本発明の特定の実施形態は、リトレッドされたタイヤおよびリトレッドされたタイヤを形成する方法(すなわちタイヤをリトレッドする方法)を含む。特定の実施形態では、コールドリトレッド作業により、それによって新しい予備硬化されたトレッドバンドはタイヤカーカスに接着される。タイヤカーカスは、交換を必要とする先在のトレッドを含む。また先在のトレッドは、本明細書において先在のトレッド層とも呼ばれる。リトレッドの必要性は、たとえば、過度の摩耗またはトレッドの損傷に起因して生じることがある。トレッドが摩耗すると、タイヤを横切って横方向にまたは縦方向に不均一に摩耗することが多い。トレッドは、一部の溝または他の間隙がもはや存在しない深さに摩耗することがあるが、多くの場合に少なくとも多くの間隙または溝は残存する。従来、先在のトレッドに残存するあらゆる間隙は、新しいトレッドを受領するために備えてリトレッド作業中に除去される。
本発明では、先在のタイヤトレッドまたは先在のトレッド層は、先在のトレッド層内に配置された間隙の少なくとも一部が残存するように維持される。これは、先在のトレッド層を完全に除去する、または溝を含むすべての間隙がもはや残存しない深さまで十分な量の層を除去することに代わるものである。より具体的には、本発明では、あるとしても、先在のトレッドの一部のみが、リトレッド工程によって生成される廃棄物の量を低減するために除去される。たとえば、依然として使用可能である先在のトレッド層内のトレッド材料は、従来のリトレッド方法に従って少なくとも相当量の層を除去する代わりに保存されてもよい。これは、除去される材料の量およびその除去に関連したあらゆる労力または費用を制限することにより、廃棄物を低減するだけでなく、これはリトレッド工程を完了するためにより薄いトレッドの生産を可能にすることにより、材料および費用の低減をもたらし得る。新しいトレッドを付着させる前に、先在のトレッド層内に残存する溝は、本明細書に論じられた方法に従って利用されても利用されなくてもよい、すなわち、材料費用の節約は、溝が除去される場合であっても、溝の下の材料のすべてではない、先在のトレッド層のあらゆる部分を保存するためにこれらの方法を利用することによって実現されることが可能である。
本発明の特定の実施形態では、タイヤをリトレッドするための方法は、リトレッドのためのタイヤカーカスを提供するステップを含み、タイヤカーカスは、横方向にタイヤを跨いで幅方向に延びる先在のトレッド層を有し、トレッド層は、地面に係合するために先在のトレッド層の外側からトレッド層厚さに延びる1つまたは複数の間隙を含む。上述のように、リトレッドのためのタイヤは、先在のトレッド層を含む。先在のトレッド層は、そこからトレッド層が摩耗する、地面係合する外側を有していた。外側は、地面に係合するための表面領域、およびタイヤの作動中、水、雪、泥などを受領できる表面間隙を含む。トレッド層が不均一な摩耗を含む場合は、先在のトレッド層は可変の厚さを有する。先在のトレッド層は、その外側から先在のトレッド層の厚さに延びる間隙をさらに含んでもよい。このような間隙は、概して窪みを先在のトレッド層の外側に沿って形成し、縦もしくは横溝または縦もしくは横サイプなどの先在のトレッド層の中に製造されたあらゆる間隙を含んでもよい。溝はあらゆる数の方法でタイヤカーカスの横中心線を中心に配置されてもよいので、先在のトレッド層の深さまたは厚さは、トレッドの長さに沿って縦方向に延びるトレッド幅の中心線を中心に対称であっても、または非対称であってもよい。さらに、外側の地面係合する側部に沿った摩耗は不均一であってもよいので、別の対称の深さの先在のトレッド層は、不規則な摩耗に起因する非対称であってもよい。
このような方法は、接着層を付着させるステップの前に、先在のトレッド層の少なくとも一部を外側から所定の深さまで除去するステップをさらに含んでもよい。タイヤのリトレッドに備えて、先在のトレッド層の一部は、あらゆる所望の形状または外形を有する先在のトレッド層の外側を達成し、あらゆる所望の新しいトレッドの挿入を収容するために、先在のトレッド層のあらゆる所望の深さまで除去されてもよい。除去は、概して残骸もしくは他の異物の表面をきれいにするなどのために最小であってもよく、または新しいトレッド層、およびリトレッドタイヤを組み立て、形成するために利用されるあらゆる他の層を収容するため必要に応じてより多くてもよい。このような除去は、材料除去工程を材料除去デバイスで実行することによって達成されてもよい。このようなデバイスは、当業者に利用され得る公知の、先在のトレッド層の厚さを除去するためのあらゆる手段を含んでもよい。たとえば、研磨または切断作業は、研磨具または切断具を使用して実行されてもよい。研磨具は、研磨回転円盤またはドラムを備えてもよい。切断具は、ブレードまたはナイフを備えてもよい。特定の実施形態では、材料の厚さは、先在のトレッド層の全幅に沿って除去される。他の実施形態では、トレッド材料は、1つまたは複数の異なる場所で先在のトレッド層の幅に沿って除去される。各場所で、異なる量または厚さの材料が所望に応じて除去されてもよい。場合によっては、積層されたトレッド材料の複数のストリップを有する新しいトレッドを形成する際に、概ね積層された配置のストリップの全厚さに等しい、先在のトレッド層の厚さが除去されてもよい。また、縦溝および/または横溝などのあらゆる間隙を包囲する材料は、除去するステップにおいて除去されてもよいことも理解される。このような場合は、間隙は、接着層および/または新しいトレッドの付着を収容するために、必要に応じて再成形される、広げられる、かつ/または深くされてもよい。得られる先在のトレッド層は、トレッドまたはタイヤの中心線を中心に対称であっても、非対称であってもよく、かつ/または可変の厚さのトレッド層がもたらされてもよい。一部の実施形態では、十分な材料のみが、先在のトレッド層またはその一部から除去されて、そこに材料の接着を容易にするために表面を粗面化してもよく、したがって層の先在のトレッドのすべて、またはその一部を基本的に保存することが理解される。
