JP2015193899A - 電析用電解質および金属膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)本発明の第1の態様によれば、カリウムイオンと、フッ化物イオンと、塩化物イオンと、金属イオンとを含む、電析用電解質を提供することができる。このような構成とすることにより、比較的低温で、平滑な表面を有する金属膜を電析によって形成することができるとともに、金属膜の形成後には水洗除去が容易な電析用電解質とすることができる。
以下、本発明の一例である実施の形態について説明する。なお、実施の形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
実施の形態の電析用電解質は、カリウムイオン(K+)と、フッ化物イオン(F-)と、塩化物イオン(Cl-)と、金属イオン(Mn+;nは自然数)とを含んでいる。実施の形態の電析用電解質は、たとえば、フッ化カリウム(KF)と塩化カリウム(KCl)との溶融塩中に、電析される金属(M)を含む金属化合物を溶解することにより作製することができる。
図1に、実施の形態の電析用電解質を用いた金属膜の製造方法の一例(実施の形態の金属膜の製造方法)のフローチャートを示す。実施の形態の金属膜の製造方法は、電析用電解質を作製する工程(S10)と、電析用電解質に基板を浸漬させる工程(S20)と、基板上に金属膜を形成する工程(S30)と、電析用電解質を水洗により除去する工程(S40)とを含んでいる。なお、実施の形態の金属膜の製造方法には、S10、S20、S30およびS40以外の工程が含まれていてもよいことは言うまでもなく、工程の順序も特に限定されないことは言うまでもない。
電析用電解質を作製する工程(S10)は、KFと、KClと、Mを含む金属化合物とから電析用電解質を作製することにより行なわれる。電析用電解質を作製する工程(S10)は、たとえば、KFとKClとの混合物を溶融することによって溶融塩を作製する工程と、KFとKClとの溶融塩にMの化合物を添加することによって電析用電解質を作製する工程とを含んでいる。
電析用電解質に基板を浸漬させる工程(S20)は、たとえば図2の模式的断面図に示すように、電析用電解質を作製する工程(S10)で作製した電析用電解質2を容器1中に収容し、電析用電解質2中に陽極3および陰極としての基板4を浸漬させることにより行なうことができる。
基板上に金属膜を形成する工程(S30)は、電析用電解質2中に浸漬された陽極3および陰極としての基板4との間に電圧を印加し、電析用電解質2の電解を行なうことによって実施される。これにより、図3の模式的断面図に示すように、以下の式(III)にしたがって、基板4の表面上に金属Mが析出し、基板4の表面上に金属膜5が形成される。
電析用電解質を水洗により除去する工程(S40)は、基板4上に金属膜5を析出させる工程(S30)後に、金属膜5の表面上に付着している電析用電解質2を水洗により除去することにより行なわれる。
実施の形態の金属膜の製造方法により製造された金属膜5の平均厚さRに対する金属膜5の表面平均粗さRaの割合(100×(Ra/R))は、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。この場合には、金属膜5の表面をより平滑なものとすることができる。
実施の形態の電析用電解質2の電析により基板4上に金属膜5としてSi膜を形成する場合には、SiCl4をKFとKClとの溶融塩に吹き込むことによって、KFとKClとの溶融塩にSi化合物を添加して、実施の形態の電析用電解質2を作製することが好ましい。
上記においては、KFとKClとの溶融塩に電析対象物となるMの化合物を添加することによって電析用電解質2を作製する場合について説明したが、電析対象物となるMのアノード溶解によって電析用電解質2を作製することもできる。
