JP2020203994A - 剥離フィルム付き粘着シート及び積層シート - Google Patents

剥離フィルム付き粘着シート及び積層シート Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ゆず肌の発生が抑制され、表面性状が良好な粘着シートを提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、粘着剤層の両面に剥離フィルムを備えた、剥離フィルム付き粘着シートであって、剥離フィルムの露出面の表面形状を、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードを用いて、うねり解析した際のうねり値が8nm以下である、剥離フィルム付き粘着シートに関する。また、本発明は、さらにフィルム基材を備えた積層シートに関する。【選択図】図1

Description

本発明は、剥離フィルム付き粘着シート及び積層シートに関する。
近年、携帯電話、携帯ゲーム機、デジタルカメラ等の電子機器が急速に普及している。電子機器や各種装置を構成する部品の固定には、粘着シートが用いられている。また、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置には、通常、外部光源からの反射を防ぐための反射防止フィルムや、表示装置表面の傷付き防止の為の保護フィルム(プロテクトフィルム)、落下時などに光学部材が飛散することを防止する飛散防止フィルムなど、用途に応じて様々な粘着シート付きフィルムが使用されている。このように、各種光学部品の固定には粘着シートが用いられており、粘着シートとしては、基材の片面又は両面に粘着剤層が設けられた粘着シートが多用されている。
例えば、特許文献1には、フィルム基材に粘着剤層が設けられ、粘着剤層に剥離シートが積層された保護粘着フィルムであって、剥離シートの表面粗さRaが10〜100nmであり、粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率G'が2.0×105Pa以上の保護粘着フィルムが開示されている。
ところで、上述したような粘着シートは、剥離フィルム上に粘着剤を塗布することで粘着剤層を形成し、さらにその粘着剤層上にフィルム基材や剥離フィルム等を積層することで製造される。このような粘着シートは、ロール状に巻き取られて保管や運搬がなされている。このような粘着シートの巻回体においては、製造時や保管時に巻締りが生じることで粘着剤層に微細な凹凸が多数発生し、いわゆるゆず肌が発生する場合がある。
特許文献2には、第1の面と第2の面とを備える粘着剤層と、第1の剥離フィルムと、第2の剥離フィルムとを有する両面粘着シートが開示されている。特許文献2では、第1の剥離フィルムと第2の剥離フィルムの粘着剤層と接する面とは反対側の面の算術平均粗さRaを5〜35nmとし、最大突起高さRpを50〜400nmとすることにより、ゆず肌の発生を抑制することが検討されている。
特開2014−84336号公報 国際公開第2014/157445号
上述したように、剥離フィルムと粘着剤層を有する粘着シートが知られており、ゆず肌の発生について検討がなされている。しかしながら、従来の粘着シートにおいても、ゆず肌が発生する場合があり、その改善が求められていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、ゆず肌の発生が抑制され、表面性状が良好な粘着シートを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、粘着剤層の両面に剥離フィルムを備えた剥離フィルム付き粘着シート、もしくは、フィルム基材、粘着剤層及び剥離フィルムがこの順で積層された積層シートにおいて、剥離フィルムの露出面のうねり値を所定値以下とすることにより、剥離フィルム付き粘着シートもしくは積層シートの表面がゆず肌状となることが抑制されることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 粘着剤層の両面に剥離フィルムを備えた、剥離フィルム付き粘着シートであって、
剥離フィルムの露出面の表面形状を、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードを用いて、うねり解析した際のうねり値が8nm以下である、剥離フィルム付き粘着シート。
[2] フィルム基材、粘着剤層及び剥離フィルムがこの順で積層された積層シートであって、
剥離フィルムの露出面の表面形状を、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードを用いて、うねり解析した際のうねり値が8nm以下である、積層シート。
[3] 粘着剤層は、(メタ)アクリル共重合体を含む[2]に記載の積層シート。
[4] 粘着剤層のゲル分率が20%以上である[2]又は[3]に記載の積層シート。
[5] 粘着剤層の23℃、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率が7.5×104Pa以上である[2]〜[4]のいずれかに記載の積層シート。
[6] フィルム基材の厚みが38μm以下である[2]〜[5]のいずれかに記載の積層シート。
本発明によれば、ゆず肌の発生が抑制され、表面性状が良好な粘着シートを得ることができる。