このような方法の特定の実施形態は、接着層を先在のトレッド層の外側に沿って付着させるステップをさらに含んでもよい。接着層は、硬化可能なあらゆるエラストマー材料またはポリマー材料、すなわち加熱の適用で加硫され得る材料を概して含む。特定の実施形態では、接着材料は未硬化のトレッド材料である。接着層は、その上に予備硬化されたトレッド層(すなわち予備硬化されたトレッドバンド)が付着されてもよい面を形成する外側を提供するための機構として作用してもよい。たとえば、接着層は、あらゆる間隙、過剰な摩耗場所、または概して平坦である、もしくはその上に予備硬化されたトレッド層が付着され得る、起伏のある表面を形成する接着層の外側を達成するために、先在のトレッド層の外側に沿って配置された他の異常な部分を実質的に充填してもよい。また、接着層は、予備硬化されたトレッド層を先在のトレッド層および/またはタイヤカーカスに接着することを容易にし得る。予備硬化されたトレッド層の低側部は、突起または窪みを有するタイヤカーカスに接着するための低側部を有してもよく、または低側部が平坦であるか、もしくは概ね平滑に起伏のある表面を形成するように、概していかなる間隙がなくてもよい。接着層の外側または予備硬化されたトレッドバンドの低側部のいずれかに関連して、間隙がその上に存在しない際は、このような間隙は、そうでなければ横溝または円周の溝を形成するはずである顕著な間隙である。これは、各表面に間隙がない、または平滑な起伏であるが、表面組織は各表面上に存在し得ることを意味する。したがって、特定の実施形態では、付着させるこうしたステップは、接着層を先在のトレッド層の外側に沿って付着させることを含み、接着層は、予備硬化された接着層を受領するために外表面を提供するように、先在のトレッド層の外側に沿って配置された間隙を実質的に充填する。
特定の実施形態では、接着層は、接着層材料のシートまたはストリップを先在のトレッド層の外側の上に付着させることによって形成され、これは、先在のトレッドの一部がタイヤカーカスに除去された際などに、タイヤカーカスの一部への付着を含んでもよい。シートまたはストリップは、未硬化であるか、または予備硬化されるか、もしくは部分的に硬化されてもよい。シートまたはストリップは、一定の厚さまたは可変の厚さを有してもよい。たとえば、可変の厚さは、不均一もしくは過剰な摩耗のあらゆる場所、および/またはこのような先在のトレッド層の外側から先在のトレッド層の厚さに厚み方向に延びるあらゆる間隙を実質的に充填してもよい。深さ方向は、概して厚さが延びる方向、すなわち換言すると、概して厚さの対向する側部の間に延びる方向を意味する。シートまたはストリップは、所望の横方向(すなわち幅方向)の断面厚さもしくは外形を達成するために、押し出されるかつ/または光沢を付けられてもよい。シートまたはストリップは、先在のトレッド、もしくは予備硬化されたトレッド層の所望のリトレッドされたタイヤトレッドの全幅、または全幅より狭いあらゆる幅にほぼまたは実質的に延びでもよい。ストリップは、必要に応じて先在のトレッド層および/またはタイヤカーカスの幅を横切って、特定の場所に付着されてもよいので、ストリップはシートより幅が狭くてもよい。
より具体的な実施形態では、接着層は接着層材料の複数のシートまたはストリップを形成し、これは一定または可変の厚さであってもよい。たとえば、複数の全幅のシートは、接着層の厚さを合計厚さに構築するために付着されてもよい。さらに、先在のトレッド層の厚さは、たとえば、不均一な摩耗などに起因して、横方向または縦方向に変化し得るので、トレッドの幅または長さの異なる部分は、所望の合計厚さを達成するために、異なる量の接着層のストリップの付着を必要とすることがある。これらの異なる部分は、たとえば縦溝または円周の溝などによって、横方向もしくは縦方向に形成されるか、または画定されてもよい。1対の縦溝の間の領域は、リブと呼ぶことができる。リブはソリッドであってもよく、すなわちリブは縦方向に連続して延びることができ、または2つ以上のトレッド要素に分割されることができ、トレッド要素は、縦溝の各対を連結するために、横溝がリブの幅を跨いで横方向に延びる際に形成される。接着層の厚さを複数の予備硬化されたシートまたはストリップで形成する際、硬化可能な接着剤(すなわち、加硫できる接着剤)は、各シートまたはストリップの頂部および底部に沿っており、各シートまたはストリップが隣接したシートまたはストリップ、先在のトレッド層および/もしくはタイヤカーカス、または予備硬化されたトレッドバンドに接着することを促進する。
他の実施形態では、接着層は先在のトレッド層の外側および/またはタイヤカーカスの上に押し出される。押し出された接着層は、初めは未硬化である。接着層の全幅は、先在のトレッド層および/またはタイヤカーカスの上に押し出されてもよく、これは、間隙またはあらゆる場所の不均一な摩耗の窪みなどの、先在のトレッド層および/またはタイヤカーカス内のあらゆる窪みを充填してもよい。別法として、接着層は各リブ上に個別に押し出されてもよく、その結果あらゆる縦溝は、あらゆる接着層材料が実質的にないままである。またこれは、接着層が接着層内の異なる厚さを有する個別のリブなどに沿って、先在のトレッド層および/またはタイヤカーカスの異なる部分に沿って形成されるので、可変厚さの接着層の形成を促進する。接着層は、中間トレッド層を成形するために以下に検討されるあらゆる手法または方法などにおいて、新しいトレッド層の付着前に、成形されてもよい。
