JP2012531347A - 更正タイヤ用トレッドバンド - Google Patents
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Abstract
更正タイヤ上で使用するためのトレッドバンド、およびそのようなトレッドバンドを使用してタイヤをトレッド更正するための方法が含まれる。そのようなトレッドバンドの実施形態は、トレッドバンドの接地前面へと開放する頂部開口部を有する第1溝、およびトレッドバンドの背面へと開放する底部開口部を有する第2溝を含む。この第2溝の溝頂部が、第1溝の溝底部よりも高いことにより、第2溝頂部は、磨耗によって第1溝が消滅する前に、トレッドバンドの接地前面へと開放される。特定の実施形態はまた、トレッドバンドの背面へと開放する貯留部開口部を有する、溢流貯留部も更に含み得、この貯留部開口部は、第2溝底部開口部の縁部に隣接して配置される。
【選択図】図3A
【選択図】図3A
Description
本発明は、概略的には、更生タイヤに関し、より詳細には、トレッドバンドを有し、このトレッドバンドが、トレッドバンドの前面へと開放する溝、およびトレッドバンドの背面へと開放する溝を備える、更生タイヤに関する。
タイヤが磨耗した場合、そのタイヤは、新たなトレッドで修復することができる。例えば、大型トラックのタイヤおよびバスのタイヤは、典型的には、定常のタイヤ管理プログラムの一部として、トレッドの更正が行なわれる。これらのタイプのタイヤのカーカスは、数十万マイルの耐久性があり、かつ新たなトレッドをカーカスに数回付着させることが可能であると見込まれている。そのようなタイヤは非常に高価であり、そのため、その高い初期費用が、カーカスの長い耐用年数、およびトレッド更正の低い比較費用によって相殺されることを見込んで購入される。実際に、そのようなタイヤの選択および購入の際に含まれる経済的側面によって、元のタイヤは、3回または4回以上もトレッド更生されることが可能であることを求められる場合が多い。
空気タイヤに、リキャップ処理すなわちトレッド更正を行なう際には、様々な手順、および種々のタイプの機器が使用可能である。磨耗したタイヤをトレッド更正する際の最初の工程の1つは、例えば、バフ研磨として既知である手順によって、タイヤのカーカスから、残存するトレッド材料を取り除くことである。次に、「クッションゴム」として既知の、生の(未硬化の)ゴムの層を、カーカスに適用することができる。この未硬化ゴムの層は、カーカス上に直接押し出してもよく、またはカーカス上に巻き付ける(縫合する)こともできる。次に、トレッドバンドが、クッションゴムの層の上に適用される。
コールドリキャップ処理のプロセスでは、トレッドバンドは硬化ゴムであり、トレッドパターンは、その外側表面および/または内側表面内に既に型押しされている。そのような硬化済みバンドとは、その用語が本明細書で使用されるとき、完全に硬化しているか、または硬化の程度は幾分少ないものの、ある程度の硬化プロセスまでは処理されているトレッドバンドを指す。その場合、タイヤをオートクレーブ内に定置し、適切な時間、圧力下で加熱して、ゴム層の硬化、ならびにトレッドおよびカーカスへのゴム層の接着を引き起こす。
ホットリキャップ処理のプロセスでは、トレッドは未硬化ゴムであり、典型的には、最初にタイヤカーカス上に定置されるときには、トレッドパターンを全く有さないか、または殆ど有さない場合がある。未硬化トレッドを備えたタイヤを、タイヤ金型内に定置し、適切な時間、圧力下で加熱して、ゴム層およびトレッドを硬化させ、所望のトレッドパターンでトレッドを成形し、ゴム層をトレッドおよびカーカスと接着させる。用語「硬化」とは、ゴム化合物中のエラストマー分子間の架橋形成を指し、別名、加硫として知られる。
