JP2015193702A - 透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法、透明導電性基板用表面保護フィルムおよび積層体 - Google Patents

透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法、透明導電性基板用表面保護フィルムおよび積層体 Download PDF

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【課題】保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板に熱処理を行っても、保護フィルムの基材から透明導電性基板にオリゴマーの転移が生じにくく、しかも剥離性および濡れ性に優れた透明導電性基板用表面保護フィルムを製造する方法を提供する。【解決手段】ポリエステルフィルムからなる基材2の一方の面上に、分子量が10万以下のポリマーが全体の5質量%以下で、未反応モノマーが仕込みモノマーに対して0.5〜10質量%であり、ガラス転移温度が−30℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体と架橋剤とを含む粘着剤組成物を塗布する塗布工程と、未反応モノマーを除去する熱処理工程を含む透明導電性基板用表面保護フィルム10の製造方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法、透明導電性基板用表面保護フィルムおよび積層体に関する。
従来、透明導電性基板は、タッチパネル、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、太陽電池等の製品の材料として広く用いられている。透明導電性基板としては、基板の片面に透明導電層が設けられているものが一般に使用されている。透明導電性基板では、基板の材料として、ポリエステル等のフィルム又はガラスが用いられている。また、透明導電層には、通常ITO(Indium Tin Oxide)が用いられている。
透明導電性基板を用いて製品を製造する際には、透明導電性基板の導電層を結晶化する工程、基板の歪を矯正する工程、透明導電性基板の導電層をパターニングする工程、透明導電性基板上に電極を形成する工程などの熱処理を伴ういずれか1つ以上の工程などが行われる。これらの熱処理を伴う工程を行うことによって、透明導電性基板の表面には、異物や汚れが付着する恐れがある。透明導電性基板の表面に異物や汚れが付着すると、製品の品質に悪影響を来す場合がある。このため、従来、製造途中の透明導電性基板の表面に保護フィルムを貼り付けて、透明導電性基板の表面への異物や汚れの付着を防止している。
透明導電性基板の表面に貼り付ける保護フィルムとしては、ポリエステルフィルムからなる基材を用いたものがある。
従来、ポリエステルフィルムにおいては、ポリエステルフィルム中から表面へのオリゴマーの析出を防止する種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、フィルム基材に紫外線を照射し、フィルム基材の少なくとも一部を改質させ、被膜を形成させることにより、フィルム基材表面へのオリゴマーの析出を防止する方法が記載されている。
特許文献2には、ポリエステルフィルムの表面に、オリゴマーの析出を防止するための塗布層として、ポリビニルアルコールを含有する塗布層を設けることが提案されている。
また、透明導電性基板の表面に貼り付ける保護フィルムにおいて、透明導電性基板からの剥離性が不十分であると、剥離時にバリバリという音を発するジッピングと呼ばれる現象が起こりやすくなる。剥離時にジッピングが生じる保護フィルムでは、剥離時に透明導電性基板が損傷しやすい。
特許文献3には、ジッピングを起こさない表面保護シートとして、ガラス転移温度が−40℃以下の(メタ)アクリル系ポリマーと、5〜20重量部のガラス転移温度が80℃以上の(メタ)アクリル系ポリマーと、架橋剤とを含有する保護シート用感圧接着剤を、支持体上に塗工してなる表面保護シートが提案されている。
国際公開第2010/061851号 特開2003−183429号公報 特開2005−146151号公報
透明導電性基板の表面に貼り付ける保護フィルムにおいて、基材としてポリエステルフィルムを用いたものでは、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板に熱処理を行うことにより、基材中に存在するオリゴマーが析出し、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板の表面に転移する場合がある。透明導電性基板の表面に転移したオリゴマーは、透明導電性基板の表面を白濁化させて透明導電性基板の透明性を低下させる。このため、保護フィルムの基材から透明導電性基板へのオリゴマーの転移を防止することが要求されている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の技術は、ポリエステルフィルム中から表面へのオリゴマーの析出を防止するものであり、フィルムの表面にオリゴマーの析出を防止するための部材を形成する必要があった。
すなわち、特許文献1に記載の技術では、オリゴマーの析出を防止する被膜を設けるために、フィルム基材に紫外線を照射する必要があり、紫外線照射装置を用意する必要があった。また、特許文献2に記載の技術では、ポリエステルフィルムの表面に、オリゴマーの析出を防止するための塗布層を設ける工程が必要であった。
このため、特許文献1および特許文献2に記載の技術を用いて透明導電性基板用表面保護フィルムを製造する場合、オリゴマーの析出を防止するための部材を形成する工程が必要であった。