このような方法は、予備硬化されたトレッドバンドを付着させるステップの前に、接着層を成形するステップをさらに含んでもよい。予備硬化されたトレッドバンドが接着層の外側の露出された面の上に付着される前に、接着層は、接着層がタイヤカーカスに付着された後成形されてもよい。たとえば、成形するステップは、鋳造作業によって実行されてもよい。鋳造工程は、概して環状金型を接着層の外側の環状側部を中心に配置することを含む。金型は、断片に環状に分割される、かつ/または対向する横に半分ずつの金型に横方向に分割される金型などの、あらゆる公知の金型を含んでもよい。金型は、あらゆる所望のパターンの表面および/または窪みを接着層に沿って形成するために、あらゆる配置の形体を含んでもよい。また形体は、接着層の外側に沿って配置された、あらゆる既存の窪みの中に挿入するために配置されてもよい。たとえば、金型は、その上に接着層が押し出されるように、リブ間に先在する縦溝を形成するための形体を含んでもよい。また金型は、連続した表面を接着層の外側に沿って提供するために、いかなる間隙を形成する形体がなくてもよい。また金型は、回転するかまたは接着層に沿って回り、接着材料を先在のトレッド設計の間隙の中に押すことを含み得る成形力の適用で、接着層表面を成形するように構成されたローラからなることが可能であり、または成形するステップは、そのようなローラによって実行されてもよい。ローラは、一定直径でもよく、または直径が縦方向に変化する起伏のあるローラを含んでもよい。ローラは、特定の実施形態では、加熱のあらゆる公知の手段によって加熱されてもよく、この手段はローラの厚さ内に配置された、1つまたは複数の電気的抵抗加熱要素を使用することを含む。また加熱は、あらゆる公知の加熱源を使用して、伝導、対流、または放射によって達成されてもよい。
成形は、熱間成形および冷間成形を含んでもよい。熱間成形は熱を利用し、熱は加熱された金型などによりトレッドに加えられる。また熱間成形は、接着層が十分な期間十分な温度に曝される場合、接着層の硬化または加硫が達成され得る。冷間成形は、概して大気温度(たとえば室温)で実行される成形を含む。
熱間成形は、接着層材料の所望の流れを金型内でより良好に促進するために、接着層の延性を増加することが望ましい際に実行されてもよい。また熱間成形は、予備硬化されたトレッドバンドの付着前に、接着層を少なくとも部分的に硬化するよう望まれる際に実行されてもよい。たとえば、特定の実施形態では、接着層の厚さが接着層材料の複数のシートまたはストリップを備える際、層の接着は、予備硬化されたトレッド層の付着前に望まれてもよい。特定の一例では、接着層シートまたはストリップは未硬化であるが、別の例では、接着層シートまたはストリップは、深さ方向に配置された隣接したシートまたはストリップの間に配置された接着剤で予備硬化される。いずれの例においても、熱間成形は、予備硬化されたトレッドバンドの付着前に、すべての層、シートおよび/またはストリップを一緒に少なくとも部分的に接着するために、先在のトレッド層およびタイヤカーカスの上に配置された接着層上で実行されてもよい。同じ理由により、熱間成形は、押し出された接着層上で実行されてもよい。いかなる接着層も未硬化である場合は、冷間成形は、未硬化の接着層材料が大気温度で変形可能である(すなわち流動可能である)場合、このような接着層上で実行されてもよい。
このような方法は、予備硬化されたトレッド層を付着させるステップの前に、中間トレッド層を接着層の外側に沿って形成するステップをさらに含んでもよい。先在のトレッドに沿った場所は、他より薄くてもよいことが公知である。このような場所は、たとえば過剰摩耗の結果である場合がある。したがって、所望の厚さの最終のリトレッドされたタイヤトレッドを提供するために、追加のトレッド材料をこれらのより薄い場所の上に先在のトレッド層に沿って提供する必要がある場合がある。新しい硬化されたトレッド層は、追加のトレッド材料を先在のトレッド層のより薄い場所内に向ける、可変の厚さの新しいトレッド層を提供するように成形され変えられてもよい一方で、中間トレッド層は、概して新しいタイヤトレッド層と先在のトレッド層との間に配置されてもよい。この中間トレッド層を提供することにより、より標準化された新しいトレッド層がタイヤ毎により一貫して利用され得、タイヤ毎のタイヤ摩耗におけるあらゆる変形は、中間トレッド層を変化させることにより、収容されるかまたは構成されてもよい。この中間トレッド層は、あらゆる所望の厚さの未硬化のトレッド材料の層を、あらゆる所望の横位置で押し出すことによって形成されてもよい。トレッド層は、天然ゴムまたは合成ゴムを含む、あらゆる所望の硬化可能なエラストマー材料またはポリマー材料を含む。トレッド層材料は接着層材料に類似している場合があるが、接着層材料は、より高い密着性を達成させるために合成される、すなわち換言すると構築される一方で、トレッド層材料は、摩耗性を改善するために合成される。接着層材料は、十分な摩耗後にタイヤ作動中に露出され得るので、接着層材料は、十分な密着を提供しながら、改善された摩耗性を提供するために合成されてもよい。他の実施形態では、中間トレッド層は、トレッド材料の1つまたは複数のストリップをあらゆる所望の横位置に積層することによって形成されてもよい。複数のストリップが接着層の厚さに対する際、各ストリップは接着層の厚さの副層を形成する。