本発明の特定の実施形態は、更正タイヤ上で使用するためのトレッドバンド、そのようなトレッドバンドを有する更正タイヤ、およびそのようなトレッドバンドを使用してタイヤをトレッド更正するための方法を含む。そのような実施形態は、トレッド更正中のタイヤの接着表面に接着するためのトレッドバンドを含む。このトレッドバンドは、トレッドバンドの接地前面へと開放する頂部開口部を有する第1溝、およびトレッドバンドの背面へと開放する底部開口部を有する第2溝を含み得る。この第2溝の溝頂部が、第1溝の溝底部よりも高いことにより、第2溝頂部は、磨耗によって第1溝が消滅する前に、トレッドバンドの接地前面へと開放される。特定の実施形態はまた、トレッドバンドの背面へと開放する貯留部開口部を有する、溢流貯留部も更に含み得、この貯留部開口部は、第2溝底部開口部の縁部に隣接して配置される。
特定の実施形態は、クラウン区域、ビード部分、およびビード部分とクラウンとの間に延びるサイドウォールを有する、更正タイヤを含む。トレッドバンドは、タイヤのクラウン区域に接着され、トレッドバンドの接地前面へと開放する頂部開口部を有する第1溝、およびトレッドバンドの背面へと開放する底部開口部を有する第2溝を含み得る。この第2溝の溝頂部が、第1溝の溝底部よりも高いことにより、第2溝頂部は、磨耗によって第1溝が消滅する前に、トレッドバンドの接地前面へと開放される。特定の実施形態の更正タイヤのトレッドバンドは、トレッドバンドの背面へと開放する貯留部開口部を有する、溢流貯留部を更に含み得、この貯留部開口部は、第2溝底部開口部の縁部に隣接して配置される。
特定の実施形態は、タイヤをトレッド更正するための方法を含み、1つのそのような方法は、トレッド更正されるタイヤのベース部分を提供することであって、このベース部分は、クラウン区域、ビード部分、およびビード部分とクラウン区域との間に延びるサイドウォールを含み、このクラウン区域が、トレッドバンドを接着するための調整済み表面を含む。本方法は、トレッドバンドを提供することを更に含み得、このトレッドバンドは、トレッドバンドの接地前面へと開放する頂部開口部を有する第1溝、およびトレッドバンドの背面へと開放する底部開口部を有する第2溝を含む。この第2溝の溝頂部が、第1溝の溝底部よりも高いことにより、第2溝頂部は、磨耗によって第1溝が消滅する前に、トレッドバンドの接地前面へと開放される。本方法で使用されるトレッドバンドは、トレッドバンドの背面へと開放する貯留部開口部を有する、溢流貯留部を更に含み得、この貯留部開口部は、第2溝底部開口部の縁部に隣接して配置される。更には、本方法は、トレッドバンドを調整済み表面に接着することを更に含み得る。
本発明の、上述の目的、特徴、および利点、ならびに他の目的、特徴、および利点は、以下の本発明の発明を実施するための形態から明らかとなるとともに、添付の図面で説明され、この場合、同様の参照番号は、本発明の同様の部分を表す。
本発明の特定の実施形態は、トレッド更正中のタイヤのカーカスに接着するための硬化済みトレッドバンド、およびそのようなトレッドバンドが接着される更正タイヤを含む。他の実施形態は、そのようなトレッドバンドを、トレッド更正中のタイヤに接着するための方法を含む。タイヤカーカスに接着されるトレッドバンドは、トレッドバンドの前面へと開放する溝を有するが、また、後述のように、トレッドバンドの背面へと開放する溝も有する。そのような溝に伴って生じる問題は、接着プロセス中に、接着材料の一部が、これらの背面に開放する溝の中に流れ込み、それらを部分的に充填することによって、それらの溝の有用性を減少させることである。この問題を解決するために、本発明の特定の実施形態は、これらの背面に開放する溝に隣接する溢流貯留部を含み、それによって、この溢流貯留部が、溝よりも優先的に接着材料で充填される。
