JP2015192613A - 豆腐用凝固剤組成物およびこれを利用した豆腐の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】豆腐製造工程における豆乳の凝固の際に十分な遅効性を有することを必要条件として、原料大豆および搾汁豆乳に由来する豆腐本来の風味を発現できることを十分条件とする豆腐用凝固剤組成物を提供する。
【解決手段】天然ワックスと食用油脂の混合物中に、豆腐用無機塩系凝固剤を分散させることにより得られることを特徴とする豆腐用凝固剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、豆乳を凝固させるための豆腐用凝固剤組成物およびこれを利用した豆腐の製造方法に関する。
従来、豆乳を凝固させるための豆腐用凝固剤としては、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウムまたは硫酸カルシウム等の無機塩、あるいはグルコノデルタラクトン等の有機酸が用いられてきた。
しかしながら、これらの無機塩を豆腐用凝固剤として使用した場合、豆乳の凝固速度が速く、豆腐の内相のきめが微細均質で、保水性に富み、かつ食感と風味に優れた豆腐の製造、特に、二次的な成形を行わない「絹ごし豆腐」の製造は困難であった。一方、グルコノデルタラクトンは、凝固性は改善されるものの出来上がった豆腐に酸味が残ることから風味の点で問題があった。
これらの問題を解決するために、近年、豆乳の凝固速度の速い無機塩系豆腐用凝固剤の凝固速度をコントロールした遅効性の豆腐用凝固剤が種々提案されている。このような豆腐用凝固剤としては、例えば、無機塩系豆腐用凝固剤とポリグリセリン脂肪酸エステルと油脂とを含有することを特徴とする豆腐用凝固剤組成物(特許文献1)、無機塩系豆腐用凝固剤を多価アルコール脂肪酸エステル中に分散後湿式粉砕機で粉砕することを特徴とする豆腐用凝固剤組成物(特許文献2)、無機塩系豆腐用凝固剤とポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとポリオールの脂肪酸のエステルとデキストリンおよびグリセリンの混合物を含有することを特徴とする豆腐用凝固剤組成物(特許文献3)、無機塩系豆腐用凝固剤を澱粉及び又は糖類で被覆した被覆物を多価アルコール脂肪酸エステル中に分散させることを特徴とする豆腐用凝固剤組成物(特許文献4)等が挙げられる。
これらの豆腐用凝固剤は、豆腐製造工程における高温凝固の際に十分な遅効性を発揮する豆腐用凝固剤として、特に、大量生産工程で広く普及している。ただし、ポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、デキストリン等を多量に含有すること、特に、強力なW/O型乳化剤であるポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを多量に含有することで、豆腐本来の風味が消失した画一的な風味の製品となり、豆腐の価値の低下をもたらしている。
特許第2912249号 特許第3516298号 特許第4105674号 特開2006−94831号公報
本発明は、豆腐製造工程における豆乳の凝固の際に十分な遅効性を有することを必要条件として、原料大豆および搾汁豆乳に由来する豆腐本来の風味を発現できることを十分条件とする豆腐用凝固剤組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、特定の成分からなる豆腐用凝固剤組成物が、豆腐製造工程における豆乳の凝固の際に十分な遅効性を有し、かつ、豆腐本来の風味を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は天然ワックスと食用油脂の混合物中に、豆腐用無機塩系凝固剤を分散させることにより得られることを特徴とする豆腐用凝固剤組成物である。
また、本発明は豆腐の製造方法において、豆乳の凝固剤として上記の豆腐用凝固剤組成物を用いることを特徴とする豆腐の製造方法である。