ストリップは、予備硬化された、または未硬化のトレッド材料を含んでもよい。ストリップは、それぞれが同じ所定の厚さを有してもよく、または異なる厚さのストリップが提供されてもよい。厚さは一定であっても可変であってもよい。したがって、特定の実施形態では、中間トレッド層は、トレッド材料の複数のストリップで形成され、中間トレッド層の厚さは積層された構成において配置された複数のストリップの1つまたは複数を含む。さらに、中間トレッド層を形成するステップのさらなる実施形態は、タイヤカーカスに対して異なる横位置および/または縦位置に積層された構成における複数のストリップの1つまたは複数を配置することを含み、異なる横位置のそれぞれは、先在のトレッド層の長さ方向において縦方向に延びる縦溝によって分離される。中間トレッド層が予備硬化されたストリップまたはシートから形成される場合に、ストリップの接着を互いに促進する実施形態では、中間トレッド層を形成するステップは、中間トレッド層の各副層間に接着層を形成することを含み、複数のストリップのそれぞれは、予備硬化されたトレッド材料を含む。新しいトレッドの付着前に、積層されたストリップから形成された接着層を接着することが望ましい実施形態では、このような方法は、予備硬化されたトレッドバンドを接着層の外側に沿って付着させるステップの前に、中間トレッド層を一緒に接着するステップ、および中間トレッド層を接着するステップの後に、中間トレッド層と予備硬化されたトレッド層との間に接着層を配置するステップをさらに含んでもよい。接着するステップは、熱間成形工程などのあらゆる公知の硬化または加硫工程によって実現されてもよいことが理解される。
このような方法は、予備硬化されたトレッドバンドを付着させるステップの前に、中間トレッド層を成形するステップをさらに含んでもよい。予備硬化されたトレッドバンドが付着される前に、中間トレッド層は、特定の新しいトレッド層、および恐らく新しいトレッド層の付着前に接着層を、受領するように成形されてもよい。成形するステップは、接着層を成形することに関連して上に論じられ、もしくは企図されたあらゆる方法、機構、または手段によって実行されてもよい。
このような方法は、接着層が予備硬化されたトレッド層と先在のトレッド層との間に配置されるように、予備硬化されたトレッド層を接着層の外側に沿って付着させるステップをさらに含んでもよく、予備硬化されたトレッド層は、トレッドバンドの地面係合する側部を形成する前面と接着層の上に配置された裏面との間に延びる厚さを有する。予備硬化されたトレッド層は、概してリトレッドされたタイヤトレッドの最終の外層を形成する。予備硬化されたトレッド層の外側は、概してリトレッドタイヤの外面の地面係合する側部を形成する。したがって、予備硬化されたトレッド層の外側は、たとえば縦溝、横溝、および横サイプなどのトレッド間隙のあらゆる所望の配置を含んでもよい。このような間隙は、概して予備硬化されたトレッド層の外側に沿って窪みを形成する。特定の実施形態では、予備硬化されたトレッドは、トレッド間隙を有さなくてもよく、または所望の間隙の一部のみを有してもよく、その結果追加の間隙は、リトレッドされたタイヤトレッドが硬化された後に形成されてもよい。あらゆる公知の接着剤は、接着層が予備硬化される際などに、その間の適切な接着を促進するために、予備硬化されたトレッド層と接着層との間に配置されてもよい。接着剤は、硬化可能であるか、または加硫されることが可能である。したがって、このような方法のさらなるステップは、リトレッドされたタイヤトレッドを有するリトレッドされたタイヤを形成するために、予備硬化されたトレッド層をタイヤカーカスに接着するステップを含んでもよい。特定の実施形態では、このようなステップは、予備硬化されたトレッドバンドを接着層に接着すること、およびリトレッドされたタイヤトレッドを形成するために、接着層を先在のトレッド層に接着することを含んでもよく、リトレッドされたタイヤトレッドは、予備硬化されたトレッドバンド、接着層、および先在のトレッド層を含む。接着するステップは、予備硬化されたトレッド層を接着層に硬化する、ならびに接着層を先在のトレッド層および/またはタイヤカーカスに硬化する、あらゆる公知の手段によって達成されてもよい。たとえば、組み立てられたリトレッドされたタイヤカーカスは、少なくとも部分的に硬化膜内に包含されてもよく、硬化膜は密封され、オートクレーブまたは他の硬化容器内に一緒に置かれる。組み立てられたトレッド層と硬化膜との間に配置された空間は真空圧下に置かれ、硬化容器内の硬化チャンバは加熱され加圧されて、組み立てられたトレッドをリトレッドされたタイヤトレッドおよびタイヤカーカスに硬化されてリトレッドされたタイヤを形成する。接着するステップを実行するための他の方法は当業者には公知であり、方法のそれぞれは、このステップを達成するために実行されてもよい。
このような方法は、溝をリトレッドされたタイヤトレッド内にリトレッドされたタイヤトレッドの地面係合する外側に沿って形成するステップをさらに含んでもよい。特定の実施形態では、このようなステップは、溝をリトレッドされたタイヤトレッド内に形成するステップをさらに含んでもよく、溝は先在のトレッド層の中に目標深さに延び、先在のトレッド層材料は、リトレッドされたタイヤトレッドの先在のトレッド層内に目標長さに届くまで除去される。この目標深さは、先在のトレッドの元の溝底部の深さと一致してもよい。一旦複数の層の組み立てられたトレッドがリトレッドされたタイヤトレッドを形成するために硬化されると、溝は、硬化されたリトレッドされたタイヤトレッド内に形成されてもよい。このような溝は、リトレッドされたタイヤトレッドの地面係合する外側に沿って形成された、あらゆる縦溝または横溝を含んでもよい。このような溝を形成することは、先在の溝をリトレッドされたタイヤトレッド内で拡大すること、または再成形することを含んでもよい。溝を拡大することは、溝を広くすること、かつ/または溝をリトレッドされたタイヤトレッドの厚さの中に所望の厚さまでさらに延長すること(すなわち深くすること)を含んでもよい。また溝は、形成するステップの一部として長くされてもよく、かつ/または再成形されてもよい。特定の場合には、溝の後の形成を誘導するために、溝位置のみが金型内に形成されていてもよい。特定の実施形態では、形成するステップは、予備硬化されたトレッドバンドの1つまたは複数の溝が、さらにリトレッドされたタイヤトレッドの厚さの中に、先在のトレッド層内に配置された最終の深さまで延びることを含む。形成された溝、または溝の形成された一部は、事前に接着層材料で充填された先在の接着層のあらゆる先在の溝と一致してもしなくてもよい。このような方法は、研磨(すなわちバッフィングもしくはグラインディング)または切断作業などの、あらゆる公知の手段によって実行されてもよい。特定の実施形態では、溝を形成するステップは、所望の断面形状を有する加熱された切断ブレードを使用することを含み、加熱されたブレードは、リトレッドされたタイヤトレッドの一部を除去するために、リトレッドされたタイヤトレッドの厚さに挿入される。