図1は、従来技術の例示的な更正タイヤの、部分断面の部分的分解図である。更正タイヤ10は、クラウン区域14、補強パッケージ16、およびサイドウォール区域11を有する、タイヤカーカス12を含んで示される。この更正タイヤは、クッションゴム層18および硬化済みトレッドバンド20を更に含む。クッションゴム層18は、トレッドバンド20を更正タイヤ10のクラウン区域14の領域に接着するために使用することができる材料の一例である。
硬化済みトレッドバンド20は、地面に接触して静止摩擦を提供する前面23を含む。第1トレッド溝24は、このトレッドバンドの前面23へと開放する。トレッドバンド20は、クッションゴム層18によって、タイヤ10のクラウン区域14に接着される、背面22を更に含む。第2溝25は、トレッドバンド20のこの背面へと開放する。
トレッドバンド20内に成形された第2溝25は、トレッドバンドの背面22へと開放しているため、これらの第2溝は、トレッドバンド20が、第2溝25を前面に開放する深さに磨耗するまでは、使用可能なトレッドの深さまたは容量を提供することはない。第1溝24が摩滅するにつれて、第2溝25が前面23に露出して開放され、トレッド内に、露出した溝の空隙容量および/または深さが提供されるようになる。このことにより、トレッドバンド20は、トレッドバンドの後面22に非常に接近したレベルまで摩滅することが可能になり、タイヤが廃棄されるかまたは再びトレッド更正される前に、トレッドバンドのより多くの部分を利用することが可能になる。
しかしながら、硬化プロセス中に、クッションゴム18の材料の一部(または、どのような接着材料であれ)が第2溝25内に流れ込む場合には、第2溝の有用な深さが、そのクッションゴム材料によって低減される恐れがあるため、タイヤが廃棄されるかまたは再びトレッド更正される前にトレッドバンドのより多くの部分を利用することが可能になるという利点が低減する。図2Aおよび図2Bは、トレッド更正プロセス中の、硬化する前および硬化した後の例示的なトレッドバンドの部分断面図である。
図2Aに示し得るように、トレッドバンドは、更正タイヤが硬化する前に、クッションゴム層18上に載置される。硬化プロセスの間、トレッド更正中のタイヤをオートクレーブ内に定置して、適切な時間、圧力下で加熱し、クッションゴム層のゴムの硬化(クッションゴム、タイヤカーカス、およびトレッドバンド内の、エラストマー分子間の架橋形成)、ならびにトレッドおよびカーカスへのクッションゴム層の接着を引き起こす。オートクレーブ内での加熱プロセスの間、クッションゴム材料が軟化し、トレッドの曲率変化と硬化圧力との組み合わせの結果として、クッションゴムが第2溝の中に流れ込む。
図2Bは、クッションゴム18の材料が第2溝25の中に流れ込んで、部分的にその溝を充填し、その溝の深さを低減させた様子を示す。第2溝25の深さが低減することに伴い、クッションゴムで充填された溝のその部分は、もはや開放溝として利用不可能であるため、トレッドの耐用年数もまた低減する。
既に述べたように、クッションゴムまたは他の接着材料が、トレッド更正プロセスの接着工程の間に、トレッドバンドの背面へと開放する溝を部分的に充填する問題を解決するために、本発明の特定の実施形態は、溝底部開口部の縁部に隣接する溢流貯留部を有するトレッドバンドを含む。本発明のトレッドバンドは、トレッドバンドの接地前面へと開放する頂部開口部を有する第1溝、およびトレッドバンドの背面へと開放する底部開口部を有する第2溝を含む。この第2溝の溝頂部が、第1溝の溝底部よりも高いことにより、第2溝頂部は、磨耗によって第1溝が消滅する前に、トレッドバンドの接地前面へと開放される。(この第2溝は、第2溝の頂部とトレッドバンドの前面との間で通気するか、または別の方法で小さな開口部を提供することが既知であるが、そのような第2溝は、単に通気口を通じてではなく、第2溝自体が磨耗によって前面に開放されるまでは、依然として本明細書では、トレッドバンドの接地前面に対して閉鎖していると見なされる。)