更に、本発明は豆腐用無機塩系凝固剤、天然ワックスおよび食用油脂を含有する豆腐である。
本発明の豆腐用凝固剤組成物は、豆腐製造工程における豆乳の凝固の際に十分な遅効性を有するものである。
そして、本発明の豆腐用凝固剤組成物を利用して豆腐を製造すると、従来の乳化剤を多用した油中水型無機塩系凝固剤(いわゆる乳化にがり)を利用して豆腐を製造した場合の問題点が解消され、豆腐本来の風味を付与できる。
本発明の豆腐用凝固剤組成物(以下、「本発明組成物」という)に使用される無機塩系豆腐用凝固剤は、豆乳を凝固させ豆腐とすることができるものであれば特に限定されず、例えば、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム等の無機塩を含むものが挙げられる。これらの無機塩は無水物でも結晶水を有していてもどちらでもよい。また、これらの無機塩は1種または2種以上を混合して用いることもできる。なお、無機塩系豆腐用凝固剤としては、上記無機塩の組成・濃度が調製された市販の粗製海水塩化マグネシウム(にがり)等を使用することもできる。無水物換算で20〜70質量%、好ましくは20〜50質量%である。
また、本発明組成物に使用される食用油脂としては、食用可能なトリグリセライドであれば特に限定されず、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、米糠油、コーン油、ヤシ油、パーム油、オリーブ油等の植物油脂や牛脂、ラード等の動物油脂、さらにこれら動植物油脂を分別、水素添加あるいはエステル交換したもの、または中鎖脂肪酸トリグリセリド等が挙げられる。これらの食用油脂の中でも、常温で液状のものが好ましい。また、これらの食用油脂は1種または2種以上を混合して用いることもできる。この食用油脂は、本発明組成物に10〜60質量%、好ましくは20〜40質量%含有させる。
更に、本発明組成物に使用される天然ワックスは、特に限定されず、好ましくは60℃以上の融点、好ましくは60〜85℃の融点を有し、食用に認められているものが挙げられる。そのような天然ワックスとしては、例えば、モクロウ、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、ラノリン、ミツロウ等の動物系ワックス等が挙げられる。これら天然ワックスの中でも、無機塩系豆腐用凝固剤の分散力に優れ、風味が良好なため、カルナウバワックス(融点83℃)、ライスワックス(融点73℃)、ミツロウ(融点64℃)が好ましい。これら天然ワックスは1種または2種以上を混合して用いることもできる。これら天然ワックスは食用油脂100質量部に対し、0.5〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部を配合すればよい。
なお、本発明組成物は分散安定剤として、いわゆる乳化剤を使用しなくても十分に効果を発揮できるが、本発明の目的を阻害しない範囲で、分散安定性を向上させるために、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の分散安定剤を配合してもよい。これらの分散安定剤は、本発明組成物に0.1〜6.0質量%、好ましくは0.2〜2.0質量%含有させることができる。
更に、本発明組成物には、上記必須成分の他に、本発明の目的を阻害しない範囲で、糖類、澱粉、加工澱粉、増粘安定剤等を配合してもよい。糖類としては、例えば、単糖、オリゴ糖、マルトオリゴ糖、デキストリン、澱粉分解物、糖アルコール等が挙げられる。澱粉としては、例えば、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉等が挙げられる。加工澱粉としては、例えば、前記澱粉をエステル化処理、エーテル化処理、架橋処理、湿熱処理等したものが挙げられる。増粘安定剤としては、例えば、アルギン酸及び/またはその塩、カラギナン、キサンタンガム、グアーガム等が挙げられる。
