JP2015193099A - 保護フィルム、保護フィルムの使用方法および保護フィルム付透明導電性基板 - Google Patents

保護フィルム、保護フィルムの使用方法および保護フィルム付透明導電性基板 Download PDF

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Abstract

【課題】保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板に熱処理を行っても、保護フィルムの基材から透明導電性基板にオリゴマーの転移が生じにくく、しかも高い帯電防止性能を有する保護フィルム、およびその使用方法を提供する。
【解決手段】基板5の片面に導電層6が設けられている透明導電性基板20の片面または両面に配置される保護フィルム10であって、透明導電性基板20と対向配置される粘着層1と、ポリエステルフィルムからなる基材2と、粘着層1と基材2との間に配置される帯電防止層3とを有する保護フィルム10とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、保護フィルム、保護フィルムの使用方法および保護フィルム付透明導電性基板に関する。詳しくは、本発明は、透明導電性基板の表面を保護する保護フィルム、その使用方法および保護フィルム付透明導電性基板に関する。
従来、透明導電性基板は、タッチパネル、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、太陽電池等の製品の材料として広く用いられている。透明導電性基板としては、基板の片面に導電層が設けられているものが一般に使用されている。透明導電性基板の基板としては、ポリエステル等のフィルム又はガラスが用いられている。また、導電層には、通常ITO(Indium Tin Oxide)が用いられている。
透明導電性基板を製造する際には、透明導電性基板の導電層を結晶化する工程や、基板の歪を矯正する工程、透明導電性基板の導電層をパターニングする工程、透明導電性基板上に電極を形成する工程などが行われる。これらの工程において、透明導電性基板の表面には、異物や汚れが付着する恐れがある。透明導電性基板の表面に異物や汚れが付着すると、製品の品質に悪影響を来す場合がある。
このため、従来、透明導電性基板の表面に保護フィルムを貼り付けて、透明導電性基板の表面への異物や汚れの付着を防止している。
また、透明導電性基板の基板がポリエステル等のフィルムである場合には、基板に剛性を付与する支持体としても、保護フィルムが貼り付けられることがある。
透明導電性基板の表面に貼り付ける保護フィルムとしては、基材フィルムの片面側に粘着剤層が設けられ、他面側に帯電防止層が設けられているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の保護フィルムでは、帯電防止層を設けることにより、加熱環境下において、保護フィルムの基材フィルム中に存在するオリゴマーが、基材フィルムの粘着剤層と反対側の面に析出することを抑制している。そして、析出したオリゴマーによる保護フィルムの白濁化を防止している。
特許第4137551号公報
保護フィルムは、透明導電性基板の表面を保護する必要がなくなった段階で、透明導電性基板の表面から剥離される。しかしながら、特許文献1に記載の保護フィルムが貼り付けられた透明導電性基板に対して、導電層を結晶化する工程や歪を矯正する工程において熱処理を行った場合、保護フィルムの基材フィルム中に存在するオリゴマーが、保護フィルムの粘着剤層を通過して透明導電性基板の表面に転移して、透明導電性基板の表面が汚染される場合があった。
また、保護フィルムを剥離する際には、静電気が発生する。剥離時の透明導電性基板上には、パターニングされた配線を有する回路等が形成されている場合がある。したがって、保護フィルムの剥離に伴う静電気によって、透明導電性基板上の回路などが破壊されないように、保護フィルムには、高い帯電防止性能が要求されている。
また、特許文献1に記載の保護フィルムは、粘着剤層と基材フィルムと帯電防止層とがこの順序で積層されているものである。すなわち、保護フィルムの帯電防止層と透明導電性基板との間に、導電性の低い材料である基材フィルムが配置されている。このため、特許文献1に記載の保護フィルムでは、保護フィルムを剥離する際に高い帯電防止性能が得られにくかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板に熱処理を行っても、保護フィルムの基材から粘着剤層を通過して透明導電性基板にオリゴマーの転移が生じにくく、しかも保護フィルムを剥離する際に高い帯電防止性能を有する保護フィルム、その使用方法および保護フィルム付透明導電性基板を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、鋭意検討した。その結果、粘着層と基材との間に帯電防止層を配置してなる保護フィルムとすることで、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板に熱処理を行っても、保護フィルムの基材から粘着剤層を通過して透明導電性基板にオリゴマーの転移が生じにくく、しかも高い帯電防止性能を有するものとなることを見出し、本発明を想到した。