特定の実施形態では、トレッドバンドは、第2溝底部開口部の第1縁部に隣接する溢流貯留部を更に含む。この溢流貯留部は、第2溝底部開口部と同様にトレッドバンドの背面へと開放する、貯留部開口部を含む。この場合、トレッド更正プロセスの硬化の段階の間に、接着材料、例えば、クッションゴムが、優先的に溢流貯留部の中に流れ込み、第2溝の中には流れ込まない。
図3A〜3Cは、本発明による例示的なトレッドバンドの部分断面図である。例示的なトレッドバンド30は、トレッドバンドの接地前面32へと開放する頂部34を有する、第1溝31を示す。また、トレッドバンド30の背面43へと開放する底部開口部35を有する、第2溝39も示される。指摘し得るように、第2溝39の溝頂部38は、第1溝31の溝底部33よりも高い(トレッドバンドの接地面に、より接近している)。この配置構成は、タイヤが磨耗するにつれて、第2溝頂部38が、磨耗によって第1溝31が消滅する前に、トレッドバンドの前面32へと開放されることをもたらす。
これらの例示的なトレッドバンド30は、トレッドバンド30の背面43へと開放する貯留部開口部37を有する、溢流貯留部36を更に示す。貯留部開口部37は、第2溝底部開口部35の縁部46Aに隣接して配置される。特定の実施形態は、トレッドバンド30の背面43への開口部を有する、追加的な溢流貯留部47を更に含み得、この追加的な貯留部開口部は、第2溝底部開口部35の反対側縁部46Bに隣接して配置される。
本発明の特定の実施形態は、図3Aの例示的なトレッドバンドに示すように、隣接する溢流貯留部開口部37の縁部と第2溝底部開口部35の縁部との間に、分離距離dを含み得る。分離距離dが大きくなりすぎた場合には、溢流貯留部は、トレッド更正プロセスの硬化工程中の、接着材料による優先的な充填の効率性を失う。本発明の特定の実施形態では、この距離は、10mm未満であるように制限され、または他の実施形態では、5mm未満もしくは3mm未満に制限される。他の実施形態では、この距離を、10mm〜1mm、10mm〜0,5mm、または5mm〜1mmに制限することができる。
特定の実施形態では、溢流貯留部の深さを制限することができる。そのような実施形態では、溢流貯留部の深さ、すなわち貯留部開口部と溢流貯留部の頂部との間の距離は、10mm未満であり、または他の実施形態では5mm未満である。他の実施形態では、この深さを、8〜1mm、または3〜1mmに制限することができる。
図3Bに示すように、隣接する溢流貯留部開口部の縁部と第2溝底部開口部の縁部との間の距離を、ゼロにすることができる。図3Cは、第2溝底部開口部35の縁部46Aを口広げ加工することによって形成される、溢流貯留部36を更に示す。この方式で形成される溢流貯留部の高さは、5mm未満に制限することができ、または他の実施形態では、3mm未満、2mm未満、もしくは1mm未満に制限することができる。そのような実施形態での溢流貯留部の高さは、第2溝底部開口部35の縁部46Aとトレッドバンド30の背面43との間の高さhとして決定される。
図3A〜3Cに示す第2溝39は、トレッドバンドの接地面の横方向にわたって配置構成されており、そのようなトレッドバンドでトレッド更正されているタイヤの周りで円周方向に連続しているように示され得るが、本発明は、そのような溝に限定されないことに留意されたい。実際に、そのような溝は、タイヤの横方向にわたって延びていてもよく、または任意の他の好適な方向に延びていてもよい。本発明の特定の実施形態は、例えば、トレッドバンド上の溝の配置構成とは関わりなく、第2溝底部開口部の縁部に隣接して配置される、溢流貯留部を含む。