金属塩化物からなる溶融塩を用いて電析用電解質を作製して電析を行なった場合には、表面が平滑である金属膜を形成することができない。その一方で、KF以外の金属フッ化物を用いて作製された溶融塩から電析用電解質を作製して電析を行なった場合には、表面が平滑な金属膜を形成することができるが、金属膜の表面に付着した電析用電解質を水洗除去することが困難である。さらに、KF単塩の溶融塩を用いて電析用電解質を作製して電析を行なった場合には、表面が平滑な金属膜を形成することができるが、KF単塩の融点が高いため、低温で電析を行なうことができず、金属膜が形成される基板に熱ダメージが与えられ、金属膜が基板から剥離してしまう。
<電析用電解質の作製>
表1の溶融塩の欄に示す材質からなる溶融塩を作製し、表1の金属化合物の欄に示すK2SiF6粉末、SiCl4ガスまたはK2TiF6粉末を、溶融塩100molに対して0.5mol〜15molの割合で溶解することによって、表1に示すKFとKClとの合計質量割合、Si4+カチオン分率およびF-アニオン分率を有する実験例1〜実験例21の電析用電解質を作製した。なお、表1に示すSi4+カチオン分率は、以下の式(IX)により算出され、Ti4+カチオン分率は、以下の式(X)により算出され、F-アニオン分率は、以下の式(XI)により算出された。また、KFのモル質量は58.1とし、KClのモル質量は74.6とし、K2SiF6のモル質量は220.3とした。
上述のようにして作製した実験例1〜実験例21の電析用電解質をグラッシーカーボンるつぼに充填し、カンタル製円筒容器とステンレス製蓋とからなる気密容器内に設置した石英インナーホルダーの底部に、実験例1〜実験例21の電析用電解質の充填後のグラッシーカーボンるつぼを静置した。そして、300ml/minの流量でAr(アルゴン)ガスを気密容器内に流すことで、気密容器内の雰囲気をAr雰囲気にした。そして、実験例1〜実験例21の電析用電解質のそれぞれに、陰極として表2に示す基板を浸漬させるとともに、対極である陽極として直径5mmの円形状の表面を有する円柱状のグラッシーカーボン棒(東海カーボン株式会社製)を浸漬させた。その後、電気化学測定装置(北斗電工株式会社製のHZ−3000)を用いて、表2に示す温度、電流密度および電析時間の条件で、実験例1〜実験例21の電析用電解質の定電流電解を行ない、陰極の表面上に金属膜を形成した。
上述のように、実験例1〜実験例21の電析用電解質の電析を行なうことにより、表2に示す陰極の表面上に表3に示す材質の実験例1〜実験例21の厚さ100μm程度の金属膜が形成された。具体的には、実験例1〜実験例17および実験例20においてはSi膜が形成され、実験例18においてはMoシリサイド膜が形成され、実験例19においてはWシリサイド膜が形成された。さらに、実験例21においては、FeとTiとの合金膜であるFe−Ti膜が形成された。
(水洗除去の評価方法)
実験例1〜実験例21の水洗除去の評価は、陰極上に形成された金属膜を333Kの蒸留水に20時間浸漬させた後に乾燥させ、XRD装置(株式会社リガク製のUltima IV;CuKα線、λ=0.15418nm、40kV、40mA)を用いて、乾燥後の金属膜の表面に残存する成分のXRD分析を行ない、以下の評価基準により評価を行なった。
A…金属膜の表面に残存する電析用電解質成分に起因するX線回折ピークなし
B…金属膜の表面に残存する電析用電解質成分に起因するX線回折ピークがわずかにあり
C…金属膜の表面に残存する電析用電解質成分に起因するX線回折ピークが明確にあり
[水洗時の剥離の評価]
(水洗時の剥離の評価方法)
実験例1〜実験例21の金属膜の水洗時の剥離の評価は、上述のように、陰極上に形成された金属膜を333Kの蒸留水に20時間浸漬して陰極を引き上げたときの陰極からの金属膜の剥離の有無について、以下の評価基準により評価を行なった。
A…陰極からの金属膜の剥離なし
B…陰極からの金属膜の剥離がわずかにあり
C…陰極から金属膜が完全に剥離
[Ra/Rの評価]
実験例1〜実験例21の金属膜のRa/Rは、実験例1〜実験例21の金属膜を樹脂中に埋設し、樹脂を乾燥させた後に、回転研磨機に取り付けた研磨紙(粒度:240番、400番、600番、1000番および2000番)で樹脂を研磨していくことによって露出した金属膜の断面をSEMで観察することによって金属膜の表面平均粗さRaおよび平均厚さRを測定し、金属膜の表面平均粗さRaを平均厚さRで割った値を100倍することによって算出した。なお、表3におけるRa/Rの値が低いほど、金属膜の表面が平滑であることを意味している。
