に強力に低下させる必要があることが分かった。好ましくは、順方向送り速度はv≦0.9×vを満たす。
値vは極小値を構成する。すなわち、好ましくは、ワイヤ群がソーイングストリップに入る直前までこの値に達することはなく、入った直後に順方向送り速度をすぐに再び上昇させ始める。
いずれにしても、後に(好ましくは、ソーイングプロセスの終了時または終了直前に)、vよりも高い値vに達する。ワイヤ群がソーイングストリップに入った後、順方向送り速度を再び上昇させれば切断品質に悪影響を及ぼすことはないことが分かった。したがって、不必要に長いプロセス継続時間を回避するために、本発明に従って、v>vを満たすべきであることが立証された。好ましくは、ワイヤ群がソーイングストリップに入った後、v>vであるほどまでに順方向送り速度を上昇させる。
被加工物が完全にスライスされ、その後、ワイヤ群がソーイングストリップとだけ接触する時、順方向送り速度は、好ましくは値vとvとの間にある値vを有する。これは、被加工物を完全にスライスした後は、ソーイング後のウェハの表面に対してそれ以上の影響を及ぼすことなく順方向送り速度をさらに容易に上昇させることができるためである(すなわちv>v)。しかし、一方では、ワイヤ群がソーイングストリップに入った直後に、切断品質を大きく損なうことなく、順方向送り速度をすでに適度に再び上昇させ始めてもよい(すなわちv>v)。
好ましくは、ソーイングプロセスの終了まで、ワイヤ群の入口からソーイングストリップへ継続的な加速が行なわれる。これは、また、ソーイングストリップに含まれる材料のさまざまな材料特性に対応するために、ソーイングストリップの構造に応じて、さまざまな加速度でいくつかの段階において行なわれてもよい。ソーイングストリップのそれぞれの材料が柔らかくなるにつれて、順方向送り速度は速くなり得る。
ソーイングストリップに切り込む前に順方向送り速度を大きく低下させると、これはこの領域における被加工物に形成されたソーイング溝を大きく減少させることになる。ソーイングストリップの領域における溝を実質的に回避するためには、上記の領域において順方向送り速度を低下させることで十分であることが立証された。一方、長時間にわたって順方向送り速度を低下させることは、さらなる改良にはつながらない。本発明に従って著しく低下させた順方向送り速度が長時間にわたって維持されればソーイングプロセスの継続時間を大幅に長くするであろうという理由から、この時間は本発明に従ってできる限り短く保たれる。このように、プロセス時間を長くすることなく、ソーイングストリップの領域における局部波形状を回避できる。
実施例
直径が125mmまたは150mmの、シリコンからなる多数の単結晶インゴット部を、市販のワイヤソーを用いてシリコンウェハにスライスした。鋼製ソーイングワイヤと、グリコール中に懸濁した炭化ケイ素からなるソーイング懸濁液とを補助材料として用いた。一方では図2に示される曲線8に従って(本発明に従って)順方向送り速度を変化させ、他方では曲線9に従って(本発明に従わずに)順方向送り速度を変化させた。この違いは別として、両方の試験を同様に行なった。各々の場合において、本発明に従って100個のインゴット部を切断し、本発明に従わずに100個のインゴット部を切断した。
ソーイングストリップの残りの部分の除去および洗浄の後、ソーイング後のウェハに対して目視検査を行なった。また、機械式プローブによってウェハの直径に沿って高さプロファイルを得る形状測定器を用いて、ウェハのうちのいくつかを検査した。スキャンの方向は、ソーイングプロセス中のワイヤ群の順方向送りに対して平行であるように選択された。
実施例:
本発明に従った実施例では、図2に示される曲線8に従って順方向送り速度を変化させた。
ソーイング後のウェハの目視検査において、目立ったソーイング溝は見つからなかった。形状測定器を用いて、12μm以下の波形状を判断した。
比較例:
本発明に従わない比較例では、図2に示される曲線9に従って順方向送り速度を変化させた。直径が150mmの場合には5%だけ、直径が125mmの場合には10%だけ、本発明に従った実施例よりも長くソーイングプロセス全体が継続した。
目視検査では、ソーイングプロセスの終わり頃にソーイングワイヤと接触したウェハの領域における全てのウェハの20%について特に顕著なソーイング溝が見つかった。形状測定器を用いて、25μmまでの波形状を判断した。この波形状は、ソーイングプロセス中にソーイングストリップに接続されたインゴット部領域における特に顕著なソーイング溝によって引起されていた。
したがって、本発明に係る方法は、ソーイングプロセスの全体的な継続時間を実際にわずかに短くしたとしても、ソーイングプロセスの端部領域における切断品質を大幅に向上させる。
利用可能性
本発明に係る方法は、円筒形の被加工物のワイヤソーイング中に用いられてもよい。それは、円筒状の被加工物に特に適している。被加工物は、脆い材料、例えばシリコン、好ましくは単結晶シリコンなどの半導体材料からなっていてもよい。当該方法は、固定研磨剤によるワイヤソーイングにおいて用いられてもよいが、好ましくは固定研磨剤によらないソーイング懸濁液とソーイングワイヤによるワイヤソーイングにおいて用いられてもよい。
1 被加工物、2 ソーイングストリップ、3 取付プレート、4 ワイヤセクション。

Claims (9)

  1. 実質的に円筒形の被加工物から多数のウェハを同時にスライスするための方法であって、ソーイングストリップに接続された前記被加工物およびワイヤソーのワイヤ群は、順方向送り装置により、規定の順方向送り速度で前記被加工物の長手方向軸に対して垂直な方向に相対的に移動し、それによって前記被加工物が前記ワイヤ群を通過するように導かれ、それによって多数のウェハにスライスされ、前記順方向送り速度は、
    被加工物直径の50%の切断深さで値vを有し、
    次に、値v≧1.15×vで、極大値となり、
    その後、前記ワイヤ群が初めて前記ソーイングストリップと接触する時に、極小値である値v<vをとり、
    次いで、値v>vまで上昇される
    ように前記方法の過程で変化させられる、方法。
  2. 前記順方向送り速度は、前記被加工物直径の40〜60%の切断深さで極小値を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記順方向送り速度は、前記被加工物直径の30〜70%の切断深さ範囲では、前記極小値に対して鏡面対称のプロファイルを有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記順方向送り速度は、前記被加工物直径の25〜75%の切断深さ範囲では、前記極小値に対して鏡面対称のプロファイルを有する、請求項3に記載の方法。
  5. ≧1.2×vである、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. ≧1.25×vである、請求項5に記載の方法。
  7. ≦0.9×vである、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記順方向送り速度は、前記ワイヤ群が前記被加工物から出る時に値vを有し、v<v<vである、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. >vである、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
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