この溢流貯留部は、連続的配置構成で、または不連続的配置構成で、溝に隣接して形成することができる。連続的配置構成で形成される溢流貯留部は、第2溝底部開口部の縁部の長さに沿って連続的に形成される溢流貯留部を提供する。不連続的配置構成で形成される溢流貯留部は、典型的には、第2溝底部開口部の縁部の長さに沿って形成される複数個の開口部で構成されることにより、トレッドバンドの背面が、不連続的な溢流貯留部の形成を細分化する。そのような開口部の例としては、例えば、トレンチおよび穴が挙げられる。
図4は、溢流貯留部の連続的配置構成および不連続的配置構成の双方の実施例を示す、トレッドバンドの背面の斜視図である。トレッドバンド30は、トレッドバンド30の背面43上へと開放する第2溝39を含む。連続的配置構成での、溢流貯留部の一実施例36Aは、溢流貯留部36Aが第2溝底部開口部35の長さに沿って連続的に形成されるように提供される。溢流貯留部36Aおよび第2溝底部開口部35の、隣接する縁部は、この実施例では、距離dによって分離されるように示される。連続的配置構成での、溢流貯留部の別の実施例36Bは、それぞれの開口部の隣接する縁部間が分離されずに(d=0)提供される。
図5は、溢流貯留部の例示的形状の斜視図を提供する。三角形、半円形、および矩形を含めた形状を、非限定的な実施例として示す。三角形の形状を図3Bに、また半円形の形状を図3Aに、断面図で更に示すことができる。
図4に示すトレッドバンド30は、不連続的配置構成を有する溢流貯留部の実施例を更に提供する。不連続的配置構成を有する溢流貯留部の第1の実施例36Cでは、第2溝底部開口部35の長さに沿った、一連の破断した配置構成でのトレンチとして示される。この実施例に示されるように、トレッドバンドの背面43が溢流貯留部36Cを分断し、貯留部を不連続的配置構成にさせる。
不連続的配置構成で形成される溢流貯留部の他の実施例36D〜36Fを提供する。これらの実施例では、溢流貯留部は、トレッドバンド30の背面43へと開放する複数個の離散した穴を含む。これらの穴は、その用途に関して好適な任意の形状のものとすることができ、その形状としては、例えば、円筒形、ピラミッド形、円錐形、および/または立方体が挙げられる。隣接する貯留部の縁部と第2溝底部開口部の縁部との間の距離dは、36Fでは一定である必要はないが、他の実施形態では、距離dは一定にすることができる。
図6は、溢流貯留部を備えるトレッドバンドを有する更正タイヤの、例示的な実施形態の、部分断面の部分的分解図である。いずれのタイヤも、本発明を活用することができるが、一方で一部の実施形態は、トラクタートレーラーのリグ、ダンプトラック、廃棄物運搬トラック、コンクリートミキサートラック、バスなどに見られるような、高荷重タイヤに限定される。
例示的な更正タイヤ50は、クラウン区域14、補強パッケージ16、およびサイドウォール区域11を有する、タイヤカーカス12を含む。クラウン区域は、古い磨耗したトレッドおよび殆どのアンダートレッドを取り除くためにバフ研磨されており、カーカス12のクラウン区域12にトレッドバンド30を接着するための接着表面51を提供する。更正タイヤ50は、この調整済み表面51にクッションゴム層18で接着される、トレッドバンド30を更に含む。
トレッドバンド30は、上述のように、第1溝31および第2溝39を含む。また溢流貯留部36も含まれる。
本発明の特定の実施形態は、タイヤをトレッド更正する方法を含み得る。そのような方法は、トレッド更正されるタイヤのベース部分を提供することを含み得、このベース部分は、クラウン区域、ビード部分、およびビード部分とクラウン区域との間に延びるサイドウォールを含み、クラウン区域は、トレッドバンドを接着するための調整済み表面を含む。この表面は、当業者には既知の任意の方法によって調整することができる。1つの典型的な方法としては、単に例として記載し、本発明を限定するものではないが、古いトレッドおよび大部分のアンダートレッドを、バフ研磨するかもしくは研削して取り除き、トレッドバンドに関して好適な接着表面を提供することが挙げられる。