また、従来、オリゴマーの析出を防止するための部材を形成することなく、保護フィルムの基材から透明導電性基板にオリゴマーの転移が生じにくく、かつ剥離性および濡れ性に優れた透明導電性基板用表面保護フィルムを製造する方法はなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板に熱処理を行っても、保護フィルムの基材から透明導電性基板にオリゴマーの転移が生じにくく、しかも剥離性および濡れ性に優れた透明導電性基板用表面保護フィルムを製造する方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記の製造方法を用いて製造した透明導電性基板用表面保護フィルムを提供することを課題とする。
さらに、本発明は、上記の透明導電性基板用表面保護フィルムを透明導電性基板上に積層してなり、高品質の透明導電性基板を高い歩留まりで効率よく製造できる積層体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討し、保護フィルムの基材を透明導電性基板に貼り付けるための粘着層を、保護フィルムの基材から透明導電性基板へのオリゴマーの転移を防止する機能を有するものとすることを考えた。粘着層は、透明導電性基板用表面保護フィルムにおいて必須の部材であるため、保護フィルムの基材と透明導電性基板との間に、オリゴマーの析出を防止するための部材として別個に形成する必要はない。
粘着層を、基材から透明導電性基板へのオリゴマーの転移を防止できるものとする方法として、粘着層の材料としてガラス転移温度の高い材料を用いることが考えられる。
しかし、粘着層をガラス転移温度の高い材料で形成すると、透明導電性基板に対する剥離性が不十分となる。このため、剥離時にジッピングが生じやすく、透明導電性基板を損傷しやすいものとなるし、剥離作業の効率が低いものとなる。また、ガラス転移温度の高い粘着層は、透明導電性基板の基体に対する濡れ性が不十分である。このため、保護フィルムと透明導電性基板とを貼り付ける際に、保護フィルムの粘着層と透明導電性基板との間に空気が入り込むエアガミと呼ばれる現象が生じる場合がある。エアガミが生じると、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板に熱処理を行うことで、透明導電性基板に保護フィルムの貼り跡が形成される。貼り跡は、透明導電性基板の品質を低下させる。
そこで、本発明者らは、粘着層のガラス転移温度と、剥離性および濡れ性との関係について、検討を重ねた。その結果、粘着層の剥離性および濡れ性を確保するためには、粘着層を形成している樹脂成分のガラス転移温度を−30℃以下とする必要があることが分かった。
さらに、本発明者らは、ポリエステルフィルムからなる基材上に、ガラス転移温度が−30℃以下の樹脂成分からなるものであってオリゴマーの転移を防止する機能を有する粘着層を形成すべく、検討を重ねた。その結果、基材上に、分子量が10万以下のポリマーが少なく、未反応モノマーが多く残存する(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含む粘着剤組成物を塗布し、未反応モノマーを除去する熱処理工程を行う方法を用いて粘着層を形成すればよいことを見出し、本発明を想到した。
本発明は以下の構成を採用する。
(1) ポリエステルフィルムからなる基材の一方の面上に、分子量が10万以下のポリマーが全体の5質量%以下で、未反応モノマーが仕込みモノマーに対して0.5〜10質量%であり、ガラス転移温度が−30℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体と架橋剤とを含む粘着剤組成物を塗布する塗布工程と、前記未反応モノマーを除去する熱処理工程とを含むことを特徴とする透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
(2) 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が3.0以下であることを特徴とする(1)に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
(3) 前記熱処理工程は、80〜150℃で30秒〜10分間行うことを特徴とする(1)または(2)に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
(4) 前記基材の他方の面上に、オリゴマーの析出を防止するオリゴマー析出防止層を形成する工程を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法を用いて製造したことを特徴とする透明導電性基板用表面保護フィルム。
(6) 透明導電性基板上に、(5)に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムが積層されていることを特徴とする積層体。
本発明の透明導電性基板用表面保護フィルム(以下「保護フィルム」と略記する場合がある)の製造方法によれば、オリゴマーの転移を防止する機能を有する粘着層の設けられた保護フィルムが得られる。
本発明の製造方法を用いて製造した保護フィルムは、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板に熱処理を行っても、保護フィルムの基材から透明導電性基板にオリゴマーの転移が生じにくく、しかも剥離性および濡れ性に優れたものとなる。