図1は、本発明の積層シートの構成を説明する断面図である。 図2は、本発明の剥離フィルム付き粘着シートの構成を説明する断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(積層シート)
本発明は、図1に示されるように、フィルム基材10、粘着剤層20及び剥離フィルム30がこの順で積層された積層シート100に関する。すなわち、フィルム基材10と剥離フィルム30は、粘着剤層20を介して貼合されている。ここで、積層シートに用いられる剥離フィルムの露出面の表面形状を、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードを用いて、うねり解析した際のうねり値は8nm以下である。なお、本発明は、積層シートをロール状に巻き取った巻回体に関するものであってもよい。
本明細書において、うねり値は具体的には以下の方法で測定される値である。まず、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードで剥離フィルムの露出面の表面形状を観察する。この際、5倍の対物レンズを用いて、4.5mmx4.5mmの範囲を観察して、複数視野(縦6枚x横8枚)を合成し、カットオフ値500μmでうねり値Wa(nm)を算出する。本発明は、このうねり値が目視評価によるゆず肌の有無の結果と最も相関があることを見出したものでもあり、粘着シートにおけるゆず肌発生の新たな評価方法を確立したものであるとも言える。
本発明の積層シートにおいては、剥離フィルムの露出面のうねり値は、8nm以下であればよく、7nm以下であることが好ましく、6nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましく、4nm以下であることが特に好ましい。なお、剥離フィルムの露出面のうねり値の下限値は特に限定されるものではなく、例えば、0nmであってもよい。
剥離フィルムの露出面のうねり値を測定する際には、ガラス板上に剥離フィルムの剥離処理面(積層シートにおいて粘着剤層に貼合される側の面)を下にして置いた後、剥離フィルムの剥離処理面とは反対側の面(積層シートにおいて粘着剤層とは反対側の露出面)のうねり値を算出してもよい。この場合、積層前の剥離フィルムについて測定を行うことが好ましいが、積層シートから剥離フィルムを剥離した後に、剥離フィルムについて測定を行ってもよい。なお、積層シートの状態のままで、剥離フィルムの露出面についてうねり値の測定を行ってもよい。
本発明においては、剥離フィルムのうねり値を上記範囲とすることにより、積層シートを巻回体とした場合であっても、積層シートの粘着剤層に微細な凹凸構造が形成されることを抑制することができ、その結果、フィルム基材表面がゆず肌状となることを抑制することができる。フィルム基材表面の面性状については、目視評価を行うことができる。例えば、フィルム基材表面に蛍光灯の光を反射させて観察し、フィルム基材に写り込んだ蛍光灯の像が歪まずに見える場合、もしくは僅かに歪んで見える場合にはゆず肌の発生がなく、外観(面性状)が良好であると判定できる。本発明においては、積層シートを3インチの紙管に張力60Nで100m分巻き取って巻回体とし、その巻回体を23℃、相対湿度50%の条件下で1週間保管した場合であってもフィルム基材表面のゆず肌の発生が抑制されている。
なお、フィルム基材表面のゆず肌の発生については、目視評価の他に、フィルム基材表面の表面粗さ(Sa)[nm](複数視野)の値によっても評価できる。フィルム基材表面の表面粗さ(Sa)[nm](複数視野)は、具体的には、以下のようにして算出される。まず、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードで積層シートのフィルム基材表面を観察する。この際、5倍の対物レンズを用いて、4.5mmx4.5mmの範囲を観察して、複数視野(縦6枚x横8枚)を合成し、表面粗さ(Sa)[nm](複数視野)を算出する。
(剥離フィルム)
本発明の積層シートに用いられる剥離フィルムは、うねり値が8nm以下の面を少なくとも一方に有していればよい。本発明においては、剥離フィルムの両面のうねり値が8nm以下であってもよいが、いずれか一方の面のうねり値が8nm以下であってもよく、この場合、うねり値が8nm以下の面が粘着剤層の貼合面とは反対側の面となり、積層シートにおける露出面となる。
剥離フィルムは、剥離フィルム用基材と剥離剤層とを有する積層剥離フィルムであってもよく、合成樹脂等からなる単層剥離フィルムであってもよい。この場合、単層剥離フィルムとしては、例えば、低極性基材としてポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、等が挙げられる。積層剥離フィルムにおける剥離フィルム用基材には、紙類、樹脂フィルムが使用される。剥離フィルム用基材が樹脂フィルムである場合、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物等が用いられる。特に、反応性が高い付加型シリコーン系剥離剤が好ましく用いられる。なお、積層剥離フィルムにおいては、剥離剤層が設けられた面とは反対側の面のうねり値が8nm以下であることが好ましい。
剥離フィルムの表面粗さSa[nm](単視野)は、5nm以上であってもよく、100nm以下であってもよい。本発明においては、表面粗さSa[nm](単視野)の値がある程度大きい場合においてもゆず肌の発生を効果的に抑制することができる。