本発明は以下の構成を採用する。
(1) 基板の片面に導電層が設けられている透明導電性基板の片面または両面に配置される保護フィルムであって、前記透明導電性基板と対向配置される粘着層と、ポリエステルフィルムからなる基材と、前記粘着層と前記基材との間に配置される帯電防止層とを有することを特徴とする保護フィルム。
(2) 前記透明導電性基板の前記導電層と反対側の面に、配置されることを特徴とする(1)に記載の保護フィルム。
(3) (1)または(2)に記載の保護フィルムの使用方法であって、前記透明導電性基板の片面または両面に、前記粘着層を対向配置させて前記透明導電性基板と前記保護フィルムとを貼り合せて積層体とする貼り合せ工程と、前記積層体を熱処理する熱処理工程と、前記積層体から前記保護フィルムを剥離する剥離工程とを備えることを特徴とする保護フィルムの使用方法。
(4) 前記貼り合せ工程が、前記透明導電性基板の前記導電層と反対側の面に前記粘着層を対向配置させて、前記透明導電性基板と前記保護フィルムとを貼り合せて積層体とする工程であることを特徴とする(3)に記載の保護フィルムの使用方法。
(5) 前記熱処理工程における熱処理温度が120℃〜150℃であることを特徴とする(3)または(4)に記載の保護フィルムの使用方法。
(6) 前記熱処理工程は、前記透明導電性基板の導電層を結晶化する工程と、前記基板の歪を矯正する工程と、前記透明導電性基板上に印刷した電極材料を焼成する工程とから選ばれるいずれか一以上の工程であることを特徴とする(3)〜(5)のいずれかに記載の保護フィルムの使用方法。
(7) 基板の片面に導電層が設けられている透明導電性基板の片面または両面に、(1)または(2)に記載の保護フィルムが配置されてなることを特徴とする保護フィルム付透明導電性基板。
本発明の保護フィルムは、透明導電性基板と対向配置される粘着層と、ポリエステルフィルムからなる基材と、前記粘着層と前記基材との間に配置される帯電防止層とを有する。このため、本発明の保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板を熱処理した場合には、帯電防止層によって、基材のポリエステルフィルム中に存在するオリゴマーが、粘着層を通過して透明導電性基板の表面へ転移することが防止される。したがって、本発明によれば、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板を熱処理することによる透明導電性基板の表面の汚染を防止できる。
また、本発明の保護フィルムは、基材と透明導電性基板との間に、帯電防止層が配置されているものである。このため、本発明の保護フィルムは、帯電防止層と透明導電性基板との間に導電性の低い基材が配置されている場合と比較して、透明導電性基板側の面において高い帯電防止性能が得られる。したがって、保護フィルムを透明導電性基板の表面から剥離する際に、透明導電性基板上に形成されている回路などが破壊されることを防止できる。また、保護フィルムが帯電することによって引き寄せられた異物が、透明導電性基板に付着することを防止できる。
また、本発明の保護フィルムの使用方法では、保護フィルムによって透明導電性基板の表面への異物や汚れの付着を防止でき、また、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板を熱処理することによる透明導電性基板の表面の汚染を防止でき、しかも、保護フィルムを透明導電性基板の表面から剥離する際に透明導電性基板上に形成されている回路などが破壊されることを防止できる。
図1は、本発明の保護フィルムの一例を説明するための断面模式図である。 図2は、本発明の保護フィルム付透明導電性基板の一例を説明するための断面模式図である。 図3は、本発明の保護フィルム付透明導電性基板の他の例を説明するための断面模式図である。 図4は、本発明の保護フィルムの使用方法の一例を説明するための工程図である。
以下、本発明の保護フィルム、およびその使用方法について詳細に説明する。なお、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であり、本発明はそれらに限定されるものではない。本発明は、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施できる。
[保護フィルム]
図1は、本発明の保護フィルムの一例を説明するための断面模式図である。図1に示す保護フィルム10は、透明導電性基板の片面または両面に配置されるものである。保護フィルム10は、粘着層1と、基材2と、粘着層1と基材2との間に配置される帯電防止層3とを有している。また、図1に示すように、保護フィルム10の粘着層1側の面には、粘着層1の透明導電性基板と対向配置される側の面1a(図1では上面)を保護する剥離シート4が設けられている。
(基材)
基材2は、ポリエステルフィルムからなるものである。