(実験例1)
表3に示すように、実験例1においては、電析用電解質の作製に用いられた溶融塩がKFを用いて作製されているため、表面が平滑なSi膜を形成することができるとともに、Si膜の表面に付着した電析用電解質の水洗による除去も容易であった。さらに、実験例1においては、電析用電解質の作製に用いられた溶融塩がKFとKClとの双方を用いて作製されており、KF以外の金属フッ化物を用いて作製されていないため、比較的低温で電析を行なうことができ、陰極への熱ダメージを低く抑えることができたため、水洗時のSi膜の剥離の発生も抑えることができた。
表3に示すように、実験例2においては、電析用電解質の作製に用いられた溶融塩がKFを用いて作製されているため、表面が平滑で、かつ高純度のSi膜が形成されていた。しかしながら、実験例2においては、電析時の電析用電解質の温度が非常に高いため、陰極の熱ダメージが大きく、水洗時にSi膜が完全に剥離した。
表3に示すように、実験例3においては、電析用電解質の作製に用いられた溶融塩がKFを用いて作製されていないため、表面が平滑でないSi膜が形成された。また、電析時の電析用電解質の温度が非常に高いため、陰極の熱ダメージが大きく、水洗時にSi膜が完全に剥離した。
表3に示すように、実験例4においては、金属フッ化物の三元系溶融塩を用いて電析用電解質が作製されているため、表面が平滑なSi膜が形成された。しかしながら、KF以外の金属フッ化物を用いて電析用電解質が作製されているため水洗後のSi膜の表面に電析用電解質の残存物に起因するXRDパターンのピークが明確に確認された。
表3に示すように、実験例5においては、金属フッ化物の二元系溶融塩を用いて電析用電解質が作製されているため、表面が平滑なSi膜が形成された。しかしながら、KF以外の金属フッ化物を用いて電析用電解質が作製されているため水洗後のSi膜の表面に電析用電解質の残存物に起因するXRDパターンのピークが明確に確認された。
実験例1、実験例6および実験例7においては、KFとKClとからなる溶融塩を用いて電析用電解質が作製されているため、Si膜の表面に付着した電析用電解質の水洗による除去が確認できた。ただし、K2SiF6粉末の添加量が多い実験例8においては、水洗後のSi膜の表面に、わずかながら電析用電解質の残存物のXRDパターンのピークが確認された。
実験例1、実験例9および実験例10においては、電析時の電流密度の絶対値が1mA/cm2以上500mA/cm2以下の範囲内にあるため、表面が平滑なSi膜が形成された。しかしながら、電析時の電流密度の絶対値がその範囲を超えている実験例11においては、実験例1、実験例9および実験例10と比べてSi膜の表面の平滑性が劣る傾向が確認された。
実験例12においては、KFに対するKClのモル比が0.2未満であるため平滑な表面を有するSi膜を得ることができるが、電析時の電析用電解質の温度が高いため、水洗時にSi膜がわずかに剥離した。
実験例16は、K2SiF6粉末を添加する代わりにSiCl4ガスを吹き込んだこと以外は実験例1と同様にしてSi膜の形成が行なわれたが、実験例1の場合と同様の良好な結果が得られた。
<電析用電解質の作製>
表4の溶融塩の欄に示す材質からなる溶融塩を作製し、K2SiF6粉末を、溶融塩100molに対して0.5mol〜5molの割合で溶解することによって、表4に示すKFとKClとの合計質量割合、Si4+カチオン分率およびF-アニオン分率を有する実験例22〜実験例33の電析用電解質を作製した。なお、表4に示すSi4+カチオン分率は、上記の式(IX)により算出され、F-アニオン分率は、上記の式(XI)により算出された。