なお、剥離フィルムにおいて、表面粗さSa[nm](単視野)を測定する際には、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードで剥離フィルムの露出面側を観察する。この際、5倍の対物レンズを用いて、0.9mmx0.7mmの範囲を単視野で観察し表面粗さSa(nm)を算出する。
剥離フィルムの厚みは、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。また、剥離フィルムの厚みは、150μm以下であることが好ましく、120μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。
(粘着剤層)
粘着剤層を構成する粘着剤として特に限定されるものではないが、粘着剤はアクリル系粘着剤であることが好ましい。中でも、粘着剤層は、(メタ)アクリル共重合体を含むことが好ましい。なお、本明細書において、“(メタ)アクリル”とは、アクリル及びメタクリルの双方、または、いずれかを表す。
粘着剤層のゲル分率は、1%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、20%以上であることがさらに好ましく、30%以上であることが一層好ましく、40%以上であることがより一層好ましく、50%以上であることが特に好ましい。なお、上記ゲル分率は、粘着剤層を形成した直後のゲル分率であるが、経時後の粘着剤層のゲル分率も上記下限値以上であることが好ましい。粘着剤層を形成した直後のゲル分率を上記下限値以上とすることで、粘着剤層が変形し難くなり、巻回時におけるゆず肌の発生が抑制されやすくなる。
ゲル分率を測定する際には、まず、粘着剤組成物を剥離フィルム上に塗工した後3時間以内の粘着剤層を金属メッシュ(150メッシュ)に包んだ状態で酢酸エチルに浸し、40℃で24時間放置する。そして、取り出した粘着剤層を100℃で1時間乾燥させ、酢酸エチル浸漬前後の重量比率を算出し、下記式からゲル分率を算出する。
ゲル分率(%)=酢酸エチル浸漬後の粘着剤層の重量/酢酸エチル浸漬前の粘着剤層の重量×100
粘着剤層の23℃、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率は、7.0×104Pa以上であることが好ましく、7.5×104Pa以上であることがより好ましく、8.0×104Pa以上であることがさらに好ましい。粘着剤層の23℃、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率の上限値は特に限定されるものではないが、本発明においては、例えば、23℃、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率が2.0×105Pa未満であっても、ゆず肌の発生を抑制することができる。
粘着剤層の厚みは、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましい。また、粘着剤層の厚みの上限値は特に限定されるものではないが、本発明においては、例えば、50μm以下であってもゆず肌の発生を抑制することができる。粘着剤層は、その厚みが大きい方がゆず肌の影響が出にくいが、本発明においては、例えば、粘着剤層の厚みが50μm以下といった薄膜の場合であってもゆず肌の発生を抑制することができる。
<(メタ)アクリル共重合体>
(メタ)アクリル共重合体は、架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートに由来する単位を含むものであることが好ましい。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「単位」は重合体を構成する繰り返し単位(単量体単位)である。
架橋性官能基は、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びイソシアネート基から選択される少なくとも1種であることが好ましく、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基及びエポキシ基から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
カルボキシ基含有単量体単位としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
ヒドロキシ基含有単量体単位は、ヒドロキシ基含有単量体に由来する繰り返し単位である。ヒドロキシ基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸モノ(ジエチレングリコール)などの(メタ)アクリル酸[(モノ、ジ又はポリ)アルキレングリコール]、(メタ)アクリル酸モノカプロラクトンなどの(メタ)アクリル酸ラクトンが挙げられる。
アミノ基含有単量体単位としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、アリルアミン等のアミノ基含有単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
エポキシ基含有単量体単位としては、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
