JP4907058B2 - 光学用表面保護フィルム - Google Patents

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本発明は、光学用表面保護フィルムに関する。本発明の光学用表面保護フィルムは、偏光板、位相差板等の各種光学フィルム表面の保護に用いられる。また、液晶表示板の表面に貼着することによって液晶表示装置等、その他に有機EL表示装置、PDP等の各種の画像表示装置の保護に用いられる。
詳しくは、光学用表面保護フィルムは、偏光板等の光学フィルムの製造メーカーにおいて光学フィルムを出荷する時の保護や、液晶表示装置等の画像表示装置の製造メーカーにおいて表示装置(液晶モジュール)の製造工程時の光学フィルムの保護用途等、さらには各種工程における光学フィルムの保護用途に使用される。
液晶表示板には偏光板等の光学フィルムが用いられる。前記偏光板の表面には、液晶セルを組み立てるまでの間、偏光板の表面を保護するために表面保護フィルムが一般的に貼り付けられている。従来より、当該表面保護フィルムとしては、二軸延伸ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)に、偏光板表面に剥離可能に貼付される軽剥離性の粘着剤層を有するものが用いられている。粘着剤層としては、たとえば、アクリル系粘着剤を塗布することにより形成したものが多く使用されてきた。
また偏光板等の光学フィルムは、粘着剤層を設けた粘着剤付き光学フィルムとして用いられる。かかる粘着剤付き光学フィルムに表面保護フィルムを貼り付け、積層した状態で打ち抜きなどの加工を施す際には、前記表面保護フィルムにおける背面側(粘着剤層を設けた反対側)に偏光板などで使用されている粘着剤が付着する。そのため、表面保護フィルムの背面側には、粘着剤等の除去を容易にするための防汚処理層が設けられている。また表面保護フィルムには、静電気を防止するための帯電防止層が表面保護フィルムの背面側に一般的に設けられていた。帯電防止層は、通常、フィルム基材と防汚処理層との間に設けられている(特許文献1参照)。
しかしながら、背面側に防汚処理層および帯電防止層を設けた表面保護フィルムにおいて、防汚処理層に付着したものを拭き取る際には、同時に帯電防止層まで拭き取ってしまう場合もあり、結果的に帯電防止効果のない表面保護フィルムとなってしまう問題点があった。
特開2001−209039号公報
本発明は、ポリエステルフィルムの片側に防汚処理層、その反対側に粘着剤層が設けられており、さらに帯電防止層を有する光学用表面保護フィルムであって、防汚処理層として均一な層を有し、かつ防汚処理層に付着したものを拭き取った際にも帯電防止効果を維持できる光学用表面保護フィルムを提供することを目的とする。
また本発明は、前記光学用表面保護フィルムが貼付されている、光学用表面保護フィルム付き光学フィルムを目的とする。さらには本発明は、光学用表面保護フィルム付き画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す光学用表面保護フィルムにより、前記目的を達成できることを見出し本発明を解決するに至った。
すなわち本発明は、ポリエステルフィルムの片側に防汚処理層、その反対側に粘着剤層が設けられている光学用表面保護フィルムであって、
ポリエステルフィルムは、表面処理が施されていないものであり、
ポリエステルフィルムと粘着剤層との間に、帯電防止剤およびポリエステル系バインダーを含有する材料により形成された帯電防止層が設けられており、
粘着剤層が、官能基として酸を含むアクリル系ポリマー並びにエポキシ系架橋剤およびイソシアネート系架橋剤を含有するアクリル系粘着剤により形成されていることを特徴とする光学用表面保護フィルム、に関する。
本発明者らは前記課題を解決するため、ポリエステルフィルムと粘着剤層との間に帯電防止層を設けることを試みた。しかし、ポリエステルフィルムと帯電防止層とは密着性が十分ではなく、帯電防止効果を維持できない。一方、ポリエステルフィルムと帯電防止層との密着性を上げるために、ポリエステルフィルム表面にコロナ処理等の表面処理を施した場合には、コロナ処理等によりポリエステルフィルム自体が帯電してしまい、防汚処理層が均一に塗布できない。そのため、単に帯電防止層をポリエステルフィルムと粘着剤層との間に設けるのみでは、防汚処理層と帯電防止層の両者の効果を維持できない。