本発明組成物は、天然ワックスと食用油脂の混合物中に、豆腐用無機塩系凝固剤を分散させることにより得ることができる。なお、上記混合物において、天然ワックスは食用油脂に溶解した状態であっても、一部が析出している状態であっても問題はない。また、天然ワックスと食用油脂の混合物中に分散させる豆腐用無機塩系凝固剤の状態としては、結晶粉末状態、溶液状態のどちらでも可能であるが、溶液状態で分散させる方が好ましい。豆腐用無機塩系凝固剤を溶液状態で分散させる場合の水分量は、特に限定されないが、例えば、天然ワックスと食用油脂の混合物(油相)の合計量100質量部に対し、20〜200質量部、好ましくは30〜100質量部である。また、豆腐用無機塩系凝固剤を結晶粉末状態で分散させる場合には、例えば、グリセリン等で湿潤させてもよい。
本発明組成物を得るための好ましい態様は次の通りである。まず、食用油脂と天然ワックスの混合物を、天然ワックスが溶解する温度以上に加熱して食用油脂中に天然ワックスを溶解させる。次に、無機塩系豆腐用凝固剤の水溶液を別途調製する。天然ワックスが溶解状態にある食用油脂と天然ワックスの混合物中に、攪拌機で撹拌下、この調製された無機塩系豆腐用凝固剤の水溶液を少しづつ添加することにより無機塩系豆腐用凝固剤が均一に分散される。撹拌に用いられる攪拌機としては、特に制限されないが、例えば、T.Kミキサー(プライミクス製)、マイルダー、高速回転式ホモジナイザー等が挙げられる。
本発明組成物を得るための好ましい別の様態は次の通りである。まず、食用油脂と天然ワックスの混合物を、天然ワックスが溶解する温度以上に加熱して食用油脂中に天然ワックスを溶解させたものを室温以下に冷却し、天然ワックスの一部を析出(結晶化)させる。天然ワックスが一部析出状態にある食用油脂と天然ワックスの混合物中に、攪拌機で撹拌下、無機塩系豆腐用凝固剤の水溶液を少しづつ添加することにより無機塩系豆腐用凝固剤が均一に分散される。
本発明組成物を得るための好ましい更に別の様態は次の通りである。まず、食用油脂と天然ワックスの混合物を、天然ワックスが溶解する温度以上に加熱して食用油脂中に天然ワックスを溶解させる。次に、結晶粉末状態の無機塩系豆腐用凝固剤にグリセリンを添加して湿潤させる。天然ワックスが溶解状態にある食用油脂と天然ワックスの混合物中に、攪拌機で撹拌下、湿潤した無機塩系豆腐用凝固剤を少しづつ添加し、分散させる。更に、この分散物中の無機塩系豆腐用凝固剤の粒子を湿式粉砕機等の粉砕機で微細化することにより食用油脂と天然ワックスの混合物中に均一に分散される。無機塩系豆腐用凝固剤の粒子の微細化に用いられる湿式粉砕機としては、特に限定されないが、例えば、サンドミル(新東工業製)、ビーズミル(ファインテック製)等が挙げられる。
斯くして得られる本発明組成物は、加熱した豆乳に添加することによりタンパク質を凝固させることができるので従来の豆腐用の凝固剤に代えるだけで、豆腐の製造に利用することができる。また、本発明組成物が利用できる豆腐としては、特に限定されず、例えば、木綿豆腐、絹ごし豆腐、充填豆腐等が挙げられる。本発明組成物を豆腐の製造に用いる場合、添加量は目的の豆腐の種類等にあわせて適宜設定すればよく、従来の豆乳の凝固剤と同じ使用量となるよう本発明組成物を無機塩系豆腐用凝固剤(無水物換算)の量として、例えば、0.1〜0.6質量%程度となる量で添加すればよい。
なお、本発明組成物は、加熱した豆乳に添加した際、本発明組成物中に含まれる豆腐用無機塩系凝固剤が徐々に放出されるため従来の無機塩系凝固剤よりも凝固開始時間が遅くなる。そのため、従来は困難であった絹ごし豆腐の製造に好適に用いることができる。また、本発明組成物は従来の乳化剤を多用した油中水型無機塩系凝固剤(いわゆる乳化にがり)よりも豆腐本来の風味を高めることができる。
斯くして得られる豆腐は、豆腐本来の風味が付与されたものである。なお、この豆腐は豆腐用無機塩系凝固剤、天然ワックスおよび食用油脂を含有するものとなる。豆腐中に含有される天然ワックス類は、不けん化物を主たる成分とするが、豆腐中の脂質フラクションを無極性担体(例えば、ジメチルポリシロキサンを担体とする)カラムのガスクロマトグラフィーにより簡易的に確認することができる。
また、この豆腐は、例えば、焼き豆腐、油揚げ、がんもどき、厚揚げ等のように加工してもよい。