(メタ)アクリル共重合体は、さらに、非架橋性(メタ)アクリル酸エステル単位を含むものであることが好ましい。非架橋性(メタ)アクリル酸エステル単位は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰り返し単位であることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。これらは1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル共重合体は、必要に応じて、上述した単量体単位以外に、他の単量体単位を有してもよい。他の単量体は、上述したアクリル単量体と共重合可能なものであればよく、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル類やスチレン等が挙げられる。
(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量は、10万〜200万が好ましく、20万〜150万がより好ましい。重量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定し、ポリスチレン基準で求めた値である。(メタ)アクリル共重合体としては、市販のものを用いてもよく、公知の方法により合成したものを用いてもよい。
<架橋剤>
粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤は、例えば熱により(メタ)アクリル共重合体と反応する架橋剤であることが好ましい。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などの公知の架橋剤の中から、(メタ)アクリル共重合体が有する架橋性官能基との反応性を考慮して適宜選択できる。たとえば架橋性官能基としてヒドロキシ基を含む場合は、ヒドロキシ基との反応性から、イソシアネート化合物を用いることができる。
イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。ジイシアネートは2官能のまま用いてもよいし、アダクト、ヌレート、ビュレットなどの3官能誘導体にして用いても良い。
エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
粘着剤組成物は、架橋剤としてキレート架橋剤を用いてもよい。キレート架橋剤は、金属キレート架橋剤であることが好ましく、アセチルアセトン金属キレート化合物がより好ましい。アセチルアセトン金属キレート化合物が含み得る金属としては、ニッケル、クロム、鉄、チタン、亜鉛、コバルト、マンガン、銅、スズ、ジルコニウム等を挙げることができる。具体的なアセチルアセトン金属キレート化合物としては、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、第二鉄トリスアセチルアセトナート、ジルコニウムトリスアセチルアセトナート、チタントリスアセチルアセトナートなどを挙げることができる。
架橋剤としては1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。粘着剤組成物中の架橋剤の含有量は、所望とする接着物性等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、(メタ)アクリル共重合体100質量部に対し、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.03質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
<架橋促進剤>
粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、架橋促進剤を含んでもよい。架橋促進剤としては架橋反応系に適したものが用いられればよく、例えば、有機スズ化合物;N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、トリエチルアミン、イミダゾール等のアミノ化合物;アルミニウム錯体等の金属錯体;パラトルエンスルホン酸、リン酸、塩酸、塩化アンモニウム等の酸触媒などが挙げられる。これらの中でも、触媒作用の観点から、有機スズ化合物が好ましい。
有機スズ化合物としては、例えば、ジメチルスズジクロライド等の有機スズ化合物;ジメチルスズジラウレート、ジメチルスズジ(2−エチルヘキサノエート)、ジメチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジヘキシルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート等の有機スズ化合物の脂肪酸塩;ジメチルスズビス(イソオクチルチオグリコール酸エステル)塩、ジオクチルスズビス(イソオクチルチオグリコール酸エステル)塩等の有機スズ化合物のチオグリコール酸エステル塩;オクチル酸スズ、デカン酸スズ等の金属石鹸などが挙げられる。上記の中でも、触媒作用の観点から、有機スズ化合物の脂肪酸塩が好ましく、特にジブチルスズジラウレートが好ましい。
架橋促進剤としては1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。粘着剤組成物中の架橋促進剤の含有量は、所望とする接着物性等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、(メタ)アクリル共重合体100質量部に対し、0.0001質量部以上であることが好ましく、0.001質量部以上であることがより好ましく、0.01質量部以上であることがさらに好ましく、0.1質量部以上であることが特に好ましい。また、架橋促進剤の含有量は、(メタ)アクリル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましい。