本発明の積層体は、本発明の製造方法を用いて製造した保護フィルムが、透明導電性基板上に積層されているものであるので、透明導電性基板の熱処理を行っても、保護フィルムの基材から透明導電性基板にオリゴマーの転移が生じにくく、オリゴマーの転移に起因する透明導電性基板の透明性の低下を防止できる。また、本発明の積層体は、濡れ性に優れた保護フィルムを用いているので、積層体の形成時にエアガミが生じることを防止でき、保護フィルムの剥離後にエアガミに起因する貼り跡が形成されにくく、高品質の透明導電性基板が得られる。しかも、本発明の積層体は、剥離性に優れた保護フィルムを用いているので、保護フィルムの剥離時にジッピングが生じにくく、高い歩留まりで効率よく剥離作業を行うことができる。
図1は、本発明の透明導電性基板用表面保護フィルムの一例を説明するための断面模式図である。 図2は、本発明の積層体の一例を説明するための断面模式図である。
以下、本発明の保護フィルムの製造方法、保護フィルムおよび積層体について詳細に説明する。なお、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であり、本発明はそれらに限定されるものではない。本発明は、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施できる。
[保護フィルム]
図1は、本発明の保護フィルムの一例を説明するための断面模式図である。図1に示す保護フィルム10は、これを貼り付けた透明導電性基板に熱処理を行う場合に、好適に用いられるものである。保護フィルム10は、基材2と、基材2の一方の面2a(図1においては上面)上に形成された粘着層1と、基材2の他方の面2b(図1においては下面)上に形成されたオリゴマー析出防止層3と、粘着層1の透明導電性基板と対向配置される側の面1a(図1では上面)に配置された剥離シート4とを有している。
(基材)
基材2は、ポリエステルフィルムからなるものである。
基材2に用いるポリエステルとしては、ジカルボン酸またはそのエステルと、グリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルが挙げられる。
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などが挙げられる。
また、グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
ジカルボン酸またはそのエステルと、グリコールとを重縮合させる方法としては、従来公知の方法を任意に使用して製造でき、具体的には例えば、以下の方法を用いることができる。まず、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間で、エステル交換反応をさせる方法により、芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステルまたはその低重合体を生成する。また、芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステルまたはその低重合体は、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させる方法により生成してもよい。その後、芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステルまたはその低重合体を、減圧下で加熱して重縮合させる。
基材2に用いるポリエステルとしては、オリゴマー含有量の少ないものを用いることが好ましい。ここでのオリゴマーとは、基材2を加熱することにより、基材2の材料であるポリエステルから分離析出する、ポリエステル由来の複数種類の低分子化合物である。オリゴマー含有量の少ないポリエステルは、例えば、ポリエステルのチップを、減圧下あるいは不活性ガスの流通下で、180℃〜240℃の温度に1時間〜20時間保つ固相重合を行うことによって得られる。
基材2に用いるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートを用いることが好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
基材2として用いるポリエステルフィルムは、必要に応じてポリエステルの他に添加剤を含有していてもよい。例えば、基材2として用いるポリエステルフィルムは、これを製造する際の走行性を向上する等の目的で、粒子を含有していてもよい。粒子としては、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム等の無機粒子や、(メタ)アクリル樹脂および/またはグアナミン樹脂等の有機粒子、触媒残差を粒子化させた析出粒子などが挙げられる。また、基材2に用いるポリエステルフィルムは、これら粒子の他に、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等を含むものであってもよい。
基材2に用いるポリエステルフィルムの形成方法としては、従来知られている公知の製膜法を用いることができ、特に制限はない。例えば、基材2に用いるポリエステルフィルムは、以下に示す方法で形成できる。まず、ポリエステルのチップを溶解し、ロール延伸法により、60〜120℃で2〜6倍に延伸して、一軸延伸ポリエステルフィルムを得る。続いて、テンター内で先の延伸方向とは直角方向に、80〜130℃で一軸延伸ポリエステルフィルムを2〜6倍に延伸する。さらに、150〜250℃で1〜600秒間、ポリエステルフィルムの熱処理(熱固定)を行なう。
基材2に用いるポリエステルフィルムは、単層であってもよいし、多層構造であってもよい。多層構造のポリエステルフィルムである場合、各層の材料であるポリエステルは、それぞれ異なるものであってもよいし、一部がまたは全部が同じであってもよい。
基材2の厚みは、12〜188μmであることが好ましい。
(粘着層)
粘着層1は、保護フィルム10の貼り付けられる透明導電性基板と対向配置されるものである。粘着層1は、後述する方法により、粘着剤組成物を基材2の一方の面2a上に塗布して架橋させることにより得られたものである。