次に、上に論じられた方法の特定の実施形態が、このような方法の特定の実施形態の実行を例示する、本明細書とともに出願された図に関連して以下にさらに詳述される。
図1を参照すると、例示的摩耗タイヤ10の部分断面図が示されている。破線12oは、元の厚さToを有する元のトレッド外形を示し、Toは、先在のトレッド層の外側14と内側15との間に延びる、可変厚さTwを有するタイヤカーカス18の頂部上に、先在のトレッド層12を提供するために摩耗された。用語「先在のトレッド」は本明細書に使用される場合、用語「先在のトレッド層」と同義である。上述のように、先在のトレッド層12は、タイヤの中心線CLに対して対称であっても、非対称であってもよい。実施形態に示されたように、不均一な摩耗は、非対称の先在のトレッド層12を提供した。示された先在のトレッド層12は、先在の層の外側に沿って配置された間隙16を含む。間隙16は、外側から先在の層の厚さに延びる。示された実施形態では、間隙は、トレッド12の長さ方向およびタイヤ10を中心に円周方向に縦に延びる縦溝を含む。他の変形形態では、間隙16は、あらゆる縦サイプを含むあらゆる他の間隙、またはそれぞれが横方向にトレッド幅Wに渡って縦方向に延びるあらゆる横溝またはサイプを含んでもよい。また先在のトレッド層12は、深さTwが外側14と内側15との間に一定のままではないように、不均一な摩耗に曝されていてもよい。このような不均一な摩耗は、下地点17を外側14に沿って形成してもよい。また下地点17は損傷から得てもよい。
タイヤカーカス18は補強パッケージ20を含む。先在のトレッド層12は、補強パッケージ20の上に配置される。縦溝16はトレッド層12の全深さに延在してもよいが、図1は、通常トレッドの底部の上に距離をおいてずれる、または隆起する溝16を提供する。この距離は、通常溝の深さまたは厚さの下のトレッドと呼ばれる。
リトレッドが必要なタイヤを受領すると、先在のタイヤトレッドは、リトレッドのために準備されてもよい。一旦先在のトレッド12がリトレッドのために準備されると、先在のトレッドは、準備されたトレッド層12’と呼ばれ、12’は、図2の特定の実施形態に示されている。リトレッド準備は、概してトレッドタイヤをたとえば溶媒などで洗浄することを含んでもよい。また準備は、先在のトレッド層12の少なくとも一部を、あらゆる公知の材料除去作業または工程を実行することなどにより、除去することを含んでもよい。たとえば材料除去作業は、研磨または切断作業を含んでもよい。一般の研磨作業はバッフィングであり、バッフィングは回転研磨円盤またはドラムを先在のトレッドの外側14に当てることを含む。
図2を参照すると、トレッド12の所定の厚さは、特定の形状の新しいトレッドを受領し、所望のリトレッドされたタイヤトレッドを形成するために、所望の目標深さDに達するまで除去されてもよい。したがって、トレッド材料のあらゆる厚さは、準備されたトレッド層12’を形成するために、先在のトレッド12の深さWに沿って除去されてもよい。たとえば、トレッドの一定の厚さまたは可変の厚さは、先在のトレッド12から除去されてもよく、そのそれぞれにより、一定または可変の目標深さをタイヤカーカスの上に延在する、外側を有する準備されたトレッド層12’がもたらされてもよい。図2を参照すると、一定の目標深さは提供されるが、トレッドの一部は、目標深さ、すなわち溝16および過剰に摩耗した部分17を超えて延びる。これにより、可変の厚さの準備されたトレッド層12’がもたらされる。特定の一実施形態では、先在のトレッド12の厚さは、各溝16の厚さが約3ミリメートルの深さであるように除去される。図2に示されていないが、溝もまた、接着層材料および/または新しいトレッド材料などの、リトレッド作業中に準備されたトレッド層の頂部上に配置され得る、あらゆる新しい材料を収容するために広げられるかつ/または深くされてもよいことが留意される。また、ある特定の実施形態では、接着層または他の材料を受領する前に、先在のトレッド層12からトレッド材料がほとんど、またはまったく除去されなくてもよいことも留意される。
一旦先在のトレッド層が、もしある場合は、任意の所望の厚さのトレッド材料を除去することによって準備されると、1層の接着材料が、先在のトレッド層の、または準備されたトレッド層の外表面に沿って付着されて、接着層を形成する。接着層は、リトレッドされたタイヤトレッドを形成するために、(先在のトレッド層内または準備トレッド層内のいずれかの)先在のトレッド材料と付着される新しいトレッド材料との間の接着を促進する。図3を参照すると、接着層22が、図2の準備されたトレッド層の頂部上に押し出されて示されている。接着層を準備されたトレッド層12’、あらゆる間隙16、または外側14’に沿って配置された下地点17の上に押し出すことにより、実質的に接着層材料で充填され得る一方で、あらゆる所望の構成を含む接着層外側24を依然として提供する。あらゆる所望の構成は、あらゆる溝、間隙、または新しいトレッド層の低側部と相互作用もしくは嵌合する他の窪みを含んでもよい。図3に示された実施形態では、外側14’は平滑に起伏があり、いかなる窪みまたは他の異常部分もない。接着層の低側部26は、先在のトレッド層12の外側14に沿って配置される。押出作動は、あらゆる公知の押出機28によって実行されてもよく、押出機28は縦溝16の間にトレッドリブまたは構成要素に沿って押し出す際などに、トレッドの全幅またはトレッドのあらゆる部分の幅を押し出してもよい。
