JP2017012090A - 豆腐用凝固剤製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用しなくても、優れた遅効性を有する豆腐用凝固剤製剤を提供することを目的とする。【解決手段】豆腐用凝固剤を含有する水相と、ワックス及び/又は植物ステロールを含有する油相とを乳化してなる油中水型乳化組成物であることを特徴とする豆腐用凝固剤製剤。【選択図】 なし

Description

本発明は、豆腐用凝固剤製剤に関する。
従来、豆腐用凝固剤としては、塩化マグネシウムや硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等の無機塩、あるいはグルコノデルタラクトン(GDL)等の有機酸が用いられてきた。これらのうち、無機塩系の豆腐用凝固剤は豆乳の凝固速度が速いものが多く、とりわけ、塩化マグネシウムは古くから「にがり」として豆腐の製造に用いられ、これを用いた豆腐は独特のおいしさを有することから消費者に好まれているが、凝固速度が極めて速いため熟練者でなければ扱いが難しい。このような凝固速度の速い豆腐用凝固剤を用いる場合、「木綿豆腐」はともかくとして、二次的な成型を行わない「絹ごし豆腐」では、内相がきめ細かく均質な、舌触りや歯切れのよい豆腐を安定して製造することが非常に困難である。
そこで、内相や食感の良好な豆腐の製造を容易にするため、無機塩系の豆腐用凝固剤の凝固反応の発現を遅らせる(遅効化する)方法が種々提案されてきた。このような方法としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて豆腐用凝固剤を油中水型乳化組成物中に分散し、製剤化する方法が広く知られている(特許文献1〜3)。
また、GDLは凝固速度の遅い豆腐用凝固剤として知られているが、粉末形態のままでは湿気によりダマになる場合もあり、豆乳中に均一に分散することが難しい。一方、GDLは水に溶解すると徐々に速効性の凝固作用を有するグルコン酸に変化する性質を有するため、予め水溶液にしておくとグルコン酸への変化が進み、遅効性が失われる。従って、水溶液として使用する場合は豆乳に添加する直前に水に溶解しなければならず、工業的には扱いづらい。このため、上記無機塩と同様、GDLについても水に溶解した後にポリグリセリン脂肪酸エステルを始めとする乳化剤を用いて乳化し、油中水型乳化組成物状の製剤とすることで、適度な分散性や遅効性を持たせる方法が提案されている(特許文献4)。
しかしながら、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて製剤化する場合、ポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量が多すぎると、ポリグリセリン脂肪酸エステル特有の異味により豆腐の風味を害する場合がある。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた製剤は製剤中の豆腐用凝固剤が豆乳中に分散しにくいという特徴を有するため、強力な撹拌を行わなければ凝固にムラが生じ、白い粒が豆腐の中に残留する、フィルムやパックに粒々状に付着する、木綿豆腐製造時に布付きが生じるといった弊害が起き易い。このため、このような製剤を用いる際には強い撹拌力を有する攪拌機を非常に高い回転数で連続稼働しなければならず、設備の導入や運用にかかるコストが大きいという問題があった。
このような背景から、近年、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤を使用せずに豆腐用凝固剤の遅効化を可能とする方法として、例えば、豆腐用無機塩凝固剤水溶液である水相と、1%以上のジアシルグリセロールを含む食用油脂である油相とを攪拌混合してなる油中水滴型(W/O型)乳化物であることを特徴とする豆腐用凝固剤(特許文献5)等が提案されている。
上記方法であれば強力な撹拌を行う必要は無いが、遅効性が十分ではなく、実用上必ずしも満足できるものではない。
特開平5−304923号公報 特開平10−57002号公報 特開2006−101848号公報 特開2015−2697号公報 特開2011−45366号公報
本発明は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用しなくても、優れた遅効性を有する豆腐用凝固剤製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、豆腐用凝固剤を含有する水相と、ワックス及び/又は植物ステロールを含有する油相とを乳化してなる油中水型乳化組成物の形態の豆腐用凝固剤製剤は、優れた遅効性を有することを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、下記の(1)及び(2)からなっている。
(1)豆腐用凝固剤を含有する水相と、ワックス及び/又は植物ステロールを含有する油相とを乳化してなる油中水型乳化組成物であることを特徴とする豆腐用凝固剤製剤。