<架橋遅延剤>
粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、架橋遅延剤を含んでもよい。架橋遅延剤としては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸オレイル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル等のβ−ケトエステルや、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、ベンゾイルアセトン等のβ−ジケトンが挙げられる。これらの中でも、ポットライフと硬化性のバランスの点から、架橋遅延剤としてアセチルアセトンを用いることが好ましい。
架橋遅延剤としては1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。粘着剤組成物中の架橋剤の含有量は、所望とする接着物性等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、(メタ)アクリル共重合体100質量部に対し、0.0001質量部以上であることが好ましく、0.001質量部以上であることがより好ましい。また、架橋遅延剤の含有量は、(メタ)アクリル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましい。粘着剤組成物が架橋遅延剤を含有することにより、粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制し、粘着剤組成物のポットライフを延長することができる。
<溶剤>
粘着剤層を形成する粘着剤組成物は、溶剤を含んでいてもよい。この場合、溶剤は、粘着剤組成物の塗工適性の向上のために用いられる。溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類;ジクロロメタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酪酸エチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のポリオール及びその誘導体が挙げられる。
溶剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。粘着剤組成物中の溶剤の含有量は、特に限定されないが、(メタ)アクリル共重合体100質量部に対し、25質量部以上500質量部以下とすることが好ましく、30質量部以上400質量部以下とすることがより好ましい。
<他の成分>
粘着剤層は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、粘着剤用の添加剤として公知の成分を挙げることができる。例えば可塑剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤等の中から必要に応じて選択できる。また、着色を目的に染料や顔料を添加してもよい。
可塑剤としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル類やスチレン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
金属腐食防止剤としては、粘着剤の相溶性や効果の高さから、ベンゾリアゾール系樹脂を好ましい例として挙げることができる。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトアルコキシシラン化合物(例えば、メルカプト基置換アルコキシオリゴマー等)などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられる。ただし、後硬化時の活性エネルギー線に紫外線を用いる場合は、重合反応を阻害しない範囲で添加することが好ましい。
(フィルム基材)
フィルム基材としては、一般に粘着シートの基材として使用される各種の樹脂フィルム基材を挙げることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、シクロオレフィン、フッソ樹脂、ナイロン、アクリル樹脂等の樹脂フィルムを挙げることができる。
フィルム基材は、上記樹脂フィルムのみからなる基材であっても良いが、他の層を設けた積層フィルム基材であってもよい。この場合、他の層としては、例えば、ハードコート層、反射防止層、低屈折率層、高屈折率層、防眩層、帯電防止層、紫外線吸収層、ガスバリア層、ブロッキング防止層等を挙げることができる。
フィルム基材の厚みは、特に限定されるものではないが、10μm以上200μm以下であることが好ましい。フィルム基材は、その厚みが大きい方がゆず肌の影響が出にくいが、本発明においては、例えば、フィルム基材の厚みが38μm以下や、25μm以下といった薄膜の場合であってもゆず肌の発生を抑制することができる。
(積層シートの製造方法)