図4を参照すると、接着層22の形成に続き、新しいトレッド層30は、組み立てられたリトレッドされたタイヤ10’を形成するために、接着層22の頂部上の接着層外側24上に配置される。新しいトレッド層30は、当業者に公知のあらゆる手段によって形成されてもよい。たとえば、新しいトレッド層30は、鋳造作業によって形成された予備硬化されたトレッド層を含んでもよい。さらなる例により、新しいトレッド層30は、複数の副層の頂部上に互いに積層することによって形成されてもよく、副層は、未硬化のトレッド材料または各副層の間に配置された接着層材料を有する硬化されたトレッド材料を含んでもよい。
新しいトレッド層30は、地面係合する側部を形成する外側32と、接着層を介して先在のトレッド層および/またはタイヤカーカスに接着するための内側34の間に延びる厚さT30を有する。新しいトレッド層30は、所望に応じて構成されてもよい。たとえば、外側32および/または内側34は、新しいトレッド厚さに延びる1つまたは複数の間隙36を含んでもよい。このような間隙36は、たとえば、縦溝もしくは横溝または縦サイプもしくは横サイプを含んでもよい。元の新しいタイヤと同じ滑材または溝の深さを達成するために、新しいトレッドは、先在のトレッド内に維持された厚さの量によってより薄くなることが可能であり、必要とされる新しいトレッド材料の量を低減する。
間隙36は、所望に応じて成形され、新しいトレッド層30内に配置されてもよい。たとえば、あらゆる間隙36は、先在のトレッド層12内に配置され、接着層材料で充填されたあらゆる間隙16と位置合わせされても、または位置合わせされなくてもよい。たとえば、図4を参照すると、新しいトレッド層30内に配置された外側縦溝36は、距離Δ離れて先在のトレッド層12内に配置された、対応する充填された溝16と横方向にずれて位置合わせされて形成されているが、中心または中間溝36は、先在のトレッド層内の対応する溝16と位置合わせされている。いずれにしても、形成されたあらゆる溝は、先在のトレッド層内に配置されたあらゆる溝と位置合わせされても、されなくてもよい。
一旦組み立てられたリトレッドされたタイヤ10’が形成されると、新しいトレッド層30は、あらゆる公知の硬化または接着工程によりタイヤカーカス18に接着される。たとえば、硬化膜は、組み立てられたリトレッドされたタイヤの外側の周囲、および最低限でも組み立てられたトレッドの周囲に置かれ、組み立てられたトレッドは、新しいトレッド層30、接着層22、および先在のトレッド12を含む。また新しいトレッド層30の外側の周囲に延在する金型を利用する熱間成形作業は、新しいトレッド層30が未硬化である場合などに利用されてもよい。
図5を参照すると、組み立てられたリトレッドされたタイヤ10’が接着されたか、または硬化された後、リトレッドされたタイヤ10''はトレッド層12''を有して形成される。先在のトレッド層12内に配置されたあらゆる先在の溝16または他の間隙は、接着層22によって充填されているので、リトレッドされたタイヤトレッド層12''内に配置されたあらゆる溝または間隙36は、元の溝16の深さ、すなわち先在のトレッド層12内の溝16の深さまで延びない。したがって、あらゆる溝または他の間隙16''が先在のトレッド層12内の同様の深さまで延びるために、トレッド材料は、間隙16''を形成するため、または最終の間隙16''を形成するために、新しいトレッド層30内に配置された間隙36をリトレッドされたタイヤトレッド12''より深く延ばすために、リトレッドされたタイヤトレッド12''から除去されなければならない。そうすることで、接着層22は、接着層が溝を形成する表面の一部を形成するように、間隙16''に露出される。これは図5における例によって示されている。間隙16''は、先在のトレッド12の厚さ内に延在してもよいが、先在のトレッドは、間隙16''が先在のトレッドの厚さ内に形成された間隙16内で終了する際などに、間隙16''に露出されなくてもよい。これは、図5における中間間隙16''を参照して例によって示されている。当然のことながら、間隙16内で全体が終了しない場合は、間隙16''は、図5における残存の間隙16''を参照して例によって示されているような、先在のトレッド層12を露出してもよい。
したがって、縦溝もしくは横溝または縦サイプもしくは横サイプなどのあらゆる間隙16''は、所望に応じてリトレッドされたタイヤトレッド12''の中に形成されてもよい。たとえば、新しいトレッド層30が、縦溝および/または横溝を含む1つまたは複数の間隙36を含む場合に、間隙16''は、間隙36がリトレッドされたタイヤトレッド12''により深く延び、存在するあらゆる接着層を通り、最終的に新しいトレッド層30から先在のトレッド層12に延びることによって形成されてもよい。さらに最終の間隙16''をリトレッドされたタイヤトレッドの中に追加または形成することは、あらゆる間隙16''を広げること、長くすること、あるいは再成形することを含んでもよい。さらなる例により、たとえば、新しいトレッド層30がいかなる間隙36も含まない場合のような、そうでなければ新しいトレッド層30内に存在しない間隙を追加するよう望まれる際に、1つまたは複数の間隙は、接着または硬化作業後に、新しいトレッド層30内およびリトレッドされたタイヤトレッド12''の中にあらゆる所望された深さに形成されてもよい。図に示されたように、リトレッドされたタイヤトレッドの中に形成された各間隙16''は、接着層を露出し、それによって接着層は、リトレッドされたタイヤトレッド内に形成された各溝の表面の一部を形成する。