そのような方法は、トレッドバンドを提供することを更に含み得る。提供されるトレッドバンドは、本明細書で特許請求される本発明によって提供される、いずれのトレッドバンドであってもよく、その例示的な実施形態が上記で開示されている。
タイヤをトレッド更正するための方法は、トレッドバンドを調整済み表面に接着することを更に含み得る。この接着は、クッションゴム層の使用を含めた、当業者には既知の任意の方法によって行なうことができる。クッションゴムは、典型的には、生の(未硬化の)ゴム化合物である。他の材料としては、例えば、ポリウレタン接着剤、または他の接着剤が挙げられる。接着材料は、トレッドバンドの背面上に、調整済み接着表面上に、またはそれらの組み合わせ上に、散布し、かつ/または押し出すことができる。あるいは、接着材料のシートを、単独で、または他の接着材料と組み合わせて、接着表面の一方または双方の上に定置することができる。これらの接着材料および適用方法は全て、当業者には既知であるものの例である。
これらの方法は、いずれのタイプのタイヤにも適用することができ、したがって、いずれのタイプのタイヤも、本発明の実施形態を提供することができる。しかしながら、特定の実施形態は、バスおよびトラックに関するような、大型車両のタイヤに関して、特に有益である。より具体的には、実施形態は、ステアタイヤ、駆動タイヤ、または牽引タイヤである、トラックのタイヤを含み得る。
用語「含む」、「包含する」、および「有する」は、特許請求の範囲および本明細書で使用するとき、指定されない他の要素を包含し得る、開かれた群を示すとして見なされるものとする。用語「から本質的に構成される」は、特許請求の範囲および本明細書で使用するとき、指定されない他の要素が、特許請求される発明の基本的特性および新規な特性を著しく変更しない限り、それらの他の要素を包含し得る、部分的に開かれた群を示すとして見なされるものとする。用語「a」、「an」、および語の単数形は、同一の語の複数形を包含するように理解されることにより、その用語が、1つ以上のものを提供することを意味するものとする。用語「1つ」または「単一」は、1つのもの、および1つのみのものを意図することを示すために使用されるものとする。同様に、「2つ」などの、他の特定の整数の値は、特定の数のものを意図する場合に使用される。用語「好ましくは」、「好適な」、「好む」、「所望により」、「してもよい」、および同様の用語は、言及されている事項、条件、または工程が、本発明の任意選択的な(必須ではない)特徴であることを示すために使用される。「a〜b」であるとして説明される範囲は、「a」および「b」に関する値を包含する。
本発明の実施形態に対して、様々な修正および変更が、その真の趣旨から逸脱することなく実施し得ることを、以上の記述から理解されたい。以上の記述は、単に説明の目的のために記載されているのであって、限定する意味で解釈するべきではない。以下の特許請求の範囲の文言のみが、本発明の範囲を限定するべきである。
Claims (14)
- トレッド更正中のタイヤの接着表面に接着するためのトレッドバンドであって、前記トレッドバンドは、
前記トレッドバンドの接地前面へと開放する頂部開口部を有する第1溝、および前記トレッドバンドの背面へと開放する底部開口部を有する第2溝であって、前記第2溝の溝頂部が、前記第1溝の溝底部よりも高いことにより、前記第2溝頂部は、磨耗によって前記第1溝が消滅する前に、前記トレッドバンドの前記接地前面へと開放される、第1溝および第2溝と、
前記トレッドバンドの前記背面へと開放する貯留部開口部を有する溢流貯留部であって、前記貯留部開口部が、前記第2溝底部開口部の縁部に隣接して配置される、溢流貯留部と、