(2)ワックスがコメヌカロウ、キャンデリラロウ、ミツロウから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする前記(1)に記載の豆腐用凝固剤製剤。
本発明の豆腐用凝固剤製剤はポリグリセリン脂肪酸エステルを含有しなくても、優れた遅効性を発揮する。
本発明の豆腐用凝固剤製剤は、豆腐用凝固剤を含有する水相と、ワックス及び/又は植物ステロールを含有する油相とを乳化してなる油中水型乳化組成物の形態をとる。
本発明の豆腐用凝固剤製剤を構成する水相は、豆腐用凝固剤の水溶液である。該水溶液に用いる水は、飲用可能なものであれば特に制限はなく、例えば蒸留水、イオン交換樹脂処理水、逆浸透膜(RO)処理水又は限外ろ過膜(UF)処理水等の精製水、水道水、地下水あるいは涌水等の天然水又はアルカリイオン水等が挙げられる。
本発明で用いられる豆腐用凝固剤としては、例えば塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、粗製海水塩化マグネシウム等の無機塩、及びグルコノデルタラクトン等の有機酸等が挙げられる。無機塩は、無水物又は結晶水含有物(例えば、塩化マグネシウム6水和物、硫酸マグネシウム7水和物、塩化カルシウム2水和物等)のいずれであってもよい。これら豆腐用凝固剤はいずれか1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよいが、豆腐の風味の観点から塩化マグネシウム又は粗製海水塩化マグネシウムを用いるのが好ましい。
また、本発明の豆腐用凝固剤製剤の水相中には、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で、例えば、澱粉、糖類、増粘安定剤、調味料等、他の任意の物質を含有してもよい。澱粉としては、例えば、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、エンドウ豆澱粉、及びこれらにエステル化処理、エーテル化処理、架橋処理、酸化処理等の処理を単一で又は組み合わせて施した加工澱粉が挙げられる。糖類としては、例えば、ブドウ糖や果糖等の単糖、ショ糖、乳糖、麦芽糖等の二糖、デキストリンや水飴等の澱粉分解物、フラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖等のマルトオリゴ糖、ソルビトールや還元水飴等の糖アルコール、及びサイクロデキストリン等が挙げられる。増粘安定剤としては、例えば、アラビアガム、カラギナン、キサンタンガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、プルラン、アルギン酸、アルギン酸塩等が挙げられる。調味料としては、L−アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、L−アルギニンL−グルタミン酸塩、グリシン、L−グルタミン酸、L−グルタミン酸カリウム、L−グルタミン酸カルシウム、L−グルタミン酸ナトリウム、L−グルタミン酸マグネシウム、5´−イノシン酸ナトリウム、5´−ウリジル酸ナトリウム、5´−グアニル酸ナトリウム、5´−シチジル酸ナトリウム、5´−リボヌクレオチドカルシウム、5´−リボヌクレオチドナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、DL−酒石酸水素カリウム、L−酒石酸水素カリウム、DL−酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、タウリン、L−テアニン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ホエイソルト、D−マンニトール等が挙げられる。
本発明の豆腐用凝固剤製剤の水相の配合組成は使用する豆腐用凝固剤の種類により異なるが、例えば塩化マグネシウム6水和物を用いる場合、これを該水相100質量%に対して通常15〜85質量%、好ましくは30〜70質量%含有し、その残余を水あるいは水及びその他の物質とすればよい。
本発明の豆腐用凝固剤製剤を構成する油相は、油脂中にワックス及び/又は植物ステロールを含有するものである。該油相に用いる油脂としては、例えばトリグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、常温(25℃)において流動性を有するものが好ましい。これら油脂はいずれか1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよいが、コスト等の観点からトリグリセリドが好ましい。