以上検討の結果、本発明者らは前記光学用表面保護フィルムを開発した。本発明の光学用表面保護フィルムは、ポリエステルフィルムとしてコロナ処理等の表面処理の施されていない基材を用いている。これにより防汚処理層を均一を塗布できる。一方、帯電防止剤およびポリエステル系バインダーを含有する材料により帯電防止層を形成することにより、表面処理されていないポリエステルフィルムであっても、帯電防止層とポリエステルフィルムとの密着性を良好にすることができ、防汚処理層に付着したものを拭き取った際にも帯電防止効果を維持できる。さらには、官能基として酸を含むアクリル系ポリマー並びにエポキシ系架橋剤およびイソシアネート系架橋剤を含有するアクリル系粘着剤により粘着剤層を形成することにより、帯電防止層と粘着剤層との密着性を良好にすることができ、帯電防止効果を維持できる。かかる粘着剤層は剥離性も良好になるように設計できる。
前記光学用表面保護フィルムは、各種の光学フィルムに好適に用いられるが、特に偏光板の表面保護に好適に用いられる。
また本発明は、光学フィルムに、前記光学用表面保護フィルムが貼付されている、光学用表面保護フィルム付き光学フィルム、に関する。
さらには本発明は、画像表示装置に、前記光学用表面保護フィルムが貼付されている、光学用表面保護フィルム付き画像表示装置、に関する。
以下、本発明の光学用表面保護フィルムについて図面を参照しながら説明する。図1に示す通り、本発明の光学用表面保護フィルムは、表面処理が施されていないポリエステルフィルム1の片側に防汚処理層2、その反対側に粘着剤層3が設けられている。ポリエステルフィルム1と粘着剤層3との間には、帯電防止層4が設けられている。なお、本発明の光学用表面保護フィルムはシート状物として使用することができる。
ポリエステルフィルム1は、コロナ処理等の表面処理が施されていないものである。ポリエステルとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等があげられる。なかでもポリエチレンテレフタレートが好適である。またポリエステルフィルムの一軸、二軸等の延伸物を用いることもできる。ポリエステルフィルムの厚みについては特に制限を受けるものではないが、好適には10〜200μm程度、特に20〜50μmが好ましい。
防汚処理層2の形成には、長鎖アルキル系、シリコーン系などの各種の防汚処理剤を適宜に用いることができる。長鎖アルキル系防汚処理剤としては、長鎖アルキルアクリレートの共重合体、長鎖アルキルビニルエステルの共重合体、長鎖アルキルビニルエーテルの共重合体、長鎖アルキルアクリルアミドの共重合体、マレイン酸の長鎖アルキル誘導体の共重合体、水酸基含有ポリマーの長鎖アルキルエステル化物、水酸基含有ポリマーの長鎖アルキルカーバメート等を主体とするものが好ましく、これらにおける長鎖アルキルの炭素数は18〜30が好ましい。シリコーン系防汚処理剤としては、縮合型シリコーンタイプ、付加型シリコーンタイプのいずれも使用可能である。
上記防汚処理剤は、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの溶剤で希釈した後、ポリエステルフィルム1に塗布、乾燥して、防汚処理層2を形成する。防汚処理層2の厚み(乾燥膜厚)については特に制限を受けるものではないが、好適には10〜1000nm程度、特に10〜500nmが好ましい。
帯電防止層4は、帯電防止剤およびポリエステル系バインダーを含有する帯電防止材料により形成される。ポリエステル系バインダーを用いることで、得られる帯電防止層4は、コロナ処理などの表面処理を施していないポリエステルフィルム1に対しても密着性を向上させることできる。
帯電防止剤としては、高分子材料の帯電防止剤として知られている各種材料を使用できる。たとえば、カチオン系(例えば、4級アンモニウム塩型、ホスホニウム塩型、スルホニウム塩型等)、アニオン系(カルボン酸型、スルホネート型、サルフェート型、ホスフェート型、ホスファイト型等)、両性イオン系(スルホベタイン型、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリウムベタイン型等)またはノニオン系(多価アルコール誘導体、β−シクロデキストリン包接化合物、ソルビタン脂肪酸モノエステル・ジエステル、ポリアルキレンオキシド誘導体、アミンオキシド等)の各種界面活性剤;カチオン型(4級アンモニウム塩等)、両性イオン型(ベタイン化合物等)、アニオン型(スルホン酸塩等)またはノニオン型(グリセリン等)のイオン導電性基を有する単量体の単独重合体若しくは当該単量体と他の単量体との共重合体、4級アンモニウム塩基を有するアクリレートまたはメタクリレート由来の部位を有する重合体等のイオン導電性を有する重合体;ポリエチレンメタクリレート共重合体等の親水性ポリマーをアクリル系樹脂等にアロイ化させたタイプの永久帯電防止剤;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、天然グラファイト、人造グラファイト、チタンブラック、亜鉛酸化物、スズ酸化物、スズコーティングチタン酸化物、ニッケルフレーク、燐ドーピングスズ酸化物、アンチモンドーピングスズ酸化物等の導電性フィラー;等があげられる。これら帯電防止剤のなかでも、スズ酸化物等の金属化合物の導電性フィラー、4級アンモニウム塩を含むアクリル系ポリマー等が帯電防止性能の観点から好ましく用いられる。
