JPH0551784A - Ti−Al合金薄膜およびその製造方法 - Google Patents

Ti−Al合金薄膜およびその製造方法

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JPH0551784A
JPH0551784A JP21351491A JP21351491A JPH0551784A JP H0551784 A JPH0551784 A JP H0551784A JP 21351491 A JP21351491 A JP 21351491A JP 21351491 A JP21351491 A JP 21351491A JP H0551784 A JPH0551784 A JP H0551784A
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JP
Japan
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thin film
molten salt
ticl
alloy thin
atomic
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JP21351491A
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English (en)
Inventor
Hidenori Hisama
英典 久間
Seiya Wada
征也 和田
Masahiro Kawakami
正博 川上
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Nippon Stainless Steel Co Ltd
Original Assignee
Nippon Stainless Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】純チタンの性質に近いTi−Al合金薄膜およびそ
の製造方法の提供。 【構成】溶融塩から電析した5〜30原子%のアルミニ
ウムと70〜95原子%のチタンとからなるTi−Al合金薄
膜。 TiCl2 が 0.1〜5モル%、AlCl3 が0.01〜0.5 モル%
で、かつ TiCl2とAlCl3の比(TiCl2/AlCl3) が5〜40で
あるアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化
物系の溶融塩中において、陰極電解電位を−1.1 ボルト
よりも卑な電位で電解することを特徴とするのTi−Al
合金薄膜の製造方法。 【効果】平滑で均質な被膜であり、めっき被膜または独
立の薄膜として防食材料等に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はチタン (Ti) リッチの
Ti−Al (アルミニウム) 合金薄膜、およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】TiおよびTi合金は耐食性、耐熱性等の優
れた特性を有することから、化学工業をはじめとして多
方面に使用されるようになってきた。現在のところ、Ti
およびTi合金は管材、板材その他の形状で使用されるこ
とが多いが、Tiは高価な金属であるから、クラッド材と
して他の安価な金属と張り合わせて使用することも検討
されている。
【0003】TiまたはTi合金を、例えば鋼材にめっきし
て用いることができれば、Tiの耐食性あるいは特有の美
しさを生かした安価な構造材を製造することができる。
また、ごく薄いTiまたはTi合金の箔 (ここでは基材の上
に析出しためっき被膜と、基材から分離した単独の箔を
含めて薄膜と記す) を製造できれば、防食材料や装飾材
料等として多様な用途が期待できる。
【0004】Tiは、きわめて活性な金属であるため、水
溶液から電解析出させることはできない。溶融塩電解法
によれば電析は可能であるが、純Tiの溶融塩電析物は樹
枝状ないしはスポンジ状であって、平滑な薄膜にはなら
ない。そこで、Tiと他の金属とを組み合わせて電析させ
る方法が検討され、鋼材のめっきに利用することが提案
されている。例えば、特開昭61−261492号公報には、Al
−Ti−Mn合金のめっき材料が提案されており、また特開
昭61−261492号公報には、かかるめっきを行うための電
析方法が開示されている。これらの公報に示されている
のは、Al−Ti−Mnの三元系合金めっきであり、良好なめ
っき被膜のTiの含有量は高々80重量%程度である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Tiの