トリグリセリド及びジグリセリドは、グリセリンと脂肪酸とのエステル化合物であり、エステル化反応、エステル交換反応等自体公知の方法で工業的に製造される他、天然由来のものを使用できる。トリグリセリドとしては、例えば、コメ油、コーン油、キャノーラ油、オリーブ油、米ぬか油、大豆油、大豆白絞油、サフラワー油、ごま油、ヒマワリ油、綿実油、菜種油、菜種白絞油、落花生油、グレープシード油、しそ油、ローズヒップオイル、月見草油、ホホバ油、小麦胚芽油、麻の実油、茶の実油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、魚油、鯨油、牛脂、豚脂等の食用油脂や、これらに硬化、分別、エステル交換等の処理を施した加工油脂、あるいは構成脂肪酸が炭素数8〜10の中鎖脂肪酸である中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等が挙げられる。ジグリセリドとしては、構成脂肪酸の炭素数が6〜24のものが好ましく、特に構成脂肪酸としてオレイン酸を含むものが好ましい。
プロピレングリコール脂肪酸エステルは、プロピレングリコールと脂肪酸のエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法により製造される。該エステルはモノエステル体であってもジエステル体でもよいし、あるいはそれらの混合物でもよい。好ましくはジエステル体であり、混合物であればジエステル体を50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上含むのがよい。プロピレングリコール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数6〜24の脂肪酸が好ましく、炭素数6〜12の飽和脂肪酸又は炭素数14〜24の不飽和脂肪酸が特に好ましい。
ソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビトール又はソルビタンと脂肪酸のエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法により製造される。該エステルはモノエステル体、ジエステル体、トリエステル体、テトラエステル体等のいずれでもよく、あるいはそれらの混合物でもよい。ソルビタン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数6〜24の脂肪酸が好ましく、炭素数6〜12の飽和脂肪酸又は炭素数14〜24の不飽和脂肪酸が特に好ましい。
本発明で用いられるワックスは、動植物由来で食用可能なワックスであれば特に制限はなく、例えば、コメヌカロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、ヒマワリ種子ロウ、サトウキビロウ、ホホバロウ、モクロウ、パラフィンワックス等が挙げられる。これらワックスはいずれか1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよいが、製剤の遅効性の観点から、コメヌカロウ、キャンデリラロウ、ミツロウを用いるのが好ましい。
ワックスとしては、例えば、精製ライスワックスS−100(商品名;コメヌカロウ;横関油脂工業社製)、精製キャンデリラワックスMK−2(商品名;キャンデリラロウ;横関油脂工業社製)、精製ミツロウCY−100(商品名;ミツロウ;横関油脂工業社製)、精製カルナウバワックスNo.1(商品名;カルナウバロウ;セラリカNODA社製)、精製ヒマワリワックス(商品名;ヒマワリ種子ロウ;横関油脂工業社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれらを用いることができる。
本発明で用いられる植物ステロールは、一般にフィトステロールと称される植物を基原とするステロール類であれば特に制限はなく、例えばシトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、イソフコステロール、グラミステロール、シトロスタジェノール、オブツシホリオール、シクロオイカレノール及びシクロアルテノール等が挙げられる。これら植物ステロールはいずれか1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
植物ステロールとしては、例えば、理研植物ステロール(商品名;シトステロール等混合物;理研ビタミン社製)等が商業的に製造・販売されており、本発明ではこれを用いることができる。
本発明の豆腐用凝固剤製剤は、前記ワックス又は植物ステロールのいずれか一方のみを含有するものであってもよく、これら双方を含有していてもよいが、ワックスは含有量が比較的少なくても優れた遅効性を発揮することから、ワックスを含有することが好ましい。
また、本発明の豆腐用凝固剤製剤の油相中には、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で、例えば、トコフェロール、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル等の酸化防止剤、脂肪酸、ステロール脂肪酸エステル等、他の任意の物質を含有してもよい。
本発明の豆腐用凝固剤製剤の油相の配合組成に特に制限はないが、該油相100質量%に対し、前記ワックス及び/又は植物ステロールを通常0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは1〜15質量%含有し、その残余を油脂あるいは油脂及びその他の物質とすればよい。