積層シートの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、剥離フィルム上に粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成する工程と、この塗膜を加熱することにより粘着剤層を得る工程と、この粘着剤層上にフィルム基材を貼合する工程と、を含むことが好ましい。本発明においては、上述した工程の後に、さらに、積層シートを巻回する工程を設け、積層シートの巻回体を得る工程を含むことが好ましい。
塗膜を形成する工程では、公知の塗工装置を用いて粘着剤組成物を塗工することが好ましい。塗工装置としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等が挙げられる。
塗膜の加熱は、加熱炉、赤外線ランプ等の公知の加熱装置を用いて実施できる。加熱温度は、60℃以上200℃以下であることが好ましい。
このようにして得られた積層シートを巻回体とする場合には、積層シートを紙管等の管状体に巻回する。巻回時の積層シートの張力は、20N以上であることが好ましく、30N以上であることがより好ましい。巻回時の積層シートの張力の上限値は特に限定されるものではないが、張力が大きいほど、ゆず肌の発生が促進される傾向にあるため、巻回時の積層シートの張力は、100N以下であることが好ましい。
積層シートを巻回体とする場合には、巻取り長さは、50m以上であってもよく、60m以上であってもよく、100m以上であってもよい。巻取り長さの上限値は特に限定されるものではなく、積層シートの用途に応じて適宜変更できる。
上述した工程では、塗膜の加熱により、(メタ)アクリル共重合体及び架橋剤等の反応が進行して硬化物(粘着剤層)が形成される。粘着剤組成物を硬化状態とするためには、塗工後溶剤を除去した後に、一定温度で一定期間粘着シートを静置するエージング処理を施してもよい。エージング処理は、巻回体とした後に施されてもよく、例えば、23℃で7日間静置して行うことができる。
(剥離シート付き粘着シート)
本発明は、図2に示されるように、粘着剤層20の両面に剥離フィルム30を備えた、剥離フィルム付き粘着シート200に関するものであってもよい。ここで、剥離フィルム付き粘着シート200に用いられる剥離フィルムの露出面の表面形状を、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードを用いて、うねり解析した際のうねり値は8nm以下である。本発明では、粘着剤層の両面に設けられた1対の剥離フィルムにおいて両露出面のうねり値が上記範囲内であることが好ましい。なお、本発明は、剥離フィルム付き粘着シートをロール状に巻き取った巻回体に関するものであってもよい。
剥離シート付き粘着シートにおける粘着剤層は、上述した積層シートにおける粘着剤層と同様である。また、剥離シート付き粘着シートにおける剥離フィルムは、上述した積層シートにおける剥離フィルと同様である。なお、上述した積層シートは、剥離シート付き粘着シートにおける一方の剥離フィルムを剥離し、露出した粘着面にフィルム基材を貼合することで形成されるものであってもよい。
(剥離シート付き粘着シートの製造方法)
剥離シート付き粘着シートの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、第1の剥離フィルム上に粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成する工程と、この塗膜を加熱することにより粘着剤層を得る工程と、この粘着剤層上に第2の剥離フィルムを貼合する工程と、を含むことが好ましい。本発明においては、上述した工程の後に、さらに、剥離シート付き粘着シートを巻回する工程を設け、剥離シート付き粘着シートの巻回体を得る工程を含んでもよい。
粘着剤組成物を塗工する方法やその他の製造条件は、上述した積層シートの製造方法における粘着剤組成物を塗工する方法と同様である。
(用途)
本発明の積層シートは、光学部材貼合用の積層シートであることが好ましい。積層シートを光学部材に貼合する際には、剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層を光学部材に貼合する。本発明の積層シートは、剥離フィルムを剥離することで、例えば、反射防止フィルム、飛散防止フィルム、表面保護フィルム、配向フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルムとして用いられる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(粘着剤組成物の調製)
<粘着剤組成物Aの調製>
アクリル重合体溶液(トーヨーケム社製:BPS6377−OP)の固形分100質量部に対して、架橋剤(東洋インキ社製:BXX5627)を0.75質量部、架橋促進剤(トーヨーケム社製:BXX−3778−10)を0.003質量部、架橋遅延剤(トーヨーケム社製:BXX5638)を0.001質量部加え、酢酸エチルにて固形分濃度が39質量%の溶液となるように希釈攪拌し、粘着剤組成物Aを得た。
<粘着剤組成物Bの調製>
架橋促進剤の添加部数を0.003質量部から0.781質量部に、架橋遅延剤の添加部数を0.001質量部から0.013質量部に変更した以外は粘着剤組成物Aと同様にして粘着剤組成物Bを得た。
<粘着剤組成物Cの調製>