含有量が高く、純Tiに近い性質を有し、しかも平滑な薄
膜を提供すること、およびそのような薄膜を製造する電
解析出方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、 溶融塩から電析した5〜30原子%のアルミニウムと70
〜95原子%のチタンとからなるTi−Al合金薄膜、および TiCl2 が 0.1〜5モル%、AlCl3 が0.01〜0.5 モル%
で、かつ TiCl2とAlCl3の比(TiCl2/AlCl3) が5〜40で
あるアルカリ金属またはアルカリ土類金属ハロゲン化物
系の溶融塩中において、陰極電解電位をAg/AgCl(0.1)
電極基準で−1.1ボルトよりも卑な電位で電解すること
を特徴とする上記のTi−Al合金薄膜の製造方法、にあ
る。
【0007】上記の薄膜とは、前述のとおり適当な基
材(母材)の上に電析した被膜、またはこの被膜を基材
から分離した箔を意味する。
【0008】上記の製造方法において、アルカリ金属
ハロゲン化物とは、Na、K、Li等のアルカリ金属の塩化
物またはフッ化物であり、代表的なものはNaCl、KCl、
LiClであり、アルカリ土類金属のハロゲン化物として
は、CaCl2 、BaCl2 が代表的なものである。これらは単
独でも、また混合してでも使用できるが 100%フッ化物
浴は取扱いが面倒であるから、塩化物にKF、LiF、Na
Fを混合して用いるのがよい。
【0009】溶融塩電解は 400〜500 ℃程度の温度で、
例えば、Tiを陽極とし、Ni (ニッケル) を陰極として行
うことができる。その場合は、Ni陰極上に析出した合金
が上記のTi−Al合金薄膜であり、これはそのままめっ
き被膜として、あるいは基材のNiから分離して、箔とし
て利用することができる。基材からのめっき被膜の分離
はドラム型陰極を使用する機械的剥離法等で簡単にでき
る。
【0010】
【作用】前述のとおり、Tiは水溶液から電析させること
は不可能である。また、溶融塩から電析させた場合でも
純Tiでは樹枝状またはスポンジ状に析出し、平滑な薄膜
にはならない。
【0011】本発明者は、平滑な薄膜を得るための電析
方法を追求し、少量のAlを共析させTi−Al合金とすれ
ば、溶融塩から平滑で均一な薄膜が電析することを確認
した。
【0012】なお、析出物はTiとAlの微細混合物の形態
にもなり得るが、ここではかかる混合物も合金に含め
る。
【0013】TiとAlの共析電位は近く、Tiの析出電位で
Alも析出する。Ti源としてTiCl2 を含む溶融塩に、AlCl
3 を少しづつ添加しながら種々条件を変えて電解を行っ
たところ、析出した被膜中のAlが5〜30原子%のとき
に、被膜は平滑になることがわかった。とくに、Alが10
〜20原子%の場合に、きわめて平滑で均質な被膜にな
る。Alが5原子%より少ない場合には析出物は樹枝状に
なり、一方、30原子%より多い場合には凹凸の激しい粗
面の析出物になる。
【0014】上記のような組成を有する平滑な被膜を析
出させる電解条件は次のとおりである。
【0015】まず、溶融塩は、TiCl2 が 0.1〜5モル
%、AlCl3 が0.01〜0.5 モル%で、かつ TiCl2とAlCl3
の比、即ちTiCl2/AlCl3 が5〜40でなければならない。
次に、陰極電解電位は、Ag/AgCl(0.1)電極・・( )内
の 0.1はAgClが10モル%であることを示す・・を基準と
して−1.1 ボルトよりも卑な電位でなければならない。
【0016】これらの条件をはずれた場合には、析出物
が樹枝状になって平滑な被膜は得られない。
【0017】溶融塩中のTiCl2 の濃度が 0.1モル%未満
であれば電流密度が小さくなり、電着効率が悪くなって
実用的でないだけでなく浴濃度の管理も難しい。一方、
5モル%超えると、電流密度は大きくなるが、析出物は
Al含有量が5〜30原子%の範囲にあっても、凹凸の激し
い粗面の析出物になる。
【0018】TiCl2/AlCl3を5〜40とするのは、析出す
るTi−Al合金中のAl量を5〜30原子%にするためには、
浴中のTi2+/Al3+ の比を5〜40にすることが必要だから
である。Ti2+/Al3+ の比を一定にしても、TiおよびAlの
濃度が変わると析出物の組成は変わってくる。AlはTiよ
りも析出しやすいから、例えば、AlCl3 の濃度を2倍に
するとTiCl2 は2倍以上の濃度にしなければ析出物の組
成は同じにならない。なお、電解は定電位で行う方が容
易であるが、パルス電解も可能である。パルス電解の場
合は、Alが析出しやすくなるから、電解条件等の調整が
必要である。
【0019】溶融塩を構成する他の塩としては、前記の
ようにアルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物