基材2に用いるポリエステルとしては、ジカルボン酸またはそのエステルと、グリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルが挙げられる。
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などが挙げられる。
また、グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
ジカルボン酸またはそのエステルと、グリコールとを重縮合させる方法としては、従来公知の方法を任意に使用して製造でき、具体的には例えば、以下の方法を用いることができる。まず、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間で、エステル交換反応をさせる方法により、芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステルまたはその低重合体を生成する。また、芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステルまたはその低重合体は、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させる方法により生成してもよい。その後、芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステルまたはその低重合体を、減圧下で加熱して重縮合させる。
基材2に用いるポリエステルとしては、オリゴマー含有量の少ないものを用いることが好ましい。ここでのオリゴマーとは、基材2を加熱することにより、基材2の材料であるポリエステルから分離析出する、ポリエステル由来の複数種類の低分子化合物である。オリゴマー含有量の少ないポリエステルは、例えば、ポリエステルのチップを、減圧下あるいは不活性ガスの流通下で、180℃〜240℃の温度に1時間〜20時間保つ固相重合を行うことによって得られる。
基材2に用いるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートを用いることが好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
基材2として用いるポリエステルフィルムは、必要に応じてポリエステルの他に添加剤を含有していてもよい。例えば、基材2として用いるポリエステルフィルムは、基材2として使用されるポリエステルフィルムを製造する際の走行性を向上する等の目的で、粒子を含有していてもよい。粒子としては、炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム等の無機粒子や、アクリル樹脂、グアナミン樹脂等の有機粒子、触媒残差を粒子化させた析出粒子などが挙げられる。また、基材2に用いるポリエステルフィルムは、これら粒子の他に、各種安定剤、潤滑剤、帯電防止剤等を含むものであってもよい。
基材2に用いるポリエステルフィルムの形成方法としては、従来知られている公知の製膜法を用いることができ、特に制限はない。例えば、基材2に用いるポリエステルフィルムは、以下に示す方法で形成できる。まず、ポリエステルのチップを溶解し、ロール延伸法により、60〜120℃で2〜6倍に延伸して、一軸延伸ポリエステルフィルムを得る。続いて、テンター内で先の延伸方向とは直角方向に、80〜130℃で一軸延伸ポリエステルフィルムを2〜6倍に延伸する。さらに、150〜250℃で1〜600秒間、ポリエステルフィルムの熱処理(熱固定)を行なう。
基材2に用いるポリエステルフィルムは、単層であってもよいし、多層構造であってもよい。多層構造のポリエステルフィルムである場合、各層の材料であるポリエステルは、それぞれ異なるものであってもよいし、一部がまたは全部が同じであってもよい。
基材2の厚みは、12〜188μmであることが好ましい。
(帯電防止層)
帯電防止層3は、粘着層1と基材2との間に配置されている。帯電防止層3は、基材2上に、公知の技術を用いて帯電防止剤を含む塗布液を塗布し、乾燥する方法によって得られる。なお、帯電防止剤を含む塗布液は、基材2となる製造途中のポリエステルフィルム上に塗布してもよい。
帯電防止層3に用いる帯電防止剤としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホネートなどの導電性ポリマー、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性微粒子、アニオン性やカチオン性の化合物などを用いることができる。また、帯電防止剤としては、良好な帯電防止性能を得るために、分子中の主鎖や側鎖に4級アンモニウム塩基を有する化合物を用いてもよい。
4級アンモニウム塩基を有する化合物としては、具体的には、ピロリジウム環、アルキルアミンの4級化物、さらにこれらをアクリル酸やメタクリル酸と共重合したもの、N−アルキルアミノアクリルアミドの4級化物、ビニルベンジルトリメチルアンモニウム塩、2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