なお、本発明の豆腐用凝固剤製剤はポリグリセリン脂肪酸エステルを使用しなくても優れた遅効性を有するものであるが、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを含有していてもよい。また、乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル以外に、例えば、レシチン、モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル等を用いることもできる。これら乳化剤は、そのHLBに応じて水相又は油相のいずれから添加してもよい。
本発明の豆腐用凝固剤製剤の製造方法に特に制限はないが、その好ましい製造方法の概略は以下の通りである。
即ち、豆腐用凝固剤を水に溶解して豆腐用凝固剤水溶液とし、これを水相とする。一方、ワックス及び/又は植物ステロール並びに油脂を、例えばそれらの融点まで加温して溶解し、これを油相とする。該油相をTKホモミクサー(プライミクス社製)又はクレアミックス(エムテクニック社製)等の高速回転式分散・乳化機を用いて高速(例えば、7000〜12000rpm)で攪拌しながら、ここに前記水相を徐々に加え、油相中に水相を均一に乳化分散して油中水型乳化組成物である豆腐用凝固剤製剤を得る。得られた豆腐用凝固剤製剤は、所望により水分除去工程に供し、濃縮や乾燥を行ってもよい。水分除去の方法は特に限定されないが、油脂劣化の影響が小さい減圧乾燥が好ましい。
なお、前記水相と油相との乳化分散処理工程は、ワックス及び/又は植物ステロールが油相中に均一に溶解した状態を保つ観点から、油相を例えば60〜70℃に調温して行うことが好ましいが、それより低い温度帯〔例えば、常温(25℃)等〕において、油相中のワックス及び/又は植物ステロールの一部が析出した状態で行ってもよい。また、乳化分散処理には、APVゴーリンホモジナイザー(APV社製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)、ナノマイザー(大和製罐社製)、HV−OA−07−1.5S(イズミフードマシナリ社製)等の高圧式均質化処理機、スタティックミキサー〔例えば、ノリタケカンパニーリミテド社製(型式:1−N33−131−F)、日本フローコントロール社製(型式:100−806)等〕やOHRミキサー(OHR流体工学研究所社製)等の静止型ミキサー、スリーワンモータ(新東科学社製)等のプロペラ式攪拌機を用いてもよい。
本発明の豆腐用凝固剤製剤の乳化粒子径としては、乳化粒子のメジアン径(体積基準)で、例えば0.1〜500μm、好ましくは0.1〜300μm、より好ましくは0.1〜100μm、さらに好ましくは0.1〜50μmの範囲が挙げられる。該乳化粒子径は、レーザー回折式粒度分布計により測定できる。
本発明の豆腐用凝固剤製剤100質量%中に占める水相と油相の割合はそれぞれの相の配合組成により異なるが、通常水相/油相で90/10〜10/90、好ましくは70/30〜40/60である。水相の割合が油相に対して多すぎると十分な遅効性を得ることができず、逆に油相の割合が多すぎると豆乳中に豆腐用凝固剤が分散しにくくなる。
本発明の豆腐用凝固剤製剤を添加して豆腐を製造する方法に特に制限はなく、常法に従って製造することができる。本発明の豆腐用凝固剤製剤を豆乳に分散する際に用いる攪拌機としては、バッチ式、連続式のいずれであってもよく、例えば、TKホモミクサー(プライミクス社製)又はクレアミックス(エムテクニック社製)等の高速回転式分散・乳化機のような強い撹拌力を有するものの他、スタティックミキサー〔例えば、ノリタケカンパニーリミテド社製(型式:1−N33−131−F)、日本フローコントロール社製(型式:100−806)等〕やOHRミキサー(OHR流体工学研究所社製)等の静止型ミキサー、スリーワンモータ(新東科学社製)等のプロペラ式攪拌機のような撹拌力が比較的弱いものを用いてもよい。
本発明の豆腐用凝固剤製剤の豆乳に対する添加量は、本発明の豆腐用凝固剤製剤中に含まれる豆腐用凝固剤が、該豆腐用凝固剤を通常豆乳に使用する量の範囲内で添加されるように調整すればよい。例えば、無機塩系凝固剤(無水物換算)であれば、豆乳100質量部に対して0.05〜0.5質量部の範囲である。
本発明の豆腐用凝固剤製剤は遅効性に優れるため、豆腐の製造において本発明の豆腐用凝固剤製剤を使用することにより、内相がきめ細かく均質な、舌触りや歯切れのよい豆腐を安定して製造できるようになると期待される。また、本発明の豆腐用凝固剤製剤はポリグリセリン脂肪酸エステルを必須成分としないため、撹拌力が比較的弱い攪拌機でも豆腐用凝固剤を豆乳中に均一に分散でき、設備面での制約が少ない。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[プロピレングリコール脂肪酸エステルの製造]