ポリエステル系バインダーとしては、特に制限されず、各種の多塩基酸成分とポリオール成分を、公知の手段で脱水縮合させて得られるポリエステル樹脂をベースポリマーとするものを用いることができる。
多塩基酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、5−スルホ(塩)イソフタル酸等の芳香族二塩基酸;コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸;ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族二塩基酸;フマル酸、ダイマー酸、α−,ω−1 ,2−ポリブタジエンジカルボン酸、7,12−ジメチル−7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボン酸等の不飽和二重結合を有する二塩基酸またはその水素化物や8,9−ジフェニルヘキサデカン二酸、トリメリット酸等の前記以外の多塩基酸があげられる。また多塩基酸成分としては、前記多塩基酸成分の酸無水物やテレフタル酸ジメチル等の反応性誘導体等があげられる。
またポリオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、トリプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールや、α−,ω−1,2−ポリブタジエングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールFまたはその水素化物などが挙げられる。
なお、ポリエステル樹脂は、その一部または全部にカプロラクトン等のラクトン類、4−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸を含んでいてもよい。ポリエステル樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、1000〜10000であるのが好ましい。
ポリエステル系バインダーに対する帯電防止剤の配合部数は、通常、ポリエステル系バインダー100重量部に対して帯電防止剤50〜400重量部、好ましくは100〜300重量部である。
上記帯電防止層4の形成は、帯電防止剤およびポリエステル系バインダーを含有する帯電防止材料を水、アルコールなどの溶剤で希釈した後、ポリエステルフィルム1に塗布、乾燥して、帯電防止層4を形成する。帯電防止層4の厚み(乾燥膜厚)については特に制限を受けるものではないが、好適には50〜500nm程度、特に80〜300nmが好ましい。
粘着剤層3を形成する粘着剤としては、透明性、凝集性、剥離特性のバランスから、官能基として酸を含むアクリル系ポリマー並びにエポキシ系架橋剤およびイソシアネート系架橋剤を含有するアクリル系粘着剤が用いられる。
アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルおよび酸を含むモノマーをモノマー単位として含有する。(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等を例示でき、これらを単独または組合せて使用できる。
また、酸を含むモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体、またはこれらの無水物を例示できる。酸を含むモノマーにより架橋等による反応点が付与される。酸を含むモノマーの割合は、(メタ)アクリル酸アルキル100重量部に対し1〜10重量部程度、好ましくは2〜6重量部である。
また得られるアクリル系ポリマーにさらに極性を付与するために(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有単量体;N−メチロールアクリルアミド等のアミド基含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体などを共重合モノマーとして用いることができる。
なお、アクリル系ポリマーの重合法は特に制限されず、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、UV重合などの公知の重合法を採用できる。アクリル系ポリマーは、重量平均分子量として30万〜250万程度が好ましい。
架橋剤としてはエポキシ系架橋剤およびイソシアネート系架橋剤を併用する。エポキシ系架橋剤は粘着剤層3に凝集性を付与し、イソシアネート系架橋剤は帯電防止層4との密着性を付与するため用いられる。イソシアネート系架橋剤のみでは、粘着剤層3の凝集性を維持することができず、重剥離化または糊残りの可能性もある。またエポキシ系架橋剤のみでは、ポリエステル系バインダーを用いる帯電防止層4との密着性が得られない。