帯電防止剤として用いる4級アンモニウム塩基を有する化合物は、高分子化合物であることが望ましい。4級アンモニウム塩基を有する化合物の数平均分子量は、1000以上であることが好ましく、2000以上であることがより好ましく、特に5000以上であることが望ましい。また、4級アンモニウム塩基を有する化合物の分子量が高いために、帯電防止剤を含む塗布液の粘度が高くなりすぎることを防止するため、数平均分子量は500000以下であることが好ましい。
帯電防止剤を含む塗布液中には、帯電防止層3のブロッキング性を向上させるために、帯電防止剤の他に、ポリオレフィン系樹脂および/またはフッ素系樹脂を含有させてもよい。
さらに、帯電防止剤を含む塗布液中には、塗布液の塗布性の向上を図るために、帯電防止剤と、ポリオレフィン系樹脂および/またはフッ素系樹脂の他に、バインダー樹脂を1種もしくは2種以上を含有させてもよい。
バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、共重合等により骨格構造が複合構造を有しているものであってもよい。複合構造を有するバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂グラフトポリエステル、アクリル樹脂グラフトポリウレタン、ビニル樹脂グラフトポリエステル、ビニル樹脂グラフトポリウレタン等が挙げられる。
帯電防止層3は、架橋反応性化合物を含むものであってもよい。架橋反応性化合物は、帯電防止剤を含む塗布液中に架橋剤を含有させて、塗布液中に含まれる化合物の官能基と架橋反応させることで得られる。塗布液中に架橋剤を含有させることで、帯電防止層3のブロッキング性、耐水性、耐溶剤性、機械的強度が改良される。
架橋剤としては、メラミン系架橋剤やエポキシ系架橋剤が挙げられる。メラミン系架橋剤としては、アルキロールまたはアルコキシアルキロール化したメラミン系化合物であるメトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン等を例示でき、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものを使用してもよい。エポキシ系架橋剤としては、水溶性あるいは水溶化率50%以上のエポキシ基を持つ化合物を用いることが好ましい。
帯電防止層3は、必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、有機粒子、無機粒子、等の添加剤の少なくとも1種を含有していてもよい。
保護フィルム10は、粘着層1と基材2との間に帯電防止層3を有することにより、優れた帯電防止性能が得られるものである。
具体的には、保護フィルム10の粘着層1側の表面抵抗率は、1×1013Ω以下であることが好ましく、1×1012Ω以下であることがより好ましい。粘着層1側の表面固有抵抗が1×1013Ω以下である場合、保護フィルム10の剥離に伴う静電気によって、透明導電性基板上の回路などが破壊されることを効果的に防止できる。また、保護フィルム10が帯電することにより、異物が引き寄せられて、透明導電性基板に異物が付着することを防止できる。
帯電防止層3の厚さは乾燥厚さで、0.003〜1.5μmであることが好ましく、0.005〜0.5μmであることがより好ましい。帯電防止層3の厚さが0.003μm以上であると、十分な帯電防止性能が得られる。また、帯電防止層3の厚さを1.5μm以下にすると、ブロッキングを防止できる。
(粘着層)
粘着層1は、保護フィルム10の貼り付けられる透明導電性基板と対向配置されるものである。粘着層1は、基材2上に帯電防止層3を形成した後、帯電防止層3の基材2と反対側の面に形成することにより得られる。粘着層1の形成方法は、特に制限されるものではない。例えば、粘着層1の形成方法として、シリコーン処理したポリエステルフィルム上に、粘着剤を含む組成物を塗布して乾燥することにより粘着皮膜を形成し、その後、得られた粘着皮膜を帯電防止層3上に転写する方法(転写法)を用いることができる。また、粘着層1の形成方法として、帯電防止層3上に直接、粘着剤を含む組成物を塗布して乾燥する方法(直写法)を用いてもよい。
粘着剤を含む組成物に含まれる粘着剤としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤など通常使用されている粘着剤を、特に制限なく使用できる。上記の粘着層1の中でも、熱処理後に粘着力が高くならないものが好ましい。組成により容易に粘着力を制御できるアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
アクリル系粘着剤は、架橋性官能基を有するアクリル酸エステル共重合体を架橋剤で架橋させたものである。
架橋性官能基を有するアクリル酸エステル共重合体は、粘着性を有する主モノマーと架橋性官能基を有するモノマーを共重合したものである。
凝集力を向上させるために、さらに、酢酸ビニル、スチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリルなどを共重合してもよい。