粘着層1の厚みは、特に制限されないが、3〜100μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。粘着層1の厚みが3μm以上であると、粘着層1の粘着力およびオリゴマーの転移を防止する機能が十分に得られる。また、粘着層1の厚みが100μm以下であると、粘着層1の粘着力が高くなりすぎて、保護フィルムを導電導電性基板の表面から剥離しにくくなることを防止できる。
(オリゴマー析出防止層)
オリゴマー析出防止層3は、基材2の他方の面2bに、基材2からオリゴマーが析出するのを防止するものであり、必要に応じて設けられるものである。
オリゴマー析出防止層3としては、従来公知のものを用いることができる。例えば、オリゴマー析出防止層3として、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂などが挙げられる。基材2の他方の面2bに、オリゴマー析出防止層3を設けることで、透明導電性基板上に保護フィルム10を積層してなる積層体を複数重ねた場合に、保護フィルム10のオリゴマー析出防止層3と接する積層体の表面に、基材2からオリゴマーが転移することを防止できる。
(剥離フィルム)
剥離シート4は、粘着層1の透明導電性基板と対向配置される側の面1a(図1では上面)を保護するものである。
剥離シート4としては、例えば、プラスチックフィルム、紙などを用いることができる。
剥離シート4として紙を用いる場合、例えば、グラシン紙、コート紙、キャストコート紙などの紙を用いてもよいし、これらの紙からなる基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙を用いてもよい。
剥離シート4としてプラスチックフィルムを用いる場合、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることが好ましい。
剥離シート4の表面には、粘着層1からの剥離シート4の剥離性をより高めるために、離型剤が塗布されていることが好ましい。離型剤としては、シリコーン、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。上記離型剤の中でも特に、オレフィン系樹脂であるポリプロピレン樹脂が好ましく用いられる。オレフィン系樹脂は、離型剤から粘着層1への成分移行が少なく、離型剤成分による透明導電性基板の汚染が生じにくいため、好ましい。
また、剥離シート4の表面には、必要に応じて、シリカ粉などを用いる離型および防汚処理がなされていてもよいし、帯電防止処理などがなされていてもよい。
剥離シート4の厚みは、0.01〜200μmであることが好ましく、5〜100μmであることが好ましい。剥離シート4の厚みが0.01μm以上であると、粘着層1の透明導電性基板と対向配置される側の面1aを保護する効果が高いものとなるとともに、剥離シート4が粘着層1の表面から剥離しやすいものとなる。
[保護フィルムの製造方法]
次に、本発明の保護フィルムの製造方法の一例として、図1に示す保護フィルム10の製造方法を例に挙げて説明する。図1に示す保護フィルム10を製造するには、基材2の一方の面2a上に、粘着剤組成物を塗布する塗布工程と、後述する未反応モノマーを除去する熱処理工程とを行うことにより粘着層1を形成する。
本実施形態において用いる粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、架橋剤とを含むものである。本明細書において、「(メタ)アクリル酸エステル共重合体」とは、アクリル酸エステル共重合体および/またはメタクリル酸エステル共重合体を意味する。
粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体と架橋剤の他に、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を含むものであってもよい。
粘着剤組成物に含まれる(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、粘着性を有する主モノマーと架橋性官能基を有するモノマーとを共重合したものである。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量Mwは、30万〜250万のものであることが好ましく、30万〜100万のものであることがより好ましい。重量平均分子量Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量Mwが30万〜250万の範囲であると、良好な粘着性能を有する粘着層1が得られる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、分子量が10万以下のポリマーが全体の5質量%以下であって、未反応モノマーが仕込みモノマーに対して0.5〜10質量%のものである。このような(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、以下に示すように、重量平均分子量Mwが1,000〜30,000程度のオリゴマーの含有量が少ないものとなる。
また、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は3.0以下であることが好ましく、2.0〜3.0の範囲であることがより好ましい。数平均分子量Mnは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。上記分子量分布が上記範囲であると、よりオリゴマーの含有量が少ない(メタ)アクリル酸エステル共重合体となる。