新しいトレッド層の付着後、溝などの間隙をリトレッドされたタイヤトレッド内に形成するこの工程を利用することにより、溝もしくは他の間隙のあらゆるパターンまたは配置は、リトレッドされたタイヤ10''およびそのトレッド16''の中に形成されてもよい。トレッド16''に沿った間隙のこの配置は、元のタイヤトレッドまたは先在の層12内への間隙の配置と同じであっても異なってもよい。したがって、あらゆる元のまたは先在の間隙16に対して、新しい間隙16''は、距離Δずれて位置合わせされる図5において例によって示されている、横方向に異なって配置されてもよく、異なる幅を有してもよく、異なる深さに延びてもよく、かつ/または異なる経路でトレッド12''に沿って縦方向に延びてもよい。
溝16''の形成は、あらゆる手段によって実行されてもよい。図5を参照すると、このような手段は、加熱されたブレードまたはナイフ42を備える再溝切り機40を備える。ブレードは、溝16''の最終の断面形状を概ね表す外形を有するために断面成形されるが、他の実施形態では、あらゆる他の外形は、複数の経路を用具40で作成する際、またはトレッド12''の特定の部分を除去して溝16''を形成する際などに利用されてもよい。ブレードは、電気的抵抗またはあらゆる熱源からの伝導によるなどの、あらゆる公知の手段によって加熱されてもよい。また溝16''は、回転具によって形成されてもよく、回転具は、トレッド12''から材料を除去するために十分なブレード、エッジ、または研磨剤を含んでもよい。
下地点は、先在のトレッド層が過剰の摩耗または損傷に起因して生じ得る先在のトレッド層に沿って存在する場合、中間トレッド層は、下地点を充填するために使用されてもよく、また別法として新しいトレッド層を付着させる前に、新しいトレッドの厚さを提供してもよい。この中間トレッド層は、天然ゴムおよび合成ゴムを含むあらゆるエラストマー材料またはポリマー材料などの、あらゆるトレッド材料で形成されてもよい。中間トレッド層は、上に論じられたように、接着層を形成かつ/または付着させるために使用されるあらゆる手段を含む、中間トレッド層を形成かつ/または付着させるためのあらゆる公知の手段に従って、先在のトレッド層と新しいトレッド層との間に形成され配置されてもよい。たとえば、中間層は、回転または押出によって形成されてもよく、中間トレッド層の形成中、または該層の形成後にタイヤの上に直接付着されてもよい。したがって、中間トレッド層は、トレッドの全幅に延びても、またはリブもしくはトレッドに沿って配置されたトレッド要素に沿うなど、トレッドに沿って特定の場所に付着されてもよい。したがって、中間トレッド層は、中間トレッド層がタイヤの摩耗に基づいて必要に応じて付着されてもよいので、環状であってもまたは非環状であってもよい。さらに、中間層は環状部材で形成されても、または非環状部分もしくは断片を使用して組み合わせられてもよい。
図6を参照すると、例により、中間トレッド層38が示されている。この実施形態では、中間トレッド層は、先在のトレッド層12の上にその外側14に沿って押し出された、未硬化のトレッド材料を含む。具体的には、中間トレッド層は、各リブ19の外側に沿って押し出され、リブは、縦溝を備える1対の間隙16の間に環状に配置された1つまたは複数のトレッド要素を含む。押出工程は、図6に示された例示として、個別に各リブに沿って、または図3において実行される押出工程と同様に、トレッドの全幅を横切って延在する押出機により各リブに沿って同時に実行されてもよいが、ガイドが配置されても、またはこのような各溝の中への中間トレッド層材料の配置を概ね制限する、または部分的に制限するために、各縦溝内に配置されなくてもよい。中間層が形成される前に、先在のトレッド層12が準備されても、上に論じられたように準備された先在のトレッド層12’を備えるために準備されなくてもよい。
図9を参照すると、さらなる例により、中間トレッド層38は、トレッド材料の1つまたは複数のストリップ39を先在のトレッド層12の頂部上に配置することによって形成される。ストリップ39は未硬化のトレッド材料を含んでもよく、または硬化されたトレッド材料を含んでもよい。示された実施形態では、ストリップ39は均一の一定の厚さを有し、それによって先在のトレッド層は、一定量のストリップが特定の合計厚さT38を達成するために、各リブ上に積層され得るように、十分なトレッド材料を各リブ19に沿って除去することによって準備される。先在のトレッド層の対応するリブとの組合せにおいて、ストリップの各積層は合計厚さT19'を有する中間リブ19’を形成する。各中間リブ19’の厚さは、所望の合計厚さを有するリトレッドされたタイヤトレッド12''を形成するために、新しいトレッド層30の対応する厚さと協働するように形成される。異なる量の積層されたストリップ39を付着させることによって、トレッド中心線を中心に非対称に配置された、異なる厚さのリブを有する先在のトレッド層12は、より厚いリブを最も薄いリブの厚さに、または対称の厚さの先在のトレッド層を形成する厚さに低減するために、トレッド材料を人為的に除去することなく使用されてもよい。新しいトレッド層の取付けを促進するために先在の層から除去された材料の量を低減することによって、廃棄された材料が低減される。