粘着性を有する主モノマーとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ブチルなどが挙げられる。
架橋性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミド基などが挙げられる。
水酸基を含有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などが挙げられる。
エポキシ基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが、アミド基を含有するモノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミドなどが挙げられる。
アクリル酸エステル共重合体中の架橋性官能基を有するモノマーの割合は、特に制限されないが、上記の粘着性を有する主モノマー100質量部に対して、架橋性官能基を有するモノマーが0.1〜12質量部の割合であることが好ましく、0.5〜10質量部の割合であることがさらに好ましい。
アクリル酸エステル共重合体は、架橋性官能基を有するモノマーの官能基と架橋反応する架橋剤を含むことが好ましい。
架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、イミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。また、架橋剤としては、ポリアミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等を用いてもよい。これらの架橋剤の中でも、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
アクリル酸エステル共重合体に対する架橋剤の割合は、特に制限されないが、アクリル酸エステル共重合体100質量部(固形分)に対して、架橋剤を固形分で0.01〜10質量部含むことが好ましく、3質量部以上含むことがより好ましい。
また、粘着層1を形成する際に使用する粘着剤を含む組成物には、必要に応じて粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等が含まれていてもよい。
粘着層1の厚みは、特に制限されないが、3〜100μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。粘着層1の厚みが3μm以上であると、粘着層1の粘着力が十分に得られる。また、粘着層1の厚みが100μm以下であると、粘着層1の粘着力が高くなりすぎて、保護フィルムを透明導電性基板の表面から剥離しにくくなることを防止できる。
(剥離フィルム)
剥離シート4は、粘着層1の透明導電性基板と対向配置される側の面1a(図1では上面)を保護するものである。
剥離シート4としては、例えば、プラスチックフィルム、紙、布、不織布、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などを用いることができる。これらの中でも、剥離シート4として、表面平滑性に優れるプラスチックフィルムを用いることが好ましい。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることが好ましい。
剥離シート4の表面には、粘着層1からの剥離シート4の剥離性をより高めるために、離型剤が塗布されていることが好ましい。離型剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系のものを用いることが好ましい。
また、剥離シート4の表面には、必要に応じて、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、帯電防止処理などがなされていてもよい。
剥離シート4の厚みは、5〜200μmであることが好ましく、5〜100μmであることが好ましい。
「保護フィルム付透明導電性基板」
図2は、本発明の保護フィルム付透明導電性基板の一例を説明するための断面模式図である。図2に示す保護フィルム付透明導電性基板A1は、透明導電性基板20の片面に、図1に示す保護フィルム10が配置されてなるものである。
図2に示す透明導電性基板20は、タッチパネル、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、太陽電池等の製品の材料として用いられるものである。
図2に示すように、透明導電性基板20は、基板5と、基板5の片面(図2においては上面)に設けられた導電層6とを有している。透明導電性基板20の導電層6と反対側の面には、図1に示す保護フィルム10が貼り付けられている。したがって、図2に示すように、透明導電性基板20の基板5と、保護フィルム10の粘着層1とが対向配置されて貼着されている。
透明導電性基板20の基板5としては、フィルム又はガラスを用いることができる。透明導電性基板20を、タッチパネル、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、太陽電池等の製品の材料として用いる場合には、基板5として透明材料を用いることが好ましい。