一般に、粘着剤組成物の樹脂成分である(メタ)アクリル酸エステル共重合体を製造する場合には、2段重合法が用いられている。2段重合法では、まず、共重合モノマーと重合開始剤とを溶媒の存在下で、仕込みモノマーが90質量%程度消費されるまで重合(一段目の重合)する。その後、残存する未反応のモノマーをできるだけ少なくするために、重合開始剤を追加して二段目の重合を行う。
本発明者の研究によると、2段重合法を用いて(メタ)アクリル酸エステル共重合体を製造した場合、二段目の重合において、一段目の重合において残存する未反応のモノマーが重合して、分子量1,000〜30,000程度のオリゴマーが多く生じる。これらのオリゴマーを含む(メタ)アクリル酸エステル共重合体が架橋することによって得られる粘着層は、これらのオリゴマーが架橋した部分の緻密さが劣り、ポリエステルからなる基材から移行してくるオリゴマーを透過しやすい。このため、ポリエステルからなる基材に含まれるオリゴマーを透過させにくい粘着層1を得るためには、(メタ)アクリル酸エステル共重合体中に含まれる分子量1,000〜30,000程度のオリゴマーが少ないことが好ましい。
本発明者は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造過程において、オリゴマーの生成量を少なくするべく研究を重ねた。その結果、一段目の重合において、未反応モノマーの残存量が仕込みモノマーに対して0.5〜10質量%になるように反応を停止させ、その後に二段目の重合を行わなければよいことを見出した。このようにして得られた(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、分子量が10万以下のポリマーが全体の5質量%以下のものとなり、オリゴマーの少ない(メタ)アクリル酸エステル共重合体となる。さらに、本発明者は、得られた(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が3.0以下である場合には、よりオリゴマーの含有量が少ないものとなることを見出した。
また、(メタ)アクリル酸エステル共重合体における未反応モノマーは、仕込みモノマーに対して0.5質量%以上である。このため、分子量が10万以下のポリマーを全体の5質量%以下に抑えることができる。(メタ)アクリル酸エステル共重合体における未反応モノマーは、仕込みモノマーに対して10質量%以下である。このため、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)を3.0以下に抑えることができる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、ガラス転移温度が−30℃以下のものである。このため、剥離性および濡れ性に優れた粘着層1が得られる。ガラス転移温度が−30℃を超えると、粘着層1の剥離性および濡れ性が不十分となる。(メタ)アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度は、粘着層1の剥離性および濡れ性をより一層向上させるために、−35℃以下のものであることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体に使用される粘着性を有する主モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等を例示でき、これらを1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
架橋性官能基を有するモノマーとしては、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基を有するモノマーが挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。水酸基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。エポキシ基を有するモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸エステル共重合体には、凝集力を高めるために、酢酸ビニル、スチレン等が含まれていてもよい。
重合開始剤としては、従来公知のものを用いることができ、特に限定されない。例えば、アゾ系や過酸化物系が挙げられる。アゾ系としては、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(AMBN)、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸などが挙げられる。これらの中でも、開始剤の分解ガスが残留しにくい点でAIBNが好ましい。
粘着剤組成物に含まれる架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。これらの架橋剤の中でも、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
粘着剤組成物中の(メタ)アクリル酸エステル共重合体に対する架橋剤の割合は、特に制限されないが、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部(固形分)に対して、架橋剤を固形分で0.1〜10質量部含むことが好ましい。
本実施形態においては、このような粘着剤組成物を、基材2の一方の面2a上に塗布する(塗布工程)。粘着剤組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアコート法、ロールコート法、ダイコート法、ブレードコート法など従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。
次に、未反応モノマーを除去する熱処理工程を行う。