エポキシ系架橋剤としては、多官能性エポキシ化合物が用いられ、分子中に2個以上のエポキシ基を有する種々の化合物が含まれる。その代表的な例として、例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパングリシジルエーテル、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフエノールなどがあげられる。エポキシ系架橋剤の配合部数は、アクリル系ポリマーへの酸導入量やエポキシ系架橋剤の構造にもよるが、一般的にはアクリル系ポリマー100重量部に対して1〜8重量部程度、さらには1〜6重量部が好適である。
またイソシアネート系架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物が用いられ、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する種々の化合物が含まれる。その代表的な例として、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどがあげられる。イソシアネート系架橋剤の配合部数は、粘着物性に影響を及ぼさない程度で配合すればよく、一般的にはアクリル系ポリマー100重量部に対して0.2〜3重量部程度、さらには0.5〜2重量部が好適である。
なお、アクリル系粘着剤には、前記例示した以外の架橋剤(ポリアミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂)、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を適宜に使用することもできる。
粘着剤層3の形成方法は、特に制限されず、たとえば、シリコーン処理したポリエステルフィルム等の剥離ライナに粘着剤溶液を塗布し、乾燥後、ポリエステルフィルム1に形成した帯電防止層4に転写する方法(転写法)、ポリエステルフィルム1に形成した帯電防止層4に直接粘着剤溶液を塗布、乾燥する方法(直写法)や共押出しによる方法等があげられる。これら方法のなかでも特に帯電防止層4との密着性をより向上するには直写法が好ましい。粘着剤層3の厚み(乾燥膜厚)は、特に制限されないが、通常5〜60μm程度、好ましくは5〜40μmである。なお、本発明の光学用表面保護フィルムの粘着剤層3は、必要に応じて、実用に供されるまでの間、セパレータなどを仮着して保護することができる。
以下に本発明の光学用表面保護フィルムを実施例に基づき更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各例中、部および%はいずれも重量基準である。
実施例1
(基材)
厚さ38μmの未処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル(株)製,ダイアホイルT100 #38)を用いた。
(防汚処理層)
上記未処理ポリエチレンテレフタレートフィルムの片側に、長鎖アルキル系ポリマー(一方社油脂工業(株),ピーロイル1010)の0.3%トルエン溶液を、乾燥膜厚が50nmになるように塗布し、130℃で30秒間乾燥して防汚処理層を形成した。
(帯電防止層)
上記未処理ポリエチレンテレフタレートフィルムの防汚処理層を形成した反対側に、ポリエステル系バインダーおよびスズ酸化物を含む帯電防止層形成材((株)ソルベックス製,マイクロソルバーRW−922)の5%混合溶液(水/メタノール=3/7)を乾燥膜厚が300nmになるように塗布し、130℃で30秒間乾燥して帯電防止層を形成した。
(粘着剤層)
酢酸エチル中に、モノマ−ベースで35%となるように2−エチルヘキシルアクリレート100部およびアクリル酸3部を共重合して重量平均分子量50万(ポリスチレン換算)のアクリル系ポリマーを含有する溶液を得た。この溶液に、アクリル系ポリマー(乾燥重量)100部に対してエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学(株)製,テトラッドC)4部およびイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製,コロネートL)1部を配合し、さらに酢酸エチルを加え固形分濃度を20%に調整した粘着剤溶液を調製した。当該粘着剤溶液を、上記帯電防止層上に乾燥膜厚が25μmになるように塗布し、140℃で2分間乾燥して、粘着剤層を形成して、表面保護フィルムを得た。
実施例2
実施例1において、粘着剤層の乾燥膜厚を30μmにしたこと以外は、実施例1に準じて表面保護フィルムを得た。