攪拌機、還流冷却器、逐次滴下装置、温度計を備えた反応装置に、酢酸エチル150質量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.75質量部を仕込んだ。次いで、別の容器にアクリル酸n−ブチル(BA)510質量部、アクリル酸(AA)60質量部、メタクリル酸2−エチルヘキシル(2EHMA)30質量部からなる単量体混合液600質量部を準備し、このうち150質量部を反応装置に仕込み、加熱し、還流温度で30分間還流を行った。次いで、還流温度条件下で単量体混合液の残り450質量部と酢酸エチル35質量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.03質量部を120分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後更に120分間の重合反応を行った。その後、酢酸エチル15質量部とt−ブチルパーオキシピバレート1.0質量部の混合液を40分にわたって逐次滴下し、更に200分間重合反応を行った。反応終了後、酢酸エチルにて固形分50質量%に希釈し、(メタ)アクリル共重合体(X)の溶液を得た。(メタ)アクリル共重合体(X)の重量平均分子量は500,000であった。なお、(メタ)アクリル共重合体(X)の重量平均分子量(Mw)は、THF(テトラヒドロフラン)に溶解した試料をGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
上記の通り得られたアクリル共重合体(X)の固形分100質量部に対して、架橋剤(綜研化学社製:E−5XM)を0.06質量部加え、酢酸エチルにて固形分濃度が32質量%の溶液となるように希釈攪拌し、粘着剤組成物Cを得た。
<粘着剤組成物Dの調整>
アクリル共重合体(X)の固形分100質量部に対して、キレート架橋剤(川研ファインケミカル社製:アルミキレートA(W))を0.07質量部さらに添加した以外は粘着剤組成物Cと同様にして粘着剤組成物Dを得た。
(実施例1)
ロール状に巻回されている厚み75μmの剥離フィルム(東レフィルム加工社製:BX8A(07))を繰り出し、その剥離フィルムの剥離処理面上に、上記粘着剤組成物Aをリップコーターにより塗布し、100℃で1.5分間乾燥させ、剥離フィルムの上に厚さが15μmの粘着剤層を形成した。次いで、ロール状に巻回されている厚み23μmのフィルム基材(東レ社製:U403)を繰り出し、上記粘着剤層上に貼り合わせ、3インチの紙管に張力60Nで100m分巻き取って基材付粘着シート(積層シート)の巻回体を作製した。次に、上記巻回体を23℃、相対湿度50%の条件下で1週間保管した後、80m巻き出した位置で基材付粘着シートを5m採取した。
別途、ゲル分率等の測定用サンプルとして、基材レス粘着シートを作製した。上述した基材付粘着シートの作製において、剥離フィルム(東レフィルム加工社製:BX8A(07))を、厚み75μmの剥離フィルム(帝人フィルムソリューション社製:A71)に変更し、フィルム基材(東レ社製:U403)を、厚み75μmの剥離フィルム(帝人フィルムソリューション社製:A38ST)に変更した以外は上記基材付粘着シートと同様にして、基材レス粘着シートの巻回体を得た。
(実施例2)
粘着剤組成物Aを粘着剤組成物Bに変更した以外は実施例1と同様にして実施例2の基材付粘着シートと基材レス粘着シートを得た。
(実施例3)
粘着剤組成物Aを粘着剤組成物Cに変更した以外は実施例1と同様にして実施例3の基材付粘着シートと基材レス粘着シートを得た。
(実施例4)
粘着剤組成物Aを粘着剤組成物Dに変更した以外は実施例1と同様にして実施例4の基材付粘着シートと基材レス粘着シートを得た。
(比較例1)
剥離フィルムを(東レフィルム加工社製:BX8A(07))から、厚み75μmの剥離フィルム(帝人フィルムソリューション社製:A38ST)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の基材付粘着シートと基材レス粘着シートを得た。
(比較例2)
剥離フィルムを(東レフィルム加工社製:BX8A(07))から、厚み75μmの剥離フィルム(三菱ケミカル社製:MRV#75 V04−CT)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例2の基材付粘着シートと基材レス粘着シートを得た。
(比較例3)
剥離フィルムを(東レフィルム加工社製:BX8A(07))から、厚み100μmの剥離フィルム(東洋紡社製:E7002)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例3の基材付粘着シートと基材レス粘着シートを得た。
(比較例4)
剥離フィルムを(東レフィルム加工社製:BX8A(07))から、厚み75μmの剥離フィルム(藤森工業社製:75E−0010BD)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例4の基材付粘着シートと基材レス粘着シートを得た。
(比較例5)
剥離フィルムを(東レフィルム加工社製:BX8A(07))から、厚み75μmの剥離フィルム(ラボ社製:LaF−SB23−100.75T60)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例5の基材付粘着シートと基材レス粘着シートを得た。
(比較例6)
粘着剤組成物Aを粘着剤組成物Cに変更し、剥離フィルムを(東レフィルム加工社製:BX8A(07))から厚み75μmの剥離フィルム(三菱ケミカル社製:MRV#75 V04−CT)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例6の基材付粘着シートと基材レス粘着シートを得た。