熱処理工程における熱処理温度は、未反応モノマーを除去することができればよく、例えば、80〜150℃の範囲であることが好ましい。また、熱処理時間は、未反応モノマーを除去することができればよく、例えば、30秒〜10分間であることが好ましい。
本実施形態では、熱処理工程の後に、20℃程度の室温中で3〜7日間、粘着剤組成物を架橋させる架橋工程を行う。
以上の工程により、粘着層1が得られる。
また、本実施形態においては、基材2の他方の面2b上に、オリゴマー析出防止層3を形成する工程を含む。オリゴマー析出防止層3を形成する工程は、上述した粘着剤組成物の塗布工程の前に行ってもよいし、粘着剤組成物の塗布工程の後に行ってもよい。オリゴマー析出防止層3を形成する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
また、本実施形態においては、粘着層1の透明導電性基板と対向配置される側の面1a(図1では上面)に剥離シート4を積層する工程を含む。剥離シート4を積層する工程は、従来公知の方法により行うことができる。
以上の工程により、図1に示す保護フィルム10が得られる。
「積層体」
図2は、本発明の積層体の一例を説明するための断面模式図である。図2に示す積層体30は、透明導電性基板20の片面に、図1に示す保護フィルム10が配置されてなるものである。
図2に示す透明導電性基板20は、タッチパネル、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、太陽電池等の製品の材料として用いられるものである。
図2に示すように、透明導電性基板20は、基板5と、基板5の片面(図2においては下面)に設けられた導電層6とを有している。透明導電性基板20の導電層6と反対側の面には、図1に示す保護フィルム10が貼り付けられている。したがって、図2に示すように、透明導電性基板20の基板5と、保護フィルム10の粘着層1とが対向配置されて貼着されている。
本実施形態においては、基板5は、基体11の上下両面にそれぞれハードコート層12、13が設けられたものである。
基体11は、透明材料からなるものであり、フィルム又はガラスを用いることができる。
基体11として用いられるフィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン等を例示でき、これらを1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
ハードコート層12、13は、基板5の表面硬度を高くして、基板5の傷を防止するものである。ハードコート層12、13は、例えば、基体11の上下両面にそれぞれハードコート剤を塗布することにより得られる。ハードコート剤としては、紫外線(UV)および/または電子線硬化型塗料、シリコーン系ハードコート剤、フォスファゼン樹脂系ハードコート剤などを用いることができる。上記のハードコート剤の中でも、ハードコート層12、13の形成しやすさから、UV硬化型塗料を用いることが好ましい。UV硬化型塗料としては、ビニル重合型、ポリチオール・ポリエン型、エポキシ型、アミノ・アルキド型のものなどを用いることができる。
基板5の上面および/または下面には、アンチグレア層が設けられていてもよい。アンチグレア層は、透明導電性基板20のギラつき防止、反射防止などの機能を有する。アンチグレア層としては、例えば、屈折率差を利用するもの、表面に微細な凹凸形状を形成してなるものなどが挙げられる。
基板5の厚さは特に制限されないが、10〜1000μmであることが好ましく、20〜500μmであることがより好ましい。
導電層6としては、特に限定されないが、ITO(Indium Tin Oxide)、錫・アンチモン、亜鉛、錫の酸化物等の金属酸化物の薄膜や、金、銀、パラジウム、アルミニウム等の金属の極薄膜からなるものであることが好ましい。
導電層6は、例えば、基板5上にスパッタする方法などにより形成できる。
導電層6の厚さは特に制限されないが、5nm以上であることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましい。
本実施形態の積層体30の保護フィルム10は、透明導電性基板20の導電層6を結晶化するための熱処理を行う前に、透明導電性基板20の基板5に貼り付けられたものである。導電層6は、基板5に保護フィルム10を貼り付ける前に形成してもよいし、基板5に保護フィルム10を貼り付けた後に形成してもよい。
透明導電性基板20の基板5に、保護フィルム10を貼り付ける方法としては、以下に示す方法が挙げられる。
まず、保護フィルム10の透明導電性基板20と対向配置される側の面に設けられている剥離シート4(図1参照)を剥離する。次いで、透明導電性基板20の基板5と、保護フィルム10の粘着層1とを対向配置させて、透明導電性基板20と保護フィルム10とを貼り合せ、積層体30とする。その後、必要に応じて積層体30を加熱および/または加圧する。
本実施形態においては、積層体30の状態で、透明導電性基板20の導電層6を結晶化するための熱処理を行う。この熱処理における熱処理温度および熱処理時間は、導電層6や基板5の材料や厚みに応じて決定できる。例えば、熱処理温度は、120℃〜150℃であることが好ましく、140℃〜150℃であることがより好ましい。熱処理時間は、20分〜90分であることが好ましく、30分〜60分であることがより好ましい。
本実施形態においては、導電層6を結晶化するための熱処理の後、透明導電性基板20から保護フィルム10を剥離する。