基板5として用いられるフィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン等を例示でき、これらを1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
基板5は、導電層6と反対側の面に、ハードコート層および/またはアンチグレア層が設けられているものであってもよい。
ハードコート層は、基板5の導電層6と反対側の面に、ハードコート剤を塗布することにより得られる。ハードコート剤としては、紫外線(UV)および電子線硬化型塗料、シリコーン系ハードコート剤、フォスファゼン樹脂系ハードコート剤などを用いることができる。上記のハードコート剤の中でも、材料コストや、ハードコート層を形成する工程上の平易さ、組成の自由度などの点から、UV硬化型塗料を用いることが好ましい。UV硬化型塗料としては、ビニル重合型、ポリチオール・ポリエン型、エポキシ型、アミノ・アルキド型のものなどを用いることができる。
アンチグレア層は、ギラつき防止、反射防止などの機能を有する。アンチグレア層としては、例えば、屈折率差を利用するものや、表面に微細な凹凸形状を形成してなるものなどが挙げられる。
基板5の厚さは特に制限されないが、10〜1000μmであることが好ましく、20〜500μmであることがより好ましい。
導電層6としては、特に限定されないが、ITO(Indium Tin Oxide)、錫・アンチモン、亜鉛、錫の酸化物等の金属酸化物の薄膜や、金、銀、パラジウム、アルミニウム等の金属の極薄膜からなるものであることが好ましい。
導電層6は、例えば、基板5上にスパッタする方法などにより形成できる。なお、導電層6は、基板5に保護フィルム10を貼り付ける前に形成してもよいし、基板5に保護フィルム10を貼り付けた後に形成してもよい。
導電層6の厚さは特に制限されないが、5nm以上であることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましい。
透明導電性基板20の基板5に、保護フィルム10を貼り付ける方法としては、以下に示す方法が挙げられる。まず、保護フィルム10の透明導電性基板20と対向配置される側の面1aに設けられている剥離シート4(図1参照)を剥離する。次いで、透明導電性基板20の基板5と、保護フィルム10の粘着層1とを対向配置させて、透明導電性基板20と保護フィルム10とを貼り合せ、保護フィルム付透明導電性基板A1(積層体)とする。その後、必要に応じて保護フィルム付透明導電性基板A1を加熱および/または加圧する。
(他の例)
図3は、本発明の保護フィルム付透明導電性基板の他の例を説明するための断面模式図である。図2に示す保護フィルム付透明導電性基板A2は、透明導電性基板20の両面に、図1に示す保護フィルム10が配置されてなるものである。
透明導電性基板20の両面に保護フィルム10を貼り付ける方法としては、以下に示す方法が挙げられる。まず、保護フィルム10の透明導電性基板20と対向配置される側の面1aに設けられている剥離シート4(図1参照)を剥離する。次いで、透明導電性基板20の基板5と、保護フィルム10の粘着層1とを対向配置させるとともに、透明導電性基板20の導電層6と、保護フィルム10の粘着層1とを対向配置させて、透明導電性基板20と保護フィルム10とを貼り合せ、保護フィルム付透明導電性基板A2(積層体)とする。この保護フィルム付透明導電性基板A2は、図3に示すように、基材2を外側に向けた保護フィルム10の間に、透明導電性基板20が挟まれた状態となっている。その後、必要に応じて保護フィルム付透明導電性基板A2を加熱および/または加圧する。
図1に示す保護フィルム10は、透明導電性基板20と対向配置される粘着層1と、ポリエステルフィルムからなる基材2と、粘着層1と基材2との間に配置される帯電防止層3とを有している。このため、例えば、図2または図3に示す保護フィルム10の貼り付けられた透明導電性基板20を熱処理した場合には、帯電防止層3によって、基材2のポリエステルフィルム中に存在するオリゴマーが、粘着層1を通過して透明導電性基板20の表面へ転移することが防止される。したがって、保護フィルム10の貼り付けられた透明導電性基板20を熱処理することによる透明導電性基板20の表面の汚染を防止できる。
また、図1に示す保護フィルム10は、基材2と透明導電性基板20との間に、帯電防止層3が配置されるものである。このため、帯電防止層3と透明導電性基板20との間に、導電性の低い基材が配置されている場合と比較して、透明導電性基板20側の面において高い帯電防止性能が得られる。
したがって、保護フィルム10を透明導電性基板20の表面から剥離する際に、透明導電性基板20上に形成されている回路などが破壊されることを防止できる。また、保護フィルム10が帯電することによって引き寄せられた異物が、透明導電性基板20に付着することを防止できる。
[保護フィルムの使用方法]
次に、図2および図3に示す透明導電性基板20を用いて、透明導電性基板20上に、パターニングされた配線および電極を有する製品を製造する場合を例に挙げて、保護フィルム10の使用方法を説明する。