を組合せて使用できるが、特にLiCl−KClの共晶塩が望
ましい。この共晶塩(LiCl 59モル%−KCl 41 モル%)
の融点は 352℃と低いからである。溶融塩中のTiイオン
はTi2+であるのが望ましい。Ti3+があると電流効率が低
下する。なお、実際の操業においては、Tiイオンの供給
をTiCl3 および金属Ti(スポンジチタン) で行ってもよ
い。352 ℃以上の温度では 2 TiCl3 + Ti → 3 TiCl2 の反応によってTiはTi2+になるからである。
【0020】電解は、溶融塩および析出物の酸化防止の
ために非酸化性の雰囲気、例えばアルゴンガス雰囲気中
で行うのがよい。
【0021】
【実施例1】使用する溶融塩と反応しない高純度のアル
ミナるつぼを用い、次に示す条件でアルゴン雰囲気中で
電解を行った。
【0022】 1) 浴組成 TiCl2 : 0.45 モル% (TiCl3とスポンジチタン
を添加) AlCl3 : 0.06 モル% TiCl2/AlCl3 : 7.5 LiCl−KCl共晶:残部 2) 浴温度 : 450 ℃ 3) 陽 極 : 金属チタン 4) 陰 極 : 金属ニッケル 5) 電解電位: −1.2 V Ag/AgCl(0.1)電極基準、
定電位保持 6) 電流密度:約 1.0 A/dm2 上記の条件で 20 分間の電解を行ったところ、ニッケル
陰極上に約6μm 厚の平滑な被膜が析出した。その被膜
を分析したところ、Alが11.3原子%(6.7重量%) で残り
がTiであった。
【0023】
【実施例2】実施例1と同じく高純度のアルミナるつぼ
を用い、次に示す条件で電解を行った。
【0024】 1) 浴組成 TiCl2 : 0.6 モル% (TiCl3とスポンジチタン
を添加) AlCl3 : 0.1 モル% TiCl2/AlCl3 : 6 LiCl−KCl共晶:残部 2) 浴温度 : 450 ℃ 3) 陽 極 : 金属チタン 4) 陰 極 : 金属ニッケルの平滑板 5) 電解電位: −1.2 V Ag/AgCl(0.1)電極基準、
定電位保持 6) 電流密度:約 1.2 A/dm2 上記の条件で 15 分間の電解を行った結果、ニッケル陰
極上に約5μm 厚の平滑な被膜が析出した。その被膜を
分析したところ、Alが15.9原子%(9.6重量%)で残りがT
iであった。
【0025】この例では析出した被膜の陰極からの剥離
を試みた。上記のように陰極として平滑な金属ニッケル
板を使用したので、被膜は容易に剥離でき、5μm の均
一な厚さの箔が採取できた。
【0026】
【発明の効果】本発明のTi−Al合金薄膜は、平滑で均一
な厚みをもつものである。しかもTi濃度が高いから、純
チタンに近い特性を有する。このような薄膜は、めっき
被膜として他の金属材料の防食等に利用できるだけでな
く、独立した薄膜として多様な用途に活用できる。
【0027】本発明のTi−Al合金薄膜は、前述した溶融
塩電解法で簡単に、かつ比較的安価に製造できる。
【0028】
フロントページの続き (72)発明者 川上 正博 愛知県豊橋市高師本郷町字北沢2番地の7

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融塩から電析した5〜30原子%のアルミ
    ニウムと70〜95原子%のチタンとからなるTi−Al合金薄
    膜。
  2. 【請求項2】TiCl2 が 0.1〜5モル%、AlCl3 が0.01〜
    0.5 モル%で、かつ TiCl2とAlCl3の比(TiCl2/AlCl3)
    が5〜40であるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の
    ハロゲン化物系の溶融塩中において、陰極電解電位を−
    1.1 ボルトよりも卑として電解することを特徴とする請
    求項1のTi−Al合金薄膜の製造方法。
JP21351491A 1991-08-26 1991-08-26 Ti−Al合金薄膜およびその製造方法 Pending JPH0551784A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015193899A (ja) * 2013-11-19 2015-11-05 住友電気工業株式会社 電析用電解質および金属膜の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015193899A (ja) * 2013-11-19 2015-11-05 住友電気工業株式会社 電析用電解質および金属膜の製造方法

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