攪拌機、温度計、ガス吹き込み管及び水分離器を取り付けた20L容反応缶に、プロピレングリコール2700g、及びカプリン酸とラウリン酸からなる混合脂肪酸(カプリン酸とラウリン酸との混合比は、質量比で60:40)12300gを仕込み、窒素ガス気流中160〜220℃で、生成水を系外へ除去しながら6時間エステル化反応を行わせ、反応終了後、液温を235℃まで昇温し、減圧下(約3kPa)で脱酸処理し、酸価を8以下にした。得られた反応液を遠心式分子蒸留機に供給し、温度140〜190℃にて、圧力80Paの真空条件下で、残留する脂肪酸及びプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルを留去し、さらに温度210℃にて、圧力30Paの条件下で蒸留し、留分としてプロピレングリコール脂肪酸エステル(試作品)約3300gを得た。該留分の酸価は0.6で、プロピレングリコールジ脂肪酸エステルを約95%以上含有していた。
[豆腐用凝固剤製剤の調製]
(1)原材料
1)塩化マグネシウム(商品名:ホワイトにがり;塩化マグネシウム6水和物;鳴門塩業社製)
2)菜種白絞油(ボーソー油脂社製)
3)コメサラダ油(ボーソー油脂社製)
4)中鎖脂肪酸トリグリセリド(商品名:アクターM−1;理研ビタミン社製)
5)プロピレングリコール脂肪酸エステル(試作品)
6)コメヌカロウ(商品名:精製ライスワックスS−100;横関油脂工業社製)
7)キャンデリラロウ(商品名:精製キャンデリラワックスMK−2;横関油脂工業社製)
8)ミツロウ(商品名:精製ミツロウCY−100;横関油脂工業社製)
9)カルナウバロウ(商品名:精製カルナウバワックスNo.1;セラリカNODA社製)
10)ヒマワリ種子ロウ(商品名:精製ヒマワリワックス;横関油脂工業社製)
11)植物ステロール(商品名:理研植物ステロール;シトステロール等混合物;理研ビタミン社製)
(2)豆腐用凝固剤製剤の配合
上記原材料を用いて調製した豆腐用凝固剤製剤(以下、単に「製剤」ともいう)の配合組成を表1に示した。この内、製剤1〜14は本発明に係る実施例であり、製剤15及び16はそれに対する比較例である。なお、各製剤は原材料の合計が200gとなる分量で調製した。
Figure 2017012090
(3)豆腐用凝固剤製剤の製造方法
<製剤1〜13及び15の製造方法>
表1に示した配合割合に基づき、塩化マグネシウム及び水を混合して溶解し、これを水相とした。一方、300mL容ガラス製ビーカーに残りの原材料を全て入れ、原材料が溶解するまで加温しながらガラス棒で撹拌し、これを油相とした。該油相を60〜70℃に調温し、TKホモミクサー(プライミクス社製)を用いて8000rpmで撹拌しながら、これに水相を徐々に加えた後、8000rpmで10分間撹拌を行い、均一に乳化分散した。得られた乳化物を室温まで冷却し、製剤1〜13及び15各200gを得た。
<製剤14及び16の製造方法>
表1に示した配合割合に基づき、塩化マグネシウム及び水を混合して溶解し、これを水相とした。一方、300mL容ガラス製ビーカーに残りの原材料を全て入れ、原材料が溶解するまで加温しながらガラス棒で撹拌し、これを油相とした。該油相を室温まで冷却し、TKホモミクサー(プライミクス社製)を用いて8000rpmで撹拌しながら、これに水相を徐々に加えた後、8000rpmで10分間撹拌を行い、均一に乳化分散して製剤14及び16各200gを得た。
[遅効性評価試験]
生大豆8kgを30kgの水道水に14時間浸漬し、水切りした。水切り後の浸漬大豆に全量が40kgとなるように水を加えながら、グラインダーで浸漬大豆を摩砕し、「呉」を調製した。「呉」を煮釜に入れ加熱し、102℃に到達後30秒間蒸煮した。蒸煮後の「呉」を脱水機(型式:アトムMTS−SP1;丸井工業社製)を用いて豆乳とおからに分離し、豆乳を得た。なお、摩砕から蒸煮までの一連の操作は、小型豆乳プラント(ミニホープS;高井製作所社製)を用いて実施した。
次いで、前述の操作により得られた豆乳400gを500mLビーカーに秤量し、80℃に調温した。これに製剤1〜16を各1.0質量部添加した後、クレアミックス(型式:CLM−0.8S;エムテクニック社製)を用いて4000rpmで混合・分散し、製剤を添加してから豆乳の凝固が始まるまでの時間を凝固開始時間として記録した。結果を表2に示す。
Figure 2017012090
表2の結果から明らかなように、本発明の実施例である製剤1〜14は、油相にワックス、植物ステロールのいずれも含有しない比較例である製剤15及び16に比べ凝固開始時間が遅く、遅効性に優れていた。

Claims (2)

  1. 豆腐用凝固剤を含有する水相と、ワックス及び/又は植物ステロールを含有する油相とを乳化してなる油中水型乳化組成物であることを特徴とする豆腐用凝固剤製剤。
  2. ワックスがコメヌカロウ、キャンデリラロウ、ミツロウから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の豆腐用凝固剤製剤。
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