図4は、本発明の保護フィルムの使用方法の一例を説明するための工程図である。まず、透明導電性基板20の両面に、粘着層1を対向配置させて、透明導電性基板20と保護フィルム10とを貼り合せ、図3および図4(a)に示す保護フィルム付透明導電性基板A2とする(貼り合せ工程)。
次に、図4(a)に示す保護フィルム付透明導電性基板A2に対して熱処理を行う(熱処理工程)。ここでの熱処理は、透明導電性基板20の導電層6を結晶化するとともに、基板5の歪を矯正するために行う。熱処理温度および熱処理時間は、導電層6や基板5の材料や厚みに応じて決定できる。例えば、熱処理温度は、120℃〜150℃であることが好ましく、140℃〜150℃であることがより好ましい。熱処理時間は、20分〜90分であることが好ましく、30分〜60分であることがより好ましい。
次に、保護フィルム付透明導電性基板A2において、透明導電性基板20の導電層6側に配置されている保護フィルム10を剥離する(剥離工程)。
その後、図4(b)に示すように、透明導電性基板20の導電層6上に、紫外線硬化樹脂層8を設ける。続いて、紫外線硬化樹脂層8を露光・現像して、所定の形状を有するマスク8aとする。次いで、図4(c)に示すように、ウエットエッチングなどにより、マスク8aの設けられていない部分の導電層6を除去する。このことにより、パターニングされた配線6aが形成される。
次に、図4(d)に示すように、配線6aの形成された基板5上に、電極材料である銀ペーストをスクリーン印刷する。その後、印刷した電極材料を焼成する熱処理を行う。このことにより、電極9が形成される(熱処理工程)。ここでの熱処理温度および熱処理時間は、電極9の材料や厚みに応じて決定できる。熱処理温度は、120℃〜150℃であることが好ましく、120℃〜140℃であることがより好ましい。熱処理時間は、20分〜90分であることが好ましく、30分〜60分であることがより好ましい。
次に、透明導電性基板20の基板5側に配置されている保護フィルム10を剥離する(剥離工程)。
図4に示す保護フィルム10の使用方法では、透明導電性基板20の両面に保護フィルム10を貼り付けているので、保護フィルム10によって透明導電性基板20の両面に異物や汚れが付着することを防止できる。また、透明導電性基板20の導電層6側に配置されている保護フィルム10を剥離した後は、透明導電性基板20の基板5側に配置されている保護フィルム10によって、透明導電性基板20の基板5の表面に異物や汚れが付着することを防止できる。
図4に示す保護フィルム10の使用方法では、熱処理工程として、透明導電性基板20の導電層6を結晶化するとともに、基板5の歪を矯正する工程と、透明導電性基板20上に印刷した電極材料を焼成する工程とを行っている。図4に示す保護フィルム10の使用方法では、基材2と帯電防止層3と粘着層1とがこの順序で積層された保護フィルム10が、片面または両面に貼り付けられた状態の透明導電性基板20を熱処理している。このため、帯電防止層3によって、基材2のポリエステルフィルム中に存在するオリゴマーが、透明導電性基板20の表面へ転移することが防止される。したがって、熱処理によって、保護フィルム10の貼り付けられている透明導電性基板20の表面が、基材2に起因するオリゴマーによって汚染されることを防止できる。
また、図4に示す保護フィルム10の使用方法では、保護フィルム10として、透明導電性基板20側の面において高い帯電防止性能を有するものを用いている。したがって、透明導電性基板20上に、パターニングされた配線6aおよび電極9を形成した後に、保護フィルム10を透明導電性基板20の基板5側の表面から剥離しても、保護フィルム10を剥離する際に発生する静電気によって、配線6aなどが破壊されることを防止できる。また、保護フィルム10として、高い帯電防止性能を有するものを用いているので、保護フィルム10が帯電することによって引き寄せられた異物が、透明導電性基板20に付着することを防止できる。
なお、本発明の保護フィルムと透明導電性基板とを貼り合せて積層体とする貼り合せ工程は、透明導電性基板を用いて製品を製造する際のどの段階で行ってもよい。また、本発明の保護フィルムの使用方法における熱処理は、保護フィルムを透明導電性基板に貼り付ける際に必要に応じて行う熱処理であってもよい。
また、積層体から保護フィルムを剥離する剥離工程は、貼り合わせ工程後、どの段階で行ってもよい。
「実施例」
一方の面に帯電防止層が形成された厚さ50μmのポリエステルフィルム(商品名:PET50AT−50、ユニチカ株式会社製)の帯電防止層の上に、アクリル系粘着剤の組成物を厚さ10μmになるように塗布することにより粘着層を形成した。アクリル系粘着剤の組成物としては、粘着性を有する主モノマーとしてアクリル酸2−エチルヘキシル92質量%、架橋性官能基を有するモノマーとしてアクリル酸2−ヒドロキシエチル8質量%の比率で含むアクリル酸エステル共重合体100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤(商品名:コロネートHX)を1質量部配合したものを用いた。