上述のようにして作製した実験例22〜実験例33の電析用電解質をグラッシーカーボンるつぼに充填し、カンタル製円筒容器とステンレス製蓋とからなる気密容器内に設置した石英インナーホルダーの底部に、実験例22〜実験例33の電析用電解質の充填後のグラッシーカーボンるつぼを静置した。そして、300ml/minの流量でArガスを気密容器内に流すことで、気密容器内の雰囲気をAr雰囲気にした。そして、実験例22〜実験例33の電析用電解質のそれぞれに、陰極としてAg線を浸漬させるとともに、対極である陽極として直径5mmの円形状の表面を有する円柱状のグラッシーカーボン棒(東海カーボン株式会社製)を浸漬させた。その後、電気化学測定装置(北斗電工株式会社製のHZ−3000)を用いて、表5に示す温度、電流密度および電析時間の条件で、実験例22〜実験例33の電析用電解質の定電流電解を行ない、陰極であるAg線の表面上にSi膜を形成した。
上述のように、実験例22〜実験例33の電析用電解質の電析を行なうことにより、Ag線の表面上に、表6に示す材質の実験例22〜実験例33の厚さ60μm程度のSi膜が形成された。
(水洗除去の評価方法)
実験例22〜実験例33の水洗除去の評価は、Ag線上に形成されたSi膜を333Kの蒸留水に20時間浸漬させた後に乾燥させ、XRD装置(株式会社リガク製のUltima IV;CuKα線、λ=0.15418nm、40kV、40mA)を用いて、乾燥後のSi膜の表面に残存する成分のXRD分析を行ない、以下の評価基準により評価を行なった。
A…Si膜の表面に残存する電析用電解質成分に起因するX線回折ピークなし
B…Si膜の表面に残存する電析用電解質成分に起因するX線回折ピークがわずかにあり
C…Si膜の表面に残存する電析用電解質成分に起因するX線回折ピークが明確にあり
[水洗時の剥離の評価]
(水洗時の剥離の評価方法)
実験例22〜実験例33のSi膜の水洗時の剥離の評価は、上述のように、Ag線上に形成されたSi膜を333Kの蒸留水に20時間浸漬してAg線を引き上げたときのAg線からのSi膜の剥離の有無について、以下の評価基準により評価を行なった。
A…Ag線からのSi膜の剥離なし
B…Ag線からのSi膜の剥離がわずかにあり
C…Ag線からSi膜が完全に剥離
[Ra/Rの評価]
実験例22〜実験例33のSi膜のRa/Rは、実験例22〜実験例33のSi膜を樹脂中に埋設し、樹脂を乾燥させた後に、回転研磨機に取り付けた研磨紙(粒度:240番、400番、600番、1000番および2000番)で樹脂を研磨していくことによって露出したSi膜の断面をSEMで観察することによってSi膜の表面平均粗さRaおよび平均厚さRを測定し、Si膜の表面平均粗さRaを平均厚さRで割った値を100倍することによって算出した。なお、表6におけるRa/Rの値が低いほど、Si膜の表面が平滑であることを意味している。また、図8〜図19に、それぞれ、実験例22〜実験例33において形成されたSi膜の断面のSEM像を示す。また、図20に、実験例24において形成されたSi膜の断面のSEM像の拡大図を示し、図21に、実験例25において形成されたSi膜の断面のSEM像の拡大図を示す。
表6に示すように、Si4+カチオン分率が0.05以下である実験例22〜実験例33においては、Si膜の形成後の水洗による電析用電解質の除去が容易となり、Ag線からのSi膜の剥離が見られないという結果が見られた。
<電析用電解質の作製>
表7の溶融塩の欄に示す材質からなる溶融塩を作製し、表7の溶融塩を100molとしたときの金属化合物の物質量の欄に示すWCl4粉末を溶融塩100molに対して0.1molの割合で溶解する(実験例34および実験例35)、またはWCl4粉末とWO3粉末とをそれぞれ溶融塩100molに対して0.1molずつの割合で溶解する(実験例36および実験例37)ことによって、実験例34〜実験例37の電析用電解質を作製した。
上述のようにして作製した実験例34〜実験例37の電析用電解質をグラッシーカーボンるつぼに充填し、カンタル製円筒容器とステンレス製蓋とからなる気密容器内に設置した石英インナーホルダーの底部に、実験例34〜実験例37の電析用電解質の充填後のグラッシーカーボンるつぼを静置した。そして、300ml/minの流量でAr(アルゴン)ガスを気密容器内に流すことで、気密容器内の雰囲気をAr雰囲気にした。そして、実験例34〜実験例37の電析用電解質のそれぞれに、陰極としてMo基板を浸漬させるとともに、対極である陽極として直径5mmの円形状の表面を有する円柱状のグラファイトを浸漬させた。その後、電気化学測定装置(北斗電工株式会社製のHZ−3000)を用いて、表7の電析条件の欄に示す温度、電位(K+/Kに対する電位)および時間(電析時間)の条件で、実験例34〜実験例37の電析用電解質の定電位電解を行ない、陰極の表面上に実験例34〜実験例37の金属膜を形成した。