以下、本発明を実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
豆腐用凝固剤組成物1の調製:
コーン油387.2gにミツロウ(精製ミツロウFY−100:横関油脂工業製)12g、カルナウバワックス(精製カルナウバワックスR−100:横関油脂工業製)0.8gを添加し、80℃に加熱して完全溶解した油脂に、T.Kミキサー(プライミクス社製)4000rpm撹拌下で、塩化マグネシウム(クリスタリン:赤穂化成製)360gを水に溶解した無機塩系豆腐用凝固剤600gを添加した後、ミキサー回転数を10000rpmに設定して3分間均一分散を行い、豆腐用凝固剤組成物1を得た。得られた豆腐用凝固剤組成物1は20℃で保存しておいた。
実 施 例 2
豆腐用凝固剤組成物2の調製:
コーン油392gにミツロウ(同上)6g、ライスワックス(精製ライスワックスS−100:横関油脂工業製)2gを添加し、80℃に加熱して完全溶解した油脂に、T.Kミキサー(同上)4000rpm撹拌下で、塩化マグネシウム(同上)360gを水に溶解した無機塩系豆腐用凝固剤600gを添加した後、ミキサー回転数を10000rpmに設定して3分間均一分散を行い、豆腐用凝固剤組成物2を得た。得られた豆腐用凝固剤組成物2は20℃で保存しておいた。
比 較 例 1
比較豆腐用凝固剤組成物1の調製:
コーン油380gにポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(サンソフト818SK:太陽化学製)20gを溶解して、T.Kミキサー(同上)4000rpm撹拌下で、塩化マグネシウム(同上)360gを水に溶解した無機塩系豆腐用凝固剤600gを添加した後、ミキサー回転数を10000rpmに設定して5分間乳化分散を行い、比較豆腐用凝固剤組成物を得た。得られた比較豆腐用凝固剤組成物は20℃で保存した。
実 施 例 3
絹ごし豆腐の製造と評価:
上記実施例および比較例で作製し、20℃で保存しておいた豆腐用凝固剤組成物1、豆腐用凝固剤組成物2、比較豆腐用凝固剤組成物1を用いて、絹ごし豆腐の製造と評価試験を行った。
システムマグ(型式:TK−40型、アースシステム21製)を用いて、塩化マグネシウム・6水和物換算で36gの豆腐用凝固剤組成物1を、常法により得た豆乳(大豆:国産フクユタカ、Brix.12.5)12L中に80℃にて分散して分散混合物を得た。なお、豆乳と該豆腐用凝固剤組成物の分散は、ミキシング時間19秒設定、撹拌回転数5000rpm設定で行った。この分散混合物を型箱(350mm×360mm×150mm)に流し込み、型箱に該分散混合物を充填し、15分熟成させた後、一定サイズにカットして取り出し、30分間水道水にて水さらし後、包装容器にパック詰めし、絹ごし豆腐を製造した。この絹ごし豆腐を5℃で24時間保存したものを評価試料とした。
なお、型箱に該分散混合物が充填されてから凝固が始まるまでの時間を計測し、この時間(秒)を豆乳の凝固開始時間とした。また、絹ごし豆腐について、豆腐の内相、風味を以下の評価基準で評価した。更に、絹ごし豆腐の硬さについては豆腐硬度計(棒テンションゲージ(0調式):大場計器製作所製)で測定した。更にまた、豆腐用凝固剤組成物2または比較豆腐用凝固剤組成物1についても同様に絹ごし豆腐を製造、保存し、上記測定等を行った。これらの結果を表1に示した。
<内相の評価基準>
(評価) (内容)
◎ 均一で艶あり
○ 荒れがなく、やや艶あり
△ やや荒れ、艶なし
× 荒れて、艶なし
<風味の評価基準>
(評価) (内容)
◎ 大豆の旨味・甘味が強く、濃厚感あり
○ 大豆の旨味・甘味を感じ、濃厚感あり
△ 異味はないが、大豆の風味も感じない
× 異味を感じる
Figure 2015192613
表1から明らかなように、本発明組成物は、従来の遅効性を有するとされている豆腐用凝固剤と同程度の遅効性を示す一方で、得られる豆腐の内相がよく、また、豆腐に大豆由来の豊かな風味があることがわかった。
実 施 例 4
木綿豆腐の製造と評価:
上記実施例および比較例で得られた豆腐用凝固剤組成物1、豆腐用凝固剤組成物2、比較豆腐用凝固剤組成物1を用いて、木綿豆腐の製造と評価試験を行った。
システムマグ(同上)を用いて、塩化マグネシウム・6水和物換算で36gの豆腐用凝固剤組成物1を、常法により得た豆乳(大豆:国産フクユタカ、Brix.12.5)12L中に80℃にて分散して分散混合物を得た。なお、豆乳と該豆腐用凝固剤組成物の分散は、ミキシング時間19秒設定、撹拌回転数5000rpm設定で行った。この分散混合物を型箱(350mm×360mm×150mm)に流し込み、型箱に該分散混合物を充填し、15分熟成させた。これを常法に従い、崩し工程、プレスによる水抜き操作を行った後、一定サイズにカットして取り出し、30分間水道水にて水さらし後、包装容器にパック詰めし、木綿豆腐を製造した。この木綿豆腐を5℃で24時間保存したものを木綿豆腐の評価試料とした。
なお、熟成後と、水抜き操作を行った後に、重量を測定して木綿豆腐としての歩留りを計測した。また、木綿豆腐について、実施例3と同様の基準で風味を評価した。更にまた、豆腐用凝固剤組成物2または比較豆腐用凝固剤組成物1についても同様に木綿豆腐を製造、保存し、上記測定等を行った。これらの結果を表2に示した。
Figure 2015192613
表2から明らかなように、本発明組成物は、従来の豆腐用凝固剤と同程度の歩留まりであるが、得られる豆腐に大豆由来の豊かな風味があることがわかった。
実 施 例 5
豆腐用凝固剤組成物3の調製:
コーン油390.8gにミツロウ(同上)8g、カルナウバワックス(同上)0.8g、ライスワックス(同上)0.4gを添加し、80℃に加熱して完全溶解した油脂を20℃まで冷却し、天然ワックスの一部が結晶析出した天然ワックスとコーン油の混合物を得た。この天然ワックスとコーン油の混合物に、T.Kミキサー(同上)4000rpm撹拌下で、塩化マグネシウム(同上)360gを水に溶解した無機塩系豆腐用凝固剤溶液600gを添加した後、ミキサー回転数10000rpmに設定して3分間均一分散を行い、豆腐用凝固剤組成物3を得た。得られた豆腐用凝固剤組成物3は20℃で保存しておいた。
試 験 例 1
豆腐用凝固剤組成物の安定性試験:
上記実施例で得られた豆腐用凝固剤組成物1、豆腐用凝固剤組成物2および豆腐用凝固剤組成物3を製造後20℃で一昼夜保存した後、それぞれ密封容器に入れ、室温での保存試験をした。3か月保存後の豆腐用凝固剤組成物の状態(油浮き、水分分離、分散状態)を確認し、その結果を表3に示した。
Figure 2015192613
豆腐用凝固剤組成物1および2は、3ヶ月保存後に組成物の表面にわずかに油浮きを認めるものの分散状態は良好であり、豆腐製造時に軽く撹拌処理することにより、問題なく本発明の目的とする豆腐を製造することができた。また、豆腐用凝固剤組成物3は、3ヶ月保存後も製造直後と同じ状態であり、全く問題はなかった。
本発明組成物は、豆腐の製造に利用することができる。

以 上

Claims (6)

  1. 天然ワックスと食用油脂の混合物中に、豆腐用無機塩系凝固剤を分散させることにより得られることを特徴とする豆腐用凝固剤組成物。
  2. 豆腐用無機塩凝固剤が、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムおよび塩化カルシウムから選ばれる無機塩の1種または2種以上を含有するものである請求項1記載の豆腐用凝固剤組成物。
  3. 天然ワックスが、カルナウバワックス、ライスワックスおよびミツロウから選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の豆腐用凝固剤組成物。
  4. 食用油脂が、常温で液状である請求項1記載の豆腐用凝固剤組成物。
  5. 豆腐の製造方法において、豆乳の凝固剤として請求項1〜4のいずれかに記載の豆腐用凝固剤組成物を用いることを特徴とする豆腐の製造方法。
  6. 豆腐用無機塩系凝固剤、天然ワックスおよび食用油脂を含有する豆腐。
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