以上の工程により、基材上に帯電防止層と粘着層がこの順で積層された実施例の保護フィルムを得た。
「比較例」
粘着層を、帯電防止層が形成されている面とは反対側の面に形成したことを除いて、実施例と同様にして粘着層を形成した。以上の工程により、帯電防止層と粘着層との間に基材が配置されている比較例の保護フィルムを得た。
このようにして得られた実施例および比較例の保護フィルムについて、以下に示す方法により、表面抵抗率と剥離帯電圧の測定を行うとともに、耐オリゴマー性の評価を行った。その結果を表1に示す。
(表面抵抗率)
実施例および比較例の保護フィルムにおける粘着層側の面の表面抵抗率を、JISK6911に従い、23℃50%RH(相対湿度)環境下にて表面抵抗測定機(ADVANTEST株式会社製、商品名:R8252 DIGITAL ELECTROMETER)を用いて測定した。
また、同様にして、実施例及び比較例の保護フィルムにおける粘着層が形成された面とは反対側の面の表面抵抗率を測定した。
(剥離帯電圧)
厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の面にITO膜が形成された透明導電性基板の、ITO膜が形成された面とは反対の面に、保護フィルムの粘着層を対向配置させて、透明導電性基板と保護フィルムとを貼り合わせた。その後、23℃50%RH(相対湿度)環境下にて、透明導電性基板から保護フィルムを剥離した。その際の透明導電性基板から50mm離れた位置の静電電位を、静電電位測定器(装置名:STATIRON−M2、シシド静電気株式会社製)を用いて測定した。
(耐オリゴマー性)
剥離帯電圧を測定する場合と同様にして、透明導電性基板と保護フィルムとを貼り合わせ、積層体とした。次いで、積層体に対して、150℃で3時間の熱処理を行った。熱処理した積層体を、23℃50%RH環境下にて24時間静置した。その後、透明導電性基板から保護フィルムを剥離した。保護フィルムを剥離した後、保護フィルムの貼られていた側の透明導電性基板の表面を、デジタル顕微鏡を用いて倍率450倍で観察した。
その結果、透明導電性基板の表面にオリゴマーの析出が確認されない場合を○、確認される場合を×と評価した。
Figure 2015193099
表1に示すように、実施例の保護フィルムは、比較例の保護フィルムと比較して、粘着層側の表面抵抗率が非常に低く、剥離帯電圧も低く、粘着層側の面において高い帯電防止性能が得られることが確認できた。
また、耐オリゴマー性の評価により、実施例の保護フィルムを用いることで、保護フィルムの貼り付けられた透明導電性基板に熱処理を行った場合の、保護フィルムの基材から透明導電性基板へのオリゴマーの転移を防止できることが分かった。
1:粘着層、2:基材、3:帯電防止層、4:剥離シート、5:基板、6:導電層、6a:配線、8:紫外線硬化樹脂層、9:電極、10:保護フィルム、20:透明導電性基板、A1、A2:保護フィルム付透明導電性基板。

Claims (7)

  1. 基板の片面に導電層が設けられている透明導電性基板の片面または両面に配置される保護フィルムであって、
    前記透明導電性基板と対向配置される粘着層と、ポリエステルフィルムからなる基材と、前記粘着層と前記基材との間に配置される帯電防止層とを有することを特徴とする保護フィルム。
  2. 前記透明導電性基板の前記導電層と反対側の面に、配置されることを特徴とする請求項1に記載の保護フィルム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の保護フィルムの使用方法であって、
    前記透明導電性基板の片面または両面に、前記粘着層を対向配置させて前記透明導電性基板と前記保護フィルムとを貼り合せて積層体とする貼り合せ工程と、
    前記積層体を熱処理する熱処理工程と、
    前記積層体から前記保護フィルムを剥離する剥離工程とを備えることを特徴とする保護フィルムの使用方法。
  4. 前記貼り合せ工程が、前記透明導電性基板の前記導電層と反対側の面に前記粘着層を対向配置させて、前記透明導電性基板と前記保護フィルムとを貼り合せて積層体とする工程であることを特徴とする請求項3に記載の保護フィルムの使用方法。
  5. 前記熱処理工程における熱処理温度が120℃〜150℃であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の保護フィルムの使用方法。
  6. 前記熱処理工程は、前記透明導電性基板の導電層を結晶化する工程と、前記基板の歪を矯正する工程と、前記透明導電性基板上に印刷した電極材料を焼成する工程とから選ばれるいずれか一以上の工程であることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の保護フィルムの使用方法。
  7. 基板の片面に導電層が設けられている透明導電性基板の片面または両面に、請求項1または請求項2に記載の保護フィルムが配置されてなることを特徴とする保護フィルム付透明導電性基板。
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