本実施形態の保護フィルム10の製造方法では、ポリエステルフィルムからなる基材2の一方の面2a上に、分子量が10万以下のポリマーが全体の5質量%以下で、未反応モノマーが仕込みモノマーに対して0.5〜10質量%であり、ガラス転移温度が−30℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体と架橋剤とを含む粘着剤組成物を塗布(塗布工程)している。そして、次の工程において、未反応モノマーを除去する熱処理工程を行っている。さらに、室温で養生することにより架橋させる。このため、オリゴマーの転移を防止する機能を有する粘着層1の設けられた保護フィルム10が得られる。
本実施形態の保護フィルム10の粘着層1が、−30℃以下の低いガラス転移温度の樹脂成分からなるものであっても、オリゴマーの転移を防止する機能が得られる理由は、以下に示すとおりである。
本実施形態の製造方法では、熱処理工程において未反応モノマーを除去しているので、オリゴマーを透過させやすい未反応モノマーの架橋された部分が粘着層1中に形成されない。このため、−30℃以下の低いガラス転移温度の樹脂成分からなるものであっても、粘着層1全体がオリゴマーを透過させにくいものになると推定される。
これに対し、例えば、熱処理工程を行わずに未反応モノマーが残存する条件で、上記の粘着剤組成物を架橋させると、分子量が10万超えのポリマーが架橋してなる緻密でオリゴマーを透過させにくい部分と、未反応モノマーが架橋されてなるオリゴマーを透過させやすい部分とが、粘着層中に形成されてしまう。
本実施形態の製造方法を用いて製造した保護フィルム10は、保護フィルム10の貼り付けられた透明導電性基板20(積層体30)に熱処理を行っても、粘着層1によって基材2から透明導電性基板20へのオリゴマーの転移が防止されるものとなる。しかも、本実施形態の製造方法を用いて製造した保護フィルム10は、剥離性および濡れ性に優れたものとなる。
また、本実施形態の保護フィルム10の製造方法によれば、基材2と透明導電性基板20との間にオリゴマーの析出を防止するための部材を形成することなく、オリゴマーの析出を防止できる保護フィルム10を製造できる。
本実施形態の積層体30は、本実施形態の製造方法を用いて製造した保護フィルム10が、透明導電性基板20上に積層されているものであるので、透明導電性基板20の熱処理を行っても、保護フィルム10の基材2から透明導電性基板20にオリゴマーの転移が生じにくく、オリゴマーの転移に起因する透明導電性基板20の透明性の低下を防止できる。また、本実施形態の積層体30は、濡れ性に優れた保護フィルム10を用いているので、積層体30の形成時にエアガミが生じることを防止でき、保護フィルム10の剥離後にエアガミに起因する貼り跡が形成されにくく、高品質の透明導電性基板20が得られる。しかも、本実施形態の積層体30は、剥離性に優れた保護フィルム10を用いているので、保護フィルム10の剥離時にジッピングが生じにくく、高い歩留まりで効率よく剥離作業を行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の保護フィルムの製造方法では、オリゴマー析出防止層を設けなくてもよい。また、本発明の保護フィルムと透明導電性基板とを貼り合せて積層体とする貼り合せ工程は、透明導電性基板を用いて製品を製造する際のどの段階で行ってもよい。また、積層体から保護フィルムを剥離する剥離工程は、貼り合わせ工程後、どの段階で行ってもよい。
「(メタ)アクリル酸エステル共重合体」
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管及び温度計を備えた反応装置を用いて、表1に示す仕込みモノマーと重合開始剤とを表1に示す割合で使用し、溶媒としてトルエンを加えて、窒素ガス雰囲気下で溶液重合させて、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得た。
このようにして得られた実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の(メタ)アクリル酸エステル共重合体について、固形分、重量平均分子量Mw、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)、分子量が10万以下のポリマーの全体に対する割合「10万以下ポリマー」(質量%)、未反応モノマーの仕込みモノマーに対する割合「未反応モノマー」(質量%)、ガラス転移温度Tg(℃)を、以下に示す方法により調べた。その結果を表1に示す。
[分子量]
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値を用いて、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の(メタ)アクリル酸エステル共重合体の、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、並びに分子量10万以下の成分の含有量を、下記の方法により求めた。
GPC装置:HLC−8020(東ソー社製)
カラム:TSKgel guardcolumn HXL−H(東ソー社製)
TSKgel GMHXL(東ソー社製)
TSKgel GMHXL(東ソー社製)
TSKgel G2000HXL(東ソー社製)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1ml/分
分子量標準物質:ポリスチレン
検出器:示差屈折率検出器
その後、上記の方法によって求めた結果を用いて、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)と、分子量が10万以下のポリマーの全体に対する割合「10万以下ポリマー」(質量%)とを算出した。
[未反応モノマーの仕込みモノマーに対する割合]
ガスクロマトグラフ法を用いて(メタ)アクリル酸エステル共重合体中に残存する未反応モノマーの質量を定量して算出した。
[Tg(ガラス転移温度)]