を含む、トレッドバンド。 - 前記トレッドバンドの前記背面へと開放する追加的な貯留部開口部を有する追加的な溢流貯留部であって、前記追加的な貯留部開口部が、前記第2溝底部開口部の反対側縁部に隣接して配置される、追加的な溢流貯留部、
を更に含む、請求項1に記載のトレッドバンド。 - 隣接する前記貯留部開口部の縁部と前記第2溝底部開口部の縁部との間の距離が、1cm未満である、請求項1に記載のトレッドバンド。
- 前記距離が、0.5cm未満である、請求項3に記載のトレッドバンド。
- 前記トレッドバンドの前記背面からの、前記貯留部の高さが、5mm以下である、請求項1に記載のトレッドバンド。
- 前記貯留部の前記高さが、3mm〜1mmである、請求項5に記載のトレッドバンド。
- 前記溢流貯留部が、前記第2溝底部開口部に隣接して、連続的配置構成で形成される、請求項1に記載のトレッドバンド。
- 前記溢流貯留部が、前記第2溝底部開口部に隣接して、不連続的配置構成で形成される、請求項1に記載のトレッドバンド。
- 前記溢流貯留部が、前記トレッドバンドの前記背面へと開放する複数個の離散した穴を含み、各穴が、前記第2溝底部開口部の前記第1縁部から1cm以下の距離で分離される、前記第2溝底部開口部へ隣接する縁部を有する、請求項8に記載のトレッドバンド。
- 前記穴が、円筒形の形状である、請求項9に記載のトレッドバンド。
- 前記溢流貯留部が、前記トレッドバンドの前記背面へと開放する複数個の離散したトレンチを含み、各トレンチが、前記第2溝底部開口部の前記第1縁部から1cm以下の距離で分離される、前記第2溝底部開口部へ隣接する縁部を有する、請求項8に記載のトレッドバンド。
- 更正タイヤであって、前記更正タイヤは、クラウン区域、ビード部分、および前記ビード部分とクラウンとの間に延びるサイドウォールを有し、トレッドバンドが前記タイヤの前記クラウン区域に接着され、前記トレッドバンドが、
前記トレッドバンドの接地前面へと開放する頂部開口部を有する第1溝、および前記トレッドバンドの背面へと開放する底部開口部を有する第2溝であって、前記第2溝の溝頂部が、前記第1溝の溝底部よりも高いことにより、前記第2溝頂部は、磨耗によって前記第1溝が消滅する前に、前記トレッドバンドの前記接地前面へと開放される、第1溝および第2溝と、
前記トレッドバンドの前記背面へと開放する貯留部開口部を有する溢流貯留部であって、前記貯留部開口部が、前記第2溝底部開口部の縁部に隣接して配置される、溢流貯留部と、
を含む、更正タイヤ。 - タイヤをトレッド更正するための方法であって、前記方法は、
トレッド更正されるタイヤのベース部分を提供することであって、前記ベース部分が、クラウン区域、ビード部分、および前記ビード部分と前記クラウン区域との間に延びるサイドウォールを含み、前記クラウン区域が、トレッドバンドを接着するための調整済み表面を含むことと、
トレッドバンドを提供することであって、前記トレッドバンドが、前記トレッドバンドの接地前面へと開放する頂部開口部を有する第1溝、および前記トレッドバンドの背面へと開放する底部開口部を有する第2溝を含み、前記第2溝の溝頂部が、前記第1溝の溝底部よりも高いことにより、前記第2溝頂部は、磨耗によって前記第1溝が消滅する前に、前記トレッドバンドの前記接地前面へと開放され、前記トレッドバンドが、前記トレッドバンドの前記背面へと開放する貯留部開口部を有する溢流貯留部を更に含み、前記貯留部開口部が、前記第2溝底部開口部の縁部に隣接して配置されることと、
前記トレッドバンドを前記調整済み表面に接着することと、
を含む、タイヤをトレッド更正するための方法 - 前記トレッドバンドと前記調整済み表面との間に、接着材料を適用すること、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
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