必要に応じて、中間トレッド層は、成形された中間トレッド層を形成するために、新しいトレッド層の付着前に成形される、かつ/または接着されてもよい。成形は、中間トレッド層を形成する材料を成形するための手段により手動または自動で実行されてもよい。たとえば、図7Aを参照すると、金型50は、中間トレッド層38の外側表面および所望に応じてあらゆる溝16、16’の中に、手動または自動で付着され、金型は、中間トレッド層を対応する所望の形状に形成するために、成形された空洞52を有する。金型50は、中間トレッド層38が十分に変形可能である場合、加熱されるか、または室温に維持されてもよい。たとえば、中間トレッド層は、冷間成形(すなわち室温成形)が中間トレッド層を所望の形状に変形するために十分な圧力で付着され得るように、押出工程後に加熱が維持されてもよい。タイヤ10は、成形作業中に、成形のタイヤの外側への付着に十分抵抗するために、加圧されてもよい。成形された中間層は、先在のトレッド層12、12’に沿って配置されたあらゆる溝16、16’の中に延在してもしなくてもよい。さらに、タイヤおよび/または中間トレッド層は、金型の加熱に加えて、または金型の加熱の代わりに、加熱されてもよい。金型50は、トレッド全体を一斉にまたは分割して成形してもよく、それによって成形工程は、トレッドの一部を成形するために必要に応じて繰り返される。延長部54は、あらゆる溝もしくは中間トレッド層の外側内に配置された他の間隙の中への材料の流れ、または中からの材料の流れを制御する、あるいは制限するために提供されてもよい。また側部延長部56は、中間トレッド層の側面の範囲の成形を制御するために提供されてもよい。側部延長部56は、接着層を形成するために使用される図3の押出機と同様に、金型が中間トレッド層幅の一部に係合のみする際などは、延長部54の2倍であってもよい。しかし、所望の形状が、中間トレッド層がどのように形成されるか、かつ/または付着されるかに関わらず、中間トレッド層を先在のトレッド層の上に形成中および/または付着中に達成される際に、成形は所望されなくてもよいことが理解される。したがって、中間トレッド層38は、該層が図9に示された例のように材料のストリップを付着させることによって形成される際に、成形される、または鋳造されてもよい。
また成形は、熱再溝切り機を使用して実行することができ、熱再溝切り機は、概して材料を中間トレッド層から除去するために、ある形状に成形された加熱されたブレードを使用する。このような場合、再溝切り機は、中間トレッド層が先在のトレッド層内の溝または間隙に入る際、あるいは溝が新しいトレッド層を受領するために、中間トレッド層および/または先在のトレッド層内に形成されるべき際などに、溝を中間トレッド層内に形成するために使用されるはずである。熱再溝切り機は、別の目的を実行する、すなわち拡大された溝をリトレッドされたタイヤ内に形成する、図5における例によって示されている。
また成形は、1つまたは複数のローラ(ドラムとも呼ばれる)を中間トレッド層の外側に付着させることによって実行されてもよい。またこれは、所望であれば接着層を成形するために利用されてもよい。図7Bを参照すると、ローラ60は、中間トレッド層の外側に係合するために形成領域62を含み、領域は、中間トレッド層の外側をあらゆる所望の形状または起伏に形成し成形するために、所望に応じて成形される。たとえば、ローラ60は、概ね平滑な外表面を形成してもよく、これは平坦であってもまたは起伏していてもよく、概して溝などのいかなる間隙もなくてもよい。このような中間接着層の外側は、特定の実施形態では、図3の接着層22の外側に類似しているはずである。図7Bを参照するとさらなる例により、ローラ60は、形成領域62から外方に延びる突起部64を含んでもよく、それによって対応する形状は、溝または他の間隙を中間トレッド層内に形成するためなどに、中間トレッド層に分けられる。トレッドの全幅に及ぶ単一のローラを利用する代わりに、1つまたは複数のより狭いローラを利用して、中間トレッド層をタイヤカーカスの1つまたは複数の回転において成形するために利用してもよい。中間トレッド層材料を十分に変形するために、ローラに力が加えられてもよい。また、ローラは、成形作業のために中間トレッド層材料の延性を増加するように加熱されてもよい。
中間トレッド層を間隙、すなわち概して中間トレッド層のないままである間隙または縦溝の間に付着させることによって、先在の間隙は、所望の量の容積間隙を維持するために、新しいトレッド層にアクセス可能なままであってもよい。さらに、中間トレッド層は、トレッドの全幅(たとえば、先在のトレッド層または新しいトレッド層の低側部の全幅)に延びる中間トレッド層を形成する際などに、間隙の中に延びてもよいことが理解される。このような場合には、低減された深さの間隙が所望されてもよく、または所定の深さのリトレッドされたタイヤトレッド内に間隙を達成させるために、中間トレッド層を収容するように、間隙を広げられるかつ/または深くされることがあってもよい。
一旦中間トレッド層が形成されタイヤに付着されると、新しいトレッド層がタイヤに付着される。図8を参照すると、この新しいトレッド層は、本明細書に論じられた、または企図されたあらゆる新しいトレッド層を含んでもよい。接着層は、新しいトレッド層も中間トレッド層もいずれも未硬化である場合などに、新しいトレッド層と中間トレッド層との間に配置されてもよい。接着層は、上に論じられたあらゆる材料または溶剤を含んでもよい。一旦新しいトレッド層が付着されると、新しいトレッド層は、硬化のあらゆる公知の方法または手段により、タイヤに硬化される。たとえば、リトレッドされたタイヤは、硬化外皮内に置かれ、これは次いで真空圧下に置かれ、オートクレーブなどの硬化容器の中に挿入され、その中で熱および圧力が硬化膜に所望の期間加えられる。
本発明はその特定の実施形態を参照して説明されたが、このような説明は、例示を目的とし、限定を目的としないことを理解されたい。したがって、本発明の範囲および内容は、添付の特許請求の範囲の条件によって定義されるべきである。