上述のように形成した実験例34〜実験例37のそれぞれの金属膜の表面を走査型電子顕微鏡(SEM;株式会社キーエンス製のVE−8800)を用いて、加速電圧20kVの条件で観察した。代表的に、図22に実験例34の金属膜の表面のSEM写真を示し、図23に実験例36の金属膜の表面のSEM写真を示す。
上述のように形成した実験例34〜実験例37のそれぞれの金属膜を集束イオンビーム(FIB)装置を用いて切断して断面を露出させ、実験例34〜実験例37のそれぞれの金属膜の断面を低加速走査型電子顕微鏡(ULTRA55)を用いて加速電圧2kVの条件で観察し、Mo基板上の金属膜の膜厚を測定した。その結果を表7の評価の膜厚の欄に示す。表7の評価の膜厚の欄に示すように、実験例34〜実験例37の金属膜の膜厚は、それぞれ、0.3μm、0.2μm、0.5μmおよび0.2μmであることが確認された。代表的に、図24に実験例34の金属膜の断面の低加速走査型電子顕微鏡写真を示し、図25に実験例36の金属膜の断面の低加速走査型電子顕微鏡写真を示す。図24および図25のW層と示されている箇所がWが析出した層に相当する。
2 電析用電解質
2a 溶融塩
3 陽極
3a 基板
4 基板
5 金属膜
11 Ag線
12 Si膜
13 樹脂
Claims (12)
- カリウムイオンと、フッ化物イオンと、塩化物イオンと、金属イオンとを含む、電析用電解質。
- 前記金属イオンのカチオン分率が、0.12以下である、請求項1に記載の電析用電解質。
- 前記フッ化物イオンのアニオン分率が、0.1以上0.9以下である、請求項1または請求項2に記載の電析用電解質。
- 前記金属イオンは、珪素イオン、タングステンイオン、モリブデンイオン、チタンイオン、ニッケルイオンおよびコバルトイオンからなる群から選択された少なくとも1種を含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電析用電解質。
- フッ化カリウムと、塩化カリウムと、金属化合物および金属の少なくとも一方と、から電析用電解質を作製する工程と、
前記電析用電解質に基板を浸漬させる工程と、
前記基板を陰極として前記電析用電解質の電解を行なうことによって前記基板上に金属膜を形成する工程と、
前記金属膜の表面上に付着している前記電析用電解質を水洗により除去する工程とを含む、金属膜の製造方法。 - 前記電析用電解質を作製する工程において、前記フッ化カリウムと前記塩化カリウムとの合計質量を前記電析用電解質の70質量%以上とする、請求項5に記載の金属膜の製造方法。
- 前記電析用電解質を作製する工程は、
フッ化カリウムと塩化カリウムとを混合させた後に溶融させることによって溶融塩を作製する工程と、
前記溶融塩に前記金属化合物の少なくとも1種を添加する工程、および前記金属をアノード溶解する工程の少なくとも一方とを含む、請求項5または請求項6に記載の金属膜の製造方法。 - 前記金属化合物は、金属塩化物ガスを含む、請求項7に記載の金属膜の製造方法。
- 前記溶融塩における前記フッ化カリウムに対する前記塩化カリウムのモル比が、0.2以上5以下である、請求項7または請求項8に記載の金属膜の製造方法。
- 前記基板上に金属膜を形成する工程において、電流密度の絶対値が1mA/cm2以上500mA/cm2以下の電流を流して前記電析用電解質の電解を行なう、請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載の金属膜の製造方法。
- 前記基板の表面が、鉄、銀、炭素、銅およびモリブデンからなる群から選択された少なくとも1種を含む、請求項5〜請求項10のいずれか1項に記載の金属膜の製造方法。
- 前記基板の形状が、柱状またはパイプ状である、請求項5〜請求項11のいずれか1項に記載の金属膜の製造方法。
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