(測定)
<うねり値(Wa)(複数視野)>
剥離フィルムのうねり値Wa[nm](複数視野)は以下のように測定した。まず、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードで剥離フィルムの露出面側を観察した。この際、5倍の対物レンズを用いて、4.5mmx4.5mmの範囲を観察して、複数視野(縦6枚x横8枚)を合成し、カットオフ値500μmでうねり値Wa[nm](複数視野)を算出した。
<表面粗さ(Sa)(単視野)>
剥離フィルムの表面粗さSa[nm](単視野)は以下のように測定した。まず、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードで剥離フィルムの露出面側を観察した。この際、5倍の対物レンズを用いて、0.9mmx0.7mmの範囲を単視野で観察し表面粗さSa[nm](単視野)を算出した。
<ゲル分率>
実施例及び比較例の基材レス粘着シートの巻回体から、基材レス粘着シートを60×100mmにカットした後、両面の剥離フィルムを剥がし、粘着剤層を金属メッシュ(150メッシュ)に包んだ。メッシュに包まれたサンプルを酢酸エチルに浸し、40℃で24時間放置した。取り出した粘着剤層を100℃で1時間乾燥させ、酢酸エチル浸漬前後の重量比率を算出し、下記式から塗工乾燥直後の粘着剤層のゲル分率を求めた。なお、粘着剤層の塗工直後のゲル分率と、基材レス粘着シートの巻回体を23℃、相対湿度50%の条件下で1週間保管した後のゲル分率の両方を測定した。
ゲル分率(%)=酢酸エチル浸漬後の粘着剤層の重量/酢酸エチル浸漬前の粘着剤層の重量×100
<貯蔵弾性率>
実施例及び比較例の基材レス粘着シートの巻回体を1週間保管し、基材レスシートの粘着剤層の厚みが120μmとなるように積層した。この積層粘着シートの貯蔵弾性率G’を、株式会社ユービーエム製のRheogel−E4000を用いて測定した。測定温度は23℃とし、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率G’(1Hz)を測定した。また、測定条件は、厚さ100μmの粘着剤層に対し、歪み1%、2℃/Minの条件とした。
(評価)
<外観>
実施例及び比較例の基材付粘着シートの剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層を黒アクリル板(三菱ケミカル社製)に貼合した。その後、蛍光灯の光を反射させて観察し、フィルム基材に写り込んだ蛍光灯の像の歪を以下の基準で評価した。
◎:フィルム基材に写り込んだ蛍光灯の像の歪がなく、ゆず肌の発生が完全に抑制されている。
○:フィルム基材に写り込んだ蛍光灯の像が僅かに歪んで見え、若干のゆず肌の発生があるが問題のないレベルである。
×:フィルム基材に写り込んだ蛍光灯の像が歪んで見え、ゆず肌が発生している。
<表面粗さ(Sa)(複数視野)>
実施例及び比較例の基材付粘着シートのフィルム基材の表面粗さSa[nm](複数視野)は以下のように測定した。まず、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードでガラス(松浪ガラス)に貼合した基材付粘着シートのフィルム基材表面を観察した。この際、5倍の対物レンズを用いて、4.5mmx4.5mmの範囲を観察して、複数視野(縦6枚x横8枚)を合成し、表面粗さSa[nm](複数視野)を算出した。
実施例で得られた積層シートにおいては、ゆず肌の発生が見られなかった。一方、比較例で得られた積層シートにおいては、ゆず肌の発生が見られた。
なお、例えば比較例5のように、剥離フィルムの表面粗さ(Sa)が比較的小さい場合においても、ゆず肌が発生することがわかり、ゆず肌の発生には剥離フィルムのうねり値(Wa)をコントロールすることが重要であることがわかった。
10 フィルム基材
20 粘着剤層
30 剥離フィルム
100 積層シート
200 剥離フィルム付き粘着シート

Claims (6)

  1. 粘着剤層の両面に剥離フィルムを備えた、剥離フィルム付き粘着シートであって、
    前記剥離フィルムの露出面の表面形状を、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードを用いて、うねり解析した際のうねり値が8nm以下である、剥離フィルム付き粘着シート。
  2. フィルム基材、粘着剤層及び剥離フィルムがこの順で積層された積層シートであって、
    前記剥離フィルムの露出面の表面形状を、株式会社菱化システム社製の白色干渉顕微鏡VertScan2.0のWaveモードを用いて、うねり解析した際のうねり値が8nm以下である、積層シート。
  3. 前記粘着剤層は、(メタ)アクリル共重合体を含む請求項2に記載の積層シート。
  4. 前記粘着剤層のゲル分率が20%以上である請求項2又は3に記載の積層シート。
  5. 前記粘着剤層の23℃、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率が7.5×104Pa以上である請求項2〜4のいずれか1項に記載の積層シート。
  6. 前記フィルム基材の厚みが38μm以下である請求項2〜5のいずれか1項に記載の積層シート。
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