(メタ)アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度を、DSC(示差走査熱量計)を用いて測定した。
Figure 2015193702
「粘着剤組成物」
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の(メタ)アクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、それぞれキシリレンジイソシアネート系(XDI系)架橋剤[三井化学(株)製、商品名「タケネート D−110N」(固形分75質量%)]5.0質量部、溶媒としてトルエン30.0質量部、酢酸エチル1.0質量部を配合し、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の粘着剤組成物を調製した。
「保護フィルム」
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の粘着剤組成物を、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東レ(株)製、商品名「ルミラー T60」]の片面に、乾燥後の塗布量が10g/mになるように塗布する塗布工程と、粘着剤組成物中の未反応モノマーを除去する120℃で1分間の熱処理工程とを行った。そして、120℃で1分間の熱処理の後、粘着剤組成物の上にシリコーン系離型剤層を有する剥離シート[王子製紙社製、商品名「40RL−01Z」]をラミネートし、20℃程度の室温中で5日間、粘着剤組成物を架橋させ、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の保護フィルムを得た。
その後、得られた実施例1、実施例2、比較例1、比較例2の保護フィルムについて、以下に示す方法により、濡れ性と剥離性とオリゴマー汚染性とを評価した。
[濡れ性]
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからなる基体11の上下両面に、それぞれジペンタエリスリトールヘキサアクリレートからなるハードコート層12、13を設けた基板5を用意した。その後、基板5の片面にITOからなる導電層6を形成し、図2に示す透明導電性基板20とした。次いで、透明導電性基板20の導電層6と反対側の面に、保護フィルムを貼付した。そして、目視にて保護フィルムが濡れ拡がりやすくエアガミが生じにくい場合を○、濡れ拡がりにくい場合を×と評価した。
[剥離性]
濡れ性の評価に用いた透明導電性基板20の導電層6と反対側の面に、保護フィルムを貼付し、150℃で3時間加熱した。その後、透明導電性基板20から速度10m/minで保護フィルムを剥離し、ジッピングがない場合を○、ジッピングがある場合を×と評価した。
[オリゴマー汚染性]
剥離性の評価において保護フィルムを剥離した後、透明導電性基板20の導電層6と反対側の面を、デジタル顕微鏡を用いて倍率450倍で観察した。その結果、透明導電性基板20の導電層6と反対側の面にオリゴマーの転移が確認されない場合を○、確認される場合を×と評価した。
表1に示すように、実施例1および実施例2の保護フィルムは、濡れ性、剥離性、オリゴマー汚染性の全ての評価が○であった。
一方、比較例1の保護フィルムは、(メタ)アクリル酸エステル共重合体中の未反応モノマーが少なく、分子量が10万以下のポリマーが多いため、(メタ)アクリル酸エステル共重合体中に生成したオリゴマーが多いものと推定される。その結果、保護フィルムの粘着層による基材から透明導電性基板へのオリゴマーの転移防止機能が不足して、保護フィルムのオリゴマー汚染性の評価が×になったと推定される。
また、比較例2の保護フィルムは、(メタ)アクリル酸エステル共重合体中の未反応モノマーが少なく、分子量が10万以下のポリマーが多いものであるが、ガラス転移温度が高いため、保護フィルムのオリゴマー汚染性の評価が○になった。しかし、比較例2の保護フィルムは、ガラス転移温度が高いため、濡れ性および剥離性の評価が×であった。
1:粘着層、2:基材、3:オリゴマー析出防止層、4:剥離シート、5:基板、6:導電層、10:保護フィルム(透明導電性基板用表面保護フィルム)、20:透明導電性基板、30:積層体。

Claims (6)

  1. ポリエステルフィルムからなる基材の一方の面上に、分子量が10万以下のポリマーが全体の5質量%以下で、未反応モノマーが仕込みモノマーに対して0.5〜10質量%であり、ガラス転移温度が−30℃以下である(メタ)アクリル酸エステル共重合体と架橋剤とを含む粘着剤組成物を塗布する塗布工程と、
    前記未反応モノマーを除去する熱処理工程とを含むことを特徴とする透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
  2. 前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が3.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
  3. 前記熱処理工程は、80〜150℃で30秒〜10分間行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
  4. 前記基材の他方の面上に、オリゴマーの析出を防止するオリゴマー析出防止層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムの製造方法を用いて製造したことを特徴とする透明導電性基板用表面保護フィルム。
  6. 透明導電性基板上に、請求項5に記載の透明導電性基板用表面保護フィルムが積層されていることを特徴とする積層体。
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