実施例3
実施例1において、帯電防止層の乾燥膜厚を100nmにしたこと以外は、実施例1に準じて表面保護フィルムを得た。
実施例4
実施例1において、粘着剤溶液に用いた架橋剤の配合を、エポキシ系架橋剤3部、イソシアネート系架橋剤2部に変えたこと以外は、実施例1に準じて表面保護フィルムを得た。
比較例1
実施例1(基材)において、厚さ38μmの片側コロナ処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル(株)製,ダイアホイルT100C #38)を用い、非コロナ面に防汚処理層を、コロナ面に帯電防止層を形成したこと以外は、実施例1に準じて表面保護フィルムを得た。
比較例2
実施例1において、帯電防止層の形成に、アクリル系バインダーおよびスズ酸化物を含む帯電防止層形成材((株)ソルベックス製,マイクロソルバーLS−110)を用いたこと以外は、実施例1に準じて表面保護フィルムを得た。
比較例3
実施例1において、粘着剤溶液に用いた架橋剤の配合を、エポキシ系架橋剤4部に変え、イソシアネート系架橋剤を配合しなかったこと以外は、実施例1に準じて表面保護フィルムを得た。
比較例4
実施例1において、粘着剤溶液に用いた架橋剤の配合を、イソシアネート系架橋剤4部に変え、エポキシ系架橋剤を配合しなかったこと以外は、実施例1に準じて表面保護フィルムを得た。
[評価方法]
実施例および比較例で得られた表面保護フィルムについて、以下の方法で評価を実施した。結果を表1に示す。
<防汚処理層の均一性>
表面保護フィルムの防汚処理層を上にして、暗室内で蛍光灯の光をかざしながら防汚処理層が均一に塗布されているか確認した。均一に塗布されている場合には良好、塗布ムラが発生している場合には不良とした。
<密着性>
表面保護フィルムを縦:10cm、横:5cmにカットした。次いで、縦方向中央部に垂直方向に基材までキズを入れないようにカッターで粘着剤層および帯電防止層にキズを入れた。このキズを跨ぐようにセロハンテープをハンドローラーで貼付し、剥がしては再度貼付して剥がす作業を20回繰返した。この20回の作業内で粘着剤層または帯電防止層で剥がれない場合は良好、剥がれた場合は不良とた。
<剥離性>
日東電工(株)製偏光板(AGSI)の表面に室温下で表面保護フィルムをラミネーター(線圧:78.5N/cm,速度:0.3m/min)にて貼付し、50℃にて3日間貼付保存後、室温で2時間放置した。その後、引張速度:10m/minでの180ピール粘着力および実際の剥離感を調べた。
表面保護の観点からは、粘着力は、0.1N/25mm以上、さらには0.2N/25mm以上であるのが好ましい。一方、剥離性の観点からは、粘着力は、0.6N/25mm以下、さらには0.5N/25mm以下であるのが好ましい。
Figure 0004907058
本発明の光学用表面保護フィルムの断面図の一例である。
符号の説明
1 表面処理が施されていないポリエステルフィルム
2 防汚処理層
3 粘着剤層
4 帯電防止層

Claims (5)

  1. ポリエステルフィルムの片側に防汚処理層、その反対側に粘着剤層が設けられている光学用表面保護フィルムであって、
    ポリエステルフィルムは、表面処理が施されていないものであり、
    ポリエステルフィルムと粘着剤層との間に、帯電防止剤およびポリエステル系バインダーを含有する材料により形成された帯電防止層が設けられており、
    粘着剤層が、官能基として酸を含むアクリル系ポリマー並びにエポキシ系架橋剤およびイソシアネート系架橋剤を含有するアクリル系粘着剤により形成され
    前記官能基として酸を含むアクリル系ポリマー100重量部に対して、前記エポキシ系架橋剤を1〜8重量部、および、前記イソシアネート系架橋剤を0.2〜2重量部含有す
    ることを特徴とする光学用表面保護フィルム。
  2. 偏光板の表面保護に用いられるものであることを特徴とする請求項1記載の光学用表面保護フィルム。
  3. 前記官能基として酸を含むアクリル系ポリマーが、(メタ)アクリル酸アルキルおよび酸を含むモノマーをモノマー単位として含有し、
    前記(メタ)アクリル酸アルキル100重量部に対して、前記酸を含むモノマーを1〜10重量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学用表面保護フィルム。
  4. 光学フィルムに、請求項1〜のいずれかに記載の光学用表面保護フィルムが貼付されている、光学用表面保護フィルム付き光学フィルム。
  5. 画像表示装置に、請求項1〜のいずれかに記載の光学用表面保護フィルムが貼付されている、光学用表面保護フィルム付き画像表示装置。
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